(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】磁気共鳴撮像装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61B5/055 382
(21)【出願番号】P 2020089148
(22)【出願日】2020-05-21
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】弁理士法人山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 厚志
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/020905(WO,A1)
【文献】特開平11-113878(JP,A)
【文献】特開2004-254884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体が置かれる空間に静磁場を発生する静磁場発生部、前記被検体に高周波磁場を照射する送信部、及び、前記被検体から核磁気共鳴によって発生する核磁気共鳴信号を受信する受信部を有する撮像部と、
前記核磁気共鳴信号を用いて画像再構成を含む演算を行う演算部と、
前記撮像部を制御し、
MPGパルスを伴う画像再構成用シーケンスの前記MPGパルスの印加に先立って、ナビゲーターエコーを発生させて所定の
サンプリング時間の各時刻でナビゲーションデータを収集するナビゲーション制御部と、
前記
サンプリング時間における前記ナビゲーターエコーの
位相の時間的変化を解析し、
前記高周波磁場の中心周波数変動の影響を補正するための補正値を算出するナビゲーション解析部と、を備え、
前記ナビゲーション解析部は、前記ナビゲーターエコーの前記
サンプリング時間の各時刻における位相変化と、基準となるナビゲーターエコーの前記
サンプリング時間の各時刻における位相変化との差分から、基準からの位相変化量を算出し、前記補正値を算出することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記ナビゲーション解析部は、前記位相変化または前記位相変化の差分をフィッティングするフィッティング部を有し、フィッティングにより求めた位相変化の差分から前記位相変化量を算出することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記ナビゲーション制御部は、周波数エンコードを用いることなく、前記ナビゲーターエコーを収集することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記ナビゲーション制御部は、周波数エンコードを用いて
、所定の計測時間内に2以上の前記ナビゲーターエコーを収集することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記ナビゲーション制御部は、3軸方向の周波数エンコードを用いて、前記所定の計測時間内に前記3軸方向についてそれぞれ前記ナビゲーターエコーを収集することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記撮像部は、前記画像再構成用の核磁気共鳴信号の収集を繰り返し時間毎に繰り返して実行し、
前記ナビゲーション制御部は、前記ナビゲーターエコーの発生及び収集を、前記繰り返し時間毎に行うことを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記ナビゲーション制御部は、前記基準となるナビゲーターエコーの発生と収集とを、複数回行い、前記ナビゲーション解析部は、一つの前記基準となるナビゲーターエコーの位相変化と、次の前記基準となるナビゲーターエコーの発生までに収集したナビゲーターエコーの位相変化とを用いて前記補正値を算出することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記ナビゲーション解析部は、前記補正値が所定の閾値以内か否かを判定し、所定の閾値範囲にあるとき補正値とすることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項9】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記送信部は、前記ナビゲーション解析部が算出した補正値を用いて、当該補正値の算出に用いたナビゲーターエコーの収集後の照射高周波磁場の周波数を補正することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項10】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記静磁場発生部は、前記ナビゲーション解析部が算出した補正値を用いて、前記静磁場を補正することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項11】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記演算部は、前記ナビゲーション解析部が算出した補正値を用いて、前記核磁気共鳴信号から再構成した画像の位置ズレを補正することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項12】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記撮像部による、前記
画像再構成用シーケンスは、拡散強調イメージングである磁気共鳴撮像装置。
【請求項13】
請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
ナビゲーターエコーの発生と収集に関するユーザーの指定を受け付けるUI部をさらに備えることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項14】
請求項13に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記UI部は、ナビゲーターエコーの種類のユーザー選択を受け付けることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項15】
請求項13に記載の磁気共鳴撮像装置であって、
前記UI部は、補正方法のユーザー選択を受け付けることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し,核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する磁気共鳴撮像(以下、「MRI」という)装置に関し、特にMRI装置を用いた拡散強調イメージング(DWI)において位置ズレを高精度に補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI装置において、画像に位置ズレが生じる原因の一つに核磁気共鳴の中心周波数の変動がある。中心周波数は静磁場強度によって決まり、通常、静磁場は補正コイル(シムコイル)により一定の静磁場を保つように制御されている。しかし、傾斜磁場コイルを用いて局所的な傾斜磁場を発生させる際に傾斜磁場コイルに流す電流が原因で発熱すると、静磁場を補正するコイルが物理的な影響を受け、中心周波数が変動することがある。また静磁場発生磁石が永久磁石などの場合は直接磁石に熱が伝わり、これにより静磁場が変わり中心周波数が変動することがある。
【0003】
MRI装置を用いた撮像法の一種であるDTI(Diffusion Tensor Imaging)やDKI(Diffusion Kurtosis Imaging)、またはIVIM(intravoxel incoherent motion)などの拡散強調イメージングでは、MPGパルスを用いたエコープラナーイメージングが実施され、傾斜磁場コイルに大電流が流される。このような大電流を使用した撮像では傾斜磁場コイルで発生する熱が通常の撮像に比べ多くなり、静磁場変動により中心周波数が変動し、撮像中に位置ズレが生じる。中心周波数の変動による位置ズレを補正する技術として、周波数変動を予測しシムコイルの電流を調節する技術などがある(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかし、特許文献1に記載されるような、周波数変動を予測して調節する技術では撮像中の急激な変化への対応が難しい。撮像中の変化にも対応するためには、撮像途中に随時補正していくことが望まれるが、撮像途中に周波数測定を行うと撮像時間が伸びてしまうという問題がある。これに対し、撮像中にナビゲーターエコーを取得し、取得したナビゲーターエコーの位相から周波数変動値を求める方法も提案されている(特許文献2)。具体的には、基準となるナビゲーターエコーとその後に取得されるナビゲーターエコーとから位相差を算出し、位相差を用いて周波数変動値を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-342554号公報
【文献】特開2006-014753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ナビゲーターエコーを用いて周波数変動値を求める方法を、上述した拡散イメージングに適用した場合、通常、MPGパルスは様々な方向に印加され、スピンの位相を激しく変化させるため、基準となるナビゲーターエコーから位相が大きく異なってしまい位相差から周波数変動値を算出するのは困難になる。このため拡散イメージングでは、MPGよりも前にナビゲーターエコーを取得することが必要となる。
【0007】
また、ナビゲーターエコーを取得していく際に、傾斜磁場の渦電流等が経時変化することによって、ナビゲーターエコーの位相にオフセットが生じている可能性がある。このオフセットは非常に小さく、ナビゲーターエコーのエコー時間(TE)を長くとれば誤差として、無視できる程度のものである。しかし、前述したように、ナビゲーターエコーをMPGパルスよりも前に印加するという制約もあり、この制約下でナビゲーターエコーのTEを長くするとDWIのTEが通常よりも長くなってしまう。DWIは基本的にT2強調画像であるため、T2の長い組織が高信号になりやすいという問題(T2 shine through)があり、この影響を小さくするためも、なるべくTEを短くしたいという制約もある。それらの制約のため、ナビゲーターエコーのTEを小さくせざるを得なくなり、上記オフセットによる誤差が大きくなる。
【0008】
MPGの印加軸数が少ない撮像では、この誤差が位置ズレ補正に影響する前に撮像が完了できるが、DTIやDKI、IVIMなどMPGを数十軸印加する撮像では、撮像時間が伸び、誤差が蓄積し位置ズレ補正に影響する。その結果、撮像条件で指定した分解能以上のズレとなり、ユーザーが求めている画像が得られなくなり、解析画像にもアーチファクトやボケが発生する。さらに、低磁場機などでは、CHESS法と呼ばれる脂肪抑制パルスを使用することがあるが、この場合、周波数変動が原因で脂肪以外の周波数を抑制してしまい、同様に解析画像や診断にも影響してしまう。
【0009】
本発明は、撮像中にナビゲーターエコーを取得し、位相変化から周波数を補正する方法を採用した際に、経時的な変化によって生じるオフセットの影響を受けることなく、高精度に周波数補正ができるMRI装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来は、ナビゲーターエコーの発生からエコー時間までの位相変化量を求めていたのに対し、本発明は、ナビゲーターエコーを収集する計測時間内のナビゲーターエコーの位相変化を取得する。同様にして求めた基準ナビゲーターエコーの位相変化との差分を取ることで、オフセットの影響を受けることなく基準からの位相変化量を求めることができる。
【0011】
具体的には、本発明のMRI装置は、被検体が置かれる空間に静磁場を発生する静磁場発生部、前記被検体に高周波磁場を照射する送信部、及び、前記被検体から核磁気共鳴によって発生する核磁気共鳴信号を受信する受信部を有する撮像部と、前記核磁気共鳴信号を用いて画像再構成を含む演算を行う演算部と、前記撮像部を制御し、前記被検体の画像再構成用の核磁気共鳴信号の収集に先立ってナビゲーターエコーを発生させて所定の計測時間のナビゲーションデータを収集するナビゲーション制御部と、前記計測時間における前記ナビゲーターエコーの位相変化を解析し、前記位相変化に伴う位置ズレを補正するための補正値を算出するナビゲーション解析部と、を備える。ナビゲーション解析部は、前記ナビゲーターエコーの前記計測時間の各時刻における位相変化と、基準となるナビゲーターエコーの前記計測時間の各時刻における位相変化との差分から、基準からの位相変化量を算出し、前記補正値を算出することを特徴とする。ここで位相変化は、計測時間における時時刻刻の位相の変化を意味し、位相変化量は基準からの位相変動量を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、MPGパルスなどの影響を受けることなく、且つDWIのTEを延長することなく、高精度に位相変化量を算出することができ、これにより、撮像中に生じる中心周波数変動に伴う位置ズレを高精度に補正することができる。その結果、DKIやIVIMなどで精度の良い解析結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るMRI装置の全体構成の一例を示すブロック図。
【
図2】撮像部の詳細を含むMRI装置の全体構成を示すブロック図。
【
図4】実施形態1で採用するパルスシーケンスの一例を示す図。
【
図6】実施形態1の位相変化量の算出を説明する図で、(a)、(b)はそれぞれ基準ナビゲーターエコー及び対象ナビゲーターエコーの位相変化を示す図、(c)は位相変化の差分を示す図、(d)は従来法で算出される位相変化を示す図。
【
図8】変形例2で設定される補正値の閾値を説明する図。
【
図9】実施形態2で採用するパルスシーケンスの例を示す図。
【
図10】実施形態2の位相変化量の算出を説明する図で、(a)、(b)はそれぞれ基準ナビゲーターエコー及び対象ナビゲーターエコーの位相変化を示す図、(c)は位相変化の差分を示す図。
【
図11】実施形態2の変形例で採用するパルスシーケンスの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明のMRI装置の実施形態を説明する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
最初に、本発明のMRI装置の一実施形態の概要を説明する。
図1は、MRI装置の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のMRI装置100は、撮像部10と、演算部21と、ナビゲーション制御部22と、ナビゲーション解析部23とを備えている。図示する実施形態では、演算部21、ナビゲーション制御部22、及びナビゲーション解析部23は、これらの機能を実現する包括的な処理装置20内に含まれるものとしている。処理装置20は、CPU及びメモリを備えた計算機でもよいし、計算機のほかにASICやFPGAなどのハードウェアを含むシステムであってもよく、表示装置や入力装置を備えたユーザーインタフェース(UI)部30及び外部記憶装置40が接続されている。外部記憶装置40には、直接あるいは有線で接続される記憶装置のほか、無線やインターネット等を介して接続される記憶装置も含まれる。
【0016】
撮像部10は、一般的なMRI装置と同様の構成を有し、被検体が置かれる空間に静磁場を発生する静磁場発生部、被検体に高周波磁場を照射する送信部、及び、被検体から核磁気共鳴によって発生する核磁気共鳴信号を受信する受信部などが備えられている。
図2に、撮像部10の詳細を含むMRI装置の全体構成を示す。
図2に示すMRI装置は、静磁場発生部1と、傾斜磁場発生部3と、計測制御部4と、送信部5と、受信部6と、信号処理部7と、CPU(中央処理装置)2で構成されている。信号処理部7及びCPU2は、
図1の処理装置20に相当する機能を持つ。
【0017】
静磁場発生部1は、永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されており、垂直磁場方式であれば、被検体50の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に均一な静磁場を発生させる。また静磁場発生源の近傍には静磁場の不均一を補正するためのシムコイル18が配置される。シムコイル18は、シム電源19に接続されており、シム電源19から供給される電流により駆動され、補正磁場を発生する。この補正磁場によって、静磁場の不均一を補正するとともに静磁場に経時的な変動を補正することができる。
【0018】
傾斜磁場発生部3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル8と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源9とから成り、後述の計測制御部4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源9を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。なお傾斜磁場コイル8がシムコイルとして利用される場合もある。
【0019】
計測制御部4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、演算部2の制御で動作し、被検体50の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信部5、傾斜磁場発生部3、および受信部6に送る。パルスシーケンスは、撮像方法によって種々のものが用意されており、撮像に際し、撮像方法が決まるとCPU2が対応するパルスシーケンスを読み出し、計測制御部4に設定する。本実施形態では、ナビゲーターエコーの発生と収集を付加した拡散イメージングのパルスシーケンスが実行される。パルスシーケンスの詳細は後述する。
【0020】
送信部5は、被検体50の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体50にRFパルスを照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル(送信コイル)14aとから成る。高周波発振器11から出力された高周波パルスを計測制御部4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体50に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、RFパルスが被検体50に照射される。高周波発信器11が発信する高周波を調整することにより、核磁気共鳴周波数(中心周波数)を調整することができる。
【0021】
受信部6は、被検体50の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成る。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体50の応答のNMR信号が被検体50に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、計測制御部4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、計測データとして信号処理部7に送られる。
【0022】
信号処理部7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、その一部の機能はCPU2により実現される。信号処理部7には、光ディスク、磁気ディスク等の外部記憶装置40と、ディスプレイ31や入力装置32を備えたUI部30が接続されている。信号処理部7が受信部6から計測データを入力すると、CPU2が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体50の断層画像をディスプレイ31に表示すると共に、外部記憶装置40の磁気ディスク等に記録する。入力装置32は、MRI装置の各種制御情報や信号処理部7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール又はマウス、キーボードなどから成る。この入力装置32はディスプレイ31に近接して配置され、操作者がディスプレイ31を見ながら入力装置32を操作することでインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
【0023】
CPU2の主な機能は、受信部6が受信したNMR信号を用いた演算(演算部21の機能)と、計測制御部4を介した撮像部10の制御であり、演算には、NMR信号を用いた画像再構成や再構成画像から計算画像の生成等の演算のほか、NMR信号(ナビゲーターエコー)を用いた位相の解析(ナビゲーション解析部23の機能)が含まれる。また撮像部10の制御には、ナビゲーターエコーの発生や収集に関する制御(ナビゲーション制御部22の機能)が含まれる。
【0024】
以上のような構成のMRI装置の動作の概略を、
図3を参照して説明する。
【0025】
撮像パラメータが設定されると、計測制御部4の制御のもと撮像部10が設定された条件で撮像を開始する(S31)。撮像パラメータはパルスシーケンスとともに予めデフォルトで設定されていてもよいし、UI部30を介してユーザーが指定してもよい。一般的な撮像パラメータであるTEやTRの他に、DWIではMPGの強度や印加軸などが設定される。
【0026】
DWIのパルスシーケンス400は、
図4に示すように、励起パルス402の前後に強度が大きいMPGパルス403、404を印加した後、読み出し傾斜磁場パルスGfの反転405とブリップ状の位相エンコード傾斜磁場Gpの印加406を繰り返し、1回の励起後に複数のエコー信号407を計測するEPI法のパルスシーケンスである。本実施形態では、ナビゲーション制御部22により、最初のMPGパルス403の前にナビゲーターエコー411を発生させて収集する。なお
図4では、ナビゲーターエコーとしてFID信号を計測する場合を示しているが、ナビゲーターエコーにはいくつかの態様がある。これらの態様は、後述の実施形態で説明する。
【0027】
ナビゲーターエコーは、例えば、パルスシーケンスの繰り返し時間TR毎に発生/収集を繰り返し、複数のナビゲーターエコーを得る。そのうち、撮像に先立って取得したナビゲーターエコーを基準ナビゲーターエコーとする。
【0028】
受信部6が、所定のサンプリング時間、収集したナビゲーターエコーの計測データは、CPU2のナビゲーション解析部23に渡され、ここでサンプリング時間における位相変化が算出される。ナビゲーション解析部23は、例えば、サンプリング時間の各時刻における位相をフィッティングすることにより、その間の位相変化を算出する。ナビゲーション解析部23は、さらに、算出した位相変化を、基準ナビゲーターエコーについても同様に算出した位相変化と差分し、基準からの位相変化量を算出する(S32)。
【0029】
続いてナビゲーション解析部23は、位相変化量を用いて、位相変化に伴う位置ズレを補正するための補正値を算出する(S33)。位相変化に伴う位置ズレの補正は、シムコイル18の電流値の補正(静磁場の補正)、中心周波数の補正(高周波発信器11の調整)、及び画像の補正(演算部21による補正)を含み、ナビゲーション解析部23は、補正する対象に応じた補正値を算出する。最後に補正値による各部の補正を行う(S34)。補正がその対象によってリアルタイムに行うことができるものである場合には、ナビゲーターエコー収集後のDWI計測に直ちに反映して補正する。直ちに反映できない場合にも、1~複数TR後に補正値を反映した補正を行う。画像の補正の場合には、ナビゲーターエコー後に実行されたEPIで取得したエコー信号の画像に、その繰り返し時間で収集されたナビゲーターエコーから算出した補正値を用いた補正を行う。
【0030】
本実施形態のMRI装置によれば、ナビゲーターエコーのTEにおける位相差を用いるのではなく、計測時間内の各時刻における位相の変化をフィッティングすることで位相変化量を算出するので、オフセットの影響を受けることなく精度よく補正値を算出することができる。また精度よく位相変化量を求めるためにナビゲーターエコー計測のためのTEを長くする必要がないので、MPGを多数軸印加し繰り返し計測が必要なDWIについても計測時間の延長を防止することができ、且つ、その間の中心周波数変動による位置ズレを効果的に防止することができる。
【0031】
次にナビゲーターエコーの発生と収集に関する具体的な実施形態を説明する。
【0032】
<実施形態1>
本実施形態は、ナビゲーターエコーとして
図4に示したような、読み出し傾斜磁場を印加しない信号を計測することが特徴である。
【0033】
本実施形態の処理の流れを、
図5を参照して説明する。
撮像を開始すると、ナビゲーション解析部23は周波数補正の初期値を設定する(S51)。初期値は、その後の補正値を算出するための初期値であり、事前の撮像にて取得した周波数変化を予測した値でも良いし、値を設定しなくても良い。
【0034】
まず基準となるナビゲーターエコー(基準ナビゲーターエコー)を取得する(S52)。すなわち、領域選択傾斜磁場Gsとともに励起パルス411を印加した後、読み出し傾斜磁場を印加せずにナビゲーターエコー413を所定のサンプリング時間
414の間収集する。サンプリング時間414は、この間の位相変化が十分算出できる分の時間にする。続いて本撮像のシーケンスのエコー信号(本撮像エコー)を取得する(S53)。本撮像とは、ユーザーが取得しようとしている画像に対するシーケンスであり、本実施形態では
図4に示したようなDWIのシーケンス400である。続いて、ナビゲーション制御部22がナビゲーターエコーの計測と本撮像エコーの計測とを繰り返し(S54~S59)、その間、ナビゲーション解析部23が補正値の計算を行う(S55~S58)。この繰り返しにおけるナビゲーターエコーの計測及び本撮像エコーの計測は、上述したステップS52及びS53と同様に行う。ステップS54~S59は、例えば、撮像の繰り返し時間TRとする。
【0035】
補正値の計算は、ステップS52で取得した基準ナビゲーターエコーとS54で取得したナビゲーターエコー(対象ナビゲーターエコー)との差分から位相変化を算出する(S55)。次いで差分した位相変化をフィッティングする(S56)。フィッティングは、式(1)のような一次関数でもよいし、渦電流の影響を考慮した式(2)のような式でもよい。
[数1] dP=a1×t+b (1)
[数2] dP=a1*t+a2*exp(-a3/t) (2)
これら式中、dPは位相変化、a、a1、a2、a3は係数、bはオフセットを表す。
【0036】
フィッティングの様子を
図6(a)~(c)に示す。
図6(a)、(b)は基準ナビゲーターエコーおよび対象ナビゲーターエコーの位相変化、(c)はその差分で、差分に対しフィッティングした様子を示している。また参考として、従来法による位相変化の算出例を
図6(d)に示す。
図6(d)に示すように、従来法では、ナビゲーターエコーを発生させるためのRF照射からTEにおける位相変化から位相変化量を算出しているため、オフセットがある場合にはそれが誤差となるが、本実施形態の手法では、差分後の位相変化をフィッティングすることで、オフセットの影響を受けずに精度よく位相変化を算出することができる。
【0037】
次に基準からの位相変化量を用いて補正値を算出する(S57)。補正値は、シムコイル18に流す補正電流の値でもよいいし、励起パルス401照射時の中心周波数の補正値でもよい。周波数の補正値は、位相(ωt)と周波数(f)との関係式(ω=2πf)から算出することができる。またシムコイル18に流す電流値とそれによって発生する磁場強度との関係はシムコイルの特性で決まっているので、磁気共鳴周波数(f0)と静磁場強度(B0)との関係式(f0=γB0)から算出した静磁場の変動量からシムコイルの補正電流を算出することができる。静磁場(中心周波数)と実空間位置とは線形の関係があるので、静磁場変動量から実空間の位置ズレ、すなわち画像上の位置ズレを補正することができる。
【0038】
算出した補正値は、ステップS54のナビゲーターエコーの取得後の本撮像(S58)に反映する。すなわち、S57で算出した補正値を用いて、シムコイル18に補正電流を流してもよいし、次の照射時の中心周波数を補正してもよい。また、シムコイルに補正電流を流しはじめるのに時間がかかる場合に、本撮像エコーの位置ズレがはじまっていることがあるため、ステップS58で取得した本撮像エコーに対して、ステップS57で算出した補正値を使用して、画像再構成時に補正をしても良い。ステップS59にて、まだ本撮像エコーを取得する場合はステップS54に戻る。ステップS54~S59の動作を1回以上繰り返して、撮像終了となる。
【0039】
なお、ステップS53とS59の時間間隔はTRとしたが、心電、脈波、呼吸などの同期を用いて本撮像の間隔が変化する場合は、その限りではない。また
図5では、基準ナビゲーターエコー取得(S52)の後に1回目の本撮像エコーを取得したが、本撮像エコー取得(S53)を基準ナビゲーターエコー取得の前に行ってもよいし、ステップS57で補正値を計算した後に行ってもよい。
【0040】
本実施形態によれば、基準ナビゲーターエコーとの位相差分をフィッティングして位相の変化量を算出するので、オフセットの影響を受けることなく、位相変化量を算出することができ精度の良い位置ズレ補正を行うことができる。
【0041】
<変形例1>
実施形態1では、本撮像に先立って基準ナビゲーターエコーの計測を1回実施し、その後の繰り返しにおける位相変化の計算は、この基準ナビゲーターエコーを用いて行ったが、本撮像の繰り返しが多く撮像時間が長い撮像においては、本撮像の繰り返しの間に複数回の基準ナビゲーターエコーを取得し、位相変化の計算は、直近に取得した基準ナビゲーターエコーを用いることとしてもよい。
【0042】
本変形例を処理の流れを
図7に示す。
図7において、
図5と同じステップは同じ符号で示し、重複する説明は省略する。本実施形態では基準ナビゲーターエコーを取得するステップS520からS521までを繰り返す。すなわち基準ナビゲーターエコーを取得した後(S520)、本撮像エコーを計測し(S53)、実施形態1と同様に、対象ナビゲーターエコーの計測(S54)から本撮像エコー計測(S58)を含む繰り返し撮像を行う(S59)。複数回の繰り返し後に、さらに撮像を行う場合(S521)は、ステップS520に戻り、S520からS521までを繰り返す。予定した撮像が終わると終了となる。
【0043】
基準ナビゲーターエコーの取得するタイミングは、ステップS54~S58の繰り返し回数が所定の回数となったときでもよいし、TR内のパルスシーケンス形状が大きく変わる場合としてもよい。パルスシーケンスの形状が大きく変わる場合として、例えばTR内のスライス枚数が変わる、読み出し傾斜磁場のタイミングが変わる、位相エンコードや周波数エンコードの物理軸が入れ変わる時などがある。また、体動などによる急激な位相変動が起きた時でもよい。例えば、ステップS56で算出される位相変化量が所定の値(例えばそれ以前に算出した位相変化量やその平均値)よりも大きいときに基準ナビゲーターエコーを取り直してもよい。
【0044】
本変形例によれば、パルスシーケンンスの変化や予期せぬ位相変動などの影響を回避することができ、安定して補正を行うことができる。
なお
図5及び
図7では、本撮像エコーの計測毎に対象ナビゲーターエコーの計測を行う場合を示したが、例えば、
図4に示すDWIシーケンスを複数回行う毎に1回の対象ナビゲーターを取得してもよい。
【0045】
<変形例2>
本変形例でも処理の流れは、
図5又は
図7に示したフローと同じである。本変形例では、ステップS57で算出された補正値が不適正な補正値であるときに、それを排除する処理が含まれることが特徴である。
【0046】
このため、ナビゲーション解析部23には、補正値或いは位相変動量に対し閾値が設定される。閾値は予め計測した位相変動から求めた予測値の統計値から上限や下限を設定してもよいし、撮像の中で複数回算出される補正値の平均値をもとに、その都度設定してもよい。ナビゲーション解析部23は、
図5や
図7のステップS57にて補正値を設定する際に、設定した閾値を超えて変動量が補正されないように制限する。例えば、
図8に示す例では、補正値に対し上限の閾値803、下限の閾値804がそれぞれ設定されている。閾値内に収まっていると補正値801については、これを用いた周波数や静磁場の補正を行うが、閾値外の補正値802については、不適正な位相変動に基づく補正値であると判断し、補正を行わない。
【0047】
本変形例によれば、補正値或いは位相変動量に対し閾値を設けることで、ノイズなどの要因により急激に位相変動が起きた時でも過度な補正や逆補正がされることなく、安定して補正が行える。
【0048】
<実施形態2>
実施形態1では、読み出し傾斜磁場を印加せずにナビゲーターエコーを取得したが、本実施形態は読み出し傾斜磁場を印加して複数のナビゲーターエコーを取得する。処理の流れは実施形態1(
図5)あるいはその変形例(
図7)と同様であり、
図5を援用して、異なる点を中心に説明する。
【0049】
本実施形態では、S52及びS54のナビゲーターエコーを取得するステップでは、
図9に示すように、励起パルス411印加後に反転する読み出し傾斜磁場415を印加し、異なるTEで複数の(図では4つの)ナビゲーターエコー416を収集する。本撮像シーケンス400は
図4と同様である。ついでステップS55で、基準ナビゲーターエコー及び対象ナビゲーターエコーのそれぞれ異なるTEナビゲーターエコーのうち対応するTEのどうしの位相差分を算出し、位相差分をフィッティングする。フィッティングも実施形態1と同様に一次関数(式(1))を用いたフィッティングでもよいし、渦電流を考慮したフィッティング関数(式(2))を用いてもよい。
【0050】
位相差分のフィッティングの様子を
図10に示す。
図10(a)、(b)は、それぞれ、基準
ナビゲーターエコーの位相変化、対象ナビゲーターエコーの位相変化を示す図で、(c)が差分した位相変化である。
図10(c)に示すように、この例では位相にオフセットが生じており、フィッティングした直線では、オフセットに相当する切片(式(1)のd)があるが、位相変化量は直線の傾きから求めることができるので、オフセットの影響を受けることなく、正確な位相変化量を算出することができる。
【0051】
こうして算出した位相変化量をもとに補正値を算出すること(S57)、補正値を用いてシム電流を補正する、あるいは本撮像における照射の周波数を補正する又は本撮像の画像再構成時に位置ずれ補正する(S58)ことは実施形態1と同様である。ただし本実施形態では、ナビゲーターエコーを取得する際に読み出し傾斜磁場を印加しているため、ナビゲーターエコーには印加している軸の情報が残っている。従って、その情報を用いて従来の体動による補正を行ってもよいし、その読み出し傾斜磁場の印加軸から取得した物理軸方向の静磁場変動を補正してもよい。
【0052】
<実施形態2の変形例>
なお実施形態2では、1つの軸について読み出し傾斜磁場を印加したが、
図11に示すように、読み出し傾斜磁場417~419を印加する軸を異ならせて、ナビゲーターエコー416を取得してもよい。本実施形態では、基準ナビゲーターエコー及び対象ナビゲーターエコーのそれぞれ読み出し傾斜磁場の印加軸が異なるナビゲーターエコーのうち同じ印加軸で収集したナビゲーターエコーの位相差分を算出し、位相差分をフィッティングする。位相差分を用いて補正値を算出すること、それを本撮像に反映することは実施形態2と同様である。
【0053】
本実施形態では、ナビゲーターエコーから各軸の情報を取得できるので、各軸の情報を用いて従来の体動による補正を行ってもよいし、各物理軸の静磁場変動を補正してもよい。
【0054】
なお
図11では各軸について1つのナビゲーターエコーを取得しているが、2以上のナビゲーターエコーを取得してもよく、その場合は、印加軸毎の位相差分を算出し、軸毎の補正値を算出してもよい。
【0055】
以上、ナビゲーターエコーの計測とその処理の実施形態とその変形例を説明したが、これら実施形態や変形例は、そのいずれかを予め装置に組み込んでおいてもよいし、ユーザーがDWI撮像の際に選択したり条件を設定することも可能である。次の実施形態では、ユーザー選択を可能にするためのUIの実施形態を説明する。
【0056】
<実施形態3>
本実施形態のMRI装置は、UI部30を介してユーザーによる補正の要否、条件を設定可能にする。本実施形態の処理を、
図12を参照して説明する。
図12は、UI部30のディスプレイ31に表示される画面例である。
【0057】
この画面例では、UI画面1200は、周波数補正を行うかの有無を選択するボタン1201、ナビゲーターエコーの種類を選択するボタン1202、ナビゲーターエコーを取得する時間を指定するボックス1203、補正方法を選択するボタン1204、体動補正を行うか否かを選択するボックス1205、補正の際の閾値を設定するボックス1206が設けられている。
【0058】
選択ボタン1202では、上述した実施形態或いは変形例のうち、どの種類のナビゲーターエコーを用いるかの選択を受け付ける。この選択に従ってナビゲーション制御部22は、本撮像シーケンス400の前に実行されるナビゲーションシーケンスを決定し、計測制御部4に設定する。ボックス1203は、読み出し傾斜磁場を用いないナビゲーターエコーの場合(実施形態1など)には、そのサンプリング時間(AD時間)(
図4の414)となり、読み出し傾斜磁場を印加する場合には、各ナビゲーターエコーを取得している延べ時間となる。さらにこのボックス1203に付属するプルダウン式メニューを設けて、印加軸やナビゲーターエコー数を設定可能にしてもよい。
【0059】
補正方法の選択ボタン1204は、補正方法のやり方の選択を受け付ける。つまり、シムコイルにて補正するか、照射時に補正した周波数を設定して補正するか、本撮像エコーを取得してから画像を補正するか、などの選択を受け付ける。体動補正のボックス1205は、急激な変化が起きた時に、ナビゲーターエコーの体動補正を行うかどうか、または基準ナビゲーターエコーを再取得しなおすかどうか、またはその両方を行うかどうかを選択させるUIである。閾値の設定ボックス1206は、補正値の不正を除去するための閾値を設定するボックスで、閾値が設定されている場合には、実施形態1の変形例2で説明したように、設定された上限閾値と下限閾値とで決まる範囲から外れた補正値は、補正値として採用しない。
【0060】
このように本実施形態によれば、ユーザーは条件に応じて補正精度を変えることができ、ユーザーの期待する画質が取得できる。
なお
図12はUI画面の一例であって、ここに挙げる条件の一部を省いたり、それとは異なる条件を追加したりすることも可能であ。
【符号の説明】
【0061】
10:撮像部、20:処理装置、21:演算部、22:ナビゲーション制御部、23:ナビゲーション解析部、30:UI部、40:記憶装置。