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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】スピーカモジュール
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/30 20060101AFI20240816BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H04R1/30 A
H04R1/02 101G
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022580937
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 CN2022111195
(87)【国際公開番号】W WO2024016400
(87)【国際公開日】2024-01-25
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】202210849590.X
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518131698
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【弁理士】
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲儲▼宇芬
(72)【発明者】
【氏名】惠耀
(72)【発明者】
【氏名】ユハ バックマン
【審査官】山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-174271(JP,A)
【文献】特表2016-508237(JP,A)
【文献】国際公開第2021/252797(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/004091(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0038740(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0353198(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出音口が設置された携帯端末に用いられるスピーカモジュールであって、
前記スピーカモジュールは、スピーカボックスを備え、前記スピーカボックスは、側面発音のための第1音声出力開口及び第2音声出力開口を備え、前記第1音声出力開口と前記第2音声出力開口は、それぞれ前記スピーカボックスの対向する2つの側面に設置され、
前記スピーカモジュールは、いずれも中空でありかつ両端が開口した第1メガホン及び第2メガホンをさらに備え、
前記第1メガホンは、一端が前記スピーカボックスの側面に接続されかつ前記第1音声出力開口と連通し、他端が前記携帯端末の出音口に接続するために用いられ、
前記第2メガホンは、一端が前記スピーカボックスの側面に接続されかつ前記第2音声出力開口と連通し、他端が前記携帯端末の出音口に接続するために用いられ、
前記第1メガホンと前記第2メガホンは、前記スピーカボックスに対して非対称に設置される、ことを特徴とするスピーカモジュール。
【請求項2】
前記第1メガホンは複数あり、前記第2メガホンは複数ある、ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項3】
前記第1メガホンは、前記第1音声出力開口に接続された第1セグメントと、前記第1セグメントの前記スピーカボックスから離れた一端から折り曲げて延在しかつ前記スピーカボックスと間隔を隔てる第2セグメントと、前記第2セグメントの前記第1セグメントから離れた一端から延在して形成された第3セグメントとを備え、前記第3セグメントは、前記携帯端末の出音口に接続するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカモジュール。
【請求項4】
前記第2メガホンは、第2音声出力開口に接続されかつ折り曲げて設置された第4セグメントと、前記第4セグメントの前記スピーカボックスから離れた一端から折り曲げて延在しかつ前記スピーカボックスと間隔を隔てる第5セグメントとを備え、前記第5セグメントは、前記携帯端末の出音口に接続するために用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載のスピーカモジュール。
【請求項5】
前記第3セグメントの横断面積は、前記第1メガホンの出音方向に沿って徐々に大きくなり、前記第5セグメントの横断面積は、前記第2メガホンの出音方向に沿って徐々に大きくなる、ことを特徴とする請求項4に記載のスピーカモジュール。
【請求項6】
前記第1メガホンの共振ピークの数は、前記第1メガホンの長さに正比例することである、ことを特徴とする請求項3に記載のスピーカモジュール。
【請求項7】
前記スピーカボックスは矩形状をなし、前記第1音声出力開口と前記第2音声出力開口は、それぞれ前記スピーカボックスの2つの短手方向の辺に設置され、前記第1メガホンの前記第3セグメント及び前記第2メガホンの前記第5セグメントは、いずれも前記スピーカボックスの長手方向の辺が位置する平面を超える位置まで延在する、ことを特徴とする請求項4に記載のスピーカモジュール。
【請求項8】
前記第1メガホンは複数あり、複数の前記第1メガホンの複数の前記第1セグメントは、前記スピーカボックスの短手方向に沿って並んで設置され、複数の前記第1メガホンの複数の前記第2セグメントは、前記スピーカボックスの厚さ方向に沿って交互に積層して設置され、複数の前記第1メガホンの複数の前記第3セグメントは、前記スピーカボックスの長手方向に沿って並んで設置される、ことを特徴とする請求項7に記載のスピーカモジュール。
【請求項9】
前記第2メガホンは複数あり、複数の前記第2メガホンの複数の前記第4セグメントの前記スピーカボックスに近い部分は、前記スピーカボックスの短手方向に沿って並んで設置され、複数の前記第2メガホンの複数の前記第4セグメントの前記スピーカボックスから離れた部分は、前記スピーカボックスの厚さ方向に沿って交互に積層して設置され、複数の前記第2メガホンの複数の前記第5セグメントは、前記スピーカボックスの長手方向に沿って並んで設置される、ことを特徴とする請求項7に記載のスピーカモジュール。
【請求項10】
前記第2セグメント及び/又は前記第3セグメント及び/又は前記第5セグメント内には、吸音材料が充填されている、ことを特徴とする請求項4に記載のスピーカモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音響電気変換技術の分野に属し、特にスピーカモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、タブレット及びゲーム機などの携帯端末では、音声をよりよく再生するために、その内部のスピーカボックスと携帯端末の出音口との間にメガホンを増設することが一般的であり、スピーカボックスとメガホンを組み合わせてスピーカモジュールと呼ぶことができる。
【0003】
既存のスピーカモジュールは、次のような方式によって音響性能が改善されている。
第1方式は、スピーカの前チャンバに減衰チャンバを増加させかつ吸音材料を充填することにより、共振ピークを改善し、かつメガホンのパイプを長くして、前チャンバの共振ピークの数ピークの幅を改善させるものであり、このような方式では音響性能をある程度改善できるが、吸音材料の充填は製造コストを増加させ、しかもその高周波放射能力が弱く、周波数帯域幅が不足している。
第2方式は、減衰チャンバとメガホンの仕切りはバッフル板によって実現されるものであり、このような方式では、音響性能をある程度改善しつつ、スペース利用率を向上させることができるが、共振ピークが少なく、高周波性能を向上させることができない。
【0004】
上記から分かるように、既存のスピーカモジュールは、製造コストが高いだけでなく、高周波性能が低く、周波数帯域範囲も不足する。したがって、これらの問題を解決するために、新たなスピーカモジュールを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術課題は、既存のスピーカモジュールは製造コストが高いだけでなく、高周波性能が低く、周波数帯域範囲が不足するという問題を解決するためのスピーカモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、出音口が設置された携帯端末に用いられるスピーカモジュールを提供し、前記スピーカモジュールは、スピーカボックスを備え、前記スピーカボックスは、側面発音のための第1音声出力開口と第2音声出力開口とを備え、前記第1音声出力開口と前記第2音声出力開口は、それぞれ前記スピーカボックスの対向する2つの側面に設置され、前記スピーカモジュールは、いずれも中空でありかつ両端が開口した第1メガホン及び第2メガホンをさらに備え、前記第1メガホンの一端は前記スピーカボックスの側面に接続されかつ前記第1音声出力開口と連通し、前記第1メガホンの他端は前記携帯端末の出音口に接続するために用いられ、前記第2メガホンの一端は前記スピーカボックスの側面に接続されかつ前記第2音声出力開口と連通し、前記第2メガホンの他端は前記携帯端末の出音口に接続するために用いられ、前記第1メガホンと前記第2メガホンは前記スピーカボックスに対して非対称に設置される。
【0007】
さらに、前記第1メガホンは複数あり、前記第2メガホンは複数ある。
【0008】
さらに、前記第1メガホンは、前記第1音声出力開口に接続された第1セグメントと、前記第1セグメントの前記スピーカボックスから離れた一端から折り曲げて延在しかつ前記スピーカボックスと間隔を隔てる第2セグメントと、前記第2セグメントの前記第1セグメントから離れた一端から延在して形成された第3セグメントとを備え、前記第3セグメントは前記携帯端末の出音口に接続するために用いられる。
【0009】
さらに、前記第2メガホンは第2音声出力開口に接続されかつ折り曲げて設置された第4セグメントと、前記第4セグメントの前記スピーカボックスから離れた一端から折り曲げて延在しかつ前記スピーカボックスと間隔を隔てる第5セグメントとを備え、前記第5セグメントは前記携帯端末の出音口に接続するために用いられる。
【0010】
さらに、前記第1メガホンの出音方向に沿って、前記第3セグメントの横断面積が徐々に大きくなって、前記第2メガホンの出音方向に沿って、前記第5セグメントの横断面積が徐々に大きくなる。
【0011】
さらに、前記第1メガホンの共振ピークの数は、前記第1メガホンの長さに正比例する。
【0012】
さらに、前記スピーカボックスは矩形状をなし、前記第1音声出力開口と前記第2音声出力開口は、それぞれ前記スピーカボックスの2つの短手方向の辺に設置され、前記第1メガホンの前記第3セグメント及び前記第2メガホンの前記第5セグメントは、いずれも前記スピーカボックスの長手方向の辺が位置する平面を超える位置まで延在する。
【0013】
さらに、前記第1メガホンは複数あり、複数の前記第1メガホンの複数の前記第1セグメントは、前記スピーカボックスの短手方向に沿って並んで設置され、複数の前記第1メガホンの複数の前記第2セグメントは、前記スピーカボックスの厚さ方向に沿って交互に積層して設置され、複数の前記第1メガホンの複数の前記第3セグメントは、前記スピーカボックスの長手方向に沿って並んで設置される。
【0014】
さらに、前記第2メガホンは複数あり、複数の前記第2メガホンの複数の前記第4セグメントの前記スピーカボックスに近い部分は、前記スピーカボックスの短手方向に沿って並んで設置され、複数の前記第2メガホンの複数の前記第4セグメントの前記スピーカボックスから離れた部分は、前記スピーカボックスの厚さ方向に沿って交互に積層して設置され、複数の前記第2メガホンの複数の前記第5セグメントは、前記スピーカボックスの長手方向に沿って並んで設置される。
【0015】
さらに、前記第2セグメント及び/又は前記第3セグメント及び/又は前記第5セグメント内には、吸音材料が充填されている。
【発明の効果】
【0016】
既存の技術に比べて、本発明のスピーカモジュールは、異なる長さ、寸法、体積及び造形の第1メガホン及び第2メガホンを用いることによって、周波応答ピークボトムの補完が完了し、共振ピークの多段階結合が実現され、高周波性能を向上させるだけでなく、周波数帯域範囲を広げることができるとともに、吸音材料を充填する必要がないため、スピーカモジュールの製造コストを低減させることができる。
本発明の実施例又は既存の技術における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例又は既存の技術の説明で使用される必要がある図面を簡単に紹介するが、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、本発明が属する技術分野の当業者にとって、創造的な労働を要さない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例によるスピーカモジュールの構造を模式的に示す斜視図である。
図2】本発明の実施例によるスピーカモジュールの構造を模式的に示す分解図である。
図3】本発明の実施例によるスピーカモジュールにおける第1メガホン及び第2メガホンの音響パワーグラフである。
図4】本発明の実施例によるスピーカモジュールの音響性能試験結果を示す模式図である。
図5】本発明の実施例によるスピーカモジュールの音圧レベル(SPL)グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の目的、技術案および利点がより明確になるように、図面および実施例を結合しながら、本発明をさらに詳細に説明する。ここで記載される具体的な実施例は、本発明を説明するためにのみ用いられ、本発明を限定することに用いられるものではないと理解されるべきである。
【0019】
本発明の実施例はスピーカモジュール100を提供し、図1及び図2に示すように、出音口が設置された携帯端末に用いられ、スピーカモジュール100はスピーカボックス1を備え、スピーカボックス1は、側面発音のための第1音声出力開口11及び第2音声出力開口12を備え、第1音声出力開口11及び第2音声出力開口12は、それぞれスピーカボックス4の対向する2つの側面に設置され、スピーカモジュール100は、いずれも中空でありかつ両端が開口した第1メガホン2及び第2メガホン3をさらに備え、第1メガホン2の一端は、スピーカボックス1の側面に接続されかつ第1音声出力開口11と連通し、第1メガホン2の他端は、携帯端末の出音口に接続するために用いられ、第2メガホン3の一端は、スピーカボックス1の側面に接続されかつ第2音声出力開口12と連通し、第2メガホン3の他端は、携帯端末の出音口に接続するために用いられ、第1メガホン2と第2メガホン3は、スピーカボックス1に対して非対称に設置される。
【0020】
ここで、第1メガホン2と第2メガホン3は、スピーカボックス1に対して非対称に設置され、すなわち、第1メガホン2と第2メガホン3との長さ、寸法、体積及び造形が異なることを指す。
【0021】
本実施例では、第1メガホン2及び第2メガホン3は、いずれも1つである。当然のことながら、実際の需要に応じて、第1メガホン2及び第2メガホン3は、いずれも複数であってもよく、例えば2つ、3つ、4つ、5つなどである。
【0022】
本実施例では、スピーカボックス1は矩形状をなし、第1音声出力開口11及び第2音声出力開口12は、それぞれスピーカボックス1の2つの短手方向の辺に設置されている。当然のことながら、実際の需要に応じて、スピーカボックス1は、他の形状に設計することも可能である。
【0023】
本実施例では、第1メガホン2の共振ピークの数は、第1メガホン2の長さに正比例している。このように設計することによって、中間周波数(1k-8kHz)ラウドネスを向上させることができる。
【0024】
本実施例では、第1メガホン2は、第1音声出力開口11に接続された第1セグメント21と、第1セグメント21のスピーカボックス1から離れた一端から折り曲げて延在しかつスピーカボックス1と間隔を隔てる第2セグメント22と、第2セグメント22の第1セグメント21から離れた一端から延在して形成された第3セグメント23とを備え、第3セグメント23は、携帯端末の出音口に接続するために用いられる。
【0025】
本実施例では、第1セグメント21は、第1方向に沿って90度折り曲げるように設置され、第2セグメント22は、第1方向の逆方向に沿って180度折り曲げるように設置される。このように設置することによって、同等のスペースの前提で、第1メガホン2の長さを長くし、スペース利用率を向上させることができる。
【0026】
ここで、第1方向は、第1音声出力開口11の音声出力方向である。
【0027】
本実施例では、第1メガホン2の出音方向に沿って、第3セグメント23の横断面積が徐々に大きくなっている。
【0028】
本実施例では、第2メガホン3は、第2音声出力開口12に接続されかつ折り曲げて設置された第4セグメント31と、第4セグメント31のスピーカボックス1から離れた一端から折り曲げて延在しかつスピーカボックス1と間隔を隔てる第5セグメント32とを備え、第5セグメント32は、携帯端末の出音口に接続するために用いられる。第2メガホン3を2つのセグメントのみに設計することにより、スピーカモジュール100の占有スペースをある程度減少させることができる。
【0029】
本実施例では、第2メガホン3の出音方向に沿って、第5セグメント32の横断面積が徐々に大きくなる。
【0030】
本実施例では、第1メガホン2の第3セグメント23及び第2メガホン4の第5セグメント42は、いずれもスピーカボックス1の長手方向の辺が位置する平面を超える位置まで延在する。
【0031】
第1メガホン2の他の実施例として、第1メガホン2は複数あり、複数の第1メガホン2の複数の第1セグメント21は、スピーカボックス1の短手方向に沿って並んで設置され、複数の第1メガホン2の複数の第2セグメント22は、スピーカボックス1の厚さ方向に沿って交互に積層し設置され、複数の第1メガホン2の複数の第3セグメント23は、スピーカボックス1の長手方向に沿って並んで設置される。
【0032】
第2メガホン3の他の実施例として、第2メガホン3は複数あり、複数の第2メガホン3の複数の第4セグメント31のスピーカボックス1に近い部分は、スピーカボックス1の短手方向に沿って並んで設置され、複数の第2メガホン3の複数の第4セグメント31のスピーカボックス1から離れた部分は、スピーカボックス1の厚さ方向に沿って交互に積層し設置され、複数の第2メガホン3の複数の第5セグメント32は、スピーカボックス1の長手方向に沿って並んで設置される。
【0033】
第1メガホン2及び第2メガホン3の具体的な実施例として、第1メガホン2は2つであり、第2メガホン3も2つである。当然のことながら、実際の需要に応じて、第1メガホン2は、3つ、4つ、5つなどであってもよく、第2メガホン3は、3つ、4つ、5つなどであってもよい。
【0034】
既存の技術に比べて、本実施例のスピーカモジュール100は、異なる長さ、寸法、体積及び造形の第1メガホン2及び第2メガホン3を利用することによって、周波応答ピークボトムの補完を完成させ、共振ピークの多段階結合を実現し、高周波性能を向上させるだけでなく、周波数帯域範囲を広げることができるとともに、吸音材料を充填する必要がないため、スピーカモジュール100の製造コストを低減することができる。
【0035】
また、本実施例に係るスピーカモジュール100は、フレキシブルな設計も可能であり、携帯端末における非対称な筐体にも対応でき、構造上の指定位置を回避できる。図3はスピーカモジュール100における第1メガホン2(Large horn)及び第2メガホン3(Small horn)の音響パワー(dB)グラフであり、その片側の第2メガホン3が高周波でピットボトムが出現しやすく、このときに第2メガホン3を利用してピークボトム補償を行い、両者の曲線をマッチングすることができ、図中のaはLarge horn音響パワー曲線を示すために用いられ、bはSmall horn音響パワー曲線を示すために用いられ、図4はスピーカモジュール100の音響性能試験結果を示す模式図であり、図から分かるように、既存の側発音モジュールの試験結果曲線dの同一周波数における感度は、多段ホーンプラス出音口マッチングモデルの試験結果曲線c、初版2段ホーンの試験結果曲線e、初版2段ホーンプラス吸音材料の試験結果曲線f、多段変断面ホーンの試験結果曲線g、多段変断面ホーンプラス吸音材料の試験結果曲線h、及び大後チャンバモジュール正発音の試験結果曲線iのそれぞれの感度よりも低いものであり、また、上記の試験結果から分かるように、既存の側発音モジュールの発音に比べて、ホーンを用いた各種技術案は、いずれも高周波数帯域が向上し、中でも多段ホーンプラス出音口マッチングモデルは、周波数帯域幅及び周波応答浮動が他の技術案よりも高い。
【0036】
スピーカモジュール100のさらに別の実施例として、第2セグメント22及び/又は第3セグメント23及び/又は第5セグメント32内には、吸音材料が充填されている。このようにすると、スピーカの製造コストが増加するが、第1メガホン2及び/又は第2メガホン3の応答曲線を補完して、スピーカモジュール100の高周波性能を向上させることができる。
【0037】
図5は、このスピーカモジュール100の音圧レベル(SPL)グラフであり、図において、jはoriのSPL曲線を示し、kはori+resistance 1100(内部抵抗1100Pas/m)+extend space(拡張スペース)のSPL曲線を示し、スピーカボックス1の横軸方向出音側から携帯端末までのメガホンは、高周波位置でピットボトムを発生するときに、小チャンバを用いて吸音材料を充填してメガホンのダンピングを増加させて、高周波SPL曲線が平坦化することができ、そして、体積を徐々に増加させることにより、音響容量を変更し、さらに共振周波数点への制御を実現ことができる。
【0038】
以上の記載は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0039】
100:スピーカモジュール、1:スピーカボックス、11:第1音声出力開口、12:第2音声出力開口、2:第1メガホン、21:第1セグメント、22:第2セグメント、23:第3セグメント、3:第2メガホン、31:第4セグメント、32:第5セグメント。
図1
図2
図3
図4
図5