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特許7539685ストーリーの展開をユーザに提示する方法、ストーリー展開提示装置、そのコンピュータプログラム、ストーリーの展開を解析する方法、ストーリー展開解析装置、そのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】ストーリーの展開をユーザに提示する方法、ストーリー展開提示装置、そのコンピュータプログラム、ストーリーの展開を解析する方法、ストーリー展開解析装置、そのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/20 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
G06T11/20 600
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020065530
(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公開番号】P2021163292
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年3月27日、https://sig-cc.org/?p=164(第3回コミック工学研究会予稿集にWEB掲載)
(73)【特許権者】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】西原 陽子
(72)【発明者】
【氏名】山西 良典
(72)【発明者】
【氏名】韓 毅弘
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-139734(JP,A)
【文献】特開2014-068290(JP,A)
【文献】特開2007-281680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/20
H04N 5/76
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトが登場するストーリーの展開をユーザに提示する方法であって、
プロセッサが、前記複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースから、前記時系列データを読み出し、
前記プロセッサが、読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、
前記プロセッサが、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの前記展開として、前記ユーザに提示する
ことを備え、
前記プロセッサが、前記1つ以上のオブジェクトを、前記複数のオブジェクトの中から選択することを更に備え、
前記時系列データは、非負値行列データであり、
前記1つ以上のオブジェクトは、非負値行列因子分解アルゴリズムによって前記時系列データから得られる2つの非負値行列の少なくともいずれか一方に基づいて選択される、
ストーリーの展開をユーザに提示する方法。
【請求項2】
前記グラフィカルイメージは、前記ストーリーを説明する文章が付属することなく、前記ユーザに提示される
請求項1に記載のストーリーの展開をユーザに提示する方法。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記時系列データの全時間範囲のうちの一部の時間範囲を選択することを更に備え、
前記グラフィカルイメージは、前記時系列データのうち、前記一部の時間範囲における部分時系列データに基づいて生成される
請求項1又は請求項2に記載のストーリーの展開をユーザに提示する方法。
【請求項4】
前記一部の時間範囲は、前記ユーザから入力されたデータに基づいて選択される
請求項に記載のストーリーの展開をユーザに提示する方法。
【請求項5】
前記一部の時間範囲は、前記時系列データを解析した結果に基づいて選択される
請求項に記載のストーリーの展開をユーザに提示する方法。
【請求項6】
複数のオブジェクトが登場するストーリーの展開をユーザに提示する方法であって、
プロセッサが、前記複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースから、前記時系列データを読み出し、
前記プロセッサが、読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、
前記プロセッサが、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの前記展開として、前記ユーザに提示する
ことを備え、
前記プロセッサが、前記時系列データの全時間範囲のうちの一部の時間範囲を選択することを更に備え、
前記グラフィカルイメージは、前記時系列データのうち、前記一部の時間範囲における部分時系列データに基づいて生成され、
前記時系列データは、非負値行列データであり、
前記一部の時間範囲は、非負値行列因子分解アルゴリズムによって前記時系列データから得られる2つの非負値行列の少なくともいずれか一方に基づいて選択される
トーリーの展開をユーザに提示する方法。
【請求項7】
記プロセッサが、前記時系列データの全時間範囲のうちの一部の時間範囲を選択すること、
を更に備え、
前記グラフィカルイメージは、前記一部の時間範囲における前記1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すよう生成される
請求項1又は請求項2に記載のストーリー展開をユーザに提示する方法。
【請求項8】
ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースと、
前記データベースから読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの展開として、ユーザに提示する処理を実行するよう構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記1つ以上のオブジェクトを、前記複数のオブジェクトの中から選択するよう構成され、
前記時系列データは、非負値行列データであり、
前記1つ以上のオブジェクトは、非負値行列因子分解アルゴリズムによって前記時系列データから得られる2つの非負値行列の少なくともいずれか一方に基づいて選択される、
ストーリー展開提示装置。
【請求項9】
ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースと、
前記データベースから読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの展開として、ユーザに提示する処理を実行するよう構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記時系列データの全時間範囲のうちの一部の時間範囲を選択するよう構成され、
前記グラフィカルイメージは、前記時系列データのうち、前記一部の時間範囲における部分時系列データに基づいて生成され、
前記時系列データは、非負値行列データであり、
前記一部の時間範囲は、非負値行列因子分解アルゴリズムによって前記時系列データから得られる2つの非負値行列の少なくともいずれか一方に基づいて選択される
ストーリー展開提示装置。
【請求項10】
ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースから読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの展開として、ユーザに提示する処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記処理は、前記1つ以上のオブジェクトを、前記複数のオブジェクトの中から選択することを含み、
前記時系列データは、非負値行列データであり、
前記1つ以上のオブジェクトは、非負値行列因子分解アルゴリズムによって前記時系列データから得られる2つの非負値行列の少なくともいずれか一方に基づいて選択される、
コンピュータプログラム。
【請求項11】
ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースから読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの展開として、ユーザに提示する処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記処理は、前記時系列データの全時間範囲のうちの一部の時間範囲を選択することを含み、
前記グラフィカルイメージは、前記時系列データのうち、前記一部の時間範囲における部分時系列データに基づいて生成され、
前記時系列データは、非負値行列データであり、
前記一部の時間範囲は、非負値行列因子分解アルゴリズムによって前記時系列データから得られる2つの非負値行列の少なくともいずれか一方に基づいて選択される、
コンピュータプログラム。
【請求項12】
複数のオブジェクトが登場するストーリーの展開を解析する方法であって、
プロセッサが、前記複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示すとともに非負値行列データである時系列データが格納されたデータベースから、前記時系列データを読み出し、
前記プロセッサが、前記時系列データに対して非負値行列因子分解アルゴリズムを適用することで求めた2つの非負値行列を、前記ストーリーの展開の解析結果として得る
ことを備える、ストーリーの展開を解析する方法。
【請求項13】
ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示すとともに非負値行列データである時系列データが格納されたデータベースと、
前記データベースから読み出した前記時系列データに対して非負値行列因子分解アルゴリズムを適用することで求めた2つの非負値行列を、前記ストーリーの展開の解析結果として得る処理を実行するよう構成されたプロセッサと、
を備えるストーリー展開解析装置。
【請求項14】
ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示すとともに非負値行列データである時系列データが格納されたデータベースから読み出した前記時系列データに対して、非負値行列因子分解アルゴリズムを適用することで求めた2つの非負値行列を、前記ストーリーの展開の解析結果として得る処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ストーリーの展開をユーザに提示する方法、ストーリー展開提示装置、そのコンピュータプログラム、ストーリーの展開を解析する方法、ストーリー展開解析装置、そのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、文字、イメージ、図形及び音声といった各種メディアの出現時間関係情報の時間的変化を用い、複数のメディアを空間的且つ時間的に組み合わせてなる複数のシーンの中から条件に合ったシーンを検索することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-137900号公報
【発明の概要】
【0004】
漫画、小説、映画などのコンテンツのストーリー展開の把握・解析が望まれる場合がある。ストーリー展開の把握には、ストーリー自体の概略を文章で記述した説明、すなわち「あらすじ」が用いられることがある。
【0005】
しかし、ストーリー自体の概略を文章で記述した説明は、ストーリー展開の客観的な把握に欠けることがある。しかも、ストーリーを説明する文章の安易な提示は、未読者又は未視聴者への、いわゆるネタバレにつながるおそれがある。
【0006】
したがって、ストーリー自体を説明した文章に依拠しなくても、ストーリー展開を把握又は解析できることが望まれる。
【0007】
本発明者らは、ストーリーに登場するオブジェクト(登場人物など)の登場度の時間的変化が、ストーリー展開に関する基礎的な因子である、という着想を得た。したがって、オブジェクトの登場度の時間的変化を用いると、ストーリー自体を説明した文章に依拠しなくてもストーリー展開の把握又は解析が可能になる。本開示は、かかる着想に基づくものである。
【0008】
本開示のある側面は、ストーリーの展開をユーザに提示する方法である。開示の方法は、複数のオブジェクトが登場するストーリーの展開をユーザに提示する方法であって、プロセッサが、前記複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースから、前記時系列データを読み出し、前記プロセッサが、読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記プロセッサが、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの前記展開として、前記ユーザに提示することを備える。
【0009】
本開示の他の側面は、ストーリー展開提示装置である。開示の装置は、ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースと、前記データベースから読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの展開として、ユーザに提示する処理を実行するよう構成されたプロセッサと、を備える。
【0010】
本開示の他の側面は、コンピュータプログラムである。開示のコンピュータプログラムは、ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースから読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの展開として、ユーザに提示する処理を、コンピュータに実行させる。
【0011】
本開示の他の側面は、複数のオブジェクトが登場するストーリーの展開を解析する方法である。開示の方法は、プロセッサが、前記複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示すとともに非負値行列データである時系列データが格納されたデータベースから、前記時系列データを読み出し、前記プロセッサが、前記ストーリーを解析するために、前記時系列データに対して非負値行列因子分解アルゴリズムを適用することを備える。
【0012】
本開示の他の側面は、ストーリー展開解析装置である。開示の装置は、ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示すとともに非負値行列データである時系列データが格納されたデータベースと、前記データベースから読み出した前記時系列データに対して非負値行列因子分解アルゴリズムを適用する処理を実行するよう構成されたプロセッサと、を備える。
【0013】
本開示の他の側面は、コンピュータプログラムである。開示のコンピュータプログラムは、ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示すとともに非負値行列データである時系列データが格納されたデータベースから読み出した前記時系列データに対して、非負値行列因子分解アルゴリズムを適用する処理を、コンピュータに実行させる。
【0014】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態に係るストーリー展開提示装置を含むシステムの概略構成図である。
図2図2は、複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データのデータ構造図である。
図3図3は、ストーリー展開提示処理のフローチャートである。
図4図4は、ユーザ端末において表示される画面の一例を示す概略図である。
図5図5は、ユーザ端末において表示される画面の他の例を示す概略図である。
図6図6は、ユーザ端末において表示される画面のさらに他の例を示す概略図である。
図7図7は、第2実施形態に係る時系列データのデータ構造図である。
図8図8は、第1非負値行列データ(基底行列)のデータ構造図である。
図9図9は、第2非負値行列データ(アクティベーション行列)のデータ構造図である。
図10図10は、第3実施形態に係るストーリー展開解析装置を含むシステムの概略構成図である。
図11図11は、第3実施形態に係るストーリー展開解析処理のフローチャートである。
図12図12は、ユーザ端末において表示される画面の一例を示す概略図である。
図13図13は、ユーザ端末において表示される画面の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<1.ストーリーの展開をユーザに提示する方法、ストーリー展開提示装置、ストーリー展開提示のためのコンピュータプログラム、ストーリーの展開を解析する方法、ストーリー展開解析装置、ストーリー展開解析のためのコンピュータプログラムの概要>
【0017】
(1)実施形態に係る方法は、複数のオブジェクトが登場するストーリーの展開をユーザに提示する方法である。前記方法は、プロセッサが、前記複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースから、前記時系列データを読み出すことを備える。複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データは、ストーリー展開を示す。前記方法は、前記プロセッサが、読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記プロセッサが、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの前記展開として、前記ユーザに提示することを備える。オブジェクトの登場度がグラフィカルイメージによってユーザに提示されることで、ユーザは容易にストーリー展開を把握できる。
【0018】
(2)前記グラフィカルイメージは、前記ストーリーを説明する文章が付属することなく、前記ユーザに提示されるのが好ましい。ストーリーを説明する文章が付属することなく、オブジェクトの登場度の時間的変化が示されることで、ストーリー展開を示しつつもネタバレを防止することができる。
【0019】
(3)実施形態に係る前記方法は、前記プロセッサが、前記1つ以上のオブジェクトを、前記複数のオブジェクトの中から選択することを更に備えるのが好ましい。この場合、時系列データに含まれるオブジェクトの数が膨大であっても、選択されたオブジェクトの登場度の時間的変化だけがグラフィカルイメージとして提示される。したがって、オブジェクトの数が膨大であっても、視認性の低下を防止できる。
【0020】
(4)前記1つ以上のオブジェクトは、前記ユーザから入力されたデータに基づいて選択されてもよい。この場合、ユーザが任意にオブジェクトを選択できる。
【0021】
(5)前記1つ以上のオブジェクトは、前記時系列データを解析した結果に基づいて選択されてもよい。この場合、時系列データの内容に応じて、オブジェクトが選択される。
【0022】
(6)前記1つ以上のオブジェクトは、前記時系列データが示す前記登場度に基づいて選択されてもよい。この場合、時系列データが示す登場度に応じて、オブジェクトが選択される。
【0023】
(7)前記時系列データは、非負値行列データであってもよい。前記1つ以上のオブジェクトは、非負値行列因子分解アルゴリズムによって前記時系列データから得られる2つの非負値行列の少なくともいずれか一方に基づいて選択されるのが好ましい。この場合、オブジェクトは、非負値行列因子分解アルゴリズムによる解析結果に基づいて選択される。
【0024】
(8)実施形態に係る前記方法は、前記プロセッサが、前記時系列データの全時間範囲のうちの一部の時間範囲を選択することを更に備えるのが好ましい。前記グラフィカルイメージは、前記時系列データのうち、前記一部の時間範囲における部分時系列データに基づいて生成されてもよい。この場合、長いストーリーであっても、選択された一部の時間範囲における部分時系列データのグラフィカルイメージがユーザに示されるため、視認性の低下を防止できる。
【0025】
(9)前記一部の時間範囲は、前記ユーザから入力されたデータに基づいて選択されてもよい。この場合、ユーザが任意に一部の時間範囲を選択できる。
【0026】
(10)前記一部の時間範囲は、前記時系列データを解析した結果に基づいて選択されてもよい。この場合、時系列データの内容に応じて、一部の時間範囲が選択される。
【0027】
(11)前記時系列データは、非負値行列データであってもよい。前記一部の時間範囲は、非負値行列因子分解アルゴリズムによって前記時系列データから得られる2つの非負値行列の少なくともいずれか一方に基づいて選択されるのが好ましい。この場合、一部の時間範囲は、非負値行列因子分解アルゴリズムによる解析結果に基づいて選択される。
【0028】
(12)実施形態に係る前記方法は、前記プロセッサが、前記1つ以上のオブジェクトを、前記複数のオブジェクトの中から選択すること、前記プロセッサが、前記時系列データの全時間範囲のうちの一部の時間範囲を選択すること、を更に備えることができる。前記グラフィカルイメージは、前記一部の時間範囲における前記1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すよう生成されるのが好ましい。
【0029】
(13)実施形態に係るストーリー展開提示装置は、ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースと、前記データベースから読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの展開として、ユーザに提示する処理を実行するよう構成されたプロセッサと、を備える。
【0030】
(14)実施形態に係るコンピュータプログラムは、ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データが格納されたデータベースから読み出した前記時系列データに基づいて、前記複数のオブジェクトに含まれる1つ以上のオブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージを生成し、前記グラフィカルイメージを、前記ストーリーの展開として、ユーザに提示する処理を、コンピュータに実行させる。
【0031】
(15)実施形態に係る方法は、複数のオブジェクトが登場するストーリーの展開を解析する方法である。前記方法は、プロセッサが、前記複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示すとともに非負値行列データである時系列データが格納されたデータベースから、前記時系列データを読み出し、前記プロセッサが、前記ストーリーを解析するために、前記時系列データに対して非負値行列因子分解アルゴリズムを適用することを備える。この場合、ストーリー展開の解析手法としては、新規な手法、すなわち、非負値行列因子分解アルゴリズムを用いた解析手法が得られる。後述のように、本発明者らは、非負値行列因子分解アルゴリズムを用いた解析手法が、ストーリー展開の解析に有用であることを見出した。
【0032】
(16)実施形態に係るストーリー展開解析装置は、ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示すとともに非負値行列データである時系列データが格納されたデータベースと、前記データベースから読み出した前記時系列データに対して非負値行列因子分解アルゴリズムを適用する処理を実行するよう構成されたプロセッサと、を備える。
【0033】
(17)実施形態に係るコンピュータプログラムは、ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示すとともに非負値行列データである時系列データが格納されたデータベースから読み出した前記時系列データに対して、非負値行列因子分解アルゴリズムを適用する処理を、コンピュータに実行させる。
【0034】
<2.ストーリーの展開をユーザに提示する方法、ストーリー展開提示装置、ストーリー展開提示のためのコンピュータプログラム、ストーリーの展開を解析する方法、ストーリー展開解析装置、ストーリー展開解析のためのコンピュータプログラムの例>
【0035】
<2.1 第1実施形態>
【0036】
図1は、第1実施形態に係るシステム10を示している。第1実施形態に係るシステム10は、ストーリー展開提示装置100を備える。ストーリー展開提示装置100は、コンテンツのストーリー展開を示すデータを、ネットワーク400を介して、ユーザに提示する。コンテンツは、例えば、漫画、小説、映画、テレビ番組などである。コンテンツは、漫画等に限られず、ストーリー性のあるコンテンツであれば足りる。ストーリー性のあるコンテンツの他の例は、チャットアプリにおける会話データである。チャットアプリにおける会話の流れは、漫画又は小説中の会話と同様に、ストーリー性を持つ。
【0037】
第1実施形態において、ユーザは、例えば、漫画若しくは小説の読者、又は、映画若しくはテレビ番組の視聴者である。ユーザは、ユーザ端末300を用いて、ストーリー展開提示装置100にアクセスすることができる。ユーザ端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット、デスクトップコンピュータ、又はラップトップコンピュータである。ユーザ端末300は、プロセッサ310と、記憶装置320と、入出力装置330と、を備えている。
【0038】
システム10は、ストーリー展開提示装置100に対してネットワーク400を介して接続されるユーザ端末300を備える。ネットワーク400は、例えば、インターネットである。ストーリー展開提示装置100は、例えば、インターネット上に設置されたサーバである。
【0039】
ストーリー展開提示装置100は、プロセッサ110及び記憶装置120を備えるコンピュータによって構成されている。プロセッサ110は、例えば、CPUである。記憶装置120は、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を有する。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SDD)である。
【0040】
記憶装置120には、コンピュータをストーリー展開提示装置100として動作させるためのコンピュータプログラム121が格納されている。コンピュータプログラム121は、ストーリー展開提示処理111をプロセッサ110に実行させるためのプログラムコードを備える。ストーリー展開提示処理111は、コンテンツのストーリー展開を示すデータを、ネットワーク400を介して、ユーザに提示することを含む処理である。ストーリー展開提示処理111については、後述する。
【0041】
ストーリー展開提示装置100は、データベース200を備える。データベース200は、記憶装置120内に格納されていてもよいし、プロセッサ110及び記憶装置120を備えるコンピュータに接続された他のコンピュータ(例えば、インターネット上のデータベースサーバ)に格納されていてもよい。
【0042】
データベース200は、複数のコンテンツデータ201,202,203を備える。コンテンツが漫画であれば、コンテンツデータは、漫画のイメージデータ、及び、作品名などの作品情報を含む。コンテンツが、小説であれば、コンテンツデータは、小説のテキストデータ、及び作品名などの作品情報を含む。コンテンツが映画又テレビ番組であれば、コンテンツデータは、映像・音声データ、及び、作品名などの作品情報を含む。実施形態において、コンテンツは、デジタルコンテンツでもよいし、紙又はその他の媒体のコンテンツであってもよい。
【0043】
図1においては、第1コンテンツ(作品名:xxx)の第1コンテンツデータ201と、第2コンテンツ(作品名:yyy)の第2コンテンツデータ202と、第3コンテンツ(作品名:zzz)の第3コンテンツデータ203と、が示されている。
【0044】
実施形態に係るコンテンツデータ201,202,203は、それぞれ、時系列データ201M,202M,203Mを更に含む。各時系列データ201M,202M,203Mは、コンテンツに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す。例えば、第1コンテンツデータ201は、第1コンテンツに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す第1時系列データ201Mを含む。第2コンテンツデータ202は、第2コンテンツに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す第2時系列データ202Mを含む。第3コンテンツデータ203は、第3コンテンツに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す第3時系列データ203Mを含む。
【0045】
オブジェクトは、例えば、コンテンツに登場する人(キャラクター)、動物、その他の物体、概念、決め言葉、その他の言葉、音、風景、背景である。オブジェクトは、図として表される物体又は映像中の物体であってもよいし、文章中の言葉、又は会話によって表される物体又は概念等であってもよい。
【0046】
登場度は、コンテンツにおいて、オブジェクトが登場する度合いを示す。登場度は、オブジェクトの登場回数であってもよいし、オブジェクトの登場割合であってもよい。登場度は、単に、登場の有無を示してもよい。
【0047】
コンテンツにおける「時間」は、コンテンツのストーリーの進行度を示す指標であれば足り、物理的な時間である必要はない。例えば、コンテンツが漫画又は小説であれば、ページ番号、話数、及び巻番号は、それぞれ、ストーリーの進行度を示す指標であり、コンテンツにおける「時間」として扱うことができる。コンテンツが映画又はテレビ番組であれば、そのコンテンツの開始からの経過時間を、コンテンツにおける「時間」として扱うことができる。また、コンテンツのストーリーが特定の日付と時間を示しつつ展開される場合、その日付等を、コンテンツにおける「時間」として扱ってもよい。
【0048】
登場度は、例えば、コンテンツのストーリーの流れにおける単位期間あたりの登場回数、登場割合、又は登場の有無である。単位期間は、例えば、1ページ、1話、1巻など、コンテンツが掲載された媒体の形態に基づく単位長さであってもよいし、1分、10分、1時間などの単位時間長さであってもよい。
【0049】
単位期間における登場回数は、単位期間内において特定のオブジェクトが何回登場したかを示す。単位期間における登場頻度は、単位期間内において登場した全オブジェクトの登場総回数のうち、単位期間内における特定のオブジェクトの登場回数が占める割合である。単位期間における登場の有無は、単位期間内において特定のオブジェクトが登場したか否かを示す。
【0050】
図2は、第1コンテンツの第1時系列データ201Mのデータ構造の例を示している。他の時系列データ202M,203Mについては、図示を省略するが、同様のデータ構造を有している。ここで、第1コンテンツは、漫画とする。
【0051】
第1時系列データ201Mは、時間情報Tと、オブジェクト情報Sと、を備える。時間情報Tは、第1コンテンツのストーリーの進行度(進行位置)を示す指標であり、ページ番号、話数、巻番号の組み合わせによって表される。すなわち、時間情報Tは、第1時間情報であるページ番号T1と、第2時間情報である話数T2と、第3時間情報である巻番号T3と、を備える。ここでは、登場度のための単位期間は、時間情報Tにおける最小時間単位である1ページである。図2では、t1からtxへと時間が進行する。
【0052】
オブジェクト情報Sは、複数のオブジェクトそれぞれの登場度を示す。オブジェクト情報Sには、第1コンテンツに登場する全オブジェクトについての登場度が含まれる。図2では、オブジェクトとして、キャラクターA、キャラクターB、キャラクターC、キャラクターD、建物E、建物F、道具G、及び道具Hが示されている。
【0053】
登場度は、各単位期間(各ページ)に対応付けられている。例えば、図2の第1行P1は、第1コンテンツの第1巻・第1話・第1ページという単位期間における各オブジェクトの登場度(登場回数)を示している。具体的には、図2の第1行p1においては、第1巻・第1話・第1ページにおいて、キャラクターAが2回、キャラクターBが1回、キャラクターCが1回、キャラクターDが0回、建物Eが0回、建物Fが0回、道具Gが0回、道具Hが1回登場したことを示している。このように、図2の第1行P1では、第1コンテンツの第1巻・第1話・第1ページという単位期間に対して、その単位期間内における各オブジェクトの登場度が対応付けられている。同様に、他の単位期間にも、その単位期間内における各オブジェクトの登場度が対応付けられている。
【0054】
第1時系列データ201Mは、上記のように構成されているため、第1コンテンツに登場する複数のオブジェクトA,B,C,D,E,F,G,Hそれぞれの登場度の時間的変化を示す。このような時系列データ201M,202M,203Mは、オブジェクトの登場度の時間的変化を示すとともに、ストーリー展開の定量的に表したものになっている。したがって、時系列データ201M,202M,203Mは、ストーリー展開の把握・解析に有用である。
【0055】
図3は、時系列データを用いたストーリー展開提示処理111の例を示している。ストーリー展開提示処理111は、ストーリー展開提示装置100のプロセッサ110によって実行される。実施形態に係るストーリー展開提示装置100は、ユーザから入力されるクエリに応じて読み出された時系列データから、ストーリー展開を示すグラフィカルイメージを生成する。ストーリー展開提示装置100は、グラフィカルイメージを、コンテンツのストーリー展開を示す情報として、ユーザに提示する。
【0056】
時系列データがグラフィカルイメージとしてユーザに提示されることで、ユーザは、オブジェクトの登場度の時間的変化によって示されるストーリー展開を、グラフィカルイメージを介して、容易に認識することができる。グラフィカルイメージによるストーリー展開の提示は、文章又は数値によるストーリー展開の提示に比べて、視覚的、かつ、直感的な理解が可能である。
【0057】
第1実施形態に係るストーリー展開提示処理111においては、まず、ストーリー展開提示装置100のプロセッサ110が、検索処理を実行する(ステップS111)。検索処理は、ユーザが探しているコンテンツを検索する処理である。検索処理においては、ストーリー展開提示装置100が、ユーザ端末300からのコンテンツ検索要求を受け付け、データベース200において検索を実行する。以下では、検索されたコンテンツを、対象コンテンツということがある。
【0058】
コンテンツ検索要求は、例えば、検索のためのクエリを含む。クエリは、コンテンツの検索のために用いられる検索データを含む。検索データは、コンテンツを識別するためのデータであり、例えば、作品名を示すデータである。クエリは、自然言語からなる文書であってもよい。
【0059】
プロセッサ110は、データベース200における検索結果として、検索データに合致する特定のコンテンツデータを取得する。すなわち、プロセッサ110は、対象コンテンツのコンテンツデータをデータベース200から読み出す。読み出したコンテンツデータには、前述の時系列データが含まれる。時系列データを含むコンテンツデータは、記憶装置120に保存される(ステップS112)。
【0060】
プロセッサ110は、保存された時系列データから、時系列データをグラフィカルに表すイメージデータ(グラフィカルイメージ)を生成する(ステップS115)。実施形態において、グラフィカルイメージは、登場度の時間的変化を示すグラフのイメージデータである(図4参照)。
【0061】
データベース200に格納された時系列データは、対応するコンテンツの全オブジェクトの登場度の時間的変化を示すデータを含んでいる。しかし、ユーザの視認性又はストーリー展開の把握容易性の観点からは、対象コンテンツにおける全てのオブジェクトの登場度の時間的変化を示すよりも、少ない数のオブジェクトの登場度の時間的変化を示した方がよい場合がある。
【0062】
そこで、実施形態に係るプロセッサ110は、グラフィカルイメージにおいて示されるオブジェクトを絞り込むため、グラフィカルイメージの生成に用いられるオブジェクトを選択する(ステップS113)。ステップS113において選択されたオブジェクトを対象オブジェクトという。実施形態において、グラフィカルイメージは、対象オブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフのイメージデータとして生成される。なお、対象オブジェクトとして、全てのオブジェクトが選択されてもよい。
【0063】
対象オブジェクトの選択は、所定の選択アルゴリズムをプロセッサ110が実行することよって選択される自動選択であってもよいし、端末300からのユーザ入力によって選択される手動選択であってもよい。自動選択であれば、ユーザ負担が軽減され、手動選択であれば、ユーザの関心に応じた自由な選択が可能になる。対象オブジェクトの自動選択には、ステップS111の検索処理の結果又は検索データが用いられてもよい。
【0064】
対象オブジェクトの自動選択は、対象コンテンツの時系列データを解析した結果に基づくことができる。時系列データの解析は、例えば、オブジェクト毎の登場度の解析である。プロセッサ110は、オブジェクト毎の登場度を解析し、オブジェクトの登場度の大きさ又は登場度の変化度合いに基づいて、対象オブジェクトを選択することができる。なお、時系列データの解析は、後述の第2実施形態において説明されるように、非負値行列因子分解によって行われてもよい。
【0065】
対象オブジェクトの選択基準は、例えば、オブジェクトの登場度が閾値よりも大きいこと、又はオブジェクトの登場度の大きさが上位所定数内(例えば、登場度の大きさが上位3位以内)にあること、である。登場度が高いオブジェクトは、対象コンテンツにおける主要なオブジェクトといえる。主要なオブジェクトの登場度の時間的変化を示すことで、主要なオブジェクトを軸にしたストーリー展開を示すことができる。
【0066】
対象オブジェクトの他の選択基準は、オブジェクトの登場度が閾値よりも小さいこと、又はオブジェクトの登場度の大きさが下位所定数内(例えば、登場度の大きさが下位3位以内)にあること、である。登場度が低いオブジェクトが、ストーリー展開における重要な地位を占めるキーオブジェクトであることもあるため、登場度が低いオブジェクトの登場度の時間的変化を示すことも有用である。
【0067】
また、データベース200に格納された時系列データは、対応するコンテンツの全時間範囲(コンテンツの開始から終了まで)における登場度の時間的変化を示すデータを含んでいる。しかし、ユーザの視認性又はストーリー展開の把握容易性の観点からは、全時間範囲における登場度の時間的変化を示すよりも、より短い時間範囲(全時間範囲における一部の時間範囲)における登場度の時間的変化を示した方がよい場合がある。
【0068】
そこで、実施形態に係るプロセッサ110は、グラフィカルイメージにおいて示される時間範囲を一部の時間範囲に絞り込むため、グラフィカルイメージ生成に用いられる時間範囲を選択する(ステップS114)。ステップS114において選択された時間範囲を対象時間範囲という。時系列データにおいて対象時間範囲における登場度の時間的変化を示すデータを、部分時系列データという。実施形態において、グラフィカルイメージは、部分時系列データから、対象時間範囲における、オブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフのイメージデータとして生成される。なお、対象時間範囲として、対象コンテンツの全時間範囲が選択されてもよい。全時間範囲は、例えば、コンテンツの全巻、全話、及び全ページを示す。対象時間範囲となる一部の時間範囲は、例えば、特定の1又は複数の巻番号、特定の巻中の1又は複数の話数、特定の1又は複数のページ番号である。
【0069】
対象時間範囲の選択は、所定の選択アルゴリズムをプロセッサ110が実行することよって選択される自動選択であってもよいし、端末300からのユーザ入力によって選択される手動選択であってもよい。自動選択であれば、ユーザ負担が軽減され、手動選択であれば、ユーザの関心に応じた自由な選択が可能になる。対象時間範囲の自動選択には、ステップS111の検索処理の結果又は検索データが用いられてもよい。
【0070】
対象時間範囲の自動選択は、対象コンテンツの時系列データを解析した結果に基づくことができる。時系列データの解析は、例えば、オブジェクト毎の登場度の解析である。プロセッサ110は、オブジェクト毎の登場度を解析し、オブジェクトの登場度の大きさ又は登場度の変化度合いに基づいて、対象時間範囲を選択することができる。解析対象となるオブジェクトは、対象オブジェクトであってもよいし、対象オブジェクト以外のオブジェクトを含んでもよい。なお、時系列データの解析は、後述の第2実施形態において説明されるように、非負値行列因子分解によって行われてもよい。
【0071】
対象時間範囲は、例えば、対象オブジェクトが閾値よりも多く登場する時間を含む時間範囲として選択される。また、対象時間範囲は、対象オブジェクトの登場度の変化度合いが閾値よりも大きくなった時間を含む時間範囲として選択される。対象オブジェクトが多く登場する時間範囲を選択することで、適切なストーリー展開提示となる。また、対象オブジェクトの登場度が変化(増加又は減少)したタイミングは、ストーリー展開の重要なタイミングであることがあるため、対象オブジェクトの登場度の変化度合いが大きい時間範囲を選択することで、適切なストーリー展開提示となる。
【0072】
なお、図3では、ステップS112において時系列データを読み出した後に、対象オブジェクトの選択(ステップS113)及び対象時間範囲(ステップS114)の選択を行ったが、逆でもよい。すなわち、対象オブジェクトの選択及び対象時間範囲の選択を行った後、データベース200に格納されている時系列データのうち、対象時間範囲における対象オブジェクトの登場度の時間的変化を示すデータだけを読み出してもよい。
【0073】
ステップS115において、プロセッサ110は、対象時間範囲における、対象オブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフのイメージデータ(グラフィカルイメージ)を生成する。
【0074】
ステップS116において、プロセッサ110は、グラフィカルイメージを構成するイメージデータを、その他の必要なデータとともに、ユーザ端末300へ送信する。ユーザ端末300は、グラフィカルイメージのためのイメージデータを含むデータを受信する。ユーザ端末300において、グラフィカルイメージ等を、提示対象のコンテンツのストーリー展開を示すデータとして、ユーザ端末300が備えるディスプレイ(入出力装置330)に表示する(ステップS131)。
【0075】
その後、プロセッサ110は、ユーザ端末300におけるユーザ操作を受け付けて、ユーザ端末300に表示されるグラフィカルイメージ等を随時更新することができる(ステップS117)。
【0076】
図4は、ユーザ端末300のディスプレイに表示される画面500の例を示している。画面500は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)画面である。画面500においては、時系列データのグラフィカルイメージ512等の表示と、ユーザ操作の受付と、が行われる。
【0077】
画面500は、ストーリー展開提示装置100から受信したデータの表示領域501を備えている。表示領域501は、時系列データのグラフィカルイメージ512を有する。グラフィカルイメージ512は、対象コンテンツにおけるオブジェクトの登場度の変化からみたストーリー展開を示している。
【0078】
表示領域501は、グラフィカルイメージ512以外に、作品名表示部510と、対象オブジェクトの名称表示部511と、シークバー516と、を有する。
【0079】
作品名表示部510は、対象コンテンツの作品名を表示するための領域である。名称表示部511は、対象コンテンツにおける対象オブジェクトの名称を表示するための領域である。対象オブジェクトの名称は、例えば、キャラクター名である。図4は、対象オブジェクトとして、キャラクターA、キャラクターB、及びキャラクターCの3つのオブジェクトが選択された場合を示している。図4に示す表示領域501において、キャラクターAには、「O-1」の参照記号が付され、キャラクターBには、「O-2」の参照記号が付され、キャラクターCには、「O-3」の参照記号が付されている。
【0080】
図4に示すグラフィカルイメージ512は、対象時間範囲における対象オブジェクトの登場度の時間的変動を示すグラフとして構成されている。グラフィカルイメージ512であるグラフの横軸は、時間を示し、縦軸は、各対象オブジェクトの登場度(登場割合)を示す。ここでは、複数(3個)の対象オブジェクトが選択されており、対象時間範囲は、第1話から第20話である。
【0081】
図4に示すグラフィカルイメージ512は、各時間範囲(1話分の範囲)における、選択された全対象オブジェクトの登場総数に対して、各対象オブジェクトの登場回数が占める割合として示されている。つまり、各時間範囲(1話分の範囲)における3つの対象オブジェクトの登場総数を100とした場合に、各対象オブジェクトがどの程度の割合で登場したかを示す。例えば、第9話においては、3つのキャラクターA,B,Cのうち、キャラクターA(O-1)の登場割合は53.77%であり、キャラクターB(O-2)の登場割合は46.23%であり、キャラクターC(O-3)の登場割合は0%であったことが示される。
【0082】
図4に示すグラフィカルイメージ512では、各対象オブジェクトの登場割合の大きさの時間的変化が、グラフにおいて各対象オブジェクトが占める面積の大きさの時間的変化によって示される。したがって、登場割合の時間的変化の視覚的かつ直感的な理解が容易である。しかも、図4に示すグラフィカルイメージ512では、選択された複数の対象オブジェクトだけに限って、登場割合の時間的変化が示されているため、選択された複数の対象オブジェクトによるストーリー展開の変化を、視覚的かつ直感的に把握することができる。
【0083】
実施形態に係るストーリー展開提示装置100によれば、ユーザは、ストーリー展開の変化を、視覚的かつ直感的に把握できるため、コンテンツを直接見ることなく、ストーリー中の特定の箇所(特定のシーン)を探すことが可能となる。例えば、ユーザが、キャラクターAとキャラクターBとが共演する特定のシーンの箇所がどこにあるか思い出せない場合であっても、グラフィカルイメージ512を参照することで、キャラクターA及びキャラクターBの登場度が共に高い箇所から、そのようなシーンを見つけることができる。
【0084】
図4に示す画面500は、対象コンテンツのストーリーを説明する文章(例えば、あらすじ)が付属することなく、登場度のグラフィカルイメージ512がユーザに提示される。したがって、ユーザへのネタバレを防止しつつ、ユーザへストーリー展開を提示することができる。
【0085】
例えば、ユーザが、ユーザ端末300を用いて、オンラインで閲覧されるコンテンツ(例えば、オンラインで読める漫画)の第18話を読み、誤って第19話を読み飛ばして第20話を読もうとすることがある。そのような誤りの可能性が、コンテンツを提供するサーバによって検出された場合、ストーリー展開提示装置100が、誤りである可能性の警告として、第19話における各オブジェクトの登場度の時間的変化を示すグラフィカルイメージ512をユーザ端末300に示すことができる。
【0086】
グラフィカルイメージ512を見たユーザは、もし第19話を既読していれば、グラフィカルイメージ512が示す情報(各オブジェクトの登場割合、及びその時間的変化)をヒントにして、第19話のストーリーを容易に思い出すことができる。反対に、ユーザが第19話を既読していなければ、グラフィカルイメージ512が示す情報を見たとしても、第19話のストーリーを思い出すことはない。このように、グラフィカルイメージ512を用いることで、ユーザは、コンテンツの特定の箇所が既読又は既視聴であるかを確認することができる。
【0087】
仮に、第19話が既読かどうかの確認のために、第19話のあらすじを確認する方法を採用した場合、ユーザは、既読ではない第19話のあらすじを事前に知ってしまう、いわゆるネタバレが生じる。しかし、本実施形態によれば、ネタバレを防止しつつ、コンテンツの特定の箇所が既読又は既視聴であるかを確認することができる。
【0088】
なお、上記のような場合、コンテンツを提供するサーバ自体が、ストーリー展開提示装置100としての機能を備えていても良いし、コンテンツを提供するサーバとストーリー展開提示装置100とがネットワークを介して接続されていてもよい。ストーリー展開提示装置100は、既読又は既視聴であるかの確認の必要性が検出されると、確認が必要な箇所のグラフィカルイメージ512をユーザ端末300へ送信する。
【0089】
また、実施形態においては、グラフの横軸の各時点における登場割合を、より正確に把握できるようにするため、画面500は、各対象オブジェクトの登場割合を数値で表示することができる。登場割合の数値表示のため、画面500は、シークバー516及び選択線Rを備える。シークバー516は、グラフの横軸方向に沿って移動可能なスライダ516Aを備える。
【0090】
ユーザは、GUI機能によって、スライダ516Aを移動させる操作を行うことで、グラフの横軸の各時点(話数)を選択することができる。図4では、第9話が選択されている。選択線Rは、スライダ516Aと連動して移動する。ユーザは、GUI機能によって、選択線を移動させることもできる。シークバー516は、グラフ外に配置されているのに対して、選択線Rは、グラフ上に配置されており、どの話数が選択されているのかをより明確に示すことができる。
【0091】
画面500は、選択された時点(話数)における登場度(登場割合)を示す表示部513,514,515を表示することができる。表示部513,514,515は、例えば、吹き出しの形状を持つことができる。図4では、選択された第9話における登場割合を示す第1表示部513、第2表示部514、及び第3表示部515が示されている。第1表示部513は、キャラクターA(O-1)の登場割合を数値(53.77%)で示す。第2表示部514は、キャラクターB(O-2)の登場割合を数値(46.23%)で示す。第3表示部515は、キャラクターC(O-3)の登場割合を数値(0%)で示す。これにより、対象コンテンツにおける第9巻において、キャラクターAとキャラクターBの登場頻度が高く、キャラクターCは登場していないことがわかる。
【0092】
図5は、スライダ516Aを第13話の位置に移動させるユーザ操作が行われた後の画面500の表示領域501を示している。第13話においては、第1表示部513によって示されるキャラクターAの登場割合は58.77%であり、第2表示部514によって示されるキャラクターBの登場割合は23.16%であり、第3表示部515によって示されるキャラクターCの登場割合は、21.35%である。第13話においては、キャラクターAとキャラクターBに加え、キャラクターCが登場していることがわかる。また、図5に示すグラフィカルイメージ512によれば、第12話まではキャラクターCが登場していなかったが、第13話から登場していたことがわかる。
【0093】
このように、登場度の時間的変化をイメージデータでユーザに提示することで、ストーリー自体を示さなくても、対象オブジェクトの登場話数(登場時点)をユーザに提示できる。また、時系列データに含まれるオブジェクトが膨大であっても、選択された対象オブジェクトの登場度の時間的変化だけがイメージデータとして提示されるため、視認性が向上する。
【0094】
図6は、画面500における表示領域501の他の例を示している。図6は、対象オブジェクトとして、キャラクター以外の物も選択されている場合を示している。図6は、対象オブジェクトとして、キャラクターD、建物E、及び道具Gの3つのオブジェクトが選択された場合を示している。図6に示す表示領域501において、キャラクターDには、「O-1」の参照記号が付され、建物Eには、「O-2」の参照記号が付され、道具Gには、「O-3」の参照記号が付されている。
【0095】
このように、実施形態によれば、自動的選択された、又はユーザが任意に選択した対象オブジェクトの登場度の時系列データをグラフィカルイメージ512として表示できるため、任意のオブジェクトからみたストーリー展開を容易に提示することができる。
【0096】
<2.2 第2実施形態>
【0097】
第2実施形態においては、対象オブジェクトの選択(図3のステップS113)及び対象時間範囲の選択(図3のステップS114)の少なくともいずれか一方の選択が、対象コンテンツの時系列データ201Mに対して非負値行列因子分解(NMF)アルゴリズムを適用した結果に基づいて行われる。つまり、第2実施形態は、第1実施形態における時系列データ201Mの解析を、NMFによって行ったものである。なお、第2実施形態において特に説明しない点については、第1実施形態と同様である。
【0098】
図7は、第2実施形態に係るストーリー展開提示処理111において用いられる時系列データ201Mのデータ構造を示している。第2実施形態において、時系列データ201Mは、行列データとして扱われる。
【0099】
図7に示す時系列データ201Mにおいては、複数の行それぞれが、各オブジェクトの登場度の時間的変化を示しており、複数の列それぞれが、コンテンツにおける「時間」を示している。図7では、オブジェクトとして、第1実施形態と同様に、キャラクターA、キャラクターB、キャラクターC、キャラクターD、建物E、建物F、道具G、及び道具Hが含まれている。時間は、簡略化のため、1以上の整数で示されているが、第1実施形態における時間情報Tと同様に、ページ番号、話数、巻番号の組み合わせによって表されてもよい。以下では、時間を示す数値は、話数を表しているものとする。
【0100】
例えば、キャラクターAについては、第1話における登場度がmA1で表され、第2話における登場度がmA2で表され、第3話における登場度がmA3で表され、第4話における登場度がmA4で表され、第5話における登場度がmA5で表され、第tx話における登場度がmAxで表される。これにより、キャラクターAの登場度の時間的変化が表されている。キャラクターAの登場度の時間的変化は、x次元のベクトルとして表されている。同様に、他のオブジェクトについても登場度の時間的変化が表されている。
【0101】
第2実施形態においては、時系列データ201Mは、オブジェクトの数×時間数(1からtx)の大きさを持つ行列データとして扱われる。行列データにおける行列要素は、前述のmA1等の登場度を示す。
【0102】
行列データとして扱われる時系列データ201Mは、その全ての行列要素(登場度mA1等)が非負値である非負値行列データとして作成される。時系列データ201Mが非負値行列データであることで、非負値行列因子分解(NMF)アルゴリズムの適用が可能になる。
【0103】
NMFアルゴリズムでは、与えられた非負値行列Xから、第1非負値行列W及び第2非負値行列Hという2つの非負値行列を得ることができる。つまり、NMFアルゴリズムは、与えられた非負値行列Xを、第1非負値行列W及び第2非負値行列Hという2つの非負値行列の積で近似するためのアルゴリズムである。
【0104】
与えられた非負値行列Xが、N×M行列である場合、第1非負値行列Wは、N×r行列となり、第2非負値行列Hは、r×M行列となる。rは、事前に与えられる値であり、好ましくは、2以上の整数である。第1非負値行列Wは、r個の基底ベクトルを有する基底行列である。第2非負値行列Hは、各基底ベクトルの重みを示すアクティベーション行列である。
【0105】
図8は、非負値行列データである時系列データ201Mに対して、NMFアルゴリズムを適用して得られた第1非負値行列データW(基底行列)の例を示している。ここでは、r=3である。したがって、図8に示す第1非負値行列データWは、3個の基底ベクトルF1,F2,F3を有している。ここでは、複数の基底ベクトルF1,F3,F3を、トピックと呼ぶ。
【0106】
本発明者らは、ストーリーに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す時系列データに対して、NMFを適用することで、ストーリー展開において重要な複数のトピックF1,F2,F3を分解して抽出できることを見出した。抽出されたトピックF1,F2,F3は、コンテンツのストーリー展開を基底する重要な因子である。時系列データ201Mに対してNMFを適用することで、人間がコンテンツを直接読んだり視聴したりしても容易には得られないストーリー展開解析結果を、容易に得ることができる。
【0107】
複数のトピックF1,F2,F3は、ストーリーを構成するメインストーリー及びサブストーリーとして解釈することもできる。これは、一つのコンテンツであっても、複数のストーリーが混在している場合に当てはまる。例えば、漫画であれば、1話又は数話ごとに、単発的なストーリーは完結するものの、コンテンツ全体を通じた基軸的なストーリーが設定されていることがある。このような場合、一つのコンテンツの中で、単発的なストーリーと基軸的なストーリーとが混在してストーリーが進行することになる。NMFを利用することで、一つのコンテンツの中に混在する複数のストーリーを、トピックF1,F2,F3として抽出することができる。
【0108】
図8に示す第1トピックF1(基底ベクトル)は、第1トピックF1における各オブジェクトの登場度を示しており、全オブジェクトの中でキャラクターBの登場度が最も大きい。したがって、第1トピックF1は、キャラクターBを主とするトピックであることがわかる。
【0109】
第2トピックF2(基底ベクトル)は、第2トピックF2における各オブジェクトの登場度を示しており、全オブジェクトの中でキャラクターAの登場度が最も大きい。したがって、第2トピックF2は、キャラクターAを主とするトピックであることがわかる。
【0110】
第3トピックF3(基底ベクトル)は、第3トピックF3における各オブジェクトの登場度を示しており、全オブジェクトの中で、キャラクターCの登場度が最も大きく、キャラクターBもある程度登場している。したがって、第3トピックは、キャラクターB及びキャラクターCを主とし、キャラクターCのほうが、キャラクターBよりも重要度が高いことがわかる。
【0111】
図9は、非負値行列データである時系列データ201Mに対して、NMFアルゴリズムを適用して得られた第2非負値行列データH(アクティベーション行列)の例を示している。ここでは、r=3であるため、第2非負値行列データHは、各時間における3個のトピックF1,F2,F3それぞれの重み(活性化度)を示している。つまり、第2非負値行列データH(アクティベーション行列)は、各時間(話数)において、各トピックF1,F2,F3がどの程度の重みを持つかの時間的変化、換言すると、どの程度活性化しているかの時間的変化、を示す。
【0112】
第2実施形態のストーリー展開提示処理111においては、プロセッサ110は、第1非負値行列Wを用いて、対象オブジェクトを選択する(図3のステップS113)。例えば、プロセッサ110は、複数のトピックF1,F2,F3の中から、いずれかのトピックを自動選択する。
【0113】
なお、トピックF1,F2,F3の選択は、ユーザ端末300に表示されたNMFの結果を参照したユーザの操作による手動選択でもよい。この場合、ユーザによる選択に先立って、NMFの結果が、ユーザ端末300に表示される(後述の第3実施形態参照)。
【0114】
そして、プロセッサ110は、第1非負値行列Wにおいて、選択されたトピックにおいて登場度の高い1又は複数のオブジェクトを選択する。なお、登場度の低い1又は複数のオブジェクトが選択されてもよい。以上の処理により、選択されたトピックに関連するオブジェクトが自動的に、対象オブジェクトとして選択される。
【0115】
また、第2実施形態のストーリー展開提示処理111においては、プロセッサ110は、第2非負値行列Hを用いて、対象時間範囲を選択する(図3のステップS114)。例えば、プロセッサ110は、第2非負値行列Hを参照し、前述のようにして選択されたトピックの重み(活性化度)が閾値よりも大きい時間を含む時間範囲を、対象時間範囲として選択する。対象時間範囲の選択は、ユーザ端末300に表示されたNMFの結果を参照したユーザの操作による手動選択でもよい。
【0116】
第2実施形態において生成されるグラフィカルイメージ512は、NMFの結果を用いて選択された対象時間範囲において、NMFの結果を用いて選択された対象オブジェクトの登場度の時間的変化を示すことができる。つまり、第2実施形態では、選択された特定のトピックにおけるストーリー展開が提示されることになる。
【0117】
<2.3 第3実施形態>
【0118】
図10は、第3実施形態に係るシステム10を示している。第3実施形態において、特に説明しない点については、第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
【0119】
第3実施形態に係るシステム10は、ストーリー展開解析装置100Aを備える。ストーリー展開解析装置100Aは、コンテンツのストーリー展開を解析し、解析結果としてストーリー展開を示すデータを生成する。第3実施形態に係るストーリー展開解析装置100Aは、一例として、非負値行列因子分解(NMF)を用いて、コンテンツのストーリー展開を解析する。ストーリー展開解析装置100Aは、解析結果として得られたストーリー展開を示すデータを、ネットワーク400を介して、ユーザに提示するストーリー展開提示装置としても動作する。
【0120】
第2実施形態においては、時系列データにNMFを適用することにより得られる解析結果が、対象オブジェクト又は対象時間範囲の選択に用いられていたが、第3実施形態においては、時系列データにNMFを適用することにより得られる解析結果が、ストーリー展開を示すデータとして用いられる。ストーリー展開解析装置100Aは、NMFにより得られた解析結果から、ストーリー展開を示すグラフィカルイメージを生成する。ストーリー展開解析装置100Aは、グラフィカルイメージを、コンテンツのストーリー展開を示す情報として、ユーザに提示する。
【0121】
第3実施形態において、ユーザは、例えば、コンテンツの作者及び編集者など、コンテンツの制作にかかわる者である。ユーザは、漫画若しくは小説の読者、又は、映画若しくはテレビ番組の視聴者であってもよい。ストーリー展開解析装置100Aは、ユーザに対して、ストーリー展開の解析結果を提示することで、ストーリー展開の発案又は変更を行うユーザを支援する。
【0122】
システム10は、ストーリー展開解析装置100Aに対してネットワーク400を介して接続されるユーザ端末300を備える。ユーザは、ユーザ端末300を用いて、ストーリー展開解析装置100Aにアクセスすることができる。ユーザ端末300は、プロセッサ310と、記憶装置320と、入出力装置330と、を備えている。
【0123】
ストーリー展開解析装置100Aは、プロセッサ110及び記憶装置120を備えるコンピュータによって構成されている。記憶装置120には、コンピュータをストーリー展開解析装置100A(ストーリー展開提示装置)として動作させるためのコンピュータプログラム121Aが格納されている。コンピュータプログラム121Aは、ストーリー展開解析処理111A(ストーリー展開提示処理)をプロセッサ110に実行させるためのプログラムコードを備える。ストーリー展開解析処理111Aは、コンテンツのストーリー展開を解析することを含む処理である。ストーリー展開解析処理111Aについては、後述する。
【0124】
ストーリー展開解析装置100Aは、データベース200を備える。データベース200は、複数のコンテンツデータ201,202,203を備える。図10においては、図1と同様に、第1コンテンツ(作品名:xxx)の第1コンテンツデータ201と、第2コンテンツ(作品名:yyy)の第2コンテンツデータ202と、第3コンテンツ(作品名:zzz)の第3コンテンツデータ203と、が示されている。実施形態に係るコンテンツデータ201,202,203は、それぞれ、時系列データ201M,202M,203Mを更に含む。各時系列データ201M,202M,203Mは、コンテンツに登場する複数のオブジェクトそれぞれの登場度の時間的変化を示す。
【0125】
第3実施形態に係る各時系列データ201M,202M,203Mのデータ構造は、第2実施形態における時系列データ201Mのデータ構造(図7参照)と同様である。第3実施形態に係る各時系列データ201M,202M,203Mは、第2実施形態と同様に、非負値行列データである。
【0126】
図11は、時系列データを用いたストーリー展開解析処理111Aの例を示している。ストーリー展開解析処理111Aは、ストーリー展開解析装置100Aのプロセッサ110によって実行させる。実施形態に係るストーリー展開解析装置100Aは、ストーリー展開の解析のため、非負値行列データである時系列データ201M,202M,203Mに対して、NMFアルゴリズムを適用する。
【0127】
第3実施形態に係るストーリー展開解析処理111Aにおいては、まず、プロセッサ110が、検索処理を実行する(ステップS311)。検索処理は、第1実施形態と同様に、検索処理は、データベース200から、ユーザが探しているコンテンツ(対象コンテンツ)を検索する処理である。
【0128】
プロセッサ110は、データベース200における検索結果として、検索データに合致する特定のコンテンツのデータを取得する。すなわち、プロセッサ110は、対象コンテンツのデータをデータベース200から読み出す。読み出したコンテンツデータには、前述の時系列データが含まれる。時系列データを含むコンテンツデータは、記憶装置120に保存される(ステップS312)。
【0129】
プロセッサ110は、保存された時系列データ(図7参照)に対して、NMFアルゴリズムを適用する(ステップS313)。プロセッサ110は、NMFによる解析結果として、図8に示す第1非負値行列データWと、図9に示す第2非負値行列データHと、を得る。前述のように、第1非負値行列Wは、r個の基底ベクトルを有する基底行列である。第2非負値行列Hは、各基底ベクトルの重みを示すアクティベーション行列である。
【0130】
プロセッサ110は、第1非負値行列データW及び第2非負値行列データHから、対象コンテンツのストーリー展開を示すイメージデータ(グラフィカルイメージ)を生成する(ステップS314)。プロセッサ110は、グラフィカルイメージを構成するイメージデータを、その他の必要なデータとともに、ユーザ端末300へ送信する。
【0131】
ユーザ端末300は、グラフィカルイメージのためのイメージデータを含むデータを受信する。ユーザ端末300において、グラフィカルイメージ等を、提示対象のコンテンツのストーリー展開の解析結果を示すデータとして、ユーザ端末300が備えるディスプレイ(入出力装置300)に表示する。
【0132】
図12は、ユーザ端末300のディスプレイに表示される画面500Aの例を示している。画面500Aは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)画面である。画面500Aにおいては、解析結果の表示と、ユーザ操作の受付とが行われる。
【0133】
画面500Aは、作品名表示部510と、トピック表示部601と、ストーリー展開表示部602と、を有する。
【0134】
トピック表示部601は、対象コンテンツに含まれる1又は複数のトピックを表示する。トピック表示部601は、ストーリー展開表示部602において表示されるグラフの凡例表示にもなっている。
【0135】
トピック表示部601において表示されるトピックは、第1非負値行列データWから生成される。図8に示す第1非負値行列データWは、3個の基底ベクトルF1,F2,F3を有している。したがって、トピック表示部601には、3つのトピックF1,F2,F3が、表示される。
【0136】
トピック表示部601は、各トピックF1,F2,F3におけるオブジェクトを示す。図12に示すトピック表示部601では、第1トピックF1における主要なオブジェクトはキャラクターBであり、第2トピックF2における主要なオブジェクトはキャラクターAであり、第3トピックF3における主要なオブジェクトはキャラクターB及びキャラクターCであることが示されている。トピック表示部601に各トピックF1,F2,F3における主要なオブジェクトが表示されていることで、ユーザは、各トピックF1,F2,F3に寄与する主要なオブジェクトを把握できる。
【0137】
プロセッサ110は、トピック表示部601に表示される主要なオブジェクトを、第1非負値行列Wに基づいて決定する。主要なオブジェクトは、第1非負値行列Wの行列要素の値に基づいて、決定される。第1非負値行列Wの行列要素の値は、各トピックにおけるオブジェクトの寄与度を示している。したがって、プロセッサ110は、各基底ベクトル(トピック)において、例えば、寄与度が最も大きいオブジェクト、又は、寄与度が閾値よりも大きいオブジェクトを、そのトピックにおける主要なオブジェクトとして決定できる。
【0138】
ストーリー展開表示部602は、各トピックF1,F2,F3の活性化度(以下、「アクティベーション値」ともいう)の時間的変化をグラフィカルイメージであるグラフによって示す。図10のストーリー展開表示部602において、横軸は、時間の一例として話数を示し、縦軸は、活性化度を示す。図10のストーリー展開表示部602では、3つのトピックF1,F2,F3それぞれの活性化度の時間的変化を可視化した折れ線グラフのイメージデータとして示されている。
【0139】
図12のストーリー展開表示部602において、キャラクターBが主要なオブジェクトである第1トピックF1とキャラクターAが主要なオブジェクトである第2トピックF2については、時間的に安定した活性化度を示している。したがって、ストーリー展開表示部602を観察したユーザは、キャラクターA及びキャラクターBが、対象コンテンツにおいて常に登場する主要なオブジェクト(いわゆる主人公)であることを把握できる。また、対象コンテンツにおいて、キャラクターA,Bに関するトピックF1,F2は、時間的に安定した活性化度を示していることから、対象コンテンツにおいては、主人公であるキャラクターA,Bは、ストーリー展開の起伏にかかわらず、安定的に登場していることがわかる。
【0140】
また、ストーリー展開表示部602において、第3トピックF3は、時間的に大きく変動して起伏が生じていることを示している。したがって、ストーリー展開表示部602を観察したユーザは、キャラクターC(メイン)及びキャラクターB(サブ)の絡みによってストーリー展開の起伏が作られていることを把握できる。
【0141】
つまり、ユーザは、キャラクターA,Bが主人公である一方、ストーリー展開の肝は、キャラクターC(メイン)及びキャラクターB(サブ)の絡みにあることを客観的に把握できる。このように、ユーザは、対象コンテンツのストーリー展開のパターンを容易に把握することができる。このようなストーリー展開のパターンは、人間がコンテンツを直接読んだり視聴したりしても容易には得られないおそれがあるが、NMFアルゴリズムを用いた解析により、ストーリー展開のパターンを容易に得ることができる。
【0142】
しかも、NMFアルゴリズムにより得られたストーリー展開の解析結果は、数値データであるため、異なるコンテンツ間のストーリー展開の類似性の検討に有用である。例えば、制作しようとするコンテンツを、他のコンテンツのストーリーに似せたい場合、又は、他のコンテンツのストーリーに似せたくない場合、ユーザである制作者は、ストーリー展開解析装置100Aにより得られた他のコンテンツのストーリー展開を参考に、制約しようとするコンテンツのストーリー展開を考えることができる。
【0143】
また、NMFアルゴリズムにより得られたストーリー展開の解析結果は、数値データであって、コンテンツのストーリー展開を定量的に表したものである。したがって、コンテンツの解析結果間の同一性又は類似性を用いて、あるコンテンツに似た他のコンテンツを検索することもできる。
【0144】
なお、画面500Aは、図8に示す第1非負値行列データW及び図9に示す第2非負値行列Hを数値データとして示す表示を含んでもよい。この場合、ユーザは、解析結果の詳細を確認することができる。
【0145】
さらに、第3実施形態に係るストーリー展開解析装置100Aは、ストーリー展開の見直し又は修正のために、対象コンテンツにおけるオブジェクト(キャラクター)の登場度をどのように調整すればよいかという値を表示する機能も有する。かかる機能によって、制作者等であるユーザは、ストーリー展開を変更した際のシミュレーションをすることができる。また、ユーザは、ストーリー展開の提案のヒントを得ることができる。
【0146】
オブジェクトの登場度の調整を支援するため、第3実施形態に係るプロセッサ110は、ストーリー展開解析処理111Aにおいて、ステップS315以降の処理を実行可能である。ここでは、NMFにより得られた各トピックのアクティベーション値(活性化度)を変更することで、調整後のオブジェクト登場度を得る。
【0147】
図13は、オブジェクトの登場度の調整を支援する機能を含む画面500Aを示している。この画面500Aは、図12と同様に、作品名表示部510と、トピック表示部601と、ストーリー展開表示部602と、を備える。更に、図13に示す画面500Aは、オブジェクト寄与度表示部701と、ストーリー展開調整部702と、調整結果表示部703と、を備える。
【0148】
オブジェクト寄与度表示部701は、第1非負値行列Wを示す数値データを表示する領域である。ユーザは、ストーリー展開表示部602に加えて、オブジェクト寄与度表示部701を参照することで、NMFアルゴリズムによる解析結果をより詳細に把握できる。
【0149】
ストーリー展開調整部702は、調整の対象トピックの選択部702Aと、調整の対象話数(対象時間範囲)の選択部702Bと、アクティベーション値の入力部702Cと、を備える。トピックの選択部702Aでは、NMFにより得られた複数のトピックF1,F2,F3のうち、アクティベーション値(活性化度)が調整されるトピックが選択される。トピックの選択部702Aでは、抽出されたトピックF1,F2,F3がラジオボタン等を用いて選択可能に示されている。
【0150】
ストーリー展開解析装置100Aのプロセッサ110は、ユーザ端末300から、選択された対象トピックF3に示すデータを受け付ける。プロセッサ110は、ユーザ端末300から受け付けたデータに基づいて、第2非負値行列Hにおいてアクティベーション値が変更される対象トピックとして、例えば、第3トピックF3を選択する(ステップS315)。
【0151】
話数の選択部702Bでは、対象コンテンツにおいてオブジェクトの登場度が調整される対象話数が、例えば数値で、ユーザによって入力される。プロセッサ110は、ユーザ端末300から、選択された対象話数(対象時間範囲)を示すデータを受け付ける。プロセッサ110は、ユーザ端末300あら受け付けたデータに基づいて、第2非負値行列Hにおいてアクティベーション値が変更される話数(時間範囲)として、例えば、第3話を選択する(ステップS316)。
【0152】
アクティベーション値の入力部702Cでは、変更後のアクティベーション値が、例えば数値で、ユーザによって入力される。変更後のアクティベーション値は、ユーザにより、任意の値が入力される。変更後のアクティベーション値としては、例えば、NMFにより得られた対象トピックのアクティベーション値(例えば、0)とは異なる値(例えば、0.7)に設定される。
【0153】
プロセッサ110は、ユーザ端末300から、変更後のアクティベーション値を受け付ける。プロセッサ110は、第2非負値行列Hにおいて、対象トピックF3の対象話数(第3話)のアクティベーション値だけを、変更前の0(図9参照)から変更後の値(0.7)に変更した、変更後の第2非負値行列Hを生成する。プロセッサ110は、図8に示す第1非負値行列Wに変更後の第2非負値行列を乗じる行列演算を実行する。この行列演算によって、図7に示す時系列データ201M(非負値行列データ)のうち、対象話数である第3話における各オブジェクトの登場度が更新される(ステップS317)。なお、更新後の時系列データ201Mにおいて、対象話数以外の各オブジェクトの登場度に変化はないため、行列演算において、対象話数以外の登場度を更新する演算は省略してもよい。
【0154】
プロセッサ110は、対象話数である第3話における各オブジェクトの更新後の登場度を調整結果として、ユーザ端末300へ送信する(ステップS318)。ユーザ端末300は、調整結果を受信し、その調整結果を、画面500Aの調整結果表示部703に表示させる。調整結果表示部703では、対象話数である第3話における第3トピックF3のアクティベーション値を0.7にするための各オブジェクトの登場度(登場回数)が表示される。ユーザは、調整結果表示部703を参照することで、調整後のオブジェクトの登場度を把握することができる。
【0155】
<3.付記>
【0156】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0157】
10 :システム
100 :ストーリー展開提示装置
100A :ストーリー展開解析装置
110 :プロセッサ
111 :ストーリー展開提示処理
111A :ストーリー展開解析処理
120 :記憶装置
121 :コンピュータプログラム
121A :コンピュータプログラム
200 :データベース
201 :第1コンテンツデータ
201M :第1時系列データ
202 :第2コンテンツデータ
202M :第2時系列データ
203 :第3コンテンツデータ
203M :第3時系列データ
300 :ユーザ端末
310 :プロセッサ
320 :記憶装置
330 :入出力装置
400 :ネットワーク
500 :画面
500A :画面
501 :表示領域
510 :作品名表示部
511 :名称表示部
512 :グラフィカルイメージ
513 :第1表示部
514 :第2表示部
515 :第3表示部
516 :シークバー
516A :スライダ
601 :トピック表示部
602 :ストーリー展開表示部
701 :オブジェクト寄与度表示部
702 :ストーリー展開調整部
702A :選択部
702B :選択部
702C :入力部
703 :調整結果表示部
A :キャラクター
B :キャラクター
C :キャラクター
D :キャラクター
E :建物
F :建物
G :道具
H :道具
F1 :第1トピック
F2 :第2トピック
F3 :第3トピック
R :選択線
S :オブジェクト情報
T :時間情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13