(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】物品受取支援システム及び物品受取支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240819BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20240819BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240819BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q10/08
B65G1/137 A
B65G1/00 521A
(21)【出願番号】P 2020041715
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】519288043
【氏名又は名称】株式会社ROMS
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【氏名又は名称】北村 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】230111442
【氏名又は名称】深津 拓寛
(72)【発明者】
【氏名】清水 純平
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-158836(JP,A)
【文献】特開2005-078562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 1/137
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ1つ以上の商品が入った複数の容器を収納する自動倉庫と、
ユーザにより事前に注文された商品の受取専用に使用される受取エリアに設置された受取端末と、
前記受取エリアとは異なるエリアであり、前記ユーザにより事前に注文された商品の受取と、前記ユーザによりそのエリアで注文された商品の受取との両方に使用される入力エリアに設置された入力端末と、
ネットワーク経由で送信された、
商品の情報である物品情報を受信する通信部
、及び
前記通信部が
前記ユーザにより事前に注文された商品の情報を前記物品情報
として受信すると、前記物品情報に対応する
商品の
、前記自動倉庫から搬出された容器からのピッキング
を制御又は支援し、そのピッキングにより取り出された商品を収納
庫に一旦収納
させるとともに、前記収納庫におけるその商品の収納された箇所を正規の認証情報に対応付けてデータベースに記憶させ、
前記受取端末に、
前記ユーザが認証情報を入力すると、
前記受取端末から、入力された認証
情報を
受信し、
受信した認証
情報と一致する正規の認証情報が
前記データベースに記憶されていたときは、
前記データベースを検索して、前記収納
庫における、受信した認証情報に対応する箇所を特定し、特定した箇所に収納された
商品
を前記収納
庫に前記受取エリア
へ搬出
させ、
前記入力端末に、前記ユーザが認証情報を入力すると、前記入力端末から、入力された認証情報を受信し、受信した認証情報と一致する正規の認証情報が前記データベースに記憶されていたときは、前記データベースを検索して、前記収納庫における、受信した認証情報に対応する箇所を特定し、特定した箇所に収納された商品を前記収納庫に前記入力エリアへ搬出させ、
前記入力端末で、前記ユーザによる商品の注文操作が行われると、前記入力端末から、前記ユーザにより前記入力端末で注文された商品の情報を前記物品情報として受信し、前記物品情報に対応する商品の、前記自動倉庫から搬出された容器からのピッキングを制御又は支援し、そのピッキングにより取り出された商品の、前記入力エリアへの搬出を制御又は支援する
制御
部を備える制御装置
と
を備える物品受取支援システム。
【請求項2】
前記制御部は、マニピュレータによる
、前記物品情報に対応する
商品の
、前記自動倉庫から搬出された容器からのピッキングを制御する請求項
1に記載の
物品受取支援システム。
【請求項3】
前記制御部は、コンベヤによる、前記ピッキングにより取り出された商品の、前記入力エリアへの搬出を制御する請求項1又は請求項2に記載の物品受取支援システム。
【請求項4】
前記ユーザが使用する通信端末であるユーザ端末を使用して入力された前記物品情報を前記通信部が受信する請求項1
から請求項
3のいずれか1項に記載の
物品受取支援システム。
【請求項5】
前記ユーザによる
商品の選択操作を受け付ける受付端末を使用して入力された前記物品情報を前記通信部が受信する請求項1
から請求項
3のいずれか1項に記載の
物品受取支援システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記自動倉庫からの前記物品情報に対応する
商品の入った容器の搬出を制御する請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の
物品受取支援システム。
【請求項7】
前記収納庫は、それぞれの内部温度を設定可能な複数の収納区画に分かれており、
前記物品情報に対応する
商品が異なる温度帯で管理される2つ以上の
商品である場合、前記制御部は、前
記複数の収納区画の温度を制御し、前記
ピッキングにより取り出された商品を前記収納庫に一旦収納させる際に、内部温度が
各商品を管理する温度帯に対応す
る収納区画へ、前記
2つ以上の
商品を分けて収納
させる請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の
物品受取支援システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記
2つ以上の商品を前記収納庫に前記受取エリアへ搬出させる際に、前記
2つ以上の
商品を収納区画毎に異なる複数の容器に収納
させ、該収納後に、前記複数の容器を前記受取エリアへ搬出
させる請求項
7に記載の
物品受取支援システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記
2つ以上の商品を前記収納庫に前記受取エリアへ搬出させる際に、前記
2つ以上の
商品を1つの容器に収納
させ、該収納後に、
前記1つの容器を前記受取エリアへ搬出
させる請求項
7に記載の
物品受取支援システム。
【請求項10】
自動倉庫が、それぞれ1つ以上の商品が入った複数の容器を収納し、
制御装置の通信部が、ネットワーク経由で送信された、
商品の情報である物品情報を受信し、
前記通信部がユーザにより事前に注文された商品の情報を前記物品情報として受信すると、前記制御装置の制御部が、前記物品情報に対応する
商品の
、前記自動倉庫から搬出された容器からのピッキング
を制御又は支援し、そのピッキングにより取り出された商品を収納
庫に一旦収納
させるとともに、前記収納庫におけるその商品の収納された箇所を正規の認証情報に対応付けてデータベースに記憶させ、
前記ユーザにより事前に注文された商品の受取専用に使用される受取エリアに設置された受取端末に、
前記ユーザが認証情報を入力すると、
前記制御部が、前記受取端末から、入力された認証
情報を
受信し、
受信した認証
情報と一致する正規の認証情報が
前記データベースに記憶されていたときは、
前記データベースを検索して、前記収納
庫における、受信した認証情報に対応する箇所を特定し、特定した箇所に収納された
商品
を前記収納
庫に前記受取エリア
へ搬出
させ、
前記受取エリアとは異なるエリアであり、前記ユーザにより事前に注文された商品の受取と、前記ユーザによりそのエリアで注文された商品の受取との両方に使用される入力エリアに設置された入力端末に、前記ユーザが認証情報を入力すると、前記制御部が、前記入力端末から、入力された認証情報を受信し、受信した認証情報と一致する正規の認証情報が前記データベースに記憶されていたときは、前記データベースを検索して、前記収納庫における、受信した認証情報に対応する箇所を特定し、特定した箇所に収納された商品を前記収納庫に前記入力エリアへ搬出させ、
前記入力端末で、前記ユーザによる商品の注文操作が行われると、前記制御部が、前記入力端末から、前記ユーザにより前記入力端末で注文された商品の情報を前記物品情報として受信し、前記物品情報に対応する商品の、前記自動倉庫から搬出された容器からのピッキングを制御又は支援し、そのピッキングにより取り出された商品の、前記入力エリアへの搬出を制御又は支援する物品受取支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、物品受取支援システム、及び物品受取支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、受け付けた商品の注文に基づき、商品のピッキングをして格納ボックスへ格納し、当該格納ボックスの施開錠のためのキーを発行し、キーの照合が成功した場合に当該格納ボックスを開錠することによって、商品の注文を行ったユーザへの商品の受け渡しを可能とする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の店舗においては、ユーザが自ら商品を店舗内の商品陳列棚から取り出してレジまで持っていき、レジにて決済を行うのが一般的である。そのため、ユーザが店舗での買物を完了するためには、ユーザが、来店後に、購入する商品を選択して商品陳列棚から取り出し、その後にユーザ自身が商品をレジまで運んで決済を行う時間が必要となる。また、ユーザは、レジにおいて、自らより前に当該レジを使用するために列に並んだ他のユーザの決済が完了するまで、自らが購入した商品の決済の開始を待たなければならない。
【0005】
本開示の目的は、ユーザによる物品の受取に要する時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、
ネットワーク経由で送信された、物品の情報である物品情報を受信する通信部と、
前記通信部が前記物品情報を受信すると、前記物品情報に対応する物品のピッキング及び収納エリアへの収納の指示を第1指示として出力し、該第1指示の出力後、受取エリアに設置された受取端末に、ユーザが認証情報を入力すると、該ユーザの認証を行い、前記認証が成功したときは、前記収納エリアに収納された物品の、前記収納エリアから前記受取エリアへの搬出の指示を第2指示として出力する制御部と
を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る物品受取支援方法は、
制御装置の通信部が、ネットワーク経由で送信された、物品の情報である物品情報を受信し、
前記制御装置の制御部が、前記物品情報に対応する物品のピッキング及び収納エリアへの収納の指示を第1指示として出力し、当該第1指示の出力後、受取エリアに設置された受取端末に、ユーザが認証情報を入力すると、該ユーザの認証を行い、前記認証が成功したときは、前記収納エリアに収納された物品の、前記収納エリアから前記受取エリアへの搬出の指示を第2指示として出力する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザによる物品の受取に要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る物品受取支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る物品受取支援システムの一部の構成を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る物品受取支援システムの設置された店舗の外観である。
【
図4】第1実施形態に係る物品受取支援システムの斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る物品受取支援システムのマニピュレータの斜視図である。
【
図6】第1実施形態に係る物品受取支援システムのラックの斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る物品受取支援システムのクレーンの斜視図である。
【
図8】第1実施形態の変形例に係る物品受取支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】第1実施形態の変形例に係る物品受取支援システムが設置された店舗の斜視図である。
【
図10】第1実施形態の変形例に係る物品受取支援システムの斜視図である。
【
図11】第1実施形態に係る物品受取支援システムの動作を示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態に係る物品受取支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図13】第2実施形態に係る物品受取支援システムの一部の構成を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係る物品受取支援システムの動作を示すフローチャートである。
【
図15】第3実施形態に係る物品受取支援システムの構成を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、図を参照して説明する。
【0011】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0012】
(第1実施形態)
図1及び
図2を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0013】
本実施形態に係る物品受取支援システム100において、制御装置120の通信部123が、ネットワーク経由で送信された、物品201の情報である物品情報230を受信すると、制御装置120の制御部121は、1つ以上の物品200が入った複数の容器210のうち、物品情報230に対応する物品201が入った容器211からの物品201のピッキング及び物品201の収納エリア103への収納の指示を第1指示として出力する。第1指示の出力後、受取エリア104に設置された受取端末170に、ユーザ220が物品201を受け取るための認証情報231を入力すると、制御部121は、該ユーザ220の認証を行い、認証が成功したときは、収納エリア103に収納された物品201の、収納エリア103から受取エリア104への搬出の指示を第2指示として出力する。本実施形態では、ユーザ220は、受取エリア104において、物品201を受け取る。
【0014】
図1から
図7を参照して、本実施形態に係る物品受取支援システム100の構成を説明する。
【0015】
本実施形態において物品受取支援システム100は、少なくとも制御装置120と、受取端末170とを備える。
【0016】
物品受取支援システム100は、任意の場所に設置されてよいが、本実施形態では、
図3の例のように、コンビニエンスストア又はスーパーマーケット等の、小売業者の店舗260に設置される。本実施形態の一変形例として、物品受取支援システム100は、ガソリンスタンド、駅、事務所、オフィスビル、及びマンションのうち、いずれかの施設に設置されてもよい。本実施形態の別の変形例として、物品受取支援システム100は、街の中に設置されてもよい。物品受取支援システム100は、各構成要素が1つの場所にまとまって設置されてもよいが、物品受取支援システム100の制御装置120と、受取端末170は離れた場所に設置されてもよい。
【0017】
本実施形態では、それぞれの物品200は、店舗260で販売される商品である。物品200の種類としては、例えば、食品、日用品、及び雑誌があるが、これら以外にも様々な種類があってよいし、又は逆に1種類若しくは2種類しかなくてもよい。本実施形態では、物品201は、ユーザ220により事前注文された商品である。物品200及び物品201の種類は、本実施形態ではSKUとして区別される。「SKU」は、stock keeping unitの略語である。
【0018】
本実施形態では、物品201に関する情報である物品情報230は、例えば、ユーザ220により事前注文された商品の種類、価格、個数若しくは量、注文がなされた日時及び場所、受取店舗、並びに決済に関する情報を含む。本実施形態の変形例として、物品201は、ユーザ220宛ての宅配物であってもよく、物品情報230は、ユーザ220宛ての宅配物の種類、料金、個数若しくは量、受取人であるユーザ220の氏名・住所・連絡先、差出人の氏名・住所・連絡先、宅配依頼がなされた日時及び場所、受取店舗、配送の種類、並びに決済に関する情報を含んでもよい。
【0019】
本実施形態では、ユーザ220による事前注文の手段は限定されないが、例えば
図2に示すように、ユーザ220が、自らの使用する携帯電話、又はパソコン等の通信端末であるユーザ端末180を使用して、商品販売のためのウェブサイト又はアプリケーションを介して、商品を事前に注文することが考えられる。本実施形態の一変形例として、ユーザ220は、
図2に示すように、物品201の選択操作を受け付ける受付端末190を使用して、商品を注文してもよい。
【0020】
ユーザ220は、事前注文時に、クレジットカード等の手段によって決済を完了してもよいし、店舗来店時に決済をしてもよい。この場合における決済手段は限定されないが、例えば、現金、クレジットカード、電子マネー、ポイント、又は仮想通貨による決済を行うという方法を用いることができる。
【0021】
本実施形態では、物品200は、倉庫エリア101に収納される。倉庫エリア101の態様は特に限定されないが、本実施形態では、自動倉庫110を倉庫エリア101に設置する。自動倉庫110は、それぞれ1つ以上の物品200が入った複数の容器210を収納する。自動倉庫110は、容器210のうち、物品情報230に対応する物品201の入った容器211を収納位置から自動的に取り出し、ピッキングエリア102に搬出する。倉庫エリア101は、物品201を収納できる場所又は空間であればよく、倉庫又は店舗等であってもよい。
【0022】
それぞれの容器210は、本実施形態ではトートであるが、例えば、カートン、バッグ、ボックス、パレット、ケース、又はバケットでもよい。
【0023】
本実施形態では、ピッキングエリア102は、倉庫エリア101に隣接している。本実施形態では、ユーザ220が購入する商品を注文し、通信部123が、ネットワーク経由で送信された、該商品の物品情報230を受信すると、制御部121は、物品情報230に対応する物品201のピッキングをし、収納エリア103へ収納する第1指示を出力する。そのため、ユーザ220が、購入する商品を注文後、受取エリア104に到達する以前に、物品201のピッキングを開始することができる。これによって、例えば、ユーザ220が自宅その他の店舗外で注文した商品について、ユーザ220が店舗260に到着して、受取エリア104で物品201の受取のための手続きを開始するまでに、物品201のピッキングを完了し、又は、物品201のピッキングを途中まで進めておくことができる。そのため、ユーザ220は、来店後に、物品201のピッキングのための時間を待つ必要がなく、物品201の受け取りまでに店舗内で要する時間を短縮でき、ユーザ220の待ち時間を短縮できる。また、本実施形態によれば、受取エリア104での物品201の受取のためのユーザ220の1人当たりの待ち時間を短縮することによって、単位時間当たりに受取エリア104で物品201を受け取ることができるユーザ220の数を増加させることができ、受取エリア104に設置された受取ボックス160を効率的に使用できるようになる。
【0024】
本実施形態では、通信部123がネットワーク経由で送信された物品情報230を受信後、制御部121は、物品情報230に対応する物品201のピッキングをし収納エリア103へ収納する第1指示を、即座に出力してもよいが、ユーザ220の店舗260への接近又はユーザ220の来店予定時刻の到来等をきっかけとして第1指示を出力してもよいし、ピッキングを実行する設備又は人等のリソースの状況を勘案して第1指示を出力してもよい。
【0025】
本実施形態では、マニピュレータ130がピッキングを行う。そのため、制御装置120は、マニピュレータ130によるピッキングを制御する。ピッキングの制御方法としては、任意の方法を用いてよいが、本実施形態では、物品201に付されたバーコード、2次元コード、若しくはRFID等の識別情報、又は物品201の画像をマニピュレータ130に入力して、マニピュレータ130に物品201を識別させ、容器211から取り出させるという方法を用いることができる。「RFID」は、radio-frequency identificationの略語である。
【0026】
本実施形態では、自動倉庫110が、1つ以上の物品200の入った複数の容器210のうち、物品情報230に対応する物品201が入った容器211を収納位置から自動的に取り出すだけでなく、マニピュレータ130が、物品201を、自動倉庫110により取り出された容器211から自動的に取り出す。そのため、ユーザ220が物品201を容器211から手で取り出す必要がなく、利便性が向上する。あるいは、店員が物品201を容器211から手で取り出す必要がなく、店舗260の人員不足を解消することができる。
【0027】
本実施形態の一変形例として、マニピュレータ130の代わりに、店員等の人が、物品201を、自動倉庫110により取り出された容器211から手で取り出してもよい。その場合、制御装置120は、人によるピッキングを支援する。ピッキングの支援方法としては、任意の方法を用いてよいが、本実施形態では、物品201に付されたバーコード、2次元コード、又はRFID等の識別情報をリーダに入力して、人に物品201をリーダで識別させ、容器211から取り出させるという方法を用いることができる。あるいは、物品201の画像をディスプレイに表示して、人に物品201を目で識別させ、容器211から取り出させるという方法を用いることができる。
【0028】
本実施形態では、収納エリア103は、ピッキングエリア102に隣接している。収納エリア103は、ピッキングにより取り出された物品情報230に対応する物品201を一時的に収納できる場所又は空間であればよい。収納エリア103は、温度及び湿度の調整機能等の物品201の保存に必要な機能を備えていてもよい。収納エリア103は、1つでも複数でもよいし、複数の収納エリア103が、複数個所に分かれて配置されてもよい。
【0029】
本実施形態の一変形例として、
図8の例のように、収納エリア103に設置された収納庫150が、それぞれの内部温度を設定可能な複数の収納区画152に分かれていてもよい。この変形例では、収納区画152は、内部温度が冷蔵及び常温の2温度帯に対応して2個存在するが、収納区画152は、3個以上でもよく、例えば、冷凍、冷蔵、常温、及び定温の4温度帯に対応して4個存在してもよい。この変形例において、物品情報230に対応する物品201が異なる温度帯で管理される2つ以上の複数の物品201である場合、制御部121は、収納エリア103に設置された複数の収納区画152の温度を制御する。また、この変形例において、制御部121は、第1指示において、内部温度が複数の物品201を管理する温度帯に対応する複数の収納区画152へ、複数の物品201を分けて収納することを指示する。さらに、この変形例では、制御部121は、第2指示において、複数の収納区画152に収納された複数の物品201を収納区画毎に異なる複数の容器214に収納し、該収納後に、複数の容器214を受取エリア104へ搬出することを指示する。また、これに代えて、制御部121は、第2指示において、複数の収納区画152に収納された複数の物品201を、受取エリア104への搬出直前に1つの容器214にまとめて収納し、該収納後に、該容器214を受取エリア104へ搬出することを指示してもよい。この変形例によれば、保存温度の異なる複数の物品201について、ピッキングからユーザ220による受取までの間、適切な温度管理をしながら、受取エリア104での物品201の受取のためのユーザ220の1人当たりの待ち時間を短縮できる。
【0030】
本実施形態では、収納エリア103には、マニピュレータ130により、ピッキングにより取り出され、収納エリア103に搬出された物品201を一時的に収納する収納庫150が設置される。ピッキングにより取り出された物品201のピッキングエリア102から収納エリア103への搬出方法は特に限定されないが、例えば、人又はコンベヤによって物品201を収納エリア103に搬出してもよい。本実施形態の変形例として、ピッキングエリア102の近傍の空いている空間を収納エリア103として利用し、該空間にピッキングにより取り出された物品201を一時的に収納してもよい。
【0031】
本実施形態では、受取エリア104には、1台以上の受取ボックス160及び1台以上の受取端末170が設置される。受取ボックス160と受取端末170は、例えば、1対1、N対1又は1対Nで対応付けられる。特定の受取端末170において物品201の受取のためのユーザ220の認証が行われた場合には、該受取端末170と対応付けられた1つ又は複数の受取ボックス160に物品201が収納され、ユーザ220は該受取ボックス160から、物品201を受け取ってもよい。あるいは、受取ボックス160と受取端末170は、互いに対応付けを行わずに運用してもよい。受取エリア104に設置する受取ボックス160及び受取端末170の台数は任意でよいが、
図2の例では、図面上は2組の受取ボックス160及び受取端末170以外の受取ボックス160及び受取端末170の記載を省略しているが、受取エリア104には2台以上の同数の受取ボックス160及び受取端末170が設置されている。
図2の例では、受取ボックス160及び受取端末170がそれぞれ1台ずつ対応付けられ、2組以上の複数組の受取ボックス160及び受取端末170存在する。
図2の例では、ユーザ220が1台の受取端末170を選択し、該受取端末170を操作して、物品201の受取のための認証を行った場合には、該ユーザ220は該受取端末170に対応する受取ボックス160から、物品201を受け取る。
図3では、1組の受取ボックス160及び受取端末170以外の受取ボックス160及び受取端末170の記載を省略している。
【0032】
本実施形態では、受取ボックス160は、収納エリア103から搬出された物品201を収納する。受取ボックス160は、例えば、自動又は手動で開閉可能なボックスである。
【0033】
本実施形態では、受取端末170は、ユーザ220による物品201の受取のための認証情報231の入力を受け付け、該認証情報231を制御部121に送信する。受取端末170は、認証情報231の入力を受け付けるために、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクを備える。本実施形態の一変形例として、ユーザ220の保有するスマートフォン等の端末を受取端末170として使用してもよい。
【0034】
本実施形態では、受取エリア104に設置された受取端末170に、ユーザ220が物品201を受け取るための認証情報231を入力すると、制御部121は、該ユーザ220の認証を行い、認証が成功したときは、収納エリア103に収納された物品201の、収納エリア103から受取エリア104への搬出の指示を第2指示として出力する。本実施形態では、制御部121が第2指示を出力すると、収納庫150に収納された物品201が、コンベヤ151によって、収納エリア103から受取エリア104に搬出される。コンベヤ151は、例えば、ベルトコンベヤ又はチェーンコンベヤである。
図10の例では、コンベヤ151が、収納庫150に収納された物品201を受取エリア104に設置された受取ボックス160に搬出する。本実施形態の一変形例では、コンベヤ151の代わりに、店員等の人が、第2指示に従って、収納庫150に収納された物品201を、収納エリア103から受取エリア104に搬出してもよい。物品情報230に対応する物品201の収納エリア103への収納が完了する前に、受取端末170に、ユーザ220が物品201の受取のための認証情報231を入力した場合には、該物品201を、収納エリア103へ収納することなく、直接、受取エリア104へ搬出してもよい。
【0035】
本実施形態では、収納エリア103から受取エリア104に搬出された物品201は、受取エリア104に設置された受取ボックス160に収納される。認証に成功したユーザ220は、受取ボックス160から、物品201を取り出して、受け取ることができる。
【0036】
本実施形態では、制御装置120は、制御部121、記憶部122、通信部123、入力部124、及び出力部125を備える。
【0037】
制御部121は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部121は、制御装置120の各部を制御しながら、制御装置120の動作に関わる情報処理を実行する。
【0038】
記憶部122は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部122は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部122には、制御装置120の動作に用いられる情報と、制御装置120の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0039】
通信部123は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェース、又はLTE、4G、若しくは5G等の移動通信規格に対応したインタフェースである。「LAN」は、local area networkの略語である。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部123は、制御装置120の動作に用いられる情報をデータベース140又はその他の外部機器から受信し、また制御装置120の動作によって得られる情報をデータベース140又はその他の外部機器へ送信する。
【0040】
入力部124は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、USBインタフェースである。「USB」は、universal serial busの略語である。入力部124は、入力装置141を介して、制御装置120の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。
【0041】
出力部125は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、USBインタフェースである。出力部125は、出力装置142を介して、制御装置120の動作によって得られる情報を出力する。
【0042】
制御装置120の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部121に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置120の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置120の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置120として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置120の動作を実行することにより制御装置120として機能する。
【0043】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したDVD又はCD-ROM等の可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0044】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0045】
制御装置120の一部又は全ての機能が、制御部121に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置120の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0046】
マニピュレータ130は、例えば、
図5に示すような多関節ロボットと、当該ロボットのピッキング対象を上方から撮影するカメラと、当該ロボットの動作を制御するモーションコントローラとを含むシステムである。例えば、マニピュレータ130は、カメラで得られた物品200の撮影画像をモーションコントローラによって解析することで物品201を識別する。そして、マニピュレータ130は、多関節ロボットのピッキング動作をモーションコントローラによって制御することで物品201を容器211から取り出す。
【0047】
自動倉庫110は、「AS/RS」とも呼ばれる。自動倉庫110は、本実施形態ではクレーン式のAS/RSであるが、例えば、回転棚式又はシャトル式のAS/RSであってもよい。
【0048】
自動倉庫110は、1台以上のラック111、及び1台以上のクレーン112を備える。
【0049】
ラック111の台数は、任意の台数でよいが、
図4の例では2台である。ラック111は、任意の数の容器210を収納できるように構成されてよいが、
図4の例では、縦方向に9個、横方向に11個、奥行き方向に2個の容器210を収納することができる高密度ラックとして構成されている。本実施形態の変形例として、
図9及び
図10の例のように、ラック111は、一部のスペースがマニピュレータ130を設置するスペースに置き換えられてもよい。
図9及び
図10の例では、2台中1台のラック111の、縦方向に6個、横方向に4個の容器210を収納できるスペースが、マニピュレータ130を設置するスペースに置き換えられている。ラック111は、任意の構造でよいが、本実施形態では、
図6に示すような垂直棚を水平方向に組み合わせた構造になっている。
【0050】
クレーン112の台数は、ラック111の台数によって決まり、
図4の例では1台である。クレーン112は、ラック111の面する通路に設置される。
図4の例では、1台のクレーン112が、2台のラック111間の通路に設置されている。この通路は、クレーン112を設置できる幅があれば、人が通れないほど狭くてもよい。クレーン112は、本実施形態では
図7に示すようなミニロードクレーンであるが、例えば、ユニットロードクレーン又はミッドロードクレーンであってもよい。
【0051】
本実施形態では、
図4に示すように、ラック111、クレーン112、又はこれらの組合せをモジュールとして扱うことで、自動倉庫110の拡張性を高めている。すなわち、物品受取支援システム100が設置される店舗260の敷地面積及び必要な品数等の様々な要件に応じて、自動倉庫110の構成を簡単に決定又は変更することができる。さらに、物品受取支援システム100の自動倉庫110以外の構成要素、又は物品受取支援システム100の構成要素の組合せをモジュールとして扱うことで、物品受取支援システム100全体の拡張性を高めてもよい。すなわち、物品受取支援システム100が設置される店舗260の様々な要件に応じて、物品受取支援システム100の全体構成を簡単に決定又は変更することができるようにしてもよい。例えば、物品受取支援システム100の自動倉庫110又はその他の構成要素を少数のモジュール、又は小規模なモジュールで構成することで、店舗260だけでなく、沿道のコンビニエンスストア、ガソリンスタンド内、事務所内、オフィスビル内、若しくはマンション内の小型コンビニエンスストア、又は駅の小さな売店にも物品受取支援システム100を簡単に導入できる。あるいは、物品受取支援システム100の自動倉庫110又はその他の構成要素を多数のモジュール、又は大規模なモジュールで構成することで、店舗260としての大型コンビニエンスストア又は大型スーパーマーケットに物品受取支援システム100を簡単に導入できる。また、物品受取支援システム100が導入された店舗260が閉鎖になった場合、物品受取支援システム100の各モジュールを他店舗、又はその他の場所で再利用することができる。
【0052】
本実施形態では、自動倉庫110は、搬入された複数の容器210を、各容器210に入っている物品200の種類に応じて、互いに温度設定の異なる2つ以上の区画に分けて収納する。例えば、2台のラック111が、全体で冷凍、冷蔵、定温、及び常温の4温度帯に対応する4つの区画に分けられ、搬入された複数の容器210を、各容器210に入っている物品200の種類に応じて、これら4つの区画に分けて収納する。その場合、冷凍の区画には、冷凍食品等の、冷凍保存が必要な物品200が入った容器210が収納される。冷蔵の区画には、要冷蔵の物品200が入った容器210が収納される。定温の区画には、酒類等の、定温保管が必要な物品200が入った容器210が収納される。常温の区画には、その他の物品200が入った容器210が収納される。
【0053】
図11を参照して、本実施形態に係る物品受取支援システム100の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る物品受取支援方法に相当する。
図11の動作は、本実施形態では、通信部123が、ネットワーク経由で送信された、ユーザ220が注文した商品に関する物品情報230を受信したときに開始される。
【0054】
本実施形態の一変形例として、通信部123がユーザ220による商品の注文の完了前に受信した物品情報230に基づき、制御部121が、注文操作によって注文される物品201を予測して、
図11の動作を開始してもよい。注文される物品201の予測方法としては、任意の方法を用いてよいが、本実施形態では、ユーザ220が商品をユーザ端末180に表示されるショッピングカートに追加したときに、その商品が購入されると予測するという方法を用いることができる。制御部121は、自動倉庫110に収納された複数の容器210のうち、予測した物品200が入った容器210の、ラック111における収納位置に応じてクレーン112を移動させる。制御部121は、注文操作が完了する前に、クレーン112が該容器210を取り出すことのできる位置に到達した場合は、注文操作が完了するまでクレーン112を待機させる。また、本実施形態の一変形例として、物品情報230に含まれる物品201の受取予定日時に応じて、
図11の動作を開始してもよいし、ユーザ220の位置情報を取得して、ユーザ220が店舗260に一定以上、接近した場合に
図11の動作を開始してもよい。
【0055】
ステップS101において、制御装置120の通信部123は、ネットワーク経由で送信された、物品201の情報である物品情報230を受信する。
【0056】
ステップS102において、制御装置120の制御部121は、通信部123が受信した物品情報230を使用して、ユーザ220が注文した物品201を特定する。制御部121は、データベース140を検索して、特定した物品201が入った容器211を特定する。容器211の特定方法としては、任意の方法を用いてよいが、本実施形態では、データベース140に保持された在庫情報240から、物品201が入った容器211の識別情報、又は収納位置を示す情報を抽出するという方法を用いることができる。制御部121は、通信部123を介して、自動倉庫110に、特定した容器211をピッキングエリア102へ搬出させる。すなわち、自動倉庫110は、通信部123が受信した物品情報230に応じて、収納している複数の容器210のうち、受取エリア104で受け取られる少なくとも1つの物品201が入った容器211をピッキングエリア102へ搬出するように制御される。具体的には、クレーン112が、ラック111の面する通路を移動して、その容器211を取り出し、取り出した容器211をピッキングエリア102へ搬出する。
【0057】
ステップS103において、制御装置120の制御部121は、通信部123を介して、マニピュレータ130によるピッキングを制御する。すなわち、マニピュレータ130は、ピッキングを行うように制御される。ピッキングは、自動倉庫110により搬出された容器211から少なくとも1つの物品201をピッキングエリア102で取り出す動作である。ピッキングの制御のためにマニピュレータ130に入力される、物品201に付されたバーコード、2次元コード、若しくはRFID等の識別情報、又は物品201の画像は、通信部123が受信した物品情報230で直接又は間接的に指定される。
【0058】
ステップS104において、制御装置120の制御部121は、通信部123を介して、ピッキングによって取り出された少なくとも1つの物品201を、収納エリア103に設置された収納庫150に一旦収納させる。すなわち、収納庫150は、ピッキングによって取り出された少なくとも1つの物品201を一旦収納するように制御される。具体的には、収納庫150のクレーンが、収納庫150のラックの面する通路を移動して、その物品201がピッキング時に移し入れられた容器213を収納する。データベース140は、容器213に付されたバーコード、2次元コード、若しくはRFID等の識別情報、又は容器213の、収納庫150における収納位置を示す情報を引換え番号等の認証情報231に対応付けて保持する。認証情報231は、通信部123で受信された物品情報230の一部として電子商取引サイトから提供されてもよいし、又は容器213が収納庫150へ搬入される際に制御部121により新たに生成され、インターネット等のネットワーク経由でユーザ220に通知されてもよい。
【0059】
ステップS105において、受取エリア104に設置された受取端末170は、ユーザ220による、少なくとも1つの物品201を受け取るための認証情報231の入力操作を受け付ける。例えば、受取端末170に含まれる、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーンは、ユーザ220が電子商取引サイト又は制御装置120からネットワーク経由で通知された引換え番号又はユーザ220の生体識別情報を入力する操作を受け付ける。制御装置120の制御部121は、通信部123を介して、受取端末170で受け付けられた入力操作で入力された認証情報231を取得する。
【0060】
制御部121は、取得した認証情報231をデータベース140と照合して、認証に失敗した場合は、動作を終了する。すなわち、制御部121は、取得した認証情報231と一致する正規の認証情報232がデータベース140に保持されていない場合は、動作を終了する。一方、制御部121は、認証に成功した場合、すなわち、取得した認証情報231と一致する正規の認証情報232がデータベース140に保持されている場合は、ステップS106において、データベース140を検索して、その認証情報231に対応する容器213を特定する。容器213の特定方法としては、任意の方法を用いてよいが、本実施形態では、認証情報231に対応付けてデータベース140に保持された、容器213の識別情報、又は収納位置を示す情報を抽出するという方法を用いることができる。制御部121は、通信部123を介して、収納庫150に、特定した容器213を受取エリア104へ搬出させる。すなわち、収納庫150は、受取端末170で受け付けられた入力操作に応じて、少なくとも1つの物品201を受取エリア104へ搬出するように制御部121によって制御される。具体的には、収納庫150のクレーンが、収納庫150のラック111の面する通路を移動して、特定した容器213を収納庫150から取り出す。その後、コンベヤ151が、収納庫150から取り出された物品201が入った容器213を、受取エリア104へ搬出し、受取エリア104に設置された受取ボックス160へ収納する。すなわち、コンベヤ151は、ユーザ220が受け取るべき少なくとも1つの物品201を受取エリア104へ搬出し、受取ボックス160へ収納するように制御部121によって制御される。本実施形態では、ユーザ220は、受取エリア104において、物品201を受取ボックス160から取り出して受け取る。
【0061】
本実施形態の一変形例として、ステップS104において、制御装置120の制御部121が人によるピッキングを支援する場合も、ステップS105において、コンベヤ151は、ユーザ220が受け取るべき少なくとも1つの物品201を収納エリア103から受取エリア104へ搬出する。
【0062】
本実施形態の一変形例として、収納エリア103は、収納庫150の設置されていない単なる空間であってもよい。この場合には、ステップS104において、収納庫150のクレーンに代わって、店員等の人が、第1指示に含まれる収納の指示に従って、容器213を、ピッキングエリア102から搬出して収納エリア103に収納する。また、この場合には、ステップ105においても、収納庫150のクレーン及びコンベヤ151に代わって、人が、第2指示に従って、特定された容器213を、収納エリア103から搬出し、受取エリア104に設置された受取ボックス160に収納する。この場合には、制御部121は、人による容器213のピッキングエリア102からの搬出と収納エリア103への収納、及び容器213の収納エリア103から受取エリア104への搬出を支援する。
【0063】
本実施形態によれば、商品を注文したユーザ220が、自動倉庫110による搬出、及びマニピュレータ130によるピッキングが終わるのを店舗260で待つ必要がなく、その商品を、店舗260に着いてから短時間で受け取ることができる。また、本実施形態によれば、受取エリア104での物品201の受取のためのユーザ220の1人当たりの待ち時間を短縮することによって、単位時間当たりに受取エリア104で物品201を受け取ることができるユーザ220の最大数を増加させることができ、受取エリア104に設置された受取ボックス160を効率的に使用できるようになる。
【0064】
(第2実施形態)
図12及び
図13を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0065】
第1実施形態では、ユーザ220が事前に注文した物品201を受取エリア104で受け取るが、本実施形態では、これに加えて、ユーザ221は、受取エリア104と異なる入力エリア105に設置された入力端末171を操作して物品201を注文し、該物品201を入力エリア105で受け取る。また、本実施形態では、ユーザ220は、事前に注文した物品201を受け取るための認証情報231を入力端末171に入力することによって、該物品201を入力エリア105で受け取ることもできる。
【0066】
図12及び
図13を参照して、本実施形態に係る物品受取支援システム100の構成を説明する。第1実施形態に係る物品受取支援システム100の構成と共通する部分については、説明を省略する。
【0067】
本実施形態において物品受取支援システム100は、少なくとも制御装置120と、受取端末170と、入力端末171とを備える。
【0068】
本実施形態では、入力エリア105は、コンビニエンスストア又はスーパーマーケット等の、小売業者の店舗260の内部、又は外部の壁面付近に存在する。本実施形態では、入力エリア105は、収納エリア103の近傍に存在するが、収納エリア103から入力エリア105へ物品201を搬出することが可能であれば、入力エリア105は、収納エリア103と離れて存在してもよい。また、入力エリア105と受取エリア104とは、近傍にまとまって存在しても、離れた位置に存在してもよい。入力エリア105に設置された入力端末171と制御装置120の通信部123とがネットワーク経由で通信できる限り、入力エリア105と制御装置120とは、近傍にまとまって存在しても、離れた位置に存在してもよい。
【0069】
本実施形態では、入力エリア105は、1台以上の受取ボックス161及び1台以上の入力端末171を備える。受取ボックス161と入力端末171は、例えば、1対1、N対1又は1対Nで対応付けられる。ユーザ221が特定の入力端末171を操作して物品201を注文した場合には、該入力端末171と対応付けられた1つ又は複数の受取ボックス161に物品201が収納され、ユーザ221は該受取ボックス161から、物品201を受け取ってもよい。あるいは、受取ボックス161と入力端末171は、互いに対応付けを行わずに運用してもよい。入力エリア105に設置する受取ボックス161及び入力端末171の台数に制限はないが、
図13の例では、2組の受取ボックス161及び入力端末171以外の受取ボックス161及び入力端末171の記載は省略している。
【0070】
本実施形態では、受取ボックス161は、制御部121の指示に従って搬出された物品201を収納する。受取ボックス161は、例えば、自動又は手動で開閉可能なボックスである。
【0071】
本実施形態では、入力端末171は、ユーザ221による商品の注文操作を受け付ける。ユーザ221が商品の注文に係る物品情報230を入力端末171に入力すると、制御部121は、物品情報230に対応する物品201のピッキングをし、入力エリア105に搬出する第3指示を出力する。本実施形態では、制御部121が第3指示を出力すると、自動倉庫110が、物品201が入った容器211を収納位置から自動的に取り出すだけでなく、マニピュレータ130が、物品201を、自動倉庫110により取り出された容器211から自動的に取り出す。本実施形態では、その後、制御部121の指示に従って、コンベヤ151が、該物品201を入力エリア105に搬出する。本実施形態の一変形例として、マニピュレータ130に代えて、店員等の人が、物品201のピッキングを行ってもよい。また、本実施形態の一変形例として、コンベヤ151の代わりに、店員等の人が、第2指示に従って、収納庫150に収納された物品201を、収納エリア103から受取エリア104に搬出してもよい。
【0072】
本実施形態では、ユーザ220が事前に注文した物品201の受取のための認証情報231を入力端末171に入力すると、制御部121が認証を行い、該認証が成功した場合には、制御部121は、該物品201を収納エリア103から入力エリア105に搬出するように指示を出力し、ユーザ220が該物品201を入力エリア105で受け取ることができる。
【0073】
図14を参照して、本実施形態に係る物品受取支援システム100の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る物品受取支援方法に相当する。第1実施形態に係る物品受取支援システム100の動作と共通する部分については、説明を省略する。
図14の動作は、本実施形態では、ユーザ221が入力端末171での注文操作に着手したときに開始される。
【0074】
ステップS201において、入力エリア105に設置された入力端末171は、ユーザ221による商品の注文のための物品情報230の入力を受け付ける。
【0075】
ステップS202において、制御装置120の通信部123は、入力端末171に入力された物品情報230を受信する。制御装置120の制御部121は、通信部123が受信した物品情報230を使用して、ユーザ221が注文した物品201を特定する。制御部121は、データベース140を検索して、特定した物品201が入った容器211を特定する。制御部121は、通信部123を介して、自動倉庫110に、特定した容器211をピッキングエリア102へ搬出させる。すなわち、自動倉庫110は、入力端末171に入力された物品情報230に応じて、収納している複数の容器210のうち、入力エリア105で受け取られる少なくとも1つの物品201が入った容器211をピッキングエリア102へ搬出するように制御される。具体的には、自動倉庫110のクレーン112が、ラック111の面する通路を移動して、その容器211を取り出し、取り出した容器211をピッキングエリア102へ搬出する。
【0076】
ステップS203において、制御装置120の制御部121は、通信部123を介して、マニピュレータ130によるピッキングを制御する。すなわち、マニピュレータ130は、ピッキングを行うように制御される。ピッキングは、自動倉庫110により搬出された容器211から少なくとも1つの物品201をピッキングエリア102で取り出す動作である。
【0077】
ステップS204において、制御部121は、物品201がピッキング時に移し入れられた容器213を入力エリア105へ搬出させる。具体的には、コンベヤ151が、ピッキングによって取り出された物品201が入った容器213を、入力エリア105へ搬出し、入力エリア105に設置された受取ボックス161へ収納する。すなわち、コンベヤ151は、ユーザ220が受け取るべき少なくとも1つの物品201を入力エリア105へ搬出するように制御部121によって制御される。本実施形態では、ユーザ221は、入力エリア105において、物品201を受取ボックス161から取り出して受け取る。
【0078】
本実施形態によれば、
図13に示すように、受取エリア104を、いわゆるファストレーンとして、事前に注文した物品201の受取専用に使用できるだけでなく、入力エリア105を、事前に注文した物品201の受取と、入力エリア105で注文した物品201の受取の両者に使用することができる。そのため、事前に注文をしたユーザ220は、受取エリア104に設置された受取端末170を受取専用のファストレーンとして使用して事前に注文した物品201を受け取ることができるだけでなく、入力エリア105に設置された入力端末171から、空いている端末を選択して、注文した物品201を受け取る操作も行える。よって、ユーザ220は、来店前に収納エリア103に一旦収納された物品201を、入力端末171を設置しない場合と比較して、短時間で受け取ることが可能となる。また、本実施形態によれば、事前に商品を注文したユーザ220だけが受取エリア104を受取専用に使用でき、かつ、事前に商品を注文したユーザ220が来店するまでに商品のピッキングを完了しておくことがでるので、事前に商品を注文したユーザ220の利便性を損なうことなく、入力エリア105で商品の注文を行って、その場で商品を受け取りたいというユーザ221の要求を満たすことができ、かつ、受取端末170と入力端末171とを効率よく運用することができる。
【0079】
(第3実施形態)
図2を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0080】
第1実施形態では、物品受取支援システム100が小売業者の店舗260に設置されるが、本実施形態では、物品受取支援システム100が宅配便業者の配送所に設置される。
【0081】
それぞれの物品200は、本実施形態では、配送所で保管される荷物である。ユーザ220が受け取る物品201は、本実施形態では、ユーザ220宛ての荷物である。
【0082】
本実施形態では、データベース140に保持された在庫情報240には、各容器210に付されたバーコード、2次元コード、若しくはRFID等の識別情報、又は各容器210の、自動倉庫110における収納位置を示す情報と、各容器210に入っている物品200に付されたバーコード、2次元コード、若しくはRFID等の識別情報との組み合わせが含まれる。データベース140は、在庫情報240に加えて、自動倉庫110に収納された複数の容器210に入っている物品200ごとに、正規の認証情報271を保持する。具体的には、データベース140は、各物品200に付されたバーコード、2次元コード、若しくはRFID等の識別情報を引換え番号等の認証情報271に対応付けて保持する。各物品200の宛先のユーザ220には、認証情報271と同じ情報が任意の方法で通知されているものとする。
【0083】
図15を参照して、本実施形態に係る物品受取支援システム100の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る物品受取支援方法に相当する。第1実施形態又は第2実施形態に係る物品受取支援システム100の動作と共通する部分については、説明を省略する。
図15の動作は、通信部123が、物品201のユーザ220による受取予定日時を含む物品情報230を受信したときに開始する。
【0084】
ステップS301において、制御装置120の通信部123がネットワーク経由で送信された、荷物の宛先に指定されたユーザ220が配送所で受け取る荷物に関する情報である物品情報230を受信する。
【0085】
ステップS302において、制御装置120の制御部121は、通信部123が受信した物品情報230を使用して、ユーザ220が受け取る配送所で受け取る荷物を特定する。制御部121は、データベース140を検索して、特定した荷物である物品201が入った容器211を特定する。制御部121は、通信部123を介して、自動倉庫110に、特定した容器211をピッキングエリア102へ搬出させる。すなわち、自動倉庫110は、通信部123が受信した物品情報230に応じて、収納している複数の容器210のうち、受取エリア104で受け取られる少なくとも1つの物品201が入った容器211をピッキングエリア102へ搬出するように制御される。
【0086】
ステップS303からステップS306の処理については、
図11のステップS103からステップS106の処理と同じであるため、説明を省略する。ステップS306において、荷物の宛先に指定されたユーザ220は、荷物を、配送所の受取エリア104で受け取ることができる。
【0087】
本実施形態によれば、荷物の宛先に指定されたユーザ220が、自動倉庫110による搬出、及びマニピュレータ130によるピッキングが終わるのを配送所で待つ必要がなく、その商品を、配送所に着いてから短時間で受け取ることができる。
【0088】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
100 物品受取支援システム
101 倉庫エリア
102 ピッキングエリア
103 収納エリア
104 受取エリア
105 入力エリア
110 自動倉庫
111 ラック
112 クレーン
120 制御装置
121 制御部
122 記憶部
123 通信部
124 入力部
125 出力部
130 マニピュレータ
140 データベース
141 入力装置
142 出力装置
150 収納庫
151 コンベヤ
152 収納区画
160 受取ボックス
161 受取ボックス
170 受取端末
171 入力端末
180 ユーザ端末
190 受付端末
200 物品
201 物品
210 容器
211 容器
213 容器
214 容器
220 ユーザ
221 ユーザ
230 物品情報
231 認証情報
232 認証情報
240 在庫情報
260 店舗