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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ディスペンサー
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20240816BHJP
   F04B 9/14 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B65D47/34 100
F04B9/14 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021548373
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(86)【国際出願番号】 JP2020027975
(87)【国際公開番号】W WO2021059696
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2019174809
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 孝
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-180728(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0049208(US,A1)
【文献】実開平06-085253(JP,U)
【文献】特表2015-520081(JP,A)
【文献】特表2007-509827(JP,A)
【文献】特表2013-543819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/34
F04B 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を有する本体と、前記凹部の開口部を覆う蓋体とでポンプ室が形成され、前記蓋体を該ポンプ室内に向かって押圧して変形させる吐出操作をすることで前記ポンプ室内の液体をノズル部から吐出させ、前記吐出操作を解除することで前記ポンプ室内に液体を流入させるディスペンサーであって、
前記ポンプ室内に配され、前記蓋体を前記ポンプ室の外側に向かって付勢するコイルばねを備え、
前記コイルばねの直径が前記蓋体の半径よりも大きく、
前記蓋体の変形量が、該蓋体の直径の1/3以上であり、
前記コイルばねが、前記蓋体のうち前記吐出操作により変形可能な部分に当接している、ディスペンサー。
【請求項2】
前記本体は、前記蓋体の内面側に当接する内筒部を有しており、
前記内筒部は、前記開口部の全周に亘って連続して形成されている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
凹部を有する本体と、前記凹部の開口部を覆う蓋体とでポンプ室が形成され、前記蓋体を該ポンプ室内に向かって押圧して変形させる吐出操作をすることで前記ポンプ室内の液体をノズル部から吐出させ、前記吐出操作を解除することで前記ポンプ室内に液体を流入させるディスペンサーであって、
前記ポンプ室内に配され、前記蓋体を前記ポンプ室の外側に向かって付勢するコイルばねを備え、
前記コイルばねの直径が前記蓋体の半径よりも大きく、
前記本体は、前記蓋体の内面側に当接する内筒部を有しており、
前記内筒部は、前記開口部の全周に亘って連続して形成されている、ディスペンサー。
【請求項4】
前記コイルばねを形成する線材の直径R3に対する、前記コイルばねの直径R1の比(R1/R3)が10以上、30以下である、請求項1~3の何れか一項に記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記蓋体の直径は、45mm以下である、請求項1~4の何れか一項に記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記蓋体は、前記本体とは反対側に膨設されるとともに、略平らな頂面を有している、請求項1~5の何れか一項記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記蓋体は、前記頂面と逆側に位置する開口側から前記頂面に向かって膨出した膨出曲面を有し、該頂面と該膨出曲面との境界は、略円形状のエッジ部を有する、請求項6記載のディスペンサー。
【請求項8】
前記コイルばねは、前記蓋体のエッジ部よりも内側の内面に当接している、請求項7記載のディスペンサー。
【請求項9】
前記コイルばねは、前記蓋体の内面に形成されたばね受け部に係合されている、請求項1~8の何れか一項記載のディスペンサー。
【請求項10】
前記ばね受け部は、前記蓋体の内面から前記ポンプ室内に向かって突出した環状リブを備えている、請求項9記載のディスペンサー。
【請求項11】
前記環状リブの突出量は、前記コイルばねを形成する線材の直径よりも長く形成されている、請求項10記載のディスペンサー。
【請求項12】
前記頂面に局所的に凸部を有する、請求項記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記本体の内側端部が、前記本体の端面よりも吐出操作方向に一段低く形成されている、請求項1~12の何れか一項に記載のディスペンサー。
【請求項14】
前記本体は、前記蓋体の内面側に当接する内筒部を有しており、
前記内筒部の上端から前記蓋体の天面部の内側面までの距離は、該内筒部の上端部から前記コイルばねまでの距離よりも長い、請求項1~13の何れか一項に記載のディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半円球状に形成されているドームと、該ドームが装着される凹部とによりポンプ室を形成し、ドームを凹部に向かって押圧して変形させる吐出操作をすることで、ポンプ室内の液体をノズルから噴出する液体噴出器が記載されている。この液体噴出器では、吐出操作によってポンプ内圧が高まると吸入弁で吸入口を閉塞し、吐出弁を開いてノズルを開放することでノズルから液体を噴出する。この液体噴出器では、ドームに対する押圧力がなくなると、ドームの復元力によりポンプ室内に変形している変形部位が復元するとともに、ポンプ室内圧が負圧化されることで吐出弁でノズルを閉塞し、吸入弁を開いて吸入口を開放することでポンプ室内に液体を吸入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-63781号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明は、凹部を有する本体と、前記凹部の開口部を覆う蓋体とでポンプ室が形成され、前記蓋体を該ポンプ室内に向かって押圧して変形させる吐出操作をすることで前記ポンプ室内の液体をノズル部から吐出させ、前記吐出操作を解除することで前記ポンプ室内に液体を流入させるディスペンサーに関する。本発明のディスペンサーは、前記ポンプ室内に配され、前記蓋体を前記ポンプ室の外側に向かって付勢するコイルばねを備える。前記コイルばねの直径は前記蓋体の半径よりも大きい。前記蓋体の変形量は、該蓋体の直径の1/3以上である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の第1の実施形態に係るディスペンサーの構成と吐出操作前の状態を説明する断面図である。
図2】第1の実施形態に係るディスペンサーの構成を説明する斜視図である。
図3】第1の実施形態に係るディスペンサーの構成を説明する分解図である。
図4】第1の実施形態に係るディスペンサーの使用形態を説明する図である。
図5】第1の実施形態に係るディスペンサーの蓋体とコイルばねの寸法関係を説明する拡大図である。
図6】第1の実施形態に係るディスペンサーの吐出操作初期の状態を示す断面図である。
図7】第1の実施形態に係るディスペンサーの吐出操作後の状態を示す断面図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係るディスペンサーの構成と吐出操作前の状態を説明する断面図である。
図9】第2の実施形態に係るディスペンサーの構成を説明する斜視図である。
図10】第2の実施形態に係るディスペンサーの使用形態を説明する図である。
図11】第2の実施形態に係るディスペンサーの蓋体とコイルばねの寸法関係を説明する拡大図である。
図12】第2の実施形態に係るディスペンサーの吐出操作後の状態を説明する断面図である。
図13】第2の実施形態に係るディスペンサーの吐出操作後の状態から復元した状態を説明する断面図である。
図14】本発明の第3の実施形態に係るディスペンサーの構成と吐出操作前の状態を説明する断面図である。
図15】第3の実施形態に係るディスペンサーの構成を説明する斜視図である。
図16】第3の実施形態に係るディスペンサーの構成と使用形態を説明する図である。
図17】第3の実施形態に係るディスペンサーの蓋体とコイルばねの寸法関係を説明する拡大図である。
図18】第3の実施形態に係るディスペンサーの吐出操作後の状態を示す断面図である。
図19】第3の実施形態に係るディスペンサーの吐出操作後の状態から復元した状態を示す断面図である。
【発明の詳細な説明】
【0006】
特許文献1では、吐出操作によって変形したドームをコイルばねの反発力を用いて復元方向に付勢してドーム形状を変形前の形状に復元するようにしているが、ドームの径とコイルばねの径との大小関係によっては、コイルばねと当接している部分だけが復元し、ドームの復元不良になることがあった。ドームの復元不良は、操作性やドーム変形量などの変動につながり、液体の吐出量や吸入量のバラツキの要因ともなる。
本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得るディスペンサーに関する。
【0007】
以下に本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係るディスペンサー1は、図1図3に示すように、キャップ部2、ポンプ部3、ノズル部4を備えている。図1図2は、ディスペンサー1の吐出操作前の状態を示す。図6図7は、ディスペンサー1の吐出操作開始後の状態を示し、図6は操作開始直後、図7は吐出操作後の状態を示す。吐出操作前とはディスペンサー1に対して吐出操作を行う前の状態であり、吐出操作後とはディスペンサー1に対して吐出操作を行った後の状態を示す。図3はディスペンサー1の構成を説明する分解図である。
【0008】
ポンプ部3は、凹部39を内部に有する本体としてのケーシング32と、ケーシング32に装着される蓋体31とを備えていて、蓋体31とケーシング32とでポンプ室30が形成されている。ケーシング32は、略有底円筒形状を成している。ケーシング32は、その軸線方向Xの一方の端面32aに開口部33が形成されていて、端面32aと対向する反対側の端面32bが平坦面に形成されている。
【0009】
ケーシング32には、軸線方向Xと交差とする方向である直径方向Yに貫通する断面円形の流路が形成されている。直径方向Yは、蓋体31及びケーシング32を、蓋体31の頂部側から見た時の蓋体31やケーシング32の直径方向に相当する。流路の一端側は吸入路341を形成し、流路の他端側は排出路342を形成している。吸入路341の外周には、キャップ部2が装着されている。キャップ部2は、同一中心を持つ径の異なる3つの円筒部21,22,23を備えている。円筒部21は、その内周側にねじが形成されていて、図4に示すように、フィルム材で形成された液体収納容器100の口頸部101に対して回転させることで口頸部101に螺合してディスペンサー1を液体収納容器100に装着させる装着部を構成している。円筒部22は、図1図3に示すように、その内部に吸入路341の外周が挿入され、レーザなどによって溶着されることでキャップ部2とポンプ部3とを一体化している。
【0010】
図4に示すように、液体収納容器100は、フック150によって、例えばタオルハンガー160に吊り下げられて使用するタイプのものである。液体収納容器100に装着されたディスペンサー1は、ノズル部4が下方に向かって位置し、ポンプ上方に位置する液体収納容器100内から容器内に収容されている液体G1が吸引されるようになっている。ディスペンサー1は、使用者の手の指170〔例えば親指171と人差し指172〕で挟んで摘まむ吐出操作をすると、ポンプ室30内の液体Gが一定量ノズル部4から吐出され、吐出操作を解除することで液体収納容器100内から液体G1がポンプ室30内に吸入されるものである。
【0011】
円筒部23は、ディスペンサー1が液体収納容器100に装着された際に、口頸部101内に挿入されて液体収納容器100内に位置する部位であり、図1図3に示すように、その内部が液体流入路231とされている。円筒部22と円筒部23との境目に形成された壁部22aには、液体流入路231と吸入路341とに連通する吸入口232が形成されている。
円筒部22の内部には、図1に示すように、吸入弁5が設けられている。吸入弁5は、吸入口232を開閉する弁体と、周方向に間隔をもって弁体を支持する支持部とを備え、壁部22aの内端面22bと吸入路341の端面341aの間に形成される空間内に装着されている。つまり、吸入弁5は、キャップ部2とポンプ部3によって両側から挟まれた状態で保持されている。吸入弁5は樹脂成型品である。吸入弁5は、ポンプ室30の内圧が高くなると閉弁し、吸入口232を遮蔽して液体収納容器100からポンプ室30内への液体の流れを止めるように形成されている。吸入弁5は、ポンプ室30の内圧が低くなると開弁して吸入口232を開放し、液体収納容器100内から液体G1を吸引するように形成されている。
【0012】
図1図3に示すように、吸入路341と反対側に位置する排出路342は、筒状のノズル装着部343と連通するように形成されている。ノズル装着部343にはノズル部4が装着される。ノズル部4は、ノズル部内を貫通するように形成されたノズル内流路41と、ノズル装着部343に装着するための装着フランジ42とを備えている。ノズル内流路41の一方の端部41a〔ノズル先端4a〕には吐出口46が形成されている。ノズル内流路41の他方の端部41bは、排出路342の端部に形成された排出口344と連通するように形成されている。装着フランジ42には、内部に段差部44を備えた環状の溝43が形成されている。溝43には筒状のノズル装着部343が挿入される。ノズル装着部343の外周面には、段差部44と係合する凸部45が形成されている。ディスペンサー1は、ノズル装着部343が溝43内に挿入されて段差部44と凸部45とが係合することで、ノズル部4の抜け止めがなされるように形成されている。
【0013】
ノズル装着部343の内部には、吐出弁6が設けられている。吐出弁6は、排出口344を開閉する弁体と、周方向に間隔をもって弁体を支持する支持部とを備え、ノズル部4の端部4bとノズル装着部343の内端面343aとの間に形成される空間内に配されている。つまり、吐出弁6は、ノズル部4とポンプ部3によって両側から挟まれた状態で保持されている。吐出弁6は樹脂成型品である。吐出弁6は、ポンプ室30の内圧が高まると開弁して排出口344を開放し、ポンプ室30内の液体を、ノズル内流路41を介して吐出口46から外部へと吐出するように形成されている。吐出弁6は、ポンプ室30の内圧が低くなると閉弁して排出口344を閉塞し、ポンプ室30内からノズル内流路41への液体の流れを止めるように形成されている。
ディスペンサー1において、液体流入路231、吸入口232、吸入路341、排出路342、排出口344及びノズル内流路41は、各中心が同一の直線Y1上に位置するように直列に配されている。直線Y1は、ノズル中心線である。
【0014】
蓋体31は、ケーシング32の開口部33を覆うように、ケーシング32に装着されている。蓋体31は、弾性変形可能な材質で形成されている。蓋体31は、ケーシング32の端面32bと反対側に対する頂面31aが略平らな頭円錐形状に形成されている。蓋体31の頂面31aと端面32bとは、互いに平行な平面として形成されている。蓋体31は、吐出操作前(変形前)においてはケーシング32から矢印Xaで示す外方に突出する方向(以下「復元方向Xa」と記す)に膨設されている。蓋体31は、矢印Xbで示すように、ポンプ室30内に向かって、例えば人の指170(図4参照)で押圧して変形させる吐出操作をすることで、ポンプ室30内の液体Gを吐出口46から吐出させる。吐出操作時に押圧する前記矢印Xbで示す方向を、以下「吐出操作方向Xb」という。そして、吐出操作が解除されると、蓋体31は復元方向Xaに向かって復元するとともに、ポンプ室30内に液体Gを液体収納容器100から吸引する。
蓋体31は、頂面31aと逆側に位置する開口側31bから頂面31aに向かって膨出した膨出曲面31fを有し、頂面31aと膨出曲面31fとの境界は、略円形状のエッジ部31gを有している。
【0015】
図3に示すように、蓋体31の開口側31bには、直径方向Yに突出した環状のフランジ部31cが形成されている。フランジ部31cは、開口部33と同心円状にケーシング32の端面32aに形成された円形の装着溝345内に開口部33側から挿入される。フランジ部31cには、図5に示すように、装着溝345の底部345cに形成されたスリット部346内に挿入可能なリップ部36が形成されている。フランジ部31cと装着溝345とは、フランジ部31cを装着溝345内に装着した際にリップ部36がスリット部346内に挿入されるように形成されている。このため、図1に示すように、ディスペンサー1は、リップ部36がスリット部346への挿入による係合状態を占めることで、蓋体31の周方向への回り止めがなされるように構成されている。
【0016】
装着溝345の環状の外側内壁345aと、装着溝345に装着された状態における、外側内壁345aと対向する蓋体31の外面31dとの間には、図1図3に示すようにリング状の止め部材37が嵌入状態となるように装着される。この止め部材37が装着溝345に装着されることで、図1に示すように、蓋体31はフランジ部31cが装着溝345の外側内壁345a、内側内壁345b及び底部345cに押し付けられる。このため、蓋体31は、吐出操作方向Xbに押圧された場合でも装着溝345から外れないようにケーシング32に装着されている。
【0017】
ディスペンサー1は、図1図3に示すように、蓋体31をケーシング32の外側である復元方向Xaに向かって付勢するコイルばね7をポンプ部3(ポンプ室30)内に備えている。コイルばね7は、圧縮コイルばねであって、図1に示すように、その一端7a側がケーシング32の底面32fに載せられ、他端7b側が蓋体31の内面31eに形成されたばね受け部38に係合されている。ばね受け部38は、蓋体31の内面31eからポンプ室30内に向かって突出した環状リブ38aを備えている。
【0018】
図5に示すように、本実施形態に係るディスペンサー1は、コイルばね7の直径R1が蓋体31の半径R2よりも大きく形成されている。蓋体31の変形量L1は、蓋体31の直径Rの1/3以上とされている。変形量L1とは、変形前の蓋体31の頂面31aから最も蓋体31が吐出操作方向Xbに変形した際の頂面31aまでの距離であり、ポンプストローク量である。また、蓋体31の直径Rは、蓋体31が装着溝345に止め部材37で装着された状態における、蓋体31の相対向する部位の外面31d間の直線距離である。蓋体31の半径R2は、蓋体31の直径Rの半分の距離であり、具体的には蓋体31の外面31dから蓋体31の中心線X1までの直線距離である。ディスペンサー1は、液体収納容器100の下部に形成された口頸部101に対してキャップ部2の円筒部21を回転させることで口頸部101に螺合して液体収納容器100の下部に装着されて使用される。口頸部101には、液体収納容器100の排出口102が形成されている。環状リブ38aの突出量t1は、コイルばね7を形成する線材の直径R3よりも長く形成されている。環状リブ38aの直径R4はコイルばね7の内径R5よりも幾分小径に形成されていて、コイルばね7の装着時に環状リブ38aに容易に装着可能とされている。本実施形態に係るコイルばね7は、同一直径の一般的なコイルばねを形成する線材の直径よりも小さい直径R3の線材で形成されている。
また、コイルばね7は、蓋体31の頂面31aに対応する内面31eに当接するように設けられている。言い換えると、コイルばね7は、蓋体31のエッジ部31gよりも内側の内面31eに当接している。
【0019】
ディスペンサー1では、図5に示すように、ケーシング32の内側端部32eが端面32aよりも吐出操作方向Xbに一段低く形成されている。内側端部32eと端面32aとの吐出操作方向Xbに沿う高低差ΔXは、例えば蓋体31の厚さtとほぼ同一となるように形成されている。つまり、開口部33の環状のエッジとなる内側端部32eは、端面32aよりも低く形成されている。このため、蓋体31は、吐出操作方向Xbへの変形時において端面32aで曲げられるのでなく、内側端部32eを変形の起点としてポンプ室30の内部へと変形するので、厚みt分だけストローク量を稼ぐことができる。
【0020】
ディスペンサー1では、図5に示すように、ケーシング32は、蓋体31の内面側に当接する内筒部35を有している。本実施形態においては、内筒部35の上端部が、ケーシング32の内側端部32eとなっている。また、ディスペンサー1では、ケーシング32は、蓋体31の外方に位置する外筒部34を有している。本実施形態においては、外筒部34の上端部が、ケーシング32の端面32aとなっている。内筒部35と外筒部34との間に装着溝345が形成されている。すなわち、装着溝345の外側内壁345aが外筒部34の内側面となり、装着溝345の内側内壁345bが内筒部35の外側面となっている。
本実施形態においては、内筒部35は、開口部33の全周に亘って連続して形成されている。これにより、ディスペンサー1では、使用者が蓋体31を吐出操作方向Xbに押圧したときに、蓋体31は、ケーシング32の内側端部32eを変形の起点としてポンプ室30の内部へと開口部33の全周に亘って変形する。したがって、蓋体31の押圧時に、蓋体31が意図しない形状に変形してしまうことを防ぎ、蓋体31がケーシング32内の流路を塞いでしまうことを防ぐことができる。
【0021】
本実施形態に係るディスペンサー1では、図4に示すように、液体収納容器100へ装着後、蓋体31の頂面31aに親指171を当て、人差し指172又は中指をケーシング32の端面32bに当てて使用者がポンプ部3を摘まむ。そして、使用者がコイルばね7の反発力に抗して吐出操作方向Xbに蓋体31を押圧して押し込むと、図6に示すように、頂面31aに押圧力が加わりポンプ室30内に向かって蓋体31が部分的に変形し始める。このため、使用者は、吐出操作の初期段階において、頂面31aと端面32bをしっかり指170で保持することができる。
保持した状態で蓋体31を吐出操作方向Xbにさらに押し込むと、図7に示すように、蓋体31は、ポンプ室30内に大きく撓む。それにより、ポンプ室30の容積が減少して室内圧力が高まって吸入弁5で吸入口232からの液体の流れが止められるとともに、吐出弁6が開弁して排出口344が開口され、ポンプ室30内の液体Gがノズル内流路41を介して吐出口46から定量吐出される。
一方、使用者が蓋体31に対する押圧力の付与を緩めて吐出操作を解除すると、コイルばね7の反発力によって蓋体31は復元方向Xaに向かって移動して、変形前の元の形状に復元しようと変化する。このため、ポンプ部3の内圧が低くなるので、吐出弁6は閉弁して排出口344が閉塞されるとともに、吸入弁5が開弁して吸入口232が開放されて液体収納容器100内の液体G1が一定量、吸入口232、吸入路341を介してポンプ部3内へと吸引される。
【0022】
このように第1の実施形態に係るディスペンサー1によれば、ポンプ部3(ポンプ室30)内に配されて、蓋体31をケーシング32側である復元方向Xaに付勢するコイルばね7の直径R1を蓋体31の半径R2よりも大きく形成したので、蓋体31の内面31eに対するコイルばね7の反発力の作用する範囲が広がる。このため、蓋体31が従来のようにコイルばね7で部分的に復元する場合に比べて蓋体31の全体を吐出操作前の初期位置に容易に復元させることができる。また、蓋体31の変形量L1が蓋体31の直径Rの1/3以上であるため、蓋体31の直径を小さめにしても十分な吐出量を確保することができる。
これにより、ディスペンサー1の設計上の吐出量の大小にかかわらずに、吐出操作が容易であり且つ、ポンプ室30内への液体の吸入も良好である。
また、コイルばね7の線材の直径R3が、同一直径の一般的なコイルばねを形成する線材の直径よりも小さく形成されているので、吐出操作時には軽い力で蓋体31を吐出操作方向Xbに向かって変形させ、吐出操作解除時には撓ませていた蓋体31の復元を十分な反発力で行える。
蓋体31にはエッジ部31gが形成されているので、使用者が蓋体31を押圧する際に、押す位置(頂面31a)を触覚により認識できる。また、コイルばね7が頂面31a内にあるので、確実にコイルばね7を真上から押すことができるので、コイルばね7がスムーズに伸び縮みできる。
【0023】
ここで、コイルばね7を形成する線材の直径R3と、コイルばね7の直径R1との関係について説明する。
本発明の発明者が一般的なコイルばねの直径と線材の直径との関係を調査した結果を表1に示す。
【表1】

表1に示すように、一般にコイルばねは、その直径が大きくなるほど高い反発力が要求されることから、線材の直径もスプリング直径が大きくなるにつれて増大する傾向となる。
しかし、このような傾向のコイルばねをディスペンサー1に適用しようとした場合、例えば蓋体31の復元を確実にしようという観点でコイルばねの反発力を選定すると、蓋体31の吐出操作時にコイルばねの反発力が強くなり、吐出操作する際に大きな押圧力が必要となる。特に吊り下げタイプの液体収納容器100に用いるディスペンサー1の場合、片手の指170で摘まんで操作することが多いことから吐出操作は軽いほうが操作性の面では好ましい。
また、コイルばねの反発力が強いと、蓋体31をポンプ室30内に押圧する吐出操作の際に、蓋体31をポンプ室30の内部まで十分に押し切れないことも想定される。この場合、蓋体31の変形量となるストローク量不足により、ポンプ室30内の容積変化が少なく液体の吐出量や吸引量のバラツキの要因となる。
【0024】
このため、本発明に係るディスペンサー1に用いるコイルばね7としては、等間隔ピッチのコイルばねとして、線材の直径R3に対するコイルばねの直径R1の比(R1/R3)が、10以上、30以下とするのが好ましく、吐出操作時の操作性の観点からは12以上、25以下であるとより好ましい。この条件を満たすコイルばねの一例を示すと、外径が15mmで線径が1mmのコイルばねや、外径が32mmで線径が1.6mmのコイルばねが挙げられる。一回の吐出操作で吐出される液体の吐出量〔ストローク量〕と吐出操作時の操作性の観点からは15以上、20以下であるのがより好ましい。
【0025】
第1の実施形態に係るディスペンサー1では、蓋体31の直径Rが15mm~45mm、ポンプ部3の高さLが10mm~40mmの小型のディスペンサーを想定している。また、蓋体31の変形量L1は、蓋体31の直径Rに対し、1/3以上が好ましく、より好ましくは1/2となるように蓋体31が変形可能に形成されている。本実施形態において、ディスペンサー1の蓋体31の直径Rは、15mm以上が好ましく、より好ましくは20mm以上であり、また、好ましくは45mm以下、より好ましくは25mm以下であり、好ましくは15mm以上45mm以下、より好ましくは20mm以上25mm以下である。なお、蓋体31の直径Rは、ケーシング32の直径を考慮して決めるのが望ましい。この場合、蓋体31の変形量L1〔ストローク量〕は5mm以上20mm以下が好ましい。
さらに、蓋体31の変形量L1は、蓋体31に使用する材質によっても異なる。本実施形態に係る蓋体31は、弾性変形可能な材質、例えば、シリコンゴム等の合成ゴム、天然ゴムなどのゴム材で形成することが好ましい。
【0026】
ディスペンサー1においては、ケーシング32の内筒部35の上端部32eから蓋体31の天面部の内面31eまでの距離D1は、該内筒部35の上端部32eからコイルばね7までの距離D2よりも長いことが好ましい。前記距離D1は軸線方向Xの距離である。前記距離D2は、内筒部35の上端部32eからコイルばね7までの直交方向Yの最短距離である。前記距離D1及び前記距離D2を上述のような関係とすることで、コイルばね7の反発力が、蓋体31の膨出曲面31f、特に該膨出曲面31fの下端部に伝わりやすくなり、蓋体31がより復元しやすくなる。このような効果がより顕著に奏されるようにする観点から、前記距離D2に対する前記距離D1の比(D1/D2)は、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上であり、また好ましくは3以下、より好ましくは2以下であり、また好ましくは1以上3以下、より好ましくは1.2以上2以下である。ディスペンサー1は、内筒部35の全周に亘って前記距離D1が前記距離D2よりも長いことが好ましい。
【0027】
前記距離D1は、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは7mm以下であり、また好ましくは2mm以上10mm以下、より好ましくは5mm以上7mm以下である。
【0028】
前記距離D2は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2.5mm以上であり、また好ましくは7mm以下、より好ましくは4.5mm以下であり、また好ましくは1mm以上7mm以下、より好ましくは2.5mm以上4.5mm以下である。
【0029】
〔第2の実施形態〕
図8図13を用いて本発明の第2の実施形態に係るディスペンサー1Aについて説明する。なお、以降、第1の実施形態と同一機能や同一の部材には同一の符号を付し、適宜それら部材の説明を省略あるいは簡素化して説明する。
第2の実施形態に係るディスペンサー1Aは、図8図9図10に示すようにキャップ部2、ポンプ部3A、ノズル部4を備えている。これら部材は、第1の実施形態に係るディスペンサー1では、同一ノズル直線Y1上に直列に配されていたが、本実施形態に係るディスペンサー1Aでは、キャップ部2とノズル部4とがポンプ部3Aに対して直交する方向に配されて、ポンプ部3Aを構成するケーシング32Aに装着されている。ディスペンサー1Aは、図10に示すように、自立型の液体収納容器100Aの上部に形成された口頸部101に対してキャップ部2の円筒部21を回転させることで口頸部101に螺合して液体収納容器100Aの上部に装着されて使用される。
ディスペンサー1Aは、図8に示すように、凹部39Aを内部に有するケーシング32Aの上部に形成された開口部33を覆うように蓋体31が装着されている。ポンプ部3Aは、蓋体31とケーシング32Aとでポンプ室30Aを形成している。ディスペンサー1Aは、蓋体31を図中上方から下方に向かう吐出操作方向Xbに押圧する吐出操作をすることで、ポンプ室30Aの液体が一定量、ノズル部4から吐出され、吐出操作を解除することで液体収納容器100A内から液体がポンプ室30Aに吸入されるものである。ここでは、ポンプ部3Aの蓋体31を使用者が手の指170で下方へと押込む操作を吐出操作とする。
【0030】
ポンプ部3とポンプ部3Aの違いは、ケーシング32Aの形状である。図8に示すように、筒状のケーシング32Aは、その下部に吸入路341が端面341aを下向きにして形成され、左側部に排出路342が排出口344を左向きにして形成されている。つまり、ケーシング32Aは断面L字形状を成している。キャップ部2は、筒部22内に吸入路341を挿入することで、ポンプ部3と一体化されている。筒部23には、図10に示すように液体収納容器100A内に挿入される揚液管180が接続され、ディスペンサー1Aが液体収納容器100Aに装着された際に容器下方から容器内の液体G1を汲み上げることが可能とされている。
【0031】
図8に示すように、円筒部22と筒部23との境目の壁部22aに形成された吸入口232は、上下方向に延びる液体流入路231と吸入路341とに連通するとともに、筒部22と吸入路341の間に配された吸入弁5によって開閉される。直径方向Yに延びる排出路342は、ノズル装着部343に装着されるノズル部4のノズル内流路41と排出口344を介して連通するように形成されている。排出路342とノズル部4との間には、排出口344を開閉する吐出弁6が配されている。
【0032】
蓋体31は、第1の実施形態同様、弾性変形可能な材質で形成されていて、吐出操作前(変形前)においてはケーシング32Aから復元方向Xaに膨設されている。蓋体31は、吐出操作方向Xbに向かって人の指170(図10参照)又は掌で押圧して変形させる吐出操作をすることで、ポンプ室30A内の液体をノズル部4の吐出口46から外部へと吐出させる。蓋体31は、吐出操作が解除されるとポンプ室30A内に液体収納容器100Aから液体を汲み上げて流入させる。
【0033】
蓋体31の開口側31bに形成されたフランジ部31cは、開口部33と同心円状にケーシング32Aに形成された円形の装着溝345内に開口部33側から挿入される。蓋体31は、装着溝345にフランジ部31cが挿入された状態で、リング状の止め部材37が装着溝345に装着されることで、吐出操作方向Xbに押圧された場合でも装着溝345から外れないようにケーシング32に固定されている。
フランジ部31cと装着溝345には、第1の実施形態同様、図11に示すようにリップ部36とスリット部346とがそれぞれ形成されている。そして、フランジ部3cを装着溝345内に装着した際にリップ部36がスリット部346内に挿入されることで、蓋体31の周方向への回り止めがなされている。
【0034】
ディスペンサー1Aは、ポンプ部3A(ポンプ室30A)内に蓋体31をケーシング32Aの外側である復元方向Xaに向かって付勢するコイルばね7を備えている。コイルばね7は、第1の実施形態で説明したコイルばね7同様、等間隔ピッチの圧縮コイルばねであって、その一端7a側がケーシング32Aの底面32Abに載せられ、他端7b側が蓋体31の内面31eに形成されたばね受け部38に係合されている。
【0035】
図11に示すように、本実施形態においても、コイルばね7の直径R1は、蓋体31の半径R2よりも大きく形成されている。蓋体31の変形量Lは蓋体31の直径Rの1/3以上とされている。変形量Lとは、変形前の蓋体31の頂面31aから最も蓋体31が吐出操作方向Xbに変形した際の頂面31aまでの距離であり、ポンプストローク量である。また、蓋体31の直径Rは、蓋体31が装着溝345に止め部材37で装着された状態における、蓋体31の相対向する部位の外面31d間の直線距離である。環状リブ38aの突出量t1は、コイルばね7の線材の直径R3よりも長く形成されている。環状リブ38aの直径R4はコイルばね7の内径R5よりも幾分小径に形成されていて、コイルばね7の装着時に環状リブ38aに容易に装着可能とされている。本実施形態に係るコイルばね7は、同一直径の一般的なコイルばねを形成する線材の直径よりも小さい直径R3の線材で形成されている。つまり、コイルばね7を形成する線材の直径R3に対する、コイルばねの直径R1の比(R1/R3)が10以上、20以下としている。
【0036】
ディスペンサー1Aでは、図8図11に示すように、ケーシング32Aの内側端部32Aeが端面32Aaよりも吐出操作方向Xbに一段低く形成されている。内側端部32Aeと端面32Aaとの吐出操作方向Xbに沿う高低差ΔXは、例えば蓋体31の厚さtとほぼ同一となるように形成されている。つまり、開口部33の環状のエッジとなる内側端部32Aeは、端面32Aaよりも低く形成されている。このため、蓋体31は、吐出操作方向Xbへの変形時において端面32Aaで曲げられるのでなく、内側端部32Aeを変形の起点としてポンプ室30Aの内部へと変形するので、厚みt分だけストローク量を稼ぐことができる。
【0037】
ディスペンサー1Aでは、液体収納容器100Aへ装着後、図12に示すように、蓋体31の頂面31aに例えば指170(人差し指172)の腹を当ててコイルばね7の反発力に抗して蓋体31を吐出操作方向Xbへ押し込むと、頂面31aから蓋体全体に押圧力が加わりポンプ室30A内に向かって撓む。それにより、ポンプ室30A内の容積が減少して室内圧力が高まって吸入弁5で吸入口232からの液体の流れが止められるとともに、吐出弁6が開弁して排出口344が開口され、ポンプ室30A内にある液体Gがノズル内流路41を介して吐出口46から定量吐出される。
一方、使用者が蓋体31に対する押圧力の付与を緩めて吐出操作を解除すると、図13に示すように、コイルばね7の反発力によって蓋体31は復元方向Xaに向かって移動して、変形前の元の形状に復元しようと変化する。このため、ポンプ室30Aの内圧が低くなるので、吐出弁6は閉弁して排出口344が閉塞されるとともに、吸入弁5が開弁して吸入口232が開放されて液体収納容器100A内の液体G1が一定量、吸入口232、吸入路341を介してポンプ室30A内へと吸入される。
【0038】
このように本実施形態に係るディスペンサー1Aであっても、ポンプ室30A内に配され、蓋体31をケーシング32A側である復元方向Xaに付勢するコイルばね7の直径R1を蓋体31の半径R2よりも大きく形成したので、蓋体31の内面31eに対するコイルばね7の反発力の作用する範囲が広がる。このため、蓋体31が従来のようにコイルばね7で部分的に復元する場合に比べて蓋体全体を吐出操作前の初期位置に移動させて復元することができる。このため、ディスペンサー1Aの設計上の吐出量の大小にかかわらずに、吐出操作が容易であり且つ、ポンプ室30A内への液体の吸入も良好である。
また、コイルばね7の線材の直径R3が、同一直径の一般的なコイルばねを形成する線材の直径よりも小さく形成されているので、吐出操作時には軽い力で蓋体31を吐出操作方向Xbに向かって変形させ、吐出操作解除時には撓ませていた蓋体31の復元を十分な反発力で行える。
【0039】
〔第3の実施形態〕
図14図18を用いて本発明の第3の実施形態に係るディスペンサー1Bについて説明する。
第3の実施形態に係るディスペンサー1Bは、図14図15図16に示すようにキャップ部2、ポンプ部3B、ノズル部4Aとともに、押圧部8を備えている。キャップ部2とノズル部4Aは、第2の実施形態同様、ポンプ部3Bに対して直交する方向に配されてポンプ部3Bを構成するケーシング32Bに装着されている。ディスペンサー1Bは、図16に示すように、自立型の液体収納容器100Bの上部に形成された口頸部101に対してキャップ部2の円筒部21を回転させることで口頸部101に螺合して液体収納容器100Bの上部に装着されて使用される。口頸部101には、液体収納容器100Bの排出口102が形成されている。
ディスペンサー1Bは、図14に示すように、凹部39Bを内部に有する本体としてのケーシング32Bの上部に形成された開口部33を覆うように蓋体31Bが装着されている。ポンプ部3Bは、蓋体31Bとケーシング32Bとで囲まれた空間をポンプ室30Bとして形成している。ディスペンサー1Bは、押圧部8によって蓋体31Bを吐出操作方向Xbに押圧する吐出操作をすることで、ポンプ室30Bの液体Gが一定量、ノズル部4から排出され、押圧部8による吐出操作を解除することで、液体収納容器100B内から液体G1がポンプ室30Bに吸入されるものである。ここでは、押圧部8で蓋体31Bを吐出操作方向Xbへと押し込みすることを吐出操作とする。
【0040】
先に説明したディスペンサー1Aと本実施形態に係るディスペンサー1Bとの違いは、ポンプ部3Bの構成と押圧部8を備えている点にある。ポンプ部3Aとポンプ部3Bの違いは、ケーシング32Bがケーシング32Aよりも大径で扁平であり、且つ蓋体31Bの直径RBが蓋体31より大径であり、ポンプ室30Bの容積が大きく、一回当たりの液体の吐出量が多い点にある。以下、この違いを中心に説明する。
図14に示すように、筒状のケーシング32Bは、その下部に吸入路341が端面341aを下向きにして形成され、左側部に排出路342が排出口344を左向きにして形成されている。つまり、ケーシング32Bは断面L字形状を成している。キャップ部2は、筒部22内に吸入路341を挿入することで、ポンプ部3Bと一体化されている。筒部23には、図16に示すように液体収納容器100B内に挿入される揚液管180が接続され、ディスペンサー1Bが液体収納容器100Bに装着された際に容器下方から容器内の液体G1を汲み上げ可能とされている。
【0041】
図14に示すように、円筒部22と筒部23との境目の壁部22aに形成された吸入口232は、液体流入路231と吸入路341とに連通するとともに、筒部22と吸入路341の間に配された吸入弁5によって開閉される。排出路342は、ノズル装着部343に装着されるノズル部4内のノズル内流路41と排出口344を介して連通するように形成されている。排出路342とノズル部4との間には、排出口344を開閉する吐出弁6が配されている。吸入路341の外周側には、環状の溝部347がケーシング32Bの底面32Bbから下方に向かって突出形成されている。
【0042】
蓋体31Bは、第1、第2の実施形態同様、収縮、復元可能な材質で形成されていて、吐出操作前(変形前)においてはケーシング32Bから復元方向Xaに膨設されている。蓋体31Bは、吐出操作方向Xbに向かって押圧部8で押圧されて変形させる吐出操作をすることで、ポンプ室30B内の液体をノズル部4の吐出口46から吐出させる。蓋体31Bは、吐出操作が解除されるとポンプ室30B内に液体収納容器100Bから液体G1を汲み上げて流入させる。
【0043】
蓋体31Bの開口側31Bbに形成されたフランジ部31cは、開口部33と同心円状にケーシング32Bに形成された円形の装着溝345内に開口部33側から挿入される。蓋体31Bは、装着溝345にフランジ部31cが挿入された状態で、リング状の止め部材37Bがケーシング32Bに装着されることで、吐出操作方向Xbに押圧された場合でも装着溝345から外れないようにケーシング32Bに固定されている。止め部材37Bは、断面コの字形状を成していて、ケーシング32Bの端面32Baに窪み部37Bbを覆いかぶせることで、装着溝345とケーシング32Bの外周面32Bgとに跨って装着される。
フランジ部31cと装着溝345には、第1の実施形態同様、リップ部36とスリット部346とがそれぞれ形成されている。そして、フランジ部31cを装着溝345内に装着した際にリップ部36がスリット部346内に挿入されることで、蓋体31Bの周方向への回り止めがなされている。
【0044】
ディスペンサー1Bは、ポンプ部3B(ポンプ室30B)内に蓋体31Bをケーシング32Bの外側である復元方向Xaに向かって付勢するコイルばね7Bを備えている。コイルばね7Bは、等間隔ピッチの圧縮コイルばねであり、その一端7Ba側がケーシング32Bに形成された溝部347に挿入され、他端7Bb側が蓋体31Bの内面31Beに形成されたばね受け部38に係合されている。
【0045】
押圧部8は、図14図16に示すように、加圧レバー81を備えている。加圧レバー81は、蓋体31Bの上方に配置されていて、蓋体31Bを吐出操作方向Xbへと変形させる際に操作するものである。加圧レバー81は、軸82でケーシング32Bに揺動自在に支持されている。詳しく説明すると、ケーシング32Bの外周面32Bgとノズル装着部343との間には、軸82が取り付けられるヒンジ部83が形成されている。軸82は、直径方向Yに延びていて、加圧レバー81の一端81aを揺動端として揺動自在に支持している。加圧レバー81の他端81bは自由端であり、その表面に窪み部81cが形成されている。窪み部81cは、加圧レバー81を操作する際に人の指170の腹が載せられるように形成されていて、操作時の指170の位置ずれを防止している。図中、矢印Bは加圧レバー81の揺動方向を示し、図19の矢印Baは蓋体31Bに対する加圧を解除する加圧解除方向を示し、図18の矢印Bbは蓋体31Bを吐出操作方向Xbに変形させる加圧方向を示す。図17に示すように、加圧レバー81の全長Wは、蓋体31Bの直径RBよりも長く形成されている。
【0046】
蓋体31Bの平坦な頂面31Baと対面する加圧レバー81の内側面81dには、加圧部84が形成されている。加圧部84は、頂面31Baと対向する対向面84aが頂面31Baに向かって凸となる円弧状に形成されている。加圧部84は、軸82の軸長方向へ所定の幅を持って形成されている。この幅は、頂面31Baの直径とほぼ同等の長さに設定されている。加圧部84の直径方向Yへの長さW1は、開口部33の直径よりも長く形成されている。加圧部84の突出量となる、内側面81dから対向面84aの中央部84bまでの高さHは、図17に示すように、蓋体31Bをポンプ室30B内に押し込んだ時に必要な変形量L3が得られるように設定されている。蓋体31Bの吐出操作方向Xbへの変形は、加圧レバー81を加圧方向Bbへと移動して他端81bが止め部材37Bの上面37Baに当接することで規制される。
【0047】
図17に示すように、本実施形態において、コイルばね7Bの直径RB1は、蓋体31Bの半径RB2よりも大きく形成されている。蓋体31Bの変形量L3は、蓋体31Bの直径RBの1/3以上とされている。変形量L3とは、変形前の蓋体31Bの頂面31Baから最も蓋体31Bが吐出操作方向Xbに変形した際の頂面31Baまでの距離であり、ポンプストローク量である。また、蓋体31Bの直径RBは、蓋体31Bが装着溝345に止め部材37Bで装着された状態における、蓋体31Bの相対向する部位の外面31Bd間の直線距離である。環状リブ38aの突出量t1は、コイルばね7Bの線材の直径RB3よりも長く形成されている。環状リブ38aの直径R4はコイルばね7Bの内径R5よりも幾分小径に形成されていて、コイルばね7Bの装着時に環状リブ38aに容易に装着可能とされている。
【0048】
本実施形態に係るコイルばね7Bは、同一直径の一般的なコイルばねを形成する線材の直径よりも小さい直径RB3の線材で形成されている。つまり、コイルばね7Bを形成する線材の直径RB3に対する、コイルばねの直径RB1の比(RB1/RB3)が10以上、20以下としている。また、コイルばね7Bのばね定数は、コイルばね7のばね定数よりも大きく設定されていて、コイルばね7よりも反発力が強くされている。これは加圧レバー81による蓋体31Bへの加圧操作が解除されると、蓋体31Bは自身の復元力とコイルばね7Bの反発力によって復元方向Xaへと移動するが、その際に加圧レバー81は蓋体31Bの上に乗った状態である。このため、蓋体31Bの復元方向Xaへの移動時には加圧レバー81の重量が作用するため、コイルばね7Bのばね定数をコイルばね7よりも大きくしている。
【0049】
本実施形態に係るディスペンサー1Bでは、液体収納容器100Bへ装着後、図18に示すように、加圧レバー81を二点鎖線で示す初期位置から加圧方向Bbに向かって例えば指170の腹を窪み部81cに当てて押し下げる。加圧レバー81の加圧方向Bbの移動が進むに従い、コイルばね7Bの反発力に抗して蓋体31Bが吐出操作方向Xbへと押し込まれると、頂面31Baから蓋体全体に押圧力が加わり、ポンプ室30B内に大きく撓む。それにより、ポンプ室30B内の容積が減少して室内圧力が高まって吸入弁5で吸入口232からの液体の流れが止められるとともに、吐出弁6が開弁して排出口344が開口され、ポンプ室30B内にある液体Gがノズル内流路41を介して吐出口46から定量吐出される。
一方、例えば使用者が加圧レバー81から指170を離して加圧レバー81に対する押圧力の付与を緩めて加圧操作を解除すると、図19に示すように、コイルばね7Bの反発力によって蓋体31Bは復元方向Xaに向かって移動する。また、変形前の元の形状に復元しようと変化するとともに、加圧レバー81を実線で示す初期位置へと押し戻す。蓋体31Bの復元方向Xaへの移動により、ポンプ室30Bの内圧は低くなるので、吐出弁6は閉弁して排出口344が閉塞されるとともに、吸入弁5が開弁して吸入口232が開放されて液体収納容器100B内の液体G1が一定量、吸入口232、吸入路341を介してポンプ室30B内へと吸引される。
【0050】
このように本実施形態に係るディスペンサー1Bであっても、ポンプ室30B内に配され、蓋体31Bを復元方向Xaに付勢するコイルばね7Bの直径RB1を蓋体31Bの半径RB2よりも大きく形成したので、蓋体31Bの内面31Beに対するコイルばね7Bの反発力の作用する範囲が広がる。このため、蓋体31Bが従来のようにコイルばね7Bで部分的に復元する場合に比べて蓋体全体を吐出操作前の初期位置に移動させて復元することができる。このため、ディスペンサー1Bの設計上の吐出量の大小にかかわらずに、吐出操作が容易であり且つ、ポンプ室30B内への液体の吸入も良好である。
また、コイルばね7Bの線材の直径RB3が、同一直径の一般的なコイルばねを形成する線材の直径よりも小さく形成されているので、吐出操作時には軽い力で蓋体31Bを吐出操作方向Xbに向かって変形させ、吐出操作解除時には撓ませていた蓋体31Bの復元を十分な反発力で行える。また、蓋体31Bの復元方向Xaへの移動により加圧レバー81を初期位置へと押し戻すことができる。さらに、加圧レバー81を揺動操作することで蓋体31Bを吐出操作方向Xbに変形させて液体Gをノズル部4のノズル先端4aの吐出口46から排出できるので、特に直径の大きなケーシング32Bに設けた蓋体31Bに対する操作性がよい。
大容量のディスペンサー1Bに用いる蓋体31Bの直径RBは、50mm以上が好ましく、より好ましくは55mm以上であり、また、好ましくは100mm以下、より好ましくは95mm以下であり、好ましくは50mm以上100mm以下、より好ましくは55mm以上95mm以下である。なお、蓋体31Bの直径RBは、ケーシング32Bの直径を考慮して決めるのが望ましい。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、蓋体31は略平らな頂面31aを有していたが、頂面31aに局所的に凸部を有していてもよい。このような凸部を有することで、使用者が蓋体31を押圧して押し込む際のすべり止めとしての機能を有するので好ましい。
上述した実施形態では、コイルばね7、7Bを、等間隔ピッチの圧縮コイルばねとして説明したが、不等間隔ピッチのコイルばねを用いてもよい。この場合でも吐出操作時に軽い押圧力で蓋体31,31Bを十分にポンプ室30、30A、30B内へ変形可能であり、吐出操作解除時には確実に吐出操作前の状態に復元可能な反発力を得られるばねを選択するのが好ましい。
第1実施形態のディスペンサー1を、自立型の液体収納容器100Aの上部に装着して使用することもできる。第3の実施形態では、加圧レバー81を初期位置へと戻すのに、蓋体31B自身の復元力とコイルばね7Bの反発力を用いたが、軸82に付勢部材としてねじりコイルばねを配し、加圧レバー81に初期位置への回動修正を与えて戻るようにしてもよい。この場合、コイルばね7B、蓋体31Bに対する負荷が軽減されるため、ばね定数を小さくしても蓋体31Bの戻り不良の発生を防止できるので好ましい。
【0052】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のディスペンサーを開示する。
<1>
凹部を有する本体と、前記凹部の開口部を覆う蓋体とでポンプ室が形成され、前記蓋体を該ポンプ室内に向かって押圧して変形させる吐出操作をすることで前記ポンプ室内の液体をノズル部から吐出させ、前記吐出操作を解除することで前記ポンプ室内に液体を流入させるディスペンサーであって、
前記ポンプ室内に配され、前記蓋体を前記ポンプ室の外側に向かって付勢するコイルばねを備え、
前記コイルばねの直径が前記蓋体の半径よりも大きく、
前記蓋体の変形量が、該蓋体の直径の1/3以上である、ディスペンサー。
【0053】
<2>
前記コイルばねを形成する線材の直径R3に対する、前記コイルばねの直径R1の比(R1/R3)が10以上、30以下である、前記<1>に記載のディスペンサー。
<3>
前記蓋体の直径は、45mm以下である、前記<1>又は<2>に記載のディスペンサー。
<4>
前記蓋体は、前記本体とは反対側に膨設されるとともに、略平らな頂面を有している、前記<1>~<3>の何れか1に記載のディスペンサー。
<5>
前記蓋体は、前記頂面と逆側に位置する開口側から前記頂面に向かって膨出した膨出曲面を有し、該頂面と該膨出曲面との境界は、略円形状のエッジ部を有する、前記<4>に記載のディスペンサー。
<6>
前記コイルばねは、前記蓋体のエッジ部よりも内側の内面に当接している前記<5>に記載のディスペンサー。
<7>
前記コイルばねは、前記蓋体の内面に形成されたばね受け部に係合されている前記<1>~<6>の何れか1に記載のディスペンサー。
<8>
前記ばね受け部は、前記蓋体の内面から前記ポンプ室内に向かって突出した環状リブを備えている、前記<7>に記載のディスペンサー。
<9>
前記環状リブの突出量は、前記コイルばねを形成する線材の直径よりも長く形成されている、前記<8>に記載のディスペンサー。
【0054】
<10>
前記頂面に局所的に凸部を有する、前記<4>に記載のディスペンサー。
<11>
前記本体の内側端部が、前記本体の端面よりも吐出操作方向に一段低く形成されている、前記<1>~<10>の何れか1に記載のディスペンサー。
<12>
前記本体は、前記蓋体の内面側に位置する内筒部を有しており、
前記内筒部は、前記開口部の全周に亘って連続して形成されている、前記<1>~<11>の何れか1に記載のディスペンサー。
<13>
前記本体は、前記蓋体の内面側に位置する内筒部を有しており、
前記内筒部の上端から前記蓋体の天面部の内側面までの距離は、該内筒部から前記コイルばねまでの距離よりも長い、前記<1>~<12>の何れか1に記載のディスペンサー。
<14>
凹部を有する本体と、前記凹部の開口部を覆う蓋体とでポンプ室が形成され、前記蓋体を該ポンプ室内に向かって押圧して変形させる吐出操作をすることで前記ポンプ室内の液体をノズル部から吐出させ、前記吐出操作を解除することで前記ポンプ室内に液体を流入させるディスペンサーであって、
前記ポンプ室内に配され、前記蓋体を前記ポンプ室の外側に向かって付勢するコイルばねを備え、
前記本体は、前記蓋体の内面側に当接する内筒部を有しており、
前記内筒部は、前記開口部の全周に亘って連続して形成されている、ディスペンサー。
<15>
前記コイルばねの直径が前記蓋体の半径よりも大きい、前記<14>に記載のディスペンサー。
<16>
前記蓋体の変形量が、該蓋体の直径の1/3以上である、前記<14>又は<15>に記載のディスペンサー。
<17>
前記コイルばねを形成する線材の直径R3に対する、前記コイルばねの直径R1の比(R1/R3)が10以上、30以下である、前記<14>~<16>の何れか1に記載のディスペンサー。
<18>
前記蓋体の直径は、45mm以下である、前記<14>~<17>の何れか1に記載のディスペンサー。
<19>
前記蓋体は、前記本体とは反対側に膨設されるとともに、略平らな頂面を有している、前記<14>~<18>の何れか1に記載のディスペンサー。
【0055】
<20>
前記蓋体は、前記頂面と逆側に位置する開口側から前記頂面に向かって膨出した膨出曲面を有し、該頂面と該膨出曲面との境界は、略円形状のエッジ部を有する、前記<19>に記載のディスペンサー。
<21>
前記コイルばねは、前記蓋体のエッジ部よりも内側の内面に当接している前記<20>に記載のディスペンサー。
<22>
前記コイルばねは、前記蓋体の内面に形成されたばね受け部に係合されている<14>~<21>の何れか1に記載のディスペンサー。
<23>
前記ばね受け部は、前記蓋体の内面から前記ポンプ室内に向かって突出した環状リブを備えている、前記<22>に記載のディスペンサー。
<24>
前記環状リブの突出量は、前記コイルばねを形成する線材の直径よりも長く形成されている、前記<23>に記載のディスペンサー。
<25>
前記頂面に局所的に凸部を有する、前記<19>に記載のディスペンサー。
<26>
前記本体の内側端部が、前記本体の端面よりも吐出操作方向に一段低く形成されている、前記<14>~<25>の何れか1に記載のディスペンサー。
<27>
前記内筒部の上端から前記蓋体の天面部の内側面までの距離は、該内筒部から前記コイルばねまでの距離よりも長い、前記<14>~<26>の何れか1に記載のディスペンサー。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のディスペンサーによれば、設計上の吐出量の大小にかかわらずに、吐出操作が容易であり、且つポンプ室内への液体の吸入も良好である。
図1
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