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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】転写装置および転写方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020098964
(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公開番号】P2021192419
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 孝久
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-073892(JP,A)
【文献】特開2017-162870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体の一方の面に貼付された第1接着シートを当該被着体の外縁からはみ出る大きさに切断し、当該第1接着シートを、前記被着体に貼付された内側シートと、当該内側シートの外側に位置する外側シートとに分断するシート切断手段と、
前記被着体の位置を認識可能な位置認識手段と、
前記被着体の他方の面に第2接着シートを貼付するシート貼付手段と、
前記内側シートに剥離用テープを貼付し、当該剥離用テープに張力を付与して前記被着体から前記内側シートを剥離するシート剥離手段とを備え、
前記位置認識手段は、前記被着体に前記内側シートが貼付された状態での当該内側シートに対する前記被着体の位置を認識可能に設けられ、
前記シート剥離手段は、前記位置認識手段の認識結果を基にして前記内側シートの所定の位置から前記被着体の位置を求め、当該被着体が貼付されている貼付領域に対応する前記内側シートの非貼付面側である対応領域内に、前記剥離用テープを貼付することを特徴とする転写装置。
【請求項2】
被着体の一方の面に貼付された第1接着シートを当該被着体の外縁からはみ出る大きさに切断し、当該第1接着シートを、前記被着体に貼付された内側シートと、当該内側シートの外側に位置する外側シートとに分断するシート切断工程と、
前記被着体の位置を認識する位置認識工程と、
前記被着体の他方の面に第2接着シートを貼付するシート貼付工程と、
前記内側シートに剥離用テープを貼付し、当該剥離用テープに張力を付与して前記被着体から前記内側シートを剥離するシート剥離工程とを実施し、
前記位置認識工程では、前記被着体に前記内側シートが貼付された状態での当該内側シートに対する前記被着体の位置を認識し、
前記シート剥離工程では、前記位置認識工程での認識結果を基にして前記内側シートの所定の位置から前記被着体の位置を求め、当該被着体が貼付されている貼付領域に対応する前記内側シートの非貼付面側である対応領域内に、前記剥離用テープを貼付することを特徴とする転写方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写装置および転写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一方の面に第1接着シートが貼付された被着体の他方の面に第2接着シートを貼付し、当該被着体から第1接着シートを剥離する転写装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-162870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような基板転写装置1(転写装置)では、ウエハW(被着体)の外縁よりも外側で粘着テープT1(第1接着シート)を切断した場合、切断された第1接着シート(内側シート)の非貼付面側に剥離テープQ(剥離用テープ)を貼付しようとすると、被着体の正確な位置が把握できず、内側シートの外縁部を粘着テープT2(第2接着シート)に押し付け、当該内側シートを第2接着シートに貼付させてしまうことがある(特に第1接着シートが不透明な場合に顕著化する)。このように内側シートを第2接着シートに貼付させてしまうと、内側シートと剥離用テープとの接着力よりも、内側シートと第2接着シートとの接着力の方が勝っている場合、内側シートの剥離時に剥離用テープが内側シートから外れて剥離不良を発生する。
【0005】
本発明の目的は、内側シートを第2接着シートに貼付させることなく、当該内側シートに剥離用テープを貼付することができる転写装置および転写方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、内側シートが貼付された状態での当該内側シートに対する被着体の位置を認識し、その認識結果を基にして内側シートの対応領域内に剥離用テープを貼付するので、内側シートを第2接着シートに貼付させることなく、当該内側シートに剥離用テープを貼付することができる。
また、本発明によれば、被着体の近傍に第2フレーム部材が配置された状態での当該第2フレーム部材に対する被着体の位置を認識し、その認識結果を基にして内側シートの対応領域内に剥離用テープを貼付するので、内側シートを第2接着シートに貼付させることなく、当該内側シートに剥離用テープを貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る転写装置の説明図。
図2】転写装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、当該所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1の手前方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」が紙面に直交する手前方向であってY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
[第1実施形態]
本発明の転写装置EAは、被着体WKの一方の面WK1に貼付された第1接着シートAS1を当該被着体WKの外縁からはみ出る大きさに切断し、当該第1接着シートAS1を、被着体WKに貼付された内側シートAS1Aと、当該内側シートAS1Aの外側に位置する外側シートAS1Bとに分断するシート切断手段10と、第2フレーム部材としての第2リングフレームRF2を被着体WKの近傍に配置する移送手段20と、被着体WKの位置を認識可能な位置認識手段30と、被着体WKの他方の面WK2および第2リングフレームRF2に第2接着シートAS2を貼付するシート貼付手段40と、第2接着シートAS2が貼付された被着体WKを天地反転させる反転手段50と、内側シートAS1Aに剥離用テープPTを貼付し、当該剥離用テープPTに張力を付与して被着体WKから内側シートAS1Aを剥離するシート剥離手段60とを備え、被着体WKを搬送する被着体搬送手段70の近傍に配置されている。
本実施形態では、被着体WKは、第1接着シートAS1を介して第1フレーム部材としての第1リングフレームRF1に支持され、第1一体物UP1を形成している。
【0011】
シート切断手段10は、複数のアームによって構成され、その作業範囲内において、作業部である先端アーム11Aで支持したものを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な駆動機器としての所謂多関節ロボット11と、ブラケット12Aを介して多関節ロボット11の先端アーム11Aに支持される切断部材としての切断刃12とを備えている。
【0012】
移送手段20は、シート切断手段10と共有する多関節ロボット11と、フレーム21を介して多関節ロボット11の先端アーム11Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸引力が付与される吸着パッド22(保持手段)とを備えている。
【0013】
位置認識手段30は、カメラや投影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等の検知手段31を備え、被着体WKの近傍に第2リングフレームRF2が配置された状態での当該第2リングフレームRF2に対する被着体WKの位置を認識可能に設けられている。
【0014】
シート貼付手段40は、第2接着シートAS2が帯状の剥離シートRLに仮着された原反RSを支持する支持ローラ41と、原反RSを案内するガイドローラ42と、剥離縁43Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから第2接着シートAS2剥離する剥離手段としての剥離板43と、被着体WKに第2接着シートAS2を押圧して貼付する押圧手段としての押圧ローラ44と、駆動機器としての回動モータ45Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ45Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ45と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、転写装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ45Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ46とを備えている。
【0015】
反転手段50は、駆動機器としての直動モータ51と、その出力軸51Aに支持されたフレーム52と、当該フレーム52の左右両端にそれぞれ支持された前方に延びるアーム53と、各アーム53の前方に支持された駆動機器としての回動モータ54と、その出力軸54Aにそれぞれ支持され、一対のチャックアーム55Aを有する駆動機器としてのチャックモータ55(保持手段)とを備えている。
【0016】
シート剥離手段60は、巻回された感熱接着性の剥離用テープPTを回転可能に支持するテープ支持手段61と、テープ支持手段61に支持された剥離用テープPTを当該テープ支持手段61とで挟み込み、当該剥離用テープPTに繰出力を付与する繰出手段62と、剥離用テープPTのリード端部を保持するリード保持手段63と、リード保持手段63が剥離用テープPTを保持することを補助する保持補助手段64と、剥離用テープPTを内側シートAS1Aに押圧して貼付する剥離用テープ貼付手段65と、剥離用テープPTを切断する切断手段66と、剥離用テープPTに張力を付与する張力付与手段67とを備え、位置認識手段30の認識結果を基にして第2リングフレームRF2の所定の位置としての外縁位置から被着体WKの位置を求め、被着体WKが貼付されている貼付領域AS1Sに対応する内側シートAS1Aの非貼付面側である対応領域AS1R内に、剥離用テープPTを貼付する構成となっている。
【0017】
テープ支持手段61は、軸61Aを中心に回動可能な回動アーム61Bと、その自由端側に支持され、巻回された剥離用テープPTを支持する支持ローラ61Cと、支持ローラ61Cを繰出手段62方向に付勢する付勢手段としてのばね61Dとを備えている。
繰出手段62は、駆動機器としての回動モータ62Aと、その図示しない出力軸に支持され、支持ローラ61Cに支持された剥離用テープPTに回転力を付与する繰出ローラ62Bとを備えている。
リード保持手段63は、駆動機器としての直動モータ63Aの出力軸63Bに支持された収容手段63Cと、収容手段63Cの底面である吸着面63Dに形成された吸引孔63Eを介して吸着保持が可能な減圧ポンプや真空エジェクタ等の支持手段としての吸引手段63F(保持手段)とを備えている。
保持補助手段64は、駆動機器としての直動モータ64Aと、その出力軸64Bに支持され、剥離用テープPTを吸着面63Dに当接させる補助ローラ64Cとを備えている。
剥離用テープ貼付手段65は、収容手段63C内に収容された駆動機器としてのリニアモータ65Aと、そのスライダ65Bに支持され、剥離用テープPTを内側シートAS1Aに押圧する押圧部材65Cと、押圧部材65Cの内部に設けられたコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段65Dとを備えている。
切断手段66は、収容手段63C内に収容された駆動機器としてのリニアモータ66Aと、そのスライダ66Bに支持され、剥離用テープPTを切断可能な切断刃66Cとを備えている。
張力付与手段67は、駆動機器としてのリニアモータ67Aと、そのスライダ67Bに支持された剥離ローラ67Cとを備えている。
【0018】
被着体搬送手段70は、駆動機器としてのリニアモータ71と、リニアモータ71の第1スライダ71Aに支持された第1支持テーブル72と、リニアモータ71の第2スライダ71Bに支持された第2支持テーブル73とを備えている。
第1支持テーブル72には、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能とされた内側支持面72A(保持手段)と、内側支持面72Aの外側に形成され、上方から見下した平面視において環状とされた凹溝72Bと、凹溝72Bの外側に形成され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能とされた外側支持面72C(保持手段)とが設けられている。
第2支持テーブル73には、その上面に減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能とされた保持部73A(保持手段)と、保持部73Aの内側で平面視環状に設けられ、内側シートAS1Aにおける被着体WKからはみ出したはみだし部を、保持部73Aの吸着保持力よりも強い吸着保持力で保持する強保持部73B(保持手段)とが設けられている。
【0019】
次に、転写装置EAの動作について説明する。
先ず、図1中実線で示す初期位置に各部材が配置された転写装置EAに対し、当該転写装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSおよび剥離用テープPTをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、シート剥離手段60が吸引手段63Fを駆動し、吸着面63Dでの剥離用テープPTの吸着保持を開始するとともに、シート貼付手段40が回動モータ45Aを駆動し、原反RSを繰り出して先頭の第2接着シートAS2の繰出方向先端部が剥離板43の剥離縁43Aで所定長さ剥離されると、回動モータ45Aの駆動を停止する。次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図1中実線で示すように第1支持テーブル72上に第1一体物UP1を載置すると、被着体搬送手段70が図示しない減圧手段を駆動し、内側、外側支持面72A、72Cでの第1一体物UP1の吸着保持を開始する。
【0020】
その後、シート切断手段10が多関節ロボット11を駆動し、図1中二点鎖線で示すように、被着体WKの外縁から所定間隔離れた位置で切断刃12を第1接着シートAS1に突き刺し、当該切断刃12を凹溝72Bに沿って1周させた後、切断刃12を初期位置に復帰させる。これにより、第1接着シートAS1が内側シートAS1Aと外側シートAS1Bとに分断される。次に、移送手段20が多関節ロボット11を駆動し、先端アーム11Aで保持していた切断刃12を切り離して当該先端アーム11Aで吸着パッド22を保持した後、当該吸着パッド22を第1リングフレームRF1の上面に当接させ、図示しない減圧手段を駆動し、吸着パッド22での第1リングフレームRF1の吸着保持を開始する。そして、被着体搬送手段70が図示しない減圧手段の駆動を停止し、外側支持面72Cでの第1一体物UP1の吸着保持を解除すると、移送手段20が多関節ロボット11を駆動し、外側シートAS1Bが貼付された第1リングフレームRF1を図示しない所定の回収位置に搬送した後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、吸着パッド22での第1リングフレームRF1の吸着保持を解除する。次いで、移送手段20が多関節ロボット11を駆動し、フレームストッカ部STに集積されている最上部の第2リングフレームRF2の上面に吸着パッド22を当接させた後、図示しない減圧手段を駆動し、吸着パッド22での第2リングフレームRF2の吸着保持を開始する。その後、移送手段20が多関節ロボット11を駆動し、第2リングフレームRF2を外側支持面72C上に載置すると、被着体搬送手段70が図示しない減圧手段を駆動し、外側支持面72Cでの第2リングフレームRF2の吸着保持を開始する。次に、移送手段20が図示しない減圧手段の駆動を停止し、吸着パッド22での第2リングフレームRF2の吸着保持を解除した後、多関節ロボット11を駆動し、吸着パッド22を初期位置に復帰させ、先端アーム11Aで保持していた吸着パッド22を切り離して当該先端アーム11Aで切断刃12を保持する。
【0021】
そして、被着体搬送手段70がリニアモータ71を駆動し、第1支持テーブル72を右方へ移動させ、当該第1支持テーブル72が位置認識手段30に対する所定の位置に到達すると、位置認識手段30が検知手段31を駆動し、第2リングフレームRF2に対する被着体WKの位置を認識した後、シート剥離手段60に認識結果を出力して検知手段31の駆動を停止する。次いで、第1支持テーブル72がシート貼付手段40に対する所定の位置に到達すると、シート貼付手段40が回動モータ45Aを駆動し、第1支持テーブル72の移動速度に合わせて原反RSを繰り出す。これにより、第2接着シートAS2が剥離シートRLから剥離され、当該剥離シートRLから剥離された第2接着シートAS2は、図1中二点鎖線で示すように、押圧ローラ44によって第2リングフレームRF2の上面および被着体WKの他方の面WK2に押圧されて貼付される。その後、先頭の第2接着シートAS2全体が第2リングフレームRF2および被着体WKに貼付されて第2一体物UP2が形成され、当該先頭の第2接着シートAS2に続く次の第2接着シートAS2の繰出方向先端部が剥離板43の剥離縁43Aで所定長さ剥離されると、シート貼付手段40が回動モータ45Aの駆動を停止する。
【0022】
その後も第1支持テーブル72の右方への移動が続行され、図1中二点鎖線で示すように、当該第1支持テーブル72が反転手段50の直下に到達すると、被着体搬送手段70がリニアモータ71の駆動を停止する。次に、反転手段50が直動モータ51を駆動し、図1中二点鎖線で示すように、フレーム52を下降させた後、各チャックモータ55を駆動し、各チャックアーム55Aで第2リングフレームRF2を把持する。そして、被着体搬送手段70が図示しない減圧手段の駆動を停止し、内側、外側支持面72A、72Cでの第2一体物UP2の吸着保持を解除すると、反転手段50が直動モータ51および回動モータ54を駆動し、第2一体物UP2を所定高さにまで持ち上げた後、当該第2一体物UP2を天地反転させる。次いで、被着体搬送手段70がリニアモータ71を駆動し、第1支持テーブル72を初期位置に復帰させるとともに、第2支持テーブル73を反転手段50の直下に移動させた後、反転手段50が直動モータ51を駆動し、第2接着シートAS2が第2支持テーブル73側となるようにして、第2一体物UP2を第2支持テーブル73上に載置する。その後、被着体搬送手段70が図示しない減圧手段を駆動し、保持部73Aおよび強保持部73Bでの第2一体物UP2の吸着保持を開始すると、反転手段50が直動モータ51およびチャックモータ55を駆動し、フレーム52およびチャックアーム55Aを初期位置に復帰させる。
【0023】
次に、被着体搬送手段70がリニアモータ71を駆動し、第2支持テーブル73を右方向に移動させ、図1中二点鎖線で示すように、被着体WKの左端部が押圧部材65Cの直下に位置すると、リニアモータ71の駆動を停止する。この際、シート剥離手段60は、カメラや投影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等の図示しない検知手段で第2リングフレームRF2の外縁位置を検知し、この検知結果と位置認識手段30から出力された認識結果とにより、被着体WKの左端部の位置を特定し、被着体搬送手段70に対してリニアモータ71の駆動停止命令を出力する。従って、シート剥離手段60は、被着体WKの左端部を押圧部材65Cの直下に正確に位置決めした状態で第2支持テーブル73を停止させることができる。そして、シート剥離手段60が直動モータ64Aを駆動し、図1中二点鎖線で示すように、補助ローラ64Cを収容手段63Cの下方から退避させた後、回動モータ62Aおよび直動モータ63Aを駆動し、剥離用テープPTを繰り出しながら収容手段63Cを内側シートAS1Aの直上所定位置まで下降させる。次いで、シート剥離手段60がリニアモータ65Aを駆動し、図2(A)に示すように、押圧部材65Cを下降させ、内側シートAS1の対応領域AS1R内に剥離用テープPTを押圧した後、加熱手段65Dを駆動し、剥離用テープPTを加熱して当該剥離用テープPTを内側シートAS1Aに接着させる。この際、被着体WKの左端部が押圧部材65Cの直下に正確に位置決めされているので、内側シートAS1Aの外縁部を第2接着シートAS2に押し付け、当該内側シートAS1Aを第2接着シートAS2に貼付させることはない。
【0024】
その後、シート剥離手段60が吸引手段63Fの駆動を停止し、吸着面63Dでの剥離用テープPTの吸着保持を解除した後、直動モータ63Aおよびリニアモータ65Aを駆動し、収容手段63Cおよび押圧部材65Cを初期位置に復帰させる。次に、シート剥離手段60がリニアモータ67Aを駆動し、図2(B)に示すように、剥離ローラ67Cを右方向に移動させ、剥離用テープPTに張力を付与して被着体WKから内側シートAS1Aを剥離する。そして、被着体WKから内側シートAS1A全体が剥離され、第3一体物UP3が形成されると、シート剥離手段60がリニアモータ67Aの駆動を停止した後、直動モータ64Aおよび吸引手段63Fを駆動し、図2(C)に示すように、補助ローラ64Cを初期位置に復帰させるとともに、吸着面63Dでの剥離用テープPTの吸着保持を開始する。次いで、シート剥離手段60がリニアモータ66Aを駆動し、図2(C)に示すように、切断刃66Cを昇降させて剥離用テープPTを切断し、作業者または図示しない移送手段が内側シートAS1Aを回収すると、シート剥離手段60がリニアモータ67Aを駆動し、剥離ローラ67Cを初期位置に復帰させる。その後、被着体搬送手段70がリニアモータ71を駆動し、第2支持テーブル73を初期位置に復帰させて図示しない減圧手段の駆動を停止し、保持部73Aおよび強保持部73Bでの第3一体物UP3の吸着保持を解除すると、作業者または図示しない搬送手段が第2支持テーブル73上の第3一体物UP3を次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0025】
以上のような第1実施形態によれば、被着体WKの近傍に第2リングフレームRF2が配置された状態での当該第2リングフレームRF2に対する被着体WKの位置を認識し、その認識結果を基にして内側シートAS1Aの対応領域AS1R内に剥離用テープPTを貼付するので、内側シートAS1Aを第2接着シートAS2に貼付させることなく、当該内側シートAS1Aに剥離用テープPTを貼付することができる。
【0026】
[第2実施形態]
例えば、本発明の転写装置は、図1(A)に示す転写装置EA1としてもよい。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と同等の構成で同等の機能を有するものは、当該第1実施形態と同じ番号を付してその構成説明は省略し、動作説明および図示は簡略化する。
すなわち、本発明の転写装置EA1は、被着体WKの一方の面WK1に貼付された第1接着シートAS1を当該被着体WKの外縁からはみ出る大きさに切断し、当該第1接着シートAS1を、被着体WKに貼付された内側シートAS1Aと、当該内側シートAS1Aの外側に位置する外側シートAS1Bとに分断するシート切断手段10と、第2リングフレームRF2を被着体WKの近傍に配置する移送手段20と、被着体WKの位置を認識可能な位置認識手段30と、被着体WKの他方の面WK2に第2接着シートAS2を貼付するシート貼付手段40と、第2接着シートAS2が貼付された被着体WKを天地反転させる反転手段50と、内側シートAS1Aに剥離用テープPTを貼付し、当該剥離用テープPTに張力を付与して被着体WKから内側シートAS1Aを剥離するシート剥離手段60とを備え、被着体WKを搬送する被着体搬送手段70の近傍に配置されている。
【0027】
位置認識手段30は、被着体WKに内側シートAS1Aが貼付された状態での当該内側シートAS1Aに対する被着体WKの位置を認識可能に設けられている。
【0028】
シート剥離手段60は、位置認識手段30の認識結果を基にして内側シートAS1Aの所定の位置としての外縁位置から被着体WKの位置を求め、当該被着体WKが貼付されている貼付領域AS1Sに対応する内側シートAS1Aの非貼付面側である対応領域AS1R内に、剥離用テープPTを貼付する構成となっている。
【0029】
このような転写装置EA1は、第1実施形態と同様にしてシート切断手段10が第1接着シートAS1を内側シートAS1Aと外側シートAS1Bとに分断した後、移送手段20が多関節ロボット11を駆動し、外側シートAS1Bを除去して第2リングフレームRF2を第1支持テーブル72上に載置する。次いで、被着体搬送手段70がリニアモータ71を駆動し、第1支持テーブル72を右方へ移動させ、当該第1支持テーブル72が位置認識手段30に対する所定の位置に到達すると、位置認識手段30が検知手段31を駆動し、内側シートAS1Aに対する被着体WKの位置を認識した後、シート剥離手段60に認識結果を出力して検知手段31の駆動を停止する。その後、第1実施形態と同様にしてシート貼付手段40が第2リングフレームRF2の上面および被着体WKの他方の面WK2に第2接着シートAS2を貼付して第2一体物UP2が形成されると、第1実施形態と同様にして反転手段50が第2一体物UP2を天地反転した後、当該第2一体物UP2を第2支持テーブル73上に載置する。次に、シート剥離手段60が図示しない検知手段で内側接着シートAS1Aの外縁位置を検知し、この検知結果と位置認識手段30から出力された認識結果とにより、被着体WKの左端部の位置を特定し、当該左端部を押圧部材65Cの直下に正確に位置決めした状態で第2支持テーブル73を停止させる。そして、第1実施形態と同様にしてシート剥離手段60が剥離用テープPTを内側シートAS1Aに接着させ、剥離用テープPTに張力を付与して被着体WKから内側シートAS1Aを剥離し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0030】
以上のような第2実施形態によれば、内側シートAS1Aが貼付された状態での当該内側シートAS1Aに対する被着体WKの位置を認識し、その認識結果を基にして内側シートAS1Aの対応領域AS1R内に剥離用テープPTを貼付するので、内側シートAS1Aを第2接着シートAS2に貼付させることなく、当該内側シートAS1Aに剥離用テープPTを貼付することができる。
【0031】
本発明における手段及び工程は、それら手段及び工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、シート切断手段は、被着体の一方の面に貼付された第1接着シートを当該被着体の外縁からはみ出る大きさに切断し、当該第1接着シートを、被着体に貼付された内側シートと、当該内側シートの外側に位置する外側シートとに分断可能なものであれば、どんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0032】
シート切断手段10は、第1接着シートAS1の貼付面側から当該第1接着シートAS1を切断してもよいし、第1接着シートAS1の非貼付面側から当該第1接着シートAS1を切断してもよいし、切断刃12を移動させる駆動機器(上記の実施形態では多関節ロボット11)を、移送手段20で吸着パッド22を移動させる駆動機器と共有させることなく、他の駆動機器で切断刃12を移動させてもよいし、切断刃12が多関節ロボット11に対して着脱できなくてもよいし、ブラケット12Aを介することなく多関節ロボット11が直接切断刃12を支持する構成でもよい。
【0033】
移送手段20は、吸着パッド22を移動させる駆動機器(上記の実施形態では多関節ロボット11)を、シート切断手段10で切断刃12を移動させる駆動機器と共有させることなく、他の駆動機器で吸着パッド22を移動させてもよいし、吸着パッド22が多関節ロボット11に対して着脱できなくてもよいし、フレーム21を介することなく多関節ロボット11が直接切吸着パッド22を支持する構成でもよいし、第1リングフレームRF1および外側シートAS1Bのうち少なくとも一方を第1支持テーブル72上から除去しなくてもよいし、外側シートAS1Bまたは外側シートAS1Bが貼付された第1リングフレームRF1を他の装置や人手等で所定の回収位置に搬送する場合、本発明の転写装置EA、EA1に備わっていなくてもよいし、第2リングフレームRF2を他の装置や人手等で第1支持テーブル72上に載置する場合や、第2リングフレームRF2を第1支持テーブル72上に載置しない場合、本発明の転写装置EA1に備わっていなくてもよい。
【0034】
位置認識手段30は、検知手段31として測長センサを備えていてもよいし、第1支持テーブル72を移動させつつ、自身が移動してまたは移動することなく被着体WKの位置を認識してもよいし、第1支持テーブル72を移動させることなく、自身が移動してまたは移動することなく被着体WKの位置を認識してもよいし、シート貼付手段40、反転手段50および被着体搬送手段70のうち少なくとも1つに認識結果を出力してもよく、認識結果を受けたそれら各手段は、被着体WKに第2接着シートAS2を貼付したり、第2一体物UP2を天地反転させたり、第1支持テーブル72を反転手段50の直下で停止させたりする動作を、認識結果を基にして行ってもよいし、認識結果を保存しておき、シート貼付手段40、反転手段50、シート剥離手段60および被着体搬送手段70それぞれの動作タイミングに合わせてそれらに認識結果を出力してもよい。
【0035】
シート貼付手段40は、剥離シートRLに仮着された帯状接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が第2接着シートAS2とされた原反を繰り出してもよいし、帯状接着シート基材が剥離シートRLに仮着された原反を採用し、帯状接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段で形成し、その切込で仕切られた所定の領域を第2接着シートAS2としてもよいし、帯状接着シート基材を被着体WKに貼付する構成でもよいし、第2接着シートAS2を剥離シートRLから剥離する際、原反RSに所定の張力が付与されるように回動モータ45Aのトルク制御を行ってもよいし、支持ローラ41やガイドローラ42等の各ローラの代わりに板状部材やシャフト部材等で原反RSや剥離シートRLを支持したり案内したりしてもよいし、原反RSを巻回することなく例えばファンフォールド折りにして支持してもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な保持部材で第2接着シートAS2を保持し、当該保持部材で保持した第2接着シートAS2を被着体WKに押圧して貼付する構成の押圧手段を採用してもよいし、剥離シートRLをファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、第1支持テーブル72を移動させずにまたは移動させつつ、自身が移動して被着体WKに第2接着シートAS2を貼付してもよいし、剥離シートRLが仮着されていない第2接着シートAS2を繰り出して被着体WKに貼付してもよいし、被着体WKのみに第2接着シートAS2を貼付する構成でもよい。
【0036】
反転手段50は、第2一体物UP2における第2リングフレームRF2、第2接着シートAS2、内側シートAS1Aおよび被着体WKのうち少なくとも1つを保持し、当該第2一体物UP2を天地反転させる構成としてもよいし、第2一体物UP2を上昇させることなく、例えば、第1支持テーブル72を第2一体物UP2の下方から退避させておき、当該第2一体物UP2を天地反転させてもよいし、第1支持テーブル72または第2支持テーブル73に支持されている構成としてもよいし、回動モータ54を1体または3体以上としてもよいし、チャックモータ55を1体または3体以上としてもよいし、シート貼付手段40で第2一体物UP2が形成された状態のまま、例えば、第1支持テーブル72に支持された第2一体物UP2の下方から、シート剥離手段60が内側シートAS1Aを剥離できる構成である場合、本発明の転写装置EA、EA1に備わっていなくてもよい。
【0037】
シート剥離手段60は、被着体WKの外縁よりも当該被着体WKの中央部に近付いた対応領域AS1R内に剥離用テープPTを貼付してもよいし、枚葉の剥離用テープPTを内側シートAS1Aに貼付する構成でもよいし、支持ローラ61Cを繰出手段62方向に付勢することなく、繰出ローラ62Bとで剥離用テープPTを挟み込むピンチローラを採用し、当該剥離用テープPTを繰り出してもよいし、繰出手段62の駆動、リニアモータ71の駆動およびリニアモータ67Aの駆動のうち、少なくとも1つの駆動で、剥離用テープPTに張力を付与して被着体WKから内側シートAS1Aを剥離してもよいし、収容手段63Cを内側シートAS1Aの直上所定位置まで下降させた際、吸着面63Dで吸着保持している剥離用テープPTのリード端部を内側シートAS1Aに当接させてもよいし、収容手段63Cがなくてもよいし、保持補助手段64を採用せずに、内側シートAS1A剥離後の剥離用テープPTをリード保持手段63のみで保持する構成としてもよいし、保持補助手段64が補助ローラ64Cに代えてまたは併用して、棒状部材、板状部材、エアの吹き付け等で剥離用テープPTを吸着面63Dに当接させる構成を採用してもよいし、加熱手段65Dを採用することなく、または、加熱手段65Dを採用して感圧接着性の剥離用テープPTを内側シートAS1Aに貼付する構成でもよいし、押圧部材65Cの代わりに、気体を吹き付けて剥離用テープPTを内側シートAS1Aに貼付する構成を採用してもよいし、剥離用テープ貼付手段65および切断手段66の少なくとも一方が収容手段63Cに収容されていなくてもよいし、剥離用テープPTを切断しなくてもよいし、切断手段66を採用せずに他の装置や人手で剥離用テープPTを切断してもよいし、リニアモータ67Aおよび剥離ローラ67Cを採用することなく、例えば、テープ支持手段61、繰出手段62、リード保持手段63等の剥離用テープ保持部材を移動させずにまたは移動させつつ、第2支持テーブル73を移動させたり、第2支持テーブル73移動させずに剥離用テープ保持部材を移動させたり、第2一体物UP2を支持した他の装置を剥離用テープ保持部材に対して相対移動させたりすることで、剥離用テープPTに張力を付与して被着体WKから内側シートAS1Aを剥離してもよい。
シート剥離手段60は、押圧部材65Cを左右方向に移動させる駆動機器および、押圧部材65Cを前後方向に移動させる駆動機器のうち少なくとも一方を採用し、位置認識手段30から出力された認識結果により、被着体WKの位置を特定し、押圧部材65Cを左右方向や前後方向に移動させて対応領域AS1R内に剥離用テープPTを貼付してもよく、押圧部材65Cを左右方向に移動させる駆動機器を採用した場合、被着体搬送手段70は、当該シート剥離手段60によるリニアモータ71の駆動停止命令を得ずに、被着体WKの左端部が押圧部材65Cの直下に位置した時点でリニアモータ71の駆動を停止させることができる。
第1実施形態の転写装置EAにおけるシート剥離手段60は、被着体WKの位置を求める第2リングフレームRF2の所定の位置を、例えば、当該第2リングフレームRF2の内縁位置としてもよいし、当該第2リングフレームRF2に形成された図示しないVノッチ位置や、図示しないフラット部の位置等としてもよい。
第2実施形態の転写装置EA1におけるシート剥離手段60は、被着体WKの位置を求める内側シートAS1Aの所定の位置を、例えば、当該内側シートAS1Aに設けられた図形や記号等の図示しない目印等の位置としてもよい。
シート剥離手段60は、上記の実施形態において、図示しない検知手段を用い、位置認識手段30の認識結果を基にして被着体WKの位置を求めたが、図示しない検知手段を用いることなく、例えば、位置認識手段30の認識結果を基にして、被着体搬送手段70の被着体WKの搬送速度および搬送時間から当該被着体WKの位置を求めてもよい。
【0038】
被着体搬送手段70は、第1支持テーブル72を移動させる駆動機器と、第2支持テーブル73を移動させる駆動機器とが別々でもよいし、第2支持テーブル73を採用することなく、第1支持テーブル72が第2支持テーブル73と同等の動作を行うようにしてもよいし、第1支持テーブル72および第2支持テーブル73の少なくとも一方を前後方向に移動させる駆動機器を採用し、各手段の作業領域内で被着体WKを左右方向にも移動できるようにしてもよいし、第1支持テーブル72に形成された凹溝72Bの平面視形状が三角や四角等の多角形の環状、円環状、楕円環状等どのような環状形状でもよいし、第1支持テーブル72に凹溝72Bが形成されていなくてもよいし、内側支持面72Aおよび外側支持面72Cに保持力を付与する系統を1系統としたり、それらに保持力を付与する系統をそれぞれ1系統ずつ設けて計2系統としたりしてもよいし、保持部73Aおよび強保持部73Bに保持力を付与する系統を1系統としたり、それらに保持力を付与する系統をそれぞれに1系統ずつ設けて計2系統としたりしてもよいし、内側シートAS1Aにおける被着体WKが貼付されていない領域に対応した一部または全部(環状)に強保持部73Bが形成されていてもよいし、本発明の転写装置EA、EA1に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明の転写装置EA、EA1に備わっていていない場合、他の装置で被着体WKを搬送してもよいし、被着体WKを搬送することなく、シート貼付手段40やシート剥離手段60等の他の手段が移動してもよいし、本発明の転写装置EA、EA1に備わっている場合、被着体WKを搬送し、且つ、シート貼付手段40やシート剥離手段60等の他の手段を移動させてもよい。
【0039】
転写装置EA、EA1に供給される被着体WKは、第1リングフレームRF1に支持されることなく、第1接着シートAS1のみが貼付されていてもよい。
第1、第2フレーム部材は、環状の第1、第2リングフレームRF1、RF2以外に、例えば、環状でない部材でもよい。
【0040】
本発明における第1、第2接着シートAS1、AS2、剥離用テープPTおよび被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、第1、第2接着シートAS1、AS2、剥離用テープPTおよび被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、第1、第2接着シートAS1、AS2および剥離用テープPTは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の第1、第2接着シートAS1、AS2が採用された場合は、当該第1、第2接着シートAS1、AS2を加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような第1、第2接着シートAS1、AS2および剥離用テープPTは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、第1、第2接着シートAS1、AS2は、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0041】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等の部材を採用したり、大気やガス等の気体の吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよいし、付勢手段が採用されている場合、ばね、ゴム、樹脂等で構成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
EA…転写装置
EA1…転写装置
10…シート切断手段
20…移送手段
30…位置認識手段
40…シート貼付手段
60…シート剥離手段
AS1…第1接着シート
AS1A…内側シート
AS1B…外側シート
AS1S…貼付領域
AS1R…対応領域
AS2…第2接着シート
PT…剥離用テープ
RF2…第2リングフレーム(第2フレーム部材)
WK…被着体
WK1…一方の面
WK2…他方の面
図1
図2