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  • 特許-眼鏡の鼻当て用の鼻パッド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】眼鏡の鼻当て用の鼻パッド
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/12 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G02C5/12
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021525152
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2019078685
(87)【国際公開番号】W WO2020094384
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】102018000010186
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521196523
【氏名又は名称】ルックスオティカ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】LUXOTTICA S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Valcozzena, 10, I-32021 AGORDO (Italy)
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドノリ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ボルソイ,ファビオ
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0160472(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105929564(CN,A)
【文献】国際公開第2018/147124(WO,A1)
【文献】特開2006-040109(JP,A)
【文献】特開2005-149079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に透明な材料で作られ、ユーザの鼻に直接載置され得る載置面(S)を画定する眼鏡の鼻当て用の鼻パッド(5)であって、
前記鼻パッド(5)に固定され、前記眼鏡のフレームと一体となった支持ピン(2b)への接続のための貫通孔が設けられた接続部(5b)と、
前記鼻パッド(5)内に少なくとも部分的に埋め込まれ、前記鼻パッド(5)の前記載置面(S)の透明部分を通して外側から見える挿入物(7)とを備え、
前記鼻パッド(5)の前記接続部(5b)は、少なくとも弾性的に変形可能な材料で作られ、前記挿入物(7)には、外部の読取り装置によって読取られるように適合された識別装置(15)が設けられており、
前記挿入物には、前記識別装置(15)の収容のための台座(16)が設けられており、
前記挿入物(7)に規定された前記台座(16)は、前記識別装置(15)の収容を可能にするのに好適な寸法および形状の、前記挿入物(7)の外形輪郭を中断する貫通台座(16)であり、
前記挿入物(7)には、前記識別装置(15)を、前記貫通台座(16)に収容されたまま保つように適合された粘着ラベル(17)が設けられており、
前記粘着ラベル(17)は、前記貫通台座(16)によって中断される前記挿入物(7)の輪郭を完成させ、前記識別装置(15)のための載置面を構成するものであり、
前記貫通台座を備える前記挿入物は、前記粘着ラベル(17)よりも短く、
前記識別装置に対して突出している前記粘着ラベル(17)の部分は、前記鼻パッドに接着されている、鼻パッド(5)。
【請求項2】
前記鼻パッド(5)および前記接続部(5b)は、前記変形可能な材料によって一体的に設けられ、前記変形可能な材料は、少なくとも部分的に透明であることを特徴とする、請求項1に記載の鼻パッド。
【請求項3】
前記挿入物(7)はプレート(7a)を含み、前記プレート(7a)は、前記鼻パッド(5)の前記載置面(S)に対して反対側に1対の突出部(7b)を有し、前記1対の突出部(7b)は、前記変形可能な材料によって少なくとも部分的にカバーされていないことを特徴とする、請求項1に記載の鼻パッド。
【請求項4】
前記挿入物(7)はプレート(7a)を含み、前記プレート(7a)は、前記鼻パッド(5)の前記載置面(S)に対して反対側に1対の突出部(7b)を有し、前記1対の突出部(7b)の、前記プレート(7a)に向かって突出する内面が、前記変形可能な材料によって少なくとも部分的にカバーされていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の鼻パッド。
【請求項5】
前記識別装置(15)はRFIDタグであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の鼻パッド。
【請求項6】
前記識別装置(15)はNFCタグであることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の鼻パッド。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の鼻パッドを少なくとも1つ含むことを特徴とする、眼鏡。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の鼻パッドを提供するための方法であって、
- 挿入物(7)から始めて、1対の突出部(7b)が立ち上がる前記挿入物(7)の一面から、前記挿入物(7)における貫通台座(16)を規定するステップと、
- 前記挿入物(7)の、前記1対の突出部(7b)が立ち上がる前記一面とは反対側の面に、粘着ラベル(17)を貼るステップと、
- 前記挿入物(7)の前記貫通台座(16)に識別装置(15)を挿入するステップとを含み、前記識別装置(15)は前記粘着ラベル(17)によって前記台座(16)にロックされ、前記方法はさらに、
- 前記挿入物(7)のまわりでオーバーモールドすることによって前記鼻パッド(5)および前記接続部(5b)を形成するように、前記挿入物(7)を金型に挿入するステップを含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡の鼻当て用の鼻パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡分野では、鼻当てとは、フレームがユーザの鼻に載せられることを可能にする、フレームの一部を形成する構造である。
【0003】
鼻当ては一般に、1対のピンを含み、それらは、ブリッジから遠ざかって延在しており、それらの下端で、ユーザの鼻と直接接触するように適合されたそれぞれの鼻パッドを支持する。特に、鼻パッドは背面接続部を有し、それには、それぞれのピンの端部を収容するように設計された貫通孔が設けられている。
【0004】
ユーザのための所望のレベルの快適さを伝えるための主な要件のうちの1つは、鼻パッドが、鼻の形状構造に適合するような何らかの可動性を提供することである、ということが知られている。
【0005】
したがって、鼻パッドの何らかの可動性を可能にするように適合された硬質の鼻パッドを一般に含む解決策、たとえば、イタリア特許出願第PD2003A000078号に記載されたタイプの解決策が知られている。当該特許出願では、鼻パッドとピンとの結合が、ピンが挿入される貫通孔の、特に孔の両端から内側へのテーパ付けによって得られる。鼻パッドとピンとのそのような接続システムはさらに、ピンに対する鼻パッドの角偏位を制限するように実現される。
【0006】
上述の解決策では、さらに、鼻パッド内に埋め込まれ、メーカーのロゴまたは文言が記載された挿入物の使用が知られており、ロゴまたは文言は、透明の硬質材料から鼻パッドを作ることによって、外側から見える。
【0007】
適切な置き換えやすさを可能にするために必要とされる追加の要件は、鼻パッドがそれぞれのアームに容易に取り付けられ(およびそれぞれのアームから容易に取り外され)得ることである、ということがさらに知られている。
【0008】
そのような状況では、ピンへの接続のための孔を含む接続部を提供するために、変形可能な材料を使用する解決策が知られている。
【0009】
このように、鼻パッドの可動性は、接続部を作る材料の変形可能性によって保証される。不利なことに、硬質の鼻パッドを用いる解決策では、ピンからの鼻パッドの取り外し(およびピンへのその取り付け)は、主として鼻パッドを構成する材料の高い剛性のために難しいということが分かっている。
【0010】
さらに、このタイプの解決策では、必要な可動性を鼻パッドに与えることは難しく、そのような可動性の経時信頼性を特に参照して、鼻パッドとピンとの間の継手を構成する部品の適切な形状寸法を設計することが必要である。
【0011】
一方、変形可能な材料を接続部のために使用する解決策では、鼻パッドの内部に挿入物を関連付ける際の特有の難しさが指摘されており、したがって、そのような解決策は、ロゴまたは文言が記載された挿入物を鼻パッドに挿入する可能性を可能にしない。
【0012】
さらに、今日の世界での重大な問題のうちの1つは、製品の偽造およびグレーマーケットである。眼鏡も、偽造およびグレーマーケットの問題について例外ではなく、したがって、追跡可能性を可能にし、本物の製品と偽造製品とを見分けることを可能にする識別装置が設けられた眼鏡を提供する必要性が感じられる。
【0013】
識別装置は通常、RFIDタグ、NFCタグによって、または、一般的にはチップによって構成される。
【0014】
チップは、まさしく、チップのメモリに含まれた識別データを読み取ることによって、眼鏡の真正性が検証され得るように、かつ、追跡可能性データが関連付けられ得るように、外部装置によって読み取られなければならない。
【0015】
フレーム自体の内部に、たとえばつる、ヒンジ近傍などといったさまざまな位置に位置する識別チップが設けられた眼鏡が、現在知られている。しかしながら、そのような解決策はすべて、眼鏡のフレームの生産に重大な影響を及ぼし、したがって、それらは経済的に魅力的ではなく、また、眼鏡の外観がチップの存在によってしばしば損なわれるという事実を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の狙いは、外側から見えるロゴまたは文言が記載された挿入物を鼻パッドにおいて採用することを可能にし、同時に、鼻パッドをそれぞれのピンから取り外す/それぞれのピンに取り付ける際の適切な容易さを保証する、眼鏡の鼻当て用の鼻パッドを提供することである。
【0017】
この狙いにおいて、本発明の目的は、眼鏡を識別する問題を解決することを可能にするとともに、眼鏡の製造が経済的悪影響を与えないようにし、かつ、眼鏡の外観が損なわれないようにする、上述のような鼻当て用の鼻パッドを提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、眼鏡の識別が、いったん嵌合されると視界から隠され得る識別装置を用いて起こる、上述のような鼻パッドを有する眼鏡を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、識別が、外部の読取り装置を使用した読取りによって起こり得る、眼鏡用の鼻パッドを提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、信頼性が高く、容易にかつ実用的に実現され、低コストである、眼鏡用の鼻パッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
以下により明らかになる、この狙い、ならびに、これらのおよび他の目的は、眼鏡の鼻当て用の鼻パッドであって、少なくとも部分的に透明な材料で作られ、
ユーザの鼻に直接載置され得る載置面と、
鼻パッドに固定され、眼鏡のフレームと一体となった支持ピンへの接続のための貫通孔が設けられた接続部と、
鼻パッド内に少なくとも部分的に埋め込まれ、鼻パッドの前記載置面の透明部分を通して外側から見える挿入物とを規定し、
鼻パッドの前記接続部は、少なくとも弾性的に変形可能な材料で作られ、前記挿入物には、外部の読取り装置によって読取られるように適合された識別装置が設けられる、鼻パッドによって達成される。
【0022】
特に、この発明に従った鼻パッドは少なくとも部分的に透明であり、ユーザの鼻に直接載置され得る載置面と、鼻パッドに固定され、フレームの支持ピンへの接続のための貫通孔を有する接続部と、鼻パッド内に少なくとも部分的に埋め込まれ、鼻パッドの載置面の透明部分を通して外側から見える挿入物とを規定する。
【0023】
この発明に従った鼻パッドは、少なくとも接続部が、変形可能な材料で作られることを特徴とする。
【0024】
特に、(接続部を作る)そのような材料は、少なくとも弾性的に変形可能であり、そのような弾性的変形可能性は材料に柔軟性を付与し、ピンに対する鼻パッドの着脱を可能にする。ピンは、鼻パッドの偶発的な抜き取りを防止するために、拡大された自由端を有する。
【0025】
なお、接続部を構成する材料が少なくとも部分的に塑性的に変形可能である(すなわち、変形可能性が部分的に弾性的であり、部分的に塑性的である)ということも想定される。さらに、変形可能な材料は透明である。
【0026】
好ましくは、材料(すなわち、接続部を構成する材料)は、可撓性ポリマー材料である。
【0027】
特に、そのような材料は好ましくは、ゴム、シリコーン、可塑性PVC(すなわち、PVCに変形可能性を付与するように適合された添加剤が添加されたPVC)、またはポリマー混合物(配合物)を含む群から選択される。
【0028】
好ましくは、鼻パッドおよび接続部は一体的に設けられ、したがって、同じ材料(すなわち、変形可能な材料)で作られ得る。
【0029】
挿入物は、図形モチーフおよび/または刻印および/または広告用ロゴを担持することができる表面を有しており、透明である鼻パッドの載置面を通して外側から見られ得る。
【0030】
挿入物は、図形モチーフおよび/または刻印および/または広告用ロゴが記載されたプレートを含み、それは、前述の図形モチーフおよび/または刻印および/または広告用ロゴとは反対側に1対の突出部を有し、それらは、変形可能な材料によって少なくとも部分的にカバーされていない。
【0031】
好ましくは、突出部は、プレートと一体的に設けられる。
好ましくは、挿入物は、硬質亜鉛めっき材料で作られる。これは、鼻パッドを作るための金型と挿入物との間の結合公差の優れた順守を可能にする。
【0032】
この発明のさらなる特性および利点は、添付図面に非限定的な例として示された、本発明に従った眼鏡用の鼻パッドの好ましいものの排他的ではない実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】この発明に従った鼻パッドを有する眼鏡の鼻当ての分解斜視図である。
図2】本発明に従った鼻パッドの斜視図である。
図3】眼鏡のフレーム上に設置された図1の鼻パッドを有する鼻当ての正面図である。
図4】この発明に従った眼鏡用の鼻パッドを提供する第1のステップを示す図である。
図5】この発明に従った眼鏡用の鼻パッドを提供する第2のステップを示す図である。
図6】この発明に従った眼鏡用の鼻パッドを提供する第3のステップを示す図である。
図7】この発明に従った鼻パッドの第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面を参照して、参照符号1は概して、眼鏡用の鼻当てを示しており、それは、フレームの一部に(特に、フレームのブリッジ「P」に)関連付けられる。
【0035】
(ブリッジ「P」を有する)鼻当て1は、レンズ10に直接結合され得る。
図1から分かるように、鼻当ては1対のアーム2を含み、それらは、ブリッジ「P」に略垂直な方向に、ブリッジ「P」から遠ざかって延在する。
【0036】
各アーム2は、ブリッジ「P」とは反対側のその自由端に、断面拡幅部3を有する。
好ましくは、各アーム2はさらに1対の側方突出部4を有し、それらは、互いに逆方向に分岐し、アーム2を上方支持部分2aと下方固着部分2bとに分割する。
【0037】
アームの側方突出部4および下方部分2bは、機能が以下に説明される互いに同一平面上の3つの拡張部を、互いに協働して規定するように配向される。
【0038】
図示された実施形態では、アーム2は、四角形、特に矩形または正方形の横断面を有する。しかしながら、それらはまた、異なる形状、たとえば円形の横断面を有し得る。
【0039】
図1で見えるように、各アーム2は鼻パッド5に関連付けられ、それはアームの下端に、特に下方固着部分2bに配置され、下方固着部分2bはしたがって、鼻パッド5の支持ピンを規定する。
【0040】
より詳細には、鼻パッド5は少なくとも部分的に透明であり、ユーザの鼻に直接載置され得る載置面「S」と、鼻パッド5に固定され、(アーム2の下方固着部分2bによって規定される)前述の支持ピン2bへの接続のための貫通孔6を有する接続部5bとを規定する。
【0041】
図示された実施形態における貫通孔6は円形の横断面を有するが、それは異なる形状、たとえば矩形または正方形の横断面を有し得る。
【0042】
貫通孔6の横断面は、いかなる場合も、好ましくは孔6の全長に沿って一定である。
好ましくは、平坦またはは若干凸状であり得る載置面「S」は、前述の貫通孔6の軸に沿って主延在方向を有する略楕円形の展開を有する。
【0043】
特に、接続部5bは、載置面「S」に対して反対側に配置される。
挿入物7は、鼻パッド5の内部に少なくとも部分的に埋め込まれ、鼻パッド5の載置面「S」の透明部分を通して外側から見える。
【0044】
挿入物7は、鼻パッド5を構成する材料に全体的に埋め込まれる。
挿入物7はプレート7aを含み、それは、鼻パッド5の載置面Sに対して反対側に、すなわち、その面のうち、眼鏡の内部へと向けられるように適合された一面に、1対の突出部7bを有し、それらは、鼻パッド5に少なくとも部分的に埋め込まれていない。
【0045】
言い換えれば、突出部7bの少なくとも端部が、鼻パッド5の外部体積から突出する。
2つの突出部7bは、互いに平行なベースを有しており、接続部5bが挿入物7の2つの突出部7b間に含まれるように間隔をあけられている。
【0046】
2つの突出部7bは、対称形状、鏡面対称形状、または非対称形状を有していてもよく、それらはすべて、2つの突出部7bが突出するベースからの平行性を保持する。
【0047】
優先的形態では、2つの突出部7bのうちの一方は刺の形状を有し、他方の突出部は円筒の形状を有する。
【0048】
有利には、少なくとも接続部5bは、少なくとも弾性的に変形可能な材料から作られる。
【0049】
好ましくは、鼻パッド5および接続部5bは、前述の(少なくとも弾性的に)変形可能な材料を用いて一体的に設けられる。
【0050】
有利には、前述の少なくとも弾性的に変形可能な材料は透明であり、好ましくは、弾性的に可撓性のあるポリマー材料である。
【0051】
たとえば、そのような材料は、ゴム、シリコーン、可塑性PVC(すなわち、PVCに変形可能性を付与するように適合された添加剤が添加されたPVC)、またはポリマー混合物を含む群から選択される材料である。
【0052】
一方、挿入物7は、硬質材料、好ましくは、亜鉛めっきされたプラスチック材料で作られる。これは、金属製の挿入物では非常に困難である、金型の公差を正確に順守することを可能にする。
【0053】
突出部7bは、弾性的に変形可能な材料によって少なくとも部分的にカバーされることができず、または、プレート7aに向かって突出する内面が、弾性的に変形可能な材料によって少なくとも部分的にカバーされることができる。
【0054】
好ましくは、突出部7bと一体的に作られる挿入物7は、ABSまたはPVC、特に、亜鉛めっきABSまたは亜鉛めっきPVCで作られる。
【0055】
眼鏡の鼻当てにおける鼻パッド5とピン2bとの接続システム(継手)では、鼻パッド5は、接続部5bの貫通孔6に支持ピン2bを挿入することによって、支持ピン2bに接続される。
【0056】
ピン2bと孔6との結合は、締まり嵌め(好ましい解決策)によるものであってもよく、その場合、鼻パッド5の可動性は、接続部5bを構成する材料の変形可能性によって与えられ、または、遊びを有するものであってもよく、その場合、鼻パッド5の可動性は、ピン2bと孔6との間の遊びによって与えられる。したがって、アーム2の端の断面拡幅部3は、アーム2の2つの側方突出部4と上述の断面拡幅部との間に接続部5bがとどまる、アーム2上での接続部5bの保持を実現する。
【0057】
さらに、鼻パッド5は、その裏面で2つの側方突出部4に当たったままであり、それらはしたがって、孔6の軸を中心とする回転における鼻パッド5の角偏位を制限する。
【0058】
便利なことに、鼻パッド5には識別装置15が設けられる。
特に、挿入物7には、挿入物7の外形輪郭の中断部として規定される貫通台座16が設けられる。台座16のサイズは、その台座の内部に収容されることになっている識別装置(チップ)15のサイズと同等である。
【0059】
台座16がこのように設けられた挿入物7は、粘着ラベル17を貼ることによって、台座の内部でのチップ15の収容を可能にする。粘着ラベル17には、ロゴまたは飾りを記載することができ、粘着ラベル17はチップ15を台座に保つ。
【0060】
実質的には、挿入物7の1対の突出部7bが立ち上がる表面とは反対側の表面上に貼られた粘着ラベル17は、台座16の内部の適所にチップ15をしっかりと保つことを可能にする。
【0061】
粘着ラベル17は、それが、貫通台座16によって中断されている挿入物7の輪郭を完成させるとともに、それが、識別装置15のための載置面を構成するようになっている。識別装置15は、便利なことには、RFIDタグまたはNFCタグ、一般にチップであり得る。
【0062】
実際、このように考案された鼻パッドは、設定された狙いおよび目的を十分に達成するということが見出されている。
【0063】
少なくとも弾性的に変形可能な材料から接続部を設けることは、プレートの、それぞれのピンへの取り付けおよびピンからの取り外しを容易にすることを可能にする。
【0064】
さらに、透明で弾性的に変形可能な材料を使用して鼻パッドおよび接続部を一体的に設けることは、使用された材料による、ピン上での動きの優れた特性と、鼻パッドの取り付け/取り外しの高レベルの信頼性とを有する、埋め込まれた(封入された)挿入物が設けられた鼻パッドを得ることを可能にする。
【0065】
さらに、この発明に従った少なくとも1つの鼻パッドに埋め込まれた識別装置は、外部の読取り装置を使用して眼鏡を識別することを可能にする。
【0066】
このように考案された鼻パッドは、多くの変更および変形が可能であり、それらはすべて、添付された請求項の範囲内にある。
【0067】
実際、使用される材料、ならびに、起こり得る形状および寸法は、要件および従来技術に従うあらゆるものであってもよい。
【0068】
本願が優先権を主張するイタリア特許出願第102018000010186号での開示は、ここに引用により援用される。
【0069】
いずれかの請求項で述べられる技術的特徴に参照符号が続く場合、当該参照符号は、請求項の理解度を高めるという目的のためにのみ含まれており、したがって、そのような参照符号は、そのような参照符号によって例として識別される各要素の解釈に対して限定的効果を何ら有さない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7