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特許7539566電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システム
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/12 20160101AFI20240816BHJP
   B60K 6/28 20071001ALI20240816BHJP
   B60K 6/46 20071001ALI20240816BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240816BHJP
   B60L 50/62 20190101ALI20240816BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20240816BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20240816BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B60W20/12
B60K6/28
B60K6/46 ZHV
B60L15/20 J
B60L50/62
B60L53/80
B60L58/12
G01C21/36
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023519176
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2020139124
(87)【国際公開番号】W WO2022068100
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】202011066317.7
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】李 書福
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-259252(JP,A)
【文献】特開平11-341606(JP,A)
【文献】特開平03-155308(JP,A)
【文献】特開2008-265666(JP,A)
【文献】国際公開第2008/044516(WO,A1)
【文献】特開平08-237810(JP,A)
【文献】特開2013-219909(JP,A)
【文献】特開2017-175810(JP,A)
【文献】国際公開第2018/000682(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104973057(CN,A)
【文献】中国実用新案第211106988(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 20/12
B60K 6/28
B60K 6/46
B60L 15/20
B60L 50/62
B60L 53/80
B60L 58/12
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
迅速に切り替わって単独で主動力システムとして機能可能な電池交換式駆動システムと航続距離拡張式駆動システムとが設けられた電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法であって、
前記航続距離拡張式駆動システムは、燃料補給所で燃料を補給することができるレンジエクステンダと駆動モータとを含み、
前記電池交換式駆動システムは、電池交換所で迅速に取り外して交換することができる高速交換電池と、前記駆動モータとを含み、
ユーザが車両を起動する際に、車両のリアルタイム位置を取得し、ユーザに長距離走行又は短距離走行を選択するか目的地を設定するよう促し、ユーザの選択に応じて、前記電池交換式駆動システム及び/又は前記航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替えるステップを含み、
ユーザの選択に応じて、前記電池交換式駆動システム及び/又は前記航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替えるステップは、車両にロードされたオフライン地図又はオンライン地図や車両のナビゲーション情報により、車両の目的地を得ることができ、
短距離走行が選択されるか、又は目的地が短距離走行範囲に入った場合、車両周辺の電池交換所の分布情報を取得し、電池交換所があれば、電池交換モードに切り替えて前記電池交換式駆動システムを使用し、電池交換所がなければ、航続距離拡張モードに切り替えて前記航続距離拡張式駆動システムを使用するステップと、
長距離走行が選択されるか、又は目的地が長距離走行範囲に入った場合、前記車両の総走行推定量を決定し、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするステップと、を含むエネルギー補給方法。
【請求項2】
前記車両の即時情報は、電池搭載状態と総走行残量を含み、
前記エネルギー補給計画は、電池交換所及び燃料補給所の分布、リアルタイム燃料価格及び電力価格に応じて決定された、ユーザが選択するための降順の複数の価格帯のエネルギー補給計画を含む、請求項1に記載のエネルギー補給方法。
【請求項3】
長距離電池動作モードをさらに含み、
車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするステップは、
長距離走行の場合の推奨エネルギー補給計画において電池交換所の数が少ないか無い場合、ユーザに長距離電池作動モードを推奨し、最も近い電池交換所で前記高速交換電池を取り外ようユーザに促す、請求項1に記載のエネルギー補給方法。
【請求項4】
短距離電池動作モードをさらに含み
距離走行の場合の推奨エネルギー補給計画において電池交換所の数が多いか、日常走行距離が短い場合、ユーザに短距離電池作動モードを推奨し、最も近い電池交換所で大容量の高速交換電池を取り外し、日常走行距離に合った小容量の高速交換電池に交換するようユーザに促すステップを含む、請求項1に記載のエネルギー補給方法。
【請求項5】
前記総走行推定量は、前記車両が現在の位置から前記目的地に到達する第1走行推定量と、前記車両が前記目的地から前記目的地の周辺の目的電池交換所又は目的燃料補給所に到達する第2走行推定量とを含み、
前記車両の電池搭載状態は、前記高速交換電池が前記車両に搭載されていることを示す第1搭載状態を含み、
前記第1搭載状態では、前記総走行残量は、前記高速交換電池の第1走行残量と、前記レンジエクステンダの第2走行残量との合計であり、
車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定するステップは、
前記第1搭載状態では、前記第1走行残量が前記第1走行推定量以上であり、かつ、前記総走行残量が前記総走行推定量以上である場合、前記車両に対するエネルギー補給が不要であると判定するステップと、
前記第1走行残量が前記第1走行推定量以上であり、かつ、前記総走行残量が前記総走行推定量未満である場合、前記目的地への走行の途中で前記車両に対するエネルギー補給が必要であると判定し、対応するエネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするステップと、を含む、請求項2に記載のエネルギー補給方法。
【請求項6】
前記第1走行推定量、前記第2走行推定量、前記第1走行残量及び前記第2走行残量は走行距離又は時間で表す、請求項5に記載のエネルギー補給方法。
【請求項7】
車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定するステップは、
前記第1搭載状態では、前記第1走行残量が、前記第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、前記第1走行推定量未満であるとともに、前記総走行残量が前記総走行推定量以上である場合、前記車両が現在の位置から前記目的地までの走行途中に前記高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するステップと、
前記第1走行残量が、前記第1走行推定量と前記予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、前記第1走行推定量未満であるとともに、前記総走行残量が前記総走行推定量未満である場合、前記車両が前記車両の現在の位置に最も近い燃料補給所に走行して燃料を補給する必要があると判定するステップと、
前記第1走行残量が、前記第1走行推定量と前記予め設定された割合閾値との積未満である場合、前記車両が現在の位置から前記目的地までの走行途中に前記高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するステップと、を含む、請求項5に記載のエネルギー補給方法。
【請求項8】
前記車両の即時情報は、前記車両の現在の位置と前記目的地との間の道路状況情報をさらに含み、
前記車両が走行途中に前記高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定する前に、
前記道路状況情報に基づいて渋滞区間を決定するステップをさらに含み、
前記車両が走行途中に前記高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するステップは、
前記車両が前記渋滞区間に到達する前に、前記高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するステップを含む、請求項7に記載のエネルギー補給方法。
【請求項9】
前記電池搭載状態は、前記高速交換電池が前記車両から取り外されたことを示す第2搭載状態をさらに含み、
前記車両の即時情報は、前記車両の現在の位置と前記目的地との間の道路状況情報をさらに含み、
車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定するステップは、
前記第2搭載状態では、前記道路状況情報に基づいて、前記車両の現在の位置と前記目的地との間の道路が順調であるか否かを判断するステップと、
前記車両の現在の位置と前記目的地との間の道路が順調ではない場合、前記道路状況情報に基づいて渋滞区間を決定し、前記渋滞区間の予測渋滞時間を取得するステップと、
前記予測渋滞時間が予め設定された時間閾値以上であるか否かを判断し、時間閾値以上である場合、前記車両が前記渋滞区間に到達する前に前記電池交換所に行って前記高速交換電池を搭載する必要があると判断するステップと、
前記車両の現在の位置と前記目的地との間の道路が順調である場合、前記総走行残量が前記総走行推定量以上であるか否かを判断するステップと、
前記総走行残量が前記総走行推定量以上である場合、前記車両に対するエネルギー補給が不要であると判定するステップと、
前記総走行残量が前記総走行推定量未満である場合、前記車両が前記車両の現在の位置に最も近い燃料補給所に走行して燃料を補給するか、又は、前記車両の現在の位置に最も近い電池交換所に走行して前記高速交換電池を搭載する必要があると判定するステップと、を含む、請求項5に記載のエネルギー補給方法。
【請求項10】
前記車両の総走行残量は、
前記車両のエネルギー残量及び現在の運転パラメータを取得し、前記エネルギー残量及び前記現在の運転パラメータから元の総走行残量を算出し、
前記車両のユーザ習慣パラメータを取得し、前記ユーザ習慣パラメータに応じて前記元の総走行残量を補正して、前記総走行残量を得ることにより得られる、請求項2に記載のエネルギー補給方法。
【請求項11】
前記車両の総走行推定量を決定する前に、
前記車両の履歴運転データと、現在時間及び/又は前記車両の現在の位置とに基づいて、前記車両の目的地及び走行推定経路を決定するステップをさらに含み、
前記車両の総走行推定量を決定するステップは、
車両の現在の位置、前記目的地、前記走行推定経路、及び前記目的地の周辺の電池交換所及び燃料補給所の分布に基づいて、前記車両の総走行推定量を決定するステップを含む、請求項1に記載のエネルギー補給方法。
【請求項12】
迅速に切り替わって単独で主動力システムとして機能可能な電池交換式駆動システムと航続距離拡張式駆動システムとが設けられた電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給管理システムであって、
前記航続距離拡張式駆動システムは、燃料補給所で燃料を補給することができるレンジエクステンダと駆動モータとを含み、
前記電池交換式駆動システムは、電池交換所で迅速に取り外して交換することができる高速交換電池と、前記駆動モータとを含み、
ユーザが車両を起動する際に、車両のリアルタイム位置を取得し、ユーザに長距離走行又は短距離走行を選択するか又は目的地を設定するよう促すように構成される情報取得ユニットと、
ユーザの選択に応じて、前記電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替え、車両にロードされたオフライン地図又はオンライン地図や車両のナビゲーション情報により、車両の目的地を得ることができるように構成される演算切り替えユニットと、を含み、
前記演算切り替えユニットは、さらに、
短距離走行が選択されるか、又は目的地が短距離走行範囲に入った場合、前記情報取得ユニットをトリガーして、車両周辺の電池交換所の分布情報を取得し、電池交換所があれば、電池交換モードに切り替えて前記電池交換式駆動システムを使用し、電池交換所がなければ、航続距離拡張モードに切り替えて前記航続距離拡張式駆動システムを使用し、
長距離走行が選択されるか、又は目的地が長距離走行範囲に入った場合、前記車両の総走行推定量を決定し、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするように構成される、電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の技術分野、特に、電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと排出削減という2つの課題がある中で、新エネルギー車の発展は国際社会の必然的な選択となっている。電気自動車は新エネルギー車の中で極めて将来性が期待できる製品である。しかし、現在の電気自動車の走行距離は短いため、消費者には航続距離不安が存在し、それは電気自動車の購入意欲をある程度低下させてしまう。
【0003】
航続距離不安の問題を解決するために、多くの解決方法が現れており、その中の1つの有効な方法は、取り外し交換可能な電池と燃料発電機を組み合わせて直接駆動する電気自動車である。しかし、このような電気自動車に合わせて、このような電気自動車の実際の使用状況に応じた給油又は電池交換戦略を提供する方法はまだなく、自動車が目的地に到達するのに十分なエネルギーを持たないか、目的地に到達した後に給油又は電池交換のためにガソリンスタンド又は電池交換所に行くのに十分なエネルギーを持たない場合が生じやすく、ユーザのエクスペリエンスが劣る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記課題に鑑みて、上記課題を克服するか又は上記問題を少なくとも部分的に解決する、電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの目的は、車両情報と周辺の電池交換所及び燃料補給所の分布とに基づいて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替え、対応するエネルギー補給計画を決定することができる電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムを提供することである。
【0006】
本発明のさらに別の目的は、車両が目的地に到達した後に、エネルギー補給のために電池交換所又は燃料補給所に行くのに十分なエネルギーがあることを確保することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、より正確で合理的なエネルギー補給計画を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、より個人化されたより安全なエネルギー補給計画をユーザに提供することである。
【0009】
特に、本発明の実施例の一態様によれば、
迅速に切り替わって単独で主動力システムとして機能可能な電池交換式駆動システムと航続距離拡張式駆動システムとが設けられた電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法であって、
航続距離拡張式駆動システムは、レンジエクステンダと駆動モータとを含み、
電池交換式駆動システムは、電池交換所で迅速に取り外して交換することができる高速交換電池と、駆動モータとを含み、
ユーザが車両を起動する際に、車両のリアルタイム位置を取得し、ユーザに長距離走行又は短距離走行を選択するか目的地を設定するよう促し、ユーザの選択に応じて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替えるステップを含み、
ユーザの選択に応じて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替えるステップは、
短距離走行が選択されるか、又は目的地が短距離走行範囲に入った場合、車両周辺の電池交換所の分布情報を取得し、電池交換所があれば、電池交換モードに切り替えて電池交換式駆動システムを使用し、電池交換所がなければ、航続距離拡張モードに切り替えて航続距離拡張式駆動システムを使用するステップと、
長距離走行が選択されるか、又は目的地が長距離走行範囲に入った場合、車両の総走行推定量を決定し、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするステップと、を含む方法を提供する。
【0010】
好ましくは、車両の即時情報は、電池搭載状態と総走行残量を含み、
エネルギー補給計画は、電池交換所及び燃料補給所の分布、リアルタイム燃料価格及び電力価格に応じて決定された、ユーザが選択するための降順の複数の価格帯のエネルギー補給計画を含む。
好ましくは、方法は、長距離電池動作モードをさらに含み、
車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするステップは、
長距離走行の場合の推奨エネルギー補給計画において電池交換所の数が少ないか無い場合、ユーザに長距離電池作動モードを推奨し、最も近い電池交換所で高速交換電池を取り外し、重量を減らしてから高速走行を行うようユーザに促す。
【0011】
好ましくは、方法は、短距離電池動作モードをさらに含み、
車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするステップは、
短距離走行の場合の推奨エネルギー補給計画において電池交換所の数が多いか、日常走行距離が短い場合、ユーザに短距離電池作動モードを推奨し、最も近い電池交換所で大容量の高速交換電池を取り外し、日常走行距離に合った小容量の高速交換電池に交換するようユーザに促すステップを含む。
【0012】
好ましくは、総走行推定量は、車両が現在の位置から目的地に到達する第1走行推定量と、車両が目的地から目的地の周辺の目的電池交換所又は目的燃料補給所に到達する第2走行推定量とを含み、
車両の電池搭載状態は、高速交換電池が車両に搭載されていることを示す第1搭載状態を含み、
第1搭載状態では、総走行残量は、高速交換電池の第1走行残量と、レンジエクステンダの第2走行残量との合計であり、
車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定するステップは、
第1搭載状態では、第1走行残量が第1走行推定量以上であり、かつ、総走行残量が総走行推定量以上である場合、車両に対するエネルギー補給が不要であると判定するステップと、
第1走行残量が第1走行推定量以上であり、かつ、総走行残量が総走行推定量未満である場合、目的地への走行の途中で車両に対するエネルギー補給が必要であると判定し、対応するエネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするステップと、を含む。
【0013】
好ましくは、第1走行推定量、第2走行推定量、第1走行残量及び第2走行残量は走行距離又は時間で表す。
【0014】
好ましくは、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定するステップは、
第1搭載状態では、第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、第1走行推定量未満であるとともに、総走行残量が総走行推定量以上である場合、車両が現在の位置から目的地までの走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するステップと、
第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、第1走行推定量未満であるとともに、総走行残量が総走行推定量未満である場合、車両が車両の現在の位置に最も近い燃料補給所に走行して燃料を補給する必要があると判定するステップと、
第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積未満である場合、車両が現在の位置から目的地までの走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するステップと、を含む。
【0015】
好ましくは、車両の即時情報は、車両の現在の位置と目的地との間の道路状況情報をさらに含み、
車両が走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定する前に、
道路状況情報に基づいて渋滞区間を決定するステップをさらに含み、
車両が走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するステップは、
車両が渋滞区間に到達する前に、高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するステップを含む。
【0016】
好ましくは、電池搭載状態は、高速交換電池が車両から取り外されたことを示す第2搭載状態をさらに含み、
車両の即時情報は、車両の現在の位置と目的地との間の道路状況情報をさらに含み、
車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定するステップは、
第2搭載状態では、道路状況情報に基づいて、車両の現在の位置と目的地との間の道路が順調であるか否かを判断するステップと、
車両の現在の位置と目的地との間の道路が順調ではない場合、道路状況情報に基づいて渋滞区間を決定し、渋滞区間の予測渋滞時間を取得するステップと、
予測渋滞時間が予め設定された時間閾値以上であるか否かを判断し、時間閾値以上である場合、車両が渋滞区間に到達する前に電池交換所に行って高速交換電池を搭載する必要があると判断するステップと、
車両の現在の位置と目的地との間の道路が順調である場合、総走行残量が総走行推定量以上であるか否かを判断するステップと、
総走行残量が総走行推定量以上である場合、車両に対するエネルギー補給が不要であると判定するステップと、
総走行残量が総走行推定量未満である場合、車両が車両の現在の位置に最も近い燃料補給所に走行して燃料を補給するか、又は、車両の現在の位置に最も近い電池交換所に走行して高速交換電池を搭載する必要があると判定するステップと、を含む。
【0017】
好ましくは、車両の総走行残量は、
車両のエネルギー残量及び現在の運転パラメータを取得し、エネルギー残量及び現在の運転パラメータから元の総走行残量を算出し、
車両のユーザ習慣パラメータを取得し、ユーザ習慣パラメータに応じて元の総走行残量を補正して総走行残量を得ることにより得られる。
好ましくは、車両の総走行推定量を決定する前に、
車両の履歴運転データと、現在時間及び/又は車両の現在の位置とに基づいて、車両の目的地及び走行推定経路を決定するステップをさらに含み、
車両の総走行推定量を決定するステップは、
車両の現在の位置、目的地、走行推定経路、及び目的地の周辺の電池交換所及び燃料補給所の分布に基づいて、車両の総走行推定量を決定するステップを含む。
【0018】
本発明の実施例の別の態様によれば、
迅速に切り替わって単独で主動力システムとして機能可能な電池交換式駆動システムと航続距離拡張式駆動システムとが設けられた電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給管理システムであって、
航続距離拡張式駆動システムは、レンジエクステンダと駆動モータとを含み、
電池交換式駆動システムは、電池交換所で迅速に取り外して交換することができる高速交換電池と、駆動モータとを含み、
ユーザが車両を起動する際に、車両のリアルタイム位置を取得し、ユーザに長距離走行又は短距離走行を選択するか又は目的地を設定するよう促すように構成される情報取得ユニットと、
ユーザの選択に応じて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替えるように構成される演算切り替えユニットと、を含み、
演算切り替えユニットは、さらに、
短距離走行が選択されるか、又は目的地が短距離走行範囲に入った場合、情報取得ユニットをトリガーして、車両周辺の電池交換所の分布情報を取得し、電池交換所があれば、電池交換モードに切り替えて電池交換式駆動システムを使用し、電池交換所がなければ、航続距離拡張モードに切り替えて航続距離拡張式駆動システムを使用し、
長距離走行が選択されるか、又は目的地が長距離走行範囲に入った場合、車両の総走行推定量を決定し、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするように構成される、電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給管理システムをさらに提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例による電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムは、高速交換電池とレンジエクステンダを併用した電池交換式ハイブリッド車両に適用され、車両情報と周辺の電池交換所及び燃料補給所の分布とに基づいて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替え、車両が目的地まで正常に走行し、エネルギー補給を正常に行うことができるように、対応するエネルギー補給計画を決定し、これにより、車両の正常な使用を確保することができる。
【0020】
さらに、本発明の実施例によるエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムでは、エネルギー補給計画を決定する際に、高速交換電池の残量が、エネルギー補給車両が目的地に到達するのに十分である場合、車両の総走行残量が、車両が現在の位置から目的地に到達する第1走行推定量と、車両が目的地から目的地の周辺の目的エネルギー補給所(目的電池交換所又は目的燃料補給所)に到達する第2走行推定量との総和を満たすか否か、すなわち、目的地に到達した後の車両のエネルギー残量が目的エネルギー補給所に到達するのに十分であるか否かを考慮し、これにより、車両が目的地に到達した後にもエネルギー補給所に行ってエネルギー補給を行うのに十分なエネルギーを確保することができ、目的地到達後のエネルギー不足の問題を回避することができる。
【0021】
さらに、本発明の実施例によるエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムでは、エネルギー補給計画を決定する際に、車両の異なる電池搭載状態、走行推定量、走行残量、及び道路状況情報を組み合わせることにより、より正確で合理的なエネルギー補給計画を提供し、さらに車両の正常な使用を確保することができる。
【0022】
さらに、本発明の実施例によるエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムでは、エネルギー補給計画を決定する際に、ユーザの習慣に応じて車両の走行残量を補正し、及び/又は走行推定量を決定することができ、それにより、より個人化された、より安全なエネルギー補給計画をユーザに提供することができる。
【0023】
上記の説明は本発明の技術案の概要に過ぎず、本発明の技術案をより明確に理解することを可能にするために、本明細書の内容に従って実施することができ、本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確にわかりやすくするために、以下に本発明の具体的な実施形態を挙げる。
【0024】
図面を参照した本発明の具体的な実施例の以下の詳細な説明から、当業者は、本発明の上記及び他の目的、利点、及び特徴をより理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、本発明のいくつかの具体的な実施例は、図面を参照して、限定的ではなく例示的な方法で詳細に説明される。図面における同一符号は、同一又は類似の構成要素又は部分を示している。当業者は、これらの図面が必ずしも比例的に描かれているとは限らないことを理解する。
図1】本発明の一実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両の構造概略図を示す。
図2】本発明の他の実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両の構造概略図を示す。
図3】本発明のさらに別の実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両の構造概略図を示す。
図4】本発明の更なる実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両の構造概略図を示す。
図5】本発明の一実施例に係る高速交換装置がロック状態にある場合の断面概略図を示す。
図6】本発明の一実施例に係る高速交換装置がロック解除状態にある場合の断面概略図を示す。
図7】本発明の一実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法の流れ概略図を示す。
図8】本発明の一実施例に係る、車両の即時情報と車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいてエネルギー補給計画を決定するステップの流れ概略図を示す。
図9】本発明の他の実施例に係る、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいてエネルギー補給計画を決定するステップの流れ概略図を示す。
図10】本発明のさらに別の実施例に係る、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいてエネルギー補給計画を決定するステップの流れ概略図を示す。
図11】本発明の一実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給管理システムの構造概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本開示の例示的な実施例についてより詳細に説明する。本開示の例示的な実施例が図面に示されているが、本開示は、本明細書に記載された実施例によって限定されるべきではなく、様々な形態で実装されてもよいことを理解すべきである。むしろ、これらの実施例は、本開示をより完全に理解することを可能にし、本開示の範囲を当業者に完全に伝えることを可能にするために提供される。
【0027】
上記技術的課題を解決するために、本発明の実施例は、電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法を提案する。本発明の実施例で提案されるエネルギー補給方法は、以下の構成の電池交換式ハイブリッド車両100に適用することができる。
【0028】
図1は、本発明の一実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両100の構造概略図を示す。図1に示すように、電池交換式ハイブリッド車両100は、少なくとも、レンジエクステンダ10と駆動モータ31とから構成される航続距離拡張式駆動システムと、高速交換電池20とを含んでもよい。レンジエクステンダ10は、エンジン14と発電機15とから構成されている。レンジエクステンダ10は、駆動モータ31に接続可能であり、発電機15は、エンジン14から出力された動力の駆動により発電して、駆動モータ31に電気エネルギーを供給する。高速交換電池20は、電池交換所で迅速に取り外して交換し、電気エネルギーの迅速な補給を可能にする。実用的には、例えば残量不足の高速交換電池20を電池交換ツールで取り外した後、満充電の高速交換電池20をハイブリッド車両100に再搭載することにより、高速交換電池20の交換を実現する。高速交換電池20は、駆動モータ31に接続されて電池交換式駆動システムを構成する。レンジエクステンダ10と高速交換電池20とは、互いに独立して駆動モータ31に電気エネルギーを供給することができ、すなわち、レンジエクステンダ10及び高速交換電池20のいずれも、他方が動作しておらず、電気エネルギーを供給することができない場合に、単独して電気エネルギーを駆動モータ31に供給することができるので、電池交換式駆動システムと航続距離拡張式駆動システムは迅速に切り替わって、単独で電池交換式ハイブリッド車両100の主動力システムとして機能可能である。また、高速交換電池20は、レンジエクステンダ10(具体的には発電機15)に接続されてもよく、これにより、レンジエクステンダ10が作動している間に余剰の電気エネルギーを受電して蓄電することができる。
【0029】
本発明の実施例で提案される電池交換式ハイブリッド車両100は、レンジエクステンダ10と駆動モータ31とから構成される航続距離拡張式駆動システムと、電池交換所で迅速に取り外し交換可能な高速交換電池20と駆動モータ31とから構成される電池交換式駆動システムとを含む。電池交換式駆動システムと航続距離拡張式駆動システムとを迅速に切り替えて単独で主動力システムとすることができるので、使用場面や経済性に応じて、レンジエクステンダ10を動力源とする航続距離拡張式駆動システム及び/又は高速交換電池20を動力源とする電池交換式駆動システムを自由かつ柔軟に切り替えて車両を走行駆動することができる。
【0030】
具体的には、例えば、非長距離走行場面(市街地走行など)では、レンジエクステンダ10で使用する燃料の価格(原油価格など)が低い場合、レンジエクステンダ10を用いて駆動モータ31への電力供給を行い、電気価格が比較的低い場合、高速交換電池20を用い、電池交換所で高速交換電池20を交換して使用することで駆動モータ31への電力供給を確保する。長距離走行場面では、燃料を満タンにしてレンジエクステンダ10への燃料供給を十分に確保すると同時に、電池交換所で高速交換電池20を交換して使用することで、航続距離を最大にすることができる。
【0031】
図2に示すように、本発明の一実施例では、航続距離拡張式駆動システムは、基礎電池12をさらに含んでもよい。基礎電池12には、それぞれ、レンジエクステンダ10(具体的には発電機15)と駆動モータ31とが接続されている。基礎電池12は、例えば、従来の電力電池であってもよい。基礎電池12と高速交換電池20のような二重電池の構成により、基礎電池12と高速交換電池20の配置方法をさまざまにすることができ、これにより、航続距離拡張式駆動システム及び電池交換式駆動システムの切り替え及び使用をより多様化し、異なる場面での電池交換式ハイブリッド車両100の使用の柔軟性をより一層向上させることができる。以下では、基礎電池12と高速交換電池20とのさまざまな配置方法について説明する。
【0032】
一実施形態では、基礎電池12及び高速交換電池20は、車両100に同時に設けられる。基礎電池12は、車両100に固定され、高速交換電池20は、車両100に迅速に取り外し交換可能に設けられている。
【0033】
この場合、車両100が航続距離拡張式駆動システムにより電力を供給される場合、基礎電池12の残量が十分であるときに、基礎電池12により駆動モータ31に電気エネルギーを供給する。基礎電池12の残量が不足するときに、エンジン14が運転を開始し、発電機15を介して駆動モータ31に電気エネルギーを供給しながら基礎電池12を充電する。車両100が上り坂や急加速などの高負荷運転状態に遭遇した場合、レンジエクステンダ10と基礎電池12は同時に駆動モータ31に電気エネルギーを供給する。下り坂や滑走などの運転状態に遭遇した場合、駆動モータ31は発電機として機能し、基礎電池12を充電して運動エネルギーを回収する役割を果たすことができる。車両100が電池交換式駆動システムにより電力を供給される場合、高速交換電池20は、駆動モータ31に直接電気エネルギーを供給する。本実施形態によれば、非長距離走行場面で、燃料価格や電力価格に応じて、動力源としてのレンジエクステンダ10や高速交換電池20を切り替えて動力源として使用することが極めて容易であるとともに、長距離走行場面での最大航続距離を確保することができる。
【0034】
別の実施形態では、基礎電池12と高速交換電池20は同時に車両100に設けられ、基礎電池12は車両100に迅速に取り外し交換可能に設けられ、高速交換電池20も車両100に迅速に取り外し交換可能に設けられる。この場合、基礎電池12と高速交換電池20の両方を電池交換所で取り外すか又は交換することができるので、燃料の消費を最小限に抑えることができ、燃料価格が高く電気価格が安い場合の使用ニーズに非常に適している。また、車両100の最大航続距離もある程度大きくなる。
【0035】
さらに別の実施形態では、車両100の基礎電池12及び高速交換電池20は、基礎電池12及び高速交換電池20のうちの一方が車両100に設けられる場合、他方が電池交換所に配置されて循環し充電されるように、対を成して配置されてもよい。具体的には、以下の2つの場合がある。
【0036】
第1ケースでは、図3に示すように、基礎電池12は車両100に設けられ、一方、高速交換電池20は電池交換所に配置されて循環し充電される。このケースは特に、燃料価格が低く、航続距離の要求が低い(例えば市街地走行)使用場面に適しており、この場合、高速交換電池20を取り外して電池交換所に置いて作動させることにより、車両100全体の重量を減らす一方で、高速交換電池20の作動時間を増加させ、高速交換電池20の利用効率を向上させることができる。
【0037】
第2ケースでは、図4に示すように、高速交換電池20は車両100に設けられ、一方、基礎電池12は電池交換所に配置されて充電される。このケースは特に、燃料価格が高く、一定の航続距離が要求され、かつ電池交換所の配置が十分な場合の使用場面に適している。この場合、基礎電池12を取り外して電池交換所に置いて作動させることにより、車両100全体の重量をある程度減らすことができ、これにより、高速交換電池20のエネルギー利用効率を向上させることができる。
【0038】
また、図2に示すように、本発明の一実施例では、航続距離拡張式駆動システムは、燃料タンク13をさらに含んでもよい。燃料タンク13は、エンジン14に燃料を供給するために、レンジエクステンダ10のエンジン14に接続されている。
【0039】
実用的には、燃料タンク13に貯留される燃料は、レンジエクステンダ10のエンジン14の種類に依存する。燃料タンク13内の燃料は、一般に、ガソリン、軽油、メタノール、エタノール、バイオ燃料、天然ガス、水素などを含むことができる。したがって、エンジン14は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、メタノールエンジンなどであってもよい。
【0040】
高速交換電池20の使用の柔軟性をさらに高めるために、いくつかの実施例では、高速交換電池20は、様々な仕様の容量及び重量を有するように設計されてもよい。このような設計により、異なる容量及び重量の高速交換電池20を、異なる使用場面での実用的なニーズに応じて交換して使用することができ、これにより、エネルギー効率及び経済性を最大化することができる。例えば、長距離走行の場合、燃料タンク13に燃料を満タンにした上で、電池交換所で大容量の高速交換電池20を交換して使用することにより、航続距離を向上させることができる。市街地を走行し、市街地に十分な電池交換所が配置されている場合、その電池交換所で小容量・小重量の高速交換電池20を交換して使用することにより、空荷重量を低減することができる。
【0041】
本発明の一実施例では、高速交換電池20の容量は、レンジエクステンダ10の供給可能な電気エネルギーの総量の2倍未満であってもよい。レンジエクステンダ10が供給可能な電気エネルギーの総量とは、燃料タンク13が満タンの状態でレンジエクステンダ10が供給可能な最大電気エネルギーの総量を指す。このような構成により、レンジエクステンダ10と高速交換電池20によって供給可能な電力量が近くなり、二次補助動力源としてのみ機能していたレンジエクステンダの従来技術の設計を打破し、高速交換電池20とレンジエクステンダ10とが互いにバックアップになり、それぞれが単独で一次動力源として機能することを可能にする。
【0042】
好ましくは、高速交換電池20の容量は、レンジエクステンダ10の供給可能な電気エネルギーの総量の0.5倍より大きく、レンジエクステンダ10の供給可能な電気エネルギーの総量の2倍より小さくすることができる。より好ましくは、高速交換電池20の容量は、レンジエクステンダ10の供給可能な電気エネルギーの総量の0.5~1.5倍である。さらに好ましくは、高速交換電池20の容量は、レンジエクステンダ10の供給可能な電気エネルギーの総量の1倍であり、すなわち、高速交換電池20の容量は、レンジエクステンダ10の供給可能な電気エネルギーの総量と等しい。このような構成により、レンジエクステンダ10は単に補助的な動力エネルギーシステムとしてだけではなく、レンジエクステンダ10と高速交換電池20との間の切り替えはより柔軟かつ自由になる。
【0043】
いくつかの実施例では、基礎電池12の容量は、1~1.47kWhの範囲内であってもよい。このような場合、基礎電池12の容量は、ハイブリッド車両で一般的に使用されるパワー電池の容量(一般的に15~60kwh)よりもはるかに小さいので、基礎電池12の重量も従来使用されているパワー電池の重量に比べて大幅に低減され、このように、車両全体の軽量化やエネルギー利用効率の向上に有効である一方、小容量の基礎電池12では外付け充電の機能を考慮する必要がなく、コスト管理やレイアウトの選択に有利である。
【0044】
別の実施例では、基礎電池12の容量は1.47kWh~5.5kWhの範囲内であってもよい。この場合、基礎電池12の容量(すなわち、エネルギー密度)を適切に増加させることにより、ハイブリッド車両100の航続距離をある程度増加させることができるが、基礎電池12の容量はハイブリッド車両で通常使用されるパワー電池の容量よりもはるかに小さいままであり、これにより、電池容量と車両全体の重量とのバランスを取る。
【0045】
また、図2に示すように、本発明の一実施例では、車両100はインバータをさらに含んでもよい。具体的には、インバータは、基礎電池12と駆動モータ31との間及び発電機15と駆動モータ31との間に設けられる第1インバータ51と、高速交換電池20と駆動モータ31との間に設けられる第2インバータ52とを含んでもよい。ここでのインバータの役割は当業者に周知であるべきであるので、本明細書では特に説明しない。
【0046】
本発明の一実施例では、車両100は、変速機構60及び駆動軸32をさらに含んでもよい。駆動軸32は、車両100の車輪40に接続されている。変速機構60は駆動モータ31と駆動軸32との間に設けられてもよく、すなわち、駆動モータ31は変速機構60を介して駆動軸31に接続され、駆動モータ31が発生した駆動力は変速機構60を介して駆動軸32に伝達されて車輪40を回転駆動する。
【0047】
本発明の一実施例では、車両100には、高速交換装置70も設けられてもよい。高速交換装置70は、一端が車両100の車体下部に接続され、他端が基礎電池12又は高速交換電池20に接続されてもよい。高速交換装置70は、基礎電池12又は高速交換電池20を迅速に着脱するために使用することができる。
【0048】
図5及び図6に示すように、特定の実施形態では、高速交換装置70は、リミットピン軸71、ハウジング72、ボルト73、支持ロッド74及びリミットボール75を含んでもよい。リミットピン軸71の一端は、車両100の車体下部に接続されている。ハウジング72は、基礎電池12又は高速交換電池20に接続され、内部に台形構造のキャビティを有する。具体的には、ハウジング72は基礎電池12又は高速交換電池20の縁部位置にあり、ハウジング72はハウジング72の下部の左右両側のボルトによって基礎電池12又は高速交換電池20に接続される。ボルト73はキャビティの下部に位置し、キャビティ内に延び、ハウジング72に螺合される。支持ロッド74は、キャビティ内に位置し、ボルト73によってキャビティ内に支持され、ボルト73とともにハウジング72に対して上下動可能である。リミットボール75は、支持ロッド74の中間部に位置する。リミットピン軸71の中間部にその軸線方向に窪んだ窪み部711が設けられ、支持ロッド74は内部が中空であって、窪み部711に対応する位置に切欠き741が設けられ、リミットボール75は切欠き741に嵌合する。高速交換装置70がロック状態にある場合、リミットピン軸71は支持ロッド74の内部に挿入され、リミットボール75は窪み部711に引っ掛かる。
【0049】
基礎電池12又は高速交換電池20を車両100に搭載する必要がある場合、リミットピン軸71はハウジング72から分離され、ジャッキアップ機構は基礎電池12又は高速交換電池20を車体下部のうちリミットピン軸71に近い位置に搬送し、このとき、リミットピン軸71はハウジング72内に挿入されるが、リミットピン軸71の窪み部711とリミットボール75は同一水平面になく、すなわちリミットボール75は窪み部711に引っ掛からず、リミットボール75は支持ロッド74の切欠き741内に位置する。このため、基礎電池12又は高速交換電池20を車両100に搭載する必要がある場合、ボルト73によって、リミットボール75が窪み部711に引っ掛かるまで、リミットボール75と共に支持ロッド74をハウジング72に対して上方に移動させる必要がある。このように、リミットボール75が窪み部711に引っ掛かることにより、高速交換装置70がロック状態(図5に示す)となり、基礎電池12又は高速交換電池20が車両100に搭載される。
【0050】
基礎電池12又は高速交換電池20を取り外す必要がある場合、ジャッキアップ機構は基礎電池12又は高速交換電池20を上方に僅かに持ち上げ、その際、モータはボルト73をハウジング72に対して下方に移動させてロック解除状態とする(図6参照)。ここで、ジャッキアップ機構がベース電気12又は高速交換電池20を上方に僅かに持ち上げると、リミットボール75も付勢状態が解除されるので、ボルト73はモータによって駆動されて下方に移動することができ、支持ロッド74もボルト73による上方への付勢を解除されて、リミットボール75が窪み部711から外れるまで下方に移動する。このとき、基礎電池12又は高速交換電池20がジャッキアップ機構に落下し、これにより、基礎電池12又は高速交換電池20の取り外しが完了する。
【0051】
本実施例の高速交換装置70は、簡単かつ迅速にロック及びロック解除を行うことができ、電池の着脱効率を向上させることができる。
【0052】
なお、上記は本発明における高速交換装置70の1つの実施形態にすぎない。もちろん、高速交換装置70は他の実施形態もあり、本発明はこれを限定しない。
【0053】
図7は、本発明の一実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法の流れ概略図を示す。このエネルギー補給方法は、上記のいずれかの実施例又はその組み合わせの電池交換式ハイブリッド車両100に適用することができる。図7に示すように、このエネルギー補給方法は、少なくとも以下のステップS102~ステップS104を含んでいてもよい。
【0054】
ステップS102:ユーザが車両を起動する際に、車両のリアルタイム位置を取得し、ユーザに長距離走行又は短距離走行を選択するか目的地を設定するよう促す。
【0055】
このステップでは、車両のリアルタイム位置は、測位システム(例えばGPS測位システム、北斗衛星測位システムなど)によって取得され得る。ユーザに長距離走行又は短距離走行を選択するか目的地を設定するよう促すことは、音声などの方法で促すことができ、ユーザの選択又は設定はユーザが対応するボタンをトリガーすることによって取得してもよく、車載インフォテインメントシステム(車両マシンシステムと略称する)がユーザと対話することにより促すことや取得を行うようにしてもよい。もちろん、他の方法で車両のリアルタイム位置を取得し、ユーザに長距離走行又は短距離走行を選択するか目的地を設定するよう促すことも可能であり、本発明はこれを限定しない。
【0056】
ステップS104:ユーザの選択に応じて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替える。具体的には、ユーザの選択に応じて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替えるステップは、短距離走行が選択されるか、又は目的地が短距離走行範囲に入った場合、車両周辺の電池交換所の分布情報を取得し、電池交換所があれば、電池交換モードに切り替えて電池交換式駆動システムを使用し、電池交換所がなければ、航続距離拡張モードに切り替えて航続距離拡張式駆動システムを使用する。長距離走行が選択されるか、又は目的地が長距離走行範囲に入った場合、車両の総走行推定量を決定し、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュする。ここで記載された燃料補給所は、例えばガソリンスタンドなどであってもよい。
【0057】
このステップでは、短距離走行と長距離走行は予め設定された距離閾値により区別することができるが、例えば予め設定された距離閾値が200kmである場合、走行が予想される距離が予め設定された距離閾値を超えていれば、長距離走行と見なし、そうでなければ、短距離走行と見なす。目的地が短距離走行範囲に入ったか長距離走行範囲に入ったかの判断は、目的地と現在の車両のリアルタイム位置との距離と予め設定された距離閾値との大きさの関係に基づいて行われ得る。目的地と現在の車両のリアルタイム位置との距離が予め設定された距離閾値を超えている場合、長距離走行範囲に入ったと判断し、そうでない場合、短距離走行範囲に入ったと判断する。予め設定された距離閾値は、車両の性能及び実際のニーズに応じて設定することができ、本発明はこれを特に限定しない。
【0058】
このステップでは、車両にロードされたオフライン地図又はオンライン地図や車両のナビゲーション情報により、車両の目的地、車両周辺の電池交換所の分布情報、車両の長距離走行途中の電池交換の所分布情報、燃料補給所の分布情報を得ることができる。オンライン地図及びナビゲーション情報は自動車のインターネット技術により取得できる。総走行推定量とは、推定される車両の総走行量のことであり、走行距離や時間で表すことができる。走行距離で表した場合の総走行推定量を総推定走行距離と呼ぶこともできる。時間で表した場合の総走行推定量を総推定走行時間とも呼ぶことができる。車両の総走行推定量は、現在の車両のリアルタイム位置及び目的地、並びに目的地の周辺の電池交換所及び燃料補給所の分布に基づいて決定することができる。
【0059】
本発明の実施例による電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法は、高速交換電池とレンジエクステンダを併用した電池交換式ハイブリッド車両に適用され、車両情報と周辺の電池交換所及び燃料補給所の分布とに基づいて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替え、車両が目的地まで正常に走行し、エネルギー補給を正常に行うことができるように、対応するエネルギー補給計画を決定し、これにより、車両の正常な使用を確保することができる。
【0060】
本発明の一実施例では、車両の即時情報は、電池搭載状態と総走行残量を含んでもよい。総走行残量は、車両のエネルギー残量でサポート可能な総走行量である。総走行残量は、走行距離又は時間で表されてもよく、それに応じて、総残り走行距離又は総残り走行時間とも呼ばれ得る。総走行残量は、車両の計装によって取得され、又は既存のアルゴリズムによって車両のエネルギー残量と現在の運転パラメータから算出計算されてもよく、これらは当業者に公知のことであるので、ここでは詳しく説明しない。
【0061】
この場合、上記のエネルギー補給計画は、交換発電所及び燃料補給所の分布、リアルタイム燃料価格及び電力価格に応じて決定された、ユーザが選択するための降順の複数の価格帯のエネルギー補給計画を含む。よって、車両の正常な走行を確保する上に、最も経済的なエネルギー補給計画を提供し、ユーザの使用エクスペリエンスを向上させる.
【0062】
本発明の実施例では、このエネルギー補給方法は長距離電池作動モードをさらに含んでもよい。この場合、車両の即時情報と車両の長距離走行途中の交換電池及び補給所分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするステップは、長距離走行の場合の推奨エネルギー補給計画において電池交換所の数が少ないか無い場合、ユーザに長距離電池作動モードを推奨し、最も近い電池交換所で高速交換電池を取り外し、重量を減らしてから高速走行を行うようユーザに促すように実施されてもよい。
【0063】
本実施例では、電池交換所が少ないか無いため、高速交換電池の交換が困難又は不可能である場合、車両の高速交換電池を取り外すことにより、車両全体の重量を効果的に減らし、レンジエクステンダのエネルギー消費を削減し、エネルギー利用率を向上させることができる。
【0064】
本発明の別の実施例では、このエネルギー補給方法は短距離電池作動モードをさらに含んでもよい。この場合、車両の即時情報と車両の長距離走行途中の交換電池及び補給電池の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするステップは、短距離走行の場合の推奨エネルギー補給計画において電池交換所の数が多いか、日常走行距離が短い場合、ユーザに短距離電池作動モードを推奨し、最も近い電池交換所で大容量の高速交換電池を取り外し、日常走行距離に合った小容量の高速交換電池に交換するようユーザに促すように実施されてもよい。
【0065】
本実施例では、短距離電池作動モードでは、小容量の高速交換電池を使用することにより、車両の空荷重量を減らし、エネルギー利用率を向上させることができる。
【0066】
本発明の一実施例では、総走行推定量は、車両が現在の位置から目的地に到達する第1走行推定量と車両が目的地に到達する目的地の周辺の目的エネルギー補給所(すなわち、目的交換発電所又は目的燃料補給所)に到達する第2走行推定量を含む。ここで記載された目的エネルギー補給所は、ユーザによって指定されるもの、又は予め設定された選択規則に従って、目的地の周辺のすべてのエネルギー補給所から選択されたもの、又は推奨されるものであってもよい。予め設定された選択規則は、目的地の周辺のすべてのエネルギー補給所から、目的地に最も近いエネルギー補給所を目的エネルギー補給所として選択するか、ユーザの履歴利用データに基づいて、目的地の周辺のすべてのエネルギー補給所から、ユーザの履歴利用回数が最も多いエネルギー補給所を目的エネルギー補給所として選択するか、又は、上記の2つの方法を組み合わせ、目的地までの距離とユーザの履歴利用回数による影響を総合的に考慮した加重法によって、目的エネルギー補給所を選択することである。もちろん、他の種類の予め設定された選択規則も可能であり、本発明はこれを限定しない。
【0067】
第1走行推定量及び第2走行推定量は、総走行推定量と同様に、走行距離又は時間で表される。走行距離で表した場合、第1走行推定量を第1推定走行距離とし、第2走行推定量を第2推定走行距離とする。時間で表した場合、第1走行推定量を第1推定走行時間とし、第2走行推定量を第2推定走行時間とする。
【0068】
車両の電池搭載状態は、高速交換電池が車両に搭載されていることを示す第1搭載状態を含んでもよい。第1搭載状態では、車両の総走行残量は、高速交換電池の第1走行残量と、レンジエクステンダの第2走行残量との合計である。第1走行残量とは、高速交換電池残量がサポート可能な走行量である。電池交換式ハイブリッド車両の航続距離拡張式駆動システムが基礎電池を含んでいない場合、第2走行残量とは、航続距離拡張式駆動システムのレンジエクステンダが残留燃料でサポート可能な走行量を意味する。電池交換式ハイブリッド車両の航続距離拡張式駆動システムが基礎電池を含んでいる場合、第2走行残量とは、航続距離拡張式駆動システムのレンジエクステンダが残留燃料でサポート可能な走行量と基礎電池に蓄積された残量でサポート可能な走行量との合計を意味する。第1走行残量及び第2走行残量は、総走行残量と同様に、走行距離又は時間で表される。走行距離で表した場合、第1走行残量を第1残り走行距離とし、第2走行残量を第2残り走行距離とする。時間で表した場合、第1走行残量を第1残り走行時間、第2走行残量を第2残り走行時間とする。
【0069】
この場合、図8に示すように、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定するステップは、ステップS206aとステップS206bを含む。
ステップS206a:第1搭載状態では、第1走行残量が第1走行推定量以上であり、かつ、総走行残量が総走行推定量(すなわち、第1走行推定量と第2走行推定量との合計)以上である場合、車両に対するエネルギー補給が不要であると判定する。
【0070】
ステップS206b:第1搭載状態では、第1走行残量が第1走行推定量以上であり、かつ、総走行残量が総走行推定量未満である場合、目的地までの走行途中で車両に対するエネルギー補給が必要であると判定し、対応するエネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュする。
【0071】
本発明では、エネルギー補給所は、電池交換所及び/又は燃料補給所(例えばガソリンスタンド)を含んでもよい。したがって、車両に対するエネルギー補給方法は、電池交換所による高速交換電池の交換又は取り外し、及び/又はガソリンスタンドによるレンジエクステンダに必要な燃料(例えば、ガソリン、水素、メタノールなど)の追加を含んでもよい。
【0072】
本発明の実施例では、エネルギー補給計画を決定する際に、車両の第1走行残量が第1走行推定量以上である場合(すなわち、パワー電池の残量が、車両が目的地に到達するのに十分な場合)、車両の総走行残量が、車両が現在の位置から目的地に到達する第1走行推定量と、目的地から目的地の周辺の目的エネルギー補給所に到達する第2走行推定量との合計を満たすか否か、すなわち、目的地に到達した後の車両のエネルギー残量が、目的エネルギー補給所に到達するのに十分か否かを考慮し、これにより、車両が目的地に到達した後にもエネルギー補給所に行ってエネルギー補給を行うのに十分なエネルギーを確保し、目的地到達後のエネルギー不足の問題を回避する。
【0073】
さらに、一実施例では、図9に示すように、第1搭載状態では、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定するステップは、さらに、ステップS206c、ステップS206d及びステップS206eをさらに含んでもよい。
ステップS206c:第1搭載状態では、第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、第1走行推定量未満であるとともに、総走行残量が総走行推定量以上である場合、車両が現在の位置から目的地までの走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定する。
ステップS206d:第1搭載状態では、第1走行残量が第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、第1走行推定量未満であるとともに、総走行残量が総走行推定量未満である場合、車両が現在の位置に最も近い燃料補給所に走行して燃料を補給する必要があると判定する。
ステップS206e:第1搭載状態では、第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積未満である場合、車両が現在の位置から目的地までの走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定する。
【0074】
本実施例では、予め設定された割合閾値は1未満の数値であり、実際の適用のニーズに応じて設定することができる。例えば、車両の使用性能に応じて、あるいはユーザの電池の使用習慣(例えばユーザがエネルギー補給を行ったときの電池の残量の割合値の履歴統計データ)に応じて、高速交換電池に要求される電気量を設定することができる。特定の実施形態では、予め設定された割合閾値は、例えば2/3に設定されてもよい。
【0075】
本実施例はさらに、車両の正常な使用をさらに確保するために、高速交換電池の第1走行残量が第1走行推定量未満である場合(すなわち、高速交換電池の残量が、車両が目的地に到達することをサポートするのに十分ではない場合)、異なるレンジエクステンダの航続能力に対応するエネルギー補給計画を提供する。
【0076】
さらに、一実施例では、車両の即時情報は、車両の現在の位置と目的地との間の道路状況情報をさらに含んでもよい。道路状況情報は自動車のインターネット技術によりクラウドからリアルタイムで取得できる。車両が現在の位置から目的地までの走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定する前に、取得した道路状況情報に基づいて車両の現在の位置と目的地との間の渋滞区間を決定することも可能である。
【0077】
この場合、車両が現在の位置から目的地までの走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するステップは、さらに、車両が渋滞区間に到達する前に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するように実施されてもよい。つまり、S206cステップは、さらに、第1搭載状態では、第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ第1走行推定量未満であるとともに、総走行残量が総走行推定量以上である場合、車両がこの渋滞区間に到達する前に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するように実施されてもよい。S206eステップは、さらに、第1搭載状態では、第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積未満である場合、車両がこの渋滞区間に到達する前に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するように実施されてもよい。渋滞区間に到達する前に高速交換電池を取り外すことで、車両全体の重量を減らし、渋滞区間における車両のエネルギー消費を減らすことができる。又は、渋滞区間に到達する前に高速交換電池を交換することで、車両の運行に十分なエネルギー供給を確保することができる。
【0078】
一実施例では、車両の即時情報は車両の電池搭載状態、総走行残量及び車両の現在の位置と目的地との間の道路状況情報を含んでもよく、その中で、電池搭載状態は、高速交換電池が車両から取り外された第2搭載状態を含んでもよい。第2搭載状態では、高速交換電池が車両から取り外された(つまり車にいない)ため、このとき、車両の総走行残量は、レンジエクステンダの第2走行残量に等しい。
【0079】
この場合、図10に示すように、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定するステップは、ステップS402~ステップS414を含んでもよい。
ステップS402:第2搭載状態では、道路状況情報に基づいて、車両の現在の位置と目的地との間の道路が順調であるか否かを判断する。NOの場合、ステップS404を実行する。YESの場合、ステップS410を実行する。
ステップS404:道路状況情報に基づいて渋滞区間を決定し、渋滞区間の予測渋滞時間を取得する。ステップS406に進む。
本実施例では、予測渋滞時間はナビゲーション情報に提供された渋滞区間の予測通過時間に基づいて決定してもよい。
ステップS406:予測渋滞時間が予め設定された時間閾値以上であるか否かを判断する。YESの場合、ステップS408を実行する。
予め設定された時間閾値は、実際の適用のニーズに応じて設定することができる。例えば、車両が電池交換所に行って高速交換電池を搭載又は交換するのに要する最大時間を設定してもよい。
ステップS408:渋滞区間に到達する前に、車両が電池交換所に行って高速交換電池を搭載する必要があると判定する。
渋滞時間が予め設定された時間閾値以上である場合、渋滞区間に到達する前に電池交換所に行って電池交換を行うことにより、時間の利用率を向上させることができ、渋滞区間や渋滞時間をある程度回避することができ、特に市街地走行の場面に適している。
ステップS410:総走行残量が総走行推定量以上であるか否かを判断する。YESの場合、ステップS412を実行する。NOの場合、ステップS414を実行する。
ステップS412:車両に対するエネルギー補給が不要であると判定する。
ステップS414:車両の現在の位置に最も近い燃料補給所に走行して燃料を補給するか、又は、車両の現在の位置に最も近い電池交換所に走行して高速交換電池を搭載する必要があると判定する。
本実施例は、高速交換電池が取り外された搭載状態において、走行推定量、走行残量及び道路状況情報と合わせることにより、より正確で合理的なエネルギー補給計画を提供し、車両の正常な使用をさらに確保することができる。
【0080】
いくつかの実施例では、車両に対するエネルギー補給が不要であると判定した場合、ユーザにプッシュキューを行わなくてもよく、これにより、時間を節約し、ユーザを煩わせることを回避し、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。
【0081】
上述したように、総走行残量は、車両の計装によって取得され、又は既存のアルゴリズムによって車両のエネルギー残量と現在の運転パラメータから算出されてもよい。しかし、これらの方式はいずれも、異なるユーザの使用習慣が及ぼす影響を考慮していない。例えば、ユーザによってエアコンの使用回数やブレーキの回数などが異なるが、これらのいずれも車両の走行残量に影響を与える。このため、一実施例では、車両の総走行残量は、以下の方法で取得することができる。
まず、車両のエネルギー残量及び現在の運転パラメータを取得し、エネルギー残量及び現在の運転パラメータから元の総走行残量を算出する。運転パラメータは、車両の平均速度、車両負荷、車両年数などを含んでもよい。元の総走行残量の計算は当業者に周知であるので、詳しくは説明しない。
【0082】
次に、車両のユーザ習慣パラメータを取得し、そのユーザ習慣パラメータに応じて元の総走行残量を補正して、総走行残量を得る。
【0083】
ユーザ習慣パラメータには、エアコン使用時間、ブレーキ回数、ギア切り替え回数、ユーザ体重などが含まれてもよい。補正は機械学習モデルで行われ得る。例えば、ユーザの履歴習慣パラメータと、対応する車両の元の総走行残量の履歴データとを入力として、対応する実際の総走行残量データを出力として機械学習モデルを訓練し、補正時には、訓練後の機械学習モデルにユーザ習慣パラメータと現在の元の総走行残量とを入力して、補正後の総走行残量を得る。
【0084】
第1走行残量と第2走行残量については、総走行残量と同様の方法で補正することができるので、本明細書では詳しく説明しない。
【0085】
本実施例は、ユーザの慣習に応じて車両の走行残量を補正することができ、それにより、より個人化されたより安全なエネルギー補給計画をユーザに提供することができる。
【0086】
他の実施例では、ステップS104において、車両の総走行推定量を決定する前に、車両の履歴運転データと、現在時間及び/又は車両の現在の位置とに基づいて、車両の目的地及び走行推定経路を決定するようにしてもよい。さらに、車両の総走行推定量を決定するステップは、さらに、車両の現在の位置、決定された目的地、走行推定経路、及び目的地の周辺のエネルギー補給所(すなわち、電池交換所及び燃料補給所)の分布に基づいて、車両の総走行推定量を決定するように実施されてもよい。車両の履歴運転データは、車両の履歴走行軌跡や走行時間などを含んでもよい。
【0087】
第1走行推定量及び第2走行推定量の決定方法は、総走行推定量と同様であるので、本明細書では詳しく説明しない。
【0088】
本実施例では、車両の走行推定量を決定する際には、車両の履歴運転データの影響を考慮する。履歴運転データはユーザの使用習慣を反映しているので、このようにして決定された走行推定量に基づいて決定されるエネルギー補給計画は、より個人化しており、より安全である。
【0089】
また、本発明の実施例は、同一の発明構造に基づいて、電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給管理システムを提供する。本発明の実施例で提案されるエネルギー補給管理システムは、上記のいずれかの実施例又はその組み合わせの電池交換式ハイブリッド車両100に適用することができる。
【0090】
図11は、本発明の一実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給管理システム80の構造概略図を示す。図11に示すように、エネルギー補給管理システム80は、少なくとも、情報取得ユニット81と、演算切り替えユニット82とを含んでもよい。
【0091】
ここで、本発明の実施例に係る電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給管理システム80の構成要素又はデバイスの機能、及び各部間の接続関係について説明する。
情報取得ユニット81は、ユーザが車両を起動する際に、車両のリアルタイム位置を取得し、ユーザに長距離走行又は短距離走行を選択するか目的地を設定するよう促すように構成される。
【0092】
演算切り替えユニット82は、情報取得ユニット81に接続され、ユーザの選択に応じて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替えるように構成される。具体的には、演算切り替えユニット82は、さらに、短距離走行が選択されるか、又は目的地が短距離走行範囲に入った場合、情報取得ユニット81をトリガーし、車両周辺の電池交換所の分布情報を取得し、電池交換所があれば、電池交換モードに切り替えて電池交換式駆動システムを使用し、電池交換所がなければ、航続距離拡張モードに切り替えて航続距離拡張式駆動システムを使用し、長距離走行が選択されるか、又は目的地が長距離走行範囲に入った場合、車両の総走行推定量を決定し、車両の即時情報と、車両の長距離走行途中の電池交換所及び燃料補給所の分布情報とに基づいて、エネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュするように構成される。
【0093】
本発明の一実施例では、車両の即時情報は、電池搭載状態と総走行残量を含む。エネルギー補給計画は、電池交換所及び燃料補給所の分布、リアルタイム燃料価格及び電力価格に応じて決定された、ユーザが選択するための降順の複数の価格帯のエネルギー補給計画を含んでいる。
【0094】
本発明の一実施例では、演算切り替えユニット82は、さらに、長距離走行の場合の推奨エネルギー補給計画において電池交換所の数が少ないか無い場合、ユーザに長距離電池作動モードを推奨し、最も近い電池交換所で高速交換電池を取り外し、重量を減らしてから高速走行するようユーザに促すように構成される。
【0095】
本発明の別の実施例では、演算切り替えユニット82は、さらに、短距離走行の場合の推奨エネルギー補給計画において電池交換所の数が多いか、日常走行距離が短い場合、ユーザに短距離電池作動モードを推奨し、最も近い電池交換所で大容量の高速交換電池を取り外し、日常走行距離に合った小容量の高速交換電池に交換するようユーザに促すように構成される。
【0096】
本発明の一実施例では、総走行推定量は、車両が現在の位置から目的地に到達する第1走行推定量と、車両が目的地から目的地の周辺の目的電池交換所又は目的燃料補給所に到達する第2走行推定量とを含む。車両の電池搭載状態は、高速交換電池が車両に搭載されていることを示す第1搭載状態を含む。第1搭載状態では、総走行残量は、高速交換電池の第1走行残量と、レンジエクステンダの第2走行残量との合計である。
【0097】
したがって、演算切り替えユニット82は、さらに、第1搭載状態では、第1走行残量が第1走行推定量以上であり、かつ、総走行残量が総走行推定量以上である場合、車両に対するエネルギー補給が不要であると判定するように構成されてもよい。第1走行残量が第1走行推定量以上であり、かつ、総走行残量が総走行推定量未満である場合、目的地への走行の途中で車両に対するエネルギー補給が必要であると判定し、対応するエネルギー補給計画を決定してユーザにプッシュする。
【0098】
本発明の一実施例では、演算切り替えユニット82は、さらに、第1搭載状態では、第1走行残量が第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、第1走行推定量未満であるとともに、総走行残量が総走行推定量以上である場合、車両が現在の位置から目的地までの走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定する。第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、第1走行推定量未満であるとともに、総走行残量が総走行推定量未満である場合、車両が現在の位置に最も近い燃料補給所に走行して燃料を補給する必要があると判定する。第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積未満である場合、車両が現在の位置から目的地までの走行途中に高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するように構成されてもよい。
【0099】
さらに、本発明の一実施例では、車両の即時情報は、車両の現在の位置と目的地との間の道路状況情報をさらに含んでもよい。
【0100】
したがって、演算切り替えユニット82は、さらに、第1搭載状態では、第1走行残量が第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、第1走行推定量未満であるとともに、総走行残量が総走行推定量以上である場合、道路状況情報に基づいて渋滞区間を決定し、渋滞区間に到達する前に、車両が高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定する。第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積以上であり、かつ、第1走行推定量未満であるとともに、総走行残量が総走行推定量未満である場合、車両が現在の位置に最も近い燃料補給所に走行して燃料を補給する必要があると判定する。第1走行残量が、第1走行推定量と予め設定された割合閾値との積未満である場合、道路状況情報に基づいて渋滞区間を決定し、渋滞区間に到達する前に、車両が高速交換電池を取り外すか又は交換する必要があると判定するように構成されてもよい。
【0101】
一実施例では、電池搭載状態は、高速交換電池が車両から取り外されたことを示す第2搭載状態をさらに含んでもよい。即時情報は、車両の現在の位置と目的地との間の道路状況情報をさらに含んでもよい。したがって、演算切り替えユニット82は、さらに、
第2搭載状態では、道路状況情報に基づいて、車両の現在の位置と目的地との間の道路が順調であるか否かを判定する。
車両の現在の位置と目的地との間の道路が順調ではない場合、道路状況情報に基づいて渋滞区間を決定し、渋滞区間の予測渋滞時間を取得する。
予測渋滞時間が予め設定された時間閾値以上であるか否かを判断し、時間閾値以上である場合、車両が渋滞区間に到達する前に電池交換所に行って高速交換電池を搭載する必要があると判断し、
車両の現在の位置と目的地との間の道路が順調である場合、総走行残量が総走行推定量以上であるか否かを判定し、
総走行残量が総走行推定量以上である場合、車両に対するエネルギー補給が不要であると判定し、
総走行残量が総走行推定量未満である場合、車両が現在の位置に最も近い燃料補給所に走行して燃料を補給するか、車両の現在の位置に最も近い電池交換所に走行して高速交換電池を搭載する必要があると判定するように構成されてもよい。
【0102】
本発明の一実施例では、演算切り替えユニット82は、さらに、
車両のエネルギー残量及び現在の運転パラメータを取得し、エネルギー残量及び現在の運転パラメータから元の総走行残量を算出し、
車両のユーザ習慣パラメータを取得し、このユーザ習慣パラメータに応じて元の総走行残量を補正して、総走行残量を得るように構成されてもよい。
【0103】
本発明の一実施例において、演算切り替えユニット82は、さらに、
車両の履歴運転データと、現在時間及び/又は車両の現在の位置とに基づいて、車両の目的地及び走行推定経路を決定し、
車両の現在の位置、目的地、走行推定経路、及び目的地の周辺のエネルギー補給所の分布に基づいて、車両の総走行推定量を決定するように構成されてもよい。
【0104】
上記のいずれか1つ又は複数の任意の実施例の組み合わせによれば、本発明の実施例は、以下のような有益な効果を達成することができる。
本発明の実施例による電池交換式ハイブリッド車両のエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムでは、高速交換電池とレンジエクステンダを併用した電池交換式ハイブリッド車両に適用され、車両情報と周辺の電池交換所及び燃料補給所の分布とに基づいて、電池交換式駆動システム及び/又は航続距離拡張式駆動システムをインテリジェントに切り替え、車両が目的地まで正常に走行し、エネルギー補給を正常に行うことができるように、対応するエネルギー補給計画を決定し、これにより、車両の正常な使用を確保することができる。
【0105】
さらに、本発明の実施例によるエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムでは、エネルギー補給計画を決定する際に、高速交換電池の残量が、エネルギー補給車両が目的地に到達するのに十分である場合、車両の総走行残量が、車両が現在の位置から目的地に到達する第1走行推定量と、車両が目的地から目的地の周辺の目的エネルギー補給所(目的電池交換所又は目的燃料補給所)に到達する第2走行推定量との総和を満たすか否か、すなわち、目的地に到達した後の車両のエネルギー残量が目的エネルギー補給所に到達するのに十分であるか否かを考慮し、これにより、車両が目的地に到達した後にもエネルギー補給所に行ってエネルギー補給を行うのに十分なエネルギーを確保することができ、目的地到達後のエネルギー不足の問題を回避することができる。
【0106】
さらに、本発明の実施例によるエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムでは、エネルギー補給計画を決定する際に、車両の異なる電池搭載状態、走行推定量、走行残量、及び道路状況情報を組み合わせることにより、より正確で合理的なエネルギー補給計画を提供し、さらに車両の正常な使用を確保することができる。
【0107】
さらに、本発明の実施例によるエネルギー補給方法及びエネルギー補給管理システムでは、エネルギー補給計画を決定する際に、ユーザの習慣に応じて車両の走行残量を補正し、及び/又は走行推定量を決定することができ、それにより、より個人化された、より安全なエネルギー補給計画をユーザに提供することができる。
【0108】
ここでの本明細書には、多くの詳細が記載されている。しかしながら、本発明の実施例は、これらの詳細なしに実施されてもよいことが理解される。いくつかの例では、本明細書の理解を不明瞭にしないために、公知の方法、構造、及び技術が詳細に示されていない。
【0109】
なお、上記の実施例は、本発明の技術案を説明するためにのみ使用されており、これらを限定するものではない。前述の各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の精神と原則を逸脱することなく、前述の各実施例に記載された技術案を修正したり、その一部若しくは全部の技術的特徴を均等に置換したりすることができることを理解すべきであり、これらの修正又は置換は、対応する技術案を本発明の特許範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11