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特許7539692指導支援装置、指導支援システム、指導支援方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】指導支援装置、指導支援システム、指導支援方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20240819BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020156736
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022050244
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】500074501
【氏名又は名称】株式会社やる気スイッチグループホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直司
(72)【発明者】
【氏名】山中 孝光
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-350400(JP,A)
【文献】特開2018-036718(JP,A)
【文献】特開2015-191297(JP,A)
【文献】特開2011-076190(JP,A)
【文献】特開2018-205638(JP,A)
【文献】特開2016-071221(JP,A)
【文献】特開2019-215502(JP,A)
【文献】特開2005-215086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
教室にいる学習者を撮影する教室端末と、
前記教室とは異なるスタジオにいるメイン講師を撮影するメイン講師端末と、
前記学習者と共に前記教室にいるサブ講師に使用され、前記学習者によるアクションに対する評価の入力を受け付けるサブ講師端末と、
に接続される指導支援装置であって、
前記学習者の情報が記憶される記憶部と、
前記サブ講師端末に入力される前記アクションに対する評価を受信する評価受信部と、
課題ごとに、前記学習者のアクションに対する評価を複数の技能評価項目に配点する配点割合を関連付ける課題テーブルと、
前記サブ講師端末に入力される前記アクションに対する評価および前記課題テーブルに基づいて、前記学習者の技能評価値を前記技能評価項目ごとに算出する技能評価部と、
前記技能評価値を前記学習者の情報と対応付けて、前記技能評価項目ごとに、前記メイン講師端末に表示させる表示制御部と、
前記教室端末に表示させる前記課題を選択する指令を前記メイン講師端末から受け付ける課題受信部と、
を備え、
前記表示制御部は前記サブ講師端末に、前記アクションに対する評価を前記課題ごとに入力可能に表示させ、前記課題受信部が前記指令を受け付けると、選択された前記課題への前記アクションに対する評価を入力可能な画面を表示させ、前記サブ講師端末に前記アクションに対する評価が入力されると、前記メイン講師端末に表示される前記技能評価値を更新する、
指導支援装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、複数の前記技能評価値をレーダーチャートに加工して前記メイン講師端末に表示させる、
請求項1記載の指導支援装置。
【請求項3】
前記メイン講師端末には、前記教室端末で撮影される前記学習者の様子と、前記学習者の前記技能評価値と、が互いに対応付けられて同時に表示される、
請求項1又は2記載の指導支援装置。
【請求項4】
前記学習者に対応付けて、観点に関する評価の入力を前記サブ講師端末から受け付ける観点受信部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記観点に関する評価に基づいて算出される観点評価値を、前記学習者に対応付けて前記メイン講師端末に表示させる、
請求項1乃至のいずれかに記載の指導支援装置。
【請求項5】
前記観点評価値は、少なくとも「知識・技能」、「思考力・表現力・判断力」、および「主体的に学習に取り組む態度」のいずれかに対して配点される、
請求項記載の指導支援装置。
【請求項6】
複数の学習者端末とさらに接続され、
前記学習者端末から教室にいる前記学習者のログインを受け付けるログイン処理部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記メイン講師端末に、前記学習者端末にログインした前記学習者の情報を表示させる、
請求項1乃至5のいずれかに記載の指導支援装置。
【請求項7】
前記技能評価部は、前記学習者端末から入力される、設問に対する回答を正誤判定し、この正誤判定の結果に基づいて前記評価を算出し、当該評価および前記課題テーブルに基づいて前記技能評価値を算出する、
請求項記載の指導支援装置。
【請求項8】
教室にいる学習者を撮影する教室端末と、
前記教室とは異なるスタジオにいるメイン講師を撮影するメイン講師端末と、
前記学習者と共に前記教室にいるサブ講師に使用され、前記学習者によるアクションに対する評価の入力を受け付けるサブ講師端末と、
前記学習者の情報を記憶する指導支援装置と、
が互いに接続される指導支援システムであって、
前記サブ講師端末に入力される前記アクションに対する評価を受信する評価受信部と、
課題ごとに、前記学習者のアクションに対する評価を複数の技能評価項目に配点する配点割合を関連付ける課題テーブルと、
前記サブ講師端末に入力される前記アクションに対する評価および前記課題テーブルに基づいて、前記学習者の技能評価値を前記技能評価項目ごとに算出する技能評価部と、
前記技能評価値を前記学習者の情報と対応付けて、前記技能評価項目ごとに、前記メイン講師端末に表示させる表示制御部と、
前記教室端末に表示させる前記課題を選択する指令を前記メイン講師端末から受け付ける課題受信部と、
を備え、
前記課題受信部が前記指令を受け付けると、前記表示制御部は、前記サブ講師端末に、選択された前記課題への前記アクションに対する評価を入力可能な画面を表示させ、
前記表示制御部は前記サブ講師端末に、前記アクションに対する評価を前記課題ごとに入力可能に表示させ、前記課題受信部が前記指令を受け付けると、選択された前記課題への前記アクションに対する評価を入力可能な画面を表示させ、前記サブ講師端末に前記アクションに対する評価が入力されると、前記メイン講師端末に表示される前記技能評価値を更新する、
指導支援システム。
【請求項9】
教室にいる学習者を撮影する教室端末と、
前記教室とは異なるスタジオにいるメイン講師を撮影するメイン講師端末と、
前記学習者と共に前記教室にいるサブ講師に使用され、前記学習者によるアクションに対する評価の入力を受け付けるサブ講師端末と、
に接続される指導支援装置の指導支援方法であって、
前記指導支援装置は、前記学習者の情報を記憶する記憶部と、課題ごとに、前記学習者のアクションに対する評価を複数の技能評価項目に配点する配点割合を関連付ける課題テーブルと、を備え、
前記サブ講師端末に入力される前記アクションに対する評価を受信する評価受信ステップと、
前記サブ講師端末に入力される前記アクションに対する評価および前記課題テーブルに基づいて、前記学習者の技能評価値を前記技能評価項目ごとに算出する技能評価ステップと、
前記技能評価値を前記学習者の情報と対応付けて、前記技能評価項目ごとに、前記メイン講師端末に表示させる表示制御ステップと、
前記教室端末に表示させる前記課題を選択する指令を前記メイン講師端末から受け付ける課題受信ステップと、
を含み、
前記表示制御ステップでは前記サブ講師端末に、前記アクションに対する評価を前記課題ごとに入力可能に表示させ、前記課題受信ステップにおいて前記指令を受け付けると、選択された前記課題への前記アクションに対する評価を入力可能な画面を表示させ、前記サブ講師端末に前記アクションに対する評価が入力されると、前記メイン講師端末に表示される前記技能評価値を更新する、
指導支援方法。
【請求項10】
教室にいる学習者を撮影する教室端末と、
前記教室とは異なるスタジオにいるメイン講師を撮影するメイン講師端末と、
前記学習者と共に前記教室にいるサブ講師に使用され、前記学習者によるアクションに対する評価の入力を受け付けるサブ講師端末と、
が接続される指導支援装置を制御するコンピュータプログラムであって、
前記指導支援装置は、前記学習者の情報を記憶する記憶部と、課題ごとに、前記学習者のアクションに対する評価を複数の技能評価項目に配点する配点割合を関連付ける課題テーブルと、を備え、
前記指導支援装置に、
前記サブ講師端末に入力される前記アクションに対する評価を受信する評価受信命令と、
前記サブ講師端末に入力される前記アクションに対する評価および前記課題テーブルに基づいて、前記学習者の技能評価値を前記技能評価項目ごとに算出する技能評価命令と、
前記技能評価値を前記学習者の情報と対応付けて、前記技能評価項目ごとに、前記メイン講師端末に表示させる表示制御命令と、
前記教室端末に表示させる前記課題を選択する指令を前記メイン講師端末から受け付ける課題受信命令と、
を実行させ、
前記表示制御命令では前記サブ講師端末に、前記アクションに対する評価を前記課題ごとに入力可能に表示させ、前記課題受信命令により前記指令を受け付けると、選択された前記課題への前記アクションに対する評価を入力可能な画面を表示させ、前記サブ講師端末に前記アクションに対する評価が入力されると、前記メイン講師端末に表示される前記技能評価値を更新する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔で授業を行う講師に、個々の学習者の成績をリアルタイムに閲覧させ、授業に活かす技術に関する。
【背景技術】
【0002】
授業を行う講師と学習者とをネットワークで接続して行う遠隔授業の技術が知られている。遠隔授業の技術によれば、勤務地の制約を考慮せずに必要な講師を雇用することができる。特に、外国語の授業においては、現地の講師と本国の学校又は塾とをネットワークで接続することで、講師の確保が各段に容易になる。一方で、講師が遠隔にいる場合、個々の学習者の名前や特性、成績の情報等を授業中に即座に把握し、学習者に合わせた指導を行うことは困難であった。そこで、遠隔地の講師が授業を行う場合でも、個々の学習者に合わせた適切な指導ができるよう支援する技術が必要とされている。
【0003】
この点、特許文献1には、第一国から送信される専門科目を受講しながら、第二国で第二言語を学びつつ現地の学校で教養科目を受講する遠隔授業方法が開示されている。特許文献2には、遠隔地から講義を行う講師が生徒個別の情報について把握できず、講義中に誰を指名してよいかわからないという課題に対し、指名する生徒を決定し、指名した生徒の情報を講師端末に表示させることが記載されている。特許文献3には、受講者の顔画像を抽出し、顔画像に基づいて判定した受講者の状態を顔画像に付して一覧画像を生成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-123195号公報
【文献】特許4985370号
【文献】特開2006-330464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、各特許文献の構成では、遠隔の講師が個々の学習者の情報を把握することができず、個々の学習者に合わせた適切な指導を支援することについては開示がない。
【0006】
本発明は、遠隔地の講師が授業を行う場合でも、個々の学習者に合わせた適切な指導を支援することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る指導支援装置は、教室にいる学習者を撮影する教室端末と、前記教室とは異なるスタジオにいるメイン講師を撮影するメイン講師端末と、に接続される指導支援装置であって、前記学習者の情報が記憶される記憶部と、課題ごとに、前記学習者のアクションに対する評価を複数の技能評価項目に配点する配点割合を関連付ける課題テーブルと、入力される前記アクションに対する評価および前記課題テーブルに基づいて、前記学習者の技能評価値を前記技能評価項目ごとに算出する技能評価部と、前記技能評価値を前記学習者の情報と対応付けて、前記技能評価項目ごとに、前記メイン講師端末に表示させる表示制御部と、を備える。
【0008】
前記表示制御部は、複数の前記技能評価値をレーダーチャートに加工して前記メイン講師端末に表示させるものとしてもよい。
【0009】
少なくとも前記教室において、前記学習者が課題に対してアクションし、このアクションに対する評価の入力を受け付けるサブ講師端末と、さらに接続され、サブ講師端末に入力される前記アクションに対する評価を受信する評価受信部をさらに備え、前記表示制御部は、前記サブ講師端末に、前記アクションに対する評価を前記課題ごとに入力可能に表示させるものとしてもよい。
【0010】
前記サブ講師端末に前記アクションに対する評価が入力されると、前記表示制御部は、前記メイン講師端末に表示される技能評価値を更新するものとしてもよい。
【0011】
前記教室端末に表示させる前記課題を選択する指令を前記メイン講師端末から受け付ける課題受信部をさらに備え、前記指令を受け付けると、前記表示制御部は、前記サブ講師端末に、選択された前記課題への前記アクションに対する評価を入力可能な画面を表示させるものとしてもよい。
【0012】
前記学習者に対応付けて、観点に関する評価の入力を前記サブ講師端末から受け付ける観点受信部をさらに備え、前記表示制御部は、前記観点に関する評価に基づいて算出される観点評価値を、前記学習者に対応付けて前記メイン講師端末に表示させるものとしてもよい。
【0013】
複数の学習者端末とさらに接続され、前記学習者端末から教室にいる前記学習者のログインを受け付けるログイン処理部をさらに備え、前記表示制御部は、前記メイン講師端末に、前記学習者端末にログインした前記学習者の情報を表示させるものとしてもよい。
【0014】
前記技能評価部は、前記学習者端末から入力される、設問に対する回答を正誤判定し、この正誤判定の結果に基づいて前記評価を算出し、当該評価および前記課題テーブルに基づいて前記技能評価値を算出するものとしてもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係る指導支援システムは、教室にいる学習者を撮影する教室端末と、前記教室とは異なるスタジオにいるメイン講師を撮影するメイン講師端末と、前記学習者の情報を記憶する指導支援装置と、が互いに接続される指導支援システムであって、課題ごとに、前記学習者のアクションに対する評価を複数の技能評価項目に配点する配点割合を関連付ける課題テーブルと、入力される前記アクションに対する評価および前記課題テーブルに基づいて、前記学習者の技能評価値を前記技能評価項目ごとに算出する技能評価部と、前記技能評価値を前記学習者の情報と対応付けて、前記技能評価項目ごとに、前記メイン講師端末に表示させる表示制御部と、を備える。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係る指導支援方法は、教室にいる学習者を撮影する教室端末と、前記教室とは異なるスタジオにいるメイン講師を撮影するメイン講師端末と、に接続される指導支援装置の指導支援方法であって、前記指導支援装置は、前記学習者の情報を記憶する記憶部と、課題ごとに、前記学習者のアクションに対する評価を複数の技能評価項目に配点する配点割合を関連付ける課題テーブルと、を備え、入力される前記アクションに対する評価および前記課題テーブルに基づいて、前記学習者の技能評価値を前記技能評価項目ごとに算出する技能評価ステップと、前記技能評価値を前記学習者の情報と対応付けて、前記技能評価項目ごとに、前記メイン講師端末に表示させる表示制御ステップと、を含む。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係るコンピュータプログラムは、教室にいる学習者を撮影する教室端末と、前記教室とは異なるスタジオにいるメイン講師を撮影するメイン講師端末と、が接続される指導支援装置を制御するコンピュータプログラムであって、前記指導支援装置は、前記学習者の情報を記憶する記憶部と、課題ごとに、前記学習者のアクションに対する評価を複数の技能評価項目に配点する配点割合を関連付ける課題テーブルと、を備え、前記指導支援装置に、入力される前記アクションに対する評価および前記課題テーブルに基づいて、前記学習者の技能評価値を前記技能評価項目ごとに算出する技能評価命令と、前記技能評価値を前記学習者の情報と対応付けて、前記技能評価項目ごとに、前記メイン講師端末に表示させる表示制御命令と、を実行させる。
【0018】
なお、コンピュータプログラムは、各種のデータ読取可能な記録媒体に格納して提供したり、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能に提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、遠隔地の講師が授業を行う場合でも、個々の学習者に合わせた適切な指導を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る指導支援システムを使用する様子を示す概要図である。
図2】本発明の実施形態に係る指導支援システムの構成及び機能を示した機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る指導支援システムに記憶されるデータテーブルの1例を示す図であって、(a)学習者情報テーブル、(b)課題テーブルの例である。
図4】本発明の実施形態に係る指導支援システムに記憶されるデータテーブルの1例を示す図であって、(a)学習者の評価履歴テーブル、(b)学習者の技能・観点テーブルの例である。
図5】本発明の実施形態に係る指導支援システムにおいて、メイン講師端末に表示される画面の1例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る指導支援システムにおいて、教室端末に表示される画面の1例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る指導支援システムにおける表示画面の1例を示す図であって、(a)上記メイン講師端末に表示される画面、(b)サブ講師端末に表示される画面の例である。
図8】本発明の実施形態に係る指導支援システムにおいて、メイン講師端末に学習者の技能評価および観点評価が表示される処理フローの1例を示すフローチャートである。
図9】本発明の別の実施形態に係る指導支援システムを使用する様子を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
●指導支援システム(1)
以下、本発明の実施形態に係る指導支援システムについて、図を参照して説明する。
本実施形態に係る指導支援システムは、遠隔で授業を行うメイン講師に、個々の学習者に関する情報をリアルタイムに視認させるシステムである。また、指導支援システムは、学習者と同じ教室にいるサブ講師を通じて、個々の学習者の評価を収集するとともに、学習者の技能評価および所定の観点評価を行うシステムである。
【0022】
図1に示されるように、指導支援システムは、教室R100にいる複数の学習者P100が、教室R100とは異なるスタジオR200にいるメイン講師P200の授業をリアルタイムに受講する状況における使用が想定される。このような状況は、例えば学習塾や学校において見られるものである。
【0023】
教室R100には教室端末100が設置されている。教室端末100は、例えばモニター101と処理装置102からなり、互いに接続されて構成されている。モニター101は、表示画面上の操作により入力等が可能なスマートボードであってもよい。モニター101は、大勢の生徒が視認できる大画面である。モニター101には、メイン講師P200の姿の他、メイン講師P200等が指定する課題が表示される。課題は、例えば英文の空欄補充問題や音読のような、読み書き能力を用いる課題であってもよいし、議論のテーマが表示され、学習者がディスカッションして英語で発表する、というような、話す・聞く能力を用いる課題であってもよい。学習者P100は、教室端末100に表示される様々な課題に対してアクションを行い、このアクションの様子は成績評価の対象となっている。
【0024】
メイン講師P200の前にはメイン講師端末200が設置されている。メイン講師端末200は、例えばモニター201と処理装置202からなり、互いに接続されて構成されている。モニター201は、表示画面上の操作により入力等が可能なスマートボードであってもよい。モニター201は、教室端末100のモニター101と同程度の大きさであってもよく、メイン講師P200がスタジオR200内で動きながら授業を行っても、スタジオR200内のどこからでもモニター201を視認できる。
【0025】
また、教室R100内では、サブ講師P300が授業中の学習者を監督している。サブ講師P300は、メイン講師P200からの指示に応じて資料を配布する等対面で行う作業をサポートする他、個々の学習者P100のトラブル等に対応する。例えば、メイン講師P200が外国語教師であり、学習者の母国語を用いない授業を行っている場合、学習者P100がメイン講師P200の指示を理解しきれないときに、サブ講師P300がフォローを行ってもよい。サブ講師P300は、例えば学習者のクラスを担当する担任教師であってもよい。サブ講師P300は、メイン講師P200よりも、個々の学習者の日常の様子やクラスのスケジュール等に精通している。
【0026】
また、サブ講師P300は、サブ講師端末300を用いて、学習者P100の評価を入力する。学習者P100の評価は、例えばメイン講師P200から提示された課題に対して学習者P100がアクションを起こし、このアクションに対して行う。具体的には、サブ講師P300は、設問に対する回答の正誤や、ディスカッション課題に対する取り組みの様子等を評価する。サブ講師P300は、教室R100に存在し、学習者P100の授業に対する反応や態度等、メイン講師P200が遠隔からではとらえきれない学習者P100のアクションの様子を細やかに観察することができるため、評価の入力に適している。サブ講師端末300は、パーソナルコンピュータであってもよいし、タブレット端末又はスマートホンであってもよい。
【0027】
図2に示されるように、教室端末100、メイン講師端末200、サブ講師端末300は、ネットワークNWを介して指導支援装置400に接続されている。教室端末100、メイン講師端末200、サブ講師端末300および指導支援装置400は、指導支援システムを構成する。
指導支援装置400は、1個の装置により構成される他、ネットワークで互いに接続された複数の装置により構成されてもよい。指導支援装置400が有する各構成は、教室端末100、メイン講師端末200、サブ講師端末300のいずれかが有していてもよく、いくつかの端末に分散して実現されていてもよい。また、指導支援システムを構成する装置の一部又は全部は、サーバ又はクラウドコンピュータにより実現されていてもよい。
なお、本実施形態では、メイン講師端末200に同時接続される教室端末100の数は1個であるが、複数の教室端末100と同時に接続され、メイン講師P200の授業を複数の教室で受講可能であってもよい。
【0028】
教室端末100は、教室R100に設置される端末である。教室端末100は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の内部メモリ等を備え、これにより、通信処理部110、表示部120、撮影部130の各機能ブロックを構成する。通信処理部110は、ネットワークNWで接続される各構成と通信を行い、指導支援装置400からの表示制御指令、ならびにメイン講師端末200が撮影するメイン講師P200の映像および表示する課題のデータを受信するとともに、撮影された映像を送信する。表示部120は、受信されるメイン講師P200の映像および教材のデータ等を表示する機能部であり、モニター201のハードウェア構成により実現される。撮影部130は、教室R100にいる学習者P100の様子を撮影する機能部であり、ビデオカメラ等のハードウェア構成により実現される。
【0029】
メイン講師端末200は、スタジオR200に設置される端末である。メイン講師端末200は、CPUなどの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAMやROM等の内部メモリ等を備え、これにより、通信処理部210、表示部220、撮影部230の各機能ブロックを構成する。各構成は、教室端末100と略同様であるが、表示部220では学習者P100の映像を表示するとともに、指導支援装置400から受信する、個々の学習者の技能評価を表示する。また、撮影部230では、メイン講師P200の様子を撮影する。また、メイン講師端末200は、学習者のアクションに対する評価や、観点評価等を入力可能であってもよい。
【0030】
サブ講師端末300は、主として、学習者P100のアクションに対する評価を入力する端末である。サブ講師端末300は、CPUなどの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAMやROM等の内部メモリ等を備え、これにより、通信処理部310、表示部320、入力部330の各機能ブロックを構成する。通信処理部310は、ネットワークNWで接続される各構成と通信を行い、表示されている課題の情報を受信したり、学習者P100の課題に対するアクションに関する評価又は観点評価を送信したりする。表示部320は、例えば学習者P100の情報および評価入力を受け付ける画面を表示する機能部であり、ディスプレイ等のハードウェア構成により実現される。入力部330は、サブ講師端末300への操作を受け付ける機能部であり、タッチパネルディスプレイにおけるタッチ操作、マウスのクリック、およびキーボードの押下等を受け付け、入力内容を取得する。
【0031】
指導支援装置400は、教室端末100、メイン講師端末200およびサブ講師端末300の情報の授受を管理する装置である。
この指導支援装置400は例えば、CPUなどの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAMやROM等の内部メモリ等を備えたサーバ等によって実現される。指導支援装置400はこれにより、記憶部410、受信部420、評価算出部430、表示制御部440からなる機能ブロックを構成する。
【0032】
記憶部410は、主として、学習者情報記憶部411、課題記憶部412の各機能ブロックを有する。
図3(a)、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、学習者情報記憶部411には、学習者情報テーブルT101、課題評価履歴テーブルT103、観点評価履歴テーブルT104、および学習者の技能・観点テーブルT105が記憶されている。図3(b)に示すように、課題記憶部412には、課題テーブルT102が記憶されている。
【0033】
図3(a)に示すように、学習者情報テーブルT101には、学習者の識別情報と、学習者に関する情報が関連付けられてなる学習者情報テーブルT101が記憶されている。学習者情報テーブルT101には、学習者の氏名や学年、クラスといった情報が記憶されていてもよい。また、学習者情報テーブルT101には、学習者P100の顔画像が記憶されている。この顔画像のデータを学習者の氏名等とともにメイン講師端末200に表示することで、教室R100内の学習者の氏名を授業中に対応付けて把握することが容易である。
【0034】
なお、適宜の構成により、顔画像を用いて、学習者P100の顔を認証した上で、メイン講師端末200において、教室R100の映像において学習者付近に学習者の情報を重畳して表示させてもよい。また、学習者の情報を、引出線や吹き出しにより学習者P100の映像と対応付けて表示させてもよい。この構成によれば、メイン講師P200にとって、学習者の氏名を授業中に把握することが一層容易になる。
【0035】
図3(b)に示すように、課題テーブルT102は、課題の識別情報と課題への評価に応じて割り当てられる技能評価および観点評価の配点が記憶される。具体的には、例えば、課題の識別情報(課題ID)、課題種別、技能ごとの配点、および観点ごとの配点が記憶されている。技能評価項目は、例えば外国語教育においては「聞く」「話す」「書く」「読む」の4項目に対して配点される。また、観点評価項目は、例えば「知識・技能」「思考力・表現力・判断力」「主体的に学習に取り組む態度」の3項目に対して配点される。この4技能項目および3観点項目は、例えば小学校の学習指導要領に準拠したものとなっている。この構成によれば、成績を付ける教師は、本システムにより算出される学習者の技能評価および観点評価を、学習者の成績表に容易に反映できる。
なお、観点評価は、課題へのアクションに対する評価に従って加点されるだけでなく、課題とは独立して、学習者に対応付けて入力されてもよい。例えば、「主体的に学習に取り組む態度」は、課題での正誤とは別に、授業中の様子等から見て取れるものであるためである。
【0036】
図3(b)の例では、技能評価配点、観点評価配点は、それぞれが合計100%になるよう配点されているが、本構成に限られるものではなく、例えば絶対値で配点が定められていてもよい。また、課題ごとに技能評価および観点評価に対する重みづけが定められていてもよい。具体的には、ディスカッションでの加点は、音読よりも評価への影響が大きい、といった構成であってもよい。
【0037】
図4(a)に示すように、課題評価履歴テーブルT103は、学習者ごとに課題に対する評価の履歴を記憶している。同図には、学習者G001の課題評価履歴テーブルT103の例が示されている。課題評価履歴テーブルT103は、提示された課題の識別情報、評価の入力日時、入力された評価内容等が格納されている。評価は、課題の種別によりデータの態様が異なっていてよく、例えば設問への回答に対しては、「○(正答)」又は「×(誤答)」が格納されてもよい。また、ディスカッションに対する評価は、5段階等の数値が格納されてもよい。さらに、評価を文章で格納できるようになっていてもよい。
【0038】
図4(b)に示すように、観点評価履歴テーブルT104は、学習者に対する観点評価の履歴を記憶している。同図は、学習者G001の観点評価履歴テーブルT104の例である。観点評価履歴テーブルT104は、各観点評価項目と、入力日時と、評価内容等が格納されている。観点評価の内容は、同図では5段階等の数値入力がなされているが、文章も格納可能であってもよい。
【0039】
図4(c)に示すように、技能・観点テーブルT105は、学習者P100の各評価項目における技能評価値および観点評価値を格納する。技能・観点テーブルT105に格納される情報については、後述する。
【0040】
受信部420は、メイン講師端末200又はサブ講師端末300から入力される情報を受信する機能部である。受信部420は、課題受信部421、評価受信部422および観点受信部423等を備える。課題受信部421は、メイン講師端末200又はサブ講師端末300からの、課題を選択する指令に基づいて、学習者に提示される課題を受信する機能部である。評価受信部422は、アクションに対する評価を受信する機能部である。観点受信部423は、観点に関する評価を受信する機能部である。
【0041】
評価算出部430は、学習者P100の技能評価および観点評価を算出する機能部である。評価算出部430は、技能評価部431および観点評価部432を有する。
【0042】
技能評価部431は、課題テーブルT102を参照し、アクションに対する評価に基づいて、技能評価項目における学習者の技能評価値を算出する。技能評価部431は、課題評価履歴テーブルT103を参照し、当該学習者に所定期間において付与されたアクションに対する評価に基づいて、技能評価値を算出してもよい。また、技能評価部431は、アクションに対する評価が入力されると、当該評価を過去に算出した技能評価値と統合し、所定の形式、例えば5段階評価に換算して、現在の技能評価値を算出してもよい。この構成によれば、アクションに対する評価が入力されると、最新の技能評価値が自動で算出され、簡便である。
また、本構成によれば、各課題における評価と技能評価との対応関係が明確であるので、評価の客観性および公平性が担保できる。ひいては、学習者およびその保護者に、成績の詳細について説明する際にも有用である。
【0043】
観点評価部432は、入力された観点に関する評価内容に基づいて、観点評価項目における学習者の観点評価値を算出する。観点評価部432は、観点評価履歴テーブルT104を参照し、所定期間において付与された観点評価の内容に基づいて観点評価値を算出する。また、観点に関する評価が入力されると、当該評価を過去に算出した観点評価値と統合し、所定の形式に換算して、現在の観点評価値を算出してもよい。また、観点評価部432は、技能評価部431と同様、課題テーブルT102を参照し、アクションに対する評価に基づいて観点評価値をさらに変更してもよい。
【0044】
評価算出部430により算出された各技能評価値および観点評価値は、技能・観点テーブルT105に格納される。また、各技能評価値は、表示制御部440を介してメイン講師端末200のモニター201上に、学習者の情報と対応付けて表示される。
【0045】
表示制御部440は、教室端末100およびメイン講師端末200に適宜の画面を表示させる機能部である。
【0046】
表示制御部440は、メイン講師端末200に、教室R100にいる学習者P100の情報を、当該学習者P100の技能評価値と対応付けて表示させる。表示制御部440は、例えばサブ講師端末300から、授業が実施されるクラスが選択されると、学習者情報テーブルT101を参照し、当該クラスに属する学習者の情報をメイン講師端末200に表示させてもよい。この構成によれば、授業のスケジュール等に関してよく把握しているサブ講師P300により、学習者の情報をメイン講師P200に簡便に伝達することができる。
【0047】
図5は、メイン講師端末200のモニター201の例である。同図の例では、モニター201は、2個のディスプレイ201a、201bにより構成されている。ディスプレイ201aには、教室端末100で撮影される学習者の様子がリアルタイムに表示されている。ディスプレイ201bには、学習者の情報が、学習者の位置に対応付けて表示されている。
【0048】
表示制御部440は、サブ講師端末300からの操作に基づいて、この学習者の情報の表示画面G201bにおける各学習者の情報表示欄の位置を変更してもよい。例えば、サブ講師端末300において情報表示欄をドラッグアンドドロップ操作することで、情報表示欄の表示位置が、ドロップ地点に移動される。この構成によれば、学習者の配置が情報表示欄の配置と異なっていた場合であっても、調整が容易であり、学習者の情報を学習者の映像と対応づけてメイン講師P200にリアルタイムに把握させることができる。
【0049】
図6は、教室端末100に表示される、課題を提示する画面G100の1例である。メイン講師端末200又はサブ講師端末300から課題が選択されると、課題受信部421がこれを受信し、表示制御部440を介して教室端末100に課題を提示する。
【0050】
表示制御部440は、課題受信部421がメイン講師端末200からの課題選択を受け付けると、サブ講師端末300に選択された課題の情報を送信し、サブ講師端末300の画面上に、当該課題へのアクションに対する評価を入力する画面を表示させる。この構成によれば、提示されている課題への評価入力がスムースである。
【0051】
図7(a)は、メイン講師端末200に表示される画面の別の例である。この画面G200には、学習者の氏名と共に、学習者(生徒)ごとに、アクションに対する評価のアクション履歴欄G210と、技能評価値を示す技能評価欄G220が表示されている。アクション履歴欄G210は、例えば現在実施している授業内で付された評価の履歴のみを表示してもよい。技能評価欄G220は、技能評価項目を各軸に配置したレーダーチャートとなっている。この表示によれば、教室にいる学習者の技能評価の様子が一見して明らかになり、メイン講師P200は個々の学習者に対して適切な指導を行うことができる。例えば、「話す」技能の点数が比較的低い学習者には、難易度の低い質問に回答させてもよい。また、複数の学習者を1つのグループにして課題に取り組ませる場合に、各技能を有する学習者がバランスよく配置されるようにグループを作ってもよい。さらに、技能評価の高い学習者のみが出席している授業であることがわかれば、ハイレベルな授業内容に切り替えることも可能である。このような構成により、受講する学習者の学習効果も高めることができる。
【0052】
また、メイン講師P200が日常的に技能評価項目を目にしながら授業を行うことで、メイン講師P200が学習者を観察する際にも、技能評価項目を考慮しながら観察する習慣づけができる。したがって、クラスにより異なるメイン講師P200が評価する場合や、メイン講師P200が交代した場合でも、学習者に統一した基準で評価を付与することができる。また、遠隔、多くは外国におり、本国の学習指導要領に精通していないメイン講師P200が学習者を評価する場合にも、技能評価項目に則した評価が可能になる。
なお、メイン講師P200およびサブ講師P300の双方で評価を行う場合には、各講師が入力した評価の平均を、当該学習者の評価としてよい。
【0053】
また、メイン講師端末200の画面には、観点評価値を示す欄が表示されていてもよい。この欄は、例えば観点評価項目を各軸に配置したレーダーチャートとなっていてもよい。この構成によれば、メイン講師P200が学習者の評価や特性を把握でき、遠隔からの授業であっても個々の学習者に一層適切な指導を行うことができる。
【0054】
図7(b)は、サブ講師端末300に表示される画面の例である。この画面G300は、学習者ごとに評価履歴の詳細が表示されるとともに、アクションに対する評価および観点評価の入力が可能になっている。この例では、アクション履歴欄G210、技能評価欄G220、各日における技能評価値および観点評価値の履歴が表示される技能・観点履歴欄G310が表示されている。なお、同図では、観点に関し4つの評価項目により評価される例を示している。また、これと合わせて、各学習者又はクラスで行った課題の履歴を表示してもよい。
【0055】
画面G300においては、アクション履歴欄G210を選択することで、課題へのアクションに対する評価を課題ごとに入力できる。なお、前述したように、メイン講師端末200において課題が選択されると、当該課題へのアクションに対する評価を入力する画面が表示されてもよい。また、技能・観点履歴欄G310を選択することで、観点評価を入力するポップアップが表示されてもよい。さらに、画面G300には、メモ欄G320が表示されていて、学習者P100に紐づけてメモを保存することができる。この構成によれば、サブ講師P300による評価入力が簡便である。サブ講師端末300にアクションに対する評価が入力されると、メイン講師端末200に表示されている技能評価欄G220が更新される。
【0056】
●処理の流れ
図8は、サブ講師端末300からアクションに対する評価の入力を受け付け、メイン講師端末200の画面G200上に表示される処理の流れを示すフローチャートである。
まず、指導支援装置400は、サブ講師端末300から学習者P100のアクションに対する評価の入力を受け付ける(S101)。次いで、課題テーブルT102を参照し、入力された評価を技能評価に割り当てる(S102)。算出された技能評価値は、例えばレーダーチャートなど視覚的にわかりやすい態様に加工され、メイン講師端末200の画面G200に表示される(S103)。
【0057】
●指導支援システム(2)
本発明に係る指導支援システムの別の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、本実施形態の説明において、先の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付した。
図9に示すように、本実施形態においては、学習者P100はそれぞれ学習者端末500を使用し、この複数の学習者端末は、ネットワークNWを介して少なくとも指導支援装置401に接続されている点で、先に説明した実施形態と異なる。
【0058】
指導支援装置401は、学習者端末500を介して学習者P100のログインを受け付けるログイン処理部をさらに備える。また、学習者情報記憶部は、学習者のログインに関する情報と、学習者の識別情報を保持している。学習者P100が学習者端末500を介してログイン処理を行うと、当該学習者の情報を抽出し、学習者の技能・観点評価に関する情報と共にメイン講師端末200に表示させる。この構成によれば、授業に参加する学習者P100の情報を、メイン講師P200に確実に閲覧させることができる。
【0059】
また、学習者端末500の教室R100内での位置を、学習者端末500から受信し、学習者端末500の位置に対応させてログインしている学習者の情報および技能・観点評価の情報を表示させてもよい。この構成によれば、学習者の姿と学習者の情報との対応がメイン講師にとって理解しやすい。
【0060】
学習者端末500には、メイン講師端末200又はサブ講師端末300により選択された課題が表示される。また、学習者端末500には、当該課題に対する回答を入力可能である。入力された回答は、指導支援装置400又は適宜の構成が課題と回答とを関連付けるテーブルを保持しており、当該テーブルと照合することで、正誤判定されてもよい。また、この正誤判定に基づいて、学習者の技能評価値が更新され、メイン講師端末200の技能評価欄に反映されてもよい。さらに、課題の提示から回答入力までの時間を計測し、技能評価又は観点評価に反映してもよい。
【0061】
以上の本発明の実施形態に係る指導支援システムによれば、遠隔地の講師が授業を行う場合でも、個々の学習者に合わせた適切な指導を行うことができる。
【0062】
なお、以上の本実施形態に係る指導支援システムにおいて、各端末又は装置の機能構成は一例であり、本例で示した機能部が、本例とは異なる端末又は装置に備えさせることもできる。
【符号の説明】
【0063】
100 教室端末
200 メイン講師端末
300 サブ講師端末
400 指導支援装置
410 記憶部
411 学習者情報記憶部
412 課題記憶部
420 受信部
421 課題受信部
422 評価受信部
423 観点受信部
430 評価算出部
440 表示制御部
NW ネットワーク
G200 メイン講師端末の表示画面
G300 サブ講師端末の表示画面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9