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  • 特許-開閉制御システム及び開閉制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】開閉制御システム及び開閉制御方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20240816BHJP
   E05F 15/70 20150101ALI20240816BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240816BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E05F15/70
E05B49/00 J
H04Q9/00 301B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020161371
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022054278
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】大館 一樹
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-162318(JP,A)
【文献】特開2018-084044(JP,A)
【文献】特許第4824480(JP,B2)
【文献】特開2020-016109(JP,A)
【文献】特開2005-076383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/68
E05F 15/00-15/79
E05B 49/00
H01Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作子から入力される制御信号に応じて、開閉部材を開口部の周縁部から動させることによって前記開口部を開閉する開閉体手段と、
前記開閉体手段に関する認証データをインターネット経由で送信する携帯通信端末手段と、
前記認証データをインターネット経由で受信し、受信した前記認証データが事前に登録されている認証用データと一致した場合に、前記操作子からの前記制御信号に対応した動作を許可する許可信号をインターネット経由で送信するサーバ手段と、
前記許可信号を受信することによって、前記操作子から入力される前記制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させる制御手段と
を備えたことを特徴とする開閉制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉制御システムにおいて、前記制御手段は前記開閉体手段側に設けられ、前記許可信号を受信することによって、前記操作子からの制御信号を有効なものとして受信し、前記制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させることを特徴とする開閉制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の開閉制御システムにおいて、前記制御手段は前記操作子側に設けられ、前記許可信号を受信することによって、前記操作子の操作を有効なものとして、前記操作子の操作に対応した制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させることを特徴とする開閉制御システム。
【請求項4】
操作子から入力される制御信号に応じて、開閉部材を開口部の周縁部から動させることによって前記開口部を開閉する開閉体手段の動作を制御する開閉制御方法において、
携帯通信端末手段を用いて前記開閉体手段に関する認証データをインターネット経由で送信し、
前記認証データをインターネット経由で受信したサーバ手段は、受信した前記認証データが事前に登録されている認証用データと一致した場合に、前記開閉体手段の開動作の実行を許可る許可信号を前記開閉体手段にインターネット経由で送信し、
前記許可信号を受信した制御手段は、前記操作子から入力される前記制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の開閉制御方法において、前記許可信号を受信することによって、前記操作子から入力される前記制御信号を有効なものとし、前記制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させることを特徴とする開閉制御方法。
【請求項6】
請求項4に記載の開閉制御方法において、前記許可信号を受信することによって、前記操作子の操作を有効なものとして、前記操作子の操作に対応した制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させることを特徴とする開閉制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋、ビル、工場、倉庫などの出入口や大きな部屋、通路、ホール空間あるいは地下街、立体駐車施設などの建物を含む構造物躯体の窓や出入口などの開口部を仕切るために設置されるシート状、シャッター状、スクリーン状、スラット状又はパネル状、クロスなどのシャッターなどの開閉体の開閉動作を制御する開閉制御システム及び開閉制御方法に係り、特に認証された携帯通信端末を保持する者が開閉体の動作を制御できるようにした開閉制御システム及び開閉制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部に設置されたシャッターやドアなどの開閉体装置には、その開閉停の各動作を電動で行う電動シャッターや電動ドアが使用されることが多い。このように電動で開閉動作を行うもので壁に設置されるタイプの押しボタンスイッチの場合、セキュリティを考慮してシリンダー錠を備え付けた鍵付ボックス内に設置される場合が多い。または、押しボタンスイッチの近傍にテンキースイッチを設け、テンキースイッチから暗証番号を入力することで押しボタンスイッチを有効化するようにしたものがある。
【0003】
特許文献1には、入力装置のキースイッチから暗証番号を入力することにより、シャッター等の制御対象を操作できるようにした電子錠装置に係り、特に同装置における暗証番号の変更方法に関するものが記載してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平1-287381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店舗などへ品物を搬入する際には、店舗が閉まっている早朝や夜間にシャッターを開けて品物を搬入する場合がある。この場合、配達員に事前にシャッターの押しボタンスイッチの鍵を渡すか、またはテンキースイッチの暗証番号を伝えるなどして運用している。しかしながら、鍵については複製される可能性があり、また暗証番号についてはリーク等の危険性があり、セキュリティの観点から好ましくない面があった。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、店舗等への品物搬入時におけるセキュリティを向上させることができる開閉制御システム及び開閉制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の開閉制御システムの第1の特徴は、操作子から入力される制御信号に応じて開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって前記開口部を開閉する開閉体手段と、前記開閉体手段に関する認証データをインターネット経由で送信する携帯通信端末手段と、前記認証データをインターネット経由で受信し、受信した前記認証データが事前に登録されている認証用データと一致した場合に、前記操作子からの前記制御信号に対応した動作を許可する許可信号をインターネット経由で送信するサーバ手段と、前記許可信号を受信することによって、前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させる制御手段とを備えたことにある。
【0008】
開閉体手段は、窓シャッター装置、ガレージシャッター装置、シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などである。携帯通信端末手段は、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯可能な通信端末であり、所定のアプリケーションソフトを起動することによって、開閉体手段に関する認証データをインターネット経由でサーバ手段へ供給する通信機能を実行する。認証データには、開閉体手段の固有の識別情報(型番や種類、設置場所、ID番号など)と、その開閉体手段に付与されているパスワード等のデータを含む。
サーバ手段は、開閉体手段に関する認証データを認証用データとしてデータベース化して記憶している。従って、サーバ手段は携帯通信端末手段からの認証データに基づいてデータベース化された認証用データと照合し、両者のデータが一致すると認証した場合には、対応する開閉体手段の動作を許可する許可信号を制御手段へ送信する。制御手段は、配達員(操作者)が操作子を操作して開閉体手段の開動作を実行することができるように制御する。これによって、店舗等への品物搬入時におけるセキュリティを向上させることができる。
【0009】
本発明の開閉制御システムの第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、前記制御手段は前記開閉体手段側に設けられ、前記許可信号を受信することによって、前記操作子からの制御信号を有効なものとして受信し、前記制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させることにある。
これは、制御手段を開閉体手段側に設けたものである。
【0010】
本発明の開閉制御システムの第3の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、前記制御手段は前記操作子側に設けられ、前記許可信号を受信することによって、前記操作子の操作を有効なものとして、前記操作子の操作に対応した制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させることにある。
これは、制御手段を操作子側に設けたものである。なお、制御手段を開閉体手段側及び操作子側の両方に設けてもよい。
【0011】
本発明の開閉制御方法の第1の特徴は、操作子から入力される制御信号に応じて開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって前記開口部を開閉する開閉体手段の動作を制御する開閉制御方法において、携帯通信端末手段を用いて前記開閉体手段に関する認証データをインターネット経由で送信し、前記認証データをインターネット経由で受信したサーバ手段は、受信した前記認証データが事前に登録されている認証用データと一致した場合に、前記開閉体手段の開動作の実行を許可させる許可信号を前記開閉体手段にインターネット経由で送信することにある。
これは、前記第1の特徴に記載の開閉制御システムに対応した開閉制御方法の発明である。
【0012】
本発明の開閉制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御方法において、前記許可信号を受信することによって、前記操作子から入力される前記制御信号を有効なものとし、前記制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させることにある。
これは、前記第2の特徴に記載の開閉制御システムに対応した開閉制御方法の発明である。
【0013】
本発明の開閉制御方法の第3の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御方法において、前記許可信号を受信することによって、前記操作子の操作を有効なものとして、前記操作子の操作に対応した制御信号に応じて前記開閉部材を移動させて前記開口部の開動作を実行させることにある。
これは、前記第3の特徴に記載の開閉制御システムに対応した開閉制御方法の発明である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の開閉制御システム及び開閉制御方法によれば、店舗等への品物搬入時におけるセキュリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の開閉制御システムの概略構成を示す図である。
図2】この実施の形態に係る開閉制御システムが実行する処理の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉制御システムの好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉体手段として上下に開閉制御されるシャッター装置を例に説明する。図1は、本発明の開閉制御システムの概略構成を示す図である。このシャッター装置10は、建物の開口部、特に店舗の品物搬入口に設けられるものであり、基本的にシャッターケース11、シャッターカーテン12、ガイドレール13,14、モータ15、シャッター駆動回路16、開閉体制御装置17、押しボタン18、携帯通信端末70などから構成される。これ以外の巻取シャフトやチェーンなどについては図示を省略してある。
【0017】
ガイドレール13,14は、シャッターカーテン12の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテン12は、このガイドレール13,14の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。図示していない巻取りシャフトは、シャッターケース11の両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテン12を巻き取ったり巻き戻したりする。図示していないチェーンは、モータ15の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取りシャフトの回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ15の回転駆動力はチェーンを介して巻取りシャフト側に伝達され、モータ15が回転すると、チェーンを介して巻取りシャフトが回転し、シャッターカーテン12の開閉動作が制御されるようになっている。
【0018】
シャッター駆動回路16は、マイクロコンピュータ構成になっており、図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。シャッター駆動回路16は、開閉体制御装置17からの制御信号に基づいて、モータ15の回転を制御する。開閉体制御装置17と3点式の押しボタン18とは、特定小電力無線(例えば、周波数429[MHz])によって無線接続されている。開閉体制御装置17は、押しボタン18からの信号を受信するアンテナを備えている。なお、開閉体制御装置17と押しボタン18は、有線接続されていても良い。なお、3点式の押しボタン18に代えて無線型リモコンスイッチを用いて操作できるようにしてもよい。
【0019】
アクセスポイント60(Wireless LAN access point)は、押しボタン18にWiFi又は特定小電力無線を介して接続される。また、アクセスポイント60は、開閉体制御装置17に対してもWiFi経由にて接続されるか、または特定小電力無線によって無線接続される。さらに、このアクセスポイント60は、押しボタン18及び/又は開閉体制御装置17をISP(Internet Service Provider)90経由にてネットワーク95に接続する。サーバ100は、ISP91経由にてネットワーク95に接続される。従って、押しボタン18及び/又は開閉体制御装置17は、WiFiを経由してアクセスポイント60に接続され、アクセスポイント60を経由し、さらにISP90、ネットワーク95及びISP91を経由してサーバ100に接続される。アクセスポイント60と押しボタン18及び/又は開閉体制御装置17とをWiFiで直接接続するのではなく、親機を設けて複数の押しボタン及び/又は開閉体制御装置を制御するようにしてもよい。
【0020】
ISP90,91及びネットワーク95は、有線通信網(有線網)から構成される。移動体通信網(無線網)94は、携帯電話やPHSなどの携帯電話サービス会社などによって提供される通信サービス網である。有線通信網(有線網)は、固定電話などの公衆電話サービス会社などによって提供される通信サービス網である。有線通信網(有線網)94には、ISP93を介して接続される。
【0021】
押しボタン18は、従来の鍵付ボックス内の押しボタンスイッチに代えて、開閉体のガイドレール14の前面側の平坦部、すなわち開口部の周縁部に配置される。押しボタン18は、シャッター近傍の壁に設置してもよい。押しボタン18は、昇(開)ボタン、停止(停)ボタン、下降(閉)ボタンを備えた3点式で構成されている。なお、1点式の押しボタンでもよい。押しボタン18は、マイクロコンピュータ構成になっており、シャッターカーテン12の開閉動作を制御するためのプログラムや各種パラメータを記憶したメモリ等を内蔵しており、電池又はACアダプタからの電源によって動作する。押しボタン18は、外部のサーバ100から受信した認証結果に応じて、押しボタン18のボタン操作を有効化させる。
【0022】
サーバ100は、アクセスポイント60、ISP90、ネットワーク95及びISP91を経由して受信した認証データを含むアクセス要求があらかじめ設定登録された認証用データ(ID及びパスワード)に一致するか認証し、その認証結果(許可信号)をISP91、ネットワーク95、ISP90及びアクセスポイント60を経由させて押しボタン18及び/又は開閉体制御装置17に送信する。押しボタン18は、開閉体制御装置17に無線接続されており、認証結果(許可信号)を受信することによって、押しボタン18のボタン操作を有効化し、ボタン操作に応じてシャッターカーテン12の開閉停の各動作を制御する。これによって、押しボタン18は、サーバ100の認証によって許可された場合だけ操作可能となる。すなわち、押しボタン18は、認証結果(許可信号)を受信することによって、押しボタン18(操作子)の操作を有効なものとして、押しボタン18(操作子)の操作に対応した制御信号を開閉体制御装置に出力し、その制御信号に応じてシャッターカーテン12(開閉部材)を移動させて開口部の開動作を実行させる。
【0023】
また、開閉体制御装置17は、認証情報を受信することによって、押しボタン18からのボタン操作に応じたシャッターカーテン12の開閉停の各動作に関する制御信号を有効化する。これによって、押しボタン18の操作に対応したシャッターカーテン12の開閉停の各動作の制御信号に応じて、開閉体制御装置17は、シャッターカーテン12の開閉停の動作を実行する。すなわち、開閉体制御装置17は、サーバ100の認証によって許可された場合だけ、押しボタン18からの制御信号を有効なものとして実行するようになる。すなわち、開閉体制御装置17は、認証結果(許可信号)を受信することによって、押しボタン18(操作子)から入力される制御信号を有効なものとし、制御信号に応じてシャッターカーテン12(開閉部材)を移動させて開口部の開動作を実行させる。なお、押しボタン18及び開閉体制御装置17のいずれか一方が開閉停の各動作を有効化する機能を備えていればよく、両方がその機能を備えていてもよい。
【0024】
携帯通信端末70は、例えば、携帯電話、PHS、スマートフォン(多機能型携帯電話)、PDA等の携帯型の通信端末である。この実施の形態では、携帯通信端末70は、スマートフォンで構成され、通常の通話機能だけでなく、タッチパネル式の表示画面を備える。タッチパネル式の表示画面には、通話を含む複数のアプリケーションを起動するための各種アイコンが表示されており、所望のアイコンをタッチ操作することによって所望のアプリケーションを起動することができる。表示画面中のシャッター装置10の開動作承認用のアプリケーションを起動することによって、携帯通信端末70は、サーバ100との間で認証処理を実行する。
【0025】
図2は、この実施の形態に係る開閉制御システムが実行する処理の一例を示すフローチャート図である。図では、携帯通信端末70とサーバ100が実行する送受信処理とが実行する送受信処理の一例、並びにサーバ100と押しボタン18及び/又は開閉体制御装置17とが実行する送受信処理の一例を示す。
【0026】
ステップS21では、配達員(操作者)が携帯通信端末70を操作し、開動作承認用アプリケーションを起動することによって、携帯通信端末70は、サーバ100に対して通信回線70aを経由して許可申請を送信する。
ステップS22では、サーバ100は、許可申請を受信したか否かを判定し、受信した(yes)場合は次のステップS23に進み、受信していない(no)場合はリターンする。
ステップS23では、許可申請の受信を確認したサーバ100は、携帯通信端末70に対して通信回線100aを経由してパスワードの要求を送信する。
【0027】
ステップS24では、携帯通信端末70は、パスワード要求を受信したか否かを判定し、受信した(yes)場合は次のステップS25に進み、受信していない(no)場合は受信するまでこのステップの処理を所定時間(例えば1~3分)繰り返し、受信しなかった場合はリターンする。
ステップS25では、パスワード要求を受信した携帯通信端末70は、サーバ100に対して通信回線70bを経由してパスワードを送信する。
ステップS26では、サーバ100は、パスワードを受信したか否かを判定し、受信した(yes)場合は次のステップS27に進み、受信していない(no)場合は受信するまでこのステップの処理を所定時間(例えば1~3分)繰り返し、受信しなかった場合はリターンする。
ステップS27では、受信したパスワードが事前に登録済のパスワードと一致するか否かの判定を行い、一致する(yes)場合は次のステップS28に進み、一致しない(no)場合はリターンする。
【0028】
ステップS28では、前のステップS27でパスワードが一致すると判定されたので、携帯通信端末70に対して通信回線100bを経由して承認信号を送信し、押しボタン18及び/又は開閉体制御装置17に対して通信回線100c経由にて解除要求信号(許可信号)を送信する。
上述のステップS21~28の処理は、携帯通信端末70が開閉体手段(シャッター装置10)に関する認証データをインターネット経由で送信し、認証データをインターネット経由で受信したサーバ100が、受信した認証データが事前に登録されている認証用データと一致した場合に、開閉体手段(シャッター装置10)の開動作の実行を許可させる許可信号を開閉体手段(シャッター装置10)にインターネット経由で送信する処理に該当する。
【0029】
ステップS29では、携帯通信端末70は、承認信号を受信したか否かを判定し、受信した(yes)場合は次のステップS2aに進み、受信していない(no)場合は受信するまでこのステップの処理を所定時間(例えば1~3分)繰り返し、受信しなかった場合はリターンする。
ステップS2aでは、携帯通信端末70は、サーバ100から承認されたことを携帯通信端末70の操作者すなわち配達員に報知する。報知は、携帯通信端末70の表示画面に承認を示す情報を表示するか、又は携帯通信端末70から音声にて承認を発音するか、又はその両方で報知を行う。
【0030】
ステップS2bでは、解除要求信号(許可信号)を受信した押しボタン18は、ボタン操作の対応処理を有効とし、ボタン操作に対応した制御信号を開閉体制御装置17に送信する。また、解除要求信号(許可信号)を受信した開閉体制御装置17は、押しボタン18から送信されて来た制御信号を有効とし、ボタン操作に対応した制御信号に応じた開閉動作を実行可能とし、リターンする。このとき、押しボタン18及び/又は開閉体制御装置17は、ボタン操作が有効になったこと、すなわちサーバ100から承認されたことを報知する。報知は、押しボタン18に設けられている表示部(LED等)を点灯したり、音声にて発音したりする。開閉体制御装置17の場合は、音声にて発音して報知を行う。これによって、配達員(操作者)は、押しボタン18を操作することによって、シャッターカーテン12の開動作を実行させることができる。
なお、上述の実施の形態では、押しボタン18及び/又は開閉体制御装置17として説明したが、これは、いずれか一方又は両方が実施の形態の機能を備えていればよい。
【0031】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出される開閉体を例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉体装置としては、例えば、シャッター装置、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。
【0032】
携帯通信端末用のアプリケーションソフトは、所定のURLから任意に入手可能とする。また、このアプリケーションソフトを適宜変更することによって、デザインや操作方法を容易に変更可能とする。
上述の実施の形態では、受信した認証データが事前に登録されている認証用データと一致するか否かを判定しているが、この判定の中に、所定の時間帯(例えば午前5時から午前6時の間)だけ認証判定を行い、これ以外の時間帯では認証判定を行わないようにしてもよい。
なお、サーバ100の認証用データの書換等は、2段階認証等を経た特別な携帯通信端末で実行可能とすることでセキュリティを高めることができる。
アクセスポイント60、開閉体制御装置17及び押しボタン18の少なくとも一つに携帯通信端末70がWiFiを介して接続可能とし、WiFi接続されている場合にだけ、認証判定を行うようにしてもよい。これによって、携帯通信端末70はこれらの機器にWifi接続可能な距離、すなわちシャッター装置10の近傍に存在する場合だけシャッター装置10の開動作を実行することができるようになる。
【符号の説明】
【0033】
10…シャッター装置
11…シャッターケース
12…シャッターカーテン
13,14…ガイドレール
15…モータ
16…シャッター駆動回路
17…開閉体制御装置
18…押しボタン
60…アクセスポイント
70…携帯通信端末
70a,70b…通信回線
90,91,93…ISP(Internet Services Provier)
95…ネットワーク
100…サーバ
100a,100b,100c…通信回線
図1
図2