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特許7539510地図整備装置、案内装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】地図整備装置、案内装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20240816BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G01C21/26 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023026413
(22)【出願日】2023-02-22
(62)【分割の表示】P 2021098568の分割
【原出願日】2016-12-27
(65)【公開番号】P2023059956
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】321011767
【氏名又は名称】ジオテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】栃木 由和
(72)【発明者】
【氏名】菅原 拓矢
(72)【発明者】
【氏名】池田 佑太
(72)【発明者】
【氏名】川口 拓磨
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-183764(JP,A)
【文献】特開2010-164688(JP,A)
【文献】特開2003-111128(JP,A)
【文献】特開2004-077300(JP,A)
【文献】特開2016-180980(JP,A)
【文献】特開2007-179099(JP,A)
【文献】特開2005-227430(JP,A)
【文献】特開2009-217826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニュース情報を取得する取得部と、
前記ニュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、前記地図データの変更点の候補を抽出する抽出部と、
前記変更点の候補のリストを生成する生成部と、
前記変更点の候補に対応する地点である変更点候補地点に基づき特定した車載機に対し、前記変更点候補地点における通信状況として、Wifi(登録商標)の通信状況の送信要求を行う送信要求部と、
を備え、
前記生成部は、前記通信状況に基づいて、前記変更点候補地点での施設及びその他の地物の消滅又は発生を判定する、地図整備装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記ニュース情報から、前記変更点の候補に関する変更が生じた対象、位置、日付、及び変更の態様の少なくとも1つを抽出する請求項1に記載の地図整備装置。
【請求項3】
前記取得部は、通信網を介して取得可能なニュース情報から、1又は複数のキーワードに基づき検索したニュース情報を受信する請求項1または2に記載の地図整備装置。
【請求項4】
前記送信要求部は、前記変更点候補地点の周辺に存在する前記車載機を特定し、特定した前記車載機に対して前記送信要求を行う、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の地図整備装置。
【請求項5】
前記変更点の候補に対する信頼度を判定する信頼度判定部をさらに備え、
前記生成部は、前記変更点の候補のリストに前記信頼度の情報を含める請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の地図整備装置。
【請求項6】
前記信頼度判定部は、前記変更点の候補に関する情報を抽出したニュース情報の発信元に関する情報に基づき、前記信頼度を判定する請求項5に記載の地図整備装置。
【請求項7】
前記信頼度判定部は、前記変更点の候補に関するニュース情報の数が多いほど、当該変更点の候補に対応する信頼度を高くする請求項5または請求項6に記載の地図整備装置。
【請求項8】
前記信頼度判定部が判定した信頼度に基づき、前記生成部が生成した前記変更点の候補のリストから、前記地図データに反映すべき変更点を決定する地図更新部を備える請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の地図整備装置。
【請求項9】
前記変更点の候補のリストから前記地図データを更新する場合、前記信頼度判定部が判定した信頼度の情報を前記地図データに含める地図更新部を備える請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の地図整備装置。
【請求項10】
前記抽出部は、前記ニュース情報に含まれる画像に基づき、信号機又は標識に関する情報を前記変更点の候補に関する情報として抽出する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の地図整備装置。
【請求項11】
前記取得部は、前記ニュース情報として、ニュースサイト若しくはソーシャルネットワーキングサイトの表示情報、又は、放送される音声に関する音声情報の少なくとも1つを取得する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の地図整備装置。
【請求項12】
請求項9に記載の地図整備装置が更新した地図データに基づき案内を行う案内装置であって、
前記地図データにおいて信頼度の情報が付加された施設又は施設以外の地物に関する案内を行う場合、当該信頼度に基づく警告を出力する警告部を備える案内装置。
【請求項13】
地図整備装置が実行する制御方法であって、
ュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、前記地図データの変更点の候補を抽出する抽出工程と、
前記変更点の候補のリストを生成する生成工程と、
前記変更点の候補に対応する地点である変更点候補地点に基づき特定した車載機に対し、前記変更点候補地点における通信状況として、Wifi(登録商標)の通信状況の送信要求を行う送信要求工程と、
を有する制御方法であって、
前記生成工程では、前記通信状況に基づいて、前記変更点候補地点での施設及びその他の地物の消滅又は発生を判定する、制御方法。
【請求項14】
地図整備装置のコンピュータが実行するプログラムであって、
ニュース情報を取得する取得部と、
前記ニュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、前記地図データの変更点の候補を抽出する抽出部と、
前記変更点の候補のリストを生成する生成部と、
前記変更点の候補に対応する地点である変更点候補地点に基づき特定した車載機に対し、前記変更点候補地点における通信状況として、Wifi(登録商標)の通信状況の送信要求を行う送信要求部
として前記コンピュータを機能させるプログラムであって、
前記生成部は、前記通信状況に基づいて、前記変更点候補地点での施設及びその他の地物の消滅又は発生を判定する、プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データの整備技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データを整備する技術が存在する。例えば、特許文献1には、供用予定の路線に関する情報を含んだ開通前情報と、供用済み及び供用予定の路線を含んだ地図データとを記憶し、開通前情報として記憶された非使用データバージョンと、地図データのデータバージョンとを比較することで、開通前情報に対応する地図データの使用可否を判定する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-238471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施設の閉店や新規開店、標識の新設や撤去などは、種々の地点において生じており、これらの情報を正確に把握して地図データに反映するには時間と手間がかかるという問題がある。そこで、本発明は、地図データを更新すべき変更点に関するリストを好適に自動生成することが可能な地図整備装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に記載の発明は、地図整備装置であって、ニュース情報を取得する取得部と、前記ニュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、前記地図データの変更点の候補を抽出する抽出部と、前記変更点の候補に対応する地点である変更点候補地点に基づき特定した車載機に対し、前記変更点候補地点の通信状況の送信要求を行う送信要求部と、を備える。
【0006】
本願に記載の別の発明は、地図整備装置が実行する制御方法であって、ニュース情報を取得する取得工程と、前記ニュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、前記地図データの変更点の候補を抽出する抽出工程と、前記変更点の候補に対応する地点である変更点候補地点に基づき特定した車載機に対し、前記変更点候補地点の通信状況の送信要求を行う送信要求工程と、を有する。
【0007】
本願に記載の別の発明は、地図整備装置のコンピュータが実行するプログラムであって、ニュース情報を取得する取得部と、前記ニュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、前記地図データの変更点の候補を抽出する抽出部と、前記変更点の候補に対応する地点である変更点候補地点に基づき特定した車載機に対し、前記変更点候補地点の通信状況の送信要求を行う送信要求部として前記コンピュータを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係る地図管理システムの概略構成である。
図2】地図整備装置の概略構成を示す。
図3】変更点リストのデータ構造の一例である。
図4】地図データのデータ構造の一例である。
図5】変更点リストの更新処理の概要を示すフローチャートである。
図6】検索ワード「閉店」に基づき検索されたニュースサイトの表示例である。
図7】検索ワード「出店」に基づき検索されたニュースサイトの表示例である。
図8】SNSによる投稿内容を表す表示例である。
図9】SNSにより投稿された写真に新設された標識が表示されていた場合の投稿内容を示す。
図10】経路探索を行う車載機の表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好適な実施形態によれば、地図整備装置は、ニュース情報を取得する取得部と、前記ニュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、前記地図データの変更点に関する情報を抽出する抽出部と、前記変更点のリストを生成する生成部と、を備える。
【0010】
上記地図整備装置は、取得部と、抽出部と、生成部とを備える。取得部は、ニュース情報を取得する。ここで、ニュース情報は、ニュースサイトにおいて提供されるウェブ情報の他、SNS(Social Networking Service)により投稿されたウェブ情報、ラジオなどの音声情報等を含む。抽出部は、ニュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、地図データの変更点に関する情報を抽出する。ここで、変更点は、地図データにおいて登録されていた施設及びその他の地物(信号機、看板、標識などを含む)等の変更に関する情報である。生成部は、変更点のリストを生成する。この態様によれば、地図整備装置は、地図データの更新時に反映すべき変更点のリストをニュース情報から生成し、地図の更新処理を好適に効率化することができる。
【0011】
上記地図整備装置の一態様では、前記抽出部は、前記ニュース情報から、前記変更点に関する変更が生じた対象、位置、日付、及び変更の態様の少なくとも1つを抽出する。これにより、地図整備装置は、生成する変更点のリストにおいて、地図データの更新に必要な情報を好適に収集することができる。
【0012】
上記地図整備装置の他の一態様では、前記取得部は、通信網を介して取得可能なニュース情報から、1又は複数のキーワードに基づき検索したニュース情報を受信する。この態様により、地図整備装置は、地図データの変更点に関する内容を含むニュース情報を好適に取得して変更点のリストを効率的に生成することができる。
【0013】
上記地図整備装置の他の一態様では、地図整備装置は、前記変更点に対する信頼度を判定する信頼度判定部をさらに備え、前記生成部は、前記変更点のリストに前記信頼度の情報を含める。この態様により、地図整備装置は、ニュース情報により生成した変更点に関
する情報の信頼度を変更点のリストに好適に含めることができる。
【0014】
上記地図整備装置の他の一態様では、前記信頼度判定部は、前記変更点に関する情報を抽出したニュース情報の発信元に関する情報に基づき、前記信頼度を判定する。この態様により、地図整備装置は、変更点に関する情報の信頼度を好適に判定することができる。
【0015】
上記地図整備装置の他の一態様では、前記信頼度判定部は、前記変更点に関するニュース情報の数が多いほど、当該変更点に対応する信頼度を高くする。このように、地図整備装置は、関連するニュース情報の数に応じて変更点に関する信頼度を判定することで、信頼度を的確に定めることができる。
【0016】
上記地図整備装置の他の一態様では、地図整備装置は、前記信頼度判定部が判定した信頼度に基づき、前記生成部が生成した前記変更点のリストから、前記地図データに反映すべき変更点を決定する地図更新部をさらに備える。この態様により、地図整備装置は、地図データの信頼性を好適に保つことができる。
【0017】
上記地図整備装置の他の一態様では、前記抽出部は、前記ニュース情報に含まれる画像に基づき、信号機又は標識に関する情報を前記変更点に関する情報として抽出する。この態様により、地図整備装置は、信号機や標識に関する変更についても変更点のリストに好適に登録することができる。
【0018】
上記地図整備装置の他の一態様では、前記取得部は、前記ニュース情報として、ニュースサイト若しくはソーシャルネットワーキングサイトの表示情報、又は、放送される音声に関する音声情報の少なくとも1つを取得する。これにより、地図整備装置は、変更点に関する情報を抽出する対象となるニュース情報を好適に取得することができる。
【0019】
本発明の他の好適な実施形態によれば、地図整備装置が更新した地図データに基づき案内を行う案内装置であって、前記地図データにおいて信頼度の情報が付加された施設又は施設以外の地物に関する案内を行う場合、当該信頼度に基づく警告を出力する警告部を備える。この態様により、案内装置は、対象の施設や地物に対する信頼度をユーザに通知することで、確実性が充分でない変更点の情報についても好適に活用することができる。
【0020】
本発明の他の好適な実施形態によれば、地図整備装置が実行する制御方法であって、ニュース情報を取得する取得工程と、前記ニュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、前記地図データの変更点に関する情報を抽出する抽出工程と、前記変更点のリストを生成する生成工程と、を有する。地図整備装置は、この制御方法を実行することで、地図データの更新時に反映すべき変更点のリストをニュース情報から生成し、地図の更新処理を好適に効率化することができる。
【0021】
本発明の他の好適な実施形態によれば、地図整備装置のコンピュータが実行するプログラムであって、ニュース情報を取得する取得部と、前記ニュース情報と、更新の対象となる地図データとに基づき、前記地図データの変更点に関する情報を抽出する抽出部と、前記変更点のリストを生成する生成部として前記コンピュータを機能させる。コンピュータは、このプログラムを実行することで、地図データの更新時に反映すべき変更点のリストをニュース情報から生成し、地図の更新処理を好適に効率化することができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0023】
[地図管理システムの概要]
図1は、本実施例に係る地図管理システムの概略構成である。地図管理システムは、地図データの更新及び配信を行う地図整備装置1と、各車両と共に移動する複数の車載機2と、サーバ装置4とを備える。
【0024】
地図整備装置1は、配信地図DB10を記憶し、車載機2からの要求に応じて、地図データ「D1」を配信地図DB10から抽出して送信する。地図データD1は、車載機2の自車位置周辺の部分的な地図データであってもよく、車載機2の地図DB20を最新情報に更新するための差分情報であってもよい。また、地図整備装置1は、インターネットなどの通信網を介してサーバ装置4と通信可能であり、所定のキーワードに基づきサーバ装置4が記憶するニュースに関する情報(「ニュース情報D2」とも呼ぶ。)を検索して収集するクローラとして機能する。ここで、ニュース情報D2は、例えば、ブラウザなどにより表示可能なウェブサイトやSNSなどの種々の表示情報、及び、ポッドキャスト等により配信されるラジオの音声情報などが該当する。そして、地図整備装置1は、サーバ装置4から受信したニュース情報D2に基づき、配信地図DB10の最新更新時点からの施設及び施設以外の地物等に関する変更点のリスト(「変更点リストLc」とも呼ぶ。)を生成及び記憶する。
【0025】
車載機2は、据置型の端末又は携帯端末であって、地図データD1を地図整備装置1から受信して記憶する。そして、車載機2は、受信した地図データD1等に基づき、ユーザが設定した目的地への経路探索や、設定された経路に基づく案内等を行う。車載機2は、本発明における「案内装置」の一例である。
【0026】
サーバ装置4は、ニュースに関するHTMLドキュメントの各種情報を記憶し、地図整備装置1などのクライアントからURLにより指定された情報を、HTTPなどの所定のプロトコルに従い送信するウェブサーバである。図1では、サーバ装置4は、1台のみ図示されているが、実際には複数のサーバ装置4が地図整備装置1等と通信可能となっている。
【0027】
[サーバ装置の構成]
図2は、地図整備装置1の概略構成を示す。図2に示すように、地図整備装置1は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、制御部15と、表示部16とを有する。地図整備装置1内のこれらの各要素は、バスラインを介して相互に接続されている。
【0028】
通信部11は、制御部15の制御に基づき、車載機2と各種データの通信を行う。本実施例では、通信部11は、車載機2から地図データD1の取得要求を受信した場合に、制御部15が配信地図DB10から抽出した地図データD1を車載機2へ送信する。また、通信部11は、制御部15の制御に基づき、ニュースに関する表示情報又は音声情報を管理するサーバ装置4とデータ通信を行い、ニュース情報D2を受信する。
【0029】
記憶部12は、地図整備装置1の動作を制御するためのプログラムを保存したり、地図整備装置1の動作に必要な情報を保持したりする。記憶部12は、配信地図DB10及び配信地図DB10を更新するための変更点リストLcを記憶する。入力部13は、ユーザによる種々の入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、ボタン、タッチパネル、キーボード、音声入力装置などが該当する。入力部13は、生成した入力信号を制御部15へ供給する。表示部16は、制御部15の制御に基づき、所定の情報を表示する。
【0030】
制御部15は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、地図整備装置1内の各構成要素に対して種々の制御を行う。本実施例では、制御部15は、サーバ装置4から受信するニュース情報D2を解析することで、変更点リストLcの生成処理を行う。また、制御部15は、入力部13への入力等に基づき、変更点リストLcにより配信地図DB10を更新する。また、制御部15は、車載機2から所定の要求信号を通信部11が受信した場合に、配信地図DB10から地図データD1を抽出し、通信部11により車載機2へ送信する。この場合、上述の要求信号には、例えば、車載機2の自車位置情報又は/及び地図DB20の最新の更新日時情報などが含まれ、制御部15は、これらの情報に基づき、配信地図DB10から配信すべき地図データD1を抽出する。制御部15は、本発明における「取得部」、「抽出部」、「生成部」、「信頼度判定部」、「地図更新部」及び本発明におけるプログラムを実行する「コンピュータ」の一例である。
【0031】
[データ構造]
次に、変更点リストLc及び地図データD1のデータ構造の具体例について、図3及び図4を参照して説明する。
【0032】
図3は、変更点リストLcのデータ構造の一例である。変更点リストLcは、主に、「リスト番号」、「位置」、「ステータス」、「変更日時」、「信頼度」、「種別」、「名称」の各項目を有する。ここで、「リスト番号」は、変更点リストLcの各レコードに付される識別番号を示す。また、「位置」は、変更が生じたと推定される地点を表す緯度及び経度を示す。また、「ステータス」は、変更の対象となる施設等の変更態様を示す。「変更日時」は、変更が行われる又は行われると推定される日時を示す。「信頼度」は、対応するレコードが示す変更点の情報に関する信頼度を示す。図3の例では、信頼度は、最大を「5」とする5段階評価値となっている。「種別」は、ステータスの変更があった施設等の種別(カテゴリ)を示し、「名称」は、ステータスの変更があった施設等の名称を示す。
【0033】
地図整備装置1は、図3に示す変更点リストLcの各レコードを、サーバ装置4から受信するニュース情報D2に基づき生成する。変更点リストLcの生成処理については後述する。
【0034】
図4は、地図データD1のデータ構造の一例である。図4に示す地図データD1は、施設情報と、道路データとを含む。そして、施設情報は、主に、位置情報と、名称情報と、種別情報と、信頼度情報とを含む。
【0035】
信頼度情報は、例えば、施設情報のうち信頼度が所定度(例えば最大値「5」)に満たなかった変更点リストLcのレコードに対応する施設情報に含まれる。信頼度情報は、主に、変更点リストLcに登録されていた「ステータス」、「変更日時」、及び「信頼度」等の各項目の情報を含んでいる。例えば、地図整備装置1は、「ステータス」が消滅であって「信頼度」が所定度未満の変更点リストLcのレコードを配信地図DB10に反映する場合、対象となる施設の施設情報を配信地図DB10から完全に消去する代わりに、当該施設情報に上述の信頼度情報を付加する。信頼度情報の活用方法については、後述する。
【0036】
[変更点リストの生成処理]
(1)処理概要
【0037】
図5は、地図整備装置1が実行する変更点リストLcの生成処理の概要を示すフローチャートである。地図整備装置1は、図5に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0038】
まず、地図整備装置1は、予め定められた所定のキーワード(単に「検索ワード」とも呼ぶ。)に基づき、変更点リストLcのレコードの生成に必要なニュース情報D2を検索
し、検索したニュース情報D2をサーバ装置4から受信する(ステップS101)。即ち、地図整備装置1は、所定の検索ワードから公知の検索エンジンなどを用いて変更点リストLcのレコードの生成に必要なニュース情報D2を収集する。ここで、上述の検索ワードは、例えば、「閉店」、「開店」、「オープン」、「出店」などであり、属人的な手法又は公知の学習技術に基づき予め定められる。
【0039】
その後、地図整備装置1は、サーバ装置4から受信したニュース情報D2から閉店や開店などのステータスの変更があった又は変更が予定される施設等の名称、位置、変更日時等を特定する(ステップS102)。ステップS102での特定処理の詳細については、図6図9を参照して具体的に説明する。
【0040】
次に、地図整備装置1は、ステップS102において特定した施設等に関するステータスの変更が配信地図DB10に反映済みであるか否か判定する(ステップS103)。即ち、地図整備装置1は、ステップS103において閉店や開店などのステータスの変更があった又は変更が予定される施設等のステータスの変更が配信地図DB10において反映されているか否か判定する。そして、地図整備装置1は、ステップS102において特定した施設等に関する変更が配信地図DB10に反映済みである場合(ステップS103;Yes)、変更点リストLcを更新することなくフローチャートの処理を終了する。
【0041】
一方、地図整備装置1は、ステップS102において特定した施設等に関する変更が配信地図DB10に反映されていないと判断した場合(ステップS103;No)、変更点リストLcの更新を行う(ステップS104)。即ち、地図整備装置1は、ステップS102において特定した施設等に対応する変更点リストLcのレコードの生成又は更新を行う。このとき、地図整備装置1は、ステップS102で用いたニュース情報D2の発信元等に応じて、ステップS102において特定した施設等に対する信頼度を設定する。
【0042】
ここで、変更点リストLcの配信地図DB10への更新処理の具体例(第1の例~第3の例)について説明する。
【0043】
第1の例では、地図整備装置1は、配信地図DB10の更新タイミングになった場合に、信頼度が所定度以上となる変更点リストLcのレコードのみを配信地図DB10に反映させる。これにより、地図整備装置1は、配信地図DB10の信頼性を好適に確保することができる。なお、上述の更新タイミングは、例えば所定時間間隔ごとに定められたタイミングであってもよく、ユーザ入力に基づく所定のタイミングであってもよい。
【0044】
第2の例では、第1の例に代えて、又はこれに加えて、地図整備装置1は、信頼度が所定度に満たなかった変更点リストLcのレコードが存在する場合に、例えば、当該施設の施設情報に信頼度、変更後のステータス(閉店等)、及びステータスの変更日時等を示した信頼度情報(図4参照)を追加する。信頼度情報の活用例については後述する。
【0045】
第3の例では、地図整備装置1は、変更点リストLcを、ユーザ入力により指定された変更点リストLcのレコードを配信地図DB10に反映させる。この場合、例えば、地図整備装置1の管理者は、ステータスの変更を実際に確認することができた施設等に対する変更点リストLcのレコードのみを配信地図DB10に反映させる。また、この場合、地図整備装置1は、ニュース情報D2から特定できなかった変更点リストLcの項目(例えば位置や信頼度等)が存在する場合には、入力部13による入力を受け付けることで、配信地図DB10の更新に必要な情報を適宜取得してもよい。
【0046】
なお、地図整備装置1は、上述のステータスの変更の確認作業のため、車両の前方風景を撮影するカメラを備える車載機2から、変更点リストLcにおいて指定された施設等の
ステータスの変更があった位置(「変更候補地点」とも呼ぶ。)を撮影した画像を受信してもよい。この場合、地図整備装置1は、変更候補地点の周辺に存在する車載機2に対して画像の送信要求を送信することで、上述の画像を取得してもよい。そして、地図整備装置1は、例えば、車載機2から取得した変更候補地点を撮影した画像を表示部16に表示させ、地図整備装置1の管理者に変更候補地点における変更の有無を確認する入力を受け付ける。他の例では、地図整備装置1は、変更候補地点におけるWifi(登録商標)の通信状況を車載機2又は他の装置等から取得し、Wifiスポットの新規発生又は消滅を検出することで、変更候補地点での施設等の消滅又は発生を判定してもよい。
【0047】
また、図5のフローチャートの処理は、一例であり、本発明に適用可能な処理手順はこれに限定されない。例えば、地図整備装置1は、ステップS101において検索ワードに基づきニュース情報D2を検索する代わりに、特定のニュースサイトをクロールしてニュース情報D2として受信し、各ニュース情報D2についてステップS102に基づく特定処理を行ってもよい。
【0048】
(2)変更点リストLcの生成処理の具体例
次に、図5のステップS102での特定処理の具体例について説明する。
【0049】
図6(A)は、検索ワード「閉店」に基づき検索されたニュースサイトの表示例である。この例では、図5のステップS101において、地図整備装置1は、検索ワード「閉店」に基づき、図6(A)に示すニュースサイトの表示情報をニュース情報D2としてサーバ装置4から受信する。
【0050】
この場合、地図整備装置1は、図6(A)に示すニュースサイトの文字列から、変更点リストLcのレコードの生成に必要なワードなどの要素(「リスト生成用要素WE」とも呼ぶ。)を抽出する。具体的には、地図整備装置1は、図6(A)に示すニュースサイトの文字列から、いつ、どこで、何が、どうなったか(どうなるか)といった情報を表すワードをリスト生成用要素WEとして抽出する。
【0051】
図6(B)は、リスト生成用要素WEを明示した上述のニュースサイトの表示例である。図6(B)の例では、各リスト生成用要素WEは、説明便宜上、それぞれ一点鎖線枠3A~3Gにより囲まれている。この場合、地図整備装置1は、固有名詞である「○○ラーメン△△店」(一点鎖線3A、3D参照)を、ステータスの変更(即ち閉店又は開店)がある施設名を表すリスト生成用要素WEとして抽出する。また、地図整備装置1は、「閉店」(一点鎖線3B、3C、3G参照)を、ステータスの変更を表すリスト生成用要素WEとして抽出する。さらに、地図整備装置1は、住所を表すと推定されるワードである「xx県xx市xx1-1」(一点鎖線3E参照)を、位置を表すリスト生成用要素WEとして抽出する。また、地図整備装置1は、日時を表すと推定されるワードである「12月20日」(一点鎖線3F参照)を、ステータスの変更日時を表すリスト生成用要素WEとして抽出する。
【0052】
そして、地図整備装置1は、抽出したリスト生成用要素WE等に基づき、図3に示す変更点リストLcの1番目のレコードを生成する。具体的には、地図整備装置1は、項目「位置」に登録する「(X1、Y1)」を、位置を表すリスト生成用要素WEである「xx県xx市xx1-1」を緯度及び経度に変換することで特定する。また、地図整備装置1は、項目「ステータス」に登録する「消滅」を、ステータスの変更を表すリスト生成用要素WEである「閉店」に基づき特定する。また、地図整備装置1は、項目「変更日時」に登録する「2016年12月20日」を、ステータスの変更日時を表すリスト生成用要素WEである「12月20日」に基づき特定する。また、地図整備装置1は、項目「信頼度」に登録する「4」を、図6(A)に示すニュースサイトの発信元(この場合「xx新聞
」)に基づき特定する。この場合、地図整備装置1は、例えば、ニュースサイト等の発信元と、対応する信頼度とを対応付けたテーブルを予め記憶しておき、当該テーブルを参照して信頼度を決定する。また、地図整備装置1は、項目「種別」に登録する「飲食店」を、ステータスの変更がある施設名を表すリスト生成用要素WEである「○○ラーメン△△店」中のワード「ラーメン」から推定する。さらに、地図整備装置1は、項目「名称」に登録する「○○ラーメン△△店」を、上述のリスト生成用要素WE「○○ラーメン△△店」に基づき特定する。
【0053】
なお、地図整備装置1は、図3の変更点リストLcの施設「○○ラーメン△△店」に関するレコードの生成後、再び同一の施設「○○ラーメン△△店」に関するリスト生成用要素WEをニュース情報D2から抽出した場合、発信元に基づく信頼度が高い方のニュース情報D2のリスト生成用要素WEを優先して変更点リストLcのレコードに反映させてもよい。また、地図整備装置1は、これらのニュース情報D2が互いに相反しない内容を表す場合(例えば、いずれも「○○ラーメン△△店」の閉店に関する内容である場合)、信頼度をいずれか一方の信頼度よりも高く設定してもよい。例えば、地図整備装置1は、信頼度「2」の発信元のニュース情報D2と信頼度「3」の発信元のニュース情報D2とが同一内容を表す場合には、対応する変更点リストLcのレコードの信頼度を「3」より高い値(例えばこれらの信頼度の合算値である「5」)に設定してもよい。このように、地図整備装置1は、同一内容を表すニュース情報D2の数が多いほど、対応する変更点リストLcのレコードの信頼度を高く設定してもよい。
【0054】
図7(A)は、検索ワード「出店」に基づき検索されたニュースサイトの表示例である。この例では、図5のステップS101において、地図整備装置1は、検索ワード「出店」に基づき、図7(A)に示すニュースサイトの表示情報をニュース情報D2としてサーバ装置4から受信する。
【0055】
この場合、地図整備装置1は、図6(A)、(B)の例と同様に、図7(A)に示すニュースサイトの文字列から、変更点リストLcのレコードの生成に必要なリスト生成用要素WEを抽出する。図7(B)は、リスト生成用要素WEを明示した上述のニュースサイトの表示例である。図7(B)の例では、各リスト生成用要素WEは、それぞれ一点鎖線枠3H~3Pにより囲まれている。この場合、地図整備装置1は、固有名詞である「○×マート」(一点鎖線3H、3K、3P参照)を、ステータスの変更(即ち閉店又は開店)がある施設名を表すリスト生成用要素WEとして抽出する。また、地図整備装置1は、「出店」(一点鎖線3J参照)及び「オープン」(一点鎖線3O参照)を、ステータスの変更を表すリスト生成用要素WEとして抽出する。さらに、地図整備装置1は、住所の判定要素となるワード「△×駅前」(一点鎖線3I、3L参照)及び○×マートの出店地点を概略的に示した地図画像3Nを、位置を表すリスト生成用要素WEとして抽出する。また、地図整備装置1は、日時を表すと推定されるワードである「今月20日」(一点鎖線3M参照)を、ステータスの変更日時を表すリスト生成用要素WEとして抽出する。
【0056】
そして、地図整備装置1は、抽出したリスト生成用要素WE等に基づき、図3に示す変更点リストLcの2番目のレコードを生成する。具体的には、地図整備装置1は、項目「位置」に登録する「(X2、Y2)」を、位置を表すリスト生成用要素WEであるワード「△×駅前」及び地図画像3Nに基づき特定する。この場合、地図整備装置1は、例えば、△×駅前周辺の地図を配信地図DB10から認識し、配信地図DB10から認識した地図と地図画像3Nとのマッチングを行うことで、地図画像3N内において強調された領域3Rの緯度及び経度を算出する。また、地図整備装置1は、項目「ステータス」に登録する「発生」を、ステータスの変更を表すリスト生成用要素WEである「出店」及び「オープン」に基づき特定する。また、地図整備装置1は、項目「変更日時」に登録する「2016年12月22日」を、ステータスの変更日時を表すリスト生成用要素WEである「今
月22日」に基づき特定する。また、地図整備装置1は、項目「信頼度」に登録する「3」を、図7(A)に示すニュースサイトの発信元(この場合「×○新聞」)に基づき特定する。また、地図整備装置1は、項目「種別」に登録する「スーパーマーケット」を、ステータスの変更(即ち閉店又は開店)がある施設名を表すリスト生成用要素WEである「○×マート」中のワード「マート」に基づき推定する。さらに、地図整備装置1は、項目「名称」に登録する「○×マート」を、上述のリスト生成用要素WE「○×マート」に基づき特定する。
【0057】
図8(A)は、「○○ラーメン△△店」の店長のSNSによる投稿内容を表す表示例である。また、図8(B)は、「○○ラーメン△△店」の利用者のSNSによる投稿内容を表す表示例である。
【0058】
この場合、地図整備装置1は、検索ワード「閉店」に基づき、図8(A)、(B)に示すSNSの投稿に関する表示情報をニュース情報D2としてサーバ装置4からそれぞれ受信する。この場合、地図整備装置1は、例えば、図8(A)の場合、文字列「○○ラーメン△△店」、「12月20日」、「閉店」等をリスト生成用要素WEとして抽出する。また、地図整備装置1は、図8(B)の場合も同様に、文字列「○○ラーメン△△店」、「今月20日」、「閉店」等をリスト生成用要素WEとして抽出する。そして、地図整備装置1は、抽出したリスト生成用要素WEに基づき、変更日時、ステータス、名称などの変更点リストLcに登録すべき各項目の内容を特定する。また、好適には、地図整備装置1は、SNSの投稿元のアカウント情報に基づき、変更点リストLcに反映すべき信頼度を決定するとよい。例えば、地図整備装置1は、図8(A)に示すSNSの投稿元のアカウントが認証済みアカウントである場合には、SNSの投稿元のアカウントが認証済みでないアカウントよりも信頼度を高く設定する。また、地図整備装置1は、SNSの投稿元のアカウントの名称に基づいて信頼度を設定してもよい。その場合には、例えば、地図整備装置1は、予めアカウント名称と信頼度がそれぞれ対応付けられたテーブルを地図整備装置1の記憶部12に記憶させておき、当該テーブルを参照することで信頼度を設定する。他の例では、地図整備装置1は、当該テーブルが記憶されているサーバ装置4に対し対象のアカウント名称を指定した問合せを行うことで、設定すべき信頼度に関する情報を受信する。
【0059】
このように、地図整備装置1は、SNSによる投稿に基づく情報をニュース情報D2としてサーバ装置4から受信することによっても、好適に変更点リストLcを生成することができる。
【0060】
次に、道路周辺に付設される信号機や標識、看板等の地物に変更が生じた場合の変更点リストLcの生成処理の具体例について説明する。
【0061】
図9は、SNSにより投稿された写真に新設された標識が表示されていた場合の投稿内容を示す。図9の例では、投稿者「△×太郎」が最近撮影した写真40が投稿内容のウェブサイトに含まれている。
【0062】
この場合、地図整備装置1は、公知の画像認識技術により写真40から左折禁止の標識41が存在することを認識する。さらに、地図整備装置1は、例えば、写真40に含まれるメタデータである撮影位置の位置情報及び日時情報等を参照することで、標識41の位置及び撮影日時を推定する。なお、地図整備装置1は、写真40と一緒に投稿された文章等を解析し、写真40を撮影した場所に関するワードが存在した場合には、当該ワードに基づき標識41の位置等を推定してもよい。そして、地図整備装置1は、配信地図DB10を参照し、写真40に含まれる位置情報が示す位置に左折禁止の標識が登録されているか否かを判定する。そして、図9の例では、地図整備装置1は、当該標識が配信地図DB
10に登録されていないと判断し、当該標識に対するリスト番号「L003」の変更点リストLcのレコード(図3参照)を生成する。
【0063】
同様に、地図整備装置1は、SNSにより投稿された写真に信号機や看板などの配信地図DB10に登録すべき地物を検出し、検出した地物に対応する情報が配信地図DB10に未登録である場合には、検出した地物に対応する変更点リストLcのレコードを生成してもよい。また、地図整備装置1は、SNSにより投稿された写真に配信地図DB10に登録済みの地物が存在しない場合には、当該地物が消滅したと判断し、当該地物の消滅に関する変更点リストLcのレコードを生成してもよい。
【0064】
なお、図6図9の例に代えて、地図整備装置1は、ラジオ放送等の音声データに基づき、変更点リストLcの生成を行ってもよい。例えば、地図整備装置1は、通信部11によりニュースに関するラジオ音声の音声情報をサーバ装置4から受信し、当該音声情報を公知の音声認識技術により音声認識して文章化した後で、図6図9の例と同様の処理を行うことで、変更点リストLcの生成を行う。なお、地図整備装置1は、ラジオ放送の電波を直接受信し、受信した電波に基づく音声を同様に音声認識して得られた文章により変更点リストLcの生成を行ってもよい。このように、地図整備装置1は、インターネット等を介して得られる表示情報に限らず、音声情報を用いることで変更点リストLcの生成を行ってもよい。
【0065】
[信頼度に基づく案内]
図4において説明した信頼度情報の活用例について説明する。図10は、図3の変更点リストLcが反映された地図データD1に基づき経路探索を行う車載機2の表示例を示す。なお、この例では、地図整備装置1は、変更点リストLcに基づき配信地図DB10を更新する場合、施設の消滅(閉店)を示す信頼度が「5」未満の変更点リストLcのレコードが存在する場合に、当該施設の施設情報の削除に代えて、信頼度、変更後のステータス(閉店)、及びステータスの変更日時等を示した信頼度情報を当該施設情報に追加しているものとする。
【0066】
図10の例では、車載機2は、地図整備装置1から地図データD1を受信した後、目的地として施設「○○ラーメン△△店」を指定する入力を受け付ける。そして、車載機2は、図4に示すデータ構造を有する地図データD1から、施設「○○ラーメン△△店」に対応する施設情報の信頼度情報を参照し、信頼度「4」により施設「○○ラーメン△△店」のステータスが「消滅」に変更している可能性があると判断する。なお、地図整備装置1は、変更点リストLcにより配信地図DB10を更新する際、「○○ラーメン△△店」の閉店に関する変更点リストLcの1番目のレコードの信頼度が「5」未満であることから、「○○ラーメン△△店」の施設情報を削除する代わりに、信頼度などの変更点リストLcに登録された情報を信頼度情報として当該施設情報に追加している。そして、車載機2は、参照した信頼度情報に含まれる信頼度が5段階中の「4」と比較的高いことから、指定された施設「○○ラーメン△△店」の閉店の可能性が高い旨を警告ウィンドウ70により表示すると共に、「YES」及び「NO」の各確認ボタンを表示している。
【0067】
このように、車載機2は、信頼度情報を参照することで、配信地図DB10や地図データD1に完全に反映できる程度に信頼度が満たない変更点リストLcの情報を好適に活用し、信頼度に応じたステータスの変更の可能性を通知することで、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施例に係る地図整備装置1は、配信地図DB10を備える。そして、地図整備装置1は、サーバ装置4から受信するニュース情報D2と、配信地図DB10とに基づき、配信地図DB10の変更点に関する情報を抽出し、変更点リストLc
を生成する。これにより、地図整備装置1は、配信地図DB10を更新する際に必要な配信地図DB10の変更点に関する情報を自動収集して変更点リストLcとして保存することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 地図整備装置
2 車載機
4 サーバ装置
10 配信地図DB
11 通信部
12 記憶部
13 入力部
15 制御部
16 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10