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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】マルチチャンバ太陽集熱器
(51)【国際特許分類】
   F24S 70/65 20180101AFI20240816BHJP
   F24S 50/40 20180101ALI20240816BHJP
   F24S 80/30 20180101ALI20240816BHJP
   F24S 80/60 20180101ALI20240816BHJP
   F24D 11/00 20220101ALI20240816BHJP
【FI】
F24S70/65
F24S50/40
F24S80/30
F24S80/60
F24D11/00 B
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021547552
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 AU2020050121
(87)【国際公開番号】W WO2020163914
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】2019900463
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2019901056
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】521357995
【氏名又は名称】ワージントン リチャード ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】ワージントン リチャード ジョン
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0259006(US,A1)
【文献】国際公開第2011/057747(WO,A2)
【文献】米国特許第04474169(US,A)
【文献】特開昭57-092650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24S 70/65
F24S 50/40
F24S 80/60
F24S 80/30
F24D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽エネルギーを使用して流体を加熱するための装置であって、以下を含む装置:
(i)流体源、
(ii)第1チャンバであって、流体源から第1チャンバへ流体が実質的に一方向に移動できるように構成された、第1の制御可能なバルブを有する流体入口を含む第1チャンバ、
(iii)第2チャンバであって、第2チャンバ内の流体をさらに別のチャンバまたは装置の外部へ制御された移動を可能にするように構成された、第2の制御可能なバルブを有する流体出口を含む第2チャンバ、および
(iv)第1チャンバから第2チャンバへ流体が実質的に一方向に制御されて移動できるように構成された、第3の制御可能なバルブを有する第1および第2チャンバ間の流体接続部、
ここで、第1および第2のチャンバそれぞれは実質的に流体密であり、その中で流体を加熱する太陽集熱器として構成されており、本装置は、動作中に太陽の光が入射している際、第1および第2チャンバそれぞれで流体が加熱され、流体の圧力の上昇に伴い、第1チャンバから第2チャンバへ、および第2チャンバからさらなるチャンバまたは装置外部へと、流体が実質的に一方向に制御されて移動するように構成されており、
そして、本装置は、動作中に、第2チャンバが別のチャンバまたは装置外部に流体を供給した後に、第2チャンバが第1チャンバからの流体の受け入れを開始するように、前記第1および第3の制御可能なバルブが、互いに調整されて、かつ断続的に開閉する第2の制御可能なバルブと調整されて、断続かつ自動的に開閉するように構成されており、
動作中に、第2チャンバから別のチャンバまたは装置外部への流体の移動により、第2チャンバは、それの熱エネルギーの一部、すなわち、それの失われた流体内に保持されていた部分を失い、
第1チャンバから第2チャンバへの流体の移動により、第2チャンバは、それが受け入れた流体内に保持されていた、それの失った熱エネルギーの一部を取り戻し、第1チャンバは、それの熱エネルギーのその部分、すなわち、それの失われた流体内に保持されていた部分を失い、
流体源から第1チャンバへの流体の移動により、第1チャンバは、それが受け入れた流体内に保持されていた、それの失った熱エネルギーの一部を取り戻し、および
第2チャンバ内の熱エネルギーの再分散および第1チャンバ内の熱エネルギーの再分散により、第2チャンバは、第1チャンバよりも高温の流体を含む。
【請求項2】
第2チャンバの出口は、第2チャンバからさらなるチャンバへまたは第2チャンバ外部へ流体が実質的に一方向に移動できるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第2チャンバの流体出口は、ソフトウェア命令の下で機能するプロセッサによって制御可能であるように構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
第2チャンバの流体出口は、第1チャンバから、第2チャンバへ、そして第2チャンバの外部への流体の移動を本質的に制御するように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
第1チャンバ内の流体の圧力、第1チャンバ内の流体の温度、第2チャンバ内の流体の圧力、第2チャンバ内の流体の温度、装置外部の流体の温度、および装置外部の流体の圧力のうちの任意の1つまたは複数の情報を感知するように構成された1つまたは複数のセンサを備え、センサは第2チャンバの流体出口と操作可能に接続されていて、1つまたは複数のセンサが1つまたは複数の所定の温度および/または圧力を感知すると、上記出口が第1の流体流状態から第2の流体流状態に移動可能である、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
第1または第2の流体流状態は、独立してゼロ流体流、最大流体流、または中間流体流である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
第1および第2チャンバは、加圧流体を収容するように構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
第1および第2チャンバはそれぞれ、チャンバ壁への太陽放射の入射、またはチャンバ内の放射吸収体への太陽放射の入射のいずれかを介して、内部の流体を加熱するように構成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
第1および第2チャンバのそれぞれの内部に太陽放射吸収体を備え、第1および第2チャンバそれぞれは、入射太陽放射がチャンバの内部を通過して太陽放射吸収体上に入射することを可能にする壁または壁部分を備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
太陽放射吸収体は、入射太陽放射を受け取るために利用可能な表面積を増加させるように、回旋状表面を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第1および第2チャンバは、(i)互いに、および(ii)環境から熱的に隔離される、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
第1および第2チャンバ内に流体を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
流体は、ガスまたは液体である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第1および第2チャンバ内の流体が加熱されおよび超大気圧まで加圧されるような太陽放射にさらされた後、かつ第2チャンバ内の加熱された流体の一部が第2チャンバの流体出口を介してそこから出ることが可能とされたときに、第2チャンバ内に残っている流体が第1チャンバ内の流体よりも速い速度で太陽放射によって加熱されるように構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
チャンバの連鎖を形成するために第1および第2チャンバの間に配置された1つまたは複数の中間チャンバを備え、連鎖の第1チャンバから連鎖の最後のチャンバへの流体経路を画定し、中間チャンバのそれぞれは連鎖の隣接するチャンバと流体接続しており、流体接続によって、第1チャンバから中間チャンバの連鎖へおよび中間チャンバの連鎖から第2チャンバへ、流体が実質的に一方向に連続的に移動可能である、請求項1~14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
1つ以上の中間チャンバのいずれかまたは全てが、請求項1~14のいずれか1項に記載の第1または第2チャンバについて規定された特徴を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
第1および第2チャンバ、ならびに任意の中間チャンバは互いに実質的に同一であるように成形および/または寸法決めされる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
流体を加熱するシステムであって、請求項1~17のいずれか1項に記載の装置の第1チャンバの流体入口と流体接続している流体源を備えるシステム。
【請求項19】
加熱された流体は、第2チャンバの出口から引き出され、直接使用されるかまたは間接的に使用され、その場合、システムは熱交換器をさらに含み、システムは、第2チャンバの出口から引き出された加熱された流体が熱交換器に搬送され、それと接触している第2の流体を加熱するために使用されるように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
請求項1~17のいずれか1項に記載の装置である第1のサブシステムと、第2チャンバの出口を出た流体中に存在する熱エネルギーまたは運動エネルギーを直接的または間接的に利用するように構成された仕事出力要素である第2のサブシステムとを備える、仕事を実行するためのシステム。
【請求項21】
前記制御可能なバルブが、ソフトウェア命令の下で機能するプロセッサによって制御可能であるように構成される、請求項1~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
ポンプを使用して装置内の圧力を上昇させる、請求項1~17のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]. 本発明は、液体水または空気などの流体を加熱するタイプの太陽集熱器に関する。加熱された流体は、直接的に(例えば、居室または家庭用温水を加熱するために)、または間接的に(例えば、タービンを駆動することによって機械的仕事を行うために)使用することができる。
【背景技術】
【0002】
[002]. 太陽放射からの熱エネルギーの収穫には多くの工夫が知られている。典型的には、細長い管状の太陽光吸収体は、ある種の熱伝達媒体がその吸収体の管腔を通過する間、太陽光に曝される。吸収体は、熱エネルギーが捕捉されかつ管腔を通過する媒体に運ばれるように、典型的には金属色および暗色である。したがって、吸収体を通過する媒体は、加熱され、吸収体から出ると任意の適切な目的のために使用することができる。
【0003】
[003]. 熱伝達媒体は、空気または水であってもよく、これは、加熱された形態でタービンを駆動して電気を生成するために使用することができる。あるいは、加熱された空気または水が直接使用されてもよい。例えば、加熱された空気は、工業的な乾燥プロセスにおいて、または部屋を加熱するために家庭において使用され得る。太陽熱水は、家庭用シャワーで直接使用されてもよいし、工業プロセスにおける溶媒として使用されてもよい。
【0004】
[004]. いくつかの構成では、熱伝達媒体は、システム全体にわたって再循環される油であってもよく、熱は再循環システムの1つの部分の媒体から取り出され、また熱は太陽集熱装置によって付加される。
【0005】
[005]. 当技術分野には、その媒体がしばしば、意図された目的のために充分に高い温度に加熱されないという問題が存在する。場合によっては、欠点が装置自体の限界から生じる。例えば、吸収され得る太陽放射量は、放物面鏡の大きさまたは吸収体壁の準最適熱伝達特性のために制限され得る。他の状況では、雲量または上空の太陽の低い角度に起因して利用可能な太陽放射のレベルが低いために欠点が生じる。
【0006】
[006]. 流体排出物の温度を上昇させるために、ガス燃焼または電動ヒータのような補助的な加熱手段が必要とされ得る。もちろん、これらは設備の費用を増加させ、好ましくは回避される。
【0007】
[007]. あるいは、かなりの大きさの放物面鏡を使用して、より大量の太陽放射を吸収体上に集中させてもよい。より大きな鏡は、製造するのにより高価であり、より多くの空間を占め、風の作用に対して安定化するために広範囲の支持フレームワークを必要とする。この戦略の延長として、吸収体への熱伝達媒体のより長い接触期間を提供するように、吸収管を長くすることができる。
【0008】
[008]. さらなる代替として、熱伝達媒体の流速は、吸収体を通して遅くすることができる。この戦略はある時点まで有効であるが、状況によってはこのような減速は、依然として、流体の温度を必要な温度まで上昇させるのに不充分であり得る。
【0009】
[009]. もちろん、不充分な加熱の問題は、多くの他のタイプの太陽集熱器で生じる。更なる例は、家庭の屋根に取り付けられた家庭用温水システムのものである。これらのシステムでは、多数の吸収管が浅い長方形のハウジング内に互いに平行に配置される。あるいは、吸収体がプレートの形態であってもよい。理解されるように、これらのシステムに太陽放射を集中させるための曲面反射器が何らないことは、比較的低い水出力温度をもたらす。従って、水出力は、家庭内で使用するための最小許容温度(典型的には60℃)まで加熱されるのが典型的である。したがって、家庭用太陽熱温水システムはある程度のエネルギーコストを節約できるが、出力水温を上げることができれば、これらのシステムは大幅に改善される可能性がある。
【0010】
[010]. 本発明の一態様は、出力流体の温度を上昇させるように、従来技術の太陽集熱器に改善を提供することである。本発明のさらなる態様は、従来技術の太陽集熱器の有用な代替物を提供することである。
【0011】
[011]. 文書、行為、材料、装置、物品などの議論は、本発明のための文脈を提供する目的のみのために本明細書に含まれる。これらの事項の一部または全部が、本願の各仮請求項の優先日前に存在したような本発明に関連する分野における先行技術の基礎の一部を形成し、または一般的な知識であったことを示唆または表明するものではない。
【発明の概要】
【0012】
[012]. 必ずしも最も広い実施形態ではないが、一実施形態では、本発明は、太陽エネルギーを使用して流体を加熱する装置を提供し、この装置は以下を含む:(i)流体源、(ii)第1チャンバであって、流体源から第1チャンバへ流体が実質的に一方向に移動できるように構成された流体入口を含む第1チャンバ、(iii)第2チャンバであって、第2チャンバ内の流体をさらに別のチャンバまたは装置の外部へ制御された移動を可能にするように構成された流体出口を含む第2チャンバ、および(iv)第1チャンバから第2チャンバへ流体が実質的に一方向に移動できるように構成された第1および第2チャンバ間の流体接続部、ここで、第1および第2のチャンバそれぞれは実質的に流体密であり、その中で流体を加熱する太陽集熱器として構成されており、本装置は、使用中に太陽の光が均一に入射している際、第1および第2チャンバそれぞれで流体が加熱され、流体の熱膨張に伴い、第1チャンバから第2チャンバへ、および第2チャンバからさらなるチャンバまたは装置外部へと、流体が実質的に一方向に制御されて移動するように構成されており、そして、第2チャンバが第1チャンバからの流体の受け入れを開始したときには、第2チャンバはすでに別のチャンバまたは装置外部に流体を供給しており、第1チャンバから第2チャンバへの流体の移動により、第1チャンバは、その中の流体が保持する熱エネルギーの一部を第2チャンバに提供し、第2チャンバでは流体の獲得により熱エネルギーが増加し、かつ第1チャンバでは流体の損失によりエネルギーが奪われることにより、第2チャンバは、第1チャンバよりも高温の流体を含む。
【0013】
[013]. 第1の態様の一実施形態では、第2チャンバの出口は、第2チャンバからさらなるチャンバまたは第2チャンバ外部へ流体が実質的に一方向に移動できるように構成される。
【0014】
[014]. 第1の態様の一実施形態では、第2チャンバの流体出口は、人間のユーザまたはソフトウェア命令の下で機能するプロセッサによって制御可能であるように構成される。
【0015】
[015]. 第1の態様の一実施形態では、第2チャンバの流体出口は、第1チャンバから第2チャンバの外部への流体の移動を本質的に制御するように構成される。
【0016】
[016]. 第1の態様の一実施形態では、装置は、第1チャンバ内の流体の圧力(またはその代用)、第1チャンバ内の流体の温度(またはその代用)、第2チャンバ内の流体の圧力(またはその代用)、第2チャンバ内の流体の温度(またはその代用)、装置外部の流体の温度(またはその代用)、および装置外部の流体の圧力(またはその代用)のうちの任意の1つまたは複数を感知するように構成された1つまたは複数のセンサを備え、センサは第2チャンバの流体出口と操作可能に接続されていて、1つまたは複数のセンサが1つまたは複数の所定の温度および/または圧力を感知すると、上記出口が第1の流体流状態から第2の流体流状態に移動可能である。
【0017】
[017]. 第1の態様の一実施形態では、第1または第2の流体流状態は、独立してゼロ流体流、最大流体流、または中間流体流である。
【0018】
[018]. 第1の態様の一実施形態では、第1および第2チャンバは、加圧流体を収容するように構成される。
【0019】
[019]. 第1の態様の一実施形態では、第1および第2チャンバはそれぞれ、チャンバ壁への太陽放射の入射、またはチャンバ内の放射吸収体への太陽放射の入射のいずれかを介して、内部の流体を加熱するように構成される。
【0020】
[020]. 第1の態様の一実施形態では、装置は第1および第2チャンバのそれぞれの内部に太陽放射吸収体を備え、第1および第2チャンバそれぞれは、入射太陽放射がチャンバの内部を通過して太陽放射吸収体上に入射することを可能にする壁または壁部分を備える。
【0021】
[021]. 第1の態様の一実施態様では、太陽放射吸収体は、入射太陽放射を受け取るために利用可能な表面積を増加させるように、回旋状表面を有する。
【0022】
[022]. 第1の態様の一実施形態では、第1および第2チャンバは、(i)互いに、および(ii)環境から熱的に隔離される。
【0023】
[023]. 第1の態様の一実施形態では、装置は、第1および第2チャンバ内に流体を含む。
【0024】
[024]. 第1の態様の一実施形態では、流体は、ガス(空気など)または液体(水または他の流動可能な熱伝達媒体など)である。
【0025】
[025]. 第1の態様の一実施形態では、装置は、第1および第2チャンバ内の流体が超大気圧まで加熱されおよび加圧されるような太陽放射にさらされた後、かつ第2チャンバ内の加熱された流体の一部が第2チャンバの流体出口を介してそこから出ることが可能とされたときに、第2チャンバ内に残っている流体が第1チャンバ内の流体よりも速い速度で太陽放射によって加熱されるように構成されている。
【0026】
[026]. 第1の態様の一実施形態では、装置は、チャンバの連鎖を形成するために第1および第2チャンバの間に配置された1つまたは複数の中間チャンバを備え、連鎖の第1チャンバから連鎖の最後のチャンバへの流体経路を画定し、中間チャンバのそれぞれは連鎖の隣接するチャンバと流体接続しており、流体接続によって、第1チャンバから中間チャンバの連鎖へおよび中間チャンバの連鎖から第2チャンバへ、流体が実質的に一方向に連続的に移動可能である。
【0027】
[027]. 第1の態様の一実施形態では、1つまたは複数の中間チャンバのいずれかまたはすべては、第1の態様の装置のいずれかの実施形態において第1または第2チャンバに対して規定された特徴を有する。
【0028】
[028]. 第1の態様の一実施形態では第1および第2チャンバ、ならびに任意の中間チャンバ(存在する場合)は互いに実質的に同一であるように成形および/または寸法決めされる。
【0029】
[029]. 第2の態様では本発明は、流体を加熱するためのシステムを提供し、このシステムは、第1の態様の任意の実施形態の装置の第1のチャンバの流体入口と流体接続する流体源を備える。
【0030】
[030]. 第2の態様の一実施形態では、加熱された流体は、第2チャンバの出口から引き出され、直接使用されるかまたは間接的に使用され、その場合、システムは熱交換器をさらに含み、システムは、第2チャンバの出口から引き出された加熱された流体が熱交換器に搬送され、それと接触している第2の流体を加熱するために使用されるように構成される。
【0031】
[031]. 第3の態様では本発明は、仕事を実行するためのシステムを提供し、このシステムは、請求項1~17のいずれか1項に記載の装置である第1のサブシステムと、第2チャンバの出口を出た流体中に存在する熱エネルギーまたは運動エネルギーを直接的または間接的に利用するように構成された仕事出力要素である第2のサブシステムとを備える。
【0032】
[032]. 第4の態様では本発明は、太陽エネルギーを使用して流体を加熱するための方法を提供し、この方法は以下のステップを含む:(i)入力流体を供給すること、(ii)第1および第2の流体塊が互いに異なりかつ環境とも異なる温度を達成および維持することができるように、入力流体を第1の流体塊および第2の流体塊に分割すること、第1および第2の流体塊の分割は、第1の流体塊から第2の流体塊への流体移動は可能であるが、第2の流体塊から第1の流体塊への流体移動は不可能であるように行われる、(iii)第1および第2の流体塊それぞれが高温を達成するような期間にわたって太陽放射を使用して第1および第2の流体塊を加熱すること、(iv)第1の流体塊から第2の流体塊へのあらゆる流体の移動を防止しながら、第2の流体塊から流体を除去すること、および(v)第2の流体塊が第1の流体塊より高温を達成するような期間にわたって太陽放射を使用して第1および第2の流体塊をさらに加熱すること。
【0033】
[033]. 第4の態様の一実施形態では、方法は、第2の流体塊が第1の流体塊よりも高温に達した後に、第2の流体塊からある量の流体を移動させること、または、第2の流体塊が第1の流体塊よりも高温に達した後に、第2の流体塊からある量の流体を移動させることを可能にすることを含む。
【0034】
[034]. 第4の態様の一実施形態では、方法は、ある量の流体を第1の流体塊から第2の流体塊に移動させること、またはある量の流体を第1の流体塊から第2の流体塊に移動させることを可能にすること、および、ある量の入力流体を第1の流体塊に移動させること、またはある量の入力流体を第1の流体塊に移動させることを可能にすることを含む。
【0035】
[035]. 第4の態様の一実施形態では、移動される流体の量は、第1および第2の流体塊それぞれにおける流体の量が実質的に変化しないようになっている。
【0036】
[036]. 第4の態様の一実施形態では、分割するステップは、第1および第2の流体塊を、第1の態様の任意の実施形態の装置の第1および第2チャンバ内にそれぞれ配置することによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】[037]. 図1は、本発明の非限定的な装置の横断面図を非常に概略的に示す。この装置は、2つのチャンバを含む。
【0038】
図2】[038]. 図2は、入射する太陽放射から加熱流体を生成するための、図1の実施形態の動作のための非限定的な一組の方法ステップを示す。
【0039】
図3】[039]. 図3は、本発明の別の非限定的な装置の横断面図を非常に概略的に示す。本発明のこの形態は、従来の放物面トラフ型集熱器における吸収管として使用することができる。この装置は、2つのチャンバを含む。
【0040】
図4】[040]. 図4は、4つの区画を有する本発明の非限定的な装置の斜視図を非常に概略的に示す。各区画は、図1に示した実施形態のチャンバと機能的に等価である。関連する説明では、前景の区画(描かれている)を「近位」または「前方」と称し、後景の区画(描かれている)は「遠位」または「後方」と称する。
【0041】
図5】[041]. 図5は、図4に描かれた非限定的な装置の平面図を非常に概略的に示す。
【0042】
図5a】[042]. 図5(a)は、第1(近位)チャンバの入力側に接続されたポンプと組み合わせた図4の非限定的な装置を含むシステムの平面図を非常に概略的に示す。
【0043】
図6】[043]. 図6は、図4に描かれた装置の区画の非常に概略的な横断面図であり、内側区画壁および床における2つのガラス版および回旋の使用を示す。
【0044】
図7】[044]. 図7は、対向するガラス版および対向する回旋状壁および床を有する区画の非常に概略的な横断面図を示す。この実施形態は、装置の2つの側部から太陽放射を受け取ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[045]. この明細書を考慮した後、本発明が様々な代替実施形態および代替用途においてどのように実施されるかは、当業者には明らかになるであろう。しかしながら、本発明の様々な実施形態が本明細書で説明されるが、これらの実施形態は限定ではなく、単に例として提示されることが理解される。したがって、様々な代替実施形態のこの明細書は、本発明の範囲または幅広さを限定するものと解釈されるべきではない。さらに、利点または他の態様の記述は、特定の例示的な実施形態に適用され、必ずしも特許請求の範囲によってカバーされるすべての実施形態に適用されるわけではない。
【0046】
[046]. 本明細書の説明および特許請求の範囲全体にわたって、「含む(comprise)」という語およびこの語の変形(「含んでいる(comprising)」および「含む(comprises)」など)は、他の添加物、成分、整数またはステップを除外することを意図していない。
【0047】
[047]. なお、本明細書において「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」とは、実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味するものである。本明細書の各箇所における「一実施形態において(in one embodiment)」または「一実施形態において(in an embodiment)」の語句の出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を指すものではないが、同一の実施形態であってもよい。
【0048】
[048]. 本発明は、太陽集熱器によって加熱される流体の温度がその集熱器内の複数の加熱チャンバの使用によって上昇し得るという本発明者らの発見に少なくとも部分的に基づいている。温度の上昇は、集熱器への太陽放射入力量を増加させる必要なしに達成可能である。明らかにするために、本発明者は、本明細書に記載の太陽集熱器が太陽放射の使用において必然的により効率的であることを主張していない(ただし、いくつかの実施形態ではこれが事実であり得る)。代わりに、所与の量の太陽放射を使用して、本明細書で開示されるタイプの分離した加熱チャンバを特徴としない同様の集熱器で可能な温度よりも高い温度に流体を加熱することができることが提案される。
【0049】
[049]. 本発明は理解を容易にするために、最初に単純な2チャンバ装置を参照して説明される。これらの2つのチャンバは、流体内の温度を著しく増加させるために必要とされるかもしれない、より多数のチャンバの部分集合を表す。チャンバはそれぞれ、何らかの方法で、その上に入射する太陽放射からその中に存在する流体に熱エネルギーを伝達するように構成される。この説明の目的のために、各チャンバは、壁の一部が光学的に透明である壁付きチャンバである。光学的透明性は、ガラス板を使用することによって達成することができる。
【0050】
[050]. チャンバの不透明な壁は、太陽放射を吸収するのに適した暗色の材料でコーティングされる。
【0051】
[051]. 第1のチャンバは、流体がチャンバに入ることを可能にする入口と、加熱された流体がチャンバから出ることを可能にする出口とを有する。第2チャンバは、第1チャンバからの加熱された流体が第2チャンバに入ることを可能にする入口を有し、また、加熱された流体が最終的な使用のためにチャンバから出ることを可能にする出口を有する。
【0052】
[052]. この文脈において、用語「第1チャンバ」は、入力流体が最初に接触されるチャンバを示すために使用され、用語「第2チャンバ」は、入力流体が第2に接触されるチャンバを示すために使用される。
【0053】
[053]. 各チャンバ(または装置全体)は、その中に存在する流体が暗色のチャンバ壁に接触し、その接触の結果として壁によって加熱可能に構成される。理解されるように、壁はそれ自体、チャンバの透明部分を通過し、壁の暗色表面に入射する太陽放射によって加熱され、その熱エネルギーは、接触流体に伝達可能である。
【0054】
[054]. 各チャンバ(または装置全体)は、チャンバの壁および流体内で獲得された熱の環境への損失を抑制するように構成される。多くの従来技術の太陽集熱器に関しては、熱絶縁材料が捕捉された任意の太陽エネルギーの環境への漏れを防止するために使用される。
【0055】
[055]. チャンバ(または装置全体)は、第1チャンバと第2チャンバとの間の熱伝達を抑制するようにさらに構成される。これは、チャンバ間に絶縁材料を配置することによって、またはチャンバを物理的に分離することによって達成することができる(後者の場合、導管が、第1チャンバから第2チャンバに流体を運ぶことができる)。本明細書のさらなる議論から明らかになるように、本発明は、装置(第1チャンバ内に保持される流体よりも高温の流体を保持する第2チャンバ)全体にわたって熱を階層化し、階層化を維持するために必要とされるチャンバ間の熱伝達の抑制するように動作する。
【0056】
[056]. チャンバ(または装置全体)は、流体が第1チャンバから第2チャンバへ移動することができるが、第2チャンバから第1チャンバへは移動できないように構成される。これは、典型的には2つのチャンバの間の流体経路における一方向バルブ(逆止バルブなど)の使用によって達成される。流体の一方向移動を達成する他の手段も考えられる。例えば、二方向バルブを使用することができるが、このバルブは、流体が第1チャンバから第2チャンバにのみ移動するように、第1チャンバ内の流体の圧力が第2チャンバ内の圧力よりも大きい場合にのみ(手動で、圧力差によって自動的に、またはプロセッサ制御下で)開かれる。
【0057】
[057]. 上述のように、チャンバ内の流体は、差圧であってもよい。したがって、第1および第2チャンバ(または装置全体)は、流体が高圧で収容されることを可能にするように構成されてもよい。圧力は、他方のチャンバ内の圧力、またはチャンバの環境内の圧力、または装置の環境内の圧力、または大気圧を基準として上昇させることができる。該当するチャンバ内の圧力は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%、基準の圧力よりも高くすることができる。あるいは、該当するチャンバ内の圧力は、約100%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%、基準の圧力よりも低くすることができる。
【0058】
[058]. 加圧流体を収容する能力は、チャンバが所定の圧力下で実質的に変形不能であるように構成されることを必要とする。さらに、チャンバは、所定の圧力下で実質的に流体密であるように構成されるべきである。
【0059】
[059]. 第1のチャンバが加圧流体を維持するために、入力側の一方向バルブが必要とされる場合もある。このようにして、高圧の流体は、入ったのと同じ経路によってチャンバから出ることができない。いくつかの実施形態では、チャンバ入力上の流体源からの流体の圧力は、それ自体高い、したがって、第1のチャンバ外への流体のいかなる逆流も防止することができ、したがって、逆止バルブは必要でない場合もある。さらなる代替として、第1のチャンバの入力側のバルブは双方向であるが、第1のチャンバ内の相対的な負圧が確立された場合にのみ開く。
【0060】
[060]. 本明細書のさらなる開示から明らかになるように、加熱される流体は第1チャンバから第2チャンバに流れるが、逆方向には流れない。この移動は、両方のチャンバ内の流体が同じ温度に加熱された後に起こり、次いで、第2チャンバからのある量の流体が流出し、流出した量と取って代わるように第1チャンバからの流体が第2チャンバに入る。したがって、逆止バルブをチャンバの出力側に配置して、第2チャンバからの流体の流出のみを可能にしてもよい。流出した流体は出力生成物(加熱された流体である)を表し、このような流体が第2チャンバに再び入ることは望ましくない。いくつかの実施形態では、第2チャンバ内の圧力は、流体が出て行く環境よりも常にまたは時に高いことになり、したがって、出力側のバルブは両方向の流れを可能にし得るが、第2チャンバ内の比較的高い圧力のため、流体は単一方向のみで出て行く。第2チャンバ内の圧力は、逆流が可能になるレベルまで低下する場合、バルブは(手動で、自動的に、またはプロセッサによって)閉じられてもよい。もちろん、第2チャンバの出口側のバルブは、第2チャンバ内の流体圧力がある量の流体の流出を可能にするような所定レベルまで上昇するときに、最初に開いてもよい(手動で、自動的に、またはプロセッサによって)。
【0061】
[061]. ここで、図1を参照すると、図1は、上記の説明と概ね一致する、本出願の単純な2チャンバ実施形態を示している。図1の装置(10)は、第1チャンバ(15)と第2チャンバ(20)を含み、各チャンバ(15)および(20)は、熱絶縁性を有する厚い壁(25)から形成され、かつ耐変形性を有して、チャンバ(15)および(20)内の加圧下で流体の収容を可能にしている。各チャンバ(15)および(20)は内部表面(30)を有し、この内部表面は色が濃く、したがって、太陽放射を吸収し、生成された熱エネルギーを、内部表面(30)と接触する流体に伝達することができる。
【0062】
[062]. 各チャンバ(15)および(20)は、この例ではガラス板(35)である透明部分を有する。ガラス板(35)は、各チャンバ(15)および(20)への太陽放射の進入を可能にし、また、その内面(30)への太陽放射の進入を可能にする。流体の気密性および圧力の気密性に対する一般的な要件を考慮すると、ガラス版(35)は、チャンバ(15)および(30)の隣接する壁(25)に密閉固定される。ガラス板(35)は、機械的に固定され(例えば、スロットまたはブラケットによって、図示せず)、適切な硬化性液体シーラント(図示せず)が、壁(30)とガラス板(35)との間の任意の界面に適用されてもよい。
【0063】
[063]. 装置(10)を通る流体の経路は、破線矢印によって示されている。従って、各チャンバは左側(図示)に入力側を有し、右側(図示)に出力側を有する。
【0064】
[064]. 第1チャンバ(15)は、加熱される入力流体をチャンバ(15)内に運ぶ導管(40)を入力側に有する。この実施形態では、入力流体がポンプ(図示せず)によって低圧下で提供される。バルブV1(45)は、導管(40)を通る入力流体の流れを調整するように作用する。この実施形態では、バルブV1(45)は、第1チャンバ(15)内の流体の圧力が導管(40)内の上流の圧力を下回ると自動的に開く単純な逆止バルブである。
【0065】
[065]. 第1チャンバは、出力側に別の導管(50)を有し、導管(50)は、第2チャンバ(20)のための入力導管としても機能する。換言すれば、導管(50)は、第1チャンバ(15)を第2チャンバ(20)に流体的に接続するように機能する接合導管と考えることができる。
【0066】
[066]. 導管(50)は、第1(15)および第2(20)のチャンバとの間の流体の流れを制御するバルブV2(55)を有する。このバルブの機能は、第1チャンバ(15)から第2チャンバ(20)へのみに流体の流れを制限し、逆流を防止することである。この実施形態では、バルブV2(55)は、コンピュータプロセッサ(図示せず)によって制御される。さらに以下で説明される理由から、バルブV2(55)の開閉の賢明なタイミングは、装置(10)の効率的な作動に重要である。
【0067】
[067]. 第2チャンバ(20)は、構造、寸法および機能において、第1チャンバ(15)と本質的に同一である。このようにして、チャンバ(15)および(20)は、太陽放射を吸収し、その内部に含まれる流体に熱エネルギーを伝達することが等しく可能である。
【0068】
[068]. 第2チャンバ(20)は、加熱された流体(装置(10)の最終生成物である)が出る導管(60)を出力側に有する。第2チャンバ(20)から出力導管(60)への流体の移動は、バルブV3(65)によって制御される。この実施形態では、バルブV3(65)は、バルブV2(55)を制御する同じプロセッサによって制御され、バルブV2(55)およびV3(65)の調整された開閉を可能にして、装置(10)の正しい動作を達成する。
【0069】
[069]. 図2を参照して、図1の実施形態の動作を説明する。図2に示される全てのプロセスステップにおいて、第1および第2チャンバの各々は流体で満たされた状態に維持され、チャンバの出力側を介した流体の除去は入力側を介してチャンバに流入する流体によって置き換えられる。
【0070】
[070]. 図2の第1のステップを参照すると、両方のチャンバが予め流体で満たされていることが示されている。これらのチャンバは、流体をV1を介してチャンバ1内に押し込み、次いで、V2を介してチャンバ2内にさらに押し込むことによって充填された。充填中に空気を逃がすために、V3を開いたままにした。両方のチャンバが満たされたとき、V1、V2およびV3を閉じた。これは、ステップ1に示された装置の状態であり、全てのバルブが閉じられ、両方のチャンバが充填される。
【0071】
[071]. 図2のステップ2では、両チャンバは、太陽放射(斜めの破線矢印で示される)がガラス面を通過し、両チャンバの内部の暗色の表面上に入射するように、太陽方向に向けられる。チャンバが本質的に同一であると仮定すると、両方のチャンバ内の流体は同じ速度で加熱される。すべてのバルブは閉じたままである。
【0072】
[072]. 図2のステップ3では、V3が瞬間的に開放され、加熱された流体がチャンバ2から出ることを可能にする。チャンバ2は加熱プロセス中に本質的に密閉されているので、流体の圧力は増加し、したがって、V3が開かれると、流体は、V3を介して自然に外向きに移動する。このステップでのチャンバ2を出る流体は、チャンバ1内の温度と同じ温度であり、特に高温だから放出されるのではなく、第2チャンバ内の流体の質量を減らし、それによってチャンバ1内の流体よりも高温の流体の生成を開始するために放出される。
【0073】
[073]. 図2のステップ4では、全てのバルブが閉じられ、両チャンバは太陽放射にさらされ続け、それにより、両チャンバ内の流体が加熱される。このステップでは、チャンバ2内の流体分子の数がチャンバ1内の分子の数よりも少ないという点で、装置を横切る質量の階層化が生じている。この質量差の理由は、V3が一時的に開放されたときにチャンバ2から出る流体分子があるのに対し、チャンバ1は密閉されたままであり(V1およびV2は閉鎖されたままである)、チャンバ1内の流体分子の数は変化しないままであったからである。
【0074】
[074]. いかなる理論によっても制約されることを望まないが、ステップ4に示される状態において、チャンバ2内の流体はチャンバ1内の流体よりも速い速度で(入ってくる太陽放射のために)温度が増加することが提案される。提案されている理由は、両方のチャンバが同じ量の入射太陽放射を受けるが、チャンバ2についてはその量の放射が比較的少数の流体分子を加熱するように作用するのに対し、チャンバ1については同じ量の放射が比較的多数の流体分子を加熱するように作用するからである。チャンバ間の質量(すなわち、流体粒子の数)の差はチャンバ2からの流体の除去によるものであり、チャンバ1からの流体の除去によるものではないことを思い起こされたい。
【0075】
[075]. 設定された期間の後、図2のステップ5に示されるように、装置全体にわたる温度の階層化が結果として生じる。チャンバ2内の流体は比較的迅速に加熱されているので、チャンバ2内の流体は比較的高温である。チャンバ1内の流体は比較的ゆっくりと加熱されているので、チャンバ1内の流体は比較的冷たい。
【0076】
[076]. この温度の階層化が適所にある間、V3は、比較的高温の流体(この流体はステップ3でチャンバ2を出る流体よりも高温であり、また、任意のステップでチャンバ1内の流体よりも高温である)が装置の最終生成物として第2チャンバを出るように開かれる。V3の開放は、図2のステップ6に示されている。このステップにおいて、V1はまた、(i)チャンバ1からチャンバ2への流体の移動、および(ii)流体源からチャンバ1への流体の移動を可能にするように開かれる。一旦チャンバ2が排気されると、V2が開かれ(図示せず)、チャンバ1からチャンバ2への流入流体の移動が可能にする。V1およびV2を介するこれらの流体の移動は、チャンバ1およびチャンバ2内の流体塊を冷却させる。各チャンバ内の全ての流体の一部のみが、任意の所与のバルブ開度に対して移動されることが理解されるであろう。
【0077】
[077]. 図2に詳述された方法は、ステップ6に続くステップとしてステップ2を行って、周期的に続く。
【0078】
[078]. 後述するように、各サイクルには、ステップ3で装置から出る高温(ただし、特に高温ではない)の流体の量と、ステップ6で装置から出る特に高温の流体の第2の量が存在する。これらの2つの量は、中間温度の流体を提供するために混合されてもよい。あるいは、2つの量は、ステップ6で出る量の特に高い温度を維持するために、別々に維持されてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ3で出る流体は、入力流体を予熱するために流体源に戻されてもよい。
【0079】
[079]. 図3は、図1の太陽集熱装置の変形例を示す図である。図3において、装置(10a)は、一連の金属管(100a)、(100b)、(100c)および(100d)から形成された単純な管状太陽集熱器であり、各管は、熱伝導壁(105)および暗色である外面(105)を有する。外面(105)は、図1の実施形態における表面(30)と機能的に等価である。太陽放射は表面(105)に入射し、これにより、第1チャンバ(15)および第2チャンバ(20)内の流体を加熱するように、金属管(100b)および(100c)の壁を加熱する。第1チャンバ(15)を第2チャンバ(20)から熱的に絶縁するために、絶縁材料から製造された環状リング(110b)がその間に配置される。また、絶縁環状リング(110a)および(110c)は、第1チャンバ(20)の入力側と入力導管(40)との間、また、第2チャンバ(20)の出力側と出力導管(60)との間に配置され、チャンバ(15)および(20)内の流体からの熱損失を防止するのを補助する。
【0080】
[080]. 図3の変形例は、放物面反射器の中で吸収管として使用することができ、それにより、吸収管は反射器の焦線に沿って配置される。対照的に、図3の実施形態は、屋根頂部または他の平坦な表面上への取り付けにより適しているだろう。
【0081】
[081]. 次に、図4以降を参照すると、より具体的で、ただし非限定的な、本発明のさらなる実施形態が開示されている。以下の実施形態および動作方法に関して開示される任意の特徴は、図1図3に関連して上記で開示されるより一般的な実施形態および方法に独立して適用されてもよい。さらに、以下の実施形態および動作方法に関して開示される2つ以上の特徴の任意の組み合わせは、図1図3に関して上記で開示された実施形態および方法に独立して適用されてもよい。
【0082】
[082]. 図4の装置は2つ以上の区画からなり、理論的には、多くの区画、例えば100の区画を利用することができる。区画は、任意の形状および任意のサイズであってもよく、例えば、組み合わされた区画は、より浅い第3次元を有する2次元の長方形であってもよい線形構造を形成してもよく、または、組み合わされた区画は、円形であってもよく、ケーキの形状であってもよく、個々の区画はこの例ではケーキの切片と比較されてもよい。
【0083】
[083]. 説明を容易にするために、4つの区画を有する長方形の構造を詳述する。区画は互いに接続され、この説明では等しいサイズである。各区画は太陽集熱器であり、一連の太陽集熱器が装置を形成する。
【0084】
[084]. 各太陽集熱器は、吸収体から成り、太陽放射に対して半透明な材料のシートで覆われている。吸収体は、色が鈍く艶消しの黒色である材料で作られるか、またはそのような材料によってコーティングされ、吸収体は、吸収体に入射する太陽放射の大部分を吸収することができ、例えば、黒鉄、黒色に塗装された酸化表面を有する銅、または黒色に塗装された表面である。半透明材料のシートは、例えば、適切なタイプのガラスであってもよいし、サファイアガラスであってもよいし、半透明マイカであってもよい。
【0085】
[085]. 以下の説明では、装置は、便宜上、その幅の4倍の長さを有し、その内部深さがその幅の3分の1である矩形箱であるものとして説明される。箱は、4つの等しい区画が生成されるように、3つの隔壁を有する。図4において、これらの区画は、C1、C2、C3およびC4とラベル付けされている。各区画の床は、その区画の各壁の少なくとも大部分まで延びる吸収体によって占められている(図6参照)。各吸収体の周囲は、箱の床、側部および隔壁(図4参照)を構成する良好な厚さの断熱材であるが、箱の各区画の屋根は、ほぼ正方形の2枚のガラス板とそのフレームからなり、ガラス板はそれらの端でフレームに固定され、この固定具は確実な着脱と、ガラス板のフレームに対する高品質密閉との両方を形成する。特定の設計においてのみ、本明細書に示されるように、隔壁に取り付けられるフレームの部分は、隣接する区画のガラス板を保持することができる(図6参照)。また、フレームは、矩形箱の側部および隔壁の上面にしっかりと取り付けることができ、その結果、フレームおよびそのガラス板は、他の区画のフレームおよびガラス板と組み合わせて、矩形箱を完成させる上壁を形成する。フレームは良好な断熱性を有することが望ましい。
【0086】
[086]. 図4は、3つの隔壁と4つの区画とを有する矩形箱の図である。区画は、C1、C2、C3およびC4とラベル付けされている。装置の説明を容易にするために、箱は、(描かれているように)前部、後部、2つの側部、頂部または屋根、および床または底部を有するものとして説明され、定義される。したがって、これらの用語、前部、後部、側部、頂部または屋根、および床または底部は、定義上、本発明の説明において特別な意味を有する。図4では、頂部または屋根は図示されておらず、欠如している。したがって、図4では、屋根は描かれていない。
【0087】
[087]. ラベル番号は、次を参照している。
(1)頂部または屋根のない箱
(2a)箱の一方の側部
(2b)箱の前部
(2c)箱の後部
(2d)箱の別の側面
(3)箱内の隔壁
(4)箱内のポータル
【0088】
[088]. 各区画は、それ自体のポータルを有する。
【0089】
[089]. この箱は高断熱耐熱材料でできており、これも不燃性で融点が高い。
【0090】
[090]. 図5は、レベルBの部分を通して、装置を見下ろす図を示す。Bは図6に示されている。C1、C2、C3およびC4とラベル付けされた4つの区画を有する箱が示されている。
【0091】
[091]. ラベル番号は、次を参照している。
(2a)耐熱箱の側部
(3)隔壁
(5)吸収体
(6)圧力バルブ
(7)管
(8)出口管の装置端
(9)出口管を囲む高断熱ケーシング
(22)換気バルブ
(23)ゲート式バルブ
(24)空気口フィルタ
【0092】
[092]. 図5aは、矩形箱の外部にある装置の部分と、装置の(定義された)矩形箱の前部の前にある装置の部分を除いて、図5と同一である。ラベル付けは図5と同じであるが、追加の特徴が示されている。空気口フィルタ(24)は別の位置に示されており、管(7)に開く空気口バルブ(20)に取り付けられている。
【0093】
[093]. 追加の特徴のラベル番号は、以下を参照する。
(20)開いているときに大気からの吸気を可能にするゲート式バルブ
(21)ゲート式バルブ
(24)図2にも示されている空気口フィルタ
(79)ゲート式バルブ
(80)ポンプ
(81)ポンプの吸気口
(82)空気口フィルタ
【0094】
[094]. 図5(a)において、管(7)はポンプ(80)に接続されている。管(7)とエアフィルタ(24)の間にバルブ(20)が配置されている。通常の操作では、バルブ(20)は完全に開いており、雰囲気から装置に自由に空気を取り込むことができる。エアフィルタ(24)は管(7)の端部ではなく、その側部にあり、バルブ(20)によって分離されている。
【0095】
[095]. 図6は、図5および図5(a)においてAとラベル付けされた断面を通る装置の側面図を示す。
【0096】
[096]. ラベル番号は、次を参照している。
(3)隔壁
(5)チャンバC2の隔壁の壁の少なくとも大部分まで延びる表面と、高いヒロックからなる表面とを示し、図6が提供する2次元図でのみノコギリ歯として説明することができる、吸収体
(10)第2のガラス板または第2のガラスシート
(11)第1のガラス板または第1のガラスシート
(12)真空
(14)ガラス板のフレーム
(15)接合部
(40)耐熱箱の床の一部
【0097】
[097]. 図7は、図5においてAとラベル付けされた断面を通る装置の側面図を示す。これは、変形例として装置の説明の本文で後述する。これは、吸収体が、矩形箱の2つの側部、(定義された)頂部および底部の両方から吸収することが可能であることを除いて、図6と同一である。これを可能にするために、(定義された)装置の底部は、(定義された)頂部のものと同一の態様で真空によって分離された2枚のガラスシートを有する。吸収体とガラスの底シートを分離するスペースがあり、耐熱材料で作られた箱の床の一部は存在しない。下半分は、実際には吸収体の底のレベルから見ると、上半分の鏡像である、ただし、吸収体の表面のヒロックが、その上面と一致せず、むしろ吸収体の上面のヒロックの間から上昇するという事実を除く。これは、吸収体にバランスの取れた厚さを提供するためであり、したがって、太陽エネルギーを吸収し、熱エネルギーを再放射する両方の吸収体の能力を容易にする。そのラベル付けは、図6のものと同一である(吸収体の下端が矩形箱の耐熱ケーシングの下端と接触する吸収体の下面である)。
【0098】
[098]. 任意の実施形態に関連して、装置は、太陽エネルギー集熱器であってもよい。集熱器は、媒体として、気体、例えば、空気、窒素、アルゴン、または二酸化炭素を使用することができる。この装置は、限定されるものではないが、水などの液体を使用するように適合させることができる。装置が水を使用する場合、最終生成物は蒸気であり、装置を改造する必要がある。例えば、その出口管は、水蒸気を逃がして有用な仕事を行うことができるようにするために、装置の(定義された)頂部付近または頂部にある必要がある。最終生成物が蒸気でない場合、それ以上のチャンバを追加するなど、さらに加熱すると、スーパースチームが発生する場合がある。これは、装置が圧力に耐えうる堅牢性を備えていることを前提としている。
【0099】
[099]. この装置は例えば、家庭での使用に適した小型のものであってもよく、または、例えば、フットボール場の大きさや、工業規模での使用に適した大型のものであってもよい。装置は、多くの形状、例えば、円形、正方形、または不規則な形状をとることができる。
【0100】
[100]. 以下の説明では、簡単な例の操作方法について説明する。この装置は、二重ガラスの頂部を持つ断熱材でできた矩形箱であり、本発明者が選んだ媒体は空気である。この説明における各区画は、これ以降、可変的にチャンバまたは区画と称され、これらの用語は少なくともそれぞれの機能に関する限り、互換性がある。
【0101】
[101]. 本発明の本体内の装置は、主として受動的に動作するが、以下に詳細に説明するように、これにはいくつかの変形がある。各チャンバにはそれぞれ専用のバルブがある。各バルブは、装置の前方から装置の後方への空気の流れのみを許容し、空気が逆方向に流れることを許さない。すなわち、空気が装置に入った後、空気はチャンバ1からチャンバ2へ、チャンバ3へ、およびチャンバ4へのみ流れることができ、その出口管を介して装置から出るだけである。以下の動作の説明では、これらのチャンバがそれぞれC1、C2、C3、およびC4と呼ばれる。各チャンバのバルブは、それぞれV1、V2、V3およびV4と呼ばれる。
【0102】
動作の説明
[102]. この実施形態に関して、単語「近位」は、流体源により近い(描かれているように装置の前により近い)ことを意味し、単語「遠位」は、流体源からさらに遠い(描かれているように装置の後により近い)ことを意味する。
【0103】
[103]. バルブV1、V2、V3およびV4は感圧バルブである。バルブは圧力に応じて開閉する。バルブは、チャンバの圧力がより近位に隣接するチャンバ内の圧力に等しいとき、バルブが緩み、圧力がより近位に隣接するチャンバより低下するとき、バルブが開き、圧力がさらに低下すると、バルブが広く開くタイプのものである。チャンバ内の圧力が上昇し、より近位に隣接するチャンバ内の圧力と等しくなると、バルブは閉じる。さらに圧力が上昇すると、バルブは閉じたままになる。これは、バルブV2、V3およびV4に適用される。バルブV1の場合、チャンバC1内の圧力が大気圧に等しくなるとき、バルブが緩み、圧力がさらに低下するとバルブV1が開き、圧力がさらに低下するとバルブV1が広く開く。
【0104】
[104]. 以下の議論は、装置を通って近位から遠位に移動するチャンバ内の加熱空気の温度の漸進的な増加についての説明を提供する。
【0105】
[105]. 本明細書および本書類全体を通して、「動作中」および「使用中」という用語は、装置の区画またはチャンバが有用な仕事を生み出すことができる品質の加熱空気の供給を生成するために、均等かつ適切な太陽放射を受けており、装置全体がその通常の仕事能力で機能していることを意味する。
【0106】
[106]. 最も遠位の区画C4から始まり、近位に作用する場合、装置の前方から装置の後方までの各チャンバ内で温度が上昇する理由は、より容易に理解される。
【0107】
[107]. ゲート式バルブ(23)は、コンピュータ制御される。(定義された)動作中、チャンバC4は、最も高温のチャンバである。チャンバC4の内容物の一部が放出される基準に達すると、コンピュータはバルブ(23)を開き、その内容物の一部、すなわち加熱された空気が、チャンバC4からバルブを通して放出され、有用な仕事が生成される。コンピュータは、温度と圧力の両方を感知するセンサと、雰囲気の温度と圧力の両方を感知するセンサとを装置の各チャンバ内に有する。コンピュータは、放出されるべき加熱空気の適切な量を計算する。この空気の放出は、チャンバC4内の圧力の低下を引き起こす。チャンバC4内の圧力降下がチャンバC3内の圧力を下回ると、バルブV4が開き、両チャンバ内の圧力が等しくなるまで空気がチャンバC3からチャンバC4内に流れることができる。この時点で、バルブV4は閉じる(ただし、以下の内部バルブの開閉のタイミングを参照されたい)。このチャンバC3からの空気の流れによって、チャンバC3内の圧力が下降する。チャンバC3内の圧力がチャンバC2内の圧力を下回ると、バルブV3が開き、両チャンバ内の圧力が等しくなるまで空気がチャンバC2からチャンバC3内に流れることができる。
【0108】
[108]. この時点で、バルブV3は閉じる(ただし、以下の内部バルブの開閉のタイミングを参照されたい)。このチャンバC2からの空気の流れによって、チャンバC2内の圧力が下降する。チャンバC2内の圧力がチャンバC1内の圧力を下回ると、バルブV2が開き、両チャンバ内の圧力が等しくなるまで空気がチャンバC1からチャンバC2内に流れることができる。
【0109】
[109]. この時点で、バルブV2が閉じる(ただし、以下の内部バルブの開閉のタイミングを参照されたい)。このチャンバC1からの空気の流れによって、チャンバC1内の圧力が下降する。チャンバC1内の圧力が大気圧まで低下すると、バルブV1が緩み、チャンバC1内の圧力が大気圧よりも低下する傾向があると、バルブV1が開き、空気が大気からエアフィルタ(24)および管(7)を通ってチャンバC1内に自由に流れる。
【0110】
[110]. 装置内の内部バルブの開閉の順序とタイミングの両方を理解することが重要である。バルブV4は、上述のように開き、C3とC4の圧力が等しいときに閉じるが、バルブV3は、バルブV4が閉じる前に既に開いており、C2からC3への空気の流れはC3の圧力の低下を軽減する。バルブV3のこの開放は、バルブV4の開閉期間の後半に発生するため、C3からC4に入る加熱空気の寄与は、(バルブV3の開放の結果として開始された空気の混合ではなく)バルブV4の開放前にC3に存在していた空気の部分がほとんどである。
【0111】
[111]. バルブV3は、上述のように開き、C2とC3の圧力が等しいときに閉じるが、バルブV2は、バルブV3が閉じる前に既に開いており、C1からC2への空気の流れはC2の圧力の低下を軽減する。バルブV2のこの開放は、バルブV3の開閉期間の後半に発生するため、C2からC3に入る加熱空気の寄与は、(バルブV2の開放の結果として開始された空気の混合ではなく)バルブV3の開放前にC2に存在していた空気の部分がほとんどである。
【0112】
[112]. バルブV2は、上述のように開き、C1とC2の圧力が等しいときに閉じるが、バルブV1は、バルブV2が閉じる前に既に開いており、雰囲気からC1への空気の流れはC1の圧力の低下を軽減する。バルブV1のこの開放は、バルブV2の開閉期間の後半に発生するため、C1からC2に入る加熱空気の寄与は、(バルブV1の開放の結果として開始された空気の混合ではなく)バルブV2の開放前にC1に存在していた空気の部分がほとんどである。
【0113】
[113]. (定義された)動作中、装置の一サイクルは、コンピュータの指示によって、バルブ(23)の開放の結果として生じる、チャンバC4内の圧力損失の開始から、チャンバC1内の圧力が大気圧の圧力と等しくなる結果として生じる、その開放後のバルブV1の閉鎖までの一連のイベント、と定義される。装置の一サイクルが終了すると、装置のすべての内部バルブとゲートバルブであるバルブ23が閉じられた期間(動作中はバルブ22は閉じたままである)が続き、装置の全てのチャンバは、装置のガラス板を通過しかつ装置の各チャンバの吸収体上に入射して熱放射に変換される太陽放射の結果として、装置のチャンバの継続的かつ連続した加熱を受け続ける。熱放射は、装置のチャンバ内の空気に渡され、そのチャンバ内の空気を加熱する。装置の各チャンバによって継続的に取得されているそのような熱エネルギーの量は、雰囲気の任意の条件下で、等しい量で取得される。装置の各チャンバによる熱エネルギーの継続的な取得は、変化はあるものの、装置のチャンバの各々において等しい量であり、本明細書の他の箇所で述べたとおり、チャンバの各々が等しい寸法であるということから、非常に合理的な仮定であると考えられる。この期間の完了時に、装置の次のサイクルは、チャンバC4内の圧力の低下と共に開始する。
【0114】
[114]. したがって、(定義された)動作中における(定義された)装置の一サイクルの終わりに、チャンバC4は、大部分がチャンバC3の元の内容物であるが、チャンバC3およびチャンバC2からの混合空気の一部を含むことができる加熱空気の寄与の恩恵を受けている。チャンバC3は、大部分がチャンバC2の元の内容物であるが、チャンバC2およびチャンバC1からの混合空気の一部を含むことができる加熱空気の寄与の恩恵を受けている。チャンバC2は、大部分がチャンバC1の元の内容物であるが、チャンバC1および大気からの混合空気の一部を含むことができる加熱空気の寄与の恩恵を受けている。
【0115】
[115]. この一サイクルの終わりに、近位チャンバからそのすぐ隣の遠位チャンバへの加熱された空気のこの寄与は、熱エネルギーの形式でレシピエントチャンバに利点を与え、そして装置を通って近位から遠位へ移動する各チャンバにおける温度の漸進的な上昇を生じる。
【0116】
[116]. (定義された)装置の次のサイクルの期間および開始前に、太陽放射がすべてのチャンバ内で均等に受け取られ、熱放射に変換される結果として、すべてのチャンバ内の空気は、熱を受け取り続け、加熱される。しかし、より高温のチャンバは、より低温のチャンバよりもわずかに大きな温度上昇速度を有する。したがって、より高い温度のチャンバは、より冷却されたチャンバよりもわずかに大きな圧力上昇速度を有する。この圧力上昇により、チャンバとチャンバの間のバルブが確実に閉じる。
【0117】
[117]. 動作中、装置はサイクルを続け、各近位チャンバは、加熱された空気の形態の熱をそのすぐ隣の遠位チャンバに与え、この寄与の結果として、すぐ隣の各遠位チャンバはそのすぐ隣の近位チャンバよりも高温である。
【0118】
[118]. コンピュータがバルブ(23)に向けてチャンバC4からの加熱空気の割合を増やしすぎないようにすることは重要であり、そうでない場合には、装置の全ての内部バルブ、すなわちV1、V2、V3およびV4が同時に開いてしまう可能性がある。これは、非常に短時間(装置の加熱が続いているため、短時間だけ)ではあるが、(定義された)一サイクルのまさに最後に起こり得る。これは、短時間の「フロースルー状況(flow-through situation)」を作り出し、望ましくなく、回避されるべきである。コンピュータは好ましくは、そのような状況を避けるか、少なくともフロースルーの結果が最小限になるようにプログラムされている。
【0119】
[119]. 一変形例では、装置の内部バルブはゲート式バルブであってもよく、装置の内部および外部の全てのバルブはコンピュータにより制御される。これについてさらに簡単に説明する。コンピュータは、その計算の結果として、近位チャンバからその隣接する遠位チャンバへの最大加熱空気の移転を最適化することができ、その結果、例えば、装置の内部バルブの開閉をわずかに変化させるだけで、近位チャンバからの加熱空気の寄与の実質的にすべてが、その隣接する遠位チャンバに渡される。これは、装置の効率においていくらかの利益を有し得る。
【0120】
[120]. チャンバC4の加熱の結果、太陽放射が熱放射に変換されることによって、動作中、C4内の温度および圧力は、バルブ(23)が開くための基準を満たす点まで上昇する。このバルブは、コンピュータの指示によって開かれる。バルブ(22)は閉じたままである。したがって、加熱された空気はC4から管(8)を通って流れ、C4の圧力は下がる。C4内の圧力の低下の結果として、バルブV4は緩み、圧力のさらなる低下に伴って開き、さらなる低下に伴って広く開く。空気はC3からC4に流入する。C3中のこの空気は、C4中の空気よりも冷たくなっている。C4中の圧力降下に伴い、バルブ(23)が閉じられる基準を満足するさらなる点に到達する。このバルブは、コンピュータの指示によって閉じられる。C3とC4中の圧力が等しくなるまで、C3からC4に空気が流れ続ける。この時点で、バルブV4は閉じる。(太陽放射によるチャンバC3およびC4の間接的な)さらなる加熱により、C4内の圧力上昇はC3のそれよりも大きい速度で上昇し、C4内のこの上昇圧力は、バルブV4の閉鎖を完了する。C4中の混合空気(C4にとどまっているものおよびC3からの寄与から)は最初、バルブV4の閉鎖時に、C3中の空気よりも全体的に高い温度であり、チャンバC3およびC4のさらなる加熱とともに、この温度差が強調される。太陽放射によりさらに間接的に加熱した結果、C4内の温度および圧力は再び、バルブ(23)が開くための基準を満足する点まで上昇し、したがって、サイクルが繰り返される。
【0121】
[121]. 任意の所与の太陽放射条件下では、4つのチャンバのそれぞれに入射する太陽放射の量が等しいと仮定することができ、装置のこの説明では各チャンバは等しいサイズであると仮定する。また、この太陽放射の結果として、各チャンバで生成される熱エネルギーの量が等しいことになると仮定することも合理的である。これは、以下にさらに説明するように、装置が追跡装置に取り付けられている場合に特に当てはまる。例えば、フットボール場のサイズのように装置が大きい場合にも、特に当てはまる。
【0122】
[122]. ゲイ-リュサックの法則によれば、気体の温度と圧力はケルビン以上で「多かれ少なかれ」正比例し、グラフで示すと直線になる。[T=QP、ここで、Qは定数である。]理論によって何ら限定されることを望むものではないが、ゲイ-リュサックの法則は、本発明、またはその少なくともいくつかの実施形態の基礎を提供する。空気はいろいろな気体の混合物である。ゲイ-リュサックの法則は、空気中に存在するすべての気体に適用される。ダルトンの法則によれば、ガスの混合物の全圧はそれらの分圧の合計である。[P=p1+p2+p3+・・・・+pn]
【0123】
[123]. これまでの「作動説明」では、バルブ(23)を開けるとチャンバC4内の圧力が低下し、チャンバC3内の圧力を下回るとバルブV4が広く開き、その結果、C3からC4に空気が流れることが分かりやすくなっている。2つのチャンバ内の圧力が等しくなると、バルブV4は閉じる。おそらく理解しにくいことは、チャンバのさらなる加熱(両方のチャンバに均等に適用される太陽放射による間接的な加熱)により、チャンバC4内の温度上昇率は、チャンバC3内の温度上昇率よりもわずかに大きい速さ、またはより正確には速度を有することである。速度はこの場合、T2-T1をデルタtで割ったものとして定義することができ、ここで、T2は時間t2における温度であり、T1は先行する時間t1における温度であり、デルタtは、2つの温度読み取りが行われる少量の時間である。これは、各チャンバが、同じ量の太陽放射を受け、等しい大きさであることを前提とする。
【0124】
[124]. さらに説明すると、理論によって限定されることを望むものではないが、バルブV4の閉鎖時のチャンバC4内の空気(C4内に残留する空気と、C4内に移動したC3から受け取ったより低温の空気との混合物である)は、C3内の空気よりも高温であるが2つのチャンバ内の圧力は等しい。2つのチャンバ内の圧力のこの等しさは、バルブV4(開放するときおよび)閉鎖時にのみ存在する。チャンバをさらに加熱すると(太陽放射から間接的に等しく照射される)、両チャンバはより多くの熱を獲得する。C4の温度上昇率がC3よりも大きい理由は、同じ容積を有し、同じ量の太陽放射を受けるチャンバにもかかわらず、C4の空気の質量がC3の空気の質量よりも小さいからである。具体的には、チャンバC4内の原子および分子(水蒸気および二酸化炭素を含む)は、C3内の原子および分子よりも少ない。これは、C4中の原子および分子の各々が、C3中の原子および分子よりも大きな熱負荷を個々に受けなければならないことを意味する。これはさらに、C4中の原子および分子が、C3中の原子および分子のものを超えて、増大しながら激しくかつ無秩序に振動していることを意味する。C4中の温度上昇がC3中の温度上昇よりも高い速度であるため、C4中の圧力上昇はC3中の圧力上昇よりも高い速度で上昇することになる。これにより、バルブV4がしっかりと遮断される。
【0125】
[125]. C3中の圧力が低下すると、空気がそこからC4に流入する結果、C3中の圧力がC2中の圧力に等しくなる点に達する。したがって、バルブV3は緩み、C3内の圧力がさらに低下すると、開き、次いで広く開く。C2とC3の圧力が等しくなるまで、空気はC2からC3に流入する。この時点で、バルブV3は閉じる。(太陽放射によるチャンバC2およびC3の間接的な)さらなる加熱により、C3内の圧力上昇はC2のそれよりも大きい速度で上昇し、C3内のこの上昇圧力は、バルブV3の閉鎖を完了する。C3中の混合空気は、C2中よりも全体的に高い温度のままである。
【0126】
[126]. C2の圧力が低下すると、空気がそこからC3に流入する結果、C2の圧力がC1の圧力に等しくなる点に達する。したがって、バルブV2は緩み、C2内の圧力がさらに低下すると、開き、次いで広く開く。C1とC2の圧力が等しくなるまで、空気はC1からC2に流れる。この時点で、バルブV2は閉じる。(太陽放射によるチャンバC1およびC2の間接的に)さらなる加熱により、C2内の圧力上昇はC1のそれよりも大きい速度で上昇し、C2内のこの上昇圧力は、バルブV2の閉鎖を完了する。C2中の混合空気は、C1中よりも全体的に高い温度のままである。
【0127】
[127]. C1内の圧力が低下すると、空気がそこからC2内に流れる結果として、C1内の圧力が大気内の圧力に等しくなる点に達する。したがって、バルブV1は緩み、C1内の圧力がさらに低下すると、開き、次いで広く開く。空気は、エアフィルタ(24)を通って大気から管7を通ってC1に流入し、C1内の圧力が大気圧に達するまで流れる。この時点で、バルブV1は閉じる。チャンバC1をさらに加熱すると(太陽放射によって間接的に)、C1内の圧力上昇が上昇し、C1内のこの上昇圧力がバルブV1の閉鎖を完了する。C1中の混合空気(C1中に残っているものおよび大気からの寄与)は、大気の温度よりも全体的に高い温度のままである。
【0128】
[128]. したがって、動作中、C4の圧力の低下がC3からC4への空気の移送を引き起こし、C3の圧力の低下がC2からC3への空気の移送を引き起こし、C2の圧力の低下がC1からC2への空気の移送を引き起こし、最後にC1の圧力の低下が大気からC1への空気の移送を引き起こすという事象のカスケードがある。この事象のカスケードの結果として、加熱された空気中に含まれる、C1からC2、C2からC3、およびC3からC4への熱エネルギーの伝達がある。C1からC2、C2からC3、C3からC4(C4からの空気の放出の結果として)への加熱された空気のこの交換、またはより良く記載すれば、入れ替えの結果として、チャンバの各々はそのより近位のチャンバより高い温度である空気を含む(より近位のチャンバが装置の前部により近いチャンバである(および本明細書によって定義される)、「前部」は図4の説明において定義された意味を有する)。従って、装置に入射する太陽放射を充分に供給する動作中には、C4内の空気は非常に高温であり、ガスタービンを駆動するのに充分なエネルギーを含むことがある。
【0129】
[129]. 注目すべきは、空気が、後方経路、即ちC4からC3へ、C2へ、C1へ、および大気へ移動することは装置の設計上不可能であることである。
【0130】
[130]. 動作中、前段落で説明したような事象のカスケードは、周期的に何度も繰り返される。このカスケードの発生頻度と放出される加熱空気の量は、バルブ(23)を制御するコンピュータによって決定される。バルブ(23)は、C4からの加熱空気の放出を可能にしたり、放出を遮断したりする。これは、圧力解放バルブであるバルブV1、V2、V3、およびV4とは異なるタイプのバルブである(上記段落[104]の「バルブの説明」を参照されたい)。バルブ(23)はゲートと考えてもよく、それは、必要に応じて、様々な程度に開くことができ、様々な程度に閉じることができ、遮断することができる。それはコンピュータによって制御される。コンピュータは、各チャンバ内や大気中に設置されたセンサからの情報を頼りに動作する。センサは、各チャンバ内の温度および圧力に関する連続的な情報を供給する。センサは、本装置の図面または図面のいずれにも示されていない。この情報を受け取ったコンピュータは、センサによって供給される情報を計算するために必要なソフトウェアを有し、例えば、バルブ(23)を作動させる旨の指令を、例えば電気モータであり得るモータに与える。コンピュータは、装置の最適な動作を保証する。なお、動作中、バルブ(22)は閉じたままである。
【0131】
コンピュータ
[131]. コンピュータは、本明細書で説明される任意の装置を制御することができる。「コンピュータ(A computer)」または「コンピュータ(the computer)」は、上記の「動作の説明」において既に言及され、議論されている。次に、コンピュータの役割についてさらに説明する。コンピュータは、それぞれ感圧バルブであるバルブV1、V2、V3およびV4について、図4の実施形態における装置の全てのバルブを制御する。コンピュータが制御する他のすべてのバルブは、ゲート式バルブである。変形例ではコンピュータは、バルブV1、V2、V3およびV4を含む装置の全てのバルブを制御する。この変形例ではゲート式バルブであって、圧力タイプのバルブではない。装置のさらなる変更では、コンピュータは、モータを制御し、これにより動作中にポンプが作動する。さらに別の変形例では、コンピュータは、チャンバC1内に配置されたヒータを制御する。コンピュータは、バルブを直接開閉させるモータ、例えば電気モータの電源を入れることによってバルブを制御する。また、バルブの開度は、そのモータを介してコンピュータ制御を受ける。コンピュータが制御する各バルブには、それぞれ個々にモータがある。コンピュータは、装置の各チャンバ内に配置されたセンサおよび大気中に配置されたセンサによって情報を受信する。センサは、各チャンバ内の温度および圧力、ならびに大気内の温度および圧力に関する情報をコンピュータに報告する。コンピュータは、常に装置の動作を最適化することができる高度なソフトウェアを有する。コンピュータは、全てのセンサから連続的な流れで無数の情報を受信する。
【0132】
[132]. 典型的には、装置がその最終生成物、すなわち加熱空気を断続的に送出する。これは、装置の供給を少量であるが非常に迅速に行うことによってのみ、ある程度克服される。コンピュータは、最適配置を計算することができる。例えば、少量の熱風を放出することがある(バルブ(23)を部分的に開閉することで)が、バルブ(23)の開閉を急速に行う原因となる。あるいは、高い日射の条件では、コンピュータが再び迅速に、より多くの量を放出することを選択することができる。あるいは、より少ない日射では、コンピュータがそのような量を、よりゆっくりと、より迅速に放出することを選択することができる。しかしながら、コンピュータは、装置内の熱発生の与えられた条件に対して最適な結果またはほぼ最適な結果を計算できるように、そのようにプログラムされていてもよい。装置内で発生する熱量は、時々変化する可能性があり、実際には非常に急速に変化する可能性がある。例えば、本来であれば晴れた日に、太陽と装置の間に来る雲は、装置に当たる太陽放射の急激な減少を引き起こし、その結果、有用な熱生産の一時的な減少をもたらそう。
【0133】
[133]. C4内のセンサがそのチャンバからの加熱空気の放出の基準を満たす場合があるが、大気条件が変化するため、直ちにそうすることは不適切であり、C4からの空気の放出は通常の動作において、1つ以上の他のチャンバの加熱がその適切なレベルに「追いつく」ために、最良に遅延される。コンピュータは、装置内の全てのセンサおよび大気中のセンサから受け取った情報に基づいてその計算を行うことにより、これを行うことができる。一例として、太陽放射の急激な減少に伴い、コンピュータはC4からの空気の遅延放出することを決め、いつ放出が起こるかを、別のチャンバまたは他のチャンバ内の状態が改善されるまで、ごくわずかな量しか行わないようにすることができる。もちろん、C4の加熱を継続すると、装置が危険にさらされる可能性があるので、このような空気の放出は不定ではない。コンピュータの最も重要な機能は、装置の保護である。
【0134】
[134]. 最終製品の断続的な伝送は、高度に断熱された区画を組み込むことによって少なくとも部分的に克服することができる。装置から加熱された空気を受け取る。使用中に、例えば、ガスタービンに有用なエネルギーを供給すると、その加熱された空気が常に消費されるので、その圧力は絶えず下がる傾向にあり、装置によって生成される加熱された空気の補給のために節約される。加熱された空気をより均一に供給することができ、一例としてのみであるが、ガスタービンの駆動などの有用な目的に利用することができるという有用な機能を果たす。装置から加熱された空気を受け取るヒートシンクは、有用な機能を有することが証明され得る。
【0135】
始動
[135]. 本明細書の対象である装置が動作していないとき(例えば、夜間)、太陽放射がまったく存在しない場合、装置は冷却され、全てのチャンバは等しい量の冷気を含んでいる(装置の感圧バルブ配置(V1、V2、V3およびV4)は、他の方法ではないことを保証する。)。朝が進むにつれて、4つのチャンバC1、C2、C3、およびC4の各が加熱し始める。最初、各チャンバの加熱は均一であり、チャンバ内の一定量の加熱が取得されると、装置は「起動」する必要があり、この「起動」は、装置内のセンサからの受信情報の結果として、コンピュータの指示によって決定される。
【0136】
[136]. これを行うには少なくとも3つの方法がある。第1に、最も簡単には、コンピュータが図5および図5(a)に示すように、換気バルブ、バルブ(22)、すなわちゲート式バルブを開くように指示する。このバルブが開く度合いは、コンピュータによって決定される。これは、C4における圧力の減少を引き起こす。この圧力低下により、「動作の説明」で上述したように、事象のカスケードが開始される。チャンバをさらに加熱すると、太陽放射が熱放射に変換される結果、充分に有用な熱が生成され始める。その後、コンピュータの指示により、バルブ22が遮断され、バルブ(23)が部分的に開かれる。バルブ(23)の開放量は、コンピュータによって決定され、コンピュータは、温度および圧力を測定する装置内のセンサからの情報を常に受信する。従って、コンピュータは、バルブ(23)を開放すべき最適量を決定する。そのようにして生成された有用な熱は、例えば、ガスタービンを駆動するために使用される。
【0137】
[137]. 他の2つの方法を簡単に説明する。これらの第1には、チャンバC1にヒータを導入することである。例えば、これは電気ヒータであってもよい。ヒータはC1を加熱し、C1内の圧力を上昇させ、C1からC2への熱風の流れをもたらし、事象のカスケードが開始される。第2に、図5(a)を参照すると、コンピュータの指示の下で、ゲート式バルブ(20)が閉じられ、ゲート式バルブ(21)が少量だけ開かれ、ポンプ(80)が少量の空気をC1に導入させる。これにより、C1内の圧力が増加し、空気がC1からC2に流れ込み、事象のカスケードが開始される。始動すると、通常の操作では、バルブ(21)は完全に閉じられ、バルブ(20)は完全に開いている。バルブ(20)により、大気から装置に自由に空気を取り込むことができる。これら2つの後者の方法の両方において、バルブ(22)および(23)の役割は、コンピュータに向けられ、記載された第1の方法と同一である。
【0138】
記載の装置モデルのバリエーション
[138]. 上述の「動作の説明」では、装置は4つのチャンバを有する。しかしながら、存在し得るチャンバの量には理論的な制限はない。例えば、6つのチャンバがあってもよいし、10個のチャンバがあってもよいし、30個以上のチャンバがあってもよい。実際には、チャンバの最大数が装置の限界によって制限される。
【0139】
[139]. 装置の限界は、その構造の堅牢性、高温に耐える能力および熱損失を防止する能力である。これらについては、本発明の説明の他の部分でより詳しく説明する。
【0140】
[140]. 変更バルブV2、V3およびV4は、放圧バルブであるが、例えば、1平方インチあたり5ポンドの圧力に設定されてもよい。チャンバC3、C2、C1の放圧バルブ(それぞれバルブV4、V3、V2である)が遅れた放出を有するような配置手段である。動作中、これは各チャンバがその内容物をより末端のチャンバに放出する前に、より多くの熱エネルギーを生成することを可能にする(C4はその内容物を外部に放出するので、例外である)。これは、いくつかの実用的な利点を有し得る。変形例ではこの変形例に基づいて、バルブV2、V3およびV4の各圧力設定の種々の組合せが、実用的な利点に設定されてもよい。これは、C1内の圧力が大気圧に達すると緩み、C1内の圧力がさらに低下すると開くバルブV1を含まない。
【0141】
[141]. 装置の全てのバルブがバルブ(23)と同じ種類のバルブであり、ゲートバルブであり、各バルブが直接コンピュータ制御下にある変形例において、装置の最適な動作を保証する。装置内のバルブがゲートバルブであり、コンピュータの指示の下で機械的に制御されている状態で、これらのバルブは、様々な程度に開いて、必要に応じてしっかりと閉じることができる。コンピュータ指向の機械的に制御されるバルブのさらなる利点はバルブV2、V3およびV4がそのように構成され、かつそのタイプのものであり、それによって、これらのバルブは所望の特定の圧力設定に調節することができ、そしてこれらのバルブの各々は、コンピュータ方向による動作において所望のように個々に調節することができる。したがって、バルブV2、V3、およびV4の圧力設定は前の段落で説明したようなコンピュータ、およびその中の任意の変形形態によって、その時点で存在する太陽放射の一般的な条件に最もよく適合するように調整することができ、コンピュータは、装置内および装置なしの両方のセンサに依存する。
【0142】
[142]. さらなる変形例では、装置を、卓越する大気圧に対する分散で吸気圧で作動させることが望ましい場合がある。図5(a)を参照する。例えば、圧力を増加させるために、図5(a)に示すように、装置をポンプ(80)に取り付けることができる。ポンプはモータ、例えば、電動モータによって作動され、装置内に圧縮空気を圧送する。モータは図面には示されていない。モータは、コンピュータによって制御される。また、コンピュータは、ポンプと装置との間のバルブ(21)、空気口バルブ(20)および換気バルブ(79)を制御する。これらのバルブはすべてゲート式バルブである。バルブ(20)および(79)を閉じ、バルブ(21)を開けることにより、大気からの空気を装置内にポンプで送り込むことができる。装置内への空気の取り込み速度は、ポンピング速度の制御とバルブ(21)およびバルブ(79)の制御との組み合わせによって厳密に制御され、これは、局所的な大気圧とは異なる圧力で作動して、装置内に入る空気の量を装置内の所望の圧力に制限し、コンピュータが装置内のセンサからのフィードバックを受け取るように、様々な程度に開放される。図5(a)には、バルブ(21)を備えた管(7)が示されている。管(7)とエアフィルタ(24)に接続する別のバルブ(20)がある。さらなるバルブ(79)は換気バルブである。バルブ(20)はコンピュータ制御され、装置が局所大気圧とは異なる圧力で作動しているときは閉じたままである。管(7)はポンプに接続する。バルブ(21)および(79)もコンピュータ制御される。バルブ(21)は装置に入る空気の量を制御する。バルブ(79)は通気を可能にし、装置に入る空気の容積を制御するのを助け、装置内の過剰な圧力を避けるのを助け、装置を保護する。管(81)は、エアフィルタ(82)によってキャップされたポンプの空気取り入れ管である。このような装置は利点を有し得る。例えば、ガスタービンは、より高い圧力でより効率的に作動することができる。装置内により高い圧力で空気を供給することにより、エネルギーは、そのようなタービンを供給する装置の加熱空気出力に付加される。
【0143】
ヒートシンク
[143]. 利点は、装置からの出力を受け取るためのヒートシンクを有することによって提供されてもよい。このように、装置の出力の断続的な性質が克服されるか、または減少される。次いで、加熱された空気の定常源が例えば、ガスタービンを供給することができる。
【0144】
チャンバ
[144]. このように設けられた装置の説明では、(図4図5図5(a)および図6に示すように)等しい大きさの4つのチャンバがある。各チャンバは2枚のガラス板(10)(11)からなり、ガラス板の間に真空(12)を有し、フレーム(14)(図6参照)内に保持されている(定義された)頂部または屋根を有し、フレーム(14)は、矩形箱(1)およびその隔壁(3)(図6参照)に取り付けることができる。このガラスは光および高エネルギーの赤外線太陽放射の透過を可能にするのに最も適した型であり、また、低エネルギーおよび低中エネルギーの赤外線放射に対して不透明であることが可能な型である。ガラスも堅牢で高温に耐えられる型である。各チャンバはまた、そのチャンバの(定義された)底部を占め、そのチャンバの壁の少なくとも大部分まで延びる吸収体(5)を有する(図6参照)。吸収体は、艶消し黒色表面を有することが好ましく、吸収体に入射する太陽放射の大部分を吸収することができる。吸収体は、好ましくはその表面積をかなり増加させる高いヒロックからなる。吸収体の周囲には断熱性の高い材料があり、高温にも耐えることができる。この材料は、矩形箱のケーシング(1)とその隔壁(3)の両方を形成する(図4参照)。各チャンバは2つのポート(4)を有する。感圧バルブは、各チャンバ内に見出され、チャンバC1についてはV1、チャンバC2についてはV2、チャンバC3についてはV3、およびチャンバC4についてはV4とラベル付けされる(図5および図5(a)を参照のこと)。バルブは、装置の前部から装置の後部、すなわちC1からC2、C3からC4への空気の伝達を可能にするだけである。それらは、反対方向、すなわち、C4からC3、C2からC1への空気の伝達を可能にしない。
【0145】
[145]. 変形例として、(定義された)頂部または屋根は単一シートのガラスから構成されてもよく、別の変形例ではガラスシート間に真空を有する三重ガラスであってもよい。
【0146】
[146]. 当業者には理解されるように、設計され、製造され得る吸収チャンバの設計には、多くのバリエーションが存在する。一例として、説明したものに対する変形例では、耐熱チャンバがそのポートを除いて、チャンバを完全に取り囲む真空から構成されてもよい。これは、真空フラスコと比較することができる。このような例では、周囲の真空がポンプに接続するバルブが取り付けられるニップルを有する可能性がある。真空はその内部にコンピュータに報告するセンサを有し、真空度が所望の品質以下に低下すると、コンピュータは、ポンプを作動させて、必要な標準を維持する。例えば宇宙空間に存在するような完全に近い真空では、伝導や対流による熱の伝達は本当に困難になる。
【0147】
[147]. 装置は、好ましくは(本質的にはそうではないが)、上空の最大太陽放射の領域を確実に検出することができるセンサを備えた追跡器に搭載される。一般に、これは空の太陽の位置であるが、一定の気候条件下では例えば、重い雲では覆われないことがある。
【0148】
[148]. センサは、1つまたは複数のモータを導くことができるコンピュータに情報を送り、例えば、モータは電気モータであってもよく、これらのモータはコンピュータの指示の下で、(定義された)装置の屋根を、極大太陽放射の空中のその領域に垂直な平面内に位置させる。このような配置は、装置への太陽放射の取り込みを最大化する利点を有する。
【0149】
[149]. 図7は、装置の変形例の図である。吸収体が長方形の箱の2つの側部、(定義された)頂部または屋根の両方および(定義された)底部から吸収することができることを除いて、図6の実施形態と同一である。これを容易にするために、(定義された)装置の底部は、(定義された)頂部のものと同一の態様で真空によって分離された2枚のガラスシートを有する。この変更では、上チャンバと同じ体積の空間が吸収体をガラスの底板から分離し、耐熱材料からなる(定義された)箱の床の一部は存在しない。そのラベル付けは、図6と同一である。
【0150】
[150]. 最初に考慮すると、この変更は、大きな長所を提供しないように思われ、その構造に余分な費用を伴うことになる。しかしながら、比較的安価な反射器を装置の下に一定の距離(例えば、装置の小型版では数フィートから、装置の大きさに応じてはるかに大きな距離)で配置し、さらに比較的安価な反射器を装置の下の反射器の両側に適当な角度で配置し、その反射器に取り付けることによって、比較的広い表面積が作成されており、反射器のデザインは、装置の下面に太陽放射を同じくらい多く反射するようになっている。これは、所定の装置が受け取ることができる太陽放射の総量をかなり増加させ、その結果、その太陽放射を熱放射に変更することができる。一例としてのみ、このような反射器の組合せは、ガルバニック処理された板金から成ることができる。はるかに高価な例では、このような反射器が例えば、研磨された鋼またはガラスミラーから成ることができる。
【0151】
装置の別の変形
[151]. 装置は(好ましくは短い)管によって互いに分離された区画からなってもよく、または一連の区画は(好ましくは短い)管によって別の区画または一連の区画から分離されてもよい。管の入口と次の直ぐ遠位区画の内側にある管の出口の両方に圧力式バルブがある。これにより、より近位の区画から管に空気の流れが入り、次の近位の遠位区画で管から出ることができるが、逆方向への空気の流れは許されない。管は強く絶縁されており、真空によって囲まれていてもよく、例えば、一例としてのみ、真空が間に存在する2つのステンレス鋼管から成っていてもよく、この真空管はバルブによって真空に接続するポンプによって維持され、その詳細は本発明の説明において、変更として、他の場所に見出すことができる。この変形例によって得られる利点は、各区画または一連の区画がすぐにカスタマイズできるようになっていることである。したがって、当業者には容易に理解されるように、この変形例では可変に分割されているが、設計された1つまたは複数の管によって接続されている、一連の区画内のより末端の区画は徐々に強化することができる。例えば、区画のガラスシートは装置内で遠位に進むにつれて、各チャンバ内の温度および圧力の上昇に耐えるために、漸進的に厚くすることができる。太陽放射のいくらかの減衰は、太陽放射がガラスの半透明シートを通過するとき、ガラス板内で生じる。ガラス板を強化するように設計されたガラス板の厚さが増加することにつれて、ガラス板を通過する太陽放射の減衰が増加する。したがって、これを実施することができる実際的な制限がある。
【0152】
装置のさらなる変更
[152]. さらなる変形例では、装置がバルブV1、V2、V3およびV4を欠いている(図5(a))。バルブは、チャンバ間の隔壁の表面積および装置の前部および後部の領域の表面積に対して小さい門によって置き換えることができる。ポンプ(80、図5(a))は、装置を通して流体(空気など)を低圧でポンピングする。ポンプは、その圧力出力を変化させることができるコンピュータ制御の下にある。センサは、装置の全てのチャンバ内と装置の外部に存在し、情報をコンピュータに供給する。コンピュータは、ゲートバルブ23(図5(a))および装置外部のすべてのバルブを制御し、これらのバルブは20、21、22、および79である(図5(a))。動作中、これは、装置を通る空気の連続的かつ断続的でない移動を提供する。この装置を通る空気の動きは小さいが、コンピュータ制御下にあるポンプ(80、図5(a))の出力によって改善され、熱エネルギー出力の最適な結果を与え、この結果、特に太陽放射の強さに依存する他の要因が得られる。
【0153】
[153]. より大きな量の最終生成物(所望の品質の熱エネルギーである)を生成するためにポンプ出力をより高くすると、チャンバ内の空気の圧力は、チャンバの容積が固定され、固定された寸法の容積内の容積および圧力は、チャンバの小さなポータルおよび装置のチャンバを通る空気の改良された流れを維持するために、反比例しており、一定の容積および圧力に固定されるにつれて、かなり増大される。これは、熱エネルギー(空気がより高密度である)が1つのチャンバから逆行チャンバに逃げることを可能にする際に有害であり得、これは望ましくない。それにもかかわらず、このバリエーションの本質は、それらが貫通する隔壁に対してポータルが小さいので、逆方向に移動する熱エネルギーの割合が減少することである。電離箱の温度が増加すると、逆方向のエネルギー損失はより重要になる。例えば、風車を効率的に駆動するには、空気の温度を600℃以上にする必要がある。従って、温度が高いほど、この変動の効率は低くなる。
【0154】
[154]. 本発明の装置の説明では、この変更なしに、バルブV1、V2、V3およびV4が、逆方向にさらなる熱エネルギー損失を含むためにそれらが貫通する隔壁に対して小さくすることができなかった理由はない。さらに、バルブが閉じても、逆方向の熱エネルギーの損失を防ぐために、バルブ自体が良好な断熱性を持つように設計できなかった理由はない。
【0155】
[155]. この変形において装置が逆熱損失をさらに減少させることができる理由は、チャンバ間の短い管接続部、チャンバ間の非対称的に設定されたポータルおよび装置の傾斜を有することを含み得る。ここで、これらについて簡単に説明する。チャンバ間の管接続部は、遮られていない短いポータルを通過するであろうわずかな角度で熱放射の光子を吸収することができる。装置の底部近くに位置するポータルは、チャンバ内のより低温の空気を直接取り扱い、逆方向により低温の空気を優先的に通過させる。装置の傾斜、例えば、固定された角度で家の屋根に取り付けられた給湯システム、は、チャンバの空気中で運ばれる熱エネルギーの対流移動をそのチャンバの最上部に導き、装置の傾斜が最も高温の空気を運ぶチャンバが最上部(例えば、図5(a)のチャンバ4)であるような場合、対流によって運ばれる最も高温の空気は、最も高温の遠位チャンバの最上部に存在する。したがって、より冷たい空気は、そのチャンバ内で、より高温の空気に優先的に逆方向に通過する可能性が高い。
【0156】
[156]. もちろん、この変更では、ポンプを必要とせずに、本発明の主な説明に記載されているように、間欠的かつ受動的な方法で装置を作動させることができなかった理由はない(図5参照)。しかし、熱エネルギー損失は各サイクルを通して連続的であろう。
【0157】
[157]. この装置のすべての明細書および変形と同様に、一般に、装置からの熱損失を可能な限り低減することが好ましい。これはもちろん、チャンバ間の任意の配管を含み、そのような配管の周囲に真空を使用し、実際には従来技術の温水システムで公知に使用される真空管技術と同様の方法で装置全体を使用することを伴う。
【0158】
[158]. 以上のようなバルブを持たないバリエーションは、バルブを持つ装置に比べて劣ることを認めた上で、念のために記載している。性能の低下は、逆行性の熱エネルギー損失を抑えるために、チャンバ間のポータルが必然的に小さくなり、近位チャンバから隣接する遠位チャンバへの流体の流れが大幅に制限されることに起因する。この流れの制限は、上述のように、装置内の圧力を増加させることによってある程度軽減することができる。たとえそうであっても、特に、(流体源の近位のチャンバから流体源の遠位のチャンバへの)前方への流体の流れに対する制限がある場合、(より高温からより低温への)逆行性の熱損失は、前方への流体の流れよりも効率的である可能性が高く、それによって、装置に対するこの変動の効率を低下させる。
【0159】
装置の特定の実施形態における制限
[159]. 装置の限界は、その構造の堅牢性、高温に耐える能力および熱損失を防止する能力である。
【0160】
[160]. 装置は、要素に絶えずさらされ、極端な方法で規則的に加熱され、冷却されるので、堅牢な構造であることが好ましい。装置は、外部からの太陽による加熱と内部からの発熱による定期的な加熱に耐え、夜間などの加熱後の冷却にも耐える強度を持つことが理想的である。これは、より近位の区画ではあまり重要ではないが、遠位の区画では徐々に重要になる。これは、区画が徐々に多くの熱を獲得し、したがって、先行する区画よりも高温であるためである。このような区画内の空気は、次第に高い圧力になっていく(ケルビン以上ではガス温度と圧力の間に直線関係があるとするゲイ・リュサックの法則)。したがって、区画の堅牢性は、(定義された)装置の前部から(定義された)装置の後部に徐々に移動していくにつれ、増大しなければならない。
【0161】
[161]. 他の品質に加えて、装置は、同様の膨張係数を有する材料で構成されるべきである。理想的には、それらは同じ膨張係数を有するべきである。この手段は、装置が加熱されるにつれて、および冷却されるにつれて、それ自身を引き離す傾向が少ないことである。
【0162】
[162]. 装置は明らかに、高温に耐えることができる材料で作られるべきである。再び、これは、より近位の区画ではあまり重要ではないが、遠位の区画では徐々に重要になる。
【0163】
[163]. 熱損失を抑制することが最も重要である。すべての熱損失を防ぐことは不可能であるが、装置からの熱損失を減らすために、あらゆる努力を払う必要がある。これは、装置を通って遠位に移動するにつれて、より重要になる。これは、輻射による物体からの熱の損失が、ケルビン以上の温度の4乗に変化することが一因である(黒体にはステファン・ボルツマンの法則が適用される)。装置は黒体ではないが、法則のより広い解釈は熱を有する任意の物体に適用するために拡張することができる。熱損失を低減する1つの方法は、本明細書に記載されているように、モデル(多くの変形を有する)に記載されているように、2つのガラスシートの間に真空を配置することである。真空度は、伝導および対流による熱損失を著しく損なうのに充分な高品質である必要がある。真空がそのポートを除いて、各チャンバまたは区画を完全に取り囲む変更が本明細書で既に説明されている。すでに真空フラスコに例えられている。この変更では、真空がコンピュータ制御されるゲート式バルブが取り付けられるニップルを有する。バルブはポンプに接続する。真空はコンピュータに報告するセンサを内部に配置し、真空が所望の基準を下回ると、コンピュータは、ポンプを作動させて必要な基準を維持する。この変更では、真空の2つの層が一例として、良好な強度の高品質ステンレス鋼のみから成り、これらのステンレス鋼は区画の底部および側部、ならびに前部および後部を形成し、区画の頂部は真空によって分離された2つのガラスシートであり、この変更ではこの2つの鋼の層に密封して取り付けられ、ガラスシート間の真空は2つのステンレス鋼シート間の真空と連続している。このように形成された区画内には、吸収体がある。鋼の2層とガラスシートとの間の真空は、真空に間接的に接続され、前述のように真空内のセンサに頼るポンプによって維持される。このような変更は、疑いなく、構築するのに費用がかかるが、特に、より遠位の区画またはチャンバのみで使用される場合、充分に価値があり得る。このような構成では熱の伝導および対流が大幅に低減され、吸収体によって生成され、放射される低エネルギー赤外線放射および低中間エネルギー赤外線放射は大部分、区画またはチャンバから逃げることができない。そのため、この変更では熱損失が大幅に低減される。
【0164】
[164]. この詳細な説明から明らかになるように、装置の様々な実施形態および様々な動作方法は、コンピュータプロセッサおよびプロセッサ実行可能命令の適切なセットに依存する。コンピュータプロセッサおよび命令の役割はデジタルおよび/またはアナログ信号がセンサから受信され、デジタルおよび/またはアナログ信号がバルブに送信される限り、装置の動作の中心であってもよい。したがって、本明細書に記載する装置、方法、およびシステムは、コンピュータソフトウェア、プログラムコード、および/またはプロセッサ上の命令を実行する1つ以上のプロセッサを介して、全体または一部を展開することができる。最も典型的には、プロセッサは内蔵型であり、物理的に装置の一部である。しかしながら、プロセッサは、サーバ、クライアント、ネットワークインフラストラクチャ、モバイル計算プラットフォーム、固定計算プラットフォーム、または他の計算プラットフォームの一部であってもよい。プロセッサは、プログラム命令、コード、バイナリ命令等を実行することができる任意の種類の計算または処理装置であってよい。プロセッサは、直接的または間接的に、そこに格納されたプログラムコードまたはプログラム命令の実行を容易にすることができる、信号プロセッサ、デジタルプロセッサ、組み込みプロセッサ、マイクロプロセッサ、またはコプロセッサ(数学コプロセッサ、図コプロセッサ、通信コプロセッサなど)などの任意のバリアントであっても、またはそれらを含んでいてもよい。さらに、プロセッサは、複数のプログラム、スレッド、およびコードの実行を可能にしてもよい。
【0165】
[165]. スレッドは、プロセッサの性能を強化し、アプリケーションの同時動作を容易にするために、同時に実行されてもよい。実装として、本明細書で説明される方法、プログラムコード、プログラム命令などは、1つまたは複数のスレッドで実装され得る。スレッドは、それらに関連付けられた優先順位を割り当てられた可能性がある他のスレッドを生成する可能性がある。プロセッサが優先順位に基づいて、またはプログラムコードで提供された命令に基づいて、他の任意の順序に基づいて、これらのスレッドを実行することができる。プロセッサは、本明細書および他の場所で説明されるような方法、コード、命令、およびプログラムを保存するメモリを含み得る。
【0166】
[166]. 任意のプロセッサまたは移動通信装置またはサーバは、本明細書および他の場所に記載される方法、コードおよび命令を記憶することができるインタフェースを介して記憶媒体に閲覧することができる。コンピュータまたは処理装置によって実行されることができる方法、プログラム、コード、プログラム命令、または他のタイプの命令を保存するためのプロセッサに関連する保存媒体はCD-ROM、DVD、メモリ、ハードディスク、フラッシュドライブ、RAM、ROM、キャッシュなどの1つ以上を含むことができるが、これらに限定されないことがある。
【0167】
[167]. プロセッサは、マルチプロセッサの速度および性能を向上させることができる1つまたは複数のコアを含むことができる。いくつかの実施形態において、プロセッサはデュアルコアプロセッサ、クアッドコアプロセッサ、他のチップレベルマルチプロセッサ等であってもよく、これらは2つ以上の独立したコア(ダイと呼ばれる)を組み合わせる。
【0168】
[168]. 本明細書に記載する方法およびシステムは、サーバ、クライアント、ファイアウォール、ゲートウェイ、ハブ、ルータ、または他のそのようなコンピュータおよび/またはネットワーキングハードウェア上でソフトウェアを実行する1つまたは複数のハードウェアコンポーネントを介して、一部または全体を配備することができる。ソフトウェアプログラムは、ファイルサーバ、プリントサーバ、ドメインサーバ、インターネットサーバ、イントラネットサーバ、および二次サーバ、ホスト・サーバ、分散サーバなどの他のバリアントを含むことができるサーバに関連付けることができる。サーバは、1つ以上のメモリ、プロセッサ、コンピュータ読み取り可能な媒体、記憶媒体、ポート(物理的および仮想)、通信装置、および他のサーバ、クライアント、コンピュータ、および装置に有線または無線媒体を介してアクセスすることができるインタフェースなどを含むことができる。ここでおよび他の場所で説明される方法、プログラム、またはコードは、サーバによって実行され得る。さらに、本願で説明されているように、方法の実行に必要な他の機器は、サーバに関連付けられたインフラストラクチャの一部と見なされる場合がある。
【0169】
[169]. サーバは限定されるものではないが、クライアント、他のサーバ、プリンタ、データベースサーバ、プリントサーバ、ファイルサーバ、通信サーバ、分散サーバなどを含む他の装置へのインタフェースを提供することができる。さらに、この結合および/または接続は、ネットワークを介したプログラムの遠隔実行を容易にすることができる。これらの装置のいくつかまたはすべてのネットワーキングは、本発明の範囲から逸脱することなく、1つまたは複数のロケーションでのプログラムまたは方法の並列処理を容易にすることができる。さらに、インタフェースを介してサーバに接続された装置のいずれも、方法、プログラム、コード、および/または命令を記憶することができる少なくとも1つの記憶媒体を含むことができる。中央リポジトリは、異なる装置上で実行されるプログラム命令を提供することができる。この実装では、リモートリポジトリが、プログラムコード、命令、およびプログラムの記憶媒体として機能することができる。
【0170】
[170]. ソフトウェアプログラムは、ファイルクライアント、プリントクライアント、ドメインクライアント、インターネットクライアント、イントラネットクライアント、および二次クライアント、ホストクライアント、分散クライアントなどの他のバリアントを含むことができるクライアントに関連付けることができる。クライアントは、1つ以上のメモリ、プロセッサ、コンピュータ読み取り可能な媒体、記憶媒体、ポート(物理的および仮想)、通信装置、および他のクライアント、サーバ、コンピュータ、およびデバイスに有線または無線媒体を介してアクセスすることができるインタフェースなどを含むことができる。ここでおよび他の場所で説明される方法、プログラム、またはコードは、クライアントによって実行され得る。さらに、本願で説明されているように、方法の実行に必要な他の機器は、クライアントに関連付けられたインフラストラクチャの一部と見なされる場合がある。
【0171】
[171]. クライアントは限定されるものではないが、サーバ、他のクライアント、プリンタ、データベースサーバ、プリントサーバ、ファイルサーバ、通信サーバ、分散サーバなどを含む他の装置へのインタフェースを提供することができる。さらに、この結合および/または接続は、ネットワークを介したプログラムの遠隔実行を容易にすることができる。これらの装置のいくつかまたはすべてのネットワーキングは、本発明の範囲から逸脱することなく、1つまたは複数のロケーションでのプログラムまたは方法の並列処理を容易にすることができる。さらに、インタフェースを介してクライアントに接続された装置のいずれも、方法、プログラム、アプリケーション、コード、および/または命令を記憶することができる少なくとも1つの記憶媒体を含むことができる。中央リポジトリは、異なる装置上で実行されるプログラム命令を提供することができる。この実装では、リモートリポジトリが、プログラムコード、命令、およびプログラムの記憶媒体として機能することができる。
【0172】
[172]. 本明細書で説明される方法およびシステムは、ネットワークインフラストラクチャを介して部分的にまたは全体的に展開され得る。ネットワークインフラストラクチャは、計算デバイス、サーバ、ルータ、ハブ、ファイアウォール、クライアント、パーソナルコンピュータ、通信デバイス、ルーティングデバイス、ならびに他のアクティブおよびパッシブデバイス、当技術分野で知られているモジュールおよび/または成分などの要素を含むことができる。ネットワークインフラストラクチャに関連するコンピューティングおよび/または非コンピューティングデバイスは、他の構成要素とは別に、フラッシュメモリ、バッファ、スタック、RAM、ROMなどの記憶媒体を含むことができる。ここでおよび他の場所で説明されるプロセス、方法、プログラムコード、命令は、ネットワークインフラストラクチャ要素のうちの1つまたは複数によって実行され得る。
【0173】
[173]. 本明細書で説明される方法、プログラムコード、計算、アルゴリズム、および命令は、複数のセルを有するセルラネットワーク上で実装され得る。セルラネットワークは、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワークまたは符号分割多元接続(CDMA)ネットワークのいずれかであってもよい。セルラネットワークは、モバイルデバイス、セルサイト、基地局、リピータ、アンテナ、タワーなどを含むことができる。セルネットワークは、GSM、GPRS、3G、4G、EVDO、メッシュ、または他のネットワーク型であってもよい。
【0174】
[174]. 本明細書で説明される方法、プログラムコード、計算、アルゴリズム、および命令は、モバイルデバイス上で、またはモバイルデバイスを介して実装され得る。モバイルデバイスは、ナビゲーションデバイス、携帯電話、モバイル電話、モバイルパーソナルデジタルアシスタント、ラップトップ、パームトップ、ネットブック、ページャ、電子書籍リーダ、音楽プレーヤなどを含むことができる。これらの装置は、他の成分とは別に、フラッシュメモリ、バッファ、RAM、ROMおよび1つ以上の計算デバイスのような記憶媒体を含むことができる。モバイル装置に関連付けられた計算装置は、プログラムコード、方法、およびそこに記憶された命令を実行することが可能であってもよい。
【0175】
[175]. あるいは、モバイルデバイスが他のデバイスと協働して命令を実行するように構成され得る。モバイルデバイスは、サーバとインタフェースし、プログラムコードを実行するように構成された基地局と通信することができる。モバイルデバイスは、ピアツーピアネットワーク、メッシュネットワーク、または他の通信ネットワーク上で通信することができる。プログラムコードは、サーバに関連付けられた記憶媒体に記憶され、サーバ内に埋め込まれた計算デバイスによって実行されてもよい。基地局は、計算デバイスおよび記憶媒体を含むことができる。記憶装置は、基地局に関連付けられた計算デバイスによって実行されるプログラムコードおよび命令を記憶することができる。
【0176】
[176]. コンピュータソフトウェア、プログラムコード、および/または命令は、コンピュータ読み取り可能な媒体に格納されおよび/またはアクセスされることができる:コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータコンポーネント、デバイス、およびコンピューティングに使用されるデジタルデータを一定期間保持する記録媒体;ランダムアクセスメモリ(RAM)として知られる半導体ストレージ;光ディスク、ハードディスク、テープ、ドラム、カードなどの磁気ストレージなど、より恒久的なストレージとして一般的なマスストレージ;プロセッサレジスタ、キャッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、CD、DVDなどの光学ストレージ;フラッシュメモリ(USBスティックまたはキーなど)、フロッピーディスク、磁気テープ、紙テープ、パンチカード、独立型RAMディスク、リムーバブル大容量記憶装置、オフラインなどのリムーバブルメディア;ダイナミックメモリ、スタティックメモリ、読み取り/書き込みストレージ、ミュータブルストレージ、読み取り専用、ランダムアクセス、シーケンシャルアクセス、ロケーションアドレス可能、ファイルアドレス可能、コンテンツアドレス可能、ネットワーク接続ストレージ、ストレージエリアネットワーク、バーコード、磁気インクなどの他のコンピュータメモリを含む。
【0177】
[177]. 本明細書で説明する方法およびシステムは、物理的および/または無形のアイテムを1つの状態から別の状態に変換することができる。本明細書で説明される方法およびシステムはまた、物理的および/または無形のアイテムを表すデータを1つの状態から別の状態に変換することができる。
【0178】
[178]. 図面全体にわたるフローチャートおよびブロック図を含む、本明細書に記載および描写される要素は、要素間の論理的境界を暗示する。しかし、ソフトウェアまたはハードウェアエンジニアリングの実践によれば、描かれた要素およびその機能は、モノリシックなソフトウェア構造として、スタンドアロンのソフトウェアモジュールとして、あるいは外部のルーチン、コード、サービスなどを採用したモジュールとして、またはこれらの任意の組み合わせとして、その上に格納されたプログラム命令を実行することができるプロセッサを有するコンピュータ実行可能媒体を介してコンピュータ上に実装することができ、そのような実装はすべて本開示の範囲内であると考えられる。
【0179】
[179]. さらに、任意のフローチャート、ブロック図、または任意の他の論理構成要素に示される要素は、プログラム命令を実行することが可能なマシン上に実装され得る。したがって、前述の図面および説明では、開示されたシステムの機能的側面が示されているが、明示的に述べられていない限り、あるいは文脈から明らかでない限り、これらの機能的側面を実装するためのソフトウェアの特定の配置は、これらの説明から推論されるべきではない。同様に、上述した様々なステップは変化させてもよく、ステップの順序はここで開示した技術の特定のアプリケーションに適応させてもよいことが理解されるだろう。全てのそのような変形および修正は、本開示の範囲内に入ることが意図される。このように、様々なステップの順序の描写および/または説明は、特定のアプリケーションで必要とされるか、明示的に記載されているか、または文脈から明らかな場合を除き、それらのステップの実行の特定の順序が必要とされると理解されるべきではない。
【0180】
[180]. 上述の方法および/またはプロセス、ならびにそれらのステップは、特定のアプリケーションに適したハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの任意の組合せで実現され得る。ハードウェアは、汎用コンピュータおよび/または専用コンピューティングデバイスまたは特定コンピューティングデバイス、あるいは特定コンピューティングデバイスの特定の態様またはコンポーネントを含むことができる。方法は、内部および/または外部メモリを使用して、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、埋め込みマイクロコントローラ、プログラム可能なデジタル信号プロセッサ、または他のプログラム可能なデバイスで実現され得る。方法は、同様にまたは代わりに、特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、または電子信号を処理するように構成され得る任意の他のデバイスもしくはデバイスの組み合わせにより具現化され得る。さらに、1つ以上のプロセスが、コンピュータ読取可能な媒体上で実行可能なコンピュータ実行可能コードとして実現されてもよいことが理解されるであろう。
【0181】
[181]. アプリケーションソフトウェアは、C言語などの構造化プログラミング言語、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、またはその他の高レベルまたは低レベルのプログラミング言語(アセンブリ言語、ハードウェア記述言語、データベースプログラミング言語および技術を含む)を使用して作成することができる。これらの言語は、上記のデバイスの1つだけでなく、プロセッサの異種組み合わせ、プロセッサアーキテクチャ、または異なるハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、またはプログラム命令を実行できるその他のマシン上で実行するために保存、コンパイル、または解釈をすることができる。
【0182】
[182]. したがって、一態様では、上述した各方法およびその組合せは、1つ以上のコンピューティングデバイス上で実行するときに、そのステップを実行するコンピュータ実行可能コードで具現化されてもよい。別の態様では方法は、そのステップを実行するシステムにおいて具現化されてもよく、いくつかの方法でデバイスにわたって分散されてもよく、または機能のすべてが、専用の独立型デバイスまたは他のハードウェアに統合されてもよい。別の態様では、上述のプロセスに関連するステップを実行するための手段が上述のハードウェアおよび/またはソフトウェアのいずれかを含むことができる。全てのそのような置換および組み合わせは、本開示の範囲内に入ることが意図される。
【0183】
[183]. 本発明は、一つ以上のコンピュータ上で実行可能なプログラム命令セットで実施することができる。そのような命令セットは、以下の命令タイプのうちの任意の1つ以上を含むことができる:
【0184】
[184]. データ処理およびメモリ操作は、レジスタに固定定数値をセットする命令、またはメモリ位置からレジスタにデータをコピーする命令、またはその逆を含み得る(機械的命令はしばしばムーブと呼ばれるが、その用語は誤解を招く)、レジスタの内容を記憶するため、計算の結果、または後で計算を実行するために記憶されたデータを検索するため、またはハードウェアデバイスからデータを読み書きするためのものである。
【0185】
[185]. 2つのレジスタの値を加算、減算、乗算または除算する命令、結果をレジスタに配置する命令、ステータスレジスタに1つ以上の条件コードを設定する命令、ビット単位の演算を実行する命令、たとえば、レジスタのペアの対応するビットの論理積と論理和を取る命令、レジスタの各ビットの否定を取る命令、またはレジスタの2つの値を比較する命令(たとえば、1つ以下か等しいかどうかを確認する命令)を含む算術演算および論理演算。
【0186】
[186]. 制御フロー動作は、プログラム内の別の部位に分岐し、そこで命令を実行する命令を含むことができ、ある条件が成立する場合、条件付きで別の部位に分岐し、別の部位に間接的に分岐し、またはコードの別のブロックを呼び出し、一方、次の命令のロケーションを、戻る点として保存する。
【0187】
[187]. コプロセッサ命令コプロセッサとの間でデータをロード/ストアしたり、CPUレジスタと交換したり、コプロセッサ操作を実行する命令を含む場合がある。
【0188】
[188]. 本システムのコンピュータのプロセッサは、その命令セットに「複雑な」命令を含むことができる。単一の「複雑な」命令は、他のコンピュータでは多くの命令を必要とするようなことを行う。このような命令は、複数のステップを行ったり、複数の機能ユニットを制御したり、あるいは、所定のプロセッサが実装する単純な命令の大部分よりも大きなスケールで現れる命令に代表される。複雑な命令の例としては、一度に多くのレジスタをスタックに退避させる、大きなメモリブロックを移動させる、複雑な整数・浮動小数点演算(サイン、コサイン、平方根など)を行う、SIMD命令(1つの命令で多くの値に対する演算を並行して行う)、原子テスト・アンド・セット命令やその他の読み書き可能な原子命令を行う、レジスタではなくメモリからのオペランドでALU演算を行う命令などが挙げられる。
【0189】
[189]. 命令は、その部分に従って定義することができる。より伝統的なアーキテクチャによれば、命令は、レジスタにメモリの内容を追加するなど、実行する演算を指定するオペコードと、レジスタ、メモリ位置、またはリテラルデータを指定することができるゼロ個以上のオペランド指定子とを含む。オペランド指定子は、その意味を決定するアドレッシングモードを持つ場合と、固定フィールドに置かれる場合がある。多数のマイクロコードアーキテクチャを含む非常に長い命令ワード(VLIW)アーキテクチャでは、複数の同時オペコードとオペランドが1つの命令で指定される。
【0190】
[190]. 一部のタイプの命令セットには、オペコードフィールド(トランスポートトリガーアーキテクチャ(TTA)やForth仮想マシンなど)がなく、オペランドのみがある。他の異常な「0オペランド」命令セットは、NOSCを含むいくつかのスタックマシンのような任意のオペランド指定子フィールドを欠いている。
【0191】
[191]. 条件付き命令には、多くの場合、演算を実行しないのではなく、実行させるために特定の条件をエンコードする述語フィールド(複数のビット)がある。例えば、条件付き分岐命令は、条件が真であれば実行されて分岐し、プログラムの別の部分に実行が進み、条件が偽であれば実行されず、分岐もされず、実行が順次継続されていくことになる。また、一部の命令セットには条件付きムーブがあり、条件が真であればムーブが実行され、対象となる場所にデータが格納され、条件が偽であればムーブは実行されず、対象となる場所も変更されない。同様に、IBM z/Architectureには条件付きストアがある。いくつかの命令セットでは、すべての命令に述語フィールドが含まれている。これを分岐述語と呼ぶ。
【0192】
[192]. プログラムを構成する命令は、その内部の数値形式(マシンコード)で指定されることはほとんどなく、アセンブリ言語を用いて指定される場合や、より一般的には、コンパイラによってプログラミング言語から生成される場合もある。
【0193】
[193]. 当業者は、本明細書に記載された本発明が具体的に記載されたもの以外のさらなる変形および修正を受け入れることができることを理解するであろう。本発明は、本発明の趣旨および範囲内にある全てのそのような変形および修正を含むことが理解される。
【0194】
[194]. 本発明は詳細に示され、説明された好ましい実施形態に関連して開示されてきたが、様々な修正および改良が当業者には容易に明らかになるであろう。
【0195】
[195]. したがって、本発明の趣旨および範囲は、前述の実施例によって限定されるべきではなく、法律によって許容される最も広い意味で理解されるべきである。
【符号の説明】
【0196】
1 頂部または屋根のない箱
2a 箱の一方の側部
2b 箱の前部
2c 箱の後部
2d 箱の別の側面
3 箱内の隔壁
5 吸収体
6 圧力バルブ
7 管
8 出口管の装置端
9 出口管を囲む高断熱ケーシング
10 第2のガラス板または第2のガラスシート
11 第1のガラス板または第1のガラスシート
12 真空
14 ガラス板のフレーム
15 接合部
22 換気バルブ
23 ゲート式バルブ
24 空気口フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図5a
図6
図7