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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20240816BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240816BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01L29/78 652K
H01L29/78 652M
H01L29/78 653A
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652S
H01L29/78 652P
H01L29/78 652N
H01L29/78 658G
H01L29/78 658F
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/06 301M
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020130207
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022026643
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】油谷 匡胤
(72)【発明者】
【氏名】白石 雄起
【審査官】戸川 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-103169(JP,A)
【文献】特開平11-068102(JP,A)
【文献】特開2010-251422(JP,A)
【文献】特開2019-106506(JP,A)
【文献】特開2019-102726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/06
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブ領域および前記アクティブ領域の周囲の周辺領域を含む第1主面を有する半導体チップと、
前記アクティブ領域に形成された第1トレンチと、
前記第1トレンチの内面に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜を介して前記第1トレンチ内に形成され、前記第1絶縁膜を挟んで対向する前記半導体チップの部分にチャネルを形成する第1電極と、
前記周辺領域に前記第1トレンチよりも大きな幅で形成され、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる第2トレンチであって、前記第1方向から前記第2方向へと湾曲するコーナ部を有する第2トレンチと、
前記第2トレンチの内面に形成された第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜を介して前記第2トレンチ内に形成され、前記第1電極に電気的に接続された第2電極と
前記周辺領域の前記第2トレンチよりも外側に前記第2トレンチから分離して形成され、前記第1トレンチよりも大きな幅であり、かつ前記第2トレンチよりも小さな幅を有する第3トレンチと、
前記第3トレンチの内面に形成された第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜を介して前記第3トレンチ内に形成され、電気的にフローティングされた第3電極とを含み、
前記第1絶縁膜は、前記第1トレンチの底部に形成され、前記第1絶縁膜の他の部分よりも選択的に薄い第1薄肉部を有し、
前記第2絶縁膜は、前記第2トレンチの前記コーナ部の底部に形成され、前記第2絶縁膜の他の部分よりも薄く、かつ前記第1薄肉部よりも厚い第2薄肉部を有している、半導体装置。
【請求項2】
前記第1絶縁膜は、前記第1トレンチの底部において選択的に前記第1トレンチの内面に近づく方向に窪んだ第1薄肉凹部を有し、
前記第1薄肉部は、前記第1薄肉凹部と前記第1トレンチの内面との間に挟まれている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2絶縁膜は、前記第2トレンチの前記コーナ部の底部において選択的に前記第2トレンチの内面に近づく方向に窪んだ第2薄肉凹部を有し、
前記第2薄肉部は、前記第2薄肉凹部と前記第2トレンチの内面との間に挟まれている、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記アクティブ領域と前記周辺領域との間に跨って形成され、前記第1トレンチと前記第2トレンチとを接続する接続トレンチと、
前記接続トレンチ内に形成され、前記第1電極と前記第2電極とを接続する接続電極とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体チップ上に形成され、かつ前記第1トレンチおよび前記第2トレンチを覆う層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に形成された表面電極と、
前記層間絶縁膜内に形成され、前記表面電極と前記第2電極とを接続するコンタクト部とを含む、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記接続トレンチは、第1接続箇所で前記第2トレンチに接続された第1接続トレンチと、前記第1接続箇所から離れた第2接続箇所で前記第2トレンチに接続された第2接続トレンチとを含み、
前記コンタクト部は、前記第1接続箇所と前記第2接続箇所との間の前記第2トレンチの部分において前記第2電極に接続されている、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2電極は、前記第2トレンチに埋め込まれた埋め込み電極を含み、
前記層間絶縁膜を貫通し、前記第2トレンチの深さ方向において前記第2電極の中間部に達するコンタクト孔を含み、
前記コンタクト部は、前記コンタクト孔に埋め込まれたコンタクトプラグを含む、請求項5または6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記コンタクトプラグと前記コンタクト孔の内面との間に形成され、前記コンタクトプラグと前記層間絶縁膜および前記第2電極との接触を防止するバリア膜をさらに含む、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記表面電極は、前記アクティブ領域を覆い、かつ前記チャネルに電気的に接続され得るパッド電極部と、前記パッド電極部を囲むように形成され、前記コンタクト部を介して前記第2電極に電気的に接続されたフィンガー電極部とを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1トレンチは、0.17μm以上0.22μm以下の第1幅を有し、
前記第2トレンチは、0.5μm以上1.0μm以下の第2幅を有している、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2トレンチは、前記第1トレンチよりも大きな深さを有している、請求項1~10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第2トレンチは、互いに異なる幅を有する複数のトレンチを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第2薄肉部が接する前記第2トレンチの内面の部分は、前記第1薄肉部が接する前記第1トレンチの内面の部分と異なる面方位を有している、請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体チップの前記第1主面から前記第1トレンチの深さ方向に順に形成された、第1導電型のソース領域、第2導電型のボディ領域および第1導電型のドリフト領域を含み、
前記第1電極は、前記ボディ領域に前記チャネルを形成するゲート電極を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記半導体チップは、シリコンチップを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
アクティブ領域および前記アクティブ領域の周囲の周辺領域を含む第1主面を有する半導体チップと、
前記アクティブ領域に形成された第1トレンチと、
前記第1トレンチの内面に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜を介して前記第1トレンチ内に形成され、前記第1絶縁膜を挟んで対向する前記半導体チップの部分にチャネルを形成する第1電極と、
前記周辺領域に前記第1トレンチよりも大きな幅で形成され、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる第2トレンチであって、前記第1方向から前記第2方向へと湾曲するコーナ部を有する第2トレンチと、
前記第2トレンチの内面に形成された第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜を介して前記第2トレンチ内に形成され、前記第1電極に電気的に接続された第2電極と、
前記アクティブ領域と前記周辺領域との間に跨って形成され、前記第1トレンチと前記第2トレンチとを接続する接続トレンチと、
前記接続トレンチ内に形成され、前記第1電極と前記第2電極とを接続する接続電極と、
前記半導体チップ上に形成され、かつ前記第1トレンチおよび前記第2トレンチを覆う層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に形成された表面電極と、
前記層間絶縁膜内に形成され、前記表面電極と前記第2電極とを接続するコンタクト部とを含み、
前記第1絶縁膜は、前記第1トレンチの底部に形成され、前記第1絶縁膜の他の部分よりも選択的に薄い第1薄肉部を有し、
前記第2絶縁膜は、前記第2トレンチの前記コーナ部の底部に形成され、前記第2絶縁膜の他の部分よりも薄く、かつ前記第1薄肉部よりも厚い第2薄肉部を有しており、
前記第2電極は、前記第2トレンチに埋め込まれた埋め込み電極を含み、
前記層間絶縁膜を貫通し、前記第2トレンチの深さ方向において前記第2電極の中間部に達するコンタクト孔を含み、
前記コンタクト部は、前記コンタクト孔に埋め込まれたコンタクトプラグを含み、
前記コンタクトプラグと前記コンタクト孔の内面との間に形成され、前記コンタクトプラグと前記層間絶縁膜および前記第2電極との接触を防止するバリア膜をさらに含む、半導体装置。
【請求項17】
アクティブ領域および前記アクティブ領域の周囲の周辺領域を含む第1主面を有する半導体チップと、
前記アクティブ領域に形成された第1トレンチと、
前記第1トレンチの内面に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜を介して前記第1トレンチ内に形成され、前記第1絶縁膜を挟んで対向する前記半導体チップの部分にチャネルを形成する第1電極と、
前記周辺領域に前記第1トレンチよりも大きな幅で形成され、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる第2トレンチであって、前記第1方向から前記第2方向へと湾曲するコーナ部を有する第2トレンチと、
前記第2トレンチの内面に形成された第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜を介して前記第2トレンチ内に形成され、前記第1電極に電気的に接続された第2電極とを含み、
前記第1絶縁膜は、前記第1トレンチの底部に形成され、前記第1絶縁膜の他の部分よりも選択的に薄い第1薄肉部を有し、
前記第2絶縁膜は、前記第2トレンチの前記コーナ部の底部に形成され、前記第2絶縁膜の他の部分よりも薄く、かつ前記第1薄肉部よりも厚い第2薄肉部を有しており、
前記第2トレンチは、互いに異なる幅を有する複数のトレンチを含む、半導体装置。
【請求項18】
アクティブ領域および前記アクティブ領域の周囲の周辺領域を含む第1主面を有する半導体チップと、
前記アクティブ領域に形成された第1トレンチと、
前記第1トレンチの内面に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜を介して前記第1トレンチ内に形成され、前記第1絶縁膜を挟んで対向する前記半導体チップの部分にチャネルを形成する第1電極と、
前記周辺領域に前記第1トレンチよりも大きな幅で形成され、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる第2トレンチであって、前記第1方向から前記第2方向へと湾曲するコーナ部を有する第2トレンチと、
前記第2トレンチの内面に形成された第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜を介して前記第2トレンチ内に形成され、前記第1電極に電気的に接続された第2電極とを含み、
前記第1絶縁膜は、前記第1トレンチの底部に形成され、前記第1絶縁膜の他の部分よりも選択的に薄い第1薄肉部を有し、
前記第2絶縁膜は、前記第2トレンチの前記コーナ部の底部に形成され、前記第2絶縁膜の他の部分よりも薄く、かつ前記第1薄肉部よりも厚い第2薄肉部を有しており、
前記第2薄肉部が接する前記第2トレンチの内面の部分は、前記第1薄肉部が接する前記第1トレンチの内面の部分と異なる面方位を有している、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1は、アクティブセルアレイおよびゲートバスエリアが形成されたエピタキシャル層と、アクティブセルアレイに形成されたゲートトレンチと、ゲートトレンチに形成されたゲート酸化膜と、ゲートトレンチに埋め込まれたポリシリコンからなるゲート電極と、ゲートバスエリアに形成され、ゲートトレンチと繋がるトレンチと、ゲートバスエリアにおいてエピタキシャル層の表面を覆うようにトレンチに埋め込まれたポリシリコンからなるゲートバスとを含む、トレンチゲート縦型MOSFETを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2006-520091号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、アクティブ領域および前記アクティブ領域の周囲の周辺領域を含む第1主面を有する半導体チップと、前記アクティブ領域に形成された第1トレンチと、前記第1トレンチの内面に形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を介して前記第1トレンチ内に形成され、前記第1絶縁膜を挟んで対向する前記半導体チップの部分にチャネルを形成する第1電極と、前記周辺領域に前記第1トレンチよりも大きな幅で形成され、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる第2トレンチであって、前記第1方向から前記第2方向へと湾曲するコーナ部を有する第2トレンチと、前記第2トレンチの内面に形成された第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜を介して前記第2トレンチ内に形成され、前記第1電極に電気的に接続された第2電極とを含み、前記第1絶縁膜は、前記第1トレンチの底部に形成され、前記第1絶縁膜の他の部分よりも選択的に薄い第1薄肉部を有し、前記第2絶縁膜は、前記第2トレンチの前記コーナ部の底部に形成され、前記第2絶縁膜の他の部分よりも薄く、かつ前記第1薄肉部よりも厚い第2薄肉部を有している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の模式的な平面図である。
図2図2は、図1のアクティブ領域の平面構造を示す図である。
図3図3は、図2のIII-III断面を示す図である。
図4図4は、図1の周辺領域の平面構造を示す図である。
図5図5は、図4の二点鎖線Vで囲まれた部分の拡大図である。
図6図6は、図4の二点鎖線VIで囲まれた部分の拡大図である。
図7図7は、図5のVII-VII断面を示す図である。
図8図8は、図6のVIII-VIII断面を示す図である。
図9図9は、図3の二点鎖線IXで囲まれた部分の拡大図である。
図10図10は、図7の二点鎖線Xで囲まれた部分の拡大図である。
図11図11は、図8の二点鎖線XIで囲まれた部分の拡大図である。
図12図12A図12Cは、図1の半導体素子の製造工程の一部を示す図である。
図13図13A図13Cは、それぞれ、図12A図12Cの次の工程を示す図である。
図14図14A図14Cは、それぞれ、図13A図13Cの次の工程を示す図である。
図15図15A図15Cは、それぞれ、図14A図14Cの次の工程を示す図である。
図16図16A図16Cは、それぞれ、図15A図15Cの次の工程を示す図である。
図17図17A図17Cは、それぞれ、図16A図16Cの次の工程を示す図である。
図18図18A図18Cは、それぞれ、図17A図17Cの次の工程を示す図である。
図19図19A図19Cは、それぞれ、図18A図18Cの次の工程を示す図である。
図20図20A図20Cは、それぞれ、図19A図19Cの次の工程を示す図である。
図21図21A図21Cは、それぞれ、第1~第3薄肉部の形成に関連する工程を示す図である。
図22図22は、ゲート絶縁膜の狙い値とゲート絶縁膜の薄肉部との関係を示す図である。
図23図23は、ゲート絶縁膜(第3薄肉部)の膜厚変化とオン抵抗の変化との関係を示す図である。
図24図24は、第1外周トレンチの変形例を示す図である。
図25図25は、第1外周トレンチの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
<本発明の実施形態>
まず、本発明の実施形態を列記して説明する。
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、アクティブ領域および前記アクティブ領域の周囲の周辺領域を含む第1主面を有する半導体チップと、前記アクティブ領域に形成された第1トレンチと、前記第1トレンチの内面に形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を介して前記第1トレンチ内に形成され、前記第1絶縁膜を挟んで対向する前記半導体チップの部分にチャネルを形成する第1電極と、前記周辺領域に前記第1トレンチよりも大きな幅で形成され、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる第2トレンチであって、前記第1方向から前記第2方向へと湾曲するコーナ部を有する第2トレンチと、前記第2トレンチの内面に形成された第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜を介して前記第2トレンチ内に形成され、前記第1電極に電気的に接続された第2電極とを含み、前記第1絶縁膜は、前記第1トレンチの底部に形成され、前記第1絶縁膜の他の部分よりも選択的に薄い第1薄肉部を有し、前記第2絶縁膜は、前記第2トレンチの前記コーナ部の底部に形成され、前記第2絶縁膜の他の部分よりも薄く、かつ前記第1薄肉部よりも厚い第2薄肉部を有している。
【0007】
この構成によれば、第1トレンチの幅よりも第2トレンチの幅が広いので、第2絶縁膜の形成工程において、第2絶縁膜の形成用の材料ガスを第2トレンチの内部に行き渡らせることができる。これにより、第2トレンチの内面に効率よく第2絶縁膜を形成することができる。たとえば、第1絶縁膜と第2絶縁膜とを同一工程で形成する場合、第1トレンチの内面に対する第1絶縁膜の成膜速度(第1成膜速度)よりも速い成膜速度(第2成膜速度)で、第2絶縁膜を形成することができる。その結果、たとえば、材料ガスの供給によって第1絶縁膜の膜厚が、目標とされるオン特性等に基づいて予め定められた設計膜厚に達した段階で、第2絶縁膜の第2薄肉部を比較的厚く形成することができる。たとえば、結果物として、第2絶縁膜の第2薄肉部を、第1絶縁膜の第1薄肉部よりも厚くすることができる。
【0008】
これにより、半導体チップにおいて比較的電界が集中し易い第2トレンチのコーナ部において、第2絶縁膜(第2薄肉部)の絶縁破壊耐性を向上することができる。一方、第1絶縁膜および第2絶縁膜を一律に厚くするのではなく、第2絶縁膜に比べて遅い成膜速度で第1絶縁膜が形成されるので、第1絶縁膜の膜厚を設計膜厚で留めることができる。その結果、第2薄肉部の厚膜化に伴って素子のオン抵抗が上昇することを防止することができる。つまり、本発明の一実施形態に係る半導体装置によれば、素子のオン特性の低下を防止できながら、絶縁破壊に対する信頼性を向上することができる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第1絶縁膜は、前記第1トレンチの底部において選択的に前記第1トレンチの内面に近づく方向に窪んだ第1薄肉凹部を有し、前記第1薄肉部は、前記第1薄肉凹部と前記第1トレンチの内面との間に挟まれていてもよい。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第2絶縁膜は、前記第2トレンチの前記コーナ部の底部において選択的に前記第2トレンチの内面に近づく方向に窪んだ第2薄肉凹部を有し、前記第2薄肉部は、前記第2薄肉凹部と前記第2トレンチの内面との間に挟まれていてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記アクティブ領域と前記周辺領域との間に跨って形成され、前記第1トレンチと前記第2トレンチとを接続する接続トレンチと、前記接続トレンチ内に形成され、前記第1電極と前記第2電極とを接続する接続電極とを含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記半導体チップ上に形成され、かつ前記第1トレンチおよび前記第2トレンチを覆う層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された表面電極と、前記層間絶縁膜内に形成され、前記表面電極と前記第2電極とを接続するコンタクト部とを含んでいてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記接続トレンチは、第1接続箇所で前記第2トレンチに接続された第1接続トレンチと、前記第1接続箇所から離れた第2接続箇所で前記第2トレンチに接続された第2接続トレンチとを含み、前記コンタクト部は、前記第1接続箇所と前記第2接続箇所との間の前記第2トレンチの部分において前記第2電極に接続されていてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記第2電極が、前記第2トレンチに埋め込まれた埋め込み電極を含む場合、前記層間絶縁膜を貫通し、前記第2トレンチの深さ方向において前記第2電極の中間部に達するコンタクト孔を含んでいてもよい。その場合、前記コンタクト部は、前記コンタクト孔に埋め込まれたコンタクトプラグを含んでいてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記コンタクトプラグと前記コンタクト孔の内面との間に形成され、前記コンタクトプラグと前記層間絶縁膜および前記第2電極との接触を防止するバリア膜をさらに含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記表面電極は、前記アクティブ領域を覆い、かつ前記チャネルに電気的に接続され得るパッド電極部と、前記パッド電極部を囲むように形成され、前記コンタクト部を介して前記第2電極に電気的に接続されたフィンガー電極部とを含んでいてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記周辺領域の前記第2トレンチよりも外側に前記第2トレンチから分離して形成され、前記第1トレンチよりも大きな幅であり、かつ前記第2トレンチよりも小さな幅を有する第3トレンチと、前記第3トレンチの内面に形成された第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜を介して前記第3トレンチ内に形成され、電気的にフローティングされた第3電極とをさらに含んでいてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第1トレンチは、0.17μm以上0.22μm以下の第1幅を有し、前記第2トレンチは、0.5μm以上1.0μm以下の第2幅を有していてもよい。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第2トレンチは、前記第1トレンチよりも大きな深さを有していてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第2トレンチは、互いに異なる幅を有する複数のトレンチを含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記第2薄肉部が接する前記第2トレンチの内面の部分は、前記第1薄肉部が接する前記第1トレンチの内面の部分と異なる面方位を有していてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記半導体チップの前記第1主面から前記第1トレンチの深さ方向に順に形成された、第1導電型のソース領域、第2導電型のボディ領域および第1導電型のドリフト領域を含み、前記第1電極は、前記ボディ領域に前記チャネルを形成するゲート電極を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記半導体チップは、シリコンチップを含んでいてもよい。
<本発明の実施形態の詳細な説明>
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の詳細な説明において、序数が付された名称の構成要素が複数存在するが、当該序数と、請求項に記載の構成要素の序数とは、必ずしも一致するものではない。
[半導体装置1の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置1の模式的な平面図である。明瞭化のため、図1では、パッケージ4を想像線(破線)で示し、その他の構成を実線で示している。
【0018】
半導体装置1は、リードフレーム2と、半導体素子3と、パッケージ4とを含む。
リードフレーム2は、金属製の板状に形成されている。リードフレーム2は、平面視矩形状のCuなどの薄肉金属板から、打ち抜き加工、切り取り加工、曲げ加工等によって形成される。よって、リードフレーム2の素材は、主な成分がCuである。なお、リードフレーム2の素材は、これに限定されない。
【0019】
リードフレーム2は、ダイパッド部21と、第1リード部22と、第2リード部23と、第3リード部24とを含んでいてもよい。第1リード部22、第2リード部23および第3リード部24は、この実施形態では、それぞれ、ソースリード部、ゲートリード部およびドレインリード部と称してもよい。また、第1リード部22、第2リード部23および第3リード部24は、パッケージ4から露出し、半導体装置1の外部回路に接続される部分を有しているので、第1端子(ソース端子)、第2端子(ゲート端子)および第3端子(ドレイン端子)と称してもよい。
【0020】
ダイパッド部21は、平面視において、第1方向Xに延びる一対の第1辺211A,211Bと、第1方向Xに交差する方向(この実施形態では、直交する方向)に延びる一対の第2辺212A,212Bとを有する四角形状を有している。
第1リード部22、第2リード部23および第3リード部24は、ダイパッド部21の周囲に配置されている。この実施形態では、第1リード部22、第2リード部23および第3リード部24は、ダイパッド部21の第1辺211A,211Bに隣接して配置されている。より具体的には、第1リード部22および第2リード部23が、ダイパッド部21の一方の第1辺211Aに隣接して配置され、第3リード部24が、ダイパッドの他方の第1辺211Bに隣接して配置されている。つまり、第1リード部22および第2リード部23は、ダイパッド部21を挟んで第3リード部24の反対側に配置されている。
【0021】
第1リード部22は、ダイパッド部21から離れて形成されている。第1リード部22は、第1パッド部221と、第1リード222と含んでいてもよい。第1パッド部221は、平面視において、ダイパッド部21の第1辺211Aに沿って長手な略長方形状に形成されている。第1リード222は、第1パッド部221と一体的に形成されており、第1パッド部221から、第1パッド部221の長手方向に交差する方向に延びている。第1リード222は、複数(この実施形態では、3つ)形成されている。複数の第1リード222は、共通の第1パッド部221の長手方向に沿って互いに間隔を空けて配列されており、当該共通の第1パッド部221に接続されている。
【0022】
第2リード部23は、ダイパッド部21および第1リード部22から離れて形成されている。第2リード部23は、第2パッド部231と、第2リード232と含んでいてもよい。第2パッド部231は、ダイパッド部21の第1辺211Aに沿って長手な略長方形状に形成されている。第2リード232は、第2パッド部231と一体的に形成されており、第2パッド部231から、第2パッド部231の長手方向に交差する方向に延びている。第2リード232は、第2パッド部231に対して1対1で接続されている。この実施形態では、第2リード部23が、ダイパッド部21の一方の第1辺211Aの一方の端部(ダイパッド部21の一つの角部)近傍に配置されており、第1リード部22は、当該端部から他方の端部へ向かってダイパッド部21の第1辺211Aに沿って延びている。
【0023】
第3リード部24は、第1リード部22および第2リード部23とは異なり、ダイパッド部21と一体的に形成されている。第3リード部24は、ダイパッド部21の他方の第1辺211Bから、当該第1辺211Bに交差する方向に延びている。第3リード部24は、複数(この実施形態では、4つ)形成されている。複数の第3リード部24は、ダイパッド部21の第1辺211Bに沿って互いに間隔を空けて配列されている。
【0024】
半導体素子3は、リードフレーム2のダイパッド部21上に配置されており、ダイパッド部21に支持されている。半導体素子3は、平面視において、一対の第1辺31A,31Bと一対の第2辺32A,32Bとを有する、ダイパッド部21よりも小さな四角形状を有している。半導体素子3は、この実施形態では、第1辺31A,31Bがダイパッド部21の第1辺211A,211Bと平行となり、第2辺32A,32Bがダイパッド部21の第2辺212A、212Bと平行となるように、ダイパッド部21上に配置されている。ダイパッド部21の第1辺211A,211Bと半導体素子3の第1辺31A,31Bとの間の第1距離Dは、ダイパッド部21の第2辺212A,212Bと半導体素子3の第2辺32A,32Bとの間の第2距離Dよりも狭くなっている。たとえば、第1距離Dは、第2距離Dの1/2以下であってもよい。
【0025】
半導体素子3の一方面(この実施形態では、上面)には、本発明の表面電極の一例としての導電膜5と、絶縁膜6とが形成されている。導電膜5は、絶縁膜6によって部分的に覆われている。図1において、導電膜5のうち、絶縁膜6に覆われた部分がハッチング領域で示され、絶縁膜6から露出した部分が白い領域で示されている。導電膜5は、後述する第1ワイヤ8および第2ワイヤ10が接続される部分であり、電極膜や表面電極膜と称してもよい。
【0026】
導電膜5は、半導体素子3の上面のほぼ全域に形成されている。導電膜5は、本発明のパッド電極部の一例としての第1導電膜51と、第2導電膜52とを含んでいてもよい。第1導電膜51および第2導電膜52は、互いに分離されて形成されている。
第1導電膜51は、複数形成されている。複数の第1導電膜51は、半導体素子3の第2辺32A,32Bに沿う方向において互いに隣接して形成されており、隣り合う第1導電膜51の間に隙間領域61が形成されている。また、第1導電膜51の周囲の領域は、周辺領域63であってもよい。つまり、周辺領域63は、第1導電膜51の形成領域(第1導電膜51で覆われた領域)をアクティブ領域64と称する場合、当該アクティブ領域64を取り囲む周辺領域63であってもよい。また、この実施形態では、周辺領域63は、半導体素子3の外周に沿って形成された環状であることから、外周領域と称してもよい。
【0027】
各第1導電膜51は、この実施形態では、半導体素子3の第1辺31A,31Bに沿って長手な平面視長方形状に形成されている。第1導電膜51の一部は、第1パッド7として絶縁膜6から露出している。
第1パッド7には、第1ワイヤ8が接続されている。第1ワイヤ8は、この実施形態では、Cuを主成分とする、いわゆるCuワイヤからなる。Cuを主成分とするワイヤとしては、たとえば、Cu単体(たとえば、Cuの純度が99.99%以上)からなるワイヤ、Cuがその他の合金成分と合金化されたCu合金のワイヤ、Cu単体ワイヤやCu合金ワイヤが導電層に被覆されたワイヤ等が挙げられる。Cu合金ワイヤの合金成分としては、たとえば、Ag、Au、Al、Ni、Be、Fe、Ti、Pd、Zn、Sn等が挙げられる。また、導電層被覆Cuワイヤの被覆成分としては、たとえば、Pd等が挙げられる。なお、第1ワイヤ8は、変形例としてAuワイヤやAlワイヤを使用してもよい。ボンディングワイヤとしてAuワイヤを用いた場合、Auは高コストかつ価格変動によってコストが不安定であることや、高温環境において金とアルミ間の化合物成長によってワイヤ剥離が生じやすい。また、ボンディングワイヤとしてAlワイヤを用いた場合、アルミニウムは融点が比較的低く、高温環境において再結晶化しやすい。第1ワイヤ8として、Cuワイヤを用いることでAuワイヤやAlワイヤを用いた場合よりも信頼性の高い半導体装置を提供可能である。第1ワイヤ8は、たとえばCuワイヤの場合に18μm以上50μm以下の径を有していてもよい。
【0028】
第1ワイヤ8は、第1パッド7と第1リード部22の第1パッド部221とを接続している。第1ワイヤ8は、長ワイヤ81と、長ワイヤ81よりも短い短ワイヤ82とを含んでいてもよい。長ワイヤ81は、隣り合う一対の第1パッド7のうち第1リード部22から遠い側の第1パッド7に接続されていてもよい。一方、短ワイヤ82は、当該一対の第1パッド7のうち第1リード部22に近い側の第1パッド7に接続されていてもよい。
【0029】
長ワイヤ81および短ワイヤ82は、それぞれ複数本ずつ設けられており、第1パッド部221の長手方向に沿って交互に配置されていてもよい。また、長ワイヤ81の第1パッド部221側のボンディング部811、および短ワイヤ82の第1パッド部221側のボンディング部821は、それぞれ、第1パッド部221の長手方向に対して一方側および他方側に偏って配置されている。これにより、長ワイヤ81のボンディング部811と短ワイヤ82のボンディング部821とが互いにずれて配置されており、互いに接触することを防止することができる。その結果、第1リード部22の省スペース化を図ることができる。
【0030】
第2導電膜52は、パッド電極部521と、フィンガー電極部522とを一体的に含んでいてもよい。パッド電極部521は、周辺領域63に形成されており、この実施形態では、半導体素子3の1つの角部に配置されている。フィンガー電極部522は、パッド電極部521から半導体素子3の周縁部に沿って周辺領域63に形成されている。この実施形態では、フィンガー電極部522は、第1導電膜51を取り囲むように、半導体素子3の第1辺31A,31Bおよび第2辺32A,32Bに沿って形成されている。また、フィンガー電極部522は、隣り合う第1導電膜51の間の隙間領域61に形成されていてもよい。これにより、各第1導電膜51は、フィンガー電極部522に個別に取り囲まれている。
【0031】
フィンガー電極部522は、絶縁膜6に覆われている一方、パッド電極部521の一部は、第2パッド9として絶縁膜6から露出している。
第2パッド9には、第2ワイヤ10が接続されている。第2ワイヤ10は、第1ワイヤ8と同一の材料で形成されていてもよい。つまり、この実施形態では、第2ワイヤ10は、Cuを主成分とする、いわゆるCuワイヤからなっていてもよいが、変形例としてAuワイヤやAlワイヤを使用してもよい。また、第2ワイヤ10は、第1ワイヤ8と同一の径を有していてもよい。つまり、第2ワイヤ10は、たとえばCuワイヤの場合に18μm以上50μm以下の径を有していてもよい。
【0032】
第2ワイヤ10は、第2パッド9と第2リード部23の第2パッド部231とを接続している。第2ワイヤ10は、第1ワイヤ8の短ワイヤ82よりも短い長さを有していてもよい。
パッケージ4は、半導体素子3、第1ワイヤ8、第2ワイヤ10およびリードフレーム2の一部を覆っており、封止樹脂と称してもよい。パッケージ4は、絶縁性を有する素材からなる。この実施形態では、パッケージ4は、たとえば黒色のエポキシ樹脂からなる。
[アクティブ領域64の構造]
図2は、図1のアクティブ領域64の平面構造を示す部分的な拡大図である。図3は、図2のIII-III断面を示す図である。
【0033】
半導体装置1は、半導体チップ12と、第1不純物領域121(ソース)と、第2不純物領域122(ボディ)と、第3不純物領域123(ドレイン)と、ゲートトレンチ15(第1トレンチ)と、ゲート絶縁膜16(第1絶縁膜)と、ゲート電極13(第1電極)と、層間絶縁膜17と、ソーストレンチ18と、第1コンタクトプラグ11とを備えている。
【0034】
半導体チップ12は、半導体素子3の外形を形成しており、たとえば、単結晶の半導体材料がチップ状(直方体形状)に形成された構造体である。半導体チップ12は、Si、SiC等の半導体材料で形成されている。半導体チップ12は、第1主面12Aと、第1主面12Aの反対側の第2主面12Bとを有している。第1主面12Aは、機能デバイスが形成されるデバイス面である。第2主面12Bは、機能デバイスが形成されない非デバイス面である。この実施形態では、半導体チップ12は、半導体基板およびエピタキシャル層の少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0035】
第1不純物領域121は、図3に示すように、第1導電膜51の下方において選択的に、半導体チップ12の第1主面12Aの表層部に形成されたp型の不純物領域である。第1不純物領域121のp型不純物濃度は、1×1018cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。また、第1不純物領域121は、この実施形態では、p型のソース領域と称してもよい。
【0036】
第2不純物領域122は、半導体チップ12の第1主面12Aの表層部に形成されたn型の不純物領域である。第2不純物領域122は、第1主面12Aから第2主面12B側に間隔を空け、第1不純物領域121に接するように形成されている。つまり、第2不純物領域122は、第1不純物領域121を挟んで第1主面12Aに対向している。第2不純物領域122のn型不純物濃度は、1×1015cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。また、第2不純物領域122は、この実施形態では、n型のボディ領域と称してもよい。
【0037】
第3不純物領域123は、半導体チップ12の第2主面12Bの表層部に形成されたp型の不純物領域である。第3不純物領域123は、第2不純物領域122に接するように、かつ第2主面12Bの表層部の全域に形成され、第2主面12Bから露出している。第3不純物領域123のp型不純物濃度は、第1不純物領域121のp型不純物濃度よりも低く、たとえば、1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下であってもよい。第3不純物領域123の厚さは、1μm以上500μm以下であってもよい。また、第3不純物領域123は、この実施形態では、p型のドリフト領域やp型のドレイン領域と称してもよい。
【0038】
ゲートトレンチ15は、第1不純物領域121および第2不純物領域122を貫通し、第3不純物領域123に達する凹部である。ゲートトレンチ15は、図2に示すように、第1不純物領域121、第2不純物領域122および第3不純物領域123を囲むことによって、これらの領域121,122,123を含むトランジスタセル14を区画する。この実施形態では、トランジスタセル14は、図2に示すように、第1導電膜51の下方領域に選択的に形成されている。つまり、トランジスタセル14は、第1導電膜51に覆われている一方、第2導電膜52に覆われていない。
【0039】
トランジスタセル14の配列パターンは、図2では、千鳥状である。図示はしないが、トランジスタセル14の配列パターンは、行列状、ストライプ状であってもよい。各トランジスタセル14は、図2に示す平面視において、四角形状に形成されており、この実施形態では、長方形状に形成されている。
ゲートトレンチ15は、上記のように配列された複数のトランジスタセル14の間に形成されている。ゲートトレンチ15は、ゲートトレンチ15の深さ方向に向かって開口幅Wが徐々に狭まるテーパ状に形成されている。ゲートトレンチ15の幅Wは、たとえば、ゲートトレンチ15の開口端において、0.17μm以上0.22μm以下であってもよい。また、図3に示すように、隣り合うゲートトレンチ15のピッチPは、たとえば、1μm以下である。図2に示すように、ゲートトレンチ15が複数のトランジスタセル14をそれぞれ取り囲むように連なっている場合、ゲートトレンチ15のピッチPは、たとえば、1つのトランジスタセル14を挟んで対向するゲートトレンチ15間の距離であってもよい。また、ゲートトレンチ15の深さDは、たとえば、0.8μm以上1.2μm以下であってもよい。
【0040】
ゲート絶縁膜16は、図3に示すように、ゲートトレンチ15の内面を覆っている。また、ゲート絶縁膜16は、半導体チップ12の第1主面12Aを覆っている。ゲート絶縁膜16は、たとえば、SiO、SiN等を含む絶縁性を有する材料で形成されている。ゲート絶縁膜16全体のうち、アクティブ領域64に形成された部分やゲートトレンチ15の内面に形成された部分は、後述する第2絶縁膜162および第3絶縁膜163と区別するため、ゲート絶縁膜16の第1絶縁膜161と称してもよい。
【0041】
ゲート電極13は、ゲートトレンチ15に収容されている(埋め込まれている)。このような構造とすることによって、プレーナ構造と比較して微細化および低オン抵抗化が可能である。また、ゲート電極13が、ゲート絶縁膜16によって半導体チップ12から絶縁されることによって、漏れ電流が生じることを防いでいる。ゲート電極13は、ポリシリコン等を含む導電性を有する材料である。ポリシリコンは、単結晶シリコンと融点がほぼ等しいため、ゲート電極13としてポリシリコンを用いることで、ゲート電極13形成後のプロセスにおいて温度によるプロセスの制限がなくなる。
【0042】
ゲート電極13は、ゲート絶縁膜16を介して第2不純物領域122に対向している。第2不純物領域122において、ゲート電極13に対向するゲートトレンチ15の側面部はチャネル領域124である。ゲート電極13への電圧の印加によって、チャネル領域124にキャリア(この実施形態では、電子)が誘起され、第1不純物領域121と第3不純物領域123との間が導通する。つまり、半導体装置1では、トランジスタセル14およびゲート電極13によって素子構造が形成されている。
【0043】
ゲート電極13は、図3に示すように、半導体チップ12の第1主面12Aと面一もしくは第2主面12B側に窪んだ上面131を有していてもよい。半導体チップ12の第1主面12A上には、ゲート絶縁膜16およびゲート電極13を覆うように層間絶縁膜17が形成されている。層間絶縁膜17は、ゲート電極13と第1導電膜51とを絶縁している。したがって、ゲート電極13は、ゲート絶縁膜16および層間絶縁膜17によって覆われている構成となっている。層間絶縁膜17は、SiO、SiN等を含む絶縁性を有する材料である。
【0044】
図2および図3を参照して、ソーストレンチ18は、各トランジスタセル14に形成されている。この実施形態では、各トランジスタセル14にソーストレンチ18が1つずつ形成されているが、各トランジスタセル14に複数形成されていてもよい。ソーストレンチ18は、平面視長方形状のトランジスタセル14の長手方向に沿って長手な平面視長方形状に形成されている。
【0045】
図3を参照して、ソーストレンチ18は、層間絶縁膜17、ゲート絶縁膜16、および第1不純物領域121を貫通し、第2不純物領域122に達する凹部である。ソーストレンチ18は、ソーストレンチ18の深さ方向に向かって開口幅が徐々に狭まるテーパ状に形成されている。また、隣り合うソーストレンチ18のピッチは、ゲートトレンチ15のピッチPと同じであり、たとえば、1μm以下である。
【0046】
第1コンタクトプラグ11は、第1バリア膜191を介してソーストレンチ18に埋め込まれている。このような構成にすることによって、ゲートトレンチ15の底部の電界集中を緩和し、信頼性を向上した半導体装置1を提供できる。
第1バリア膜191は、第1コンタクトプラグ11を形成する材料が層間絶縁膜17に拡散することを抑制する。この実施形態では、第1コンタクトプラグ11は、W(タングステン)を含み、第1バリア膜191は、Tiを含む材料(たとえば、Tiの単一層構造、またはTiおよびTiNの積層構造)を含んでいてもよい。第1バリア膜191の厚さは、たとえば、500Å以上700Å以下である。
【0047】
第1バリア膜191は、その一方面および他方面がソーストレンチ18の内面および層間絶縁膜17の上面に倣って形成されており、第1不純物領域121および第2不純物領域122との直接的な導通をとっている。また、第1バリア膜191は、隣り合うトランジスタセル14の境界であるゲートトレンチ15の上方領域を横切って連続している。
第1コンタクトプラグ11は、第1バリア膜191を介して第1不純物領域121および第2不純物領域122との導通をとっている。第1コンタクトプラグ11は、層間絶縁膜17の上面に対して半導体チップ12の第1主面12A側に凹んだ上面111を有している。
【0048】
第1導電膜51は、層間絶縁膜17上に形成されている。第1導電膜51は、その電気的な接続対象に基づいて、ソース電極膜と称してもよい。第1導電膜51は、第1コンタクトプラグ11および第1バリア膜191を介して、第1不純物領域121および第2不純物領域122との導通がとられている。第1導電膜51は、たとえばAlを含む材料からなり、この実施形態において、AlCuからなる。
【0049】
前述のように、第1コンタクトプラグ11の上面111は、層間絶縁膜17の上面に対して凹んでいる。そのため、第1導電膜51の上面には、第1導電膜51の積層方向において、上面111と対向する位置に凹部511が形成されていてもよい。
なお、図示は省略するが、半導体チップ12の第2主面12Bには、第3不純物領域123に接続されたドレイン電極層が形成されている。
[周辺領域63の構造]
図4は、図1の周辺領域63の平面構造を示す図であって、図1の半導体素子3の角部を拡大して示す図である。図5は、図4の二点鎖線Vで囲まれた部分の拡大図である。図6は、図4の二点鎖線VIで囲まれた部分の拡大図である。図7は、図5のVII-VII断面を示す図である。図8は、図6のVIII-VIII断面を示す図である。
【0050】
まず、図7および図8を参照して、周辺領域63における不純物領域として、半導体装置1は、前述の第2不純物領域122および第3不純物領域123を有している。第2不純物領域122は、半導体チップ12の第1主面12Aから露出している。
周辺領域63において、半導体装置1は、第1外周トレンチ40(第2トレンチ)と、接続トレンチ41と、第2外周トレンチ42(第3トレンチ)と、ゲート絶縁膜16と、第1外周電極43(第2電極)と、接続電極44と、第2外周電極45(第3電極)と、第2コンタクトプラグ46(コンタクト部)とを備えている。
【0051】
第1外周トレンチ40は、第2不純物領域122を貫通し、第3不純物領域123に達する凹部である。第1外周トレンチ40は、アクティブ領域64に形成されたトランジスタセル14の集合体を取り囲む環状に形成されている。第1外周トレンチ40は、第2導電膜52(フィンガー電極部522)に覆われている。
図7および図8を参照して、第1外周トレンチ40は、第1外周トレンチ40の深さ方向に向かって開口幅Wが徐々に狭まるテーパ状に形成されている。第1外周トレンチ40の幅Wは、ゲートトレンチ15の幅Wよりも大きく、たとえば、第1外周トレンチ40の開口端において、0.5μm以上1.0μm以下であってもよい。また、第1外周トレンチ40の深さDは、ゲートトレンチ15の深さDよりも大きく、たとえば、1.0μm以上1.4μm以下であってもよい。
【0052】
図4を参照して、第1外周トレンチ40は、第1方向Xに沿って延びる第1直線部401と、第2方向Yに沿って延びる第2直線部402と、第1直線部401と第2直線部402とを接続するコーナ部403とを含む。コーナ部403は、第1直線部401と第2直線部402との交差部であってもよい。コーナ部403は、周辺領域63の外側に向かって凸となるように湾曲した形状を有している。たとえば、コーナ部403は、所定の曲率半径R(たとえば、15μm以上50μm以下)を有するように湾曲していてもよい。
【0053】
接続トレンチ41は、ゲートトレンチ15と第1外周トレンチ40とを接続する凹部である。接続トレンチ41は、アクティブ領域64と周辺領域63との間に跨って形成されている。他の言い方では、接続トレンチ41は、アクティブ領域64と周辺領域63との境界部(たとえば、図4に示すように、第1導電膜51と第2導電膜52との間の隙間領域19)を横切っている。接続トレンチ41は、この実施形態では、図4に示すように、トランジスタセル14の集合体の外周を形成する環状の外側ゲートトレンチ151から第1方向Xおよび第2方向Yのそれぞれに沿って延び、第1外周トレンチ40の第1直線部401および第2直線部402に接続されている。
【0054】
接続トレンチ41は、互いに平行なストライプ状の複数の接続トレンチ41を含み、各接続トレンチ41が、第1外周トレンチ40の異なる位置で接続されていてもよい。たとえば、図5を参照して、接続トレンチ41は、第1接続箇所411で第1外周トレンチ40に接続された第1接続トレンチ41Aと、第2接続箇所412で第1外周トレンチ40に接続された第2接続トレンチ41Bと、第3接続箇所413で第1外周トレンチ40に接続された第3接続トレンチ41Cとを含んでいてもよい。第1~第3接続箇所411~413は、それぞれ、第1~第3接続トレンチ14A~14Cと第1外周トレンチ40とがT字状に交差することによって形成された交差部分であってもよい。
【0055】
第2外周トレンチ42は、第2不純物領域122を貫通し、第3不純物領域123に達する凹部である。第2外周トレンチ42は、第1外周トレンチ40よりも外側において第1外周トレンチ40から独立して形成され、アクティブ領域64に形成されたトランジスタセル14の集合体を取り囲む環状に形成されている。図4を参照して、第2外周トレンチ42は、複数本(たとえば、10本以上)形成されている。複数本の第2外周トレンチ42は、そのうちの何本かが第2導電膜52(フィンガー電極部522)に覆われており、残りが、第2導電膜52のよりも外側に形成され、第2導電膜52を取り囲んでいてもよい。
【0056】
図7および図8を参照して、第2外周トレンチ42は、第2外周トレンチ42の深さ方向に向かって開口幅Wが徐々に狭まるテーパ状に形成されている。第2外周トレンチ42の幅Wは、ゲートトレンチ15の幅Wよりも大きく、かつ第1外周トレンチ40の幅Wよりも小さく、たとえば、第2外周トレンチ42の開口端において、0.23μm以上0.28μm以下であってもよい。また、隣り合う第2外周トレンチ42のピッチPは、たとえば、1μm以下である。また、第2外周トレンチ42の深さDは、第1外周トレンチ40の深さDよりも小さく、たとえば、0.8μm以上1.2μm以下であってもよい。
【0057】
図7および図8を参照して、周辺領域63においてゲート絶縁膜16は、第1外周トレンチ40の内面および第2外周トレンチ42の内面を覆うと共に、半導体チップ12の第1主面12Aを覆っている。ゲート絶縁膜16全体のうち、第1外周トレンチ40の内面および第2外周トレンチ42の内面に形成された部分は、それぞれ、第2絶縁膜162および第3絶縁膜163と称してもよい。つまり、この実施形態では、アクティブ領域64に形成された第1絶縁膜161と、周辺領域63に形成された第2絶縁膜162および第3絶縁膜163とが、第1主面12A上のゲート絶縁膜16を介して一体的に形成されている。また、図示は省略するが、接続トレンチ41の内面も、ゲート絶縁膜16で覆われている。
【0058】
第1外周電極43は、第1外周トレンチ40に収容されている(埋め込まれている)。第1外周電極43は、ゲート電極13と同じ材料であってもよい。つまり、第1外周電極43は、ポリシリコン等を含む導電性を有する材料である。ポリシリコンは、単結晶シリコンと融点がほぼ等しいため、第1外周電極43としてポリシリコンを用いることで、第1外周電極43形成後のプロセスにおいて温度によるプロセスの制限がなくなる。第1外周電極43は、第2絶縁膜162を介して第2不純物領域122に対向している。第1外周電極43は、図7および図8に示すように、半導体チップ12の第1主面12Aに対して第2主面12B側に窪んだ上面431を有していてもよい。
【0059】
図5を参照して、接続電極44は、接続トレンチ41に収容されている(埋め込まれている)。接続電極44は、ゲート電極13と同じ材料であってもよい。つまり、接続電極44は、ポリシリコン等を含む導電性を有する材料である。ポリシリコンは、単結晶シリコンと融点がほぼ等しいため、接続電極44としてポリシリコンを用いることで、接続電極44形成後のプロセスにおいて温度によるプロセスの制限がなくなる。図示は省略するが、接続電極44は、第1外周電極43と同様に、接続トレンチ41の内面に形成されたゲート絶縁膜16を介して第2不純物領域122に対向している。接続電極44は、ゲート電極13および第1外周電極43と一体的に形成されることによって、ゲート電極13と第1外周電極43とを電気的に接続している。
【0060】
第2外周電極45は、第2外周トレンチ42に収容されている(埋め込まれている)。第2外周電極45は、ゲート電極13と同じ材料であってもよい。つまり、第2外周電極45は、ポリシリコン等を含む導電性を有する材料である。ポリシリコンは、単結晶シリコンと融点がほぼ等しいため、第2外周電極45としてポリシリコンを用いることで、第2外周電極45形成後のプロセスにおいて温度によるプロセスの制限がなくなる。第2外周電極45は、第3絶縁膜163を介して第2不純物領域122に対向している。第2外周電極45は、ゲート電極13および第1外周電極43から電気的に分離されており、この実施形態では、電気的にフローティングされた電極である。第2外周電極45は、図7および図8に示すように、半導体チップ12の第1主面12Aと面一もしくは第2主面12B側に窪んだ上面451を有していてもよい。
【0061】
層間絶縁膜17は、ゲート絶縁膜16、第1外周電極43、接続電極44および第2外周電極45を覆うように形成されている。層間絶縁膜17は、第1外周電極43、接続電極44および第2外周電極45と、第2導電膜52とを絶縁している。
層間絶縁膜17には、コンタクト孔47が形成されている。コンタクト孔47は、第1外周トレンチ40の深さ方向において、第1外周電極43の中間部に達している。したがって、コンタクト孔47の側面は、層間絶縁膜17によって形成された絶縁領域からなる第1側面48(上側側面)と、第1外周電極43によって形成された導電領域からなる第2側面49(下側側面)とを含んでいてもよい。また、コンタクト孔47の第2側面49には、第1外周電極43内においてコンタクト孔47の幅が段階的に狭くなるように、段差50が形成されていてもよい。
【0062】
コンタクト孔47は、第1外周トレンチ40の第1直線部401および第2直線部402に形成されている。ここでは、図5を参照して、第2直線部402に形成されたコンタクト孔47の構造について説明するが、以下の説明は、第1直線部401にも適用することができる。
コンタクト孔47は、第2直線部402において、接続トレンチ41の接続箇所(図5では、第1~第3接続箇所411~413)を避けた位置に形成されている。具体的には、コンタクト孔47は、互いに隣り合う接続箇所411~413の間の第1外周トレンチ40の部分に形成されている。第1~第3接続箇所411~413では、第1外周トレンチ40の側面が接続トレンチ41に置き換えられるため、第1外周トレンチ40の幅Wよりも広い幅W´を有する部分が生じる。トレンチの幅が広いほど、埋め込み電極(たとえばポリシリコン)の埋め込み性が低下し、埋め込み後に鬆(す)と呼ばれる空洞状の欠陥が生じるおそれがある。たとえば、図5の例では、第1~第3接続箇所411~413の中央部付近において、第1外周電極43に欠陥が生じ得る。そこで、第1~第3接続箇所411~413を避けてコンタクト孔47を形成することによって、第1外周電極43に対して第2コンタクトプラグ46を良好に接続することができる。
【0063】
第2コンタクトプラグ46は、第2バリア膜192を介してコンタクト孔47に埋め込まれている。第2バリア膜192は、第2コンタクトプラグ46を形成する材料が層間絶縁膜17に拡散することを抑制する。この実施形態では、第2コンタクトプラグ46は、W(タングステン)を含み、第2バリア膜192は、Tiを含む材料(たとえば、Tiの単一層構造、またはTiおよびTiNの積層構造)を含んでいてもよい。第2バリア膜192の厚さは、たとえば、500Å以上700Å以下である。
【0064】
第2バリア膜192は、その一方面および他方面がコンタクト孔47の内面および層間絶縁膜17の上面に倣って形成されており、第1外周電極43との直接的な導通をとっている。第2コンタクトプラグ46は、第2バリア膜192を介して第1外周電極43との導通をとっている。第2コンタクトプラグ46は、層間絶縁膜17の上面に対して半導体チップ12の第1主面12A側に凹んだ上面461を有している。
【0065】
第2導電膜52は、層間絶縁膜17上に形成されている。第2導電膜52は、その電気的な接続対象に基づいて、ゲート電極膜と称してもよい。第2導電膜52は、第2コンタクトプラグ46、第2バリア膜192、第1外周電極43および接続電極44を介して、ゲート電極13との導通がとられている。第2導電膜52は、たとえばAlを含む材料からなり、この実施形態において、AlCuからなる。
【0066】
前述のように、第2コンタクトプラグ46の上面461は、層間絶縁膜17の上面に対して凹んでいる。そのため、第2導電膜52の上面には、第2導電膜52の積層方向において、上面461と対向する位置に凹部520が形成されていてもよい。
[第1絶縁膜161と第2絶縁膜162との厚さ比較]
図9は、図3の二点鎖線IXで囲まれた部分の拡大図である。図10は、図7の二点鎖線Xで囲まれた部分の拡大図である。図11は、図8の二点鎖線XIで囲まれた部分の拡大図である。なお、図10では、第1外周トレンチ40の第1直線部401および第2直線部402のうち、第2直線部402の構造を取り上げるが、第1直線部401の構造も第2直線部402の構造と同じである。
【0067】
次に、図9図11を参照して、第1絶縁膜161および第2絶縁膜162の厚さの比較について説明する。
図9を参照して、ゲートトレンチ15は、底部152を有している。底部152は、たとえば、ゲートトレンチ15の深さ方向に沿ってゲートトレンチ15の側面153の向きが変化する部分よりも下側の部分であってもよい。この実施形態では、ゲートトレンチ15の深さ方向における所定位置から側面153が湾曲しており、この湾曲の開始部分よりも下側を底部152と称してもよい。したがって、底部152は、ゲートトレンチ15の外側に膨らむ湾曲面154を有していていもよい。
【0068】
そして、第1絶縁膜161は、ゲートトレンチ15の底部152において、第1絶縁膜161の他の部分よりも選択的に薄い第1薄肉部155を有している。この実施形態では、第1絶縁膜161は、ゲートトレンチ15の底部152において選択的にゲートトレンチ15の内面(この実施形態では、湾曲面154)に近づく方向に窪んだ第1薄肉凹部156を有している。第1薄肉部155は、第1薄肉凹部156とゲートトレンチ15の内面(湾曲面154)との間に挟まれた部分であってもよい。一方、第1絶縁膜161の他の部分は、たとえば、ゲートトレンチ15の側面153上の部分157であってもよい。
【0069】
第1薄肉部155の厚さTは、たとえば、340Å以上450Å以下であってもよい。一方、第1絶縁膜161の部分157の厚さT´は、たとえば、450Å以上600Å以下であってもよい。
図10を参照して、第1外周トレンチ40の第2直線部402は、底部172を有している。底部172は、たとえば、第1外周トレンチ40の第2直線部402の深さ方向に沿って第1外周トレンチ40の第2直線部402の側面173の向きが変化する部分よりも下側の部分であってもよい。この実施形態では、第1外周トレンチ40の第2直線部402の深さ方向における所定位置から側面173が湾曲しており、この湾曲の開始部分よりも下側を底部172と称してもよい。したがって、底部172は、第1外周トレンチ40の第2直線部402の外側に膨らむ湾曲面174を有していていもよい。
【0070】
そして、第2絶縁膜162は、第1外周トレンチ40の第2直線部402の底部172において、第2絶縁膜162の他の部分よりも選択的に薄い第2薄肉部175を有している。この実施形態では、第2絶縁膜162は、第1外周トレンチ40の第2直線部402の底部172において選択的に第1外周トレンチ40の第2直線部402の内面(この実施形態では、湾曲面174)に近づく方向に窪んだ第2薄肉凹部176を有している。第2薄肉部175は、第2薄肉凹部176と第1外周トレンチ40の第2直線部402の内面(湾曲面174)との間に挟まれた部分であってもよい。一方、第2絶縁膜162の他の部分は、たとえば、第1外周トレンチ40の第2直線部402の側面173上の部分177であってもよい。
【0071】
第2薄肉部175の厚さTは、第1薄肉部155の厚さTよりも大きく、たとえば、420Å以上550Å以下であってもよい。一方、第2絶縁膜162の部分177の厚さT´は、たとえば、450Å以上600Å以下であってもよい。
図11を参照して、第1外周トレンチ40のコーナ部403は、底部182を有している。底部182は、たとえば、第1外周トレンチ40のコーナ部403の深さ方向に沿って第1外周トレンチ40のコーナ部403の側面183の向きが変化する部分よりも下側の部分であってもよい。この実施形態では、第1外周トレンチ40のコーナ部403の深さ方向における所定位置から側面183が湾曲しており、この湾曲の開始部分よりも下側を底部182と称してもよい。したがって、底部182は、第1外周トレンチ40のコーナ部403の外側に膨らむ湾曲面184を有していていもよい。
【0072】
そして、第2絶縁膜162は、第1外周トレンチ40のコーナ部403の底部182において、第2絶縁膜162の他の部分よりも選択的に薄い第3薄肉部185を有している。この実施形態では、第2絶縁膜162は、第1外周トレンチ40のコーナ部403の底部182において選択的に第1外周トレンチ40のコーナ部403の内面(この実施形態では、湾曲面184)に近づく方向に窪んだ第3薄肉凹部186を有している。第3薄肉部185は、第3薄肉凹部186と第1外周トレンチ40のコーナ部403の内面(湾曲面184)との間に挟まれた部分であってもよい。一方、第2絶縁膜162の他の部分は、たとえば、第1外周トレンチ40のコーナ部403の側面183上の部分187であってもよい。
【0073】
第3薄肉部185の厚さTは、第1薄肉部155の厚さTよりも大きく、かつ第2薄肉部175の厚さTよりも小さく、たとえば、350Å以上500Å以下であってもよい。一方、第2絶縁膜162の部分187の厚さT´は、たとえば、450Å以上600Å以下であってもよい。
[半導体素子3の製造方法]
図12A図20A図12B図20Bおよび図12C図20Cは、半導体素子3の製造工程の一部を工程順に示す図である。図21A図21Cは、それぞれ、第1~第3薄肉部155,175,185の形成に関連する工程を示す図である。図12A図20Aは、図3に対応する部分の縦断面図である。図12B図20Bは、図7に対応する部分の縦断面図である。図12C図20Cは、図8に対応する部分の縦断面図である。なお、図12A図20A図12B図20Bおよび図12C図20Cでは、図3図7および図8に示した参照符号のうち、半導体素子3の製造工程の説明に必要な構成の参照符号のみを示し、その他の参照符号は省略する。
【0074】
図12A図12Cを参照して、半導体装置1を製造するにあたり、まず、半導体ウエハ(図示せず)が用意される。次に、当該半導体ウエハにp型のエピタキシャル層60が形成される。エピタキシャル層の第1主面およびその反対側の第2主面は、それぞれ、第1主面12Aおよび第2主面12Bに対応していてもよい。次に、エピタキシャル層60の第1主面12Aの表層部にp型不純物およびn型不純物が選択的に注入され、p型の第1不純物領域121およびn型の第2不純物領域122が形成される。また、エピタキシャル層60の残りの領域に、p型の第3不純物領域123が形成される。これにより、エピタキシャル層60を含む半導体チップ12が形成される。
【0075】
次に、図13A図13Cを参照して、ゲートトレンチ15、第1外周トレンチ40、接続トレンチ41(図示せず)および第2外周トレンチ42が形成される。たとえば、半導体チップ12の第1主面12A上にフォトレジスト(図示せず)が形成され、当該フォトレジストを介したエッチングによって、ゲートトレンチ15、第1外周トレンチ40、接続トレンチ41(図示せず)および第2外周トレンチ42が選択的に形成される。
【0076】
次に、図14A図14Cを参照して、たとえば熱酸化法等の熱処理によって、半導体チップ12の第1主面12A、ゲートトレンチ15の内面、第1外周トレンチ40の内面、接続トレンチ41の内面(図示せず)および第2外周トレンチ42の内面が酸化される。これにより、第1主面12A、ゲートトレンチ15の内面、第1外周トレンチ40の内面、接続トレンチ41の内面(図示せず)および第2外周トレンチ42の内面にゲート絶縁膜16が形成される。
【0077】
ここで、図21A図21Cを参照して、ゲート絶縁膜16の熱酸化について、より詳細に説明する。
まず、図21Aを参照して、ゲートトレンチ15の底部152では、湾曲面154の上方に面する部分および側方に面する部分の両方向から酸化膜が成長するので、当該両方向から成長する膜の接続部では、外側(ゲートトレンチ15の内面に向かう方向)に押し出される力(矢印A)が作用する。そのため、第1絶縁膜161に選択的に第1薄肉凹部156が形成されると共に、第1薄肉凹部156の位置に第1薄肉部155が形成される。同様の原理によって、第1外周トレンチ40の第2直線部402およびコーナ部403にも、矢印BおよびCの作用によって、第2薄肉部175および第3薄肉部185が形成される。
【0078】
同じ第1外周トレンチ40において生じる第2薄肉部175の厚さTと第3薄肉部185の厚さTとの差は、第2直線部402の湾曲面174とコーナ部403の湾曲面184との間で面方位が異なることに起因する。つまり、相対的に厚い第2薄肉部175が形成される湾曲面174は、湾曲面184よりも酸化膜の成長速度が速くなる面方位を有している。これは、湾曲面184が、第1方向Xおよび第2方向Yのそれぞれに沿って延びる第1直線部401および第2直線部402に対してカーブしたコーナ部403に形成されているためである。
【0079】
同様に、湾曲面184は、ゲートトレンチ15の湾曲面154の面方位とも異なる面方位を有している。これにより、ゲートトレンチ15の幅Wと第1外周トレンチ40の幅Wとの差に起因する酸化膜の成長速度の差だけでなく、湾曲面184には、湾曲面154との面方位の差に起因して、第1薄肉部155よりも厚い第3薄肉部185が形成される。
【0080】
また、この実施形態では、第1外周トレンチ40の幅Wがゲートトレンチ15の幅Wよりも大きい。そのため、ゲート絶縁膜16の第1絶縁膜161と第2絶縁膜162とを同一工程で形成する場合、ゲート絶縁膜16の形成用の材料ガスを、ゲートトレンチ15よりも第1外周トレンチ40の内部に広く行き渡らせることができる。これにより、ゲートトレンチ15の内面に対する第1絶縁膜161の成膜速度(第1成膜速度)よりも速い成膜速度(第2成膜速度)で、第2絶縁膜162が形成される。その結果、第2薄肉部175の厚さTおよび第3薄肉部185の厚さTを、第1薄肉部155の厚さTよりも大きくすることができる。
【0081】
次に、図15A図15Cを参照して、ゲート電極13、第1外周電極43、接続電極44(図示せず)および第2外周電極45が形成される。たとえばCVD法によって、ゲート絶縁膜16上にポリシリコン膜が形成される。その後、エッチング等によってポリシリコン膜の不要な部分が除去されることによって、ゲート電極13、第1外周電極43、接続電極44(図示せず)および第2外周電極45が形成される。
【0082】
次に、図16A図16Cを参照して、たとえばCVD法によって、ゲート絶縁膜16、ゲート電極13、第1外周電極43、接続電極44(図示せず)および第2外周電極45を覆うように、第1主面12A上に層間絶縁膜17が形成される。
次に、図17A~17Cを参照して、層間絶縁膜17、ゲート絶縁膜16、第1不純物領域121、第2不純物領域122および第1外周電極43を部分的にエッチングすることによって、ソーストレンチ18およびコンタクト孔47が形成される。
【0083】
次に、図18A図18Cを参照して、バリア材料膜300が形成される。たとえばスパッタ法等を用いて電極材料を堆積することによって、バリア材料膜300が形成される。バリア材料膜300は、たとえば、Tiを含む材料を含む。バリア材料膜300として、まずスパッタ法によってTi膜を形成し、Ti膜上に、スパッタ法によってTiN膜を形成することによって、Ti膜とTiN膜の積層構造としてもよい。バリア材料膜300は、ソーストレンチ18の内面、コンタクト孔47の内面および層間絶縁膜17の上面に接するように、これらの間に連続して形成される。
【0084】
次に、図19A図19Cを参照して、ソーストレンチ18内に第1コンタクトプラグ11が形成され、コンタクト孔47内に第2コンタクトプラグ46が形成される。たとえばCVD法等を用いてバリア材料膜300上に電極材料を堆積する。その後、エッチング等により当該電極材料の不要な部分を除去することによって、ソーストレンチ18に残った電極材料が第1コンタクトプラグ11として形成され、コンタクト孔47に残った電極材料が第2コンタクトプラグ46として形成される。第1コンタクトプラグ11および第2コンタクトプラグ46は、たとえば、Wを含む材料を含む。
【0085】
次に、図20A図20Cを参照して、導電材料膜301が形成される。たとえばスパッタ法等を用いてバリア材料膜300上に電極材料を堆積することによって、導電材料膜301が形成される。導電材料膜301は、たとえば、AlCuを含んでいてもよい。次に、導電材料膜301およびバリア材料膜300が選択的にエッチングされることによって、これらの膜300,301が複数の領域に分離される。これにより、導電膜5の第1導電膜51および第2導電膜52が形成される。また、第1バリア膜191および第2バリア膜192が形成される。その後、導電膜5を覆うように絶縁材料が堆積され、当該絶縁材料が選択的にエッチングされることによって、絶縁膜6(図示せず)が形成される。
【0086】
次に、半導体ウエハの裏面にドレイン電極層(図示せず)が、蒸着法、スパッタ法、めっき法等によって形成された後、半導体ウエハから複数の半導体素子3が切り出される。以上を含む工程を経て半導体素子3が製造される。
以上、この実施形態によれば、第1外周トレンチ40の幅Wがゲートトレンチ15の幅Wよりも大きい。そのため、ゲート絶縁膜16の第1絶縁膜161と第2絶縁膜162とを同一工程で形成する場合(図14A図14C参照)、ゲート絶縁膜16の形成用の材料ガスを、ゲートトレンチ15よりも第1外周トレンチ40の内部に広く行き渡らせることができる。これにより、ゲートトレンチ15の内面に対する第1絶縁膜161の成膜速度(第1成膜速度)よりも速い成膜速度(第2成膜速度)で、第2絶縁膜162が形成される。
【0087】
その結果、たとえば、材料ガスの供給によって第1絶縁膜161の膜厚(たとえば、チャネル領域124に対向する部分の膜厚)が、目標とされるオン特性等に基づいて予め定められた設計膜厚に達した段階で、第2絶縁膜162の第3薄肉部185を比較的厚く形成することができる。たとえば、結果物として、第2絶縁膜162の第3薄肉部185を、第1絶縁膜161の第1薄肉部155よりも厚くすることができる。
【0088】
これにより、半導体チップ12において比較的電界が集中し易い第1外周トレンチ40のコーナ部403において、第2絶縁膜162(第3薄肉部185)の絶縁破壊耐性を向上することができる。一方、第1絶縁膜161および第2絶縁膜162を一律に厚くするのではなく、第2絶縁膜162に比べて遅い成膜速度で第1絶縁膜161が形成されるので、第1絶縁膜161の膜厚を設計膜厚で留めることができる。その結果、第3薄肉部185の厚膜化に伴って素子のオン抵抗が上昇することを防止することができる。つまり、半導体装置1によれば、素子のオン特性の低下を防止できながら、絶縁破壊に対する信頼性を向上することができる。
【0089】
図22は、ゲート絶縁膜16の狙い値とゲート絶縁膜16の薄肉部155,185との関係を示す図である。
図22において、横軸のゲート絶縁膜16の狙い値とは、目標とされるオン特性等に基づいて予め定められた、ゲート絶縁膜16(第1絶縁膜161)のチャネル領域124に対向する部分の目標膜厚である。一方、縦軸のゲート絶縁膜16の最薄部の膜厚とは、第1絶縁膜161および第2絶縁膜162において、最も膜厚が小さい箇所の膜厚の実測値である。図22では、最薄部の一例として、前述の第1薄肉部155および第3薄肉部185に対応する部分の膜厚を示している。
【0090】
この例では、ゲートトレンチ15の幅Wを0.24μmとし、第1外周トレンチ40の幅Wを0.8μmとし、これらのトレンチ15,40の内面に熱酸化による酸化シリコン膜を形成することによって、最薄部の膜厚を比較した。その結果、ゲート絶縁膜16の狙い値がどのような値であっても、第1薄肉部155よりも第3薄肉部185の方が厚いことが分かる。
【0091】
図23は、ゲート絶縁膜16(第3薄肉部185)の膜厚変化とオン抵抗の変化との関係を示す図である。
図23において、横軸のトレンチマスク寸法は、第1外周トレンチ40を形成するときに使用するマスクの開口寸法を示しており、凡そ、第1外周トレンチ40の幅Wに一致する。一方、左側の縦軸の最薄部の膜厚は、第2絶縁膜162において、最も膜厚が小さい箇所の膜厚であり、第3薄肉部185に対応する部分の膜厚を示している。ここでは、トレンチマスク寸法が0.25μmのときの第3薄肉部185の膜厚を100とし、その他のマスク寸法のときの膜厚については、マスク寸法=0.25μmに対する比で示している。また、右側の縦軸のオン抵抗は、半導体素子3がオンするときのオン抵抗(VGS=10V)を示している。ここでは、トレンチマスク寸法が0.25μmのときのオン抵抗を100とし、その他のマスク寸法のときのオン抵抗については、マスク寸法=0.25μmに対する比で示している。
【0092】
この例では、ゲートトレンチ15の幅Wを0.24μmとし、第1外周トレンチ40の幅W(マスク寸法)を変数とし、これらのトレンチ15,40の内面に熱酸化による酸化シリコン膜を形成した。そして、第1外周トレンチ40の幅Wの変化に伴い、第3薄肉部185の膜厚およびオン抵抗がどのように変化するか検証した。その結果、マスク寸法(第1外周トレンチ40の幅W)の増加に伴って第3薄肉部185の膜厚を増加できたことが分かる。具体的には、第3薄肉部185の膜厚は、マスク寸法=0.6μm付近で最大値をとり(マスク寸法=0.25μmのときに比べて約20%膜厚が増加)、マスク寸法>0.6μmとしてもほぼ一定であることが分かった。一方、マスク寸法を増加しても、オン抵抗はほぼ一定(上昇なし)であることが分かった。
【0093】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、1つの第1外周トレンチ40のみが形成されていが、図24に示すように、第1外周トレンチ40は、複数(図24では、2本)形成されていてもよい。また、その場合、図25に示すように、複数の第1外周トレンチ40の幅は、互いに異なっていてもよい。たとえば、複数の第1外周トレンチ40は、幅Wを有する第1トレンチ404と、幅Wよりも小さな幅Wを有する第2トレンチ405とを含んでいてもよい。
【0094】
また、たとえば、半導体装置1の各半導体部分の導電型を反転した構成が採用されてもよい。たとえば、半導体装置1において、p型の部分がn型であり、n型の部分がp型であってもよい。
また、前述の実施形態では、半導体装置1の素子構造の一例としてMISFETを取り上げたが、半導体装置1の素子構造は、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等であってもよい。
【0095】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 :半導体装置
2 :リードフレーム
3 :半導体素子
4 :パッケージ
5 :導電膜
6 :絶縁膜
7 :第1パッド
8 :第1ワイヤ
9 :第2パッド
10 :第2ワイヤ
11 :第1コンタクトプラグ
12 :半導体チップ
12A :(半導体チップ)第1主面
12B :(半導体チップ)第2主面
13 :ゲート電極
14 :トランジスタセル
14A :第3接続トレンチ
14B :第3接続トレンチ
14C :第3接続トレンチ
15 :ゲートトレンチ
16 :ゲート絶縁膜
17 :層間絶縁膜
18 :ソーストレンチ
19 :隙間領域
21 :ダイパッド部
22 :第1リード部
23 :第2リード部
24 :第3リード部
31A :(半導体素子)第1辺
31B :(半導体素子)第1辺
32A :(半導体素子)第2辺
32B :(半導体素子)第2辺
40 :第1外周トレンチ
41 :接続トレンチ
41A :第1接続トレンチ
41B :第2接続トレンチ
41C :第3接続トレンチ
42 :第2外周トレンチ
43 :第1外周電極
44 :接続電極
45 :第2外周電極
46 :第2コンタクトプラグ
47 :コンタクト孔
48 :(コンタクト孔)第1側面
49 :(コンタクト孔)第2側面
50 :(コンタクト孔)段差
51 :第1導電膜
52 :第2導電膜
60 :エピタキシャル層
61 :隙間領域
63 :周辺領域
64 :アクティブ領域
81 :長ワイヤ
82 :短ワイヤ
111 :(第1コンタクトプラグ)上面
121 :第1不純物領域
122 :第2不純物領域
123 :第3不純物領域
124 :チャネル領域
131 :(ゲート電極)上面
151 :外側ゲートトレンチ
152 :(ゲートトレンチ)底部
153 :(ゲートトレンチ)側面
154 :(ゲートトレンチ)湾曲面
155 :(第1絶縁膜)第1薄肉部
156 :(第1絶縁膜)第1薄肉凹部
157 :(第1絶縁膜)その他の部分
161 :第1絶縁膜
162 :第2絶縁膜
163 :第3絶縁膜
172 :(第1外周トレンチ)底部
173 :(第1外周トレンチ)側面
174 :(第1外周トレンチ)湾曲面
175 :(第2絶縁膜)第2薄肉部
176 :(第2絶縁膜)第2薄肉凹部
177 :(第2絶縁膜)その他の部分
182 :(第1外周トレンチ)底部
183 :(第1外周トレンチ)側面
184 :(第1外周トレンチ)湾曲面
185 :(第2絶縁膜)第3薄肉部
186 :(第2絶縁膜)第3薄肉凹部
187 :(第2絶縁膜)その他の部分
191 :第1バリア膜
192 :第2バリア膜
211A :(ダイパッド部)第1辺
211B :(ダイパッド部)第1辺
212A :(ダイパッド部)第2辺
212B :(ダイパッド部)第2辺
221 :第1パッド部
222 :第1リード
231 :第2パッド部
232 :第2リード
300 :バリア材料膜
301 :導電材料膜
401 :(第1外周トレンチ)第1直線部
402 :(第1外周トレンチ)第2直線部
403 :(第1外周トレンチ)コーナ部
404 :第1トレンチ
405 :第2トレンチ
411 :第1接続箇所
412 :第2接続箇所
413 :第3接続箇所
431 :(第1外周電極)上面
451 :(第2外周電極)上面
461 :(第2コンタクトプラグ)上面
511 :(第1導電膜)凹部
520 :(第2導電膜)凹部
521 :パッド電極部
522 :フィンガー電極部
811 :ボンディング部
821 :ボンディング部
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