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特許7539320配管竣工図作成システム、及び配管竣工図作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】配管竣工図作成システム、及び配管竣工図作成方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240816BHJP
   G06T 17/00 20060101ALI20240816BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20240816BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240816BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06T17/00
G01B11/24 K
G06Q50/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021005050
(22)【出願日】2021-01-15
(65)【公開番号】P2022109642
(43)【公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉村 貴大
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-078033(JP,A)
【文献】特開2015-090525(JP,A)
【文献】特開平09-026987(JP,A)
【文献】特開平11-094179(JP,A)
【文献】特開2015-075927(JP,A)
【文献】特開2003-194530(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0253814(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110766669(CN,A)
【文献】河村 幸二 ,化学・エネルギープラントのメンテナンス技術,化学装置 ,日本,株式会社工業通信,2013年12月01日, 第55巻, 第12号 ,第22-29頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 7/00
G06T 17/00
G01B 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管の敷設工事が経時的に進行する現場において進行する前記配管の敷設状況を反映した配管竣工図を作成する配管竣工図作成システムであって、
基点と方向とを含むベクトルマーカーが付された前記敷設工事中の前記配管を撮影する撮像装置と、
所定の前記敷設状況にある場合において、第1地点から前記撮像装置にて前記ベクトルマーカーを含む状態で撮影された前記敷設工事の前記現場の画像である第1地点敷設工事現場画像と、前記第1地点とは異なる第2地点から前記撮像装置にて前記ベクトルマーカーを含む状態で撮影された前記敷設工事の前記現場の画像である第2地点敷設工事現場画像とを少なくとも含む現場画像データから、前記敷設状況にある前記現場の3次元データを生成する3次元データ生成部と、
前記敷設状況としての所定の第1敷設状況において前記3次元データ生成部にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーと、前記第1敷設状況とは異なる第2敷設状況において前記3次元データ生成部にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーとを、前記基点と前記方向とを重畳させる形態で、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報と前記第2敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報とを有する統合3次元データを生成する統合3次元データ生成部と、
前記統合3次元データ生成部にて生成された前記統合3次元データから配管竣工図を生成する配管竣工図生成部とを備える配管竣工図作成システム。
【請求項2】
前記現場での被撮影物としての継手の種類及び形状を含む継手情報を記憶する記憶部を備え、
前記統合3次元データにおいて、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データに含まれる前記継手と、前記第2敷設状況に対応する前記3次元データに含まれる前記継手とが、同一のものか否かを、前記記憶部に記憶される前記継手情報に基づいて判定すると共に、同一である場合に、3次元的に重畳させる形態で、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データと前記第2敷設状況に対応する前記3次元データとの角度補正を行う統合3次元データ補正部を備える請求項1に記載の配管竣工図作成システム。
【請求項3】
前記現場での直線形状を有する被撮影物の種類を含む被撮影物情報を記憶する記憶部を備え、
前記統合3次元データにおいて、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データに含まれる前記現場での直線形状部位を有する第1被撮影物と、前記第2敷設状況に対応する前記3次元データに含まれる前記現場での直線形状部位を有する第2被撮影物とが、同一のものか否かを、前記記憶部に記憶される前記被撮影物情報に基づいて判定すると共に、同一である場合に、両者の直線形状部位を重畳させる形態で、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データと前記第2敷設状況に対応する前記3次元データとの角度補正を行う統合3次元データ補正部を備える請求項1又は2に記載の配管竣工図作成システム。
【請求項4】
前記統合3次元データにおいて、前記配管と、少なくとも2つの前記配管を接続する継手と、当該継手が接続する前記配管の接続方向とを認識する配管継手認識部を備え、
前記配管継手認識部にて認識された複数の前記継手の間において、前記配管の一部が前記配管継手認識部にて前記配管と認識されない認識不可部位が存在する場合に、前記配管継手認識部にて認識された前記継手及び前記接続方向から前記配管の前記認識不可部位を補完する配管補完部を備える請求項1~3の何れか一項に記載の配管竣工図作成システム。
【請求項5】
前記統合3次元データ生成部は、前記統合3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーと、前記統合3次元データを生成するための前記敷設状況とは異なる第3敷設状況において前記3次元データ生成部にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーとを、前記基点と前記方向とを重畳させる形態で、前記統合3次元データが含む情報と前記第3敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報とを有する前記統合3次元データを生成可能である請求項1~4の何れか一項に記載の配管竣工図作成システム。
【請求項6】
複数の異なる前記敷設状況において、前記配管に付される前記ベクトルマーカーは同一のものである請求項1~5の何れか一項に記載の配管竣工図作成システム。
【請求項7】
配管の敷設工事が経時的に進行する現場において進行する前記配管の敷設状況を反映した配管竣工図を作成する配管竣工図作成方法であって、
基点と方向とを含むベクトルマーカーが付された前記敷設工事中の前記配管を撮影する撮像工程と、
所定の前記敷設状況にある場合において、第1地点から前記撮像工程にて前記ベクトルマーカーを含む状態で撮影された前記敷設工事の前記現場の画像である第1地点敷設工事現場画像と、前記第1地点とは異なる第2地点から前記撮像工程にて前記ベクトルマーカーを含む状態で撮影された前記敷設工事の前記現場の画像である第2地点敷設工事現場画像とを少なくとも含む現場画像データから、前記敷設状況にある前記現場の3次元データを生成する3次元データ生成工程と、
前記敷設状況としての所定の第1敷設状況において前記3次元データ生成工程にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーと、前記第1敷設状況とは異なる第2敷設状況において前記3次元データ生成工程にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーとを、前記基点と前記方向とを重畳させる形態で、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報と前記第2敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報とを有する統合3次元データを生成する統合3次元データ生成工程と、
前記統合3次元データ生成工程にて生成された前記統合3次元データから配管竣工図を生成する配管竣工図生成工程とを実行する配管竣工図作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管の敷設工事が経時的に進行する現場において進行する前記配管の敷設状況を反映した配管竣工図を作成する配管竣工図作成システム、及び配管竣工図作成支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ガス配管等の配管竣工図の作成を行う配管竣工図作成システムとして、特許文献1に示されるように、現場に配置された配管に貼付された管情報ラベルの撮影情報に基づいて配管情報を取得する管情報取得装置と、現場の位置情報を取得するGPS受信装置と、配管の継手部の画像を取得する画像取得装置とを介して得られた配管情報、位置情報、及び画像情報を通信手段により取得して記憶する施工管理情報サーバと、施工管理情報サーバから受信した配管情報、位置情報、及び画像情報に基づいて、地図上に竣工図を生成するマッピング処理部を有する情報処理端末と、を備えたものが知られている。
【0003】
当該配管竣工図作成システムでは、現場での作業者が配管情報をメモしたり、測量装置で位置を測量したり、撮影作業を行なうような労力を伴わずに、管情報、位置情報、及び画像情報が施工現場で収集されて施工管理情報サーバにアップロードされるので、場所を問わずに情報処理端末上で竣工図が生成できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-75927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、配管の敷設工事を実行する現場では、配管と配管は継手により接続されることになるが、当該継手は、種々の接続角度を有し、現場の敷設状況に合わせて接続されるため、現場の敷設状況を適切に反映した竣工図を作成するためには、その設置角度等を適切に把握する必要がある。しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、現場の撮影作業を行っておらず、現場における継手の設置角度等の情報が、施工管理情報サーバへ送信されていないため、現場の配管や継手の敷設状況を適切に反映した竣工図を作成できていない虞があった。
【0006】
更に、配管の敷設工事の現場は、敷設状況が経時的に刻一刻と変化することになる。また、現場によっては、過去に敷設工事を行った箇所に覆土等がされるため、現時点までの配管の敷設状況を反映した竣工図を作成する場合、過去の敷設状況と現時点での敷設状況との双方の情報を、すり合わせしつつ適切に利用して竣工図を作成する必要がある。しかしながら、上記特許文献1に開示の技術は、経時的に変化する複数の敷設状況を用いて竣工図の作成を行うものではないため、改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、現場の配管や継手の敷設状況を適切に反映した竣工図を作成できつつも、敷設状況が経時的に進行して、覆土等により過去の配管の敷設状態が確認できない現場であっても、それまでに配設・施工した全体の配管の竣工図を好適に作成できる配管竣工図作成システム、及び配管竣工図作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための配管竣工図作成システムは、
配管の敷設工事が経時的に進行する現場において進行する前記配管の敷設状況を反映した配管竣工図を作成する配管竣工図作成システムであって、その特徴構成は、
基点と方向とを含むベクトルマーカーが付された前記敷設工事中の前記配管を撮影する撮像装置と、
所定の前記敷設状況にある場合において、第1地点から前記撮像装置にて前記ベクトルマーカーを含む状態で撮影された前記敷設工事の前記現場の画像である第1地点敷設工事現場画像と、前記第1地点とは異なる第2地点から前記撮像装置にて前記ベクトルマーカーを含む状態で撮影された前記敷設工事の前記現場の画像である第2地点敷設工事現場画像とを少なくとも含む現場画像データから、前記敷設状況にある前記現場の3次元データを生成する3次元データ生成部と、
前記敷設状況としての所定の第1敷設状況において前記3次元データ生成部にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーと、前記第1敷設状況とは異なる第2敷設状況において前記3次元データ生成部にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーとを、前記基点と前記方向とを重畳させる形態で、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報と前記第2敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報とを有する統合3次元データを生成する統合3次元データ生成部と、
前記統合3次元データ生成部にて生成された前記統合3次元データから配管竣工図を生成する配管竣工図生成部とを備える点にある。
【0009】
上記目的を達成するための配管竣工図作成方法は、
配管の敷設工事が経時的に進行する現場において進行する前記配管の敷設状況を反映した配管竣工図を作成する配管竣工図作成方法であって、その特徴構成は、
基点と方向とを含むベクトルマーカーが付された前記敷設工事中の前記配管を撮影する撮像工程と、
所定の前記敷設状況にある場合において、第1地点から前記撮像工程にて前記ベクトルマーカーを含む状態で撮影された前記敷設工事の前記現場の画像である第1地点敷設工事現場画像と、前記第1地点とは異なる第2地点から前記撮像工程にて前記ベクトルマーカーを含む状態で撮影された前記敷設工事の前記現場の画像である第2地点敷設工事現場画像とを少なくとも含む現場画像データから、前記敷設状況にある前記現場の3次元データを生成する3次元データ生成工程と、
前記敷設状況としての所定の第1敷設状況において前記3次元データ生成工程にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーと、前記第1敷設状況とは異なる第2敷設状況において前記3次元データ生成工程にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーとを、前記基点と前記方向とを重畳させる形態で、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報と前記第2敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報とを有する統合3次元データを生成する統合3次元データ生成工程と、
前記統合3次元データ生成工程にて生成された前記統合3次元データから配管竣工図を生成する配管竣工図生成工程とを実行する点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、まずもって、所定の敷設状況にある時点において、配管竣工図の基礎データを取得するにあたり、3次元データ生成部(3次元データ生成工程)にて、第1地点から撮像装置にてベクトルマーカーを含む状態で撮影された敷設工事の現場の画像である第1地点敷設工事現場画像と、第1地点とは異なる第2地点から撮像装置にてベクトルマーカーを含む状態で撮影された敷設工事の現場の画像である第2地点敷設工事現場画像とを少なくとも含む現場画像データから、敷設状況にある現場の3次元データを生成するから、種々の接続角度がある継手により複数の配管を様々な接続方向に接続する場合であっても、当該継手の接続角度や、接続された複数の配管の接続方向(接続状況)を3次元データにより良好に把握できる。
更に、上記特徴構成によれば、統合3次元データ生成部(統合3次元データ生成工程)にて、所定の第1時点における第1敷設状況における3次元データと、第1時点とは異なる第2時点における第2敷設状況における3次元データとを、夫々に記録されるベクトルマーカーの起点と方向とを重畳する形態で統合して、当該3次元データを作成するから、経時的に変化する複数の敷設状況を含む3次元データを作成することができ、更に、配管竣工図生成部(配管竣工図生成工程)にて、生成された統合3次元データから配管竣工図を生成できる。
以上より、現場の配管や継手の敷設状況を適切に反映した竣工図を作成できつつも、敷設状況が経時的に進行して、覆土等により過去の配管の敷設状態が確認できない現場であっても、それまでに配設・施工した全体の配管の竣工図を好適に作成できる配管竣工図作成システム、及び配管竣工図作成方法を実現できる。
【0011】
配管竣工図作成システムの更なる特徴構成は、
前記現場での被撮影物としての継手の種類及び形状を含む継手情報を記憶する記憶部を備え、
前記統合3次元データにおいて、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データに含まれる前記継手と、前記第2敷設状況に対応する前記3次元データに含まれる前記継手とが、同一のものか否かを、前記記憶部に記憶される前記継手情報に基づいて判定すると共に、同一である場合に、3次元的に重畳させる形態で、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データと前記第2敷設状況に対応する前記3次元データとの角度補正を行う統合3次元データ補正部を備える点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、統合3次元データ補正部が、統合3次元データにおいて、第1敷設状況に対応する3次元データに含まれる継手と、第2敷設状況に対応する3次元データに含まれる継手とが同一のものか否かを、記憶部に記憶される継手情報に基づいて判定すると共に、両者が同一である場合に、両者を3次元的に重畳させる形態で、統合3次元データの角度補正を行うから、例えば、種々の接続角度を有する継手に関し、その接続角度を記憶部に記憶される継手情報に限定することで、微小な角度のずれを補正でき、より正確な統合3次元データを生成できる。
【0013】
配管竣工図作成システムの更なる特徴構成は、
前記現場での直線形状を有する被撮影物の種類を含む被撮影物情報を記憶する記憶部を備え、
前記統合3次元データにおいて、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データに含まれる前記現場での直線形状部位を有する第1被撮影物と、前記第2敷設状況に対応する前記3次元データに含まれる前記現場での直線形状部位を有する第2被撮影物とが、同一のものか否かを、前記記憶部に記憶される前記被撮影物情報に基づいて判定すると共に、同一である場合に、両者の直線形状部位を重畳させる形態で、前記第1敷設状況に対応する前記3次元データと前記第2敷設状況に対応する前記3次元データとの角度補正を行う統合3次元データ補正部を備える点にある。
【0014】
配管等の長尺状の直線形状物は、統合3次元データにおいて、その形状の特性上、ベクトルマーカーの基点から離れるほど、第1敷設状況に対応する3次元データの直線形状物と、第2敷設状況に対応する3次元データにおける直線形状物とで、位置ずれが生じる。
上記特徴構成によれば、統合3次元データ補正部は、統合3次元データにおいて、第1敷設状況に対応する3次元データに含まれる現場での直線形状部位を有する第1被撮影物と、第2敷設状況に対応する3次元データに含まれる現場での直線形状部位を有する第2被撮影物とが、同一のものか否かを、記憶部に記憶される被撮影物情報に基づいて判定すると共に、同一である場合に、両者の直線形状部位を重畳させる形態で、第1敷設状況に対応する3次元データと第2敷設状況に対応する3次元データとの角度補正を行うから、ベクトルマーカーの基点から離れた箇所においても、3次元データを構成する種々の構成要素が適切に位置合わせされるよう角度補正できる。
【0015】
配管竣工図作成システムの更なる特徴構成は、
前記統合三次元データにおいて、前記配管と、少なくとも2つの前記配管を接続する継手と、当該継手が接続する前記配管の接続方向とを認識する配管継手認識部を備え、
前記配管継手認識部にて認識された複数の前記継手の間において、前記配管の一部が前記配管継手認識部にて前記配管と認識されない認識不可部位が存在する場合に、前記配管継手認識部にて認識された前記継手及び前記接続方向から前記配管の前記認識不可部位を補完する配管補完部を備える点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、継手認識部にて認識された複数の継手の間において、配管の一部が所定の被覆物により被覆されており配管継手認識部にて配管と認識されない場合に、配管継手認識部にて認識された継手及び接続方向から配管の被覆された部位を補完する配管補完部を備えるから、配管に土砂崩れ等により覆土等が覆いかぶさったり、配管が保護テープに被覆されていたり、配管が日陰等で3次元データ上にて把握できなかったりする場合であっても、2つの配管を接続する継手と、当該継手が接続する配管の接続方向とに基づいて、配管継手認識部にて認識されない認識不可部位を配管補完部により良好に補完できる。
【0017】
配管竣工図作成システムの更なる特徴構成は、
前記統合3次元データ生成部は、前記統合3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーと、前記統合3次元データを生成するための前記敷設状況とは異なる第3敷設状況において前記3次元データ生成部にて生成された前記3次元データに含まれる前記ベクトルマーカーとを、前記基点と前記方向とを重畳させる形態で、前記統合3次元データが含む情報と前記第3敷設状況に対応する前記3次元データが含む情報とを有する前記統合3次元データを生成可能である点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、統合3次元データ生成部は、これまで生成された統合3次元データに対し、新たな敷設状況に対応する3次元データを順次統合可能であるから、経時的に逐次変化する現場の敷設状況を、順次更新して、それまでに取得した複数の敷設状況に対応する3次元データを反映した形態で、配管竣工図を作成できる。
即ち、上記特徴構成によれば、例えば、連日、繰り返される配管の接続を含む敷設工事を反映した配管竣工図を作成できる。
【0019】
配管竣工図作成システムの更なる特徴構成は、
複数の異なる前記敷設状況において、前記配管に付される前記ベクトルマーカーは同一のものである点にある。
【0020】
上記特徴構成の如く、複数の異なる敷設状況において、配管に付されるベクトルマーカーを同一のものとすることで、敷設状況毎に異なるベクトルマーカー(異なる種類のベクトルマーカー)を付する場合に比べて、作業者が行う作業を簡便にでき、より現場の負荷をより低減できる配管竣工図作成システム、及び配管竣工図作成方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る配管竣工図作成システムの概略構成図である。
図2】配管竣工図作成システムによる配管竣工図の作成過程を示すフロー図である。
図3】統合3次元データの生成過程において、異なる敷設状況におけるベクトルマーカーの基点と方向とを重畳させた場合を示す図である。
図4】統合3次元データの生成過程において、異なる敷設状況におけるベクトルマーカーの基点と方向とを重畳させた状態で、異なる敷設状況における直線形状部位を重畳させた場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態に係る配管竣工図作成システム100、及び配管竣工図作成支援方法は、現場の配管Pや継手の敷設状況を適切に反映した竣工図を作成できつつも、敷設状況が経時的に進行して、覆土等により過去の配管Pの敷設状態が確認できない現場であっても、それまでに配設・施工した全体の配管Pの竣工図を好適に作成できるものに関する。
以下、図1~4に基づいて、本発明の実施形態に係る配管竣工図作成システム100、及び配管竣工図作成支援方法について説明する。
【0023】
実施形態に係る配管竣工図作成システム100は、図1に示すように、配管Pの敷設工事が経時的に進行する現場において進行する配管Pの敷設状況を反映した配管竣工図を作成するものであり、基点M1と方向M2とを含むベクトルマーカーMが付された敷設工事中の配管Pを撮影する単眼カメラ(図示せず)を有するスマートフォン端末T1(撮像装置の一例)と、配管竣工図を生成するための各種演算処理を実行する制御装置Sと、当該制御装置Sにて生成された配管竣工図を生成・表示するための表示端末T2(配管竣工図生成部の一例)とを備えて構成されている。本実施形態においては、スマートフォン端末T1と、制御装置Sと、表示端末T2とは、光通信等のネットワークにより電気的に接続されており、夫々の端末は互いに情報の送受信可能に構成されている。
尚、配管Pの敷設工事は、直管と継手との接続による敷設工事を含むものである。
【0024】
制御装置Sは、図1に示すように、所定の敷設状況にある場合において、第1地点からスマートフォン端末T1にてベクトルマーカーMを含む状態で撮影された敷設工事の現場の画像である第1地点敷設工事現場画像と、第1地点とは異なる第2地点から撮像装置にてベクトルマーカーMを含む状態で撮影された敷設工事の現場の画像である第2地点敷設工事現場画像とを少なくとも含む現場画像データから、敷設状況にある現場の3次元データを生成する3次元データ生成部S1と、敷設状況としての所定の第1敷設状況において3次元データ生成部S1にて生成された3次元データに含まれる第1ベクトルマーカーMa(図2に図示)と、第1敷設状況とは異なる第2敷設状況において3次元データ生成部にて生成された3次元データに含まれる第2ベクトルマーカーMb(図2に図示)とを、基点M1a、M1b(図2に図示)と方向M2a、M2b(図2に図示)とを重畳させる形態で、第1敷設状況に対応する3次元データが含む情報と第2敷設状況に対応する3次元データが含む情報とを有する統合3次元データを生成する統合3次元データ生成部S2と、統合3次元データ生成部S2にて生成された統合3次元データから配管竣工図を生成する配管竣工図生成部とを備える。
【0025】
即ち、当該制御装置Sは、基点M1と方向M2とを含むベクトルマーカーMが付された敷設工事中の配管Pを撮影する撮像工程と、所定の敷設状況にある場合において、第1地点から撮像工程にてベクトルマーカーMを含む状態で撮影された敷設工事の現場の画像である第1地点敷設工事現場画像と、第1地点とは異なる第2地点から撮像工程にてベクトルマーカーMを含む状態で撮影された敷設工事の現場の画像である第2地点敷設工事現場画像とを少なくとも含む現場画像データから、敷設状況にある現場の3次元データを生成する3次元データ生成工程と、敷設状況としての所定の第1敷設状況において3次元データ生成工程にて生成された3次元データに含まれる第1ベクトルマーカーMaと、第1敷設状況とは異なる第2敷設状況において3次元データ生成工程にて生成された3次元データに含まれる第2ベクトルマーカーMbとを、基点M1a、M1b(図2に図示)と方向M2a、M2b(図2に図示)とを重畳させる形態で、第1敷設状況に対応する3次元データが含む情報と第2敷設状況に対応する3次元データが含む情報とを有する統合3次元データを生成する統合3次元データ生成工程と、統合3次元データ生成工程にて生成された統合3次元データから配管竣工図を生成する配管竣工図生成工程とを実行する。
【0026】
因みに、当該実施形態において、ベクトルマーカーMは、図1に示すように、直線上に並ぶ3つの点を有するシールとして構成され、3つの点のうち基端側の2点の色と先端側の1点の色を異なる色としている。ベクトルマーカーMにおいて、基端側の端部の1点を起点M1とし、3つの点を結ぶ直線上で、基端側の端部の1点から先端側の一点までを結ぶ方向を方向M2としている。尚、図面において、紙面の都合上、ベクトルマーカーをマーカーと省略して記載している箇所がある。
【0027】
3次元データ生成部S1は、スマートフォン端末T1を用いて、3次元データを生成するのに際し、第1地点と当該第1地点とは異なる第2地点との少なくとも2地点から視差のある状態で、動画を複数の敷設工事現場画像として取得する点群計測を実行する。つまり、当該点群計測では、スマートフォン端末T1にて動画を撮影しながら、作業者がスマートフォン端末T1の位置を、少なくとも第1地点と第2地点とで異なる位置に移動させている。
その後、3次元データにおいて、点群計測において欠落した欠落面や、反射や吸収表面素材による計測欠損等を補足・補正すると共に、現場に含まれる路面切断箇所等のエッジ部分を再現したり、記憶部S6に記憶される既知の配管形状を利用したりして撮像対象の立体化を実行する。
更に、3次元データにおいて、現場に含まれる配管や路面等の構成部品に分離すべく、敷設工事現場画像に含まれる色と輝度を用いて構成部品毎に境界を分離し、境界のエッジを抽出して構成部品の形状の高精度化を図るセグメンテーションを実行する。
最後に、3次元データにおいて、セグメンテーションにて分離された構成部品を、意味を持つ物体として認識する物体認識を実行する。当該物体認識により、配管竣工図において重要な配管に係る専用処理が可能となる。
【0028】
配管の敷設状況は、配管の敷設工事が経時的に進行するため、配管竣工図を生成するためには、3次元データ生成部S1にて生成された一時点の3次元データを、異なる時点にて複数生成し、それらを足し合わせながら生成する必要がある。
そこで、当該実施形態に係る配管竣工図作成システム100では、当該統合3次元データ生成部S2が、第1敷設状況(敷設状況の一例)における3次元データと、当該第1敷設状況とは異なる第2敷設状況(敷設状況の一例)における3次元データとを、以下に示すように統合する。以下、図2に基づいて、統合3次元データの生成方法について説明する。
尚、図2では、第1敷設状況に対応する3次元データと第2敷設状況に対応する3次元データとが重ね合わされて表示されており、第1敷設状況に対応する3次元データの第1配管P1と、第2敷設状況に対応する3次元データの第2配管P2とを接続する場合が例示されており、第2敷設状況に対応する3次元データでは、第1配管P1の大部分が覆土等により示されていないものとする。
また、第1配管P1に付される第1ベクトルマーカーMa(ベクトルマーカーの一例)と、第2配管P2に付される第2ベクトルマーカーMb(ベクトルマーカーの一例)とは、同一のものであるが、説明の便宜上、異なる名称としており、第1ベクトルマーカーMaが付される第1配管P1と、第2ベクトルマーカーMbが付される第2配管P2は、同一のものである。また、第1ベクトルマーカーMaと第2ベクトルマーカーMbも同一のものである。
【0029】
統合3次元データ生成部S2は、図2の第1統合3次元データID1に示すように、第1敷設状況に対応する3次元データと第2敷設状況に対応する3次元データとを同一の3次元空間に表示し、配管Pとしての第1配管P1及び第2配管P2の形状、第1配管P1に付される第1ベクトルマーカーMa及び第2配管P2に付される第2ベクトルマーカーMbを認識する。
次に、統合3次元データ生成部S2は、図2の第1統合3次元データID1から図2の第2統合3次元データID2に示すように、第1敷設状況に対応する3次元データに含まれる第1ベクトルマーカーMaの基点M1aと、第2敷設状況に対応する3次元データに含まれる第2ベクトルマーカーMbの基点M1bとを重畳させる形態で、第1ベクトルマーカーMa及び第2ベクトルマーカーMbの位置合わせを行い、統合3次元データを生成する。これにより、第1配管P1及び第2配管P2の接続点が一致する。
次に、統合3次元データ生成部S2は、図2の第2統合3次元データID2から図2の第3統合3次元データID3に示すように、第1敷設状況に対応する3次元データに含まれる第1ベクトルマーカーMaの方向M2aと、第2敷設状況に対応する3次元データに含まれる第2ベクトルマーカーMbの方向M2bとを重畳させる形態で、第1ベクトルマーカーMa及び第2ベクトルマーカーMbの方向合わせを行い、統合3次元データを生成する。これにより、第1配管P1と第2配管P2(方向合わせ後はP2x)の接続方向が大凡一致する。
【0030】
ここで、当該実施形態において、ベクトルマーカーMの方向は、ベクトルマーカーMとしてのシールに付される3点を結ぶ直線にて決定されるが、敷設工事における配管Pは、敷設工事が進むにつれて、覆土等がされるため、3点を結ぶ直線の距離を比較的短くせざるをえず、3点の距離を比較的短くする場合、第1ベクトルマーカーMaの方向と第2ベクトルマーカーMbの方向とにズレが生じ易くなる。
また、第1ベクトルマーカーMaの起点M1aと第2ベクトルマーカーMbの起点M1bとが重畳し、第1ベクトルマーカーMaの方向M2aと第2ベクトルマーカーMbの方向M2bとが重畳する場合であっても、第1ベクトルマーカーMaと第2ベクトルマーカーMbとが互いにその方向周りで回転する場合には、第1敷設状況に対応する3次元データと第2敷設状況に対応する3次元データとがズレる場合がある。
以上の理由により、当該ベクトルマーカーMの方向を重畳させることによる方向合わせでは、第1配管P1と第2配管P2との接続方向を、高精度に合わせることができないことがある。
【0031】
そこで、当該実施形態に係る配管竣工図作成システム100では、現場での直線形状を有する被撮影物(例えば、路面の切断面、歩車道境界に存在する「側溝」や「路側帯」等を含む被撮影物情報(例えば、色、輝度、色及び輝度の変化率)を記憶する記憶部S6を備え、統合3次元データにおいて、第1敷設状況に対応する3次元データに含まれる現場での直線形状部位を有する第1被撮影物と、第2敷設状況に対応する3次元データに含まれる現場での直線形状部位を有する第2被撮影物とが同一のものか否かを、記憶部S6に記憶される被撮影物情報に基づいて判定すると共に、同一である場合に、両者の直線形状部位を重畳させる形態で、第1敷設状況に対応する3次元データと第2敷設状況に対応する3次元データとの角度補正を行う統合3次元データ補正部S3を備える。
当該統合3次元データ補正部S3により、図2の第3統合3次元データID3から図2の第4統合3次元データID4に示すように、第1配管P1及び第2配管P2(角度補正後はP2y)の接続を、より高精度に実現した統合3次元データを生成できる。
【0032】
当該統合3次元データ補正部S3による第3統合3次元データID3から第4統合3次元データID4への処理について、図3、4を用いて説明を加える。
例えば、図3に示す第3統合3次元データID3においては、ベクトルマーカーMの基点M1と方向M2とが重畳している状態ではあるものの、本来、直線である路面の切断部Kが、第2敷設状況における3次元データの第2切断部Kxとの境界で屈曲している状態となっている。
そこで、統合3次元データ補正部S3は、第2敷設状況における3次元データの第2切断部Kxと、第1敷設状況における3次元データの切断部Kと直線を形成するよう、第2敷設状況における3次元データの角度補正を行い、図4に示すように第4統合3次元データID4を生成するのである。
【0033】
更に、当該実施形態に係る配管竣工図作成システム100は、配管Pの一部が、覆土や補修テープ等で被覆されている場合に、当該部位を配管Pとして配管竣工図に適切に反映させるべく、以下の如く構成されている。
即ち、第1統合3次元データID1から第4統合3次元データID4の何れかにおいて、配管Pと、少なくとも2つの配管P1、P2を接続する継手(図示せず)と当該継手が接続する配管P1、P2の接続方向とを認識する配管継手認識部S4を備え、当該配管継手認識部S4にて認識された複数の継手の間において、配管P1、P2の一部が配管継手認識部S4にて配管P1、P2と認識されない認識不可部位(例えば、覆土や補修テープにより被覆されている部位)が存在する場合に、配管継手認識部S4にて認識された継手及び接続方向から配管P1、P2の認識不可部位を補完する配管補完部S5を備える。
【0034】
配管の敷設工事では、敷設が完了した部分に覆土を行う場合があるが、これまで説明してきたように、複数の時点において生成された3次元データを統合して配管竣工図を生成することで、覆土される前の配管の敷設状況を適切に反映した配管竣工図を得ることができる。
尚、配管竣工図としては、3次元図、又は平面図等の2次元図の種々の形態で、管理用の表示端末T2にて表示される。
【0035】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、配管としてガス配管を例として説明したが、本発明は、上下水道配管等の他の配管の施工工事についても効果的に適用可能である。
【0036】
(2)上記実施形態では、撮像装置の一例として、単眼カメラを有するスマートフォン端末T1を例示したが、複眼カメラを有するスマートフォン端末を用いても構わない。例えば、2眼カメラである場合、一の2眼カメラの一方の眼にて第1地点を撮像すると共に他方の眼にて第2地点を撮像する形態で、上述した現場画像データを生成することができる。
更に、スマートフォン端末に限らず、通信機能を有さず撮像機能のみを有するカメラであって、撮像データは、SDカード等の携帯メモリを介して、制御装置Sへ伝達するものであっても構わない。
また、撮像装置としては、レーザー光を走査しながら対象物に照射してその散乱や反射光を観測することで、対象物までの距離を計測したり対象物の性質を特定したりする光センサー技術(LiDAR:Light Detection and Ranging)を採用することもできる。
【0037】
(3)上記実施形態において、ベクトルマーカーMは、シールに付される3点を有するものとしたが、他の例としては、シールに基点と当該基点から伸びる矢印とを付したものとしても構わない。
【0038】
(4)上記実施形態では、統合3次元データ補正部S3は、現場での直線形状部位を用いて、第1敷設状況に対応する3次元データと第2敷設状況に対応する3次元データとの角度補正を行う構成例を示した。
他の構成例として、記憶部S6が、現場での被撮影物としての継手の種類及び形状を含む継手情報(継手の角度等)を記憶し、統合3次元データ補正部S3は、統合3次元データにおいて、第1敷設状況に対応する3次元データに含まれる継手と、第2敷設状況に対応する3次元データに含まれる継手とを、記憶部S6に記憶される継手情報に基づいて、3次元的に重畳させる形態で、第1敷設状況に対応する3次元データと第2敷設状況に対応する3次元データとの角度補正を行う構成を採用しても構わない。
【0039】
(5)上記実施形態では、統合3次元データ生成部S2は、第1敷設状況における3次元データと第2敷設状況における3次元データとを統合して統合3次元データを生成する構成例を示した。
他の構成例として、統合3次元データ生成部S2は、第1敷設状況における3次元データと第2敷設状況における3次元データとを統合して生成された統合3次元データと、第1敷設状況及び第2敷設状況とは異なる第3敷設状況における3次元データとを統合することもできる。
より詳細には、図示は省略するが、統合3次元データ生成部S2は、統合3次元データに含まれるベクトルマーカーと、統合3次元データを生成するための敷設状況とは異なる第3敷設状況において3次元データ生成部にて生成された3次元データに含まれるベクトルマーカーとを、基点と方向とを重畳させる形態で、統合3次元データが含む情報と第3敷設状況に対応する3次元データが含む情報とを有する統合3次元データを生成可能である。
即ち、上記特徴構成によれば、例えば、連日、繰り返される配管の接続を含む敷設工事を反映した配管竣工図を作成できる。
【0040】
(6)上記実施形態において、統合3次元データ補正部S3、配管継手認識部S4、配管補完部S5を備える構成例を示したが、これらの構成を備えない場合にも、配管竣工図作成システムとして、有効に機能する。
【0041】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の配管竣工図作成システム、及び配管竣工図作成方法は、現場の配管や継手の敷設状況を適切に反映した竣工図を作成できつつも、敷設状況が経時的に進行して、覆土等により過去の配管の敷設状態が確認できない現場であっても、それまでに配設・施工した全体の配管の竣工図を好適に作成できる配管竣工図作成システム、及び配管竣工図作成方法として、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
ID1~ID4:統合3次元データ
100 :配管竣工図作成システム
M :ベクトルマーカー
S6 :記憶部
M1 :基点
M2 :方向
P :配管
P1、P2 :配管
S :制御装置
S1 :3次元データ生成部
S2 :統合3次元データ生成部
S3 :統合3次元データ補正部
S4 :配管継手認識部
S5 :配管補完部
T1 :スマートフォン端末
T2 :表示端末
図1
図2
図3
図4