(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】排水弁装置及びサッシ窓
(51)【国際特許分類】
E06B 7/14 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
E06B7/14
(21)【出願番号】P 2020152866
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-179778(JP,A)
【文献】実開昭60-019682(JP,U)
【文献】特開平05-209483(JP,A)
【文献】特開2003-314158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/12-7/14、7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓の下枠の屋外側壁部に設けられる排水口を開閉する排水弁と、
前記排水弁の屋外側を覆う覆い部材と、
前記排水口に対して屋外側から着脱可能に取り付けられるフレーム部材と、を備え、
前記覆い部材は、前記排水口からの排水を流出させる流出口を下部に有
し、
前記フレーム部材は、前記排水口と連通する連通孔を有し、
前記排水弁は、前記連通孔の屋外側に配置され、前記フレーム部材に開閉可能に取り付けられ、
前記覆い部材は、前記フレーム部材に対して着脱可能に設けられる、排水弁装置。
【請求項2】
前記フレーム部材は、屋内側の側面に、前記排水口に対して係止する複数の係止爪を有する、請求項
1に記載の排水弁装置。
【請求項3】
前記覆い部材は、前記下枠の屋外側壁部に接して取り付けられる覆い部材本体と、前記覆い部材本体から屋外側に向けて突出する覆い部と、を有し、
前記覆い部材本体は、前記覆い部の内側と連通して前記フレーム部材を収容する開口部を有する、請求項
1又は2に記載の排水弁装置。
【請求項4】
前記排水弁は、屋外側の側面に、開放方向の開度を規制する突部を有する、請求項1~
3のいずれか1項に記載の排水弁装置。
【請求項5】
前記排水弁は、前記下枠の延び方向に沿う回転軸部と、前記回転軸部から下方に延びる弁体部と、を有し、
前記弁体部は、前記回転軸部側よりも前記回転軸部から遠い先端部側の厚みが大きい、請求項1~
4のいずれか1項に記載の排水弁装置。
【請求項6】
内部に中空部が設けられる下枠を有する枠体と、
前記枠体の内側に納められる障子と、
前記下枠の屋外側壁部に設けられて前記中空部と連通する排水口と、
前記排水口に取り付けられる排水弁装置と、を備え、
前記排水弁装置は、請求項1~
5のいずれか1項に記載の排水弁装置である、サッシ窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排水弁装置及びサッシ窓に関する。
【背景技術】
【0002】
サッシ窓には、屋外から吹き付ける雨が屋内側に浸入することを防ぐ水密性能が求められる。雨が屋外からサッシ窓に強く吹き付けると、例えば、サッシ窓の縦枠と下枠との接続部から下枠内の中空部に水が浸入して溜まる場合がある。サッシ窓の水密性能を向上させるためには、下枠の中空部に溜まる水を屋外に円滑に排出することが求められる。
【0003】
従来、下枠の中空部に溜まった水を排出するために、下枠の中空部に屋外側に向けて開口する排水口を設け、排水口の上部を支点に外側方向にのみ開閉自在に羽根状の排水弁を取り付けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排水弁は、通常時は閉じた状態にすることでサッシ窓からの漏気を防止する一方、降雨時にはサッシ窓の下枠の中空部に溜まった水の圧力で屋外側に開いて排水を行うことで、屋内側への水の浸入を防止する。しかし排水弁は前方からの風圧を受けると開きにくくなるため、強風を伴う降雨の際には、排水性が低下するおそれがある。
【0006】
従来、強風を伴う降雨時においても排水性を低下させない為には、下枠に大きな中空部を形成し、多くの水を溜めて、水の圧力を高めるという手段がとられてきた。
【0007】
しかしながら、下枠に大きな中空部を設けると、より多くの材料が必要となり、コストアップにつながるとともに、枠の見付幅が太くなり、意匠的に優れないものになるという問題があった。
【0008】
したがって、サッシ窓の下枠の大きさに関係なく、下枠の中空部の排水性能を向上することができる排水弁装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る排水弁装置は、サッシ窓の下枠の屋外側壁部に設けられる排水口を開閉する排水弁と、前記排水弁の屋外側を覆う覆い部材と、を備え、前記覆い部材は、前記排水口からの排水を流出させる流出口を下部に有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】排水弁装置を有するサッシ窓を屋外側から見た正面図である。
【
図3】サッシ窓の下枠に取り付けられた排水弁装置を示す斜視図である。
【
図4】サッシ窓の下枠に取り付けられた排水弁装置を示す平面図である。
【
図5】サッシ窓の下枠に取り付けられた排水弁装置を示す背面図である。
【
図7】排水弁装置における排水弁及びフレーム部材を示す斜視図である。
【
図8】サッシ窓の下枠に取り付けられた排水弁装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1及び
図2は、アルミ等の金属製のサッシ窓である引違い窓1を示す。引違い窓1は、枠体2の内側に納められる2枚の障子3,3と、1枚の網戸4と、を有する。
図2中のX1方向は屋外方向を示し、X2方向は屋内方向を示す。
図1は、屋外側から見た引違い窓1を示す。
【0012】
枠体2は、上枠21、下枠22、及び左右の縦枠23,24を矩形に枠組みすることによって構成される。
図2に示すように、上枠21は、屋内外方向に平行に配置されるレール211a,211b,211cを有する。下枠22は、屋内外方向に平行に配置されるレール221a,221b,221cを有する。最も屋外側に配置される上枠21のレール211aと下枠22のレール221aとの間には、網戸4が、枠体2内を左右方向に移動可能に納められる。上枠21のレール211b,211cと下枠22のレール221b,221cとの間には、それぞれ障子3,3が、枠体2内を左右方向に移動可能に納められる。
【0013】
図2に示すように、下枠22は、内部に中空部222を有する。中空部222は、上側壁部223と、下側壁部224と、屋外側壁部225と、屋内側壁部226と、によって形成される。屋外側壁部225は、下枠22の屋外側の見付面を形成する。中空部222は、下枠22の全長に亘って延在している。
【0014】
下枠22の屋外側壁部225には、中空部222に溜まった水を屋外に排出するための横長の排水口227が設けられる。排水口227は、屋外側壁部225の左右方向の両端部近傍であって、下側壁部224に近接する位置にそれぞれ配置される。排水口227には、それぞれ排水弁装置5が取り付けられる。
【0015】
排水弁装置5について、
図3~
図8を参照して詳細に説明する。排水弁装置5は、
図4~
図6、
図8に示すように、いずれも樹脂製のフレーム部材51と覆い部材52とによって構成される。フレーム部材51には、排水弁53が開閉可能に取り付けられる。排水弁53は、覆い部材52に隠れているため、
図3及び
図4では見えていない。
【0016】
フレーム部材51は、
図6及び
図7に示すように、所定の厚みを有する横長矩形の板状部材からなる。フレーム部材51の屋外側面には、
図7に示すように、屋内側に向けて矩形状に凹設された排水弁収容凹部511が設けられる。排水弁収容凹部511の周囲は、フレーム部材51の下方のみに開放している。すなわち、排水弁収容凹部511は、屋外側に向けて突出する上フレーム部512及び左右の縦フレーム部513,513によって囲まれている。
【0017】
排水弁収容凹部511の底部には、
図5に示すように、フレーム部材51を貫通し、屋外側壁部225に形成される排水口227と連通する連通孔514が開口している。排水口227は、
図5中の1点鎖線で示すように、横幅の狭い上側部分2271と横幅の広い下側部分2272とを有する。連通孔514は、排水口227と同様の形状の上側部分5141と下側部分5142とを有する。連通孔514の下側部分5142の下縁部514aは、排水口227の下側部分2272の下縁部227aと略一致した高さに配置されている。
【0018】
連通孔514は、縦方向に延びる仕切り板515によって、左右に2分割されている。仕切り板515は、横長の大きな連通孔514を有するフレーム部材51を補強し、フレーム部材51の幅方向の中央部が撓むことを防止する。
【0019】
フレーム部材51の屋内側の側面51aには、
図4、
図5及び
図6に示すように、屋内側に向けてそれぞれ突出する1つの突出板部516と、2つの係止爪517,517とが一体に形成されている。
【0020】
突出板部516は、
図5に示すように、連通孔514の上側部分5141の周囲に沿って、上側部分5141を取り囲むように配置される。突出板部516の上面516aには、
図4に示すように、幅方向の両端近傍に矩形状の孔部5161,5161が設けられる。孔部5161,5161内には、孔部5161,5161の屋内側の内縁から屋外側に向けて一体に延びる係止爪5162,5162がそれぞれ設けられる。係止爪5162,5162は、突出板部516の上面516aから上方に山型状に突出している。
【0021】
突出板部516の左右の側面516b,516bには、
図4に示すように、山型状に突出する係止爪5163,5163がそれぞれ設けられる。
【0022】
係止爪517,517は、
図5に示すように、連通孔514の下側部分5142の幅方向の外側にそれぞれ配置される。
【0023】
フレーム部材51は、
図4及び
図5に示すように、突出板部516及び係止爪517,517が屋外側から排水口227に挿入されることによって、排水口227に取り付けられる。詳しくは、突出板部516は、排水口227の上側部分2271に屋外側から挿入される。突出板部516の係止爪5162,5162、5163,5163は、上側部分2271を通過する際に僅かに撓み、通過後に弾性的に復帰することによって上側部分2271の内周縁に対して係止する。同様にして、係止爪517,517は、排水口227の下側部分2272に屋外側から挿入される。係止爪517,517は、下側部分2272を通過する際に僅かに撓み、通過後に弾性的に復帰することによって下側部分2272の内周縁に対して係止する。
【0024】
これによって、フレーム部材51は、排水口227に屋外側から取り付けられる。フレーム部材51は、複数の係止爪5162,5162、5163,5163、517,517によって排水口227に対して係止されるだけであるため、屋外側に引き抜くことによって容易に取り外すことが可能である。すなわち、フレーム部材51は、排水口227に対して着脱可能に取り付けられる。
【0025】
排水弁53は、
図6及び
図7に示すように、下枠22の延び方向に沿う回転軸部531と、回転軸部531から下方に延びる矩形板状の弁体部532と、を有する。回転軸部531の両端は、フレーム部材51の左右の縦フレーム部513,513の上部にそれぞれ設けられる取付孔513a,513aに、排水弁収容凹部511の内側から挿入されている。これによって、排水弁53は、フレーム部材51における連通孔514の屋外側に、回転軸部531を中心にして開閉可能に取り付けられる。
【0026】
排水弁53は、
図8に示すように、連通孔514を閉じた際に、排水弁収容凹部511内に収容され、排水弁収容凹部511の底部に密接する。これによって、排水弁53は、連通孔514を介して、下枠22の排水口227を屋外側から閉鎖する。
【0027】
図7に示すように、排水弁53の弁体部532の屋外側の側面532aには、突部533が設けられる。突部533は、側面532aにおける回転軸部531の近傍に配置され、屋外側に向けて突出して設けられる。突部533は、
図8において仮想線で示すように、排水弁53が開いた際に、フレーム部材51の上フレーム部512と当接可能である。これによって、突部533は、排水弁53が過度に開かないように、排水弁53の開放方向の開度を所定の範囲内に規制する。
【0028】
図7に示すように、排水弁53の弁体部532は、先端部532bだけ厚みが大きい。すなわち、弁体部532は、回転軸部531側の厚みよりも、回転軸部531から遠い先端部532bの厚みの方が大きい。そのため、屋内側から水の圧力が排水弁53に作用しない場合、排水弁53の先端部532bは自重によって下向きに移動し、連通孔514及び排水口227の閉鎖状態を安定的に維持する。
【0029】
覆い部材52は、
図4、
図5及び
図6に示すように、フレーム部材51と別体に設けられている。覆い部材52は、下枠22の屋外側壁部225に接して取り付けられる覆い部材本体521と、覆い部材本体521から屋外側に向けて突出する覆い部522と、を有する。
【0030】
覆い部材本体521は、フレーム部材51よりも上下左右方向に大きな矩形板状に形成される。覆い部材本体521は、
図5及び
図6に示すように、覆い部材本体521を貫通する開口部5211を有する。開口部5211は、フレーム部材51の外形形状と同じ矩形状を有する。
図8に示すように、排水口227に取り付けられたフレーム部材51は、下枠22の屋外側壁部225から屋外側に突出している。覆い部材本体521の開口部5211は、この屋外側壁部225から突出するフレーム部材51を収容する。
【0031】
覆い部522は、
図6及び
図8に示すように、開口部5211の屋外側を全体的に覆い隠すように、覆い部材本体521から屋外側に向けて略直方体状に突出する。覆い部522の内側は、開口部5211と連通している。覆い部522の内部の空間Sは、開閉動作する排水弁53と干渉しない程度の十分なクリアランスを有している。
【0032】
覆い部522は、開口部5211の前方、上方、及び左右の両側方を覆う。しかし、覆い部522は、開口部5211の下方を覆っていない。覆い部522の下部は、
図3、
図6及び
図8に示すように、流出口523を有する。流出口523は、排水口227からの排水を、覆い部材52から下方に向けて屋外側に流出させる。流出口523の開口位置、すなわち覆い部522の下端の位置は、
図8に示すように、排水口227、連通孔514、及び排水弁53よりも十分に下方に配置される。
【0033】
覆い部材52は、排水口227に取り付けられたフレーム部材51を開口部5211内に収容して、下枠22の屋外側壁部225に取り付けられる。覆い部材52の具体的な取り付け方法は問わない。覆い部材52は、例えば、接着剤、両面接着テープ、ねじ止め等によって屋外側壁部225に取り付けられる。覆い部材52は、開口部5211とフレーム部材51とが図示しない係止部材によって互いに係止することによって、フレーム部材51に対して着脱可能に取り付けられてもよい。覆い部材52は、屋外側壁部225に図示しない係止部材によって係止することによって、屋外側壁部225に対して着脱可能に取り付けられてもよい。
【0034】
このように、排水弁装置5における排水弁53の屋外側は、覆い部材52によって覆われる。そのため、引違い窓1に対して屋外側から風が吹き付けても、覆い部材52は、排水弁53に直接風が吹き付けることを防止する。その結果、排水弁53が開閉する覆い部522の内部の空間Sは、排水弁53の屋内側の中空部222に溜まった水による圧力と、排水弁装置5の屋外側の大気の圧力との間の中間圧に設定される。したがって、排水弁53は、中空部222内に溜まった水の圧力によって容易に開放可能である。これによって、中空部222内の水は、排水口227、連通孔514及び流出口523を通して屋外に排水される。排水弁53は、屋外側の圧力の影響をほとんど受けないため、中空部222の大きさに関係なく、水の圧力によって排水時の開放状態を維持することができる。したがって、本実施形態の排水弁装置5によれば、下枠22の大きさに関係なく、下枠22の中空部222の排水性能を向上することができる。
【0035】
本実施形態の排水弁装置5は、排水口227に対して屋外側から着脱可能に取り付けられるフレーム部材51を備える。フレーム部材51は、排水口227と連通する連通孔514を有する。排水弁53は、連通孔514の屋外側に配置され、フレーム部材51に開閉可能に取り付けられる。これによって、下枠22の屋外側壁部225に設けられる排水口227に対して、排水弁53を有するフレーム部材51を取り付けるだけで、排水口227に、開閉可能な排水弁53を容易に構築することができる。
【0036】
本実施形態の排水弁装置5において、フレーム部材51は、屋内側の側面51aに、排水口227に対して係止する複数の係止爪5162,5163,517を有する。これによって、排水弁装置5は、排水口227に対して容易に着脱可能に取り付け可能である。そのため、排水弁装置5の部品交換が容易に可能である。さらに、排水弁装置5は、既存の窓の下枠にも容易に後付け可能である。
【0037】
本実施形態の排水弁装置5において、覆い部材52は、フレーム部材51と別体に設けられる。これによって、フレーム部材51と覆い部材52とを別々に部品交換することもできる。作業者は、排水弁53が排水口227に適正に取り付けられたことを確認した後に、覆い部材52を取り付けることができるため、排水弁装置5の排水性能がさらに向上する。
【0038】
本実施形態の排水弁装置5において、覆い部材52は、下枠22の屋外側壁部225に接して取り付けられる覆い部材本体521と、覆い部材本体521から屋外側に向けて突出する覆い部522と、を有する。覆い部材本体521は、覆い部522の内側と連通してフレーム部材51を収容する開口部5211を有する。これによって、覆い部材52の屋外側への突出量が抑えられるとともに、屋外側からの排水弁装置5の外観も良好になる。
【0039】
本実施形態において、排水弁53は、屋外側の側面532aに、開放方向の開度を規制する突部533を有する。これによって、排水弁53の開放方向の開度は、所定の範囲内に規制されるため、排水が終了した後は、排水弁53は、自重によって閉鎖状態に容易に復帰することができる。
【0040】
本実施形態において、排水弁53は、下枠22の延び方向に沿う回転軸部531と、回転軸部531から下方に延びる弁体部532と、を有する。弁体部532は、回転軸部531側よりも回転軸部531から遠い先端部532b側の厚みが大きい。これによって、屋内側から排水弁53に圧力が作用しない排水終了後には、排水弁53の先端部532bが自重によって容易に下向きに移動する。そのため、排水口227の閉鎖状態を安定して維持することができ、漏気防止効果が高い。
【0041】
以上の実施形態では、排水弁装置5は、引違い窓1に適用される例を示した。しかし、排水弁装置5が適用されるサッシ窓は、屋外に面して配置されるサッシ窓であればよく、引違い窓1に限定されない。下枠22に取り付けられる排水弁装置5の数は、
図1に示す2つに限定されない。排水弁装置5は、サッシ窓の大きさに応じて、下枠に1つ以上設けられる。
【0042】
以上の実施形態では、フレーム部材51と覆い部材52とは、別体に形成されている。この場合、引違い窓1は、フレーム部材51に覆い部材52を部品追加することによって、意匠性を損ねることなく容易に下枠22の排水性を高めることができる。しかし、フレーム部材51と覆い部材52とは、一体に形成されてもよい。この場合、引違い窓1は、既設の排水弁装置を、フレーム部材51と覆い部材52とが一体に形成された排水弁装置に部品交換することによって、意匠性を損ねることなく容易に下枠22の排水性を高めることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 引違い窓、 22 下枠、 225 屋外側壁部、 227 排水口、 5 排水弁装置、 51 フレーム部材、 514 連通孔、 5162,5163,517 係止爪、 52 覆い部材、 521 覆い部材本体、 5211 開口部、 522 覆い部、 523 流出口、 53 排水弁、 531 回転軸部、 532 弁体部、 532b 先端部、 533 突部