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  • 特許-戸体制御構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】戸体制御構造
(51)【国際特許分類】
   E05F 1/10 20060101AFI20240819BHJP
   E05F 3/02 20060101ALI20240819BHJP
   E05F 3/04 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
E05F1/10
E05F3/02
E05F3/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021013441
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022116993
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000113779
【氏名又は名称】マツ六株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391025899
【氏名又は名称】昭和スプリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086346
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 武信
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和芳
(72)【発明者】
【氏名】北村 勝博
(72)【発明者】
【氏名】尾形 安央
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-65878(JP,A)
【文献】実開昭55-53171(JP,U)
【文献】特開2007-308888(JP,A)
【文献】特開2010-48025(JP,A)
【文献】特開2015-124601(JP,A)
【文献】特開2014-101652(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0242593(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/10
E05F 3/02
E05F 3/04
E05F 5/02
E05F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸枠と、前記戸枠に対して回動可能に吊元側で取り付けられて回動して開閉する戸体と、回動するアームを備えた装置本体と、前記アームを受容する受け具とを備え、
前記アームが前記受け具に受容された状態で回動することにより、前記戸体の動きを制御する戸体制御構造において、
前記アームは、前記装置本体から前方へ突出する前方突出状態から前記装置本体から正面へ突出する正面突出状態の範囲を回動するものであり、
前記装置本体は、前記戸枠の吊元側と前記戸体の吊元側とのいずれか一方に固定され、
前記受け具は、前記戸枠の吊元側と前記戸体の吊元側とのいずれか他方に固定され、
前記戸体が開位置から閉位置へ回動するに伴い、前記前方突出状態の前記アームの先端が、前記受け具の開口端に接近し、
前記アームが、その先端から前記受け具の開口端から内部に受容されることにより、前記装置本体が作動して前記アームが前記正面突出状態へ回動し、前記戸体の動きの制御が吊元側で行われるように構成されたことを特徴とする戸体制御構造。
【請求項2】
前記装置本体は、正面を前記戸体の内面側に向けて前記戸体に固定されるケーシングを備え、
前記アームは、前記受け具から離れている状態で、前記ケーシングの前端面から前記戸体の吊元端部の前方へ突出し、
前記アームは、前記受け具に受容された状態で、前記ケーシングの前記前端面から正面側へ回動して、前記戸体の前記吊元端部から内面側へ回動するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の戸体制御構造。
【請求項3】
前記アームは、上下一対の平行アーム部と、一対の前記平行アーム部の先端間に渡された被案内部であるローラと、一対の前記平行アーム部の基端間に渡されて前記ケーシングの上下壁に支持された回動軸部と、スプリングと、ダンパーとを備え、
前記スプリングは、その先端が前記平行アーム部における前記ローラと前記回動軸部との間に配置されたスプリング固定部に接続され、その基端が前記ケーシングの基端側に固定され、
前記ダンパーは、前記スプリングと上下に並べて配列され、その先端がダンパーアーム接続され、その基端が前記ケーシングの基端側に固定され、
前記ダンパーアームの先端は、前記平行アーム部における前記ローラと前記回動軸部との間の位置であって、前記スプリング固定部よりも前記回動軸部から遠い位置に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の戸体制御構造。
【請求項4】
前記アームの前記ローラは、その中心軸が縦方向になるように、上下一対の前記平行アーム部に支持され、
前記受け具は、前記戸枠の縦枠に取り付けられ、縦方向の前記ローラを受け入れる受容部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の戸体制御構造。
【請求項5】
前方に向けて開口し、前記アームを覆うカバーを備えたことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の戸体制御構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸体制御構造に関する。
【背景技術】
【0002】
戸枠に支持されて回動開閉する開き戸において、戸枠に対し人手にて戸体を閉鎖する場合に、不十分な閉鎖により隙間が生じないよう戸体の移動を補助する種々の戸体制御装置やそれを用いた構造が提案されている(特許文献1~4)。
特許文献1~4にて提案された従来の戸体移動装置を総括すると、概ね次の通りである。
【0003】
即ち、上記従来の戸体制御装置は、戸枠と戸体の何れか一方に設けられた受け部と、戸枠と戸体の何れか他の一方に配置され且つ先端にローラを被案内部として有し後端を中心に回転可能なアームと、アームを付勢するバネ及びダンパーを備え、人手による戸体の閉鎖に際し、戸体が戸枠の閉鎖位置に接近すると、上記受け部は被案内部を受け入れ被案内部の移動を案内するものであり、ローラが案内部により案内される間、バネの付勢によりローラが案内部を引き寄せ、案内部の当該引き寄せにより戸体に制動を加えつつ上記閉鎖位置へ引き寄せて上記閉鎖を完了することができる。
従来のこの種の制御装置は、戸体の上端に取り付けるものが多く、特許文献4にあってはその図20に記載のように、戸先に取り付けるものが開示されている。
このように、吊り元から離れた位置に制御装置本体を設ける方が、小さなバネの力で戸体の制御が可能である反面、吊り元から離れれば離れるほど、ローラと案内部との位置決めが困難になる。特に、戸枠と戸体とは家屋の建築現場で最終的な位置調整がなされる場合が多く、最終的な位置調整が終わった段階で両者の位置が確定するものである。その際、機械部品のように厳密な位置調整ができないことはもちろん、戸体に加わる重力の影響で経年変化による位置ずれを完全に排除することはできない。その結果、ローラなどの被案内部が受け部に良好に受容されなかったり、受容されたとしても途中で被案内部が受け部から外れてしまったり動きの抵抗が大きくなってしまったりすると言う、作動不良が生じる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-173279号公報
【文献】特開2017-190638号公報
【文献】特開2012-036674号公報
【文献】特開2020-153173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、戸体の戸枠への位置決めに多少の狂いが生じた場合にあっても、ローラなどの被案内部が受け部に良好に受容されなかったり、受容されたとしても途中で被案内部が受け部から外れてしまったり動きの抵抗が大きくなってしまったりすると言う、作動不良の発生を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、戸枠と、前記戸枠に対して回動可能に吊元側で取り付けられて回動して開閉する戸体と、回動するアームを備えた装置本体と、前記アームを受容する受け具とを備え、前記アームが前記受け具に受容された状態で回動することにより、前記戸体の動きを制御する戸体制御構造の改良に関するものである。
前記アームは、前記装置本体から前方へ突出する前方突出状態から前記装置本体から正面へ突出する正面突出状態の範囲を回動する。前記装置本体は、前記戸枠の吊元側と前記戸体の吊元側とのいずれか一方に固定される。
前記受け具は、前記戸枠の吊元側と前記戸体の吊元側とのいずれか他方に固定され、前記戸体が開位置から閉位置へ回動するに伴い、前記前方突出状態の前記アームの先端が、前記受け具の開口端に接近する。前記アームが、その先端から前記受け具の開口端から内部に受容されることにより、前記装置本体が作動して前記アームが前記正面突出状態へ回動し、前記戸体の動きの制御が吊元側で行われるように構成された戸体制御構造を提供するものである。
【0007】
前記装置本体は、正面を前記戸体の内面側に向けて前記戸体に固定されるケーシングを備え、
前記アームは、前記受け具から離れている状態で、前記ケーシングの前端面から前記戸体の吊元端部の前方へ突出しているものとして実施することができる。そして、前記アームは、前記受け具に受容された状態で、前記ケーシングの前記前端面から正面側へ回動して、前記戸体の前記吊元端部から内面側へ回動するようにように構成されたものとすることができる。
【0008】
また、前記アームは、上下一対の平行アーム部と、一対の前記平行アーム部の先端間に渡された被案内部であるローラと、一対の前記平行アーム部の基端間に渡されて前記ケーシングの上下壁に支持された回動軸部と、スプリングと、ダンパーとを備えたものとして実施することができる。前記スプリングは、その先端が前記平行アーム部における前記ローラと前記回動軸部との間に配置されたスプリング固定部に接続され、その基端が前記ケーシングの基端側に固定される。前記ダンパーは、前記スプリングと上下に並べて配列され、その先端がダンパーアーム接続され、その基端が前記ケーシングの基端側に固定される。前記ダンパーアームの先端は、前記平行アーム部における前記ローラと前記回動軸部との間の位置であって、前記スプリング固定部よりも前記回動軸部から遠い位置に接続されているものとすることができる。
【0009】
また、前記アームの前記ローラは、その中心軸が縦方向になるように、上下一対の前記平行アーム部に支持されたものとすることができる。前記受け具は、前記戸枠の縦枠に取り付けられ、縦方向の前記ローラを受け入れる受容部を備えたものとすることができる。
【0010】
さらにまた、安全性を高めるために、前方に向けて開口し、前記アームを覆うカバーを備えたものとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、戸体の戸枠への位置決めに多少の狂いが生じた場合にあっても、ローラなどの被案内部が受け部に良好に受容されなかったり、受容されたとしても途中で被案内部が受け部から外れてしまったり動きの抵抗が大きくなってしまったりすると言う、作動不良の発生の抑制をなすことができた戸体制御構造を提供し得たものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係る戸体制御構造の水平断面を示すもので、(A)は戸体が開位置、(B)は戸体が半開位置、(C)は戸体が閉位置にある状態を示すものである。
図2】同戸体制御構造の要部拡大水平断面を示すもので、(A)は戸体が開位置、(B)は戸体が半開位置、(C)は戸体が閉位置にある状態を示すものである。
図3】同戸体制御構造の開位置における装置本体を示すもので、(A)は内部構造を示す平面図、(B)は内部構造を示す正面図、(C)は内部構造を示す底面図である。
図4】同戸体制御構造の閉位置における装置本体を示すもので、(A)は内部構造を示す平面図、(B)は内部構造を示す正面図、(C)は内部構造を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
尚以下の実施の形態は例示であり、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り以下の実施の形態と異なる実施の形態を採用することが可能である。
【0014】
(概要)
この実施の形態に係る戸体制御構造は、一般家庭などの居室に主として用いられる扉に採用された構造である。この戸体制御構造は、戸枠11と、戸枠11の吊元側の縦枠12に蝶番(図示せず)によって取り付けられた戸体15を備える。戸体15は蝶番回動軸18を中心に回動して開閉する。以下の説明では、戸体15を閉じた時に室内側に位置する面(縦の戸当たり13などの戸当たりに当たる面)を、戸体15の内側面17(図1(C)、図2(C)の上面)として説明し、戸枠11の縦枠12に対向する端面を吊元端部16として説明する。
この戸体制御構造は、回動するアーム31を備えた装置本体21と、装置本体21を受容して案内する受け具51を備える。装置本体21は戸体15の内側面17に固定されており、戸体15の回動開閉とともに蝶番回動軸18を中心に回動する。
他方、縦枠12の縦戸当たり13には、受け具51が固定されている。
戸体15が開いている状態では、アーム31は受け具51から離れた位置にあり、装置本体21のケーシング22に係止されている。
戸体15が所定の角度まで閉じた段階で、アーム31が受け具51に受容され、アーム31の被係止部34とケーシング22の39との係止が外れて、アーム31の回動が始まる。アーム31は、スプリング等の付勢手段(この例では引張コイルスプリング41)及びダンパーアーム45の作用により、受け具51に案内されながら回動することで、戸体15を所定の速さで回動させて閉じるものである。
【0015】
(装置本体21について)
装置本体21は、図2図3図4に示すように、ケーシング22にアーム31が回動可能に設けられているものである。ケーシング22は全体として、背面部26と、その上下辺から立ち上がっている一対の上下面部25と、上下の上下面部25の間を覆う正面部24とを備えた略直方体をなしており、正面部24を戸体15の内面側に向けて固定される。
図2(C)で言えば、ケーシング22は、正面部24を戸体15の内面側17(図の上側)に向けて、また、背面部26を戸体15の外面側(図の下側)に向けて、固定される。
なお、戸体15への取り付けの具体的形態は、種々変更して実施することができるもので、例えば、戸体15の吊元端部16に開口部を設けてその開口部からケーシング22を挿入してケーシング22の前端面23に設けたフランジ30を吊元端部16へネジ止めして固定するものであっても構わないし、戸体15の内側面17の表面にケーシング22をネジなどによって固定するものであっても構わないし、戸体15の内側面17に凹みを設けてその凹みの中にケーシング22を配置して固定しても構わない。
【0016】
(アーム31の動きとケーシング22の形態)
アーム31は、受け具51から離れている状態で、ケーシング22の前端面23から前方へ突出し(前方突出状態:図2(A)参照)、受け具51に受容された状態で、ケーシング22の前端面23から正面部24へ回動する(正面突出状態:図2(C)参照)。したがってケーシング22は、その回動を許すように、前端面23から正面部24の前寄りの範囲は開口しており、正面部24は、ケーシング22の後ろ半分のみを覆っている。
ケーシング22の上下面部25の間にはアーム31を回動可能に支持する回動軸部27が渡されており、さらにその前方には板バネからなるアーム係止部29が背面部26に固定されて配置されている。
【0017】
(アーム31について)
アーム31は、上下に配置された平行アーム部32を備えており、平行アーム部32の先端間には被案内部であるローラ33が回動可能に渡されている。ローラ33は、受け具51にスムーズに案内されるように回動可能としているが、スムーズな案内が実現できれば、必ずしも回動するものでなくても構わないし、ローラ状のものでなくても構わない。
平行アーム部32の基端は回動軸部27に回動可能に支持されており、アーム31は回動軸部27を中心に回動する。
先端側のローラ33と基端側の回動軸部27との間には、アーム係止部29に係止される被係止部34と、スプリング固定部36と、ダンパーアーム固定部37とが渡されている。
【0018】
(アーム31の作動源について)
この装置本体21はアーム31の作動源として、引張コイルスプリング41とダンパー42を備えている。
引張コイルスプリング41は、その先端がケーシング22のスプリング固定部36に接続され、その基端がケーシング22の基端側に固定されている。引張コイルスプリング41の基端を固定するために、ケーシング22の一対の上下面部25の基端側には基端側固定部35が渡されている。
引張コイルスプリング41は、図3などに示すアーム31の前方突出状態(アーム31が装置本体21のケーシング22から前方へ突出している状態)にあっては最も伸長しており、ばねの弾性によって収縮して図4等に示す正面突出状態(アーム31が装置本体21のケーシング22から正面側へ突出している状態)へアーム31を回動させる。
ダンパー42は、引張コイルスプリング41の動きに対抗してその動きを緩和し、急激な扉の動きを緩やかにするためのもので、この例では、引張コイルスプリング41と上下に並べて配列されることによって、装置本体21の上下厚みを小さくコンパクトにしている。ダンパー42は、シリンダ43と伸縮するピストン44を備えており、ピストン44の先端がダンパーアーム45に接続され、シリンダ43の基端が前記ケーシングの基端側の基端側固定部35に接続されている。
【0019】
引張コイルスプリング41の先端が接続されるスプリング固定部36は、アーム31の回動軸部27に対して比較的近い位置に配置されている。
これに対して、ダンパーアーム45の先端が接続されるダンパーアーム固定部37は、アーム31の回動軸部27に対して比較的遠い位置に配置されている。
従って、前方突出状態から正面突出状態へアーム31が回動しても、スプリング固定部36の位置は大きく変化せずケーシング22の内部に収まっている。これに対して、前方突出状態から正面突出状態へアーム31が回動すると、ダンパーアーム固定部37の位置はケーシング22の内部に収まっている図3(A)の位置から、ケーシング22の正面側へ僅かに出た図4(A)の位置へ変化するが、ダンパーアーム45を介してダンパー42をアーム31に接続したことによって、ダンパー42は引張コイルスプリング41とともにケーシング22の内部に収まった状態を保つことができる。
【0020】
(受け具51について)
受け具51は、アーム31を受容して案内するもので、図2に示すように、戸枠11の吊元側の縦枠12に取り付けられている。より詳しくは縦枠12の縦戸当たり13を超えて、その開口部53がアーム31へ臨むように取り付けられ、戸枠11が閉まり切る途中に、前方突出状態にあるアーム31を受容部52の開口部53から受け入れる。アーム31の動きに応じて、ローラ33が開口部53から受容部52の奥へと案内される。受容部52は、内板54と外板55の並列された2枚の金属板材によって規定され、平面視略J字状に開口部53寄りで湾曲している。これによってローラ33を縦方向に受けて回動できるように保持する。この実施の形態では内板54と外板55が奥板56によって接続された金属プレス加工品で実施されており、内板54を縦枠12にネジ止めしたもので、シンプルで一般家庭に取り付けても目立たないものとすることができる。
【0021】
このようにローラ33を縦方向(ローラ33の中心軸が縦になる方向)に受け入れるものであるため、戸枠11の上下方向の位置が予定の位置よりも変化した場合であっても、その許容範囲が大きくなり、動作不良の発生を抑制することができる。
また、吊元側で戸枠11の制御を行うため、引張コイルスプリング41及びダンパー42には比較的大きな力を必要とするが、その力を上下の平行アーム部32によって伝達するため、安定した動きを実現することができる。
さらにまた、前方突出状態から正面突出状態までアーム31の方向を2つの方向へ変化させるものであり、約40度(約30~60度)程度回動するだけで、前方突出状態から正面突出状態まで回動するため、装置本体21をコンパクトなものにしても、アーム31を無理なく受け具51に受容させることができる。
【0022】
(カバー61について)
本発明は種々変更して実施することができるものであり、例えば図2に示すようにアーム31の回動範囲を覆うカバー61を設けて実施することにより、指詰めなどの発生を抑制して安全性を高めことも望ましい。
カバー61は、前方に向けてのみ開口しており、アーム31の上下及び正面側をカバーするもので、人が不用意に指などを入れてしまうことを抑制することができる。
なお、本発明の実施に際しては、装置本体を戸枠に取り付けて、受け具を戸体に取り付けて実施しても構わない。また、引張コイルスプリングとダンパーとは、前後方向に並べて実施しても構わない。
【符号の説明】
【0023】
11 戸枠
12 縦枠
13 縦戸当たり
15 戸体
16 吊元端部
17 内側面
18 蝶番回動軸
21 装置本体
22 ケーシング
23 前端面
24 正面部
25 上下面部
26 背面部
27 回動軸部
28 取り付け部
29 アーム係止部
31 アーム
32 平行アーム部
33 ローラ
34 被係止部
35 基端側固定部
36 スプリング固定部
37 ダンパーアーム固定部
41 引張コイルスプリング
42 ダンパー
43 シリンダ
44 ピストン
45 ダンパーアーム
51 受け具
52 受容部
53 開口部
54 内板
55 外板
56 奥板
61 カバー
図1
図2
図3
図4