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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】バッテリパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/296 20210101AFI20240816BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240816BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20240816BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/284
H01M50/202 101
H01M50/202 501C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022569631
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 CN2021103009
(87)【国際公開番号】W WO2022002023
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】202010620245.X
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110094005.5
(32)【優先日】2021-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521006901
【氏名又は名称】浙江動一新能源動力科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LERA NEW ENERGY POWER TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 255 Kesheng Road, Wangchun Industrial Park, Haishu District, Ningbo, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】柯 亨▲ぢゃお▼
(72)【発明者】
【氏名】戴 建紅
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0248123(US,A1)
【文献】特開2004-006302(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107492920(CN,A)
【文献】米国特許第05591039(US,A)
【文献】中国実用新案第204497813(CN,U)
【文献】特開2004-265610(JP,A)
【文献】米国特許第06068498(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/296
H01M 50/284
H01M 50/202
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、該ハウジングに内蔵されたセル又はセルアセンブリと、回路基板とを備えるバッテリパックであって、
前記セル又は前記セルアセンブリの正負極の一端を前記回路基板に接続する第1電気コネクタと、
前記セル又は前記セルアセンブリの正負極の他端を前記回路基板に接続する第2電気コネクタと、
前記回路基板に配置され、外部の電力消費機器への電気的接続に適し、セルからの電力を電力消費機器に供給可能にする第3電気コネクタと、
前記回路基板に配置され、外部充電源への電気的接続に適し、第4電気コネクタによって前記セルに電荷を供給するようにする第4電気コネクタと、を更に備え、
前記第3電気コネクタと前記第4電気コネクタが前記バッテリパックの同じ側に積層配置されており、
前記第3電気コネクタは外部の電力消費機器の雄端子に圧入される雌端子を有
前記雌端子は前記雄端子との導電接続に適する環状接触部を有し、前記雄端子は前記雌端子内に挿入され、前記環状接触部の環状接触面は前記雄端子を環状に包むことを特徴とするバッテリパック。
【請求項2】
前記環状接触部は、前記雌端子の中心方向に突起し、且つ変形に適し、前記雄端子は外力の作用下で前記環状接触部に圧入されてそれを変形させることを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記雄端子と前記雌端子との間の引張圧力は8N≦F≦12Nであることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記第3電気コネクタは、前記回路基板に固定して接続される導電接続部と、前記雄端子に電気的に接続される筒状接続部とを備え、前記導電接続部と前記筒状接続部は導電接続され、且つ前記筒状接続部の孔深さは4mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記筒状接続部は導電性筒体と、前記導電性筒体内に位置する膨張コアとを備え、前記膨張コアは外力の作用下での変形に適することを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項6】
前記膨張コアは、互いに間隔を置いて環状を呈するようにアレイ状に配列され、且つ環状中心方向に突起した複数の導電性弾性シートを有し、前記雄端子は外力の作用下で環状中心領域に圧入され、突起部分は押し出されて広げられて前記雄端子をしっかりと弾性的に包み込むことを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項7】
前記第3電気コネクタは、ハウジングの外側に向かってそれを貫通するオープンポートと、該ポートの一端から離れた密閉端とを有し、前記オープンポートは外部の電力消費機器の端子の挿入に適し、前記密閉端は延長されて前記回路基板に固定して導電接続されることを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項8】
前記第3電気コネクタは、本体と、該本体と一体に接続され且つ前記オープンポートに対向する導電端子とを備え、前記導電端子は少なくとも前記本体で部分的に密封して包まれることを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項9】
前記導電端子は前記回路基板に固定して接続される導電接続部と、前記雄端子に電気的に接続される筒状接続部とを備え、前記筒状接続部は導電性筒体と、前記導電性筒体内に位置する膨張コアとを備え、前記膨張コアは外力の作用下での変形に適することを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項10】
前記膨張コアは、互いに間隔を置いて環状を呈するようにアレイ状に配列され、且つ環状中心方向に突起した複数の導電性弾性シートを有し、前記雄端子は外力の作用下で環状中心領域に圧入され、突起部分は押し出されて広げられて前記雄端子をしっかりと弾性的に包み込むことを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項11】
前記第3電気コネクタと前記ハウジングとの間にガスケットが挟んで配置され、前記ガスケットが前記オープンポートと前記ハウジングとの間の取付隙間を密封するのに適することを特徴とする請求項又はに記載のバッテリパック。
【請求項12】
前記回路基板は、前記第4電気コネクタに対応する取付ノッチを有し、前記第4電気コネクタは前記取付ノッチ内に対応して取り付けられ、且つその一方の端面は少なくとも前記回路基板と基本的に部分的に同一平面上にあり、前記第3電気コネクタは該端面に積層されることを特徴とする請求項に記載のバッテリパック。
【請求項13】
前記第3電気コネクタは、本体と、該本体と一体に接続される導電端子とを備え、前記導電端子は一端が開放され、他端が密閉され、開放された端は前記本体で密封して包まれ、密閉された端は少なくとも部分的に延長されて前記本体を貫通して前記回路基板に固定して導電接続されることを特徴とする請求項10に記載のバッテリパック。
【請求項14】
前記導電端子の密閉された端が90度の円弧を呈するように前記回路基板に固定して溶接されることを特徴とする請求項13に記載のバッテリパック。
【請求項15】
前記本体の両側には前記回路基板の幅方向にラグがそれぞれ設置され、前記ラグ及び前記回路基板には接続部材が通過するのに適した接続孔が対応して配置され、接続部材が接続孔を対応して通ってこれら両方を固定することを特徴とする請求項13に記載のバッテリパック。
【請求項16】
前記第3電気コネクタと前記第4電気コネクタを積層した後の高さ範囲は8mm~10mmであることを特徴とする請求項1215のいずれか1項に記載のバッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリパックの技術分野に関し、特にバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具の汎用性を向上させ、電動工具の作業範囲がソケットの位置によって制限されないようにするために、市場に出回っている多くの電動工具はいずれもバッテリパックによる給電方式を用いている。電動工具は持ちやすく、容易に操作でき、機能が多様であるなどの特徴を有し、作業負荷を大幅に軽減し、作業効率を向上させ、手動操作の機械化を実現することができるため、建築、住宅の装飾、自動車、機械、電力、橋梁、園芸などの分野で広く使用され、且つ大量に家庭に進入している。電動工具の場合、バッテリパックが適用されるかどうか及び堅固に組み立てられるかどうかの問題は電動工具にとって非常に重要であり、既存の電動工具のバッテリパックの取付装置は一般的にいずれも電動工具に直接固定されるため、バッテリパックを容易に取り替えることができず、それと同時に、バッテリパックの体積が比較的大きいため、複数種類の電動工具への給電に適しておらず、充放電時の使用がいずれも容易ではなく、且つ既存のバッテリパックは機能が単一で、構造が複雑である。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、密封管理を容易にするバッテリパックを提供することにある。
【0004】
本発明に係るバッテリパックは、ハウジングと、該ハウジングに内蔵されたセル又はセルアセンブリと、回路基板とを備え、
前記セル又は前記セルアセンブリの正負極の一端を前記回路基板に接続する第1電気コネクタと、
前記セル又は前記セルアセンブリの正負極の他端を前記回路基板に接続する第2電気コネクタと、
前記回路基板に配置され、外部の電力消費機器への電気的接続に適し、セルからの電力を前記第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にする第3電気コネクタと、を更に備え、
前記第3電気コネクタは外部の電力消費機器の雄端子に圧入される雌端子を有する。
【0005】
更に、前記雌端子は前記雄端子との導電接続に適する環状接触部を有し、前記雄端子は前記雌端子内に挿入され、前記環状接触部の環状接触面は前記雄端子を環状に包む。
【0006】
更に、前記環状接触部は、前記雌端子の中心方向に突起し、且つ変形に適し、前記雄端子は外力の作用下で前記環状接触部に圧入されてそれを変形させる。
【0007】
更に、前記雄端子と前記雌端子との間の引張圧力は8N≦F≦12Nである。
【0008】
更に、前記第3電気コネクタは、前記回路基板に固定して接続される導電接続部と、前記雄端子に電気的に接続される筒状接続部とを備え、前記導電接続部と前記筒状接続部は導電接続され、且つ前記筒状接続部の孔深さは4mm以上である。
【0009】
更に、前記筒状接続部は導電性筒体と、前記導電性筒体内に位置する膨張コアとを備え、前記膨張コアは外力の作用下での変形に適する。
【0010】
更に、前記膨張コアは互いに間隔を置いて環状を呈するようにアレイ状に配列され、且つ環状中心方向に突起した複数の導電性弾性シートを有し、前記雄端子は外力の作用下で環状中心領域に圧入され、突起部分は押し出されて広げられて前記雄端子をしっかりと弾性的に包み込む。
【0011】
従来技術と比較して、本発明の有益な技術的効果は以下のとおりである。
本発明に係る外部の電力消費機器に電気的に接続するための第3電気コネクタは、雌端子を有し、雌端子が外部の電力消費機器の雄端子に圧入されることにより、セルからの電力を第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にし、雌端子の配置・使用がバッテリパックのポートでの密封設計を容易にすることができる。この密封設計には防塵密封、防水密封などが含まれる。
【0012】
本発明の他の目的は、防塵、防水管理を容易にすることができるバッテリパックを提供することにある。
【0013】
本発明に係るバッテリパックは、ハウジングと、該ハウジングに内蔵されたセル又はセルアセンブリと、回路基板とを備え、
前記セル又は前記セルアセンブリの正負極の一端を前記回路基板に接続する第1電気コネクタと、
前記セル又は前記セルアセンブリの正負極の他端を前記回路基板に接続する第2電気コネクタと、
前記回路基板に配置され、外部の電力消費機器への電気的接続に適し、セルからの電力を前記第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にする第3電気コネクタと、を更に備え、
前記第3電気コネクタは、ハウジングの外側に向かってそれを貫通するオープンポートと、該ポートの一端から離れた密閉端とを有し、前記オープンポートは外部の電力消費機器の端子の挿入に適し、前記密閉端は延長されて前記回路基板に固定して導電接続される。
【0014】
更に、前記第3電気コネクタは、本体と、該本体と一体に接続され且つ前記オープンポートに対向する導電端子とを備え、前記導電端子は少なくとも前記本体で部分的に密封して包まれる。
【0015】
更に、前記導電端子は前記本体と一体に射出成形される。
【0016】
更に、前記導電端子は前記回路基板に固定して接続される導電接続部と、前記雄端子に電気的に接続される筒状接続部とを備え、前記筒状接続部は導電性筒体と、前記導電性筒体内に位置する膨張コアとを備え、前記膨張コアは外力の作用下での変形に適する。
【0017】
更に、前記膨張コアは、互いに間隔を置いて環状を呈するようにアレイ状に配列され、且つ環状中心方向に突起した複数の導電性弾性シートを有し、前記雄端子は外力の作用下で環状中心領域に圧入され、突起部分は押し出されて広げられて前記雄端子をしっかりと弾性的に包み込む。
【0018】
更に、前記第3電気コネクタと前記ハウジングとの間にガスケットが挟んで配置され、前記ガスケットが前記オープンポートと前記ハウジングとの間の取付隙間を密封するのに適する。
【0019】
従来技術と比較して、本発明の有益な技術的効果は以下のとおりである。
本発明に係る外部の電力消費機器に電気的に接続するための第3電気コネクタは、ハウジングの外側に向かってそれを貫通するオープンポートと、該ポートの一端から離れた密閉端とを有し、オープンポートは外部の電力消費機器の端子の挿入に適し、セルからの電力を第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にし、密閉端が延長されて回路基板に固定して導電接続され、回路の導通を実現し、第3電気コネクタはハウジングの外側に向かうオープンポートのみを有し、他端が密閉されるため、防塵、防水管理を効果的に行うことができる。
【0020】
本発明の別の目的は、構造配置が合理的であるバッテリパックを提供することにある。
【0021】
本発明に係るバッテリパックは、ハウジングと、該ハウジングに内蔵されたセル又はセルアセンブリと、回路基板とを備え、
前記セル又は前記セルアセンブリの正負極の一端を前記回路基板に接続する第1電気コネクタと、
前記セル又は前記セルアセンブリの正負極の他端を前記回路基板に接続する第2電気コネクタと、
前記回路基板に配置され、外部の電力消費機器への電気的接続に適し、セルからの電力を前記第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にする第3電気コネクタと、
前記回路基板に配置され、外部充電源への電気的接続に適し、第4電気コネクタによって前記セルに電荷を供給するようにする第4電気コネクタと、を更に備え、
前記第3電気コネクタと前記第4電気コネクタが前記バッテリパックの同じ側に積層配置される。
【0022】
更に、前記回路基板は、前記第4電気コネクタに対応する取付ノッチを有し、前記第4電気コネクタは前記取付ノッチ内に対応して取り付けられ、且つその一方の端面は少なくとも前記回路基板と基本的に部分的に同一平面上にあり、前記第3電気コネクタは該端面に積層される。
【0023】
更に、前記第3電気コネクタは、ハウジングの外側に向かってそれを貫通するオープンポートと、該ポートの一端から離れた密閉端とを有し、前記オープンポートは外部の電力消費機器の端子の挿入に適し、前記密閉端は延長されて前記回路基板に固定して導電接続される。
【0024】
更に、前記第3電気コネクタは、本体と、該本体と一体に接続される導電端子とを備え、前記導電端子は一端が開放され、他端が密閉され、開放された端は前記本体で密封して包まれ、密閉された端は少なくとも部分的に延長されて前記本体を貫通して前記回路基板に固定して導電接続される。
【0025】
更に、前記導電端子の密閉された端が90度の円弧を呈するように前記回路基板に固定して溶接される。
【0026】
更に、前記本体の両側には前記回路基板の幅方向にラグがそれぞれ設置され、前記ラグ及び前記回路基板には接続部材が通過するのに適した接続孔が対応して配置され、接続部材が接続孔を対応して通ってこれら両方を固定する。
【0027】
更に、前記第3電気コネクタと前記第4電気コネクタを積層した後の高さ範囲は8mm~10mmである。
【0028】
従来技術と比較して、本発明の有益な技術的効果は以下のとおりである。
本発明は、第3電気コネクタ及び第4電気コネクタを前記バッテリパックの同じ側に積層配置し、第3電気コネクタが外部の電力消費機器への電気的接続に適し、セルからの電力を第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にし、第4電気コネクタが外部充電源への電気的接続に適し、第4電気コネクタによってセルに電荷を供給する。このようにして、本発明に係るバッテリパックの反対側は更に他の目的に用いられてもよく、例えば、更に1つのUSB-Aインターフェースなどを配置する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は本発明の具体的な実施例に係るバッテリパックの斜視図である。
図2図2は本発明の具体的な実施例に係るバッテリパックの分解図1である。
図3図3は本発明の具体的な実施例に係るバッテリパックの分解図2である。
図4図4は本発明の具体的な実施例に係る回路基板の構造図である。
図5図5は本発明の具体的な実施例に係る第3電気コネクタの構造図である。
図6図6は本発明の具体的な実施例に係る回路基板及び支持フレームの構造図である。
図7図7は本発明の具体的な実施例に係るバッテリパックが雄端子に係合する模式図である。
図8図8は本発明の具体的な実施例に係るバッテリパックが雄端子と分離する断面図である。
図9図9は本発明の具体的な実施例に係るバッテリパックが雄端子に係合する断面図である。
図10図10は本発明の具体的な実施例に係る第3電気コネクタの構造断面図である。
図11図11は本発明の具体的な実施例に係る第3電気コネクタの構造分解図である。
図12図12は本発明の具体的な実施例に係る分解模式図である。
図13図13は本発明の具体的な実施例に係る他の分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら実施例によって本発明の具体的な実施形態を更に詳しく説明する。以下の実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0031】
実施例1
図1図2図3図4図5に示すように、本発明の実施例に係るバッテリパックは、ハウジング1と、ハウジング1に内蔵されたセル2と、回路基板3とを備え、
セル2の正負極の一端を回路基板3に接続する第1電気コネクタ4と、
セル2の正負極の他端を回路基板3に接続する第2電気コネクタ5と、を更に備え、
図1に示すように、本実施例では、第3電気コネクタ6は回路基板3に配置され、第3電気コネクタ6は、本体と、該本体と一体に射出成形されるピンホール型端子10とを備え、ピンホール型端子10は外部の電力消費機器に電気的に接続するためのものであり、セル2からの電力を第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にし、第4電気コネクタ7は回路基板3に配置され、且つ少なくとも1つの第2インターフェース12を備え、第2インターフェース12は外部の電力消費機器及び充電源に電気的に接続するためのものであり、第2インターフェース12を介して電力を電力消費機器に供給可能にするだけでなく、第2インターフェース12を介してセル2に電荷を供給可能にすることもでき、製品の実際のニーズに応じて、第3電気コネクタ6及び第4電気コネクタ7をバッテリパックの同じ側に設置してもよく、製品の実際のニーズに応じて、バッテリパックの対向する両側に設置してもよく、
本実施例の第2インターフェース12は放電に使用されてもよく、充電に使用されてもよく、具体的には、第2インターフェース12はtype-Cインターフェースであり、図5に示すように、ピンホール型端子10は様々な手持ち電動工具、例えば、コードレス掃除機、直流空気圧縮機及び他の園芸工具などを給電するためのものであり、且つ、ピンホール型端子台を用いることは、バッテリパックの防水密封効果を効果的に向上させることができ、且つ容易に挿着でき、本実施例のバッテリパックは構造がコンパクトであり、更にモバイルバッテリとして使用されてもよく、このとき、type-Cインターフェースを用いる第2インターフェース12を介して携帯電話、タブレットなどのモバイル機器を充電することができ、それと同時に、更にtype-Cインターフェースを介してバッテリパックのセル2を充電することができる。
【0032】
具体的には、本実施例のバッテリパックは、セル2及び回路基板3を取り付けるための支持フレーム8を更に備え、図2に示すように、セル2は単一の21700セルを用い、支持フレーム8の上部はセル2を設置するための弧形凹溝であり、且つ支持フレーム8とセル2との間に絶縁スペーサ15が設けられ、漏電保護の作用を果たすことができ、特にセル2の外皮が破損する状況が生じる場合、漏電状況がないことを保証する。
【0033】
本実施例では、回路基板3が間隔を置いて支持フレーム8上に支持されることを実現するために、支持フレーム8の底部の両側にはそれぞれ延出する2つの支持係止ブロック16を設け、支持フレーム8の底部の両側にはそれぞれ2つの係着用ストライカ17を設け、支持係止ブロック16により回路基板3と支持フレーム8を隔て、即ち、段階状の支持係止ブロック16は回路基板3と支持フレーム8との距離を限定するためのものであり、係着用ストライカ17は回路基板3と支持フレーム8を締め付けて固定するためのものであり、回路基板3と支持フレーム8との距離はHであり、回路基板3と支持フレーム8との距離は2mm以下であり、本実施例では、H=1.57mmであり、距離Hの設定によって、回路基板3とセル2との間に一定の放熱効果を有するように効果的に保証する。
【0034】
図2及び図4に示すように、ピンホール型端子10及び/又は第2インターフェース12はセル2の正負極の軸線方向に沿って外向きに延在し、第2インターフェース12はセル2の正負極の軸線方向に沿って外向きに延出して設置され、即ち、ピンホール型端子10及び第2インターフェース12の挿着方向はいずれもバッテリパックの最も長い辺の方向に沿って設定され、容易に使用できる。
【0035】
本実施例では、ハウジング1には対応するコネクタ開孔27が第3電気コネクタ6及び第4電気コネクタ7に対応するように配置され、具体的には、コネクタ開孔27は第1開孔18及び第2開孔19を備え、第2インターフェース12が第2開孔19に対応し、ピンホール型端子10が第1開孔18に対応し、且つ第2インターフェース12とピンホール型端子10がバッテリパックの同一端部に並列して設置され、即ち、ピンホール型端子10及び第2インターフェース12の設置によって、本実施例のバッテリパックの複数の機能が適用される問題を同時に実現し、且つ全体構造がコンパクトであり、容易に使用できる。
【0036】
さらに、第3電気コネクタ6と支持フレーム8との間に取付隙間が設けられ、且つ第4電気コネクタ7と支持フレーム8との間に取付隙間が設けられる。具体的には、第4電気コネクタ7は第3電気コネクタ6から多少突出し、第3電気コネクタ6、第4電気コネクタ7及び支持フレーム8の間の取付隙間は防水ガスケット9により密封され、防水ガスケット9には第3電気コネクタ6及び第4電気コネクタ7に対応する切欠が設けられ、防水ガスケット9は第4電気コネクタ7に套設され、即ち、第4電気コネクタ7は第3電気コネクタ6の箇所から多少突出し、且つ防水ガスケット9は支持フレーム8とハウジング1との間の軽い押出による変形により取付隙間を完全に密封するとともに、第3電気コネクタ6及び第4電気コネクタ7の側壁に完全に密着し、密封効果を更に確保し、それと同時に、第4電気コネクタ7により対応する位置決め・取り付けの効果を果たす。
【0037】
本実施例のバッテリパックは、セル2により電源として給電し、且つ単一の21700セルを用い、適用される電動工具はコードレスタイプの手持ち電動工具に限定されず、園芸工具、コードレス掃除機、直流空気圧縮機などの二次電池を動力源として用いる動力作業機器を更に含み、バッテリパックの適用範囲を大幅に広げ、且つ全体構造が簡単であり、更に携帯型のモバイルバッテリとして使用可能であり、体積がコンパクトであり、機能性が一層高い。
【0038】
さらに、第1電気コネクタ4及び第2電気コネクタ5は少なくともセル2の正負極の軸線方向に沿って延在する縦方向の折り曲げ部分を備え、即ち、直角に折り曲げられた第1電気コネクタ4及び第2電気コネクタ5はそれぞれセルの正負極と回路基板3を接続するために用いられる。
【0039】
実施例2
実施例1と比較して、本実施例では、バッテリパックに設置される第3電気コネクタ6のインターフェースは2つ設けられており、1つのピンホール型端子10及び1つのUSBインターフェースを備え、図4に示すように、ピンホール型端子10及びUSBインターフェースはそれぞれバッテリパックの両端に設置され、ピンホール型端子10の設置は実施例1の設置と同様であり、USBインターフェースはバッテリパックのピンホール型端子10に対向する側に設置される。
【0040】
USBインターフェースの設置によって、本実施例のバッテリパックがモバイルバッテリとして使用される際の適用範囲が更に拡大する。
【0041】
実施例3
実施例1と比較して、本実施例では、ハウジング1はセル2を収容するための第1ハウジング20と、少なくとも1つの第2ハウジング21とを備え、第2ハウジング21はセル2の正極及び/又は負極端子に設置され、且つ第1ハウジング20と第2ハウジング21がセル2を収容するための密閉された筐体を構成する。具体的には、図3に示すように、本実施例では、第1ハウジング20と第2ハウジング21はそれぞれ1つだけあり、第2ハウジング21はセル2の正極又は負極端子に設置され、第1ハウジング20と第2ハウジング21との間には折り曲げて閉止した分離縁部を有し、分離縁部が同一平面内に位置し、且つ分離縁部の位置する平面はセル2の正極及び負極の位置する平面に平行である。即ち、第2ハウジング21のエッジは第1ハウジング20に係合する分離縁部であり、第2ハウジング21の位置する平面はセル2の正負極の軸線方向に垂直であり、且つ第1ハウジング20はたる形であり、ハウジング1のセル2を収容する径方向周側の外表面には分離された縁部がなく、第1ハウジング20は一体構造であり、第2ハウジング21は第1ハウジング20の端部にはめ込み固定され、具体的には、第1ハウジング20と第2ハウジング21は係着構造により互いに嵌合して係着固定され、第1ハウジング20及び第2ハウジング21の分離縁部はハウジング1の外端面に位置し、本実施例のハウジング1の構造の側壁には見える分離縁部がなく、一体のデザイン性を具現化し、モバイルバッテリとして使用する際に把持感がより良好である。
【0042】
さらに、第1ハウジング20と第2ハウジング21は密封接続され、密封接続の方式は超音波溶接であり、全体の密封性を更に向上させる。
【0043】
実施例4
実施例1と比較して、本実施例では、支持フレーム8の端部には第3電気コネクタ6と第4電気コネクタ7を挟んで制限するのに適する固定フレーム14が延在して設けられ、図6に示すように、第3電気コネクタ6及び第4電気コネクタ7はバッテリパックの同じ側に設置され、且つ上下に重ねて設置され、固定フレーム14は支持フレーム8の端部が下向きに延出する2つの固定脚であり、2つの固定脚の間の空間は第3電気コネクタ6と第4電気コネクタ7を挟んで制限するためのものであり、対応する位置決め・取り付けの作用を果たすとともに、固定フレーム14は防水ガスケット9の側面に圧着して当接されることとなり、防水ガスケット9によるバッテリパックの密封効果を更に向上させる。
【0044】
引き続き図7図8及び図9を参照すると、バッテリパック100は、ハウジング1’と、該ハウジング1’に内蔵されたセル2’又はセルアセンブリと、回路基板3’とを備え、
セル2’又はセルアセンブリの正負極の一端を回路基板3’に接続する第1電気コネクタ4’と、
セル2’又はセルアセンブリの正負極の他端を回路基板3’に接続する第2電気コネクタ5’と、
回路基板3’に配置され、外部の電力消費機器への電気的接続に適し、セル2’からの電力を第3電気コネクタ6’によって電力消費機器に供給可能にする第3電気コネクタ6’と、を更に備え、
第3電気コネクタ6’は、外部の電力消費機器の雄端子200に圧入される雌端子60’を有する。具体的には、図8及び図9を参照されたい。
【0045】
更に、雌端子60’は雄端子200との導電接続に適する環状接触部60aを有し、雄端子200は雌端子60’内に挿入され、環状接触部60aの環状接触面は雄端子200を環状に包む。
【0046】
更に、環状接触部60aは雌端子60’の中心方向に突起し、且つ変形に適し、雄端子200は外力の作用下で環状接触部60aに圧入されてそれを変形させる。
【0047】
更に、雄端子200と雌端子60’との間の引張圧力は8N≦F≦12Nである。
【0048】
更に、第3電気コネクタ6’は、回路基板3’に固定して接続される導電接続部60bと、雄端子200に電気的に接続される筒状接続部60cとを備え、導電接続部60bと筒状接続部60cが導電接続され、且つ筒状接続部60cの孔深さLは4mm以上である。具体的には、図8を参照されたい。
【0049】
更に、筒状接続部60cは導電性筒体601と、導電性筒体601内に位置する膨張コア602とを備え、膨張コア602は外力の作用下での変形に適する。
【0050】
更に、膨張コア602は互いに間隔を置いて環状を呈するようにアレイ状に配列され、且つ環状中心方向に突起した複数の導電性弾性シート60mを有し、雄端子200は外力の作用下で環状中心領域に圧入され、突起部分は押し出されて広げられて雄端子200をしっかりと弾性的に包み込む。具体的には、図9図10及び図11を参照されたい。
【0051】
本発明に係る外部の電力消費機器に電気的に接続するための第3電気コネクタは、雌端子を有し、雌端子が外部の電力消費機器の雄端子に圧入されることにより、セルからの電力を第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にし、雌端子の配置・使用がバッテリパックのポートでの密封設計を容易にすることができる。この密封設計には防塵密封、防水密封などが含まれる。
【0052】
引き続き図7図8を参照すると、バッテリパック100は、ハウジング1’と、該ハウジング1’に内蔵されたセル2’又はセルアセンブリと、回路基板3’とを備え、
セル2’又はセルアセンブリの正負極の一端を回路基板3’に接続する第1電気コネクタ4’と、
セル2’又はセルアセンブリの正負極の他端を回路基板3’に接続する第2電気コネクタ5’と、
回路基板3’に配置され、外部の電力消費機器への電気的接続に適し、セル2’からの電力を第3電気コネクタ6’によって電力消費機器に供給可能にする第3電気コネクタ6’と、を更に備え、
第3電気コネクタ6’は、ハウジングの外側に向かってそれを貫通するオープンポートAと、該ポートAの一端から離れた密閉端Bとを有し、オープンポートAが外部の電力消費機器の端子の挿入に適し、密閉端Bが延長されて回路基板3’に固定して導電接続される。
【0053】
更に、第3電気コネクタ6’は、本体6mと、該本体6mと一体に接続され且つオープンポートAに対向する導電端子6nとを備え、導電端子6nは少なくとも本体6mで部分的に密封して包まれる。具体的には、図9図10及び図11を参照されたい。
【0054】
更に、導電端子6nは本体6mと一体に射出成形される。
【0055】
更に、導電端子6nは回路基板3’に固定して接続される導電接続部60bと、雄端子200に電気的に接続される筒状接続部60cとを備え、筒状接続部60cは導電性筒体601と、導電性筒体601内に位置する膨張コア602とを備え、膨張コア602は外力の作用下での変形に適する。
【0056】
更に、膨張コア602は互いに間隔を置いて環状を呈するようにアレイ状に配列され、且つ環状中心方向に突起した複数の導電性弾性シート60mを有し、雄端子200は外力の作用下で環状中心領域に圧入され、突起部分は押し出されて広げられて雄端子200をしっかりと弾性的に包み込む。具体的には、図9を参照されたい。
【0057】
更に、第3電気コネクタ6’とハウジング1’との間にガスケット9’が挟んで配置され、ガスケット9’がオープンポートAとハウジング1’との間の取付隙間を密封するのに適する。
【0058】
本発明に係る外部の電力消費機器に電気的に接続するための第3電気コネクタは、ハウジングの外側に向かってそれを貫通するオープンポートと、該ポートの一端から離れた密閉端とを有し、オープンポートは外部の電力消費機器の端子の挿入に適し、セルからの電力を第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にし、密閉端が延長されて回路基板に固定して導電接続され、回路の導通を実現し、第3電気コネクタはハウジングの外側に向かうオープンポートのみを有し、他端が密閉されるため、防塵、防水管理を効果的に行うことができる。
【0059】
引き続き図12及び図13を参照すると、バッテリパック100は、ハウジング1’と、該ハウジング1’に内蔵されたセル2’又はセルアセンブリと、回路基板3’とを備え、
セル2’又はセルアセンブリの正負極の一端を回路基板3’に接続する第1電気コネクタ4’と、
セル2’又はセルアセンブリの正負極の他端を回路基板3’に接続する第2電気コネクタ5’と、
回路基板3’に配置され、外部の電力消費機器への電気的接続に適し、セル2’からの電力を第3電気コネクタ6’によって電力消費機器に供給可能にする第3電気コネクタ6’と、
回路基板3’に配置され、外部充電源への電気的接続に適し、第4電気コネクタ7’によって前記セルに電荷を供給するようにする第4電気コネクタ7’と、を更に備え、
第3電気コネクタ6’と第4電気コネクタ7’がバッテリパック100の同じ側に積層配置される。
【0060】
更に、回路基板3’は第4電気コネクタ7’に対応する取付ノッチ30’を有し、第4電気コネクタ7’は取付ノッチ30’内に対応して取り付けられ、且つその一方の端面70は少なくとも回路基板3’と基本的に部分的に同一平面上にあり、第3電気コネクタ6’は該端面70に積層される。
【0061】
更に、第3電気コネクタ6’1’の外側に向かってそれを貫通するオープンポートAと、該ポートAの一端から離れた密閉端Bとを有し、オープンポートAが外部の電力消費機器の端子の挿入に適し、密閉端Bが延長されて回路基板3’に固定して導電接続される。
【0062】
更に、第3電気コネクタ6’は、本体6mと、該本体6mと一体に接続される導電端子6nとを備え、導電端子6nは一端が開放され、他端が密閉され、開放された端は本体6mで密封して包まれ、密閉された端は少なくとも部分的に延長されて本体6mを貫通して回路基板3’に固定して導電接続される。
【0063】
更に、導電端子6nの密閉された端が90度の円弧を呈するように回路基板3’に固定して溶接される。
【0064】
更に、本体6mの両側には回路基板3’の幅方向にラグ6pがそれぞれ設置され、ラグ6p及び回路基板3’には接続部材6qが通過するのに適した接続孔が対応して配置され、接続部材6qが接続孔を対応して通ってこれら両方を固定する。
【0065】
更に、第3電気コネクタ6’と第4電気コネクタ7’を積層した後の高さH範囲は8mm~10mmである。
【0066】
本発明は、第3電気コネクタ及び第4電気コネクタを前記バッテリパックの同じ側に積層配置し、第3電気コネクタが外部の電力消費機器への電気的接続に適し、セルからの電力を第3電気コネクタによって電力消費機器に供給可能にし、第4電気コネクタが外部充電源への電気的接続に適し、第4電気コネクタによってセルに電荷を供給する。このようにして、本発明に係るバッテリパックの反対側は更に他の目的に用いられてもよく、例えば、更に1つのUSB-Aインターフェースなどを配置する。
【0067】
また、上記第4電気コネクタ7’は、type-cインターフェースを用いることが好ましく、外部充電源への電気的接続に適し、第4電気コネクタ7’によって前記セルに電荷を供給するようにするだけでなく、外部の電力消費機器に電気的に接続され、セル2’からの電力を第4電気コネクタ7’によって電力消費機器に供給可能にすることもできる。
【0068】
以上は単に本発明の好適な実施形態であり、指摘すべきことは、当業者であれば、本発明の技術的原理を逸脱せずに、更に種々の改良及び変更を行うことができることであり、これらの改良及び変更も本発明の保護範囲として見なされるべきである。
図1
図2
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図4
図5
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図7
図8
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図10
図11
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図13