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特許7539404フレッシュコンクリートの空気量を測定するシステムおよび方法、ならびにこれらを組み込んだコンクリートミキサー車
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  • 特許-フレッシュコンクリートの空気量を測定するシステムおよび方法、ならびにこれらを組み込んだコンクリートミキサー車 図1
  • 特許-フレッシュコンクリートの空気量を測定するシステムおよび方法、ならびにこれらを組み込んだコンクリートミキサー車 図2A
  • 特許-フレッシュコンクリートの空気量を測定するシステムおよび方法、ならびにこれらを組み込んだコンクリートミキサー車 図2B
  • 特許-フレッシュコンクリートの空気量を測定するシステムおよび方法、ならびにこれらを組み込んだコンクリートミキサー車 図2C
  • 特許-フレッシュコンクリートの空気量を測定するシステムおよび方法、ならびにこれらを組み込んだコンクリートミキサー車 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】フレッシュコンクリートの空気量を測定するシステムおよび方法、ならびにこれらを組み込んだコンクリートミキサー車
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/00 20060101AFI20240816BHJP
   B28C 5/42 20060101ALI20240816BHJP
   G01N 9/24 20060101ALI20240816BHJP
   G01N 33/38 20060101ALI20240816BHJP
   G01N 11/00 20060101ALN20240816BHJP
【FI】
B28C7/00
B28C5/42
G01N9/24 A
G01N33/38
G01N11/00 E
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2021558646
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 US2020025890
(87)【国際公開番号】W WO2020210080
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】62/833,164
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519005037
【氏名又は名称】コマンド アルコン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボープル デニス
(72)【発明者】
【氏名】シッカルディ ピエール
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-163317(JP,A)
【文献】特開2003-014603(JP,A)
【文献】特開2002-028920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C
B01F
G01N
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートミキサーのドラムに受容されたフレッシュコンクリートの空気量を決定するシステムであって、
前記ドラムに取り付けられ、前記ドラムの回転時に回転軸線周りに回転する光子経路に向かって高エネルギ光子を放出する高エネルギ光子源であって、前記光子経路は、前記回転中の所与の期間にわたって前記フレッシュコンクリートに浸漬される、高エネルギ光子源と、
前記ドラムに取り付けられるとともに前記光子経路が至る光子検出器であって、少なくとも前記所与の期間に前記光子経路から受信した高エネルギ光子を計数するとともに、計数事象の数を示す信号を生成する光子検出器と、
前記光子検出器と通信結合され、前記生成された信号と、計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けた基準データとに基づいて、前記フレッシュコンクリートの空気量値を決定し、前記決定した空気量値を空気量閾値と比較し、前記比較に基づいて、アラートを生成するコンピュータ機器と、
前記コンピュータ機器に通信結合され、前記アラートを表示するユーザインターフェースと、
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記高エネルギ光子源が、X線光子源またはガンマ光子源であることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記光子経路が、前記高エネルギ光子源と前記光子検出器との間で直線的に延びていることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムであって、前記受信光子が、前記放出高エネルギ光子の光子エネルギと同程度の光子エネルギを有し、前記生成信号が、前記放出高エネルギ光子と前記受信光子との間の減衰を示すことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記光子経路が、前記高エネルギ光子源と前記フレッシュコンクリートに浸漬された領域との間に延びている第1の経路部分と、前記領域と前記光子検出器との間に延びている第2の経路部分とを有することを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、前記受信光子が、前記放出高エネルギ光子の光子エネルギと異なる光子エネルギを有し、前記生成信号が、前記光子経路に沿って発生するコンプトン散乱を示すことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、前記コンクリートミキサーに対する前記光子経路の位置を示す位置データを生成する少なくとも1つの加速度計をさらに備えたことを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、前記高エネルギ光子源および前記光子検出器の両者が、前記コンクリートミキサーの前記ドラムの内壁に搭載されたことを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、前記光子検出器が、前記高エネルギ光子源の遠位の第1の光子検出器であり、当該システムが、前記高エネルギ光子源の近位の第2の光子検出器をさらに備えたことを特徴とするシステム。
【請求項10】
コンクリートミキサーのドラムに受容されたフレッシュコンクリートの空気量を測定する方法であって、
コンピュータ機器が、
前記ドラムの回転中に、光子検出器に至る光子経路に沿って、高エネルギ光子源が高エネルギ光子を放出した後、前記光子検出器により計数された事象の数を示す信号を受信するステップと、
前記ドラムに受容された前記フレッシュコンクリートに前記光子経路が浸漬されている間の所与の期間に計数された事象の数を決定するステップと、
計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けた基準データに基づいて、前記決定した事象の数を前記フレッシュコンクリートの空気量値に対して照合するステップと、
前記空気量値を空気量閾値と比較するステップと、
前記比較に基づいて、アラートを生成するステップと、
前記アラートを表示するステップと、
実行する、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記基準データが、前記計数事象の基準数を前記対応する基準空気量値に関連付けたルックアップテーブルを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記照合するステップが、
前記基準データの探索によって、前記計数事象の数に対応する計数事象の所与の基準数を見つけることと、
前記空気量値が、前記計数事象の基準数に関連付けられた基準空気量値に対応するものと判定することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記探索が、前記計数事象の数を囲む少なくとも2つの計数事象の基準数を見つけるとともに、前記少なくとも2つの計数事象の基準数に関連付けられた少なくとも2つの基準空気量値に基づいて、前記空気量値を推定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、前記基準データが、計数事象の基準数を前記対応する基準空気量値に関連付ける数学的関係を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記照合するステップが、
前記計数事象の数を前記数学的関係に入力することと、
前記空気量値が、前記入力の結果に対応するものと判定することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法であって、前記基準データが、前記フレッシュコンクリートのサンプルの組成に関連付けられていることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記照合するステップに先立って、当該方法が、組成が異なる複数のフレッシュコンクリートのサンプルに関する複数の基準データの中から、前記フレッシュコンクリートのサンプルの組成に関連付けられた基準データを選択する、前記コンピュータ機器が実行するステップをさらに含み、
前記照合するステップが、前記選択した基準データを使用することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記組成が、入力から得られることを特徴とする方法。
【請求項19】
コンクリートミキサーのドラムに受容されたフレッシュコンクリートの空気量を測定するコンピュータ機器であって、
プロセッサにより実行可能なプログラムコードが格納されたメモリと、
前記プログラムコードを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記メモリおよび前記少なくとも1つのプロセッサが、請求項10に記載の方法のステップを実行するように構成されていることを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項20】
請求項19に記載のコンピュータ機器であって、前記基準データが、組成が異なる複数のフレッシュコンクリートのサンプルについて、計数事象の基準数と対応する基準空気量値とを関連付けていることを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項21】
請求項19に記載のコンピュータ機器であって、前記基準データが、計数事象の基準数を対応する基準空気量値と関連付けたルックアップテーブルおよび数学的関係の少なくとも一方を含むことを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項22】
基準データを生成する方法であって、
コンピュータ機器が、
光子検出器に至る光子経路が所与の期間にわたってフレッシュコンクリートのサンプルに浸漬されている間に、前記光子経路に沿って、高エネルギ光子源が高エネルギ光子を放出した後、前記光子検出器により計数された計数事象の基準数を受信するステップと、
前記フレッシュコンクリートのサンプルの空気量を示す基準空気量値を受信するステップと、
組成が同じで空気量が異なる複数のフレッシュコンクリートのサンプルについて、前記受信ステップを繰り返すステップと、
前記計数事象の基準数を前記対応する基準空気量値に関連付けることによって、フレッシュコンクリートの組成に関する基準データを生成するステップと、
実行する、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、フレッシュコンクリートの少なくとも別の組成について、前記受信ステップ、前記繰り返しステップ、および前記生成ステップを、前記コンピュータ機器が実行するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
フレームと、
前記フレームに回転可能に取り付けられ、フレッシュコンクリートを受容するとともに、垂直に対して傾斜または交差して配向した回転軸線を有するドラムと、
前記ドラムに取り付けられ、前記ドラムの回転時に前記回転軸線周りに回転する光子経路に向かって高エネルギ光子を放出する高エネルギ光子源であり、前記光子経路HS、前記ドラムの回転中の所与の期間にわたって前記フレッシュコンクリートに浸漬される、高エネルギ光子源と、
前記ドラムに取り付けられるとともに前記光子経路が至る光子検出器であり、少なくとも前記所与の期間に前記光子経路から受信した高エネルギ光子を計数するとともに、計数事象の数を示す信号を生成する光子検出器と、
前記光子検出器と通信結合され、前記生成された信号と、計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けた基準データとに基づいて、前記フレッシュコンクリートの空気量値を決定し、前記決定した空気量値を空気量閾値と比較し、前記比較に基づいて、アラートを生成するコンピュータ機器と、
前記コンピュータ機器に通信結合され、前記アラートを表示するユーザインターフェースと、
を備えたことを特徴とするコンクリートミキサー車。
【請求項25】
請求項24に記載のコンクリートミキサー車であって、前記高エネルギ光子源が、X線光子源またはガンマ光子源であることを特徴とするコンクリートミキサー車。
【請求項26】
請求項24に記載のコンクリートミキサー車であって、前記光子経路が、前記高エネルギ光子源と前記光子検出器との間で直線的に延びていることを特徴とするコンクリートミキサー車。
【請求項27】
請求項26に記載のコンクリートミキサー車であって、前記受信光子が、前記放出高エネルギ光子の光子エネルギと同程度の光子エネルギを有し、前記生成信号が、前記放出高エネルギ光子と前記受信光子との間の減衰を示すことを特徴とするコンクリートミキサー車。
【請求項28】
請求項24に記載のコンクリートミキサー車であって、前記光子経路が、前記高エネルギ光子源と前記フレッシュコンクリートに浸漬された領域との間に延びている第1の経路部分と、前記領域と前記光子検出器との間に延びている第2の経路部分とを有することを特徴とするコンクリートミキサー車。
【請求項29】
請求項28に記載のコンクリートミキサー車であって、前記受信光子が、前記放出高エネルギ光子の光子エネルギと異なる光子エネルギを有し、前記生成信号が、前記光子経路に沿って発生するコンプトン散乱を示すことを特徴とするコンクリートミキサー車。
【請求項30】
請求項24に記載のコンクリートミキサー車であって、前記コンクリートミキサーに対して前記光子経路の位置を示す位置データを生成する少なくとも1つの加速度計をさらに備えたことを特徴とするコンクリートミキサー車。
【請求項31】
請求項24に記載のコンクリートミキサー車であって、前記高エネルギ光子源および前記光子検出器の両者が、前記コンクリートミキサーの前記ドラムの内壁に搭載されていることを特徴とするコンクリートミキサー車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本改良は、一般的にはフレッシュコンクリートの取り扱いに関し、より詳細には、空気量の測定に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2019年4月12日に出願された米国特許仮出願第62/833,164号の利益を主張するものであり、そのすべての内容を本願に引用して援用する。
【0003】
フレッシュコンクリートは、少なくともセメントベースの材料および水を含む原料の所与の比率での混合物で構成される。これらの原料は通常、流し込みに先立ってフレッシュコンクリートを混合可能なミキサー車のドラム内に移される。
【0004】
少なくとも一部の状況において、フレッシュコンクリートは空気連行可能であり、これは、フレッシュコンクリートが立方フィート当たり莫大な数(たとえば、数十億個)の微視的な空気ボイドを含むことを意味する。これらの空気ボイドは、水が凍結温度で膨張し得る小さな空間を与えることにより、フレッシュコンクリートの内圧を解放し得ることが知られている。これにより、空気連行したフレッシュコンクリートは、凍結・融解サイクルの影響がわずかとは言えない北方気候の環境において特に有意であることが分かっている。
【0005】
空気連行させるポルトランドセメントを用いて空気連行したフレッシュコンクリートを生成可能な場合もあれば、この代替または追加として、空気連行剤をフレッシュコンクリートに取り入れ可能な場合もある。空気連行したフレッシュコンクリートの生成は、いく分容易に見える場合もあるが、フレッシュコンクリートが含有する空気ボイドが少なすぎたり多すぎたりする望ましくない状況を回避するようにコンクリートを混合させるには、注意深い技術監督の下で生成する必要がある。
【0006】
米国特許第10,156,547 B2号は、音響信号をフレッシュコンクリートの混合物中に供給するように構成された音響源と、音響源と実質的に同一平面で、フレッシュコンクリートの混合物に関する空気量等の情報を含むシグナリングを供給するように構成された音響受信機とを備えた音響ベースの空気プローブを記載する。既存の方法は、ある程度には満足のいくものであるが、特に分解能の向上および/または空気量測定結果の精度に関しては、改善の余地が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第10,156,547号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
フレッシュコンクリートのサンプルに含まれる空気ボイドが少なすぎたり多すぎたりすることは、凍結・融解サイクルの影響に抗する耐久性に悪影響を及ぼし得るため、ミキサー車のドラムにおいて複数の原料が互いに混合された瞬間から、空気連行したフレッシュコンクリートが現場で供給される瞬間まで、十分な分解能および/または精度で空気量を経時的に監視することが重要となり得る。
【0009】
本発明者は、ミキサー車のドラムにおいて回転するフレッシュコンクリート中の空気量を高い分解能および/または精度で測定するため、従来とは異なる測定の検討が必要であることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様においては、フレームと、当該フレームに回転可能に取り付けられ、空気連行したフレッシュコンクリートを受容するドラムと、を有するコンクリートミキサー車が記載される。このコンクリートミキサー車は、ドラムに取り付けられた高エネルギ光子源を有する。使用時、高エネルギ光子源は、ドラムの回転時に回転軸線周りに回転する光子経路に向かって高エネルギ光子を放出するように構成されている。光子経路は、少なくともドラムの回転中の所与の期間にわたってフレッシュコンクリートに浸漬されるものとする。いくつかの実施形態において、高エネルギ光子源は、高エネルギX線光子を放出する。一方、いくつかの他の実施形態において、高エネルギ光子源は、高エネルギガンマ線を放出する。これにより、高エネルギ光子の種類は、コンクリートミキサー車または測定システムの用途および構成によって決まる。光子経路は、同じくドラムに取り付けられた光子検出器に至る。光子経路は、実施形態に応じて、減衰構成および/またはコンプトン散乱構成に設定可能である。使用時、光子検出器は、少なくとも前述の所与の期間に光子経路から受信した高エネルギ光子を計数するとともに、計数事象の数を示す信号を生成することができる。したがって、コンクリートミキサー車に取り付けられるか、または、リモートに配設されたコンピュータ機器を使用することにより、生成された信号と、計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けた基準データとに基づいて、フレッシュコンクリートの空気量値を決定することができる。したがって、空気連行したフレッシュコンクリートがミキサー車において混合されている間に、コンピュータ機器は、決定した空気量値を所与の閾値に対して比較し、フレッシュコンクリートの空気量値が所与の空気量閾値を下回る場合および/または上回る場合にアラートを生成することができる。本態様においては、コンクリートミキサー車のユーザインターフェースでアラートを表示することにより、フレッシュコンクリートの流し込みに先立って、オペレータがフレッシュコンクリートを相応に修正可能となり得る。
【0011】
本開示の第1の態様によれば、コンクリートミキサーのドラムに受容されたフレッシュコンクリートの空気量を測定するシステムであって、ドラムに取り付けられ、ドラムの回転軸周りに回転する光子経路に向かって高エネルギ光子を放出する高エネルギ光子源であり、光子経路は、前記回転中の所与の期間にわたって前記フレッシュコンクリートに浸漬される、高エネルギ光子源と、ドラムに取り付けられるとともに光子経路が至る光子検出器であり、少なくとも前記所与の期間に光子経路から受信した高エネルギ光子を計数するとともに、計数事象の数を示す信号を生成する光子検出器と、光子検出器と通信結合され、生成された信号と、計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けた基準データとに基づいて、フレッシュコンクリートの空気量値を決定し、前記決定した空気量値を空気量閾値と比較し、前記比較に基づいて、アラートを生成するコンピュータ機器と、コンピュータ機器に通信結合され、前記アラートを表示するユーザインターフェースと、を備えた、システムが提供される。
【0012】
さらに、本開示の第1の態様によれば、高エネルギ光子源としては、たとえばX線光子源またはガンマ光子源が可能である。
【0013】
さらに、本開示の第1の態様によれば、光子経路は、たとえば高エネルギ光子源と光子検出器との間で直線的に延伸可能である。
【0014】
さらに、本開示の第1の態様によれば、受信光子は、たとえば放出高エネルギ光子の光子エネルギと同程度の光子エネルギを有し、生成信号は、放出高エネルギ光子と受信光子との間の減衰を示し得る。
【0015】
さらに、本開示の第1の態様によれば、光子経路は、たとえば高エネルギ光子源と前記フレッシュコンクリートに浸漬された領域との間に延びた第1の経路部分と、上記領域と光子検出器との間に延びた第2の経路部分とを有し得る。
【0016】
さらに、本開示の第1の態様によれば、受信光子は、たとえば放出高エネルギ光子の光子エネルギと異なる光子エネルギを有し、生成信号は、光子経路に沿って発生するコンプトン散乱を示し得る。
【0017】
さらに、本開示の第1の態様によれば、このシステムは、たとえばコンクリートミキサーに対して光子経路の位置を示す位置データを生成する少なくとも1つの加速度計をさらに備え得る。
【0018】
さらに、本開示の第1の態様によれば、高エネルギ光子源および光子検出器の両者は、たとえばコンクリートミキサーのドラムの内壁に搭載され得る。
【0019】
さらに、本開示の第1の態様によれば、光子検出器は、たとえば高エネルギ光子源の遠位の第1の光子検出器であり、この場合、このシステムは、たとえば高エネルギ光子源の近位の第2の光子検出器を備え得る。
【0020】
本開示の第2の態様によれば、コンクリートミキサーのドラムに受容されたフレッシュコンクリートの空気量を測定するコンピュータに実装された方法であって、ドラムの回転中に、光子検出器に至る光子経路に沿って、高エネルギ光子源が高エネルギ光子を放出した後、光子検出器により計数された事象の数を示す信号を受信するステップと、ドラムに受容されたフレッシュコンクリートに光子経路が浸漬されている間の所与の期間に計数された事象の数を決定するステップと、計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けた基準データに基づいて、決定した事象の数をフレッシュコンクリートの空気量値に対して照合するステップと、前記空気量値を空気量閾値と比較するステップと、前記比較に基づいて、アラートを生成するステップと、前記アラートを表示するステップと、を含む、コンピュータ実装方法が提供される。
【0021】
さらに、本開示の第2の態様によれば、基準データは、たとえば計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けたルックアップテーブルを含み得る。
【0022】
さらに、本開示の第2の態様によれば、前記照合ステップは、たとえば基準データの探索によって、計数事象の数に対応する計数事象の所与の基準数を見つけることと、空気量値が、計数事象の基準数に関連付けられた基準空気量値に対応するものと判定することと、を含み得る。
【0023】
さらに、本開示の第2の態様によれば、前記探索は、たとえば、計数事象の数を囲む少なくとも2つの計数事象の基準数を見つけるとともに、少なくとも2つの計数事象の基準数に関連付けられた少なくとも2つの基準空気量値に基づいて、空気量値を推定することを含み得る。
【0024】
さらに、本開示の第2の態様によれば、基準データは、たとえば計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付ける数学的関係を含み得る。
【0025】
さらに、本開示の第2の態様によれば、前記照合ステップは、たとえば、計数事象の数を数学的関係に入力することと、空気量値が、前記入力の結果に対応するものと判定することと、を含み得る。
【0026】
さらに、本開示の第2の態様によれば、前記基準データは、たとえば前記フレッシュコンクリートのサンプルの組成に関連付けられ得る。
【0027】
さらに、本開示の第2の態様によれば、この方法は、たとえば前記照合ステップに先立って、組成が異なる複数のフレッシュコンクリートのサンプルに関する複数の基準データの中から、フレッシュコンクリートのサンプルの組成に関連付けられた基準データを選択するステップをさらに含み、前記照合ステップが、選択した基準データを使用する。
【0028】
さらに、本開示の第2の態様によれば、組成は、たとえば入力から得られ得る。
【0029】
本開示の第3の態様によれば、基準データを生成するコンピュータに実装された方法であって、光子検出器に至る光子経路が所与の期間にわたってフレッシュコンクリートのサンプルに浸漬されている間に、光子経路に沿って、高エネルギ光子源が高エネルギ光子を放出した後、光子検出器により計数された計数事象の基準数を受信するステップと、フレッシュコンクリートのサンプルの空気量を示す基準空気量値を受信するステップと、組成が同じで空気量が異なる複数のフレッシュコンクリートのサンプルについて、前記受信ステップを繰り返すステップと、計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けることによって、フレッシュコンクリートの組成に関する基準データを生成するステップと、を含む、コンピュータ実装方法が提供される。
【0030】
さらに、本開示の第3の態様によれば、このコンピュータ実装方法は、たとえばフレッシュコンクリートの少なくとも別の組成について、前記受信ステップ、前記繰り返しステップ、および前記生成ステップを実行するステップをさらに含み得る。
【0031】
本開示の第4の態様によれば、フレームと、フレームに回転可能に取り付けられ、フレッシュコンクリートを受容するとともに、垂直に対して傾斜してまたは交差して配向した回転軸線を有するドラムと、ドラムに取り付けられ、ドラムの回転時に回転軸線周りに回転する光子経路に向かって高エネルギ光子を放出する高エネルギ光子源であって、光子経路は、ドラムの回転中の所与の期間にわたって前記フレッシュコンクリートに浸漬される、高エネルギ光子源と、ドラムに取り付けられるとともに光子経路が至る光子検出器であって、少なくとも前記所与の期間に前記光子経路から受信した高エネルギ光子を計数するとともに、計数事象の数を示す信号を生成する光子検出器と、光子検出器と通信結合され、生成された信号と計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けた基準データとに基づいて、フレッシュコンクリートの空気量値を決定し、前記決定した空気量値を空気量閾値と比較し、前記比較に基づいて、アラートを生成するコンピュータ機器と、コンピュータ機器に通信結合され、前記アラートを表示するユーザインターフェースと、を備えた、コンクリートミキサー車が提供される。
【0032】
さらに、本開示の第4の態様によれば、高エネルギ光子源としては、たとえばX線光子源またはガンマ光子源が可能である。
【0033】
さらに、本開示の第4の態様によれば、光子経路は、たとえば高エネルギ光子源と光子検出器との間で直線的に延伸可能である。
【0034】
さらに、本開示の第4の態様によれば、受信光子は、たとえば放出高エネルギ光子の光子エネルギと同程度の光子エネルギを有し、生成信号は、放出高エネルギ光子と受信光子との間の減衰を示し得る。
【0035】
さらに、本開示の第4の態様によれば、光子経路は、たとえば高エネルギ光子源と前記フレッシュコンクリートに浸漬された領域との間に延びた第1の経路部分と、上記領域と光子検出器との間に延びた第2の経路部分とを有し得る。
【0036】
さらに、本開示の第4の態様によれば、受信光子は、たとえば放出高エネルギ光子の光子エネルギと異なる光子エネルギを有し、生成信号は、光子経路に沿って発生するコンプトン散乱を示し得る。
【0037】
さらに、本開示の第4の態様によれば、このコンクリートミキサー車は、たとえばコンクリートミキサーに対して光子経路の位置を示す位置データを生成する少なくとも1つの加速度計をさらに備え得る。
【0038】
さらに、本開示の第4の態様によれば、高エネルギ光子源および光子検出器の両者は、たとえばコンクリートミキサーのドラムの内壁に搭載され得る。
【0039】
本開示を読んだ当業者には、本改良に関するその他多くの特徴およびその組み合わせが明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】1つ以上の実施形態に係る、コンクリートミキサー車のドラムに受容されたフレッシュコンクリートの空気量を測定するシステムを組み込んだコンクリートミキサー車の一例の模式図である。
図2A】1つ以上の実施形態に係る、減衰構成の図1のシステムの一例を示した図1の線2-2に沿った断面図である。
図2B】1つ以上の実施形態に係る、減衰構成の図1のシステムの別の例を示した図1の線2-2に沿った断面図である。
図2C】1つ以上の実施形態に係る、コンプトン散乱構成の図1のシステムの別の例を示した図1の線2-2に沿った断面図である。
図3】1つ以上の実施形態に係る、図1のシステムの光子検出器により経時的に計数された事象を示したグラフである。
図4】1つ以上の実施形態に係る、図1のコンクリートミキサー車のドラム内のフレッシュコンクリートの空気量値を測定する例示的な方法のフローチャートである。
図5】1つ以上の実施形態に係る、図4の例示的な方法の例示的なソフトウェアおよびハードウェア実装のブロック図である。
図6】1つ以上の実施形態に係る、コンピュータ機器の一例のブロック図である。
図7】1つ以上の実施形態に係る、空気量値を測定する例示的なシステムを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、フレッシュコンクリートの取り扱いに用いられるコンクリートミキサーの一例を示している。図示のように、コンクリートミキサーは、回転軸線14の周りに回転可能なドラム12を有するミキサー車10の形態で提供される。使用時には、ミキサー車10のドラム12にフレッシュコンクリートが投入される。フレッシュコンクリートは、セメントベースの材料および水を含む。また、空気連行剤をフレッシュコンクリートに取り入れて、その空気量を増大させることも可能である。フレッシュコンクリートの組成は、セメントベースの材料、水、および他の成分の相対量により与えられる。その後、フレッシュコンクリートは、所与の圧縮強度の所望の構造へと固化させるために所望の場所で排出シュート22を介して流し込まれるまで、回転軸線14周りの回転によってドラム12内側で混合される。いくつかの実施形態においては、フレッシュコンクリートが固化した場合の圧縮強度の指標として、フレッシュコンクリートの空気量を使用可能である。
【0042】
ミキサー車10による取り扱い中(たとえば、混合中または流し込み中)のフレッシュコンクリートの空気量値を測定するシステム100が提供される。図示の例において、システム100は、ドラム12内に取り付けられた高エネルギ光子プロービングアセンブリ200と、有線接続、無線接続(たとえば、Wi-Fi(登録商標))、またはこれらの組み合わせを用いて高エネルギ光子プロービングアセンブリ200と通信結合されたコンピュータ機器500とを具備する。通常は、ユーザインターフェース106がミキサー車10に取り付けられている。後述の通り、ユーザインターフェース106は、コンピュータ機器500と有線および/または無線通信する。
【0043】
図示のように、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、ドラム12に取り付けられている。図示の実施形態において、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、ドラム12の内壁に取り付けられている。ただし、いくつかの他の実施形態において、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、ドラム12に対して他の場所に取り付けることも可能である。たとえば、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、排出シュート22の近くに取り付けることも可能である。実施形態によっては、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200の一部の部品をドラム12の内側に取り付け可能である一方、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200の他の一部の部品をドラム12の外側に取り付け可能であるものとする。
【0044】
図示の実施形態において、コンピュータ機器500は、ミキサー車10のキャビンに搭載された車載コンピュータの形態で提供される。また、コンピュータ機器500は、ユーザインターフェース106を組み込んでいる。代替実施形態において、コンピュータ機器500は、携帯用機器等のリモートコンピュータの形態で提供可能である。コンピュータ機器500は、有線または無線通信可能である。本例において、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、通信ユニット108を介してコンピュータ機器500と通信する。通信ユニット108は、ミキサー車10に取り付けられており、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200により生成された電磁信号を受信する受信機および電磁信号をコンピュータ機器500に送信する送信機として作用し得る。本例において、通信ユニット108は、コンピュータ機器500と高エネルギ光子プロービングアセンブリ200との間の双方向通信を可能にし得る。ユーザインターフェース106は、ディスプレイ、タッチセンサ式ディスプレイ、LEDライト、および/またはこれらの任意の組み合わせの形態で提供可能である。また、その他任意の好適な種類のユーザインターフェースを使用可能である。
【0045】
図2Aは、図1の線2-2に沿ったドラム12の断面を示している。図示のように、ドラム12は、フレッシュコンクリート16が投入され、矢印18の向きに回転する。ここでは、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200の一例を示す。高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、光子経路209と、高エネルギ光子を光子経路209に向かって放出するように構成された高エネルギ光子源210と、光子経路209から高エネルギ光子を受信するように構成された第1の光子検出器220等の少なくとも1つの光子検出器とを有する。当然のことながら、光子経路209は、ドラム12の回転中の所与の期間にわたってフレッシュコンクリートに浸漬される。図示のように、高エネルギ光子源210は、離隔距離SDだけ第1の光子検出器220から離隔している。いくつかの実施形態において、離隔距離SDとしては、およそ50cm、好ましくはおよそ75cm、最も好ましくはおよそ100cm以上が可能である。高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、光子経路209に沿って、コンクリートミキサー10が取り扱うフレッシュコンクリートのサンプル16A全体を伝搬した後、第1の光子検出器220に到達した高エネルギ光子の数を表す計数事象の数(以下、「計数事象数N」)を示す1つ以上の信号を生成するように構成および適応されている。
【0046】
なお、高エネルギ光子源210および光子検出器220は、上記のような高エネルギ光子の伝搬に対して透明な材料で構成された1つ以上のハウジングに収容可能である。たとえば、鋼材のほか、任意好適な金属が考えられる。さらに、いくつかの実施形態においては、ドラム12の内側にシールドが設けられて、高エネルギ光子がドラム12から飛び出すリスクを低減する。
【0047】
いくつかの実施形態において、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、電磁信号(たとえば、デジタル信号および/またはアナログ信号)によって、図1に示す通信ユニット108に計数事象数Nを送信する送信機230を有し得る。いくつかの実施形態において、送信機230は、図1に示すようなコンピュータ機器500に対して計数事象数Nを直接送信するように構成されており、通信ユニット108の必要がない。
【0048】
いくつかの他の実施形態において、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200により生成された信号は、高エネルギ光子源210が高エネルギ光子を放出したタイミングおよび高エネルギ光子が第1の光子検出器220により受信されたタイミングを示し得るため、コンピュータ機器500は、この信号からの計算によって、計数事象数Nを決定可能である。これらの実施形態において、たとえば、第1の光子検出器220は、高エネルギ光子源210に隣接し、かつ第1の光子検出器220に対向する第2の光子検出器222を具備することによって、高エネルギ光子が放出されたタイミングを検出可能である。第2の光子検出器222は、高エネルギ光子源210により放出された高エネルギ光子を受信した場合に、第1の信号を生成可能であり、第1の光子検出器220は、光子経路209に沿った伝搬の後、高エネルギ光子源210により放出された高エネルギ光子を受信した場合に、第2の信号を生成する。
【0049】
いくつかの実施形態において、高エネルギ光子源としては、X線光子源が可能である。X線光子源の例としては、回転陽極X線管、微小焦点X線管、湾曲X線管、クーリッジX線管等が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの他の実施形態において、高エネルギ光子源としては、ガンマ光子源が可能である。ガンマ光子源の例としては、セシウム137光子源、アメリシウム241光子源、ヨウ素131光子源、コバルト60、イリジウム192等が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態によっては、光子の平行化および/または集束が可能である。高エネルギ光子としては、単色も可能であるし、多色も可能である。後者の場合、光子検出器は、スペクトル分解により、周波数または波長の関数として計数事象の数を提供可能である。
【0050】
図示のように、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、ミキサー車10に対する当該高エネルギ光子プロービングアセンブリ200の経時的な位置を示す位置データを生成するように構成された位置センサ240(たとえば、加速度計)を有する。たとえば、測定中に高エネルギ光子源210、第1の光子検出器220、および光子経路209が確実にフレッシュコンクリート16に浸漬されるように、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200がその最下位置すなわち図2Aに示す位置またはその近位にある場合に、計数事象数Nを計数可能である。
【0051】
高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、充電式電源250により給電可能である。任意の好適な種類の充電式電源を提供可能である。たとえば、充電式電源としては、バッテリが挙げられ、電源コード、ソーラーパネル、誘導プロセス、またはその他任意の好適な充電手段により充電可能である。ただし、高エネルギ光子源210がガンマ光子源である実施形態においては、高エネルギ光子への給電が不要となり得るため、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200に対する電力要件が軽減される。このような場合は、光子検出器220、コンピュータ機器500、通信ユニット、信号/データストレージ等、その他の構成要素の給電に電力が使用されることになる。
【0052】
任意の種類の高エネルギ光子プロービングアセンブリを使用可能である。たとえば、図2Aに示す高エネルギ光子プロービングアセンブリ200は、減衰構成である。このような実施形態においては、第1および第2の光子検出器220および222により生成された信号の比較によって、減衰値を決定可能である。
【0053】
図2Bは、減衰構成の高エネルギ光子プロービングアセンブリ200’の別の例を示している。この特定の実施形態において、高エネルギ光子源210は、ドラム12の内側に取り付けられたプローブ207の先端の近位にある。一方、光子検出器220は、ドラム12の内壁に取り付けられている。いくつかの実施形態において、プローブ207としては、流動学的プローブが可能である。ただし、プローブ207としては、任意の好適な種類のプローブが可能である。この場合、フレッシュコンクリートのサンプル16Aは、高エネルギ光子源210と光子検出器220との間で実質的に直線的に延びた光子経路209に沿って存在するフレッシュコンクリートである。このような減衰構成において、受信光子は、放出高エネルギ光子の光子エネルギと同程度の光子エネルギを有する。受信および放出高エネルギ光子は、同じ波長/周波数を共有するためである。これに関連して、光子のエネルギは、E=hc/λとして解釈されるものとする。ここで、Eは光子エネルギ、hはプランク定数、cは真空中の光速、λは光子の波長である。したがって、生成信号は、放出高エネルギ光子と受信光子との間の減衰を示し得る。これにより、減衰は、受信光子の数に対する放出高エネルギ光子の数を表し得る。放出と受信との間でコンクリートサンプルが濃くなると、光子検出器220に実際に到達する高エネルギ光子の数が少なくなる。このような流動学的プローブの一例が米国特許第9,199,391 B2号に記載されており、その内容を本願に引用して援用する。
【0054】
図2Cに示すようないくつかの他の実施形態において、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200’’は、高エネルギ光子源210および光子検出器220がいずれもフレッシュコンクリートのサンプル16Aに向かって配向したコンプトン散乱構成に設定可能である。この場合、光子経路209は、高エネルギ光子源210とフレッシュコンクリート16に浸漬された領域211との間に延びた第1の経路部分209aと、領域211と光子検出器220との間に延びた第2の経路部分209bとを有する。コンプトン散乱は、荷電粒子(通例、電子)による高エネルギ光子の散乱である。これにより、高エネルギ光子(X線またはガンマ線光子であってもよい)のエネルギが低下する(波長が増大する)が、これをコンプトン効果と呼ぶ。光子経路209全体に存在する分子のいずれかによって、高エネルギ光子を任意の方向に散乱可能であることから、光子検出器220の方向に散乱された高エネルギ光子のみが計数され得る。この場合、離隔距離は、フレッシュコンクリート16に浸漬された場合の第1および第2の経路部分209a、209bの長さに基づく。コンプトン散乱構成においては、受信光子が散乱され、放出高エネルギ光子の光子エネルギとは異なる光子エネルギを有すると考えられる。したがって、この場合、生成信号は、光子経路209に沿って発生したコンプトン散乱を示し得る。また、他の構成も考えられる。
【0055】
図3は、一実施形態に係る、ドラム12が回転する場合の時間に対する計数事象のグラフを示している。本例においては、ドラム12が3回連続の回転を実行するため、計数事象が振動している。図示のように、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200がフレッシュコンクリート16に浸漬されていない場合は計数事象の数が増加し得る一方、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200がフレッシュコンクリート16に浸漬されている場合は計数事象の数が減少し得る。いくつかの実施形態において、空気量の計算に用いられる計数事象の数は、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200の一部または全部がフレッシュコンクリート16に浸漬されている場合、好ましくは高エネルギ光子プロービングアセンブリ200がドラム12の底部またはその周りに存在する場合に測定される計数事象の数である。本実施形態においては、ドラムの3回転における空気量が一定であることから、これらの回転での曲線の下落は一定であるものの、これらの回転において空気連行プロセスが実行されているか否かに応じて、下落は増大または減少し得る。
【0056】
図4は、空気量値ACを決定するコンピュータ実装方法400のフローチャートである。この方法400は、コンピュータ機器500により実行可能であることから、以下の段落では、図1および図2Aを参照する。これに関連して、空気量値ACは、フレッシュコンクリートのサンプル16Aの空気量を示す。
【0057】
ステップ402においては、少なくとも所与の期間にわたって、ミキサー車10のドラム12が回転軸線14の周りに回転する。
【0058】
ステップ404においては、少なくとも光子経路209がフレッシュコンクリート16に浸漬されている場合、高エネルギ光子源210が光子経路209に向かって高エネルギ光子を放出する。この放出は、光子経路209がフレッシュコンクリート16に浸漬された状態で、ドラム12の回転時またはその後の不動時に発生し得る。
【0059】
ステップ406においては、少なくとも所与の期間において、光子経路209から受信した高エネルギ光子を光子検出器220が計数する。その後、光子検出器220は、所与の期間における計数事象の数を示す1つ以上の信号を生成する。計数事象数Nは、光子検出器220により生成された信号に基づいて決定可能である。前述の通り、計数事象数Nは、信号から直接受信することも可能であるし、信号から計算することも可能である。
【0060】
ステップ408においては、生成信号および基準データに基づいて、空気量値ACを決定可能である。より具体的に、本実施形態においては、基準データを使用することにより、計数事象数Nを空気量値ACに対して照合可能である。基準データは、計数事象数Nの決定に先立って得ることができる。基準データは、空気量の違いを除いて、フレッシュコンクリートのサンプル16Aの組成と同じ予想組成を有するフレッシュコンクリートのサンプルに対する事前の測定から得ることができる。
【0061】
基準データには、高エネルギ光子源210により放出され、光子経路209を通ってフレッシュコンクリートのサンプル16Aを横切り、光子検出器220に到達した高エネルギ光子の数を示す計数事象基準数Nref,iを含む(iは、2以上の整数である)。また、基準データには、フレッシュコンクリートのサンプルの空気量を示す基準空気量値ACref,iを含む。各基準空気量値ACref,iには、計数事象基準数Nref,iが関連付けられている。
【0062】
基準データは、計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けるルックアップテーブルまたは数学的関係の形態で提供可能である。基準データは、プロセッサがアクセス可能なコンピュータ可読メモリに格納されており、格納された値および格納されたソフトウェア命令を含み得る。
【0063】
たとえば、ルックアップテーブルの場合、ステップ408は、基準データの探索によって、計数事象数Nに対応する所与の計数事象基準数Nref,iを見つけるステップと、その後、空気量値ACが、所与の計数事象基準数Nref,iに関連付けられた基準空気量値ACref,i値に対応するものと判定するステップとを含み得る。本例において、変数iは、ルックアップテーブル中の所与の計数事象数の指標を示す整数である。
【0064】
いくつかの実施形態においては、基準データを用いて空気量値ACを推定するステップを実行可能である。たとえば、基準データを探索するステップは、計数事象数Nを囲む2つの計数事象基準数Nref,j、Nref,j+1(すなわち、Nref,j<N<Nref,j+1)を見つけるステップと、2つの計数事象基準数Nref,j、Nref,j+1に関連付けられた少なくとも2つの基準空気量値ACj、ACj+1に基づいて、空気量値ACを推定するステップとを含み得る。本例において、変数jは、ルックアップテーブル中の所与の計数事象数の指標を示す整数である。
【0065】
たとえば、表1は、フレッシュコンクリートのサンプルの所与の組成C1に関連付けられ、ルックアップテーブルの形態で提供された基準データT1を示している。この場合、組成C1には、0.5の水-セメント(「w/c」)比を含む。なお、この表は、簡素化したものであって、考え得る実施形態を説明するための視覚的補助として提供している。
【表1】
【0066】
この場合、空気量値は、ルックアップテーブルに基づいて決定可能である。たとえば、空気量値の計算には、測定した計数事象数Nを囲む2つ(以上)の計数事象の基準数を見つけるとともに、2つの計数事象の基準数に関連付けられた2つ(以上)の基準空気量値に基づいて、空気量値を推定することを含み得る。たとえば、組成C1について、計数事象数Nが11500個の場合、空気量値としては、(10000個(2%))および(13000個(4%))のペアの使用による推定によって、3%の推定空気量値が得られる。別の例においては、ルックアップテーブルをより包括的なものとし、たとえばテーブルの対応値の最も近い照合に基づいて、空気量値を決定することができる。
【0067】
基準データは、フレッシュコンクリートの2つ以上の組成に対して提供可能である。たとえば、基準データは、w/c比が許容範囲内のフレッシュコンクリートの組成に対して提供可能である。また、基準データは、1つ以上の混合物を含むフレッシュコンクリートの組成に対しても提供可能である。
【0068】
空気量値は、空気量が計数事象の数の関数である数学的関係に基づく計算に基づいて決定可能である。数学的方程式の場合、ステップ408は、計数事象数Nを数学的方程式に入力することを含み得る。たとえば、数学的関係は、計数事象数Nに基づいて、空気量値ACを出力可能である(すなわち、AC=f(N))。
【0069】
いくつかの実施形態において、数学的関係は、実験データを用いた曲線近似に由来し得る。たとえば、線形曲線近似により、所与の組成C1の基準データT1は、数学的方程式AC=N/1500-4.66に近似可能である。基準データに応じて、線形以外の種類の曲線近似も使用可能である。たとえば、多項式関数を用いて近似を実行可能である。基準データに基づいてこのような数学的方程式を与えるのに、曲線近似アルゴリズムを使用可能である。
【0070】
ステップ410においては、決定した空気量値ACを空気量閾値ACthresと比較する。ステップ412においては、比較に基づいて、コンピュータ機器500がアラートを生成する。たとえば、決定した空気量値ACが空気量閾値ACthresを下回ろうが上回ろうが、アラートが生成されるようになっていてもよい。空気量閾値ACthresは、範囲の形態で提供可能である。空気量値が所定の範囲を下回るか、または、上回るかの決定により、アラートが生成されるようになっていてもよい。この範囲としては、2%~12%、好ましくは4%~10%、最も好ましくは4%~9%が可能である。ステップ414においては、アラートを表示する。いくつかの実施形態において、空気量値ACは、図1に示すユーザインターフェース106に表示可能である。
【0071】
いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース106は、緑色LED、黄色LED、および赤色LEDを具備し得る。これらの実施形態においては、空気量値ACが空気量閾値ACthresを上回る限り、緑色LEDを起動可能であり、空気量値ACが空気量閾値ACthresに対応する場合に、黄色LEDを起動可能であり、空気量値ACが空気量閾値ACthresを下回る場合に、赤色LEDを起動可能である。LEDライトのいずれかに対して、異なる種類の音声を代用および/または追加可能である。たとえば、空気量値ACが空気量閾値ACthresを下回る場合に、音声アラームを起動可能である。
【0072】
空気量閾値ACthresは、凍結・融解サイクルの影響に対する十分な耐久性をもたせるため、フレッシュコンクリート中に存在する必要がある最小(または、最大)量の空気ボイドに関連付けられ得ることが了解される。たとえば、フレッシュコンクリートのサンプル16Aの空気量値ACが最小空気量閾値ACthresを下回る場合、所与の用途については、固化時のフレッシュコンクリートの耐久性が最小耐久性を下回り得る。フレッシュコンクリートの空気量が許容範囲外となり得ることから、上記信号によって、フレッシュコンクリートの流し込みを回避可能となり得る。
【0073】
前述の通り、基準データは、フレッシュコンクリートのサンプルの組成によって決まる。いくつかの実施形態において、方法400は、1つの組成に対してのみ使用されるように適応されていることから、基準データは、方法400のステップ全体を通して同じままである。
【0074】
いくつかの実施形態において、方法400において使用される基準データは、ミキサー車10のドラム12中のフレッシュコンクリートのサンプルの組成に従って、フレッシュコンクリートのサンプルの複数の異なる組成に関する複数の基準データから選択される。このようなフレッシュコンクリートのサンプルの組成は、入力(たとえば、図1に示すユーザインターフェース106)から得ることができる。
【0075】
たとえば、3つの異なる組成C1、C2、およびC3に対してそれぞれ関連付けられた基準データ(Nref,C1,ACref,C1)、(Nref,C2,ACref,C2)、および(Nref,C3,ACref,C3)が得られる。この場合、入力から受信された組成によって、フレッシュコンクリートのサンプルの組成が組成C3であることが示された場合は、すべての他の基準データから基準データ(Nref,C3,ACref,C3)が選択された後、ステップ408として、空気量値ACに対する計数事象数Nの照合は、選択された基準データ(Nref,C3,ACref,C3)に基づいて行われる。
【0076】
また、上記のような基準データを生成するコンピュータに実装された方法が提供される。この方法は、光子経路が所与の期間にわたってフレッシュコンクリートのサンプルに浸漬されている際に、光子検出器に通じる光子経路に沿って、高エネルギ光子源が高エネルギ光子を放出した後、光子検出器により計数された計数事象の基準数を受信するステップを有する。この方法は、フレッシュコンクリートのサンプルの空気量を示す基準空気量値ACref,1を受信するステップを有する。この方法は、組成が同じで空気量が異なる複数のフレッシュコンクリートのサンプルについて、前記受信ステップを繰り返すステップを有する。この方法は、計数事象の基準数を対応する基準空気量値に関連付けることによって、フレッシュコンクリートの組成に関する基準データ(Nref,ACref)を生成するステップを有する。この基準データを生成する方法は、フレッシュコンクリートの別の組成に関連付けられた基準を生成することにより、たとえばフレッシュコンクリートのサンプルの複数の異なる組成に関する複数の基準データを提供するように実行可能である。
【0077】
図5は、ソフトウェアおよびハードウェアコンポーネントの組み合わせとしての方法400の例示的な一実施態様の模式図である。コンピュータ機器500は、1つ以上のプロセッサ(「プロセッサ510」と称する。)と、1つ以上の入力に基づいてプロセッサ510に1つ以上の出力を生成させるように構成されたプログラム命令530が格納された1つ以上のコンピュータ可読メモリ(「メモリ520」と称する。)とを備えて示している。入力には、計数事象数Nおよび基準データ(Nref,ACref)を表す1つ以上の信号を含み得る。出力には、空気量値ACを表す1つ以上の信号として、空気量値ACが所与の空気量閾値ACthresまたはその範囲を下回る、または、上回る旨の信号を含み得る。
【0078】
プロセッサ510は、一連のステップの実行によって、コンピュータ実装方法400を実行することにより、コンピュータ機器500または他のプログラム可能な装置により実行された場合に、命令530が本明細書に記載の方法に規定の機能/作用/ステップを実行させ得るように構成された任意好適な機器を備え得る。プロセッサ510は、たとえば任意の種類の汎用マイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ、デジタル信号処理(DSP)プロセッサ、中央演算処理装置(CPU)、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、再構成可能なプロセッサ、他の好適にプログラムされた論理回路もしくはプログラム可能な論理回路、またはこれらの任意の組み合わせを備え得る。
【0079】
メモリ520は、任意好適な既知の記憶媒体または他の機械可読記憶媒体を備え得る。メモリ520は、たとえば電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくは機器等の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、またはこれらの任意好適な組み合わせを備え得るが、これらに限定されない。メモリ520には、機器の内部または外部に配置された任意の種類のコンピュータメモリの好適な組み合わせを含み、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CDROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、消去・プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去・プログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、強誘電性RAM(FRAM)等が挙げられる。メモリ520は、プロセッサ510により実行可能な機械可読命令を読み出し可能に格納するのに適した任意の記憶手段(たとえば、機器)を備え得る。
【0080】
図6は、プロセッサ510により実装可能なコンピュータ機器500の例示的な一実施形態のブロック図である。図示のように、測定モジュール602および決定モジュール604が、図5に示す命令530を具現化する。
【0081】
測定モジュール602は、ステップ404および406として、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200からの信号を受信するとともに、この信号に基づいて、計数事象数Nを決定するように構成されている。測定モジュール602は、高エネルギ光子プロービングアセンブリ200と連通して、信号を受信するとともに、計数事象数Nを直接的または間接的に受信することができる。計数事象数Nは、決定されたら、決定モジュール604に提供される。
【0082】
決定モジュール604は、ステップ408として、基準データを取得するとともに、この基準データを用いて、計数事象数Nを空気量値ACに対して照合するように構成されている。決定モジュール604は、フレッシュコンクリートの1つ以上の組成C1、・・・、またはCに関する基準データ(Nref,ACref)または数学的関係AC=f(N)が格納されたデータベース606と結合可能である。データベース606は、コンピュータ機器500のローカルに設けることも可能であるし、リモートに設けることも可能である。いくつかの実施形態において、データベース606は、コンピュータ機器500のメモリ520に対応する。
【0083】
決定された空気量値ACは、ユーザインターフェースへの表示および/またはデータベース606への格納が可能である。過去に格納された空気量値は、空気量の経時的な変化を表す履歴データを構成し得る。
【0084】
また、決定モジュール604は、計数事象数Nが計数事象数閾値ACthresを下回る場合または上回る場合に、空気量値が所与の空気量閾値ACthresを下回ることまたは上回ることを伝達するように構成可能である。
【0085】
データベース606は、測定モジュール602および決定モジュール604がアクセス可能な単一のデータベースの形態で提供可能である。データベース606は、図示では分離されているものの、コンピュータ機器500と一体化可能である。
【0086】
ここで図7を参照して、いくつかの実施形態においては、接続704を介して、複数の外部機器702のいずれか1つからコンピュータ機器500にリモートアクセス可能となり得る。外部機器702は、コンピュータ機器500にアクセスするためのアプリケーションまたはその組み合わせを有し得る。あるいは、外部機器702は、任意の種類のウェブブラウザを通じてアクセス可能なウェブアプリケーションを介してコンピュータ機器500にアクセス可能である。
【0087】
接続704は、電線もしくはケーブル、ならびに/または光ファイバ等の有線技術を含み得る。また、接続704としては、RF、赤外線、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線も可能である。したがって、接続704は、当業者が把握するネットワーク等を含み得る。ネットワークを介した通信は、コンピュータネットワーク内の外部機器702による情報交換を可能にする任意の既知のプロトコルを用いて行うことができる。プロトコルの例は、IP(インターネットプロトコル)、UDP(ユーザデータグラムプロトコル)、TCP(伝送制御プロトコル)、DHCP(動的ホスト構成プロトコル)、HTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)、FTP(ファイル転送プロトコル)、Telnet(テルネットリモートプロトコル)、またはSSH(セキュアシェルリモートプロトコル)である。
【0088】
いくつかの実施形態において、コンピュータ機器500は、少なくとも一部が外部機器702のいずれか1つに設けられる。たとえば、コンピュータ機器500は、システム100に設けられて計数事象数Nを取得し、外部機器702のうちの1つに設けられた第2の部分に送信する第1の部分として構成可能である。第2の部分は、入力N、Nref、および/またはACrefを受けて、外部機器702のうちの1つでステップ406、408、410、412のいずれか1つを実行するように構成可能である。あるいは、コンピュータ機器500は、外部機器702のいずれか1つに全体が設けられ、ユーザから入力N、Nref、および/またはACrefを受け付けるように構成されている。あるいは、システム100は、接続704を介して、入力N、Nref、および/またはACrefのうちの1つ以上を送信するように構成されている。また、他の実施形態も適合し得る。
【0089】
コンピュータ機器500および外部機器702のいずれか1つに、データベース606等の1つ以上のデータベース706をローカルに設けることも可能であるし、(図示のように)これらから分離して設けることも可能である。データベース706へのリモートアクセスの場合は、上記に示した通り、任意の種類のネットワークの形態をとる接続704を介してアクセス可能である。本明細書に記載のさまざまなデータベース706は、コンピュータによる高速検索および読み出しのために構造化されたデータまたは情報の集合体として提供可能である。データベース706は、1つ以上のサーバ等のデータ記憶媒体上のデータの格納、読み出し、変形、および消去を容易化するように構造化可能である。データベース706には実例として、たとえば計数事象数Nと空気量値ACとの間の数学的関係等、システム100の複数の特徴を表す生データが格納されている。
【0090】
本明細書に記載の各コンピュータプログラムは、高水準手続き型またはオブジェクト指向プログラミングスクリプト言語、またはそれらの組合せでの実装によって、コンピュータシステムとのやり取りが可能である。あるいは、プログラムは、アセンブリ言語または機械語での実装が可能である。言語としては、コンパイル型言語も可能であるし、インタープリタ型言語も可能である。コンピュータ実行可能命令としては、1つ以上のコンピュータまたは他の機器により実行されるプログラムモジュール等の多くの形態が可能である。一般的に、プログラムモジュールには、特定のタスクの実行または特定の抽象データ型の実装を行うルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。種々実施形態においては通常、必要に応じて、プログラムモジュールの機能を組み合わせることも可能であるし、割り振ることも可能である。
【0091】
上述および図示の例は、例示に過ぎないことが了解され得る。本コンピュータ機器500の種々態様は、単独で使用することも可能であるし、組み合わせて使用することも可能であるし、上述の実施形態においては具体的に論じていない多様な構成で使用することも可能であるため、その適用に関して、上記説明または図面に記載の構成要素の詳細および構成に限定されない。たとえば、一実施形態に記載の態様を他の実施形態に記載の態様と任意に組み合わせ可能である。特定の実施形態を図示および説明したが、広範な態様の本発明から逸脱することなく、変更および変形が可能であることが当業者には明らかであろう。上述の例に示すフレッシュコンクリートミキサーは、ミキサー車であるが、いくつかのコンクリート生産プラントの用途においては、定置型ミキサーの形態で提供可能である。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により示される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7