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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】印刷機及び印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/26 20060101AFI20240816BHJP
   B41F 23/04 20060101ALI20240816BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B41F15/26 A
B41F23/04 A
B41J29/393 105
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024015309
(22)【出願日】2024-02-03
【審査請求日】2024-02-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524048690
【氏名又は名称】有限会社中田スクリーン印刷
(74)【代理人】
【識別番号】100195431
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 史樹
(72)【発明者】
【氏名】中田 彰人
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-235831(JP,A)
【文献】特開2021-138113(JP,A)
【文献】特開平10-291294(JP,A)
【文献】特開2011-056761(JP,A)
【文献】特開平07-068732(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2277724(KR,B1)
【文献】特開2011-121331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00-15/46
21/00-30/06
B41J 29/00-29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面及び側面を有するワークに印刷する印刷機であって、前記印刷機はワークの天面を印刷する第1印刷機と、ワークの側面を印刷する第2印刷機とを備え、
前記第1印刷機は、ワークを移動させるためのターンテーブルである第1回転部材を備え、
前記第1回転部材はワークを配置するための第1ワーク治具を備える第1配置部を有し、
前記第1印刷機は、
前記第1ワーク治具に配置されているワークの浮き上がりを検知する第1浮き上がり防止センサと、
前記第1回転部材上の前記第1配置部の前記第1ワーク治具に配置されたワークの天面を印刷する第1天面印刷部と、
前記第1天面印刷部によって印刷されたワークの天面のインクを乾燥させる第1天面乾燥部と、
前記第1天面乾燥部によって前記インクが乾燥したワークの天面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2天面印刷部と、
前記第2天面印刷部によって印刷されたワークの天面の前記インクを乾燥させる第2天面乾燥部と、
印刷されたワークを撮影する第1撮像部と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第1記憶部と、前記第1撮像部によって撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第1判定部と、を備える第1制御部と、
前記第1判定部によって不良品と判定されたワークが廃棄される第1廃棄部と、
前記第1判定部によって良品と判定されたワークが配送される第1配送部と、を備え、
記第1配置部は、前記第1ワーク治具にワークが配置されたことを検知する第1ワーク配置センサを備え、
前記第1天面乾燥部は、前記第1天面印刷部によって印刷されたワークの天面に温風を吹き付けて乾燥させる第1温風ノズルを備え、
前記第2天面乾燥部は、前記第2天面印刷部によって印刷されたワークの天面に温風を吹き付けて乾燥させる第2温風ノズルを備え、
前記第1判定部は、前記第1記憶部に記憶されているワークの画像と前記第1撮像部によって撮影された画像とを比較して良否を判定し、
前記第2印刷機は、ワークを移動させるための回転部材である第2回転部材を備え、
前記第2回転部材は、中心から半径方向に延びる複数の棒状の突起を有し、前記突起の先端にワークを配置するための第2ワーク治具を備える第2配置部を有し、
前記第2印刷機は、
前記第2回転部材に設けられた前記第2配置部の前記第2ワーク治具に配置されたワークの側面を印刷する第側面印刷部と、
前記第側面印刷部によって印刷されたワークの側面のインクを乾燥させる第1側面乾燥部と、
前記第1側面乾燥部によって前記インクが乾燥したワークの側面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2側面印刷部と、
前記第2側面印刷部によって印刷されたワークの側面の前記インクを乾燥させる第2側面乾燥部と、
印刷されたワークを撮影する第2撮像部と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第2記憶部と、前記第2撮像部によって撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第2判定部と、を備える第2制御部と、
前記第2判定部によって不良品と判定されたワークが廃棄される第2廃棄部と、
前記第2判定部によって良品と判定されたワークが配送される第2配送部と、備え、
前記第1側面乾燥部は、前記第1側面印刷部によって印刷されたワークの側面に温風を吹き付けて乾燥させる第3温風ノズルを備え、
前記第2側面乾燥部は、前記第2側面印刷部によって印刷されたワークの側面に温風を吹き付けて乾燥させる第4温風ノズルを備え、
前記第2判定部は、前記第2記憶部に記憶されているワークの画像と前記第2撮像部によって撮影された画像とを比較して良否を判定する印刷機。
【請求項2】
天面及び側面を有するワークに印刷する印刷機の印刷方法であって、前記印刷機はワークの天面を印刷する第1印刷機と、ワークの側面を印刷する第2印刷機を備え、
前記第1印刷機は、ワークを移動させるためのターンテーブルである第1回転部材を備え、
前記第1回転部材はワークを配置するための第1ワーク治具を備える第1配置部を有し、
前記第1印刷機による印刷工程は、
前記第1ワーク治具に配置されているワークの浮き上がりを検知する第1浮き上がり防止センサによる検知工程と、
前記第1配置部の前記第1ワーク治具に配置されたワークの天面を印刷する第1天面印刷工程と、
前記第1天面印刷工程において印刷されたワークの天面のインクを乾燥させる第1天面乾燥工程と、
前記第1天面乾燥工程において前記インクが乾燥したワークの天面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2天面印刷工程と、
前記第2天面印刷工程において印刷されたワークの天面の前記インクを乾燥させる第2天面乾燥工程と、
印刷されたワークを撮影する第1撮像工程と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第1記憶工程と、
前記第1撮像工程によって撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第1判定工程と、
前記第1判定工程によって不良品と判定されたワークが廃棄される第1廃棄工程と、
前記第1判定工程によって良品と判定されたワークが配送される第1配送工程と、を備え、
前記第1天面乾燥工程では、前記第1天面印刷工程で印刷されたワークの天面に第1温風ノズルで温風を吹き付けて乾燥させ、
前記第2天面乾燥工程では、前記第2天面印刷工程で印刷されたワークの天面に第2温風ノズルで温風を吹き付けて乾燥させ、
前記第1判定工程では、前記第1記憶工程において記憶されているワークの画像と前記第1撮像工程にて撮影された画像とを比較して良否を判定し、
前記第2印刷機は、ワークを移動させるための回転部材である第2回転部材を備え、
前記第2回転部材は、中心から半径方向に延びる複数の棒状の突起を有し、前記突起の先端にワークを配置するための第2ワーク治具を備える第2配置部を有し、
前記第2印刷機による印刷工程は、
前記第2配置部の前記第2ワーク治具に配置されたワークの側面を印刷する第側面印刷工程と、
前記第側面印刷工程において印刷されたワークの側面のインクを乾燥させる第1側面乾燥工程と、
前記第1側面乾燥工程において前記インクが乾燥したワークの側面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2側面印刷工程と、
前記第2側面印刷工程において印刷されたワークの側面の前記インクを乾燥させる第2側面乾燥工程と、
印刷されたワークを撮影する第2撮像工程と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第2記憶工程と、
前記第2撮像工程において撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第2判定工程と、
前記第2判定工程において不良品と判定されたワークが廃棄される第2廃棄工程と、
前記第2判定工程において良品と判定されたワークが配送される第2配送工程と、を備え、
前記第1側面乾燥工程では、前記第1側面印刷工程で印刷されたワークの側面に第3温風ノズルで温風を吹き付けて乾燥させ、
前記第2側面乾燥工程では、前記第2側面印刷工程で印刷されたワークの側面に第4温風ノズルで温風を吹き付けて乾燥させ、
前記第2判定工程では、前記第2記憶工程において記憶されているワークの画像と前記第2撮像工程において撮影された画像とを比較して良否を判定する印刷機の印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機及び印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小型マニホールドレギュレータ等で用いられる圧力計の印刷は、自動化されておらず、作業員が手作業で印刷(シルクスクリーン印刷)を行っていた。
【0003】
特許文献1では、ワークと印刷パターンとのずれを容易に修正することができ、印刷物の生産効率の良い印刷装置及び印刷物の製造方法が開示されている。
【0004】
具体的には、回転テーブルの回転軸回りに定められた第1乃至第3位置にワークを順次移動する回転テーブル部と、
第1位置にて回転テーブルにワークを載置するワーク載置部と、
第2位置にて回転テーブル上のワークの位置を調整可能なワーク位置調整部と、
第3位置にてワークにスクリーン印刷を行うスクリーン印刷部と、
ワークに印刷されたパターンを観察する観察手段と、
観察された印刷パターンと予め記憶された基準パターンとを比較し、両パターンのずれが減少するようにワーク位置調整部を動作させる制御部と、を備える印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011―56761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の圧力計の印刷では、天面のベタ印刷だけでなく、ベタ印刷の後に天面に圧力計のメモリを印刷(天面2色印刷)し、目視で検品をしている。
【0007】
しかし、従来はそれぞれの工程を一人一人の作業員が手作業でスクリーン印刷及び検品を行っており、作業効率が良くないという問題があった。
【0008】
そして、圧力計のスクリーン印刷では、メモリの印字角度もJIS規格で定められており、印刷に精度が求められている。
【0009】
特に小型マニホールドレギュレータで用いられる圧力計は、印刷部分も非常に小さいため、精度良く印刷するのが容易ではない。
【0010】
そのため、1日の印刷個数は2000個ぐらいが限界であった。
【0011】
本発明の主な目的は、効率良く印刷を行う印刷機を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、効率良く圧力計のスクリーン印刷を行うことである。
【0013】
本発明の他の目的は、効率良く印刷を行う印刷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の局面に係る印刷機は、圧力計カバーを含むワークに印刷する印刷機であって、前記印刷機はワークの天面を印刷する第1印刷機を備え、
前記第1印刷機は、ワークを移動させるためのターンテーブルである第1回転部材を備え、
前記第1回転部材はワークを配置するための第1配置部を有し、
前記第1印刷機は、
前記第1回転部材上の前記第1配置部に配置されたワークの天面を印刷する第1天面印刷部と、
前記第1天面印刷部によって印刷されたワークの天面のインクを乾燥させる第1天面乾燥部と、
前記第1天面乾燥部によって前記インクが乾燥したワークの天面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2天面印刷部と、
前記第2天面印刷部によって印刷されたワークの天面の前記インクを乾燥させる第2天面乾燥部と、
印刷されたワークを撮影する第1撮像部と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第1記憶部と、前記第1撮像部によって撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第1判定部と、を備える第1制御部と、
前記第1判定部によって不良品と判定されたワークが廃棄される第1廃棄部と、
前記第1判定部によって良品と判定されたワークが配送される第1配送部と、を備え、
前記第1判定部は、前記第1記憶部に記憶されているワークの画像と前記第1撮像部によって撮影された画像とを比較して良否を判定する印刷機である。
【0015】
第1配置部を有するターンテーブルが回転して、第1配置部に配置されているワークが印刷されることにより、効率よくワークの天面を印刷することができる。
【0016】
本発明の第2の局面に係る印刷機は、圧力計カバーを含むワークに印刷する印刷機であって、前記印刷機はワークの側面を印刷する第2印刷機を備え、
前記第2印刷機は、ワークを移動させるための回転部材である第2回転部材を備え、
前記第2回転部材はワークを配置するための第2配置部を有し、
前記第2印刷機は、
前記第2回転部材に設けられた前記第2配置部に配置されたワークの側面を印刷する第側面印刷部と、
前記第側面印刷部によって印刷されたワークの側面のインクを乾燥させる第1側面乾燥部と、
前記第1側面乾燥部によって前記インクが乾燥したワークの側面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2側面印刷部と、
前記第2側面印刷部によって印刷されたワークの側面の前記インクを乾燥させる第2側面乾燥部と、
印刷されたワークを撮影する第2撮像部と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第2記憶部と、前記第2撮像部によって撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第2判定部と、を備える第2制御部と、
前記第2判定部によって不良品と判定されたワークが廃棄される第2廃棄部と、
前記第2判定部によって良品と判定されたワークが配送される第2配送部と、を備え、
前記第2判定部は、前記第2記憶部に記憶されているワークの画像と前記第2撮像部によって撮影された画像とを比較して良否を判定する印刷機である。
【0017】
第2配置部を有する第2回転部材が回転して、第2配置部に配置されているワークが印刷されることにより、効率よくワークの側面を印刷することができる。
【0018】
本発明の第3の局面に係る印刷機は、圧力計カバーを含むワークに印刷する印刷機であって、前記印刷機はワークの天面を印刷する第1印刷機と、ワークの側面を印刷する第2印刷機とを備え、
前記第1印刷機は、ワークを移動させるためのターンテーブルである第1回転部材を備え、
前記第1回転部材はワークを配置するための第1配置部を有し、
前記第1印刷機は、
前記第1回転部材上の前記第1配置部に配置されたワークの天面を印刷する第1天面印刷部と、
前記第1天面印刷部によって印刷されたワークの天面のインクを乾燥させる第1天面乾燥部と、
前記第1天面乾燥部によって前記インクが乾燥したワークの天面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2天面印刷部と、
前記第2天面印刷部によって印刷されたワークの天面の前記インクを乾燥させる第2天面乾燥部と、
印刷されたワークを撮影する第1撮像部と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第1記憶部と、前記第1撮像部によって撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第1判定部と、を備える第1制御部と、
前記第1判定部によって不良品と判定されたワークが廃棄される第1廃棄部と、
前記第1判定部によって良品と判定されたワークが配送される第1配送部と、を備え、
前記第2印刷機は、ワークを移動させるための回転部材である第2回転部材を備え、
前記第2回転部材はワークを配置するための第2配置部を有し、
前記第2印刷機は、
前記第2回転部材に設けられた前記第2配置部に配置されたワークの側面を印刷する第側面印刷部と、
前記第側面印刷部によって印刷されたワークの側面のインクを乾燥させる第1側面乾燥部と、
前記第1側面乾燥部によって前記インクが乾燥したワークの側面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2側面印刷部と、
前記第2側面印刷部によって印刷されたワークの側面の前記インクを乾燥させる第2側面乾燥部と、
印刷されたワークを撮影する第2撮像部と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第2記憶部と、前記第2撮像部によって撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第2判定部と、を備える第2制御部と、
前記第2判定部によって不良品と判定されたワークが廃棄される第2廃棄部と、
前記第2判定部によって良品と判定されたワークが配送される第2配送部と、備え、
前記第1判定部は、前記第1記憶部に記憶されているワークの画像と前記第1撮像部によって撮影された画像とを比較して良否を判定し、
前記第2判定部は、前記第2記憶部に記憶されているワークの画像と前記第2撮像部によって撮影された画像とを比較して良否を判定する印刷機である。
【0019】
第1配置部を有するターンテーブルが回転して、第1配置部に配置されているワークが印刷され、第2配置部を有する第2回転部材が回転して、第2配置部に配置されているワークが印刷されることにより、効率よくワークの天面及び側面を印刷することができる。
【0020】
本発明の第4の局面に係る印刷方法は、圧力計カバーを含むワークに印刷する印刷機の印刷方法であって、前記印刷機はワークの天面を印刷する第1印刷機を備え、
前記第1印刷機は、ワークを移動させるためのターンテーブルである第1回転部材を備え、
前記第1回転部材はワークを配置するための第1配置工程を有し、
前記第1配置工程において配置されたワークの天面を印刷する第1天面印刷工程と、
前記第1天面印刷工程において印刷されたワークの天面のインクを乾燥させる第1天面乾燥工程と、
前記第1天面乾燥工程において前記インクが乾燥したワークの天面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2天面印刷工程と、
前記第2天面印刷工程において印刷されたワークの天面の前記インクを乾燥させる第2天面乾燥工程と、
印刷されたワークを撮影する第1撮像工程と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第1記憶工程と、前記第1撮像工程によって撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第1判定工程と、
前記第1判定工程によって不良品と判定されたワークが廃棄される第1廃棄工程と、
前記第1判定工程によって良品と判定されたワークが配送される第1配送工程と、を備え、
前記第1判定工程では、前記第1記憶工程において記憶されているワークの画像と前記第1撮像工程にて撮影された画像とを比較して良否を判定する印刷機の印刷方法である。
【0021】
このような印刷方法であれば、第1の局面に係る印刷機と同様の効果を奏する。
【0022】
本発明の第5の局面に係る印刷方法は、圧力計カバーを含むワークに印刷する印刷機の印刷方法であって、前記印刷機はワークの側面を印刷する第2印刷機を備え、
前記第2印刷機は、ワークを移動させるための回転部材である第2回転部材を備え、
前記第2印刷機による印刷工程は、
前記第2回転部材はワークを配置するための第2配置工程を有し、
前記第2配置工程において配置されたワークの側面を印刷する第側面印刷工程と、
前記第側面印刷工程において印刷されたワークの側面のインクを乾燥させる第1側面乾燥工程と、
前記第1側面乾燥工程において前記インクが乾燥したワークの側面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2側面印刷工程と、
前記第2側面印刷工程において印刷されたワークの側面の前記インクを乾燥させる第2側面乾燥工程と、
印刷されたワークを撮影する第2撮像工程と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第2記憶工程と、前記第2撮像工程において撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第2判定工程と、
前記第2判定工程において不良品と判定されたワークが廃棄される第2廃棄工程と、
前記第2判定工程において良品と判定されたワークが配送される第2配送工程と、を備え、
前記第2判定工程では、前記第2記憶工程において記憶されているワークの画像と前記第2撮像工程において撮影された画像とを比較して良否を判定する印刷機の印刷方法である。
【0023】
このような印刷方法であれば、第2の局面に係る印刷機と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る印刷機の平面概略図。
図2】同実施形態に係る印刷機の部分斜視図。
図3】同実施形態に係る印刷機の部分斜視図。
図4】同実施形態に係る印刷機の部分斜視図。
図5】同実施形態に係る印刷機の概念図。
図6】同実施形態に係る印刷機の概念図。
図7】同実施形態に係る印刷機の平面概略図。
図8】同実施形態に係る印刷機の概念図。
図9】同実施形態に係る印刷機の概念図。
図10】同実施形態に係る印刷方法のフローチャート。
図11】同実施形態に係る印刷方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一例を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
本実施形態に係る印刷機100は、第1印刷機110と第2印刷機とを備える。本実施形態に係る印刷機100により、1日当たり4000個以上のワークAの印刷が可能であり、効率よく印刷することができる。
【0027】
第1印刷機110は、ワークAの天面を印刷するものであり、第2印刷機120はワークAの側面を印刷するものである。
【0028】
<第1印刷機110>
図1乃至図6に示すように、本実施形態に係る印刷機100である第1印刷機110は、ワークAを移動させるためのターンテーブルである第1回転部材200を有し、
第1回転部材200上の第1配置部210に配置されたワークAの天面を印刷する第1天面印刷部220と、
第1天面印刷部220によって印刷されたワークAの天面のインクを乾燥させる第1天面乾燥部230と、
第1天面乾燥部230によってインクが乾燥したワークAの天面に、メモリ、文字、数字及び記号等を印刷する第2天面印刷部240と、
第2天面印刷部240によって印刷されたワークAの天面のインクを乾燥させる第2天面乾燥部250と、
印刷されたワークAを撮影する第1撮像部260と、
第1撮像部260によって撮影されたワークAの印刷状態の良否を判定する第1制御部270と、
第1制御部270によって不良品と判定されたワークAが廃棄される第1廃棄部280と、
第1制御部270によって良品と判定されたワークAが配送される第1配送部290と、を備える。
【0029】
第1印刷機110は、透明なカバーが周囲に配置されており、ワークAの印刷時にゴミ等が入りにくい構成になっている。
【0030】
本実施形態に係るワークAは、平面視略円形状である天面と側面を有する圧力計のカバーケースである。
【0031】
第1回転部材200は、平面視円形状であり、円の中心を軸として時計回りに回転し、ワークAを配置する複数の第1配置部210を有する。
【0032】
本実施形態では、第1配置部210は、第1回転部材200に10カ所設けられている(第1配置部210a~第1配置部210j)。
【0033】
第1配置部210は、ワークAを嵌める第1ワーク治具211と、
第1ワーク治具211の両端(第1回転部材200の半径方向両端)にスキージガイド212と、
第1ワーク治具211にワークAが配置されたことを検知する第1ワーク配置センサ213と、を備える。
【0034】
第1ワーク治具211には、ワークAを配置する際に位置合わせを行う位置合わせ部(図示しない)を備える。
【0035】
第1ワーク治具211には、ワークAの位置合わせをするための位置合わせ部(図示しない)を有する。
【0036】
ワークAには、位置合わせ部(図示しない)に対応する位置合わせを行うための窪み又は突起が設けられている。本実施形態では、ワークAには位置合わせをするための窪みが設けられている。
【0037】
具体的には、位置合わせ部(図示しない)には位置合わせピンが用いられており、ワークAには位置合わせピンを嵌めることができる切り込み部(図示しない)が設けられている。なお、ワークAの形状はどのような形状であってもよい。
【0038】
スキージガイド212は、後述する第1スキージ223をガイドするところである。
【0039】
第1配置部210には、第1ワーク配置センサ213が配置されており、第1ワーク配置センサ213は、ワークAが第1ワーク治具211に配置されているかどうかを検知する。
【0040】
第1ワーク配置センサ213が、ワークAが第1ワーク治具211に配置されていることを検知した場合、その情報が第1制御部270に通知される。
【0041】
作業者によって第1配置部210の第1ワーク治具211にワークAが配置される地点と、第1天面印刷部220が配置されている地点との間に、ワークAの浮き上がりを防止する第1浮き上がり防止センサ215が配置されている。
【0042】
第1ワーク治具211に嵌められたワークAが、第1ワーク治具211から浮き上がっている場合、第1回転部材200が回転した際に、第1浮き上がり防止センサ215がワークAを検知する。
【0043】
本実施形態では、第1浮き上がり防止センサ215は接触センサが用いられており、第1浮き上がり防止センサ215にワークAが接触した場合、第1浮き上がり防止センサ215はワークAを検知する。
【0044】
第1浮き上がり防止センサ215がワークAを検知した場合、その情報が第1制御部270に通知され、第1制御部270は、エラー通知を行い、第1回転部材200の回転を停止させる。
【0045】
第1天面印刷部220は、ワークAの円形状の天面をベタ印刷行う。具体的には、第1天面印刷部220は、シルクスクリーン印刷を行う。なお、第1天面印刷部220は、スクリーン印刷以外にもオフセット印刷、パット印刷、インクジェット印刷することができるものであってもよい。
【0046】
第1天面印刷部220は、第1回転部材200の回転によって移動してきた第1配置部210の上に配置される第1スクリーン版221と、
第1スクリーン版221上にインクを充填する第1充填部222と、
第1スクリーン版221の上からワークAの天面にインクを塗布するための第1スキージ223及び第1ドクター224と、
第1スキージ223及び第1ドクター224を上下及び左右に駆動させるための第1駆動部225と、を備える。
【0047】
第1スクリーン版221の下に配置された第1配置部210のワークAは、第1スクリーン版221と共に第1スキージ223によってインクが塗布される。
【0048】
本実施形態では、第1スクリーン版221にはワークAの天面がベタ印刷できるようなスクリーン版となっている。
【0049】
第1充填部222は、第1スキージ223及び第1ドクター224が駆動する前に第1スクリーン版221にインクを充填する。
【0050】
第1スキージ223は、ワークAの天面にインクを塗布するところである。
【0051】
第1ドクター224は、いわゆるインキ返しを行うところである。
【0052】
第1駆動部225は、第1スキージ223と第1ドクター224とをそれぞれ独立して上下駆動する。
【0053】
また、第1駆動部225は、ユニットである第1スキージ223及び第1ドクター224を同時に上下駆動及び左右駆動を行うことができる。
【0054】
第1制御部270では、第1駆動部245を制御することにより、第1天面印刷部220全体の上下左右移動を制御することができる。
【0055】
第1駆動部225は、手動で可動させることができる。
【0056】
つまり、作業者は第1制御部270を利用せず、手動で第1スキージ223及び第1ドクター224を駆動させ微調整することができる。
【0057】
第1天面印刷部220は、第1配置部210が第1スクリーン版221の下方に配置されたとき(ワークAが第1スクリーン版221の下方に配置されたとき)、第1駆動部245が第1スキージ223及び第1ドクター224を上下左右移動行い、第1スキージ223及び第1ドクター224を用いて、第1スクリーン版221と共にワークAの天面の印刷(ベタ印刷)を行う。
【0058】
なお、第1スキージ223が下降して可動しているときは、第1ドクター224は上昇しており、第1ドクター224が下降して可動しているときは、第1スキージ223は上昇している。
【0059】
本実施形態では、第1天面印刷部220が第1回転部材200の回転方向(進行方向)に移動するとき、つまり、第1スキージ223が下降し進行方向に移動するときにワークAの天面の印刷を行う。
【0060】
第1天面乾燥部230は、第1天面印刷部220によって印刷されたワークAの天面を乾燥させるところである。
【0061】
第1天面乾燥部230は、第1温風制御部231と第1温風ノズル232と、を有しており、第1温風制御部231で温度と風量の設定が可能である。
【0062】
本実施形態では、第1天面印刷部220によって印刷されたワークAに第1天面乾燥部230の第1温風ノズル232から温風を吹き付けて乾燥させる。
【0063】
本実施形態では、第1温風ノズル232は2カ所設けられており、ワークAの天面を異なる方向から温風を当て乾燥させる。なお、第1温風ノズル232は1カ所であってもよく、3カ所以上設けられていてもよい。
【0064】
なお、ワークAの天面を乾燥させるのに、真上から乾燥させてもよい。
【0065】
また、第1温風制御部231と第1制御部270に含まれる構成であってもよい。
【0066】
つまり、第1制御部270によって第1天面乾燥部230を制御してもよい。
【0067】
第2天面印刷部240は、第1天面印刷部220によってベタ印刷されたワークAの天面に、さらに印刷(スクリーン印刷)するところである。
【0068】
本実施形態では、第1天面印刷部220によってベタ印刷されたワークAの天面にメモリ、数字、記号、ロゴ等を、第1天面印刷部220で使用した色とは異なる色で印刷する。
【0069】
第2天面印刷部240の構成は、第1天面印刷部220の構成と同一であるため、説明を省略する。なお、第2天面印刷部240は、スクリーン印刷以外にもオフセット印刷、パット印刷、インクジェット印刷することができるものであってもよい。
【0070】
第2天面乾燥部250は、第2天面印刷部240によってメモリ等が印刷されたワークAの天面を乾燥させるところである。
【0071】
第2天面乾燥部250の構成は、第1天面乾燥部230の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0072】
第2天面乾燥部250は、第1天面乾燥部230と同様に、第2温風制御部251と第2温風ノズル252と、を有しており、第2温風制御部251で温度と風量の設定が可能である。
【0073】
本実施形態では、第2温風ノズル252は2カ所設けられており、ワークAの天面を異なる方向から温風を当て乾燥させる。
【0074】
なお、第1温風制御部231と第2温風制御部251とは同一のものであってもよい。
【0075】
また、第2温風制御部251は、第1温風制御部231と同様に第1制御部270に含まれる構成であってもよい。
【0076】
第1撮像部260は、印刷されたワークAの印刷状態を撮影するところである。
【0077】
本実施形態では、第1撮像部260によって撮影されたワークAの画像は、予め第1制御部270に記憶されているワークAの画像と比較し、第1制御部270は画像比較によって良品か否かを判定する。
【0078】
第1制御部270は、第1回転部材200の駆動を制御する第1回転部材制御部271と、
第1天面印刷部220及び第2天面印刷部240の駆動を制御する天面印刷制御部272と、
良品である二色印刷されたワークAの天面の画像を記憶する記憶部である第1記憶部273と、
第1記憶部273に記憶されているワークAの画像と、第1撮像部260が撮影したワークAの画像とを比較して良品か否か判定する判定部である第1判定部274と、
作業者が設定や調整を行うための表示部である第1表示部275と、
ワークAの良品の数又は不良品の数をカウントする第1カウント部276と、を備える。
【0079】
第1ワーク配置センサ213は、ワークAが第1配置部210の第1ワーク治具211に嵌っているか否かを検知するセンサである。
【0080】
ワークAが第1ワーク治具211に嵌っていない場合、第1制御部270はエラー信号を通知又は第1表示部275の表示画面上にエラー表示をする。
【0081】
第1浮き上がり防止センサ215は、第1ワーク治具211に嵌められたワークAが浮き上がっているか否かを検知するセンサである。
【0082】
本実施形態では、ワークAが浮き上がっていた場合、第1浮き上がり防止センサ215に接触することにより検知する。
【0083】
第1浮き上がり防止センサ215がワークAの浮き上がりを検知した場合、第1制御部270は第1回転部材200の回転を非常停止する。
【0084】
具体的には、第1浮き上がり防止センサ215がワークAの浮き上がりを検知した場合、第1制御部270の第1回転部材制御部271が第1回転部材200の駆動を停止させる。
【0085】
第1回転部材制御部271は、第1回転部材200の回転駆動の起動及び停止を行う。
【0086】
第1回転部材制御部271は、第1回転部材200の回転速度を制御することができる。
【0087】
天面印刷制御部272は、第1天面印刷部220のx軸、y軸、z軸の移動の制御を行う。
【0088】
また、天面印刷制御部272は、第1駆動部225を制御し、第1スキージ223と第1ドクター224とをそれぞれ独立して上下移動させることができる。
【0089】
また、天面印刷制御部272は、第1充填部222が充填するインクの充填量及び充填するタイミングを制御する。
【0090】
第1記憶部273は、正確に印刷されたワークAの天面の画像を記憶する。
【0091】
本実施形態では、第1記憶部273は、スクリーン版に用いることができる印刷された状態のワークAの画像データを記憶している。
【0092】
第1判定部274は、第1記憶部273に記憶されているワークAの天面の画像又はデータと、第1撮像部260で撮影したワークAの天面の画像とを比較して、良品か不良品かを判定する。
【0093】
具体的には、第1判定部274は、印刷にズレがないか、印刷されたワークAに傷や汚れがないか判定する。
【0094】
より具体的には、第1判定部274は、ワークAの傷の総面積が予め設定された許容範囲内か否か判定する。
【0095】
第1表示部275は、作業者が設定等を行うためや設定内容を確認するためのところである。本実施形態では、第1表示部275はタッチパネルとなっている。
【0096】
第1カウント部276は、ワークAの良品数又は不良品数をカウントするところである。
【0097】
これにより、印刷したワークAの個数が容易にわかるという利点がある。
【0098】
第1廃棄部280は、第1判定部274が不良品を判定したワークAを取り出して廃棄する。
【0099】
具体的には、第1廃棄部280は、ワークAを取り出すための第1不良品取出しアーム281を有し、第1不良品取出しアーム281によってワークAを掴み、廃棄場所に不良品を移動させる。
【0100】
第1配送部290は、第1判定部274が良品と判定したワークAを取り出して配送場所に移動させる。
【0101】
具体的には、第1配送部290は、ワークAを取り出すための第1良品取出しアーム291を有し、第1良品取出しアーム291によってワークAを掴み、配送場所に良品を移動させる。
【0102】
第1良品取出しアーム291は、配送場所に規則正しく並べて配列することができる。
【0103】
なお、第1不良品取出しアーム281と第1良品取出しアーム291とは同一の部材であってもよく、本実施形態では同一の部材である。
【0104】
第1搬送部290によって取り出されたワークAは、第1搬送部290によって第2印刷機120に搬送される。
【0105】
<第2印刷機120>
図7乃至図9に示すように、本実施形態に係る印刷機100である第2印刷機120は、ワークAを移動させるための回転部材である第2回転部材300を有し、
第2回転部材300上の第2配置部310に配置されたワークAの側面を印刷する第1側面印刷部320と、
第1側面印刷部320によって印刷されたワークAの側面のインクを乾燥させる第1側面乾燥部330と、
第1側面乾燥部330によってインクが乾燥したワークAの側面に、メモリ、文字、数字及び記号等を印刷する第2側面印刷部340と、
第2側面印刷部340によって印刷されたワークAの側面のインクを乾燥させる第2側面乾燥部350と、
印刷されたワークAを撮影する第2撮像部360と、
第2撮像部360によって撮影されたワークAの印刷状態の良否を判定する第2制御部370と、
第2制御部370によって不良品と判定されたワークAが廃棄される第2廃棄部380と、
第2制御部370によって良品と判定されたワークAが配送される第2配送部390と、を備える。
【0106】
第2印刷機120は、透明なカバーが周囲に配置されており、ワークAの印刷時にゴミ等が入りにくい構成になっている。
【0107】
本実施形態に係るワークAは、平面視略円形状である天面と側面を有する圧力計のカバーケースである。
【0108】
第2回転部材300は、中心から半径方向に延びる複数の棒状の突起があり、円の中心を軸として時計回りに回転し、先端にはワークAを配置する複数の第2配置部310を有する。
【0109】
第2配置部310は、進行方向に回転(自転)することができ、ワークAの側面を印刷するとき、第2配置部310は進行方向に自転し、第2配置部310に固定されたワークAの周側面を全体的に印刷することが可能である。
【0110】
本実施形態では、第2配置部310は、第2回転部材300に10カ所設けられている。
【0111】
第2配置部310は、先端にワークAを嵌める第2ワーク治具311と、
第2ワーク治具311にワークAが配置されたことを検知する第1第2ワーク配置センサ313と、を備える。
【0112】
第2配置部310には、スキージガイドが設けられていてもよい。
【0113】
第2ワーク治具311には、ワークAを配置する際に位置合わせを行う位置合わせ部314を備える。
【0114】
第2ワーク治具311には、ワークAの位置合わせをするための位置合わせ部314を有する。
【0115】
ワークAには、位置合わせ部314に対応する位置合わせを行うための窪み又は突起が設けられている。
【0116】
具体的には、位置合わせ部314には位置合わせピンが用いられており、ワークAには位置合わせピンを嵌めることができる切り込み部(図示しない)が設けられている。
【0117】
第2配置部310には、第1第2ワーク配置センサ313が配置されており、第1第2ワーク配置センサ313は、ワークAが第2ワーク治具311に配置されているかどうかを検知する。
【0118】
第1第2ワーク配置センサ313が、ワークAが第2ワーク治具311に配置されていることを検知した場合、その情報が第2制御部370に通知される。
【0119】
作業者によって第2配置部310の第2ワーク治具311にワークAが配置される地点と、第1側面印刷部320が配置されている地点との間に、ワークAの浮き上がりを防止する第2浮き上がり防止センサ315が配置されている。
【0120】
第2ワーク治具311に嵌められたワークAが、第2ワーク治具311から浮き上がっている場合、第2回転部材300が回転した際に、第2浮き上がり防止センサ315がワークAを検知する。
【0121】
本実施形態では、第2浮き上がり防止センサ315は接触センサが用いられており、第2浮き上がり防止センサ315にワークAが接触した場合、第2浮き上がり防止センサ315はワークAを検知する。
【0122】
第2浮き上がり防止センサ315がワークAを検知した場合、その情報が第2制御部370に通知され、第2制御部370は、エラー通知を行い、第2回転部材300の回転を停止させる。
【0123】
第1側面印刷部320は、ワークAの側面をベタ印刷行う。具体的には、第1側面印刷部320は、シルクスクリーン印刷を行う。なお、第1側面印刷部320は、スクリーン印刷以外にもオフセット印刷、パット印刷、インクジェット印刷することができるものであってもよい。
【0124】
第1側面印刷部320は、第2回転部材300の回転によって移動してきた第2配置部310の上に配置される第2スクリーン版321と、
第2スクリーン版321上にインクを充填する第2充填部322と、
第2スクリーン版321の上からワークAの天面にインクを塗布するための第2スキージ323及び第2ドクター324と、
第2スキージ323及び第2ドクター324を上下及び左右に駆動させるための第2駆動部325と、を備える。
【0125】
第2スクリーン版321の下に配置された第2配置部310のワークAは、第2スクリーン版321と共に第2スキージ323によってインクが塗布される。
【0126】
本実施形態では、第2スクリーン版321にはワークAの側面がベタ印刷できるようなスクリーン版となっている。
【0127】
第2充填部322は、第2スキージ323及び第2ドクター324が駆動する前に第2スクリーン版321にインクを充填する。
【0128】
第2スキージ323は、ワークAの側面にインクを塗布するところである。
【0129】
第2ドクター324は、いわゆるインキ返しを行うところである。
【0130】
第2駆動部325は、第2スキージ323と第2ドクター324とをそれぞれ独立して上下駆動する。
【0131】
また、第2駆動部325は、ユニットである第2スキージ323及び第2ドクター324を同時に上下駆動及び左右駆動を行うことができる。
【0132】
第2制御部370では、第2駆動部345を制御することにより、第1側面印刷部320全体の上下左右移動を制御することができる。
【0133】
第2駆動部325は、手動で可動させることができる。
【0134】
つまり、作業者は第2制御部370を利用せず、手動で第2スキージ323及び第2ドクター324を駆動させ微調整することができる。
【0135】
第1側面印刷部320は、第2配置部310が第2スクリーン版321の下方に配置されたとき(ワークAが第2スクリーン版321の下方に配置されたとき)、第2駆動部345が上下左右移動を行い、第2スキージ323及び第2ドクター324を用いて、第2スクリーン版321と共にワークAの側面の印刷(ベタ印刷)を行う。
【0136】
なお、第2スキージ323が下降して可動しているときは、第2ドクター324は上昇しており、第2ドクター324が下降して可動しているときは、第2スキージ323は上昇している。
【0137】
本実施形態では、第2スキージ232が下降し進行方向に移動して印刷するとき、第2スクリーン版321の下で第2配置部310が進行方向に移動しながら自転しワークAの側面全体を印刷する。
【0138】
具体的には、第2配置部310は、自転しながら第2スキージ232の移動速度と同速度で移動し、ワークAの側面全体を印刷する。
【0139】
本実施形態では、第2回転部材300の回転方向が平面視時計回りであり、第2配置部310は第2スクリーン版321の下方を通過するため、第2配置部310の自転方向も時計回りとなる。
【0140】
第1側面乾燥部330は、第1側面印刷部320によって印刷されたワークAの側面を乾燥させるところである。
【0141】
第1側面乾燥部330は、第3温風制御部331と第3温風ノズル332と、を有しており、第3温風制御部331で温度と風量の設定が可能である。
【0142】
本実施形態では、第3温風ノズル332は2カ所設けられており、ワークAの側周面を異なる方向から温風を当て乾燥させる。
【0143】
本実施形態では、第1側面印刷部320によって印刷されたワークAに第1側面乾燥部330の第3温風ノズル332から温風を吹き付けて乾燥させる。
【0144】
なお、第3温風制御部331と第2制御部370に含まれる構成であってもよい。
【0145】
つまり、第2制御部370によって第1側面乾燥部330を制御してもよい。
【0146】
第2側面印刷部340は、第1側面印刷部320によってベタ印刷されたワークAの側面に、さらに印刷(スクリーン印刷)するところである。なお、第2側面印刷部340は、スクリーン印刷以外にもオフセット印刷、パット印刷、インクジェット印刷することができるものであってもよい。
【0147】
本実施形態では、第1側面印刷部320によってベタ印刷されたワークAの側面にメモリ、数字、記号、ロゴ等を、第1側面印刷部320で使用した色とは異なる色で印刷する。
【0148】
第2側面印刷部340の構成は、第1側面印刷部320の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0149】
ワークAの側面にメモリ、数字、記号、ロゴ等を印刷することにより、ワークAを利用する際、側面側からも視認可能という効果を有する。
【0150】
第2側面乾燥部350は、第2側面印刷部340によってメモリ等が印刷されたワークAの側面を乾燥させるところである。
【0151】
第2側面乾燥部350は、第4温風制御部351と第4温風ノズル352と、を有しており、第4温風制御部351で温度と風量の設定が可能である。
【0152】
本実施形態では、第4温風ノズル352は2カ所設けられており、ワークAの側周面を異なる方向から温風を当て乾燥させる。
【0153】
第2側面乾燥部350の構成は、第1側面乾燥部330の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0154】
第2撮像部360は、印刷されたワークAの印刷状態を撮影するところである。
【0155】
本実施形態では、第2撮像部360によって撮影されたワークAの画像は、予め第2制御部370に記憶されているワークAの画像と比較し、第2制御部370は画像比較によって良品か否かを判定する。
【0156】
第2制御部370は、第2回転部材300の駆動を制御する第2回転部材制御部371と、
第1側面印刷部320及び第2側面印刷部340の駆動を制御する側面印刷制御部372と、
良品である二色印刷されたワークAの側面の画像を記憶する記憶部である第2記憶部373と、
第2記憶部373に記憶されているワークAの画像と、第2撮像部360が撮影したワークAの画像とを比較して良品か否か判定する判定部である第2判定部374と、
作業者が設定や調整を行うための表示部である第2表示部375と、
ワークAの良品数又は不良品数をカウントする第2カウント部376と、を備える。
【0157】
第2ワーク配置センサ313は、ワークAが第2配置部310の第2ワーク治具311に嵌っているか否かを検知するセンサである。
【0158】
ワークAが第2ワーク治具311に嵌っていない場合、第2制御部370はエラー信号を通知又は第2表示部375の表示画面上にエラー表示をする。
【0159】
第2浮き上がり防止センサ315は、第2ワーク治具311に嵌められたワークAが治具から浮き上がっているか否かを検知するセンサである。
【0160】
本実施形態では、ワークAが浮き上がっていた場合、第2浮き上がり防止センサ315に接触することにより検知する。
【0161】
第2浮き上がり防止センサ315がワークAの浮き上がりを検知した場合、第2制御部370は第2回転部材300の回転を非常停止する。
【0162】
具体的には、第2浮き上がり防止センサ315がワークAの浮き上がりを検知した場合、第2制御部370の第2回転部材制御部371が第2回転部材300の駆動を停止させる。
【0163】
第2回転部材制御部371は、第2回転部材300の回転駆動の起動及び停止を行う。
【0164】
第2回転部材制御部371は、第2回転部材300の回転速度を制御することができる。
【0165】
側面印刷制御部372は、第1側面印刷部320のx軸、y軸、z軸の移動の制御を行う。
【0166】
また、側面印刷制御部372は、第2駆動部325を制御し、第2スキージ323と第2ドクター324とをそれぞれ独立して上下移動させることができる。
【0167】
また、側面印刷制御部372は、第2充填部322が充填するインクの充填量及び充填するタイミングを制御する。
【0168】
第2記憶部373は、正確に印刷されたワークAの側面の画像を記憶する。
【0169】
本実施形態では、第2記憶部373は、スクリーン版に用いることができる印刷された状態のワークAの画像データを記憶している。
【0170】
なお、第1記憶部273と第2記憶部373が同一の記憶装置であってもよい。
【0171】
第2判定部374は、第2記憶部373に記憶されているワークAの天面の画像又はデータと、第2撮像部360で撮影したワークAの天面の画像とを比較して、良品か不良品かを判定する。
【0172】
具体的には、第2判定部374は、印刷にズレがないか、印刷されたワークAに傷や汚れがないか判定する。
【0173】
より具体的には、第2判定部374は、ワークAの傷の総面積が予め設定された許容範囲内か否か判定する。
【0174】
第2表示部375は、作業者が設定等を行うためや設定内容を確認するためのところである。本実施形態では、第2表示部375はタッチパネルとなっている。
【0175】
第2カウント部376は、ワークAの良品数又は不良品数をカウントするところである。
【0176】
これにより、印刷したワークAの個数が容易にわかるという利点がある。
【0177】
第2廃棄部380は、第2判定部374が不良品を判定したワークAを取り出して廃棄する。
【0178】
具体的には、第2廃棄部380は、ワークAを取り出すための第2不良品取出しアーム381を有し、第2不良品取出しアーム381によってワークAを掴み、廃棄場所に不良品を移動させる。
【0179】
第2配送部390は、第2判定部374が良品と判定したワークAを取り出して配送場所に移動させる。
【0180】
具体的には、第2配送部390は、ワークAを取り出すための第2良品取出しアーム391を有し、第2良品取出しアーム391によってワークAを掴み、配送場所に良品を移動させる。
【0181】
第2良品取出しアーム391は、配送場所に規則正しく並べて配列することができる。
【0182】
なお、第2不良品取出しアーム381と第2良品取出しアーム391とは同一の部材であってもよく、本実施形態では同一の部材である。
【0183】
第2搬送部390によって取り出されたワークAは、第2搬送部390によって完成品の配置場所に搬送される。
【0184】
<天面及び側面を印刷したワークAの製造方法>
図10に示すように、スキージガイド212が設けられている第1配置部210の第1ワーク治具211にワークAが嵌められる(第1ワーク設置工程、ステップS11)。
【0185】
次に、第1天面印刷部220が、第1スキージ223及び第1ドクター224を用いてワークAの天面をベタ印刷する(第1天面印刷工程、ステップS12)。
【0186】
第1回転部材200の上方に配置されている第1天面印刷部220は、印刷時は固定されており、第1スキージ223及び第1ドクター224が上下移動及び左右移動することによりスクリーン印刷を行う。
【0187】
次に、第1天面乾燥部230が、印刷されたワークAの天面を乾燥させる(第1天面乾燥工程、ステップS13)。
【0188】
本実施形態では、第1配置部200が200dおよび200eの位置にあるときに、第1天面乾燥部230がワークAの天面を乾燥させる。
【0189】
次に、第2天面印刷部240が、ベタ印刷されたワークAの天面にメモリや文字等を印刷する(第2天面印刷工程、ステップS14)。
【0190】
第2天面印刷部240の構成は、第1天面印刷部220の構成と同様である。
【0191】
次に、第2天面乾燥部250が、印刷されたワークAの天面を乾燥させる(第2天面乾燥工程、ステップS15)。
【0192】
第2天面乾燥部250の構成は、第1天面乾燥部230の構成と同様である。
【0193】
本実施形態では、第1配置部200が200gおよび200hの位置にあるときに、第2天面乾燥部250がワークAの天面を乾燥させる。
【0194】
次に、第1撮像部260が印刷されたワークAを撮影する(第1撮影工程、ステップS16)。
【0195】
次に、第1判定部274が、第1撮像部260によって撮影された映像と、第1記憶部273に記憶されている映像とを比較し良否の判定を行う(第1判定工程、ステップS17)。
【0196】
次に、第1判定部274がワークAを不良品と判定した場合、第1廃棄部280がワークAを廃棄する(第1廃棄工程、ステップS18)。
【0197】
次に、第1判定部274がワークAを良品と判定した場合、第1配送部290がワークAを配送する(第1配送工程、ステップS19)。
【0198】
図11に示すように、上記の同様の工程をワークAの側面(側周面)でも行う。つまり、以下の通りの工程をさらに行う。
【0199】
第2配置部310の第2ワーク治具311にワークAが嵌められる(ワーク設置工程、ステップS21)。
【0200】
第1側面印刷部320が、第2スキージ323及び第2ドクター324を用いてワークAの側面をベタ印刷する(第1側面印刷工程、ステップS22)。
【0201】
次に、第1側面乾燥部330が、印刷されたワークAの側面(側周面)を乾燥させる(第1側面乾燥工程、ステップS23)。
【0202】
次に、第2側面印刷部340が、ベタ印刷されたワークAの側面(側周面)にメモリや文字等を印刷する(第2側面印刷工程、ステップS24)。
【0203】
第2側面印刷部340の構成は、第1側面印刷部320の構成と同様である。
【0204】
次に、第2側面乾燥部350が、印刷されたワークAの側面(側周面)を乾燥させる(第2側面乾燥工程、ステップS25)。
【0205】
第2側面乾燥部350の構成は、第1側面乾燥部330の構成と同様である。
【0206】
次に、第2撮像部360が印刷されたワークAを撮影する(第2撮影工程、ステップS26)。
【0207】
次に、第2判定部374が、第2撮像部360によって撮影された映像と、第2記憶部373に記憶されている映像とを比較し良否の判定を行う(第2判定工程、ステップS27)。
【0208】
次に、第2判定部374がワークAを不良品と判定した場合、第2廃棄部380がワークAを廃棄する(第2廃棄工程、ステップS28)。
【0209】
次に、第2判定部374がワークAを良品と判定した場合、第2配送部390がワークAを配送する(第2配送工程、ステップS29)。
【0210】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。
【符号の説明】
【0211】
100…印刷機
110…第1印刷機
120…第2印刷機
200…第1回転部材
210…第1配置部
211…第1ワーク治具
212…スキージガイド
213…第1ワーク配置センサ
(図示しない)…位置合わせ部
215…第1浮き上がり防止センサ
220…第1天面印刷部
230…第1天面乾燥部
231…第1温風制御部
232…第1温風ノズル
240…第2天面印刷部
250…第2天面乾燥部
260…第1撮像部
270…第1制御部
271…第1回転部材制御部
272…天面印刷制御部
273…第1記憶部
274…第1判定部
275…第1表示部
280…第1廃棄部
290…第1配送部
300…第2回転部材
310…第2配置部
320…第1側面印刷部
330…第1側面乾燥部
340…第2側面印刷部
350…第2側面乾燥部
360…第2撮像部
370…第2制御部
380…第2廃棄部
390…第2配送部

【要約】      (修正有)
【課題】効率良く印刷を行う印刷機を提供すること。
【解決手段】第1回転部材上の前記第1配置部に配置されたワークの天面を印刷する第1天面印刷部210と、
第1天面印刷部210によって印刷されたワークの天面のインクを乾燥させる第1天面乾燥部220と、
第1天面乾燥部220によって前記インクが乾燥したワークの天面に、前記インクとは異なる色のインクでメモリ、文字、数字又は記号を印刷する第2天面印刷部240と、
第2天面印刷部240によって印刷されたワークの天面の前記インクを乾燥させる第2天面乾燥部250と、
印刷されたワークを撮影する第1撮像部260と、
印刷された状態のワークの画像を含むデータを記憶する第1記憶部と、第1撮像部によって撮影されたワークの印刷状態の良否を判定する第1判定部と、を備える第1制御部270と、を備える印刷機110を提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11