IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーロラ フライト サイエンシズ コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電流制御を有するバッテリスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20240816BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H02M3/155 P
H02J7/10 H
H02J7/10 B
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020027969
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2020156313
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】16/283,092
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500461860
【氏名又は名称】オーロラ フライト サイエンシズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クラウス, ギルバート ルイス, ジュニア
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-060303(JP,A)
【文献】特開2008-035675(JP,A)
【文献】特開2014-064417(JP,A)
【文献】特開2010-057316(JP,A)
【文献】特開2012-244642(JP,A)
【文献】特開2017-042003(JP,A)
【文献】特表2019-508838(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0015229(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
H02J 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能バッテリスイッチを用いてバッテリパック(212、212a、820)を外部バス(818)に選択的に接続するための方法であって、前記多機能バッテリスイッチ(800)が、バックブーストコンバータ(824)を規定するように抵抗器(812)及びインダクタ(810)と共に配置されている複数のスイッチ(804)に動作可能に連結された多機能コントローラ(802)を含み、前記バッテリパックが、電気的に直列に配置されて可変出力電圧を有するバッテリストリングを規定している複数の切り替え可能なバッテリモジュールを有する再構成可能なバッテリパックであり、
前記方法が、
前記抵抗器(812)を通る電流を測定して電流測定値を生成すること、
前記バッテリパック(212、212a、820)の電圧を測定してバッテリ電圧測定値を生成すること、
前記外部バス(818)の電圧を測定してバス電圧測定値を生成すること、
前記バッテリ電圧測定値と前記バス電圧測定値との間の差動電圧測定値を計算すること、
前記多機能コントローラ(802)を介して、前記電流測定値、前記バッテリ電圧測定値、前記バス電圧測定値、及び前記差動電圧測定値の関数として一又は複数のスイッチ(804)コマンド(808)を生成すること、並びに
前記バッテリパック(212、212a、820)と前記外部バス(818)との間の電力転送を調節するために、前記スイッチ(804)コマンド(808)を介して前記複数のスイッチ(804)の各々を個別に制御すること
を含む方法。
【請求項2】
前記一又は複数のスイッチコマンド(808)が、充電のみの動作及び放電のみの動作を容易にするために前記複数のスイッチ(804)を制御するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電力転送に対してステップアップ又はステップダウン電圧調整を加える少なくとも一つのパルス幅変調(PWM)制御技術を使用して、前記一又は複数のスイッチコマンド(808)を変調するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
理想ダイオードとして動作するように前記複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを制御して、(1)放電のみの動作の間に前記バッテリパック(212、212a、820)の中に電流が流入することを防止し、(2)充電のみの動作の間に前記バッテリパック(212、212a、820)から電流が流出することを防止するステップを更に含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
記複数の切り替え可能なバッテリモジュールの各々がバッテリセル(772)とバッテリスイッチを含み、
前記バッテリスイッチ(762)が、(1)前記バッテリスイッチ(762)が第1の位置にあるとき、前記バッテリセル(772)を前記バッテリストリング(766)に電気的に接続して前記可変出力電圧を上昇させ、(2)前記バッテリスイッチ(762)が第2の位置にあるとき、前記バッテリセル(772)を前記バッテリストリング(766)から電気的に迂回するように構成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記多機能コントローラ(802)を介して、前記再構成可能なバッテリパック(212、212a、820)の前記可変出力電圧に前記複数のスイッチ(804)を介して微調整を加えるスイッチ(804)コマンド(808)を生成するステップ、及び
前記複数の切り替え可能なバッテリモジュールを介して前記再構成可能なバッテリパック(212、212a、820)の前記可変出力電圧に粗調整を加えるように前記バッテリスイッチ(762)を制御するステップ
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
バッテリパック(212、212a、820)を外部バス(818)に選択的に接続するための多機能バッテリスイッチ(800)であって、前記バッテリパックが、電気的に直列に配置されて可変出力電圧を有するバッテリストリングを規定している複数の切り替え可能なバッテリモジュールを有する再構成可能なバッテリパックであり、
多機能コントローラ(802);
各々が前記多機能コントローラ(802)からのスイッチ(804)コマンド(808)を介して独立に制御可能である複数のスイッチ(804)、
インダクタ(810);及び
抵抗器(812)
を備え、前記インダクタ(810)、前記抵抗器(812)、及び前記複数のスイッチ(804)が、前記多機能コントローラ(802)からの前記スイッチ(804)コマンド(808)の関数として前記バッテリパック(212、212a、820)と前記外部バス(818)との間の電力転送を選択的に調節するバックブーストコンバータ(824)を規定するように配置されている、
多機能バッテリスイッチ(800)。
【請求項8】
前記多機能コントローラ(802)が、充電のみの動作及び放電のみの動作を容易にするために前記複数のスイッチ(804)を制御するように構成されている、請求項7に記載の多機能バッテリスイッチ(800)。
【請求項9】
前記多機能コントローラ(802)が、前記電力転送に対してステップアップ又はステップダウン電圧調整を加える一又は複数のパルス幅変調(PWM)制御技術を使用して、前記複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを制御するように構成されている、請求項7又は8に記載の多機能バッテリスイッチ(800)。
【請求項10】
前記多機能コントローラ(802)が、前記複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御するように構成されている、請求項7から9のいずれか一項に記載の多機能バッテリスイッチ(800)。
【請求項11】
前記多機能コントローラ(802)が、前記複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御して、放電のみの動作の間に前記バッテリパック(212、212a、820)の中へ電流が流入することを防止するように構成されている、請求項7から10のいずれか一項に記載の多機能バッテリスイッチ(800)。
【請求項12】
前記多機能コントローラ(802)が、前記複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御して、充電のみの動作の間に前記バッテリパック(212、212a、820)から電流が流出することを防止するように構成されている、請求項7から11のいずれか一項に記載の多機能バッテリスイッチ(800)。
【請求項13】
前記複数のスイッチ(804)が、第1のスイッチ(804a)、第2のスイッチ(804b)、第のスイッチ(804c)、及び第4のスイッチ(804d)を含む、請求項7から12のいずれか一項に記載の多機能バッテリスイッチ(800)。
【請求項14】
前記多機能コントローラ(802)が、前記再構成可能なバッテリパック(212、212a、820)の前記可変出力電圧に対して微調整を加えるように前記バックブーストコンバータ(824)の前記複数のスイッチ(804)を制御する、請求項7から13のいずれか一項に記載の多機能バッテリスイッチ(800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば航空機に用いるために適切な、バッテリ電源のシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高高度長時間滞空ソーラパワー航空機の概念は、多数の航空ビークル研究プロジェクトによって論証されている。ソーラパワー発電システムは一般的に、最大電力点(MPP)トラッカといった制御回路を介してバッテリグリッド(又は類似のバッテリシステム)と接続するソーラパネルのアレイに依存する。
【0003】
MPPトラッカは、動作時に、ソーラパネルのアレイに現れる負荷インピーダンスを調整し、ソーラアレイから最大電力を引き出す回路アセンブリを提供する。ソーラアレイから集められた電力は、次いでバッテリパック/バッテリグリッドのアセンブリに蓄積される。しかしながら、最大電力点(MPP)トラッカ及びその他のバッテリ電源システムは、システム全体の重量及び複雑性を増加させる。
【0004】
先行技術の欠点を克服することのできるソーラパワー及びバッテリ電源のシステムと方法が必要とされている。このような軽量で効率的なバッテリパック及びバッテリパックアセンブリは、長時間滞空ソーラパワー航空機といった超軽量航空機の分野に用いることができる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、例えば航空機に用いるために適切な、バッテリ電源のシステムと方法に関する。
【0006】
第1の態様によれば、多機能バッテリスイッチを有する外部バスにバッテリパックを選択的に接続するための方法が提供され、この多機能バッテリスイッチは、バックブーストコンバータを規定するように抵抗器及びインダクタと共に配置されている複数のスイッチに動作可能に連結された多機能コントローラを含む。方法は、抵抗器を通る電流を測定して電流測定値を生成すること、バッテリパックの電圧を測定してバッテリ電圧測定値を生成すること、外部バスの電圧を測定してバス電圧測定値を生成すること、バッテリ電圧測定値とバス電圧測定値の間の差動電圧測定値を計算すること、多機能コントローラを介し、電流測定値、バッテリ電圧測定値、バス電圧測定値、及び差動電圧測定値の関数として一又は複数のスイッチコマンドを生成すること、並びにスイッチコマンドを介して複数のスイッチの各々を独立に制御し、バッテリパックと外部バスの間の電力転送を調整することを含む。
【0007】
一部の態様では、一又は複数のスイッチコマンドは、充電のみの動作及び放電のみの動作を容易にするために複数のスイッチを制御するように構成される。
【0008】
一部の態様では、方法は、電力転送に対してステップアップ又はステップダウン電圧調整を加える少なくとも一つのパルス幅変調(PWM)制御技術を使用して、一又は複数のスイッチコマンドを変調するステップを更に含む。
【0009】
一部の態様では、方法は、複数のスイッチのうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御して、(1)放電のみの動作の間にバッテリパックの中へ電流が流入することを防止し、(2)充電のみの動作の間にバッテリパックから電流が流出することを防止するステップを更に含む。
【0010】
一部の態様では、バッテリパックは、電気的に直列に配置されて、出力電圧を規定するバッテリストリングを規定している複数の切り替え可能なバッテリモジュールを有する再構成可能なバッテリパックであり、複数の切り替え可能なバッテリモジュールの各々はバッテリセルとバッテリスイッチとを含み、バッテリスイッチは、(1)バッテリスイッチが第1の位置にあるとき、バッテリセルをバッテリストリングに電気的に接続して出力電圧を上昇させ、(2)バッテリスイッチが第2の位置にあるとき、バッテリセルをバッテリストリングから電気的に迂回するように構成される。
【0011】
一部の態様では、方法は、多機能コントローラを介し、再構成可能なバッテリパックの出力電圧に複数のスイッチを介して微調整を加えるというスイッチコマンドを生成するステップ、及び再構成可能なバッテリパックの出力電圧に複数の切り替え可能なバッテリモジュールを介して粗調整を加えるようにバッテリスイッチを制御するステップを更に含む。
【0012】
第2の態様によれば、バッテリパックを外部バスに選択的に接続するための多機能バッテリスイッチが提供され、この多機能バッテリスイッチは、多機能コントローラ、各々が多機能コントローラからのスイッチコマンドを介して独立に制御可能な複数のスイッチ、インダクタ及び抵抗器を備え、インダクタ、抵抗器、及び複数のスイッチが、多機能コントローラからのスイッチコマンドの関数としてバッテリパックと外部バスとの間の電力転送を選択的に調整するバックブーストコンバータを規定するように配置される。
【0013】
一部の態様では多機能コントローラは、充電のみの動作及び放電のみの動作を容易にするために複数のスイッチを制御するように構成される。
【0014】
一部の態様では、多機能コントローラは、電力転送に対してステップアップ又はステップダウン電圧調整を加える一又は複数のパルス幅変調(PWM)を使用して、複数のスイッチのうちの少なくとも一つを制御するように構成される。
【0015】
一部の態様では、多機能コントローラは、複数のスイッチのうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御するように構成される。
【0016】
一部の態様では、多機能コントローラは、複数のスイッチのうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御して、放電のみの動作の間にバッテリパックの中へ電流が流入することを防止するように構成される。
【0017】
一部の態様では、多機能コントローラは、複数のスイッチのうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御して、充電のみの動作の間にバッテリパックから電流が流出することを防止するように構成される。
【0018】
一部の態様では、複数のスイッチは、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ、及び第4のスイッチを含む。
【0019】
一部の態様では、第1のスイッチは、インダクタの第1のインダクタ端子とバッテリパックの第1のバッテリ端子との間に電流を通すように構成され、第2のスイッチは、インダクタの第1のインダクタ端子とバッテリパックの第2のバッテリ端子との間に電流を通すように構成される。
【0020】
一部の態様では、第3のスイッチは、インダクタの第2のインダクタ端子と外部バスの第1のバス端子との間に電流を通すように構成され、第4のスイッチは、インダクタの第2のインダクタ端子と外部バスの第2のバス端子との間に電流を通すように構成される。
【0021】
一部の態様では、多機能バッテリスイッチは、(1)抵抗器を通る電流測定値又は(2)抵抗器の電圧測定値を出力する増幅器を更に備える。
【0022】
一部の態様では、多機能バッテリスイッチは、(1)バッテリパックのバッテリ電圧と(2)外部バスの電圧との間の差動電圧測定値を出力する増幅器を更に備える。
【0023】
一部の態様では、多機能コントローラは、電流測定値、電圧測定値、又は差動電圧測定値の関数としてスイッチコマンドを生成するように構成される。
【0024】
一部の態様では、バッテリパックは、電気的に直列に配置されて可変出力電圧を有するバッテリストリングを規定する複数の切り替え可能なバッテリモジュールを有する、再構成可能なバッテリパックである。
【0025】
一部の態様では、多機能コントローラは、再構成可能なバッテリパックの可変出力電圧に対して微調整を加えるように、バックブーストコンバータの複数のスイッチを制御する。
【0026】
ここに記載されるデバイス、システム、及び方法の、上述の及びその他の目的、特徴、及び利点は、添付図面に示される、それらの特定の実施形態についての以下の記載から明らかになろう。添付図面では、類似の参照番号は類似の構造物を表わしている。図は必ずしも正しい縮尺で描かれておらず、それよりも、ここに記載されるデバイス、システム、及び方法の原理を例示することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1a】第1の態様による例示的なソーラパワー航空機を示している。
図1b】第2の態様による例示的なソーラパワー航空機を示している。
図2】バッテリアレイを有する例示的なソーラパワー発電システムを示している。
図3】ソーラパワー航空機のための例示的な簡略化単一電源チャネルを示している。
図4】最大電力点を示す一組のグラフを示している。
図5】ソーラパワー航空機のための例示的な電力システムを示している。
図6】アレイ統合及び切り替えユニット(ACSU)のための例示的な電力線図を示している。
図7a】バッテリ管理システムのブロック図である。
図7b】バッテリ管理システムの例示的なバッテリパックのブロック図である。
図7c】バッテリパックの例示的なバッテリストリングを示している。
図8】第1の態様による多機能バッテリスイッチを示している。
図9】aからcは、電圧ステップダウン放電構成にある多機能バッテリスイッチを示している。
図10】aからcは、電圧ステップアップ放電構成にある多機能バッテリスイッチを示している。
図11】aからcは、電圧ステップダウン充電構成にある多機能バッテリスイッチを示している。
図12】aからcは、電圧ステップアップ充電構成にある多機能バッテリスイッチを示している。
図13】バッテリパックを外部バスに選択的に接続するための例示的な方法を示している。
図14a】第2及び第3の態様による多機能バッテリスイッチを示している。
図14b】第2及び第3の態様による多機能バッテリスイッチを示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
別途断らない限り又は本文から明らかでない限り、単数形のアイテムへの言及は複数形のアイテムを含み、逆も同様であることを理解されたい。別途断らない限り又は本文から明らかでない限り、文法的接続詞は、結合される句、文、及び語等のあらゆる離接的及び接続的組み合わせを表現することを意図している。ここに列挙される値の範囲は、別途断らない限り、限定を意図するものではなく、その代わりに、この範囲に含まれるあらゆる値に個別に言及し、このような範囲に含まれる別個の値は各々、それがここに個別に列挙されているのと同様に、本明細書に組み込まれる。以下の記載において、「第1の」「第2の」「上」「下」「側」「前」「後」等の用語は、利便性のための語であり、限定するための用語と解釈されるべきでないことを理解されたい。
【0029】
ここで使用される「約」、「概ね」、「実質的な」等の語は、数値を伴うとき、意図された目的のために十分機能すると当業者に認識されるであろう偏差を示すと解釈されたい。ここに提供される値及び/又は数値の範囲は、例としてのみ提示され、記載される実施形態の範囲に対する限定を構成するものではない。ここに提供されるあらゆる実施例、及び例示的文言(「例えば」、「といった」等)の使用は、単に実施形態の理解を容易にすることを意図したものであり、実施形態の範囲を限定するものではない。「例えば」という語は、一又は複数の非限定的な実施例、事例、又は例示の列挙を開始する。本明細書中のいかなる文言も、特許請求されていない何らかの要素が実施形態の実施に必須であることを示していると解釈すべきではない。
【0030】
ここで使用される「回路」という用語は、物理的な電子構成要素(即ちハードウエア)、並びにハードウエアを設定する、ハードウエアによって実行される、及び/又はそれ以外の方法でハードウエアに関連付けられる任意のソフトウエア及び/又はファームウエア(「コード」)を指す。ここで使用される、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、第1の一又は複数のコードラインを実行するとき第1の「回路」を含むことができ、第2の一又は複数のコードラインを実行するとき第2の「回路」を含むことができる。
【0031】
ここで使用される「航空ビークル」及び「航空機」という用語は、互換可能に使用されて飛行可能なマシンを指し、そのような飛行可能なマシンには、限定されないが、従来型の滑走路離着陸型及び垂直離着陸型(「VTOL」)の両方の航空機が含まれ、また、有人航空輸送体と無人航空輸送体(UAV)の両方が含まれる。VTOL航空機は、固定翼航空機(例えばハリヤージェット)、回転翼機(例えばヘリコプター、マルチローター等)、及び/又はチルトローター/チルト翼航空機を含み得る。
【0032】
「及び/又は」という語は、「及び/又は」によってつながれた列挙アイテムのうちのいずれか一又は複数を意味する。例として、「x及び/又はy」は、三つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちのいずれかの要素を意味する。換言すると、「x及び/又はy」は、「xとyの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y、及び/又はz」は、七つの要素の組 {(x)、(y)、(z)、(x、y)、(x、z)、(y、z)、(x、y、z)}のうちのいずれかの要素を意味する。換言すれば、「x、y、及び/又はz」は、「x、y、及びzのうちの一又は複数」を意味する。
【0033】
ここで使用される「複合材料」という用語は、付加材料とマトリクス材料を含む材料を指す。例えば、複合材料には、繊維性付加材料(例えば、繊維ガラス、ガラス繊維(「GF」)、炭素繊維(「CF」)、アラミド/パラアラミド合成繊維等)、及びマトリクス材料(例えば、限定しないが、熱可塑性物質、ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリカーボネート、鋳造用樹脂、ポリマー樹脂、アクリル、化学樹脂を含むエポキシ、ポリイミド、及びアルミナ)が含まれる。一部の態様では、複合材料は、繊維金属積層板(FML)及びガラス積層板アルミ強化エポキシ(GLARE)を生成するために、アルミニウム及びチタニウムといった金属を採用することができる。更に、複合材料は、基本的な繊維/エポキシマトリクスに何らかの補完材料(例えば、二つ以上の繊維材料)を付加することによって得られるハイブリッド複合材料を含み得る。
【0034】
ここで使用される「複合材積層板」という用語は、付加材料及びマトリクス材料の層(即ち、「プライ」)から組み立てられた複合材料の種類を指す。
【0035】
ここで使用される「伝達する」及び「伝達している」という用語は、(1)発信元から送信先までデータを送信、若しくは他の方法で運搬すること、及び/又は(2)データを、送信先まで運搬するために、通信用の媒体、システム、チャネル、ネットワーク、デバイス、回線、ケーブル、ファイバ、回路、及び/又はリンクに送達することを指す。
【0036】
ここで使用される「プロセッサ」という用語は、ハードウエア、有形に組み込まれたソフトウエア、又はそれら両方に実装された、プログラム可能又は不能の、処理装置(device)、装置(apparatuses)、プログラム、回路、コンポーネント、システム、及びサブシステムを意味する。ここで使用される「プロセッサ」という用語には、限定されないが、一又は複数の演算デバイス、有線接続された回路、信号変調デバイス及びシステム、制御システム向けのデバイス及びマシン、中央処理ユニット、プログラム可能なデバイス及びシステム、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、システムオンチップ、個別の要素及び/又は回路を備えるシステム、ステートマシン、仮想マシン、データプロセッサ、処理設備、並びに、上記のいずれかの組み合わせが含まれる。プロセッサは、例えば、任意の種類の汎用マイクロプロセッサ若しくは汎用マイクロコントローラ、デジタル信号処理(DSP)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)である。プロセッサは、メモリデバイスに連結又はメモリデバイスと一体化され得る。メモリ装置は、任意の適切な種類のコンピュータメモリ、又は任意の他の種類の電子記憶媒体とすることができ、それは例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、コンピュータ可読媒体等である。
【0037】
ここで使用される用語「ソーラパネル」は、太陽エネルギーを収集して発電するように構成された一又は複数の光起電セルを指す。ソーラパネルは、以下のソーラセルの種類、即ち単結晶シリコンソーラセル、多結晶シリコンソーラセル、ストリングリボンソーラセル、薄膜ソーラセル(TFSC)、テルル化カドミウム(CdTe)ソーラセル、セレン化銅インジウムガリウム(CIS/CIGS)ソーラセル等のうちの一又は複数を採用することができる。総重量を低減し、信頼性及び耐久性を向上させるために、軽量及び/又はフレキシブルソーラパネル(例えば、薄膜ソーラパネル)を採用することが有利である。
【0038】
ここで使用される回路又はデバイスは、この回路又はデバイスが機能を実施するのに必要なハードウエア及びコードを(必要であれば)含む場合には常に、(例えば、ユーザによって設定可能な設定や、工場の調整等により)機能の実施が無効か又は有効でないかを問わず、機能を実施するよう「動作可能」である。
【0039】
図1a及び1bは、例示的なソーラパワー航空機100a、100bを示している。具体的には、図1aは、単一の胴体110と尾部支材104とを有する第1のソーラパワー航空機100aの等角図であり、図1bは、二つの並列の胴体110a、110bの組と二つの並列の第1及び第2の尾部支材104a、104bの組とを有する第2のソーラパワー航空機100bの等角図である。図示のように、二つの並列の胴体110a、110bの各々は、推進装置124を含み得る。ソーラパワー航空機100a、100bは、一般に、翼102、一又は複数の推進装置124(例えば、プロペラ124aと、一又は複数のモータ124bによって軸方向に駆動されるそれに関連付けられた伝導装置)、一又は複数の胴体110(例えば、単一の胴体110又は一組の胴体110a、110b)、一又は複数の尾部支材104(例えば、単一の尾部支材104又は一組の尾部支材104a、104b;それぞれ胴体110の機尾に連結された長形の支材として図示される)、一又は複数の尾部セクション112(例えば、単一の尾部セクション112又は一組の尾部セクション112a、112b)、及び着陸装置120を備える。図示のように、翼102は、第1の翼端122a(左舷側)、第2の翼端122b(右舷側)、及び第1の翼端122aと第2の翼端122bの間の概ね中間にある翼102の翼幅の中心点122cを含む。
【0040】
ソーラパワー航空機100a、100bの種々の構造構成要素は、金属、複合材料、又はこれらの組み合わせから製造することができる。例えば、翼102のいくつかの部分は、熱溶解積層法(FDM)、ステレオリソグラフィ(SLA)、選択的レーザ焼結(SLS)、及び/又は他の任意の適切な種類の付加製造/3Dプリンティングを使用して製造することができる。このような製造方法の恩恵は、先端的な感知及び3Dプリンティング分野を使用して高性能で更に安定な航空機が生産されることである。FDMは、構成要素を一度に一層ずつ生成する熱的ポリマー層堆積プロセスであり、航空機構成要素を迅速に、少量で、且つ厳密な材料仕様に合わせて効果的にプリントする。FDMを使用して、多数の翼設計の反復を安価で製造し、所望の強度及び剛性要件、操縦翼面のサイズ決定、及びその他の特性を満たすことができる。更に、目的に合わせたセンサ統合、追加的な作動スキームの生成又は操縦翼面配置の変更の容易化、翼に掛かる歪みの特徴づけの容易化、及び翼の剛性を容易に変更する能力を可能にして、所与の用途における固有受容性感知のための最適なプラットフォームを提供するために、追加の翼パネル/構成要素を製造することができる。このような性能は、交換用構成要素が容易に再生可能であるため、翼損傷に対する頑健性も提供する。
【0041】
各推進装置124は、一般に、プロペラ124aに連結されて、プロペラ124aを駆動する/回転させるように構成されたモータ124bを含む。モータ124bは、電子速度コントローラ(ESC)ユニットといったモータコントローラ306を介して制御される電気モータとすることができる。このために、ESCユニット(又は別のモータコントローラ306)がモータ124bを制御するために提供され、モータ124bは、翼102に連結(又は他の方法で統合)され得る(例えば、ナセルポッドの一部として)。推進装置124は、翼102、尾部支材104(例えば、近位端に)、又はこれらの組み合わせに配置することができる。例えば、推進装置124の各々は、プッシャ構成又はトラクタ構成(図示)で翼102の上又は内部に配置される。更に、図示の各胴体110は、それに関連付けられた単一の推進装置124を有しているが、追加の推進装置124が設けられてもよい。推進構成に関係なく、複数の推進装置124の各々は、尾部支材104(機尾)の遠位端の方向に推力を向けるように配向することができる。
【0042】
翼102及び/又は水平安定板126は、発電するソーラパネル106の一又は複数のアレイを備えることができる。図1aに示されるように、ソーラパネル106は、翼102の上側表面に沿って尾部支材104/胴体110の各側に配置され得る。ソーラパワー航空機100a、100bは、ビークル管理システム218及び種々の電気負荷に電力供給するための、ソーラパネル106に動作可能に連結された一又は複数のエネルギー蓄積装置を更に含み得る。一又は複数のエネルギー蓄積装置は、ソーラパワー航空機100a、100bが後で使用できるように(例えば、日光が利用できない時、一般的には夜間)、収集された太陽エネルギーを蓄積する。ここで使用される「エネルギー蓄積装置」は、バッテリ、又はソーラパネル106から収集されたエネルギーを蓄積及び送信することのできる、当業者に既知である類似の手段を指し、限定しないが、再充電可能なバッテリ(例えば、リチウムポリマーバッテリ)、再生可能燃料電池、又はこれらの組み合わせを含む。
【0043】
図示の翼102はテーパのない船外部分を有する概ね線形であるが、後方傾斜、テーパ付き、矩形、楕円形、前方傾斜等といった他の構成が考えられる。したがって、翼102は、任意の種類の固定翼とすることができ、限定しないが、直線翼、後退翼、前進翼、上反翼(水平から上向きの角度)、下反翼(上反角の逆-水平から下向きの角度)、又は当業者に既知である他の任意の適切な種類の固定翼を含む。図示のように、翼102の翼幅は、胴体(複数可)110及び尾部支材(複数可)104の長手方向長さに対して実施的に垂直であり得る。しかしながら、翼102は、代わりに後退翼又は前進翼でもよい。一部の態様では、翼102は、モジュール式で、逆アセンブルできるように構成されてよく、それによりソーラパワー航空機100a、100bは更に容易に陸送可能である、及び/又はハンガー若しくは格納用のその他構造物内部に物理的に収まる。例えば、翼102は、複数の翼パネルモジュールから製造し、一組のジョイントを介して互いの端と端を取り外し可能に接合することができる。ジョイントの各々は、一又は複数のファスナ(例えば、ボルト、クリップ等)及び電気コネクタ(例えば、プラグ、コンタクト等)を用いて、それらの間の物理的及び電気的連結を容易にすることができる。
【0044】
理解できるように、翼の操縦翼面は一般的に、追加の構造補強材及びアクチュエータを必要とし、その結果重量が増加する。加えて、翼に操縦翼面を加えることは、飛行中の抗力を増加させる。更に、翼の操縦翼面は、ソーラパネル106が翼102の上側表面をなるべく多く覆うことができるように実質的に切れ目のない構造を有するのとは反対に、外板パネルが複数のセクションに分割されることを必要とし得る。最終的に、操縦翼面を製造することは、取り付け機構、ヒンジ、追加部品、及び/又は複数外板パネルが作製されなければならないため、複雑性を増す。しかしながら、操縦翼面を取り除くことで、これら複雑性が排除される。したがって、従来の航空機とは異なり、翼102はその翼幅の後縁又は前縁に沿って可動操縦翼面(例えば、フラップ、スラット等)を含む必要がない。実際、重量及び複雑性を低減するために、翼102は一般に可動操縦翼面を有さずともよい。例えば、翼102の上側及び下側表面は、動く部品を何も有さない一体構造として製造することができる。その代わりに、翼102の制御は、各尾部支材104の遠位端に配置される尾部セクション112のうちの一又は複数に配置された操縦翼面によって行うことができる。
【0045】
ソーラパワー航空機100a、100bは、一又は複数の尾部支材料104を用いることができる。一態様では、単一の尾部支材104(図1a参照)が、又はその他態様では、複数の尾部支材、例えば、第1の尾部支材104aと第2の尾部支材104b(図1b参照)とが用いられる。構成のいかんに関係なく、各尾部支材104は近位端と遠位端を画定し、尾部支材料104の各々は、その近位端において胴体110又は翼102に固定され、その遠位端において尾部セクション112に連結される。ソーラパワー航空機100a、100b(例えば、尾部支材料104、胴体110等)は、管状コア構造118を使用して製造することができ、次いでこれを航空機外板(例えば、複合材料、ファブリック、金属、金属合金等)で覆うことができる。図1aの詳細Aは管状コア構造118を最もよく示しており、ここでは明瞭に示すために航空機の外板が取り外されている。一部の態様では、尾部支材104及び胴体110は単一の一体式構成要素として製造され得る。図示のソーラパワー航空機100bは二つの胴体110と二つの尾部支材料104とを有しているが、当業者であれば、所望の機能を達成するために、例えば翼102の長さの関数として、これよりも多い又は少ない胴体110/尾部支材料104を採用可能であることを理解するであろう。
【0046】
離陸及び着陸を容易にするため、ソーラパワー航空機100a、100bには一又は複数の組の着陸装置120を具備することができ、これは航空ビークルの機体支持部に配置され得る。例えば、一組の着陸装置120が、翼102、胴体110、及び/又は尾部支材104の下側に設けられる。着陸装置120は、特に、一組の車輪(図示)及び/又はスキッドを用いることができる。動作時、着陸装置120は、飛行していないソーラパワー航空機100a、100bを支持し、機体に損傷を与えずに離陸、着陸、及びタクシーさせる働きを有する。
【0047】
図示のように、各尾部セクション112は、所望の方向に尾部セクション112を動かす/操縦する一又は複数の操縦翼面を含むことができる。例えば、各尾部セクション112は、尾部支材104から垂直(上方及び/又は下方)に延びる垂直安定板108(例えば、垂直尾翼)、垂直安定板108に動作可能に連結された方向舵114、尾部支材104の各側から側方に延びる水平安定板126、及び水平安定板126の各側に動作可能に連結された昇降舵116(又はその一部分)を含む。ソーラパワー航空機100a、100bの尾部セクション112は、ソーラパワー航空機100a、100bのピッチ、ロール、及びヨー全体を制御するために、(例えば、飛行コントローラ/ビークル管理システム218を介して)選択的に制御することができ、それにより翼102の可動操縦翼面が不要になる。昇降舵116は、尾部セクション112のピッチを変更するために使用され、方向舵114は尾部セクション112のヨーを変更するために使用される。尾部セクション112のピッチ及び/又はヨーは、尾部支材104が翼102に取り付けられる位置に局所的力モーメントを生じさせるために、方向舵114及び/又は昇降舵116を介して別々に制御することができる。
【0048】
各方向舵114は、一又は複数のヒンジを介して回転可能に及び/又はヒンジ式に垂直安定板108に連結され、垂直安定板108によって画定される軸の周りをその後縁において動くことができる。同様に、昇降舵116は、一又は複数のヒンジを介して回転可能に及び/又はヒンジ式に水平安定板126に連結され、水平安定板126によって画定される軸の周りをその後縁において動くことができる。一部の態様では、方向舵114及び/又は昇降舵116のうちの一又は複数は更に、例えば、垂直又は水平安定板に対する滑動及び/又は側方への移動といった他の非回転運動を可能にする機構(例えば、レール、トラック等)を有するように構成される。代替的な実施形態では、方向舵114及び/又は昇降舵116のうちの一又は複数は、所与の尾部セクション112から完全に省略され得る。所望の尾部構成に応じて、水平安定板126及び垂直安定板108は、互いに、及び尾部支材料104に動作可能に連結されるか、又は尾部支材料104にのみ動作可能に連結される。尾部セクション112は、複数の尾部構成の一つに構成することができ、例えば、胴体に取り付けられるもの、十字型、T型尾翼、フライングテール、パイテール(即ち、πテール)、V構成、逆V構成(即ち、「∧」構成)、ツインテール(Hテール構成又はUテール構成)等を含む。更に、水平安定板126は、直線状、後方傾斜、テーパ付き、矩形、楕円形、前方傾斜等とすることができる。一部の態様では、尾部セクション112は、Hテールと∧テールの組み合わせ構成を用いることができ、この場合、尾部セクション112が、Hテールと∧テールの組み合わせ構成を提供するために水平安定板126に連結される∧テール表面を含む。
【0049】
当業者であれば、尾部セクション112の設計及び/又は動作要件を満たす代替的及び/又は追加的な構造配置が実装可能であることを理解するであろう。例えば、尾部セクション112は、代わりに、一又は複数の垂直安定板108、一又は複数の水平安定板126、及び/又は水平及び垂直方向両方の寸法を有する傾斜した又はずれた安定板のみを用いてもよい。追加的に又は代替的に、尾部セクション112は、垂直安定板108上の複数の方向舵114及び/又は水平安定板126の各側の複数の昇降舵116を含むことができる。
【0050】
ソーラパワー航空機100a、100は、ソーラパワー航空機100a、100bの種々の機能を制御するように動作可能なビークル管理システム218を用いることができる。図2に示すように、ソーラパワー航空機100a、100bは、種々の電気負荷220に給電する一又は複数のバッテリアレイ200を具備することができる。電気負荷220には、例えば、一又は複数のペイロード(例えば、情報監視偵察(ISR)ペイロード)、一又は複数のモータ(例えば、推進装置124に接続して使用されるモータ124b)、アクチュエータ(例えば、尾部セクション112の飛行操縦翼面、着陸装置120等を制御する)等が含まれる。各バッテリアレイ200は、一般に一又は複数のバッテリバンク224を含み、各バッテリバンク224は、互いに電気的に連結された複数のバッテリパックアセンブリ202を有し、それにより、その長手方向長さに沿って電源ライン204、接地ライン206、及び望ましい場合はデータ通信ライン208を規定する。接地ライン206は、等電位点222(例えば、地面)に電気的に連結され得る。図示のように、バッテリバンク224内部のバッテリパックアセンブリ202は、電気的に並列に配置され得る。データ通信ライン208は、特に電源ライン204に対する電磁干渉(EMI)を軽減するために、遮蔽することができる。データ通信ライン208は、例えば、各バッテリパックアセンブリ202又はバッテリパック212の健全性及び/又は動作パラメータ(例えば、温度、湿度、電圧等)を監視又は制御する、一又は複数のセンサ又はデバイス214に連結することができる。
【0051】
バッテリバンク224内部のバッテリパックアセンブリ202は、一又は複数の相互コネクタ210を介して互いに電気的に接続されて、一つのバッテリパックアセンブリ202から別のバッテリパックアセンブリ202(例えば、隣接するバッテリパックアセンブリ202)への電力及び/又はデータ信号の受け渡しを容易にすることができる。相互コネクタ210は、例えば、互いに嵌合するように構成された第1のコネクタ210a(例えば、雌コネクタ)と第2のコネクタ210b(例えば、雄コネクタ)とを使用することができる。例えば、一行/一列に配置されると、電力及び/又はデータ信号は、相互コネクタ210を介してバッテリアレイ200の一端(例えば、近位端)からバッテリアレイ200の他端(例えば、遠位端)へ運搬されるか、又は他の方法で伝達され、相互コネクタの各々は、単離されたバッテリパックアセンブリ202が故障した場合にパススルー機能を提供することができる。例えば、バッテリパックアセンブリ202は、バッテリパックアセンブリ202が互いに対して取り付けられて、負荷を供給するため及びシステムコントローラ216と相互作用するための連続する電力及びデータ経路を形成するように、電力レール(例えば、電源ライン204、接地ライン206)とデータ通信ライン208をインライン接続に統合することができる。バッテリパックアセンブリ202の各々は、一又は複数の切り替えユニット228(例えば、継電器、ソリッドステートスイッチ等)を介して、選択的にバッテリバンク224にオンラインに切り替える(接続する)又はバッテリバンク224からオフラインに切り替える(接続解除する)ことができる。それは例えば、故障/誤作動の場合、又は所望の電力/性能に到達させる場合である。
【0052】
一部の態様では、バッテリアレイ200内部のバッテリバンク224を、必要に応じて拡張及び縮小することができる(例えば、追加のバッテリパックアセンブリ202を接続又は接続解除することができる)。換言すれば、電力及び/又はデータ信号は、バッテリバンク224を流れ、それにより、必要となるのはバッテリバンク224の一端における電気接続のみである。結果として、このようなバッテリバンク224を有するエネルギー蓄積システムは、迅速な電気的及び機械的統合を提供する。更に、バッテリパックアセンブリ202は、大量生産することができ、それにより高価で複雑な、時に信頼性に不安のあるハーネスが不要となる。動作時、プロセッサ制御可能なシステムコントローラ216は、一又は複数のバッテリアレイ200(及び各バッテリバンク224、バッテリパックアセンブリ202、又はバッテリセル772を別々に)、一又は複数のソーラパネル106(例えば、少なくとも二つのソーラパネル106から構成されるソーラアレイ226)、並びに一又は複数の電気負荷220の各々を監視する。例えば、入力パラメータ(例えば、ソーラパワー式航空機100のビークル管理システム218からの命令)に応答して、システムコントローラ216は、電気負荷220を調整する及び/又は電気負荷220の需要を満たすために一又は複数のバッテリアレイ200からの電力を調整(又は再分配)することができる。このために、システムコントローラ216は、複数のバッテリパックコントローラを組み込むか、又は複数のバッテリパックコントローラと動作可能に連結することができる。システムコントローラ216は、単信又は冗長化通信バスを通してエネルギー蓄積システム(例えば、バッテリアレイ200又はバッテリバンク224)内のバッテリパックアセンブリ202の各々に通信することができる。システムコントローラ216は、監視、通信、及び/又は制御のために一又は複数の制御エリアネットワーク(CAN)バスを用いることができ、外部バスを使用して、バッテリバンク(複数可)224(又はその構成要素)と電気負荷220又はソーラアレイ226との間で電力を転送することができる。一部の態様では、後述されるように、バッテリアレイ200は、電力割り付け切り替えユニットシステム及び/又はアレイ統合及び切り替えユニット(ACSU)のようなバッテリ群及びソーラパネル管理のためのアルゴリズムを採用することができる。
【0053】
バッテリアレイ200は、単一のバッテリバンク224から構成されるか又は複数のバッテリバンク224から構成されるかを問わず、複数の特徴及び利点を提供する。第1に、バッテリアレイ200は、電気負荷220のための電力を蓄積する。例示として、ソーラパワー航空機100のバッテリアレイ200は、完全に充電されると、全体として、ソーラパワー航空機100a、100bに対し、総エネルギー蓄積で約50から100kWhを提供することができる。しかしながら、理解できるように、エネルギー蓄積の量は、所望のエネルギー蓄積量を達成するためにバッテリパックアセンブリ202の数を調整することにより、増加又は減少させることができる。第2に、バッテリアレイ200は、少なくとも所定の期間(例えば、約60から120日、又は約90日)にわたり夜間運転により電力供給する。最後に、バッテリアレイ200は、バッテリアレイ200が、そのバッテリパックアセンブリ202、バッテリパック212、又はバッテリセル772の故障の際に正常に動作するように、飛行の安全性のために単一故障を許容する。例えば、バッテリアレイ200の構成要素は、ライン交換式ユニット(LRU)として提供することができ、この場合、バッテリパック212内の欠陥のあるバッテリセル772は、オフラインに切り替えて(例えば、スイッチアウト/迂回して)更なる故障保護を提供することができる。同様に、バッテリパックアセンブリ202内の欠陥のあるバッテリパック212は、更なる故障保護を提供するためにオフラインに切り替えることができる。各バッテリパックアセンブリ202は、例えば、六つのバッテリパック212を含むことができる。バッテリパック212は、直列、並列、又はこれらの組み合わせに配置して、自己再構成可能な多セルシステム(例えば、130VDCから327VDCの電力を供給するように構成された)を生むことができる。図7aから7cに関連して後述されるように、バッテリパック212のバッテリセル772は、特に、ソーラピークパワートラッキングと放電電圧レギュレーションとを可能にするように動的に再構成することができる。
【0054】
図3は、ソーラパワー航空機100a、100bのための例示的な簡略化単一電源チャネル300を示している。理解されるように、ソーラパワー航空機100a、100bは、複数の簡略化単一電源チャネル300(例えば、一つの胴体110に一つずつ、一つの推進装置124に一つずつ等)を使用することができる。ACSU302は、バッテリアレイ200(又はその一部)及びソーラパネル106(又はソーラアレイ226)に動作可能に連結することができる。ACSU302は、バッテリアレイ200、ソーラパネル106、及び電気負荷220(例えば、駆動システム314、アビオニクス312、及び任意のペイロード)に及び/又はそれらの間に電力を分配するために使用される。駆動システム314は一般に、モータコントローラ306、一又は複数の推進装置124(例えば、モータ124bに連結されたプロペラ124a)、及びモータコントローラ306によって送達される電力をフィルタリングする出力フィルタリング320を備える。出力フィルタリング320(例えば、一又は複数の電子フィルタ)は、モータコントローラ306と一又は複数の推進装置124との間に配置される。モータ124bは、例えば、鉄を含まないコアのハルバッハ配列を利用してもよい。ハルバッハ配列は、配列の一方の側の磁界を増大させると同時に他方の側の磁界をほぼゼロに消失させる永久磁石の配置を用いるものである。これは、空間的に回転する磁化パターンを有することにより達成される。
【0055】
プロペラ124aには可変ピッチブレードを用いることができ、ブレードはその長軸の周りを回転して、ハブに対するブレードピッチを変化させるように構成される。一部の態様では、プロペラ124aは、ピッチを負の値に設定することにより逆スラストを生成することのできる可逆プロペラとして構成することができる。逆スラストは、特に、シャフト回転の方向を変更する必要なく制動のために使用することができる。上昇飛行条件の間のプロペラのブレードの最適なピッチは、モータ124bの設計又は動作パラメータの関数として選択することができる。一部の態様では、プロペラのブレードは、RPMが低下する間にスラストの量を維持するためにピッチ設定することができる。例えば、最大速度及び最小DCバス電圧がモータ電圧定数(KV)を規定する場合、一定高度での巡航について速度範囲を縮小し、最適DCバス電圧を上昇させるために、上限上昇速度を1100から1000毎分回転数(RPM)へ減少させることができる。
【0056】
モータコントローラ306は、モータのスピード、その方向を変化させ、必要であればダイナミックブレーキとして働くように構成された電子回路である。図示のモータコントローラ306は、DCリンク316及び電圧形インバータ(VSI)コンバータ322を有しており、整流器はダイオードブリッジを含み、DCリンク316は分路コンデンサである。モータコントローラ306は、実際には、モータ124bのためのエネルギーの、電子的に生成される三相電源電圧源を提供する。動作時、モータコントローラ306は、モータ124bのためのエネルギーの、電子的に生成される三相電源電圧源を提供する。モータコントローラ306のパルス幅変調(PWM)周波数は、モータ124bとモータコントローラ306を組み合わせた場合の効率について最適化することができる。例えば、PWM周波数は、高い電流変化率(dI/dt)に起因する制御リスクを低減するために最適化することができ、これは電圧オーバーヘッドが大きい状況において特に有用であり得る。更に、PWM周波数を最適化することで、短いライン及び長いラインとバス停止の場合のバス静電容量に対処することができる。
【0057】
ソーラパネル106又はソーラアレイ226が最大電力を生むことのできる電圧は、最大電力点(MPP、又は時にピーク電力電圧)と呼ばれる。図4の電流(A)及び電力(kW)のグラフ400a、400bでは、MPPトラッキング(MPPT)を使用して、この電流条件におけるソーラパネル106からの最大利用可能電力を抽出している。MPPTは、ソーラパワーシステムにおいて重要である。一般に、MPPTは、太陽光出力電力を最適化するようにソーラパネルの負荷荷重を変化させる。ソーラパネル(複数可)106とバッテリアレイ200(又はその一部)との間の電気接続は、バッテリアレイ200の動的再構成と併せて、ソーラパネル(複数可)106のMPPT(例えば、2 Hzの)を可能にする。例えば、「P&O(perturb-and-observe)」のアルゴリズムを、MPPT制御スキームとして適用することができる。P&O技術は、バッテリセル772をバッテリパック212に加えること(又はバッテリセル772をバッテリパック212から除外すること)により実装することができる。したがって、動作時には、MPPTを容易にするために、バッテリセル772を、例えば、バッテリパック212中のバッテリストリングに加える又はバッテリパック212中のバッテリストリングから除外することができる。一般に、最適電圧は、概ねわずか~0.7%の誤差で、平均でセル電圧の1/2以内で達成することができる。
【0058】
日照時間中、各ソーラパネル106をバッテリバンク224に接続し、それによりソーラパネル106によって収集された太陽エネルギーを使用してバッテリバンク(複数可)224を充電することができる。最高電力(例えば、最大電力)を生成しているソーラパネル106は更に、電力を駆動システム314に供給し、それにより生成電力の使用を最大化するために使用することができる。図示のように、ソーラパネル106とバッテリバンク224/電気負荷220との間には、例えば、配線抵抗及び加熱に起因するジュール損失を別にすれば、電力変換損失はない。
【0059】
図5は、ソーラパワー航空機100a、100bのための例示的な電源システム500のブロック図である。動作時、電源システム500は、バッテリアレイ200とソーラパネル106(例えば、ソーラアレイ226)の組み合わせを介してソーラパワー航空機100a、100bに電力を提供する。以下の説明及び図面はソーラパネル106という用語を使用するが、本開示は必ずしも単一のソーラパネル106に限定されず、単一のソーラパネル106でも、又はソーラアレイ226内に配置された複数のソーラパネル106でもあり得る。
【0060】
ソーラパネル106及び/又はバッテリアレイ200からの電力は、特に、アビオニクス312(例えば、アクチュエータ、制御システム等)、一又は複数のペイロード 504等に電力供給するために使用することができる。例えば、ソーラパネル106及び/又はバッテリアレイ200は、飛行コントローラ又はビークル管理システム218からのコマンドに応答して、一又は複数の翼サーボ308a(例えば、使用される場合、翼102の、補助翼といった飛行操縦翼面を制御するアクチュエータ)及び尾部サーボ308b(例えば、尾部セクション112の、方向舵114及び昇降舵116といった飛行操縦翼面を制御するアクチュエータ)に電力供給するために使用することができる。バッテリアレイ200及び種々のサーボ(例えば、翼サーボ308a及び尾部サーボ308b)は、ライン交換式ユニット(LRU)310によって監視することができる。
【0061】
各バッテリアレイ200は一又は複数のバッテリパックアセンブリ202を含むことができ、一又は複数のバッテリパックアセンブリ202は一又は複数のバッテリバンク224内に配置することができ、各バッテリバンク224は二つ以上のバッテリパックアセンブリ202から構成される。バッテリバンク224は、例えば、胴体110、尾部セクション112、翼102(例えば、前縁又は上側表面)等に配置することができる。図示の各推進装置124は、モータ124b及び専用のモータコントローラ306を有している。追加のソーラパネル106を尾部セクション112の各々(例えば、水平安定板126及び垂直安定板108)に配置することができる。一部の態様では、翼102は、異なる別個のソーラアレイ226内に配置された複数のソーラパネル106を支持することができる。例えば、第1のソーラパネル106は前縁に配置することができ、第2のソーラパネル106は、翼102の上側(上部)表面の、前縁と後縁との間(例えば、使用される場合、飛行操縦翼面の前方)に配置することができる。
【0062】
電源システム500のアーキテクチャの利点は、電力バスが名目上互いから分離されることである。例えば、電源システム500は一般に、一つのサブシステムに生じた電気的故障が別のサブシステムに伝播しないように、サブシステム502a、502b、502c(例えば、電気的に分離されたドメイン)へと分割することができる。例えば、電源システム500は一般に、二つ以上の電気的に分離されたサブシステム(図5に三つのサブシステム502a、502b、502cとして示される)へと分割することができ、各サブシステムは、ソーラパワー航空機100a、100bの異なる領域(例えば、胴体110、翼102、翼の一部102等)に対応する。したがって、ソーラパワー航空機100a、100b(例えば、翼102)の一領域に位置する電源システム500の構成要素への損傷は、ソーラパワー航空機100a、100bの他の領域(例えば、胴体110、尾部セクション112等)に位置する電源システム500の構成要素に伝播しない。図示のように、ソーラパワー航空機100a、100bの各サブシステム502a、502b、502cは、エネルギーを収集するソーラパネル106、ソーラパネル106により収集されたエネルギーを蓄積するバッテリバンク224、及び専用のACSU302a、302b、302cを含むことができる。
【0063】
サブシステム502a、502b、502cは、故障の伝播を制限して故障を更に軽減するために自己完結型であり、ソーラパワー航空機100a、100b全体に電力を転送するために、サブシステム502a、502b、502c間に横つなぎスイッチ304a、304bを配置することができる。したがって、第1及び第3のサブシステム502a、502cのACSU302a、302cは、一組の横つなぎスイッチ304a、304bを介して第2のサブシステム502bのACSU302bに連結することができる。動作時、横つなぎスイッチ304a、304bは、選択的に作動させることで、所望のサブシステム502a、502b、502cを電気的に且つ通信可能に連結することができる。例えば、第3のサブシステム502cのACSU302cの故障の際には、横つなぎスイッチ304bを作動させることで、第2のサブシステム502bのACSU302bがACSU302cの代わりに第3のサブシステム502cの電力構成要素を制御することが可能となる。横つなぎスイッチ304a、304bは、機械的スイッチ(例えば、ソレノイド駆動継電器)、ソリッドステートスイッチ(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、電界効果トランジスタ(FET)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)等)、又はこれらの組み合わせといったトランジスタ)を用いることができる。横つなぎスイッチ304a、304bの各々は、例えば、ACSU302のうちの一又は複数によって制御することができる。
【0064】
図6は、例示的なACSU302の電力線図600である。昼間の構成で示されているACSU302は、一又は複数の電源からローカルモータバス324に連結されたモータ124bへの電力供給に柔軟性を付与する。図示のように、ACSU302は、翼102、尾部セクション112等に配置され得る一又は複数のソーラパネル106及びバッテリバンク224に連結される。図示のように、バッテリバンク224は、電源システム500内部でACSU302のうちの一又は複数を通してローカルモータバス324に連結することができる。各バッテリアレイ200内のバッテリパックアセンブリ202又はバッテリバンク224の数は、ソーラパワー航空機100a、100b内の取り付け位置の物理的制約に応じて変わり得る。例えば、五つのバッテリパックアセンブリ202は、各翼102のバッテリバンク224内に配置することができ、バッテリパックアセンブリ202は、各翼102及び/又は尾部セクション112の前縁のバッテリバンク224内に配置することができる。バッテリバンク224は、特に、バッテリアレイ200の充電状態及び/又はソーラパネル106の最大電力点(MPP)電圧の関数として、一又は複数のスイッチ328を使用してローカルモータバス324に連結することができる。一又は複数のスイッチ328は、機械的スイッチ、ソリッドステートスイッチ、又はこれらの組み合わせであり得る。一又は複数の電気安全装置326(例えば、ヒューズ、e-ヒューズ、サーキットブレーカ、リセッタブルヒューズ、例えばポリマー性正の温度係数(PPTC)装置等)を、ローカルモータバス324とモータコントローラ306との間にインラインで設け、過電流保護を提供することができる。図6のソーラパネル106はバッテリバンク224に直接繋がれているが、アビオニクス312及び/又はペイロード504は、代わりに電源システム500のすべてのバッテリバンク224から電力を引き出すように構成されてもよく、これは例えば、理想ダイオードを使用して、「OR」構成に配置され得る。
【0065】
ソーラパネル106は、ソーラパワー航空機100a、100bの使用期間及び動作条件に応じて異なるMPP電圧を表示することができる。動作条件には、例えば、シャドーイング、入射角等が含まれる。したがって、ソーラパワー航空機100のソーラパネル106は、類似の太陽光入射角を有する(類似の電力点挙動を呈する)機体エリア上のソーラアレイ226として分配される。電源システム500を、各々が一つのアレイゾーン(例えば、胴体、翼、前縁、尾部等の各々のアレイゾーン)を表す複数のサブシステム502a、502b、502cに分離し、各ゾーンのバッテリ電圧を別々に制御することにより、各ソーラアレイ226のMPPが達成される。ソーラパワー航空機100a、100bは、例えば、各々が異なるアレイゾーンに対応する九つの別個のソーラアレイ226を有する。アレイゾーンは、各翼102(又はその一部)について、前縁アレイ、翼(上側表面)アレイ、及び尾部アレイを含むことができる。
【0066】
翼(複数可)102は、その表面積により、一般的に、エネルギー収集に全体として最も大きく貢献する。ソーラパネル106は、ソーラアレイの大部分に薄膜セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)を用いることができ、これは約12から17%の効率を提供する。薄膜CIGSアレイは、フレキシブル基板上に製造することができ、これは、湾曲表面(例えば、航空機翼)を覆うために有用である。フレキシブル基板は、例えば、ポリアミド基板とすることができる。別の態様では、必要であれば、ソーラパネル106は、ソーラパワー航空機100a、100b上の値の大きな位置を標的とするために薄膜ガリウムひ素(GaAs)を用いることができ、これは25%を上回る効率を提供する。試験の間、GaAsアレイは、CIGSアレイの質量の約2.6倍である、237g/mの質量で約28%の非カプセル化効率を示した。
【0067】
伝統的な、再充電可能なバッテリパックは、バッテリの直結ストリング(固定バッテリストリング)を含んでいる。固定バッテリストリングのアーキテクチャは、バッテリ管理システムのフットプリント(例えば、サイズ、重量、電力要件等)を最小化することができるが、バッテリセルの数が増加するにつれ及び/又はバッテリセルが完全充電から完全放電まで変化するにつれ、完全充電から完全放電までのサイクルの間に、出力電圧の分散が増大する。したがって、大きな出力振幅の結果として、一般的にはバッテリシステムの出力電圧を調節するために追加のハードウエアが実装され、これには出力変換プロセスのために全体的な効率が失われて低下するという犠牲が伴う。バッテリストリング内のバッテリ(例えば、バッテリセル)の数をインテリジェントに再構成できるバッテリ管理システムは、追加の電圧レギュレータ段を不要にすることができる。したがって、バッテリアレイ200は、様々なレベルの制御細分性で動的再構成を可能にすることができる(例えば、バッテリバンク224毎、バッテリパックアセンブリ202毎、バッテリパック212毎、及び/又はバッテリセル772毎)。
【0068】
各サブシステム502a、502b、502c又はソーラパワー航空機100a、100bの領域内のバッテリパックアセンブリ202は、バッテリバンク224に区分けすることができる。上述の各バッテリバンク224は、一般的に、二つ以上のバッテリパックアセンブリ202から構成される。バッテリバンク224当たりのバッテリパックアセンブリ202の量とサブシステム502a、502b、502c当たりのバッテリバンク224の数は、ローカルソーラパネル106(又はソーラアレイ226)のサイズ及び全体のエネルギー収集への貢献に基づいてサイズ決定することができる。一実施例では、バッテリバンク224を規定する五つのバッテリパックアセンブリ202が配置される。各バッテリバンク224を、ソーラパネル106又はソーラアレイ226と適合させることができる。例えば、(1)翼102のソーラパネル106を翼102のバッテリバンク224と対にすることができ、(2)翼102の前縁のソーラパネル106を翼102の前縁のバッテリバンク224と対にすることができ、(3)尾部セクション112のソーラパネル106を尾部セクション112のバッテリバンク224と対にすることができる。このような適合は、ソーラパワー航空機100a、100bに局所的損傷が生じた場合の電源システム500への影響を最小化するように構成され得る。
【0069】
ソーラパワー航空機100a、100bは、すべての利用可能なバッテリセル772のサブセットを動的に選択し、それらをバッテリストリング766(セルストリング又はセルストリングアレイとしても知られる)に入れたり(オンライン)そこから出したり(オフライン)するべく動的に切り替えることにより、複数の直列接続された再構成可能なバッテリシステム(例えば、バッテリパックアセンブリ202)の出力電圧を調節するバッテリ管理システム700を含むことができる。
【0070】
バッテリ管理アーキテクチャは、再構成可能なバッテリ機能を監視及び制御するインテリジェント処理システムを提供する。そのために、バッテリ管理アーキテクチャは、再構成可能なバッテリパック212の可変出力電圧を調整してバッテリストリングのコマンド出力電圧を達成するために、バッテリ監視回路732に動作可能に連結されてバッテリストリング内の任意のバッテリセル772を有効にする(オンライン)又は迂回する(オフライン)バッテリパックコントローラ730を含む。別々のブロック及び構成要素を使用して図示されているが、バッテリパックコントローラ730とバッテリ監視回路732とは、共通の回路及び/又は共通のプロセッサを共有することができる。例えば、バッテリパックコントローラ730とバッテリ監視回路732は、単一のシステム又は構成要素として提供され得る。
【0071】
後述するように、バッテリ管理システム700は、ハードウエアの切り替えと保護エレメントとの組み合わせ、及び多数のセルレベル及びパックレベルの基準に基づいたソフトウエアベースのセル選択プロセスを使用することができる。ハードウエア機器は一又は複数のパラメータを測定し、それらパラメータには、バッテリ電圧、バッテリ温度、バッテリ-ストリング電圧、バッテリ-パック電圧、バッテリ-パック電流、バッテリ-パック-アセンブリ電圧、バッテリ-パック-アセンブリ電流、バッテリ圧力(例えば、セル-スタック圧力)、及び/又はバッテリ管理システム700内部のセル選択プロセスに知らせることが有用なその他のパラメータが含まれる。この情報を、バッテリパックコントローラ730を介してプロセッサ及び関連のソフトウエアが評価することで、バッテリパック212内の各バッテリセル772の充電状態(SoC)、健全性状態(SoH)、及び等価抵抗が決定され、これら情報は定期的に更新され得る。
【0072】
上述のように、バッテリセル772のバッテリストリング766への出し入れを切り替えることのできないバッテリ管理システムは、バッテリストリング766内で最も弱いバッテリセル772によって制限される。このような制限には、例えば、バッテリパック容量、充電率(バランスチャージに入るのが早い)、及び最大放電率(高い内部抵抗)が含まれる。バッテリパックコントローラ730を使用して一又は複数のバッテリスイッチ762(例えば、双方向スイッチ)を介した再構成可能なアーキテクチャを実装することで、バッテリパックアセンブリ202のバッテリパック212内のバッテリセル772の最大数までバッテリストリング766内のバッテリセル772の任意の組み合わせをつくることが可能になる。加えて、再構成可能なアーキテクチャは、バッテリ電圧の50%以内に、バッテリパックアセンブリ202の出力電圧を調節する能力を提供する。しかしながら、一つの障害は、バッテリパックアセンブリ202に、故障から回復するため又は出力電圧を調節するための余分のバッテリセル772を含めることが必要になるであろう点である。
【0073】
図7aは、再構成可能なアーキテクチャ内にバッテリパックアセンブリ202を有する例示的なバッテリ管理システム700のブロック図である。バッテリ管理システム700は、多数の利点を提供する。第1に、バッテリ管理システム700は、個々のバッテリセル772のレベルまでモジュール化することのできるモジュール式アーキテクチャを提供する。第2に、このシステムは、再構成可能なバッテリの保護及び管理に完全な解決法を提供する。第3に、このシステムは、一連のバッテリストリング766に含まれるバッテリセル772の追加及び除外を可能にし、これは出力電圧を調整して可変出力電圧を生成するため、又は欠陥のあるバッテリセル772を迂回するために実施することができる。第4に、このシステムは、縮小拡大可能な構成を実現するために、分離された電力ドメイン(例えば、切り替え可能なバッテリモジュール770、バッテリパック212、バッテリパックコントローラ730等)を可能にする。第5に、このシステムは、複雑な電圧変換回路を必要としない出力レギュレーションを提供する。最後に、このシステムは、バッテリパック212又はバッテリパックアセンブリ202の全体の性能を低下させることなく、バッテリセル772が消耗又は故障したときにこれを検出して除外することができる。
【0074】
バッテリパックアセンブリ202は一般に、バッテリパックコントローラ730と、互いに接続されてバッテリパックストリング774を規定する複数のバッテリパック212(図7aに六つのバッテリパック212a、212b、212c、212d、212e、及び212fとして示される)とを含み、これらがバッテリパックアセンブリ202として働くことができる。動作時、バッテリパックコントローラ730は、バッテリパック212の各々とその構成要素を含め、バッテリパックストリング774の動作を監視及び制御する。バッテリパックコントローラ730は、バッテリパックアセンブリ202及び/又はバッテリパック212の動作を制御するための複数のシステム出力(例えば、アナログでもデジタルでもよい命令)を生成することができる。例えば、バッテリパックコントローラ730は、バッテリパック212内部において個々のバッテリセルを挿入/迂回するためのセル選択コマンドを生成するように構成することができる。システム出力は、二つ以上のシステム入力に基づいていてもよい。例示的なシステム入力には、特に、バッテリパックアセンブリ202の個々の電圧測定値(例えば、バッテリセル772毎)、個々の温度測定値(例えば、バッテリセル772毎、温度センサ758を介して測定可能)、電流測定値(例えば、バッテリストリング766を通る)、及び出力電圧測定値(例えば、可変出力電圧の測定値)が含まれ、これらは上部スイッチ704の各側で測定することができる。例示的なシステム出力には、特に、バッテリスイッチ制御命令(例えば、信号/コマンド)、接続負荷への電力(例えば、バッテリパック212毎又はバッテリパックアセンブリ202毎のベース)、及び総電圧(例えば、バッテリパック212毎又はバッテリパックアセンブリ202毎のベース)が含まれる。換言すれば、バッテリパックコントローラ730は、バッテリセル772を充電、放電、又は迂回することができるように、それらを選択的に挿入/迂回する。例えば、バッテリセル772は、所望の電圧を達成するため、又は選択数のバッテリセル772(例えば、動作モード又は条件に応じて)のみを充電/放電するために、選択的に迂回することができる。
【0075】
バッテリパックコントローラ730は、過電圧及び不足電圧保護、並びに過電流保護及び短絡保護も提供する。バッテリパックアセンブリ202は、例えば、直列ストリングとして電気的に接続された六つのバッテリパック212(212aから212fとして図示)を含み得る。しかしながら、バッテリパックアセンブリ202内のバッテリパック212の数は、用途のエネルギー蓄積の必要に基づいてサイズ決定することができる。所望の電圧及び/又は容量を達成するために、他の電気的構成にバッテリパック212を電気接続することも可能である(例えば、並列、又は直列と並列の組み合わせ)。
【0076】
図示のように、バッテリパックコントローラ730は、複数のバス出力スイッチ768、メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等)に動作可能に連結されたマイクロコントローラユニット(MCU)708、バッテリパック212のストリングに出入りする電流を測定するための高精度電流センサ726、一組の入力/出力(I/O)エキスパンダ集積回路(IC)776a、776b、及びプロセッサ(例えば、MCU708)とその他ICといったバッテリパックコントローラ730の種々の構成要素とを動作させるために必要なすべての電力を供給するDC電源728(例えば、+3.3VDC電源)を含み得る。所望の接続数に応じて、I/OエキスパンダIC776a、776bは、例えば、16ビットのエキスパンダとすることができる。
【0077】
バッテリパックストリング774(又はその一部)を充電又は放電することができるように、複数のバス出力スイッチ768を使用してバッテリパックストリング774をACSU302に連結することができる。複数のバス出力スイッチ768は、例えば、事前充電スイッチ702、上部スイッチ704(例えば、主スイッチ)、及び理想ダイオードスイッチ706を含むことができる。バス出力スイッチ768の各々は、電気的に並列に配置することができる。バッテリパックアセンブリ202のバッテリバンク224の電圧及び電流感知は、バス出力スイッチ768において決定することができる。複数のバス出力スイッチは、機械的スイッチ、ソリッドステートスイッチ、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0078】
事前充電スイッチ702は、双方向性の、最大ストリング電圧阻止型高インピーダンス出力コンタクタとすることができる。事前充電スイッチ702は、複数のバッテリパック212をACSU302に電気的に接続する。図示のように、事前充電スイッチ702は、充電の最後にサージ抑制を提供して充電電流を制限するために、一又は複数の抵抗器と一直線上に設けられる。事前充電スイッチ702は、バッテリパックアセンブリ202の最大出力に定格された双方向阻止スイッチエレメントを用いることができる。双方向性により、スイッチは、バッテリパックアセンブリ202に出入りする電流を制御することができる。事前充電スイッチ702は、上部スイッチ704(例えば、約10オーム(Ω)から30Ω、又は約20Ω)より高い耐性を有し得る。動作時(即ち、閉じているとき)、事前充電スイッチ702は、安全に適合する(safe-to-mate)バス接続の間の流入又は流出電流を制限する。
【0079】
上部スイッチ704は、双方向性の、最大ストリング電圧阻止型低インピーダンス出力コンタクタとすることができる。上部スイッチ704は、複数のバッテリパック212をACSU302に直接接続する。上部スイッチ704は、公称動作の間の損失を最小化する超低抵抗を有するように設計することができ、その結果低い挿入損失が得られる。上部スイッチ704は、バッテリパックアセンブリ202の最大出力に定格された双方向阻止スイッチエレメントを用いることができる。双方向性により、上部スイッチ704は、バッテリパックアセンブリ202に出入りする電流を制御することができる。上部スイッチ704は、バッテリパック212(例えば、切り替え可能なバッテリモジュール770のもの)が、より低い阻止電圧を用いるスイッチを使用することを可能にする。
【0080】
理想ダイオードスイッチ706は、一方向、最大ストリング電圧阻止型低インピーダンス放電専用コンタクタとすることができる。理想ダイオードスイッチ706は、有効になると、上部スイッチ704からダイオードを介して複数のバッテリパック212に流入する電流を妨げる。理想ダイオードスイッチ706は、バッテリパックアセンブリ202の放電のみを可能にする。理想ダイオードスイッチ706は、一般的に、複数のバッテリパックアセンブリ202が並列接続されるとき(例えば、バッテリバンク224を規定する)に使用され得る。
【0081】
MCU708は、例えばシステムコントローラ216からのコマンドに応答して、バッテリパックアセンブリ202の全体の動作を制御する。例えば、MCU708は、システム内のバッテリセル772が安全動作条件で動作していることを保証するために、バッテリ管理及び制御アルゴリズムを実施することができる。このために、MCU708は、特に、SoC、SoH、及びバッテリ抵抗を監視することができ、これらを使用して並べ替え及びバッテリ均衡を実施することができる。MCU708は、例えば、コントローラエリアネットワーク(CAN)を通じてACSU302と動作可能に連結することができる。MCU708は、汎用(デジタル)入力/出力(GPIO)信号、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)710、一組のCANインターフェース712、714及び複数のシリアルペリフェラルインターフェース(SPI)バス716、718、720、722、724を含む。MCU708は、バッテリパック212の各々に、一又は複数のSPIデータバスを介して通信可能に連結される。I/OエキスパンダIC776a、776bは、利用可能なI/OをMCU708に拡張する複数の制御信号を可能にする。
【0082】
図7bは、バッテリ監視回路732を有する例示的なバッテリパック212のブロック図である(例えば、図7aの詳細B、バッテリパック212a)。バッテリパックコントローラ730と共に、バッテリ監視回路732は、バッテリパック212内部においてバッテリストリング766の個々のバッテリセル772を選択的に挿入/迂回するためにバッテリパックコントローラ730からのセル選択コマンドを変換し、同時に個々のバッテリセルの電圧及び温度をコンディショニング及びデジタル化する。各バッテリパック212のバッテリセル772の圧縮を監視するために、各バッテリパック212からの歪み測定が含まれてもよい。バッテリパック212は一般に、複数のバッテリセル772と、バッテリストリング766内部で複数のバッテリセル772のうちの一又は複数を選択的に有効化(起動)又は迂回するための複数のバッテリスイッチ762とを含む。複数のバッテリスイッチ762は、プリント回路板アセンブリ(PCBA)を介して複数のバッテリセル772に電気的に連結することができる。バッテリセル772は、単一セルバッテリ、多セルバッテリ、又はこれらの組み合わせとして提供することができる。例えば、多セルバッテリの所望の公称電圧に応じて、バッテリセルは、バッテリセル772のための所望の公称電圧及び/又は電力を達成するために、直列構成に、並列構成に、又はこれらの組み合わせに、電気的に配置及び接続され得る。
【0083】
バッテリセルのインターフェースとして機能することに加えて、PCBAは、バッテリ監視回路732(又はその一部)のためのプラットフォームとして機能することができる。バッテリ監視回路732は一般に、低電圧回路、高電圧回路、複数の温度センサ758、及び複数の歪みセンサ760を含む。バッテリパック212は、バッテリセル772及びPCBAに固有のパラメータを記憶するための専用メモリ734を含んでもよい。
【0084】
一対のクアドチャネルデジタルアイソレータ778a、778bは、バッテリパックコントローラ730のI/OエキスパンダIC776a、776bに通信可能に連結することができる。クアドチャネルデジタルアイソレータ778a、778bの対は、バッテリパックコントローラ730からのデジタル信号を、低電圧回路と高電圧回路との間の磁気的、光学的、又はガルバニック分離境界を越えて、回路の高電圧側へ伝達するために使用され得る。
【0085】
I/O拡張モジュール740は、バッテリパックコントローラ730(クアドチャネルデジタルアイソレータ778aを介する)とバッテリストリング766との間で直接データ通信するために使用することができる。図示のように、バッテリストリング766は一般に、各々がバッテリセル772とそれに関連付けられたバッテリスイッチ762とを有する複数の切り替え可能なバッテリモジュール770を含む。以下に更に詳細に記載されるように、切り替え可能なバッテリモジュール770は、電気的に直列に配置されて、起動状態(例えば、バッテリスイッチ762を介して)に構成されるバッテリセル772から構成されたバッテリストリング766を規定することができる。
【0086】
I/O拡張モジュール740は、例えば、バッテリパックコントローラ730と切り替え可能なバッテリモジュール770のバッテリスイッチ762との間でスイッチ制御信号を伝達して、例えば、バッテリセル772を選択的に起動/起動解除することができる。I/O拡張モジュール740は、例えば、16ビットのI/O拡張モジュール(例えば、16個のバッテリセル772の各々に一つ)とすることができる。デュアルチャネルアイソレータ748は、I/O拡張モジュール740とバッテリスイッチ762の各々との間に配置することができる。一又は複数のいずれかのバッテリセル772の電圧に電圧損失が生じた場合(例えば、バッテリセルのタブ/コンタクタの損傷に起因して)、電圧損失事象を通してローカル切り替え回路への電力供給を確実に保持するために、補助(AUX)電源(PS)750を各バッテリパック212に含めることができる。補助電源は、すべてのセル位置で使用することができるように、分離された出力を有する。補助電源は、関連するセル電圧の損失によっても有効化することができる。
【0087】
分離電力モジュール736を、低及び高電圧回路の種々の構成要素(例えば、メモリ734等のIC)を動作させるために必要な電力を供給するために提供することができる。分離電力モジュール736は、基準電圧738(例えば、+3.3V)、+3.3VDC(DIG)、+5.7VDC(ANA)に連結することができる。例えば、分離電力モジュール736は、例えば725VDCの分離レーティングの低ドロップアウト(LDO)ポストレギュレータを有する分離フライバックμモジュールDC/DCコンバータとすることができる。分離電力モジュール736は、3.1Vから32Vの入力電圧範囲で動作可能であり、2.5Vから13Vの出力電圧範囲(単一の抵抗器により設定)を有することができる。分離電力モジュール736は、出力電圧が単一の抵抗器によって設定された1.2Vから12Vに調整可能な線形ポストレギュレータも含むことができる。適切な分離電力モジュール736は、例えば、Linear Technology社から入手可能なLTM8048を含む。
【0088】
バッテリセル772の種々のパラメータを測定し、処理のためにバッテリパックコントローラ730に伝達することができる(バッテリ監視回路732を介して)。パラメータは、バッテリセル772毎のベースで監視/測定され得る。例示的なパラメータには、例えば、バッテリセル772の電圧、電流、温度、及び圧縮が含まれる。例えば、複数の温度センサ758及び複数の歪みセンサ760は、バッテリセル772の各々の温度及び歪みをそれぞれ監視するために、バッテリパック212内でバッテリセル772に物理的に隣接して配置することができる。例えば、バッテリ監視回路732がバッテリセル772の各々を個別に監視することを可能にするために、各バッテリセル772に温度センサ758及び/又は歪みセンサ760を関連付けることができる。一部の態様では、バッテリセル772は、温度センサ758及び/又は歪みセンサ760が二つのpセル間に配置される2つのpセルアセンブリとして構成することができる。代替的に、単一の歪みセンサ760を使用してフルバッテリパック212の圧縮を監視してもよい。
【0089】
複数の温度センサ758の各々からの測定値(例えば、セル温度)は、高電圧側のサーミスタコンディショニング増幅器754に伝達することができ、歪みセンサ(複数可)760からの測定値(例えば、セル圧縮)は、低電圧側の歪み信号増幅器756に伝達することができる。各バッテリセル772の電圧測定値は、高電圧側の電圧センサとして機能できる差動増幅器752を用いて提供することができる。一部の態様では、サーミスタコンディショニング増幅器754は各温度センサ758に対して提供され、差動増幅器752は各バッテリセル772に対して提供される。したがって、16個のバッテリセル772を有するバッテリパック212内には、16個のサーミスタコンディショニング増幅器754及び16個の差動増幅器752が使用され得る。各バッテリセル772に温度センサ758及び/又は歪みセンサ760を設けることが可能であるが、代わりに単一の温度センサ758及び/又は単一の歪みセンサ760がバッテリパック212のバッテリセルスタック全体に使用されてもよい。
【0090】
サーミスタコンディショニング増幅器754、歪み信号増幅器(複数可)756、及び差動増幅器752からの測定パラメータは、一又は複数のマルチプレクサに入力することができる。動作時、一又は複数のマルチプレクサは、種々のセンサからの複数のアナログ(又は適用可能であればデジタル)入力信号の一つを選択し、選択された入力を単一の出力に送る。一又は複数のマルチプレクサには、例えば、2:1マルチプレクサ744及び4:1マルチプレクサ746が含まれる。2:1マルチプレクサ744及び4:1マルチプレクサ746からの出力は、アナログ-デジタル(A-D)電圧コンバータ742に入力することができる。A-D電圧コンバータ742は、例えば、16チャネル(8の差動)微小電力16ビットΔΣアナログ-デジタルコンバータとすることができる。ここでデジタル形式となったパラメータは、A-D電圧コンバータ742から出力されてクアドチャネルデジタルアイソレータ(複数可)778a、778b及びSPIバスを介してバッテリパックコントローラ730に戻り、処理される。理解できるように、一又は複数のクロック(clk)信号を使用してデータ/信号処理の間に構成要素を同期させることができる。
【0091】
図7cは、バッテリパック212内で使用される例示的なバッテリストリングの線図である。図示のように、バッテリストリング766は、直列に配置された複数の切り替え可能なバッテリモジュール770を含み得る。各切り替え可能なバッテリモジュール770は、例えば、バッテリセル772(例えば、セルアセンブリとして配置できる単一のバッテリセル又は複数のバッテリセル)、バッテリスイッチ762、及びセル選択アルゴリズム関数764を含む。例示を目的として、図示のバッテリストリング766は、六つの切り替え可能なバッテリモジュール770を有する。しかしながら、追加の、又はそれよりも少ない切り替え可能なバッテリモジュール770を使用してもよい。動作時、バッテリパック212の総ストリング電圧(出力電圧)が所定のターゲット出力電圧に到達するように、バッテリスイッチ762を介して一又は複数の所望のバッテリセル772を選択し、バッテリストリング766へと切り替えることができる。
【0092】
切り替え可能なバッテリモジュール770におけるバッテリセル772一つ当たりのセルの数は、バッテリパック212の所望のレベルの制御細分性に基づいて調整することができる。一実施例では(例えば、細分性の高い切り替え方式が望まれる場合)、単一のバッテリセルを一つずつ(即ち、個別に)、バッテリストリング766に加える、又はバッテリストリング766から除外することができるように、切り替え可能なバッテリモジュール770は、単一のバッテリセルを有する単一セルバッテリを含み得る。換言すれば、各バッテリスイッチ762(及びそれに関連付けられるセル選択アルゴリズム関数764)は、単一のバッテリセルに関連付けられて、その単一のバッテリセルを、有効なバッテリストリング766に電気的に接続(挿入又は起動)するか、又は有効なバッテリストリング766から接続解除(除外又は迂回)するように構成することができる。
【0093】
別の実施例では(例えば、細分性の低い切り替え方式が望ましい又は許容可能である場合)、切り替え可能なバッテリモジュール770は、複数のバッテリセル(例えば、直列又は並列に互いに電気的に接続され得る二つ以上のバッテリセル)を有する多セルバッテリを含み、それらは、バッテリストリング766に個別に追加するか、又はバッテリストリング766から個別に除外することができる。このような構成では、バッテリスイッチ762を選択的に作動させて有効なバッテリストリング766にバッテリセルの群を電気的に接続する又は有効なバッテリストリング766からバッテリセルの群を接続解除することができるように、バッテリパック212内部のバッテリセル群に単一のセル選択アルゴリズム関数764及び単一のバッテリスイッチ762を関連付けることができる。したがって、単一のバッテリスイッチ762を使用して一度に挿入又は迂回するバッテリセルの数は、バッテリシステムの必要に基づいて選択することができる。
【0094】
埋め込み設計では、各切り替え可能なバッテリモジュール770(例えば、一又は複数のバッテリセル)におけるバッテリ監視回路732のA-D電圧コンバータ742は、バッテリセル772の電圧を測定する電圧センサとして機能することができる。
【0095】
詳細Cは、例示的なバッテリスイッチ762の拡大図である。バッテリスイッチ762は、単極双投接点(SPDT)スイッチ機能を提供することができる。したがって、図示のように、バッテリスイッチ762は、ポール(1P)を、バッテリストリング766からバッテリセル772を迂回するための第1のスロー(1T)(シャントスイッチ位置762a)か、又はバッテリストリング766と直列に含めることによりバッテリセル772を挿入/起動するための第2のスロー(2T)(直列スイッチ位置762b)に接続することができる、SPDTスイッチとすることができる。複数のバッテリスイッチ762の各々は、小さなパッケージに提供され得る低直列抵抗の低電圧MOSFETを使用して、効率を改善することができる。バッテリスイッチ762は、ブレークビフォーメーク(BBM又は非短絡)構成においてMOSFET、機械的継電器、リードスイッチ、又はIGBTスイッチ(又は別の形態のソリッドステートスイッチ)を用いて実装することができる。この構成は、他方の回路を閉鎖する前に一方の回路を中断することにより、切り替えられているバッテリセル772が短絡するリスクを軽減する。例えば、バッテリスイッチ762は、共通電源構成の背中合わせFET(例えば、N-MOSFETS)、TRIAC(三つのターミナル半導体装置)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)等を使用して提供され得る。
【0096】
したがって、一の態様において、バッテリパック212のような再構成可能なバッテリシステムは、複数の切り替え可能なバッテリモジュール770、バッテリ監視回路732、及びバッテリパックコントローラ730を含むことができる。複数の切り替え可能なバッテリモジュール770は、電気的に直列に配置されて、バッテリパック212の出力電圧(例えば、可変出力電圧)を規定するバッテリストリング766を規定し、これら複数の切り替え可能なバッテリモジュール770の各々は、バッテリ(例えば、バッテリセル772)とバッテリスイッチ762とを含む。バッテリスイッチ762を第1の位置(例えば、直列スイッチ位置762b)に構成すると、バッテリは電気的にバッテリストリング766と直列に置かれて出力電圧を上昇させ、バッテリスイッチ762を第2の位置(例えば、シャントスイッチ位置762a)に構成すると、バッテリはバッテリストリング766から電気的に迂回される。バッテリ監視回路732は、複数の切り替え可能なバッテリモジュール770の各々と動作可能に連結され、この場合バッテリ監視回路732は、複数の切り替え可能なバッテリモジュール770の各々について、バッテリの一又は複数のパラメータを監視するように構成される。バッテリパックコントローラ730は、バッテリ監視回路732に動作可能に連結されて、複数の切り替え可能なバッテリモジュール770の各々について、出力電圧が所定のターゲット出力電圧と実質的に等しくなるように、所定の切り替えルーチンにしたがって、少なくとも部分的にバッテリの一又は複数のパラメータに基づき、第1の位置と第2の位置との間でバッテリスイッチ762を選択的に切り替える。
【0097】
図7cの実施例を使用して、例えば、所望のストリング電圧を提供するためのそれらの充電状態に基づいて、一部のバッテリセル772を選択的に迂回することができる。例えば、少なくとも10ボルトのストリング電圧が必要(所定のターゲット出力電圧)である場合、残りを迂回しながら切り替え可能なバッテリモジュール770の1、3、及び4を起動させ、10.29ボルト(即ち、3.43v+3.19v+3.67v)を提供することができる。第1、第3、及び第4の切り替え可能なバッテリモジュール770(1、3、及び4)のバッテリセル772の電圧は、放電サイクルの間に低下(又は充電サイクルの間に上昇)し、第2、第5、及び第6の切り替え可能なバッテリモジュール770(2、5、及び6)のうちの一又は複数は、少なくとも10ボルトのストリング電圧を維持するために選択的に起動又は起動解除(例えば、一つずつ)することができる。代替的に、切り替え可能なバッテリモジュール770の異なる群を起動して、所定のターゲット出力電圧を維持することができる。したがって、バッテリパックコントローラ730は、可変電圧出力で所定のターゲット出力電圧が達成されるまで、複数の切り替え可能なバッテリモジュール770の各々のバッテリスイッチ762を個別に(即ち、一つずつ)切り替えるように構成され得る。
【0098】
ソーラパワー航空機100a、100bのバッテリパック212は、例えば、角柱、円柱、又はポーチ状のセルとすることのできる32個のバッテリセル772を含むバッテリストリング766を含むことができる。したがって、図示のように、バッテリパック212内部の各切り替え可能なバッテリモジュール770は、セル選択アルゴリズム関数764及びバッテリスイッチ762を用いてバッテリセル772を有効なバッテリストリング766に電気的に接続するか又はそのようなバッテリストリング766から電気的に接続解除(迂回)し、それにより一度にバッテリセル772一つずつバッテリストリング766の電圧を調整することができる。通常、所与の時点でバッテリパック212全体で約75%のバッテリセル772が有効であり、放電開始時には、バッテリセル772の電圧がより高いので、その時に有効なバッテリセル772の数は通常より少ない。理解できるように、バッテリセル772の電圧は、放電終了に向かって低下するので、プログラムされた電圧を維持するためには追加のバッテリセル772が必要である。したがって、バッテリパック212は、一年のうち最悪の(夜が最長の)時期にはすべての利用可能なエネルギーが利用されるように、構成及びサイズ決定することができる。
【0099】
単一のバッテリバンク224内のすべてのバッテリパックアセンブリ202は、同時にプログラムすることができる。高バス電圧を達成するために、各バッテリパックアセンブリ202は、少なくとも約100個のバッテリセル772を利用し、バッテリセル772一つ当たり約2.75Vから4.3Vの使用可能電圧を提供することができる。容量を追加するために、直列の100個を上回るバッテリセル772のバッテリパックアセンブリ202も考慮される。したがって、ソーラパワー航空機100a、100bのためのバッテリパックアセンブリ202は、例えば、10から1000個のバッテリセル772、好ましくは約50から500個のバッテリセル772、更に好ましくは約75から300個のバッテリセル772、最も好ましくは約100から200個のバッテリセル772を含むことができる。バス電圧は、変動する役目及び航空機の条件に応じて動的に設定することができる。例えば、外部バスのバス電圧を低下させて、夜間及び低高度飛行の間の駆動システムの効率を上昇させること、遠隔モータに電力供給しているときに(ブーム横つなぎスイッチ(複数可)304a、304bを介して)モータの故障が起こった場合にライン電圧降下を補償する、又はMPPTを実装することができる。
【0100】
バッテリパック212内のバッテリ監視回路732を介したバッテリセル772の内部再構成によって、(1)充電及び放電の間の調整可能なバス電圧、(2)バッテリセル故障への耐性、(3)充電及び放電の間の無損失セル均衡、(4)残りの期間にわたる延長された緯度範囲又は耐用年数、及び(5)精度の高いバッテリ状態推定が提供される。例えば、バッテリパック212は、バッテリパック212のバッテリストリング766内の個々のバッテリセル772への制御されたアクセスを提供するために、複数のバッテリスイッチ762を用いることができる。一般に、有効な(「オンライン」)バッテリセル772の数は、最大バス電圧をバッテリセル772の最小電圧で除したものより大きい((又はそれと等しい)。この方式を使用して、一度にバッテリセル772の一のサブセットのみが充電又は放電され、その他のセルは接続解除される/休止(迂回)する。
【0101】
伝統的なバッテリパックは、単一のバッテリ-セルの故障に対してすら脆弱であり、バッテリパックは使用不能となり、存続可能な(即ち、良好な/使用可能な)バッテリにまだ残存しているエネルギーが失われる。しかしながら、プログラム可能電圧アーキテクチャは、所定の切り替えルーチンに従ってバッテリストリング766内の欠陥のあるバッテリセル772を迂回する能力を提供し、それによりバッテリ及びバッテリセル故障の故障に影響されないバッテリパック212が得られる。多バッテリ及び多セル故障ですら、バッテリセル772の故障の回数がバッテリ総数の有意な割合に達するまでは、バッテリストリング766を使用不能にせず、バッテリパック容量を劣化させない(迂回され得る損失バッテリセル772の能力を別として)。このようなアーキテクチャにより、バッテリパック212内のすべての存続可能なバッテリセルの容量を完全に利用するごとができる。
【0102】
セルの故障に加えて、バッテリセルが年月(及び複数回の充電/放電サイクル)を経て劣化すると、インピーダンス/抵抗、及び容量は劣化し、バッテリセルの特性にばらつきが生じる。単一のバッテリセルの早期劣化ですら、伝統的なパックを停止させ、その結果残りの良好なセルに捕捉されていたエネルギーが浪費される。しかしながら、バッテリ監視回路732は、各バッテリセル772のインピーダンス/抵抗及び容量を経時的に追跡する。したがって、バッテリパック212は、大部分の存続可能なバッテリセル全体の負荷を均衡させることにより、セルの劣化(又は更なるセルの劣化)に対する予防措置を実装することができる。このような実装により、予期せぬ故障又は欠陥がない限り、バッテリセルが常に均衡されて等しいレートで劣化することが保証される。したがって、バッテリ監視回路732は、バッテリセル均衡スキームにおいて余分なエネルギーを浪費することなく、その予想される/使用可能な耐用年数にわたってバッテリパック212(及びしたがって、バッテリパックアセンブリ202/バッテリバンク224)の容量を最大化することができる。したがって、すべての利用可能な充電が使用されるが、バッテリセルのより大きな割合に分散される。
【0103】
バッテリセル772がバッテリストリング766の外にある(即ち、迂回されている)とき、バッテリ772のSoCは、バッテリ772の開回路電圧(OCV)を測定することにより決定することができる。バッテリセル772がバッテリストリング766内にあるとき、バッテリ772のSoCは、流入及び流出電流を測定することにより推定することができる。流入及び流出電流を使用してバッテリセル772のSoCを推定するための一つの技術は、クーロンカウント法(アンペア時カウント及び電流積算としても知られる)として知られている。クーロンカウント法は、使用期間にわたって数学的に積算されたバッテリ電流の読み取りを用いてSoC値を計算する。この値は以下の等式により求めることができる。
式中、SoC(t0)は初期SoCであり、Cratedは定格容量であり、Ibはバッテリ電流であり、Ilossは損失反応によって消費される電流である。クーロンカウント法では、次いで、バッテリへ又はバッテリから転送された電荷を単純に蓄積することにより残りの容量が計算される。
【0104】
迂回されるバッテリセル772が選択されてバッテリストリング766へと切り替えられるとき、その内部インピーダンス/抵抗は、開回路(迂回された)から閉回路(有効化又は起動された)状態へのセル電圧の最初の電圧降下を測定することにより推論することができる。バッテリセル772のインピーダンス/抵抗の経時的トラッキングをSoH推定として使用することにより、バッテリセル772がバッテリストリング766内の他のバッテリセル772より高いレートで故障するときを予測することができる。インピーダンス/抵抗を増加させるレートがより高いバッテリセル772を、より健全なバッテリセル772(より低いインピーダンス/抵抗を有するもの)より低い頻度で使用するように選択することで、すべてのバッテリセル772を概ね同じレートで劣化させ、バッテリストリング766全体の使用可能な寿命を最大化することができよう。
【0105】
バッテリシステム(例えば、バッテリパック212、バッテリパックアセンブリ202、バッテリバンク224、バッテリアレイ200等)の外部の電力バスは、一般的に、電気負荷220、ソーラパネル106/ソーラアレイ226等といった電流を引き出す及び/又は供給することのできる他の電気デバイスに連結される。外部バスの電圧は、動作中に制御されないため、電気スイッチ(リレー、ソリッドステートスイッチ等)がバッテリシステムと外部バスとの間で閉じてバッテリを「オンライン」にしているときは常に、電流の大きな流入又は流出が起こり得る。したがって、図7aの構成には、そのバス出力スイッチ768を介して、バッテリとバスとの間の流入又は流出電流を制限するインライン抵抗器を有する事前充電スイッチ702が組み込まれている。動作時、事前充電スイッチ702を閉じることで、上部スイッチ704が閉じてバッテリをオンラインにしているときに電流が過剰にならないように電圧が一様になる。しかしながら、事前充電スイッチ702は、抵抗器及び/又は上部スイッチ704が極めて高い電流を受けている状況においては十分でない場合がある。
【0106】
更に、パック又はアセンブリ全体の負荷及び電荷の均衡を維持することは、並列に複数のバッテリを用いる用途においては困難な場合がある。上述のように、これは電気的に直列に連結されてバッテリストリング766を形成するバッテリセル772の数を変更し、それによりバッテリパック212全体の電圧を調整することにより達成することができる。換言すれば、再構成可能なバッテリの電圧は、バッテリストリング766内のバッテリセル772の数を内部で変更することにより、ソーラパネル106/ソーラアレイ226上でのピーク電力収集を維持するために変動させることができる。このような構成は、別個の最大電力点トラッキング(MPPT)回路が実装されている(通常DC-DCコンバータとして)場合といった他の用途と比較して、システム損失を低減するという利点を有する。
【0107】
しかしながら、再構成可能なバッテリ構成は、依然としていくらかの損失をもたらし得る。例えば、再構成可能なバッテリは、バッテリセル772の電圧増分としてしか電圧を調整することができないため、再構成可能なバッテリのMPPTの精度にはある程度限界がある。換言すれば、電圧増分は、一つのバッテリセル電圧の細分性において行われる。結果として、均衡が粗くなることはやむを得ず、一つのバッテリパック212は一般的にバッテリパック群より高い電流を有する。再構成可能なバッテリを用いる場合、電圧を精密に管理することが困難である場合があり、その結果、再構成可能なバッテリは過剰な電流を受ける可能性がある。
【0108】
上述を鑑みると、図8に一実施例が示される多機能バッテリスイッチ800を、バッテリ820を外部バス818に選択的に接続するために使用することができる。次いで、外部バス818は、バッテリ820の充電及び放電のために、電気負荷、ソーラアレイ、電源等に連結され得る。図7aに関連して記載されたバス出力スイッチ768の代わりに、又は同スイッチに加えて、多機能バッテリスイッチ800が設けられてもよい。バッテリ820は、バッテリパック212、バッテリパックアセンブリ202、バッテリアレイ200等といった再構成可能なバッテリ又は再構成可能なバッテリシステムとすることができる。主に再構成可能なバッテリとの関連で記載されているが、多機能バッテリスイッチ800は、伝統的なバッテリ(即ち、再構成不能なバッテリ)又は伝統的なバッテリシステムと共に使用することもできる。
【0109】
多機能バッテリスイッチ800は一般に、バックブーストコンバータ824を生成するように配置された複数のスイッチ804a、804b、804c、804d(スイッチ1からスイッチ4)、インダクタ810、及び抵抗器812を含む。多機能バッテリスイッチ800は、バックブーストコンバータ824のスイッチ804a、804b、804c、804dを一又は複数のゲートドライバ806a、806b、806c、806dを介して駆動するように構成された多機能コントローラ802を更に含む。バックブーストコンバータ824は、入力電圧振幅より大きい又は小さい出力電圧振幅を有するDC-DCコンバータ回路の種類である。バックブーストコンバータ824の構成により、多機能バッテリスイッチ800は、バッテリ820に出入りする電圧を選択的に増大又は低減することができる。
【0110】
複数のスイッチ804a、804b、804c、804dの各々は、ソース、ドレイン、及びゲートを有するソリッドステートスイッチ(例えば、電界効果トランジスタ(FET))とすることができる。動作時には、ソースとドレインとの間の電流の流れを選択的に開始及び停止するために、電圧がゲート(例えば、ゲートドライバ806a、806b、806c、806d)に加えられる。具体的には、電圧がゲートに加えられると、スイッチ804a、804b、804c、804dが閉じ、それにより電流がソースとドレインとの間に流れることが可能となる。複数のスイッチ804a、804b、804c、804dの各々がFETとして記載及び図示されているが、継電器、シリコンMOSFET、二酸化ケイ素(SiC)FET、又はIGBTを含む他のソリッドステートスイッチが考慮される。
【0111】
したがって、一の態様において、複数のスイッチ804a、804b、804c、804dは、第1のスイッチ804a、第2のスイッチ804b、第3のスイッチ804c、及び第4のスイッチ804dを含み得る。第1のスイッチ804aは、インダクタ810の第1のインダクタ端子810aとバッテリパック820の第1のバッテリ端子820aとの間に電流を通すように構成される。第2のスイッチ804bは、インダクタ810の第1のインダクタ端子810aとバッテリパック820の第2のバッテリ端子820bとの間に(例えば、抵抗器812を介して)電流を通すように構成される。第3のスイッチ804cは、インダクタ810の第2のインダクタ端子810bと外部バス818の第1のバス端子818aとの間に電流を通すように構成される。第4のスイッチ804dは、インダクタ810の第2のインダクタ端子810bと外部バス818の第2のバス端子818bとの間に(例えば、抵抗器812を介して)電流を通すように構成される。
【0112】
多機能バッテリスイッチ800は、電圧感知(VSense)増幅器814、電流感知(ISense)増幅器816、及び複数の電圧センサを更に含むことができる。VSense増幅器814は、バッテリ電圧(即ち、バッテリ820の電圧)とバス電圧(即ち、外部バスの電圧818)との間の差動電圧を表す差動電圧測定値を出力し、ISense増幅器816は、抵抗器812を通る電流を表す電流測定値(Isense)を提供する。
【0113】
抵抗器812を通るISense電流は、電圧センサを介して、既知の抵抗を有する抵抗器812の電圧(即ち、ISense電圧)を測定することにより決定することができる。例えば、複数の電圧センサのうちの一つは、抵抗器812の電圧を測定するように構成され得る。一部の態様では、電流感知は、インダクタ810、スイッチ804a、804b、804c、804d、又は多機能バッテリスイッチ800内部の他の構成要素の電圧を測定することによっても達成され得る。このために、電圧センサは、多機能バッテリスイッチ800全体で、バッテリ820(即ち、バッテリ電圧測定値)、外部バス818(即ち、バス電圧測定値)、インダクタ810(即ち、インダクタ電圧測定値)、スイッチ804a、804b、804c、804d(即ち、スイッチ電圧測定値)等の電圧を測定するように、構成することができる。種々の電流及び電圧測定値が決定(例えば、測定及び/又は計算)されて多機能コントローラ802に伝達され、測定入力として処理される。
【0114】
抵抗器812の構成により、多機能バッテリスイッチ800は、外部バス818(放電中)又はバッテリ820(充電中)に送達された電流を感知することができる。設計により、抵抗器812は、ステップアップ/ステップダウン操作の間にインダクタ810を充電するために使用される電源からの電流を感知しない。一部の態様では、抵抗器812は、ホール効果センサといった電流測定値を提供する別の電流感知装置によって置き換えることができる。
【0115】
多機能コントローラ802は、多機能バッテリスイッチ800の動作全体を制御する。動作時、多機能コントローラ802は、特に、一又は複数の測定値入力の関数として多機能バッテリスイッチ800の動作を制御するスイッチコマンド808a 808b、808c、808dを出力する。例えば、多機能コントローラ802は、(例えば、リアルタイム又は準リアルタイムで)、入力として、電流測定値(例えば、ISense)、バッテリ電圧測定値、バス電圧測定値、差動電圧測定値、その他電圧(例えば、ISense、インダクタ、及びスイッチ電圧測定値)等を受け取る。
【0116】
多機能コントローラ802は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、システムオンモジュール、又はフィールドプログラマブルゲーアレイ(FPGA)集積回路(IC)として実装することができる。一部の態様では、単一のコントローラ(例えば、プロセッサとそれに結合されるすべての回路)は、多機能コントローラ802としても、再構成可能なバッテリ又は再構成可能なバッテリシステムのためのコントローラ、例えばバッテリパックコントローラ730、MCU708等としても、機能し得る。多機能コントローラ802は、より高いレベルのコントローラ822、例えばシステムコントローラ216に通信可能に連結することもできる。例えば、多機能コントローラ802は、より高いレベルのコントローラ822から制御コマンドを受け取る及び/又はより高いレベルのコントローラ822にフィードバック(例えば、測定値、電流設定等)を提供することができる。
【0117】
スイッチ804a、804b、804c、804dの各々は、多機能コントローラ802からのスイッチコマンド808a、808b、808c、808dに応答して、ゲートドライバ806a、806b、806c、806dを介して選択的に及び個別に駆動する(例えば、作動させる)ことができる。具体的には、第1のスイッチ804a(スイッチ1)は、第1のスイッチコマンド808a(スイッチコマンド1)に応答して、第1のゲートドライバ806a(ゲートドライバ1)を介して選択的に作動させることができ、第2のスイッチ804b(スイッチ2)は、第2のスイッチコマンド808b(スイッチコマンド2)に応答して、第2のゲートドライバ806b(ゲートドライバ2)を介して選択的に作動させることができ、第3のスイッチ804c(スイッチ3)は、第3のスイッチコマンド808c(スイッチコマンド3)に応答して、第3のゲートドライバ806c(ゲートドライバ3)を介して選択的に作動させることができ、第4のスイッチ804d(スイッチ4)は、第4のスイッチコマンド808d(スイッチコマンド4)に応答して、第4のゲートドライバ806d(ゲートドライバ4)を介して選択的に作動させることができる。一部の態様では、スイッチコマンド808a、808b、808c、808dは、スイッチ804a、804b、804c、804dのうちの一又は複数を制御するため、及び切り替えデューティサイクルを調整するため(例えば、ステップアップ又はステップダウン調整を有効にするため)に、パルス幅変調(PWM)制御技術を使用することができる。多機能バッテリスイッチ800は、多機能バッテリスイッチ800のスイッチ損失を増大させることなく、及び流入/流出電流を制御するために抵抗器を使用することなく(例えば、事前充電スイッチ702に関連して上述したように)、複数のシナリオにおいてバッテリ820に出入りする電流の制御を可能にする。
【0118】
多機能コントローラ802は、オンライン状態、オフライン状態、放電のみの状態、充電のみの状態、ステップダウン放電状態、ステップアップ放電状態、ステップダウン充電状態、及びステップアップ充電状態を含む複数の切り替え状態を達成するために、バックブーストコンバータ824のスイッチ804a、804b、804c、804dを選択的に制御するように動作可能である。種々の切り替え状態は、最大電力点トラッキング、電流制御充電/放電、理想ダイオード動作、電流均衡、及びソフトスタート/ソフトストップを含む種々の機能を容易にすることができる。
【0119】
最大電力点トラッキング。最大電力点トラッキングを容易にするために、多機能コントローラ802は、P&Oアルゴリズムといった一又は複数のアルゴリズムを使用して、外部バス818に接続された電源からバッテリ820への電力転送を最大化するように、PWMを介してスイッチ(例えば、スイッチ804a、804b、804c、804dのうちの一又は複数)の切り替えデューティサイクルを変更することができる。
【0120】
電流制御充電/放電。効果的なバッテリ充電には、一般的に、バッテリ820に流入する電流を制御することが必要である。例えば、リチウムバッテリは、一般的に、定電流相から開始して、バッテリセル772が充電状態閾値に到達したら、続いて定電圧相に移行して充電サイクルを完了する二相で充電され、その間バッテリセル(複数可)772の劣化は最小化される。伝統的な電力供給から充電するとき、多機能コントローラ802は、閾値に到達するまでは定電流充電を使用する伝統的なバッテリ充電を模倣することができ、続いてバッテリセル772が完全に充電されるまで定電圧充電が行われる。定電流相及び定電圧相は、スイッチ804a、804b、804c、804dのうちの一又は複数の切り替えデューティサイクルを、バッテリ820に所望の電流又は電圧を維持するために必要なPWMを介して変更することにより達成することができる(必要に応じて)。
【0121】
上述のように、ソーラ電源(例えば、ソーラパネル106、ソーラアレイ226等)から充電するとき、多機能コントローラ802は、充電電流の上限を超過しない限り、電力転送を最大化するMPPTアルゴリズムを用いることができる。電流上限を超過している場合、多機能コントローラ802は、スイッチ(複数可)の切り替えデューティサイクルを減らして充電電流を制限することにより、ソーラアレイ上のピーク電力点から離れる。閾値充電状態が達成されたら、多機能コントローラ802は、スイッチ(複数可)の切り替えデューティサイクルを使用して充電電圧を制御し、確実にバッテリ820を最大充電に到達させることができる。
【0122】
理想ダイオード動作。多機能コントローラ802はまた、スイッチが理想ダイオードとして動作するように、スイッチ804a、804b、804c、804dのうちの一又は複数を操作するように構成することができ、次いでこれを使用して充電のみ及び放電のみの動作を容易にすることができる。このモードにおいて、多機能コントローラ802が、許可された方向に電流を感知すると、スイッチは閉位置に移行し、電流の流れに対する抵抗を最小化する。逆に、多機能コントローラ802が、許可されていな(即ち、禁じられた)方向に流れようとする電流を感知すると、スイッチは開位置に移行し、電流を中断する。FETスイッチ804a、804b、804c、804dは伝統的なダイオードより低い損失を有するので、このモードは通常のダイオードより有利であり得る。
【0123】
電流均衡。複数のバッテリパック212が並列接続されているとき、バッテリパック212(例えば、バッテリパックコントローラ730)の各々に関連付けられているコントローラは、バッテリパック212間で電流をバランスさせるために、協同的に働くことができる。通信チャネルを使用して、並列コントローラの各々は、その電流を、他のコントローラのすべてに周期的に送ることができる。各時間ステップにおいて、各コントローラは、接続されたパックのすべての平均電流を計算し、次いで電流を平均に近付けるために、その切り替えデューティサイクルを調整する。バッテリパック212の各々に関連付けられたコントローラは、それ自体の最大電流の上限に注意しながら、異なる電流制上限を有し得る他のバッテリパック212との均衡を試みる。このような機能は、バッテリパックの充電及び放電両方の間に利用可能である。
【0124】
ソフトスタート/ソフトストップ。ソフトスタート動作の間、多機能コントローラ802は、多機能バッテリスイッチ800の両側で電圧を感知し、大きな電流スパイクを生じさせることなく多機能バッテリスイッチ800全体の電圧を均等化するように、スイッチ(複数可)804a、804b、804c、804dの切り替えデューティサイクルを増加させる。ソフトストップ動作の間、多機能コントローラ802は、電流がゼロへと滑らかに低下するように、スイッチ(複数可)804a、804b、804c、804dの切り替えデューティサイクルを減少させる。
【0125】
種々の切り替え状態の間のスイッチ804a、804b、804c、804dに関する例示的なスイッチ位置を、以下の表Aにまとめる。
【0126】
オンラインとオフラインとの切り替え状態は、基本的なバッテリ切り替え機能を提供する。具体的には、多機能バッテリスイッチ800を使用して、バッテリ820が外部バス818に接続されているオンライン状態とバッテリ820が外部バス818から接続解除されているオフライン状態との間でバッテリ820を切り替えることができる。オンライン切り替え状態では、バッテリ820と外部バス818との間を電流が自由に流れるように、スイッチ1 804aとスイッチ3 804cが閉位置にあり(即ち、導電状態)スイッチ2と4とが開位置(即ち、非導電状態)にある。具体的には、電流は、(1)スイッチ1 804a、スイッチ3 804c、及びインダクタ810を介してノードAとノードBとの間を、及び(2)抵抗器812を介してノードCとノードDとの間を流れる。電流の流れの方向は、バッテリ820が外部バス818に連結された電源によって充電されているか、又は放電外部バス818に連結されている負荷に放電されているかに依存する。
【0127】
オフライン状態では、スイッチ804a、804b、804c、804dの各々は開位置にあるが、スイッチ1 804a又はスイッチ3 804cのどちらか一方のみを開位置に切り替えることにより、バッテリ820を接続解除することが可能である。具体的には、スイッチ1 804a及び/又はスイッチ3 804cを開位置に置くことでノードAとノードBとの間の電流経路が絶たれ、よってバッテリ820は外部バス818から接続解除される。多機能バッテリスイッチ800のアーキテクチャは、スイッチ(複数可)を超える公称オーバーヘッド及び損失で、オンライン状態とオフライン状態との間の切り替えを可能にする。オンライン状態では、唯一の追加的損失はインダクタ810の直列抵抗である。
【0128】
一部の態様では、バッテリ820に出入りする電流の流れを制御するために、充電のみ動作モード及び/又は放電のみ動作モードを提供することが望ましい。
【0129】
放電のみ切り替え状態では、スイッチ2 804b及びスイッチ4は、開位置に構成され、スイッチ1 804aは閉位置に維持される。スイッチ3 804cは、バッテリ820から流出する電流、バス電圧、及びバッテリ電圧の関数として、選択的に開閉することができる(多機能コントローラ802を介して)。具体的には、スイッチ3 804cは、以下の二つの条件が満たされる場合、多機能コントローラ802によって閉位置に置かれる。(1)バッテリ820から流出する電流が0アンペアより大きく、且つ(2)外部バス818全体のバス電圧がバッテリ820全体の電圧以下である。これら条件下でスイッチ3 804cが閉位置にあるとき、電流はノードAからノードBへ、スイッチ1 804a,スイッチ3 804c、及びインダクタ810を介して流れる。スイッチ3 804cを開位置に置くことでノードAとノードBとの間の電流経路が絶たれ、よってバッテリ820は外部バス818から接続解除され、バッテリ820の充電が妨げられる。
【0130】
充電のみ切り替え状態では、スイッチ2 804b及びスイッチ4は、開位置に構成され、スイッチ3 804cは閉位置に維持される。スイッチ1 804aは、バッテリ820から流出する電流、バス電圧、及びバッテリ電圧の関数として、選択的に開閉することができる(多機能コントローラ802を介して)。具体的には、スイッチ1 804aは、以下の二つの条件が満たされる場合、多機能コントローラ802によって閉位置に置かれる。(1)バッテリ820に流入する電流が0アンペアより大きく、且つ(2)外部バス818全体のバス電圧がバッテリ820全体の電圧以上である。これら条件下でスイッチ1 804aが閉位置にあるとき、電流はノードBからノードAへ、スイッチ1 804a,スイッチ3 804c、及びインダクタ810を介して流れる。スイッチ3 を開位置に置くことでノードAとノードBとの間の電流経路が絶たれ、よってバッテリ820は外部バス818から接続解除され、バッテリ820の放電が妨げられる。
【0131】
一部の態様では、バッテリ820の充電又は放電中に、スイッチ804a、804b、804c、804dを介して多機能バッテリスイッチ800全体の電圧をステップアップ又はステップダウンすることが望ましい。
【0132】
例示的なステップダウン放電切り替え状態が図9のaからcに示されている。ステップダウン放電切り替え状態を使用して、例えば、ソフトスタート/ソフトストップ放電及び/又は電流制御放電を容易にすることができる。図9aに示されるように、スイッチ3 804cは閉位置に維持され、スイッチ4 804dは開位置に維持されている。スイッチ1 804aは、所望の電圧ステップダウンを達成するために、パルス幅変調を使用して制御(即ち、開閉)することができ、スイッチ2 804bは、スイッチ1 804aのスイッチ状態の関数として制御される。具体的には、スイッチ2 804bのスイッチ位置は、スイッチ2 804bがダイオードとして有効に動作するように、スイッチ1 804aのスイッチ位置の逆となる。例えば、スイッチ1 804aが閉位置にあるとき、スイッチ2 804bは開位置にあるであろう。スイッチ1 804a及び2 804bは、開位置と閉位置との間の移行の間に、他方の回路を閉じる前に一方の回路を中断することにより電流のシュートスルーを回避するブレークビフォーメーク(BBM)保護を用いることができる。換言すれば、スイッチ1 804aが開位置から閉位置へ移行している場合、スイッチ2 804bは、スイッチ1 804aが閉位置に切り替わる前に開位置に切り替わる(逆の場合もそうである)。
【0133】
図9bは、スイッチ1 804aが閉位置にあり、スイッチ2 804bが開位置(即ち、スイッチ1 804aの逆)にあるときの電流の流れを示している。図示のように、電流は、スイッチ1 804a、スイッチ3 804c、及びインダクタ810を介してノードAからノードBへ、抵抗器812を介してノードCからノードDへ流れる。図9cは、スイッチ1 804aが開位置にあり、スイッチ2 804bが閉位置にあるときの電流の流れを示している。図示のように、電流は、スイッチ2 804b、インダクタ810、及びスイッチ3 804cを介してノードCからノードBへ流れる。スイッチ1 804aを開位置に置くことで、ノードAとノードBとの間の電流経路が絶たれ、よってバッテリ820は外部バス818から接続解除され、バッテリ820の充電が妨げられる。
【0134】
例示的なステップアップ放電切り替え状態が図10のaからcに示されている。ステップアップ放電切り替え状態を使用して、例えば、電流制御放電を容易にすることができる。図10aに示されるように、スイッチ1 804aは閉位置に維持され、スイッチ2 804bは開位置に維持されている。スイッチ4 804dは、所望の電圧ステップアップを達成するために、パルス幅変調を使用して制御(即ち、開閉)することができ、スイッチ3 804cは、スイッチ4 804dのスイッチ状態の関数として制御される。具体的には、スイッチ3 804cのスイッチ位置は、スイッチ3 804cがダイオードとして有効に動作するように、スイッチ4 804dのスイッチ位置の逆となる。例えば、スイッチ4 804dが閉位置にあるとき、スイッチ3 804cは開位置にあるであろう。スイッチ3 804c、及び4 804dは、移行の間にBBM保護を用いて電流のシュートスルーを回避することができる。換言すれば、スイッチ4 804dが開位置から閉位置へ移行している場合、スイッチ3 804cは、スイッチ4 804dが閉位置に切り替わる前に開位置に切り替わる(逆の場合もそうである)。
【0135】
図10bは、スイッチ4 804dが閉位置にあり、スイッチ3 804cが開位置(即ち、スイッチ4 804dの逆)にあるときの電流の流れを示している。図示のように、電流は、スイッチ1 804a、インダクタ810、及びスイッチ4 804dを介してノードAからノードDへ流れる。スイッチ4 804dを閉位置に置くことで、スイッチ3 804c(スイッチ4 804dの逆)を介するノードAとノードBとの間の電流経路が絶たれ、よってバッテリ820は外部バス818から接続解除され、バッテリ820の充電が妨げられる。図10cは、スイッチ4 804dが開位置にあり、スイッチ3 804cが閉位置にあるときの電流の流れを示している。図示のように、電流は、スイッチ1 804a、スイッチ3 804c、及びインダクタ810を介してノードAからノードBへ、抵抗器812を介してノードCからノードDへ流れる。
【0136】
例示的なステップダウン充電切り替え状態が図11のaからcに示されている。ステップダウン充電切り替え状態を使用して、例えば、ソフトスタート/ソフトストップ充電、電流制御充電、又はMPPTを容易にすることができる。図11aに示されるように、スイッチ1 804aは閉位置に維持され、スイッチ2 804bは開位置に維持されている。スイッチ3 804cは、所望の電圧ステップダウンを達成するために、パルス幅変調を使用して制御(即ち、開閉)することができ、スイッチ4 804dは、スイッチ3 804cのスイッチ状態の関数として制御される。具体的には、スイッチ4 804dのスイッチ位置は、スイッチ4 804dがダイオードとして有効に動作するように、スイッチ3 804cのスイッチ位置の逆となる。例えば、スイッチ3 804cが閉位置にあるとき、スイッチ4 804dは開位置にあるであろう。スイッチ3 804c及び4 804dは、開位置と閉位置との間の移行の間に、電流のシュートスルーを回避するBBM保護を用いることができる。換言すれば、スイッチ3 804cが開位置から閉位置へ移行している場合、スイッチ4 804dは、スイッチ3 804cが閉位置に切り替わる前に開位置に切り替わる(逆の場合もそうである)。
【0137】
図11bは、スイッチ1 804aが閉位置にあり、スイッチ3 804cが開位置(即ち、スイッチ1 804aの逆)にあるときの電流の流れを示している。図示のように、電流は、スイッチ1 804a、スイッチ3 804c、及びインダクタ810を介してノードBからノードAへ、抵抗器812を介してノードDからノードCへ流れる。図11cは、スイッチ1 804aが開位置にあり、スイッチ3 804cが閉位置にあるときの電流の流れを示している。図示のように、電流は、スイッチ3 804c、インダクタ810、及びスイッチ1 804aを介してノードDからノードAへ流れる。スイッチ3 804cを開位置に置くことで、ノードBとノードAとの間の電流経路が絶たれ、よってバッテリ820は外部バス818から接続解除され、バッテリ820の放電が妨げられる。
【0138】
例示的なステップアップ充電切り替え状態が図12のaからcに示されている。ステップアップ充電切り替え状態を使用して、例えば、電流制御充電又はMPPTを容易にすることができる。図12aに示されるように、スイッチ3 804cは閉位置に維持され、スイッチ4 804dは開位置に維持されている。スイッチ2 804bは、所望の電圧ステップアップを達成するために、パルス幅変調を使用して制御(即ち、開閉)することができ、スイッチ1 804aは、スイッチ2 804bのスイッチ状態の関数として制御される。具体的には、スイッチ1 804aのスイッチ位置は、スイッチ1 804aがダイオードとして有効に動作するように、スイッチ2 804bのスイッチ位置の逆となる。例えば、スイッチ2 804bが閉位置にあるとき、スイッチ1 804aは開位置にあるであろう。スイッチ1 804a及び2 804bは、移行の間にBBM保護を用いて電流のシュートスルーを回避することができる。換言すれば、スイッチ2 804bが開位置から閉位置へ移行している場合、スイッチ1 804aは、スイッチ2 804bが閉位置に切り替わる前に開位置に切り替わる(逆の場合もそうである)。
【0139】
図12bは、スイッチ2 804bが閉位置にあり、スイッチ1 804aが開位置(即ち、スイッチ2 804bの逆)にあるときの電流の流れを示している。図示のように、電流は、スイッチ3 804c、インダクタ810、及びスイッチ2 804bを介してノードBからノードCへ流れる。スイッチ2 804bを閉位置に置くことで、スイッチ1 804a(スイッチ2 804bの逆)を介するノードAとノードBとの間の電流経路が絶たれ、よってバッテリ820は外部バス818から接続解除され、バッテリ820の放電が妨げられる。図12cは、スイッチ2 804bが開位置にあり、スイッチ1 804aが閉位置にあるときの電流の流れを示している。図示のように、電流は、スイッチ1 804a、スイッチ3 804c、及びインダクタ810を介してノードBからノードAへ、抵抗器812を介してノードDからノードCへ流れる。
【0140】
多機能コントローラ802は、再構成可能なバッテリに使用されると、バッテリパックコントローラ730と協働(又は合体)して、バックブーストコンバータ824の変換効率を最適化することができる。例えば、多機能コントローラ802は、外部バス818に連結された電源(例えば、ソーラパネル106、ソーラアレイ226等)のピーク電力電圧と一致(又は実質的に一致)するようにバッテリ820の電圧を同時調整し、それによりバックブーストコンバータ824の電力変換損失を最小化することができる。動作時、多機能バッテリスイッチ800のバックブーストコンバータ824を使用して、再構成可能なバッテリのみを使用して達成できるものよりも精密な変更をバッテリ820の出力電圧に対して加えることができる。
【0141】
即ち、再構成可能なバッテリは、一般的に、その最小の切り替え可能な構成要素の増分(例えば、一つのバッテリセル772の増分)での変更に制限される。最小の切り替え可能な構成要素がバッテリセル772である場合、再構成可能なバッテリの出力電圧は、一つのバッテリセル772の増分で調整される。リチウムベースのバッテリセルの公称電圧は約3.6から3.7ボルトであり、したがって、バッテリセル772が充電されていると想定すると、再構成可能なバッテリは約3.6から3.7ボルトの増分で調整される。しかしながら、バッテリセル772をオンライン又はオフラインに切り替えることにより可能な粗調整より小さい微調整を行うことが望ましいことが多い。したがって、動作時、バックブーストコンバータ824を使用して連続的に、スイッチ804a、804b、804c、804dを介し、バッテリ820の出力電圧に対して微調整を加えることができ、バッテリ820の再構成可能な構成要素を制御して、出力電圧に対する粗調整を(例えば、切り替え可能なバッテリモジュール770を介して)行うことができる。
【0142】
例として、バッテリストリング766内部で最低のSoCを有するバッテリセル772が3ボルトの電圧を呈するとき、そのような再構成可能なバッテリに対する最小の電圧増分は3ボルトである。微調整を行うために(この場合、3ボルト未満)、バックブーストコンバータ824は、ステップアップ又はステップダウンコンバータとして機能し得る。これは、所望の微調整(ステップアップ調整であるか又はステップダウン調整であるかを問わず)を行う切り替えデューティサイクルを実現するために、PWM制御技術使用してスイッチ804a、804b、804c、804dについて一又は複数を駆動することにより達成され得る。このために、バックブーストコンバータ824を使用して、バッテリ820の出力電圧に対して(例えば、バッテリセル772をオンライン又はオフラインに切り替えることにより達成できるものよりも小さい増分で)所望の微調整を加えるために、することができ、再構成可能なバッテリを使用して、バッテリセル(複数可)772をオンライン又はオフラインに切り替えることにより達成できる増分で所望の調整を加えることができる。
【0143】
この方式は、バックブーストコンバータ824の電圧に変化がないとき、バックブーストコンバータ824の変換効率が最大化されるため、有利である。更に、バックブーストコンバータ824は、出力電圧に対して調整を加えるとき、再構成可能なバッテリよりはるかに速く応答することができる。したがって、バックブーストコンバータ824を使用して迅速に微調整を行うときの効率が最適化され、再構成可能なバッテリを使用して粗変更を加えることができる。
【0144】
図13は、バッテリ820(例えば、バッテリパック212)を外部バス818に選択的に接続するための例示的なプロセス1300を示している。このプロセスはステップ1302において開始する。ステップ1304では、多機能コントローラ802は、多機能バッテリスイッチ800の一又は複数のパラメータを決定する。例えば、多機能コントローラ802は、一又は複数のセンサを介して、(1)電流測定値を生成する、抵抗器812を通る電流、(2)バッテリ電圧測定値を生成する、バッテリ820の電圧、(3)バス電圧測定値を生成する、外部バスの電圧818、(4)インダクタ電圧測定値を生成する、インダクタ810の電圧、(5)スイッチ電圧測定値を生成する、スイッチ804a、804b、804c、804dの電圧、(6)バッテリ電圧測定値とバス電圧測定値との間の差動電圧測定値等のうちの一又は複数を測定(他の方法で決定)することができる。
【0145】
ステップ1306では、多機能コントローラ802は、例えば、電力転送に対してステップアップ又はステップダウン調整を加えるために、ソリッドステートスイッチ804a、804b、804c、804dのうちの一又は複数の制御に一又は複数のPWM制御技術を用いるかどうかを随意で決定する。例えば、バッテリ820が再構成可能なバッテリパックである場合、例えば複数の切り替え可能なバッテリモジュール770を介してバッテリ820の出力電圧に対して大きな調整が行われる場合には、多機能コントローラ802を、複数のソリッドステートスイッチを介してバッテリ820の出力電圧に対して小さな調整を加えるように構成することができる。
【0146】
多機能コントローラ802は、ステップ1304の測定値(例えば、バッテリ820、外部バス818等に関連付けられるリアルタイム又は準リアルタイム測定値の関数として電力転送を調節するために)、より高いレベルのコントローラ822等からの命令に基づいて、一又は複数のPWM制御技術を用いるかどうかを決定することができる。多機能コントローラ802が、それが一又は複数のPWM制御技術を用いると決定した場合、プロセス1300はステップ1308に進み、そうでない場合プロセス1300はステップ1310に進む。
【0147】
ステップ1308では、多機能コントローラ802は、PWM制御技術を使用してソリッドステートスイッチ804a、804b、804c、804dのうちのどれを制御するかを決定し、PWM制御技術を使用して制御されるものの各々について、所望の調整、電圧等を達成するための切り替えデューティサイクルを決定する。
【0148】
ステップ1310では、多機能コントローラ802は、ソリッドステートスイッチ804a、804b、804c、804dのうちの一又は複数を理想ダイオードとして制御するべきかどうかを随意で決定する。多機能コントローラ802は、ステップ1304の測定値(例えば、充電のみ又は放電のみの動作を提供する)、より高いレベルのコントローラ822等からの命令に基づいて、一又は複数のPWM制御技術を用いるかどうかを決定する。上述のように、ソリッドステートスイッチ804a、804b、804c、804dのうちの一又は複数は理想ダイオードとして制御されて、(1)放電のみの動作の間にバッテリ820に電流が流入することを防ぎ、(2)充電のみの動作の間にバッテリ820から電流が流出することを防ぐことができる。多機能コントローラ802が、ソリッドステートスイッチ804a、804b、804c、804dのうちの一又は複数を理想ダイオードとして制御することを決定した場合、プロセス1300はステップ1312へ進み、そうでない場合プロセス1300はステップ1314へ進む。
【0149】
ステップ1312では、多機能コントローラ802は、ソリッドステートスイッチ804a、804b、804c、804dのうちのどれを理想ダイオードとして制御するかを決定する。
【0150】
ステップ1314では、多機能コントローラ802は、ステップ1304で決定された一又は複数の測定値、及び適切であればステップ1308及び1312で確立された設定の関数として、一又は複数のスイッチコマンド808a、808b、808c、808dを生成する。
【0151】
ステップ1316では、多機能コントローラ802は、バッテリパック820と外部バス818との間における電力転送を調節するために、複数のソリッドステートスイッチ804a、804b、804c、804dの各々を個別に制御する。例えば、多機能コントローラ802は、ソリッドステートスイッチ804a、804b、804c、804dを選択的に開閉するために、ステップ1314で生成されたスイッチコマンド808a、808b、808c、808dを関連するゲートドライバ806a、806b、806c、806dに伝達する。
【0152】
ステップ1318では、多機能コントローラ802は、プロセス1300は繰り返されてステップ1304に戻るか、又はステップ1320で終了するかを決定する。例えば、多機能コントローラ802は、リアルタイムモニタリングを実施することができ、このような場合には、コントローラは動作中にプロセス1300を繰り返すために有用であろう。
【0153】
図14a及び14bは、用いることのできる二つの代替的な検出抵抗器構成を示している。図14aは、スイッチを通って流れるすべての電流が単一の抵抗器812によって感知される構成を示している。これは、特に非連続モードでバックブーストコンバータ824を動作させるとき、ステップアップ又はステップダウン動作の間に、より精密な制御を提供する。図14bは、二つの別個の抵抗器812a、812bと二つの別個の電流検出増幅器816a、816bとを有する構成を示し、この構成では、システムが、追加の検出抵抗器、増幅器、及び多機能コントローラ802上での関連データ取得を犠牲にして、外部バス818に出入りする流れから独立してバッテリ820に出入りする電流を感知することができる。
【0154】
一部の態様では、バックブーストスイッチ構成は、スイッチ804a、804b、804c、804dのうちの二つを排除することにより簡略化することができ、この場合PWM電流制御はスイッチの電圧を低下させることができるのみで、上昇させることはできない。その電圧を変動させるように再構成可能であるバッテリ820に使用されるとき、2-スイッチ方式は、効率のいくらかの損失を犠牲にし、また必要なフィルタリング容量を増加させるが、同様の機能性を提供し得る。
【0155】
種々のソーラパワー及びバッテリ電源のシステムと方法を、ソーラパワー航空機に関連させて一般的に説明したが、このシステムと方法は、再構成可能なバッテリシステムが必要とされるほぼすべての産業に適用可能である。加えて、方法ステップの順序又は提示は、特定の順序が明確に必要とされている場合又はそうでなくとも文章から明らかである場合を除き、記載のステップを実施するこのような順序が必要であることを意図していない。したがって、特定の実施形態を図示及び記載したが、当業者には、本開示の原理及び範囲から逸脱せずに形態及び詳細に種々の変更及び修正が行われ得ること、並びにそのような変更及び修正が、法が許す限り最も広義に解釈されることが意図された特許請求の範囲によって規定される本発明の一部を形成することを意図していることが明らかであろう。上述の方法及びシステムは、例示として提示されており、限定を目的としていない。当業者には、多数の変形、追加、省略、及びその他修正が明らかであろう。
【0156】
本開示は、以下の条項に記載する主題を含む。
【0157】
条項1.多機能バッテリスイッチを用いてバッテリパック(212、212a、820)を外部バス(818)に選択的に接続するための方法であって、多機能バッテリスイッチ(800)が、バックブーストコンバータ(824)を規定するように抵抗器(812)及びインダクタ(810)と共に配置されている複数のスイッチ(804)に動作可能に連結された多機能コントローラ(802)(802)(802)(802)を含み、方法が、
抵抗器(812)を通る電流を測定して電流測定値を生成すること、
バッテリパックの電圧(212、212a、820)を測定してバッテリ電圧測定値を生成すること、
外部バスの電圧(818)を測定してバス電圧測定値を生成すること、
バッテリ電圧測定値とバス電圧測定値との間の差動電圧測定値を計算すること、
多機能コントローラ(802)を介して、電流測定値、バッテリ電圧測定値、バス電圧測定値、及び差動電圧測定値の関数として一又は複数のスイッチ(804)コマンド(808)を生成すること、並びに
バッテリパック(212、212a、820)と外部バス(818)との間の電力転送を調整するために、スイッチ(804)コマンド(808)を介して複数のスイッチ(804)の各々を個別に制御すること
を含む方法。
【0158】
条項2.一又は複数のスイッチコマンド(808)が、充電のみの動作及び放電のみの動作を容易にするために複数のスイッチ(804)を制御するように構成される、条項1の方法。
【0159】
条項3.電力転送に対してステップアップ又はステップダウン電圧調整を加える少なくとも一つのパルス幅変調(PWM)制御技術を使用して、一又は複数のスイッチコマンド(808)を変調するステップを更に含む、条項2の方法。
【0160】
条項4.複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御して、(1)放電のみの動作の間にバッテリパック(212、212a、820)の中へ電流が流入することを防止し、(2)充電のみの動作の間にバッテリパック(212、212a、820)から電流が流出することを防止するステップを更に含む、条項2又は3の方法。
【0161】
条項5.バッテリパック(212、212a、820)が、電気的に直列に配置されて出力電圧を規定するバッテリストリング(766)を規定している複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)を有する再構成可能なバッテリパック(212、212a、820)であり、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々がバッテリセルとバッテリスイッチとを含み、
バッテリスイッチ(804)が、(1)バッテリスイッチ(804)が第1の位置にあるとき、バッテリセル(772)をバッテリストリング(766)に電気的に接続して出力電圧を上昇させ、(2)バッテリスイッチ(804)が第2の位置にあるとき、バッテリセル(772)をバッテリストリング(766)から電気的に迂回するように構成される、
条項1から4のいずれかの方法。
【0162】
条項6.
多機能コントローラ(802)を介して、再構成可能なバッテリパック(212、212a、820)の出力電圧に複数のスイッチ(804)を介して微調整を加えるスイッチ(804)コマンド(808)を生成するステップ、及び
複数の切り替え可能なバッテリモジュールを介して再構成可能なバッテリパック(212、212a、820)の出力電圧に粗調整を加えるようにバッテリスイッチ(804)を制御するステップ
を更に含む、条項5の方法。
【0163】
条項7.バッテリパック(212、212a、820)を外部バス(818)に選択的に接続するための多機能バッテリスイッチ(800)であって、
多機能コントローラ(802);
各々が、多機能コントローラ(802)からのスイッチ(804)コマンド(808)を介して独立に制御可能である複数のスイッチ(804)、
インダクタ(810);及び
抵抗器(812)
を備え、インダクタ(810)、抵抗器(812)、及び複数のスイッチ(804)が、多機能コントローラ(802)からのスイッチ(804)コマンド(808)の関数としてバッテリパック(212、212a、820)と外部バス(818)との間の電力転送を選択的に調節するバックブーストコンバータ(824)を規定するように配置されている、多機能バッテリスイッチ(800)。
【0164】
条項8.多機能コントローラ(802)(802)(802)(802)が、充電のみの動作及び放電のみの動作を容易にするために複数のスイッチ(804)を制御するように構成されている、条項7の多機能バッテリスイッチ(800)。
【0165】
条項9.多機能コントローラ(802)(802)(802)(802)が、電力転送に対してステップアップ又はステップダウン電圧調整を加える一又は複数のパルス幅変調(PWM)制御技術を使用して複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを制御するように構成されている、条項7又は8の多機能バッテリスイッチ(800)。
【0166】
条項10.多機能コントローラ(802)(802)(802)(802)が、複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御するように構成されている、条項7から9のいずれかの多機能バッテリスイッチ(800)。
【0167】
条項11.多機能コントローラ(802)(802)(802)(802)が、複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御して、放電のみの動作の間にバッテリパック(212、212a、820)の中へ電流が流入することを防止するように構成されている、条項7から10のいずれかの多機能バッテリスイッチ(800)。
【0168】
条項12.多機能コントローラ(802)(802)(802)(802)が、複数のスイッチ(804)のうちの少なくとも一つを理想ダイオードとして動作するように制御して、充電のみの動作の間にバッテリパック(212、212a、820)から電流が流出することを防止するように構成されている、条項7から11のいずれかの多機能バッテリスイッチ(800)。
【0169】
条項13.複数のスイッチ(804)が、第1のスイッチ(804a)、第2のスイッチ(804b)、第4のスイッチ(804c)、及び第4のスイッチ(804d)を含む、条項7から12のいずれかの多機能バッテリスイッチ(800)。
【0170】
条項14.第1のスイッチ(804a)(804)が、インダクタ(810)の第1のインダクタ(810)端子とバッテリパック(212、212a、820)の第1のバッテリ端子との間に電流を通すように構成されており、第2のスイッチ(804b)(804)が、インダクタ(810)の第1のインダクタ(810)端子とバッテリパック(212、212a、820)の第2のバッテリ端子との間に電流を通すように構成されている、条項13の多機能バッテリスイッチ(800)。
【0171】
条項15.第4のスイッチ(804c)(804)が、インダクタ(810)の第2のインダクタ(810)端子と外部バス(818)の第1のバス端子との間に電流を通すように構成されており、第4のスイッチ(804d)(804)が、インダクタ(810)の第2のインダクタ(810)端子と外部バス(818)の第2のバス端子との間に電流を通すように構成されている、条項14の多機能バッテリスイッチ(800)。
【0172】
条項16.(1)抵抗器(812)を通る電流測定値、又は(2)抵抗器(812)の電圧測定値を出力する増幅器を更に備える、条項15の多機能バッテリスイッチ(800)。
【0173】
条項17.(1)バッテリパック(212、212a、820)のバッテリ電圧と(2)バス外部バス(818)の電圧との間の差動電圧測定値を出力する増幅器を更に備える、条項16の多機能バッテリスイッチ(800)。
【0174】
条項18.多機能コントローラ(802)(802)(802)(802)が、電流測定値、電圧測定値、又は差動電圧測定値の関数としてスイッチ(804)コマンド(808)を生成するように構成されている、条項17の多機能バッテリスイッチ(800)。
【0175】
条項19.バッテリパック(212、212a、820)が、電気的に直列に配置されて可変出力電圧を有するバッテリストリング(766)を規定する複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)を有する再構成可能なバッテリパック(212、212a、820)である、条項7から18のいずれかの多機能バッテリスイッチ(800)。
【0176】
条項20.多機能コントローラ(802)(802)(802)(802)が、再構成可能なバッテリパック(212、212a、820)の可変出力電圧に対して微調整を加えるようにバックブーストコンバータ(824)の複数のスイッチ(804)を制御する、条項19の多機能バッテリスイッチ(800)。
【0177】
条項21.電気的に直列に配置されて、出力電圧を規定するバッテリストリング(766)を規定している複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)に動作可能に連結されたバッテリパックコントローラ(730)を有するバッテリシステムを再構成するための方法であって、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々が、バッテリと、それに関連付けられたバッテリスイッチ(762)とを含み、各バッテリスイッチ(762)が選択的に、そのバッテリをバッテリストリング(766)に接続するか、又はそのバッテリをバッテリストリング(766)から迂回するように構成されており、方法が、
バッテリストリング(766)を外部バスから接続解除するように主スイッチを制御すること、
バッテリストリング(766)を通る電流の量を監視すること、
電流が所定の電流値を下回ったら、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々について、出力電圧が所定のターゲット出力電圧と実質的に等しくなるように、所定の切り替えルーチンに従い、バッテリパックコントローラ(730)を介して、バッテリスイッチ(762)を第1の位置又は第2の位置に構成することであって、
バッテリスイッチ(762)を第1の位置に構成することが、バッテリをバッテリストリング(766)と電気的に直列に置いて出力電圧を上昇させ、
バッテリスイッチ(762)を第2の位置に構成することが、バッテリをバッテリストリング(766)から電気的に迂回する、
バッテリスイッチ(762)を第1の位置又は第2の位置に構成すること、
事前充電サイクルを実施するために、事前充電スイッチ(702)を介してバッテリストリング(766)を外部バスに接続することであって、事前充電スイッチ(702)が抵抗器と直列に動作可能に連結されて事前充電スイッチ(702)を通る電流の流れを制限する、接続すること、及び
事前充電サイクルが完了したら、充電サイクルを実施するためにバッテリストリング(766)を外部バスに接続するように主スイッチを制御すること
を含む方法。
【0178】
条項22.電流の量を監視するステップが、
バッテリストリング(766)を通る電流の量を測定すること、及び
電流の量が所定の電流値未満であるかどうかを決定するために、電流の量を所定の電流値と比較すること
を含む、条項21の方法。
【0179】
条項23.電流の量が所定の電流値以上であり、且つ所定の期間が経過している場合、エラー信号を出力するステップを更に含む、条項22の方法。
【0180】
条項24.電流の量が所定の電流値以上であり、且つ所定の期間が経過していない場合、(a)電流の量を測定するステップ、及び(b)電流の量を比較するステップが繰り返される、条項22又は条項23の方法。
【0181】
条項25.事前充電サイクルが、
外部バスにおけるバス電圧を決定するステップ、
バッテリストリング(766)の出力電圧を決定するステップ、
バス電圧と出力電圧との間の電圧差(ΔV)を計算するステップ、及び
電圧差(ΔV)が一又は複数の故障条件を満たすかどうかを決定するステップ
を含み、電圧差(ΔV)が一又は複数の故障条件を満たさない場合、事前充電サイクルが完了する、条項21から24のいずれかの方法。
【0182】
条項26.(A)電圧差(ΔV)が第1の所定の電圧より大きく、且つ(B)(1)電圧差(ΔV)の変化率が第2の所定の電圧より大きいか、又は(2)電圧差(ΔV)が第3の所定の電圧より大きい場合、一又は複数の故障条件が満たされる、条項25の方法。
【0183】
条項27.第1の所定の電圧が5ボルトと15ボルトとの間である、条項26の方法。
【0184】
条項28.第2の所定の電圧が2ボルトと8ボルトとの間である、条項27の方法。
【0185】
条項29.第3の所定の電圧が50ボルトと150ボルトとの間である、条項27の方法。
【0186】
条項30.一又は複数の故障条件が満たされ、且つ所定の期間が経過していない場合、バッテリパックコントローラ(730)が、外部バスにおけるバス電圧を決定するステップ、バッテリストリング(766)の出力電圧を決定するステップ、バス電圧と出力電圧との間の更新された電圧差(ΔV)を計算するステップ、及び更新された電圧差(ΔV)が一又は複数の故障条件を満たすかどうかを決定するステップを繰り返すように構成される、条項25の方法。
【0187】
条項31.
電気的に直列に配置されて出力電圧を規定するバッテリストリング(766)を規定している複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)であって、各々がバッテリとバッテリスイッチ(762)とを含み、バッテリストリング(766)が、主スイッチ又は事前充電スイッチ(702)を介して外部バスと電気的に連結されるように構成されている、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々について、バッテリをバッテリストリング(766)と電気的に直列に置く第1の位置と、バッテリストリング(766)からバッテリを迂回する第2の位置との間で、バッテリスイッチ(762)を選択的に切り替えるバッテリパックコントローラ(730)であって、
主スイッチを介して、外部バスからバッテリストリング(766)を接続解除するステップ、
バッテリストリング(766)を通る電流の量を監視するステップ、
電流の量が所定の電流値を下回ったら、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々について、出力電圧が所定のターゲット出力電圧と実質的に等しくなるように、所定の切り替えルーチンに従い、バッテリパックコントローラ(730)を介して、バッテリスイッチ(762)を第1の位置又は第2の位置に構成するステップ、
事前充電サイクルを実施するために、事前充電スイッチ(702)を介して、バッテリストリング(766)を外部バスに接続するステップであって、事前充電スイッチ(702)が、抵抗器と直列に動作可能に連結されて事前充電スイッチ(702)を通る電流の流れを制限する、接続するステップ、及び
事前充電サイクルが完了したら、充電サイクルを実施するために、バッテリストリング(766)を外部バスに接続するように主スイッチを制御するステップ
を実施するように構成されたバッテリパックコントローラ(730)
を備える再構成可能なバッテリシステム。
【0188】
条項32.電流の量を監視するステップが、
バッテリストリング(766)を通る電流の量を測定すること、及び
電流の量が所定の電流値未満であるかどうかを決定するために、電流の量を所定の電流値と比較すること
を含む、条項31の再構成可能なバッテリシステム。
【0189】
条項33.バッテリパックコントローラ(730)が、電流の量が所定の電流値以上であり、且つ所定の期間が経過している場合、エラー信号を出力するように構成されている、条項32の再構成可能なバッテリシステム。
【0190】
条項34.電流の量が所定の電流値以上であり、且つ所定の期間が経過していない場合、(a)電流の量を測定するステップ、及び(b)電流の量を比較するステップが繰り返される、条項32の再構成可能なバッテリシステム。
【0191】
条項35.事前充電サイクルが、
外部バスにおけるバス電圧を決定するステップ、
バッテリストリング(766)の出力電圧を決定するステップ、
バス電圧と出力電圧との間の電圧差(ΔV)を計算するステップ、及び
電圧差(ΔV)が一又は複数の故障条件を満たすかどうかを決定するステップ
を含み、電圧差(ΔV)が一又は複数の故障条件を満たさない場合、事前充電サイクルが完了する、条項31から34のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
【0192】
条項36.(A)電圧差(ΔV)が第1の所定の電圧より大きく、且つ(B)(1)電圧差(ΔV)の変化率が第2の所定の電圧より大きいか、又は(2)電圧差(ΔV)が抵抗器での第3の推定電圧降下を上回って所定の割合より大きい場合、一又は複数の故障条件が満たされる、条項35の再構成可能なバッテリシステム。
【0193】
条項37.一又は複数の故障条件が満たされ、且つ所定の期間が経過していない場合、バッテリパックコントローラ(730)が、外部バスにおけるバス電圧を決定するステップ、バッテリストリング(766)の出力電圧を決定するステップ、バス電圧と出力電圧との間の更新された電圧差(ΔV)を計算するステップ、及び更新された電圧差(ΔV)が一又は複数の故障条件を満たすかどうかを決定するステップを繰り返すように構成されている、条項35の再構成可能なバッテリシステム。
【0194】
条項38.複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々のバッテリスイッチ(762)がソリッドステートスイッチである、条項31から37のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
【0195】
条項39.ソリッドステートスイッチが金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である、条項38の再構成可能なバッテリシステム。
【0196】
条項40.複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々のバッテリスイッチ(762)が、ブレークビフォーメーク(BBM)構成に構成されている、条項31から39のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
【0197】
条項41.電気的に直列に配置されて、出力電圧を規定するバッテリストリング(766)を規定している複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)に動作可能に連結されたバッテリパックコントローラ(730)を有するバッテリシステムを再構成するための方法であって、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々が、バッテリと、それに関連付けられたバッテリスイッチ(762)とを含み、各バッテリスイッチ(762)が選択的に、そのバッテリをバッテリストリング(766)に接続するか、又はそのバッテリをバッテリストリング(766)から迂回するように構成されており、方法が、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、バッテリの健全性状態(SoH)を決定すること、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、バッテリの開回路電圧(OCV)を決定すること、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、バッテリの内部抵抗を決定すること、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、バッテリスイッチ(762)の動作可能性を決定すること、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、バッテリの充電状態(SoC)を決定すること、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、バッテリの閉回路電圧(CCV)を決定すること、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、バッテリの比率パラメータを計算することであって、比率パラメータが、SoCをCCVで除したものに等しい、計算すること、及び
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、出力電圧が所定のターゲット出力電圧と等しくなるように、所定の切り替えルーチンに従い、少なくとも部分的にバッテリの比率パラメータに基づいて、バッテリパックコントローラ(730)を介してバッテリスイッチ(762)を第1の位置(762b)又は第2の位置(762a)に構成することであって、
バッテリスイッチ(762)を第1の位置(762b)に構成することが、バッテリをバッテリストリング(766)と電気的に直列に置いて出力電圧を上昇させ、
バッテリスイッチ(762)を第2の位置(762a)に構成することが、バッテリストリング(766)からバッテリを電気的に迂回する、
構成すること
を含む方法。
【0198】
条項42.所定のターゲット出力電圧が達成されるまで、バッテリパックコントローラ(730)が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々のバッテリスイッチ(762)を個別に切り替えるように構成される、条項41の方法。
【0199】
条項43.バッテリストリング(766)を充電すべきとき、バッテリパックコントローラ(730)が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々のバッテリスイッチ(762)を、最も低い比率パラメータを有するものから開始して第1の位置(762b)に個別に切り替えるように構成される、条項41又は条項42の方法。
【0200】
条項44.バッテリストリング(766)を放電すべきとき、バッテリパックコントローラ(730)が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々のバッテリスイッチ(762)を、最も高い比率パラメータを有するものから開始して第1の位置(762b)に個別に切り替えるように構成される、条項41から43のいずれかの方法。
【0201】
条項45.バッテリパックコントローラ(730)が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、少なくとも部分的にバッテリの電圧に基づいて、第1の位置(762b)と第2の位置(762a)との間でバッテリスイッチ(762)を選択的に切り替えるように構成される、条項41から44のいずれかの方法。
【0202】
条項46.バッテリパックコントローラ(730)が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、出力電圧誤差を最小化するために、第1の位置(762b)と第2の位置(762a)との間でバッテリスイッチ(762)を選択的に切り替えるように構成される、条項41から45の一つの方法。
【0203】
条項47.
電気的に直列に配置されて、出力電圧を規定するバッテリストリングを規定(766)している複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)であって、各々がバッテリとバッテリスイッチ(762)とを含み、
バッテリスイッチ(762)を第1の位置(762b)に構成することが、バッテリをバッテリストリング(766)と電気的に直列に置いて出力電圧を上昇させ、
バッテリスイッチ(762)を第2の位置(762a)に構成することが、バッテリをバッテリストリング(766)から電気的に迂回する、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々に動作可能に連結されたバッテリ監視回路であって、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々について、バッテリの一又は複数のパラメータを監視するように構成されているバッテリ監視回路、及び
バッテリ監視回路に動作可能に連結されて、複数の切り替え可能なバッテリモジュールの各々(770)について、出力電圧が所定のターゲット出力電圧と実質的に等しくなるように、所定の切り替えルーチンに従い、バッテリの一又は複数のパラメータに少なくとも部分的に基づいて、第1の位置(762b)と第2の位置(762a)との間でバッテリスイッチ(762)を選択的に切り替えるバッテリパックコントローラ(730)であって、所定の切り替えルーチンが、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々について、バッテリの充電状態(SoC)を決定するステップ、
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々について、バッテリの閉回路電圧(CCV)を決定するステップ、及び
複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々について、バッテリの比率パラメータを決定するステップであって、比率パラメータはSoCをCCVで除したものに等しい、比率パラメータを決定するステップ
を含み、
比率パラメータの関数として複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)を選択的に切り替えるように構成されているバッテリパックコントローラ(730)
を備える再構成可能なバッテリシステム。
【0204】
条項48.バッテリがリチウムポリマーバッテリである、条項47の再構成可能なバッテリシステム。
【0205】
条項49.所定の切り替えルーチンが、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々について、バッテリの温度を決定するステップを更に含む、条項47又は条項48の再構成可能なバッテリシステム。
【0206】
条項50.バッテリパックコントローラ(730)が、所定の熱動作範囲から逸脱する温度を有する場合にバッテリを迂回するように構成されている、条項49の再構成可能なバッテリシステム。
【0207】
条項51.バッテリパックコントローラ(730)が、それに関連付けられたバッテリスイッチ(762)を第2の位置(762a)に切り替えることにより、バッテリを迂回するように構成されている、条項50の再構成可能なバッテリシステム。
【0208】
条項52.複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々のバッテリスイッチ(762)が、一又は複数のソリッドステートスイッチを用いて単極双投接点(SPDT)スイッチ機能を提供する、条項47から51のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
【0209】
条項53.所定のターゲット出力電圧が達成されるまで、バッテリパックコントローラ(730)が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々のバッテリスイッチ(762)を個別に切り替えるように構成されている、条項47から52のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
【0210】
条項54.バッテリストリング(766)を充電すべきとき、バッテリパックコントローラ(730)が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々のバッテリスイッチ(762)を、最も低い比率パラメータを有するものから開始する第1の位置(762b)に個別に切り替えるように構成される、条項47から53のいずれか一つの再構成可能なバッテリシステム。
【0211】
条項55.バッテリストリング(766)を放電すべきとき、バッテリパックコントローラ(730)が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)の各々のバッテリスイッチ(762)を、最も高い比率パラメータを有するものから開始する第1の位置(762b)に個別に切り替えるように構成される、条項47から54のいずれか一つの再構成可能なバッテリシステム。
【0212】
条項56.バッテリ監視回路が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々のバッテリを個別ベースで監視するように構成されている、条項47から55のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
【0213】
条項57.一又は複数のパラメータが、バッテリの開回路電圧(OCV)及び閉回路電圧(CCV)を含む、条項47から56のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
【0214】
条項58.複数の切り替え可能なバッテリモジュール(770)が、第2のバッテリパックと電気的に直列に配置されてバッテリパックアセンブリを規定するバッテリパック内に配置されている、条項47から57のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
【0215】
条項59.バッテリパックコントローラ(730)が、ソーラアレイ統合体及び切り替えユニット(ACSU)から受け取られた命令に少なくとも部分的に基づいて、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)を制御するように構成されている、条項47から58のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
【0216】
条項60.バッテリパックコントローラ(730)が、複数の切り替え可能なバッテリモジュール(1、3、770)の各々について、出力電圧エラーの関数として、第1の位置(762b)と第2の位置(762a)との間でバッテリスイッチ(762)を選択的に切り替えるように構成されている、条項47から59のいずれかの再構成可能なバッテリシステム。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b