(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】誤検知を減少させた分光学的分類のための識別
(51)【国際特許分類】
G06N 20/00 20190101AFI20240816BHJP
G06N 20/10 20190101ALI20240816BHJP
G06F 18/10 20230101ALI20240816BHJP
G06F 18/2433 20230101ALI20240816BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G06N20/00 130
G06N20/10
G06F18/10
G06F18/2433
G01N21/27 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023031287
(22)【出願日】2023-03-01
(62)【分割の表示】P 2021146267の分割
【原出願日】2019-01-21
【審査請求日】2023-03-22
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】チャンメン ション
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジー ピーダーソン
(72)【発明者】
【氏名】マーク ケー フォン グンテン
(72)【発明者】
【氏名】ラン スン
【審査官】多賀 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-276967(JP,A)
【文献】特開2003-139693(JP,A)
【文献】特開2004-294360(JP,A)
【文献】特開2011-027656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 3/00-99/00
G06F 18/00-18/40
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置によって、統合分類モデルを用いて未知試料が外れ試料であることを判定するステップと、
前記装置によって、前記未知試料が前記外れ試料であるとの判定に基づいて
前記未知試料に対して一以上の分光測定が正確に実行
されなかったと判定するステップと、
前記装置によって、前記一以上の分光測定が正確に実行されな
かったという判定に基づいて、一以上のアクションを実行するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記一以上のアクションを実行するステップは、
前記一以上の分光測定が正確に実行されな
かったという判定に基づいて、別の一組の分光測定を識別する別の一組の結果を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一以上のアクションの実行に基づいて、
対象材料の訓練セット試料とは閾量だ
け異なる未知スペクトルを識別するステップを更に含
み、前記統合分類モデルは、前記対象材料のために生成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
一以上の異なる分光測定が正確に実行され
たと判定するステップと、
前記一以上の異なる分光測定が正確に実行され
たという判定に基づいて、前記未知試料が前記統合分類モデルのための非適合クラスに属するか否かを分類するステップと
を更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記未知試料が前記非適合クラスに含まれることを示す出力を供給するステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
インサイチュ閾値技術を実行し、前記未知試料が迷惑材料又は異常材料であるか否かを判定するステップを更に含
み、
前記インサイチュ閾値技術は、
未知試料の第1クラス及び/又は前記未知試料の第2クラスに関連する決定値を交差検証するステップと、
前記決定値を利用して予測閾値に対する上限および下限を設定するステップと
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
一以上のメモリと、
前記一以上のメモリと結合された一以上のプロセッサと
を備え、
前記一以上のプロセッサは、
統合分類モデルを用いて、未知試料が外れ試料であることを判定し、
前記未知試料が前記外れ試料であるとの判定に基づいて、前記未知試料に対して一以上の分光測定が正確に実行されなかったと判定し、
前記一以上の分光測定が正確に実行されなかったという判定に基づいて、一以上のアクションを実行する
ように構成されている、装置。
【請求項8】
前記一以上のアクションを実行する前記一以上のプロセッサは、前記一以上の分光測定が正確に実行されなかったという判定に基づいて、別の一組の分光測定を識別する別の一組の結果を受信するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記一以上のプロセッサは、更に、前記一以上のアクションの実行に基づいて、対象材料の訓練セット試料とは閾量だけ異なる未知スペクトルを識別するように構成されており、前記統合分類モデルは、前記対象材料のために生成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記一以上のプロセッサは、更に、
一以上の異なる分光測定が正確に実行されたと判定し、
前記一以上の異なる分光測定が正確に実行されたという判定に基づいて、前記未知試料が前記統合分類モデルのための非適合クラスに属するか否かを分類する
ように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記一以上のプロセッサは、更に、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれることを示す出力を供給するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記一以上のプロセッサは、更に、インサイチュ閾値技術を実行し、前記未知試料が迷惑材料又は異常材料であるか否かを判定するように構成されており、
前記インサイチュ閾値技術は、
未知試料の第1クラス及び/又は前記未知試料の第2クラスに関連する決定値を交差検証することと、
前記決定値を利用して予測閾値に対する上限および下限を設定することと
を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、
装置の一以上のプロセッサにより実行されるとき、前記装置に、
統合分類モデルを用いて未知試料が外れ試料であることを判定させ、
前記未知試料が前記外れ試料であるとの判定に基づいて前記未知試料に対して一以上の分光測定が正確に実行されなかったと判定させ、
前記一以上の分光測定が正確に実行されなかったという判定に基づいて、一以上のアクションを実行させる、
一以上の命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記装置に前記一以上のアクションを実行させる前記一以上の命令は、前記装置に、前記一以上の分光測定が正確に実行されなかったという判定に基づいて、別の一組の分光測定を識別する別の一組の結果を受信させる、請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記一以上の命令は、更に、前記装置に、前記一以上のアクションの実行に基づいて、対象材料の訓練セット試料とは閾量だけ異なる未知スペクトルを識別させ、前記統合分類モデルは、前記対象材料のために生成されている、請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記一以上の命令は、更に、前記装置に、
一以上の異なる分光測定が正確に実行されたと判定させ、
前記一以上の異なる分光測定が正確に実行されたという判定に基づいて、前記未知試料が前記統合分類モデルのための非適合クラスに属するか否かを分類させる、請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記一以上の命令は、更に、前記装置に、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれることを示す出力を供給させる、請求項16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記一以上の命令は、更に、前記装置に、インサイチュ閾値技術を実行し、前記未知試料が迷惑材料又は異常材料であるか否かを判定させ、
前記インサイチュ閾値技術は、
未知試料の第1クラス及び/又は前記未知試料の第2クラスに関連する決定値を交差検証することと、
前記決定値を利用して予測閾値に対する上限および下限を設定することと
を含む、請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
原料識別は、医薬品の品質制御に利用することができる。例えば、原料識別は医用材料
に実行して、その医用材料の含有成分がその医用材料と関連するパッケージラベルに一致
するか否かを判定することができる。同様に、原料の定量化を実行して、特定の試料内の
特定の化学物質の濃度を判定することができる。分光法は、他の化学的技法と比較して少
ない準備および短いデータ収集時間で非破壊原料識別および/または定量化を容易にする
。
【発明の概要】
【0002】
いくつかの可能な実施形態によれば、装置は一以上のメモリと、一以上のメモリに通信
可能に結合された一以上のプロセッサとを含み得る。装置は、既知試料の訓練セットと既
知試料の検証セットとの一組の分光測定の結果を識別する情報を受信し得る。装置は、こ
の一組の分光測定の結果を識別する情報に基づいて分類モデルを生成し得る。この場合、
分類モデルは、分光学的判定のための対象材料に関連する少なくとも1つのクラスを含み
、また、分類モデルは非対象である少なくとも1つの材料のうちの少なくとも1つまたは
基準となる分光測定値に関連する非適合クラスを含む。装置は、未知試料の特定の分光測
定の特定の結果を識別する情報を受信し得る。装置は、分類モデルを使用して、未知試料
が非適合クラスに含まれるか否かを判定することができる。装置は、未知試料が非適合ク
ラスに含まれるか否かを示す出力を提供することができる。
【0003】
いくつかの可能な実施形態によれば、非一時的なコンピュータ可読媒体は、一以上のプ
ロセッサにより実行されるとき、一以上のプロセッサに、未知試料について実行された分
光測定の結果を識別する情報を受信させる一以上の命令を格納することができる。一以上
の命令は、一以上のプロセッサにより実行されるとき、一以上のプロセッサに、分類モデ
ルのうちの複数のクラスを集約させて、統合分類モデルを生成させることができる。一以
上の命令は、一以上のプロセッサにより実行されるとき、一以上のプロセッサに、分光測
定が統合分類モデルを使用して正確に実施されたか否かを判定させることができる。一以
上の命令は、一以上のプロセッサにより実行されるとき、一以上のプロセッサに、分光測
定が分類モデルを使用して正確に実施されたという判定に基づいて、未知試料が分類モデ
ルの非適合クラスに含まれないと判定させることができる。この場合、非適合クラスは、
非対象である材料または基準となる分光測定値に関連する。一以上の命令は、一以上のプ
ロセッサにより実行されるとき、一以上のプロセッサに、未知試料が非適合クラスに含ま
れないという判定に基づいて、未知試料の分光学的分類を実行させることができる。一以
上の命令は、一以上のプロセッサにより実行されるとき、一以上のプロセッサに、未知試
料の分光学的分類の実行に基づいて未知試料を識別する情報を提供させることができる。
【0004】
いくつかの可能な実施形態によれば、方法は、装置によって、一組の分光測定の結果を
取得するステップを含み得る。本方法は、装置によって、一組の分光測定の結果に基づい
て、サポートベクトルマシン(SVM)ベースの分類モデルを生成するステップを含むこ
とができ、この分類モデルは、分類のために複数の対象材料に対応する複数のクラスを含
む。ここで、一組の分光測定は、複数の対象材料の試料の閾量の測定値を含み、分類モデ
ルは分類のために複数の対象材料に対応しない特定のクラスを含み、一組の分光測定は、
特定のクラスに関連する試料の閾量未満の測定値を含む。本方法は、装置によって、分類
モデルを使用して、特定の試料の特定の分光測定を特定のクラスに分類するステップを含
むことができる。本方法は、装置によって、特定の分光測定の分類に基づいて、特定の試
料が特定のクラスに割り当てられていることを示す情報を提供するステップを含むことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】本明細書に記載の例示的な実施形態の概略図である。
【
図1B】本明細書に記載の例示的な実施形態の概略図である。
【
図2】本明細書に記載のシステムおよび/または方法を実施することができる例示的な環境の説明図である。
【
図3】
図2の一以上の装置の例示的なコンポーネントの説明図である。
【
図4】分光学的分類のための分類モデルを生成するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図5】
図4に示す例示的なプロセスに関連する例示的な実施形態の説明図である。
【
図6】分光学的分類中の識別における誤検知を回避するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図7A】
図6に示す例示的なプロセスに関連する例示的な実施形態の説明図である。
【
図7B】
図6に示す例示的なプロセスに関連する例示的な実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の例示的な実施形態の詳細な説明は、添付図面に関する。異なる図面中の同じ参照
番号は、同じまたは類似の要素を示す。
【0007】
原料識別(RMID)は、識別、検証等のために特定の試料の成分(例えば、含有成分
)を識別するために使用される技術である。例えば、RMIDは、医薬品の含有成分がラ
ベルで確認される一組の含有成分に一致するかを確認するために利用される。同様に、原
料の定量化は、特定の試料における特定の材料の濃度を判定する等、特定の試料の定量分
析を実行するために利用される技術である。スペクトロメータを使用して、試料(例えば
、医薬品)の分光測定を実行し、試料の成分、試料の成分濃度等を判定することができる
。スペクトロメータにより、試料の一組の測定を判定し、分光学的判定のための一組の測
定結果を提供することができる。分光学的分類技術(例えば、クラシファイア)は、試料
の一組の測定に基づく試料の成分の判定を容易にすることができる。
【0008】
しかしながら、分光学的分類の対象となるいくつかの未知試料は、実際には、分類モデ
ルにより分類するように構成されているクラスに含まれていない。例えば、魚の種類を区
別するように訓練された分類モデルについて、ユーザは、分類するために誤って牛肉を提
供し得る。この場合、制御装置は特定の材料の分光学的分類を実行して、特定の材料を特
定の種類の魚として不正確に識別し誤検知する場合がある。
【0009】
別の実施例として、分類モデルは、砂糖の種類(例えば、グルコース、フルクトース、
ガラクトース等)を分類するように訓練することができ、また、未知試料における各種類
の砂糖のそれぞれの濃度を定量化することができる。しかしながら、スペクトロメータお
よび制御装置のユーザは、誤って、スペクトロメータを不正確に使用して測定を実施する
ことにより、未知試料である砂糖の分類を試みる可能性がある。例えば、ユーザは、未知
試料から不正確な距離にて、また、分類モデルを訓練するために分光法を実行した校正条
件とは異なる環境条件等にて、スペクトロメータを操作し得る。この場合、制御装置は、
未知試料に対して不正確なスペクトルを受信し、その結果、未知試料が実際には第2の濃
度の第2の種類の砂糖であっても、第1の濃度の第1の種類の砂糖として、未知試料の識
別を誤検知し得る。
【0010】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、分類モデルのために非適合クラスを利用し
て分光法による識別における誤検知を減少させることができる。例えば、未知試料の分光
測定結果を受信する制御装置は、未知試料を非適合クラスに割り当てるか否かを判定する
ことができる。いくつかの実施形態では、制御装置により、未知試料が非適合クラスに割
り当てられるべきであると判定し、未知試料が非適合クラスに割り当てられたことを示す
情報を提供することによって、未知試料の識別における誤検知を回避することができる。
あるいは、未知試料が非適合クラスに割り当てられないという判定に基づいて、制御装置
により未知試料のスペクトルを分析して、分類、濃度等の分光学的判定を提供することが
できる。更に、制御装置は、識別における誤検知を除外するために、確率推定値、決定値
等の信頼メトリックを利用することができる。
【0011】
このようにして、非適合クラスおよび/または信頼メトリックを利用しないで実施され
る分光法と比較して、分光法の精度を改善することができる。更に、既知の分光学的試料
の訓練セットに基づいて分類モデルを生成する際に、非適合クラスを利用することができ
る。例えば、制御装置は、(例えば、人的エラーの結果、不正確な試料が訓練セットに導
入されたことによって)訓練セットの試料が残りの訓練セットに一致する種類ではないと
判定し、分類モデルの生成時に、その試料に関連するデータを含まないように決定するこ
とができる。このようにして、制御装置により、分光法のための分類モデルの精度を改善
する。
【0012】
図1Aおよび
図1Bは、本明細書に記載する例示的な実施形態100の概略図である。
図1Aに示すように、例示的な実施形態100は、制御装置およびスペクトロメータを含
み得る。
【0013】
図1Aに更に示すように、制御装置は、スペクトロメータに、訓練セットおよび検証セ
ット(例えば、分類モデルを訓練し、検証するために使用される一組の既知試料)に対し
て一組の分光測定を実行させ得る。訓練セットおよび検証セットは、分類モデルの各クラ
スに対して閾量の試料を含むように選択され得る。分類モデルのクラスは、一般に一以上
の特性を共有する類似の材料群、例えば(医薬分野において)ラクトース素材、フルクト
ース素材、アセトアミノフェン素材、イブプロフェン素材、アスピリン素材等を指す。分
類モデルを訓練するために使用される材料、および分類モデルを使用して原料の識別が実
行される材料は、対象材料と称される。
【0014】
図1Aに更に示すように、スペクトロメータは、制御装置からの命令の受信に基づいて
訓練セットおよび検証セットに対して一組の分光測定を実行することができる。例えば、
スペクトロメータは、各試料の訓練セットおよび検証セットのスペクトルを判定すること
により、制御装置に、未知試料を分類モデルのための対象材料のうちの一つとして分類す
るための一組のクラスを生成させることができる。
【0015】
スペクトロメータは、一組の分光測定結果を制御装置に供給することができる。制御装
置は、特定の判定技術を用いて、一組の分光測定結果に基づいて分類モデルを生成するこ
とができる。例えば、制御装置は、サポートベクトルマシン(SVM)技術(例えば、情
報を判定するための機械学習技術)を用いてグローバル分類モデルを生成することができ
る。グローバル分類モデルは、特定のスペクトルを特定のクラスの対象材料に割り当てる
ことに関連する情報を含むことができ、かつ特定のクラスに関連する対象材料の種類の識
別に関連する情報を含むことができる。このようにして、制御装置は、未知試料のスペク
トルを特定のクラスに割り当てることに基づいて、未知試料の材料の種類を識別する情報
を提供することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、制御装置は非適合クラスのための試料に関連するスペクトル
を受信し得る。例えば、制御装置は、対象材料のスペクトルに類似していると判定された
スペクトル、対象材料と混同され得る材料に(例えば、視覚的に、化学的に、等)関連す
るスペクトル、スペクトロメータの不正確な操作に関連するスペクトル(例えば、試料な
しで実行された測定のスペクトル、試料とスペクトロメータの光学系との間の距離が不正
確な状態で実行された測定のスペクトル等)等を受信し得る。非対象の材料および非適合
クラスに含まれ得る材料は、迷惑材料(nuisance materials)または非対象材料と呼ばれ
得る。この場合、制御装置は、分類モデルのための非適合クラスを生成し、検証セットに
含まれる迷惑材料のためのスペクトルに基づいて、非適合クラスを使用して、識別におけ
る誤検知の回避を検証することができる。付加的または代替的に、分類モデルの使用中、
制御装置は、迷惑材料を識別する情報を受信し、分類モデルをアップデートして、識別に
おける誤検知(例えば、迷惑材料を対象材料のうちの一つとして識別すること)を回避し
得る。
【0017】
図1Bに示すように、制御装置は(例えば、ストレージや、分類モデルを生成した別の
制御装置等から)分類モデルを受信することができる。制御装置は、スペクトロメータに
、未知試料(例えば、分類または定量化を実行する未知試料)に対して一組の分光測定を
実行させることができる。スペクトロメータは、制御装置からの命令の受信に基づいて一
組の分光測定を実行することができる。例えば、スペクトロメータは、未知試料のための
スペクトルを判定することができる。スペクトロメータは、一組の分光測定結果を制御装
置に供給することができる。制御装置は、分類モデルに基づいて、例えば多段分類技術を
用いて、未知試料に対して分類を試みることができる。
【0018】
図1Bに関して、制御装置は、分類モデルを用いて未知試料が非適合クラスに含まれる
か否かの判定を試みることができる。例えば、制御装置は、未知試料が非適合クラスに属
する可能性に対応する信頼メトリックを決定し得る。この場合、制御装置により、例えば
確率評価やサポートベクトルマシンの決定値出力等の信頼メトリックが閾値を満足すると
判定すると、制御装置は未知試料を非適合クラスに割り当てることができる。この場合、
制御装置は、分類モデルを使用して未知試料を正確に分類することができないと報告する
ことによって、未知試料の識別時に、未知試料が対象材料のクラスに属するものとして誤
検知される可能性を減少させることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、未知試料が非適合クラスに属さないという第1の判定に基づ
いて、制御装置により、インサイチュローカルモデリングを使用して、未知セットの特定
の試料の判定を実施しようと試みる。例えば、制御装置は、特定の試料およびグローバル
分類モデルに関連する一組の信頼メトリックを判定することができる。この場合、制御装
置は、一以上のそれぞれの信頼メトリックに基づいて、グローバル分類モデルのクラスの
サブセットを選択し、そのセットのクラスに基づいてローカル分類モデルを生成し得る。
ローカル分類モデルは、SVM技術およびサブセットのクラスを用いて生成されるインサ
イチュ分類モデルと言うことができる。インサイチュ分類モデルの生成に基づいて、制御
装置は、ローカル分類モデルに基づいて未知試料の分類を実行しようと試みることができ
る。この場合、閾値を満足するローカル分類モデルに関連する一以上の信頼メトリックに
基づいて、制御装置は、未知試料が非適合クラスに属すると判定し、未知試料が分類モデ
ルを使用して分類不能であることを報告することができる。あるいは、制御装置は、未知
試料が非適合クラスに属さないという判定をし、未知試料に関連する分類を報告すること
ができる。
【0020】
こうして、制御装置により、未知試料を対象材料として識別時に誤検知して報告する可
能性を減少させることによって、他の分類モデルと比較して、未知試料に対して向上した
精度で分光法を実行することが可能となる。
【0021】
上述したように、
図1Aおよび
図1Bは、単なる例示である。他の実施例も可能であり
、
図1Aおよび
図1Bに関連して記載した内容とは異なってもよい。
【0022】
図2は、本明細書に記載するシステムおよび/または方法を実施し得る例示的環境20
0を示す。
図2に示すように、環境200は、制御装置210、スペクトロメータ220
、およびネットワーク230を含み得る。環境200の装置は、有線接続、無線接続、ま
たは有線および無線接続の組み合わせを介して相互接続し得る。
【0023】
制御装置210は、分光学的分類に関連する情報を格納し、処理し、および/またはル
ーティングし得る一以上の装置を含み得る。例えば、制御装置210は、訓練セットの一
組の測定値に基づいて分類モデルを生成し、検証セットの一組の測定値に基づいて分類モ
デルを検証し、および/または、その分類モデルを利用して、未知セットの一組の測定値
に基づいて分光学的分類を実行する、サーバ、コンピュータ、ウェアラブルデバイス、ク
ラウドコンピューティングデバイス等を含み得る。いくつかの実施形態では、制御装置2
10は、機械学習技術を利用して、未知試料の分光測定値が非適合クラスに分類可能か否
かを判定して、本明細書に記載のように識別時の誤検知の可能性を減少させることができ
る。いくつかの実施形態では、制御装置210は、特定のスペクトロメータ220と関連
し得る。いくつかの実施形態では、制御装置210は、複数のスペクトロメータ220と
関連し得る。いくつかの実施形態では、制御装置210は、情報を環境200内の別の装
置、例えばスペクトロメータ220から受信および/またはスペクトロメータ220へ送
信し得る。
【0024】
スペクトロメータ220は、試料に分光測定を実行し得る一以上の装置を含んでよい。
例えば、スペクトロメータ220は、スペクトロスコピー(例えば、振動スペクトロスコ
ピー、例えば近赤外(NIR)スペクトロメータ、中赤外スペクトロスコピー(mid-
IR)、ラマンスペクトロスコピー等)を実行するスペクトロメータ装置を含んでよい。
いくつかの実施形態では、スペクトロメータ220は、ウェアラブルデバイス、例えばウ
ェアラブルスペクトロメータ等に組み込んでよい。いくつかの実施形態では、スペクトロ
メータ220は、情報を環境200内の別の装置、例えば制御装置210から受信および
/または制御装置210へ送信してもよい。
【0025】
ネットワーク230は、一以上の有線および/または無線ネットワークを含んでよい。
例えば、ネットワーク230は、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリュ
ーション(LTE)ネットワーク、3Gネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネ
ットワーク等)、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN)、ローカルエリアネット
ワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネット
ワーク(MAN)、電話網(例えば、公衆交換電話網(PSTN))、プライベートネッ
トワーク、アドホックネットワーク、イントラネット、インターネット、光ファイバネッ
トワーク、クラウドコンピューティングネットワーク等および/またはこれらのまたは他
のタイプのネットワークの組み合わせを含んでよい。
【0026】
図2に示す装置およびネットワークの数および配置は一例として与えられている。実際
には、より多くの装置および/またはネットワークにしても、より少数の装置および/ま
たはネットワークにしても、異なる装置および/またはネットワークにしても、
図2に示
す例と異なる配置の装置および/またはネットワークにしてもよい。更に、
図2に示す二
以上の装置を単一装置に実装しても、あるいは
図2に示す単一装置を複数の分散された装
置として実装してもよい。例えば、制御装置210とスペクトロメータ220は、本明細
書では2つの別個の装置として記載されているが、制御装置210とスペクトロメータ2
20は単一装置に実装してもよい。付加的または代替的に、環境200の一組の装置(例
えば、一以上の装置)は、環境200の別の組の装置により実行される旨記載されている
一以上の機能を実行してもよい。
【0027】
図3は、装置300の例示的なコンポーネントの図である。装置300は、制御装置2
10および/またはスペクトロメータ220に相当し得る。いくつかの実施形態では、制
御装置210および/またはスペクトロメータ220は、一以上の装置300および/ま
たは装置300の一以上のコンポーネントを含み得る。
図3に示すように、装置300は
、バス310、プロセッサ320、メモリ330、記憶コンポーネント340、入力コン
ポーネント350、出力コンポーネント360、および通信インタフェース370を含み
得る。
【0028】
バス310は、装置300のコンポーネントの間の通信を可能にするコンポーネントを
含み得る。プロセッサ320は、ハードウェア、ファームウェア、またはハードウェアと
ソフトウェアの組み合わせで実装される。プロセッサ320は、中央処理装置(CPU)
、グラフィック処理装置(GPU)、アクセラレーテッド処理装置(APU)、マイクロ
プロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィール
ドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、また
は他のタイプの処理コンポーネントを含み得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ3
20は、機能を実行するようにプログラムすることができる一以上のプロセッサを含み得
る。メモリ330は、プロセッサ320で使用する情報および/または命令を記憶するラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、および/または別の
タイプのダイナミックまたはスタティック記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、磁気メ
モリ、および/または光メモリ)を含み得る。
【0029】
記憶コンポーネント340は、装置300の動作および使用に関する情報および/また
はソフトウェアを記憶し得る。例えば、記憶コンポーネント340は、ハードディスク(
例えば、磁気ディスク、光ディスク、磁気光学ディスク、および/またはソリッドステー
トディスク)、コンパクトディスク(CD)、ディジタルヴァーサタイルディスク(DV
D)、フロッピーディスク、カートリッジ、磁気テープ、および/または別のタイプの非
一時的コンピュータ可読媒体(対応するドライバと共に)を含み得る。
【0030】
入力コンポーネント350は、装置300が例えばユーザ入力(例えば、タッチスクリ
ーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ、および/また
はマイクロフォン)による情報を受信可能にするコンポーネントを含み得る。付加的また
は代替的に、入力コンポーネント350は、情報を検出するセンサ(例えば、グローバル
ポジショニングシステム(GPS)コンポーネント、加速度計、ジャイロスコープ、およ
び/またはアクチュエータ)を含んでもよい。出力コンポーネント360は、装置300
からの出力情報を提供するコンポーネント(例えば、ディスプレイ、スピーカ、および/
または一以上の発光ダイオード(LED))を含んでもよい。
【0031】
通信インタフェース370は、装置300が他の装置と、例えば有線接続、無線接続、
または有線接続と無線接続の組み合わせを介して、通信することを可能にするトランシー
バのようなコンポーネント(例えば、トランシーバおよび/または別々の受信機および送
信機)を含み得る。通信インタフェース370は、装置300が別の装置からの情報を受
信すること、および/または別の装置へ情報を送信することを可能にし得る。例えば、通
信インタフェース370は、イーサネット(登録商標)インタフェース、光インタフェー
ス、同軸インタフェース、赤外インタフェース、無線周波数(RF)インタフェース、ユ
ニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、無線LANインタフェース、セルラ
ーネットワークインタフェース等を含み得る。
【0032】
装置300は、本明細書に記載する一以上のプロセスを実行し得る。装置300は、メ
モリ330および/または記憶コンポーネント340等の非一時的コンピュータ可読媒体
により記憶されたソフトウェア命令を実行するプロセッサ320に応答して、これらのプ
ロセスを実行し得る。コンピュータ可読媒体は、本明細書では非一時的メモリ装置として
定義される。メモリ装置は、単一の物理記憶装置内のメモリ空間または複数の物理記憶装
置に亘って広がるメモリ空間を含む。
【0033】
ソフトウェア命令は、別のコンピュータ可読媒体または別の装置から通信インタフェー
ス370を介してメモリ330および/または記憶コンポーネント340に読み込んでよ
い。メモリ330および/または記憶コンポーネント340に記憶されたソフトウェア命
令は、実行時に、プロセッサ320に本明細書に記載する一以上のプロセスを実行させる
ことができる。付加的または代替的に、本明細書に記載する一以上のプロセスを実行する
ためにソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせてハードウェア回路を使用
してもよい。従って、本明細書に記載する実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェア
の任意の特定の組み合わせに限定されない。
【0034】
図3に示すコンポーネントの数および配置は一例にすぎない。実際には、装置300は
、追加のコンポーネント、より少数のコンポーネント、異なるコンポーネント、または図
3に示す例と異なる配置のコンポーネントを含んでもよい。付加的または代替的に、装置
300の一組のコンポーネント(例えば一以上のコンポーネント)は、装置300の別の
組のコンポーネントにより実行される旨記載される一以上の機能を実行してもよい。
【0035】
図4は、分光学的分類のための分類モデルを生成する例示的プロセス400のフローチ
ャートである。いくつかの実施形態では、
図4の一以上のプロセスブロックは、制御装置
210によって実行され得る。いくつかの実施形態では、
図4の一以上のプロセスブロッ
クは、制御装置210とは別の、または制御装置を含む別の装置あるいは装置群、例えば
スペクトロメータ220によって実行され得る。
【0036】
図4に示すように、プロセス400は、訓練セットおよび/または検証セットに一組の
分光測定を実行するステップを含み得る(ブロック410)。例えば、制御装置210は
、訓練セットおよび/または検証セットの各試料に対してスペクトルを決定するために、
(例えば、プロセッサ320、通信インタフェース370等を使用して)スペクトロメー
タ220に、一組の分光測定を訓練セットおよび/または検証セットの試料に実行させる
ことができる。訓練セットは、分類モデルを生成するために利用される一以上の既知の材
料の一組の試料ということができる。同様に、検証セットは、分類モデルの精度を検証す
るために利用される一以上の既知の材料の一組の試料ということができる。例えば、訓練
セットおよび/または検証セットは、一組の材料の一以上のバージョン(例えば、製造差
を制御するために様々な製造業者により製造される一以上のバージョン)を含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、訓練セットおよび/または検証セットは、分類モデルを使用
して分光学的分類が実行される対象材料の予想セットに基づいて選択され得る。例えば、
分光定量が医薬品に対して実行されて、一組の医薬品の特定の成分の存在を判定するとき
、訓練セットおよび/または検証セットは、一組の異なる可能な濃度の薬剤有効成分(A
PI)、賦形剤等の一組の試料を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、訓練セットおよび/または検証セットは、各種の材料に対し
て特定量の試料を含むように選択することができる。例えば、訓練セットおよび/または
検証セットは、特定の材料および/またはその濃度の複数の試料(例えば、5試料、10
試料、15試料、50試料等)を含むように選択することができる。いくつかの実施形態
では、試料の数は閾値未満とすることができる。例えば、10試料のうちの50スペクト
ル(例えば、分光スキャン)、3試料のうちの15スペクトル等に基づいて均一な有機化
合物のためのクラスを生成することができる。同様に、均一な有機化合物においては、例
えば、20試料のうちの100スペクトル、10試料のうちの50スペクトル等に基づい
て、クラスを生成することができる。同様に、40試料のうちの400スペクトル、20
試料のうちの200スペクトル等に基づいて、生物物質または農業資材のためのクラスを
生成することができる。いくつかの実施形態では、試料の数量および/または迷惑材料の
ための非適合クラス用に使用されるスペクトルは、同種の材料(例えば、均一な有機化合
物、異種の有機化合物、生物物質または農業資材等)のための非適合クラスではないもの
として、同量の、または数量を減少させた試料および/またはスペクトルに関連付けるこ
とができる。こうして、制御装置210に特定の種類の化合物と関連するスペクトルの閾
量を与ることができ、それによって未知試料を正確に割り当てることができる分類モデル
(例えば、グローバル分類モデル、ローカル分類モデル等)または定量化モデルに関連す
るクラスに割り当てられるスペクトルを定量化するために使用され得る定量化モデルのク
ラスの生成および/または検証が容易になる。
【0039】
いくつかの実施形態では、非適合クラスに割り当てられる材料の一以上の試料は、訓練
セットおよび/または検証セットに含まれてもよい。例えば、スペクトロメータ220は
、定量化モデルを使用して定量化される第2の材料と同様のスペクトルに関連する第1の
材料の測定値を提供し得る。こうして、制御装置210は機械学習を使用して、識別にお
ける誤検知の回避を訓練することができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は
、受信した情報に基づいて、非適合クラスのための材料を選択することができる。例えば
、制御装置210は、分類モデルを生成した特定の濃度の対象材料と同様のスペクトル、
外観等を有する迷惑材料を識別する情報を受信することができる。付加的または代替的に
、制御装置210は、機械学習技術を実行して、特定の対象材料に対する迷惑材料を自動
的に識別することができる。例えば、制御装置210は機械学習を使用して、パターン認
識を実行し、対象材料のスペクトルと同様の迷惑材料のスペクトルを識別して、対象材料
に視覚的に類似して見える迷惑材料を識別することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、基準となる分光測定を実行して非適合ク
ラスのためのスペクトルを識別することができる。例えば、制御装置210は、基準とな
る分光測定として試料が存在しなくとも、不正確な背景や不正確な照明等にて分光測定を
実行し、不正確な分光測定値が特定の対象材料として分類されるのではなく、非適合クラ
スとして確実に分類されるようにすることができる。この場合、制御装置210は、スペ
クトロメータ220を自動的に制御し、ユーザインタフェースを使用して情報を提供して
、スペクトロメータ220のユーザに不正確な測定を実行するよう命令すること等ができ
る。付加的または代替的に、制御装置210は、非適合クラスの生成を可能にするために
特定の分光測定が不正確に実施されたことを示す情報を受信することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、一以上の物理的条件を考慮するために複
数のスペクトロメータ220に一組の分光測定を実行させ得る。例えば、制御装置210
は、第1のスペクトロメータ220および第2のスペクトロメータ220に、NIR分光
法を用いて一組の振動分光測定を実行させ得る。付加的または代替的に、制御装置210
は、一組の分光測定を複数回、複数の位置で、複数の異なる実験室条件下等で実行させて
もよい。こうして、制御装置210は、一組の分光測定を単一のスペクトロメータ220
で実行させる場合に比較して、物理的条件の結果として分光測定が不正確になる可能性を
低減する。
【0042】
図4に更に示すように、プロセス400は、一組の分光測定の結果を識別する情報を受
信するステップを含み得る(ブロック420)。例えば、制御装置210は、(例えば、
プロセッサ320、通信インタフェース370等を使用して)一組の分光測定の結果を識
別する情報を受信することができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は、訓練
セットおよび/または検証セットの試料に対応する一組のスペクトルを識別する情報を受
信することができる。例えば、制御装置210は、スペクトロメータ220が訓練セット
に分光法を実行する際に観測される特定のスペクトルを識別する情報を受信することがで
きる。いくつかの実施形態では、制御装置210は、訓練セットおよび検証セットのため
のスペクトルを識別する情報を同時に受信することができる。いくつかの実施形態では、
制御装置210は、訓練セットのためのスペクトルを識別する情報を受信し、分類モデル
を生成し、分類モデルの生成後に、分類モデルのテストを可能とするために検証セットの
ためのスペクトルを識別する情報を受信することができる。いくつかの実施形態では、制
御装置210は、一組の分光測定の結果として他の情報、例えば、測定が不正確に実施さ
れ非適合クラスが生成されたことを示す情報を受信することができる。付加的または代替
的に、制御装置210は、エネルギーの吸収、エネルギーの放出、エネルギーの散乱等の
識別と関連する情報を受信してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、複数のスペクトロメータ220からの一
組の分光測定の結果を識別する情報を受信し得る。例えば、制御装置210は、複数のス
ペクトロメータ220によって複数の異なる時間、異なる位置等で実行された分光測定を
受信することによって物理的状態、例えば複数のスペクトロメータ220間の差、実験室
条件の潜在的な差を制御し得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、分類モデルの生成において利用する際に
一以上のスペクトルを取り除くことができる。例えば、制御装置210は、分光学的分類
を実行し、スペクトルを非適合クラスに分類して、(例えば、分光法を正確に実行する上
での人的エラー、訓練セットのスペクトルを識別する情報におけるエラー等に基づいて)
スペクトルに対応する試料が不注意に迷惑材料であること、または対象外の材料であるこ
とを判定することができ、訓練セットからそのスペクトルを除去するよう決定することが
できる。こうして、制御装置210により、分類モデルが、訓練セットまたは検証セット
に関する不正確または不精確な情報を使用して生成される可能性を低減させることによっ
て、分類モデルの精度を改善することができる。
【0045】
図4に更に示すように、プロセス400は、一組の分光測定の結果を識別する情報に基
づいて分類モデルを生成するステップを含み得る(ブロック430)。例えば、制御装置
210は、(例えば、プロセッサ320、メモリ330、記憶コンポーネント340等を
使用して)一組の分光測定の結果を識別する情報に基づいて、主成分分析(PCA)SV
Mクラシファイア技術と関連する(例えば、インサイチュローカルモデリング技術におい
て使用するための)グローバル分類モデルを生成し得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、グローバル分類モデルを生成するために
一組の判定を実行し得る。例えば、制御装置210は、グローバル分類モデルのための一
組のクラスを生成することができ、また、SVM技術を使用することによって、一組の分
光測定の結果によって識別された一組のスペクトルをローカルクラスに割り当てることが
できる。いくつかの実施形態では、グローバル分類モデルの使用中、制御装置210は、
グローバル分類モデルに関連する信頼メトリックを使用して未知スペクトルに対応するロ
ーカルクラスの閾量を識別し、ローカルクラスに基づいてローカル分類モデルを生成し、
ローカル分類モデルに基づいて未知スペクトルのアイデンティティを判定する。この場合
、ローカル分類モデルのための非適合クラスを生成することができる(例えば、グローバ
ル分類モデルからインサイチュで生成されるローカル分類モデルは、非適合クラスを含み
得る)。こうして、第1の分類および第2の分類を有するインサイチュローカルモデリン
グを使用することによって、制御装置210は、多数のクラス(例えば、閾値を超える、
例えば50クラス超、100クラス超、200クラス超、1000クラス超等)を分類す
ることができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は、未知スペクトルを分類す
るための別のタイプの分類モデルを生成し、および/または分類モデルのために別のタイ
プのクラシファイアを使用することができる。
【0047】
SVMは、分類用のパターン認識を実行し、分類用の信頼メトリックを使用する監視学
習モデルを指す。いくつかの実施形態では、制御装置210は、SVM技術を用いてグロ
ーバル分類モデルを生成する際に、特定のタイプのカーネル関数を利用して、二以上のイ
ンプット(例えば、スペクトル)の類似性を判定し得る。例えば、制御装置210は、ラ
ジアル基底関数(RBF)(例えば、いわゆるSVM-rbf)型のカーネル関数(スペ
クトルxおよびyについてk(x,y)=exp(-||x-y||^2)として示され得る)、線形関数(例え
ば、多段分類技術に利用される、いわゆるSVM-linearおよびいわゆるhier
-SVM-linear)型のカーネル関数(k(x,y)=<x・y>として示され得る)、シグ
モイド関数型のカーネル関数、多項式関数型のカーネル関数、指数関数型のカーネル関数
等を利用し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、SVMのための特定のタイプの信頼メト
リック、例えば確率値ベースのSVM(例えば、試料が一組のクラスのあるクラスのメン
バーである確率の決定に基づく判定)、決定値ベースのSVM(例えば、決定関数を利用
して試料が一組のクラスのどのクラスのメンバーであるか得票で決定する判定)等を利用
し得る。例えば、決定値ベースのSVMによる分類モデルの使用中、制御装置210は、
未知試料が未知試料のスペクトルのプロッティングに基づいて、成分クラスの境界内に位
置付けられているか否かを判定し、未知試料が成分クラスの境界内に位置付けられるか否
かに基づいて、試料をクラスに割り当てることができる。こうして、制御装置210は、
未知スペクトルを特定のクラスや非適合クラス等に割り当てるか否かを判定することがで
きる。
【0049】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、決定値を決定するための特定のクラス比
較技術を利用することができる。例えば、制御装置210は、one-versus-a
ll法(いわゆるone-versus-all others法とも称される)を利用
することができ、この場合、分類モデルはサブモデルのグループに分割され、各サブモデ
ルは、分類モデルの他のクラスそれぞれと比較したクラスに基づいており、決定値は各サ
ブモデルに基づいて決定される。付加的または代替的に、制御装置210は、all-p
airs法を利用することができ、この場合、分類モデルをそれぞれ可能なペアのクラス
に分割して、サブモデルを形成し、そのサブモデルから決定値を決定する。
【0050】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、特定の機械学習技術のセットについて記載し
ているが、未知スペクトルに関する情報を決定するのに、例えば材料の分類等の他の技術
も可能である。
【0051】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、グローバル分類モデルを生成するために
利用する特定のクラシファイアを一組の分類技術から選択し得る。例えば、制御装置21
0は、複数のクラシファイアに対応する複数の分類モデルを生成し、例えば各モデルのト
ランスフェラビリティ(例えば、第1のスペクトロメータ220で実行された分光測定に
基づいて生成された分類モデルが、第2のスペクトロメータ220で実行された分光測定
に適用される際に正確である程度)、大規模解析精度(例えば、閾値を満足する試料の量
を同時に分類するために分類モデルを使用できる精度)等を決定することによって、複数
の分類モデルを試験することができる。この場合には、制御装置210は、SVMクラシ
ファイア(例えば、hier-SVM-linear)を、そのクラシファイアが他のク
ラシファイアに比較して優れたトランスフェラビリティおよび/または大規模解析精度と
関連するという決定に基づいて、選択することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、訓練セットの試料を識別する情報に基づ
いて分類モデルを生成し得る。例えば、制御装置210は、スペクトルのクラスを材料の
種類または濃度で識別するために、訓練セットの試料で表される材料の種類または濃度を
識別する情報を利用し得る。いくつかの実施形態では、制御装置210は、分類モデルを
生成する際に分類モデルを訓練し得る。例えば、制御装置210は、一組の分光測定の一
部分(例えば、訓練セットに関連する側定値)を用いてモデルを訓練させることができる
。付加的または代替的に、制御装置210は、分類モデルの評価を実行してもよい。例え
ば、制御装置210は、一組の分光測定の別の部分(例えば、検証セット)を用いて分類
モデルを(例えば、予測強度について)評価することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、多段分類技術を用いて分類モデルを検証
することができる。例えば、分類に基づくインサイチュローカルモデリングにおいて、制
御装置210は、グローバル分類モデルが一以上のローカル分類モデルと関連して利用さ
れる際に正確であることを判定することができる。こうして、制御装置210は、例えば
、制御装置210によって、また他のスペクトロメータ220と関連する他の制御装置2
10等によって利用するための分類モデルを供給する前に、分類モデルを閾値精度で生成
することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、分類モデルの生成後、分類モデルを他の
スペクトロメータ220と関連する他の制御装置210に供給し得る。例えば、第1の制
御装置210は分類モデルを生成し、その分類モデルを第2の制御装置210に利用のた
めに供給し得る。この場合、分類に基づくインサイチュローカルモデリングにおいて、第
2の制御装置210は分類モデル(例えば、グローバル分類モデル)を格納し、未知セッ
トの一以上の試料を分類するために、その分類モデルを一以上のインサイチュローカル分
類モデルを生成するのに利用することができる。付加的または代替的に、制御装置210
は分類モデルを、制御装置210で分類を実行し、(例えばインサイチュローカルモデリ
ングベースに分類のための)一以上のローカル分類モデルを生成する際に利用するために
、格納してもよい。このように、制御装置210は、未知試料の分光学的分類にて利用す
るための分類モデルを提供する。
【0055】
図4はプロセス400の例示的ブロックを示し、いくつかの実施形態では、プロセス4
00は追加のブロック、より少数のブロック、異なるブロック、または
図4に示す例と異
なる配置のブロックを含んでもよい。付加的または代替的に、プロセス400の二以上の
ブロックは並列に実行してもよい。
【0056】
図5は、
図4に示す例示的プロセス400に関連する例示的な実施形態500の図であ
る。
図5は、定量化のための誤検知識別を伴う分類モデルを生成する一例を示す。
【0057】
図5に示すように、制御装置210-1は情報をスペクトロメータ220-1に送信し
、スペクトロメータ220-1に一組の分光測定を訓練セットおよび検証セット510に
実行するよう命令する。訓練セットおよび検証セット510は、第1セットの訓練試料(
例えば、それらの測定は分類モデルを訓練するために利用される)と、第2セットの検証
試料(例えば、それらの測定は分類モデルの精度を検証するために利用される)とを含む
と仮定する。参照番号515で示すように、スペクトロメータ220-1は、受信した命
令に基づいて、一組の分光測定を実行する。参照番号520で示すように、制御装置21
0-1は、訓練試料に関する第1セットのスペクトルと、検証試料に関する第2セットの
スペクトルとを受信する。この場合、検証試料は、分類のための複数の対象材料の試料お
よび一以上の迷惑材料の一以上の試料または分類モデルのための非適合クラスを訓練する
ための不正確な測定値を含むことで、識別時の誤検知を回避する。制御装置210-1は
、訓練セットおよび検証セット510の各試料を識別する情報を格納すると仮定する。
【0058】
図5に関して、制御装置210-1は、分類モデルを生成するためにhier-SVM
-linearクラシファイアを利用するように選択していると仮定し(例えば、一以上
の他のクラシファイアに対するhier-SVM-linearクラシファイアの試験に
基づく)、これは分類モデルのインサイチュローカルモデリングタイプとすることができ
る。参照番号525で示すように、制御装置210-1は、hier-SVM-line
arクラシファイアおよび第1セットのスペクトルを用いて分類モデルを訓練し、hie
r-SVM-linearクラシファイアおよび第2セットのスペクトルを用いて分類モ
デルを検証する。制御装置210-1は、第1セットのスペクトルのサブセットを使用し
て分類モデルのための非適合クラスを生成し、分類モデルを訓練して、迷惑材料を識別す
ることができ、また、第2セットのスペクトルのサブセットを使用して、迷惑材料の識別
における分類モデルの精度を検証することができる。
【0059】
制御装置210-1は、分類モデルが検証閾値を満足する(例えば、検証閾値を超える
精度を有する)ことを決定すると仮定する。参照番号530で示すように、制御装置21
0-1は、分類モデルを制御装置210-2に(例えば、スペクトロメータ220-2で
実行される分光測定に対して分類を実行するとき利用するために)および制御装置210
-3に(例えば、スペクトロメータ220-3で実行される分光測定に対して分類を実行
するとき利用するために)供給する。
【0060】
上述したように、
図5は単なる一例にすぎない。他の例も可能であり、
図5に関して記
載した形態とは異なるものとし得る。
【0061】
このように、制御装置210は、選択された(例えば、モデルトランスフェラビリティ
、大規模分類精度等に基づいて選択された)分類技術および一以上のスペクトロメータ2
20と関連する一以上の他の制御装置210で利用するための分類モデルの分配に基づく
分類モデルの生成を容易にする。更に、制御装置210は、迷惑材料の分光測定を含むこ
とによって分類モデルの精度を改善し、識別時の誤検知を回避する。
【0062】
図6は、原料識別中における誤検知識別を回避するための例示的なプロセス600のフ
ローチャートである。いくつかの実施形態では、
図6の一以上のプロセスブロックは、制
御装置210により実行され得る。いくつかの実施形態では、
図6の一以上のプロセスブ
ロックは、制御装置210とは別の装置または制御装置210を含む一群の装置、例えば
スペクトロメータ220によって実行されてもよい。
【0063】
図6に示すように、プロセス600は、未知試料に実行された一組の分光測定の結果を
識別する情報を受信するステップを含み得る(ブロック610)。例えば、制御装置21
0は、(例えば、プロセッサ320、通信インタフェース370等を使用して)未知試料
に実行された一組の分光測定の結果を識別する情報を受信することができる。いくつかの
実施形態では、制御装置210は、(例えば、複数試料のうちの)未知セットへの一組の
分光測定の結果を識別する情報を受信することができる。未知セットは、一組の試料(例
えば、未知試料)を含むことができ、その試料のための判定(例えば分光学的分類)を実
施することができる。例えば、制御装置210は、スペクトロメータ220に、一組の未
知試料への一組の分光測定を実行させることができ、また、その一組の未知試料に対応す
る一組のスペクトルを識別する情報を受信することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、複数のスペクトロメータ220からの結
果を識別する情報を受信することができる。例えば、制御装置210は、複数のスペクト
ロメータ220に、未知セット(例えば、同じセットの試料)に一組の分光測定を実行さ
せ、未知セットの試料に対応する一組のスペクトルを識別する情報を受信することができ
る。付加的または代替的に、制御装置210は、複数回、複数の位置等で実行された一組
の分光測定の結果を識別する情報を受信し、複数回、複数の位置等で実行された一組の分
光測定に基づいて(例えば、一組の分光測定の平均化または別の技術に基づいて)特定の
試料を分類および/または定量化することができる。こうして、制御装置210は、一組
の分光測定の結果に影響を与え得る物理的状態を考慮することができる。
【0065】
付加的または代替的に、制御装置210は第1のスペクトロメータ220に、未知セッ
トの第1部分に一組の分光測定の第1部分を実行させ、第2のスペクトロメータ220に
、未知セットの第2部分に一組の分光測定の第2部分を実行させてもよい。こうすると、
制御装置210は、一組の分光測定を実行するのに要する時間量を単一のスペクトロメー
タ220で全ての分光測定を実行するのに要する時間量に比べて短縮することができる。
【0066】
図6に更に示すように、プロセス600は、一組の分光測定が正確に実施されたか否か
を判定するステップを含み得る(ブロック620)。例えば、制御装置210は、(例え
ば、プロセッサ320、メモリ330、記憶コンポーネント340等を使用して)一組の
分光測定が正確に実施されたか否かを判定することができる。いくつかの実施形態では、
制御装置210は、未知試料の分光測定が、(例えば、スペクトロメータ220の光コン
ポーネントと試料との間、スペクトロメータ220の光コンポーネントと試料の背景との
間等の)校正された距離にて実施されたか否かを判定することができる。付加的または代
替的に、制御装置210は、未知試料の分光測定が校正された温度にて、校正された圧力
にて、校正された湿度にて、校正された背景を使用して、校正されたスペクトロメータを
使用して等、実施されたか否かを判定することができる。
【0067】
例えば校正された距離、校正された温度、校正された圧力、校正された湿度、校正され
た背景等の校正された条件のための校正された値は、モデルを訓練および/または検証し
た値を含むことができる。例えば、制御装置210は、例えば温度や、未知試料とスペク
トロメータ220の光コンポーネントとの間の距離等の測定条件のための値を識別するス
ペクトロメータ220から測定データを受信することができ、また、制御装置210は、
モデルが、値の閾量内に校正された条件のための校正された値に関連する訓練セットおよ
び/または検証セットを使用して訓練されたことを検証することができる。
【0068】
付加的または代替的に、制御装置210は、単一クラスのSVM(SC-SVM)クラ
シファイア技術を使用してサニティーチェックを実行し、未知スペクトルが正確に実行さ
れた測定に関連しているか否かを判定することができる。例えば、制御装置210は、分
類モデルにおける複数のクラスを集約して、単一クラスを有する統合分類モデルを形成し
、決定値を有するSVMクラシファイアを使用して、未知試料が外れ試料であるか否かを
判定することができる。こうして、未知試料が外れ試料である場合、制御装置210は、
一組の分光測定が正確に実行されなかったと判定することができ、また、一組の分光測定
を再度実行させ、別の一組の分光測定を識別する別の一組の結果を受信することができる
(ブロック620-いいえ)。こうして、制御装置210は、未知試料に類似する試料を
使用して分類モデルを訓練させることなく、閾量だけ分類モデルとは異なる(例えば、閾
量だけ対象材料の訓練セット試料とも異なる)未知スペクトルの識別を可能にする。更に
、制御装置210は、分類モデルを生成するために収集される試料の分量を減少させるこ
とによって、閾量だけ対象材料とは異なる迷惑材料のための他の試料の取得、格納、およ
び処理に比べて、関連するコスト、時間、および計算資源(例えば、処理資源およびメモ
リ資源)の利用を減少させることができる。
【0069】
更に、制御装置210は、測定条件が校正された条件に適合するか否かを判定せずに分
光法を実行する場合と比較して、分光法の結果が不正確(例えば、不正確な定量化、不正
確な判定等)となる可能性を低減させる。更に、未知試料を分類しようとする前に未知試
料の測定が正確に実施されたと判定されると、制御装置210は、分光法を実行しようと
試み、結果的に不正確な測定値として失敗し、別の分光法を実行しようと試みる場合と比
較して計算資源の利用を減少させる。
【0070】
図6に更に示すように、一組の分光測定が正確に実行されたとの判定に基づいて(ブロ
ック620-はい)、プロセス600は、一組の分光測定の結果に基づいて、未知試料が
非適合クラスに含まれるか否かを判定するステップを含み得る(ブロック630)。例え
ば、制御装置210は、(例えば、プロセッサ320、メモリ330、記憶コンポーネン
ト340等を使用して)未知試料が非適合クラス(例えば、対象外の材料または迷惑材料
)に分類すべきか否かの判定を試みることができる。いくつかに実施形態では、制御装置
210は、未知試料を分類して、未知試料が非適合クラスに含まれるか否かを判定するこ
とができる。例えば、制御装置210は、モデルのためのSVM-rbfカーネル関数ま
たはSVM-linearカーネル関数を使用して、未知試料を非適合クラスに分類する
ための決定値を判定することができる。閾値決定値を満足するこの決定値に基づいて、制
御装置210は、未知試料が非適合クラスに属することを判定することができる(例えば
、未知試料が迷惑材料と判定され、スペクトルが、例えば不正確な測定距離を使用して実
行された測定値、不正確な測定背景を使用して実行された測定値、不正確な測定照明を使
用して実行された測定値、試料の存在なしに実行された測定値等の基準となる分光測定値
に関連すると判定される)。こうして、制御装置210は、分光法のための分類モデルが
、特定の未知試料のスペクトルと共に使用するために校正されていないと判定し、特定の
未知試料の識別における誤検知を回避する。あるいは、制御装置210は、未知試料が非
適合クラスに属さないと判定することができる。
【0071】
図6に更に示すように、未知試料が非適合クラスに含まれるとの判定に基づいて(ブロ
ック630-はい)、プロセス600は、未知試料が非適合クラスに含まれることを示す
出力を供給するステップを含み得る(ブロック640)。例えば、制御装置210は、(
例えば、プロセッサ320、メモリ330、記憶コンポーネント340、通信インタフェ
ース370等を使用して)例えばユーザインタフェースを介して、未知試料が非適合クラ
スに含まれることを示す情報を供給することができる。いくつかの実施形態では、制御装
置210は、未知試料の識別に関連する情報を供給することができる。例えば、特定の植
物における特定の化学物質の分量の定量化に基づいて、かつ、未知試料が特定の植物では
ないとの判定に基づいて、(しかしながら、例えば人的エラーに基づいて別の植物である
場合)、制御装置210は、別の植物を識別する情報を供給することができる。いくつか
の実施形態では、制御装置210は、別の分類モデルを取得し、別の分類モデルを使用し
て、未知スペクトルを分類モデルの非適合クラスに割り当てることによって、未知試料を
識別することができる。
【0072】
こうして、制御装置210は、未知試料の識別時の誤検知に基づく不正確な情報を提供
する可能性を低減させ、未知試料が特定の植物ではなく他の植物であったとの判定を支援
する、技術者による情報の提供によってエラー補正を可能にする。
【0073】
更に
図6に示すように、未知試料が非適合クラスに含まれないという判定に基づいて(
ブロック630-いいえ)、プロセス600は、一組の分光測定の結果に基づいて一以上
の分光学的判定を実行するステップを含むことができる(ブロック650)。例えば、制
御装置210は、(例えば、プロセッサ320、メモリ330、記憶コンポーネント34
0等を使用して)一組の分光測定の結果に基づいて、一以上の分光学的判定を実行するこ
とができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は、未知試料をグローバル分類モ
デルの一組のクラスの特定のクラスに割り当てて、第1の判定を実行することができる。
例えば、制御装置210は、特定の試料に関連する特定のスペクトルが、ローカルクラス
の材料(例えば、セルロース素材、ラクトース素材、カフェイン素材等)に対応すること
をグローバル分類モデルに基づいて判定することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、信頼メトリックに基づいて特定の試料を
割り当てることができる。例えば、制御装置210は、グローバル分類モデルに基づいて
、特定のスペクトルがグローバル分類モデルの各クラスと関連する確率を決定することが
できる。この場合には、制御装置210は、他の、非ローカルクラスと関連する他の確率
より大きい特定のローカルクラスに対する特定の確率に基づいて、未知試料を特定のロー
カルクラスに割り当てることができる。こうして、制御装置210は、試料が関連する材
料の種類を決定し、試料を識別することができる。いくつかの実施形態では、制御装置2
10は、未知試料が任意のクラスに関連する閾値を満足させず、かつ、非適合クラスに関
連する閾値を満足させないと判定し得る。この場合、制御装置210は、未知試料がどの
クラスにも含まれず、非適合クラスに関連する閾値に対応する一定レベルの信頼を有する
非適合クラスに割り当てることができないことを示す出力を供給する。
【0075】
いくつかの実施形態では、例えばクラスの閾量よりも高い分類モデルのためにインサイ
チュローカルモデリングを実行するために、制御装置210は、第1の判定に基づいてロ
ーカル分類モデルを生成することができる。ローカル分類モデルは、SVM判定技術(例
えば、SVM-rbf、SVM-linear等のカーネル関数、確率値ベースのSVM
、決定値ベースのSVM等)を使用して、第1の判定に関連する信頼メトリックに基づい
て生成されたインサイチュ分類モデルを示し得る。いくつかの実施形態では、制御装置2
10は、複数のローカル分類モデルを生成することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、グローバル分類モデルを使用して第1の
判定の実行に基づいてローカル分類モデルを生成することができる。例えば、制御装置2
10を使用して未知試料における物質の濃度を判定し、物質の濃度を判定するために複数
の未知試料が異なる定量化モデルに関連する場合、制御装置210は第1の判定を利用し
て、クラスのサブセットを未知試料のためのローカルクラスとして選択し、第1の判定の
結果に基づいて未知試料のための定量化モデルを選択することができる。こうして、制御
装置210は、階層的決定および定量化モデルを利用して、分光学的分類を改善する。
【0077】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、結果およびローカル分類モデルに基づい
て第2の判定を実行してよい。例えば、制御装置210は、ローカル分類モデルおよび特
定のスペクトルに基づいて、未知試料をグローバル分類モデルのための対象材料のうちの
1つとして分類することができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は、特定の
スペクトルおよびローカル分類モデルに関連する一組の信頼メトリックを判定することが
できる。例えば、制御装置210は、特定のスペクトルがローカル分類モデルの各クラス
に関連する可能性を判定し、特定のスペクトル(例えば、特定のスペクトルに関連する未
知試料)をローカル分類モデルの他のクラスよりもより高い可能性を有するクラスに割り
当てることができる。こうして、制御装置210は、未知試料を識別する。いくつかの実
施形態では、制御装置210は、ローカル分類モデルのための非適合クラスを判定し、特
定のスペクトルをローカル分類モデルのための非適合クラスに割り当てることができる。
いくつかの実施形態では、制御装置210は、未知試料が分類モデルのクラスのための閾
値信頼メトリックを満足させないと判定し、未知試料に対する分類の失敗を判定すること
ができる。こうして、閾値信頼メトリックの使用に基づいて、制御装置210は、未知試
料の識別における誤検知の可能性を低減させる。
【0078】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、第1の判定の実行後(および/または第
2の判定の実行後)に定量化を実行してもよい。例えば、制御装置210は、一以上の判
定の実行に基づいてローカル定量化を選択し、ローカル定量化モデルの選択に基づいて特
定の試料に関して定量化を実行することができる。一例として、植物材料中の特定の化学
物質の濃度を決定するために原料識別を実行するとき、植物材料が複数の定量化モデルと
関連する場合(例えば、植物が屋内または屋外で、冬または夏等に成長するものであるか
否かに関する場合)、制御装置210は、特定の定量化モデルを識別するために一組の分
類を実行することができる。この場合には、制御装置210は、一組の判定の実行に基づ
いて植物は冬に屋内で成長するものであると決定することが可能であり、特定の化学物質
の濃度を決定するために、冬に屋内で成長する植物に関する定量化モデルを選択すること
ができる。
【0079】
図6に更に示すように、一以上の分光学的分類を実行したときの分類の失敗に基づいて
(ブロック650-A)、プロセス600は、分類の失敗を示す出力を提供するステップ
と、選択的に分類モデルのクラスをアップデートするステップとを含み得る(ブロック6
60)。例えば、制御装置210は、(例えば、プロセッサ320、メモリ330、記憶
コンポーネント340、通信インタフェース370等を使用して)分類の失敗を示す情報
を提供することができる。例えば、分類に関連する信頼レベルが閾値信頼レベルを満足さ
せないという判定に基づいて、制御装置210は、分類の失敗を示す出力を提供すること
によって、識別時の誤検知の可能性を低減させることができる。付加的または代替的に、
信頼レベルが閾値を満足させないという判定に基づいて、制御装置210は、分類を実行
するために選択的に分類モデルのクラスをアップデートすることができる。例えば、制御
装置210は、試料を識別する(例えば、作業者、データベース等からの)追加の情報を
取得し、試料がラベル付けされたクラスに属すると判定することができる。この場合、制
御装置210は、ラベル付けされたクラスをアップデートして、続く分光学的分類を改善
することができる。付加的または代替的に、制御装置210は、試料がラベル付けされた
クラスに属さないと示す情報を取得することができる。この場合、制御装置210は、非
適合クラスをアップデートして、続く非適合分類を改善することができる。こうして、制
御装置210により、分光学的分類に対する反復的なモデル強化が可能となる。
【0080】
図6に更に示すように、一以上の分光学的分類を実行したときの分類の成功に基づいて
(ブロック650-B)、プロセス600は、未知試料に関連する分類を識別する情報を
提供するステップを含み得る(ブロック670)。例えば、制御装置210は、(例えば
、プロセッサ320、メモリ330、記憶コンポーネント340、通信インタフェース3
70等を使用して)未知試料に関連する分類を識別する情報を提供することができる。い
くつかの実施形態では、制御装置210は、未知試料に対する特定のクラスを識別する情
報を提供することができる。例えば、制御装置210は、未知試料と関連する特定のスペ
クトルが特定のクラスと関連するという決定を示す情報を提供し、それによって未知試料
を識別することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、未知試料の特定のクラスへの割り当てに
関連する信頼メトリックを示す情報を提供し得る。例えば、制御装置210は、未知試料
が特定のクラス等と関連する確率を識別する情報を提供することができる。こうすると、
制御装置210は、特定のスペクトルが特定のクラスに正確に割り当てられた可能性を示
す情報を提供する。
【0082】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、一組の分類の実行に基づく定量化を提供
してよい。例えば、未知試料のクラスに関連するローカル定量化モデルの識別に基づいて
、制御装置210は、未知試料における物質の濃度を識別する情報を提供することができ
る。いくつかの実施形態では、制御装置210は、一組の分類の実行に基づいて、分類モ
デルをアップデートすることができる。例えば、制御装置210は、未知試料の分類を対
象材料や迷惑材料等として判定することによって、未知試料を訓練セットの試料として含
む新しい分類モデルを生成することができる。
【0083】
図6はプロセス600の例示的ブロックを示すが、いくつかの実施形態では、プロセス
600は追加のブロック、より少数のブロック、異なるブロック、または
図6とは異なる
配置のブロックを含んでよい。付加的または代替的に、プロセス600の二以上のブロッ
クを並行して実行してもよい。
【0084】
図7Aおよび
図7Bは、
図6に示す例示的プロセス600と関連する予測成功率に関す
る例示的な実施形態700を示す。
図7Aおよび
図7Bは、階層的サポートベクトルマシ
ン(hier-SVM-linear)ベースの技術を用いた原料識別の例示的な結果を
示す。
【0085】
図7Aに参照番号705で示すように、制御装置210は、スペクトロメータ220に
一組の分光測定を実行させることができる。例えば、制御装置210は、スペクトロメー
タ220に、未知試料に対するスペクトルを取得させるよう命令して、未知試料の分類を
、識別のために分類モデルを訓練した一組の対象材料のうちの特定の対象材料として判定
することができる。参照番号710および参照番号715によって示すように、スペクト
ロメータ220は未知試料を受信し、未知試料に対して一組の分光測定を実行することが
できる。参照番号720によって示すように、制御装置210は、未知試料に対して一組
の分光測定を実行する未知試料ベースのスペクトロメータ220のスペクトルを受信する
ことができる。
【0086】
図7Bに示すように、制御装置210は分類モデル725を使用して、分光学的分類を
実行することができる。分類モデル725は、訓練セットの一組のスペクトル用に識別さ
れる一組のクラス730を含む。例えば、分類モデル725は、潜在的な対象材料のクラ
ス730-1~730-6と、迷惑材料(例えば、類似の材料、類似のスペクトル、例え
ば不正確な照明スペクトル、不正確な距離スペクトル、不正確な背景スペクトル等の不正
確に取得されたスペクトル等)の非適合クラス730-7とを含む。
【0087】
図7Bに参照番号735および740によって更に示すように、未知試料のスペクトル
は、非適合クラスに割り当てられ、未知試料は迷惑材料(例えば、非適合クラスのメンバ
ー)として識別される。例えば、制御装置210は、インサイチュローカルモデリング技
術を使用して、グローバルモデル(例えば分類モデル725)に基づいてローカルモデル
を生成し、ローカルモデルに基づいて未知試料が迷惑材料であるか否かを判定することが
できる。いくつかの実施形態では、制御装置210は、インサイチュ閾値技術を実行して
、未知試料が迷惑材料か否かを判定することができる。例えば、クライアント装置210
は、未知試料の第1の、最も可能性のあるクラスおよび/または試料の二番手のクラス(
例えば、第2の、最も可能性のあるクラス)に関連する自己検証または交差検証の決定値
であり得、決定値を利用して予測閾値に対する上限および下限を設定することができる。
いくつかの実施形態では、クライアント装置210は、複数のローカルモデリングストラ
テジを利用することができる。例えば、クライアント装置210は、第1のモデリング技
術を利用して勝者のクラスを決定し、第2のモデリング技術を利用して信頼メトリックを
決定することができる。いくつかの実施形態では、クライアント装置210は、単一クラ
スSVM(SC-SVM)技術を利用して、未知試料が迷惑材料か否かを判定することが
できる。参照番号745によって示すように、制御装置210は、未知試料を対象材料の
うちの一つの特定の濃度として識別する際に誤検知するのではなく、未知試料が迷惑材料
であることを示す出力をクライアント装置750に提供する。
【0088】
上述したように、
図7Aおよび
図7Bは単なる一例にすぎない。他の例も可能であり、
図7Aおよび
図7Bに関して記載したものと相違させてもよい。
【0089】
このように、制御装置210は、未知試料を、識別するために分類モデルを訓練した特
定の対象材料として識別する際の誤検知を回避することにより、分光法における不正確な
結果を供給する可能性を低減させる。
【0090】
以上の開示は描写および記述を提供するが、網羅的であって、実施形態を開示の正確な
形態に限定することを意図するものではない。以上の開示に照らせば修正および変更が可
能であり、実施形態の実施から得ることができる。
【0091】
いくつかの実施形態が本明細書において閾値と関連して記載されている。本明細書にお
いて、閾値を満足するとは、閾値より大きい、閾値より多い、閾値より高い、閾値より大
きいまたは等しい、閾値より小さい、閾値より少ない、閾値より低い、閾値より小さいま
たは等しい、閾値に等しい等を意味する。
【0092】
本明細書に記載のシステムおよび/または方法はハードウェア、ファームウェア、また
はハードウェアとソフトウェアの組み合わせの異なる形態で実装してよい。これらのシス
テムおよび/または方法を実施するために使用される実際の専用制御ハードウェアまたは
ソフトウェアコードは実施形態を限定するものではない。従って、システムおよび/また
は方法の動作および挙動は、本明細書においてソフトウェアコードと無関係に記載されて
いるが、これらのシステムおよび/または方法を実施するソフトウェアおよびハードウェ
アは本明細書の記載に基づいて設計することができることは当たり前である。
【0093】
特徴の特定の組み合わせが請求の範囲および/または明細書に記載されているが、これ
らの組み合わせは可能な実施形態の開示を限定することを意図するものでない。実際、こ
れらの特徴の多くは請求の範囲および/または明細書に明確に記載されない形で組み合わ
せることができる。以下に列記される各従属請求項は一つの請求項にのみ直接従属するが
、可能な実施形態の開示はクレームセットの他の全ての請求項と組み合わせた各従属請求
項を含む。
【0094】
本明細書で用いられる素子、動作、または命令はいずれも、そのように明記されない限
り重要なものまたは必須なものと解釈すべきでない。また、本明細書で用いられる、冠詞
「a」および「an」は、1つ以上の項目を含むことが意図され、「1つ以上」と交換可
能に用いられ得る。更に、本明細書で用いられる、用語「組」は、1つ以上の項目(例え
ば、関連項目、非関連項目、関連項目および非関連項目の組み合わせ等)を含むことが意
図され、「1つ以上」と交換可能に用いられ得る。1つの項目のみが意図される場合、用
語「1つ」または同様の文言が用いられる。また、本明細書で用いられる、用語「有する
」等は、オープンエンドな用語であることが意図される。更に、語句「に基づく」は、別
段の明記がない限り、「少なくとも部分的に基づく」を意味することが意図される。
【0095】
(特許請求の範囲)
[請求項1]
一以上のメモリと、
前記一以上のメモリに通信可能に結合された一以上のプロセッサと、
を含み、
既知試料の訓練セットと既知試料の検証セットとの一組の分光測定の結果を識別する
情報を受信し、
前記一組の分光測定の結果を識別する情報に基づいて分類モデルを生成し、
前記分類モデルは、分光学的判定のための対象材料に関連する少なくとも1つのク
ラスを含み、
前記分類モデルは、非対象である少なくとも1つの材料のうちの少なくとも1つま
たは基準となる分光測定に関連する非適合クラスを含み、
未知試料の特定の分光測定の特定の結果を識別する情報を受信し、
前記分類モデルを使用して、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれるか否かを判
定し、
前記未知試料が前記非適合クラスに含まれるか否かを示す出力を提供する、装置。
[請求項2]
前記一以上のプロセッサは、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれるか否かを判定
するとき、
前記分類モデルに基づいて、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれると判定し、
前記一以上のプロセッサは、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれるか否かを示す
出力を提供するとき、
前記未知試料が前記非適合クラスに含まれることを示す出力を提供する、請求項1に記
載の装置。
[請求項3]
前記一以上のプロセッサは、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれるか否かを判定
するとき、
前記分類モデルに基づいて、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれないと判定し、
前記分類モデルを使用して、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれないという判定
に基づいて、前記未知試料の分類を判定し、
前記一以上のプロセッサは、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれるか否かを示す
出力を提供するとき、
前記未知試料の分類を識別する出力を提供する、請求項1に記載の装置。
[請求項4]
前記一以上のプロセッサは、前記一組の分光測定の結果を識別する情報を受信するとき
、
一組の基準となる分光測定を識別する情報を受信し、
前記一以上のプロセッサは、前記分類モデルを生成するとき、
前記一組の基準となる分光測定に基づいて、前記分類モデルのための非適合クラスを訓
練する、請求項1に記載の装置。
[請求項5]
前記一組の基準となる分光測定は、
不正確な測定距離を使用して実行された測定、
不正確な測定背景を使用して実行された測定、
不正確な測定照明を使用して実行された測定、または
試料の存在なしに実行された測定、
の少なくとも一つと関連する、請求項4に記載の装置。
[請求項6]
前記一以上のプロセッサは、前記一組の分光測定の結果を識別する情報を受信するとき
、
非対象である少なくとも1つの材料を識別する情報を受信し、
前記一以上のプロセッサは、前記分類モデルを生成するとき、
前記非対象である少なくとも1つの材料を識別する情報に基づいて、前記分類モデルに
対する非適合クラスを訓練する、請求項1に記載の装置。
[請求項7]
前記一以上のプロセッサは、前記分類モデルを使用して、前記未知試料が前記非適合ク
ラスに含まれるか否かを判定するとき、
信頼メトリックに基づくサポートベクトルマシンを使用して、前記未知試料が前記非適
合クラスに含まれるか否かを判定する、請求項1に記載の装置。
[請求項8]
前記信頼メトリックは、
確立推定値、または
決定値、
の少なくとも一方である、請求項7に記載の装置。
[請求項9]
前記分類モデルが第1の分類モデルであって、
前記一以上のプロセッサは、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれるか否かを判定
するとき、
前記第1の分類モデルを使用して、前記特定の分光測定のための第1の分類を実行して
、前記第1の分類モデルの一組のローカルクラスを識別し、
前記一組のローカルクラスに基づいて、第2の分類モデルを生成し、
前記第2の分類モデルは前記非適合クラスを含み、
第2の分類を実行して、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれるか否かを判定する
、
請求項1に記載の装置。
[請求項10]
命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、
一以上のプロセッサにより実行されるとき、前記一以上のプロセッサに、
未知試料に対して実行された分光測定の結果を識別する情報を受信させ、
分類モデルのうちの複数のクラスを集約させて、統合分類モデルを生成させ、
前記分光測定が前記統合分類モデルを使用して正確に実施されたことを判定させ、
前記分光測定が正確に実施されたという判定および前記分類モデルの使用に基づいて
、前記未知試料が前記分類モデルの非適合クラスに含まれないことを判定させ、
非適合クラスは、非対象の材料または基準となる分光測定に関連しており、
前記未知試料が前記非適合クラスに含まれないという判定に基づいて、前記未知試料
の分光学的分類を実行させ、
前記未知試料の分光学的分類の実施に基づいて、前記未知試料を識別する情報を提供
させる、
一以上の命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
[請求項11]
前記一以上のプロセッサに、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれないことを判定
させる前記一以上の命令は、前記一以上のプロセッサに、
閾値を満足する前記分類モデルに関連する信頼メトリックに基づいて、前記未知試料が
前記非適合クラスに含まれないことを判定させる、請求項10に記載の非一時的なコンピ
ュータ可読媒体。
[請求項12]
前記一以上の命令は、前記一以上のプロセッサによって実行されるとき、更に、前記一
以上のプロセッサに、
one-versus-all法またはall-pairs法を使用して、前記分類モ
デルを複数のサブモデルに分割することに基づいて前記信頼メトリックを判定させる、請
求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
[請求項13]
前記分類モデルは、クラスの閾量よりも高い分類モデルを含んでおり、
前記一以上のプロセッサに前記分光学的分類を実行させる前記一以上の命令は、前記一
以上のプロセッサに、
前記分類モデルに基づいて前記未知試料の第1の分光学的分類を実行させ、
前記第1の分光学的分類の実行に基づいて、前記分類モデルのクラスのサブセットを使
用して別の分類モデルを生成させ、
前記別の分類モデルに基づいて、前記未知試料が前記非適合クラスに含まれないと判定
させ、
第2の分類を実行して、前記未知試料を識別させる、
請求項11に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
[請求項14]
装置によって、一組の分光測定の結果を取得するステップと、
前記装置によって、前記一組の分光測定の結果に基づいてサポートベクトルマシン(S
VM)ベースの分類モデルを生成するステップと、
前記分類モデルは、分類のために複数の対象材料に対応する複数のクラスを含み、
前記一組の分光測定は、前記複数の対象材料の試料の閾量の測定値を含み、
前記分類モデルは、分類のために複数の対象材料に対応しない特定のクラスを含み、
前記一組の分光測定は、前記特定のクラスに関連する試料の閾量未満の測定値を含
み、
前記装置によって、前記分類モデルを使用して、特定の試料の特定の分光測定を前記特
定のクラスに分類するステップと、
前記装置によって、前記特定の分光測定の分類に基づいて、前記特定の試料が前記特定
のクラスに割り当てられることを示す情報を提供するステップと、
を含む、方法。
[請求項15]
前記特定の分光測定を分類するステップは、
前記分類モデルを複数のサブモデルに分割するステップと、
前記複数のサブモデルのうちの各サブモデルは、前記分類モデルの対応するクラスと
、前記分類モデルの他の各クラスとの間の比較に対応しており、
前記複数のサブモデルに対応する複数の決定値を決定するステップと、
前記複数の決定値に基づいて、前記特定の試料のための前記特定のクラスを選択するス
テップと、
を含む、請求項14に記載の方法。
[請求項16]
前記特定の分光測定を分類するステップは、
前記分類モデルを複数のサブモデルに分割するステップと、
前記複数のサブモデルは、前記分類モデルの各クラスの間の比較に対応しており、
前記複数のサブモデルに対応する複数の決定値を判定するステップと、
前記複数の決定値に基づいて前記特定の試料のための前記特定のクラスを選択するステ
ップと、
を含む、請求項14に記載の方法。
[請求項17]
前記特定の分光測定を分類するステップは、
ラジアル基底関数型のカーネル関数または線形カーネル型のカーネル関数を使用して特
定の分光測定を分類するステップを含む、請求項14に記載の方法。
[請求項18]
前記一組の分光測定は、基準となる分光測定および非対象材料の分光測定を含み、
前記基準となる分光測定および前記非対象材料の分光測定は、前記特定のクラスに分類
される、請求項14に記載の方法。
[請求項19]
前記特定の分光測定を分類するステップは、
前記分類モデルに基づいて生成されたインサイチュローカル分類モデルにおいて使用す
る前記特定の分光測定を分類するステップを含む、請求項14に記載の方法。
[請求項20]
前記特定の分光測定を分類するステップは、
前記分類モデルのクラスを単一のクラスに集約するステップと、
前記単一のクラスに基づいて前記特定の分光測定を分類するステップと、
を含む、請求項14に記載の方法。