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特許7539514情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240816BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023039614
(22)【出願日】2023-03-14
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】重枝 浩央
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-266944(JP,A)
【文献】特開2024-007763(JP,A)
【文献】特開2022-143501(JP,A)
【文献】特開2017-151781(JP,A)
【文献】特開2010-211336(JP,A)
【文献】特開2009-217599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本人証明媒体が挿入されたことに応じてユーザの情報を取得する自動機器から前記ユーザを特定する情報および前記自動機器を特定する情報を取得する取得部と、
取得した前記ユーザを特定する情報および前記自動機器を特定する情報に基づいて、前記ユーザの取引情報を収集する収集部と、
収集された前記取引情報に基づいて、少なくとも前記ユーザの特性および前記ユーザの前記自動機器の操作時において前記ユーザが前記ユーザの生活圏内に居るか否かを表す状況を推定する推定部と、
推定された前記ユーザの特性および前記状況に基づいて、広告情報を格納する記憶部から、前記自動機器の操作時の前記ユーザに適切な広告情報を抽出する抽出部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
抽出された前記ユーザに適切な広告情報を、少なくとも前記自動機器に出力する出力部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記本人証明媒体は、金融機関より発行された本人証明媒体である、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取引情報には、前記ユーザの決済情報、健康情報、納税情報が含まれ、
前記収集部は、前記ユーザの決済情報、健康情報、納税情報のいずれか少なくとも1つを収集する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取引情報には、前記ユーザの届出住所が含まれ、
前記推定部は、前記届出住所に基づいて、前記推定を行う、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
本人証明媒体が挿入されたことに応じてユーザの情報を取得する自動機器から前記ユーザを特定する情報および前記自動機器を特定する情報を取得する取得ステップと、
取得した前記ユーザを特定する情報および前記自動機器を特定する情報に基づいて、前記ユーザの取引情報を収集する収集ステップと、
収集された前記取引情報に基づいて、少なくとも前記ユーザの特性および前記ユーザの前記自動機器の操作時において前記ユーザが前記ユーザの生活圏内に居るか否かを表す状況を推定する推定ステップと、
推定された前記ユーザの特性および前記状況に基づいて、広告情報を格納する記憶部から、前記自動機器の操作時の前記ユーザに適切な広告情報を抽出する抽出ステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載された方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。より詳細に言えば、本発明は、金融機関より発行された本人証明媒体を用いる自動機器(例えば、ATM)を用いたマーケティングを実現する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ATM(Automated Teller Machine:現金自動預払機)が発信したビーコン信号を利用して、ユーザが所有する携帯端末に広告情報を提供する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-151781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の特許文献1では、ユーザのライフスタイルや趣味嗜好といったユーザ固有の特性が考慮されていなかった。このため、ユーザが受け取った広告情報が、ユーザに寄り添ったものでないことがあった。また、例えば、ATM利用者には、携帯操作に不慣れな高齢者も多い。このような場合、広告主が届けたい広告情報が、広告主がターゲットとしたいユーザ(例えば高齢者)に届かないことがあった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザの特性を考慮した、ユーザに寄り添った広告情報を抽出することを可能にする技術を提供することを目的とする。さらに、本発明は、広告主が届けたい広告情報を、広告主がターゲットとしたいユーザに届けることを可能にする技術を提供することを副次的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である情報処理装置は、本人証明媒体が挿入されたことに応じてユーザの情報を取得する自動機器から前記ユーザを特定する情報および前記自動機器を特定する情報を取得する取得部と、取得した前記ユーザを特定する情報および前記自動機器を特定する情報に基づいて、前記ユーザの取引情報を収集する収集部と、収集された前記取引情報に基づいて、少なくとも前記ユーザの特性および前記ユーザの前記自動機器の操作時の状況を推定する推定部と、推定された前記ユーザの特性および前記状況に基づいて、広告情報を格納する記憶部から、前記自動機器の操作時の前記ユーザに適切な広告情報を抽出する抽出部と、を備える。また、情報処理装置は、抽出された前記ユーザに適切な広告情報を、少なくとも前記自動機器に出力する出力部をさらに備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの特性を考慮した、ユーザに寄り添った広告情報を抽出することができる。また、広告主が届けたい広告情報を、広告主がターゲットとしたいユーザに届けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書において開示される実施形態の詳細な理解は、添付図面に関連して例示される以下の説明から得ることができる。
図1】本実施形態に係る情報処理装置により提供されるサービスの概要を示す図である。
図2】本実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係るサーバのハードウェア構成の例を示す図である。
図4】本実施形態に係るサーバの機能的構成の例を示す機能ブロック図である。
図5図4の機能的構成を有するサーバが実行する処理の流れの例を示すフローチャートである。
図6】本実施形態に係る記憶部に格納されるデータ構成例を示す図その1である。
図7】本実施形態に係る記憶部に格納されるデータ構成例を示す図その2である。
図8】本実施形態に係る記憶部に格納されるデータ構成例を示す図その3である。
図9】本実施形態に係るサーバにより出力される広告情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(概要)
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置(サーバ1)により提供されるサービス(以下、本サービスという)の概要を示す図である。本サービスでは、広告情報の抽出および出力を行う。本サービスにより、ユーザの特性を考慮した、ユーザに寄り添った広告情報が抽出される。また、抽出された広告情報は出力される。これにより、ユーザが広告情報を閲覧することができ、広告主(図示せず)は、抽出された広告情報を、広告主が意図したユーザ(広告主がターゲットとしたいユーザ)に提供することができる。なお、広告主は、本サービスを利用する全ユーザに対して、広告情報を提供し得る。例えば、全ユーザに周知したい広告情報について、広告主は、これを全ユーザに提供し得る。
【0010】
本サービスでは、まず、ATM2から、ATM2を操作したユーザUを特定する情報(以下、ユーザ特定情報という)およびATM2を特定する情報(以下ATM特定情報という)が、サーバ1へ送信される。なお、本実施形態では、ATM2からユーザ特定情報およびATM特定情報が送信されているが、これに限らない。例えば、ATM2は、金融機関より発行された本人証明媒体(例えばキャッシュカード)が挿入されたことに応じてユーザUの情報を取得する自動機器であってよい。自動機器には、例えば、両替機や、ATMの中でも多様な機能(例えば、税公金収納)を備えるATMが含まれてよい。
【0011】
ATM2からユーザ特定情報およびATM特定情報を取得したサーバ1は、これらに基づいてユーザUの取引情報を収集する。サーバ1は、例えば、各種データベース(例えば、決済情報DB123等)から種々の情報を収集する。サーバ1は、収集したユーザUの取引情報に基づいて、ユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況を推定する。例えば、サーバ1は、ユーザUについて「健康食を好む」、「生活圏外でのATM操作」と推定する。そして、サーバ1は、推定されたユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況に基づいて、ATM2操作時のユーザUにとって適切な広告情報を、広告情報が記憶されたデータベースから抽出する。抽出された広告情報は、出力される。取引情報の収集等についての詳細は後述する。
【0012】
(システム構成)
図2は、本実施形態の情報処理システム全体の構成例を示す図である。情報処理システムは、サーバ1と、ATM2とを備え、サーバ1とATM2は、ネットワークNを介して通信接続されている。なお、ここではサーバ1、ATM2が1つずつ示されているが、サーバ1およびATM2は複数でもよい。また、サーバ1とATM2との接続は、1対1の接続でなく、1対n(nは2以上の整数)の接続であってもよい。
【0013】
(ハードウェア構成)
図3は、本実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成の例を示す図である。サーバ1は、制御部11、記憶部12、通信制御部13、入力部14、表示部15、及び周辺機器I/F部16等をバス17等により接続して構成したコンピュータにより実現できる。ただし、これに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0014】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを示す。制御部11は、RAM(Random Access Memory)を含むものとする。CPUは、記憶部12に格納されている各種プログラムをRAMに読み出して実行する。RAMは、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令及び当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。
【0015】
記憶部12は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0016】
通信制御部13は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワーク等との通信を制御する。ネットワークは、LAN(Local Area Network)や、より広域に通信接続されたWAN(Wide Area Network)、またはインターネット等の公衆の通信回線、基地局等を含む。ネットワークは有線、無線を問わない。サーバ1はネットワークNを介してATM2と通信接続し、各種のデータを送受信可能である。
【0017】
入力部14は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置であり、入力されたデータを制御部11へ出力する。
【0018】
表示部15は、例えば、液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成され、制御部11の制御により入力された表示情報をディスプレイ装置上に表示させる。なお、入力部14及び表示部15は、出力画面にタッチパネル等の入力装置を一体的に設けたタッチパネルディスプレイとしてもよい。
【0019】
周辺機器I/F(インターフェース)部16は、周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部16を介して周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部16は、USB等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
【0020】
バス17は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0021】
このような図3のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1で後述する各種処理の実行が可能になる。
【0022】
(機能構成)
図4は、本実施形態に係るサーバ1の機能的構成の例を示す機能ブロック図である。 図4において、サーバ1は、制御部11と、記憶部12と、通信制御部13と、その他機能(図4での図示は省略)とを備えて構成される。
【0023】
サーバ1の制御部11においては、取得部111と、収集部112と、推定部113と、抽出部114と、出力部115とが機能する。
【0024】
取得部111は、ATM2からユーザ特定情報およびATM特定情報を取得する。取得されたユーザ特定情報およびATM特定情報は、後述する利用情報DB(データベース)122に格納される。
取得部111は、本人証明媒体が挿入されたことに応じてユーザUの情報を取得する自動機器からユーザ特定情報および自動機器特定情報を取得してもよい。これにより、本サービスを適用し得る対象が拡がり得る。また、本人証明媒体は、金融機関より発行された本人証明媒体であってもよい。
【0025】
ここで、ユーザ特定情報とATM特定情報について、図6および図7を参照してもう少し説明する。
取得部111により取得されるユーザ特定情報とは、ユーザUの口座番号に係る情報をいう。ユーザ特定情報、即ち、ユーザUの口座番号に係る情報は、店名、ユーザUの預金種目(普通、当座等)、口座番号の3つから特定されるものとする。
図6は、本実施形態に係る記憶部12に格納されるデータ構成例を示す図その1である。具体的には、ユーザUの口座番号をキーとして、後述する収集部112により収集され得る情報600が示されている。換言すると、ユーザUの口座番号には、図6に示される種々の情報が紐づいていることになる。
【0026】
図6(a)には、ユーザUの金融機関への届出住所(以下、届出住所という)、取引種別、取引金額、残高、マイナンバー等が示されている。図6(a)に示される種々の情報は、後述する利用情報DB122に格納されている。マイナンバーについては、後述する納税情報DB125に格納されてもよい。
なお、詳細は後述するが、収集部112による種々の情報の収集には、マイナンバーもキーとされ得る。ユーザUの口座番号とマイナンバーとは相互に紐づいている。このため、収集部112による種々の情報の収集が容易になり得る。
【0027】
図6(b)には、届出住所、クレジット番号、カード利用額、利用店舗等が示されている。図6(b)に示される種々の情報は、後述する決済情報DB123に格納されている。図6(c)には、歩数、保険情報等が示されている。図6(c)に示される種々の情報は、後述する健康情報DB124に格納されている。
【0028】
取得部111により取得されるATM特定情報とは、ユーザUが利用したATM2のATM番号である利用ATM番号(以下、利用ATM番号という)を示す情報をいう。図7は、本実施形態に係る記憶部12に格納されるデータ構成例を示す図その2である。具体的には、利用ATM番号をキーとして、後述する収集部112により収集され得る情報700が示されている。換言すると、利用ATM番号には、図7に示される種々の情報が紐づいていることになる。
図7には、ATM番号、ATM設置住所、ATM設置近隣施設情報等が示されている。図7に示される種々の情報は、後述するATM情報DB121に格納されている。
【0029】
取得部111がユーザ特定情報(ユーザUの口座番号)およびATM特定情報(利用ATM番号)を取得したことに応じて、後述の収集部112による各DBに格納された種々の情報の収集が開始されることになる。
【0030】
収集部112は、取得したユーザUを特定する情報および自動機器を特定する情報に基づいて、ユーザUの取引情報を収集する。具体的には、収集部112は、取得部111によって取得されたユーザ特定情報およびATM特定情報に基づいて、ユーザUの取引情報を収集する。より具体的には、収集部112は、利用情報DB122から、取得部111により取得されたユーザ特定情報およびATM特定情報を取り出し、これをキーとして、利用情報DB122、後述するATM情報DB121、決済情報DB123、健康情報DB124、および納税情報DB125の夫々を参照して、前述の各種情報を収集する。ここでは、収集部112により収集された各種情報を総じて「ユーザUの取引情報」というものとする。
収集部112は、前述のDBのうちの一部のみを参照してユーザUの取引情報を収集してもよいものとする。ただし、ユーザUの取引情報に含まれる、ユーザUの決済情報、健康情報、納税情報のいずれか少なくとも1つは、収集部112により収集される。また、ユーザUの取引情報には、届出住所も含まれる。多様な情報をユーザUの取引情報に含むことにより、後述する推定部113によるユーザUの特性、ユーザUのATM2操作時の状況の推定精度が向上し得る。
【0031】
例えば、収集部112は、利用ATM番号をキーとして、ATM情報DB121から、ATM2の設置住所、ATM2の設置近隣施設情報等を収集する。ATM2の設置近隣施設情報として、例えば、ATM2の近隣に病院やスーパーがあるというような情報が挙げられる。
例えば、利用ATM番号が○○〇であった場合、収集部112は、ATM情報DB121を参照して、まず該当ATM番号を見つける。次に、そのATM番号に紐づいているATM設置住所、ATM設置近隣施設情報を確認する。このようにして、収集部112は、例えば、「○○区××丁目のATM2で、近隣には病院がある」という情報を収集する。
【0032】
また例えば、収集部112は、ユーザUの口座番号をキーとして、利用情報DB122から、ユーザUが行った取引の種別(例えば、出金)、取引した金額等を収集する。例えば、ユーザUの口座番号が××××であった場合、収集部112は、利用情報DB122を参照して、まず該当口座番号を見つける。次に、その口座番号に紐づいている取引種別等を確認する。このようにして、収集部112は、例えば、「出金、金額1万円」という情報を収集する。
【0033】
また例えば、収集部112は、ユーザUの口座番号をキーとして、決済情報DB123から、ユーザUのクレジット番号やカード利用額、利用店舗等を収集する。例えば、ユーザUの口座番号が××××であった場合、収集部112は、決済情報DB123を参照して、まず該当口座番号を見つける。次に、その口座番号に紐づいているクレジット利用額や利用店舗を確認する。このようにして、収集部112は、例えば、ATM2の操作を行ったユーザUがよく利用する店舗の情報を収集する。
【0034】
また例えば、収集部112は、ユーザUの口座番号をキーとして、健康情報DB124から、ユーザUの歩数(例えば、1日あたりの平均歩数等)や保険情報等を収集する。例えば、ユーザUの口座番号が××××であった場合、収集部112は、健康情報DB124を参照して、まず該当口座番号を見つける。次に、その口座番号に紐づいている歩数や保険情報等を確認する。このようにして、収集部112は、例えば、ATM2の操作を行ったユーザUの1日の歩数(例えば、1万歩以上)を収集する。
【0035】
また例えば、収集部112は、ユーザUのマイナンバーをキーとして、納税情報DB125から、ユーザUの納税に係る情報を収集する。例えば、ユーザUのマイナンバーが△△△△であった場合、収集部112は、納税情報DB125を参照して、まず該当マイナンバーを見つける。次に、マイナンバーに紐づいているふるさと納税情報や納税額等を確認する。このようにして、収集部112は、例えば、「ユーザUがふるさと納税を利用して特定商品をよく購入している」という情報を収集する。
【0036】
ここで、ユーザUのマイナンバーに係る情報について、図8を参照してもう少し説明する。図8は、本実施形態に係る記憶部12に格納されるデータ構成例を示す図その3である。具体的には、ユーザUのマイナンバーをキーとして、収集部112により収集され得る情報800が示されている。換言すると、ユーザUのマイナンバーには、図8に示される種々の情報が紐づいていることになる。図8に示される種々の情報は、納税情報DB125に格納されている。
図8には、口座番号、氏名、住所、生年月日、マイナンバーカード発行有無、納税額、ふるさと納税情報、マイナンバーを活用したふるさと納税制度利用有無等が示されている。収集部112は、ユーザUのマイナンバーをキーとして、これら種々の情報を収集し得る。なお、ユーザUの口座番号とマイナンバーとは紐づいているため、収集部112は、ユーザUの口座番号をキーとして、マイナンバーに紐づく種々の情報を収集することも可能である。
【0037】
ユーザUのマイナンバーと、本サービスの提供者(例えば、金融機関。図示せず)との関係を簡略に説明する。例えば、ユーザUが金融機関にて投資信託や外国送金等を行う場合には、マイナンバーの金融機関への提示が義務付けられている。このため、金融機関は、ユーザUのマイナンバーに係る情報を取得し得る。また、ユーザUがふるさと納税の寄附金や税金の納付を金融機関にて行う場合がある。このため、金融機関は、当該納付に係る情報を取得し得る。このようなことから、本サービスにて、ユーザUのマイナンバーをキーとして、収集部112がユーザUの納税に係る種々の情報を収集することができる。 なお、本サービスの提供者は、所定条件下、例えば納税額、ふるさと納税情報、マイナンバーカード発行有無、マイナンバーを活用したふるさと納税制度利用有無について外部サーバからこれを取得し、納税情報DB125に格納してもよい。
【0038】
ユーザUの口座番号および利用ATM番号をキーとして各種DBから収集部112により収集されたユーザUの取引情報は、後述する推定部113に引き渡される。推定部113は、収集部112から取得したユーザUの取引情報に基づいて推定を行う。
なお、収集部112が収集したユーザUの取引情報を格納する取引情報DB(図示せず)が別途設けられてもよい。この場合、推定部113は、当該取引情報DBからユーザUの取引情報を取得し、推定を行う。
【0039】
推定部113は、収集されたユーザUの取引情報に基づいて、少なくともユーザUの特性およびユーザUの自動機器の操作時の状況を推定する。具体的には、推定部113は、収集部112により収集されたユーザUの取引情報に基づいて、少なくともユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況を推定する。
ここでユーザUの特性とは、ユーザU特有の性質をいう。ユーザUの特性には、例えば、ユーザUの年齢、性別等の他、ライフスタイル、趣味嗜好、資産、生活圏等が含まれ得る。
【0040】
推定部113は、例えば、次のような推定を行う。推定部113が行う推定には、所定の機械学習モデルを用いてもよい。
【0041】
(1)健康食好き、土地勘のない土地でのATM操作を推定
例えば、収集部112により収集されたユーザUの取引情報が、「○○区××丁目のATM2を利用」、「△△店を週4日以上利用」であったとする。△△店は、健康食を提供する店である。例えば、前述のモデルは、「週に4度以上健康的な食事を提供する店を利用する」という入力がされると、「健康食好き」と出力するよう学習しているとする。推定部113は、ユーザUの前述の取引情報をモデルへ投入する。そして、推定部113は、ユーザUが健康食好きであるという出力を得る。このようにして、推定部113は、「健康食好き」であるというユーザUの特性を推定する。
また、推定部113は、例えば、ユーザUの届出住所から、ユーザUのATM2の操作時の状況を推定する。例えば、推定部113は、利用情報DB122を再度参照し、ユーザUの届出住所を確認する。推定部113は、この届出住所と、ユーザUの前述の取引情報「○○区××丁目のATM2を利用」を比較する。比較の結果、届出住所とATM2の設置住所との距離が、例えば所定の閾値(例えば、車で1時間以上の距離)以上の場合、推定部113は、「ユーザUが生活圏外にいる」と推定する。この例では、ユーザUの届出住所は東京都内であり、ATM2の設置住所(○○区××丁目)は大阪府の住所であるとする。東京都と大阪府とは車で1時間以上の距離である。このため、推定部113は、ユーザUのATM2の操作時の状況を、「ユーザUは生活圏外にいる(土地勘のない土地にいる)」と推定する。
【0042】
(2)家族が入院、土地勘のない土地でのATM操作を推定
例えば、収集部112により収集されたユーザUの取引情報が、「ATM番号○○〇のATM2での操作」、「2万円の出金」、であったとする。また、ATM番号○○〇のATM2の近隣には、病院やスーパーが在るものとする。前述したモデルは、「近隣に病院がある場所にて2万円以上の当人による出金」という入力がされると、「家族が入院している」と出力するよう学習しているとする。推定部113は、ユーザUの前述の取引情報をモデルへ投入する。そして、推定部113は、「家族が入院している」という出力を得る。このようにして、推定部113は、「家族が入院している」というユーザUの特性を推定する。
この例では、届出住所は東京都内であり、ATM番号○○〇のATM2の設置住所は静岡県であるとする。届出住所とATM2の設置住所との距離は閾値以上であるため、推定部113は、「ユーザUは生活圏外にいる(土地勘のない土地にいる)」と推定する。
【0043】
(3)ふるさと納税を利用、生活圏内でのATM操作を推定
例えば、収集部112により収集されたユーザUの取引情報が、「ふるさと納税制度利用有」、「複数の自治体への寄附金有」であったとする。例えば、前述のモデルは、「ふるさと納税制度にて複数の寄附金納付」という入力がされると、「節約嗜好有」と出力するよう学習しているとする。推定部113は、ユーザUの前述の取引情報をモデルへ投入する。そして、推定部113は、ユーザUに節約嗜好が有るという出力を得る。このようにして、推定部113は、「節約嗜好有(節約家)」であるというユーザUの特性を推定する。
この例では、届出住所は東京都内であり、ATM2の設置住所も、届出住所から車で1時間未満の場所であるとする。届出住所とATM2の設置住所との距離が閾値未満であるため、推定部113は、「ユーザUは生活圏内にいる(土地勘のある土地にいる)」と推定する。
【0044】
なお、前述の推定例はあくまで一例である。例えば、他のアルゴリズムを用いた推定がなされてもよい。また、ユーザUのATM2の操作時の状況を推定するにあたって、例えばATM2がユーザUにより操作された時刻を基に推定がなされてもよい。
【0045】
推定部113により推定されたユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況は、後述する抽出部114に引き渡される。抽出部114は、これに基づきATM2操作時のユーザUに適切な広告情報の抽出を行う。
【0046】
抽出部114は、推定されたユーザUの特性およびユーザUの自動機器の操作時の状況に基づいて、広告情報を格納する記憶部から、自動機器の操作時のユーザUに適切な広告情報を抽出する。具体的には、抽出部114は、推定されたユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況に基づいて、広告情報を格納する後述の広告情報DB126から、ATM2操作時のユーザUに適切な広告情報を抽出する。より具体的には、抽出部114は、推定されたユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況を推定部113より取得し、これらの情報と広告情報DB126に格納されている広告情報とを参照して、ATM2操作時のユーザUに適切な広告情報を抽出する。
【0047】
抽出部114によるATM2操作時のユーザUに適切な広告情報が抽出される例を説明する。抽出部114は、例えば、まずユーザUの特性とユーザUのATM2の操作時の状況を確認する。抽出部114は、次に、広告情報DB126に格納されている広告情報を確認する。そして、抽出部114は、例えば、ユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況を条件として、所定の探索アルゴリズムを用いて、広告情報DB126からATM2操作時のユーザUに適切な広告情報を抽出する。
【0048】
具体例を説明する。
前述の推定例(1)のユーザUに対する広告情報の抽出を説明する。例えば、広告情報DB126には、健康的な食事を提供する店に関する広告情報が格納されている。例えば、当該広告情報には、店舗の住所、所在地を表す地図、提供する食事のメニュー、値段、系列店等の情報が含まれている。本例におけるユーザUの特性は「健康食好き」である。また、ATM2の操作時の状況は「土地勘のない土地でのATM操作」である。抽出部114は、前述の抽出方法を実行し、この健康的な食事を提供する店を紹介する広告情報を、ATM2操作時のユーザUに適切な広告として、広告情報DB126から抽出する。この抽出された広告情報により、ユーザUは、土地勘のない土地で健康食を提供する店を探す手間を省くことができる。
【0049】
前述の推定例(2)のユーザUに対する広告情報の抽出を説明する。例えば、広告情報DB126には、病院の近隣に所在するスーパーに関する広告情報が格納されている。例えば、当該広告情報には、店舗の住所、所在地を表す地図、お買得商品、営業時間等の情報が含まれている。本例におけるユーザUの特性は「家族が入院」である。また、ATM2の操作時の状況は「土地勘のない土地でのATM操作」である。抽出部114は、前述の抽出方法を実行し、この病院の近隣に所在するスーパーを紹介する広告情報を、ATM2操作時のユーザUに適切な広告として、広告情報DB126から抽出する。この抽出された広告情報により、ユーザUは、土地勘のない土地で入院に必要な日用品を購入可能なスーパーを探す手間を省くことができる。
【0050】
前述の推定例(3)のユーザUに対する広告情報の抽出を説明する。例えば、広告情報DB126には、例えばスーパー(前述のスーパーとは異なるスーパー)に関する広告情報が格納されている。例えば、当該広告情報には、プライベートブランド商品、催し物(例えば、マイナンバーカード普及促進のための催し物等)の情報等が含まれている。本例におけるユーザUの特性は「節約嗜好有(節約家)」である。また、ATM2の操作時の状況は「土地勘のある土地でのATM操作」である。抽出部114は、前述の抽出方法を実行し、このスーパーを紹介する広告情報を、ATM2操作時のユーザUに適切な広告として、広告情報DB126から抽出する。この抽出された広告情報により、ユーザUは、例えば、ふるさと納税制度を利用して購入している特定の商品よりも、スーパーのプライベートブランド商品の方が安価であることを知ることができる。また、ユーザUがマイナンバーカードを申請していない場合には、この抽出された広告情報を目にすることで、マイナンバーカードへの意識が高まり得る。
【0051】
なお、抽出部114により抽出される広告情報の数は限定されない。抽出部114は、例えば、ユーザUに適切な広告情報を1つまたは複数抽出してもよい。また、抽出部114は、例えば、ユーザUの年齢、資産等を条件に追加する等した抽出方法を実行して、ユーザUに適切な広告情報を抽出してもよい。
【0052】
抽出部114により抽出されたATM2操作時のユーザUに適切な広告情報は、後述する出力部115に引き渡される。出力部115は、抽出部114から取得したATM2操作時のユーザUに適切な広告情報を出力する。
【0053】
出力部115は、抽出されたユーザUに適切な広告情報を、少なくとも自動機器に出力する。具体的には、出力部115は、抽出部114により抽出されたATM2操作時のユーザUに適切な広告を、少なくともATM2に出力する。
出力部115によるユーザUに適切な広告情報の出力態様は、限られない。例えば、出力部115は、広告情報を、二次元コードの態様で出力してもよい。
また例えば、本サービスに係るアプリケーションがユーザU所有の端末にインストールされ起動している場合には、出力部115は、ユーザUに適切な広告情報をユーザU所有の端末へ出力してもよい。例えば、出力部115は、ユーザUに適切な広告情報を、ユーザU所有の端末の表示画面上に表示する態様で出力してもよい。出力部115は、ユーザUに適切な広告情報を、例えばユーザUのメールアドレスに送信するという態様で出力してもよい。
また例えば、出力部115は、ユーザUがATM2利用終了後に受領する明細書に、クーポン券を印刷する態様で出力してもよい。出力部115は、クーポン情報を記録した二次元コードを当該明細書に印刷する態様で出力してもよい。
出力部115は、出力先(ATM2やユーザU所有の端末)によって出力する広告情報を変えてもよい。また、出力部115は、ATM2には1つ、ユーザU所有の端末には2つ、というように、出力先によって出力する広告情報の数を変えてもよい。
【0054】
サーバ1の記憶部12の一領域には、ATM情報DB121と、利用情報DB122と、決済情報DB123と、健康情報DB124と、納税情報DB125と、広告情報DB126とが設けられている。
【0055】
ATM情報DB121は、ATM2に関する情報を格納する。ATM2に関する情報には、ATM番号、ATM設置住所、ATM設置近隣施設情報等が含まれる。例えば、「ATM番号○○〇」、「○○区××丁目に設置」、「設置住所近隣に病院有」等の情報が格納される。
【0056】
利用情報DB122は、ユーザUのATM2の利用に関する情報を格納する。ユーザUのATM2の利用に関する情報には、例えば、利用ATM番号、ユーザUの口座番号、取引種別、取引金額等が含まれる。これら種々の情報は、例えば、ユーザUのATM2の操作と同時にサーバ1に取得され、利用情報DB122に格納される。なお、ユーザUの口座番号に紐づいている届出住所、残高については、本サービスの提供者により予め利用情報DB122に格納される。
【0057】
決済情報DB123は、ユーザUの決済に関する情報を格納する。ユーザUの決済に関する情報とは、ユーザUが何らかの手法で決済を行った際にサーバ1が取得し得る情報をいう。例えば、決済情報としては、ユーザUが物品の購入を本サービスの提供者発行のクレジットカードで決済した場合に、サーバ1が取得する情報が挙げられる。具体的には、ユーザUの決済に関する情報には、例えば、口座番号、届出住所、クレジット番号、カード利用額、利用店舗等が含まれる。
【0058】
健康情報DB124は、ユーザUの健康に関する情報を格納する。ユーザUの健康に関する情報には、例えば、口座番号、歩数(例えば、1日あたりの平均歩数等)、保険情報(例えば、医療保険、介護保険等)等が含まれる。
【0059】
納税情報DB125は、ユーザUの納税に関する情報を格納する。ユーザUの納税に関する情報には、マイナンバー、口座番号、氏名、住所、生年月日、マイナンバーカード発行有無、納税額、ふるさと納税情報、マイナンバーを活用したふるさと納税制度利用有無等が含まれる。なお、本サービスの提供者は、所定条件下、例えば納税額、ふるさと納税情報、マイナンバーカード発行有無、マイナンバーを活用したふるさと納税制度利用有無について外部サーバからこれを取得し、納税情報DB125に格納してもよい。
【0060】
ATM情報DB121、利用情報DB122、決済情報DB123、健康情報DB124、および納税情報DB125に格納された種々の情報は、収集部112によるユーザUの取引情報の収集に用いられる。また、利用情報DB122、決済情報DB123に格納されたユーザUの届出住所については、推定部113による推定に利用され得る。各種情報は、本サービスの提供者により予め格納されてよい。
【0061】
広告情報DB126は、広告情報を格納する。広告情報は、ここでは、広告主から提供され、本サービスの提供者により広告情報DB126に格納されることとする。
広告情報には、例えば、広告主がターゲットとしたいターゲット層や広告内容等が含まれる。具体的には、広告情報には、ターゲットの年齢層、資産、趣味趣向、マーケットエリア(地域、生活圏内、生活圏外)、広告内容(例えば、店舗、店舗一覧、店舗住所、所在地を表す地図、提供メニュー、値段、系列店、店舗の雰囲気、店舗の写真、お買得商品、営業時間、プライベートブランド商品、催し物、クーポン等)等が含まれる。
広告情報DB126に格納された種々の情報は、抽出部114による、ATM2の操作時のユーザUに適切な広告の抽出に用いられる。
なお、広告情報DB126には、後述のユーザUの釦の押下を示す情報も格納されてよいこととする。
【0062】
(処理内容)
図5は、本実施形態に係るサーバ1が実行する処理の流れの例を示すフローチャートである。
ステップS1において、取得部111は、ATM2からユーザ特定情報およびATM特定情報を取得する。取得されたユーザ特定情報およびATM特定情報は、利用情報DB122に格納される。
取得部111は、例えば、本人証明媒体が挿入されたことに応じてユーザUの情報を取得する自動機器から、ユーザ特定情報および自動機器特定情報を取得してもよい。これにより、本サービスを適用し得る対象が拡がり得る。本人証明媒体は、金融機関より発行された本人証明媒体であってよい。
取得部111によるATM2からのユーザ特定情報およびATM特定情報の取得に応じて、収集部112によるユーザUの取引情報の収集が開始される。
【0063】
ステップS2において、収集部112は、ユーザUの取引情報を収集する。収集部112は、利用情報DB122から、ステップS1にて取得されたユーザ特定情報およびATM特定情報を取り出し、これをキーとして、ATM情報DB121、利用情報DB122、決済情報DB123、健康情報DB124、および納税情報DB125の夫々を参照し、前述のキーに紐づいた各種情報を収集する。収集部112により収集された各種情報を総じて「ユーザUの取引情報」というものとする。
収集部112により収集されたユーザUの取引情報は、推定部113による推定に用いられる。
収集部112は、各種DBのうちの一部のみを参照してユーザUの取引情報を収集してもよい。ただし、ユーザUの取引情報に含まれる、ユーザUの決済情報、健康情報、納税情報のいずれか少なくとも1つは、収集部112により収集される。また、ユーザUの取引情報には、ユーザUの届出住所も含まれる。多様な情報をユーザUの取引情報に含むことにより、後述する推定部113によるユーザUの特性、ユーザUのATM2操作時の状況の推定精度が向上し得る。
ユーザUの口座番号および利用ATM番号をキーとして各種DBから収集部112により収集されたユーザUの取引情報は、推定部113に引き渡される。推定部113は、収集部112から取得したユーザUの取引情報に基づいて推定を行う。
【0064】
ステップS3において、推定部113は、収集部112により収集されたユーザUの取引情報に基づいて、ユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況を推定する。ユーザUの特性とは、ユーザU特有の性質をいう。ユーザUの特性には、例えば、ユーザUの年齢、性別等の他、ライフスタイル、趣味嗜好、資産、生活圏等が含まれ得る。
【0065】
推定部113は、例えば、「○○区××丁目のATM2を利用」、「△△店を週4日以上利用」というユーザUの取引情報から、「健康食好き」、「土地勘のない土地でのATM操作」という推定をする。推定部113はまた、例えば、「ATM番号○○〇のATM2での操作」、「2万円の出金」というユーザUの取引情報から、「家族が入院している」、「土地勘のない土地でのATM操作」という推定をする。推定部113はまた、例えば、「ふるさと納税制度利用有」、「複数の自治体への寄附金有」というユーザUの取引情報から、「節約嗜好有(節約家)」、「生活圏内でのATM操作」という推定をする。
【0066】
推定部113による推定方法は、限定されない。例えば、推定部113は、所定のアルゴリズムを用いてユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況を推定してもよい。また、推定部113は、ユーザUのATM2の操作時の状況を推定するにあたっては、例えばATM2がユーザUにより操作された時刻を基に推定してもよい。
推定部113により推定されたユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況は、抽出部114に引き渡される。抽出部114は、これに基づきATM2操作時のユーザUに適切な広告情報の抽出を行う。
【0067】
ステップS4において、抽出部114は、推定されたユーザUの特性およびATM2の操作時の状況に基づいて、広告情報を格納した広告情報DB126から、ATM2操作時のユーザUに適切な広告情報を抽出する。
抽出部114は、例えば、まずユーザUの特性とユーザUのATM2の操作時の状況を確認する。抽出部114は、次に、広告情報DB126に格納されている広告情報を確認する。そして、抽出部114は、例えば、ユーザUの特性およびユーザUのATM2の操作時の状況を条件として、所定の探索アルゴリズムを用いて、広告情報DB126からATM2操作時のユーザUに適切な広告情報を抽出する。
【0068】
抽出部114は、例えば、「健康食好き」というユーザUの特性および「生活圏外でのATM操作」という推定部113の推定に基づいて、広告情報DB126から、例えば、健康的な食事を提供する店に関する広告情報を抽出する。例えば、当該広告情報には、店舗の住所、所在地を表す地図、提供する食事のメニュー、値段、系列店等の情報が含まれている。この抽出された広告情報により、ユーザUは、土地勘のない土地で健康食を提供する店を探す手間を省くことができる。
【0069】
抽出部114はまた、「家族が入院」というユーザUの特性および「土地勘のない土地でのATM操作」という推定部113の推定に基づいて、広告情報DB126から、病院の近隣に所在するスーパーに関する広告情報を抽出する。当該広告情報には、店舗の住所、所在地を表す地図、お買得商品、営業時間等の情報が含まれている。この抽出された広告情報により、ユーザUは、土地勘のない土地で入院に必要な日用品を購入可能なスーパーを探す手間を省くことができる。
【0070】
抽出部114はまた、「節約嗜好有(節約家)」というユーザUの特性および「土地勘のある土地でのATM操作」という推定部113の推定に基づいて、広告情報DB126から、スーパー(前述のスーパーとは異なるスーパー)に関する広告情報を抽出する。当該広告情報には、プライベートブランド商品、催し物(例えば、マイナンバーカード普及促進のための催し物等)の情報等が含まれている。この抽出された広告情報により、ユーザUは、例えば、ふるさと納税制度を利用して購入している特定の商品よりも、スーパーのプライベートブランド商品の方が安価であることを知ることができる。また、ユーザUがマイナンバーカードを申請していない場合には、この抽出された広告情報を目にすることで、マイナンバーカードへの意識が高まり得る。
【0071】
抽出部114により抽出される広告情報の数は限定されない。抽出部114は、例えば、ユーザUに適切な広告情報を1つまたは複数抽出してもよい。また、抽出部114は、例えば、ユーザUの年齢、資産等を条件に追加する等した抽出方法を実行して、ユーザUに適切な広告情報を抽出してもよい。
【0072】
抽出部114により抽出されたATM2操作時のユーザUに適切な広告情報は、出力部115に引き渡される。出力部115は、抽出部114から取得したATM2操作時のユーザUに適切な広告情報を出力する。
【0073】
ステップS5において、出力部115は、抽出部114により抽出されたATM2の操作時のユーザUに適切な広告情報を、少なくともATM2に出力する。出力部115は、例えば、二次元コードの態様で広告情報を出力してもよい。
ユーザU所有の端末に、本サービスに係るアプリケーションがインストールされ起動されている場合には、出力部115は、ユーザU所有の端末へ抽出された広告情報を出力してもよい。例えば、出力部115は、ユーザUに適切な広告情報を、ユーザU所有の端末の表示画面上に表示する態様で出力してもよい。出力部115は、ユーザUに適切な広告情報を、例えばユーザUのメールアドレスに送信するという態様で出力してもよい。
出力部115は、ユーザUがATM2利用終了後に受領する明細書に、クーポン券を印刷する態様で出力してもよい。出力部115は、クーポン情報を記録した二次元コードを当該明細書に印刷する態様で出力してもよい。
出力部115は、出力先(ATM2やユーザU所有の端末)によって出力する広告情報を変えてもよい。また、出力部115は、ATM2には1つ、ユーザUが保有する端末には2つというように、出力先によって出力する広告情報の数を変えてもよい。
【0074】
(表示例)
図9は、本実施形態に係るサーバ1により出力される広告情報の表示例を示す図である。図9(a)では、ATM2の操作画面Gに、広告情報が出力されている。図9(a)では、××スーパーでの、〇月〇日~〇月△日のお買得商品を示す情報が示されている。例えば、洗剤が30%OFF、ハンドタオルが20%OFF、ハブラシが10%OFFというように、購買を促す情報が示されている。この広告情報は、例えば、前述した、家族が入院し土地勘のない土地でのATM2の操作を行ったユーザUにとって有益である。ユーザUは、この広告情報に基づいて、当該広告情報を得なかった時と比べて、家族の入院に必要な日用品を安く買うことができるからである。
【0075】
図9(b)では、ATM2の操作画面Gに二次元コードの態様で広告情報が出力されている。この二次元コードには、例えば、前述の××スーパーの広告内容が記録されている。図9(c)では、ATM2利用終了後にユーザUが受領する明細書に、二次元コードの態様で広告情報が出力されている。この二次元コードには、例えば、前述の××スーパーでの広告内容が記録されている。この二次元コードには、××スーパーで利用可能なクーポン情報が記録されてもよい。なお、ユーザUがATM2利用終了後に受領する明細書にクーポン券が印刷される態様で広告情報が出力されてもよい。
【0076】
図9(b)、(c)に示されるように、広告情報は、二次元コードの態様で出力されてもよい。広告情報が二次元コードの態様で出力された場合、ユーザUは、例えば、ユーザU所有の端末を用いて当該広告情報を取得し得る。
本サービスに係るアプリケーションがユーザU所有の端末にインストールされ起動している場合には、ユーザU所有の端末へ広告情報が出力されてもよい。
【0077】
広告情報には、広告情報の有益性を確かめる情報が含まれていてよい。例えば、「役に立った」、「役に立たない」等の文字情報が広告情報に含まれ得る。ユーザUは、広告情報が役に立ったと感じた場合に、例えばATM2の操作画面Gに表示された「役に立った」という釦を押下する。ユーザUが釦を押下することに応じて当該押下を示す情報がATM2よりサーバ1へ送信され、例えば、広告情報DB126に格納される。これにより、広告主は、提供した広告情報の有益性を確かめることができる。即ち、広告情報の有益性を確かめる情報の付加は、広告主とユーザUとのコミュニケーションを円滑化する一助となり得る。
【0078】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成及び細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 通信制御部
111 取得部
112 収集部
113 推定部
114 抽出部
115 出力部
121 ATM情報DB
122 利用情報DB
123 決済情報DB
124 健康情報DB
125 納税情報DB
126 広告情報DB
【要約】
【課題】ユーザの特性を考慮した、ユーザに寄り添った広告情報を抽出することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、本人証明媒体が挿入されたことに応じてユーザの情報を取得する自動機器から前記ユーザを特定する情報および前記自動機器を特定する情報を取得する取得部と、取得した前記ユーザを特定する情報および前記自動機器を特定する情報に基づいて、前記ユーザの取引情報を収集する収集部と、収集された前記取引情報に基づいて、少なくとも前記ユーザの特性および前記ユーザの前記自動機器の操作時の状況を推定する推定部と、推定された前記ユーザの特性および前記状況に基づいて、広告情報を格納する記憶部から、前記自動機器の操作時の前記ユーザに適切な広告情報を抽出する抽出部と、を備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9