(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】渋滞判定装置、渋滞判定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20240816BHJP
G08G 1/017 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G08G1/017
(21)【出願番号】P 2021062256
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】今村 晋輔
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 利恵
(72)【発明者】
【氏名】上野 建一
(72)【発明者】
【氏名】芝田 裕
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】古賀 貴
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-071769(JP,A)
【文献】特開2001-331889(JP,A)
【文献】特開2013-168065(JP,A)
【文献】特開平10-079062(JP,A)
【文献】特開2001-338316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/01
G08G 1/017
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路に設置される複数の路側装置の各々から、前記有料道路を通行する複数の車両の各々を識別可能な車両識別情報を取得する車両識別情報取得部と、
前記複数の車両の車種を判別する車種情報を取得する車種情報取得部と、
前記車両識別情報取得部が取得した前記車両識別情報
と、前記車種情報取得部が取得した前記車種情報とに基づき、
前記車種情報で示される区分ごとに、前記有料道路に渋滞が発生しているか否かを判定する判定部と、
を備える渋滞判定装置。
【請求項2】
前記車両識別情報取得部は、前記車両識別情報として、前記有料道路を通行する複数の車両のナンバープレート情報、車載器識別情報、カード番号、撮影画像の少なくともいずれかを取得する、
請求項1に記載の渋滞判定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記複数の路側装置から取得した前記車両識別情報どうしを照合する、
請求項1又は2に記載の渋滞判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記複数の車両が、前記複数の路側装置を通過した時刻に基づき、前記複数の車両が、前記複数の路側装置の間を通過するのに要した走行時間を算出し、算出された前記走行時間にもとづき渋滞が発生しているか否かを判定する、
請求項1から3までのいずれか一項に記載の渋滞判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記車両識別情報取得部が取得した前記車両識別情報に基づいて、前記複数の車両が前記有料道路を通行するのに要した平均所要時間を算出し、算出した前記平均所要時間に基づき、前記渋滞が発生しているか否かを判定する
請求項1から4までのいずれか一項に記載の渋滞判定装置。
【請求項6】
前記複数の路側装置は、前記有料道路の入口と、前記有料道路の出口と、前記入口と前記出口の間に設けられる料金所と、に設けられる、
請求項1から5までのいずれか一項に記載の渋滞判定装置。
【請求項7】
前記判定部による判定結果に基づいて、前記有料道路において発生する前記渋滞を予測する渋滞予測部を更に備える、
請求項1から
6までのいずれか一項に記載の渋滞判定装置。
【請求項8】
前記判定部による判定結果に基づいて、前記渋滞を避けるための推奨情報を通知する推奨情報通知部を更に備える、
請求項1から
7までのいずれか一項に記載の渋滞判定装置。
【請求項9】
前記複数の車両が、前記複数の路側装置の間を通行する際に必要な通行料金の支払い方法の情報を更に取得する料金情報取得部を更に備える、
請求項1から
8までのいずれか一項に記載の渋滞判定装置。
【請求項10】
前記車両識別情報取得部が取得した前記車両識別情報に基づいて、前記複数の車両が前記有料道路を通行した時の速度を算出し、算出した前記速度に基づいて、前記複数の車両が、前記複数の路側装置の間を通行する際に必要な通行料金を割引する割引情報を通知する割引情報通知部を更に備える、
請求項1から
9までのいずれか一項に記載の渋滞判定装置。
【請求項11】
前記車両識別情報取得部が取得した前記車両識別情報に基づいて、前記複数の車両が前記有料道路を通行した時の速度を算出し、算出した前記速度が所定の条件を満たす車両を通知する車両通知部を更に備える、
請求項1から
9までのいずれか一項に記載の渋滞判定装置。
【請求項12】
有料道路に設置される複数の路側装置の各々から、前記有料道路を通行する複数の車両の各々を識別可能な車両識別情報を取得する車両識別情報取得ステップと、
前記複数の車両の車種を判別する車種情報を取得する車種情報取得ステップと、
前記車両識別情報取得ステップで取得した前記車両識別情報
と、前記車種情報取得ステップで取得した前記車種情報とに基づき、
前記車種情報で示される区分ごとに、前記有料道路に渋滞が発生しているか否かを判定する判定ステップと、
を有する渋滞判定方法。
【請求項13】
渋滞判定装置のコンピュータに、
有料道路に設置される複数の路側装置の各々から、前記有料道路を通行する複数の車両の各々を識別可能な車両識別情報を取得する車両識別情報取得ステップと、
前記複数の車両の車種を判別する車種情報を取得する車種情報取得ステップと、
前記車両識別情報取得ステップで取得した前記車両識別情報
と、前記車種情報取得ステップで取得した前記車種情報とに基づき、
前記車種情報で示される区分ごとに、前記有料道路に渋滞が発生しているか否かを判定する判定ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、渋滞判定装置、渋滞判定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両が通行する道路の路側に、路側装置を設け、その路側装置が、車両と通信可能な範囲で、複数回、車両から信号を受信することにより、その車両の移動速度を算出することについて開示している。そして、特許文献1は、車両の移動速度が、所定速度よりも遅くなった場合に、渋滞が発生していると判定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示されている技術では、道路の特定の地点で、渋滞が発生しているか否かについては判定することができるものの、車両が、道路の出発地点から到達地点まで移動するのに、どれくらいの時間がかかるのかを知ることはできない。また、特許文献1で開示されている技術では、道路の全域で、渋滞が発生しているか否かを知るためには、道路の全域に、所定の間隔で、多数の路側装置を設置する必要がある。
【0005】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、道路の出発地点から到達地点まで実際に走行した車両の走行時間に基づいて、有料道路における渋滞の発生状況を正確に判定することができる渋滞判定装置、渋滞判定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る渋滞判定装置は、有料道路に設置される複数の路側装置の各々から、前記有料道路を通行する複数の車両の各々を識別可能な車両識別情報を取得する車両識別情報取得部と、前記車両識別情報取得部が取得した前記車両識別情報に基づき、前記有料道路に渋滞が発生しているか否かを判定する判定部と、を備える。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本開示に係る渋滞判定方法は、有料道路に設置される複数の路側装置の各々から、前記有料道路を通行する複数の車両の各々を識別可能な車両識別情報を取得する車両識別情報取得ステップと、前記車両識別情報取得ステップで取得した前記車両識別情報に基づき、前記有料道路に渋滞が発生しているか否かを判定する判定ステップと、を有する。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本開示に係るプログラムは、渋滞判定装置のコンピュータに、有料道路に設置される複数の路側装置の各々から、前記有料道路を通行する複数の車両の各々を識別可能な車両識別情報を取得する車両識別情報取得ステップと、前記車両識別情報取得ステップで取得した前記車両識別情報に基づき、前記有料道路に渋滞が発生しているか否かを判定する判定ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、道路の出発地点から到達地点まで実際に走行した車両の走行時間に基づいて、有料道路における渋滞の発生状況を正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る渋滞判定システムの構成を示す概略図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る路側装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る路側装置が生成する車両情報の一例を示す図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係る渋滞判定装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係る渋滞判定装置が生成する渋滞状況情報の一例を示す図である。
【
図6】本開示の第1実施形態に係る渋滞判定装置が記憶する全車両情報の一例を示す図である。
【
図7】本開示の第1実施形態に係る渋滞判定装置が記憶する渋滞判定情報の一例を示す図である。
【
図8】本開示の第1実施形態に係る渋滞判定システムの処理を示すシーケンス図である。
【
図9】本開示の第1実施形態に係る路側装置の処理を示すフローチャートである。
【
図10】本開示の第1実施形態に係る渋滞判定装置の処理を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の第2実施形態に係る渋滞判定装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図12】本開示の第3実施形態に係る渋滞判定装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図13】本開示の第4実施形態に係る渋滞判定装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図14】本開示の第5実施形態に係る渋滞判定装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図15】本開示の第6実施形態に係る渋滞判定装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図16】本開示の第7実施形態に係る渋滞判定装置の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本開示の第1実施形態に係る渋滞判定システムについて、
図1から
図10を参照して説明する。
【0012】
図1は、第1実施形態に係る渋滞判定システム100の構成を示す概略図である。渋滞判定システム100は、車両C1、C2などが通行する有料道路10に、渋滞が発生しているか否かを判定する。有料道路10は、車両が通行する際に、所定区間ごとに、通行料金の支払いが必要となる高速道路などである。日本では、車両は、「軽・二輪」、「普通車」、「中型車」、「大型車」、「特大車」の5つに区分される。ここでは、車両C1が「普通車」であり、車両C2が「特大車」である場合について説明する。
【0013】
有料道路10には、入口G1、料金所G2、出口G3、出口G4が設けられている。ここでは、車両C1が、入口G1から有料道路10に乗り、料金所G2を通過し、出口G3で有料道路10を降りる場合について説明する。また、車両C1が、入口G1から有料道路10に乗り、料金所G2を通過し、出口G4で有料道路10を降りる場合について説明する。
【0014】
図1に示す渋滞判定システム100は、路側装置200a、200b、200c、200d、渋滞判定装置300a、クラウドサーバ400を備える。路側装置200aは、有料道路10の入口G1に設置され、入口G1を通過する車両から車両情報を取得し、取得した車両情報を、無線通信により、渋滞判定装置300aに送信する。路側装置200bは、有料道路10の料金所G2に設置され、料金所G2を通過する車両から車両情報を取得し、取得した車両情報を、無線通信により、渋滞判定装置300aに送信する。
【0015】
路側装置200cは、有料道路10の出口G3に設置され、出口G3を通過する車両から車両情報を取得し、取得した車両情報を、無線通信により、渋滞判定装置300aに送信する。路側装置200dは、有料道路10の出口G4に設置され、出口G4を通過する車両から車両情報を取得し、取得した車両情報を、無線通信により、渋滞判定装置300aに送信する。
【0016】
渋滞判定装置300aは、PC(Personal Computer)などにより構成される。渋滞判定装置300aは、有料道路10のサービスを提供する会社が構築するローカルネットワークにより、路側装置200a、200b、200c、200dと、通信可能なように接続されている。渋滞判定装置300aは、路側装置200a、200b、200c、200dのそれぞれから、車両情報を取得し、その車両情報に基づいて、渋滞状況情報を生成し、生成した渋滞状況情報を、クラウドサーバ400に送信する。
【0017】
クラウドサーバ400は、PCなどにより構成される。クラウドサーバ400は、渋滞判定装置300aと、インターネットなどの公衆通信網20により接続される。クラウドサーバ400は、渋滞判定装置300aから受信する渋滞状況情報を記憶し、ユーザからの要求に応じて、ユーザに、渋滞状況情報を提供する。
【0018】
図2は、第1実施形態に係る路側装置200a(
図1)の構成を示す概略ブロック図である。なお、
図1に示す路側装置200b、200c、200dの構成は、路側装置200aと同様であるので、路側装置200b、200c、200dの構成の説明は省略する。
【0019】
路側装置200aは、制御部201、センサ202、撮影部203、クロック204、検出時刻記憶部205、通信インタフェース206を備える。制御部201は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、車両検出部2011、車両情報生成部2012、車両情報送信部2013を備える。車両検出部2011は、センサ202を用いることにより、路側装置200aの所定の範囲内(例えば、3m以内)に、車両が存在するか否かを検出する。車両情報生成部2012は、車両情報を生成する。
【0020】
図3は、第1実施形態に係る路側装置200aの車両情報生成部2012が生成する車両情報Z1の一例を示す図である。車両情報Z1では、車両識別情報(例えば、1000004)と、車両検出時刻(例えば、2020年12月04日09時00分00秒)と、路側装置識別情報(例えば、200001)とが対応付けられている。車両識別情報は、車両検出部2011で検出された車両のナンバープレートに記載されている番号の情報である。また、車両検出時刻は、車両検出部2011により、車両が検出された時刻である。また、路側装置識別情報は、路側装置200aを、他の路側装置200b、200cなどから識別するための情報である。
【0021】
図2の説明に戻り、車両情報送信部2013は、車両情報生成部2012が生成した車両情報Z1(
図3参照)を、通信インタフェース206を介して、渋滞判定装置300aに送信する。
【0022】
センサ202は、光学センサであり、有料道路10の入口G1を通過する車両を、光学的に検知する。撮影部203は、高精細カメラであり、有料道路10の入口G1を通過する車両のナンバープレートを含む画像を撮影する。クロック204は、現在時刻を計測する。検出時刻記憶部205は、RAM(Random Access Memory)などであり、車両検出部2011が、クロック204を用いて、車両を検出した時刻を記憶する。通信インタフェース206は、アンテナなどであり、路側装置200aが、渋滞判定装置300aと通信する際に用いられる。
【0023】
図4は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300a(
図1)の構成を示す概略ブロック図である。渋滞判定装置300aは、制御部301、全車両情報記憶部302、渋滞判定情報記憶部303、渋滞状況情報記憶部304、通信インタフェース305を備える。制御部301は、車両識別情報取得部3011、判定部3012、渋滞状況情報生成部3013、渋滞状況情報送信部3014を備える。
【0024】
車両識別情報取得部3011は、通信インタフェース305を介して、有料道路10に設置される路側装置200a、200b、200c、200dの各々から、
図3に示すように車両情報Z1を取得する。判定部3012は、全車両情報記憶部302が記憶する全車両情報に基づいて、有料道路10に渋滞が発生しているか否かを判定する。渋滞状況情報生成部3013は、有料道路10の渋滞状況を示す渋滞状況情報を生成する。
【0025】
図5は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300aが生成する渋滞状況情報Z2の一例を示す図である。渋滞状況情報Z2では、出発地点(例えば、入口G1)と、到達地点(例えば、出口G3)と、平均所要時間算出日時(例えば、2020年12月04日09時00分)と、平均所要時間(例えば、25分)と、渋滞状況(例えば、渋滞気味)とが対応付けられている。出発地点は、有料道路10で渋滞が発生しているか判定する区間のうち、車両が最初に通過する入口G1を示す。
【0026】
到達地点は、有料道路10で渋滞が発生しているか判定する区間のうち、車両が最後に通過する出口G3を示す。平均所要時間算出日時は、所定時間ごと(
図5では、5分ごと)に算出される渋滞状況が算出された時刻を示す。平均所要時間は、渋滞判定装置300aにより算され、出発地点から到達地点まで、車両で移動するのに、どれくらいの時間がかかると予想されるかを示す。渋滞状況は、有料道路10の渋滞がどの程度であるかを示し、渋滞なし、渋滞気味、渋滞、ひどい渋滞に区分される。
【0027】
なお、
図5では、所定時間ごと(つまり、5分ごと)に、出発地点である入口G1と到達地点である出口G3の間で渋滞が発生しているかに関する情報を示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、1分ごとや、10分ごとに、
図5に示す渋滞状況情報Z2を生成してもよい。また、入口G1と出口G3の間の渋滞状況のみではなく、入口G1と出口G4の間の渋滞状況や、入口G1と料金所G2の間の渋滞状況や、料金所G2と到達地点D3の間の渋滞状況や、料金所G2と到達地点D4の間の渋滞状況を算出するようにしてもよい。
【0028】
図4の説明に戻り、渋滞状況情報送信部3014は、渋滞状況情報記憶部304が記憶する渋滞状況情報(
図5)を、通信インタフェース305を介して、クラウドサーバ400に送信する。
【0029】
全車両情報記憶部302は、RAMなどにより構成され、車両識別情報取得部3011が、それぞれの路側装置200a、200b、200c、200dから取得した車両情報Z1(
図3)に基づいて生成される全車両情報Z3を記憶する。
【0030】
図6は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300aが記憶する全車両情報Z3の一例を示す図である。全車両情報Z3では、車両識別情報と、出発地点と、車両検出時刻と、走行時間とが対応付けて記憶される。車両識別情報は、有料道路10の入口G1と出口G3の両方を通過した車両の識別情報であり、路側装置200aと路側装置200cから送信された車両情報Z1(
図3)の両方に含まれる識別情報である。
【0031】
出発地点は、有料道路10で渋滞が発生しているか否かを判定する区間の始まりの地点を示す。到達地点は、有料道路10で渋滞が発生しているか否かを判定する区間の終わりの地点を示す。車両検出時刻は、到達地点である出口G3で、車両が検出された時刻であり、路側装置200cから送信された車両情報Z1(
図3)に基づいて特定される。
【0032】
図4に戻り、渋滞判定情報記憶部303は、RAMなどにより構成され、有料道路10で渋滞が発生しているか否かを判定する際に用いられる渋滞判定情報を記憶する。
【0033】
図7は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300aが記憶する渋滞判定情報Z4の一例を示す図である。渋滞判定情報Z4は、渋滞判定装置300aによる渋滞判定の処理が開始される前に、渋滞判定情報記憶部303に予め記憶される。全車両情報Z4では、出発地点(例えば、入口G1)、到達地点(例えば、出口G3)、距離(例えば、20km)、通常所要時間(例えば、15分)、渋滞なし(例えば、20分未満)、渋滞気味(例えば、20分以上、30分未満)、渋滞(例えば、30分以上、60分未満)、ひどい渋滞(60分以上)が、対応付けられて記憶される。
【0034】
出発地点は、有料道路10で渋滞が発生しているかを判定する区間の始まりの地点を示す。到達地点は、有料道路10で渋滞が発生しているかを判定する区間の終わりの地点を示す。距離は、出発地点から到達地点まで、何キロメートルあるかを示す。通常所要時間は、出発地点から到達地点まで、車両で移動するのに、渋滞が発生していない場合に、どれくらいの時間がかかるかを示す。
【0035】
出発地点である入口G1から、到達地点である出口G3まで、車両で移動するのに要した時間を、X分とした場合、判定部3012(
図4)は、
図7に示す渋滞判定情報Z4を参照することにより、X分が、20分未満であれば、渋滞なしと判定し、20分以上、30分未満である場合には、渋滞気味と判定し、30分以上、60分未満である場合には、渋滞と判定し、60分以上である場合には、ひどい渋滞と判定する。
【0036】
図4に戻り、通信インタフェース305は、無線通信又は有線通信を行うための通信機器により構成され、路側装置200a、200b、200c、200dや、クラウドサーバなどとの通信を行う際に用いられる。
【0037】
図8は、第1実施形態に係る渋滞判定システム100(
図1)の処理を示すシーケンス図である。路側装置200aは、路側装置200aが設置されている入口G1を通過する車両を検出すると、その車両から車両情報(
図3)を取得し、渋滞判定装置300aに送信する(ステップS101)。路側装置200bは、路側装置200bが設置されている料金所G2を通過する車両を検出すると、その車両から車両情報を取得し、渋滞判定装置300aに送信する(ステップS102)。
【0038】
路側装置200cは、路側装置200cが設置されている出口G3を通過する車両を検出すると、その車両から車両情報を取得し、渋滞判定装置300aに送信する(ステップS103)。路側装置200dは、路側装置200dが設置されている出口G4を通過する車両を検出すると、その車両から車両情報を取得し、渋滞判定装置300aに送信する(ステップS104)。
【0039】
渋滞判定装置300aは、ステップS101~S104で、路側装置200a、200b、200c、200dのそれぞれから受信した車両情報(
図3)に基づいて、渋滞状況情報Z2(
図5)を生成し、クラウドサーバ400に送信する(ステップS105)。有料道路10を、利用しようとしている車両の運転手は、車両で有料道路10に入る前に、運転手が保有するスマートフォンなどの携帯端末を用いて、クラウドサーバ400に、渋滞状況情報(
図5)の送信を要求する(ステップS106)。
【0040】
ステップS106で、携帯端末から送信要求を受信したクラウドサーバ400は、その携帯端末に対して、渋滞状況情報(
図5)を送信する(ステップS107)。これにより、運転手は、有料道路10を利用する前に、現在、有料道路10の出発地点から到達地点まで、車両で移動するのに、どれくらいの時間がかかるのかを知ることができる。
【0041】
図9は、第1実施形態に係る路側装置200a(
図2)の処理を示すフローチャートである。なお、路側装置200b、200c、200dの処理は、路側装置200aと同様であるので、路側装置200b、200c、200dの処理の説明は省略する。
【0042】
始めに、路側装置200aの車両検出部2011は、車両を検出したか否かについて判定する(ステップS201)。具体的には、車両検出部2011は、路側装置200aが設置されている有料道路10の入口G1に、車両が進入してきたか否かを、センサ202により検出する。車両検出部2011が、車両を検出していない場合には(ステップS201でNO)、ステップS201の処理を繰り返す。一方、車両検出部2011が、車両を検出した場合には(ステップS201でYES)、車両検出部2011は、クロック204を参照することにより、車両検出部2011が車両を検出した時刻を特定し、その時刻を、検出時刻記憶部205に記憶させる(ステップS202)。
【0043】
また、車両検出部2011は、撮影部203を用いて、ステップS201で検出された車両の車両識別情報(ここでは、ナンバープレート)を含む画像を撮影する(ステップS203)。車両検出部2011は、ステップS2011で撮影された画像を解析することにより、ステップS201で検出した車両の車両識別情報を特定することにより、車両識別情報を取得する(ステップS204)。
【0044】
車両情報生成部2012は、ステップS204で取得した画像識別情報と、検出時刻記憶部205に記憶されている検出時刻と、路側装置200aを他の路側装置から識別するための識別情報とを対応付けることにより、車両情報(
図3)を生成する(ステップS205)。車両情報送信部2013は、通信インタフェース206を介して、ステップS205で生成された車両情報Z1を、渋滞判定装置300aに送信する(ステップS206)。
【0045】
図10は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300a(
図4)の処理を示すフローチャートである。なお、ここでは、
図1に示す有料道路10の入口G1から出口G3までの間で渋滞が発生しているか否かを判定する場合について説明する。始めに、渋滞判定装置300aの車両識別情報取得部3011は、有料道路10に設置される路側装置200a~200dのそれぞれから送信される車両識別情報を含む車両情報(
図3)を受信する(ステップS301)。
【0046】
判定部3012は、ステップS301で取得した車両情報に基づいて、全車両情報(
図6)を生成し、全車両情報記憶部302に記憶させる(ステップS302)。具体的には、判定部3012は、出発地点である入口G1に設置されている路側装置200aから受信した車両情報(
図3)に含まれる車両識別情報と、到達地点である出口G3に設置されている路側装置200cから受信した車両情報に含まれる車両識別情報とを互いに照合することにより、両方の車両情報に共通して含まれている車両識別情報を抽出して、全車両情報(
図6)に記載する。
【0047】
また、ここでは、有料道路10の入口G1から出口G3までの間で渋滞が発生しているか否かを判定するので、判定部3012は、全車両情報(
図6)の出発地点に、入口G1の情報を記入するとともに、全車両情報(
図6)の到達地点に、出口G3の情報を記入する。また、判定部3012は、出口G3に設置された路側装置200cから受信した車両情報に含まれている車両検出時刻を、全車両情報(
図6)の車両検出時刻として記載する。
【0048】
また、判定部3012は、同一の車両識別情報について、出口G3に設置された路側装置200cから受信した車両情報に含まれている車両検出時刻から、入口G1に設置された路側装置200aから受信した車両情報に含まれている車両検出時刻を減算することにより求めた時間を、全車両情報(
図6)の走行時間として記載する。走行時間は、入口G1に設置される路側装置200aを通過してから、出口G3に設置される路側装置200cを通過するのに要した時間である。
【0049】
判定部3012は、ステップS302で全車両情報記憶部302に記憶した全車両情報に基づいて、所定時間ごと(ここでは、5分ごと)に、出発地点である入口G1から到達地点である出口G3まで移動するのに要する平均所要時間を算出する(ステップS303)。具体的には、判定部3012は、全車両情報(
図6)において、出発地点が入口G1であって、到達地点が出口G3となっている情報であって、車両検出時刻が、現在時刻から、現在時刻の5分前までの情報を抽出し、抽出された情報の走行時間を合計し、抽出された情報の数で除算することにより、平均所要時間を算出する。
【0050】
判定部3012は、ステップS303で算出した平均所要時間に基づいて、出発地点である入口G1から、到達地点である出口G3までの間で、渋滞が発生しているか否かを判定する(ステップS304)。具体的には、ステップS303で算出した平均所要時間を、X分とした場合に、判定部3012は、平均所要時間Xが、渋滞判定情報記憶部303が記憶する渋滞判定情報(
図7)において、入口G1と出口G3の間の渋滞判定の区分である渋滞なし(20分未満)、渋滞気味(20分以上、30分未満)、渋滞(30分以上、60分未満)、ひどい渋滞(60分以上)のいずれの区分に属するかを判定することにより、入口G1から出口G3までの間の渋滞の状況を判定する。
【0051】
渋滞状況情報送信部3014は、ステップS304で生成された渋滞状況情報(
図5)を、通信インタフェース305を介して、クラウドサーバ400に送信する(ステップS305)。
【0052】
第1実施形態によれば、これから有料道路10を車両で走行しようとしている運転手は、保有している携帯電話で、クラウドサーバ40から、所定時間ごとに更新される渋滞状況情報(
図5)を取得することができ、出発地点から目的地点まで車両で走行するのに、どれくらいの時間がかかるのかを、出発地点から目的地点までを実際に走行した車両から得られた情報に基づいて、ほぼリアルタイムに(ここでは、5分ごとに)、正確に知ることができる。
【0053】
今現在、高速道路の渋滞状況を判定するために、高速道路に、数キロおきに、トラフィックカウンタを設置しており、多数のトラフィックカウンタを設置する必要があるため、多額の費用が必要となる。しかし、第1実施形態による渋滞判定システム100を用いれば、有料道路10に多数のトラフィックカウンタを設置する必要は無く、路側装置200a~200dを、有料道路10の入口G1、料金所G2、出口G3及びG4に設置すればよいため、多大な費用をかけることなく、有料道路10の渋滞状況を判定することができる。
【0054】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態による渋滞判定装置が、第1実施形態による渋滞判定装置300a(
図4)と同様である部分については、その説明を省略する。なお、第2実施形態では、路側装置200a~200dは、
図3に示される車両情報Z1に含まれる車両識別情報、車両検出時刻、路側装置識別情報に加えて、車種情報も、渋滞判定装置300bに送信する。
【0055】
車種情報は、路側装置200a~200dが検出した車両が、「軽・二輪」、「普通車」、「中型車」、「大型車」、「特大車」のいずれの区分に属するかを示す。なお、路側装置200a~200dは、それらが設置されている有料道路10の入口G1、料金所G2、出口G3、G4を通過する車両に搭載されている車載器(例えば、カーナビゲーションシステム)が、入口G1、料金所G2、出口G3、G4に設けられている課金装置と通信する際にやりとりされる信号に含まれる車種情報を受信することなどにより、車種情報を取得する。
【0056】
図11は、第2実施形態に係る渋滞判定装置300bの構成を示す概略ブロック図である。第2実施形態に係る渋滞判定装置300b(
図11)は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300a(
図4)と比べて、車種情報取得部3020を備えている点で異なる。車種情報取得部3020は、路側装置200a~200dから送信される車両情報に含まれる車種情報を取得する。
【0057】
第2実施形態の渋滞判定装置300bの判定部3012(
図11)は、
図10に示される渋滞判定装置300aの処理において、車種情報取得部3020が取得した車種情報も用いて、渋滞状況の判定を行う。具体的には、第2実施形態の判定部3012(
図11)は、車種情報で示される区分ごとに、出発地点である入口G1から、到達地点である出口G3までの区間が渋滞しているか否かを判定する。
【0058】
第2実施形態では、車種情報で特定される区分ごとに、渋滞状況情報Z2(
図5)を生成して、クラウドサーバ400(
図1)に送信することができる。普通車と、特大車とでは、車両の大きさや重さが大きく異なるため、同じ区間(例えば、有料道路10の入口G1から出口G3までの区間)を走行する場合であっても、走行時間に差が生じることもある。
【0059】
第2実施形態では、車種区分ごとに、有料道路10の渋滞状況を判定するため、車両の運転手は、運転する車両の車種区分に対応する渋滞状況情報を取得することができ、出発地点から目的地点まで移動するために、どれくらいの時間がかかるのかを、車種区分も考慮した上で、正確に知ることができる。
【0060】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態による渋滞判定装置が、第1実施形態による渋滞判定装置300a(
図4)と同様である部分については、その説明を省略する。
【0061】
図12は、第3実施形態に係る渋滞判定装置300cの構成を示す概略ブロック図である。第3実施形態に係る渋滞判定装置300c(
図12)は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300a(
図4)と比べて、渋滞予測部3030を備えている点で異なる。
【0062】
第3実施形態の渋滞予測部3030は、渋滞状況情報記憶部304(
図12)が記憶している渋滞状況情報(
図5)を用いて、渋滞予測を行う。具体的には、渋滞予測部3030は、渋滞状況情報記憶部304(
図12)が記憶している渋滞状況情報(
図5)から、所定の曜日(例えば、日曜日)の所定の時間帯(例えば、17時~20時)に、所定の区間(例えば、有料道路10の入口G1から出口G3までの区間)において、渋滞が発生すると判定されている場合には、今までに渋滞が多く発生している曜日、時間帯、区間について、クラウドサーバ400に送信する。
【0063】
第3実施形態によれば、有料道路10の所定の区間を実際に走行した車両の情報に基づいた過去の渋滞状況に基づいて、将来の渋滞状況を予測するため、より正確な渋滞予測を行うことができる。
【0064】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態による渋滞判定装置が、第1実施形態による渋滞判定装置300a(
図4)と同様である部分については、その説明を省略する。
【0065】
図13は、第4実施形態に係る渋滞判定装置300dの構成を示す概略ブロック図である。第4実施形態に係る渋滞判定装置300d(
図13)は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300a(
図4)と比べて、推奨情報通知部3040を備えている点で異なる。
【0066】
第4実施形態の推奨情報通知部3040は、渋滞状況情報記憶部304(
図13)が記憶している渋滞状況情報(
図5)を用いて、車両の運転手が保持している携帯端末などに対して、推奨情報を通知する。具体的には、推奨情報通知部3040は、渋滞状況情報(
図5)を参照することにより、ある人が、平日の同じ時間(例えば、7時~8時)に、通常は渋滞が発生していない有料道路10の同じ区間(例えば、有料道路10の入口G1から出口G3までの区間)を走行する場合において、平日の6時30分時点で、渋滞が発生している場合には、その人の携帯端末に対して、「今日は朝から渋滞が発生しているので高速使わない方がいいですよ」というメッセージや、「時間帯をずらして出勤してはどうですか(時差出勤)」というメッセージを送信する。
【0067】
第4実施形態によれば、それぞれの利用者による有料道路10の利用履歴に基づいて、有料道路10に発生している渋滞に巻き込まれないための推奨情報を、利用者ごとに通知することができるため、利用者が有料道路10で渋滞に巻き込まれる確率を低くすることができる。
【0068】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態による渋滞判定装置が、第1実施形態による渋滞判定装置300a(
図4)と同様である部分については、その説明を省略する。なお、第5実施形態では、路側装置200a~200dは、
図3に示される車両情報Z1に含まれる車両識別情報、車両検出時刻、路側装置識別情報に加えて、料金情報も、渋滞判定装置300bに送信する。料金情報は、有料道路10の入口G1、料金所G2、出口G3、G4を車両が通過する際に、車両の運転手が、通行料金を、電子式料金収受システム(Electronic Toll Collection System;ETC(登録商標)、「自動料金収受システム」とも言う)により支払ったのか、現金で支払ったかなどの支払い方法を示す情報である。
【0069】
図14は、第5実施形態に係る渋滞判定装置300eの構成を示す概略ブロック図である。第5実施形態に係る渋滞判定装置300e(
図14)は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300a(
図4)と比べて、料金情報取得部3050を備えている点で異なる。料金情報取得部3050は、路側装置200a~200dから送信される車両情報に含まれる料金情報を取得する。
【0070】
第5実施形態の料金情報取得部3050の判定部3012(
図14)は、
図10に示される渋滞判定装置300aの処理において、車種情報取得部3020が取得した料金情報も用いて、渋滞状況の判定を行う。具体的には、第5実施形態の判定部3012(
図14)は、料金情報で示される区分ごとに、出発地点である入口G1から、到達地点である出口G3までの区間が渋滞しているか否かを判定する。
【0071】
第5実施形態では、料金情報で特定される区分ごとに、渋滞状況情報Z2(
図5)を生成して、クラウドサーバ400(
図1)に送信することができる。現金により通行料金を支払う場合には、料金所のスタッフとのやりとりが必要であるため、電子式料金収受システムで通行料金を支払う場合と比べて、有料道路10を通行するのに、より多くの時間が必要となる。
【0072】
第5実施形態では、料金情報ごとに、有料道路10の渋滞状況を判定するため、車両の運転手は、通行料金の支払い方法に対応する渋滞状況情報を取得することができ、出発地点から目的地点まで移動するために、どれくらいの時間がかかるのかを、通行料金の支払い方法も考慮した上で、正確に知ることができる。
【0073】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態による渋滞判定装置が、第1実施形態による渋滞判定装置300a(
図4)と同様である部分については、その説明を省略する。
【0074】
図15は、第6実施形態に係る渋滞判定装置300fの構成を示す概略ブロック図である。第6実施形態に係る渋滞判定装置300f(
図15)は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300a(
図4)と比べて、割引情報通知部3060を備えている点で異なる。
【0075】
第6実施形態の割引情報通知部3060は、渋滞状況情報記憶部304(
図15)が記憶している渋滞状況情報(
図5)を用いて、車両の運転手が保持している携帯端末などに対して、割引情報を通知する。具体的には、割引情報通知部3060は、渋滞状況情報(
図5)を参照することにより、有料道路10の入口G1から出口G3までを走行した車両の速度を算出し、例えば、その速度が、法定速度の90%~100%の範囲に収まっている場合には、その車両の運転手が保持する携帯端末などに、通行料金を割り引くクーポンの情報を通知する。
【0076】
第6実施形態によれば、有料道路の所定区間を、法定速度を超えないように走行した車両を特定することができるため、法定速度を守って有料道路10を走行した運転手に対して、通行料金を割り引く割引情報を通知することにより、法定速度を守って走行する車両の数が増加することを期待することができる。
【0077】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について説明する。第7実施形態による渋滞判定装置が、第1実施形態による渋滞判定装置300a(
図4)と同様である部分については、その説明を省略する。
【0078】
図16は、第7実施形態に係る渋滞判定装置300gの構成を示す概略ブロック図である。第7実施形態に係る渋滞判定装置300g(
図16)は、第1実施形態に係る渋滞判定装置300a(
図4)と比べて、車両通知部3070を備えている点で異なる。
【0079】
第7実施形態の車両通知部3070は、渋滞状況情報記憶部304(
図16)が記憶している渋滞状況情報(
図5)を用いて、車両の運転手が保持している携帯端末などに対して、警告情報を通知する。具体的には、割引情報通知部3060は、渋滞状況情報(
図5)を参照することにより、有料道路10の入口G1から出口G3までを走行した車両の速度を算出し、算出した速度が、法定速度の120%を超えている場合には、その車両の運転手が保持する携帯端末などに、法定速度を超過して運転していたことを警告するメッセージを通知する。なお、ここでは、警告情報を、速度超過の運転をした運転手に通知する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、警察などに通報するようにしてもよい。
【0080】
第7実施形態によれば、有料道路の所定区間を、法定速度を超過して走行した車両を特定することができ、速度超過の運転をした運転手に対して、警告情報を通知することができるため、法定速度を守って走行する車両の数が増加することを期待することができる。
【0081】
なお、上記第1~第7実施形態では、車両C1、C2を識別する車両識別情報は、車両C1、C2に取り付けられたナンバープレートに記載された情報である場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、車両識別情報として、ナンバープレートに記載された情報、車両C1、C2に搭載される車載器を識別するための車載器識別情報、車載器に挿入されるクレジットカードのカード番号、車両の車体や運転手の顔が映った撮影画像のいずれか、あるいは、それらの組み合わせを、車両識別情報として用いてもよい。
【0082】
なお、
図4、
図11~
図16における渋滞判定装置300a~300gの各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより
図4、
図11~
図16における各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0083】
<付記>
各実施形態に記載の渋滞判定装置300a~300gは、例えば以下のように把握される。
【0084】
(1)第1態様に係る渋滞判定装置300aは、有料道路10に設置される複数の路側装置200a~200dの各々から、有料道路10を通行する複数の車両C1、の各々を識別可能な車両識別情報を取得する車両識別情報取得部3011と、車両識別情報取得部3011が取得した車両識別情報に基づき、有料道路10に渋滞が発生しているか否かを判定する判定部3012と、を備える。
【0085】
(2)第2態様に係る渋滞判定装置300aでは、車両識別情報取得部3011は、車両識別情報として、有料道路10を通行する複数の車両C1、C2のナンバープレート情報、車載器識別情報、カード番号、撮影画像の少なくともいずれかを取得する。
【0086】
(3)第3態様に係る渋滞判定装置300aでは、判定部3012は、複数の路側装置200a~200dから取得した車両識別情報どうしを照合する。
【0087】
(4)第4態様に係る渋滞判定装置300aでは、判定部3012は、複数の車両C1、C2が、複数の路側装置200a~200dを通過した時刻に基づき、複数の車両C1、C2が、複数の路側装置200a~200dの間を通過するのに要した走行時間を算出し、算出された前記走行時間にもとづき渋滞が発生しているか否かを判定する。
【0088】
(5)第5態様に係る渋滞判定装置300aでは、判定部3012は、車両識別情報取得部3011が取得した車両識別情報に基づいて、複数の車両C1、C2が有料道路10を通行するのに要した平均所要時間を算出し、算出した平均所要時間に基づき、渋滞が発生しているか否かを判定する。
【0089】
(6)第6態様に係る渋滞判定装置300aでは、複数の路側装置200a~200dは、有料道路10の入口G1と、有料道路10の出口G3、G4と、入口G1と出口G3、G4の間に設けられる料金所G2と、に設けられる。
【0090】
(7)第7態様に係る渋滞判定装置300bでは、車両識別情報取得部3011は、複数の車両C1、C2の車種を判別する車種情報を取得する車種情報取得部3020を更に備える。
【0091】
(8)第8態様に係る渋滞判定装置300cは、判定部3012による判定結果に基づいて、有料道路10において発生する渋滞を予測する渋滞予測部3030を更に備える。
【0092】
(9)第9態様に係る渋滞判定装置300dは、判定部3012による判定結果に基づいて、渋滞を避けるための推奨情報を通知する推奨情報通知部3040を更に備える。
【0093】
(10)第10態様に係る渋滞判定装置300eは、複数の車両C1、C2が、複数の路側装置200a~200dの間を通行するのに必要な通行料金の支払い方法の情報を更に取得する料金情報取得部3050を更に備える。
【0094】
(11)第11態様に係る渋滞判定装置300eは、車両識別情報取得部3011が取得した車両識別情報に基づいて、複数の車両C1、C2が有料道路10を通行した時の速度を算出し、算出した速度に基づいて、複数の車両C1、C2が、複数の路側装置200a~200dの間を通行する際に必要な通行料金を割引する割引情報を通知する割引情報通知部3060を更に備える。
【0095】
(12)第12態様に係る渋滞判定装置300fは、車両識別情報取得部3011が取得した車両識別情報に基づいて、複数の車両C1、C2が有料道路10を通行した時の速度を算出し、算出した前記速度が所定の条件を満たす車両を通知する車両通知部3070を更に備える。
【0096】
(13)第13態様に係る渋滞判定方法は、有料道路10に設置される複数の路側装置200a~200dの各々から、有料道路10を通行する複数の車両C1、C2の各々を識別可能な車両識別情報を取得する車両識別情報取得ステップS301と、車両識別情報取得ステップS301で取得した車両識別情報に基づき、有料道路10に渋滞が発生しているか否かを判定する判定ステップS304と、を有する。
【0097】
(14)第14態様に係るプログラムは、渋滞判定装置300aのコンピュータに、有料道路10に設置される複数の路側装置200a~200dの各々から、有料道路10を通行する複数の車両C1、C2の各々を識別可能な車両識別情報を取得する車両識別情報取得ステップS301と、車両識別情報取得ステップS301で取得した車両識別情報に基づき、有料道路10に渋滞が発生しているか否かを判定する判定ステップS304と、を実行させる。
【符号の説明】
【0098】
100 渋滞判定システム
200a、200b、200c、200d 路側装置
201 制御部
202 センサ
203 撮影部
204 クロック
205 検出時刻記憶部
206 通信インタフェース
300a~300g 渋滞判定装置300
301 制御部301
302 全車両情報記憶部
303 渋滞判定情報記憶部
304 渋滞状況情報記憶部
305 通信インタフェース
400 クラウドサーバ
2011 車両検出部
2012 車両情報生成部
2013 車両情報送信部
3011 車両識別情報取得部
3012 判定部
3013 渋滞状況情報生成部
3014 渋滞状況情報送信部
3020 車種情報取得部
3030 渋滞予測部
3040 推奨情報通知部
3050 料金情報取得部
3060 割引情報通知部
3070 車両通知部