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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20240816BHJP
【FI】
G16H10/60
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2023193741
(22)【出願日】2023-11-14
【審査請求日】2023-12-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514132877
【氏名又は名称】株式会社サンクスネット
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】土井 崇寛
(72)【発明者】
【氏名】桐林 東一郎
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-059149(JP,A)
【文献】特開2017-151732(JP,A)
【文献】特表2017-518569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人を一意に識別するための個人識別情報を保持する個人識別情報保持部と、
前記個人識別情報保持部で保持された個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する、又は、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する健康医療情報保持部と、
健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報である一般的健康医療情報を保持する一般的健康医療情報保持部と、
個人識別情報と関連付けて健康医療情報を取得する健康医療情報取得部と、
前記健康医療情報取得部で取得した健康医療情報に基づいて一般的健康医療情報を取得するためのルールである一般的健康医療情報取得ルール(人工知能も含む)を保持する一般的健康医療情報取得ルール保持部と、
前記健康医療情報取得部で取得した健康医療情報と、前記一般的健康医療情報取得ルール保持部で保持されている一般的健康医療情報取得ルールと、に基づいて、前記一般的健康医療情報保持部で保持されている一般的健康医療情報を取得する一般的健康医療情報取得部と、
前記一般的健康医療情報取得部で取得した一般的健康医療情報を前記健康医療情報取得部で取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する一般的健康医療情報出力部と、
前記個人識別情報と関連付けて前記所定の相手先を識別する相手先識別情報(相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げない。以下同じ。)を保持する相手先識別情報保持部と、
前記相手先識別情報を前記個人識別情報と関連付けて前記相手先識別情報保持部に保持のために登録する相手先識別情報登録部と、
前記一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを前記個人識別情報又は前記相手先識別情報と関連付けて取得するトリガー取得部と、
トリガーの取得があった場合に前記一連の処理を開始する処理開始制御部と、
トリガーに関連付けられていた前記個人識別情報又は前記相手先識別情報に関連付けて前記一般的健康医療情報出力部が出力する相手先を前記相手先識別情報保持部に保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に前記一般的健康医療情報出力部の出力先を制御する出力先制御部と、
前記選択のためのルールである選択ルールを保持する選択ルール保持部と、
前記出力先制御部が選択した相手先識別情報に応じて前記一般的健康医療情報取得部が取得し、前記一般的健康医療情報出力部から出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する一般的健康医療情報表現変更部と
を有する情報提供システム。
【請求項2】
前記トリガー取得部は、トリガーとして問診形式の情報である問診情報(問いかけの情報、個人の個別に設定された問いかけの情報とは異なる。以下同じ。)の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得する問診情報出力要求情報取得手段を有する請求項に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記一般的健康医療情報は、前記問診情報を含むことを特徴とする請求項に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記健康医療情報は、前記問診情報に対する回答情報である問診回答情報を含むことを特徴とする請求項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する情報ログ保持部を有し、
前記一般的健康医療情報取得ルールは、前記情報ログにも基づいて情報を取得するルールである請求項1から請求項のいずれか一に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記所定の相手先は、個人識別情報又は/及び相手先識別情報で識別された個人及びその個人に関わる医療従事者の両方又はいずれか一方である請求項に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記個人識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号のうちいずれか一以上の情報を含む請求項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記相手先識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号のうちいずれか一以上の情報を含む請求項に記載の情報提供システム。
【請求項9】
コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、
個人を一意に識別するための個人識別情報を保持する個人識別情報保持ステップと、
前記個人識別情報保持ステップで保持された個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する、又は、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する健康医療情報保持ステップと、
健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報である一般的健康医療情報を保持する一般的健康医療情報保持ステップと、
個人識別情報と関連付けて健康医療情報を取得する健康医療情報取得ステップと、
前記健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報に基づいて一般的健康医療情報を取得するためのルールである一般的健康医療情報取得ルール(人工知能も含む)を保持する一般的健康医療情報取得ルール保持ステップと、
前記健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報と、前記一般的健康医療情報取得ルール保持ステップで保持されている一般的健康医療情報取得ルールと、に基づいて、前記一般的健康医療情報保持ステップで保持されている一般的健康医療情報を取得する一般的健康医療情報取得ステップと、
前記一般的健康医療情報取得ステップで取得した一般的健康医療情報を前記健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する一般的健康医療情報出力ステップと、
前記個人識別情報と関連付けて前記所定の相手先を識別する相手先識別情報(相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げない。以下同じ。)を保持する相手先識別情報保持ステップと、
前記相手先識別情報を前記個人識別情報と関連付けて前記相手先識別情報保持ステップに保持のために登録する相手先識別情報登録ステップと、
前記一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを前記個人識別情報又は前記相手先識別情報と関連付けて取得するトリガー取得ステップと、
トリガーの取得があった場合に前記一連の処理を開始する処理開始制御ステップと、
トリガーに関連付けられていた前記個人識別情報又は前記相手先識別情報に関連付けて前記一般的健康医療情報出力ステップで出力する相手先を前記相手先識別情報保持ステップで保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に前記一般的健康医療情報出力ステップの出力先を制御する出力先制御ステップと、
前記選択のためのルールである選択ルールを保持する選択ルール保持ステップと、
前記出力先制御ステップで選択した相手先識別情報に応じて前記一般的健康医療情報取得ステップで取得し、前記一般的健康医療情報出力ステップで出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する一般的健康医療情報表現変更ステップと
を有する方法。
【請求項10】
コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、
前記トリガー取得ステップは、トリガーとして問診形式の情報である問診情報(問いかけの情報、個人の個別に設定された問いかけの情報とは異なる。以下同じ。)の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得する問診情報出力要求情報取得サブステップを有する請求項に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、
前記一般的健康医療情報は、前記問診情報を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、
前記健康医療情報は、前記問診情報に対する回答情報である問診回答情報を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、
個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する情報ログ保持ステップを有し、
前記一般的健康医療情報取得ルールは、前記情報ログにも基づいて情報を取得するルールである請求項から請求項12のいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、
前記所定の相手先は、個人識別情報又は/及び相手先識別情報で識別された個人及びその個人に関わる医療従事者の両方又はいずれか一方である請求項9に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、
前記個人識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号のうちいずれか一以上の情報を含む請求項9に記載の方法。
【請求項16】
コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、
前記相手先識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号のうちいずれか一以上の情報を含む請求項9に記載の方法。
【請求項17】
情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムであって、
個人を一意に識別するための個人識別情報を保持する個人識別情報保持ステップと、
前記個人識別情報保持ステップで保持された個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する、又は、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する健康医療情報保持ステップと、
健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報である一般的健康医療情報を保持する一般的健康医療情報保持ステップと、
個人識別情報と関連付けて健康医療情報を取得する健康医療情報取得ステップと、
前記健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報に基づいて一般的健康医療情報を取得するためのルールである一般的健康医療情報取得ルール(人工知能も含む)を保持する一般的健康医療情報取得ルール保持ステップと、
前記健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報と、前記一般的健康医療情報取得ルール保持ステップで保持されている一般的健康医療情報取得ルールと、に基づいて、前記一般的健康医療情報保持ステップで保持されている一般的健康医療情報を取得する一般的健康医療情報取得ステップと、
前記一般的健康医療情報取得ステップで取得した一般的健康医療情報を前記健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する一般的健康医療情報出力ステップと、
前記個人識別情報と関連付けて前記所定の相手先を識別する相手先識別情報(相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げない。以下同じ。)を保持する相手先識別情報保持ステップと、
前記相手先識別情報を前記個人識別情報と関連付けて前記相手先識別情報保持ステップに保持のために登録する相手先識別情報登録ステップと、
前記一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを前記個人識別情報又は前記相手先識別情報と関連付けて取得するトリガー取得ステップと、
トリガーの取得があった場合に前記一連の処理を開始する処理開始制御ステップと、
トリガーに関連付けられていた前記個人識別情報又は前記相手先識別情報に関連付けて前記一般的健康医療情報出力ステップで出力する相手先を前記相手先識別情報保持ステップで保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に前記一般的健康医療情報出力ステップの出力先を制御する出力先制御ステップと、
前記選択のためのルールである選択ルールを保持する選択ルール保持ステップと、
前記出力先制御ステップで選択した相手先識別情報に応じて前記一般的健康医療情報取得ステップで取得し、前記一般的健康医療情報出力ステップで出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する一般的健康医療情報表現変更ステップと
計算機である前記情報提供システムに実行させることを特徴とする情報提供システムの動作プログラム。
【請求項18】
情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムであって、
前記トリガー取得ステップは、トリガーとして問診形式の情報である問診情報(問いかけの情報、個人の個別に設定された問いかけの情報とは異なる。以下同じ。)の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得する問診情報出力要求情報取得サブステップを有する請求項17に記載の計算機である前記情報提供システムに実行させることを特徴とする情報提供システムの動作プログラム。
【請求項19】
情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムであって、
前記一般的健康医療情報は、前記問診情報を含む請求項18に記載の計算機である前記情報提供システムに実行させることを特徴とする情報提供システムの動作プログラム。
【請求項20】
情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムであって、
前記健康医療情報は、前記問診情報に対する回答情報である問診回答情報を含む請求項19に記載の計算機である前記情報提供システムに実行させることを特徴とする情報提供システムの動作プログラム。
【請求項21】
情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムであって、
個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する情報ログ保持ステップを有し、
前記一般的健康医療情報取得ルールは、前記情報ログにも基づいて情報を取得するルールである請求項17から請求項20のいずれか一に記載の計算機である前記情報提供システムに実行させることを特徴とする情報提供システムの動作プログラム。
【請求項22】
情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムであって、
前記所定の相手先は、個人識別情報又は/及び相手先識別情報で識別された個人及びその個人に関わる医療従事者の両方又はいずれか一方である請求項17に記載の計算機である前記情報提供システムに実行させることを特徴とする情報提供システムの動作プログラム。
【請求項23】
情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムであって、
前記個人識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号のうちいずれか一以上の情報を含む請求項17に記載の計算機である前記情報提供システムに実行させることを特徴とする情報提供システムの動作プログラム。
【請求項24】
情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムであって、
前記相手先識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号のうちいずれか一以上の情報を含む請求項17に記載の計算機である前記情報提供システムに実行させることを特徴とする情報提供システムの動作プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取得した一般的健康医療情報を、取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、利用者の各種情報に基づき、提案情報を提供するようなシステムやサービスが検討されている。
【0003】
そのようなシステムの一例として、特許文献1に記載された発明が提案されていた。この発明では、アドバイザーが顧客の生体情報とくらし情報を入力し、生体情報とくらし情報の組み合わせに基づき、データベースを用いて解析を行い、顧客のQOL(生活の質)を向上させるための提案情報を出力する情報管理システムを提供するというものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-68649
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した発明では、アドバイザーが顧客の生体情報およびくらし情報をその都度入力しなければならないという煩わしさがあり、また、取得した一般的健康医療情報を、取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて、所定の相手先に出力するという具体的な構成までは開示されていないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述したような課題を踏まえ、取得した一般的健康医療情報を、取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて、所定の相手先に出力する情報提供システムを提供しようとするものである。
【0007】
具体的には、本発明は、個人を一意に識別するための個人識別情報を保持する個人識別情報保持部と、個人識別情報保持部で保持された個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する、又は、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する健康医療情報保持部と、健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報である一般的健康医療情報を保持する一般的健康医療情報保持部と、個人識別情報と関連付けて健康医療情報を取得する健康医療情報取得部と、健康医療情報取得部で取得した健康医療情報に基づいて一般的健康医療情報を取得するためのルールである一般的健康医療情報取得ルール(人工知能も含む)を保持する一般的健康医療情報取得ルール保持部と、健康医療情報取得部で取得した健康医療情報と、一般的健康医療情報取得ルール保持部で保持されている一般的健康医療情報取得ルールと、に基づいて、一般的健康医療情報保持部で保持されている一般的健康医療情報を取得する一般的健康医療情報取得部と、一般的健康医療情報取得部で取得した一般的健康医療情報を健康医療情報取得部で取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する一般的健康医療情報出力部と、を有する情報提供システムを提供する。
【0008】
また、本発明は、前記特徴に加えて、個人識別情報と関連付けて所定の相手先を識別する相手先識別情報(相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げない。以下同じ。)を保持する相手先識別情報保持部と、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて相手先識別情報保持部に保持のために登録する相手先識別情報登録部と、を有する情報提供システムを提供する。
【0009】
また、本発明は、前記特徴に加えて、一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを個人識別情報又は相手先識別情報と関連付けて取得するトリガー取得部と、トリガーの取得があった場合に一連の処理を開始する処理開始制御部と、トリガーに関連付けられていた個人識別情報又は相手先識別情報に関連付けて一般的健康医療情報出力部が出力する相手先を相手先識別情報保持部に保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に一般的健康医療情報出力部の出力先を制御する出力先制御部と、選択のためのルールである選択ルールを保持する選択ルール保持部と、を有する情報提供システムを提供する。
【0010】
また、本発明は、前記特徴に加えて、出力先制御部が選択した相手先識別情報に応じて一般的健康医療情報取得部が取得し、一般的健康医療情報出力部から出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する一般的健康医療情報表現変更部を有する情報提供システムを提供する。
【0011】
また、本発明は、前記特徴に加えて、トリガー取得部は、トリガーとして問診形式の情報である問診情報(問いかけの情報、個人の個別に設定された問いかけの情報とは異なる。以下同じ。)の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得する問診情報出力要求情報取得手段を有する情報提供システムを提供する。
【0012】
また、本発明は、前記特徴に加えて、一般的健康医療情報は問診情報を含む情報提供システムを提供する。
【0013】
また、本発明は、前記特徴に加えて、健康医療情報は問診情報に対する回答情報である問診回答情報を含む情報提供システムを提供する。
【0014】
また、本発明は、前記特徴に加えて、個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する情報ログ保持部を有し、一般的健康医療情報取得ルールは、情報ログにも基づいて情報を取得するルールである情報提供システムを提供する。
【0015】
また、本発明は、前記特徴に加えて、所定の相手先は、個人識別情報又は/及び相手先識別情報で識別された個人及びその個人に関わる医療従事者の両方又はいずれか一方である情報提供システムを提供する。
【0016】
また、本発明は、前記特徴に加えて、個人識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号のうちいずれか一以上の情報を含む情報提供システムを提供する。
【0017】
また、本発明は、前記特徴に加えて、相手先識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号のうちいずれか一以上の情報を含む情報提供システムを提供する。
【0018】
更に、上述した情報提供システムについて、それらを実現するため、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法、並びに、計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述した情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0019】
具体的には、本発明は、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、個人を一意に識別するための個人識別情報を保持する個人識別情報保持ステップと、個人識別情報保持ステップで保持された個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する、又は、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する健康医療情報保持ステップと、健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報である一般的健康医療情報を保持する一般的健康医療情報保持ステップと、個人識別情報と関連付けて健康医療情報を取得する健康医療情報取得ステップと、健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報に基づいて一般的健康医療情報を取得するためのルールである一般的健康医療情報取得ルール(人工知能も含む)を保持する一般的健康医療情報取得ルール保持ステップと、健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報と、一般的健康医療情報取得ルール保持ステップで保持されている一般的健康医療情報取得ルールと、に基づいて、一般的健康医療情報保持ステップで保持されている一般的健康医療情報を取得する一般的健康医療情報取得ステップと、一般的健康医療情報取得ステップで取得した一般的健康医療情報を健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する一般的健康医療情報出力ステップと、を有する方法を提供する。
【0020】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、個人識別情報と関連付けて所定の相手先を識別する相手先識別情報(相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げない。以下同じ。)を保持する相手先識別情報保持ステップと、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて相手先識別情報保持ステップで保持のために登録する相手先識別情報登録ステップと、を有する方法を提供する。
【0021】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを個人識別情報又は相手先識別情報と関連付けて取得するトリガー取得ステップと、トリガーの取得があった場合に一連の処理を開始する処理開始制御ステップと、トリガーに関連付けられていた個人識別情報又は相手先識別情報に関連付けて一般的健康医療情報出力ステップで出力する相手先を相手先識別情報保持ステップで保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に一般的健康医療情報出力ステップでの出力先を制御する出力先制御ステップと、選択のためのルールである選択ルールを保持する選択ルール保持ステップと、を有する方法を提供する。
【0022】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、出力先制御ステップで選択した相手先識別情報に応じて一般的健康医療情報取得ステップで取得し、一般的健康医療情報出力ステップで出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する一般的健康医療情報表現変更ステップを有する方法を提供する。
【0023】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、トリガー取得ステップは、トリガーとして問診形式の情報である問診情報(問いかけの情報、個人の個別に設定された問いかけの情報とは異なる。以下同じ。)の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得する問診情報出力要求情報取得サブステップを有する方法を提供する。
【0024】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、一般的健康医療情報は、問診情報を含む方法を提供する。
【0025】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、健康医療情報は、問診情報に対する回答情報である問診回答情報を含む方法を提供する。
【0026】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する情報ログ保持ステップを有し、一般的健康医療情報取得ルールは、情報ログにも基づいて情報を取得するルールである方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、所定の相手先は、個人識別情報又は/及び相手先識別情報で識別された個人及びその個人に関わる医療従事者の両方又はいずれか一方である方法を提供する。
【0028】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、個人識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号のうちいずれか一以上の情報を含む方法を提供する。
【0029】
また、本発明は、前記特徴に加えて、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法であって、相手先識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号のうちいずれか一以上の情報を含む方法を提供する。
【0030】
具体的には、本発明は、個人を一意に識別するための個人識別情報を保持する個人識別情報保持ステップと、個人識別情報保持ステップで保持された個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する、又は、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する健康医療情報保持ステップと、健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報である一般的健康医療情報を保持する一般的健康医療情報保持ステップと、個人識別情報と関連付けて健康医療情報を取得する健康医療情報取得ステップと、健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報に基づいて一般的健康医療情報を取得するためのルールである一般的健康医療情報取得ルール(人工知能も含む)を保持する一般的健康医療情報取得ルール保持ステップと、健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報と、一般的健康医療情報取得ルール保持ステップで保持されている一般的健康医療情報取得ルールと、に基づいて、一般的健康医療情報保持ステップで保持されている一般的健康医療情報を取得する一般的健康医療情報取得ステップと、一般的健康医療情報取得ステップで取得した一般的健康医療情報を健康医療情報取得ステップで取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する一般的健康医療情報出力ステップと、を有する計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0031】
また、本発明は、前記特徴に加えて、個人識別情報と関連付けて所定の相手先を識別する相手先識別情報(相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げない。以下同じ。)を保持する相手先識別情報保持ステップと、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて相手先識別情報保持ステップで保持のために登録する相手先識別情報登録ステップと、を有する計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0032】
また、本発明は、前記特徴に加えて、一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを個人識別情報又は相手先識別情報と関連付けて取得するトリガー取得ステップと、トリガーの取得があった場合に一連の処理を開始する処理開始制御ステップと、トリガーに関連付けられていた個人識別情報又は相手先識別情報に関連付けて一般的健康医療情報出力ステップで出力する相手先を相手先識別情報保持ステップで保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に一般的健康医療情報出力ステップでの出力先を制御する出力先制御ステップと、選択のためのルールである選択ルールを保持する選択ルール保持ステップと、を有する計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0033】
また、本発明は、前記特徴に加えて、出力先制御ステップで選択した相手先識別情報に応じて一般的健康医療情報取得ステップで取得し、一般的健康医療情報出力ステップで出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する一般的健康医療情報表現変更ステップを有する計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0034】
また、本発明は、前記特徴に加えて、トリガー取得ステップは、トリガーとして問診形式の情報である問診情報(問いかけの情報、個人の個別に設定された問いかけの情報とは異なる。以下同じ。)の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得する問診情報出力要求情報取得サブステップを有する計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0035】
また、本発明は、前記特徴に加えて、一般的健康医療情報は、問診情報を含む計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0036】
また、本発明は、前記特徴に加えて、健康医療情報は、問診情報に対する回答情報である問診回答情報を含む計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0037】
また、本発明は、前記特徴に加えて、個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する情報ログ保持ステップを有し、一般的健康医療情報取得ルールは、情報ログにも基づいて情報を取得するルールである計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0038】
また、本発明は、前記特徴に加えて、所定の相手先は、個人識別情報又は/及び相手先識別情報で識別された個人及びその個人に関わる医療従事者の両方又はいずれか一方である計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0039】
また、本発明は、前記特徴に加えて、個人識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号のうちいずれか一以上の情報を含む計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0040】
また、本発明は、前記特徴に加えて、相手先識別情報は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号のうちいずれか一以上の情報を含む計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述された情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0041】
以上より、本発明では、取得した一般的健康医療情報を、取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて、所定の相手先に出力する情報提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本件発明に適用されるハードウェア構成を示す図
図2】本件発明における情報提供システムの全体的な構成の一例を示す図
図3】実施形態1における情報提供システムの機能的構成を示す図
図4】実施形態1における情報提供システムのハードウェア構成を示す図
図5】実施形態1における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを示す図
図6】実施形態2における情報提供システムの機能的構成を示す図
図7】実施形態2における情報提供システムのハードウェア構成を示す図
図8】実施形態2における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを示す図
図9】実施形態3における情報提供システムの機能的構成を示す図
図10】実施形態3における情報提供システムのハードウェア構成を示す図
図11】実施形態3における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを 示す図
図12】実施形態4における情報提供システムの機能的構成を示す図
図13】実施形態4における情報提供システムのハードウェア構成を示す図
図14】実施形態4における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを 示す図
図15】実施形態5における情報提供システムの機能的構成を示す図
図16】実施形態5における情報提供システムのハードウェア構成を示す図
図17】実施形態5における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを 示す図
図18】実施形態6における情報提供システムの機能的構成を示す図
図19】実施形態6における情報提供システムのハードウェア構成を示す図
図20】実施形態6における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを 示す図
図21】本件発明における一般的健康医療情報の一例を示す図
図22】本件発明における一般的健康医療情報取得ルールの一例を示す図
図23】本件発明における一般的健康医療情報の一例を示す図
図24】本件発明における健康医療情報の一例を示す図
図25】PHRの全体像(一部抜粋)の一例を示す図
図26】本件発明における健康医療情報の一例を示す図
図27】本件発明における健康医療情報の一例を示す図 <本発明を構成し得るハードウェアについて>
【0043】
図1は、本件発明に適用されるハードウェア構成を示す図である。
本件発明は、原則的に電子計算機を利用する発明であるが、ソフトウェアによって実現され、ハードウェアによっても実現され、ソフトウェアとハードウェアの協働によっても実現される。本件発明の各構成要件の全部又は一部を実現するハードウェアでは、コンピュータの基本的構成であるCPU、メモリ、バス、入出力装置、各種周辺機器、ユーザーインターフェースなどによって構成される。各種周辺機器には、記憶装置、インターネット等インターフェース、インターネット等機器、ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカー、カメラ、ビデオ、テレビ、実験室又は工場などでの生産状態を把握するための各種センサ(流量センサ、温度センサ、重量センサ、液量センサ、赤外線センサ、出荷個数計数機、梱包個数計数機、異物検査装置、不良品計数機、放射線検査装置、表面状態検査装置、回路検査装置、人感センサ、作業者作業状況把握装置(映像、ID、PC作業量などで)等)、CD装置、DVD装置、ブルーレイ装置、USBメモリ、USBメモリインターフェース、着脱可能タイプのハードディスク、一般的なハードディスク、プロジェクタ装置、SSD、電話、ファックス、コピー機、印刷装置、ムービー編集装置、各種センサ装置などが含まれる。また、本システムは、必ずしも一つの筐体によって構成されている必要はなく、複数の筐体を通信で結合して構成されるものであってもよい。また、通信は、LANであってもWAN、Wifi、ブルートゥース(登録商標)、赤外線通信、超音波通信であってもよく、さらに、一部が国境を跨いで設置されていてもよい。さらに、複数の筐体のそれぞれが異なる主体によって運営されていてもよく、一の主体によって運営されていてもよい。本件発明のシステムの運用主体は、単数であるか複数であるかは問わない。また、本システムの他に第三者の利用する端末、さらに他の第三者の利用する端末を含むシステムとしても発明を構成することができる。また、これらの端末は国境を越えて設置されていてもよい。さらに、本システムや前記端末の他に第三者の関連情報や、関連人物の登録のために利用される装置、登録の内容を記録するためのデータベースに利用される装置などが用意されてもよい。これらは、本システムに備えてもよいし、本システム外に備えてこれらの情報を、利用可能に本システムを構成してもよい。
【0044】
この図にあるように、計算機は、マザーボード上に構成される、チップセット、CPU、不揮発性メモリ、メインメモリ、各種バス、BIOS、USBやHDMI(登録商標)やLANなどの各種インターフェース、リアルタイムクロック等からなる。これらはオペレーティングシステムやデバイスドライバ(USB、HDMI(登録商標)などの各種インターフェース、カメラ、マイク、スピーカー又はヘッドホン、ディスプレイなどの各種機器組込み用)、各種プログラムなどと協働して動作する。本発明を構成する各種プログラムや各種データはこれらのハードウェア資源を効率的に利用して各種の処理を実行するように構成されている。
≪チップセット≫
【0045】
「チップセット」は、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。2チップセット構成を採用する場合と、1チップセット構成を採用する場合とがある。CPUやメインメモリに近い側をノースブリッジ、遠い側で比較的低速な外部I/Oとのインターフェースの側にサウスブリッジが設けられる。
【0046】
(ノースブリッジ)
ノースブリッジには、CPUインターフェース、メモリコントローラ、グラフィックインターフェースが含まれる。従来のノースブリッジの機能のほとんどをCPUに担わせてもよい。ノースブリッジは、メインメモリのメモリスロットとはメモリバスを介して接続し、グラフィックカードのグラフィックカードスロットとは、ハイスピードグラフィックバス(AGP、PCI Express)で接続される。
【0047】
(サウスブリッジ)
サウスブリッジには、PCIインターフェース(PCIスロット)とはPCIバスを介して接続し、ATA(SATA)インターフェース、USBインターフェース、EthernetインターフェースなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。高速な動作が必要でない、あるいは、不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、シリアルポート、パラレルポート、ISAバスをサポートする回路を組み込むことは、チップセット自体の高速化の足かせとなるためサウスブリッジのチップから分離させ、スーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIに担当させることとしてもよい。CPU(MPU)と、周辺機器や各種制御部を繋ぐためにバスが用いられる。バスはチップセットによって連結される。メインメモリとの接続に利用されるメモリバスは、高速化を図るために、これに代えてチャネル構造を採用してもよい。バスとしてはシリアルバスかパラレルバスを採用できる。パラレルバスは、シリアルバスが1ビットずつデータを転送するのに対して、元データそのものや元データから切り出した複数ビットをひとかたまりにして、同時に複数本の通信路で伝送する。クロック信号の専用線がデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。CPU(チップセット)と外部デバイスをつなぐバスとしても用いられ、GPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI ExpressやパラレルATAの改良版シリアルATAでは、データラインはシリアルバスでもよい。
【0048】
≪CPU≫
【0049】
CPUはメインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリや、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、DMAコントローラ、タイマー、ノースブリッジとの接続バスとのインターフェースなどが含まれる。なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。また、CPUに加えて、グラフィックインターフェース(GPU)若しくはFPUによって、処理を行っても良い。なお、実施形態での説明は2コアタイプのものであるが、これに限定されない。またCPU内にプログラムを内蔵することもできる。
【0050】
≪不揮発性メモリ≫
【0051】
(HDD)
【0052】
ハードディスクドライブの基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。外部インターフェースは、SATA(過去ではATA)を採用することができる。高機能なコントローラ、例えばSCSIを用いて、ハードディスクドライブ間の通信をサポートする。例えば、ファイルを別のハードディスクドライブにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のハードディスクドライブに転送して書き込むといったことができる。この時ホストCPUのメモリにはアクセスしない。したがってCPUの負荷を増やさないで済む。
【0053】
≪メインメモリ≫
【0054】
CPUが直接アクセスしてメインメモリ上の各種プログラムを実行する。メインメモリは揮発性のメモリでDRAMが用いられる。メインメモリ上のプログラムはプログラムの起動命令を受けて不揮発性メモリからメインメモリ上に展開される。その後もプログラム内で各種実行命令や、実行手順に従ってCPUがプログラムを実行する。
【0055】
≪オペレーティングシステム(OS)≫
【0056】
オペレーティングシステムは計算機上の資源をアプリケーションに利用させるための管理をしたり、各種デバイスドライバを管理したり、ハードウェアである計算機自身を管理するために用いられる。小型の計算機ではオペレーティングシステムとしてファームウェアを用いることもある。
【0057】
≪BIOS≫
【0058】
BIOSは、計算機のハードウェアを立ち上げてオペレーティングシステムを稼働させるための手順をCPUに実行させるもので、最も典型的には計算機の起動命令を受けるとCPUが最初に読取りに行くハードウェアである。ここには、ディスク(不揮発性メモリ)に格納されているオペレーティングシステムのアドレスが記載されており、CPUに展開されたBIOSによってオペレーティングシステムが順次メインメモリに展開されて稼働状態となる。なお、BIOSは、バスに接続されている各種デバイスの有無をチェックするチェック機能をも有している。チェックの結果はメインメモリ上に保存され、適宜オペレーティングシステムによって利用可能な状態となる。なお、外部装置などをチェックするようにBIOSを構成してもよい。以上については、すべての実施形態でも同様である。
【0059】
図に示すように、本発明は基本的に汎用計算機プログラム、各種デバイスで構成することが可能である。計算機の動作は基本的に不揮発性メモリに記録されているプログラムをメインメモリにロードして、メインメモリとCPUと各種デバイスとで処理を実行していく形態をとる。デバイスとの通信はバス線と繋がったインターフェースを介して行われる。インターフェースには、ディスプレイインターフェース、キーボード、通信バッファ等が考えられる。以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0060】
<本発明の自然法則の利用性の充足>
【0061】
本発明は、コンピュータと通信設備とソフトウェアとの協働で機能するものである。具体的には、取得した一般的健康医療情報を、取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて、所定の相手先に出力する情報提供システムに関するものであり、ネットワークを介して、複数の利用者端末や複数の管理者端末、複数の情報源などの間で様々な情報やデータがハードウェア資源を用いてやり取りされている。従って、この観点から本願発明はコンピュータなどのリソースを請求項や明細書に記載された事項と、それらの事項に関係する技術常識に基づいて判断すれば、本願発明は全体として自然法則を利用したものであり、また、コンピュータ・ソフトウェア関連発明に該当するものである。
【0062】
<特許法で求められる自然法則の利用の意義>
【0063】
特許法で求められる自然法則の利用とは、法目的に基づいて、発明が産業上利用性を有し、産業の発達に寄与するものでなければならないとの観点から、産業上有用に利用することができる発明であることを担保するために求められるものである。つまり、産業上有用であること、すなわち出願に際して宣言した発明の効果がその発明の実施によってある一定の確実性の下再現できることを求めるものである。この観点から自然法則利用性とは、発明の効果を発揮するための発明の構成である発明特定事項(発明構成要件)のそれぞれが発揮する機能が自然法則を利用して発揮されるものであればよい、と解釈される。さらに言えば、発明の効果とはその発明を利用する利用者に所定の有用性を提供できる可能性があればよいのであって、その有用性を利用者がどのように感じたり、考えたりするかという観点で見るべきではない。したがって、利用者が本システムによって得る効果が心理的な効果であったとしても、その効果自体は求められる自然法則の利用性の対象外の事象である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本件発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、実施形態と請求項の相互の関係は以下の通りである。主として、実施形態1の説明は請求項1、12および23に関し、実施形態2の説明は請求項2、13および24に関し、実施形態3の説明は請求項3、14および25に関し、実施形態4の説明は請求項4、15および26に関し、実施形態5の説明は請求項5、16および27に関し、実施形態6の説明は請求項8、19および30に関するものである。本件発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0065】
<本件発明の情報提供システムの全体的な構成>
図2は、本件発明における情報提供システムの全体的な構成の一例を示す図である。
情報提供システム201は、ネットワーク202(例えば、インターネット、WAN、LANなど)を介して、複数の利用者端末203や複数の管理者端末204と電気的に接続できるように構成されている。ここで、複数の利用者端末203や複数の管理者端末204は、有線又は無線のインターフェース(例えば、通信ケーブルやWiFiルーターなど)を介して、ネットワーク202に接続可能な電子機器(例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなど)であってもよい。また、情報提供システム201は、ネットワーク205(例えば、インターネット、WAN、LANなど)を介して、第1情報源206、第2情報源207及び第n(nは3以上の自然数とする。以下同じ。)情報源208と電気的に接続できるように構成されている。ここで、第1情報源206、第2情報源207及び第n情報源208は、有線又は無線のインターフェース(例えば、通信ケーブルやWiFiルーターなど)を介して、ネットワーク205に接続可能な1又は複数のサーバから構成されるものであってもよい。例えば、第1情報源206、第2情報源207及び第n情報源208は、後述する「健康医療情報共有システム」、健康医療に関連する各種データベース、電子薬歴システム、電子カルテシステム、レセプトコンピュータ、オンライン診療システム、オンライン服薬指導システム、電子お薬手帳システム、診断画像保存システム、PHR(Personal Health Record:個人健康記録のこと。以下同じ。)システム、EHR(Electronic Health Record:電子健康記録のこと。以下同じ。)システム、EMR(Electronic Medical Record:電子医療記録のこと。以下同じ。)システムなどであってもよい。なお、ネットワーク202とネットワーク205は、同一ネットワークであってもよいし、異なるネットワークであってもよい。
【0066】
PHRシステムは、個人(患者)自身が自分の健康を管理することを目的とした健康記録のことを指していう。病気の症状や服薬履歴などのほか、普段の体重や血圧などの身体情報や生活習慣に関する情報を個人(患者)の視点で記録していく点に特徴がある。
EHRシステムは、個人(患者)のあらゆる診療情報を生涯にわたって電子媒体に記録し、その情報を各医療機関の間で共有・活用する仕組みのことを指す。例えば、医療情報として、既往歴や薬歴、アレルギー、予防接種日、検査の画像レポートなども蓄積することができ、いわば個人の診療情報のデジタル記録といえるものである。
EMRシステムは、いわゆる、個別の医療機関が保存している「電子カルテ」を指していう。なお、EMRシステムは専門家である医療従事者が閲覧する前提で記録されており、必ずしも患者にとって読みやすい形式で閲覧できる状態にはなっていない場合がある。
【0067】
また、本件発明において、「利用者」とは、個人(患者)又は医療従事者を指していう。
なお、場合によって、「利用者」には、個人(患者)の家族又は個人(患者)の介護関係者が含まれるようにしてもよい。
また、「管理者」とは、情報提供システムを管理、運営する役割を担う者(例えば、個人、あるいは、その個人が属する機関、団体、法人などが含まれてもよい。また、官公庁や自治体の職員、あるいは、官公庁や自治体から委託を受けた機関、団体、法人などが含まれてもよい。)であり、情報提供システムにおける各種情報について編集、追加、削除を行う権限を有していてもよい。
また、「医療従事者」とは、少なくとも医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、診療放射線技師、診療エックス線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学技士、歯科衛生士、歯科技工士、救急救命士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、管理栄養士、栄養士、精神福祉士、社会福祉士、介護福祉士、公認心理士、臨床心理士、医療事務者(例えば、窓口業務、診療報酬請求事務、診療情報管理、医師事務作業補助などを主に行う者)のうちいずれか一以上の者を指していう。なお、「医療従事者」は、情報提供システムにおける各種情報について、適宜、必要に応じて、編集、追加、削除を行う権限を有していてもよい。
【0068】
なお、本件発明では、情報提供システム201が物理的に一つのサーバで機能するように構成されることを前提として説明するが、これに限らず、複数のサーバが用意され、それらのサーバ間で情報やデータのやり取りを行い、連携又は協働して各種機能を実行できるように構成してもよい。例えば、複数のクラウドサーバを用いて実現するようにしてもよい。
【0069】
<実施形態1(主に請求項1、請求項12および請求項23に対応)>
<実施形態1 概要>
本実施形態は、健康医療情報と、一般的健康医療情報取得ルールとに基づいて取得した一般的健康医療情報を健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する情報提供システムを提供する。また、それを実現するため、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法、並びに、計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述した情報提供システムの動作プログラムを提供する。
【0070】
<実施形態1 機能的構成>
図3は、実施形態1における情報提供システムの機能的構成を示す図である。本実施形態では、個人識別情報保持部と、健康医療情報保持部と、一般的健康医療情報保持部と、健康医療情報取得部と、一般的健康医療情報取得ルール保持部と、一般的健康医療情報取得部と、一般的健康医療情報出力部とを備えている。
【0071】
<実施形態1 構成の説明:個人識別情報保持部>
「個人識別情報保持部」301は、個人を一意に識別するための個人識別情報を保持する機能を有するように構成される。
ここで、「個人識別情報」とは、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。
また、「マイナンバー」とは、赤ちゃんからお年寄りまで一人ひとりに指定された12桁からなる「個人番号」のことをいう。日本に住民票がある人(外国人も含む)全員が持っている。その人だけの番号なので亡くなった方を含め同じ番号の人はいない。
【0072】
なお、個人識別情報と関連付けてその個人の属性を示す情報である個人属性情報が「個人属性情報保持部」に保持されるように構成することが好ましい。個人属性情報の例としては、家族構成や、その家族の個人識別情報や相手先識別情報、そのほかの家系情報、生年月日、性別、住所、電話番号、メールアドレス、基礎疾患がある場合には、その基礎疾患に関する情報、かかりつけの医者がある場合には、相手先識別情報や、個人識別情報、食習慣や、嗜好品、体重や身長などの体格に関する情報、視力、聴力などの情報、DNA検査を行った場合にはその検査結果、健康診断を行った場合にはその健康診断結果などを挙げることができる。なお、これらの個人属性情報は、新たな内容で更新されるようにすることが好ましく、「個人属性情報更新部」をさらに有するように構成することが好ましい。この個人属性情報更新部は、個人属性情報をその個人識別情報と関連付けて信頼のできる機関(個人識別情報又は相手先識別情報に関連付けられた属性情報によって判断することもできる。)から新たに取得した場合にはこれによって更新するように構成することができる。新たな取得は、個人識別情報又は相手先識別情報と関連付けられた個人属性情報を取得する「個人属性情報取得部」によってなされるように構成することが好ましい。また、一定の権限を有する者に対してはこの個人属性情報を編集する権限を与えてもよい。この編集は「個人属性情報編集部」を設けてこれにより実施することが好ましい。編集権限は「編集権限保持部」に個人識別情報又は相手先識別情報を保持することで認証できるように構成することが好ましい。
【0073】
<実施形態1 構成の説明:健康医療情報保持部>
「健康医療情報保持部」302は、個人識別情報保持部で保持された個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する、又は、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する機能を有するように構成される。
ここで、「健康医療情報」とは、個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいた情報、又は、個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいた情報をいう。
【0074】
そして、「個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいた情報、又は、個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいた情報」にいうところの「情報」とは、個人に関する電子カルテ情報(電子カルテではないが電子カルテに示される情報と同一又は類似の情報も含む。以下同じ。)、各種検査情報(健診、検診による検査値や画像データなどを含む。)、処方箋情報(処方箋情報ではないが処方箋に示される情報と同一又は類似の情報も含む。以下同じ。)、薬歴情報(薬歴情報ではないが薬歴に示される情報と同一又は類似の情報も含む。以下同じ。)、服用状況情報(服用状況情報ではないが服用状況情報に示される情報と同一又は類似の情報も含む。以下同じ。)の人間の生体に関する各情報、各バイタル情報(例えば、体温、血圧、脈拍、心拍数、身長、体重、血糖値、体脂肪率、動脈血中酸素飽和度、脳波、心電図、歩数、呼吸数、心音、尿測定情報(例えば、尿糖、尿蛋白、尿潜血、ウロビリノーゲン、pH、ビリルビン、ケトン体、亜硝酸塩など)、睡眠時間などを少なくとも含み、これに限られない)、問診票の情報に記載された人間の生体に関する各情報、健康促進アプリのデータで示される人間の生体に関する各情報、対話型健康促進SNSの会話データ中にある人間の生体に関する各情報などのうちいずれか一以上の情報を指していう。
なお、「電子カルテ情報」の情報の例、「各種検査情報」の情報の例、「処方箋情報」の情報の例、「薬歴情報」の情報の例、「服用状況情報」の情報の例に関しては、これ以降の段落に記載してある。
【0075】
(1)情報源が1つの場合
ここでは、図2の第1情報源206が1つの「情報源」として使用される場合を説明する。
ここで、「情報源」とは、情報の所有者や組成者を指す言葉である。例えば、医療従事者などの個人であってもよいし、医療法人などの法人であってもよい。情報の所有者は原始的には情報の組成に責任を有する者である。例えば、ある医療法人でレントゲンの撮影をした場合には医療法人がそのレントゲンの写真に関して責任を有するのであるから、その医療法人がそのレントゲン写真である情報の所有者である。また、血液検体を外部に分析のために出す場合には、その分析を行った者がその分析結果に責任を有するので、その外部機関や外部の検査者が情報の原始的な所有者となる。それを、例えば、総合健康診断を実施する医療法人が認定するとすれば、その医療法人もその血液検査の結果に責任を有するので同じくその情報の所有者となる。これらの責任が個人にある場合には、その個人である情報の組成者がその情報源となる。このように、情報源は情報に対して責任を有するのでその情報の価値を裏付けする源泉となり、情報源が単数であるのか、複数であるのかは重要な点となる。そして、一般的には、多数の責任に支えられた情報には信頼性があるので、情報源は単数であるよりは複数であることが好ましい。
【0076】
特に、情報源の一つに瑕疵があるような場合でも、情報源が3以上の場合には、多数決で残りの2以上の情報源の情報を利用できるので、やはり信頼性の高い情報がその情報源の情報から導かれる。例えば、癌の発見を目的とした検査においては、必ずしもその検査結果が正しいとは限らない。仮に、同じ血液中の抗体反応から癌の発症を予測する検査であったとしても、情報源が異なれば検査結果が異なることはよくあることである。このような観点からは、抗体反応検査用の同一検体を3以上の血液検査機関に検査させ、多数決で検査結果を判定するということは極めて意義が大きいということができる。また、同じ検査方法でなくても、一の情報源は血液抗体検査、他の情報源は胃カメラ、さらに他の情報源は後述するPETなどというように検査方法を異ならせた場合でも有効であることに変わりはない。さらに、健康医療情報の情報源の属性が異なる場合には、自然と健康医療情報の属性も異なることとなり、複数の情報源とする利点が大きい。属性が異なる場合としては、一つの情報源はかかりつけ医師であり、他の情報源は医療法人であり、さらに他の情報源は問診票の回答結果であるような場合である。かかりつけ医者の過去からの永続的な蓄積情報に基づいた健康医療情報としての患者に対する所見と、医療法人での高度な検査システムを用いた検査結果と、患者自身の問診票への回答というように情報のバックグラウンド、すなわち属性が異なることとなる。これによって多面的な患者の観察結果を得ることができ、一面からの観察では得られない深い診断結果などを得ることができる。なお、いま述べたように患者本人も情報源となり得るのは言うまでもない。
また、「情報源」の具体的な一例としては、後述する「健康医療情報共有システム」、健康医療に関連する各種データベース、電子薬歴システム、電子カルテシステム、レセプトコンピュータ、オンライン診療システム、オンライン服薬指導システム、電子お薬手帳システム、診断画像保存システム、PHRシステム、EHRシステム、EMRシステムなどであってもよい。
【0077】
「電子カルテ情報」とは、患者に関する基本情報(例えば、患者ID、氏名、生年月日、連絡先、緊急連絡先、家族歴、身長・体重、アレルギー情報、喫煙や飲酒の状況、既往歴など)、診察に関する情報(例えば、患者の主訴(自覚症状や体調などの訴え)、各種検査結果、お薬の情報、診断名、治療方針、医師による診察記録、医師からの指示など)、看護や経過に関する情報(例えば、バイタル情報(例えば、体温、血圧、脈拍、心拍数、身長、体重、血糖値、体脂肪率、動脈血中酸素飽和度、脳波、心電図、歩数、呼吸数、心音、尿測定情報(例えば、尿糖、尿蛋白、尿潜血、ウロビリノーゲン、pH、ビリルビン、ケトン体、亜硝酸塩など)、睡眠時間などを少なくとも含み、これに限られない)、観察結果、尿や便などの記録、食事内容と摂取量の記録、看護ケアの記録など)、検査に関する情報(例えば、検査指示、検査結果、画像検査により得られた画像(一部)、その画像に対するレポートなど)、処置や手術に関する情報(例えば、処置や手術の指示、処置や手術の経過と結果、病理診断を行った場合にはその方法と診断結果など)、お薬に関する情報(例えば、投薬の指示、投薬日時と薬剤、投薬の結果など)、治療後又は術後の経過観察情報などが含まれている。
【0078】
「各種検査情報」とは、身体計測(身長・体重・視力・聴力・血圧・脈拍・呼吸数・胸部X線検査・心電図検査)、尿検査、血液検査(貧血、肝機能、脂質異常症、糖尿病など)、PET検査、PET-CT検査、MRI検査(頭部・腰部)、CT検査(胸部・腹部など)、超音波検査(甲状腺・前立腺など)などの各種検査の検査結果などが含まれている。
【0079】
ここで、PET(Positron Emission Tomography)検査は、治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療中の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査ことをいう。
PET検査は、FDG(放射性フッ素を付加したブドウ糖)を使って行う。PET検査では、静脈からFDGを注射し、がん細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を画像にする。PET検査はCT検査やMRI検査と組み合わせて行うこともある。例えば、PET-CT検査は、PET検査とCT検査の画像を重ね合わせることで、がんの有無、がんの位置や広がりを高い精度で診断することができる。
【0080】
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)検査は、強い磁石と電波によって、身体の内部情報を画像化する検査である。CT検査とは異なり、放射線を使わないため、被ばくの心配はない。1回の検査で何種類もの画像を撮像し、検査時間は20~60分程度(検査内容により異なる)である。検査内容は、脳卒中や認知症などの脳の形態や機能を調べる検査や血管の走行を調べる検査、がんなどの腫瘍がないかを調べる検査、脊髄や神経、靱帯、筋肉など、通常のエックス線(一般撮影やCT)検査ではわかりにくい部位を調べる検査など、多岐にわたる。
【0081】
CT(Computed Tomography)検査は、治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。CT検査は、X線を使って行う。体の周囲からX線をあてて、体の中の吸収率の違いをコンピュータで処理し、体の断面を画像化する。断面にする画像の厚みの設定は、撮影する部位や検査の目的に応じて適切に決められている。検査の目的によっては造影剤を使用する場合がある。CT検査は、5~15分程度の検査時間で、広範囲な画像を細かく撮影することができる。CT検査は、血液のがんも含めて、ほぼ全てのがんで検査することがある。
【0082】
超音波(エコー)検査は、がんのある場所や、がんの形・大きさ、がんの周辺の臓器との関係などを確認するために行う検査である。超音波検査は、超音波を使って行う。体の表面に超音波プローブ(探触子(たんしょくし):超音波の出る器械)をあて、体内の臓器からはね返ってくる超音波を画像として映し出す。肝臓がんや乳がんなどでは、血流を見るために、造影剤を使用して超音波検査を行うこともある。超音波検査は、痛みや放射線による被ばくの心配がなく、体への負担が少ない検査である。そのため、妊婦や高齢者も検査を受けることができる。超音波検査では、肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、膀胱、卵巣、子宮、前立腺などの腹部にある臓器や、甲状腺や乳腺などさまざまな臓器にできたがんで検査することがある。一方で、空気や骨、厚い脂肪などは超音波が通りにくいため、骨などに囲まれた部位や肺、脳にできたがんの多くは検査することが難しい。
【0083】
「処方箋情報」とは、保険者番号、氏名・生年月日・性別、医療機関名・連絡先・処方した医師の名前、お薬の名前・お薬の形(錠剤、カプセル剤、液剤、散剤、顆粒剤など)・お薬の量(1回あたりに飲む量)・1日に飲む回数・飲むタイミング、ジェネリック医薬品への変更についての情報、分割調剤の回数などが含まれている。
【0084】
「薬歴情報」とは、患者の氏名・生年月日・性別・被保険者証の記号番号・住所・緊急時連絡先、処方した保険医療機関名及び保険医氏名・処方日・処方内容、調剤日・処方内容に関する照会の要点等、患者の体質・アレルギー歴・副作用歴、患者又はその家族等からの相談事項の要点、服薬状況、残薬の状況の確認、服薬中の体調の変化、併用薬、合併症を含む既往歴に関する情報、他科受診の有無、副作用が疑われる症状の有無、飲食物(薬剤との相互作用)の摂取状況、後発医薬品の使用に関する患者の意向、手帳による情報提供の状況、服薬指導の要点、指導した保険薬剤師の氏名、服用状況情報などが含まれている。
【0085】
「服用状況情報」とは、処方された薬の残量に関する情報(例えば、患者がうっかり飲み忘れた場合や、患者が意図的に飲まなかった場合などに残った薬の量などを含む)、来院/来局に関するタイミング情報(例えば、予定処方終了日(予定服用終了日)から実際に来院/来局するまでに要する期間(例えば、予定よりも早く来院/来局した場合や、予定よりも遅く来院/来局した場合なども含む)など)、服用についての患者の訴え(例えば、ある薬を飲み続けたら、じん麻疹が出てしまった、あるいは、ある薬を飲んだら、効きすぎてしまい、身体がふらふらするなどの自覚症状や体調に関する訴えを含む)に関する情報などが含まれている。
【0086】
なお、健康医療情報は、いわゆるPHRなどの公共のデータベース(クラウド上のデータベースなど)から取得して保持するように構成してもよい。この場合にデータベースから取得する健康医療情報は部分的に取得されて保持されるように構成することができる。例えば、過去に治癒した疾病などに関する情報は取得しないで現在罹患中の疾病に関する情報のみを取得するようにし、ここに保持するように構成することができる。あるいは、すでに健康医療情報保持部にその個人の健康医療情報が保持されている場合には、データベースの情報の更新があった場合にのみその更新情報を取得してここに保持するように構成することもできる。また、このような機能は「健康医療情報管理部」が行うように構成することができ、「健康医療情報管理部」は、常時、保持されている健康医療情報の更新情報があるか監視して、更新情報があることが判明した場合にはクラウド上のデータベースなどからその更新分を取得して管理するように構成することができる。また、保持されている健康医療情報であってもすでに治癒した疾病などに関する情報は、頻繁にアクセスされる健康医療情報保持部とは別途に「健康医療情報蓄積部」を設けてそちらの方に退避させるように構成することができる。このように健康医療情報取得部が健康医療情報を取得する際の情報提供システム(計算機)の負荷を減らすように構成することが好ましい。なお、蓄積されている健康医療情報を取得するためには健康医療情報取得部とは別に「蓄積健康医療情報取得部」を設けるようにしてもよい。この「蓄積健康医療情報取得部」は、後述する一般的健康医療情報出力部での出力のフローとは別のフローで利用されるように構成することができる。
【0087】
なお、例えば、1つの「情報源」から、「処方箋情報」、「薬歴情報」及び「服用状況情報」に含まれる各種情報を取得し、個人(患者)が服用している薬剤に対する所定期間における服薬遵守率(処方された薬剤を用法・用量に従ってきちんと服用していることを示す数値)を求めることができる。そして、その服薬遵守率から服薬アドヒアランスの状況の良し悪しが分かるようになる。これにより、医療従事者、特に、薬剤師は、個人(患者)に対して、服薬アドヒアランスの状況に応じて、疾患の改善に繋がるような適切な服薬指導や健康アドバイスなどを行うことができるようになる。
【0088】
(2)情報源が2つの場合
ここでは、図2の第1情報源206及び第2情報源207が2つの「情報源」として使用される場合を説明する。
ここで、「情報源」とは、情報の所有者や組成者を指す言葉である。例えば、医療従事者などの個人であってもよいし、医療法人などの法人であってもよい。情報の所有者は原始的には情報の組成に責任を有する者である。例えば、ある医療法人でレントゲンの撮影をした場合には医療法人がそのレントゲンの写真に関して責任を有するのであるから、その医療法人がそのレントゲン写真である情報の所有者である。また、血液検体を外部に分析のために出す場合には、その分析を行った者がその分析結果に責任を有するので、その外部機関や外部の検査者が情報の原始的な所有者となる。それを、例えば、総合健康診断を実施する医療法人が認定するとすれば、その医療法人もその血液検査の結果に責任を有するので同じくその情報の所有者となる。これらの責任が個人にある場合には、その個人である情報の組成者がその情報源となる。このように、情報源は情報に対して責任を有するのでその情報の価値を裏付けする源泉となり、情報源が単数であるのか、複数であるのかは重要な点となる。そして、一般的には、多数の責任に支えられた情報には信頼性があるので、情報源は単数であるよりは複数であることが好ましい。
【0089】
特に、情報源の一つに瑕疵があるような場合でも、情報源が3以上の場合には、多数決で残りの2以上の情報源の情報を利用できるので、やはり信頼性の高い情報がその情報源の情報から導かれる。例えば、癌の発見を目的とした検査においては、必ずしもその検査結果が正しいとは限らない。仮に、同じ血液中の抗体反応から癌の発症を予測する検査であったとしても、情報源が異なれば検査結果が異なることはよくあることである。このような観点からは、抗体反応検査用の同一検体を3以上の血液検査機関に検査させ、多数決で検査結果を判定するということは極めて意義が大きいということができる。また、同じ検査方法でなくても、一の情報源は血液抗体検査、他の情報源は胃カメラ、さらに他の情報源はPETなどというように検査方法を異ならせた場合でも有効であることに変わりはない。さらに、健康医療情報の情報源の属性が異なる場合には、自然と健康医療情報の属性も異なることとなり、複数の情報源とする利点が大きい。属性が異なる場合としては、一つの情報源はかかりつけ医師であり、他の情報源は医療法人であり、さらに他の情報源は問診票の回答結果であるような場合である。かかりつけ医者の過去からの永続的な蓄積情報に基づいた健康医療情報としての患者に対する所見と、医療法人での高度な検査システムを用いた検査結果と、患者自身の問診票への回答というように情報のバックグラウンド、すなわち属性が異なることとなる。これによって多面的な患者の観察結果を得ることができ、一面からの観察では得られない深い診断結果などを得ることができる。なお、いま述べたように患者本人も情報源となり得るのは言うまでもない。
【0090】
また、「情報源」の具体的な一例としては、後述する「健康医療情報共有システム」、健康医療に関連する各種データベース、電子薬歴システム、電子カルテシステム、レセプトコンピュータ、オンライン診療システム、オンライン服薬指導システム、電子お薬手帳システム、診断画像保存システム、PHRシステム、EHRシステム、EMRシステムなどであってもよい。
なお、2つの「情報源」を使用する場合、同じ医療法人グループに属する医療機関である場合や、異なる医療法人グループに属する医療機関である場合が考えられ、使用されるシステムも異なり、また、それらに保存されている個人(患者)の情報やデータも形式的に統一されていない場合が想定される。そのような場合には、本システムに「フォーマット変換部」を設け、お互いのシステム間で使用される情報やデータの形式を標準フォーマットに統一できるようにしてもよい。
【0091】
「電子カルテ情報」とは、患者に関する基本情報(例えば、患者ID、氏名、生年月日、連絡先、緊急連絡先、家族歴、身長・体重、アレルギー情報、喫煙や飲酒の状況、既往歴など)、診察に関する情報(例えば、患者の主訴(自覚症状や体調などの訴え)、各種検査結果、お薬の情報、診断名、治療方針、医師による診察記録、医師からの指示など)、看護や経過に関する情報(例えば、バイタル情報(例えば、体温、血圧、脈拍、心拍数、身長、体重、血糖値、体脂肪率、動脈血中酸素飽和度、脳波、心電図、歩数、呼吸数、心音、尿測定情報(例えば、尿糖、尿蛋白、尿潜血、ウロビリノーゲン、pH、ビリルビン、ケトン体、亜硝酸塩など)、睡眠時間などを少なくとも含み、これに限られない)、観察結果、尿や便などの記録、食事内容と摂取量の記録、看護ケアの記録など)、検査に関する情報(例えば、検査指示、検査結果、画像検査により得られた画像(一部)、その画像に対するレポートなど)、処置や手術に関する情報(例えば、処置や手術の指示、処置や手術の経過と結果、病理診断を行った場合にはその方法と診断結果など)、お薬に関する情報(例えば、投薬の指示、投薬日時と薬剤、投薬の結果など)、治療後又は術後の経過観察情報などが含まれている。
【0092】
「各種検査情報」とは、身体計測(身長・体重・視力・聴力・血圧・脈拍・呼吸数・胸部X線検査・心電図検査)、尿検査、血液検査(貧血、肝機能、脂質異常症、糖尿病など)、PET検査、PET-CT検査、MRI検査(頭部・腰部)、CT検査(胸部・腹部など)、超音波検査(甲状腺・前立腺など)などの各種検査の検査結果などが含まれている。
【0093】
ここで、PET(Positron Emission Tomography)検査は、治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療中の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査ことをいう。
PET検査は、FDG(放射性フッ素を付加したブドウ糖)を使って行う。PET検査では、静脈からFDGを注射し、がん細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を画像にする。PET検査はCT検査やMRI検査と組み合わせて行うこともある。例えば、PET-CT検査は、PET検査とCT検査の画像を重ね合わせることで、がんの有無、がんの位置や広がりを高い精度で診断することができる。
【0094】
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)検査は、強い磁石と電波によって、身体の内部情報を画像化する検査である。CT検査とは異なり、放射線を使わないため、被ばくの心配はない。1回の検査で何種類もの画像を撮像し、検査時間は20~60分程度(検査内容により異なる)である。検査内容は、脳卒中や認知症などの脳の形態や機能を調べる検査や血管の走行を調べる検査、がんなどの腫瘍がないかを調べる検査、脊髄や神経、靱帯、筋肉など、通常のエックス線(一般撮影やCT)検査ではわかりにくい部位を調べる検査など、多岐にわたる。
【0095】
CT(Computed Tomography)検査は、治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。CT検査は、X線を使って行う。体の周囲からX線をあてて、体の中の吸収率の違いをコンピュータで処理し、体の断面を画像化する。断面にする画像の厚みの設定は、撮影する部位や検査の目的に応じて適切に決められている。検査の目的によっては造影剤を使用する場合がある。CT検査は、5~15分程度の検査時間で、広範囲な画像を細かく撮影することができる。CT検査は、血液のがんも含めて、ほぼ全てのがんで検査することがある。
【0096】
超音波(エコー)検査は、がんのある場所や、がんの形・大きさ、がんの周辺の臓器との関係などを確認するために行う検査である。超音波検査は、超音波を使って行う。体の表面に超音波プローブ(探触子(たんしょくし):超音波の出る器械)をあて、体内の臓器からはね返ってくる超音波を画像として映し出す。肝臓がんや乳がんなどでは、血流を見るために、造影剤を使用して超音波検査を行うこともある。超音波検査は、痛みや放射線による被ばくの心配がなく、体への負担が少ない検査である。そのため、妊婦や高齢者も検査を受けることができる。超音波検査では、肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、膀胱、卵巣、子宮、前立腺などの腹部にある臓器や、甲状腺や乳腺などさまざまな臓器にできたがんで検査することがある。一方で、空気や骨、厚い脂肪などは超音波が通りにくいため、骨などに囲まれた部位や肺、脳にできたがんの多くは検査することが難しい。
【0097】
「処方箋情報」とは、保険者番号、氏名・生年月日・性別、医療機関名・連絡先・処方した医師の名前、お薬の名前・お薬の形(錠剤、カプセル剤、液剤、散剤、顆粒剤など)・お薬の量(1回あたりに飲む量)・1日に飲む回数・飲むタイミング、ジェネリック医薬品への変更についての情報、分割調剤の回数などが含まれている。
【0098】
「薬歴情報」とは、患者の氏名・生年月日・性別・被保険者証の記号番号・住所・緊急時連絡先、処方した保険医療機関名及び保険医氏名・処方日・処方内容、調剤日・処方内容に関する照会の要点等、患者の体質・アレルギー歴・副作用歴、患者又はその家族等からの相談事項の要点、服薬状況、残薬の状況の確認、服薬中の体調の変化、併用薬、合併症を含む既往歴に関する情報、他科受診の有無、副作用が疑われる症状の有無、飲食物(薬剤との相互作用)の摂取状況、後発医薬品の使用に関する患者の意向、手帳による情報提供の状況、服薬指導の要点、指導した保険薬剤師の氏名、服用状況情報などが含まれている。
【0099】
「服用状況情報」とは、処方された薬の残量に関する情報(例えば、患者がうっかり飲み忘れた場合や、患者が意図的に飲まなかった場合などに残った薬の量などを含む)、来院/来局に関するタイミング情報(例えば、予定処方終了日(予定服用終了日)から実際に来院/来局するまでに要する期間(例えば、予定よりも早く来院/来局した場合や、予定よりも遅く来院/来局した場合なども含む)など)、服用についての患者の訴え(例えば、ある薬を飲み続けたら、じん麻疹が出てしまった、あるいは、ある薬を飲んだら、効きすぎてしまい、身体がふらふらするなどの自覚症状や体調に関する訴えを含む)に関する情報などが含まれている。
【0100】
なお、健康医療情報は、いわゆるPHRなどの公共のデータベース(クラウド上のデータベースなど)から取得して保持するように構成してもよい。この場合にデータベースから取得する健康医療情報は部分的に取得されて保持されるように構成することができる。例えば、過去に治癒した疾病などに関する情報は取得しないで現在罹患中の疾病に関する情報のみを取得するようにし、ここに保持するように構成することができる。あるいは、すでに健康医療情報保持部にその個人の健康医療情報が保持されている場合には、データベースの情報の更新があった場合にのみその更新情報を取得してここに保持するように構成することもできる。また、このような機能は「健康医療情報管理部」が行うように構成することができ、「健康医療情報管理部」は、常時、保持されている健康医療情報の更新情報があるか監視して、更新情報があることが判明した場合にはクラウド上のデータベースなどからその更新分を取得して管理するように構成することができる。また、保持されている健康医療情報であってもすでに治癒した疾病などに関する情報は、頻繁にアクセスされる健康医療情報保持部とは別途に「健康医療情報蓄積部」を設けてそちらの方に退避させるように構成することができる。このように健康医療情報取得部が健康医療情報を取得する際の情報提供システム(計算機)の負荷を減らすように構成することが好ましい。なお、蓄積されている健康医療情報を取得するためには健康医療情報取得部とは別に「蓄積健康医療情報取得部」を設けるようにしてもよい。この「蓄積健康医療情報取得部」は、後述する一般的健康医療情報出力部での出力のフローとは別のフローで利用されるように構成することができる。
【0101】
ここで、例えば、個人(患者)が、複数の疾病を抱えていて、それぞれの疾病に応じて別々の医療機関に通院している場合、一方の医療機関における「電子カルテ情報」、「処方箋情報」、「薬歴情報」、「服用状況情報」に含まれる各種情報や、他方の医療機関における「電子カルテ情報」、「処方箋情報」、「薬歴情報」、「服用状況情報」に含まれる各種情報に基づいて個人(患者)の「健康医療情報」を保持できるように構成すれば、各医療機関で処方された薬の飲み合わせの問題や、同時服用する際に忌避すべき薬を特定することが容易にできるようになるというメリットが挙げられる。また、個人(患者)が高血圧症であって別々の医療機関において同様の効能が期待できる血圧降下剤が処方された場合、その薬剤の重複服用により、血圧が下がり過ぎて意識朦朧となってしまうという事態を避けることもできるようになる。
なお、「情報源」が2つの場合でも、情報源が1つの場合と同様に、「処方箋情報」、「薬歴情報」及び「服用状況情報」に含まれる各種情報を取得し、個人(患者)が服用している薬剤に対する所定期間における服薬遵守率(処方された薬剤を用法・用量に従ってきちんと服用していることを示す数値)を求めることができる。そして、その服薬遵守率から服薬アドヒアランスの状況の良し悪しが分かるようになる。これにより、医療従事者、特に、薬剤師は、個人(患者)に対して、服薬アドヒアランスの状況に応じて、疾患の改善に繋がるような適切な服薬指導や健康アドバイスなどを行うことができるようになる。
【0102】
(3)情報源が3つの場合
ここでは、図2の第1情報源206、第2情報源207及び第3情報源(n=3の場合)208が3つの「情報源」として使用される場合を説明する。
ここで、「情報源」とは、情報の所有者や組成者を指す言葉である。例えば、医療従事者などの個人であってもよいし、医療法人などの法人であってもよい。情報の所有者は原始的には情報の組成に責任を有する者である。例えば、ある医療法人でレントゲンの撮影をした場合には医療法人がそのレントゲンの写真に関して責任を有するのであるから、その医療法人がそのレントゲン写真である情報の所有者である。また、血液検体を外部に分析のために出す場合には、その分析を行った者がその分析結果に責任を有するので、その外部機関や外部の検査者が情報の原始的な所有者となる。それを、例えば、総合健康診断を実施する医療法人が認定するとすれば、その医療法人もその血液検査の結果に責任を有するので同じくその情報の所有者となる。これらの責任が個人にある場合には、その個人である情報の組成者がその情報源となる。このように、情報源は情報に対して責任を有するのでその情報の価値を裏付けする源泉となり、情報源が単数であるのか、複数であるのかは重要な点となる。そして、一般的には、多数の責任に支えられた情報には信頼性があるので、情報源は単数であるよりは複数であることが好ましい。
【0103】
特に、情報源の一つに瑕疵があるような場合でも、情報源が3以上の場合には、多数決で残りの2以上の情報源の情報を利用できるので、やはり信頼性の高い情報がその情報源の情報から導かれる。例えば、癌の発見を目的とした検査においては、必ずしもその検査結果が正しいとは限らない。仮に、同じ血液中の抗体反応から癌の発症を予測する検査であったとしても、情報源が異なれば検査結果が異なることはよくあることである。このような観点からは、抗体反応検査用の同一検体を3以上の血液検査機関に検査させ、多数決で検査結果を判定するということは極めて意義が大きいということができる。また、同じ検査方法でなくても、一の情報源は血液抗体検査、他の情報源は胃カメラ、さらに他の情報源はPETなどというように検査方法を異ならせた場合でも有効であることに変わりはない。さらに、健康医療情報の情報源の属性が異なる場合には、自然と健康医療情報の属性も異なることとなり、複数の情報源とする利点が大きい。属性が異なる場合としては、一つの情報源はかかりつけ医師であり、他の情報源は医療法人であり、さらに他の情報源は問診票の回答結果であるような場合である。かかりつけ医者の過去からの永続的な蓄積情報に基づいた健康医療情報としての患者に対する所見と、医療法人での高度な検査システムを用いた検査結果と、患者自身の問診票への回答というように情報のバックグラウンド、すなわち属性が異なることとなる。これによって多面的な患者の観察結果を得ることができ、一面からの観察では得られない深い診断結果などを得ることができる。なお、いま述べたように患者本人も情報源となり得るのは言うまでもない。
【0104】
また、「情報源」の具体的な一例としては、後述する「健康医療情報共有システム」、健康医療に関連する各種データベース、電子薬歴システム、電子カルテシステム、レセプトコンピュータ、オンライン診療システム、オンライン服薬指導システム、電子お薬手帳システム、診断画像保存システム、PHRシステム、EHRシステム、EMRシステムなどであってもよい。
なお、3つの「情報源」を使用する場合、同じ医療法人グループに属する医療機関である場合や、異なる医療法人グループに属する医療機関である場合が考えられ、使用されるシステムも異なり、また、それらに保存されている個人(患者)の情報やデータも形式的に統一されていない場合が想定される。そのような場合には、本システムに「フォーマット変換部」を設け、お互いのシステム間で使用される情報やデータの形式を標準フォーマットに統一できるようにしてもよい。
【0105】
「電子カルテ情報」とは、患者に関する基本情報(例えば、患者ID、氏名、生年月日、連絡先、緊急連絡先、家族歴、身長・体重、アレルギー情報、喫煙や飲酒の状況、既往歴など)、診察に関する情報(例えば、患者の主訴(自覚症状や体調などの訴え)、各種検査結果、お薬の情報、診断名、治療方針、医師による診察記録、医師からの指示など)、看護や経過に関する情報(例えば、バイタル情報(例えば、体温、血圧、脈拍、心拍数、身長、体重、血糖値、体脂肪率、動脈血中酸素飽和度、脳波、心電図、歩数、呼吸数、心音、尿測定情報(例えば、尿糖、尿蛋白、尿潜血、ウロビリノーゲン、pH、ビリルビン、ケトン体、亜硝酸塩など)、睡眠時間などを少なくとも含み、これに限られない)、観察結果、尿や便などの記録、食事内容と摂取量の記録、看護ケアの記録など)、検査に関する情報(例えば、検査指示、検査結果、画像検査により得られた画像(一部)、その画像に対するレポートなど)、処置や手術に関する情報(例えば、処置や手術の指示、処置や手術の経過と結果、病理診断を行った場合にはその方法と診断結果など)、お薬に関する情報(例えば、投薬の指示、投薬日時と薬剤、投薬の結果など)、治療後又は術後の経過観察情報などが含まれている。
【0106】
「各種検査情報」とは、身体計測(身長・体重・視力・聴力・血圧・脈拍・呼吸数・胸部X線検査・心電図検査)、尿検査、血液検査(貧血、肝機能、脂質異常症、糖尿病など)、PET検査、PET-CT検査、MRI検査(頭部・腰部)、CT検査(胸部・腹部など)、超音波検査(甲状腺・前立腺など)などの各種検査の検査結果などが含まれている。
【0107】
ここで、PET(Positron Emission Tomography)検査は、治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療中の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査ことをいう。
PET検査は、FDG(放射性フッ素を付加したブドウ糖)を使って行う。PET検査では、静脈からFDGを注射し、がん細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を画像にする。PET検査はCT検査やMRI検査と組み合わせて行うこともある。例えば、PET-CT検査は、PET検査とCT検査の画像を重ね合わせることで、がんの有無、がんの位置や広がりを高い精度で診断することができる。
【0108】
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)検査は、強い磁石と電波によって、身体の内部情報を画像化する検査である。CT検査とは異なり、放射線を使わないため、被ばくの心配はない。1回の検査で何種類もの画像を撮像し、検査時間は20~60分程度(検査内容により異なる)である。検査内容は、脳卒中や認知症などの脳の形態や機能を調べる検査や血管の走行を調べる検査、がんなどの腫瘍がないかを調べる検査、脊髄や神経、靱帯、筋肉など、通常のエックス線(一般撮影やCT)検査ではわかりにくい部位を調べる検査など、多岐にわたる。
【0109】
CT(Computed Tomography)検査は、治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。CT検査は、X線を使って行う。体の周囲からX線をあてて、体の中の吸収率の違いをコンピュータで処理し、体の断面を画像化する。断面にする画像の厚みの設定は、撮影する部位や検査の目的に応じて適切に決められている。検査の目的によっては造影剤を使用する場合がある。CT検査は、5~15分程度の検査時間で、広範囲な画像を細かく撮影することができる。CT検査は、血液のがんも含めて、ほぼ全てのがんで検査することがある。
【0110】
超音波(エコー)検査は、がんのある場所や、がんの形・大きさ、がんの周辺の臓器との関係などを確認するために行う検査である。超音波検査は、超音波を使って行う。体の表面に超音波プローブ(探触子(たんしょくし):超音波の出る器械)をあて、体内の臓器からはね返ってくる超音波を画像として映し出す。肝臓がんや乳がんなどでは、血流を見るために、造影剤を使用して超音波検査を行うこともある。超音波検査は、痛みや放射線による被ばくの心配がなく、体への負担が少ない検査である。そのため、妊婦や高齢者も検査を受けることができる。超音波検査では、肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、膀胱、卵巣、子宮、前立腺などの腹部にある臓器や、甲状腺や乳腺などさまざまな臓器にできたがんで検査することがある。一方で、空気や骨、厚い脂肪などは超音波が通りにくいため、骨などに囲まれた部位や肺、脳にできたがんの多くは検査することが難しい。
【0111】
「処方箋情報」とは、保険者番号、氏名・生年月日・性別、医療機関名・連絡先・処方した医師の名前、お薬の名前・お薬の形(錠剤、カプセル剤、液剤、散剤、顆粒剤など)・お薬の量(1回あたりに飲む量)・1日に飲む回数・飲むタイミング、ジェネリック医薬品への変更についての情報、分割調剤の回数などが含まれている。
【0112】
「薬歴情報」とは、患者の氏名・生年月日・性別・被保険者証の記号番号・住所・緊急時連絡先、処方した保険医療機関名及び保険医氏名・処方日・処方内容、調剤日・処方内容に関する照会の要点等、患者の体質・アレルギー歴・副作用歴、患者又はその家族等からの相談事項の要点、服薬状況、残薬の状況の確認、服薬中の体調の変化、併用薬、合併症を含む既往歴に関する情報、他科受診の有無、副作用が疑われる症状の有無、飲食物(薬剤との相互作用)の摂取状況、後発医薬品の使用に関する患者の意向、手帳による情報提供の状況、服薬指導の要点、指導した保険薬剤師の氏名、服用状況情報などが含まれている。
【0113】
「服用状況情報」とは、処方された薬の残量に関する情報(例えば、患者がうっかり飲み忘れた場合や、患者が意図的に飲まなかった場合などに残った薬の量などを含む)、来院/来局に関するタイミング情報(例えば、予定処方終了日(予定服用終了日)から実際に来院/来局するまでに要する期間(例えば、予定よりも早く来院/来局した場合や、予定よりも遅く来院/来局した場合なども含む)など)、服用についての患者の訴え(例えば、ある薬を飲み続けたら、じん麻疹が出てしまった、あるいは、ある薬を飲んだら、効きすぎてしまい、身体がふらふらするなどの自覚症状や体調に関する訴えを含む)に関する情報などが含まれている。
【0114】
なお、健康医療情報は、いわゆるPHRなどの公共のデータベース(クラウド上のデータベースなど)から取得して保持するように構成してもよい。この場合にデータベースから取得する健康医療情報は部分的に取得されて保持されるように構成することができる。例えば、過去に治癒した疾病などに関する情報は取得しないで現在罹患中の疾病に関する情報のみを取得するようにし、ここに保持するように構成することができる。あるいは、すでに健康医療情報保持部にその個人の健康医療情報が保持されている場合には、データベースの情報の更新があった場合にのみその更新情報を取得してここに保持するように構成することもできる。また、このような機能は「健康医療情報管理部」が行うように構成することができ、「健康医療情報管理部」は、常時、保持されている健康医療情報の更新情報があるか監視して、更新情報があることが判明した場合にはクラウド上のデータベースなどからその更新分を取得して管理するように構成することができる。また、保持されている健康医療情報であってもすでに治癒した疾病などに関する情報は、頻繁にアクセスされる健康医療情報保持部とは別途に「健康医療情報蓄積部」を設けてそちらの方に退避させるように構成することができる。このように健康医療情報取得部が健康医療情報を取得する際の情報提供システム(計算機)の負荷を減らすように構成することが好ましい。なお、蓄積されている健康医療情報を取得するためには健康医療情報取得部とは別に「蓄積健康医療情報取得部」を設けるようにしてもよい。この「蓄積健康医療情報取得部」は、後述する一般的健康医療情報出力部での出力のフローとは別のフローで利用されるように構成することができる。
【0115】
ここで、例えば、個人(患者)が、複数の疾病を抱えていて、それぞれの疾病に応じて別々の医療機関に通院している場合、第1の医療機関における「電子カルテ情報」、「処方箋情報」、「薬歴情報」及び「服用状況情報」に含まれる各種情報、第2の医療機関における「電子カルテ情報」、「処方箋情報」、「薬歴情報」及び「服用状況情報」に含まれる各種情報、第3の医療機関における「電子カルテ情報」、「処方箋情報」、「薬歴情報」及び「服用状況情報」に含まれる各種情報に基づいて、個人(患者)の「健康医療情報」を保持できるように構成すれば、各医療機関で処方された薬の飲み合わせにより、薬の作用効果が増幅されたり、逆に薬の作用効果が減少したりする問題を早期に発見してすぐに対処でき、また、同時服用する際に忌避すべき薬を特定して処方内容を変えたりすることが容易にできるようになるという大きなメリットが挙げられる。また、同じ効き目が期待できる薬を重複服用することによってかえって副作用が増大してしまうのを予め防ぐようにすることもできるようになるというメリットもある。
【0116】
例えば、糖尿病とうつ病を併発した場合に、うつ病に対して処方される向精神薬の中には、代謝に影響するものもあり、禁忌すべき薬剤(オランザピンやクエチアピン等)も存在する。ここで、オランザピン及びクエチアピンとは、非定型抗精神病薬の一種で、神経伝達物質のドパミンやセロトニンなどの多種類の受容体に作用することで、幻覚、妄想、感情や意欲の障害などを改善する薬である。複数の情報源から得た情報に基づきこのような禁忌すべき薬剤を早期に発見することができる。
なお、「情報源」が3つの場合でも、情報源が1つの場合と同様に、「処方箋情報」、「薬歴情報」及び「服用状況情報」に含まれる各種情報を取得し、個人(患者)が服用している薬剤に対する所定期間における服薬遵守率(処方された薬剤を用法・用量に従ってきちんと服用していることを示す数値)を求めることができる。そして、その服薬遵守率から服薬アドヒアランスの状況の良し悪しが分かるようになる。これにより、医療従事者、特に、薬剤師は、個人(患者)に対して、服薬アドヒアランスの状況に応じて、疾患の改善に繋がるような適切な服薬指導や健康アドバイスなどを行うことができるようになる。
また、本実施形態では、情報源が3つまでを主に説明したが、もちろん4つ以上の複数の情報源が関わる場合にも本件発明が適用可能であることは明らかである。
【0117】
<実施形態1 構成の説明:一般的健康医療情報保持部>
「一般的健康医療情報保持部」303は、健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報である一般的健康医療情報を保持する機能を有するように構成される。
ここで、「一般的健康医療情報」とは、例えば、医学事典、医学用語辞典、処方薬事典、医学論文、医療薬学論文、「ネイチャー」や「サイエンス」等に代表される世界的権威の科学学術雑誌などに掲載されている、健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報を整理してまとめたものをいう。また、後述する人工知能に学習させて人工知能の知識として保持されているこれらの情報も一般的健康医療情報に該当する。
一般的健康医療情報は、複数のグループで構成されていてもよい。グループの例としては、専門家に提供することを目的とした専門的情報群、通常の一般人に提供することを目的とした一般人向け情報群、また両者に提供することを目的とした汎用的情報群などのグルーピングである。さらに、個人の健康医療情報から推定される疾病やケガなどの推定情報のグループや、推定情報に基づいてその疾病やケガなどから回復するのに役に立つ情報群、さらに、政府機関などで収集された推定される疾病やケガなどに関する統計情報群、さらに、推定される疾病やケガに対応した治療を専門的ないしは多数行っている医療機関等の情報群などである。また、一般的健康医療情報は、テキスト情報だけではなく、画像情報、映像情報、音声情報などが含まれていてもよい。例えば、推定される疾患に利用可能な医療器具や検査器具などの紹介情報、その疾患の治療に対して実績のある病院やクリニック等の紹介情報を含んでもよい。
【0118】
図21は、一般的健康医療情報の一例を示す図である。この図から示されるように、例えば、症状として腰痛から考えられる(疑われる)病気としては、椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症などが挙げられる。また、検査方法としては、X線検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像)検査などが挙げられる。これらの検査方法で病気が特定できた場合、例えば、椎間板ヘルニアであると特定できた場合には、治療方法等(薬物療法や理学療法など)を継続的に行うことが必要である。例えば、薬物療法として、解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェンを処方したり、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を処方したりして、痛みを緩和するようにする。また、例えば、理学療法として、経皮的電気神経刺激法(TENS)を用いるとともに、理学療法士による患部を中心とした領域でのマッサージを行うことで、痛みを和らげることが期待できる。また、薬物療法や理学療法を行っても期待した効果が現れない場合には、医師と個人(利用者)がよく相談の上、手術を行うことにより、痛みを取り去ることが期待できる。例えば、椎間板ヘルニアの場合には、椎間板切除術や椎弓切除術などが一般的に行われる。
もし、病気が特定できない場合には、例えば、椎間板ヘルニアの可能性70%、変形性腰椎症の可能性30%というように、考えられる(疑われる)病気の確率を示す情報を関連付けて保持するようにしてもよい。
なお、「一般的健康医療情報」に含まれる情報として、追加、削除、編集などが必要な場合には、管理者が管理者端末204を使って、情報提供システムにログインした上で慎重に行われることが望ましい。
また、「一般的健康医療情報」には、処方された薬剤を服用する個人(患者)に対する薬剤師などによる介入支援情報などが含まれるようにしてもよい。なお、介入支援情報とは、例えば、薬剤師が個人(患者)の服薬状況などを個別に確認して、服薬アドヒアランスが適正又は向上できるように個人(患者)に対して服薬指導や健康アドバイスなどを行う支援活動のことをいう。
【0119】
<実施形態1 構成の説明:健康医療情報取得部>
「健康医療情報取得部」304は、個人識別情報と関連付けて健康医療情報を取得する機能を有するように構成される。
また、「個人識別情報」には、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号などのうちいずれか一以上の情報が含まれることが好ましい。
また、「健康医療情報」とは、上述した「健康医療情報保持部」における説明と同様である。
ここで、「健康医療情報取得部」は、上述した健康医療情報保持部に保持されている健康医療情報を取得するようにしてもよいし、あるいは、健康医療情報共有システム(例えば、PHRシステムなども含む)などの1又は複数の情報源からAPI(Application Programming Interface)を介して取得するように構成してもよい。
ところで、図25は、PHRの全体像(一部抜粋)の一例を示す図である。この例に示されるように、「PHRシステム」とは、学校、市区町村、保険者、医療機関が保有している保険医療情報を中間サーバ等に蓄積しておき、個人(患者及びその家族等)の同意に基づいて、「マイナポータル」等の仕組みとAPI連携することにより、個人が自分自身の情報を閲覧したり、あるいは、ダウンロードしたりすることができるようなものをいう。なお、これはあくまで一例であり、必ずしもこれに限定されない。
【0120】
ここで、「健康医療情報共有システム」とは、例えば、個人に関する健康医療関連情報を蓄積する健康医療関連情報蓄積部と、健康医療関連情報蓄積部に蓄積された健康医療関連情報に、ネットワークを介して、第三者にアクセスさせるためのアクセス制御部と、を有し、アクセス制御部は、アクセス主体が、健康医療関連情報を非営利的に利用するアクセス主体であるか、健康医療関連情報を営利的に利用するアクセス主体であるかによって、異なるアクセス要件を課すためのアクセス主体別要件要求手段を有し、健康医療関連情報蓄積部は、個人の電子カルテ情報、各種検査情報、処方箋情報、薬歴情報、バイタル情報、問診票の情報、健康促進アプリのデータ、対話型健康促進SNSの会話データなどのうち少なくとも1つ以上を含むシステムのことなどをいい、以下、同様とする。なお、上記は「健康医療情報共有システム」の一例であり、必ずしもこれに限られない。
【0121】
例えば、個人に関する健康医療関連情報を蓄積する健康医療関連情報蓄積部と、健康医療関連情報蓄積部に蓄積された健康医療関連情報を、ネットワークを介して、第三者に開示させるためのアクセス制御部と、個人が自身の健康医療関連情報の第三者への公開を許可するか否かを示す公開許否情報を保持する公開許否情報保持部と、第三者が医療従事者であるか、あるいは、非医療従事者であるかを識別するための第三者識別情報を保持する第三者識別情報保持部と、を有し、健康医療関連情報蓄積部は、個人の電子カルテ情報、各種検査情報、処方箋情報、薬歴情報、バイタル情報、問診票の情報、健康促進アプリのデータ、対話型健康促進SNSの会話データからなる健康医療関連情報を蓄積し、アクセス制御部は、第三者が医療従事者であるか、あるいは、非医療従事者であるかによって、健康医療関連情報の閲覧可能な範囲を異ならせるシステムであってもよい。
【0122】
また、例えば、個人に関する健康医療に関連する情報である健康医療関連情報であって、公共の安全に影響を及ぼす可能性がある公共安全健康医療関連情報を含む健康医療関連情報を蓄積する健康医療関連情報蓄積部と、健康医療関連情報蓄積部に蓄積された健康医療関連情報を、ネットワークを介して、第三者に開示することを制御するためのアクセス制御部と、個人が自身の健康医療関連情報を第三者に公開許可するか否かを示す公開許否情報を保持する公開許否情報保持部と、を有し、健康医療関連情報蓄積部は、個人に関する電子カルテ情報、各種検査情報、処方せん情報、薬歴情報、服用状況情報、バイタル情報、問診票の情報、健康促進アプリのデータ、対話型健康促進SNSの会話データ、公共安全健康医療関連情報のうちいずれか1以上の情報からなる健康医療関連情報を蓄積し、アクセス制御部は、公開許否情報保持部に保持された公開許否情報が公開許可を示している場合に、健康医療関連情報蓄積部に蓄積された公共安全健康医療関連情報を除外した健康医療関連情報を第三者に閲覧させた後、公開許否情報保持部に保持された公開許否情報が公開拒否に変更された場合に、健康医療関連情報蓄積部に蓄積された公共安全健康医療関連情報を除外した健康医療関連情報を第三者に閲覧させるのを停止するシステムであってもよい。
【0123】
ここで、「非医療従事者」とは、少なくとも生命保険会社、損害保険会社、証券会社、製薬会社、創薬ベンチャー会社、食品会社、介護サービス事業者、スーパーマーケット、ドラッグストア、通信販売会社、寝具会社、健康器具会社、フィットネスクラブ、スポーツジム、ヨガスタジオ、銀行、信用金庫、JA、組合健保、協会けんぽ、共済組合、市町村国保、国保組合、PR会社、総合研究所、大学および大学院(附属の研究機関も含む)、高等専門学校、農林水産系会社、肥料会社、官公庁、自治体、独立行政法人に属する従業員のうちいずれか一以上の者を指していう。
【0124】
<実施形態1 構成の説明:一般的健康医療情報取得ルール保持部>
「一般的健康医療情報取得ルール保持部」305は、取得した健康医療情報に基づいて一般的健康医療情報を取得するためのルールである一般的健康医療情報取得ルール(人工知能も含む)を保持する機能を有するように構成される。
また、「健康医療情報」とは、上述した「健康医療情報保持部」における説明と同様である。
図22は、本件発明における一般的健康医療情報取得ルールの一例を示す図である。この図に示されるように、健康医療情報に含まれる情報、例えば、自覚症状が「腰痛」である場合には、それに対応する「一般的健康医療情報」の内容を取得できるルールが設定されている。また、健康医療情報に含まれる情報、例えば、検査値やバイタル情報などに基づいて、それに対応する「一般的健康医療情報」の内容を取得できるルールが設定されていてもよい。
なお、一般的健康医療情報の説明にて一般的健康医療情報はグルーピングされていてもよい旨の説明をしたが、取得した健康医療情報を分析することでどのグループの情報を選択するかを決定するサブルールが、この一般的健康医療情報取得ルールに含まれていてもよい。
なお、上述した場合以外に、人工知能を用いて、健康医療情報に含まれる各種情報を入力として学習させておき、その後、所定の健康医療情報を入力させることで、適切な「一般的健康医療情報」を選択して取得できるように構成してもよい。
なお、「一般的健康医療情報取得ルール」における情報について、追加、削除、編集などが必要な場合には、管理者が管理者端末204を使って、情報提供システムにログインした上で慎重に行われることが望ましい。
【0125】
<実施形態1 構成の説明:一般的健康医療情報取得部>
「一般的健康医療情報取得部」306は、取得した健康医療情報と、保持されている一般的健康医療情報取得ルールとに基づいて、保持されている一般的健康医療情報を取得する機能を有するように構成される。
また、「健康医療情報」とは、上述した「健康医療情報保持部」における説明と同様である。
また、「一般的健康医療情報」とは、上述した「一般的健康医療情報保持部」における説明と同様である。
図22は、本件発明における一般的健康医療情報取得ルールの一例を示す図である。この図に示されるように、健康医療情報に含まれる情報、例えば、自覚症状が「腰痛」である場合には、それに対応する「一般的健康医療情報」に含まれる椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症などに関する各種情報を取得することができる。また、健康医療情報に含まれる情報、例えば、検査値やバイタル情報などに基づいて、それに対応する「一般的健康医療情報」の内容を取得することができる。
【0126】
<実施形態1 構成の説明:一般的健康医療情報出力部>
「一般的健康医療情報出力部」307は、取得した一般的健康医療情報を健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する機能を有するように構成される。
また、「個人識別情報」とは、上述した「個人識別情報保持部」における説明と同様である。
また、「一般的健康医療情報」とは、上述した「一般的健康医療情報保持部」における説明と同様である。
ここで、「所定の相手先」とは、個人識別情報で識別された個人及びその個人に関わる医療従事者の両方又はいずれか一方をいう。なお、場合によって、個人(患者)の家族やその個人(患者)の介護関係者が「個人」に含まれるようにしてもよい。
ここで、「医療従事者」とは、少なくとも医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、診療放射線技師、診療エックス線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学技士、歯科衛生士、歯科技工士、救急救命士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、管理栄養士、栄養士、精神福祉士、社会福祉士、介護福祉士、公認心理士、臨床心理士、医療事務者(例えば、窓口業務、診療報酬請求事務、診療情報管理、医師事務作業補助などを主に行う者)のうちいずれか一以上の者を指していう。
【0127】
また、この出力先から提供した情報についてのフィードバックを取得するための「フィードバック取得部」を有するように本システムは構成されていてもよい。フィードバックの形式は出力された一般的健康医療情報のグループや、情報そのものが適切であったかを示す情報であってもよいし、また、一般的健康医療情報のどの情報(ページ)を何回見たかという視聴履歴であってもよいし、さらに情報を追加で要求するようなフィードバックであってもよい。これらは、「フィードバック取得部」が相手に対して選択肢を提示してそれを選択されることでフィードバックさせるように構成してもよい。
さらに、フィードバックに応じて一般的健康医療情報取得部で利用する一般的健康医療情報取得ルールを改善する「一般的健康医療情報取得ルール改善部」を有するように構成することもできる。この改善は多数のフィードバックに基づく統計処理によって改善することが好ましく、この改善のために改善ルールを「改善ルール保持部」に保持し、「一般的健康医療情報取得ルール改善部」はこのルールを使用して改善作業を行うように構成することができる。
【0128】
また、「一般的健康医療情報」には、問診形式の情報である問診情報(問いかけの情報であって、個人の個別に設定された問いかけの情報とは異なる。以下同じ。)が含まれるように構成されてもよい。
例えば、図23は、本件発明における一般的健康医療情報の一例を示す図である。この一例では、個人(患者)が腰痛を訴えて医師が問診するケースを想定している。この図に示されるように、問診情報(問いかけ)は、代表例として、Q1「どのような痛みですか。」、Q2「痛みの強さはどれくらいですか。」、Q3「どこに痛みがあり、どこに広がりますか。」、Q4「どういうことで痛みが和らいだり、悪化したりしますか(例えば、体勢を変える、体重を支えるなど)。」、Q5「いつ、どのように痛みが始まりましたか。」並びにQ6「他の症状はありますか(例えば、しびれ、筋力低下、尿閉、失禁など)。」などのような情報である。
一方、「健康医療情報」には、上記問診情報に対する回答情報である問診回答情報が含まれるように構成されてもよい。
例えば、図24は、本件発明における健康医療情報の一例を示す図である。この一例では、個人(患者)が腰痛を訴えて医師が問診するケースを想定している。この図に示されるように、問診情報(問いかけ)に対する回答情報である問診回答情報は、代表例として、A1「ピリッとした感じの痛み。」、A2「中程度の痛み。我慢できない程の痛みではない。」、A3「腰の左側だけに痛みがあり、それ以外には広がらない。」、A4「腰を左側に曲げたり、反り返ったりすると痛みを感じる。それ以外は痛みを感じない。」、A5「朝ベッドから起き上がったときに急に痛みを感じた。」並びにA6「他の症状は特になし。」などのような情報である。
【0129】
図26は、健康医療情報の一例を示す図である。一般的に、個人(患者)が病気に掛かると様々な症状が現れることが多く、医療従事者である医師が問診等を行って、個人(患者)から複数の症状を聞き取ることにより、病名を比較的高い確率で特定できる場合が多い。
例えば、図26に示されるような複数の症状と病名との関係性を表すマトリクスを用意し、個人(患者)が訴える複数の症状の組合せによって、どのような病名が考えられるかを比較的高い確率で特定することが可能である。一例として、個人(患者)が症状X2と、症状Y1とを訴えた場合には、上記マトリクスを利用して病名Z2であると特定できる。病名がある程度特定できれば、検査方法や治療方法などを決めることが可能となる。
【0130】
図27は健康医療情報の一例を示す図である。この一例では、腰痛に特化したマトリクスとなっている。
ここで、具体的な事例を挙げて説明する。
個人(患者)N氏は、数日前から突然腰の痛みが発生したため、最寄り駅近くの整形外科に行き、診察を受けることとなった。
初診時に、情報提供システムを利用して、医師から問診情報(問いかけ)におけるQ1「どのような痛みですか。」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は問診回答情報におけるA1「ピリッとした感じの痛み。」と回答した。
また、医師から問診情報(問いかけ)におけるQ2「痛みの強さはどれくらいですか。」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は問診回答情報におけるA2「中程度の痛み。我慢できない程の痛みではない。」と回答した。
また、医師から問診情報(問いかけ)におけるQ3「どこに痛みがあり、どこに広がりますか。」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は問診回答情報におけるA3「腰の左側だけに痛みがあり、それ以外には広がらない。」と回答した。
また、医師から問診情報(問いかけ)におけるQ4「どういうことで痛みが和らいだり、悪化したりしますか。例えば、体勢を変える、体重を支える場合などはどうですか。」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は問診回答情報におけるA4「腰を左側に曲げたり、反り返ったりすると痛みを感じる。それ以外は痛みを感じない。」と回答した。
また、医師から問診情報(問いかけ)におけるQ5「いつ、どのように痛みが始まりましたか。」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は問診回答情報におけるA5「朝ベッドから起き上がったときに急に痛みを感じた。」と回答した。
また、医師から問診情報(問いかけ)におけるQ6「他の症状はありますか。例えば、しびれ、筋力低下、尿閉、失禁などはありましたか。」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は問診回答情報におけるA6「他の症状は特になし。」と回答した。
これらの情報は、それぞれ情報提供システムにおける「一般的健康医療情報保持部」や「健康医療情報保持部」に保持されるように構成することができる。
【0131】
これを受けて、医師からMRI検査を受けて、原因を究明することを勧められた。また、江戸川区医師会医療検査センターに予約を入れてMRI検査を行うこととなった。なお、腰の痛みを緩和するために、コルセットを購入し、装着の仕方や外し方等を教えてもらい、外出時に装着するように指導を受けた。
【0132】
1週間後に、上記検査センターでMRI検査(画像撮影)を行い、更に1週間後に上記整形外科に検査結果が届くこととなった。
2週間後に、再び上記整形外科に行き、診察を受けた。情報提供システムを利用して、医師からMRI検査の結果である画像を見せられ、画像の様子やこれまでの症状等から「腰椎椎間板嚢胞種」と診断された。椎間板を覆う嚢胞が何らかの原因で変形し、それが神経根を圧迫していることによる痛みだろうと推定された。医師からは、薬物療法と理学療法を同時に行いながら当面様子を見るという治療方針の説明を受け、個人(患者)N氏はそれに同意した。
ここで、薬物療法としては、非ステロイド性抗炎症薬、筋弛緩薬、防御因子増強薬を処方され、1日3回1錠ずつ食事後に服用することとなった。また、理学療法(リハビリ)として、経皮的電気神経刺激法(TENS)と、理学療法士による患部を中心とした領域でのマッサージをそれぞれ10分間ずつ毎日行うこととなった。
【0133】
ここで、「非ステロイド性抗炎症薬」とは、体内で炎症などを引き起こす体内物質プロスタグランジンの生成を抑え、炎症や痛みなどを抑え、熱を下げる薬をいう。
また、「筋弛緩薬」とは、脳から筋肉への筋肉緊張の伝達を抑え、筋弛緩作用をあらわし、痛みやしびれ感などを緩和する薬をいう。
また、「防御因子増強薬」とは、消化性潰瘍などに対して、胃粘液などの防御因子を増強することで胃腸粘膜保護作用などをあらわす薬をいう。
また、「経皮的電気神経刺激法(TENS)」とは、痛みの局所、周辺、あるいは支配脊髄神経起始部などに表面電極を置き、低周波を通電する電気療法の一種である。経皮から電気で末梢神経を刺激して鎮痛させる療法でテンス(TENS)とも呼ばれる。
【0134】
1か月後に、再び上記整形外科に行き、診察を受けた。医師から「その後の様子は如何ですか?」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は「依然として腰が痛い。腰を左側に曲げたり、反り返ったりすると痛みが増す。」と回答した。そして、医師から「服薬で困っている点はありますか?」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は「処方された非ステロイド性抗炎症薬の効き目が弱いと感じる。未だ腰の痛みはあり。もう少し強い薬を処方して欲しい。」と回答した。これらの情報は、それぞれ情報提供システムにおける「一般的健康医療情報保持部」や「健康医療情報保持部」に保持されるようにしてもよい。
これを受けて、医師は、薬の副作用や他の薬との飲み合わせ等を十分考慮し、オピオイド鎮痛薬、抗ドパミン薬を追加して処方してくれることとなった。これらは1日2回1錠ずつ朝夕食後に服用することとなった。
ここで、「オピオイド鎮痛薬」とは、鎮痛作用などに関与するオピオイド受容体に作用することで強い鎮痛作用をあらわす薬をいう。
また、「抗ドパミン薬」とは、消化管運動を亢進させ、消化管運動の低下などによる吐き気、胸やけ、食欲不振などを改善する薬をいう。
【0135】
更に、1か月後に、上記整形外科に行き、診察を受けた。医師から「今日の身体の調子は如何ですか?」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は「腰を曲げたり、反り返ったりすると少し痛みを感じるが、通常の姿勢では殆ど痛みを感じなくなった。薬とリハビリが効いている実感がある。」と回答した。そして、医師から「服薬で困っている点はありますか?」と問いかけられたので、個人(患者)N氏は「特になし。追加処方されたオピオイド鎮痛薬が効いている感じがする。このままの薬の組合せで服用を続けていきたい。」と回答した。これらの情報は、それぞれ情報提供システムにおける「一般的健康医療情報保持部」や「健康医療情報保持部」に保持されるようにしてもよい。なお、個人(患者)N氏はコルセットを外して外出することができるようになったことを医師に告げた。
【0136】
それ以降、1週間に数回リハビリを受けながら、処方された薬を服用し続け、1か月に1回診察を受けるようになった。その後、約1年間かけて服薬とリハビリを続けた結果、殆ど腰の痛みを感じなくなったので、医師と相談の上、服薬を中止するとともに、リハビリを1週間に2回程度受けることとなった。現在、腰の痛みは治まり、リハビリも1か月に1回程度くらいで大丈夫なまでに快復した。
【0137】
上記の事例でも説明したように、「一般的健康医療情報」に問診形式の情報である「問診情報」(例えば、Q1~Q6等)が含まれ、「一般的健康医療情報保持部」に保持されるように構成することができる。同様に、「健康医療情報」に問診情報に対する回答情報である「問診回答情報」(例えば、A1~A6等)が含まれ、「健康医療情報保持部」に保持されるように構成することができる。
【0138】
<実施形態1 情報提供システム:ハードウェア構成>
本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成について図を用いて説明する。
【0139】
図4は、本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。この図に示すように、本実施形態における情報提供システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」401と、「メインメモリ」402とを備えている。また、所定の情報を保持する「不揮発性メモリ」403や、複数の利用者406、複数の管理者端末407、第1情報源408、第2情報源409及び第n情報源410と情報の送受信を行う「ネットワークI/F(インターフェース)」404を備えている。そして、それらが「バス」405などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0140】
ここに「メインメモリ」は、各種処理を行うプログラムを「CPU」に実行させるために読み出すと同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理を行うことが可能になっている。本実施形態において、「メインメモリ」に格納されているプログラムは、個人識別情報保持プログラム、健康医療情報保持プログラム、一般的健康医療情報保持プログラム、健康医療情報取得プログラム、一般的健康医療情報取得ルール保持プログラム、一般的健康医療情報取得プログラム、一般的健康医療情報出力プログラムなどである。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、個人識別情報、健康医療情報、一般的健康医療情報取得ルール、一般的健康医療情報などが格納されている。
【0141】
「CPU」は、「メインメモリ」に格納されている個人識別情報保持プログラムを実行して、個人識別情報を「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。また、「メインメモリ」に格納されている健康医療情報保持プログラムを実行して、健康医療情報を「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。また、「メインメモリ」に格納されている一般的健康医療情報保持プログラムを実行して、一般的健康医療情報を「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。また、「メインメモリ」に格納されている健康医療情報取得プログラムを実行して、健康医療情報を取得する。また、「メインメモリ」に格納されている一般的健康医療情報取得ルール保持プログラムを実行して、一般的健康医療情報取得ルールを「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。また、「メインメモリ」に格納されている一般的健康医療情報取得プログラムを実行して、健康医療情報と、一般的健康医療情報取得ルールとに基づいて一般的健康医療情報を取得する。また、「メインメモリ」に格納されている一般的健康医療情報出力プログラムを実行して、一般的健康医療情報を健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する。
【0142】
<実施形態1 情報提供システム:処理の流れ>
図5は、本実施形態における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを示す図である。図に示されるように、個人識別情報保持ステップS501と、健康医療情報保持ステップS502と、一般的健康医療情報保持ステップS503と、健康医療情報取得ステップS504と、一般的健康医療情報取得ルール保持ステップS505と、一般的健康医療情報取得ステップS506と、一般的健康医療情報出力ステップS507とからなる処理方法である。
これらの処理方法は、個人を一意に識別するための個人識別情報を保持する個人識別情報保持部と、個人識別情報保持部で保持された個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する、又は、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する健康医療情報保持部と、健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報である一般的健康医療情報を保持する一般的健康医療情報保持部と、個人識別情報と関連付けて健康医療情報を取得する健康医療情報取得部と、健康医療情報取得部で取得した健康医療情報に基づいて一般的健康医療情報を取得するためのルールである一般的健康医療情報取得ルール(人工知能も含む)を保持する一般的健康医療情報取得ルール保持部と、健康医療情報取得部で取得した健康医療情報と、一般的健康医療情報取得ルール保持部で保持されている一般的健康医療情報取得ルールと、に基づいて、一般的健康医療情報保持部で保持されている一般的健康医療情報を取得する一般的健康医療情報取得部と、一般的健康医療情報取得部で取得した一般的健康医療情報を健康医療情報取得部で取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する一般的健康医療情報出力部と、を有する情報提供システムによって実行されるものである。
【0143】
「個人識別情報保持ステップ」S501とは、個人を一意に識別するための個人識別情報を保持する段階である。
【0144】
「健康医療情報保持ステップ」S502とは、保持された個人識別情報と関連付けて、その個人の健康・医療に関連する情報であって、1つの情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する、又は、複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する段階である。
【0145】
「一般的健康医療情報保持ステップ」S503とは、健康医療に関連し、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的情報である一般的健康医療情報を保持する段階である。
【0146】
「健康医療情報取得ステップ」S504とは、個人識別情報と関連付けて健康医療情報を取得する段階である。
【0147】
「一般的健康医療情報取得ルール保持ステップ」S505とは、取得した健康医療情報に基づいて一般的健康医療情報を取得するためのルールである一般的健康医療情報取得ルールを保持する段階である。
【0148】
「一般的健康医療情報取得ステップ」S506とは、取得した健康医療情報と、保持されている一般的健康医療情報取得ルールとに基づいて、保持されている一般的健康医療情報を取得する段階である。
【0149】
「一般的健康医療情報出力ステップ」S507とは、取得した一般的健康医療情報を健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する段階である。
【0150】
<まとめ>
以上より、本発明では、取得した一般的健康医療情報を、取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて、所定の相手先に出力することが可能な情報提供システムを提供することができる。
【0151】
<実施形態2(主に請求項2、請求項13および請求項24に対応)>
<実施形態2 概要>
本実施形態は、実施形態1を基本として、個人識別情報と関連付けて所定の相手先を識別する相手先識別情報を保持する相手先識別情報保持部と、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて相手先識別情報保持部に保持のために登録する相手先識別情報登録部とを備えた点に特徴がある。また、それを実現するため、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法、並びに、計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述した情報提供システムの動作プログラムを提供する。これ以降、実施形態1と同じ機能的構成、ハードウェア構成、処理の流れについては、適宜、説明を省略する。
【0152】
<実施形態2 機能的構成>
図6は、実施形態2における情報提供システムの機能的構成を示す図である。本実施形態では、相手先識別情報保持部と、相手先識別情報登録部とを備えている。
【0153】
<実施形態2 構成の説明:相手先識別情報保持部>
「相手先識別情報保持部」608は、個人識別情報と関連付けて所定の相手先を識別する相手先識別情報を保持する機能を有するように構成される。
また、「個人識別情報」とは、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。
ここで、「マイナンバー」とは、赤ちゃんからお年寄りまで一人ひとりに指定された12桁からなる「個人番号」のことをいう。日本に住民票がある人(外国人も含む)全員が持っている。その人だけの番号なので亡くなった方を含め同じ番号の人はいない。
また、「相手先識別情報」は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。相手先識別情報は、人である場合のほかに医療法人やクリニック、公共機関、製薬メーカーの特定部署、研究機関(大学などを含む場合もある。)、治験業務を受託して行う機関、などを識別する情報であってもよい。
【0154】
また、相手先識別情報に関連付けて相手先属性情報を保持するように構成することが好ましい。この保持は「相手先属性情報保持部」に担わせるように構成することが好ましい。相手先属性情報としては、すでに説明した個人属性情報と同様な情報のほかに、相手先が医療機関などの健康に関する機関である場合には、その機関の正式名称、ホームページのURL、英文名称、所在地やその地図、電話番号、設立年月日、業種分類、代表者氏名、資本金、決算期、上場企業である場合にはその上場市場名、従業員数、従業員の平均年齢などの情報や、論文発表が過去にある場合にはその論文の内容や参照するためのURL、薬品を販売している場合には、その薬品に関する情報、病院などの治療を施すための機関に関しては、専門医療分野、過去の治療実績、病院などの規模、その病院に通院している患者がある場合には、その患者の個人識別情報、病院などの設備情報、病院の稼働時間、その病院に勤務している医師を特定する個人識別情報などである。
【0155】
なお、医師を特定する個人識別情報には、個人属性情報としてその医師の専門分野や、過去に発表した論文に関する上記情報、過去の治療実績、過去の薬の処方実績と、その薬を処方した患者の個人識別情報などが含まれていることが好ましい。これらの相手先属性情報は権限を有する物による閲覧請求によって閲覧可能にされていることが好ましく、この閲覧請求は、個人属性情報の閲覧と相手先属性情報の閲覧を管理する「閲覧管理部」によって閲覧制御されるように構成することが好ましい。例えば医者の個人識別情報と関連付けられている個人識別情報に関連付けられている個人属性情報は、その医師の個人識別情報と関連付けられた個人属性情報閲覧請求によって閲覧可能に構成されるのが好ましい。そのほか、個人属性情報の閲覧は、この個人識別情報と関連付けられている家族や親族の個人識別情報を伴った個人属性情報閲覧請求に応じて閲覧可能に構成することもできる。なお、個人属性情報の最も代表的な閲覧請求は医師である者による閲覧請求であるが、場合によっては製薬メーカーの特定部署や、研究機関、公共機関などの閲覧請求によって閲覧可能に構成することもできる。
なお、相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げないようにしてもよい。
【0156】
<実施形態2 構成の説明:相手先識別情報登録部>
「相手先識別情報登録部」609は、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて相手先識別情報保持部に保持のために登録する機能を有するように構成される。
また、「個人識別情報」とは、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。
ここで、「マイナンバー」とは、赤ちゃんからお年寄りまで一人ひとりに指定された12桁からなる「個人番号」のことをいう。日本に住民票がある人(外国人も含む)全員が持っている。その人だけの番号なので亡くなった方を含め同じ番号の人はいない。
また、「相手先識別情報」は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。
なお、相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げないようにしてもよい。
例えば、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて相手先識別情報保持部に保持するための要求の入力を受付ける機能を有する「相手先識別情報保持要求入力受付部」を本システムに設けるようにしてもよい。一例として、管理者が利用する管理者端末の画面に登録ボタンを設けて、管理者がその登録ボタンをクリックまたはタッチすることにより、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて相手先識別情報保持部に保持されるように構成してもよい。また、個人(患者)又は医療従事者が利用する利用者端末の画面に登録ボタンを設けて、個人(患者)又は医療従事者がその登録ボタンをクリックまたはタッチすることにより、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて相手先識別情報保持部に保持されるように構成されてもよい。
【0157】
<実施形態2 情報提供システム:ハードウェア構成>
本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成について図を用いて説明する。
【0158】
図7は、本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。この図に示すように、本実施形態における情報提供システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」701と、「メインメモリ」702とを備えている。また、所定の情報を保持する「不揮発性メモリ」703や、複数の利用者端末706、複数の管理者端末707、第1情報源708、第2情報源709及び第n情報源710と情報の送受信を行う「ネットワークI/F(インターフェース)」704を備えている。そして、それらが「バス」705などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0159】
ここに「メインメモリ」は、各種処理を行うプログラムを「CPU」に実行させるために読み出すと同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理を行うことが可能になっている。本実施形態において、「メインメモリ」に格納されているプログラムは、相手先識別情報保持プログラム、相手先識別情報登録プログラムなどである。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、個人識別情報、健康医療情報、一般的健康医療情報取得ルール、一般的健康医療情報、相手先識別情報などが格納されている。
【0160】
「CPU」は、「メインメモリ」に格納されている相手先識別情報保持プログラムを実行して、個人識別情報と関連付けて所定の相手先を識別する相手先識別情報を「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。また、「メインメモリ」に格納されている相手先識別情報登録プログラムを実行して、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて保持のために登録する。
【0161】
<実施形態2 情報提供システム:処理の流れ>
図8は、本実施形態における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを示す図である。図に示されるように、相手先識別情報保持ステップS801と、相手先識別情報登録ステップS802とからなる処理方法である。
【0162】
「相手先識別情報保持ステップ」S801とは、個人識別情報と関連付けて所定の相手先を識別する相手先識別情報を保持する段階である。
【0163】
「相手先識別情報登録ステップ」S802とは、相手先識別情報を個人識別情報と関連付けて保持のために登録する段階である。
【0164】
<まとめ>
以上より、本発明では、個人識別情報と関連付けて所定の相手先を識別する相手先識別情報を保持することが可能な情報提供システムを提供することができる。
【0165】
<実施形態3(主に請求項3、請求項14および請求項25に対応)>
<実施形態3 概要>
本実施形態は、実施形態1及び実施形態2を基本として、一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを個人識別情報又は相手先識別情報と関連付けて取得するトリガー取得部と、トリガーの取得があった場合に一連の処理を開始する処理開始制御部と、トリガーに関連付けられていた個人識別情報又は相手先識別情報に関連付けて一般的健康医療情報出力部が出力する相手先を相手先識別情報保持部に保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に一般的健康医療情報出力部の出力先を制御する出力先制御部と、選択のためのルールである選択ルールを保持する選択ルール保持部と、を備えた点に特徴がある。また、それを実現するため、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法、並びに、計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述した情報提供システムの動作プログラムを提供する。これ以降、実施形態1及び実施形態2と同じ機能的構成、ハードウェア構成、処理の流れについては、適宜、説明を省略する。
【0166】
<実施形態3 機能的構成>
図9は、実施形態3における情報提供システムの機能的構成を示す図である。本実施形態では、トリガー取得部と、処理開始制御部と、出力先制御部と、選択ルール保持部とを備えている。
【0167】
<実施形態3 構成の説明:トリガー取得部>
「トリガー取得部」910は、一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを個人識別情報又は相手先識別情報と関連付けて取得する機能を有するように構成される。
ここで、「トリガー」とは、一般的には引き金やきっかけのことを意味するが、本件発明では情報提供システムにおいて一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのきっかけという意味で使われており、例えば、後述する問診情報出力要求情報などを含むようにしてもよい。トリガーの具体例としては、一般的健康医療情報の患者である個人識別情報およびこれに関連付けられている医療法人の相手先識別情報と関連付けられた出力要求が考えられるがこれに限定されない。患者自身が自分の身体の不調を感じ取ってアドバイスを求める場合には患者である個人識別情報と関連付けて一般的健康医療情報の電子的な要求などがトリガーに該当する。さらに、一般的健康医療情報である問診票の回答を個人識別情報と関連付けて取得し、これを健康医療情報保持部に保持した際に、この健康医療情報が一定の条件に合致した場合に一般的健康医療情報を出力するトリガーとすることも考えられる。このような条件設定がトリガー取得部中に「トリガー条件保持手段」としてトリガー条件を保持するように構成されていてもよい。例えば、問診票に記載されている体温が所定の温度を上回った場合にこれが一般的健康医療情報の出力のトリガーとして機能するように設計することができる。一般化すれば、トリガー条件として取得した「健康医療情報」が所定の条件、例えば健康の悪化や、健康回復の遅延、さらには健康増進の遅延などを示す数値条件や格付け(レベルを所定段階に類別したもの)条件に合致した場合に、トリガー条件に合致したとして一般的健康医療情報を出力するように構成することができる。以上のように、健康医療情報保持部に保持されている個人識別情報と関連付けられた健康医療情報が保持されているトリガー条件に合致した場合にこれをトリガーとして一般的健康医療情報を出力するように構成することができる。
【0168】
例えば、問診票その他の情報から個人が健康を損ねている又は健康を損なう可能性が高いと判断するための情報がトリガー条件として利用可能である。またトリガー条件にはその一般的健康医療情報の出力先を自動的に選定するための条件が含まれていてもよい。発熱が高すぎる場合には一般的健康医療情報として可能性のある病名、例えば、インフルエンザという病名を含む一文「●●さんはインフルエンザの可能性が疑われます。」という一般的健康医療情報がかかりつけの医師(病院)に出力されるように構成されてもよい。なお、ここで示したように「インフルエンザ」などという病名も一般的健康医療情報に含まれる。また、健康維持に関する新たな一般的健康医療情報が一般的健康医療情報保持部に追加的に保持された場合には、これをトリガーとして追加された一般的健康医療情報を出力するように構成されていてもよい。この場合、一般的健康医療情報には属性が付加されていることが好ましい。この属性は、出力先を選定するための情報として利用可能であることが好ましい。例えば、新規に追加された一般的健康医療情報が幼児の健康に関する情報である場合には、幼児を養育している者に対してその一般的健康医療情報が出力されるように構成することが考えられる。幼児を養育しているかなどの情報は、個人識別情報に関連付けられている個人属性情報によって得ることができる。
【0169】
また、「一連の処理」とは、実施形態1で説明されたように、個人識別情報を保持する処理から始まって、取得した一般的健康医療情報を、取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する処理までのことをいう。
また、「個人識別情報」とは、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。
ここで、「マイナンバー」とは、赤ちゃんからお年寄りまで一人ひとりに指定された12桁からなる「個人番号」のことをいう。日本に住民票がある人(外国人も含む)全員が持っている。その人だけの番号なので亡くなった方を含め同じ番号の人はいない。
また、「相手先識別情報」は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。また、「相手先識別情報」は、実施形態2の「相手先識別情報保持部」で説明した内容と同様である。
なお、相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げないようにしてもよい。
【0170】
<実施形態3 構成の説明:処理開始制御部>
「処理開始制御部」911は、トリガーの取得があった場合に一連の処理を開始する機能を有するように構成される。
ここで、「トリガー」とは、上述した「トリガー取得部」の説明と同様である。
また、「一連の処理」とは、実施形態1で説明されたように、個人識別情報を保持する処理から始まって、取得した一般的健康医療情報を、取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する処理までのことをいう。
【0171】
<実施形態3 構成の説明:出力先制御部>
「出力先制御部」912は、トリガーに関連付けられていた個人識別情報又は相手先識別情報に関連付けて一般的健康医療情報出力部が出力する相手先を相手先識別情報保持部に保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に一般的健康医療情報出力部の出力先を制御する機能を有するように構成される。
ここで、「トリガー」とは、上述した「トリガー取得部」の説明と同様である。
また、「個人識別情報」とは、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。
ここで、「マイナンバー」とは、赤ちゃんからお年寄りまで一人ひとりに指定された12桁からなる「個人番号」のことをいう。日本に住民票がある人(外国人も含む)全員が持っている。その人だけの番号なので亡くなった方を含め同じ番号の人はいない。
また、「相手先識別情報」は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。また、「相手先識別情報」は、実施形態2の「相手先識別情報保持部」で説明した内容と同様である。
なお、相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げないようにしてもよい。
【0172】
<実施形態3 構成の説明:選択ルール保持部>
「選択ルール保持部」913は、選択のためのルールである選択ルールを保持する機能を有するように構成される。
また、「個人識別情報」とは、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。
ここで、「マイナンバー」とは、赤ちゃんからお年寄りまで一人ひとりに指定された12桁からなる「個人番号」のことをいう。日本に住民票がある人(外国人も含む)全員が持っている。その人だけの番号なので亡くなった方を含め同じ番号の人はいない。
また、「相手先識別情報」は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。また、「相手先識別情報」は、実施形態2の「相手先識別情報保持部」で説明した内容と同様である。
なお、相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げないようにしてもよい。
【0173】
また、「選択ルール」とは、一般的健康医療情報を出力する相手先を示す相手先識別情報を選択するための選択ルールのことをいう。
一般的健康医療情報には、その情報を出力する相手先を選択ルールによって選択するための情報が関連付けられていてもよい。例えば、一般的健康医療情報属性情報が関連付けられており、この一般的健康医療情報属性情報と選択ルールとによって出力する相手先を選択するように構成することができる。ここで、「一般的健康医療情報属性情報」とは、例えば、図21に示されるように、症状、疑われる病名、検査方法、治療方法、手術方法などが含まれるようにしてもよい。また、特に、属性情報は関連付けられていないが、その一般的健康医療情報の内容に応じて出力する相手先を選択するためのキーとなる情報、つまりキー情報を人工知能などによって抽出するように構成し、このキー情報と選択ルールとによって出力する相手先を選択するように構成することもできる。例えば、一般的健康医療情報が疾病に関する情報である場合にはその情報をその一般的健康医療情報を出力する原因となった患者の個人識別情報に関連付けられている病院などの医療機関や、その中の特定の医者や、クリニック、同居家族などに出力するように構成することができる。これらは個人識別情報に関連付けられている個人属性情報や、相手先識別情報に関連付けられている相手先属性情報に基づいて抽出し、出力先を選択するために利用される。なお、病院などの医療機関には出力しないが、かかりつけのクリニックには出力する、などの臨機応変な対応は、その一般的健康医療情報に関連付けられている属性情報やキー情報に応じて対応するように構成することができる。一般的健康医療情報に関連付けられている属性情報が、例えば、疾病は第1類から第5類に分けられる感染症の分類の中で第5類であればクリニックのみに出力し、第1類から第4類であれば病院などの医療機関とクリニックの両者に出力するなどのルールがルールの一例として考えられる。また、ルールは、管理者が適宜編集したり、患者自身である個人が適宜編集したりすることができるように「ルール編集管理部」が別途設けられていてもよい。この編集は、一般的健康医療情報に関連付けられている属性や、キー情報と、出力相手先の属性などの関連付けの変更などが該当する。又は出力する相手先の変更なども該当する。
【0174】
例えば、「大動脈弁狭窄症」が疑われる個人(患者)などの場合には、病院、診療所、クリニックなどの循環器内科あるいは心臓・血管外科に所属する医師を示す相手先識別情報を選択して、一般的健康医療情報をそれらの医師に対して出力するような選択ルールとしてもよい。また、「糖尿病」が疑われる個人(患者)などの場合には、病院、診療所、クリニックなどの内科(例えば、糖尿病内科)、外科、眼科、泌尿器科などに所属する医師を示す相手先識別情報を選択して、一般的健康医療情報をそれらの医師に対して出力するような選択ルールとしてもよい。また、「うつ病」が疑われる個人(患者)などの場合には、病院、診療所、クリニックなどの精神科、神経科、精神神経科、心療内科、メンタルクリニックなどに所属する医師を示す相手先識別情報を選択して、一般的健康医療情報をそれらの医師に対して出力するような選択ルールとしてもよい。あるいは、個人(患者)が「かかりつけ医師」として信頼できる医師が存在する場合には、そのかかりつけ医師を示す相手先識別情報を選択して、一般的健康医療情報をそのかかりつけ医師に対して出力できるように選択ルールを設定しておくようにすることも考えられる。
【0175】
上述した例のように、個人(患者)が疑われる疾患などに応じて、診てもらう病院、診療所、クリニックなどに所属する医師を示す相手先識別情報を選択して、一般的健康医療情報をそれらの医師に対して出力するような選択ルールとすることが好ましい。また、医師などの個人だけではなく、どの病院、診療所、クリニックかを示す相手先識別情報、あるいは、何科かを示す相手先識別情報を選択して、一般的健康医療情報を出力するような選択ルールを適宜、設定できるようにすることが望ましい。このような選択ルールの設定は、管理者が管理者端末を通じて本システムにログインして、適宜、必要に応じて、慎重に行われることが求められる。また、人工知能に各種情報を入力として学習させ、その学習結果に基づいて、選択ルールを生成して「選択ルール保持部」に保持させるようにしてもよい。
【0176】
<実施形態3 情報提供システム:ハードウェア構成>
本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成について図を用いて説明する。
【0177】
図10は、本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。この図に示すように、本実施形態における情報提供システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」1001と、「メインメモリ」1002とを備えている。また、所定の情報を保持する「不揮発性メモリ」1003や、複数の利用者端末1006、複数の管理者端末1007、第1情報源1008、第2情報源1009及び第n情報源1010と情報の送受信を行う「ネットワークI/F(インターフェース)」1004を備えている。そして、それらが「バス」1005などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0178】
ここに「メインメモリ」は、各種処理を行うプログラムを「CPU」に実行させるために読み出すと同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理を行うことが可能になっている。本実施形態において、「メインメモリ」に格納されているプログラムは、トリガー取得プログラム、処理開始制御プログラム、出力先制御プログラム、選択ルール保持プログラムなどである。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、個人識別情報、健康医療情報、一般的健康医療情報取得ルール、一般的健康医療情報、相手先識別情報、トリガー情報、選択ルールなどが格納されている。
【0179】
「CPU」は、「メインメモリ」に格納されているトリガー取得プログラムを実行して、一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを個人識別情報又は相手先識別情報と関連付けて取得するとともに、「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。また、「メインメモリ」に格納されている処理開始制御プログラムを実行して、トリガーの取得があった場合に一連の処理を開始する。また、「メインメモリ」に格納されている出力先制御プログラムを実行して、トリガーに関連付けられていた個人識別情報又は相手先識別情報に関連付けて一般的健康医療情報出力部が出力する相手先を相手先識別情報保持部に保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に一般的健康医療情報出力部の出力先を制御する。また、「メインメモリ」に格納されている選択ルール保持プログラムを実行して、相手先識別情報を選択するためのルールである選択ルールを「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。
【0180】
<実施形態3 情報提供システム:処理の流れ>
図11は、本実施形態における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを示す図である。図に示されるように、トリガー取得ステップS1101、処理開始制御ステップS1102、出力先制御ステップS1103、選択ルール保持ステップS1104とからなる処理方法である。
【0181】
「トリガー取得ステップ」S1101とは、一般的健康医療情報の出力に至る一連の処理を開始するためのトリガーを個人識別情報又は相手先識別情報と関連付けて取得する段階である。
【0182】
「処理開始制御ステップ」S1102とは、トリガーの取得があった場合に一連の処理を開始する段階である。
【0183】
「出力先制御ステップ」S1103とは、トリガーに関連付けられていた個人識別情報又は相手先識別情報に関連付けて一般的健康医療情報出力部が出力する相手先を相手先識別情報保持部に保持された相手先識別情報から後記する選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に一般的健康医療情報出力部の出力先を制御する段階である。
【0184】
「選択ルール保持ステップ」S1104とは、相手先識別情報を選択するためのルールである選択ルールを保持する段階である。
【0185】
<まとめ>
以上より、本発明では、トリガーに関連付けられていた個人識別情報又は相手先識別情報に関連付けて一般的健康医療情報出力部が出力する相手先を相手先識別情報保持部に保持された相手先識別情報から選択ルールに従って選択し、その選択された相手先識別情報で識別される相手先に一般的健康医療情報出力部の出力先を制御することが可能な情報提供システムを提供することができる。
【0186】
<実施形態4(主に請求項4、請求項15および請求項26に対応)>
<実施形態4 概要>
本実施形態は、実施形態1乃至実施形態3を基本として、出力先制御部が選択した相手先識別情報に応じて一般的健康医療情報取得部が取得し、一般的健康医療情報出力部から出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する一般的健康医療情報表現変更部を備えた点に特徴がある。また、それを実現するため、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法、並びに、計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述した情報提供システムの動作プログラムを提供する。これ以降、実施形態1乃至実施形態3と同じ機能的構成、ハードウェア構成、処理の流れについては、適宜、説明を省略する。
【0187】
<実施形態4 機能的構成>
図12は、実施形態4における情報提供システムの機能的構成を示す図である。本実施形態では、一般的健康医療情報表現変更部を備えている。
【0188】
<実施形態4 構成の説明:一般的健康医療情報表現変更部>
「一般的健康医療情報表現変更部」1214は、出力先制御部が選択した相手先識別情報に応じて一般的健康医療情報取得部が取得し、一般的健康医療情報出力部から出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する機能を有するように構成される。
ここで、「一般的健康医療情報取得部」、「一般的健康医療情報出力部」並びに「一般的健康医療情報」は、実施形態1で説明したものと同様である。
また、「相手先識別情報」は、実施形態2で説明したものと同様である。
また、「出力先制御部」は、実施形態3で説明したものと同様である。
また、「相手先識別情報に応じて・・・一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する」との構成における「相手先識別情報に応じて」とは、例えば、相手先が一般人である個人(患者)であるか、あるいは、専門家である医療従事者であるかに応じてという意味を表している。
また、「相手先識別情報に応じて・・・一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する」との構成における「一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する」とは、例えば、一般人である個人(患者)が相手先である場合には、一般的健康医療情報の表現を出来る限り分かり易く平易な言葉で説明するように変更したり、また、一般的健康医療情報の内容に含まれる情報を整理して要約した内容に変更したりすることなどを意味している。
一方、「相手先識別情報に応じて・・・一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する」との構成における「一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する」とは、例えば、専門家である医療従事者が相手先である場合には、一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を詳細かつ正確に専門的な用語を用いて表すように変更することなどを意味している。
【0189】
なお、表現又は/および内容の変更は柔軟にすることが好ましく、生成AIなどの人工知能を利用して行うことも考えられる。なお、変更は、専門家であるか専門家でないかの基準のほかに、年齢や性別、これまでの本システムの利用履歴や、その個人識別情報に関連付けられた個人属性情報に応じて変更するように構成してもよい。この個人属性情報の中には本システム利用のログが含まれていてもよく、例えば一般的健康医療情報の提供に際してその個人と本システムに包含される人工知能との間の会話の履歴などが参照されるように構成されてもよい。この一例としては、すでに薬効に対して十分な理解を得ていると考えられる患者に対しては、その薬効に関する説明を繰り返さないなどの内容変更をする場合を挙げることができる。
【0190】
また、「個人識別情報」とは、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。
ここで、「マイナンバー」とは、赤ちゃんからお年寄りまで一人ひとりに指定された12桁からなる「個人番号」のことをいう。日本に住民票がある人(外国人も含む)全員が持っている。その人だけの番号なので亡くなった方を含め同じ番号の人はいない。
また、「相手先識別情報」は、少なくともマイナンバー情報、社会保険又は国民健康保険の被保険者証の記号・番号、介護保険の被保険者番号、又は、医療従事者である場合には保有している資格免許証に記載されている番号などのうちいずれか一以上の情報をいう。また、「相手先識別情報」は、実施形態2の「相手先識別情報保持部」で説明した内容と同様である。
なお、相手先識別情報と個人識別情報とが同一であることを妨げないようにしてもよい。
【0191】
<実施形態4 情報提供システム:ハードウェア構成>
本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成について図を用いて説明する。
【0192】
図13は、本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。この図に示すように、本実施形態における情報提供システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」1301と、「メインメモリ」1302とを備えている。また、所定の情報を保持する「不揮発性メモリ」1303や、複数の利用者端末1306、複数の管理者端末1307、第1情報源1308、第2情報源1309及び第n情報源1310と情報の送受信を行う「ネットワークI/F(インターフェース)」1304を備えている。そして、それらが「バス」1305などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0193】
ここに「メインメモリ」は、各種処理を行うプログラムを「CPU」に実行させるために読み出すと同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理を行うことが可能になっている。本実施形態において、「メインメモリ」に格納されているプログラムは、一般的健康医療情報表現変更プログラムなどである。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、個人識別情報、健康医療情報、一般的健康医療情報取得ルール、一般的健康医療情報、相手先識別情報、トリガー情報、選択ルールなどが格納されている。
【0194】
「CPU」は、「メインメモリ」に格納されている一般的健康医療情報表現変更プログラムを実行して、出力先制御プログラムで選択した相手先識別情報に応じて一般的健康医療情報取得プログラムが取得し、一般的健康医療情報出力プログラムから出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更するとともに、「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。
【0195】
<実施形態4 情報提供システム:処理の流れ>
図14は、本実施形態における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを示す図である。図に示されるように、一般的健康医療情報表現変更ステップS1401からなる処理方法である。
【0196】
「一般的健康医療情報表現変更ステップ」S1401とは、出力先制御ステップで選択した相手先識別情報に応じて、一般的健康医療情報取得ステップで取得し、一般的健康医療情報出力ステップで出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更する段階である。
【0197】
<まとめ>
以上より、本発明では、出力先制御部が選択した相手先識別情報に応じて、一般的健康医療情報取得部が取得し、一般的健康医療情報出力部から出力する一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を変更することが可能な情報提供システムを提供することができる。
【0198】
<実施形態5(主に請求項5、請求項16および請求項27に対応)>
<実施形態5 概要>
本実施形態は、実施形態1乃至実施形態4を基本として、トリガー取得部は、トリガーとして問診形式の情報である問診情報(問いかけの情報、個人の個別に設定された問いかけの情報とは異なる。以下同じ。)の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得する問診情報出力要求情報取得手段を備えた点に特徴がある。また、それを実現するため、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法、並びに、計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述した情報提供システムの動作プログラムを提供する。これ以降、実施形態1乃至実施形態4と同じ機能的構成、ハードウェア構成、処理の流れについては、適宜、説明を省略する。
【0199】
<実施形態5 機能的構成>
図15は、実施形態5における情報提供システムの機能的構成を示す図である。本実施形態では、問診情報出力要求情報取得手段を備えている。
【0200】
<実施形態5 構成の説明:問診情報出力要求情報取得手段>
「問診情報出力要求情報取得手段」1502は、トリガーとして問診形式の情報である問診情報の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得する機能を有するように構成される。
ここで、「個人識別情報保持部」、「健康医療情報保持部」、「一般的健康医療情報保持部」、「健康医療情報取得部」、「一般的健康医療情報取得ルール保持部」、「一般的健康医療情報取得部」、「一般的健康医療情報出力部」並びに「健康医療情報」や「一般的健康医療情報」は、実施形態1で説明したものと同様である。
また、「相手先識別情報保持部」、「相手先識別情報登録部」、「相手先識別情報」は、実施形態2で説明したものと同様である。
また、「トリガー取得部」、「処理開始制御部」、「出力先制御部」、「選択ルール保持部」は、実施形態3で説明したものと同様である。
なお、問診情報は、上述した「一般的健康医療情報」に含まれるようにしてもよい。このような一例として、図23に示されるような問診情報(問いかけ)がある。本実施形態における「問診情報出力要求情報」とは、例えば、図23に示されるような問診情報(問いかけ)の出力の要求に対応する。
【0201】
<実施形態5 情報提供システム:ハードウェア構成>
本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成について図を用いて説明する。
【0202】
図16は、本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。この図に示すように、本実施形態における情報提供システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」1601と、「メインメモリ」1602とを備えている。また、所定の情報を保持する「不揮発性メモリ」1603や、複数の利用者端末1606、複数の管理者端末1607、第1情報源1608、第2情報源1609及び第n情報源1610と情報の送受信を行う「ネットワークI/F(インターフェース)」1604を備えている。そして、それらが「バス」1605などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0203】
ここに「メインメモリ」は、各種処理を行うプログラムを「CPU」に実行させるために読み出すと同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理を行うことが可能になっている。本実施形態において、「メインメモリ」に格納されているプログラムは、問診情報出力要求情報取得サブプログラムなどである。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、個人識別情報、健康医療情報、一般的健康医療情報取得ルール、一般的健康医療情報、相手先識別情報、トリガー情報、選択ルール、問診情報出力要求情報などが格納されている。
【0204】
「CPU」は、「メインメモリ」に格納されている問診情報出力要求情報取得サブプログラムを実行して、トリガーとして問診形式の情報である問診情報の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得するとともに、「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。
【0205】
<実施形態1 情報提供システム:処理の流れ>
図17は、本実施形態における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを示す図である。図に示されるように、問診情報出力要求情報取得サブステップS1701からなる処理方法である。
【0206】
「問診情報出力要求情報取得サブステップ」S1701とは、トリガーとして問診形式の情報である問診情報の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得する段階である。
【0207】
<まとめ>
以上より、本発明では、トリガーとして問診形式の情報である問診情報の出力の要求である問診情報出力要求情報を取得することが可能な情報提供システムを提供することができる。
【0208】
<実施形態6(主に請求項8、請求項19および請求項30に対応)>
<実施形態6 概要>
本実施形態は、実施形態1乃至実施形態5を基本として、個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する情報ログ保持部を有し、一般的健康医療情報取得ルールは、情報ログにも基づいて情報を取得するルールである点に特徴がある。また、それを実現するため、コンピュータである情報提供システムにおけるCPUが実行する方法、並びに、計算機である情報提供システムに読み取り実行可能に記述した情報提供システムの動作プログラムを提供する。これ以降、実施形態1乃至実施形態5と重複する機能的構成、ハードウェア構成、処理の流れについては、適宜、説明を省略する。
【0209】
<実施形態6 機能的構成>
図18は、実施形態6における情報提供システムの機能的構成を示す図である。本実施形態では、情報ログ保持部を備えている。
【0210】
<実施形態6 構成の説明:情報ログ保持部>
「情報ログ保持部」1801は、個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する機能を有するように構成される。
また、「個人識別情報」とは、実施形態1の「個人識別情報保持部」における説明と同様である。
また、「健康医療情報」とは、実施形態1の「健康医療情報保持部」における説明と同様である。
また、「一般的健康医療情報」とは、実施形態1の「一般的健康医療情報保持部」における説明と同様である。
また、「一般的健康医療情報取得ルール」とは、実施形態1の「一般的健康医療情報取得ルール保持部」における説明と同様である。
本実施形態における「情報ログ」とは、上述した「健康医療情報」、「一般的健康医療情報」、「問診情報」、「問診回答情報」などを少なくとも含み、本システムで取得されたり、保持されたり、使用されたり、出力されたりする各種情報が含まれるようにすることが好ましい。
また、「一般的健康医療情報取得ルール」は、上述した「情報ログ」にも基づいて情報を取得するルールであることが望ましい。
例えば、上述した個人(患者)N氏の事例において、「健康医療情報」の過去の履歴の中に、ある特定の医薬品(例えば、ある特定の抗生物質など)に対するアレルギー歴が記録として残っている場合には、病気治療の際の薬物療法において上記の医薬品を除いたり、あるいは、上記の医薬品と同等の効果が期待できる代替薬(ジェネリック医薬品なども含む)に代えたりして、投薬が行えるようにすることが可能となる。
【0211】
なお、本実施形態における「情報ログ保持部」に保持された各種情報をCSV形式データのファイルとして出力することができる機能を有する「情報ログ出力部」を本システムに設けるようにしてもよい。
また、上記「情報ログ出力部」で出力されたCSV形式ファイルを読み込んで統計処理を行う機能を有する「統計処理部」を本システムに設けるようにしてもよい。
また、上記「統計処理部」の結果である統計処理結果を保持する機能を有する「統計処理結果保持部」を本システムに設けるようにしてもよい。
これら「情報ログ出力部」、「統計処理部」、「統計処理結果保持部」を本システムに設けることにより、例えば、管理者が利用する管理者端末において、個人(患者)がどのような情報(ページ)に興味を示している否かという情報、また、どのような情報(ページ)の閲覧回数が多いか少ないかという情報、また、個人識別情報及び相手先識別情報を参照してどのような一般的健康医療情報がどこに出力されているかという情報などを、グラフ等を使用して「見える化」して把握することができる。また、例えば、このような情報を本システムにフィードバックすることにより、一般的健康医療情報の表現又は/及び内容を多種多様化させたり、あるいは、充実化させたりすることができるようになる。
【0212】
<実施形態6 情報提供システム:ハードウェア構成>
本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成について図を用いて説明する。
【0213】
図19は、本実施形態における情報提供システムのハードウェア構成を示す図である。この図に示すように、本実施形態における情報提供システムは、各種演算処理を行う「CPU(中央演算装置)」1901と、「メインメモリ」1902とを備えている。また、所定の情報を保持する「不揮発性メモリ」1903や、複数の利用者端末1906、複数の管理者端末1907、第1情報源1908、第2情報源1909及び第n情報源1910と情報の送受信を行う「ネットワークI/F(インターフェース)」1904を備えている。そして、それらが「バス」1905などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0214】
ここに「メインメモリ」は、各種処理を行うプログラムを「CPU」に実行させるために読み出すと同時に、そのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、処理を行うことが可能になっている。本実施形態において、「メインメモリ」に格納されているプログラムは、情報ログ保持プログラムなどである。また、「メインメモリ」と「不揮発性メモリ」には、個人識別情報、健康医療情報、一般的健康医療情報取得ルール、一般的健康医療情報、情報ログ情報などが格納されている。
【0215】
「CPU」は、「メインメモリ」に格納されている情報ログ保持プログラムを実行して、個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持するとともに、情報ログ情報(例えば、健康医療情報、一般的健康医療情報、問診情報、問診回答情報など)を「メインメモリ」や「不揮発性メモリ」に格納する。
【0216】
<実施形態6 情報提供システム:処理の流れ>
図20は、本実施形態における情報提供システムを利用した場合の処理の流れを示す図である。図に示されるように、情報ログ保持ステップS2001からなる処理方法である。
【0217】
「情報ログ保持ステップ」S2001とは、個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する段階である。ここで、「情報ログ」には、健康医療情報、一般的健康医療情報、問診情報、問診回答情報などを少なくとも含む各種情報が含まれることが好ましい。
【0218】
<まとめ>
以上より、本発明では、個人識別情報と関連付けてその個人に関する情報のログである情報ログを保持する情報ログ保持部を有し、一般的健康医療情報取得ルールは、情報ログにも基づいて情報を取得するルールである情報提供システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0219】
情報提供システム:201、300
利用者端末:203
管理者端末:204
ネットワーク:202、205
第1情報源:206
第2情報源:207
第n情報源:208
個人識別情報保持部:301
健康医療情報保持部:302
一般的健康医療情報保持部:303
健康医療情報取得部:304
一般的健康医療情報取得ルール保持部:305
一般的健康医療情報取得部:306
一般的健康医療情報出力部:307
【要約】
【課題】取得した一般的健康医療情報を、取得した健康医療情報に関連付けられている個人識別情報に基づいて、所定の相手先に出力する情報提供システムを提供しようとする。
【解決手段】個人識別情報保持部と、個人識別情報と関連付けて1又は複数の情報源から受け付けた2種類以上の情報に基づいて健康医療情報を保持する健康医療情報保持部と、科学的根拠に基づいて汎用的に利用されることを目的とした一般的健康医療情報保持部と、健康医療情報を取得する健康医療情報取得部と、一般的健康医療情報取得ルール保持部と、健康医療情報と一般的健康医療情報取得ルールとに基づいて一般的健康医療情報を取得する一般的健康医療情報取得部と、取得した一般的健康医療情報を、個人識別情報に基づいて所定の相手先に出力する一般的健康医療情報出力部と、を有する情報提供システムを提供する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27