(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電磁弁通電表示装置
(51)【国際特許分類】
F16K 37/00 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
F16K37/00 D
(21)【出願番号】P 2021189555
(22)【出願日】2021-11-22
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591053786
【氏名又は名称】日電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 雄介
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05287087(US,A)
【文献】米国特許第03028587(US,A)
【文献】特開2012-167732(JP,A)
【文献】特開平07-113479(JP,A)
【文献】特開平11-108232(JP,A)
【文献】特開2000-291825(JP,A)
【文献】実開昭60-170779(JP,U)
【文献】特開昭58-072784(JP,A)
【文献】特開昭60-026867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/06 - 31/11
F16K 37/00
H01F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に沿って配置される固定鉄心および可動鉄心と、前記固定鉄心および前記可動鉄心の周囲に配置される励磁コイルとを含むソレノイド部を有する電磁弁に対応し、
前記ソレノイド部の軸方向の端面側に着脱可能に配置されて前記励磁コイルに通電されていることを表示する電磁弁通電表示装置であって、
前記ソレノイド部の軸方向の端面側に対向される対向部を有する筐体と、
前記筐体の前記対向部に設けられて前記励磁コイルの軸方向に配置され、前記励磁コイルへの通電で発生する磁束により起電力が発生する検出コイルと、
前記検出コイルの内側に配置され、端面部が前記筐体の前記対向部から外側に突出して配置される円柱状の鉄心部材と、
前記検出コイルの両端に直列に接続される発光素子を有し、前記検出コイルに発生する起電力によって前記発光素子が点灯する表示部と
を備えることを特徴とする電磁弁通電表示装置
。
【請求項2】
前記鉄心部材は、前記筐体に着脱可能に配置され
る
ことを特徴とする請求項
1記載の電磁弁通電表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記筐体の前記対向部を有する一端側に対して反対の他端側に設けられている
ことを特徴とする請求項1
または2記載の電磁弁通電表示装置。
【請求項4】
前記筐体の中心軸を中心として前記検出コイルが配置されているとともに、前記筐体の前記中心軸上に前記鉄心部材と前記表示部とが配置されている
ことを特徴とする請求項3記載の電磁弁通電表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁に通電されているか確認するための電磁弁通電表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体制御に使用する電磁弁は、ソレノイド部とバルブ部に分かれており、ソレノイド部の励磁コイルに電圧を印加し、磁化された固定鉄心へ向けてプランジャーと呼ばれる可動鉄心が移動することで、バルブ部の弁オリフィスを開閉する機器である。
【0003】
電磁弁は、一部の機種を除き、励磁コイルに通電されているか否かを目視によって確認することができない。電磁弁の通電確認は、電磁弁を搭載したエアコン室外機やボイラー、油圧機器などの試運転時や保守メンテナンス時に、電磁弁に正しく通電されているか、あるいは誤配線していないかなど、機器の品質維持管理上重要な確認事項である。
【0004】
従来、電磁弁に配置し、ソレノイド部の励磁コイルに通電されているか確認するための表示装置が知られている。この表示装置は、ソレノイド部の径方向の周囲に検出コイルを配置し、励磁コイルへの通電で発生する磁束により検出コイルに起電力が発生し、この起電力を増幅回路や点滅回路、あるいは検出回路などの回路で処理し、発光部を点灯または点滅させている。さらに、回路を動作させたり発光部を点灯または点滅させるために、電池などの電源を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-167732号公報
【文献】特開平7-113479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の装置では、電磁弁のソレノイド部の径方向の周囲に検出コイルを配置するため、大形化し、さらに、検出コイルで発生する起電力を処理するための回路を用いているとともに、この回路を動作させたり表示させるための電池などの電源を用いる必要があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、小形かつ電源不要で電磁弁の通電確認ができる電磁弁通電表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、軸方向に沿って配置される固定鉄心および可動鉄心と、前記固定鉄心および前記可動鉄心の周囲に配置される励磁コイルとを含むソレノイド部を有する電磁弁に対応し、前記ソレノイド部の軸方向の端面側に着脱可能に配置されて前記励磁コイルに通電されていることを表示する電磁弁通電表示装置であって、前記ソレノイド部の軸方向の端面側に対向される対向部を有する筐体と、前記筐体の前記対向部に設けられて前記励磁コイルの軸方向に配置され、前記励磁コイルへの通電で発生する磁束により起電力が発生する検出コイルと、前記検出コイルの内側に配置され、端面部が前記筐体の前記対向部から外側に突出して配置される円柱状の鉄心部材と、前記検出コイルの両端に直列に接続される発光素子を有し、前記検出コイルに発生する起電力によって前記発光素子が点灯する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小形かつ電源不要で電磁弁の通電確認ができる電磁弁通電表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す電磁弁通電表示装置、および通電状態の電磁弁の断面図である。
【
図2】同上電磁弁通電表示装置、および非通電状態の電磁弁の断面図である。
【
図3】同上電磁弁通電表示装置を電磁弁に配置した状態での模式図である。
【
図4】同上電磁弁通電表示装置および電磁弁の断面図である。
【
図5】同上電磁弁通電表示装置を電磁弁に配置した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
【0013】
電磁弁10は、バルブ部11と、このバルブ部11を動作させるソレノイド部12とを備えている。
【0014】
バルブ部11は、流体が流通する第1の流路13および第2の流路14を有する弁本体15と、この弁本体15の第1の流路13と第2の流路14とを連通する弁オリフィス16と、弁本体15にソレノイド部12を取り付ける弁カバー17と、などを備えている。
【0015】
ソレノイド部12は、弁カバー17に一端側が固定され、弁オリフィス16に対して同軸上に配置されるスリーブ18と、このスリーブ18の他端側に固定された固定鉄心19と、スリーブ18内に配置され、弁オリフィス16と固定鉄心19との間で軸方向に移動するプランジャーである可動鉄心20と、この可動鉄心20の一端側に配置され、弁オリフィス16を開閉する弁体21と、固定鉄心19と可動鉄心20との間に配置され、可動鉄心20を弁オリフィス16へ向けて付勢するコイルスプリング22と、スリーブ18の周囲つまり固定鉄心19および可動鉄心20の周囲に配置されたソレノイドである励磁コイル23と、ソレノイド部12を覆うハウジング24と、を備えている。
【0016】
固定鉄心19の他端側にはハウジング24から突出するねじ軸である連結部25が設けられている。この連結部25にワッシャ26を介して螺合される磁性体であるナット27により、ハウジング24が固定鉄心19に固定されている。したがって、ソレノイド部12の軸方向の端面12a(ハウジング24の軸方向の他面)からナット27が突出されている。なお、ハウジング24を固定鉄心19に固定する固定部材としては、ナット27の他、ハウジング24を介して固定鉄心19に螺合される磁性体であるボルトを用いる場合もある。この場合、ソレノイド部12の軸方向の端面12aからボルトの頭部が突出される。
【0017】
ソレノイド部12は、中心軸Z1を有し、この中心軸Z1上に固定鉄心19、可動鉄心20およびナット27が配置されているとともに、中心軸Z1を中心として励磁コイル23が配置されている。
【0018】
そして、電磁弁10は、励磁コイル23に交流電源E(
図3参照)からの交流電力が通電されて動作する。
【0019】
また、
図1および
図2に電磁弁通電表示装置30の一例を示す。
【0020】
電磁弁通電表示装置30は、電磁弁10のソレノイド部12の軸方向の端面12aに着脱可能に配置され、電磁弁10の励磁コイル23に通電されていることを表示する。
【0021】
電磁弁通電表示装置30は、筐体31と、検出コイル32と、表示部33とを備えている。
【0022】
筐体31は、外装をなすもので、耐熱性および透磁性に優れた例えば樹脂製で円筒状に設けられている。筐体31の軸方向の一方の端面側には、ソレノイド部12の軸方向の端面12aに対向される対向部34と、この対向部34の中央にソレノイド部12の軸方向の端面側から突出するナット27(またはボルトの頭部)を収容可能とする凹部35とを有している。筐体31の対向部34とは反対の他方の端面側は、例えば円錐形に形成されており、中央の頂部に表示部33が配置されている。
【0023】
凹部35は、対向部34に開口された円筒状に形成されている。凹部35の内径は、ナット27の最大外径よりも大きく、かつ、凹部35の軸方向の高さは、ソレノイド部12の軸方向の端面12aからのナット27の最大高さよりも高く、凹部35内にナット27を収容可能とする。
【0024】
筐体31は、中心軸Z2を有し、この中心軸Z2上に凹部35が配置されているとともに、中心軸Z2を中心として検出コイル32が配置されている。
【0025】
検出コイル32は、筐体31内で、凹部35の周囲に配置されている。検出コイル32は、円筒状のコイルボビン36に銅線である巻線が所定数巻回されて形成されている。コイルボビン36は、筐体31に組み込まれることにより、筐体31の一部を構成するものであってもよく、筐体31の対向部34および凹部35を形成するものであってもよい。
【0026】
検出コイル32の内径は、ソレノイド部12(ハウジング24)の外径よりも小さい関係にある。そのため、検出コイル32は、ソレノイド部12(ハウジング24)の周囲に配置されることはなく、凹部35をナット27に被せて電磁弁通電表示装置30を電磁弁10に配置した装着状態で、励磁コイル23の軸方向に配置される。
【0027】
表示部33は、筐体31の軸方向の他端側に配置され、電磁弁10の励磁コイル23に通電されていることを点灯表示する。表示部33は、筐体31の軸方向の他端側の中央で、筐体31の軸方向の他端側から突出するように配置されている。
【0028】
また、
図3に電磁弁通電表示装置30を電磁弁10に配置した状態での模式図を示す。
【0029】
表示部33には、発光素子として例えば発光ダイオードであるLED37が含まれる。LED37は、近年開発されている高輝度タイプや大型の形状のものを使用することで視認性にも配慮することが好ましい。
【0030】
LED37のアノードおよびカソードは、検出コイル32の両端に直列に接続されている。LED37のアノードと検出コイル32との間には、検出コイル32に発生する起電力の電圧値が高くなりすぎてLED37に流れる電流値が所定の許容電流値を超えないように制限するための定電流ダイオード38が接続されている。LED37のカソードと検出コイル32との間には、LED37に逆バイアスによる逆方向電流が流れないようにするための整流ダイオード39が接続されている。これら定電流ダイオード38および整流ダイオード39は、LED37とともに筐体31内に配置されている。
【0031】
そして、凹部35をナット27に被せて電磁弁通電表示装置30を電磁弁10に配置した装着状態では、全て磁性体である固定鉄心19と可動鉄心20とナット27とを1つの鉄心40としてみなすことが可能となり、この鉄心40の一端側に励磁コイル23が配置され、他端側に検出コイル32が配置されることになる。電磁弁通電表示装置30は、検出コイル32に発生する起電力のみを電源とし、電池などの別の電源は必要とせず、電磁弁10の通電確認を可能としている。
【0032】
次に、電磁弁通電表示装置30の使用方法を説明する。
【0033】
電磁弁通電表示装置30をソレノイド部12の軸方向の端面12aに配置する。すなわち、電磁弁通電表示装置30の凹部35をソレノイド部12の軸方向の端面12aから突出するナット27に被せるようにして、筐体31の対向部34をソレノイド部12の軸方向の端面12aに当接するように配置する。
【0034】
凹部35をナット27の周囲に被せることにより、電磁弁通電表示装置30とソレノイド部12との径方向の位置が位置決めされ、電磁弁通電表示装置30の中心軸Z2とソレノイド部12の中心軸Z1とが一致または略一致する。
【0035】
検出コイル32が励磁コイル23の軸方向に配置され、この検出コイル32の内側にナット27および固定鉄心19の一部が配置される。
【0036】
そして、
図2に示すように、電磁弁10の励磁コイル23に通電されていない場合、コイルスプリング22の付勢によって可動鉄心20が固定鉄心19から離反し、可動鉄心20の弁体21が弁オリフィス16に接触して閉塞し、第1の流路13と第2の流路14とを遮断している。
【0037】
電磁弁10の励磁コイル23に通電されていない状態では、電磁弁通電表示装置30の検出コイル32には起電力が発生せず、表示部33は消灯した状態にある。
【0038】
また、
図1に示すように、電磁弁10の励磁コイル23に交流電源Eからの交流電力が通電された場合、励磁コイル23によって磁束fが発生し、可動鉄心20がコイルスプリング22の付勢に抗して固定鉄心19側に移動して接触し、弁オリフィス16が開放され、第1の流路13と第2の流路14とが流通する。
【0039】
図3に示したように、磁性体である固定鉄心19と可動鉄心20とナット27とは1つの鉄心40としてみなすことが可能となり、この鉄心40の一端側に励磁コイル23が配置され、他端側に検出コイル32が配置されることになる。
【0040】
そのため、励磁コイル23によって発生する磁束fは鉄心40を通り、この鉄心40を介した相互誘導によって検出コイル32に起電力が発生する。検出コイル32で発生した起電力がLED37に供給されることにより、LED37が点灯し、電磁弁10の励磁コイル23に通電されていることを表示する。
【0041】
このとき、定電流ダイオード38により、検出コイル32に発生する起電力の電圧値が高くなりすぎてLED37に流れる電流値が所定の許容電流値を超えないように制限する。また、検出コイル32に発生する起電力は交流電圧であるため、整流ダイオード39により、LED37に逆バイアスによる逆方向電流が流れないようにする。
【0042】
そして、検出コイル32で発生する起電力の電圧値は、励磁コイル23と検出コイル32との巻線比で決まるとともに鉄心40を介して効率よく相互誘導がなされるため、漏れ磁束などの影響はあるものの比較的大きな電圧が検出コイル32で発生する。そのため、LED37の点灯には、微弱な電圧を増幅させる回路や、この回路の駆動用および表示用の電力を供給する電池などの電源は不要である。なお、検出コイル32は、様々な種類の電磁弁10に対応すべく、巻線の巻き数は極力多い方が望ましい。
【0043】
このように、電磁弁通電表示装置30の表示部33の点灯および消灯によって、電磁弁10の通電、非通電を確認できる。
【0044】
また、
図4および
図5に示すように、電磁弁10には、ナット27やボルトを用いず、固定鉄心19に取り付けられる例えばEリングやCリングなどの固定リング42によってハウジング24を固定鉄心19に固定している構成がある。この構成の場合、固定鉄心19の平坦な端面部19aがソレノイド部12の軸方向の端面12aから突出するが、ナット27やボルトのように大きく突出することはない。
【0045】
この電磁弁10の場合、電磁弁通電表示装置30では、磁性体で構成された鉄心部材43を用い、この鉄心部材43を凹部35に配置して組み合わせる。鉄心部材43は、円柱状の鉄心本体部44と、この鉄心本体部44の一端側のフランジ部45とを有している。フランジ部45が設けられている鉄心部材43の一端側の端面部46は平坦状に設けられている。
【0046】
そして、この電磁弁10に電磁弁通電表示装置30を使用する際には、
図4に示すように、筐体31に鉄心部材43を組み合わせる。すなわち、鉄心本体部44を筐体31の凹部35に挿入し、フランジ部45を筐体31の対向部34に当接する状態に組み合わせる。
【0047】
図5に示すように、筐体31と組み合わせた鉄心部材43の一端側の端面部46を固定鉄心19の端面部19aに配置する。鉄心部材43の端面部46と固定鉄心19の端面部19aとは、それぞれ平坦面であり、互いに面接触するように配置される。
【0048】
これにより、鉄心部材43が固定鉄心19の軸方向に並び、固定鉄心19と可動鉄心20と鉄心部材43とが一連に連なって、
図3に示すように、1つの鉄心40としてみなすことが可能となり、この鉄心40の一端側に励磁コイル23が配置され、他端側に検出コイル32が配置されることになる。さらに、検出コイル32が励磁コイル23の軸方向に配置され、この検出コイル32の内側に鉄心40の一部が配置されることになる。
【0049】
そして、電磁弁10の励磁コイル23に交流電源Eからの交流電力が通電された場合、上述したように、励磁コイル23によって発生する磁束fは鉄心40を通り、この鉄心40を介した相互誘導によって検出コイル32に起電力が発生する。検出コイル32で発生した起電力がLED37に供給されることにより、LED37が点灯し、電磁弁10の励磁コイル23に通電されていることを表示する。
【0050】
なお、鉄心部材43を用いずに電磁弁通電表示装置30を固定鉄心19の端面部19aに配置した場合、検出コイル32が空芯コイルとして機能することにより、励磁コイル23によって発生する磁束fによって検出コイル32に起電力が発生し、LED37が点灯するが、検出コイル32に発生する起電力が小さい場合もあるため、電磁弁10の通電確認を正確に行うためには、検出コイル32に比較的大きい起電力が発生することが可能な鉄心部材43を用いることが好ましい。
【0051】
また、筐体31に鉄心部材43を着脱可能とすることで、1つの筐体31でナット27またはボルトを有する電磁弁10とナット27またはボルトを有さない電磁弁10とに対応することができるが、筐体31の検出コイル32の内側に鉄心部材43が着脱不可に配置された一体型とし、ナット27またはボルトを有さない電磁弁10に専用の電磁弁通電表示装置30に構成してもよい。
【0052】
以上のように、電磁弁通電表示装置30では、ソレノイド部12の軸方向の端面12aに対向される筐体31の対向部34に検出コイル32が設けられるため、この検出コイル32が励磁コイル23の軸方向に配置され、励磁コイル23への通電で発生する磁束により検出コイル32に比較的大きな起電力が発生し、この起電力によって表示部33を点灯させることができ、小形および軽量で携帯性に優れ、電源不要で電池切れが生じたり電池交換の手間を省くことができる。
【0053】
また、筐体31の凹部35にソレノイド部12の軸方向の端面12aから突出するナット27またはボルトが収容され、この凹部35の周囲に検出コイル32が配置されるため、固定鉄心19と可動鉄心20とナット27とで1つみなされる鉄心40の一端側に励磁コイル23が配置され、他端側に検出コイル32が配置されることで、励磁コイル23によって発生する磁束fが鉄心40を通り、この鉄心40を介した相互誘導によって検出コイル32に比較的大きな起電力が発生し、この起電力によって表示部33を点灯させることができる。
【0054】
しかも、筐体31の凹部35をソレノイド部12の軸方向の端面12aから突出するナット27またはボルトに被せることで、筐体31とソレノイド部12とを互いに位置決めでき、検出コイル32を励磁コイル23の軸方向に配置できる。
【0055】
また、検出コイル32の内側に鉄心部材43が配置されることで、ナット27またはボルトを有さない電磁弁10に対応することができる。
【0056】
しかも、筐体31の凹部35に鉄心部材43を着脱可能とすることで、1つの筐体31でナット27またはボルトを有する電磁弁10とナット27またはボルトを有さない電磁弁10とに対応することができる。
【0057】
また、検出コイル32の内径は、ソレノイド部12(ハウジング24)の外径よりも小さい関係にあるため、検出コイル32がソレノイド部12(ハウジング24)の周囲に配置されることがなく、検出コイル32を励磁コイル23の軸方向に配置できる。
【0058】
以上、本発明の実施の形態およびその変形例について説明したが、種々の構成の組み合わせ、一部の省略、置き換えおよび変更も可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 電磁弁
12 ソレノイド部
19 固定鉄心
20 可動鉄心
23 励磁コイル
27 ナット
30 電磁弁通電表示装置
31 筐体
32 検出コイル
33 表示部
34 対向部
37 発光素子としてのLED
43 鉄心部材
46 端面部
f 磁束
Z2 中心軸