(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/34 20060101AFI20240816BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20240816BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240816BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20240816BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240816BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H02J7/34 B
H02J3/32
H02J3/38 130
H02J3/46
H02J7/00 H
H02J7/00 302C
H02J7/35 J
(21)【出願番号】P 2024033031
(22)【出願日】2024-03-05
【審査請求日】2024-03-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596132433
【氏名又は名称】小林 栄藏
(74)【代理人】
【識別番号】100148725
【氏名又は名称】吉田 信彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 栄藏
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-197587(JP,A)
【文献】特開平01-227636(JP,A)
【文献】特開平09-121461(JP,A)
【文献】特開2014-113034(JP,A)
【文献】特開2006-311707(JP,A)
【文献】特開2008-048544(JP,A)
【文献】特開2001-045677(JP,A)
【文献】特開2013-201856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/34
H02J 3/32
H02J 3/38
H02J 3/46
H02J 7/00
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然エネルギーを電力に変換することによって発電する自然エネルギー発電装置によって発電された発電電力を第1蓄電池に充電するとともに、第2蓄電池によって放電された第2放電電力を出力部に出力する一方状態、又は、前記発電電力を前記第2蓄電池に充電するとともに、前記第1蓄電池によって放電された放電電力を前記出力部に出力する他方状態のいずれかに切替可能な切替手段を有
し、
前記切替手段は、第1切替部と第2切替部を有し、
前記一方状態において、
前記第1切替部が、前記自然エネルギー発電装置と前記第1蓄電池を結ぶ一方充電経路を形成し、
前記第2切替部が、前記第2蓄電池と前記出力部を結ぶ一方放電経路を形成し、
前記他方状態において、
前記第1切替部、又は、前記第2切替部のいずれか一方が、前記第1蓄電池と前記出力部を結ぶ他方放電経路を形成し、
前記第1切替部、又は、前記第2切替部のいずれか他方が、前記自然エネルギー発電装置と前記第2蓄電池を結ぶ他方充電経路を形成し、
前記第1切替部は、
第1一方駆動スイッチ、第1他方駆動スイッチ、第1一方電子スイッチ、第1他方電子スイッチを有し、
前記第1一方駆動スイッチが、前記自然エネルギー発電装置と前記第1蓄電池の間に介装された前記第1一方電子スイッチに接続され、
前記第1他方駆動スイッチが、前記自然エネルギー発電装置と前記第2蓄電池の間に介装された前記第1他方電子スイッチに接続され、
前記一方状態において、前記第1一方駆動スイッチをオンにして、前記第1他方駆動スイッチをオフにすると、前記第1一方電子スイッチが、前記自然エネルギー発電装置と前記第1蓄電池を導通させて前記一方充電経路を形成し、
前記他方状態において、前記第1一方駆動スイッチをオフにして、前記第1他方駆動スイッチをオンにすると、前記第1他方電子スイッチが、前記自然エネルギー発電装置と前記第2蓄電池を導通させて前記他方充電経路を形成し、
前記第2切替部は、
第2一方駆動スイッチ、第2他方駆動スイッチ、第2一方電子スイッチ、第2他方電子スイッチを有し、
前記第2一方駆動スイッチが、前記第2蓄電池と前記出力部の間に介装された前記第2一方電子スイッチに接続され、
前記第2他方駆動スイッチが、前記第1蓄電池と前記出力部の間に介装された前記第2他方電子スイッチに接続され、
前記一方状態において、前記第2一方駆動スイッチをオンにして、前記第2他方駆動スイッチをオフにすると、前記第2一方電子スイッチが、前記第2蓄電池と前記出力部を導通させて前記一方放電経路を形成し、
前記他方状態において、前記第2一方駆動スイッチをオフにして、前記第2他方駆動スイッチをオンにすると、前記第2他方電子スイッチが、前記第1蓄電池と前記出力部を導通させて前記他方放電経路を形成する、
電源装置。
【請求項2】
直流電力を交流電力に変換するインバータを有し、
前記インバータは、前記切替手段と前記出力部の間に介装され、
前記出力部は、交流電力を出力する、
請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
整流部と外部接続端子を有し、
前記整流部は、前記切替手段と前記インバータの間に介装され、
前記外部接続端子は、前記インバータの正極側と負極側の各々に設けられる、
請求項2に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光等の自然エネルギーに基づいて発電された発電電力を供給する電源装置がある。自然エネルギーに基づく発電は、自然条件によって発電量が変化する。例えば、太陽光に基づく発電では、昼間及び夜間等の時間帯や晴天及び曇天等の気象条件応じて日射量が変化し、日射量に応じて発電量も変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電源装置では、電力供給対象に対し、自然エネルギーに基づいて発電された発電電力が余剰しているときには、発電装置から発電電力を供給し、発電電力が不足しているときには、蓄電池から放電電力を供給し、自然条件によって発電電力が変化する上に、電力供給元が発電装置や蓄電池に切り替わるため、出力が不安定になることがある。
【0005】
そこで、本発明の実施形態では、より安定的に、電力供給対象に、自然エネルギーに基づいて発電された電力を供給することができる、電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る電源装置は、自然エネルギーを電力に変換することによって発電する自然エネルギー発電装置によって発電された発電電力を第1蓄電池に充電するとともに、第2蓄電池によって放電された第2放電電力を出力部に出力する一方状態、又は、前記発電電力を前記第2蓄電池に充電するとともに、前記第1蓄電池によって放電された放電電力を前記出力部に出力する他方状態のいずれかに切替可能な切替手段を有する。前記切替手段は、第1切替部と第2切替部を有し、前記一方状態において、前記第1切替部が、前記自然エネルギー発電装置と前記第1蓄電池を結ぶ一方充電経路を形成し、前記第2切替部が、前記第2蓄電池と前記出力部を結ぶ一方放電経路を形成し、前記他方状態において、 前記第1切替部、又は、前記第2切替部のいずれか一方が、前記第1蓄電池と前記出力部を結ぶ他方放電経路を形成し、前記第1切替部、又は、前記第2切替部のいずれか他方が、前記自然エネルギー発電装置と前記第2蓄電池を結ぶ他方充電経路を形成する。前記第1切替部は、第1一方駆動スイッチ、第1他方駆動スイッチ、第1一方電子スイッチ、第1他方電子スイッチを有し、前記第1一方駆動スイッチが、前記自然エネルギー発電装置と前記第1蓄電池の間に介装された前記第1一方電子スイッチに接続され、前記第1他方駆動スイッチが、前記自然エネルギー発電装置と前記第2蓄電池の間に介装された前記第1他方電子スイッチに接続され、前記一方状態において、前記第1一方駆動スイッチをオンにして、前記第1他方駆動スイッチをオフにすると、前記第1一方電子スイッチが、前記自然エネルギー発電装置と前記第1蓄電池を導通させて前記一方充電経路を形成し、前記他方状態において、前記第1一方駆動スイッチをオフにして、前記第1他方駆動スイッチをオンにすると、前記第1他方電子スイッチが、前記自然エネルギー発電装置と前記第2蓄電池を導通させて前記他方充電経路を形成し、前記第2切替部は、第2一方駆動スイッチ、第2他方駆動スイッチ、第2一方電子スイッチ、第2他方電子スイッチを有し、前記第2一方駆動スイッチが、前記第2蓄電池と前記出力部の間に介装された前記第2一方電子スイッチに接続され、前記第2他方駆動スイッチが、前記第1蓄電池と前記出力部の間に介装された前記第2他方電子スイッチに接続され、前記一方状態において、前記第2一方駆動スイッチをオンにして、前記第2他方駆動スイッチをオフにすると、前記第2一方電子スイッチが、前記第2蓄電池と前記出力部を導通させて前記一方放電経路を形成し、前記他方状態において、前記第2一方駆動スイッチをオフにして、前記第2他方駆動スイッチをオンにすると、前記第2他方電子スイッチが、前記第1蓄電池と前記出力部を導通させて前記他方放電経路を形成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、より安定的に、電力供給対象に、自然エネルギーに基づいて発電された電力を供給することができる、電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1に係る電源装置の一例を示す回路図である。
【
図2】実施形態1に係る電源装置の切替手段の一方状態における電流の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図3】実施形態1に係る電源装置の切替手段の他方状態における電流の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図4】実施形態2に係る電源装置の一例を示す回路図である。
【
図5】実施形態2に係る電源装置の切替手段の一方状態における電流の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図6】実施形態2に係る電源装置の切替手段の他方状態における電流の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図7】実施形態3に係る電源装置の一例を示す回路図である。
【
図8】実施形態3に係る電源装置における駆動部の一例を示すブロック図である。
【
図9】実施形態3に係る電源装置の切替手段の一方状態における電流の流れの一例を説明するための説明図である。
【
図10】実施形態3に係る電源装置の切替手段の他方状態における電流の流れの一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、実施形態を説明する。
【0010】
(第1実施形態の構成)
図1は、実施形態1に係る電源装置1の一例を示す回路図である。
図2及び
図3は、切替手段M1における電流の流れの一例を説明するための説明図であり、
図2が一方状態を示し、
図3が他方状態を示す。
【0011】
図1に示すように、電源装置1は、自然エネルギー発電装置である太陽電池モジュール10、第1切替部20、第2切替部30、第1蓄電池40、第2蓄電池50、インバータ60、整流部70、外部接続端子80、及び、出力部90を有する。第1切替部20と第2切替部30は、切替手段M1である。
【0012】
太陽電池モジュール10は、太陽光エネルギーを電力に変換することによって発電電力を出力する。
【0013】
切替手段M1は、太陽電池モジュール10によって発電された発電電力を第1蓄電池40に充電するとともに、第2蓄電池50によって放電された第2放電電力を出力部90に出力する一方状態、又は、発電電力を第2蓄電池50に充電するとともに、第1蓄電池40によって放電された放電電力を出力部90に出力する他方状態のいずれかに切替可能である。切替手段M1は、例えば、ユーザの手指によって操作可能な2極双投のトグルスイッチであり、第1切替部20と第2切替部30からなる2つの極を有する。
【0014】
第1切替部20は、第1共通端21、第1一方端22、及び、第1他方端23を有する。第1共通端21は、第1一方端22、又は、第1他方端23のいずれか一方に接続可能である。
【0015】
第1共通端21は、第1蓄電池40に接続される。
【0016】
第1一方端22は、太陽電池モジュール10の一端に接続される。第1切替部20は、第1共通端21と第1一方端22が互いに接続した一方状態において、太陽電池モジュール10と第1蓄電池40を結び、太陽電池モジュール10が発電した発電電力によって第1蓄電池40を充電する一方充電経路Ocを形成する(
図2)。
【0017】
第1他方端23は、整流部70とインバータ60を介して出力部90に接続される。第1切替部20は、第1他方端23と第1共通端21が互いに接続した他方状態において、第1蓄電池40と出力部90を結び、第1蓄電池40から放電された放電電力によって出力部90から電力を出力する他方放電経路Tdを形成する(
図3)。
【0018】
第2切替部30は、第2共通端31、第2一方端32、及び、第2他方端33を有する。第2共通端31は、第2一方端32、又は、第2他方端33のいずれか一方に接続される。第2切替部30は、第1切替部20の動作と連動しており、第1共通端21と第1一方端22が接続状態にされると、第2共通端31と第2一方端32が接続状態にされ、また、第1共通端21と第1他方端23が接続状態にされると、第2共通端31と第2他方端33が接続状態にされる。
【0019】
第2共通端31は、第2蓄電池50に接続される。
【0020】
第2一方端32は、整流部70とインバータ60を介して出力部90に接続される。第2切替部30は、第2共通端31と第2一方端32が互いに接続した一方状態において、第2蓄電池50と出力部90を結び、第2蓄電池50から放電された放電電力によって出力部90から電力を出力する一方放電経路Odを形成する(
図2)。
【0021】
第2他方端33は、太陽電池モジュール10の一端に接続される。第2切替部30は、第2共通端31と第2一方端32が互いに接続した状態において、太陽電池モジュール10が発電した発電電力によって第2蓄電池50を充電する他方充電経路Tcを形成する(
図3)。
【0022】
第1蓄電池40と第2蓄電池50の各々は、例えば、充放電可能な二次電池である。第1蓄電池40の正極は、第1共通端21に接続される。第2蓄電池50の正極は、第2共通端31に接続される。第1蓄電池40と第2蓄電池50の各々の負極は、太陽電池モジュール10の他端に接続される。
【0023】
インバータ60は、直流電力を交流電力に変換する。インバータ60は、切替手段M1と、出力部90の間に介装され、切替部から入力された第1蓄電池40又は第2蓄電池50の放電電力を例えば100Vの交流電力に変換し、出力部90に出力する。
【0024】
整流部70は、例えばダイオードであり、切替手段M1とインバータ60の間に介装され、切替手段M1からインバータ60に電流を流す。
【0025】
外部接続端子80は、インバータ60の正極側と負極側の各々に設けられる。外部接続端子80は、他の電源装置Pと互いに接続可能であり、他の電源装置Pの出力電力と合力させた電力を出力部90に出力させることが可能である。また、他の電源装置Pを互いに接続することにより、切替手段M1の切替時に瞬間的に一方放電経路Od及び他方放電経路Tdのいずれもが切り離されたときであっても、他の電源装置Pのから電力の供給を受けることによって出力が安定する。
【0026】
出力部90は、インバータ60によって変換された交流電力を電力供給対象に出力する。
【0027】
(第1実施形態の動作)
ユーザが切替手段M1を手指で操作して一方状態に切り替えると、第1切替部20では、第1共通端21と第1一方端22が互いに接続することによって一方充電経路Ocが形成され、太陽電池モジュール10によって発電された発電電力によって第1蓄電池40が充電される。第2切替部30では、第1切替部20の動作に連動し、第2共通端31と第2一方端32が互いに接続することによって一方放電経路Odが形成され、第2蓄電池50によって放電された放電電力が、インバータ60によって交流電力に変換され、出力部90から出力される。
【0028】
図3に示すように、ユーザが切替手段M1を手指で操作して他方状態に切り替えると、第1切替部20では、第1共通端21と第1他方端23が互いに接続することによって他方放電経路Tdが形成され、第1蓄電池40によって放電された放電電力が、インバータ60によって交流電力に変換され、出力部90から出力される。第2切替部30では、第2共通端31と第2他方端33が互いに接続することによって他方充電経路Tcが形成され、太陽電池モジュール10によって発電された発電電力によって第2蓄電池50が充電される。
【0029】
これにより、一方状態において、太陽電池モジュール10によって第1蓄電池40を充電しているときには、出力部90が第2蓄電池50の放電電力に基づく電力を出力し、他方状態において、太陽電池モジュール10によって第2蓄電池50を充電しているときには、出力部90が第1蓄電池40の放電電力に基づく電力を出力する。ユーザが切替手段M1を手指で操作し、所定時間を空け、一方状態と他方状態が交互になるように切り替えることにより、第1蓄電池40と第2蓄電池50のいずれか一方を充電するとき、いずれか他方を放電させ、出力部90は、第1蓄電池40、又は、第2蓄電池50の放電電力に基づいた安定した電力を出力することができる。所定時間は、例えば、1時間であり、経験的又は実験的に調整される。
【0030】
実施形態1によれば、電源装置1は、より安定的に、電力供給対象に、太陽光に基づいて発電された電力を供給することができる。
【0031】
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係る電源装置2の一例を示す回路図である。第2実施形態の説明においては、第1実施形態と同じ構成については、説明を省略する。
【0032】
第1実施形態では、第1切替部20の第1共通端21に第1蓄電池40が接続され、第2切替部30の第2共通端31に第2蓄電池50が接続されるが、第1共通端121と第2共通端131に太陽電池モジュール10が接続されてもよい。
【0033】
電源装置2は、第1切替部120と第2切替部130を有した切替手段M2を備える。実施形態1では、他方状態において、第1切替部20が、第1蓄電池40と出力部90を結ぶ他方放電経路Tdを形成し、第2切替部30が、太陽電池モジュール10と第2蓄電池50を結ぶ他方充電経路Tcを形成したが(
図3)、実施形態2では、他方状態において、第2切替部130が、第1蓄電池40と出力部90を結ぶ他方放電経路Tdを形成し、第1切替部120が、太陽電池モジュール10と第2蓄電池50を結ぶ他方充電経路Tcを形成する(
図6)。
【0034】
図4に示すように、第1切替部120は、第1共通端121、第1一方端122、第1他方端123、第1一方電子スイッチ124、及び、第1他方電子スイッチ125を有する。第1共通端121は、第1一方端122、又は、第1他方端123のいずれか一方に接続可能である。
【0035】
第1共通端121は、太陽電池モジュール10に接続される。
【0036】
第1一方端122は、太陽電池モジュール10と第1蓄電池40の間に介装された第1一方電子スイッチ124に接続される。より具体的には、第1一方電子スイッチ124は、NPN型トランジスタであり、ベースが電圧調整用の抵抗Rを介して第1一方端122に接続され、コレクタが太陽電池モジュール10の一端に接続され、エミッタが第1蓄電池40の正極に接続される。
【0037】
第1他方端123は、太陽電池モジュール10と第2蓄電池50の間に介装された第1他方電子スイッチ125に接続される。より具体的には、第1他方電子スイッチ125は、NPN型トランジスタであり、ベースが電圧調整用の抵抗Rを介して第1他方端123に接続され、コレクタが太陽電池モジュール10の一端に接続され、エミッタが第2蓄電池50の正極に接続される。
【0038】
第2切替部130は、第2共通端131、第2一方端132、第2他方端133、第2一方電子スイッチ134、及び、第2他方電子スイッチ135を有する。第2共通端131は、第2一方端132、又は、第2他方端133のいずれか一方に接続可能である。
【0039】
第2共通端131は、第2一方電子スイッチ134、及び、前記第2他方電子スイッチ135の各々の出力側端子nに接続される。
【0040】
第2一方端132は、第2蓄電池50と出力部90の間に介装された第2一方電子スイッチ134に接続される。より具体的には、第2一方電子スイッチ134は、PNP型トランジスタであり、ベースが電圧調整用の抵抗Rを介して第2一方端132に接続され、エミッタが第2蓄電池50の正極に接続され、コレクタが、出力側端子n、整流部70、及び、インバータ60を介して出力部90に接続される。
【0041】
第2他方端133は、第1蓄電池40と出力部90の間に介装された第2他方電子スイッチ135に接続される。より具体的には、第2他方電子スイッチ135は、PNP型トランジスタであり、ベースが電圧調整用の抵抗Rを介して第2他方端133に接続され、エミッタが第1蓄電池40の正極に接続され、コレクタが、出力側端子n、整流部70、及び、インバータ60を介して出力部90に接続される。
【0042】
図5及び
図6は、切替手段M2の電流の流れの一例を説明するための説明図であり、
図5が一方状態を示し、
図6が他方状態を示す。
【0043】
図5に示すように、一方状態において、第1共通端121と第1一方端122を接続すると、第1一方電子スイッチ124が、第1一方端122に印加された電圧によって太陽電池モジュール10と第1蓄電池40を導通させて一方充電経路Ocを形成する。
【0044】
また、一方状態において、第2共通端131と第2一方端132を接続すると、第2一方電子スイッチ134が、第2蓄電池50と出力部90を導通させて一方放電経路Odを形成する。
【0045】
図6に示すように、他方状態において、第1共通端121と第1他方端123を接続すると、第1他方電子スイッチ125が、第1他方端123に印加された電圧によって太陽電池モジュール10と第2蓄電池50を導通させて他方充電経路Tcを形成する。
【0046】
また、他方状態において、第2共通端131と第2他方端133を接続すると、出力側端子nを介して第2他方端133に印加された電圧によって第2他方電子スイッチ135が、第1蓄電池40と出力部90を導通させて他方放電経路Tdを形成する。
【0047】
(実施形態3の構成)
実施形態1における切替手段M1及び実施形態2における切替手段M2は、ユーザの手指によって切替操作可能であるが、駆動部Vによって切替駆動されてもよい。
【0048】
図7は、第3実施形態に係る電源装置3の一例を示す回路図である。第3実施形態の説明においては、第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成については、説明を省略する。
【0049】
電源装置3は、第1切替部220と第2切替部230を有した切替手段M3と駆動部Vを備える。
【0050】
図7に示すように、第1切替部220は、第1一方駆動スイッチ221、及び、第1他方駆動スイッチ222と、第1一方電子スイッチ224、及び、第1他方電子スイッチ225とを有する。
【0051】
第1一方駆動スイッチ221は、電圧調整用の抵抗Rを介し、太陽電池モジュール10と第1蓄電池40の間に介装された第1一方電子スイッチ224の各々に接続される。
【0052】
第1他方駆動スイッチ222は、電圧調整用の抵抗Rを介し、太陽電池モジュール10と第2蓄電池50の間に介装された第1他方電子スイッチ225の各々に接続される。
【0053】
第2切替部230は、第2一方駆動スイッチ231、及び、第2他方駆動スイッチ232と、第2一方電子スイッチ234、及び、第2他方電子スイッチ235とを有する。
【0054】
第2一方駆動スイッチ231は、電圧調整用の抵抗Rを介し、第2蓄電池50と出力部90の間に介装された第2一方電子スイッチ234の各々に接続される。
【0055】
第2他方駆動スイッチ232は、電圧調整用の抵抗Rを介し、第1蓄電池40と出力部90の間に介装された第2他方電子スイッチ235の各々に接続される。
【0056】
第1一方電子スイッチ224、第1他方電子スイッチ225、第2一方電子スイッチ234、及び、第2他方電子スイッチ235の各々は、温度上昇を抑えることができるように、3つずつ並列接続される。
【0057】
図8は、電源装置3における駆動部Vの一例を示すブロック図である。
【0058】
図8に示すように、駆動部Vは、手動自動切換装置241、手動運転装置242、及び、自動運転装置243を有する。第1一方駆動スイッチ221、第1他方駆動スイッチ222、第2一方駆動スイッチ231、及び、第2他方駆動スイッチ232の各々は、駆動部Vから出力される駆動電流によってオン状態、又は、オフ状態に制御されるリレースイッチである。第1一方駆動スイッチ221、第1他方駆動スイッチ222の各々は、オン状態にされると、第1一方電子スイッチ224、及び、第1他方電子スイッチ225の各々に太陽電池モジュール10から供給された電圧を印加する。第2一方駆動スイッチ231、第2他方駆動スイッチ232の各々は、オン状態にされると、第2一方電子スイッチ234、第2他方電子スイッチ235の各々に出力側端子nから供給された電圧を印加する。
【0059】
手動自動切換装置241は、インバータ60の正極端子と負極端子の各々からDC-AC変換器244、AC-DC変換器245を介して電力の供給を受ける。手動自動切換装置241は、ユーザの手指によって切替可能であり、手動運転に切り替わると、手動運転装置242に接続して駆動電流を出力し、自動運転に切り替わると、自動運転装置243に接続して駆動電流を出力する。
【0060】
手動運転装置242は、手動自動切換装置241によって手動運転に切り替わると、使用可能にされる。手動運転装置242は、例えば、2極双投のトグルスイッチである。手動運転装置242は、ユーザの切替操作に応じ、一方状態において、第1一方駆動スイッチ221と第2一方駆動スイッチ231がオン状態にされるときには、第1他方駆動スイッチ222と第2他方駆動スイッチ232がオフ状態にされ、他方状態において、第1一方駆動スイッチ221と第2一方駆動スイッチ231がオフ状態にされるときには、第1他方駆動スイッチ222と第2他方駆動スイッチ232がオン状態にされ、一方状態と他方状態が交互になるように、駆動電流を出力する。
【0061】
自動運転装置243は、手動自動切換装置241によって自動運転に切り替わると、使用可能にされる。自動運転装置243は、図示しないタイマを有し、所定時間を空け、一方状態と他方状態が交互になるように、第1一方駆動スイッチ221、第1他方駆動スイッチ222、第2一方駆動スイッチ231、及び、第2他方駆動スイッチ232の各々に、駆動電流を出力する。
【0062】
図9に示すように、一方状態において、第1一方駆動スイッチ221をオンにして、第1他方駆動スイッチ222をオフにすると、第1一方電子スイッチ224が、太陽電池モジュール10と第1蓄電池40を導通させて一方充電経路Ocを形成する。一方状態において、第2一方駆動スイッチ231をオンにして、第2他方駆動スイッチ232をオフにすると、第2一方電子スイッチ234が、第2蓄電池50と出力部90を導通させて一方放電経路Odを形成する。
【0063】
図10に示すように、他方状態において、第1一方駆動スイッチ221をオフにして、第1他方駆動スイッチ222をオンにすると、第1他方電子スイッチ225が、太陽電池モジュール10と第2蓄電池50を導通させて他方充電経路Tcを形成する。他方状態において、第2一方駆動スイッチ231をオフにして、第2他方駆動スイッチ232をオンにすると、第2他方電子スイッチ235が、第1蓄電池40と出力部90を導通させて他方放電経路Tdを形成する。
【0064】
上述のとおり、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0065】
例えば、実施形態では、自然エネルギー発電装置が太陽電池モジュール10である例を説明したが、これに限定されず、自然エネルギー発電装置は、太陽熱発電装置、風力発電装置、水力発電装置、地熱発電装置、及び、バイオマス発電装置等の自然エネルギーを電力に変換可能な装置であってもよい。
【0066】
実施形態では、切替手段M1が2極双投のトグルスイッチである例を説明したが、これに限定されず、スイッチは、第1一方端22、122、及び、第1他方端23、123と、第1一方端22、122、又は、第1他方端23、123のいずれか一方に接続される第1共通端21、121を有する第1極と、第1極と連動した第2一方端32、132、及び、第2他方端33、133と、第2一方端32、132、又は、第2他方端33、133のいずれか一方に接続される第2共通端31、131を有する第2極を有するものであってもよいし、2極双投ではなくてもよい。
【0067】
実施形態では、インバータ60が放電電力を100Vの交流電力に変換する例を説明したが、100Vに限定されず、他の電圧の交流電力に変換してもよい。また、インバータ60は、必ずしも必要ではなく、放電電力に基づく直流電力を出力部90から出力してもよい。
【0068】
実施形態では、駆動部Vが、手動自動切換装置241、手動運転装置242、及び、自動運転装置243を有する構成を説明したがこれに限定されない。電源装置1、2、3のすべて又は一部や、駆動部Vは、CPUが記憶部のプログラムを読み込むことによってその機能を実現してもよいし、FPGA等によってその機能を実現してもよい。
【0069】
すなわち、電源装置1、2、3は、自然エネルギーを電力に変換することによって発電する自然エネルギー発電装置によって発電された発電電力を第1蓄電池40に充電するとともに、第2蓄電池50によって放電された第2放電電力を出力部90に出力する一方状態、又は、発電電力を第2蓄電池50に充電するとともに、第1蓄電池40によって放電された放電電力を出力部90に出力する他方状態のいずれかに切替可能な切替手段M1、M2、M3を有する。
【0070】
切替手段M1、M2、M3は、第1切替部20、120、220と第2切替部30、130、230を有する。一方状態において、第1切替部20、120、220が、自然エネルギー発電装置と第1蓄電池40を結ぶ一方充電経路Ocを形成し、第2切替部30、130、230が、第2蓄電池50と出力部90を結ぶ一方放電経路Odを形成する。他方状態において、第1切替部20、120、220、又は、第2切替部30、130、230のいずれか一方が、第1蓄電池40と出力部90を結ぶ他方放電経路Tdを形成し、第1切替部20、120、220、又は、第2切替部30、130、230のいずれか他方が、自然エネルギー発電装置と第2蓄電池50を結ぶ他方充電経路Tcを形成する。
【0071】
第1切替部20は、第1共通端21、第1一方端22、及び、第1他方端23を有する。第1共通端21は、第1蓄電池40に接続され、第1一方端22、又は、第1他方端23のいずれか一方に接続可能である。第1一方端22が自然エネルギー発電装置に接続される。第1他方端23が出力部90に接続される。一方状態において、第1共通端21と第1一方端22を接続することによって自然エネルギー発電装置によって発電された発電電力によって第1蓄電池40を充電する一方充電経路Ocが形成される。他方状態において、第1共通端21と第1他方端23を接続することによって第1蓄電池40によって放電された放電電力を出力部90に出力する他方放電経路Tdが形成される。
【0072】
第2切替部30は、第2共通端31、第2一方端32、及び、第2他方端33を有する。第2共通端31は、第2蓄電池50に接続され、第2一方端32、又は、第2他方端33のいずれか一方に接続可能である。第2一方端32が出力部90に接続される。第2他方端33が自然エネルギー発電装置に接続される。一方状態において、第2共通端31と第2一方端32を接続することによって一方放電経路Odが形成される。他方状態において、第2共通端31と第2他方端33を接続することによって他方充電経路Tcが形成される。
【0073】
第1切替部120は、第1共通端121、第1一方端122、第1他方端123、第1一方電子スイッチ124、及び、第1他方電子スイッチ125を有する。第1共通端121が、自然エネルギー発電装置に接続され、第1一方端122、又は、第1他方端123のいずれか一方に接続可能である。第1一方端122が、自然エネルギー発電装置と第1蓄電池40の間に介装された第1一方電子スイッチ124に接続される。第1他方端123が、自然エネルギー発電装置と第2蓄電池50の間に介装され第1他方電子スイッチ125に接続される。一方状態において、第1共通端121と第1一方端122を接続すると、第1一方電子スイッチ124が、自然エネルギー発電装置と第1蓄電池40を導通させて一方充電経路Ocが形成される。他方状態において、第1共通端121と第1他方端123を接続すると、第1他方電子スイッチ125が、自然エネルギー発電装置と第2蓄電池50を導通させて他方充電経路Tcが形成される。
【0074】
第2切替部130は、第2共通端131、第2一方端132、第2他方端133、第2一方電子スイッチ134、及び、第2他方電子スイッチ135を有する。第2共通端131が、第2一方電子スイッチ134、及び、第2他方電子スイッチ135の各々の出力側端子nに接続され、第2一方端132、又は、第2他方端133のいずれか一方に接続可能である。第2一方端132が、第2蓄電池50と出力部90の間に介装された第2一方電子スイッチ134に接続される。第2他方端133が、第1蓄電池40と出力部90の間に介装された第2他方電子スイッチ135に接続される。一方状態において、第2共通端131と第2一方端132を接続すると、第2一方電子スイッチ134が、第2蓄電池50と出力部90を導通させて一方放電経路Odが形成される。 他方状態において、第2共通端131と第2他方端133を接続すると、第2他方電子スイッチ135が、第1蓄電池40と出力部90を導通させて他方放電経路Tdが形成される。
【0075】
第1切替部220は、第1一方駆動スイッチ221、第1他方駆動スイッチ222、第1一方電子スイッチ224、第1他方電子スイッチ225を有する。第1一方駆動スイッチ221が、自然エネルギー発電装置と第1蓄電池40の間に介装された第1一方電子スイッチ224に接続される。第1他方駆動スイッチ222が、自然エネルギー発電装置と第2蓄電池50の間に介装された第1他方電子スイッチ225に接続される。一方状態において、第1一方駆動スイッチ221をオンにして、第1他方駆動スイッチ222をオフにすると、第1一方電子スイッチ224が、自然エネルギー発電装置と第1蓄電池40を導通させて一方充電経路Ocを形成する。他方状態において、第1一方駆動スイッチ221をオフにして、第1他方駆動スイッチ222をオンにすると、第1他方電子スイッチ225が、自然エネルギー発電装置と第2蓄電池50を導通させて他方充電経路Tcを形成する。
【0076】
第2切替部230は、第2一方駆動スイッチ231、第2他方駆動スイッチ232、第2一方電子スイッチ234、及び、第2他方電子スイッチ235を有する。第2一方駆動スイッチ231が、第2蓄電池50と出力部90の間に介装された第2一方電子スイッチ234に接続される。第2他方駆動スイッチ232が、第1蓄電池40と出力部90の間に介装された第2他方電子スイッチ235に接続される。一方状態において、第2一方駆動スイッチ231をオンにして、第2他方駆動スイッチ232をオフにすると、第2一方電子スイッチ234が、第2蓄電池50と出力部90を導通させて一方放電経路Odが形成される。他方状態において、第2一方駆動スイッチ231をオフにして、第2他方駆動スイッチ232をオンにすると、第2他方電子スイッチ235が、第1蓄電池40と出力部90を導通させて他方放電経路Tdが形成される。
【0077】
電源装置1、2、3は、直流電力を交流電力に変換するインバータ60を有し、インバータ60は、切替手段M1、M2、M3と出力部90の間に介装され、出力部90は、交流電力を出力する。
【0078】
電源装置1、2、3は、外部接続端子80と整流部70を有する。整流部70は、切替手段M1、M2、M3とインバータ60の間に介装される。外部接続端子80は、インバータ60の正極側と負極側の各々に設けられる。
【符号の説明】
【0079】
1 ・・・電源装置
2 ・・・電源装置
3 ・・・電源装置
10 ・・・太陽電池モジュール
20 ・・・第1切替部
21 ・・・第1共通端
22 ・・・第1一方端
23 ・・・第1他方端
30 ・・・第2切替部
31 ・・・第2共通端
32 ・・・第2一方端
33 ・・・第2他方端
40 ・・・第1蓄電池
50 ・・・第2蓄電池
60 ・・・インバータ
70 ・・・整流部
80 ・・・外部接続端子
90 ・・・出力部
120・・・第1切替部
121・・・第1共通端
122・・・第1一方端
123・・・第1他方端
124・・・第1一方電子スイッチ
125・・・第1他方電子スイッチ
130・・・第2切替部
131・・・第2共通端
132・・・第2一方端
133・・・第2他方端
134・・・第2一方電子スイッチ
135・・・第2他方電子スイッチ
220・・・第1切替部
221・・・第1一方駆動スイッチ
222・・・第1他方駆動スイッチ
224・・・第1一方電子スイッチ
225・・・第1他方電子スイッチ
230・・・第2切替部
231・・・第2一方駆動スイッチ
232・・・第2他方駆動スイッチ
234・・・第2一方電子スイッチ
235・・・第2他方電子スイッチ
241・・・手動自動切換装置
242・・・手動運転装置
243・・・自動運転装置
244・・・DC-AC変換器
245・・・AC-DC変換器
Oc ・・・一方充電経路
Od ・・・一方放電経路
Tc ・・・他方充電経路
Td ・・・他方放電経路
M1 ・・・切替手段
M2 ・・・切替手段
M3 ・・・切替手段
n ・・・出力側端子
P ・・・他の電源装置
R ・・・抵抗
V ・・・駆動部
【要約】
【課題】 より安定的に、電力供給対象に、自然エネルギーに基づいて発電された電力を供給することができる、電源装置を提供する。
【解決手段】 電源装置1は、自然エネルギーを電力に変換することによって発電する自然エネルギー発電装置によって発電された発電電力を第1蓄電池40に充電するとともに、第2蓄電池50によって放電された第2放電電力を出力部90に出力する一方状態、又は、前記発電電力を前記第2蓄電池50に充電するとともに、前記第1蓄電池40によって放電された放電電力を前記出力部90に出力する他方状態のいずれかに切り替え可能な切替手段M1を有する。
【選択図】
図1