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特許7539689情報処理方法、プログラムおよび情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240819BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20240819BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240819BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240819BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240819BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240819BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20240819BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J3/14 130
H02J13/00 311T
H02J3/32
H02J3/38 120
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J7/34 G
H02J3/00 170
H02J9/06 110
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020086138
(22)【出願日】2020-05-15
(65)【公開番号】P2021179917
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】712006064
【氏名又は名称】株式会社Sassor
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 耕平
(72)【発明者】
【氏名】石橋 秀一
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-228043(JP,A)
【文献】特開2015-056975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ー 99/00
H02J 3/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池の蓄電量、および、複数の家電機器の使用優先度を取得し、
前記使用優先度の高い順に一つの家電機器を選択し、
所定のスケジュール作成期間を分割した複数の時間帯から早い順に一つの時間帯を選択し、
選択した前記時間帯において、選択した前記家電機器を前記蓄電量の範囲内で使用できるか否かを判定し、
使用できないと判定した場合には、前記時間帯と関連づけて前記家電機器を使用できない旨を記録し、
使用できると判定した場合には、前記時間帯と関連づけて前記家電機器を使用できる旨を記録し、当該家電機器の消費電力を前記蓄電量から減算する
処理を前記スケジュール作成期間の終了まで繰り返す処理を、複数の前記家電機器について繰り返し実行することで、
取得した蓄電量の範囲内で前記家電機器それぞれを前記使用優先度に基づいて使用可能なスケジュールを複数の日数にわたって作成し、
前記スケジュールに基づいて、停電が継続した場合に、それぞれの優先度の前記家電機器が何日目まで使用可能であるかを、前記スケジュールとともに出力する
処理をコンピュータに実行させる情報処理方法。
【請求項2】
天気予報を取得し、
取得した天気予報に基づいて前記蓄電池に充電可能な発電装置の発電量を前記時間帯ごとに予測し、
前記時間帯ごとに、前記蓄電量に前記発電量を加算する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記スケジュールを再計算して出力する
請求項1または請求項2のいずれか一つに記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記スケジュールに複数の前記家電機器のうち最も使用優先度が高い家電機器を使用できない時間が含まれる場合、当該時間を出力する
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の情報処理方法。
【請求項5】
蓄電池の蓄電量、および、複数の家電機器の使用優先度を取得し、
前記使用優先度の高い順に一つの家電機器を選択し、
所定のスケジュール作成期間を分割した複数の時間帯から早い順に一つの時間帯を選択し、
選択した前記時間帯において、選択した前記家電機器を前記蓄電量の範囲内で使用できるか否かを判定し、
使用できないと判定した場合には、前記時間帯と関連づけて前記家電機器を使用できない旨を記録し、
使用できると判定した場合には、前記時間帯と関連づけて前記家電機器を使用できる旨を記録し、当該家電機器の消費電力を前記蓄電量から減算する
処理を前記スケジュール作成期間の終了まで繰り返す処理を、複数の前記家電機器について繰り返し実行することで、
取得した蓄電量の範囲内で前記家電機器それぞれを前記使用優先度に基づいて使用可能なスケジュールを複数の日数にわたって作成し、
前記スケジュールに基づいて、停電が継続した場合に、それぞれの優先度の前記家電機器が何日目まで使用可能であるかを出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項6】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部に、
蓄電池の蓄電量、および、複数の家電機器の使用優先度を取得し、
前記使用優先度の高い順に一つの家電機器を選択し、
所定のスケジュール作成期間を分割した複数の時間帯から早い順に一つの時間帯を選択し、
選択した前記時間帯において、選択した前記家電機器を前記蓄電量の範囲内で使用できるか否かを判定し、
使用できないと判定した場合には、前記時間帯と関連づけて前記家電機器を使用できない旨を記録し、
使用できると判定した場合には、前記時間帯と関連づけて前記家電機器を使用できる旨を記録し、当該家電機器の消費電力を前記蓄電量から減算する
処理を前記スケジュール作成期間の終了まで繰り返す処理を、複数の前記家電機器について繰り返し実行することで、
取得した蓄電量の範囲内で前記家電機器それぞれを前記使用優先度に基づいて使用可能なスケジュールを複数の日数にわたって作成し、
前記スケジュールに基づいて、停電が継続した場合に、それぞれの優先度の前記家電機器が何日目まで使用可能であるかを出力する
処理を実行させる情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭用の自家発電装置および蓄電池が提供されている。平時には、自家発電装置により発電した電力の余剰は蓄電池に蓄えるとともに、不足する電力は、電力会社からの給電を受ける。自家発電した電力を有効に活用する自家発電電力制御システムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-56975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自然災害により長期間かつ広範囲の停電が発生した場合には、電力会社からの給電を受けられない。そのような状況であっても、自家発電装置および蓄電池を設置している家庭では、家電機器を使用できる。
【0005】
しかしながら、自家発電装置の発電可能量と、蓄電池の残量と、個々の家電機器の消費電力とを考慮して、使用する家電機器と、使用を差し控える家電機器とを的確に判断することは難しい。
【0006】
一つの側面では、停電中の家電機器の使用スケジュールを提案する情報処理方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
情報処理方法は、蓄電池の蓄電量、および、複数の家電機器の使用優先度を取得し、前記使用優先度の高い順に一つの家電機器を選択し、所定のスケジュール作成期間を分割した複数の時間帯から早い順に一つの時間帯を選択し、選択した前記時間帯において、選択した前記家電機器を前記蓄電量の範囲内で使用できるか否かを判定し、使用できないと判定した場合には、前記時間帯と関連づけて前記家電機器を使用できない旨を記録し、使用できると判定した場合には、前記時間帯と関連づけて前記家電機器を使用できる旨を記録し、当該家電機器の消費電力を前記蓄電量から減算する処理を前記スケジュール作成期間の終了まで繰り返す処理を、複数の前記家電機器について繰り返し実行することで、取得した蓄電量の範囲内で前記家電機器それぞれを前記使用優先度に基づいて使用可能なスケジュールを複数の日数にわたって作成し、前記スケジュールに基づいて、停電が継続した場合に、それぞれの優先度の前記家電機器が何日目まで使用可能であるかを、前記スケジュールとともに出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面では、停電中の家電機器の使用スケジュールを提案する情報処理方法等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システムの構成を説明する説明図である。
図2】情報処理システムの構成を説明する説明図である。
図3】家電DBのレコードレイアウトを説明する説明図である。
図4】ユーザDBのレコードレイアウトを説明する説明図である。
図5】スケジュールDBのレコードレイアウトを説明する説明図である。
図6】学習モデルの構成を説明する説明図である。
図7】端末装置が表示する画面の例である。
図8】端末装置が表示する画面の例である。
図9】端末装置が表示する画面の例である。
図10】プログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。
図11】使用可否判定のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである
図12】実施の形態2のスケジュールDBのレコードレイアウトを説明する説明図である。
図13】実施の形態2の端末装置が表示する画面の例である。
図14】実施の形態2の端末装置が表示する画面の例である。
図15】実施の形態2のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。
図16】優先順位群生成のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
図17】表示のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。
図18】端末装置が表示する画面の変形例である。
図19】訓練データDBのレコードレイアウトを説明する説明図である。
図20】実施の形態3のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。
図21】実施の形態4の情報処理システムの構成を説明する説明図である。
図22】実施の形態5の情報処理装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態1]
図1および図2は、情報処理システム10の構成を説明する説明図である。図1において、破線で囲んだ部分は1戸の一般家庭を示す。情報処理システム10は、ネットワークで接続された情報処理装置20、気象情報サーバ19、端末装置30、および通信装置17を備える。端末装置30は、それぞれの一般家庭に配置されている。通信装置17は、それぞれの一般家庭に設置されている。情報処理システム10には、複数の一般家庭の通信装置17および端末装置30がそれぞれ接続されている。
【0011】
それぞれの一般家庭内では、通信装置17に発電装置16および蓄電池15が接続されている。発電装置16より発電された電力は、蓄電池15に充電可能である。一般家庭には、複数の蓄電池15が設置されていてもよい。
【0012】
蓄電池15に、冷蔵庫141、照明機器142、空調装置143、給湯装置144およびテレビ145等の家電機器14が接続されている。発電装置16は、たとえば太陽光発電装置、風力発電装置および小水力発電装置等の、自然エネルギーを利用した小規模発電装置である。
【0013】
発電装置16が発電した電力は、蓄電池15を介してそれぞれの家電機器14、通信装置17および端末装置30に供給される。発電装置16の発電量、および、蓄電池15の蓄電量は、リアルタイムで通信装置17に送信される。通信装置17は、リアルタイムで、または一定の時間ごとにネットワークを介して発電量および蓄電量を情報処理装置20に送信する。送信された発電量および蓄電量は、それぞれの家庭に固有に付与されたユーザID(Identifier)と関連づけて補助記憶装置23(図2参照)に記録される。
【0014】
一般家庭には、燃料電池またはエンジン式発電機等、ガスまたはガソリン等のエネルギー源を用いる発電装置16が設置されていてもよい。このような発電装置16は、蓄電池15を介さずに家電機器14と接続されていてもよい。一般家庭には、複数の発電装置16が設置されていてもよい。
【0015】
蓄電池15は、自家用車の車載バッテリーであってもよい。発電装置16は、自家用車のエンジンに接続されたオルタネータであってもよい。
【0016】
一般家庭には、平時には図示を省略する商用電源も供給されている。発電装置16により発電された電力は蓄電池15に蓄えられる。蓄電池15の蓄電量が所定の閾値を超えた場合、発電装置16により発電された電力は家電機器14に供給される。発電装置16による発電量では不足する電力は、商用電力から供給される。
【0017】
停電時には、商用電力からの電力供給が途絶える。ユーザが停電時に使用可能な家電機器14は、蓄電池15および発電装置16から供給される電力により動作可能な範囲に限定される。蓄電池15は、満充電状態である場合には発電装置16が発電した電力を蓄えることができず、余剰の電力は無駄に放電される。
【0018】
図2を使用して、情報処理システム10を構成する情報処理装置20および端末装置30の構成を説明する。情報処理装置20は、制御部21、主記憶装置22、補助記憶装置23、通信部24およびバスを備える。制御部21は、本実施の形態のプログラムを実行する演算制御装置である。制御部21には、一または複数のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)またはマルチコアCPU等が使用される。制御部21は、バスを介して情報処理装置20を構成するハードウェア各部と接続されている。
【0019】
主記憶装置22は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置22には、制御部21が行なう処理の途中で必要な情報および制御部21で実行中のプログラムが一時的に保存される。
【0020】
補助記憶装置23は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置23には、制御部21に実行させるプログラム、学習モデル46、家電DB(Database)41、スケジュールDB42、ユーザDB43およびプログラムの実行に必要な各種データが保存される。家電DB41、スケジュールDB42およびユーザDB43は、情報処理装置20に接続された外部の大容量記憶装置等に保存されていても良い。通信部24は、情報処理装置20とネットワークとの間の通信を行なうインターフェイスである。
【0021】
情報処理装置20は、汎用のパソコン、タブレット、大型計算機、または、大型計算機上で動作する仮想マシンである。情報処理装置20は、分散処理を行なう複数のパソコン、または大型計算機等のハードウェアにより構成されても良い。情報処理装置20は、クラウドコンピューティングシステムまたは量子コンピュータにより構成されても良い。
【0022】
端末装置30は、制御部31、主記憶装置32、補助記憶装置33、通信部34、タッチパネル35およびバスを備える。タッチパネル35は、液晶パネルまたは有機ELパネル等の表示部351と、表示部351の表面に積層された入力部352とを含む。
【0023】
端末装置30の制御部31は、情報処理装置20の制御部21と協働して本実施の形態のプログラムを実行する演算制御装置である。制御部31には、一または複数のCPU、GPUまたはマルチコアCPU等が使用される。制御部31は、バスを介して端末装置30を構成するハードウェア各部と接続されている。
【0024】
主記憶装置32は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等の記憶装置である。主記憶装置32には、制御部31が行なう処理の途中で必要な情報および制御部31で実行中のプログラムが一時的に保存される。
【0025】
補助記憶装置33は、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは磁気テープ等の記憶装置である。補助記憶装置33には、制御部31に実行させるプログラム、およびプログラムの実行に必要な各種データが保存される。通信部34は、端末装置30とネットワークとの間の通信を行なうインターフェイスである。
【0026】
端末装置30は、汎用のパソコン、スマートフォンまたはタブレット等の汎用の情報機器である。端末装置30は、本実施の形態の情報処理システム10専用の情報機器であってもよい。それぞれの一般家庭には、複数の端末装置30が配置されていてもよい。
【0027】
情報処理装置20は、それぞれの一般家庭に設置されていてもよい。端末装置30が情報処理装置20を兼ねてもよい。複数の端末装置30を保有する端末装置30においては、そのうちの一台の端末装置30が情報処理装置20を兼ねても良い。
【0028】
図3は、家電DB41のレコードレイアウトを説明する説明図である。家電DB41は、ユーザIDと、それぞれの家電機器14の名称、メーカー名、型番、消費電力、最低連続使用時間、順位および使用希望時間とを関連づけて記録するDBである。家電DB41は、ユーザIDフィールド、名称フィールド、メーカーフィールド、型番フィールド、消費電力フィールド、最低連続使用時間フィールド、順位フィールドおよび使用希望時間フィールドを有する。
【0029】
ユーザIDフィールドには、ユーザIDが記録されている。名称フィールドには、家電機器14の名称が記録されている。メーカーフィールドには家電機器14を製造販売したメーカー名が記録されている。型番フィールドには家電機器14の型番が記録されている。消費電力フィールドには、家電機器14の消費電力が記録されている。最低連続使用時間フィールドには、家電機器14が所定の機能を発揮するために必要な連続使用時間が記録されている。図3においては、最低連続使用時間の単位は時間である。
【0030】
順位フィールドには、停電時にそれぞれの家電機器14に電力を供給する優先順位が記録されている。使用希望時間フィールドには、ユーザがそれぞれの家電機器14の使用を希望する時間が記録されている。家電DB41は、1つの家電機器14について、1つのレコードを有する。
【0031】
ユーザは、停電時に使用する可能性のある家電機器14の名称、メーカー名、型番、順位および使用希望時間をあらかじめ家電DB41に登録する。制御部21は、メーカーのWEBサイト等からそれぞれの家電機器14の消費電力および最低連続使用時間を取得して、家電DB41に記録する。
【0032】
図4は、ユーザDB43のレコードレイアウトを説明する説明図である。ユーザDB43は、ユーザIDと、蓄電池15と発電装置16と住所とを関連づけて記録するDBである。ユーザDB43は、ユーザIDフィールド、蓄電池フィールド、発電装置フィールドおよび住所フィールドを有する。
【0033】
ユーザIDフィールドには、ユーザIDが記録されている。蓄電池フィールドには蓄電池15の型番が記録されている。発電装置フィールドには発電装置16の型番が記録されている。住所フィールドには、住所が記録されている。ユーザDB43は、1つのユーザIDについて1つのレコードを有する。なお、蓄電池フィールドには、蓄電容量等の蓄電池15の仕様が記録されていてもよい。同様に発電装置フィールドには発電能力等の発電装置16の仕様が記録されていてもよい。
【0034】
図5は、スケジュールDB42のレコードレイアウトを説明する説明図である。スケジュールDB42は、停電が継続した場合に家電機器14を使用可能なスケジュールを記録するDBである。スケジュールDB42は、ユーザIDフィールド、日付フィールド、時間フィールド、予測発電量フィールド、予測蓄電量フィールドおよび家電機器フィールドを有する。家電機器フィールドは、冷蔵庫フィールド、照明フィールド、空調フィールド、TVフィールドおよび給湯器フィールド等の、家電DB41に記録されたそれぞれの家電機器14に対応するフィールドを有する。
【0035】
ユーザIDフィールドには、ユーザIDが記録されている。日付フィールドには、スケジュールDB42を作成した日付から数えた日数が記録されている。時間フィールドには、時間ごとに区切った時間帯の範囲が記録されている。時間フィールドの区切りは一定の時間幅に限定しない。時間フィールドの区切りは、たとえば気象情報サーバ19が提供する天気予報の予報時間の区切りと対応してもよい。
【0036】
図5においては、1日目の時間フィールドは0時~1時から開始しているが、たとえば10時30分にスケジュールを作成する場合には、10時30分以降の時間から1日目の時間フィールドを開始する。
【0037】
予測発電量フィールドには、発電装置16が発電する発電量の予測値が記録されている。予測蓄電量フィールドには、時間フィールドに記録された時間帯の終了時に蓄電池15に蓄えられている蓄電量の予測値が記録されている。家電機器フィールドのそれぞれのサブフィールドには、それぞれの家電機器14の使用スケジュールが記録されている。
【0038】
「使用可」は、使用可能であることを示す。「不要」は家電DB41の使用希望時間フィールドに記録された使用希望時間に含まれていないことを示す。「使用不可」は、家電DB41の使用希望時間フィールドに記録された使用希望時間に含まれているが、使用できないことを示す。
【0039】
制御部21は、停電が発生した場合にユーザの指示に基づいてスケジュールDB42を作成する。制御部21は、停電が発生していない場合であっても、停電が発生した場合のスケジュールDB42を定期的に作成して、端末装置30に送信してもよい。停電によりネットワークが切断された場合であっても使用可能な情報処理システム10を提供できる。
【0040】
図6は、学習モデル46の構成を説明する説明図である。学習モデル46は、気象情報サーバ19から提供された天気予報と、対象時間帯の指定とを受け付けて、対象時間帯における予測発電量を出力する学習モデルである。天気予報は、たとえば、今後1週間の天気および気温の予測である。天気予報は、日照量の予測を含んでもよい。
【0041】
学習モデル46は、たとえば、ロジスティック回帰、SVM(Support Vector Machine)、ランダムフォレスト、CNN(Convolution Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)、RNN(Recurrent Neural Network:再起型ニューラルネットワーク)または、XGBoost(eXtreme Gradient Boosting)等の任意のアルゴリズムを用いて、それぞれの一般家庭ごとに機械学習により生成されている。なお、訓練データの収集が不十分である等の事情により学習モデル46の生成が困難である場合には、発電装置16の型番および設置状態ごとに用意された標準的な学習モデル46が使用されてもよい。
【0042】
図7から図9は、端末装置30が表示する画面の例である。図7は、ユーザがスケジュールDB42の作成条件を設定する場合に使用する画面の例である。制御部31は、ネットワークを介して家電DB41に記録されたレコードを取得して、図7に示す画面を表示する。なお、家電DB41のうち、端末装置30を使用するユーザのユーザIDに対応するレコードのコピーが補助記憶装置33に記憶されていてもよい。
【0043】
図7に示す画面は、登録家電欄51、停電期間欄52、保存ボタン591、終了ボタン592、スケジュールボタン595、自家発電装置情報ボタン596、蓄電池情報ボタン597および世帯情報ボタン598を含む。登録家電欄51は、家電機器14ごとの家電ボタン511を含む。それぞれの家電ボタン511の内部に、使用希望時間欄517が表示されている。
【0044】
制御部31は、停電期間欄52を介してユーザによる停電期間の予測、すなわち商用電源を使用せずに生活する期間を受け付ける。停電期間欄52を介して受け付ける期間は、情報処理システム10がスケジュールを作成するスケジュール作成期間の例示である。ユーザが家電ボタン511を上下にドラッグアンドドロップした場合、制御部31は家電機器14の優先順位の変更を受け付ける。
【0045】
図8は、ユーザが「冷蔵庫」に対応する家電ボタン511を選択した場合に、端末装置30が表示する画面の例である。図8に示す画面は、家電名欄512、メーカー欄513、型番欄514、24時間ボタン515、時間帯入力ボタン516、終了ボタン592および新規ボタン599を含む。
【0046】
制御部31は、家電名欄512、メーカー欄513および型番欄514を介して、家電名、メーカー名および型番の変更を受け付ける。制御部31は、24時間ボタン515および時間帯入力ボタン516を介して家電機器14の使用希望時間の入力を受け付ける。図8においては、制御部31が24時間ボタン515の選択を受け付けた状態を示す。
【0047】
新規ボタン599の選択を受け付けた場合、制御部31は新たな家電機器14の入力を受け付ける画面を表示する。終了ボタン592の選択を受け付けた場合、制御部31は表示を図7に示す画面に戻す。
【0048】
図7に戻って説明を続ける。ユーザが自家発電装置情報ボタン596を選択した場合、制御部31は発電装置16に関する情報の変更を受け付ける画面を表示する。蓄電池情報ボタン597の選択を受け付けた場合、制御部31は蓄電池情報ボタン597に関する情報の変更を受け付ける画面を表示する。世帯情報ボタン598の選択を受け付けた場合、制御部31は住所等の世帯情報の変更を受け付ける画面を表示する。
【0049】
保存ボタン591またはスケジュールボタン595の選択を受け付けた場合、制御部31はユーザにより入力されたデータを情報処理装置20に送信する。制御部21は、登録家電欄51を介して受け付けた情報に基づいて家電DB41およびユーザDB43を更新する。
【0050】
図9に示す画面は、スケジュールボタン595の選択を受け付けた場合に端末装置30が表示する画面の例である。図9に示す画面は、スケジュール欄561、説明欄562、凡例欄566、終了ボタン592および設定変更ボタン593を含む。
【0051】
スケジュール欄561には、図5を使用して説明したスケジュールDB42の家電機器フィールドに記録された情報が図示されている。スケジュール欄の列方向は日数を、縦方向は時間帯をそれぞれ示す。左下がりのハッチングは、冷蔵庫フィールドに「使用可」が記録されている時間帯を示す。横線のハッチングは、照明フィールドに「使用可」が記録されている時間帯を示す。右下がりのハッチングは、空調フィールドに「使用可」が記録されている時間帯を示す。説明欄562には、スケジュールDB42に記録された内容を説明する文章が自動生成されて表示されている。凡例欄566には凡例が表示されている。
【0052】
設定変更ボタン593の選択を受け付けた場合、制御部31は図7を使用して説明した画面を表示して、家電機器14の使用優先度等の設定変更を受け付ける。終了ボタン592の選択を受け付けた場合、制御部31は処理を終了する。
【0053】
スケジュール欄561には、「不要」が記録されている時間帯も併せて表示されていてもよい。ユーザは、使用を希望しないと選択した時間帯を容易に確認し、必要に応じて設定を変更できる。
【0054】
なお、図9に示す画面は、端末装置30が表示する画面の例示であり、これに限定するものではない。たとえば、ハッチングの代わりに文字またはアイコンにより、それぞれの家電機器14を使用可能なスケジュールが表示されてもよい。
【0055】
図10は、プログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。たとえばスケジュールボタン595の選択を受け付けた場合、制御部31はスケジュール作成条件を取得する(ステップS501)。スケジュール作成条件は、図7の停電期間欄52を介してユーザが設定した停電期間、および、登録家電欄51を介してユーザが設定した家電機器14の使用優先順位と使用希望時間を含む。
【0056】
制御部31は、スケジュール出力指示およびスケジュール作成条件を情報処理装置20に送信する(ステップS502)。なお、制御部31は、ユーザが設定したタイミングで自動的にステップS501およびステップS502を実行してもよい。
【0057】
制御部21は、スケジュール出力指示およびスケジュール作成条件を受信する(ステップS601)。制御部21は、図5を使用して説明したスケジュールDB42を初期化する(ステップS602)。具体的には制御部21は、日付フィールドおよび時間フィールドに現在時刻以降から停電期間欄52で指定された日数後までの各時間帯を記録したレコードを有し、予測発電量フィールドと、予測蓄電量フィールドと、家電機器フィールドの各サブフィールドとを空欄に設定したスケジュールDB42を作成する。
【0058】
制御部21は、補助記憶装置23に記録されている蓄電池15の蓄電量を取得する(ステップS603)。なお、制御部21は、通信装置17を介して蓄電池15の最新の蓄電量を取得してもよい。
【0059】
制御部21は、気象情報サーバ19から天気予報を取得する(ステップS604)。制御部21は、取得した天気予報に基づいて発電量の予測値を取得して、スケジュールDB42に記録する(ステップS605)。
【0060】
具体的には制御部21は、スケジュールDB42から1つのレコードを取得する。制御部21は、日付フィールドおよび時間フィールドに記録されている対象時間帯と、ステップS604で取得した天気予報とを学習モデル46に入力する。制御部21は、学習モデル46から出力される予測発電量を取得する。制御部21は、取得した予測発電量をして、予測発電量フィールドに記録する。制御部31は、以上の処理をスケジュールDB42の各レコードに対して実行する。
【0061】
なお、気象情報サーバ19から天気予報を取得できない場合には、制御部21は端末装置30を介してユーザによる天気予報の入力を受け付けてもよい。ユーザは、過去の経験または、ラジオ等から得た情報に基づいて適宜天気予報を入力する。気象情報サーバ19から天気予報を取得できない場合には、制御部21は過去の気象データの統計等に基づいて天気予報を自動生成してもよい。
【0062】
制御部21は、予測蓄電量を算出してスケジュールDB42に記録する(ステップS606)。具体的には制御部21は、スケジュールDB42の最初のレコードについては、ステップS603で取得した蓄電量に、予測発電量フィールドに記録された予測発電量を加算して算出した予測蓄電量を予測蓄電量フィールドに記録する。
【0063】
スケジュールDB42の2番目以降のレコードについては、制御部21は一つ前の時間帯のレコードの予測蓄電量フィールドに記録された予測蓄電量に、予測発電量フィールドに記録された予測発電量を加算して算出した予測蓄電量を予測蓄電量フィールドに記録する。制御部31は、以上の処理をスケジュールDB42の各レコードに対して実行する。
【0064】
制御部21は、使用可否判定のサブルーチンを起動する(ステップS607)。使用可否判定のサブルーチンは、スケジュールDB42のそれぞれの時間帯における各家電機器14の使用可否を判定するサブルーチンである。使用可否判定のサブルーチンの処理の流れは後述する。
【0065】
制御部21は家電機器14が「使用可」と判定された時間が家電DB41に記録された最低連続使用時間を満たすか否かを判定する(ステップS608)。満たさないと判定した場合(ステップS608でNO)、制御部31は「使用可」と判定された時間帯を、当該家電機器14を使用しない時間帯に設定する(ステップS609)。
【0066】
制御部31は、当該時間帯それぞれの予測蓄電量フィールドに、当該家電機器14の消費電力を加算する。すなわち制御部21は、予測蓄電量フィールドの状態を、当該家電機器14を使用しない場合の蓄電量に戻す。制御部31は、使用可否判定のサブルーチンの実行を開始する時間帯を、ステップS609で使用対象外であると判定した最初の時間帯に戻す(ステップS610)。制御部21はステップS607に戻る。以上により制御部21は、最低連続使用時間を満たさない家電機器14を使用しない設定で、他の家電機器14の使用可否を再計算する。
【0067】
なお、制御部21はステップS608で最低連続使用時間を満たさないと判定した家電機器14よりも使用優先順位の低い家電機器14についても使用しない状態に戻した後に、使用可否を再計算してもよい。
【0068】
満たすと判定した場合(ステップS608でYES)、制御部21は完成した1ユーザID分のスケジュールDB42を端末装置30に送信する(ステップS611)。制御部31はスケジュールDB42を受信する(ステップS511)。制御部31は図9を使用して説明した画面を表示する(ステップS512)。制御部31は処理を終了する。
【0069】
制御部21は、ステップS602からステップS610までの処理を自動的に実行してスケジュールDB42を随時更新し、端末装置30からスケジュール出力指示を受信した場合に、最新版のスケジュールDB42を端末装置30に送信してもよい。ユーザがスケジュールボタン595を選択した場合に、即座に家電機器14を使用可能なスケジュールを表示する情報処理システム10を提供できる。
【0070】
制御部21は、スケジュールDB42を随時更新して端末装置30に送信してもよい。制御部31は、受信したスケジュールDB42を補助記憶装置33に記憶し、スケジュールボタン595の選択を受け付けた場合に情報処理装置20との通信を行なわずに、図9を使用して説明した画面を表示する。停電によりネットワークが切断された場合であっても使用可能な情報処理システム10を提供できる。
【0071】
図11は、使用可否判定のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。使用可否判定のサブルーチンは、スケジュールDB42のそれぞれの時間帯における各家電機器14の使用可否を判定するサブルーチンである。
【0072】
制御部21は、家電DB41に記録された未処理の家電レコードのうち、順位フィールドに記録された順位がもっとも高い家電レコードを取得する(ステップS621)。制御部21は、スケジュールDB42中から一番早い未処理の時間帯を選択する(ステップS622)。
【0073】
以後の説明では、ステップS621で取得した家電レコードに対応する家電機器14を処理中の家電機器14と記載する場合がある。同様に、ステップS622で選択した時間帯を処理中の時間帯と記載する場合がある。同様に、スケジュールDB42中の、処理中の時間帯に対応するレコードを処理中のスケジュールレコードと記載する場合がある。
【0074】
制御部21は、ステップS621で取得した家電レコードの使用希望時間帯フィールドに記録された、ユーザが当該家電機器14の使用を希望する時間帯に、処理中の時間帯が含まれるか否かを判定する(ステップS623)。含まれないと判定した場合(ステップS623でNO)、制御部21は処理中のスケジュールレコード中の処理中の家電機器14に対応するフィールドに「不要」を記録する(ステップS624)。
【0075】
含まれると判定した場合(ステップS623でYES)、制御部21は、ステップS621で取得した家電レコードの消費電力フィールドに記録された消費電力を取得する(ステップS625)。制御部21は、処理中のスケジュールレコードの予測蓄電量フィールドに記録された予測蓄電量を取得する(ステップS626)。
【0076】
制御部21は、ステップS625で取得した消費電力とステップS626で取得した予測蓄電量とを比較して、処理中の時間帯に処理中の家電機器14を使用可能であるか否かを判定する(ステップS627)。
【0077】
使用可能であると判定した場合(ステップS627でYES)、制御部21は処理中のスケジュールレコード中の処理中の家電機器14に対応するフィールドに「使用可」を記録する(ステップS628)。制御部21は、処理中の時間帯に当該家電機器14が消費する電力量を予測蓄電量から減算して、予測蓄電量フィールドを更新する(ステップS629)。
【0078】
使用可能ではないと判定した場合(ステップS627でNO)、制御部21は処理中のスケジュールレコード中の処理中の家電機器14に対応するフィールドに「使用不可」を記録する(ステップS630)。
【0079】
ステップS624、ステップS629またはステップS630の終了後、制御部21はすべての時間帯に対する処理を終了したか否かを判定する(ステップS631)。終了していないと判定した場合(ステップS631でNO)、制御部21はステップS622に戻る。
【0080】
終了したと判定した場合(ステップS631でYES)、制御部21は処理を終了するか否かを判定する(ステップS632)。具体的には、家電DB41に記録されたすべての家電機器14の処理を終了した場合、または、すべての時間帯における予測蓄電量が所定の閾値を下回った場合に、制御部21は処理を終了すると判定する。
【0081】
終了しないと判定した場合(ステップS632でNO)、制御部21はステップS621に戻る。終了すると判定した場合(ステップS632でYES)、制御部21は処理を終了する。
【0082】
なお、一般家庭には発電装置16が設置されていなくてもよい。情報処理システム10は、停電発生前に商用電源から蓄電池15に蓄えられた電力を使用するスケジュールを作成して表示する。
【0083】
本実施の形態によると、停電中に使用する家電機器14の使用スケジュールを提案する情報処理システム10を提供できる。したがって、停電中に使用する家電機器14に関するユーザの判断を支援する情報処理システム10を提供できる。
【0084】
気象情報サーバ19から天気予報を取得して発電量を予測するため、たとえば太陽光発電装置等の自然エネルギーを利用する発電装置16による発電量を有効に活用する使用スケジュールを提案できる。
【0085】
それぞれの一般家庭ごとに機械学習により生成された学習モデル46を使用するため、発電装置16の設置位置および設置向き等の個別の状況に応じた発電量を高精度で予測する情報処理システム10を提供できる。
【0086】
本実施の形態によると、最低連続使用時間を満たさない短時間の電源供給による無駄な電力消費を防止する情報処理システム10を提供できる。スケジュールを作成する都度、蓄電池15の蓄電量を更新するため、前回作成したスケジュールと実際の電力消費量および発電量とに差異が生じている場合であっても、最新の状況に応じたスケジュールを作成する情報処理システム10を提供できる。
【0087】
本実施の形態によると、ユーザがそれぞれの事情に応じて設定した優先順位に基づいて使用スケジュールを算出する情報処理システム10を提供できる。本実施の形態によると、図7および図8を使用して説明した画面を用いてユーザが優先順位および使用希望時間を変更可能な情報処理システム10を提供できる。平時に想定していた優先順位と、実際に停電が始まった後の生活に基づく優先順位とが異なる場合に、使用スケジュールを速やかに修正可能な情報処理システム10を提供できる。
【0088】
スケジュールをスケジュール欄561に図示することにより、ユーザが直感的にスケジュールを把握できる情報処理システム10を提供できる。説明欄562にスケジュールの概要を文章で表示することにより、図表の扱いに不慣れなユーザであっても必要な情報を確認できる情報処理システム10を提供できる。さらに汎用の読み上げソフト等を併用することにより、視覚に障害があるユーザであっても提示されたスケジュールを理解できる情報処理システム10を提供できる。
【0089】
家電機器14の消費電力は、電源投入後の経過時間および気温等の様々な条件により変化する場合がある。家電DB41の消費電力フィールドには、家電機器14の消費電力を算出する関数またはテーブルが記録されていてもよい。高い精度で消費電力を予測して使用スケジュールを算出する情報処理システム10を提供できる。
【0090】
発電装置16が太陽光発電装置であり、気象情報サーバ19から日照量の予測値が提供される場合には、学習モデル46を使用する代わりに日照量の予測値と、所定の係数とに基づいて予測発電量を算出してもよい。係数は、太陽光発電装置の受光部の面積および設置角度に基づいてあらかじめ算出または測定される。
【0091】
蓄電池15、発電装置16および通信装置17は、たとえばマンションまたはアパート等の集合住宅ごとに設置されていてもよい。たとえば、共用部の照明機器、給水ポンプ、エレベータ等の共用設備への電源供給スケジュールを作成する情報処理システム10を提供できる。情報処理システム10は、共用設備に加えて各住戸への電源供給スケジュールを作成してもよい。
【0092】
ユーザは、実際に大規模停電が起きていないときに図9を使用して説明した画面を確認し、大規模停電への備えを行なえる。
【0093】
[実施の形態2]
本実施の形態は、複数のスケジュールを作成してユーザに提示する情報処理システム10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0094】
図12は、実施の形態2のスケジュールDB42のレコードレイアウトを説明する説明図である。スケジュールDB42は、停電が継続した場合に家電機器14を使用可能なスケジュールの案を複数記録するDBである。
【0095】
スケジュールDB42は、ユーザIDフィールド、日付フィールド、時間フィールド、予測発電量フィールド、および第1案フィールド、第2案フィールド等のそれぞれの案を記録する複数の案フィールドを有する。それぞれの案フィールドは、予測蓄電量フィールドと、冷蔵庫フィールド、照明フィールド、空調フィールド、TVフィールドおよび給湯器フィールド等の、家電DB41に記録されたそれぞれの家電機器14に対応するフィールドとを有する。
【0096】
ユーザIDフィールドには、ユーザIDが記録されている。日付フィールドには、スケジュールDB42を作成した日付から数えた日数が記録されている。時間フィールドには、時間ごとに区切った時間の範囲が記録されている。
【0097】
予測発電量フィールドには、発電装置16が発電する発電量の予測値が記録されている。第1案フィールドのそれぞれのサブフィールドには、第1案における蓄電量の予測値と、それぞれの家電機器14の使用スケジュールとが記録されている。第2案フィールド以降も同様である。
【0098】
図13は、実施の形態2の端末装置30が表示する画面の例である。図13に示す画面は、図7を使用して説明した画面の代わりに使用される。
【0099】
図13に示す画面は、登録家電欄51、停電期間欄52、保存ボタン591、終了ボタン592、スケジュールボタン595、自家発電装置情報ボタン596、蓄電池情報ボタン597および世帯情報ボタン598を含む。登録家電欄51は、家電機器14ごとの家電ボタン511を含む。それぞれの家電ボタン511の内部に、使用希望時間欄517および優先度欄518が表示されている。
【0100】
ユーザは、家電機器14の使用優先度を順位の代わりに「高」、「中」および「低」の3段階で指定する。たとえば、ユーザが優先度欄518をタップする毎に、制御部21は使用優先度の設定を切り替えて優先度欄518に表示する。図8を使用して説明した画面に、使用優先度を設定するボタンが表示されてもよい。家電機器14の使用優先度は、2段階または4段階以上で指定されてもよい。
【0101】
図14は、実施の形態2の端末装置30が表示する画面の例である。制御部31は、スケジュールボタン595の選択を受け付けた場合に図14に示す画面を表示する。図14に示す画面は、スケジュール欄561、説明欄562および4個の提案切替ボタン564を含む。
【0102】
スケジュール欄561の横方向は時刻を示す。縦方向に、スケジュールDB42の一つの案フィールドに「使用可」と記録された家電機器14を示すバーが積層表示されている。スケジュール欄561の上部には、表示する日付を切り替えるタブが表示されている。
【0103】
図14においては、1日目のタブが選択されている。「冷蔵庫」は、零時から24時までの終日使用可能である。「空調」は6時から12時までと、18時から24時まで使用可能である。「照明」は、17時から24時まで使用可能である。
【0104】
提案切替ボタン564の選択を受け付けた場合、制御部21は別のスケジュール案をスケジュール欄561に表示する。ユーザは、複数のスケジュール案を見比べて、状況に適した案を採用できる。
【0105】
図15は、実施の形態2のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。ステップS501からステップS605までの処理の流れは図10を使用して説明したフローチャートの処理の流れと同様であるため説明を省略する。
【0106】
制御部21は、優先順位群生成のサブルーチンを起動する(ステップS651)。優先順位群生成のサブルーチンは、ユーザに指定された優先度を満たす優先順位を総当たりで生成するサブルーチンである。
【0107】
たとえば図13に示す例においては、使用優先度「高」は「冷蔵庫」のみ、使用優先度「中」は「照明」と「空調」の2つ、使用優先度「低」は「TV」と「給湯器」の2つである。使用優先度「中」および使用優先度「低」はそれぞれ2通りの順番を定めることが可能である。したがって、制御部21は優先順位群生成のサブルーチンにより合計で4通りの優先順位を生成する。優先順位群生成のサブルーチンの処理の流れは後述する。
【0108】
制御部21は、ステップS651で生成した優先順位群から1つの優先順位を選択する(ステップS652)。制御部21は、使用可否判定のサブルーチンを起動する(ステップS607)。使用可否判定のサブルーチンは、図11を使用して説明したサブルーチンと同一のサブルーチンである。以後ステップS610までの処理は図10を使用して説明したプログラムの処理と同一であるため、説明を省略する。
【0109】
制御部21は、ステップS651で生成したすべての優先順位の処理を終了したか否かを判定する(ステップS653)。終了していないと判定した場合(ステップS653でNO)、制御部21はステップS652に戻る。制御部21は、ステップS652からステップS653までの1回のループで、1つのスケジュール案を作成する。
【0110】
終了したと判定した場合(ステップS653でYES)、制御部21はスケジュールDB42に記録された複数のスケジュール案から、重複している案を抽出して削除する(ステップS654)。
【0111】
制御部21は完成した1ユーザID分のスケジュールDB42を端末装置30に送信する(ステップS655)。ステップS655で送信されるスケジュールDB42には、複数のスケジュール案が含まれる。制御部31はスケジュールDB42を受信する(ステップS521)。制御部31は表示のサブルーチンを起動する(ステップS522)。表示のサブルーチンは、図14を使用して説明した画面を表示するサブルーチンである。表示のサブルーチンの処理の流れは後述する。制御部31は処理を終了する。
【0112】
なお制御部21は、ステップS654とステップS655との間で、優先順位が「高」である家電機器14が「使用不可」である時間が少ない方から所定の数のスケジュール案を抽出し、それ以外のスケジュール案を削除してもよい。情報処理装置20と端末装置30との間の通信量を削減することにより、端末装置30の電力消費量を低減する情報処理システム10を提供できる。
【0113】
図16は、優先順位群生成のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。優先順位群生成のサブルーチンは、ユーザに指定された優先度を満たす優先順位を総当たりで生成するサブルーチンである。
【0114】
制御部21は、変数「順位」を「1」に初期化する(ステップS661)。制御部21は、家電機器14を選択する優先度を高い方から順番に1つ選択する(ステップS662)。制御部21は、ステップS662で選択した優先度が指定された家電機器14群を取得する(ステップS663)。
【0115】
制御部21は、ステップS663で取得した家電機器14群のうち実行中のループで選択されていない家電機器14から、「順位」番目の家電機器14を1つ選択する(ステップS664)。ステップS664の選択は、たとえば家電機器14を家電DB41に登録した順番等、任意のルールに基づいて行われる。
【0116】
制御部21は、ステップS663で取得した家電機器14群に含まれるすべての家電機器14の選択を、実行中のループにおいて終了したか否かを判定する(ステップS665)。処理を終了していないと判定した場合(ステップS665でNO)、制御部21は変数「順位」に1を加算する(ステップS666)。制御部21はステップS664に戻る。
【0117】
処理を終了したと判定した場合(ステップS665でYES)、制御部21はすべての優先度について処理を終了したか否かを判定する(ステップS667)。処理を終了していないと判定した場合(ステップS667でNO)、制御部21は変数「順位」に1を加算する(ステップS668)。制御部21はステップS662に戻る。
【0118】
処理を終了したと判定した場合(ステップS667でYES)、制御部21は順位と家電機器14とを関連づけて記録する(ステップS669)。以上の処理により、1組の優先順位が生成される。
【0119】
制御部21は、すべての順列組み合わせに対応する優先順位を生成し記録して終了するか否かを判定する(ステップS670)。たとえば、優先度がS段階に分かれており、S番目の優先度に設定された家電機器14の数がTsで示される場合、すべての順列組み合わせの数Aは(1)式で算出される。
【0120】
【数1】
【0121】
すべての順列組み合わせに対応する優先順位を生成して記録していない、すなわちステップS669をA回実行していないと判定した場合(ステップS670でNO)、制御部21はステップS661に戻る。すべての順列組み合わせに対応する優先順位を生成して記録したと判定した場合(ステップS670でYES)、制御部21は処理を終了する。
【0122】
図17は、表示のサブルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。表示のサブルーチンは、図14を使用して説明した画面を表示するサブルーチンである。
【0123】
制御部31は、情報処理装置20から受信したスケジュールDB42に含まれる複数のスケジュール案に、提案番号を割り当てる(ステップS531)。たとえば制御部31は、優先順位が高い家電機器14が「使用不可」である時間が短いスケジュール案から順に小さい提案番号を割り当てる。制御部31は、優先順位が高い家電機器14が「使用不可」である時間帯が遅いスケジュール案から順に小さい提案番号を割り当ててもよい。
【0124】
なお、制御部21がステップS531を実行し、提案番号を割り当てたスケジュール案を端末装置30に送信してもよい。
【0125】
制御部31は、たとえば提案番号1のスケジュール案を取得する(ステップS532)。制御部31は、図14を使用して説明した画面を表示する(ステップS533)。制御部31は、日付タブの操作を受け付けた場合には、表示する日付を切り替える。
【0126】
制御部31は、ユーザにより提案切替ボタン564または終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS534)。ユーザが提案切替ボタン564を操作したと判定した場合(ステップS534で提案切替)、制御部31はユーザが指定した提案切替ボタン564に対応するスケジュール案を取得する(ステップS535)。制御部31はステップS533に戻る。
【0127】
ユーザがたとえばスワイプ操作等により終了を指示したと判定した場合(ステップS534で終了)、制御部31は処理を終了する。なお、フローチャートによる図示を省略するが、制御部31はたとえば図13を使用して説明した画面に戻る操作等を受け付けてもよい。
【0128】
本実施の形態によると、複数のスケジュール案を作成してユーザに提示する情報処理システム10を提供できる。
【0129】
なお、図14に示す画面では使用可能なそれぞれの家電機器14が同じ高さで表示されているが、それぞれの家電機器14の消費電力に応じた高さで表示されてもよい。ユーザは、どの家電機器14の消費電力が大きいかを直感的に把握できる。
【0130】
[変形例]
図18は、端末装置30が表示する画面の変形例である。制御部31は、ステップS511で受信したスケジュールDB42に記録されたすべての案において、使用優先度が「高」である家電機器14に「使用不可」である時間帯が存在する場合に、図18に示す画面を表示する。図18に示す画面は、緊急スケジュール欄563、説明欄562、終了ボタン592および設定変更ボタン593を含む。
【0131】
緊急スケジュール欄563の列方向は日数を、縦方向は時間帯をそれぞれ示す。格子状のハッチングは、使用優先度が「高」である家電機器14が「使用不可」である時間帯を示す。使用優先度が「高」である家電機器14を使用できない時間帯を「緊急時間」という。制御部21は、受信した家電DB41から「緊急時間」が最も短い案を抽出して、図18に示す画面を表示する。
【0132】
制御部21は、緊急時間に関して説明する文章を自動生成して、説明欄562の上側に表示する。制御部21は、たとえば「緊急時間」が2番目に短い案と、「緊急時間」が最も短い案との相違を説明する文章を自動生成して説明欄562の下側に表示する。
【0133】
凡例欄566には凡例が表示されている。設定変更ボタン593の選択を受け付けた場合、制御部31は図7を使用して説明した画面を表示して、家電機器14の使用優先度等の設定変更を受け付ける。終了ボタン592の選択を受け付けた場合、制御部31は処理を終了する。
【0134】
制御部31はたとえばユーザによるダブルタップ操作またはスワイプ操作等を受け付けた場合に、図18を使用して説明した画面と図9を使用して説明した画面と、図14を使用して説明した画面とを順次切り替えてもよい。
【0135】
本変形例によると、使用優先度が「高」である家電機器14を使用できない時間が存在する場合に、当該時間帯を表示してユーザの注意を喚起する情報処理システム10を提供できる。
【0136】
[実施の形態3]
本実施の形態は、図6を使用して説明した学習モデル46を生成する方法に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0137】
図19は、訓練DBのレコードレイアウトを説明する説明図である。訓練DBは、入力と正解ラベルとを関連づけて記録したデータベースであり、機械学習によるモデルの訓練に使用される。訓練DBは、ユーザIDフィールド、データNo.フィールド、天気予報フィールドおよび発電量実績値フィールドを有する。天気予報フィールドは、日付フィールド、時間フィールド、気温フィールドおよび天候フィールドを有する。
【0138】
ユーザIDフィールドには、ユーザIDが記録されている。データNo.フィールドには、教師データの番号が連番で記録されている。天気予報フィールドの各サブフィールドには、気象情報サーバ19から取得した天気予報データが記録されている。気象情報サーバ19はたとえば直近の10日分の気温および天候の予測および実績を時間帯ごとに提供する。発電量実績値フィールドには、発電装置16により発電された電力の実績値が記録されている。
【0139】
制御部21は、定期的に気象情報サーバ19から天気予報を取得する。制御部21は、天気予報を取得するごとに訓練データDBに新規レコードを作成して、データNo.フィールドに連番で記録する。制御部21は、それぞれの日付および時間帯に対応するレコードの発電量実績値フィールドに、発電量の実績値を記録する。
【0140】
たとえば、制御部21が1時間ごと、すなわち1日に24回、気象情報サーバ19から天気予報を取得する場合、データNo.フィールドの連番で24個分のレコードが毎日生成される。制御部21は、それぞれのレコードの対応する日付に、同一の発電量実績値を記録する。以上の処理を所定の期間にわたって継続することにより、各ユーザIDについて天気予報と発電量実績値とを関連づけて大量に記録した訓練データが生成される。
【0141】
図20は、実施の形態3のプログラムの処理の流れを説明するフローチャートである。情報処理装置20を用いて学習モデル46の機械学習を行なう場合を例にして説明する。図20のプログラムは情報処理装置20とは別のハードウェアで実行され、機械学習が完了した学習モデル46がネットワークを介して補助記憶装置23に複写されてもよい。
【0142】
図20のプログラムの実行に先立ち、たとえばCNN構造またはランダムフォレスト構造等の未学習のモデルが準備されている。図20のプログラムにより、準備されたモデルの各パラメータが調整されて、機械学習が行なわれる。
【0143】
情報処理装置20の制御部21は、訓練DBから1エポックの訓練に使用する訓練レコードを取得する(ステップS811)。制御部21は、モデルの入力層に入力データが入力された場合に、出力層から出力データが出力されるように、モデルのパラメータを調整する(ステップS812)。
【0144】
具体例を挙げて説明する。制御部21は、一つのデータNo.に対応する天気予報フィールド全体、すなわち気象情報サーバ19から提供された1回分の天気予報データと、計算時間帯を入力データに設定し、同じ計算時間帯に発電された発電量実績値を出力データに設定する。制御部21は、計算時間帯をランダムに設定しても、1回分の天気予報データに含まれるそれぞれの時間帯を一つずつ順番に設定して処理してもよい。
【0145】
制御部21は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS813)。たとえば、制御部21は所定のエポック数の学習を終了した場合に、処理を終了すると判定する。制御部21は、訓練DBからテストデータを取得して機械学習中のモデルに入力し、所定の精度の出力が得られた場合に処理を終了すると判定してもよい。
【0146】
処理を終了しないと判定した場合(ステップS813でNO)、制御部21はステップS811に戻る。処理を終了すると判定した場合(ステップS813でYES)、制御部21は学習済のモデルのパラメータを補助記憶装置23に記録する(ステップS814)。その後、制御部21は処理を終了する。以上の処理により、学習済の学習モデル46が生成される。本実施の形態によると、機械学習により学習モデル46を生成できる。
【0147】
[実施の形態4]
図21は、実施の形態4の情報処理システム10の構成を説明する説明図である。本実施の形態は、汎用のコンピュータ90と、プログラム97とを組み合わせて動作させることにより、本実施の形態の情報処理システム10を実現する形態に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0148】
コンピュータ90は、制御部21、主記憶装置22、補助記憶装置23、通信部24、読取部29およびバスを備える。コンピュータ90は、汎用のパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンまたはサーバコンピュータ等の情報機器である。コンピュータ90は、大型計算機上で動作する仮想マシン、クラウドコンピューティングシステム、または、量子コンピュータであってもよい。コンピュータ90は、分散処理を行なう複数のパソコン等であってもよい。
【0149】
プログラム97は、可搬型記録媒体96に記録されている。制御部21は、読取部29を介してプログラム97を読み込み、補助記憶装置23に保存する。また制御部21は、コンピュータ90内に実装されたフラッシュメモリ等の半導体メモリ98に記憶されたプログラム97を読出してもよい。さらに、制御部21は、通信部24および図示しないネットワークを介して接続される図示しない他のサーバコンピュータからプログラム97をダウンロードして補助記憶装置23に保存してもよい。
【0150】
プログラム97のうち、コンピュータ90で実行される部分は、コンピュータ90の制御プログラムとしてインストールされ、主記憶装置22にロードして実行される。これにより、コンピュータ90は上述した情報処理装置20として機能する。プログラム97のうち端末装置30で実行される部分は、ネットワークを介して送信されて端末装置30の制御プログラムとしてインストールされる。これにより、端末装置30は情報処理装置20と協働して上述した機能を果たす。
【0151】
[実施の形態5]
図22は、実施の形態4の情報処理装置20の機能ブロック図である。情報処理装置20は、取得部81と出力部82とを有する。取得部81は、蓄電池の蓄電量、および、複数の家電機器14の使用優先度を取得する。出力部82は、取得した蓄電量の範囲内で家電機器14それぞれを使用優先度に基づいて使用可能なスケジュールを出力する。
【0152】
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0153】
10 情報処理システム
14 家電機器
141 冷蔵庫
142 照明機器
143 空調装置
144 給湯装置
145 テレビ
15 蓄電池
16 発電装置
17 通信装置
19 気象情報サーバ
20 情報処理装置
21 制御部
22 主記憶装置
23 補助記憶装置
24 通信部
29 読取部
30 端末装置
31 制御部
32 主記憶装置
33 補助記憶装置
34 通信部
35 タッチパネル
351 表示部
352 入力部
41 家電DB
42 スケジュールDB
43 ユーザDB
46 学習モデル
51 登録家電欄
511 家電ボタン
512 家電名欄
513 メーカー欄
514 型番欄
515 24時間ボタン
516 時間帯入力ボタン
517 使用希望時間欄
518 優先度欄
52 停電期間欄
561 スケジュール欄
562 説明欄
563 緊急スケジュール欄
564 提案切替ボタン
566 凡例欄
591 保存ボタン
592 終了ボタン
593 設定変更ボタン
595 スケジュールボタン
596 自家発電装置情報ボタン
597 蓄電池情報ボタン
598 世帯情報ボタン
599 新規ボタン
81 取得部
82 出力部
90 コンピュータ
96 可搬型記録媒体
97 プログラム
98 半導体メモリ
図1
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