(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】撮像光学レンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20240816BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20240816BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2024074249
(22)【出願日】2024-05-01
【審査請求日】2024-05-01
(31)【優先権主張番号】202311559034.X
(32)【優先日】2023-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520128543
【氏名又は名称】エーエーシー オプティクス (チャンジョウ)カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】朱 峰
(72)【発明者】
【氏名】周 順達
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107092082(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0370042(US,A1)
【文献】特開2022-73858(JP,A)
【文献】特開2021-26207(JP,A)
【文献】特開2021-26208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学レンズであって、
物体側から結像側に向かって順に配列された正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズと、からなり、
前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、前記第3レンズの焦点距離は、f3であり、前記第5レンズの焦点距離は、f5であり、前記第6レンズの焦点距離は、f6であり、前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径は、R7であり、前記第4レンズの結像側面の中心曲率半径は、R8であり、前記第5レンズの物体側面の中心曲率半径は、R9であり、前記第5レンズの結像側面の中心曲率半径は、R10であり、前記第1レンズの結像側面から前記第2レンズの物体側面までの光軸上距離は、d2であり、前記第2レンズの光軸上厚みは、d3であり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
2.00≦f3/f≦6.00
-2.00≦f5/f6≦-0.79
-5.00≦R7/R8≦-1.00
-0.90≦R9/R10≦-0.20
0.25≦d2/d3≦1.00
【請求項2】
請求項1に記載の撮像光学レンズであって、
前記第1レンズの光軸上厚みは、d1であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
0.09≦d1/TTL≦0.15
【請求項3】
請求項1に記載の撮像光学レンズであって、
前記第4レンズの焦点距離は、f4であり、前記第4レンズの光軸上厚みは、d7であり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
-80.00≦f4/d7≦-25.00
【請求項4】
請求項1に記載の撮像光学レンズであって、
前記第1レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第1レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であって、
前記第1レンズの焦点距離は、f1であり、前記第1レンズの物体側面の中心曲率半径は、R1であり、前記第1レンズの結像側面の中心曲率半径は、R2であり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
0.48≦f1/f≦1.52
-3.55≦(R1+R2)/(R1-R2)≦-1.09
【請求項5】
請求項1に記載の撮像光学レンズであって、
前記第2レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第2レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、
前記第2レンズの焦点距離は、f2であり、前記第2レンズの物体側面の中心曲率半径は、R3であり、前記第2レンズの結像側面の中心曲率半径は、R4であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
-4.90≦f2/f≦-1.24
1.36≦(R3+R4)/(R3-R4)≦5.66
0.02≦d3/TTL≦0.09
【請求項6】
請求項1に記載の撮像光学レンズであって、
前記第3レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第3レンズの物体側面の中心曲率半径は、R5であり、前記第3レンズの結像側面の中心曲率半径は、R6であり、前記第3レンズの光軸上厚みは、d5であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
-2.65≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.51
0.03≦d5/TTL≦0.16
【請求項7】
請求項1に記載の撮像光学レンズであって、
前記第4レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第4レンズの結像側面光軸に近い箇所は、凹面であり、
前記第4レンズの焦点距離は、f4であり、前記第4レンズの光軸上厚みは、d7であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
-15.45≦f4/f≦-1.66
0.00≦(R7+R8)/(R7-R8)≦1.00
0.04≦d7/TTL≦0.13
【請求項8】
請求項1に記載の撮像光学レンズであって、
前記第5レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第5レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、
前記第5レンズの光軸上厚みは、d9であり、前記撮像光学レンズの光学全長はTTLであり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
0.44≦f5/f≦1.95;
-1.32≦(R9+R10)/(R9-R10)≦-0.04;
0.05≦d9/TTL≦0.17
【請求項9】
請求項1に記載の撮像光学レンズであって、
前記第6レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第6レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、
前記第6レンズの物体側面の中心曲率半径は、R11であり、前記第6レンズの結像側面の中心曲率半径は、R12であり、前記第6レンズの光軸上厚みは、d11であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
-2.21≦f6/f≦-0.44
0.50≦(R11+R12)/(R11-R12)≦3.53
0.04≦d11/TTL≦0.15
【請求項10】
請求項1に記載の撮像光学レンズであって、
前記撮像光学レンズの画角は、FOVであり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズ。
FOV≧76.44°
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズの分野に関し、特に、スマートフォンやデジタルカメラなどのモバイル端末機器や、監視カメラ、PCカメラ、車載カメラ、ドローンなどの撮像機能を有するデバイスに適用可能な撮像光学レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々なスマートデバイスの台頭により、小型撮像光学レンズの需要が増加している。感光素子の画素サイズが小さくなり、今日の電子製品は、機能に優れ、薄く、軽量で持ち運びしやすくなる傾向にあるため、市場では良好な撮像画質を持つ小型化撮像光学レンズが主流となっている。より良い撮像画質を得るために、マルチレンズ構造が多く採用される。また、技術の発展と多様化ユーザーニーズの増加と伴い、感光素子の画素面積が縮小しており、システムの撮像品質に対する要求も高まり続けているため、レンズ設計において、6枚式レンズ構造が次第に現れてきた。光学性能に優れ、大口径、広角化、超薄型の撮像光学レンズが求められている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、上記問題に鑑み、光学性能に優れ、大口径、広角化、超薄型の設計要求を満たすことができる撮像光学レンズを提供することを目的とする。
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本発明の第1実施形態によれば、撮像光学レンズであって、物体側から結像側に向かって順に配列された正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズと、からなり、前記撮像光学レンズの焦点距離は、fであり、前記第3レンズの焦点距離は、f3であり、前記第5レンズの焦点距離は、f5であり、前記第6レンズの焦点距離は、f6であり、前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径は、R7であり、前記第4レンズの結像側面の中心曲率半径は、R8であり、前記第5レンズの物体側面の中心曲率半径は、R9であり、前記第5レンズの結像側面の中心曲率半径は、R10であり、前記第1レンズの結像側面から前記第2レンズの物体側面までの光軸上距離は、d2であり、前記第2レンズの光軸上厚みは、d3であり、以下の関係式を満たすことを特徴とする撮像光学レンズが提供される。2.00≦f3/f≦6.00、-2.00≦f5/f6≦-0.79、-5.00≦R7/R8≦-1.00、-0.90≦R9/R10≦-0.20、0.25≦d2/d3≦1.00
【0005】
好ましくは、前記第1レンズの光軸上厚みは、d1であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たす。0.09≦d1/TTL≦0.15
【0006】
好ましくは、前記第4レンズの焦点距離は、f4であり、前記第4レンズの光軸上厚みは、d7であり、以下の関係式を満たす。-80.00≦f4/d7≦-25.00
【0007】
好ましくは、前記第1レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第1レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であって、前記第1レンズの焦点距離は、f1であり、前記第1レンズの物体側面の中心曲率半径は、R1であり、前記第1レンズの結像側面の中心曲率半径は、R2であり、以下の関係式を満たす。0.48≦f1/f≦1.52、-3.55≦(R1+R2)/(R1-R2)≦-1.09
【0008】
好ましくは、前記第2レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第2レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第2レンズの焦点距離は、f2であり、前記第2レンズの物体側面の中心曲率半径は、R3であり、前記第2レンズの結像側面の中心曲率半径は、R4であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たす。-4.90≦f2/f≦-1.24、1.36≦(R3+R4)/(R3-R4)≦5.66、0.02≦d3/TTL≦0.09
【0009】
好ましくは、前記第3レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、 前記第3レンズの物体側面の中心曲率半径は、R5であり、前記第3レンズの結像側面の中心曲率半径は、R6であり、前記第3レンズの光軸上厚みは、d5であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たす。-2.65≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.51、0.03≦d5/TTL≦0.16
【0010】
好ましくは、前記第4レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第4レンズの結像側面光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第4レンズの焦点距離は、f4であり、前記第4レンズの光軸上厚みは、d7であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たす。-15.45≦f4/f≦-1.66、0.00≦(R7+R8)/(R7-R8)≦1.00、0.04≦d7/TTL≦0.13
【0011】
好ましくは、前記第5レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第5レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第5レンズの光軸上厚みは、d9であり、前記撮像光学レンズの光学全長はTTLであり、以下の関係式を満たす。0.44≦f5/f≦1.95、-1.32≦(R9+R10)/(R9-R10)≦-0.04、0.05≦d9/TTL≦0.17
【0012】
好ましくは、前記第6レンズの物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、前記第6レンズの結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、前記第6レンズの物体側面の中心曲率半径は、R11であり、前記第6レンズの結像側面の中心曲率半径は、R12であり、前記第6レンズの光軸上厚みは、d11であり、前記撮像光学レンズの光学全長は、TTLであり、以下の関係式を満たす。-2.21≦f6/f≦-0.44、0.50≦(R11+R12)/(R11-R12)≦3.53、0.04≦d11/TTL≦0.15
【0013】
好ましくは、前記撮像光学レンズの画角は、FOVであり、以下の関係式を満たす。
FOV≧76.44°
【0014】
本発明によれば、下記の効果が得られる。すなわち、本発明に係る撮像光学レンズによれば、優れた光学特性を有し、かつ、大口径、広角化、超薄型の特性を有し、特に高画素用のCCD、CMOSなどの撮像デバイスにより構成される携帯撮像レンズアセンブリ及びWEB撮像レンズに適応している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明に用いられる図面について簡単に説明するが、以下の説明における図面は、本発明実施形態一部に係るものに過ぎず、当業者にとっては、これらの図面に基づいて、創作的な労力を要せず、他の図面を得ることもできる。
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
【
図2】
図1に示す撮像光学レンズの軸上色収差の概略図である。
【
図3】
図1に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
【
図4】
図1に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
【
図6】
図5に示す撮像光学レンズの軸上色収差の概略図である。
【
図7】
図5に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
【
図8】
図5に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
【
図10】
図9に示す撮像光学レンズの軸上色収差の概略図である。
【
図11】
図9に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
【
図12】
図9に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
【
図13】本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
【
図14】
図13に示す撮像光学レンズの軸上色収差の概略図である。
【
図15】
図13に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
【
図16】
図13に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
【
図17】本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
【
図18】
図17に示す撮像光学レンズの軸上色収差の概略図である。
【
図19】
図17に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
【
図20】
図17に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
【
図21】比較実施形態の撮像光学レンズの構造を示す概略図である。
【
図22】
図21に示す撮像光学レンズの軸上色収差の概略図である。
【
図23】
図21に示す撮像光学レンズの倍率色収差の概略図である。
【
図24】
図21に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、本発明の各実施形態を図面と併せて以下に詳細に説明する。しかしながら、当業者は、本発明の各実施形態において、読者が本発明をよりよく理解できるようにするために、多くの技術的詳細が提示されることを理解できる。ただし、これらの技術的詳細や、以下の各実施形態に基づく種々の変更・修正を行わなくても、本発明の保護のために請求される技術的解決手段を実現することができる。
【0018】
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明によれば、撮像光学レンズ10が提供される。
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を示す。当該撮像光学レンズ10は、全部で六つのレンズを含む。具体的には、撮像光学レンズ10は、物体側から結像側に向かって順に配列された第1レンズL1、絞りS1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6である。第6レンズL6と結像面Siとの間には、光学フィルタ(filter)GFなどの光学素子が設けられてもよい。
【0019】
本実施形態において、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6は、いずれもプラスチック材質である。他の任意の実施形態において、各レンズは、他の材質であってもよい。
【0020】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の焦点距離をfとし、第3レンズL3の焦点距離をf3として定義する場合、2.00≦f3/f≦6.00という関係式を満たすように、第3レンズL3の焦点距離f3とシステム焦点距離(すなわち、焦点距離f)との比を特定している。条件式の範囲内において、システム(すなわち、撮像光学レンズ10)の像面湾曲を効果的に均衡させることにより、中心視野の像面湾曲オフセット量を0.03mmよりも小さくすることができる。
【0021】
本実施形態において、第5レンズL5の焦点距離をf5とし、第6レンズL6の焦点距離をf6として定義する場合、-2.00≦f5/f6≦-0.79という関係式を満たすように、第5レンズの焦点距離f5と第6レンズの焦点距離f6との比を特定している。条件式の範囲内において、システムの光学焦点距離を合理的に分配することで、システムが優れた結像品質及び低い感度を備えることができる。
【0022】
本実施形態において、第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径をR7とし、第4レンズL4の結像側面の中心曲率半径をR8として定義する場合、-5.00≦R7/R8≦-1.00という関係式を満たすように、第4レンズL4の形状を特定している。条件式の範囲内において、撮像光学レンズ10の非点収差や歪曲収差の補正を向上させることにより、歪曲収差「Distortion|≦5%という関係式を満たし、ケラレが発生する可能性を低減させることができる。
【0023】
本実施形態において、第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径をR9とし、第5レンズL5の結像側面の中心曲率半径をR10として定義する場合、-0.90≦R9/R10≦-0.20という関係式を満たすように、第5レンズL5の形状を特定している。条件式の範囲内において、第5レンズL5を通過する光のずれの程度を緩和し、色収差を効果的に補正することで、色収差LC|≦6.0μmという関係式を満たすことができる。
【0024】
本実施形態において、第1レンズL1の結像側面から第2レンズL2の物体側面までの光軸上距離をd2とし、第2レンズL2の光軸上厚みをd3として定義する場合、0.25≦d2/d3≦1.00という関係式を満たすように、第1レンズL1及び第2レンズL2の空気間隔(すなわち、光軸上距離d2)と、第2レンズL2の中心厚み(すなわち、光軸上厚みd3)との比を特定している。条件式の範囲内において、第1レンズL1と第2レンズL2との間の空気間隔を合理的に分配することで、実際の製造工程における組立の難易度を低下させ、歩留まりを向上させることができる。
【0025】
本実施形態において、第1レンズL1の光軸上厚みをd1とし、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLとして定義する場合、0.09≦d1/TTL≦0.15という関係式を満たすように、第1レンズL1の中心厚み(すなわち、光軸上厚みd1)とシステムの光学全長としてのTTL(すなわち、撮像光学レンズ10の光学全長TTL)との比を特定している。条件式の範囲内において、結像品質が保証されるように収差を補正するとともに、光学システム(すなわち、システム)の全長を効果的に制御することができる。
【0026】
本実施形態において、第4レンズL4の焦点距離をf4とし、第4レンズL4の光軸上厚みをd7として定義する場合、-80.00≦f4/d7≦-25.00という関係式を満たすように、第4レンズL4の負の屈折力(すなわち、焦点距離f4)と第4レンズL4の中心厚み(すなわち、光軸上厚みd7)との比を特定している。条件式の範囲内において、広画角からの光の入射角の変化を緩衝することで、光を光学レンズ群内でスムーズに伝播することができるとともに、収差が改善されるように第4レンズL4の屈折力強度を維持することができる。
【0027】
本実施形態において、第1レンズL1の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第1レンズL1の結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、第1レンズL1は、正の屈折力を有する。他の実施形態において、第1レンズL1の物体側面及び結像側面は、他の凹凸分布状況に設定されてもよい。
【0028】
撮像光学レンズ10の焦点距離をfとし、第1レンズL1の焦点距離をf1として定義する場合、0.48≦f1/f≦1.52という関係式を満たす。第1レンズL1の正パワーを合理的な範囲に制御することにより、光学システムの収差を補正することができる。0.76≦f1/f≦1.22を満たすことが好ましい。
【0029】
第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径をR1とし、第1レンズL1の結像側面の中心曲率半径をR2として定義する場合、-3.55≦(R1+R2)/(R1-R2)≦-1.09という関係式を満たす。第1レンズL1の形状を合理的に制御することで、第1レンズL1がシステムの球面収差を効果的に補正することができる。-2.22≦(R1+R2)/(R1-R2)≦-1.36を満たすことが好ましい。
【0030】
本実施形態において、第2レンズL2の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第2レンズL2の結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、第2レンズL2は、負の屈折力を有する。他の任意の実施形態において、第2レンズL2の物体側面及び結像側面は、他の凹凸分布状況に設定されてもよい。
【0031】
撮像光学レンズ10の焦点距離をfとし、第2レンズL2の焦点距離をf2として定義する場合、-4.90≦f2/f≦-1.24という関係式を満たす。第2レンズL2の負の屈折力を合理的な範囲に制御することにより、光学システムの収差を補正することができる。-3.06≦f2/f≦-1.55を満たすことが好ましい。
【0032】
第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径をR3とし、第2レンズL2の結像側面の曲率半径をR4として定義する場合、1.36≦(R3+R4)/(R3-R4)≦5.66という関係式を満たすように、第2レンズL4の形状を特定している。条件式の範囲内において、超薄型広角化の発展に伴い、軸外画角の収差などの問題を補正することができる。2.18≦(R3+R4)/(R3-R4)≦4.53を満たすことが好ましい。
【0033】
第2レンズL2の光軸上厚みをd3とし、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLとして定義する場合、0.02≦d3/TTL≦0.09という関係式を満たす。条件式の範囲内において、システムの小型化を実現することができる。0.02≦d3/TTL≦0.07を満たすことが好ましい。
【0034】
本実施形態において、第3レンズL3の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第3レンズL3の結像側面の光軸に近い箇所は、凸面又は凹面であり、第3レンズL3は、正の屈折力を有する。なお、他の任意実施形態において、第3レンズL3の物体側面及び結像側面は、他の凹凸分布状況に設定されてもよい。
【0035】
第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径をR5とし、第3レンズL3の結像側面の中心曲率半径をR6として定義する場合、-2.65≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.51という関係式を満たすように、第3レンズL3の形状を特定している。条件式の範囲内において、超薄型広角化の発展に伴い、軸外画角の収差などの問題を補正することができる。-1.66≦(R5+R6)/(R5-R6)≦-0.64を満たすことが好ましい。
【0036】
第3レンズL3の光軸上厚みをd5とし、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLとして定義する場合、0.03≦d5/TTL≦0.16という関係式を満たす。条件式の範囲内において、システムの小型化を実現することができる。0.05≦d5/TTL≦0.13を満たすことが好ましい。
【0037】
本実施形態において、第4レンズL4の物体側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、第4レンズL4の結像側面光軸に近い箇所は、凹面であり、第4レンズL4は、負の屈折力を有する。なお、他の任意の実施形態において、第4レンズL4の物体側面及び結像側面は、他の凹凸分布状況に設定されてもよい。
【0038】
撮像光学レンズ10の焦点距離をfとし、第4レンズL4の焦点距離をf4として定義する場合、-15.45≦f4/f≦-1.66という関係式を満たす。第4レンズL4のパワーを合理的に分配することにより、システムが優れた結像品質及び低い感度を備えることができる。パワーと焦点距離f4とが関連している。-9.65≦f4/f≦-2.08を満たすことが好ましい。
【0039】
第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径をR7とし、第4レンズL4の結像側面の中心曲率半径をR8として定義する場合、0.00≦(R7+R8)/(R7-R8)≦1.00という関係式を満たし、第4レンズL4の形状を特定している。範囲内にある場合、超薄型広角化の発展に伴い、軸外画角の収差などの問題の補正に有利である。0.00≦(R7+R8)/(R7-R8)≦0.80を満たすことが好ましい。
【0040】
第4レンズL4の光軸上厚みをd7とし、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLとして定義する場合、0.04≦d7/TTL≦0.13という関係式を満たす。条件式の範囲内において、システムの小型化を実現することができる。0.06≦d7/TTL≦0.10を満たすことが好ましい。
【0041】
本実施形態において、第5レンズL5の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第5レンズL5の結像側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第5レンズL5は、正の屈折力を有する。他の任意の実施形態において、第5レンズL5の物体側面及び結像側面は、他の凹凸分布状況に設定されてもよい。
【0042】
撮像光学レンズ10の焦点距離をfとし、第5レンズL5の焦点距離をf5として定義する場合、0.44≦f5/f≦1.95という関係式を満たす。第5レンズL5のパワーを合理的に分配することにより、システムが優れた結像品質及び低い感度を備えることができる。パワーと焦点距離f5とが関連している。0.70≦f5/f≦1.56を満たすことが好ましい。
【0043】
第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径をR9とし、第5レンズL5の結像側面の中心曲率半径をR10として定義する場合、-1.32≦(R9+R10)/(R9-R10)≦-0.04という関係式を満たすように、第5レンズL5の形状を特定している。条件式の範囲内において、超薄型広角化の発展に伴い、軸外画角の収差などの問題を補正することができる。-0.83≦(R9+R10)/(R9-R10)≦-0.05を満たすことが好ましい。
【0044】
第5レンズL5の光軸上厚みをd9とし、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLとして定義する場合、0.05≦d9/TTL≦0.17という関係式を満たす。条件式の範囲内において、システムの小型化を実現することができる。0.08≦d9/TTL≦0.14を満たすことが好ましい。
【0045】
本実施形態において、第6レンズL6の物体側面の光軸に近い箇所は、凸面であり、第6レンズL6の結像側面の光軸に近い箇所は、凹面であり、第6レンズL6は、負の屈折力を有する。なお、他の任意の実施形態において、第6レンズL6の物体側面及び結像側面は、他の凹凸分布状況に設定されてもよい。
【0046】
撮像光学レンズ10の焦点距離をfとし、第6レンズL6の焦点距離をf6として定義する場合、-2.21≦f6/f≦-0.44という関係式を満たす。第6レンズL6のパワーを合理的に分配することにより、システムが優れた結像品質及び低い感度を備えることができる。パワーと焦点距離f6とが関連している。-1.38≦f6/f≦-0.55を満たすことが好ましい。
【0047】
第6レンズL6の物体側面の中心曲率半径をR11とし、第6レンズL6の結像側面の中心曲率半径をR12として定義する場合、0.50≦(R11+R12)/(R11-R12)≦3.53という関係式を満たすように、第6レンズL6の形状を特定している。件式の範囲内において、超薄型広角化の発展に伴い、軸外画角の収差などの問題を補正することができる。0.80≦(R11+R12)/(R11-R12)≦2.83を満たすことが好ましい。
【0048】
第6レンズL6の光軸上厚みをd11とし、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLとして定義する場合、0.04≦d11/TTL≦0.15という関係式を満たす。条件式の範囲内において、システムの小型化を実現することができる。0.06≦d11/TTL≦0.12を満たすことが好ましい。
【0049】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の画角FOVは、76.44°以上であるため、広角化が実現され、撮像光学レンズ10の結像性能が優れている。
【0050】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の像高をIHとし、撮像光学レンズ10の光学全長をTTLとするとともに、TTL/IH≦1.45という関係式を満たすため、システムの小型化を実現することができる。
【0051】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の絞り値FNOは、1.70以下であるため、大口径が実現され、撮像光学レンズ10の結像性能が優れている。
【0052】
撮像光学レンズ10は、優れた光学特性を有し、かつ、大口径、広角化、超薄型の設計要求を満たすことができる。当該撮像光学レンズ10の特性によれば、撮像光学レンズ10は、特に高画素用のCCD、CMOSなどの撮像デバイスにより構成される携帯撮像レンズアセンブリ及びWEB撮像レンズに適応している。
【0053】
以下、実施例を挙げながら本発明の撮像光学レンズ10について説明する。各実施例に記載された符号は、以下の通りである。焦点距離、光軸上距離、中心曲率半径、光軸上厚み、湾曲点位置、停留点位置の単位は、mmである。
【0054】
TTLは、光学全長(第1レンズL1の物体側面から結像面Siまでの光軸上距離)であり、単位は、mmである。
【0055】
絞り値FNOとは、撮像光学レンズの有効焦点距離と有効口径との比を指す。
【0056】
好ましくは、前記レンズの物体側面及び/又は結像側面には、高品質の結像ニーズを満たすために、湾曲点及び/又は停留点がさらに設けられてもよく、具体的な実施形態を以下に説明する。
【0057】
表1は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10の設計データを示す。
【0058】
【0059】
各符号の意味は、以下の通りである。
S1:絞り
R:光学面中心箇所の曲率半径
R1:第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径
R2:第1レンズL1の結像側面の中心曲率半径
R3:第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径
R4:第2レンズL2の結像側面の中心曲率半径
R5:第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径
R6:第3レンズL3の結像側面の中心曲率半径
R7:第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径
R8:第4レンズL4の結像側面の中心曲率半径
R9:第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径
R10:第5レンズL5の結像側面の中心曲率半径
R11:第6レンズL6の物体側面の中心曲率半径
R12:第6レンズL6の結像側面の中心曲率半径
R13:光学フィルタGFの物体側面の中心曲率半径
R14:光学フィルタGFの結像側面の中心曲率半径
d:レンズの光軸上厚み、レンズ間の光軸上距離
d0:絞りS1から第1レンズL1の物体側面までの光軸上距離
d1:第1レンズL1の光軸上厚み
d2:第1レンズL1の結像側面から第2レンズL2の物体側面までの光軸上距離
d3:第2レンズL2の光軸上厚み
d4:第2レンズL2の結像側面から第3レンズL3の物体側面までの光軸上距離
d5:第3レンズL3の光軸上厚み
d6:第3レンズL3の結像側面から第4レンズL4の物体側面までの光軸上距離
d7:第4レンズL4の光軸上厚み
d8:第4レンズL4の結像側面から第5レンズL5の物体側面までの光軸上距離
d9:第5レンズL5の光軸上厚み
d10:第5レンズL5の結像側面から第6レンズL6の物体側面までの光軸上距離
d11:第6レンズL6の光軸上厚み
d12:第6レンズL6の結像側面から光学フィルタGFの物体側面までの光軸上距離
d13:光学フィルタGFの光軸上厚み
d14:光学フィルタGFの結像側面から結像面Siまでの光軸上距離
nd:d線の屈折率(d線は波長550nmの緑色光である)。
nd1:第1レンズL1のd線の屈折率
nd2:第2レンズL2のd線の屈折率
nd3:第3レンズL3のd線の屈折率
nd4:第4レンズL4のd線の屈折率
nd5:第5レンズL5のd線の屈折率
nd6:第6レンズL6のd線の屈折率
ndg:光学フィルタGFのd線の屈折率
vd:アッベ数
v1:第1レンズL1のアッベ数
v2:第2レンズL2のアッベ数
v3:第3レンズL3のアッベ数
v4:第4レンズL4のアッベ数
v5:第5レンズL5のアッベ数
v6:第6レンズL6のアッベ数
vg:光学フィルタGFのアッベ数
【0060】
表2は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10における各レンズの非球面データを示す。
【0061】
【0062】
便宜上、各レンズ面の非球面は、以下の式(1)に示すように非球面としている。ただし、本発明は、当該式(1)で表される非球面多項式の形態に限定されるものではない。
z=(cr2)/{1+[1-(k+1)(c2r2)]1/2}+A4r4+A6r6+A8r8+A10r10+A12r12+A14r14+A16r16+A18r18+A20r20+A22r22+A24r24+A26r26+A28r28+A30r30 (1)
【0063】
ここで、kは、円錐係数であり、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、A18、A20、A22、A24、A26、A28、A30は、非球面係数であり、cは、光学面中心箇所の曲率であり、rは、非球面曲線上の点と光軸との垂直距離であり、zは、非球面深さ(光軸からの距離がrである非球面上の点と、非球面光軸上の頂点と接する接平面との間の垂直距離)である。
【0064】
表3及び表4は、本発明の第1実施形態に係る撮影光学レンズ10における各レンズの湾曲点及び停留点の設計データを示す。ここで、P1R1及びP1R2は、それぞれ第1レンズL1の物体側面及び結像側面を表し、P2R1及びP2R2は、それぞれ第2レンズL2の物体側面及び結像側面を表し、P3R1及びP3R2は、それぞれ第3レンズL3の物体側面及び結像側面を表し、P4R1及びP4R2は、それぞれ第4レンズL4の物体側面及び結像側面を表し、P5R1及びP5R2は、それぞれ第5レンズL5の物体側面及び結像側面を表し、P6R1及びP6R2は、それぞれ第6レンズL6の物体側面及び結像側面を表す。「湾曲点位置」欄に対応するデータは、各レンズの表面に設けられた湾曲点から撮像光学レンズの光軸10までの垂直距離である。「停留点位置」欄に対応するデータは、各レンズの表面に設けられた停留点から撮像光学レンズの光軸10までの垂直距離である。
【0065】
【0066】
【0067】
図2及び
図3は、それぞれ、第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm、470nm及び430nmの光の軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。
図4は、第1実施形態に係る撮像光学レンズ10を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図4の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0068】
後述する表25は、各実施形態における各種数値が条件式で特定されたパラメータに対応する値を示す。
【0069】
表25に示すように、第1実施形態は、各条件式を満たす。
【0070】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の有効口径ENPDは、3.442mmであり、全視野像高IHは、5.120mmであり、対角線方向の画角FOVは、81.30°である。前記撮像光学レンズ10は、大口径、広角化、超薄型の設計要求を満たし、その軸上、軸外色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0071】
(第2実施形態)
第2実施形態は、ほぼ第1実施形態と同じであり、符号の意味は、第1実施形態と同じであり、以下、相違点のみを列挙する。
【0072】
図5は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を示す。
【0073】
表5は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20の設計データを示す。
【0074】
【0075】
表6は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの非球面データを示す。
【0076】
【0077】
表7及び表8は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの湾曲点及び停留点の設計データを示す。
【0078】
【0079】
【0080】
図6及び
図7は、それぞれ、第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm、470nm及び430nmの光の軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。
図8は、第2実施形態に係る撮像光学レンズ20を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図8の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0081】
表25に示すように、第2実施形態は、各条件式を満たす。
【0082】
本実施形態において、前記撮像光学レンズ20の有効口径ENPDは、3.635mmであり、全視野像高IHは、5.120mmであり、対角線方向の画角FOVは、76.44°である。前記撮像光学レンズ20は、大口径、広角化、超薄型の設計要求を満たし、その軸上、軸外色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0083】
(第3実施形態)
第3実施形態は、ほぼ第1実施形態と同じであり、符号の意味は、第1実施形態と同じであり、以下、相違点のみを列挙する。
【0084】
図9は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を示す。
【0085】
表9は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30の設計データを示す。
【0086】
【0087】
表10は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における各レンズの非球面データを示す。
【0088】
【0089】
表11及び表12は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における各レンズの湾曲点及び停留点の設計データを示す。
【0090】
【0091】
【0092】
図10及び
図11は、それぞれ、第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm、470nm及び430nmの光の軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。
図12は、第3実施形態に係る撮像光学レンズ30を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図12の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0093】
表25に示すように、第3実施形態は、各条件式を満たす。
【0094】
本実施形態において、前記撮像光学レンズ30の有効口径ENPDは、3.330mmであり、全視野像高IHは、5.120mmであり、対角線方向の画角FOVは、80.00°である。前記撮像光学レンズ30は、大口径、広角化、超薄型の設計要求を満たし、その軸上、軸外の色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0095】
(第4実施形態)
第4実施形態は、ほぼ第1実施形態と同じであり、符号の意味は、第1実施形態と同じであり、以下、相違点のみを列挙する。
【0096】
図13は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を示す。
【0097】
表13は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40の設計データを示す。
【0098】
【0099】
表14は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における各レンズの非球面データを示す。
【0100】
【0101】
表15及び表16は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における各レンズの湾曲点及び停留点の設計データを示す。
【0102】
【0103】
【0104】
図14及び
図15は、それぞれ、第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm、470nm及び430nmの光の軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。
図16は、第4実施形態に係る撮像光学レンズ40を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図16の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0105】
表25に示すように、第4実施形態は、各条件式を満たす。
【0106】
本実施形態において、前記撮像光学レンズ40の有効口径ENPDは、3.247mmであり、全視野像高IHは、5.120mmであり、対角線方向の画角FOVは、83.54°である。前記撮像光学レンズ40は、大口径、広角化、超薄型の設計要求を満たし、その軸上、軸外色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0107】
(第5実施形態)
第5実施形態は、ほぼ第1実施形態と同じであり、符号の意味は、第1実施形態と同じであり、以下、相違点のみを列挙する。
【0108】
図17は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50を示す。
【0109】
表17は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50の設計データを示す。
【0110】
【0111】
表18は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50における各レンズの非球面データを示す。
【0112】
【0113】
表19及び表20は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50における各レンズの湾曲点及び停留点位置の設計データを示す。
【0114】
【0115】
【0116】
図18及び
図19は、それぞれ、第5実施形態に係る撮像光学レンズ50を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm、470nm及び430nmの光の軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。
図20は、第5実施形態に係る撮像光学レンズ50を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図20の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0117】
表25に示すように、第5実施形態は、上記条件式を満たす。
【0118】
本実施形態において、前記撮像光学レンズ50の有効口径ENPDは、3.366mmであり、全視野像高IHは、5.120mmであり、対角線方向の画角FOVは、80.82°である。前記撮像光学レンズ50は、大口径、広角化、超薄型の設計要求を満たし、その軸上、軸外色収差が十分に補正され、かつ、優れた光学特性を有する。
【0119】
(比較実施形態)
比較実施形態の符号的意味は、第1実施形態と同じであり、以下、相違点のみを列挙する。
【0120】
図21は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60を示す。
【0121】
表21は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60の設計データを示す。
【0122】
【0123】
表22は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60における各レンズの非球面データを示す。
【0124】
【0125】
表23及び表24は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60における各レンズの湾曲点及び停留点の設計データを示す。
【0126】
【0127】
【0128】
図22及び
図23は、それぞれ、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60を通過した後の波長650nm、610nm、555nm、510nm、470nm及び430nmの光の軸上色収差及び倍率色収差の概略図である。
図24は、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60を通過した後の波長555nmの光の像面湾曲及び歪曲収差の概略図である。
図24の像面湾曲Sは、矢状方向の像面湾曲であり、Tは、子午線方向の像面湾曲である。
【0129】
以下の表25は、上記条件に従って比較実施形態の各条件式に対応する値を列挙する。明らかに、比較実施形態に係る撮像光学レンズ60は、上記条件式-2.00≦f5/f6≦-0.79を満たしていない。
【0130】
比較実施形態において、前記撮像光学レンズ60の有効口径ENPDは、3.162mmであり、全視野像高IHは、5.120mmであり、対角線方向の画角FOVは、80.34°である。前記撮像光学レンズ60は、大口径、広角化、超薄型の設計要求を満たしていない。
【0131】
【0132】
当業者は、上記各実施形態が本発明を実現する具体的実施形態であることを理解することができる。実際の適用に当たっては、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない範囲で、その形態及び詳細に種々の変更が加えられてもよい。
【要約】 (修正有)
【課題】光学性能に優れ、大口径、広角化、超薄型の設計要求を満たす撮像光学レンズを提供する。
【解決手段】物体側から結像側に正の第1レンズ、負の第2レンズ、正の第3レンズ、負の第4レンズ、正の第5レンズ及び負の第6レンズからなり、撮像光学レンズの焦点距離はf、第3レンズの焦点距離はf3、第5レンズの焦点距離はf5、第6レンズの焦点距離はf6、第4レンズの物体側面の中心曲率半径はR7、第4レンズの結像側面の中心曲率半径はR8、第5レンズの物体側面の中心曲率半径はR9、第5レンズの結像側面の中心曲率半径はR10、第1レンズの結像側面から第2レンズの物体側面までの光軸上距離はd2、第2レンズの光軸上厚みはd3であり、以下の関係式を満たす。
2.00≦f3/f≦6.00
-2.00≦f5/f6≦-0.79
-5.00≦R7/R8≦-1.00
-0.90≦R9/R10≦-0.20
0.25≦d2/d3≦1.00
【選択図】
図1