(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電気プラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/629 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
H01R13/629
(21)【出願番号】P 2023544223
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2022051220
(87)【国際公開番号】W WO2022157238
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】102021000345.4
(32)【優先日】2021-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021005000.2
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507400756
【氏名又は名称】コスタール・コンタクト・ジステーメ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】シェーラー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ドレシャー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フリューハウフ・ヨーゼフ
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-535524(JP,A)
【文献】特開2012-038570(JP,A)
【文献】特開2006-351275(JP,A)
【文献】独国実用新案第202016008846(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629
H01R 13/641
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグコネクタハウジング(1)を備える電気プラグコネクタであって、
プラグコネクタハウジング(1)には、相互接続された平行な2つのレバー部分(4)を備える接続レバー(3)が配置されていて、この接続レバー(3)は、プラグコネクタハウジング(1)に対して、初期位置と終端位置の間で回転及び/又は摺動することができ、
レバー部分(4)は、それぞれガイドトラック(5)を備え、このガイドトラックには、接続レバー(3)の初期位置において、それぞれ取り付け可能な相手側コネクタハウジングに形成されたガイドピンが挿入され、かつ接続レバー(3)が旋回及び/又は摺動することによってガイドトラック(5)内で摺動することができ、
接続レバー(3)は、プラグコネクタハウジング(1)に対して摺動可能なロック要素(7)を備え、このロック要素がロック位置と呼ばれる摺動位置内で、その終端位置にある接続レバー(3)を、プラグコネクタハウジング(1)で機械的にロックし、
ロック要素(7)は、ロック要素(7)が正にロック位置にある場合に、光学読み取り装置によって、完全に検出可能で、解読可能な光学コード(9)を担持する、
当該電気プラグコネクタにおいて、
ロック要素(7)は、2つの相互に摺動可能な部分(8a、8b)からなり、その部分(8a、8b)の両方がそれぞれ光学コード(9)の小区分(9a、9b)を担持し、
2つの部分(8a、8b)の摺動位置において、光学コード(9)が完備され、
部分(8a)の一つは、係止手段(13,14)によって接続レバー(3)に固定されている
ことを特徴とした電気プラグコネクタ。
【請求項2】
光学コード(9)はバーコードであることを特徴とする請求項1に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項3】
光学コード(9)はデータマトリクスコードであることを特徴とする請求項1に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項4】
光学コード(9)は、記号(22)であることを特徴とする請求項1に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項5】
記号(22)は、幾何学的な図形又は文字であることを特徴とする請求項4に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項6】
プラグコネクタハウジング(1)上に、又は接続レバー(3)上に、又はロック要素(7)の一つの部分(8a、8b)上に、追加の、かつ分割されていない、バーコード又はデータマトリクスコード(23)又は別の走査可能なコードが、配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項7】
光学コード(9)は、2つの相互に摺動可能な、ロック要素(7)の部分(8a、8b)にレーザ刻印されていることを特徴とする請求項1に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項8】
光学コード(9)は、2つの相互に摺動可能な、ロック要素(7)の部分(8a、8b)に印刷されるか、又はステッカーとして適用されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気プラグコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグコネクタハウジングを備える電気プラグコネクタに関するものであって、
プラグコネクタハウジングには、相互接続された平行な2つのレバー部分を備える接続レバーが配置されていて、この接続レバーは、プラグコネクタハウジングに対して、初期位置と終端位置の間で回転及び/又は摺動することができ、
レバー部分は、それぞれガイドトラックを備え、このガイドトラックには、接続レバーの初期位置において、それぞれ取り付け可能な相手側コネクタハウジングに形成されたガイドピンが挿入され、かつ接続レバーが旋回及び/又は摺動することによってガイドトラック内に摺動することができ、
接続レバーは、プラグコネクタハウジングに対して摺動可能なロック要素を備え、ロック位置と呼ばれる摺動位置内で、その終端位置にある接続レバーを、プラグコネクタハウジングで機械的にロックし、
ロック要素は、ロック要素が正にロック位置にある場合に、光学読み取り装置によって、完全に検出可能で、解読可能な光学コードを担持する、ものである。
【背景技術】
【0002】
プラグコネクタの正しい、機械的及び電気的接続は、多くの用途において安全性に関連している。したがって、接続の意図しない切断に対して、プラグコネクタを接続後にロック要素によって固定することがしばしば企図されている。
【0003】
プラグコネクタ装置上のロック要素がその正しいロック位置に到達したことを証明し、その上、記録するために、ロック要素に結合された光学コーディングを光学読取装置によって把握することが知られている。
【0004】
特許文献1は、そのようなプラグコネクタを示す。この文献に記載されたプラグコネクタ組立体は、その上に配置されている視覚的識別子を備える、ハウジングで担持されている指示機構と、ハウジングによって支持されたカバー機構とを備え、
その際、指示機構及びカバー機構は、隠蔽位置と露出位置との間で互いに対して移動可能であり、
その際、カバー機構は、隠蔽位置における視覚的指標の少なくとも一部を不明瞭にし、
その際、露出位置において、視覚的指標は、露出されているか又は露出可能であるかのいずれかの少なくとも1つであり、かつ
その際、ハウジングが嵌合コネクタと完全に接続していない場合、指示機構は、カバー機構に対して相対的に隠蔽位置に位置し、ハウジングが嵌合コネクタと完全に接続されている場合、指示機構は、カバー機構に対して相対的に隠蔽位置に位置する。
【0005】
したがって、ここでは、表示機能と被覆機能が互いに対して特定の位置に存在する場合に視覚的な印は認識可能であり、他方、他の(相対)位置では、視覚的な印が少なくとも部分的にカバーされている(隠されている)。
【0006】
視覚的な印及び被覆機能を有するディスプレイ機能のそのような相互作用は、すべてのタイプのプラグコネクタに対して機能的ではなく、実現することに容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国実用新案第202016008846号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、光学的なコーディングを代替的な方法で監視することができる、簡単で費用効果の高い方法で、汎用電気プラグコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この課題は、ロック要素が、2つの相互に摺動可能な部分からなり、その部分の両方がそれぞれ光学コードの小区分を担持し、
2つの部分の摺動位置において、光学コードが完備され、
部分の一つは、係止手段によって接続レバーに固定されている
ことによって解決される。
【0010】
したがって、2つの相互に摺動可能な、ロック要素の部分に、それぞれ光学コードの一部を担持することが企図されている。2つの部分を一緒に接合することによって、光学コードは中断することなく配置され、したがって、自動読取装置によって把握可能である。
【0011】
有利な設計及び発展形態は、従属請求項及び図面に基づいて本発明の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】接続レバーが初期位置にあるコネクタハウジングを示す。
【
図2】接続レバーが終端位置にあるコネクタハウジングを示す。
【
図3】セットされたロック要素を含む、接続レバーが終端位置にあるプラグコネクタハウジングを示す。
【
図8】相互接続された、ロック要素の個々の部品を示す。
【
図10】コネクタハウジングに取り付ける場合のロック要素を示す。
【
図11】プラグコネクタハウジングに取り付けられたロック要素を示す。
【
図12】プラグコネクタハウジングに取り付けられ、ロック解除されたロック要素を示す。
【
図15】
図6に示すプラグコネクタハウジングの断面図を示す。
【
図16】ロック解除されたロック要素を有するプラグコネクタの第1の代替的な実施形態を示す。
【
図17】ロックされたロック要素を有するプラグコネクタの第1の代替的な実施形態を示す。
【
図18】ロック解除されたロック要素と、追加のデータマトリクスコードとを有するプラグコネクタの第2の代替的な実施形態を示す。
【
図19】ロックされたロック要素と、追加のデータマトリクスコードとを有するプラグコネクタの第2の代替的な実施形態を示す。
【
図20】ロック解除されたロック要素と、追加のデータマトリクスコードとを有するプラグコネクタの第3の代替的な実施形態を示す。
【
図21】ロック解除されたロック要素と、追加のデータマトリクスコードとを有するプラグコネクタの第3の代替的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1~
図6は、それぞれ、接続レバー3を有するプラグコネクタハウジング1を示す。接続レバー3は、接続ウェブ2を介して相互接続され、かつプラグコネクタハウジング1の2つの側面に旋回ピン6を中心として旋回可能に取り付けられている横方向の2つのレバー部分4からなる。
【0014】
図1~
図3には、それぞれレバー部分4の1つが示されている。レバー部分4は、それぞれ、湾曲して形成したガイドウェイ5を備え、このガイドウェイ5には、それぞれ(図示されていない)相手側コネクタハウジングのガイドピンを使用することができる。
【0015】
接続レバー3が、
図1に描画されている初期位置から
図2に描画されている終端位置まで回転すると、プラグコネクタハウジングと相手側コネクタハウジングが機械的に互いに接近し、かつハウジング内に配置されている電気的な連絡要素が電気的に相互接続される。
【0016】
旋回レバーを用いたプラグコネクタハウジングの相手側プラグコネクタハウジングとの接続は、このプロセスが知られていると仮定できるので、ここでは詳細に図示されていない。これは、例えば、すでに言及された特許文献1の
図3に基づいて描画され、かつ説明される。
【0017】
図4~
図6は、90°旋回したプラグコネクタハウジング1に対応する図を示し、このプラグコネクタハウジング1には、両方レバー部分4と、レバー部分4間の接続ウェブ2とがそれぞれ視認可能である。
【0018】
図1及び
図4に描画された接続レバー3の初期位置では、相手側プラグコネクタハウジングのガイドピンをレバー部分4のガイドトラック5に挿入することができる。
【0019】
図2及び
図5に図示された終端位置へ接続レバー3が回転した後、プラグコネクタハウジング1及び(ここでは図示されない)相手側コネクタハウジングは、既に互いに完全に接続されている。しかしながら、ここでは、接続レバー3は、まだプラグコネクタハウジング1に固定されていない。
【0020】
プラグコネクタハウジング1での接続レバー3の固定は、接続レバー3に摺動可能に配置されたロック要素7を用いて行う。
【0021】
図3及び
図6は、既に
図2及び
図5と同様に、接続レバー3がその終端位置にあるプラグコネクタハウジング1を示す。加えて、ロック要素7は、ここでは、接続ウェブ2に押し込むことによって、接続レバー3をプラグコネクタハウジング1でロックする所定の位置に持たされている。ロック要素7のこの位置は、以下では、ロック位置と称される。したがって、ロック要素7は、ハウジング固定保証又はCPA保証(CPA=「コネクタ位置保証」)の既知の機能を実現する。
【0022】
ロック要素7が光学コード9を備え、その光学コード9によって光学読取装置が接続レバー3のロック要素7における正しい位置を認識することができるが、光学コード9を覆う又は露出させる手段を必要としない。
【0023】
これを達成するために、ロック要素7は、相互に摺動可能な2つの部品8a、8bからなり、その部品の両方がそれぞれ、光学コード9の一つの小区分9a、9bのみを担持することが企図されている。その結果、2つの部分8a、8bの互いに対して摺動する位置において、光学コード9の2つの小区分9a、9bは、途切れずに配置されている。
【0024】
図6に示すように、ロック要素7は、ロック位置7に光学コード9を備える。この光学コード9は、特に、幾何学的記号、一次元バーコード、又はここで図示されているように、二次元データマトリクスコードとすることができる。このような光学コード9は、ここでは図示されていない光学読取装置によって自動的に把握することができる。
【0025】
幾何学的記号は、ここでは、好ましくは簡単に構造化された絵記号と理解するべきであり、それは、文字のような記号、又は、円形若しくは三角形若しくは長方形などの幾何学的図形の形態で形成することができる。
【0026】
完全な記号は、通常、1つ以上の線又は平面で構成される。複数の線又は平面の場合、これらは、必ずしも相互接続されている必要はなく、互いに対して平行であるか、又は互いに整列しているか、又は中断されていない配置であるなど、互いに対して意図された幾何学的配置であってもよい。このような記号の例として、平行な2本の直線を、平行に並べた等号がある。
【0027】
特に、完全な記号を形成するために、複数の線及び/又は領域が互いに一定の距離を維持しなければならないことも企図され得る。これらの特性の有無は、例えば、検出された記号を、以前に記憶された記号の表現と比較することによって、読取装置によってチェックすることができる。
【0028】
図5に示されているように、接続レバー3が折り畳まれているときにロック要素7がロック位置にない場合、光学コード9は、光学読み取り装置によって有効な光学コード9として認識されない2つの別々の小区分9a、9bに分割されている。
【0029】
例えば
図4に図示したように、接続レバー3が折り畳まれていないか、又は完全に折り畳まれていない場合、光学読取装置によって把握される領域内に光学コード9は全く現れない。
【0030】
光学コード9を備えるロック要素7は、
図7~12を参照して以下により詳細に説明される。
【0031】
図7に示すように、ロック要素7は、2つの個々の部分8a、8bから構成されている。この場合、ロック要素7の第1の部分8aは、ウェブの形態を備え、その一方の長辺に2つのばね鉤部10が形成され、他方の長辺に2つの係止鉤部13が形成されている。
【0032】
ロック要素7の第2の部分8bは、
横ウェブ12を介して相互接続されていて、かつそれぞれガイド溝16が形成されている、相互に平行な2つのガイド15を備える。2つのガイド溝16には、第1部分8aを摺動可能に挿入することができる。横ウェブ12は、ガイド15の間に2つの凹部11を有する。
【0033】
図8に描画されている接続要素7の組立状態によれば、第1の部分8aの縁部分は、第2の部分8bのガイド15に挿入され、かつ第1の部分8aは、停止部まで第2の部分8bの横ウェブ12に押し付けられている。その結果、ばね鉤部10の端部は、第2の部分8bにおける横ウェブ12の凹部11内に係止されている。したがって、第1および第2の部分8a、8bは相互接続され、これにより、第1の部分8aの外面は、横ウェブ12の外面にほぼ継ぎ目なく一直線上に当接する。
【0034】
光学コード9は、光学コード9の領域が横ウェブ12の外面から第1の部分8aの外面まで延在するように、ロック要素7の後続の製造ステップにおいて、相互接続された部分8a、8b上にレーザ刻印される。
【0035】
例えば、光学コード9は、簡略化のために、ここではバーコード又はデータマトリクスコードと称される、2進の1次元又は2次元コードとすることができる。好ましくは、光学コード9は、ロック要素7を個別化するコードを形成し、これにより、個々のロック要素7を区別し、必要に応じて、再認識することができる。
【0036】
次いで、
図9で図示する完成したロック要素7が、接続レバー3の接続ウェブ2に取り付けられる(
図10)。ロック要素7の第1の部分8aに形成されている係止鉤部13は、接続レバー3の係止凹部14に係止される。この場合、光学コード9は、接続レバー3の窓間隙18で視認することができる。
【0037】
係止鉤部13は、ばね鉤部10よりもはるかに強い材料で作られているので、ロック要素7と接続レバー3との間に強力でほとんど分離不可能な接続をもたらす。
【0038】
これとは対照的に、ばね鉤部10とロック要素7の第2の部分8bの凹部11との間の保持力は著しく低く、その結果、この係止接続は、手動で容易に適用され得る力で分離することができる。
【0039】
このプロセスの間、第2の部分8bは、ロック要素7の第1の部分8aに対して摺動されるが、ロック要素7の第1の部分は、接続レバー3に留まる。これにより、
図12に図示されている第1と第2の部分8a、8bの互いに対する位置関係が生じ、これまで完全だった光学コード9が、2つの別々の小区分9a、9bに分割される。
【0040】
接続レバー3がその終端位置にある場合(
図2、
図3、
図5、
図6に描画されている)、相互に摺動可能な2つの部分8a、8bは、接続レバー3をプラグコネクタハウジング1でロックするか、又はそれを解放することができる。これは、ロック要素7の第2の部分8bに形成されたロッククリップ17(
図9)によってもたらされる。
【0041】
図13及び
図14に描画するように、それぞれコネクタハウジング1を通る断面図において、ロッククリップ17は、ロック要素7の第2の部分8bと共に摺動する。その際、
図14に描画されているロック位置では、ロッククリップ17の外側小区分19が、プラグコネクタハウジング1に形成された2つの係止バネ20の間に位置し、従って、係止バネ20を押し広げる。
【0042】
図15は、
図14に描画されている組立状態を、90°回転した図によって図示していて、この図は、
図6によるプラグコネクタハウジング1の断面A-Aが得られる。
【0043】
図15は、ロッククリップ17の外側の小区分19によって押し広げられた2つの係止バネ20が、プラグコネクタハウジング1に属する2つのハウジング部分21をロックすることが示されている。これにより、接続レバー3の回転可動性がなくなり、ロック要素7がロック位置にある限り、プラグコネクタハウジング1に対して折り畳まれた状態のままとなる。したがって、ロック要素7は、位置固定保証又はCPA保証としての機能を果たす。
【0044】
図16及び
図17は、コネクタのさらなる実施形態に基づいて、光学コード9が必ずしもバーコード又はデータマトリクスコードである必要はなく、単純な記号22によって形成することもできることを示す。この場合、原則として、記号22は、各々区別可能な表現によって実現することができる。特に有利には、記号は、以下で「幾何学的記号」と呼ばれる簡単な幾何学的図形として設計することができる。
【0045】
幾何学的記号22は、ここでは、例えば、規定された寸法及び/又は比率を有する矩形面からなる。矩形面は、ロック要素7の2つの部分8a、8b上に配置されていて、部分8a及び8bが一緒になると、完成した矩形面の形態での完全な幾何学的記号22に組み立てられる、2つの部分22a、22bに分割される。
【0046】
代替的には、幾何学的記号22は、小区分に分割されている円形領域、三角形領域、又は他の幾何学的形状によっても形成することができ、かつ部分8a及び8bを一緒にすることによって完成される。
【0047】
このような実施形態は、小区分22a、22bから構成されている幾何学的記号22の認識が、小区分9a、9bから構成されているデータマトリクス又はバーコードの正しい認識よりも、公差に対する感度がはるかに低いので、特に有利である。
【0048】
図18及び
図19に示されるように、プラグコネクタの個別に把握することを可能にするため、分割されていないデータマトリクス又はバーコード23をプラグコネクタハウジング1又は接続レバー3の一部に配置することもできる。
【0049】
しかし、このデータマトリクスコード23は、完全に組み立てられた幾何学的シンボル22を読取装置が事前に認識した場合にのみ、読取装置によって読み取られ及び/又は有効であると認められる。
【0050】
プラグコネクタの別の実施形態が
図20及び
図21に図示される。ここでは、追加のデータマトリクスコード23が、ロック要素7の可動部分8b上に配置されている。ここでも、データマトリクスコード23は、2つの小区分22a、22bから完全に組み立てられた幾何学的シンボル22を読取装置が事前に認識した場合にのみ、読取装置によって読み取られ及び/又は有効であると認められる。
【符号の説明】
【0051】
1 プラグコネクタハウジング
2 接続ウェブ
3 接続レバー
4 レバー部分
5 ガイドトラック
6 旋回ピン
7 ロック要素
8a (ロック要素の)第1部分
8b (ロック要素の)第2部分
9 光学コード
9a、9b (光学コードの)小区分
10 ばね鉤部
11 凹部
12 横ウェブ
13 係止鉤部
14 係止凹部
(13、14) 係止手段
15 ガイド
16 ガイド溝
17 ロッククリップ
18 窓間隙
19 外側部分
20 係止バネ
21 ハウジング部分
22 記号
22a、22b 小区分
23(未分割の)データマトリクス又はバーコード