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特許7539635水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法
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  • 特許-水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法
(51)【国際特許分類】
   F03B 15/02 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
F03B15/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022010458
(22)【出願日】2022-01-26
(65)【公開番号】P2023058414
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】202111191046.2
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520208111
【氏名又は名称】広西大学
【氏名又は名称原語表記】GUANGXI UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 100, Daxuedong Road, Nanning, Guangxi, China
(73)【特許権者】
【識別番号】522036222
【氏名又は名称】広西農村投資集団発電有限公司
【氏名又は名称原語表記】Guangxi Rural investment Group Power Generation Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 30, Xiangzhu Boulevard, Qingxiu District, Nanning, Guangxi Zhuang Autonomous Region, China
(73)【特許権者】
【識別番号】522036233
【氏名又は名称】広西壮族自治区水電管理中心
【氏名又は名称原語表記】Guangxi Zhuang Autonomous Region Hydropower Management Center
【住所又は居所原語表記】No. 12, Jianzheng Road, Qingxiu District, Nanning, Guangxi Zhuang Autonomous Region, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】祝 云
(72)【発明者】
【氏名】潘 柯良
(72)【発明者】
【氏名】韋 化
(72)【発明者】
【氏名】李 仕日
(72)【発明者】
【氏名】陳 碧云
(72)【発明者】
【氏名】廖 添勝
(72)【発明者】
【氏名】張 弛
(72)【発明者】
【氏名】粟 明杰
(72)【発明者】
【氏名】李 濱
(72)【発明者】
【氏名】施 明
(72)【発明者】
【氏名】鄒 慧宇
(72)【発明者】
【氏名】黄 安華
(72)【発明者】
【氏名】馮 帥
(72)【発明者】
【氏名】謝 升活
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-147721(JP,A)
【文献】特開平02-157482(JP,A)
【文献】特開平06-185447(JP,A)
【文献】特開平07-190679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水池を備える小水力発電所を運転するシステムが実行する水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法であって、前記小水力発電所は、複数の小水力発電所ユニットを備え、
S1、前記小水力発電所の前記貯水池の水量収支の関係、前記小水力発電所ユニットの効率を示す小水力発電所ユニットの総合特性曲線データ、前記小水力発電所の前記貯水池の水環境の状態を示す水環境データを取得するステップ、
S2、前記小水力発電所の発電のタスクを取得し、前記小水力発電所の前記発電のタスクに基づいて各前記小水力発電所ユニットの最適な配分を実現する一日の負荷配分モデルを構築するステップ、
S3、前記水環境データと前記貯水池の水量収支の関係に基づいて、水環境の関係式を取得するステップ、
S4、前記小水力発電所ユニットの総合特性曲線データに基づいて、水力タービンの総合特性曲線を取得し、前記水力タービンの総合特性曲線に基づいて、前記小水力発電所ユニットの運転の制約条件を取得するステップと、
S5、前記水環境の関係式と前記小水力発電所ユニットの運転の制約条件に基づいて前記一日の負荷配分モデルの解を求め、各前記小水力発電所ユニットの起動・停止の組み合わせ、各前記小水力発電所ユニットの出力計画、各時点での前記小水力発電所ユニットの運転状態を得て、前記各前記小水力発電所ユニットの出力計画と各時点での前記小水力発電所ユニットの運転状態を一日の負荷配分結果とするステップ
を含み、
前記S2における前記一日の負荷配分モデルの構築は、
S2.1、前記小水力発電所の総水消費量を求め、前記小水力発電所の総水消費量の最小値を最適化目標とする、
S2.2、前記小水力発電所の前記貯水池の水環境の条件に応じて、前記水環境の制約条件を設定する、
S2.3、前記小水力発電所の前記複数の小水力発電所ユニットの各運転特性に基づいて、各前記小水力発電所ユニットの運転の制約条件を設定する、
ことを特徴とする、水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法。
【請求項2】
前記S1の前記小水力発電所ユニットの総合特性曲線データは、少なくともタービンの単位回転速度、単位流量、ガイドベーン開度、及び効率を含むことを特徴とする、請求項1に記載の水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法。
【請求項3】
前記S1の前記水環境データは、前記小水力発電所の前記貯水池の上流側水位、下流側水位、入口流量、出口流量及び貯水池容量を含むことを特徴とする、請求項1に記載の水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法。
【請求項4】
前記小水力発電所の前記水環境の制約条件は、前記貯水池の上流側水位の制約と下流側水位の制約を含み、前記各前記小水力発電所ユニットの運転の制約条件は、各前記小水力発電所ユニットの起動停止状態と断水の制約、各前記小水力発電所ユニットの電力バランスの制約、各前記小水力発電所ユニットの出力の制約、各前記小水力発電所ユニットのヘッドの制約、各前記小水力発電所ユニットのガイドベーン開度の制約、及び各前記小水力発電所ユニットの効率の制約の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法。
【請求項5】
前記S4においては、
S4.1、前記小水力発電所ユニットの総合特性曲線データに対して、データ離散化を行い、ガイドベーン開度の特性を示す水力タービンのモデル特性曲線と効率の特性を示す水力タービンの運転特性曲線の離散データを得て、水力タービンのモデル特性曲線と水力タービンの運転特性曲線を含む前記水力タービンの総合特性曲線を取得するステップ、
S4.2、前記モデル特性曲線に基づいて、ガイドベーン開度、タービンの単位回転速度、及び単位流量からなるガイドベーン開度の関係式を形成するステップと
S4.3、前記運転特性曲線に基づいて、前記小水力発電所ユニットの出力、ヘッド、及び流量からなる小水力発電所ユニットの出力の関係式を形成するステップ
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法。
【請求項6】
前記S5において、各前記小水力発電所ユニットの起動・停止の組み合わせ、各前記小水力発電所ユニットの出力計画、各時点での前記小水力発電所ユニットの運転状態を得ることは、
S5.1、前記水環境の関係式と前記小水力発電所ユニットの総合特性曲線データをフィッティングして、フィッティング結果を得るステップと、
S5.2、前記フィッティング結果と前記小水力発電所ユニットの運転の制約条件に基づいて、前記一日の負荷配分モデルの最適解を求め、前記最適解に基づいて、前記小水力発電所の各前記小水力発電所ユニットの出力計画と各前記小水力発電所ユニットの運転状態を求めるステップ
で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水力発電所の安全で経済的な運転の技術分野に関し、特に、水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小水力発電所における一日の負荷配分のタスクは、システムの負荷要求と複雑な制約条件を満たす上に、稼働するユニットの台数を確認し、ユニット間の最適な負荷配分をマッチングさせて、最小の総水消費量を達成すると同時に、ユニットの安定的、効率的、経済的な運転を確保することである。
【0003】
小水力発電所の負荷配分モデルには、高次元の非線形水環境制約やユニット制約が多数存在し、具体的なモデルの構築が困難である。同時に、小水力発電所は運転開始から時間が経過しているため、管理が弱く、発電操作には理論的な指導がなく、さらに運転中のユニットには過大な速度、温度、振動があり、小水力発電所の正常な運転に深刻な影響を与えている。
【発明の概要】
【0004】
上述の問題に対して、本発明は、水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法を提案し、従来技術に存在する技術的な問題を解決するために、水の総使用量を削減し、ユニットの効率的な動作を確保することが可能である。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法を提供し、以下のステップを含む。
S1、小水力発電所の貯水池の水量収支関係、ユニットの総合特性曲線データ、水環境データを取得するステップ、
S2:小水力発電所の発電タスクを取得し、前記小水力発電所の発電タスクに基づいて一日の負荷配分モデルを構築するステップ、
S3、前記水環境データと前記貯水池の水収支関係に基づいて、水環境関係を取得するステップ、
S4、前記ユニット総合特性曲線データに基づいて、水力タービンのユニット総合特性情報を取得し、前記水力タービンのユニット総合特性情報に基づいて、ユニット運転の数値関係を取得するステップと、
S5、前記水環境関係と前記ユニット運転の制約条件に基づいて前記一日の負荷配分モデルの解を求め、小水力発電所ユニットの起動・停止の組み合わせ、各ユニットの出力計画、各時点でのユニットの運転状態を得て、小水力発電所ユニットの出力配分計画と各時点でのユニットの運転状態を一日の負荷配分結果とする。
【0006】
好ましくは、前記S1における貯水池の水量の収支関係は、タービンのランナーの直径、実機のガイドベーン数、ポールペア数、最大揚程、最小揚程、定格出力、定格回転速度、定格流量を含む。
【0007】
好ましくは、S1の前記ユニット総合特性曲線データは、タービン単位回転速度、単位流量、ガイドベーン開度、有効負荷、周波数、流量、効率を含む。
【0008】
好ましくは、前記S1の水環境データは、小水力発電所の上流側水位、下流側水位、入口流量、貯水池容量を含む。
【0009】
好ましくは、前記S2における一日の負荷配分モデルの構築は、以下のステップで構成される。
S2.1.小水力発電所の総水消費量を求め、小水力発電所の総水消費量の最小値を最適化目標とする。
S2.2.小水力発電所の水環境に応じて、水環境の制約を設定する。
S2.3、小水力発電所のユニット運転特性に基づいてユニット運転制約を設定する。
【0010】
好ましくは、前記小水力発電所の水環境制約は、上流と下流の水位制約を含み、前記ユニット運転制約は、起動停止状態と断水環境制約、電力バランス制約、ユニット出力制約、揚程制約、ユニット開度制約、ユニット効率制約を含む。
【0011】
好ましくは、前記S4において水力タービンのユニット総合特性情報を取得することは、以下のステップを含む。
S4.1.前記ユニットの総合特性曲線に対して、データ離散化を行い、モデル特性曲線と運転特性曲線の離散データを得る。
S4.2では、前記モデル特性曲線に基づいて、等しいガイドベーン開度、単位回転速度、流量のデータを取得し、ガイドベーン開度の数値関係を形成する。
S4.3では、前記運転特性曲線に基づいて等流量データとユニット出力データを取得し、ユニット出力の数値関係を形成する。
【0012】
好ましくは、前記S5には、小水力発電所ユニットの起動・停止の組み合わせ、各ユニットの発電出力スケジュール、各時点でのユニットの運転状態の取得は、以下のステップで構成される。
S5.1、前記水環境関係と前記ユニットの総合特性曲線データをフィッティングして、フィッティング結果を得る。
S5.2、前記フィッティング結果と前記小水力発電所の運転の境界条件に基づいて、前記一日の負荷配分モデルの最適解を求め、前記最適解に基づいて、前記小水力発電所の各ユニットの出力計画と各ユニットの運転条件を求める。
【0013】
本発明は、以下の技術的効果を開示する。
本発明では、まず、発電所で得られた水力タービンの総合特性曲線と小水力発電所の過去の運転履歴をデータベースとし、小水力発電の一日の負荷配分モデルを確立し、次に、水力タービンの総合特性曲線と水環境データを数値処理して、小水力発電所の水環境変化の数式と各パラメータの具体的な数式を求め、最後に微細化処理された水環境制約とユニット運転制約をモデルに導入し、より正確で経済的な小水力発電所の一日の負荷配分状況を求める。
【0014】
本発明は、水力タービンの総合特性曲線を組み合わせて、小水力発電所ユニットの運転条件における関連パラメータの数式を確立し、小水力発電所の一日の負荷配分モデルにおける水環境制約とユニット運転制約を改善し、小水力発電所の一日の負荷配分の新しい方法とアイデアを提供し、水力発電所ユニットの安全で経済的な運転のための理論的基礎を提供し、高い実用性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施形態または先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、実施形態に必要な添付図面について以下に簡単に説明する。以下の説明における添付図面は、本発明の一部の実施形態に過ぎず、当業者が創造的な努力をすることなく、これらの図面に基づいて他の添付図面を得ることができることは明らかであろう。
図1】本発明の方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施の形態における水力タービンモデルの総合特性曲線である。
図3】本発明の実施形態におけるタービン動作の総合特性曲線である。
図4】本発明の一実施形態における分水嶺の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態における技術的解決策を、本発明の実施形態における添付図面と併せて明確かつ完全に説明するが、説明される実施形態は、本発明の実施形態の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働力を用いずに得た他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に入る。
【0017】
本発明の上述の目的、特徴、および利点をより明らかにし、理解できるようにするために、添付の図面および具体的な実施形態と併せて、以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】
図1~4を参照すると、本実施形態では、水力タービンの総合特性曲線に基づく小水力発電所の一日の負荷配分方法であって、以下のステップを含む方法を提供する。
S1.小水力発電所の貯水池の水収支、ユニット総合特性曲線データ、水環境データを取得する。貯水池の水量の収支関係には、タービンの直径、実機ガイドベーン数、ポールペア数、最大揚程、最小揚程、定格出力、定格回転速度、定格流量が含まれ、ユニット総合特性曲線データには、タービンの単位回転速度、単位流量、ガイドベーン開度、有効負荷、周波数、流量、効率が含まれ、水環境データには、小水力発電所の上流水位、下流水位、入口流量、貯水池容量が含まれる。そのうち、モデル総合特性曲線データ、運転総合特性曲線データ、小水力発電所の水ログデータをそれぞれ表1-3に示す。
【0019】
本実施例では、小水力発電所の軸流固定式プロペラタービンの特性曲線を明細書に添付した図2および図3のように収集し、合計1,452点を抽出し作業ポイントを運転するとともに、小水力発電所の1ヶ月間の水環境運転データ、合計740点を抽出した。
【0020】
S2.小水力発電所の発電タスクを取得し、小水力発電所の発電タスクに基づいて一日の負荷配分モデルを構築する。
【0021】
一日の負荷配分モデルの構築には、下記のステップが含まれる。
S2.1.小水力発電所の総水使用量を求め、小水力発電所の総水使用量の最小化を最適化目標とする目標関数を次式のように設定する。
【0022】
【0023】
S2.2、小水力発電所の水環境条件に基づいて、水の制約を確立する。小水力発電所の水の制約は、上流と下流の水位の制約を含む。
(1)貯水池の水収支
ここで、Iは時刻tにおける小水力発電所の入口流量、Qは時刻tにおける小水力発電所の出口流量、Rは時刻tにおける貯水池の容量である。
【0024】
(2)上流・下流の水位制約
【0025】
(3)スタート・ストップ状態と断水の制約
【0026】
(4)パワーバランスの制約

【0027】
(5)ユニット出力制約
【0028】
(6)ヘッド制約
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
(7)ユニットオープン制約


【0033】
(8)ユニット効率の制約
【0034】
S2.3.小水力発電所のユニット運転特性に基づいて、ユニット運転制約を設定する。ユニット運転制約には、起動停止状態や断水制約、パワーバランス制約、ユニット出力制約、揚程制約、ユニット開度制約、ユニット効率制約などがある。
【0035】
S3.水環境データと貯水池の水収支関係から、水環境関係を求める。


【0036】
【0037】
S4.ユニット総合特性曲線データに基づいて、水力タービンのユニット総合特性情報を取得し、水力タービンのユニット総合特性情報に基づいて、ユニットの運転に関する制約条件を取得する。
【0038】
水力タービンのユニット総合特性情報を取得することには、以下のステップが含まれる。
S4.1.前記ユニットの前記総合特性曲線に対してデータ離散化処理を行い、前記モデル特性曲線および運転特性曲線の離散データを得る。
S4.2.モデル特性曲線に基づいて等しいガイドベーン開度、単位回転速度、流量のデータを取得し、ガイドベーン開度の数値関係を形成し、運転総合特性曲線のユニット出力特性を処理する。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
S5、前記水環境関係と前記ユニット運転の制約に基づいて前記一日の負荷配分モデルを求め、小水力発電ユニットの起動と停止の組み合わせ、各ユニットの発電出力計画、各時点でのユニットの運転状態を取得する。小水力発電ユニットの出力配分計画と各時点でのユニットの運転状態を一日の負荷配分結果とする。小水力発電所ユニットの出力計画や各時点でのユニットの運転状況の取得には、下記のステップが含まれる。
S5.1.水環境の関係とユニットの総合特性曲線のデータをフィッティングして、フィッティング結果を得る。
S5.2では、フィッティング結果と小水力発電所の運転の境界条件に基づいて、一日の負荷配分モデルの最適解を求め、その最適解に従って小水力発電所のユニットの出力配分スキームと各時点でのユニットの運転条件を求める。
【0045】
【0046】
モデルの制約条件によると、この例のモデルは混合整数非線形計画問題の解法に属し、最高時数の項は2である。高速解法のためにソルバーGurobiを使用し、最終解では総水消費量が3970599.103となり、ユニットの組み合わせと出力配分方式は表9と表10に示すとおりである。表9にユニットの負荷配分を、表10に2番ユニットの運転条件を示す。
【0047】
本発明は、以下の技術的効果を開示する。
本発明では、まず、発電所から水力タービンの総合特性曲線と小水力発電所の過去の運転履歴をデータベースとし、小水力発電の一日の負荷配分モデルを確立し、次に、水力タービンの総合特性曲線と水環境データを数値処理して、小水力発電所の水条件の変化を表す数式と、発電条件でのユニットの各パラメータの具体的な数式を取得し、最後に、小水力発電所のためのより正確で経済的な一日の負荷配分を得るために、洗練された水環境制約とユニット運転制約をモデルに組み込む。
【0048】
本発明は、水力タービンの総合特性曲線を組み合わせて、小水力発電所ユニットの運転条件における関連パラメータの数式を確立し、小水力発電所の一日の負荷配分モデルにおける水環境制約とユニット運転制約を改善し、小水力発電所の一日の負荷配分の新しい方法とアイデアを提供し、水力発電所ユニットの安全で経済的な運転のための理論的基礎を提供し、高い実用性を有するものである。
【0049】
最後に、上述した実施形態は、本発明の技術的解決策を説明するための具体的な実施形態に過ぎず、これを制限するものではなく、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではないことに留意すべきである。先の実施形態を参照して本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、本発明が開示する技術的範囲内では、先行する実施形態に記録されている技術的解決策に修正や容易に考えられる変形を加えたり、その技術的特徴の一部に同等の代替を加えたりすることができ、これらの修正、変形、代替は、対応する技術的解決策の本質を、本発明の実施形態の技術的解決策の精神と範囲から逸脱させるものではなく、すべて本発明の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に準拠すべきである。
図1
図2
図3
図4