(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】機械学習による不整脈検出の可視化
(51)【国際特許分類】
A61B 5/349 20210101AFI20240816BHJP
A61B 5/339 20210101ALI20240816BHJP
A61B 5/352 20210101ALI20240816BHJP
A61B 5/353 20210101ALI20240816BHJP
A61B 5/361 20210101ALI20240816BHJP
A61B 5/363 20210101ALI20240816BHJP
【FI】
A61B5/349
A61B5/339
A61B5/352
A61B5/353
A61B5/361
A61B5/363
(21)【出願番号】P 2021564706
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(86)【国際出願番号】 US2020028721
(87)【国際公開番号】W WO2020226881
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-14
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507020152
【氏名又は名称】メドトロニック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ペダルティ,リンゼイ・エイ
(72)【発明者】
【氏名】チャクラバーシー,ニランジャン
(72)【発明者】
【氏名】カトラ,ロドルフェ
(72)【発明者】
【氏名】ハダド,タレク・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ラトケ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ダニ,シッダルト
(72)【発明者】
【氏名】マスグローブ,ドナルド・アール
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0274624(US,A1)
【文献】特開2017-042386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスであって、
記憶媒体と、
処理回路であって、前記記憶媒体に動作可能に結合されており、かつ
医療デバイスによって感知された心臓電位図データを受信することと、
複数の患者についての心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルを、前記受信された心臓電位図データに適用して、
前記機械学習モデルに基づいて、不整脈のエピソードが前記患者に発生したと判定し、かつ
前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記判定における信頼性のレベルを判定することと、
前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記判定における前記信頼性のレベルが、所定の閾値よりも大きいと判定することと、
前記信頼性のレベルが前記所定の閾値よりも大きいと判定することに応答して、前記心臓電位図データの少なくとも一部分、前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという第1の指標、および前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記信頼性のレベルの第2の指標を、ユーザに表示するために、出力することと、を行うように構成されている、処理回路と、を含む、コンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記心臓電位図データのうちの前記少なくとも一部分が、心電図(ECG)波形を含み、
前記不整脈のエピソードが患者に発生したという前記第1の指標が、前記ECG波形に対する注釈を含む、請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記第2の指標が、色、画像、光、音、またはテキスト通知のうちの1つ以上を含む、請求項1または2のいずれかに記載のコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記処理回路が、前記ユーザから、不整脈タイプの選択を受信するようにさらに構成されており、
前記機械学習モデルを前記受信された心臓電位図データに適用して、不整脈のエピソードが前記患者に発生したと判定するために、前記処理回路が、前記機械学習モデルを前記受信された心臓電位図データに適用して
、選択された
前記不整脈タイプの不整脈のエピソードが前記患者に発生したと判定するように構成されており、
前記心臓電位図データの前記少なくとも一部分、前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記第1の指標、および前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記信頼性のレベルの前記第2の指標を出力するために、前記処理回路が、前記心臓電位図データの前記少なくとも一部分、前記選択された不整脈タイプの前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという第1の指標、および前記選択された不整脈タイプの前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記信頼性のレベルの前記第2の指標を出力するように構成されている、請求項1~3のいずれかに記載のコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記処理回路が、前記ユーザが基本ユーザであることを判定するように構成されており、
前記心臓電位図データの前記少なくとも一部分、前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記第1の指標、および前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記信頼性のレベルの前記第2の指標を出力するために、前記処理回路が、前記ユーザが基本ユーザであると判定することに応答して
、前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記第1の指標、および前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記信頼性のレベルの前記第2の指標、ならびに
前記患者の心電図(ECG)波形、
不整脈のエピソードを提示する第1のECG波形の第1の表現、および
正常な心臓の挙動を提示する第2のECG波形の第2の表現、のうちの1つ以上を出力するように構成されている、請求項1~4のいずれかに記載のコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記処理回路が、前記ユーザが高度なユーザであると判定するように構成されており、
前記心臓電位図データの前記少なくとも一部分、前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記第1の指標、および前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記信頼性のレベルの前記第2の指標を出力するために、前記処理回路が、前記ユーザが高度なユーザであると判定することに応答して、前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記第1の指標、および前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記信頼性のレベルの前記第2の指標、ならびに
前記患者の心電図(ECG)波形、
前記不整脈のエピソードの開始時間、
前記不整脈のエピソードの停止時間、
前記不整脈のエピソード中の前記患者の平均R-R間隔、
前記不整脈のエピソード中の前記患者のR-R変動、
前記患者のベースラインR-R間隔、
前記不整脈のエピソード中の前記患者のP波、
前記患者のベースラインP波、および
前記患者の形態変動のうちの1つ以上を出力するように構成されている、請求項1~5のいずれかに記載のコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記患者における前記不整脈のエピソードが、徐脈、頻脈、心房細動、心室細動、または房室ブロックのエピソードのうちの少なくとも1つである、請求項1~6のいずれかに記載のコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記複数の患者の心臓電位図データを使用してトレーニングされた前記機械学習モデルが、複数の心電図(ECG)波形を使用してトレーニングされた機械学習モデルを含み、各ECG波形が、前記複数の患者のうちのある患者における1つ以上の不整脈のエピソードで標識されている、請求項1~7のいずれかに記載のコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記機械学習モデルを前記受信された心臓電位図データに適用するために、前記処理回路が、前記機械学習モデルを、
前記患者の心電図(ECG)データ、
前記患者における不整脈に相関する特徴、
前記患者における不整脈のタイプ、
前記医療デバイスの活動レベル、
前記医療デバイスの入力インピーダンス、または
前記医療デバイスのバッテリレベル、のうちの少なくとも1つに適用するように構成されている、請求項1~8のいずれかに記載のコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記心臓電位図データの前記少なくとも一部分を出力するために、前記処理回路が、
前記患者の心電図(ECG)のサブセクションを識別することであって、前記サブセクションが、前記不整脈のエピソード前の第1の期間、前記不整脈のエピソード中の第2の期間、および前記不整脈のエピソード後の第3の期間についてのECGデータを含み、前記患者の前記ECGの時間の長さが、前記第1、第2、および第3の期間よりも長い、識別することと、
前記ECGのサブセクションを出力することと、を行うように構成されている、請求項1~9のいずれかに記載のコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記所定の閾値が、第1の所定の閾値であり、
前記処理回路が、前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記判定における前記信頼性のレベルが第2の所定の閾値よりも大きいか否かを判定するようにさらに構成され、前記第2の所定の閾値が前記第1の所定の閾値よりも大きく、
前記信頼性のレベルが前記所定の閾値よりも大きいという判定に応答して、前記心臓電位図データの前記少なくとも一部分、前記第1の指標、および前記第2の指標を出力するために、前記処理回路が、
前記信頼性のレベルが前記第1の所定の閾値よりも大きいが前記第2の所定の閾値よりも大きくないという判定に応答して、前記心臓電位図データの少なくとも一部分、前記第1の指標、および前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという信頼性の中レベルの指標を出力することと、
前記信頼性のレベルが前記第1の所定の閾値よりも大きく、前記第2の所定の閾値よりも大きいという判定に応答して、前記心臓電位図データの前記少なくとも一部分、前記第1の指標、および前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという信頼性の高レベルの指標を出力することと、を行うように構成される、請求項1~10のいずれかに記載のコンピューティングデバイス。
【請求項12】
コンピューティングデバイスであって、
処理回路を含むコンピューティングデバイスによって、医療デバイスにより感知された心臓電位図データを受信するための手段と、
複数の患者についての心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルを、前記コンピューティングデバイスによって、前記受信された心臓電位図データに適用する手段であって、
前記機械学習モデルに基づいて、不整脈のエピソードが前記患者に発生したと判定し、かつ
前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記判定における信頼性のレベルを判定し、
前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記判定における前記信頼性のレベルが、所定の閾値よりも大きいと判定する手段と、
前記コンピューティングデバイスによって、前記心臓電位図データの少なくとも一部分、前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという第1の指標、および前記不整脈のエピソードが前記患者に発生したという前記信頼性のレベルの第2の指標を、ユーザに表示するために、出力する手段と、を含む、コンピューティングデバイス。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載のコンピューティングデバイスを含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、一般に、医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
心室細動などの悪性頻脈性不整脈は、心臓の心室の心筋の非協調性収縮であり、心停止患者で特定されることが最も多い不整脈である。この不整脈が数秒以上続くと、心原性ショックや有効血液循環の停止がもたらされる可能性がある。その結果、心臓突然死(SCD)がほんの数分でもたらされる可能性がある。
【0003】
心室細動のリスクが高い患者では、植え込み型除細動器(ICD)などの植込み型医療デバイス(IMD)の使用がSCDの予防に有益であることが分かっている。ICDは、電池式の電気ショックデバイスであり、電気ハウジング電極(缶電極と呼ばれることもある)を含み得、通常、心臓内に配置された1つ以上の電気リード線に結合される。例えば、不整脈が検知された場合、ICDは電気リード線を介してパルスを送信し、心臓にショックを与え、正常なリズムを回復することができる。一部のICDは、ショックの送達前に抗頻脈ペーシング(ATP)の送達によって、検出された頻脈性不整脈を終了させるように構成されている。追加的に、ICDは、ショックから回復する際に心臓をサポートするために、ショックを伴う頻脈性不整脈の正常終了後に、比較的高振幅のショック後ペーシングを送達するように構成されている。一部のICDは、徐脈ペーシング、心臓再同期療法(CRT)、またはその他の形式のペーシングも送達する。
【0004】
他のタイプの医療デバイスは、診断目的で使用され得る。例えば、植え込み型または非植え込み型の医療デバイスは、患者の心臓を監視し得る。医師などのユーザは、心房もしくは心室の頻脈性不整脈、または心静止などの心不整脈の発生について、医療デバイスによって生成されたデータをレビューし得る。ユーザは、特定された心不整脈の発生に基づいて、患者の病状を診断し得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術にしたがって、患者の心不整脈を検出する機械学習システムの出力を説明および視覚化する医療デバイスシステムが本明細書に記載されている。機械学習システムは、患者の不整脈のエピソードを検出および分類するための強力なツールを提供し得る。ただし、そのような機械学習システムによって導き出された結論の根拠は、非専門家の人に伝えるのは難しい場合があり得る。患者の心不整脈の検出に関して機械学習システムによって導き出された結論を単純化し、発明の主題の専門家および非専門家を含む異なる能力のユーザが理解できる方法でそのような情報を提示するための技術が本明細書に開示される。
【0006】
一例では、コンピューティングデバイスは、医療デバイスによって検知された心臓電位図データを受信する。コンピューティングデバイスは、複数の患者についての心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルを、受信した心臓電位図データに適用して、機械学習モデルに基づいて、患者に不整脈のエピソードが発生したこと、および不整脈のエピソードが患者に発生したという判定についての信頼性のレベルを判定する。信頼性のレベルが所定の閾値よりも大きいとの判定に応答して、コンピューティングデバイスは、心臓電位図データの一部分、不整脈のエピソードが発生したという指標、および不整脈のエピソードが発生したという信頼性のレベルの指標をユーザに表示する。いくつかの例において、コンピューティングデバイスは、高度なユーザにはより詳細な情報を提供し、基本ユーザにはあまり詳細でない情報を提供する。
【0007】
別の例において、コンピューティングデバイスは、医療デバイスによって感知された心臓電位図データおよびユーザからの不整脈タイプの選択を受信する。コンピューティングデバイスは、機械学習モデルを、受信した心臓電位図データに適用して、機械学習モデルに基づいて、選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者に発生したこと、および選択されたタイプの不整脈のエピソードが発生したという判定についての信頼性のレベルを判定する。コンピューティングデバイスは、心臓電位図データの少なくとも一部分、選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を、表示するように、出力する。
【0008】
本開示の技術は、心不整脈の検出および分類を実行する機械学習システムの分野に特定の改善を提供し得る。例えば、本明細書に開示される技術は、そのような機械学習システムによって実行される分析のより明確な説明可能性および視覚化を可能にし得る。さらに、本明細書に記載の技術は、多くの異なるスキルレベルのユーザが使用するための心臓電位図データの迅速かつ患者固有の解釈を可能にし得る。本明細書に開示される技術は、心不整脈の検出および分類を実行する機械学習システムによって提供される結論を利用するためにユーザが必要とするトレーニングの量を減らし、ならびにより多様なシステムでそのような機械学習システムの使用を可能にし得る。したがって、本明細書に開示される技術は、患者の心不整脈のより正確かつ迅速な診断および分類を可能にする一方で、そのような心不整脈の診断および治療を提供するために臨床医が必要とする専門知識の量を減らすことができる。
【0009】
一例において、本開示は、処理回路および記憶媒体を含むコンピューティングデバイスによって、医療デバイスによって感知された心臓電位図データを受信することと、コンピューティングデバイスによって、複数の患者についての心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルを、受信した心臓電位図データに適用することであって、機械学習モデルに基づいて、不整脈のエピソードが患者に発生したと判定し、不整脈のエピソードが患者に発生したという判定についての信頼性のレベルを判定する、適用することと、不整脈のエピソードが患者に発生したという判定の信頼性のレベルが、所定の閾値よりも大きいことを判定することと、信頼性のレベルが所定の閾値よりも大きいとの判定に応答して、コンピューティングデバイスによって、心臓電位図データの少なくとも一部分、不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を、ユーザに表示するように、出力することと、を含む方法を説明する。
【0010】
別の例において、本開示は、処理回路および記憶媒体を含むコンピューティングデバイスによって、医療デバイスによって感知された心臓電位図データを受信することと、ユーザから不整脈のタイプの選択を受信することと、コンピューティングデバイスによって、複数の患者についての心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルを、受信された心臓電位図データに適用することであって、機械学習モデルに基づいて、選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者に発生したという判定についての信頼性のレベルを判定する、適用することと、コンピューティングデバイスによって、心臓電位図データの少なくとも一部分、選択された不整脈のエピソードが患者に発生したことの第1の指標、および選択された不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を、ユーザに表示するように、出力することと、を含む方法を説明する。
【0011】
別の例において、本開示は、記憶媒体と、処理回路であって、記憶媒体に動作可能に結合されており、かつ医療デバイスによって感知された心臓電位図データを受信することと、複数の患者についての心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルを、受信された心臓電位図データに適用して、機械学習モデルに基づいて、不整脈のエピソードが患者に発生したと判定し、かつ不整脈のエピソードが患者に発生したという判定における信頼性のレベルを判定することと、不整脈のエピソードが患者に発生したという判定における信頼性のレベルが、所定の閾値よりも大きいと判定することと、信頼性のレベルが所定の閾値よりも大きいと判定することに応答して、心臓電位図データの少なくとも一部分、不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を、ユーザに表示するために、出力することと、を行うように構成されている、処理回路と、を含む、コンピューティングデバイスを説明する。
【0012】
別の例において、本開示は、記憶媒体と、処理回路であって、記憶媒体に動作可能に結合されており、かつ医療デバイスによって感知された心臓電位図データを受信することと、ユーザから、不整脈タイプの選択を受信することと、複数の患者についての心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルを、受信された心臓電位図データに適用して、機械学習モデルに基づいて、選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者に発生したと判定し、かつ選択されたタイプの不製脈のエピソードが患者に発生したという判定における信頼性のレベルを判定することと、心臓電位図データの少なくとも一部分、選択された不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および選択された不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を、ユーザに表示するために、出力することと、を行うように構成されている、処理回路と、を含む、コンピューティングデバイスを説明する。
【0013】
この要約は、本開示に記載されている主題の概要を提供することを意図する。以下の添付の図面および説明の中で詳細に説明されている、装置および方法の排他的または包括的な説明を提供することを意図するものではない。1つ以上のさらなる詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の技術にしたがって、患者に関連する植え込み型医療デバイスおよび外部デバイスを含む、心不整脈の検出および分類を説明するための医療デバイスシステムの例を示す概念図である。
【
図2】
図1の植え込み型医療デバイスの一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1の植え込み型医療デバイスの別の例を示すブロック図である。
【
図4】本開示の1つ以上の技術にしたがって動作する例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【
図5】本開示の技術による例示的な動作を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の技術による例示的な動作を示すフローチャートである。
【
図7】本開示の技術による例示的な動作を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の技術にしたがって機械学習システムを説明するために使用することができる例示的なシミュレートされた心臓電位図データを示すグラフである。。
【
図9A】本開示の技術にしたがって不整脈のエピソードを検出する際に、図の機械学習モデル150の動作を視覚化するための技術を示すグラフである。
【
図9B】本開示の技術にしたがって不整脈のエピソードを検出する際に、図の機械学習モデル150の動作を視覚化するための技術を示すグラフである。
【
図9C】本開示の技術にしたがって不整脈のエピソードを検出する際に、図の機械学習モデル150の動作を視覚化するための技術を示すグラフである。
【
図10A】本開示の技術にしたがって、医療デバイスにより患者の心臓電位図データを視覚化するための表示例を示す図である。
【
図10B】本開示の技術にしたがって、医療デバイスにより患者の心臓電位図データを視覚化するための表示例を示す図である。
【
図10C】本開示の技術にしたがって、医療デバイスにより患者の心臓電位図データを視覚化するための表示例を示す図である。
【
図10D】本開示の技術にしたがって、医療デバイスにより患者の心臓電位図データを視覚化するための表示例を示す図である。
【
図11A】本開示の技術にしたがって、医療デバイスにより患者の心臓電位図データを視覚化するための別の表示例を示す図である。
【
図11B】本開示の技術にしたがって、医療デバイスにより患者の心臓電位図データを視覚化するための別の表示例を示す図である。
【
図11C】本開示の技術にしたがって、医療デバイスにより患者の心臓電位図データを視覚化するための別の表示例を示す図である。
【0015】
同様の参照文字は、図および説明全体で同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
不整脈の検出を実行する深層学習や人工知能(AI)などの機械学習システムは、様々な目的でアルゴリズムを開発するための柔軟なプラットフォームを提供する。例えば、機械学習システムを使用して、心房細動(AF)セグメントを検出し、AFの存在を検出し、他のタイプの心不整脈を検出し得る。さらに、そのような機械学習システムは、特徴描写などの他の技術によって必要とされる可能性がある専門家の設計および特徴工学なしで実装され得る。しかしながら、そのような機械学習システムによって導き出された結論、およびそのような結論を出すために導き出されたデータは、説明が難しく、機械学習システムのパフォーマンスの評価を妨げる可能性がある。
【0017】
患者の心不整脈を検出する機械学習システムの出力を説明および視覚化するための技術が開示されている。本開示の技術は、医療デバイスシステムが機械学習モデルによって不整脈分類を説明することを可能にし得る。例えば、以下に説明するようなシステムは、不整脈検出を実行する機械学習システムの説明可能性および解釈可能性を提供し得る。さらに、本明細書に記載の医療デバイスシステムは、機械学習システムによって検出された不整脈を迅速かつ患者固有の解釈のために提示し、そのような検出された不整脈を、心臓電位図データの解釈に様々なレベルの知識と専門知識を有している可能性のある様々なエンドユーザに提示する。本明細書に記載のそのような医療デバイスシステムは、機械学習システムの明確な説明可能性および単純な不整脈の視覚化を提供し得、これは、心臓電位図データを収集および表示することができる消費者および医療デバイスとして有用であり得る。
【0018】
図1は、本開示の技術にしたがって、IMD10および患者に関連する外部デバイス12を含む、患者4の心臓6における心不整脈の検出および分類を説明するための例示的な医療デバイスシステム2を示す概念図である。いくつかの例では、IMD10はリードレスIMDであり、
図1に示されるように、外部デバイス12と無線通信している。いくつかの例では、IMD10は、1つ以上のリードに結合され得る。いくつかの例では、IMD10は、患者4の胸腔の外側に(例えば、
図1に示される胸部の皮下に)植え込まれ得る。IMD10は、心臓6のレベルの近くおよび/またはすぐ下の胸骨の近くに配置され得る。
【0019】
いくつかの例では、IMD10は、Dublin,IrelandのMedtronic plcから入手可能な、Reveal LINQ(商標)挿入可能心臓モニタ(ICM)またはホルター心臓モニタの両方の形態をとり得る。外部デバイス12は、家庭、診療所、または病院などの設定で使用するように構成されたコンピューティングデバイスであり得、さらに、無線遠隔測定を介してIMD10と通信するように構成され得る。例えば、外部デバイス12は、ネットワーク25を介してコンピューティングシステム24に結合され得る。コンピューティングシステム24は、Dublin,IrelandのMedtronic plcから入手可能なCarelink(登録商標)などの遠隔患者監視システムを含み得る。外部デバイス12は、いくつかの例では、プログラマ、外部モニタなどの通信デバイス、または携帯電話、「スマート」電話、ラップトップ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)などのモバイルデバイスを含み得る。
【0020】
いくつかの例では、本明細書に記載の例示的な技術およびシステムは、IMD10に加えて、またはその代わりに、外部医療デバイスとともに使用され得る。いくつかの例では、外部医療デバイスは、Dublin,IrelandのMedtronic plcから入手可能なSEEQ(商標)モバイル心臓テレメトリー(MCT)システムのような、ウェアラブル電子デバイス、または「スマート」ウォッチ、「スマート」パッチ、または「スマート」グラスのような他のタイプの「スマート」電子アパレルである。そのような外部医療デバイスは、患者4の外部に配置することができ(例えば、患者4の皮膚に配置することができ)、IMD10に関して本明細書に記載の機能のいずれかまたはすべてを実行することができる。
【0021】
いくつかの例において、医師、技術者、外科医、電気生理学者、または他の臨床医などのユーザは、外部デバイス12と対話し得、IMD10から生理学的または診断情報を検索する。いくつかの例において、上述のような患者4または臨床医などのユーザはまた、外部デバイス12と対話し得、IMD10をプログラムすることができ、例えば、IMD10の動作パラメータの値を選択または調整する。いくつかの例において、外部デバイス12は、例えば、コンピューティングシステム24による、ネットワーク25を介したIMD10との通信を容易にするためのアクセスポイントとして機能する。コンピューティングシステム24は、ユーザがネットワーク25を介してIMD10と対話することを可能にするように構成されたコンピューティングデバイスを含み得る。
【0022】
いくつかの例において、コンピューティングシステム24は、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、コンピュータワークステーション、サーバまたは他のネットワーク化されたコンピューティングデバイス、スマートフォン、タブレット、またはユーザに情報を提示し、ユーザから入力を受信するためのユーザインターフェースを含む外部プログラマのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの例において、コンピューティングシステム24は、ニューラルネットワーク、深層学習システム、または他のタイプの予測分析システムなどの機械学習システム150を実装する1つ以上のデバイスを含み得る。医師、技術者、外科医、電気生理学者、または他の臨床医などのユーザは、コンピューティングシステム24と対話し得、IMD10から生理学的または診断情報を検索する。ユーザはまた、コンピューティングシステム24と対話して、IMD10をプログラムすることができ、例えば、IMDの動作パラメータの値を選択する。コンピューティングシステム24は、IMD10からコンピューティングシステム24に送信されるEGMおよび/または他の感知された信号を評価するように構成されているプロセッサを含み得る。
【0023】
ネットワーク25は、1つ以上の非エッジスイッチ、ルータ、ハブ、ゲートウェイ、ファイアウォール、侵入検知、および/または侵入防止デバイスなどのセキュリティデバイス、サーバ、コンピュータ端末、ラップトップ、プリンタ、データベース、携帯電話や携帯情報端末などのワイヤレスモバイルデバイス、ワイヤレスアクセスポイント、ブリッジ、ケーブルモデム、アプリケーションアクセラレータ、またはその他のネットワークデバイスなどの1つ以上のコンピューティングデバイス(図示せず)を含み得る。ネットワーク25は、サービスプロバイダによって管理される1つ以上のネットワークを含み得、したがって、インターネットなどの大規模なパブリックネットワークインフラストラクチャの一部を形成し得る。ネットワーク25は、コンピューティングシステム24およびIMD10などのコンピューティングデバイスにインターネットへのアクセスを提供し得、コンピューティングデバイスが互いに通信することを許容する通信フレームワークを提供し得る。いくつかの例において、ネットワーク25は、コンピューティングシステム24、IMD10、および/または外部デバイス12が互いに通信することを可能にする通信フレームワークを提供するが、セキュリティ目的のためにコンピューティングシステム24、IMD10、またはネットワーク25の外部のデバイスからの外部デバイス12のうちの1つ以上と分離されている、プライベートネットワークであり得る。いくつかの例において、コンピューティングシステム24、IMD10、および外部デバイス12の間の通信は暗号化されている。
【0024】
外部デバイス12およびコンピューティングシステム24は、当技術分野で知られているいずれかの技術を使用して、ネットワーク25上で無線通信を用いて通信し得る。いくつかの例において、コンピューティングシステム24は、ローカルアクセスポイント、無線ルータ、またはゲートウェイなどのネットワーク25に配置された中間デバイスを介して外部デバイス12と通信するリモートデバイスである。
図1の例では、外部デバイス12およびコンピューティングシステム24はネットワーク25上で通信するが、いくつかの例においては、外部デバイス12およびコンピューティングシステム24は互いに直接通信する。通信技術の例には、例えば、ブルートゥース(登録商標)またはBLEプロトコルにしたがった通信が含まれ得る。他の通信技術も企図されている。コンピューティングシステム24はまた、有線および無線の両方のいくつかの既知の通信技術を使用して、1つ以上の他の外部デバイスとも通信し得る。
【0025】
そのような任意の例において、医療デバイスシステム2の処理回路は、患者4の心臓電位図データを含む患者データをリモートコンピュータ(例えば、外部デバイス12)に送信し得る。いくつかの例において、医療デバイスシステム2の処理回路は、患者4が徐脈、頻脈、心房細動、心室細動、または房室ブロックのエピソードなどの心不整脈のエピソードを受けているという判定を送信し得る。
【0026】
外部デバイス12は、無線遠隔測定を介してIMD10と通信するためのコンピューティングデバイス(例えば、家庭、外来、診療所、または病院の設定で使用される)であり得る。外部デバイス12は、Dublin,IrelandのMedtronic plcから入手可能なCarelink(登録商標)などの遠隔患者監視システムを含むか、またはそれらに結合され得る。いくつかの例では、外部デバイス12は、IMD10からデータ、アラート、患者の生理学的情報、または他の情報を受信し得る。
【0027】
外部デバイス12は、その機能を制御するためにコマンドまたは動作パラメータをIMD10にプログラムするために使用され得る(例えば、IMD10のプログラマとして構成されている場合)。いくつかの例では、外部デバイス12を使用し得、IMD10に問い合わせて、デバイスの動作データならびにIMDメモリに蓄積された生理学的データを含むデータを検索する。そのような問い合わせは、スケジュールにしたがって自動的に発生するか、リモートまたはローカルのユーザコマンドに応答して発生し得る。プログラマ、外部モニタ、および消費者デバイスは、IMD10を問い合わせるために使用され得る外部デバイス12の例である。IMD10および外部デバイス12によって使用される通信技術の例には、無線周波数(RF)遠隔測定が含まれ、これは、ブルートゥース、WiFi、または医療インプラント通信サービス(MICS)を介して確立されたRFリンクであり得る。いくつかの例では、外部デバイス12は、患者4、臨床医、または別のユーザがIMD10と遠隔で対話することを可能にするように構成されたユーザインターフェースを含み得る。いくつかのそのような例では、外部デバイス12、および/または医療デバイスシステム2の他のデバイスは、ウェアラブルデバイスであり得る(例えば、時計、ネックレス、または他のウェアラブルアイテムの形態で)。
【0028】
医療デバイスシステム2は、心不整脈の検出、検証、および報告を実行するように構成された医療デバイスシステムの一例である。本開示の技術にしたがって、医療デバイスシステム2は、機械学習不整脈検出を実装して、患者4の心不整脈を検出および分類する。1つ以上の他の植え込み型または外部デバイスの追加の例には、植え込み型、マルチチャネル心臓ペースメーカ、ICD、IPG、リードレス(例えば、心臓内)ペースメーカ、血管外ペースメーカおよび/またはICD、または他のIMD、または、心臓6、外部モニタ、外部ペーシングまたは電気刺激装置などの外部治療送達装置、または薬物ポンプに、CRTを送達するように構成されている、そのようなIMDの組み合わせが含まれ得る。
【0029】
医療デバイスシステム2の各デバイス(例えば、IMD10および外部デバイス12)の通信回路は、デバイスが互いに通信することを可能にし得る。加えて、1つ以上のセンサ(例えば、電極)は、本明細書ではIMD10のハウジング上に配置されると説明されているが、他の例では、そのようなセンサは、患者4の内部または外部に植え込まれた別のデバイスのハウジング上に配置され得る。そのような例では、他のデバイスの1つ以上は、それぞれのデバイス上の電極または他のセンサから信号を受信するように構成された処理回路、および/または電極または他のセンサから別のデバイス(例えば、外部デバイス12)またはサーバに信号を送信するように構成された通信回路を含み得る。
【0030】
本開示の技術によれば、医療デバイスシステム2は、患者の心不整脈を検出する機械学習システム150の出力を説明および視覚化する。機械学習システム150は、患者4の不整脈のエピソードを検出および分類するためのツールを提供し得る。しかしながら、機械学習システム150によって導き出された結論の根拠を伝えるのは難しい場合がある。以下でより詳細に説明するように、医療デバイスシステム2は、患者4の心不整脈の検出に関して機械学習システム150によって導き出される結論を単純化するように機能する。さらに、医療デバイスシステム2は、主題の専門家および非専門家を同様に含む、異なる能力のユーザが理解できる方法でそのような情報を提示する。
【0031】
一例では、コンピューティングシステム24は、IMD10および外部デバイス12のうちの1つなどの医療デバイスによって感知された心臓電位図データを受信する。コンピューティングシステム24は、複数の患者の心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習システム150の機械学習モデルを、受信した心臓電位図データに適用して、機械学習モデルに基づいて、患者4に不整脈のエピソードが発生したことを判定する。機械学習システム150はさらに、不整脈のエピソードが患者4で発生したという判定における信頼性のレベルを判定する。信頼性のレベルが所定の閾値よりも大きいとの判定に応答して、コンピューティングシステム24は、心臓電位図データの一部分、不整脈のエピソードが発生したことの指標、および不整脈のエピソードが発生したことの信頼性のレベルの指標をユーザに表示する。いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、高度なユーザにはより詳細な情報を提供し、基本ユーザにはあまり詳細でない情報を提供する。
【0032】
別の例では、コンピューティングシステム24は、例えば、IMD10によって感知された心臓電位図データ、およびユーザからの不整脈タイプの選択を受信する。コンピューティングシステム24は、機械学習システム150を、受信した心臓電位図データに適用して、機械学習システム150の機械学習モデルに基づいて、選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者4に発生したこと、および選択されたタイプの不整脈のエピソードが発生したという判定についての信頼性のレベルを判定する。コンピューティングシステム24は、心臓電位図データの少なくとも一部分、選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者4に発生したことの第1の指標、および選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者4に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を、表示するように、出力する。
【0033】
本開示の技術は、心不整脈の検出および分類を実行する機械学習システムの分野に特定の改善を提供し得る。例えば、本明細書に開示される技術は、機械学習システム150によって実行される分析のより明確な説明可能性および視覚化を可能にし得る。さらに、本明細書に記載の技術は、多くの異なるスキルレベルのユーザが使用するための心臓電位図データの迅速かつ患者固有の解釈を可能にし得る。本明細書に開示される技術は、心不整脈の検出および分類を実行する機械学習システムによって提供される結論を利用するためにユーザが必要とするトレーニングの量を減らし、ならびにより多様なシステムでそのような機械学習システムの使用を可能にし得る。したがって、本明細書に開示される技術は、患者の心不整脈のより正確かつ迅速な診断および分類を可能にする一方で、そのような心不整脈の診断および治療を提供するために臨床医が必要とする専門知識の量を減らすことができる。
【0034】
図2は、
図1のリードレス植え込み型医療デバイスの一例を示すブロック図である。
図2に示されるように、IMD10は、処理回路50、感知回路52、通信回路54、メモリ56、センサ58、スイッチング回路60、および電極16A、16B(以下、「電極16」)を含み、これらのうちの1つ以上は、IMD10のハウジング内に配置され得る。いくつかの例において、メモリ56は、処理回路50によって実行されると、IMD10および処理回路50に、本明細書においてIMD10および処理回路50に帰属する様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令を含む。メモリ56は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または任意の他のデジタル媒体のような任意の揮発性、不揮発性、磁気的、光学的、または電気的媒体を含み得る。
【0035】
処理回路50は、固定機能回路および/またはプログラム可能な処理回路を含み得る。処理回路50は、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または同等の個別またはアナログ論理回路のうちのいずれか1つ以上を含み得る。いくつかの例では、処理回路50は、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のコントローラ、1つ以上のDSP、1つ以上のASIC、または1つ以上のFPGAのいずれかの組み合わせなどの複数の構成要素、ならびに他の個別または統合論理回路を含み得る。本明細書の処理回路50に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらのいずれかの組み合わせとして具体化し得る。
【0036】
感知回路52および通信回路54は、処理回路50によって制御されるように、スイッチング回路60を介して電極16A、16Bに選択的に結合され得る。感知回路52は、
図1の患者4の心臓の電気的活動を監視し、患者4の心臓電位図データを生成するために、電極16A、16Bからの信号を監視し得る。感知回路52は、心電図のデジタル化されたバージョン、ならびに脱分極のタイミングの表示を生成し得る。いくつかの例において、処理回路50は、感知された心臓電位図データの特徴描写を実行し得、患者4の心不整脈のエピソードを検出する。いくつかの例において、処理回路50は、通信回路54を介して、患者4の心臓電位図データを、
図1の外部デバイス12などの外部デバイスに送信する。例えば、IMD10は、
図1の機械学習システム150による処理のために、デジタル化された心臓電位図データをネットワーク25に送信する。いくつかの例では、IMD10は、特徴描写を介して不整脈のエピソードを検出することに応答して、心臓電位図データの1つ以上のセグメントを送信する。別の例において、IMD10は、外部デバイス12からの指示に応答して、心臓電位図データの1つ以上のセグメントを送信する(例えば、患者4が不整脈の1つ以上の症状を経験し、モニタリングセンタまたは臨床医による分析のために心臓電位図データをアップロードするようにIMD10に指示するコマンドを外部デバイス12に入力するとき)。心臓電位図データは、機械学習システム150によって処理され得、以下で詳細に説明するように、心不整脈を検出および分類することができる。
【0037】
いくつかの例では、IMD10は、1つ以上の加速度計、マイクロフォン、および/または圧力センサなどの1つ以上のセンサ58を含む。感知回路52は、センサ58からの信号を監視し得、センサ58から得られた患者データを、分析のために、
図1の外部デバイス12などの外部デバイスに送信する。いくつかの例では、感知回路52は、電極16A、16Bおよび/または他のセンサ58のうちの1つ以上から受信した信号をフィルタリングおよび増幅するための1つ以上のフィルタおよび増幅器を含み得る。いくつかの例では、感知回路52および/または処理回路50は、整流器、フィルタおよび/または増幅器、感知増幅器、比較器、および/またはアナログ-デジタル変換器を含み得る。
【0038】
通信回路54は、外部デバイス12のような別のデバイスまたは圧力感知デバイスなどの別の医療デバイスまたはセンサと通信するための任意の好適なハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。処理回路50の制御下で、通信回路54は、内部または外部アンテナ、例えばアンテナ26の助けを借りて、外部デバイス12または別のデバイスからダウンリンクテレメトリを受信し、アップリンクテレメトリを送信し得る。いくつかの例において、通信回路54は、外部デバイス12と通信し得る。加えて、処理回路50は、外部デバイス(例えば、外部デバイス12)およびDublin,IrelandのMedtronic、plcによって開発されたMedtronic CareLink(登録商標)ネットワークなどのコンピュータネットワークを介してネットワーク化されたコンピューティングデバイスと通信し得る。
【0039】
臨床医または他のユーザは、外部デバイス12を使用して、または通信回路54を介して処理回路50と通信するように構成された別のローカルまたはネットワーク化されたコンピューティングデバイスを使用することによって、IMD10からデータを検索し得る。臨床医はまた、外部デバイス12または別のローカルまたはネットワーク化されたコンピューティングデバイスを使用して、IMD10のパラメータをプログラムし得る。いくつかの例において、臨床医は、IMD10が患者4の心臓電位図データをどのように感知するかを定義する1つ以上のパラメータを選択し得る。
【0040】
IMD10の1つ以上の構成要素は、IMD10のハウジング内に配置された充電式または非充電式電池を含み得る電源(
図2には示されていない)に結合され得る。非充電式電池は、数年間持続するように選択され得、一方、充電式電池は、例えば、毎日または毎週、外部デバイスから誘導充電され得る。
【0041】
いくつかの例では、処理回路50は、感知回路52を介して患者4の心臓電位図データを感知し、そのような心臓電位図データを
図1の外部デバイス12にアップロードする。いくつかの例では、処理回路50は、感知された心臓電位図データの特徴描写を実行して、心不整脈の予備検出を実行し、心臓不整脈のエピソードの検出に応答して、患者4の心臓電位図データのみを外部デバイス12にアップロードする。いくつかの例では、IMD10によって実行される特徴描写は、IMD10の電力を節約するために複雑さが軽減されている。
【0042】
本明細書で説明するように、特徴描写は、エピソード心不整脈の検出または分類に使用するための信号処理を通じて得られた特徴の使用を指す。通常、特徴描写には、心臓電位図データの特徴を識別または抽出し、そのような特徴の特性を測定し、測定値を使用して不整脈を検出または分類するための設計されたルールの使用が含まれる。例えば、特徴描写は、R波、QRS群、P波、T波、そのような特徴の速度、そのような特徴間の間隔、特徴の形態、そのような特徴の幅または振幅、または他のまたは他のタイプの心臓の特徴または本明細書に明示的に記載されていないような特徴の特性などの特徴を識別するために使用され得る。特徴描写には、特徴抽出、信号フィルタリング、ピーク検出、耐火物分析、または他のタイプの信号処理、特徴エンジニアリング、または検出ルールの開発が含まれ得る。特徴描写アルゴリズムは、植え込み型医療デバイスでの使用など、リアルタイム、組み込み、および低電力のアプリケーション向けに最適化し得る。しかしながら、特徴描写アルゴリズムでは、患者の不整脈を正確に検出するために、専門家による設計および機能エンジニアリングが必要になり得る。
【0043】
心不整脈の検出および分類のための特徴描写技術とは対照的に、機械学習技術は、心不整脈の検出および分類のために使用され得る。本明細書で説明するように、機械学習は、ニューラルネットワークまたは深層学習モデルなどの機械学習モデルの使用を指し、これは、心臓電位図データから心臓不整脈を検出するためのトレーニングデータセットでトレーニングされる。機械学習技術は、特徴描写が信号処理に依存するという点で特徴描写とは対照的であり、機械学習システムは、システム設計者の代わりに特徴と不整脈のエピソード間の関係の知識または理解を必要とせずに、不整脈のエピソードを示す心臓電位図データに存在する基礎となる特徴を「学習」し得る。
【0044】
患者4の心臓電位図データを感知する例示的なIMD10の文脈で本明細書に記載されているが、本明細書に開示されている心不整脈検出のための技術は、他のタイプのデバイスとともに使用され得る。例えば、技術は、心臓血管系の外側の電極に結合された心臓外除細動器、例えば、Dublin IrelandのMedtronic PLCから市販されているMicra(商標)経カテーテルペーシングシステムなどの心臓内に植え込まれるように構成されている経カテーテルペースメーカ、Medtronic PLCから同様に市販されているReveal LINQ(商標)ICMなどの挿入可能な心臓モニタ、神経刺激装置、薬物送達デバイス、患者4の外部にある医療デバイス、ウェアラブル除細動器、フィットネストラッカ、またはその他のウェアラブルデバイスなどのウェアラブルデバイス、携帯電話、「スマート」フォン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、または「スマート」グラス、「スマート」パッチ、または「スマート」ウォッチなどの「スマート」アパレルなどのモバイルデバイスで実装されてもよい。
【0045】
図3は、
図1のリードレス植え込み型医療デバイスの別の例を示すブロック図である。
図3の構成要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれている必要はなく、代わりに、詳細を示すために拡大されている場合がある。具体的には、
図3は、
図1のIMD10の構成例の上面図のブロック図である。
【0046】
図3は、
図1のIMD10と実質的に同様の構成要素を含み得る例示的なIMD10を示す概念図である。
図1および2に示される構成要素に加えて、
図3に示されるIMD10の例はまた、ハウジング14および処理回路50上の電極16A、16B間を通過する電気信号を絶縁するのを助けることができるウェーハスケールの絶縁カバー74を含み得る。いくつかの例では、絶縁カバー74は、IMD10Bの構成要素のためのハウジングを形成するために、開いたハウジング14の上に配置され得る。IMD10Bの1つ以上の構成要素(例えば、アンテナ26、処理回路50、感知回路52、通信回路54、および/またはスイッチング回路60は、フリップチップ技術を使用することなどによって、絶縁カバー74の下側に形成され得る。絶縁カバー74は、ハウジング14上に裏返し得る。裏返してハウジング14上に配置すると、絶縁カバー74の下側に形成されたIMD10Bの構成要素は、ハウジング14によって画定されるギャップ76内に配置され得る。ハウジング14は、チタンまたは他の任意の好適な材料(例えば、生体適合性材料)から形成することができ、約200マイクロメートルから約500マイクロメートルの厚さを有し得る。これらの材料および寸法は単なる例であり、他の材料および他の厚さは、本開示のデバイスのために可能である。
【0047】
いくつかの例では、IMD10は、感知回路52および/またはセンサ58を介して、心臓電位図データを含む患者4の患者データを収集する。センサ58は、1つ以上の加速度計、圧力センサ、O2飽和度のための光学センサなどのような、1つ以上のセンサを含み得る。いくつかの例では、患者データは、患者の活動レベル、患者の心拍数、患者の姿勢、患者の心電図、患者の血圧、患者の加速度計データ、または他のタイプの患者データのうちの1つ以上を含む。IMD10は、通信回路54を介して、患者データを外部デバイス12にアップロードし、外部デバイスは、そのようなデータを、次にネットワーク25を介してコンピューティングシステム24にアップロードし得る。いくつかの例では、IMD10は、患者データをコンピューティングシステム24に毎日アップロードする。いくつかの例では、患者データは、長期期間(例えば、約24時間~約48時間)にわたる患者4の平均測定値を表す1つ以上の値を含む。この例では、IMD10は、患者データをコンピューティングシステム24にアップロードするとともに、患者4の短期モニタリングを実行する(後述するように)。しかしながら、他の例では、患者データを処理して患者4の不整脈を検出および/または分類する医療デバイスは、患者4の短期モニタリングを実行する医療デバイスとは異なる。
【0048】
図4は、本開示の1つ以上の技術にしたがって動作する例示的なコンピューティングデバイス400を示すブロック図である。一例では、コンピューティングデバイス400は、
図1のコンピューティングシステム24の例示的な実装である。一例では、コンピューティングデバイス400は、機械学習システム450または本明細書に記載の任意の他のアプリケーションを含むアプリケーション424を実行するための処理回路402を含む。例示の目的のために、
図4にはスタンドアロンのコンピューティングデバイス400として示されているが、コンピューティングデバイス400は、ソフトウェア命令を実行するための処理回路または他の好適なコンピューティング環境を含むいずれかの構成要素またはシステムであってもよく、例えば、必ずしも
図4に示された1つ以上の要素を含む必要はなく(例えば、入力デバイス404,通信回路406、ユーザインターフェースデバイス410,または出力デバイス412、およびいくつかの例では、記憶デバイス408のような構成要素は、他の構成要素と同位置に、または同じ筐体内に配置されていなくてもよい)。いくつかの例では、コンピューティングデバイス400は、複数のデバイスに分散されたクラウドコンピューティングシステムであり得る。
【0049】
図4の例に示されるように、コンピューティングデバイス400は、処理回路402、1つ以上の入力デバイス404、通信回路406、1つ以上の記憶デバイス408、ユーザインターフェース(UI)デバイス410、および1つ以上の出力デバイス412を含む。一例では、コンピューティングデバイス400は、コンピューティングデバイス400によって実行可能である機械学習システム450、およびオペレーティングシステム416などの1つ以上のアプリケーション424をさらに含む。構成要素402、404、406、408、410、および412の各々は、構成要素間通信のために(物理的に、通信可能に、および/または動作可能に)結合される。いくつかの例では、通信チャネル414は、システムバス、ネットワーク接続、プロセス間通信データ構造、またはデータを通信するためのいずれかの他の方法を含み得る。一例として、構成要素402、404、406、408、410、および412は、1つ以上の通信チャネル414によって結合され得る。
【0050】
一例では、処理回路402は、コンピューティングデバイス400内で実行するための機能および/または処理命令を実装するように構成されている。例えば、処理回路402は、記憶デバイス408に記憶された命令を処理することが可能であり得る。処理回路402の例は、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または同等の個別または集積論理回路のうちのいずれか1つ以上を含み得る。
【0051】
1つ以上の記憶デバイス408は、動作中にコンピューティングデバイス400内に情報を記憶するように構成され得る。いくつかの例では、記憶デバイス408は、コンピュータ可読記憶媒体として説明されている。いくつかの例では、記憶デバイス408は一時メモリであり、これは、記憶デバイス408の主な目的が長期記憶ではないことを意味する。いくつかの例では、記憶デバイス408は、揮発性メモリとして説明され、これは、コンピュータがオフにされたときに、記憶デバイス408が記憶された内容を維持しないことを意味する。揮発性メモリの例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、および当技術分野で知られている他の形態の揮発性メモリが含まれる。いくつかの例では、記憶デバイス408を使用して、処理回路402によって実行するためのプログラム命令を記憶する。一例では、記憶デバイス408は、プログラム実行中に情報を一時的に記憶するために、コンピューティングデバイス400上で実行されるソフトウェアまたはアプリケーション424によって使用される。
【0052】
いくつかの例では、記憶デバイス408はまた、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含む。記憶デバイス408は、揮発性メモリよりも大量の情報を記憶するように構成され得る。記憶デバイス408は、情報の長期記憶のためにさらに構成され得る。いくつかの例では、記憶デバイス408は、不揮発性記憶要素を含む。そのような不揮発性記憶要素の例には、磁気ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、フラッシュメモリ、または電気的プログラム可能メモリ(EPROM)または電気的消去可能なプログラム可能(EEPROM)メモリの形態が含まれる。
【0053】
コンピューティングデバイス400は、いくつかの例では、通信回路406も含む。一例では、外部デバイス400は、通信回路406を利用して、
図1のIMD10および外部デバイス12のような外部デバイスと通信する。通信回路406は、イーサネットカード、光トランシーバ、無線周波数トランシーバ、または情報を送受信することができるいずれかの他のタイプのデバイスなどのネットワークインターフェースカードを含み得る。そのようなネットワークインターフェースの他の例には、3GおよびWiFi無線が含まれ得る。
【0054】
一例では、コンピューティングデバイス400は、1つ以上のユーザインターフェースデバイス410も含む。いくつかの例では、ユーザインターフェースデバイス410は、触覚、音声、または映像フィードバックを通して、ユーザからの入力を受信するように構成されている。ユーザインターフェースデバイス410の例には、プレゼンスセンシティブディスプレイ、マウス、キーボード、音声応答システム、ビデオカメラ、マイクロフォン、またはユーザからのコマンドを検出するための任意の他のタイプのデバイスが含まれる。いくつかの例では、プレゼンスセンシティブディスプレイはタッチスクリーンを含む。
【0055】
1つ以上の出力デバイス412もまた、コンピューティングデバイス400に含まれ得る。出力デバイス412は、いくつかの例では、触覚、音声、または映像刺激を使用してユーザに出力を提供するように構成されている。出力デバイス412は、一例では、プレゼンスセンシティブディスプレイ、サウンドカード、ビデオグラフィックアダプタカード、または信号を人間または機械が理解できる適切な形式に変換するためのいずれかの他のタイプのデバイスを含む。出力デバイス412の追加の例には、スピーカ、ブラウン管(CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、またはユーザに理解可能な出力を生成することができる任意の他のタイプのデバイスが含まれる。
【0056】
コンピューティングデバイス400は、オペレーティングシステム416を含み得る。オペレーティングシステム416は、いくつかの例では、コンピューティングデバイス400の構成要素の動作を制御する。例えば、オペレーティングシステム416は、一例では、1つ以上のアプリケーション424および長期予測モジュール450と、処理回路402、通信回路406、記憶デバイス408、入力デバイス404、ユーザインターフェースデバイス410、および出力デバイス412との通信を容易にする。
【0057】
アプリケーション422はまた、コンピューティングデバイス400によって実行可能であるプログラム命令および/またはデータを含み得る。コンピューティングデバイス400によって実行可能な例示的なアプリケーション422は、機械学習システム450を含み得る。示されていない他の追加のアプリケーションは、本明細書に記載された他の機能を提供するために代替的にまたは追加的に含まれ得るが、簡素化にするために図示されていない。
【0058】
本開示の技術にしたがって、コンピューティングデバイス400は、機械学習システム450の機械学習モデルを、IMD10によって感知された患者データに適用して、患者10で発生する不整脈のエピソードを検出および分類する。いくつかの例では、機械学習システム450は、
図1の機械学習システム150の例である。
【0059】
いくつかの例では、機械学習システム450によって実装される機械学習モデルは、記述的メタデータで標識された複数の患者の心臓電位図データを含むトレーニングデータでトレーニングされる。例えば、トレーニング段階の間、機械学習システム450は、複数のECG波形を処理する。典型的には、複数のECG波形は、複数の異なる患者からのものである。各ECG波形は、1つ以上のタイプの不整脈の1つ以上のエピソードで標識されている。例えば、トレーニングECG波形は、複数のセグメントを含み得、各セグメントは、不整脈の不在または特定の分類の不整脈の存在を指定する記述子で標識されている(例えば、徐脈、頻脈、心房細動、心室細動、または房室ブロック)。いくつかの例では、臨床医は、各ECG波形の不整脈の存在を手作業で標識する。いくつかの例では、各ECG波形の不整脈の存在は、特徴描写アルゴリズムによる分類にしたがって標識される。機械学習システム450は、トレーニングデータをベクトルおよびテンソル(例えば、多次元配列)に変換するように動作することができ、その上で、機械学習システム450は、線形代数、非線形、または代替の計算操作などの数学的操作を適用することができる。機械学習システム450は、トレーニングデータ104を使用して、心臓電位図データに示される異なる特徴を比較検討するように機械学習モデルを教える。いくつかの例では、機械学習システム450は、心臓電位図データを使用して、機械学習モデルに、心電図の1つ以上の特徴を、特定の分類の心臓不整脈の発生に関して多かれ少なかれ重要であるとして表す異なる係数を適用するように教える。不整脈のエピソードで標識された多数のそのようなECG波形を処理することによって、機械学習システム450は、機械学習システム450が以前には分析しなかった、
図1の患者4などの患者から心臓電位図データを受信するための機械学習モデルを構築およびトレーニングすることができ、さらにそのような心臓電位図データを処理し、患者の様々な分類の不整脈の有無を高い精度で検出する。通常、機械学習システム450がトレーニングされる心臓電位図データの量が多いほど、新しい心臓電位図データで心不整脈を検出または分類する際の機械学習モデルの精度が高くなる。
【0060】
機械学習システム450が機械学習モデルをトレーニングした後、機械学習システム450は、患者4などの特定の患者の心臓電位図データなどの患者データを受信し得る。機械学習システム450は、トレーニングされた機械学習モデルを患者データに適用して、患者4における心不整脈のエピソードの発生を検出する。さらに、機械学習システム450は、トレーニングされた機械学習モデルを患者データに適用して、特定のタイプの不整脈を示すものとして患者の心不整脈のエピソードを分類する。いくつかの例では、機械学習システム450は、心不整脈のエピソードが特定のタイプの不整脈を示しているという判定、同様に判定における信頼性のレベルを出力し得る。判定における信頼性のレベルが所定の閾値(例えば、50%、75%、90%、95%、99%)より大きいと判定することに応答して、コンピューティングデバイス400は、心不整脈のエピソードを特定のタイプの不整脈に分類し得、心臓電位図データの少なくとも一部分(例えば、不整脈のエピソードが発生したECGの一部分)、不整脈のエピソードが患者4に発生したことの第1の指標、および不整脈のエピソードが発生したという判定の信頼性のレベルの第2の指標をユーザに表示するために、出力する。
【0061】
いくつかの例では、機械学習システム150は、生の心臓電位図データ自体の代わりに、心臓電位図データの1つ以上の心臓特徴を処理し得る。1つ以上の心臓特徴は、上述のように、IMD10によって実行される特徴描写を介して取得し得る。心臓特徴は、例えば、患者の平均心拍数、患者の最小心拍数、患者の最大心拍数、患者の心臓のPR間隔、患者の心拍数の変動性、患者の心電図(ECG)のそれ以上の特徴の1つ以上の振幅、または患者の1つ以上のECGの間の間隔、T波交互脈、QRS形態測定、または他のタイプの本明細書に明示的に記載されていない心臓特徴のうちの1つ以上を含み得る。そのような例示的な実装形態では、機械学習システムは、上述のような不整脈のエピソードで標識された複数のECG波形の代わりに、不整脈のエピソードで標識された複数のトレーニング心臓特徴を介して機械学習モデルをトレーニングし得る。
【0062】
いくつかの例では、機械学習システム450は、心臓電位図データを処理し得、不整脈のエピソード(例えば、徐脈、頻脈、心房細動、心室細動、または房室ブロック)の分類を導き出す。さらに、機械学習システム450は、不整脈タイプ分類のそれぞれについて、ある期間にわたる分類の様々な可能性を示すクラス活性化データを判定することができる。所与の不整脈タイプについて、異なる時間でのそのような尤度値の振幅は、その時間に不整脈が発生している確率に対応し、より高い値はより高い確率に対応する。
【0063】
コンピューティングデバイス400は、クラス活性化マッピングを使用し得、機械学習システム450の機械学習モデルによって時系列に特定の分類が与えられる理由を構成する、例えば心臓EGMデータの入力時系列の領域を識別する。所与の分類のクラス活性化マップは、各要素(例えば、入力時系列のサンプリング周波数での各タイムスタンプ)が加重和またはニューラルネットワークまたはその他の機械学習モデルの中間層の出力から導出された他の値である単変量時系列であり得る。中間層は、各分類の出力層ニューロンの前のグローバル平均プーリング層および/または最後の層であり得る。
【0064】
いくつかの例では、機械学習システム450は、機械学習モデルを他のタイプのデータに適用し得、不整脈のエピソードが患者4で発生したことを判定する。例えば、機械学習システム450は、患者の不整脈、IMD10の活動レベル、IMD10の入力インピーダンス、またはIMD10のバッテリレベルに相関する心臓電位図データの1つ以上の特性に機械学習モデルを適用することができる。
【0065】
さらなる例では、処理回路402は、心臓電位図データから、心臓電位図データの中間表現を生成し得る。例えば、処理回路402は、1つ以上の信号処理、信号分解、ウェーブレット分解、フィルタリング、またはノイズ低減操作を心臓電位図データに適用し得、心臓電位図データの中間表現を生成する。この例では、機械学習システム450は、心臓電位図データのそのような中間表現を処理して、患者4の不整脈のエピソードを検出および分類する。さらに、機械学習システムは、上述のように不整脈のエピソードで標識された複数の生のECG波形の代わりに、不整脈のエピソードで標識された複数のトレーニング中間表現を介して機械学習モデルをトレーニングし得る。心臓電位図データのそのような中間表現の使用は、機械学習システム450による、より軽量で、計算がより複雑でない機械学習モデルのトレーニングおよび開発を可能にし得る。さらに、心臓電位図データのそのような中間表現の使用は、機械学習モデルをトレーニングするための生の心臓電位図データの使用とは対照的に、正確な機械学習モデルを構築するためにより少ない反復およびより少ないトレーニングデータを必要とし得る。
【0066】
いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、機械学習システム150を使用し得、特徴描写スクリーニング分析で検出されたもの以外の他のタイプの不整脈を検出する。例えば、IMD10などの低電力デバイスによって実装される特徴描写を実行するための不整脈検出アルゴリズムは、房室ブロックなどの頻度の低い不整脈を検出するように設計されていない場合がある。機械学習システム150は、そのような不整脈が利用可能である大規模なデータセットで機械学習モデルをトレーニングすることができ、それにより、例えば、IMD10のみによって実行される特徴描写よりも細かい粒度およびより高い精度を提供する。したがって、機械学習システム150の使用は、IMD10が特徴描写を使用して一般的なスクリーニングアルゴリズムを実装することを可能にすること、続いて、より広い範囲の不整脈検出を提供できる機械学習モデルを実装する機械学習システム150を使用することによって、システム2の不整脈診断能力を拡張し得る。特徴描写によって検出されなかったタイプの不整脈を検出した後、それにもかかわらず、コンピューティングシステム24は、QRS検出などの特徴描写を使用し得、機械学習システム150の機械学習モデルによって検出された他のタイプの不整脈の特徴付けおよび報告を支援する。
【0067】
いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、機械学習システム150を特定の使用例に合わせて調整し得る。例えば、機械学習システム150は、患者4がTAVR後の患者である場合、房室ブロックおよび徐脈の検出に固有の機械学習モデルを実装し得る。別の例として、機械学習システム150は、PVCの負担がICDの適応となる可能性のある患者をリスク層別化するために使用できるように、PVCの検出に固有の機械学習モデルを実装し得る。
【0068】
図5は、本開示の技術による例示的な動作を示すフローチャートである。便宜上、
図5は、
図1に関連して説明されている。いくつかの例では、
図5の動作は、患者4の心不整脈のエピソードを検出する機械学習システム150の出力を説明および視覚化するための動作である。
【0069】
図5に示されるように、IMD10は、患者4の心臓電位図データを感知する。心臓電位図データは、例えば、患者4の一時的なECGまたは患者4の完全開示ECGであり得る。さらに、患者4の心臓電位図データは、シングルチャネルまたはマルチチャネルシステムからのものであり得る。簡単にするために、
図5の例では、患者4の心臓電位図データは、単一チャネルの一時的なECGデータとして説明されている。IMD10は、心臓電位図データを外部デバイス12にアップロードする。コンピューティングシステム24は、外部デバイス12から心臓電位図データを受信する(502)。
【0070】
コンピューティングシステム24の機械学習システム150は、受信した心臓電位図データに機械学習モデルを適用して、患者4の不整脈のエピソードを検出する(504)。いくつかの例では、機械学習モデルは、臨床医またはいくつかの異なるタイプの不整脈の監視センタによって注釈が付けられた複数のECGエピソードでトレーニングされる。一例では、機械学習システム150は、機械学習モデルを正規化された入力ECG信号の1つまたはいくつかのサブセグメントに適用し、不整脈ラベルおよび不整脈の発生の可能性を生成する。いくつかの例では、機械学習システム150は、患者4で不整脈のエピソードが発生したと判定し、患者4で不整脈のエピソードが発生したと判定する際の信頼性を判定する。いくつかの例では、機械学習システム150は、複数の異なる不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者4で発生したかどうか、ならびに各不整脈タイプの不整脈のエピソードが発生したという信頼性のレベルを判定する。
【0071】
コンピューティングシステム24は、機械学習システム150が不整脈のエピソードを検出したかどうかを判定する(506)。機械学習システム150が不整脈のエピソードを検出したとの判定に応答して(例えば、ブロック506の「はい」)、コンピューティングシステム24は、判定の信頼性のレベルが所定の閾値より大きいかどうかを判定する(510)。いくつかの例では、所定の閾値は、例えば、25%、50%、75%、90%、95%、99%などであり、いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、判定における信頼性のレベルが第1の所定の閾値(例えば、50%)より大きいか否か、および判定における信頼性のレベルが第2の所定の閾値(例えば、90%)よりも大きいか否かを判定する。第1の所定の閾値は、不整脈のエピソードが発生したという機械学習システム150による中程度の信頼度に関連付けられ得、第2の所定の閾値は、機械学習システム150による高レベルの信頼性に関連付けられ得る。
【0072】
信頼性のレベルが所定の閾値より大きいと判定することに応答して(例えば、510の「はい」ブロック)、コンピューティングシステム24は、臨床医によるレビューのために心臓電位図データを出力する。いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、心臓電位図データの一部、不整脈のエピソードが患者4で発生したことの第1の指標、および不整脈のエピソードが患者4に発生したという判定における信頼性のレベルの第2の指標を出力する(512)。いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、不整脈のエピソードが発生したという機械学習システム150による信頼性のレベルにしたがって視覚化方法を選択する。例えば、コンピューティングシステム24は、結果を示すために色分けを適用することができる(例えば、不整脈のエピソードが発生したよりも低い信頼性については「緑」、不整脈のエピソードが発生したよりも中程度の信頼性については「黄」、または不整脈のエピソードが発生したよりも高い信頼性については「赤」を発生する)。
【0073】
いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、不整脈のタイプを示すために異なる視覚化技術を使用する。いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、不整脈のエピソードが発生した場所を示すために、ECG波形および波形に対する注釈を提示する。いくつかの例では、注釈は、ECGのセクションを強調すること、不整脈のエピソードの開始および/または終了時間を示すこと、またはECGのセクションにグラフィックアイコンまたはテキストを適用することを含む。コンピューティングシステム24は、色分け、ハッチング、画像またはアイコン、形状、異なるサイズのインジケータ、光、音、テキスト通知などの多種多様な異なる視覚化技術を使用し得、単にユーザに伝達される情報を単純にする。
【0074】
一例では、コンピューティングシステム24は、不整脈のエピソードが患者に発生したことの表示、および不整脈のエピソードと一致する1つ以上の心臓の特徴を表示する。いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、不整脈のエピソードの分類を特定のタイプの不整脈として表示する。
【0075】
いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、不整脈のエピソードと一致する、患者4から得られた心臓電位図データのサブセクションを表示する。例えば、コンピューティングシステム24は、患者4の心臓電位図データのサブセクションを識別し得、ここで、サブセクションは、不整脈のエピソードの前の第1の期間(例えば、典型的には、不整脈のエピソードの発症前の10分未満)、不整脈のエピソードの発生中の第2の期間、および不整脈のエピソードの後の第3の期間(例えば、典型的には、不整脈のエピソードの停止後10分未満)についての心臓電位図データを含む。
【0076】
一例として、患者4の心臓電位図データのサブセクションは、長さが約6秒であり得、不整脈のエピソードの前、最中、および後の代表的なセグメントを含む(分析される心臓電位図データまたは波形に存在する場合)。いくつかの例では、エピソードの持続時間は、デバイスのタイプによって異なり、さらに、医療デバイスの使用例、医療デバイスの1つ以上の設定、または感知された特定のタイプの不整脈に依存し得る。例えば、一部のタイプの不整脈はすぐに自己終了し(結果的にエピソードの持続時間が短くなる)、他のタイプの不整脈は持続し、エピソードの記録された持続時間が医療デバイスの指定されたメモリスペースに依存するような長さである。一例として、心房細動(AF)の場合、患者4の心臓電位図データのサブセクションは、発症期間中の心臓電位図データ、最大AF可能性のセグメント、最速AF率のセグメント、およびAFオフセットを含み得る。典型的には、患者の心臓電位図データの時間の長さは、第1、第2、および第3の期間よりも長い。さらに、コンピューティングシステム24は、第1、第2、および第3の期間と一致する1つ以上の心臓特徴を識別する。コンピューティングシステム24は、心臓電位図データのサブセクションと、第1、第2、および第3の期間と一致する1つ以上の心臓特徴とを表示する。
【0077】
機械学習システム150が不整脈のエピソードを検出しなかったと判定した場合(例えば、ブロック506で「いいえ」)、または信頼性のレベルが所定の閾値以下であると判定した場合(例えば、ブロック510で「いいえ」)、コンピューティングシステム24は、後で監視センタまたは臨床医によるレビューのために、感知された心臓電位図データをアーカイブする(508)。
【0078】
図6は、本開示の技術による例示的な動作を示すフローチャートである。便宜上、
図6は、
図1に関して説明されている。いくつかの例では、
図6の動作は、ユーザによって選択されたタイプの心不整脈のエピソードを検出する機械学習システム150の出力を説明および視覚化するための動作である。
【0079】
図6の動作は、コンピューティングシステム24が、検出された不整脈および各不整脈が存在する対応する信頼レベルの視覚化(色分けされた図など)を提示するという点で、
図5の動作と同様であり得る。しかしながら、
図6の動作は、ユーザが特定のタイプまたは分類の不整脈を事前に選択することを可能にする。応答として、コンピューティングシステム24は、出力をフィルタリングして、心臓電位図データ内の位置に選択されたタイプの不整脈のみが存在する可能性、ならびに検出における対応する信頼性のレベルを描写する。
【0080】
コンピューティングシステム24は、外部デバイス12から心臓電位図データを受信する(602)。コンピューティングシステム24の機械学習システム150は、受信した心臓電位図データに機械学習モデルを適用して、患者4の不整脈のエピソードを検出する(604)。ステップ602および604の動作は、それぞれ、
図5のステップ502および504と実質的に同様の方法で発生し得る。
【0081】
コンピューティングシステム24は、ユーザから、特定の患者のための不整脈のタイプの選択を受け取る(605)。例えば、コンピューティングシステムは、コンピューティングシステム24のインターフェースを介したユーザからの入力として、徐脈、頻脈、心房細動、心室細動、または房室ブロックなどの不整脈の選択を受け取り得る。コンピューティングシステム24は、機械学習システム150が、特定の患者からの現在およびその後のエピソードにおいて、選択されたタイプの不整脈のエピソードを検出するかどうかを判定する(606)。例えば、機械学習システム150が選択されたタイプの不整脈のエピソードを検出しなかったとの判定に応答して(例えば、ブロック606での「いいえ」)、コンピューティングシステム24は、後で監視センタまたは臨床医によるレビューのために、感知された心臓電位図データをアーカイブする(608)。
【0082】
機械学習システム150が選択されたタイプの不整脈の少なくとも1つのエピソード(例えば、ブロック606での「はい」)を検出したと判定することに応答して、コンピューティングシステム24は、選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者4で発生したことの機械学習システム150による信頼性のレベルを判定する(610)。さらに、コンピューティングシステム24は、心臓電位図データの一部分、不整脈のエピソードが患者4で発生したことの第1の指標、および不整脈のエピソードが患者4で発生したという判定における確実性のレベルの第2の指標を出力する(612)。
【0083】
したがって、
図6の動作により、ユーザは、関心のある特定の不整脈を選択することができる。コンピューティングシステム24は、ユーザの選択に基づいて視覚的提示を更新し得る。コンピューティングシステム24は、ユーザ入力に基づいてそのユーザインターフェースを更新するので、高および中程度の信頼性のレベルで検出された不整脈を表示することに加えて、コンピューティングシステム24はまた、低い信頼性で検出された不整脈の潜在的なエピソードを提示し得る。不整脈が検出の信頼性が低い状態で検出されるいくつかの例では、判定が信頼性の低いものであるという指標が、検出された不整脈の信頼性の低いレベルの対応する値とともに目立つように示される。したがって、コンピューティングシステム24は、多くの異なるタイプ(および確実性)の不整脈の視覚化または説明を提示し得る。したがって、臨床医は、コンピューティングシステム24を使用し得、特定のタイプの不整脈の臨床医による分類を確認する。これにより、臨床医による患者4の診断の精度が向上し得、特に、あまり一般的ではなく、臨床医が特定するのがより困難なタイプの不整脈の場合に顕著である。コンピューティングシステム24は、以前に識別されたタイプの不整脈のエピソードのその後の発生を識別するのをさらに助け得る。
【0084】
別の例では、コンピューティングシステム24は、ユーザから、不整脈のエピソードの分類を特定のタイプの不整脈のものとして受け取る。機械学習システム150は、受信した分類を使用して、機械学習モデルまたは不整脈閾値をトレーニングまたは更新して、機械学習モデル150の精度および性能を向上させる。これにより、検出が困難なタイプの不整脈のエピソード、特定の患者にユニークな固有の医学的診断に依存するタイプの不整脈のエピソード、またはデータが不足している、まれである、または罹患率が低いタイプの不整脈、または特定の患者での検出性能がデバイスの位置、生理学的状態の変化などの要因のために最適ではない可能性がある不整脈のエピソードを検出および分類する際の機械学習システム150の精度および性能を向上させ得る。
【0085】
図7は、本開示の技術による例示的な動作を示すフローチャートである。便宜上、
図7は、
図1に関して説明されている。いくつかの例では、
図7の動作は、患者4の心不整脈のエピソードを検出する機械学習システム150の出力を説明および視覚化するための動作である。
【0086】
コンピューティングシステム24は、外部デバイス12から心臓電位図データを受信する(702)。コンピューティングシステム24の機械学習システム150は、受信した心臓電位図データに機械学習モデルを適用して、患者4の不整脈のエピソードを検出する(704)。コンピューティングシステム24は、不整脈のエピソードが検出されるかどうか(706)、および検出の信頼性のレベルを判定する(710)。ステップ702、704、706、708、および710の動作は、それぞれ、
図5のステップ502、504、506、508、および510と実質的に同様の方法で発生し得る。
【0087】
さらに、コンピューティングシステム24は、ユーザタイプが高度であるかどうかを判定する(714)。
【0088】
この例では、コンピューティングシステム24は、ユーザの能力に基づいて心臓電位図データの視覚化をカスタマイズし得る。例えば、コンピューティングシステム24は、多かれ少なかれ詳細なECG波形、メタデータ、および異なる能力の様々なユーザに必要に応じてAIによって提供される結果の分析を提示し得る。
【0089】
例えば、ユーザタイプが高度でない(例えば、基本的なユーザタイプ)(例えば、ブロック714での「いいえ」)との判定に応答して、コンピューティングシステム24は、基本的な心臓電位図データ、不整脈のエピソードが患者4に発生したという第1の指標、および不整脈のエピソードが患者4で発生したという判定における確実性のレベルの第2の指標を出力する(716)。例えば、移植心臓専門医、神経科医、HF医師、デバイス看護師、患者/介護者などの非専門家の場合、コンピューティングシステム24は、不整脈のエピソードの「真および偽」の陽性検出に関して機械学習システム150の全体的な性能を表示するために提示し得る。いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、表示のために、同じ分類の不整脈の代表的なエピソードでオーバーレイされた不整脈の検出されたエピソードを描写するECGセグメント(例えば、AFの代表的な波形例でオーバーレイされたAFを提示する患者4のECGセグメント)をさらに提示し得る。いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、表示のために、ベースラインまたは非AFエピソードでオーバーレイされた不整脈の検出されたエピソードを描写するECGセグメントをさらに提示し得る。いくつかの例では、コンピューティングデバイス24は、基本的なユーザに、患者のECG波形、不整脈のエピソードを提示する第1のECG波形の第1の表現、および正常な心臓行動を提示する第2のECG波形の第2の表現を提示する。
【0090】
別の例として、ユーザタイプが高度である(例えば、ブロック714での「はい」)との判定に応答して、コンピューティングシステム24は、高度な心臓電位図データ、不整脈のエピソードが患者4で発生したことの第1の指標、および不整脈のエピソードが患者4で発生したという判定における確実性のレベルの第2の指標を出力する(718)。例えば、電気生理学者または対象分野の専門家の場合、コンピューティングシステム24は、例えば、AFのエピソードについて、平均RRベースラインと対比された各AFセグメント中の平均RRとともに提示される不整脈の各エピソードの開始時間および停止時間、各AFセグメント中にRR変動ベースラインと対照的であるRR変動、P波ベースラインと対照的であるAFセグメント中のP波証拠、および形態変動を表示し得る。コンピューティングシステム24は、機械学習システム150の専門家の信頼性を改善し、専門家が心不整脈のエピソードを解釈するのを支援するために、本明細書に明示的に記載されていない追加のタイプの情報を提示し得る。いくつかの例では、コンピューティングデバイス24は、高度なユーザに、患者4のECG波形のうちの1つ以上、不整脈のエピソードの開始時間、不整脈のエピソードの停止時間、不整脈のエピソード中、患者4の平均R-R間隔、不整脈のエピソード中の患者4のR-R変動、患者4のベースラインR-R間隔、不整脈のエピソード中の患者4のP波、患者4のベースラインP波、または患者4の形態変動を提示する。
【0091】
したがって、
図7の動作は、データにアクセスするユーザのスキル、能力、または経験に基づいて、異なるデータ提示をさらに可能にする。
図7の動作は、例えば、心臓波形の解釈にあまり精通していない医師の利害関係者(例えば、心臓専門医または主題の専門家ではない臨床医)によって患者が心臓モニタを処方される状況で使用され得るが、患者は心臓電位図データの特性の基本的な提示および/または機械学習システム150による分類を見たいと思っている。本開示の技術を使用することにより、医療デバイスシステム2などの医療デバイスシステムは、エンドユーザに適切な量のデータを提供し得る。したがって、医療デバイスシステム2は、臨床医が適切な診断または紹介を行うこと、または予想される心臓リズム(または不整脈)の有無を確認することを可能にし得る。さらに、医療デバイスシステム2は、必要な理解レベルに関係のないデータで臨床医に負担をかけることを回避し得る。
【0092】
図8は、本開示の技術にしたがって機械学習システム150を説明するために使用され得る例示的なシミュレートされた心臓電位図データを示すグラフである。便宜上、
図8は、
図1の医療システム24に関して説明されている。
【0093】
機能工学的アルゴリズムとは異なり、機械学習システム150が患者の心臓電位図データから不整脈を検出するためにどのように動作するかが正確に明確でない場合がある。本明細書で説明するように、コンピューティングシステム24は、波形802、804、および806などのシミュレートされた心臓電位図データを使用し得、機械学習システム150によって実行される不整脈の特徴付けの異なる側面を精査することができる。例えば、コンピューティングシステム24は、複数の異なる特性にわたるシミュレートされた心臓電位図データを機械学習システム150に供給し、機械学習モデルが、特定のタイプの不整脈の検出に関して多かれ少なかれ重要であるとして、様々な特徴をどのように評価するかを理解するために、機械学習システム150の出力をマッピングしている(
図9A~9Cに関して以下でより詳細に説明するように)。例えば、コンピューティングシステム24は、RR変動性(RRV)、RRレート、またはp波の値が異なるシミュレートされた心臓電位図データを使用し得、機械学習システム150がAFをどのように特徴づけるかを調べる。本明細書で説明するように、「RRV」は、ECG波のQRS群のピークに対応する連続する「R」点間の間隔の変動を指す。シミュレートされた心臓電位図データを使用し、機械学習システム150による、シミュレートされた心臓電位図データの異なる部分の不整脈の可能性の判定を使用することにより、コンピューティングシステム24は、機械学習システム150の動作を説明し得る。正常洞調律(NSR)、徐脈性不整脈、およびAFに特有の例が本明細書に記載されているが、本開示の技術は、他のタイプの不整脈にも使用され得る。
【0094】
一例では、コンピューティングシステム24は、以下の特徴を有する波形のデータセットを受信する。
・平均心拍数(HR)は、毎分40拍(BPM)から120BPMの範囲、
・0.01秒から0.5秒の範囲の波形のRRV、
・p波ありとp波なしのQRS群。
言い換えれば、コンピューティングシステム24は、これらのようなシミュレートされた心臓電位図データの特徴に基づいて機械学習システム150の分析を「説明」し、これは、この分野の専門家にとってより理解しやすく、「現実世界」の重要性を持っている可能性がある。
【0095】
いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、平均心拍数データ、RRVデータ、またはそのようなデータが利用できない場合のQRS群の少なくとも一部についてシミュレートされたデータを使用し得る。例えば、患者4は、モデルを説明するために必要なパラメータの全範囲を示さない場合があり得る(例えば、BPMが50未満など)。そのようなシミュレートされたデータの使用は、コンピューティングシステム24が、取得するのが困難または実行不可能である患者4からのエッジケースデータを必要とせずに、機械学習システム150の分析を説明することを可能にし得る。いくつかの例では、コンピューティングシステム24は、そのようなデータが利用可能である場合、患者4の実際のデータを使用し得る。
【0096】
図8の例は、3つの例示的な波形802、804、および806を示している。波形802は、平均心拍数が90BPM、RR変動が0.01秒の波形である。波形804は、平均心拍数が90BPM、RR変動が0.01秒の波形である。波形806は、平均心拍数が90BPM、RR変動が0.5秒、p波の波形である。いくつかの例では、波形802、804、および806のうちの1つ以上の少なくとも一部が、シミュレートされたデータから取得され得る。
【0097】
機械学習システム150は、波形802、804、および806のそれぞれを処理し、[0,1]範囲の不整脈発生が抽出された可能性を出力する。0に近い可能性は、波形の不整脈のエピソードが発生する可能性が低いことを示し、1に近い可能性は、波形の不整脈のエピソードが発生する可能性が非常に高いことを示す。コンピューティングシステム24は、そのような情報を使用し得、例えば、どの心拍数で、機械学習システム150が特定のタイプ(例えば、AF)の不整脈のエピソードを検出するか、どのRRVで、機械学習システム150が特定のタイプ(例えば、AF)の不整脈のエピソードを検出するかまたは、どのp波レベルで、機械学習システム150が特定のタイプ(例えば、AF)の不整脈のエピソードを検出するかを説明する。
【0098】
図9A~9Cは、本開示の技術にしたがって不整脈のエピソードを検出する際の、図の機械学習モデル150の動作を視覚化するための技術を示すグラフである。いくつかの例では、
図9A~9Cは、
図8の例示的な波形802、804、および806の機械学習システム150による分析の計算システム24による説明を示している。
図8のシミュレートされた心臓電位図データに関して機械学習システム150の出力を提示することによって、コンピューティングシステム24は、シミュレートされた心臓電位図データの異なる特性に関して機械学習システム150の動作を説明し得る。
【0099】
図9Aは、機械学習システム150が患者4において正常な洞調律を予測する可能性の例示的なグラフ
図900を示している(NSR)。例えば、
図9Bは、機械学習システム150が平均心拍数の関数としてNSRを検出する可能性を示している。
図9Aのy軸は、機械学習システム150によって判定された、NSRが存在する可能性を、0%から100%のスケールで示している。
図9Aの色は、y軸の値に対応し得る(例えば、黄は、NSRが存在する可能性が高いことに対応し、青は、NSRが存在する可能性が低いことに対応する)。
図9Aのx軸は、毎分拍数(BPM)での心拍数を示し、
図9Aのz軸は、秒でのRRVを示している。
図9Aに示されるように、機械学習システム150は、心電図が0.1未満のRRVおよび65から85BPMの間の心拍数を有するNSRを検出する。臨床医は、そのような情報を使用し得、患者4の正常な洞調律に注釈を付ける方法を特徴付ける。例えば、
図9Aで説明されている機械学習モデルは、65~85BPMの心拍数をNSRと見なす特定の診療所からのデータを使用して開発された。
【0100】
図9Bは、機械学習システム150が徐脈を検出する可能性の例示的な
図910を示している。例えば、
図9Bは、機械学習システム150が平均心拍数の関数として徐脈を検出する可能性を示している。
図9Bのy軸は、0%から100%のスケールで、徐脈が存在するという機械学習システム150によって判定された可能性を示している。
図9Bの色は、y軸の値に対応し得る(例えば、黄は徐脈が存在する可能性が高いことに対応し、青は徐脈が存在する可能性が低いことに対応する)。
図9Bのx軸はBPMでの心拍数を示し、
図9Bのz軸は秒でのRRVを示している。
図9Bに示されるように、機械学習システム150は、心電図が0.1未満のRRVおよび45~55BPMの間の心拍数を有する洞性徐脈を検出する。臨床医は、そのような情報を使用し得、患者4の徐脈のエピソードに注釈を付ける方法を特徴付ける。例えば、
図9Bで説明されている機械学習モデルは、45~55BPMの心拍数を洞性徐脈と見なす特定の診療所からのデータを使用して開発された。
【0101】
図9Cは、機械学習システム150が心房細動(AF)を検出する可能性の例示的なグラフィカルイラストレーション920を示している。
図9Cの例は、機械学習システム150が、AFを平均心拍数、RR変動性、およびP波の関数として検出する可能性を示している。
図9Cのy軸は、AFが0%~100%のスケールで存在するという機械学習システム150によって判定された可能性を示している。
図9Cの色は、y軸の値に対応し得る(例えば、黄はAFが存在する可能性が高いことに対応し、青はAFが存在する可能性が低いことに対応する)。
図9Cのx軸はBPMでの心拍数を示し、
図9Cのz軸は秒でのRRVを示している。さらに、
図9Cは、2つのシナリオでとして、p波が存在する場合(924)およびp波が存在しない場合(922)を示している。
図9Cに示されるように、機械学習システム150は、心電図が0.2より大きいRRV、75BPMより大きい心拍数を有し、p波が存在しない、AFを検出する。p波の存在下では、機械学習システム150はAFを検出しない。
図9Cには示されていないが、機械学習システム150は、p波の存在下でより頻繁にPACのエピソードを検出し得る。臨床医は、そのような情報を使用し得、患者4のAFのエピソードに注釈を付ける方法を特徴付ける。例えば、
図9Cで説明されている機械学習モデルは、75BPMを超える心拍数と0.2を超えるRRVをAFと見なす特定の診療所からのデータを使用して開発された。
【0102】
図9A~9Cによって示される例示的な視覚化技術は、他の深層学習視覚化技術を含めることによって拡張され得る。例えば、本開示の技術は、深層ネットワークの特徴を視覚化するため、またはニューラルスタイルの転送を視覚化するための深層学習技術に容易に適合させ得る。さらに、本開示の技術は、心室細動または房室ブロックなど、
図9A~9Cに明確に示されていない他のタイプの心不整脈を視覚化するように適合させ得る。
【0103】
図10A~10Dは、本開示の技術にしたがって、コンピューティングデバイスによって患者4の心臓電位図データ1010を視覚化するための例示的なディスプレイ1001~1004を示す図である。心臓電位図データ1010は、例えば、上記のようにIMD10によって感知され得る。ディスプレイ1000は、例えば、コンピューティングシステム24または外部デバイス12によって提示され得る。
図10Aは、IMD10によって感知された患者4の心臓電位図データ1010を提示するディスプレイ1001を示す。
【0104】
図10Bは、基本的な心臓情報、例えば、コンピューティングシステム24が患者4の不整脈のエピソードが発生したと判定した心臓電位図データ1010のECGセグメント1020を提示するディスプレイ1002を示す。いくつかの例では、ECGセグメント1020は、コンピューティングシステム24が患者4の心房細動のエピソードを提示する可能性が最も高いと判断した心臓電位図データ1010のセグメントである。
図10Bの例示的な提示は、例えば、ユーザが、コンピューティングシステム24による不整脈のエピソードの判定に関する包括的な情報を必要としない基本的なユーザである場合に使用され得る。
【0105】
図10Cは、高度な心臓情報を提示するディスプレイ1003を示す。例えば、ディスプレイ1003は、心臓電位図データ1010を含み、心臓電位図データ1010の複数のセグメントについて、1つ以上のタイプの心不整脈のエピソードが発生した可能性をさらに示す。例えば、ディスプレイ1003は、コンピューティングシステム24が患者4で心房細動が発生した可能性が高いと判定したことにより、セグメントを緑(1012)に色付けし、コンピューティングシステム24が患者4で心房細動が発生したかいなか不確実に判定したことによりセグメントを黄(1014)に色付けし、コンピューティングシステム24が患者4で心房細動が発生した可能性が低いと判定したことにより、セグメントを赤(1016)に色付けする。さらに、ディスプレイ1003は、心房細動が患者4において経時的に発生したという全体的な可能性1030を青で示す。
【0106】
別の例として、ディスプレイ1003は、コンピューティングシステム24が患者4でPVCが発生した可能性が高いと判定すると、セグメントを緑に色付けし(
図10Cにはエピソードなし)、コンピューティングシステム24がPVCが患者4に発生したかいなか不確実に判定をするとセグメントを黄(1024)に色付けし、PVCが患者4に発生した可能性が低いとコンピューティングシステム24が判定すると、セグメントを赤(1026)に色付けする。さらに、ディスプレイ1003は、患者4にPVCが経時的に発生したという全体的な可能性1040をマゼンタにして示す。
【0107】
図10Dは、高度な心臓情報を提示するディスプレイ1004を示している。例えば、ディスプレイ1004は、
図10Cのディスプレイ1003と実質的に同様の情報を示している。さらに、ディスプレイ1004は、ベースラインECG信号(例えば、AFが存在しない場合)を示す参照心臓電位図データ1054と、AFのエピソード中のECG信号を示す参照心臓電位図データ1052をさらに示す。さらに、ディスプレイ1004は、心臓電位図データ1010の期間にわたる患者4のRR間隔を表示するRR間隔
図1050を含む。RR間隔
図1050は、AFが存在する間の(例えば、時間t0から約時間t100まで)、パターン化されていない高いRR変動性と、AFがない間(例えば、時間t150から時間t250まで)のパターン化された拍動を示す。
図10Cまたは10Dの例示的な提示は、例えば、ユーザが、コンピューティングシステム24による不整脈のエピソードの判定に関する包括的な情報を望む高度な基本的なユーザである場合に使用され得る。
【0108】
図11A~11Cは、本開示の技術にしたがって、コンピューティングデバイスによって患者4の心臓電位図データ1110を視覚化するための例示的なディスプレイ1101~1103を示す図である。心臓電位図データ1110は、例えば、上述のようにIMD10によって感知され得る。ディスプレイ1100は、例えば、コンピューティングシステム24または外部デバイス12によって提示され得る。
図11Aは、IMD10によって感知された患者4の心臓電位図データ1110を提示するディスプレイ1101を示す。
【0109】
図11Bは、基本的な心臓情報、例えば、コンピューティングシステム24が患者4の不整脈のエピソードが発生したと判定した心臓電位図データ1110のECGセグメント1120を提示するディスプレイ1102を示す。いくつかの例では、ECGセグメント1120は、コンピューティングシステム24が患者4にPVCのエピソードを提示する可能性が最も高いと判定した心臓電位図データ1110のセグメントである。
図11Bの例示的な提示は、例えば、ユーザが、コンピューティングシステム24による不整脈のエピソードの判定に関する包括的な情報を必要としない基本的なユーザである場合に使用し得る。
【0110】
図11Cは、高度な心臓情報を提示するディスプレイ1103を示す。例えば、ディスプレイ1103は、心臓電位図データ1110を含み、心臓電位図データ1110の複数のセグメントについて、1つ以上のタイプの心不整脈のエピソードが発生した可能性をさらに示す。例えば、ディスプレイ1103は、コンピューティングシステム24が患者4で心房細動が発生した可能性が高いと判定したことにより、セグメントを緑(
図11Cには示されない)に色付けし、コンピューティングシステム24が患者4で心房細動が発生したかいなか不確実に判定したことによりセグメントを黄(
図11Cには示されない)に色付けし、コンピューティングシステム24が患者4で心房細動が発生した可能性が低いと判定したことにより、セグメントを赤(1116)に色付けする。さらに、ディスプレイ1103は、心房細動が患者4において経時的に発生したという全体的な可能性1130を青で示す。
【0111】
別の例として、ディスプレイ1103は、コンピューティングシステム24が患者4でPVCが発生した可能性が高いと判定すると、セグメントを緑に色付けし(1122)、コンピューティングシステム24がPVCが患者4に発生したかいなか不確実に判定をするとセグメントを黄(
図11Cには示さない)に色付けし、PVCが患者4に発生した可能性が低いとコンピューティングシステム24が判定すると、セグメントを赤(1126)に色付けする。さらに、ディスプレイ1103は、患者4にPVCが経時的に発生したという全体的な可能性1140をマゼンタにして示す。
【0112】
以下の実施例は、本開示の1つ以上の態様を示し得る。
【0113】
実施例1。方法は、処理回路および記憶媒体を含むコンピューティングデバイスによって、医療デバイスによって感知された心臓電位図データを受信することと、コンピューティングデバイスによって、複数の患者についての心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルを、受信された心臓電位図データに適用することであって、機械学習モデルに基づいて、不整脈のエピソードが患者に発生したと判定し、不整脈のエピソードが患者に発生したという判定についての信頼性のレベルを判定する、適用することと、不整脈のエピソードが患者に発生したという判定の信頼性のレベルが、所定の閾値よりも大きいと判定することと、信頼性のレベルが所定の閾値よりも大きいと判定することに応答して、コンピューティングデバイスによって、心臓電位図データの少なくとも一部分、不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を、ユーザに表示するように、出力することと、を含む。
【0114】
実施例2。実施例1の方法において、心臓電位図データの少なくとも一部分が心電図(ECG)波形を含む。
【0115】
実施例3。実施例2の方法において、不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標が、ECG波形に対する注釈を含む。
【0116】
実施例4。実施例1~3のいずれかにおける方法において、第2の指標が、色、画像、光、音、またはテキスト通知のうちの1つ以上を含む。
【0117】
実施例5。実施例1~4のいずれかの方法において、方法は、ユーザから、不整脈タイプの選択を受信することをさらに含み、不整脈のエピソードが患者に発生したことを判定するために機械学習モデルを受信された心臓電位図データに適用することは、選択された不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者に発生したことを判定するために機械学習モデルを受信された心臓電位図データに適用することを含み、心臓電位図データの少なくとも一部分、不整脈のエピソードが患者に発生したことの第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したことの信頼性のレベルの第2の指標を出力することは、心臓電位図データの少なくとも一部分、選択された不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者に発生したことの第1の指標、および選択された不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者に発生したことの信頼性のレベルの第2の指標を出力することを含む。
【0118】
実施例6。実施例1~5のいずれかの方法において、この方法は、コンピューティングデバイスによって、ユーザが基本ユーザであることを判定することを含み、心臓電位図データの少なくとも一部分、不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を出力ことは、ユーザが基本ユーザであることの判定に応答して、不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標、ならびに患者の心電図(ECG)波形、不整脈のエピソードを提示する第1のECG波形の第1の表現、および正常な心臓の挙動を提示する第2のECG波形の第2の表現、のうちの1つ以上を出力することを含む。
【0119】
実施例7。実施例1~5のいずれかの方法において、この方法は、コンピューティングデバイスによって、ユーザが高度なユーザであると判定することをさらに含み、心臓電位図データの少なくとも一部分、不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を出力することは、ユーザが高度なユーザであるという判定に応答して、選択された不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および選択された不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標、ならびに患者の心電図(ECG)波形、不整脈のエピソードの開始時間、不整脈のエピソードの停止時間、不整脈のエピソード中の患者の平均R-R間隔、不整脈のエピソード中の患者のR-R変動、患者のベースラインR-R間隔、不整脈のエピソード中の患者のP波および、患者のベースラインP波、患者の形態変動のうちの1つ以上を出力することを含む。
【0120】
実施例8。実施例1~7のいずれかの方法において、患者における不整脈のエピソードが、徐脈、頻脈、心房細動、心室細動、または房室ブロックのエピソードのうちの少なくとも1つである。
【0121】
実施例9。実施例1~8のいずれかの方法において、複数の患者の心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルが、複数の心電図(ECG)波形を使用してトレーニングされた機械学習モデルを含み、各ECG波形が、複数の患者のうちのパテントにおける1つ以上の不整脈のエピソードで標識されている。
【0122】
実施例10。実施例1~9のいずれかの方法において、受信された心臓電位図データに機械学習モデルを適用することは、機械学習モデルを、患者の心電図(ECG)データ、患者における不整脈に相関する特徴、患者における不整脈のタイプ、植え込み型医療デバイスの活動レベル、植え込み型医療デバイスの入力インピーダンス、または植え込み型医療デバイスのバッテリレベル、のうちの少なくとも1つに適用することを含む。
【0123】
実施例11。実施例1~10のいずれかの方法において、心臓電位図データの少なくとも一部分を出力することは、患者の心電図(ECG)のサブセクションを識別することであって、サブセクションが、不整脈のエピソード前の第1の期間、不整脈のエピソード中の第2の期間、および不整脈のエピソード後の第3の期間についてのECGデータを含み、患者のECGの時間の長さが、第1、第2、および第3の期間よりも長い、識別することと、ECGのサブセクションを出力することとを含む。
【0124】
実施例12。実施例1~11のいずれかの方法において、所定の閾値が、第1の所定の閾値であり、この方法は、不整脈のエピソードが患者に発生したという判定における信頼性のレベルが第2の所定の閾値よりも大きいか否かを判定することと、第2の所定の閾値が第1の所定の閾値よりも大きく、信頼性のレベルが所定の閾値よりも大きいとの判定に応答して、心臓電位図データの少なくとも一部分、第1の指標、および第2の指標を出力することは、信頼性のレベルが第1の所定の閾値よりも大きいが第2の所定の閾値よりも大きくないと判定することに応答して、心臓電位図データの少なくとも一部分、第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したことの信頼性の中レベルの指標を出力すること、信頼性のレベルが第1の所定の閾値よりも大きく、第2の所定の閾値よりも大きいと判定することに応答して、心臓電位図データの少なくとも一部分、第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したことの信頼の高レベルの指標を出力することを含む。
【0125】
実施例13。方法は、処理回路および記憶媒体を含むコンピューティングデバイスによって、医療デバイスによって感知された心臓電位図データを受信することと、ユーザから不整脈のタイプの選択を受信することと、コンピューティングデバイスによって、複数の患者についての心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルを、受信した心臓電位図データに適用することであって、機械学習モデルに基づいて、選択されたタイプの不整脈のエピソードが患者に発生したという判定についての信頼性のレベルを判定する、適用することと、コンピューティングデバイスによって、心臓電位図データの少なくとも一部分、選択された不整脈のエピソードが患者に発生したことの第1の指標、および選択された不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標を、ユーザに表示するように、出力することと、を含む。
【0126】
実施例14。実施例13の方法において、心臓電位図データの少なくとも一部分が心電図(ECG)波形を含む。
【0127】
実施例15。実施例14の方法において、不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標が、ECG波形に対する注釈を含む。
【0128】
実施例16。実施例13~15のいずれかの方法において、第2の指標が、色、画像、光、音、またはテキスト通知のうちの1つ以上を含む。
【0129】
実施例17。実施例13~16のいずれかの方法において、この方法は、コンピューティングデバイスによって、ユーザが基本ユーザであることを判定することを含み、心臓電位図データの少なくとも一部分、不整脈のエピソードが患者に発生したことの第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したことの信頼性のレベルの第2の指標を出力ことは、ユーザが基本ユーザであることの判定に応答して、不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者に発生したことを示す第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したことの信頼性のレベルの第2の指標、さらには、患者の心電図(ECG)波形、不整脈のエピソードを表す第1のECG波形の第1の表現、正常な心臓の動作を表す第2のECG波形の第2の表現のうちの1つ以上を出力することを含む。
【0130】
実施例18。実施例13~16のいずれかの方法において、この方法は、コンピューティングデバイスによって、ユーザが高度なユーザであることを判定することをさらに含み、心臓電位図データの少なくとも一部分、不整脈のエピソードが患者に発生したことの第1の指標、および不整脈のエピソードが患者に発生したことの信頼性のレベルの第2の指標を出力することは、ユーザが高度なユーザであることの判定に応答して、選択された不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者に発生したという第1の指標、および選択された不整脈タイプの不整脈のエピソードが患者に発生したという信頼性のレベルの第2の指標、さらには、患者の心電図(ECG)波形、不整脈のエピソードの開始時間、不整脈のエピソードの停止時間、不整脈のエピソード中の患者の平均R-R間隔、不整脈のエピソード中の患者のR-R変動、患者のベースラインR-R間隔、不整脈のエピソード中の患者のP波、患者のベースラインP波、および患者の形態変動のうちの1つ以上を出力することを含む。
【0131】
実施例19。実施例13~18のいずれかの方法において、患者における不整脈のエピソードが、徐脈、頻脈、心房細動、心室細動、または房室ブロックのエピソードのうちの少なくとも1つである。
【0132】
実施例20。実施例13~19のいずれかの方法において、複数の患者の心臓電位図データを使用してトレーニングされた機械学習モデルが、複数の心電図(ECG)波形を使用してトレーニングされた機械学習モデルを含み、各ECG波形が複数の患者のうちのある患者における1つ以上の不整脈のエピソードで標識されている。
【0133】
実施例21。実施例13~20のいずれかの方法において、受信された心臓電位図データに機械学習モデルを適用することは、機械学習モデルを、患者の心電図(ECG)データ、患者における不整脈に相関する特徴、患者における不整脈のタイプ、植え込み型医療デバイスの活動レベル、植え込み型医療デバイスの入力インピーダンス、または植え込み型医療デバイスのバッテリレベルのうちの少なくとも1つに適用することを含む。
【0134】
実施例22。実施例1~21のいずれかの方法において、心臓電位図データの少なくとも一部分を出力することは、患者の心電図(ECG)のサブセクションを識別することであって、サブセクションには、不整脈のエピソード前の第1の期間、不整脈のエピソード中の第2の期間、および不整脈のエピソード後の第3の期間についてのECGデータが含まれ、患者のECGの時間の長さが、第1、第2、および第3の期間よりも長い、識別することと、ECGのサブセクションを出力することとを含む。
【0135】
いくつかの実施例では、本開示の技術は、本明細書に記載のいずれかの方法を実行するための手段を含むシステムを含む。いくつかの実施例では、本開示の技術は、処理回路に本明細書に記載のいずれかの方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体を含む。
【0136】
本明細書で開示される様々な態様は、説明および添付の図面に具体的に提示される組み合わせとは異なる組み合わせで組み合わせることができることを理解されたい。本明細書に記載のプロセスまたは方法のいずれかの特定の行為または事象は、実施例に応じて異なる順序で行われてもよく、追加、併合、または完全に省略されてもよい(例えば、全ての記載された行為または事象は、本技術を実行するために必要ではない場合がある)ことも理解されたい。加えて、本開示の特定の態様は、明確にするために、単一のモジュール、ユニット、または回路によって実行されるものとして説明されているが、本開示の技術は、例えば、医療デバイス置に関連するユニット、モジュール、または回路の組み合わせによって実行され得ることが理解されるべきである。
【0137】
1つ以上の実施例では、説明される技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されることができる。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つ以上の命令またはコードとして記憶され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行されることができる。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用されることができ、かつコンピュータによってアクセスされることができる任意の他の媒体)などの、有形媒体に対応する非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0138】
命令は、1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、または他の同等の集積もしくは離散論理回路などの、1つ以上のプロセッサによって実行されることができる。したがって、本明細書に使用される「プロセッサ」または「処理回路」という用語は、前述の構造のいずれか、または記載された技術の実施に適したいずれかの他の物理的構造を指すことができる。また、技術は、1つ以上の回路または論理要素で完全に実装されてもよい。