(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電気外科焼灼器具
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61B18/18 100
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023075978
(22)【出願日】2023-05-02
(62)【分割の表示】P 2020529212の分割
【原出願日】2018-12-20
【審査請求日】2023-05-19
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512008495
【氏名又は名称】クレオ・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CREO MEDICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,クリストファー・ポール
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-140723(JP,A)
【文献】国際公開第2017/174513(WO,A1)
【文献】特表2017-533740(JP,A)
【文献】特表2017-533746(JP,A)
【文献】特表2016-514550(JP,A)
【文献】国際公開第2006/084676(WO,A1)
【文献】特表2004-518471(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0077632(US,A1)
【文献】特表2016-525902(JP,A)
【文献】国際公開第2017/103209(WO,A1)
【文献】特許第7280626(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気外科器具であって、
マイクロ波電磁(EM)エネルギーを伝えるための同軸伝送線を含む近位部分と、
遠位の放射部分と、
同軸伝送線のインピーダンスを前記遠位の放射部分のインピーダンスに整合するために配設された中間のインピーダンス変成器と、を含み、
前記遠位の放射部分は、前記同軸伝送線が伝える前記マイクロ波EMエネルギーを放出するためのマイクロ波アンテナを含み、
前記遠位の放射部分の最大外径は前記同軸伝送線の外径よりも小さく、
前記同軸伝送線は、第1の誘電体材料によって近位の外部導体から分離された内部導体を含み、前記内部導体は、前記近位の外部導体の遠位端を越えて、前記中間のインピーダンス変成器を通って、前記遠位の放射部分内に延び、
前記内部導体は前記遠位の放射部分を通って延びて前記マイクロ波アンテナの伝導性部分を形成し、
前記マイクロ波アンテナはスロットアンテナであり、
前記遠位の放射部分は、遠位の誘電体材料によって遠位の外部導体から分離された遠位の内部導体を有する遠位の同軸伝送線を含み、前記スロットアンテナは前記遠位の外部導体の除去部分によって形成されている、電気外科器具。
【請求項2】
前記中間のインピーダンス変成器は4分の1波長の同軸伝送線である
請求項1に記載の電気外科器具。
【請求項3】
前記4分の1波長の同軸伝送線内において、前記内部導体は、前記第1の誘電体材料よりも外径が小さい第2の誘電体材料によって中間の外部導体から分離されている
請求項2に記載の電気外科器具。
【請求項4】
前記第2の誘電体材料は、前記近位の外部導体の前記遠位端を越えて延びる前記第1の誘電体材料の縮径部分である
請求項3に記載の電気外科器具。
【請求項5】
前記第2の誘電体材料は前記第1の誘電体材料よりも比誘電率が高い
請求項3に記載の電気外科器具。
【請求項6】
前記内部導体の遠位端に取り付けられた遠位の伝導性フィンガーを含み、前記遠位の伝導性フィンガーは前記マイクロ波アンテナの伝導性部分を形成する
請求項1~5のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項7】
前記マイクロ波アンテナは、前記マイクロ波アンテナの前記伝導性部分上に取り付けられた遠位の誘電体材料を有する装荷モノポールアンテナである
請求項1~6のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項8】
前記遠位の誘電体材料は、前記近位の外部導体の前記遠位端を越えて延びる前記第1の誘電体材料の縮径部分である
請求項7に記載の電気外科器具。
【請求項9】
前記遠位の誘電体材料は、前記第1の誘電体材料よりも比誘電率が高い剛体材料である
請求項7に記載の電気外科器具。
【請求項10】
前記マイクロ波アンテナの遠位端は、組織内への挿入が容易になるように鋭利になっている
請求項1~9のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項11】
前記遠位の内部導体は前記遠位の外部導体に、前記マイクロ波アンテナの遠位先端部で電気的に接続されている
請求項1~10のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項12】
前記遠位の放射部分は、高周波(RF)エネルギーを送出するためのバイポーラ構造を含む
請求項1~11のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項13】
前記バイポーラ構造は前記マイクロ波アンテナによって形成されている
請求
項12に記載の電気外科器具。
【請求項14】
電気外科装置であって、
患者の身体内に挿入できるように構成された器具コードを有する外科スコープ装置であって、前記器具コードの内部を通って器具チャネルが形成されている、前記外科スコープ装置と、
前記器具チャネルを通って挿入できるように寸法取りされた請求項1~13のいずれか1項に記載の電気外科器具と、を含む前記電気外科装置。
【請求項15】
前記外科スコープ装置は超音波可能な内視鏡である
請求項14に記載の電気外科装置。
【請求項16】
高周波(RF)エネルギー及びマイクロ波エネルギーを前記同軸伝送線に別個または同時に供給するために接続された電気外科発電機をさらに含み、前記器具は複数の処置モードにおいて選択的に動作可能であり、前記複数の処置モードは、(i)マイクロ波のみ、(ii)RFのみ、(iii)RFの後にマイクロ波、(iv)マイクロ波の後にRF、(v)RF及びマイクロ波を同時、のうちのいずれかを含む
請求項14に記載の電気外科装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織に高周波及びマイクロ波エネルギーを送出して標的組織を焼灼するための電気外科器具に関する。詳細には、プローブが、治療部位に非侵襲的な方法で導入可能な外科スコープ装置またはカテーテルのチャネルを通して挿入できるように構成されている。プローブは、腫瘍、嚢胞、または他の損傷部位などの組織を焼灼するように配設される場合がある。プローブは膵臓での処置に特に適している場合がある。
【背景技術】
【0002】
細胞を殺す有効な方法として、生体組織に熱エネルギーを加えることが良く知られている。たとえば、高周波またはマイクロ波エネルギーを加えることによって、生体組織を加熱し、したがって焼灼(破壊する)ことができる。この方法は特にがんの処置に用いられる場合がある。
【0003】
内視鏡超音波ガイドラジオ波焼灼療法を用いて膵臓の組織を処置する技術が知られている(Pai,M.,et al.:Endoscopic ultrasound guided radiofrequency ablation,for pancreatic cystic neoplasms and neuroendocrine tumors,World J Gastrointest Surg 2015 April 27;7(4):52-59)。この技術では、超音波可能な内視鏡のワーキングチャネルを通して、小直径(たとえば0.33mm)の伝導性ワイヤを挿入する。患者の皮膚に外部の接地リターンパッドを接触させるとともにワイヤにRF電力を印加して、肝臓及び膵臓の組織を凝固させる。損傷部位を焼灼するためには、90~120秒間、電力を印加する必要があり、場合によってはワイヤを移して位置を変える必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概略的には、本発明によって、外科スコープ装置を介した膵臓内への挿入に適するように寸法取りされたマイクロ波焼灼アンテナを有する電気外科器具が提供され、既知のRF焼灼技術に対する迅速で正確な代替案が得られる。本発明は、膵臓において特定の用途を見出す場合があるが、熟練を要する他の治療部位(たとえば、肺)での使用にも適する場合がある。
【0005】
本発明によって、電気外科器具であって、マイクロ波電磁(EM)エネルギーを伝えるための同軸伝送線を含む近位部分と、遠位の放射部分と、同軸伝送線のインピーダンスを遠位の放射部分のインピーダンスに整合するために配設された中間のインピーダンス変成器とを含み、遠位の放射部分は、同軸伝送線が伝えるマイクロ波EMエネルギーを放出するためのマイクロ波アンテナを含み、遠位の放射部分の最大外径は同軸伝送線の外径よりも小さい、電気外科器具が提供される。これらの特徴により、器具は小直径の構造を介してマイクロ波エネルギーを送出することができる。
【0006】
同軸伝送線には、第1の誘電体材料によって近位の外部導体から分離された内部導体が含まれていてもよい。同軸伝送線は従来の同軸ケーブルであってもよい。優位なことに、同軸ケーブルの内部導体は、近位の外部導体の遠位端を越えて、中間のインピーダンス変成器を通って、遠位の放射部分内に延びていてもよい。言い換えれば、中間のインピーダンス変成器及び遠位の放射部分は共通の同軸ケーブルを有していてもよい。これは、同軸伝送線の外部導体をその遠位部分(中間のインピーダンス変成器及び遠位の放射部分が形成されるべき場所)に沿って剥がすことによって、実現してもよい。後述するように、第
1の誘電体材料を中間のインピーダンス変成器及び遠位の放射部分において用いてもよい。たとえば、これらの領域内で第1の誘電体を選択的に取り除いてその直径を減らすことができる。場合によっては、それを全く取り除いて、他の誘電体材料と交換してもよい。代替的に、それを単独でまたは他の材料と組み合わせて用いてもよい。
【0007】
近位の外部導体(すなわち、同軸伝送線の外部導体)の外径は3mm以下であり、好ましくは2.2mm以下であってもよい。遠位の放射部分の最大外径は1mm以下であってもよい。中間のインピーダンス変成器の最大外径は、近位の外部導体のそれと遠位の放射部分のそれとの間であってもよい。
【0008】
中間のインピーダンス変成器は4分の1波長の同軸伝送線である。ここで「4分の1波長」は、同軸伝送線によって送出されたマイクロ波エネルギーの波長を指す。器具は、マイクロ波エネルギーの特定の周波数で用いるようにデザインしてもよく、したがってこの長さは任意の所与の器具に対して導き出せる。
【0009】
4分の1波長の同軸伝送線において、内部導体は、第1の誘電体材料の外径よりも小さい外径の第2の誘電体材料によって中間の外部導体から分離されていてもよい。一例では、第2の誘電体材料は、近位の外部導体の遠位端を越えて延びる第1の誘電体材料の縮径部分である。その代わりにまたはそれに加えて(中間のインピーダンス変成器に誘電体材料の組み合わせが含まれ得るという点で)、第2の誘電体材料は、第1の誘電体材料よりも比誘電率が高い材料を含んでいてもよいしまたはその材料からなっていてもよい。
【0010】
内部導体は遠位の放射部分を通って延びてマイクロ波アンテナの伝導性部分を形成してもよい。この例では、したがって同軸伝送線の内部導体は器具の全長に沿って延びている。
【0011】
別の例では、遠位の伝導性フィンガーを内部導体の遠位端に取り付けてもよい。遠位の伝導性フィンガーはマイクロ波アンテナの伝導性部分を形成してもよい。この例では、内部導体はマイクロ波アンテナに対するフィードとして働く。遠位の放射部分には、遠位端にマイクロ波アンテナが形成された同軸のフィード部分が含まれていてもよい。
【0012】
マイクロ波アンテナは、マイクロ波アンテナの伝導性部分上に取り付けられた遠位の誘電体材料を有する装荷モノポールアンテナであってもよい。遠位の誘電体材料は、近位の外部導体の遠位端を越えて延びる第1の誘電体材料の縮径部分であってもよい。この例では、第1の誘電体材料は器具の全長に沿って延びていてもよい。その代わりにまたはそれに加えて、遠位の誘電体材料には、第1の誘電体材料よりも比誘電率が高い剛体材料が含まれていてもよい。セラミックまたはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いてもよい。遠位の放射部分の同軸のフィード部分は、マイクロ波アンテナを装着するフィード部分と同じかまたは異なる誘電体材料を用いてもよい。
【0013】
マイクロ波アンテナの遠位端は組織内への挿入が容易になるように鋭利になっていてもよい。本明細書では「鋭利になっている」は、器具の遠位先端部が先端に向けてテーパ状に(たとえば、針状と同じ様に)なっていることを意味してもよい。鋭利になっている部分には、マイクロ波アンテナを装着する誘電体材料が含まれていてもよいし、またはアンテナが非装着の場合に遠位の伝導性フィンガーの突出部が含まれていてもよい。
【0014】
別の例では、マイクロ波アンテナはスロットアンテナであってもよい。たとえば、遠位の放射部分には、遠位の誘電体材料によって遠位の外部導体から分離された遠位の内部導体を有する遠位の同軸伝送線が含まれていてもよい。スロットアンテナを遠位の外部導体の一部を除去することによって形成してもよい。除去部分は、遠位の外部導体内の窓(そ
こを通って遠位の誘電体材料が露出する)と似ていてもよい。マイクロ波アンテナの長さに沿って1つ以上の窓があってもよい。各窓は、遠位の放射部分の全周の周りに延びていてもよい。窓は、アンテナによって放出されたマイクロ波エネルギーの2分の1波長によって分離されていてもよい。
【0015】
遠位の内部導体を遠位の外部導体に、マイクロ波アンテナの遠位先端部において電気的に接続してもよい。これによって、アンテナによって放出される電磁場の形状を引き延ばしてもよい。
【0016】
また本明細書では、患者の身体内に挿入できるように構成された器具コードを有する外科スコープ装置であって、器具コードの内部を通って器具チャネルが形成されている、外科スコープ装置と、器具チャネルを通って挿入できるように寸法取りされたいずれかの先行請求項に記載の電気外科器具と、を含む電気外科装置も開示されている。
【0017】
本明細書では用語「外科スコープ装置」を、任意の外科装置に、侵襲的手技の間に患者の身体内に導入される剛性または柔軟な(たとえば、配向できる)導管である挿入チューブが設けられたものを意味するために用いてもよい。挿入チューブには器具チャネル及び光チャネルが含まれていてもよい。(これは、たとえば、挿入チューブの遠位端における治療部位を照明し及び/またはその画像を取り込むために光を送信するためである。器具チャネルは、侵襲性の手術ツールを受け取るのに適した直径を有していてもよい。器具チャネルの直径は5mm以下であってもよい。本発明の実施形態では、外科スコープ装置は超音波可能な内視鏡であってもよい。
【0018】
本明細書では、用語「内部」は、器具チャネル及び/または同軸ケーブルの中心(たとえば軸)に半径方向により近いことを意味する。用語「外部」は、器具チャネル及び/または同軸ケーブルの中心(軸)から半径方向により遠いことを意味する。
【0019】
本明細書では、用語「伝導性」を、文脈からそうでないと示される場合を除いて、電気伝導性を意味するために用いる。
【0020】
本明細書では、用語「近位」及び「遠位」は細長いプローブの端部を指す。使用時、近位端はRF及び/またはマイクロ波エネルギーを与えるために発電機により近く、遠位端は発電機からより遠い。
【0021】
本明細書では、「マイクロ波」を、400MHz~100GHzの周波数範囲、しかし好ましくは1GHz~60GHzの範囲を示すために広く用いてもよい。考慮した具体的な周波数は、915MHz、2.45GHz、3.3GHz、5.8GHz、10GHz、14.5GHz、及び24GHzである。デバイスは、これらのマイクロ波周波数の複数においてエネルギーを送出してもよい。対照的に、本明細書では、「高周波」または「RF」を、少なくとも3桁低い周波数範囲、たとえば最大で300MHz、好ましくは10kHz~1MHzを示すために用いる。
【0022】
本発明の実施形態について、添付図面を参照して後述する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態である電気外科焼灼装置を示す概略図である。
【
図2】本発明とともに用いることができる内視鏡の器具コードを通る概略断面図である。
【
図3】本発明の実施形態である焼灼器具を通る長手方向の断面図である。
【
図4】本発明の別の実施形態である焼灼器具を通る長手方向の断面図である。
【
図5】本発明の別の実施形態である焼灼器具を通る長手方向の断面図である。
【
図6】本発明の別の実施形態である焼灼器具を通る長手方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
さらなるオプション及び選好
図1は、侵襲性の電気外科器具の遠位端にマイクロ波エネルギー及び流体(たとえば、冷却液)を供給することができる電気外科焼灼装置100の概略図である。システム100には、高周波(RF)及びマイクロ波エネルギーを制御可能に供給するための発電機102が含まれる。この目的にとって好適な発電機は、WO2012/076844に記載されている。この文献は参照により本明細書に組み込まれている。発電機は、器具から戻って受信された反射信号をモニタして、送出にとって適切な電力レベルを決定するために配設してもよい。たとえば、発電機を、器具の遠位端において見られるインピーダンスを計算して、最適な送出電力レベルを決定するために配設してもよい。
【0025】
発電機102は、インターフェースケーブル104によってインターフェースジョイント106に接続されている。またインターフェースジョイント106は、流体流れライン107を介して流体送出装置108(たとえば、注射器)に接続されている。それに加えてまたはその代わりに、いくつかの例では、装置を治療部位からの流体を吸引するために配設してもよい。このシナリオでは、流体流れライン107は、流体をインターフェースジョイント106から離れて好適な収集器(図示せず)まで運んでもよい。吸引メカニズムを流体流れライン107の近位端に接続してもよい。
【0026】
必要に応じて、インターフェースジョイント106は、引き金をスライドさせることによって、たとえば1つ以上の制御ワイヤまたはプッシュロッド(図示せず)の長手方向(前後)の動きを制御するように動作可能である器具制御メカニズムを収容することができる。複数の制御ワイヤがある場合には、完全制御を得るために複数のスライディング引き金がインターフェースジョイント上にあってもよい。インターフェースジョイント106の機能は、発電機102、流体送出装置108、及び器具制御メカニズムからの入力を結合して、単一のフレキシブルシャフト112内に入れることである。フレキシブルシャフト112は、インターフェースジョイント106の遠位端から延びている。
【0027】
フレキシブルシャフト112は、外科スコープ装置114の器具(ワーキング)チャネルの全長を通して挿入可能である。本発明の実施形態では、外科スコープ装置114には内視鏡超音波デバイスが含まれていてもよい。
【0028】
外科スコープ装置114には、多くの入力ポートと出力ポート(そこから器具コード120が延びている)とを有する本体116が含まれている。器具コード120には、複数の管腔を囲む外部ジャケットが含まれている。複数の管腔によって、本体116から種々の物が器具コード120の遠位端まで運ばれる。複数の管腔のうちの1つは、前述した器具チャネルである。他の管腔には、たとえば遠位端に照明をもたらすかまたは遠位端から画像を収集するために光放射を伝えるためのチャネルが含まれていてもよい。本体116には、遠位端を視認するためのアイピース122が含まれていてもよい。
【0029】
内視鏡超音波デバイスの場合は典型的に、器具チャネルの出口開口部を越えて器具コードの遠位先端部に超音波トランスデューサがある。超音波トランスデューサからの信号を好適なケーブル126によって器具コードに沿ってプロセッサ124まで戻してもよい。プロセッサ124は既知の方法で画像を生成することができる。器具コード内での器具チャネルの形成は、器具を器具チャネルから出して超音波システムの視野を通して送って標的部位における器具の箇所についての情報が得られるように行ってもよい。
【0030】
フレキシブルシャフト112は、外科スコープ装置114の器具チャネルを通り器具コードの遠位端において(たとえば患者の内部に)突出するように成形された遠位のアセンブリ118(
図1では一定の比率で描かれてはいない)を有している。
【0031】
後述する遠位のアセンブリ118の構造物は特に、内視鏡超音波(EUS)デバイスとともに用いるようにデザインしてもよく、それによって、遠位端アセンブリ118の最大外径は2.0mm以下、たとえば1.9mm未満(より好ましくは、1.5mm未満)であり、フレキシブルシャフトの長さを1.2m以上とすることができる。
【0032】
本体116には、フレキシブルシャフト112に接続するための電源入力ポート128が含まれている。後述するように、フレキシブルシャフトの近位部分には、発電機102から遠位のアセンブリ118まで高周波及びマイクロ波エネルギーを伝えることができる従来の同軸ケーブルが含まれていてもよい。EUSデバイスの器具チャネルにフィッティングすることが物理的に可能である同軸ケーブルは、以下の外径のものが入手可能である。1.19mm(0.047”)、1.35mm(0.053”)、1.40mm(0.055”)、1.60mm(0.063”)、1.78mm(0.070”)。カスタムサイズの同軸ケーブル(すなわち、オーダーメード)を用いてもよい。
【0033】
前述したように、少なくとも器具コード120の遠位端の位置を制御できることが望ましい。本体116には、器具コード120の遠位端に1本以上の制御ワイヤ(図示せず)によって機械的に結合された制御アクチュエータが含まれていてもよい。制御ワイヤは器具コード120を通って延びる。制御ワイヤは器具チャネル内を進んでもよいし、または制御ワイヤの独自の専用チャネル内を進んでもよい。制御アクチュエータは、レバーもしくは回転可能なノブ、または任意の他の既知のカテーテル操作デバイスであってもよい。器具コード120の操作は、ソフトウェア支援でもよく、たとえばコンピュータ断層撮影(CT)画像から組み立てられた仮想の3次元マップを用いて行ってもよい。
【0034】
図2は器具コード120の軸の図である。この実施形態では、器具コード120内に4つの管腔がある。最大の管腔は器具チャネル132である。他の管腔には、超音波信号チャネル134、及び照明チャネル136、及びカメラチャネル138が含まれているが、本発明はこの構成に限定されない。たとえば、他の管腔(たとえば、制御ワイヤまたは流体送出もしくは吸引用)があってもよい。
【0035】
一実施形態では、本発明によって、EUSシステムカテーテルの遠位端において組織焼灼を行うことができる器具が提供される。副作用を減らして器具の効率を最大にするために、送信アンテナは標的組織のできるだけ近くに配置しなければならない。理想的には、処置中に器具の放射部を腫瘍の内側(たとえば中心)に配置する。
【0036】
本発明は特に、膵臓の処置に適している場合がある。標的部位に到達するためには、器具を、口部、胃、及び十二指腸を通してガイドする必要がある。器具を、十二指腸の壁を通ることによって膵臓にアクセスするように配設する。この手順では、膵臓内を進み得る器具のサイズに著しい制限が課される。従来、外径が1mm以下(たとえば19ゲージ)の器具を用いている。
【0037】
以下の説明では、説明した遠位のアセンブリ118で用いるのに適した多くのアンテナ構成を示す。
【0038】
以下の説明では、他に記載がない限り、コンポーネントの長さは同軸ケーブル/器具コードの長手軸と平行な方向でのその寸法を指す。
【0039】
図3は、本発明の実施形態である電気外科器具200の遠位端の断面図である。
図3に、3つに区分されている、器具の遠位端部分を示す。第1の区分には、器具の近位端まで、たとえば、前述したように外科スコープ装置の器具チャネルを通って延びる同軸ケーブル202が含まれている。同軸ケーブル202の近位端を電気外科発電機に接続して、周波数が5.8GHzのマイクロ波エネルギー(たとえば、電磁エネルギー)を受け取って伝えるようにしてもよい。第2の区分には中間のインピーダンス変成器204が含まれている。第3の区分には遠位の放射部分206が含まれている。中間のインピーダンス変成器204は、同軸ケーブル202のインピーダンスを遠位の放射部分206のインピーダンスに整合するように配設されている。
【0040】
遠位の放射部分206は、膵臓内の組織の処置に適するように寸法取りされている。特に、その寸法は、たとえばEUSデバイスを用いて十二指腸の壁を通って膵臓内へと貫通するように使用される既知のプローブと同様である。したがって、遠位の放射部分206の最大外径は1mm以下(たとえば19ゲージ針以下)であってもよい。遠位の放射部分の長さは約40mmであってもよい。
【0041】
同軸ケーブル202は、従来の柔軟な同軸マイクロ波ケーブル(外科スコープ装置の器具チャネルを通ることができるように外径が選択されている)であってもよい。一例では、同軸ケーブル202の外径は2.2mm以下であってもよい。たとえば、Sucoform(登録商標)86ケーブルを用いてもよい。同軸ケーブルには、絶縁性の誘電体材料210によって外部導体212から分離された内部導体208が含まれている。外部導体212の外面の周りに保護ジャケット(図示せず)を設けてもよい。同軸ケーブル202の長さは1.2m以上であってもよい。
図3にはその遠位部分のみを示す。
【0042】
この実施形態では、同軸ケーブル202の内部導体208は、外部導体212の遠位端を越えて、中間のインピーダンス変成器204及び遠位の放射部分206の両方を通って延びている。したがって、遠位端アセンブリの3つの区分はすべて、共通の内部導体を共有している。実際には、一例では、中間のインピーダンス変成器204及び遠位の放射部分206の形成は、同軸ケーブルの遠位の区分から外部導体を剥がし、誘電体材料210の一部を選択的に取り除き、各部分に対する所望の誘電体外径を実現し、そして縮径部分上に新しい外部導体を設けることによって行ってもよい。中間のインピーダンス変成器204は、第1の縮径を有する誘電体材料214を有し、遠位の放射部分206は、第2の縮径を有する誘電体材料216を有している。第1の縮径は、同軸ケーブル202内の誘電体材料210の直径よりも小さい。第2の縮径は第1の縮径よりも小さい。直径間の関係については、後でより詳細に説明する。
【0043】
この実施形態では、遠位の放射部分206には装荷モノポールアンテナ218が含まれている。装荷モノポールアンテナ218は、遠位の放射部分206の最も遠位な長さから外部導体を取り除くことによって設けてもよい。装荷モノポールアンテナ218の長さは、同軸ケーブル202が伝えるマイクロ波エネルギーの4分の1波長の奇数倍に等しくてもよい。
【0044】
前述したように、遠位の放射部分206の最大外径(膵臓内に挿入されるべき部分)は1mm以下であることが望ましい。一例では、これは、関連するコンポーネントに対する以下の横断寸法によって実現される。
【0045】
【0046】
この例での外部導体の厚さは0.075mmである。この例で用いる誘電体材料の比誘電率εrは1.85であり、遠位の放射部分に対するインピーダンスZoutは以下のように得られる。
【0047】
【0048】
したがって、同軸ケーブル202のインピーダンスZinが50Ωであるならば、中間のインピーダンス変成器204のインピーダンスZtは以下のように計算される。
【0049】
【0050】
この例では、中間のインピーダンス変成器204において同じ内部導体及び同じ誘電体材料を用いているので、誘電体材料214の外径d3は、以下の関係を満たすように計算することができる。
【0051】
【0052】
これを解くとd3として1.1mmが求まる。これに続いて、中間のインピーダンス変成器204における関連するコンポーネントに対する横断寸法は、以下であってもよい。
【0053】
【0054】
中間のインピーダンス変成器204の長さは好ましくは、その中に伝えられるマイクロ波エネルギーの4分の1波長の奇数倍である。εrが1.85mmである場合、5.8GHzにおける4分の1波長は9.5mmである。
【0055】
器具の全長に対して同じ誘電体材料を用いる場合、装荷モノポールアンテナ218の長さも9.5mmであってもよい。しかし、至る所で同じ誘電体材料を用いる必要はない。たとえば、装荷モノポールアンテナ218に対して異なる誘電体材料を用いてもよい。たとえば、装荷モノポールアンテナ218の長さを、比誘電率がより高い誘電体材料を用いることによって短くしてもよい。一例では、剛性の誘電体材料たとえばセラミックまたはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いることができる。他の例では、遠位の放射部分206には、非装着のアンテナが含まれていてもよい(たとえば、露出した内部導体の一部が含まれていてもよい)。この種の構造物の例について、以下で
図5を参照して説明する。
【0056】
前述した器具200によって、これまで用いられている高周波ベースの技術よりも正確で有効な処置を容易にすることができる、膵臓内にマイクロ波エネルギーを導入する手段が得られる。詳細には、マイクロ波アンテナからデバイス内にエネルギーを送出する移送機構は主に放射である。その結果、目標領域は急速に処置されて、不必要な領域にエネルギーが漏れるかまたは集中する危険性は低くなる。これは、移送機構が主に伝導性によるRFベースの技術とは対照的であり得る。RFベースの技術では、外部に位置するリターンパッドを用いることによって、電流経路の位置を制御することが難しくなる可能性がある。
【0057】
本明細書で開示した器具は特に、マイクロ波エネルギーとともに用いることに好適であり得るが、器具はまた、高周波(RF)エネルギーを送出するためのバイポーラ構造ももたらし得る。一例では、マイクロ波エネルギーを放射するためのアンテナを形成する同じ構造物によって、活性電極及びリターン電極(それらの間にRFエネルギーを送出するのに適している)が得られる。活性電極は内部導体であってもよい。リターン電極は外部導体の遠位部分であってもよい。この配置によって、RF電流に対する局部的なリターン経路が得られ、したがって、別個の外部リターンパッドを必要とする従来技術の器具よりも好ましい。他の例では、器具にはRFエネルギーを送出ための別個の構造物が含まれていてもよい。
【0058】
前述したように、器具は、RF及びマイクロ波エネルギーの両方を同軸伝送線に沿って別個または同時に送出することができる発電機に接続可能であってもよい。したがって、器具は複数の処置モードにおいて選択的に動作可能であってもよい。たとえば、(i)マイクロ波のみ、(ii)RFのみ、(iii)RFの後にマイクロ波、(iv)マイクロ
波の後にRF、(v)RF及びマイクロ波を同時、のうちのいずれか1つ、2つ、3つ以上を含む。したがって、器具は、従来のRF焼灼デバイスよりも高性能なエネルギー印加方式の下で処置を行うことができる。
【0059】
図4は、本発明の別の実施形態である電気外科器具240の遠位端の断面図である。
図3に示す実施形態と共通する特徴物には同じ参照番号を付して、もう一度説明することはしない。
図3と同様に、器具240は、同軸ケーブル202から中間のインピーダンス変成器204及び遠位の放射部分206を通る共通の内部導体を利用する。しかし、この実施形態では、同軸ケーブル202の誘電体材料を完全に取り除いて、中間のインピーダンス変成器204及び遠位の放射部分206において代替材料と交換してもよい。
【0060】
処置すべき腫瘍の内部に器具を押すのを助けるために、器具の遠位部分が剛性であることが望ましい場合がある。したがって、中間のインピーダンス変成器204及び遠位の放射部分206に、剛性の誘電体材料242、244をそれぞれ与えてもよい。この区分における剛性の誘電体材料242、244は同じであってもよいしまたは異なっていてもよい。たとえば、中間のインピーダンス変成器204は、PEEKから形成された誘電体材料242を有していてもよく、遠位の放射部分206はセラミックから形成された誘電体材料244を有していてもよく、逆もまた同様である。前述したように、これらの材料の利点は、同軸ケーブル202の誘電体材料210よりも比誘電率が高いことであり、遠位部分をコンパクトにすることができる。剛性の誘電体材料242、244を、内部導体208の周りに鋳造するかまたは他の場合には内部導体208に取り付けることを、そこから誘電体材料210を剥がした後に行ってもよい。前述したように、剛性の誘電体材料242、244を所定の位置に配置した後で、新しい外部導体を中間のインピーダンス変成器204及び遠位の放射部分206の関連する部品上に適用する。
【0061】
図4に示す構造物を有する特定の例では、中間の誘電体材料242及び遠位の誘電体材料は両方ともPEEKである。遠位の放射部分206は全長が3cmである。外部のメタライゼーション244は全長のうちの2cmにわたって延びて、最も遠位な1cm部分を露出するPEEKで残す(その中を内部導体が進む)。外部のメタライゼーション244は内径が0.8mmで外径が1.0mmである。
【0062】
図5は、本発明の別の実施形態である電気外科器具260の遠位端の断面図である。
図3に示す実施形態と共通する特徴物には同じ参照番号を付して、もう一度説明することはしない。この例では、内部導体208が同軸ケーブル202から中間のインピーダンス変成器204を通って延びて、遠位の放射部分206の近位端で終了する。剛性の伝導性フィンガー266が、内部導体208の遠位端に取り付けられて電気的に接続されている。この例では、剛性の伝導性フィンガー266は、遠位の放射部分206の内部導体を形成して、非装着のモノポールアンテナ268としてそこから突出している。突出部を鋭利にして(たとえば、針に似させて)、組織内への挿入を容易にする。剛性の伝導性フィンガー266をステンレス鋼などから形成してもよい。
【0063】
この例では、中間のインピーダンス変成器204及び遠位の放射部分206で用いる誘電体材料262、264は、同軸ケーブル202の誘電体材料210とは異なっている。
図4を参照して前述したように、これらの材料は、所望の物理特性(たとえば剛性)を付与するように、または器具の対応する部分の長さを制御するように選択してもよい。図示した例では、剛性の伝導性フィンガー266の外径は内部導体208の外径より大きくてもよく、これは遠位部分のインピーダンスに対して効果がある。
【0064】
電気外科器具260はさらに、引き込み式シース270が同軸ケーブル202上に取り付けられている。シース270は、挿入の深さを制御するためであり、またアンテナの鋭
い先端部に起因する損傷に対して器具チャネルのライニングを保護するためである。シース270は器具の遠位部分にわたって延びていてもよい。目盛尺(たとえば1mm~30mm)を有していてもよく、シースを引き戻すとアンテナが露出する。シースの遠位端272を十二指腸の壁に対して配置してもよく、アンテナを壁を通して膵臓内に挿入する。その結果、シース端部は停止または基準点として働いてもよい。シースの外径は器具チャネル内に収まるようなサイズであってもよい。たとえば、2.4mmまたは2.7mmであってもよい。
図5のみに例示しているが、当然のことながら、シース270は、本明細書で開示した実施形態のいずれかと一緒に用いてもよい。
【0065】
図6は、本発明の別の実施形態である電気外科器具280の遠位端の断面図である。
図3に示す実施形態と共通する特徴物には同じ参照番号を付して、もう一度説明することはしない。この例では、遠位の放射部分206はスロットアンテナ構造物286が含まれている。
図3と同様に、器具280は、同軸ケーブル202から中間のインピーダンス変成器204及び遠位の放射部分206を通る共通の内部導体を利用する。この実施形態では、同軸ケーブル202の誘電体材料を完全に取り除いて、中間のインピーダンス変成器204及び遠位の放射部分206において代替材料と交換してもよい。中間のインピーダンス変成器204は中間の誘電体材料282を有し、遠位の放射部分206は遠位の誘電体材料284を有している。中間の誘電体材料282及び遠位の誘電体材料284は同じであってもよいしまたは異なっていてもよい。それらは両方とも同軸ケーブルの誘電体材料210とは異なっていてもよい。
【0066】
コンパクトなスロットアンテナを得るために、遠位の誘電体材料284が、たとえば、誘電定数が20以上、好ましくは40以上であることによって、構造物に対して高負荷を与えることが望ましい場合がある。スロットアンテナ286は、遠位の放射部分206上の外部伝導層内に1つ以上の窓またはスロット288を形成することによって形成する。複数のスロットを形成する場合、それらは遠位の放射部分206の長さに沿って、遠位の放射部分206が伝えるマイクロ波エネルギーの半波長だけ分離されている。細長い(すなわち、前方に向けられた)焼灼場を形成するために、内部導体208の遠位端を、遠位の放射部分206上の外部伝導層に、たとえば伝導性のエンドキャップ290を介して電気的に接続してもよい。遠位の放射部分206上の最も遠位なスロットを好ましくは、遠位端(たとえば、エンドキャップ290)から、遠位の放射部分206が伝えるマイクロ波エネルギーの4分の1波長だけ離間して配置する。一例では、誘電体材料284は比誘電率が49であってもよく、その結果、マイクロ波エネルギーの周波数が5.8GHzである場合の4分の1波長は1.85mmである。この例では、スロットは遠位の放射部分206の長さに沿って3.7mm間隔で離間して配置されている。
【0067】
使用時、前述した例のいずれかによる器具を外科スコープ装置の器具チャネルを通して挿入して、治療部位に(たとえば十二指腸の壁を通して膵臓内部に)到達させてもよい。遠位の放射部分206が組織に侵入して、同軸ケーブル202から送出されたマイクロ波エネルギーが組織内に放射してそれを焼灼してもよい。
【0068】
いくつかの手順では、器具の前に吸引針を治療部位に挿入して、たとえば、嚢胞から流体を取り除く等を行ってもよい。
【0069】
本発明の器具は、特に器具のサイズが既知のRFプローブと同じオーダーであるために、既知のRF焼灼技術に対する代替物としての特定の用途を見出す場合があり、したがって同じ機器を用いて導入することができる。