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特許7539487制御装置、メモリ、信号処理方法及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】制御装置、メモリ、信号処理方法及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G06F12/00 564D
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022566194
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2022109916
(87)【国際公開番号】W WO2024007398
(87)【国際公開日】2024-01-11
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】202210815505.8
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジンウェイ
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-355081(JP,A)
【文献】特表2016-526724(JP,A)
【文献】特表2022-522012(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0237127(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G11C 11/4096
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置であって、前記制御装置はメモリに接続され、
前記メモリから読み出しクロック信号を受信し、前記読み出しクロック信号を出力するように構成される受信モジュールと、
第1内部クロック信号を生成するように構成されるクロックモジュールと、
前記読み出しクロック信号と前記第1内部クロック信号を受信し、前記読み出しクロック信号と前記第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として出力するように構成される選択モジュールと、
前記ターゲット読み出しクロック信号と前記メモリから送信された読み出しデータ信号を受信し、前記ターゲット読み出しクロック信号を利用して前記読み出しデータ信号をラッチするように構成されるラッチモジュールと、を含む、制御装置。
【請求項2】
前記選択モジュールは、具体的に、選択指示信号を受信し、前記選択指示信号が第1状態である場合に、前記読み出しクロック信号を前記ターゲット読み出しクロック信号として出力し、または、前記選択指示信号が第2状態である場合に、前記第1内部クロック信号を前記ターゲット読み出しクロック信号として出力するように構成される、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置はさらに、前記メモリが前記読み出しクロック信号と前記読み出しデータ信号を生成できるように、前記メモリにデータ読み出しコマンドを送信するように構成される、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置はさらに、前記データ読み出しコマンドが第1読み出しコマンドである場合に、前記選択指示信号を第1状態に設定し、または、前記データ読み出しコマンドが第2読み出しコマンドである場合に、前記選択指示信号を第2状態に設定するように構成され、
前記第2読み出しコマンドは、前記メモリ内のモードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、前記第1読み出しコマンドは、前記第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである、
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
メモリであって、前記メモリは、クロック処理回路を含み、制御装置に接続され、
第1読み出しコマンドを受信する場合に、前記第1読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号を決定し、前記クロック処理回路により読み出しクロック信号を決定し、前記読み出しデータ信号と前記読み出しクロック信号を一緒に前記制御装置に送信し、または、
第2読み出しコマンドを受信する場合に、前記第2読み出しコマンドに基づいて前記読み出しデータ信号を決定し、前記読み出しデータ信号を前記制御装置に送信するように構成される、メモリ。
【請求項6】
前記メモリはさらに、第2読み出しコマンドを受信する場合に、前記読み出しクロック信号をフローティング状態に制御するように構成される、
請求項5に記載のメモリ。
【請求項7】
前記クロック処理回路は、
外部で生成されたデータクロック信号を受信し、前記データクロック信号のデューティサイクルを調整し、第2内部クロック信号を出力するように構成されるデューティサイクルモジュールと、
前記第2内部クロック信号を受信し、前記第2内部クロック信号に基づいて、前記読み出しクロック信号を出力するように構成されるクロック生成モジュールであって、前記読み出しクロック信号はパルス信号である、クロック生成モジュールと、を含む、
請求項5に記載のメモリ。
【請求項8】
前記クロック処理回路はさらに、
前記第2内部クロック信号を受信し、前記第2内部クロック信号のデューティサイクルを検出し、デューティサイクルパラメータを出力するように構成される検出モジュールと、
前記デューティサイクルパラメータを受信して格納するように構成されるモードレジスタと、を含み、
前記第2読み出しコマンドは、前記モードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、前記第1読み出しコマンドは、前記第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである、
請求項7に記載のメモリ。
【請求項9】
前記デューティサイクルモジュールは、
外部から前記データクロック信号を受信して出力するように構成される受信機と、
前記データクロック信号のデューティサイクルを調整し、前記第2内部クロック信号を出力するように構成される調整モジュールと、を含む、
請求項7に記載のメモリ。
【請求項10】
ータクロック信号は書き込みクロック信号である請求項5~9のいずれか1項に記載のメモリ。
【請求項11】
制御装置に適用される信号処理方法であって、前記制御装置はメモリに接続され、
前記メモリから送信された読み出しクロック信号と読み出しデータ信号を受信し、前記制御装置によって生成された第1内部クロック信号を決定するステップと、
前記読み出しクロック信号と前記第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として決定するステップと、
前記ターゲット読み出しクロック信号を利用して前記読み出しデータ信号をラッチするステップと、を含む、信号処理方法。
【請求項12】
前記メモリから送信された読み出しクロック信号と読み出しデータ信号を受信するステップの前に、前記信号処理方法はさらに、
前記メモリが前記読み出しクロック信号と前記読み出しデータ信号を生成できるように、前記メモリにデータ読み出しコマンドを送信するステップを含む、
請求項11に記載の信号処理方法。
【請求項13】
前記信号処理方法はさらに、
前記データ読み出しコマンドが第1読み出しコマンドである場合に、前記読み出しクロック信号を前記ターゲット読み出しクロック信号として決定し、または、前記データ読み出しコマンドが第2読み出しコマンドである場合に、前記第1内部クロック信号を前記ターゲット読み出しクロック信号として決定するステップを含み、
前記第2読み出しコマンドは、前記メモリ内のモードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、前記第1読み出しコマンドは、前記第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである、
請求項12に記載の信号処理方法。
【請求項14】
メモリに適用される信号処理方法であって、前記メモリは制御装置に接続され、
第1読み出しコマンドを受信する場合に、前記第1読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号を決定し、前記メモリ内のクロック処理回路によって読み出しクロック信号を生成し、前記読み出しデータ信号と前記読み出しクロック信号を一緒に前記制御装置に送信するステップ、または、
第2読み出しコマンドを受信する場合に、前記第2読み出しコマンドに基づいて前記読み出しデータ信号を決定し、前記読み出しデータ信号を前記制御装置に送信するステップを含む、信号処理方法。
【請求項15】
前記信号処理方法はさらに、
第1読み出しコマンドを受信する場合に、前記読み出しクロック信号をフローティング状態に制御するステップを含む、
請求項14に記載の信号処理方法。
【請求項16】
前記メモリ内のクロック処理回路によって読み出しクロック信号を生成するステップは、
外部で生成されたデータクロック信号を受信するステップと、
前記データクロック信号のデューティサイクルを調整し、第2内部クロック信号を出力するステップと、
前記第2内部クロック信号に基づいて、前記読み出しクロック信号を出力するステップであって、前記読み出しクロック信号はパルス信号である、ステップと、を含む、
請求項14に記載の信号処理方法。
【請求項17】
前記信号処理方法はさらに、
前記第2内部クロック信号のデューティサイクルを検出し、デューティサイクルパラメータを取得するステップと、
前記デューティサイクルパラメータをモードレジスタに格納するステップと、を含み、
前記第2読み出しコマンドは、前記モードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、前記第1読み出しコマンドは、前記第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである、
請求項16に記載の信号処理方法。
【請求項18】
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御装置と、請求項5~のいずれか1項に記載のメモリと、を含む、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2022年07月08日に中国特許局に提出された、出願番号が202210815505.8であり、発明の名称が「制御装置、メモリ、信号処理方法及び電子機器」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体メモリの分野に関し、特に、制御装置、メモリ、信号処理方法及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器では、CPU(Central Processing Unit)が、メモリに読み出しコマンドを送信し、メモリから返された読み出しクロック信号と読み出しデータ信号を受信し、読み出しクロック信号により読み出しデータ信号をラッチすることで、必要なデータを取得する。しかしながら、メモリがクロック信号のデューティサイクルを調整するプロセスで、CPUは、メモリ内の対応するモードレジスタを読み出してクロック信号のデューティサイクルパラメータを取得する必要があるが、このプロセスで、メモリ内部のクロック信号は歪むことがあり、そのためメモリからCPUに返された読み出しクロック信号も歪んで、CPUは間違うデータを取得し、その結果、クロック信号のデューティサイクル調整に失敗する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、データラッチの正確性を向上させるだけでなく、消費電力を節約することができる制御装置、メモリ、信号処理方法及び電子機器を提供する。
【0005】
本発明の技術案は、以下のように実現される。
【0006】
第1態様は、本発明の実施例は、制御装置を提供し、前記制御装置はメモリに接続され、前記制御装置は、
前記メモリから読み出しクロック信号を受信し、前記読み出しクロック信号を出力するように構成される受信モジュールと、
第1内部クロック信号を生成するように構成されるクロックモジュールと、
前記読み出しクロック信号と前記第1内部クロック信号を受信し、前記読み出しクロック信号と前記第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として出力するように構成される選択モジュールと、
前記ターゲット読み出しクロック信号と前記メモリから送信された読み出しデータ信号を受信し、前記ターゲット読み出しクロック信号を利用して前記読み出しデータ信号をラッチするように構成されるラッチモジュールと、を含む。
【0007】
いくつかの実施例において、前記選択モジュールは、具体的に、選択指示信号を受信し、前記選択指示信号が第1状態である場合に、前記読み出しクロック信号を前記ターゲット読み出しクロック信号として出力し、または、前記選択指示信号が第2状態である場合に、前記第1内部クロック信号を前記ターゲット読み出しクロック信号として出力するように構成される。
【0008】
いくつかの実施例において、前記制御装置はさらに、前記メモリにデータ読み出しコマンドを送信し、前記メモリは、前記読み出しクロック信号と前記読み出しデータ信号を生成するように構成される。
【0009】
いくつかの実施例において、前記制御装置はさらに、前記データ読み出しコマンドが第1読み出しコマンドである場合に、前記選択指示信号を第1状態に設定し、または、前記データ読み出しコマンドが第2読み出しコマンドである場合に、前記選択指示信号を第2状態に設定するように構成され、前記第2読み出しコマンドは、前記メモリ内のモードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、前記第1読み出しコマンドは、前記第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである。
【0010】
第2態様では、本発明の実施例は、メモリを提供し、前記メモリはクロック処理回路を含み、前記メモリは制御装置に接続され、
前記メモリは、第1読み出しコマンドを受信する場合に、前記第1読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号を決定し、前記クロック処理回路により読み出しクロック信号を決定し、前記読み出しデータ信号と前記読み出しクロック信号を一緒に前記制御装置に送信し、または、
第2読み出しコマンドを受信する場合に、前記第2読み出しコマンドに基づいて前記読み出しデータ信号を決定し、前記読み出しデータ信号を前記制御装置に送信するように構成される。
【0011】
いくつかの実施例において、前記メモリはさらに、第2読み出しコマンドを受信する場合に、前記読み出しクロック信号をフローティング状態に制御するように構成される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記クロック処理回路は、外部で生成されたデータクロック信号を受信し、前記データクロック信号のデューティサイクルを調整し、第2内部クロック信号を出力するように構成されるデューティサイクルモジュールと、前記第2内部クロック信号を受信し、前記第2内部クロック信号に基づいて、前記読み出しクロック信号を出力するように構成されるクロック生成モジュールであって、前記読み出しクロック信号はパルス信号である、クロック生成モジュールと、を含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記クロック処理回路はさらに、前記第2内部クロック信号を受信し、前記第2内部クロック信号のデューティサイクルを検出し、デューティサイクルパラメータを出力するように構成される検出モジュールと、前記デューティサイクルパラメータを受信して格納するように構成されるモードレジスタと、を含み、前記第2読み出しコマンドは、前記モードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、前記第1読み出しコマンドは、前記第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである。
【0014】
いくつかの実施例において、前記デューティサイクルモジュールは、外部から前記データクロック信号を受信して出力するように構成される受信機と、前記データクロック信号のデューティサイクルを調整し、前記第2内部クロック信号を出力するように構成される調整モジュールと、を含む。
【0015】
いくつかの実施例において、前記データクロック信号は書き込みクロック信号である。
【0016】
第3態様では、本発明の実施例は、信号処理方法を提供し、制御装置に適用され、前記制御装置はメモリに接続され、前記信号処理方法は、
前記メモリから送信された読み出しクロック信号と読み出しデータ信号を受信し、前記制御装置によって生成された第1内部クロック信号を決定するステップと、
前記読み出しクロック信号と前記第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として決定するステップと、
前記ターゲット読み出しクロック信号を利用して前記読み出しデータ信号をラッチするステップと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例において、前記メモリから送信された読み出しクロック信号と読み出しデータ信号を受信するステップの前に、前記信号処理方法はさらに、
前記メモリにデータ読み出しコマンドを送信し、前記メモリは、前記読み出しクロック信号と前記読み出しデータ信号を生成するステップを含む。
【0018】
いくつかの実施例において、前記信号処理方法はさらに、
前記データ読み出しコマンドが第1読み出しコマンドである場合に、前記読み出しクロック信号を前記ターゲット読み出しクロック信号として決定し、または、前記データ読み出しコマンドが第2読み出しコマンドである場合に、前記第1内部クロック信号を前記ターゲット読み出しクロック信号として決定するステップを含み、前記第2読み出しコマンドは、前記メモリ内のモードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、前記第1読み出しコマンドは、前記第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである。
【0019】
第4態様では、本発明の実施例は、信号処理方法を提供し、メモリに適用され、前記メモリは制御装置に接続され、前記信号処理方法は、
第1読み出しコマンドを受信する場合に、前記第1読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号を決定し、前記メモリ内のクロック処理回路によって読み出しクロック信号を生成し、前記読み出しデータ信号と前記読み出しクロック信号を一緒に前記制御装置に送信するステップ、または、第2読み出しコマンドを受信する場合に、前記第2読み出しコマンドに基づいて前記読み出しデータ信号を決定し、前記読み出しデータ信号を前記制御装置に送信するステップを含む。
【0020】
いくつかの実施例において、前記信号処理方法はさらに、第1読み出しコマンドを受信する場合に、前記読み出しクロック信号をフローティング状態に制御するステップを含む。
【0021】
いくつかの実施例において、前記メモリ内のクロック処理回路によって読み出しクロック信号を生成するステップは、
外部で生成されたデータクロック信号を受信するステップと、前記データクロック信号のデューティサイクルを調整し、第2内部クロック信号を出力するステップと、前記第2内部クロック信号に基づいて、前記読み出しクロック信号を出力するステップであって、前記読み出しクロック信号はパルス信号である、ステップと、を含む。
【0022】
いくつかの実施例において、前記信号処理方法はさらに、前記第2内部クロック信号のデューティサイクルを検出し、デューティサイクルパラメータを取得するステップと、前記デューティサイクルパラメータをモードレジスタに格納するステップと、を含み、前記第2読み出しコマンドは、前記モードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、前記第1読み出しコマンドは、前記第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである。
【0023】
第5態様では、本発明の実施例は、電子機器を提供し、前記電子機器は、少なくとも第1態様に記載の制御装置と、第2態様に記載のメモリと、を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例は、制御装置、メモリ、信号処理方法及び電子機器を提供する。該制御装置はメモリに接続され、制御装置は、メモリから読み出しクロック信号を受信し、読み出しクロック信号を出力するように構成される受信モジュールと、第1内部クロック信号を生成するように構成されるクロックモジュールと、読み出しクロック信号と第1内部クロック信号を受信し、読み出しクロック信号と第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として出力するように構成される選択モジュールと、ターゲット読み出しクロック信号とメモリから送信された読み出しデータ信号を受信し、ターゲット読み出しクロック信号を利用して読み出しデータ信号をラッチするように構成されるラッチモジュールと、を含む。これにより、メモリ内のクロック信号のデューティサイクルが歪む場合に、制御装置は、依然として第1内部クロック信号により読み出しデータ信号をラッチし、データラッチの正しさを向上させるだけでなく、消費電力を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】MRRコマンドの操作タイミングの概略図である。
図2】クロック処理回路の一例の構造概略図である。
図3】読み出しクロック信号の一例の波形の概略図である。
図4】本発明の実施例によって提供される制御装置の一例の構造概略図である。
図5】本発明の実施例によって提供される制御装置の別の一例の構造概略図である。
図6】本発明の実施例によって提供されるデータラッチ処理信号の一例の波形の概略図である。
図7】本発明の実施例によって提供されるメモリの一例の構造概略図である。
図8】本発明の実施例によって提供されるクロック処理回路の一例の局部構造概略図である。
図9】本発明の実施例によって提供されるクロック処理回路の一例の局部構造概略図である。
図10】本発明の実施例によって提供されるクロック処理回路の一例の動作プロセスの概略図である。
図11】本発明の実施例によって提供される信号処理方法の一例のフローチャートである。
図12】本発明の実施例によって提供される信号処理方法の別の一例のフローチャートである。
図13】本発明の実施例によって提供される電子機器の一例の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、本発明の実施例の図面を参照して、本発明の実施例の技術案をさらに明確で完全に説明する。ここで記載された具体的な実施例は、本発明を説明することのみを目的としており、本発明を限定するものではないことを理解されたい。また、説明を容易にするために、図面のうち本発明に関連する部分のみを示すことに留意されたい。
【0027】
特に定義されていない限り、本明細書で使用されたすべての技術用語と科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用された用語は、本発明の実施例を説明することのみを目的とし、本発明を限定することを意図するものではない。
【0028】
以下の説明では、すべての可能な実施例のサブセットを説明した「いくつかの実施例」に関するが、「いくつかの実施例」は、すべての可能な実施例の同じサブセットまたは異なるサブセットであってもよく、矛盾しない場合にそれぞれと組み合わせることができることを理解されたい。
【0029】
本発明の実施例に関する「第1、第2、第3」という用語は、類似した対象を区別するためにのみ使用され、対象への特定な配列を表すものではない。「第1、第2、第3」は、許可された場合、ここで説明された本発明の実施例を図示または説明されたもの以外の順序で実施できるため、特定な配列または順序が交換できることを理解されたい。
【0030】
DRAM(Dynamic Random Access Memory):ダイナミックランダムアクセスメモリ
SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory):同期式ダイナミックランダムアクセスメモリ
MRR(Mode Register Read):モードレジスタ読み出し
Mbps(Million bits per second):メガビット/秒
NMOS(N-Metal-Oxide-Semiconductor):Nチャネル電界効果トランジスタ
PMOS(P-Metal-Oxide-Semiconductor):Pチャネル電界効果トランジスタ
【0031】
メモリ(DRAMなど)では、MRRコマンドは通常の読み出しコマンドと全く同じ操作タイミングを使用する。図1を参照すると、MRRコマンドの操作タイミングの概略図を示している。図1において、T0、T1などは異なるクロックサイクルを表し、CK_cとCK_tは1ペアの差動クロック信号であり、CSはチップセレクト信号であり、CAはコマンドアドレス信号であり、COMMANDは操作コマンドを指示し、DQ[7:0]は8ビットメモリのデータ信号であり、DQ[15:0]は16ビットメモリのデータ信号である。データクロック信号WCKは、電子機器のホスト側(Host)からメモリに送信される外部書き込みクロック信号であり、異なる回路位置で1つの信号または1ペアの差動クロック信号WCK_cとWCK_tとして表されることがある。読み出しクロック信号RDQSは、メモリから電子機器に出力されるクロック信号であり、異なる回路位置で1つの信号または1ペアの差動クロック信号RDQS_cとRDQS_tとして表されることがある。具体的に、メモリは、CPUからのMRRコマンドを受信した後、データ信号DQ(読み出しデータ信号と呼ぶこともできる)を生成し、且つ外部から受信されたデータクロック信号を利用して読み出しクロック信号を生成する。データ読み出しコマンドの実行プロセスに、メモリは、読み出しデータ信号DQと読み出しクロック信号RDQSを一緒にCPUに返し、その後、CPUは、読み出しクロック信号RDQSを利用して読み出しデータ信号DQをラッチし、必要なデータを取得する。図1は、JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council:電子機器エンジニアリング連合協会)標準で規定された標準タイミングであり、各信号の意味、関連する変更の原理、および言及されていない一部の用語の略称は、業界標準文書JEDECを参照して理解でき、本発明の実施例の技術案とは関係なく、当業者の理解に影響しないため、説明を省略する。
【0032】
メモリには、データクロック信号WCK0(相補的な1ペアの信号WCK_c/WCK_tを含む)のデューティサイクルが要求を満たすことができるように調整するためのクロック処理回路が設けられる。図2を参照すると、図2は、クロック処理回路の一例の構造概略図である。図2に示すように、クロック処理回路では、受信機は外部からデータクロック信号WCK0を受信するように構成され、調整モジュールはデータクロック信号WCK0のデューティサイクルを調整し、内部クロック信号WCK1を取得するように構成され、検出モジュールは内部クロック信号WCK1のデューティサイクルパラメータを検出し、モードレジスタに格納するように構成される。同時に、メモリがデューティサイクルを調整するプロセスで、CPUは、MRRコマンドを送信してモードレジスタのデューティサイクルパラメータを読み出し、次の操作を決定する。図2に示すように、1つの例示的な場合に、外部から入力されたデータクロック信号WCK0のデューティサイクルはJEDECで規定される上限値の57%である。デューティサイクル調整の初期段階において、デューティサイクル調整モジュールは、データクロック信号WCK0のデューティサイクルを7単位(JEDECで規定される上限値で、1単位は5ピコ秒である)、即ち35ピコ秒増加し、このような増加は、8533Mbpsのスピードでデューティサイクルを15%増加することに相当する。このとき、メモリの内部クロック信号WCK1のデューティサイクルは72%からあり、それを利用して生成された読み出しクロック信号RDQSのデューティサイクルも72%からある。このとき、図3を参照すると、図3は、読み出しクロック信号の一例の波形の概略図である。図3に示すように、72%からあるデューティサイクルの読み出しクロック信号RDQSは、伝送中にチャネルによって減衰し、CPU受信端に到達すると大きく歪んでしまい、CPUで正しく識別されることが難しく、即ち、MRRコマンドは間違うデータを取得する可能性があり、最終的にデューティサイクル調整の失敗を招くことにある。メモリのスピードが上がれば、この問題はさらに深刻になる。
【0033】
これに基づいて、本発明の実施例は、制御装置を提供し、該制御装置はメモリに接続され、前記制御装置は、前記メモリから読み出しクロック信号を受信し、前記読み出しクロック信号を出力するように構成される受信モジュールと、第1内部クロック信号を生成するように構成されるクロックモジュールと、前記読み出しクロック信号と前記第1内部クロック信号を受信し、前記読み出しクロック信号と前記第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として出力するように構成される選択モジュールと、前記ターゲット読み出しクロック信号と前記メモリから送信された読み出しデータ信号を受信し、前記ターゲット読み出しクロック信号を利用して前記読み出しデータ信号をラッチするように構成されるラッチモジュールと、を含む。これにより、メモリ内のクロック信号のデューティサイクルは歪んでも、制御装置は、依然として第1内部クロック信号により読み出しデータ信号をラッチし、データラッチの正しさを向上させるだけでなく、消費電力を節約することができる。
【0034】
以下では、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0035】
本発明の1つの実施例において、図4を参照すると、図4は、本発明の実施例によって提供される制御装置10の一例の構造概略図である。図4に示すように、制御装置10はメモリに接続され、制御装置10は、
メモリから読み出しクロック信号を受信し、読み出しクロック信号を出力するように構成される受信モジュール11と、
第1内部クロック信号を生成するように構成されるクロックモジュール12と、
読み出しクロック信号と第1内部クロック信号を受信し、読み出しクロック信号と第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として出力するように構成される選択モジュール13と、
ターゲット読み出しクロック信号と前記メモリから送信された読み出しデータ信号を受信し、ターゲット読み出しクロック信号を利用して前記読み出しデータ信号をラッチするように構成されるラッチモジュール14と、を含む。
【0036】
本発明の実施例において、制御装置10は電子機器のCPUであることができ、メモリは、DRAM、SDRAM、デュアルレートDRAM、低電力デュアルレートDRAMなど、様々な種類の半導体メモリであることができることに留意されたい。
【0037】
さまざまなワークシーンにおいて、制御装置10は、メモリから取得した読み出しクロック信号をターゲット読み出しクロック信号として使用し、または、自身内部の生成した第1内部クロック信号をターゲット読み出しクロック信号として使用し、読み出しデータ信号のラッチ処理を完成することができる。これにより、メモリ内のクロック信号のデューティサイクルが歪む場合に、制御装置10は、依然として第1内部クロック信号により読み出しデータ信号をラッチし、データの正しいラッチを保証することができる。
【0038】
受信モジュール11は、NMOSとPMOSなどのデバイスからなる信号受信機によって実現されることができ、クロックモジュール12は、クロックジェネレータと伝送ゲートによって実現されることができ、選択モジュール13は、二者択一のデータセレクタによって実現されることができ、ラッチモジュール14は、D型フリップフロップによって実現されることができることに留意されたい。
【0039】
図5を参照すると、図5は、本発明の実施例によって提供される制御装置10の別の一例の構造概略図である。図5において、読み出しクロック信号はRDQSとして表され、第1内部クロック信号はInternal CLKとして表され、ターゲット読み出しクロック信号はSample CLKとして表され、読み出しデータ信号はDQとして表されることができる。
【0040】
いくつかの実施例において、図5に示すように、選択モジュール13は、具体的に、選択指示信号を受信し、選択指示信号が第1状態である場合に、読み出しクロック信号RDQSをターゲット読み出しクロック信号Sample CLKとして出力し、または、選択指示信号が第2状態である場合に、第1内部クロック信号Internal CLKをターゲット読み出しクロック信号Sample CLKとして出力するように構成される。
【0041】
ここで、選択モジュール13は、二者択一のデータセレクタであってよく、これにより、選択指示信号の状態に応じて、読み出しクロック信号RDQSまたは第1内部クロック信号Internal CLKを出力する。
【0042】
いくつかの実施例において、ラッチモジュール14のクロック端は、選択モジュール13の出力端に接続され、ラッチモジュール14の入力端は、読み出しデータ信号DQを受信し、ラッチモジュール14の出力端は、サンプリングされたデータ信号を出力し、制御装置10の後続回路に送信して処理する。
【0043】
いくつかの実施例において、制御装置10はさらに、メモリにデータ読み出しコマンドを送信し、メモリは、読み出しクロック信号RDQSと読み出しデータ信号DQを生成するように構成される。
【0044】
いくつかの実施例において、制御装置10はさらに、データ読み出しコマンドが第1読み出しコマンドである場合に、選択指示信号を第1状態に設定し、または、データ読み出しコマンドが第2読み出しコマンドである場合に、選択指示信号を第2状態に設定するように構成される。
【0045】
データ読み出しコマンドは、第1読み出しコマンドと第2読み出しコマンドの2種類に分かれることに留意されたい。第2読み出しコマンドは、メモリ内のモードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、第1読み出しコマンドは、第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである。
【0046】
前述したように、データ読み出しコマンドがデューティサイクルパラメータの読み出しに使用される場合、メモリは、デューティサイクル調整中である可能性がある。ある場合に、メモリ内のクロック信号(即ち第2内部クロック信号WCK1)は既に歪んでいることがあり、例えば図2における第2内部クロック信号WCK1のデューティサイクルは72%からある可能性があり、このとき、メモリから出力された読み出しクロック信号RDQSも歪み、制御装置10は、読み出しクロック信号RDQSを利用して読み出しデータ信号DQをラッチし、間違う結果を取得する可能性がある。本発明の実施例に対して、データ読み出しコマンドがデューティサイクルパラメータの読み出しに使用される場合、制御装置10自身の生成した第1内部クロック信号Internal CLKをターゲット読み出しクロック信号として使用し、第1内部クロック信号Internal CLKが第2内部クロック信号WCK1のデューティサイクル歪みの影響を受けないため、CPUは、第1内部クロック信号Internal CLKのレベル変化エッジを利用して読み出しデータ信号をラッチし、正しいデューティサイクルパラメータを取得することができる。
【0047】
また、消費電力を節約するために、データ読み出しコマンドが第1読み出しコマンドである場合に、メモリの読み出しクロック信号RDQSは実際的な作用がなく、したがって、メモリは、読み出しクロック信号RDQSをフローティング(Floating)状態に制御することができ、且つ、メモリは、制御装置10に読み出しクロック信号RDQSを送信する必要がない。これにより、消費電流を節約する。
【0048】
以下では、DRAMのバースト長さが16であり、DQ端の数が16個であることを例に、読み出しデータ信号のラッチプロセスを説明する。
【0049】
第2読み出しコマンドに対して、読み出しデータ信号DQの前半の8ビットは有効データを搭載し、DQ<7:0>として表される。業界協定の規定によって、ターゲット読み出しクロック信号RDQSの前半の8ビート(前半の4クロックサイクル)でモードレジスタのパラメータ値(MR Content)を送信し、後半の8ビート(後半の4クロックサイクル)で懸念のないデータ(Valid)を送信する。
【0050】
即ち、図6の(1)に示すように、第1読み出しコマンドに対して、メモリから送信された読み出しクロック信号RDQSの信号エッジを利用して読み出しデータ信号DQ<7:0>をラッチし、前半の4つのクロックサイクルでラッチされたデータはMR Contentであり、後半の4つのクロックサイクルでラッチされたデータValidを使用しない。図6の(2)に示すように、第2読み出しコマンドに対して、読み出しクロック信号RDQSはフローティング(Floating)状態であり、制御装置10自身の第1内部クロック信号Internal CLKを利用してターゲット読み出しクロック信号RDQSとし、読み出しデータ信号の保持時間は十分長いため、制御装置10は、第1内部クロック信号Internal CLKを利用して読み出しデータ信号DQ<7:0>をラッチし、MR Contentを取得することができる。
【0051】
前述したように、本発明の実施例は、制御装置を提供し、該制御装置はメモリに接続され、制御装置は、メモリから読み出しクロック信号を受信し、読み出しクロック信号を出力するように構成される受信モジュールと、第1内部クロック信号を生成するように構成されるクロックモジュールと、読み出しクロック信号と第1内部クロック信号を受信し、読み出しクロック信号と第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として出力するように構成される選択モジュールと、ターゲット読み出しクロック信号とメモリから送信された読み出しデータ信号を受信し、ターゲット読み出しクロック信号を利用して読み出しデータ信号をラッチするように構成されるラッチモジュールと、を含む。これにより、メモリ内のクロック信号のデューティサイクルは歪んでも、制御装置は、依然として第1内部クロック信号により読み出しデータ信号をラッチし、データラッチの正しさを向上させるだけでなく、消費電力を節約することができる。
【0052】
別の1つの実施例において、図7を参照すると、図7は、本発明の実施例によって提供されるメモリ20の一例の構造概略図である。図7に示すように、メモリ20はクロック処理回路21を含み、メモリ20は制御装置10に接続され、
メモリ20は、第1読み出しコマンドを受信する場合に、第1読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号DQを決定し、クロック処理回路21で読み出しクロック信号RDQSを決定し、読み出しデータ信号DQと読み出しクロック信号RDQSを一緒に制御装置10に送信し、または、第2読み出しコマンドを受信する場合に、第2読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号DQを決定し、読み出しデータ信号DQを制御装置10に送信するように構成される。
【0053】
図7において、第1読み出しコマンドと第2読み出しコマンドをまとめてデータ読み出しコマンドと呼ぶことを理解されたい。
【0054】
メモリ20は、クロック信号のデューティサイクルを調整するプロセスに、出力した読み出しクロック信号RDQSは歪む可能性があり、これにより、データラッチに失敗することに留意されたい。本発明の実施例において、第1読み出しコマンドに対して、読み出しクロック信号RDQSは正常であり、メモリ20は、読み出しデータ信号DQと正常な読み出しクロック信号RDQSを提供し、制御装置10は、読み出しクロック信号RDQSを利用して読み出しデータ信号DQをラッチする。第2読み出しコマンドに対して、読み出しクロック信号RDQSは歪む可能性があり、メモリ20は、読み出しデータ信号DQのみを提供することができ、これにより、制御装置10は、自身の生成した第1内部クロック信号Internal CLKを利用して読み出しデータ信号DQをラッチし、データラッチ失敗を回避し、消費電流と消費電力を節約する。
【0055】
いくつかの実施例において、メモリ20はさらに、第1読み出しコマンドを受信する場合に、読み出しクロック信号RDQSをフローティング状態に制御するように構成される。
【0056】
このように、第2読み出しコマンドに対して、メモリ20は、読み出しクロック信号の関連する制御モジュールを有効にしない、即ち、読み出しクロック信号をフローティング(Floating)状態であることができ、且つ、メモリ20は、制御装置10に読み出しクロック信号RDQSを送信する必要がない。これにより、消費電流と消費電力を節約する。
【0057】
いくつかの実施例において、図8に示すように、クロック処理回路21は、
外部で生成されたデータクロック信号を受信し、データクロック信号のデューティサイクルを調整し、第2内部クロック信号を出力するように構成されるデューティサイクルモジュール211と、
第2内部クロック信号を受信し、第2内部クロック信号に基づいて、読み出しクロック信号RDQSを出力するように構成されるクロック生成モジュールであって、読み出しクロック信号RDQSはパルス信号である、クロック生成モジュール212と、を含む。
【0058】
このように、第1読み出しコマンドに対して、読み出しクロック信号RDQSと読み出しデータ信号DQは、ハードウェア回路を介して制御装置10に送信され、これにより、制御装置10は、必要なパラメータを取得する。
【0059】
なお、デューティサイクルモジュール211は、2つの部分を含み、具体的な実現は以降の説明を参照できる。クロック生成モジュール212は、遅延マッチング及びJEDEC標準に準拠する標準タイミングを実現するために、ロジックデバイスと遅延ユニットで構成されることができることに留意されたい。
【0060】
いくつかの実施例において、データクロック信号WCK0は、外部から受信された書き込みクロック信号であり(WCK0として表される)、第2内部クロック信号WCK1は、メモリ20内部のデューティサイクル調整された書き込みクロック信号である(WCK1として表される)。
【0061】
いくつかの実施例において、図9に示すように、クロック処理回路21はさらに、
第2内部クロック信号WCK1を受信し、第2内部クロック信号WCK1のデューティサイクルを検出し、デューティサイクルパラメータを出力するように構成される検出モジュール213と、
デューティサイクルパラメータを受信して格納するように構成されるモードレジスタ214と、を含み、
第2読み出しコマンドは、モードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、第1読み出しコマンドは、第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである。
【0062】
検出モジュール213は、ロジックゲート、伝送ゲート、コンデンサ、および信号比較デバイスで構成されることができることに留意されたい。
【0063】
いくつかの実施例において、デューティサイクルモジュール211は、
外部からデータクロック信号WCK0を受信して出力するように構成される受信機と、
データクロック信号WCK0のデューティサイクルを調整し、第2内部クロック信号を出力するように構成される調整モジュールと、を含む。
【0064】
調整モジュールは、デューティサイクルの調整に使用されることに留意されたい。デューティサイクルの調整が始まるときに、調整モジュールのデフォルト設定は、データクロック信号WCK0のデューティサイクルをある値だけ増加させ、JEDECで規定されたものによって、デューティサイクルの増加上限は7単位(Step)、即ち35ピコ秒である。
【0065】
調整モジュールは、カスケード接続される遅延ユニットからなることができ、各遅延ユニットはNMOSとPMOSで構成され、これにより、データクロック信号WCK0の立ち上がりエッジの順方向/逆方向調整を実現し、及び/又は、データクロック信号WCK0の立ち下がりエッジの順方向/逆方向調整を実現し、最終的に、データクロック信号WCK0のデューティサイクルを調整することに留意されたい。
【0066】
以下では、1つの可能なワークシーンを提供し、本発明の実施例の技術効果について説明する。図10を参照すると、外部で生成されたデータクロック信号WCK0のデューティサイクルは57%である。デューティサイクルの調整が始まるときに、デフォルトでデータクロック信号WCK0のデューティサイクルを7単位(35ピコ秒)増加する。メモリのスピードが8633Mbpsであれば、このとき第2内部クロック信号WCK1のデューティサイクルは、データクロック信号WCK0のもとに15%増加し、即ち、第2内部クロック信号WCK1のデューティサイクルは72%からある。こんな場合に、制御装置10は、メモリに第2読み出しコマンドを送信し、メモリ20は、読み出しデータ信号DQを制御装置10に送信すればよく、クロック処理回路21を利用して読み出しクロック信号RDQSを生成する必要がない。制御装置10は、自身の生成した第1内部クロック信号Internal CLKを利用して読み出しデータ信号DQをラッチし、正しいデューティサイクルパラメータを取得し、デューティサイクル調整操作の成功を保証する。
【0067】
本発明の実施例は、メモリを提供し、メモリはクロック処理回路を含み、メモリは制御装置に接続され、メモリは、第1読み出しコマンドを受信する場合に、第1読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号を決定し、クロック処理回路により読み出しクロック信号を決定し、読み出しデータ信号と読み出しクロック信号を一緒に制御装置に送信し、または、第2読み出しコマンドを受信する場合に、第2読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号を決定し、読み出しデータ信号を制御装置に送信するように構成される。これにより、第2読み出しコマンドに対して、メモリは、読み出しクロック信号を余計に制御する必要がなく、且つ、読み出しクロック信号を制御装置に送信する必要がない。読み出しクロック信号のデューティサイクル歪みの不利な影響を回避するだけでなく、消費電流と消費電力を節約する。
【0068】
本発明のさらに別の1つの実施例において、図11を参照すると、図11は、本発明の実施例によって提供される信号処理方法の一例のフローチャートである。図11に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0069】
ステップS301において、メモリから送信された読み出しクロック信号と読み出しデータ信号を受信し、制御装置によって生成された第1内部クロック信号を決定する。
【0070】
ステップS302において、読み出しクロック信号と第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として決定する。
【0071】
ステップS303において、ターゲット読み出しクロック信号を利用して読み出しデータ信号をラッチする。
【0072】
該方法は、上記の制御装置10に適用され、制御装置10はメモリ20に接続されることに留意されたい。図4図5を参照すると、さまざまなワークシーンにおいて、制御装置10は、メモリから取得した読み出しクロック信号RDQSをターゲット読み出しクロック信号Sample CLKとし、または、自身内部の生成した第1内部クロック信号Internal CLKをターゲット読み出しクロック信号Sample CLKとし、読み出しデータ信号DQのラッチ処理を完成することができる。これにより、メモリ内のクロック信号のデューティサイクルが歪む場合に、制御装置10は、依然として第1内部クロック信号Internal CLKで読み出しデータ信号DQをラッチし、データの正しいラッチを保証することができる。
【0073】
ステップS301において、第1内部クロック信号をターゲット読み出しクロック信号として決定する場合に、電力を節約するように、メモリ20は、制御装置10に読み出しクロック信号を送信しなくてよいことに留意されたい。該当する案は、本発明の実施例の保護範囲内に含まれる。
【0074】
いくつかの実施例において、メモリから送信された読み出しクロック信号と読み出しデータ信号を受信するステップの前に、該方法はさらに、
メモリにデータ読み出しコマンドを送信し、メモリは、読み出しクロック信号と読み出しデータ信号を生成するステップを含む。
【0075】
いくつかの実施例において、該方法はさらに、
データ読み出しコマンドが第1読み出しコマンドである場合に、読み出しクロック信号をターゲット読み出しクロック信号として決定し、または、データ読み出しコマンドが第2読み出しコマンドである場合に、第1内部クロック信号をターゲット読み出しクロック信号として決定するステップを含み、第2読み出しコマンドは、メモリ内のモードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、第1読み出しコマンドは、第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである。
【0076】
即ち、データ読み出しコマンドが第1読み出しコマンドである場合に、制御装置10は、メモリから送信された読み出しクロック信号と読み出しデータ信号を受信し、前記読み出しクロック信号を利用して読み出しデータ信号をラッチする。データ読み出しコマンドが第2読み出しコマンドである場合に、制御装置10は、メモリから送信された読み出しクロック信号を受信し、自身の生成した第1内部クロック信号を決定し、前記第1内部クロック信号を利用して読み出しデータ信号をラッチする。
【0077】
本発明の実施例は、信号処理方法を提供し、該方法は、前記メモリから送信された読み出しクロック信号を受信し、前記制御装置によって生成された第1内部クロック信号を決定するステップと、前記読み出しクロック信号と前記第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として決定するステップと、前記メモリから送信された読み出しデータ信号を受信し、前記ターゲット読み出しクロック信号を利用して前記読み出しデータ信号をラッチするステップと、を含む。これにより、メモリ内のクロック信号のデューティサイクルが歪む場合に、制御装置は、第1内部クロック信号により読み出しデータ信号をラッチし、データラッチの正しさを向上させるだけでなく、消費電力を節約することができる。
【0078】
本発明のさらに別の1つの実施例において、図12を参照すると、図12は、本発明の実施例によって提供される信号処理方法の別の一例のフローチャートである。図12に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0079】
ステップS401において、第1読み出しコマンドを受信する場合に、第1読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号を決定し、メモリ内のクロック処理回路によって読み出しクロック信号を生成し、読み出しデータ信号と読み出しクロック信号を一緒に制御装置に送信する。
【0080】
ステップS402において、第2読み出しコマンドを受信する場合に、第2読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号を決定し、読み出しデータ信号を制御装置に送信する。
【0081】
該方法は、上記のメモリ20に適用され、メモリ20は制御装置10に接続されることに留意されたい。図12において、第1読み出しコマンドと第2読み出しコマンドをまとめてデータ読み出しコマンドと呼ぶ。メモリ20に対して、第1読み出しコマンドを受信する場合に、読み出しクロック信号RDQSは正常であり、メモリ20は、読み出しデータ信号DQと読み出しクロック信号RDQSを提供し、これにより、制御装置10は、読み出しクロック信号RDQSを利用して読み出しデータ信号DQをラッチする。第2読み出しコマンドを受信する場合に、読み出しクロック信号RDQSは歪む可能性があり、メモリ20は、読み出しデータ信号DQのみを提供し、これにより、制御装置10は、自身の生成した第1内部クロック信号Internal CLKを利用して読み出しデータ信号DQをラッチし、データラッチ失敗を回避する。
【0082】
いくつかの実施例において、該方法はさらに、第1読み出しコマンドを受信する場合に、読み出しクロック信号をフローティング状態に制御するステップを含む。
【0083】
いくつかの実施例において、前記のメモリ内のクロック処理回路によって読み出しクロック信号を生成するステップは、
外部で生成されたデータクロック信号を受信するステップと、データクロック信号のデューティサイクルを調整し、第2内部クロック信号を出力するステップと、第2内部クロック信号に基づいて、読み出しクロック信号を出力するステップであって、読み出しクロック信号はパルス信号である、ステップと、を含む。
【0084】
いくつかの実施例において、該方法はさらに、第2内部クロック信号のデューティサイクルを検出し、デューティサイクルパラメータを取得するステップと、デューティサイクルパラメータをモードレジスタに格納するステップと、を含み、第2読み出しコマンドは、モードレジスタに格納されたデューティサイクルパラメータの取得を指示し、第1読み出しコマンドは、第2読み出しコマンド以外のデータ読み出しコマンドである。
【0085】
本発明の実施例は、信号処理方法を提供し、該方法は、第1読み出しコマンドを受信する場合に、前記第1読み出しコマンドに基づいて読み出しデータ信号を決定し、前記メモリ内のクロック処理回路によって読み出しクロック信号を生成し、前記読み出しデータ信号と前記読み出しクロック信号を一緒に前記制御装置に送信するステップ、または、第2読み出しコマンドを受信する場合に、前記第2読み出しコマンドに基づいて前記読み出しデータ信号を決定し、前記読み出しデータ信号を前記制御装置に送信するステップを含む。これにより、第2読み出しコマンドに対して、メモリは、読み出しクロック信号を生成する必要がない。読み出しクロック信号のデューティサイクル歪みの不利な影響を回避するだけでなく、消費電流と消費電力を節約する。
【0086】
本発明のさらに別の1つの実施例において、図13を参照すると、図13は、本発明の実施例によって提供される電子機器50の一例の構造概略図である。図13に示すように、電子機器50は、少なくとも上記の制御装置10と、上記のメモリ20と、を含む。
【0087】
さまざまなワークシーンにおいて、制御装置10は、メモリ20から取得した読み出しクロック信号をターゲット読み出しクロック信号として使用し、または、自身内部の生成した第1内部クロック信号をターゲット読み出しクロック信号として使用し、読み出しデータ信号DQのラッチ処理を完成することができる。これにより、メモリ内のクロック信号のデューティサイクルが歪む場合に、制御装置10は、依然として第1内部クロック信号により読み出しデータ信号をラッチし、データラッチの正しさを向上させるだけでなく、消費電力を節約することができる。
【0088】
以上は、本発明の最適的な実施例に過ぎなく、本発明の保護範囲を限定するためのものではない。本発明において、「含む」という用語、又はその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するので、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素、又は、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置の固有の要素をさらに含むことに留意されたい。特に限定されていない場合、「…を含む」という文で定義された要素は、当該要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置に、他の同じ要素があることを排除するものではない。上記の本発明の実施例の番号は、実施例の優劣を表すものではなく、説明の便宜を図るためのものである。本発明で提供されるいくつかの方法の実施例で開示される方法は、競合することなく任意に組み合わせて、新しい方法の実施例を取得することができる。本発明で提供されるいくつかの製品の実施例で開示される方法は、競合することなく任意に組み合わせて、新しい製品の実施例を取得することができる。本発明で提供されるいくつかの方法又は機器の実施例で開示される特徴は、競合することなく任意に組み合わせて、新しい方法の実施例又は機器の実施例を取得することができる。上記の内容は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されない。本発明で開示された技術的範囲内で、当業者が容易に想到し得る変形又は置換はすべて、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の実施例は、制御装置、メモリ、信号処理方法及び電子機器を提供する。該制御装置はメモリに接続され、制御装置は、メモリから読み出しクロック信号を受信し、読み出しクロック信号を出力するように構成される受信モジュールと、第1内部クロック信号を生成するように構成されるクロックモジュールと、読み出しクロック信号と第1内部クロック信号を受信し、読み出しクロック信号と第1内部クロック信号のいずれか一つをターゲット読み出しクロック信号として出力するように構成される選択モジュールと、ターゲット読み出しクロック信号とメモリから送信された読み出しデータ信号を受信し、ターゲット読み出しクロック信号を利用して読み出しデータ信号をラッチするように構成されるラッチモジュールと、を含む。これにより、メモリ内のクロック信号のデューティサイクルが歪む場合に、制御装置は、依然として第1内部クロック信号により読み出しデータ信号をラッチし、データラッチの正しさを向上させるだけでなく、消費電力を節約することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13