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  • 特許-植物の包装方法 図1
  • 特許-植物の包装方法 図2
  • 特許-植物の包装方法 図3
  • 特許-植物の包装方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】植物の包装方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20240819BHJP
   B65D 77/30 20060101ALI20240819BHJP
   B65D 33/01 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
B65D85/50 200
B65D77/30 C
B65D33/01
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020201458
(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公開番号】P2022089236
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】506401820
【氏名又は名称】株式会社ジャパンプランツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊崎 重司
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-126418(JP,A)
【文献】特開2004-115022(JP,A)
【文献】特開2013-023274(JP,A)
【文献】登録実用新案第3132452(JP,U)
【文献】特開2018-165175(JP,A)
【文献】特開2011-246149(JP,A)
【文献】特開2008-137724(JP,A)
【文献】特開平07-076387(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00291413(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/50
B65D 77/30
B65D 33/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋を使用して植物を包装する方法であって、
前記袋は、
第一シートと、前記第一シートと対向する第二シートと、前記第一シートと前記第二シートとによって画定され、植物が収容される空間とを備え、
第一辺、前記第一辺と対向する第二辺、第三辺、及び前記第三辺と対向すると共に開口している第四辺を有しており、
前記第三辺と前記第四辺との間の位置に、前記第一シートと前記第二シートとが接合された接合部が設けられており、
前記接合部は、前記第一辺と前記第二辺との間の一部にわたってのみ延びており、
前記接合部により、前記植物が収容される空間は、前記接合部と前記第三辺との間の第一空間(S1)と、前記第一空間と連通する、前記接合部と前記第四辺との間の第二空間(S2)とに区画されている、袋であり、
当該方法は、
前記植物が収容される空間に植物を入れる工程と、
前記第四辺を密閉する工程と、
前記袋のうち、少なくとも前記接合部よりも下方の部分を絞って絞り部を形成し、前記第一空間(S1)内の気体を前記第二空間(S2)に移動させる工程と、
前記絞り部の上方で前記袋を縛る工程と、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記植物が収容される空間に植物を入れた後、前記第四辺を密閉する前に、前記植物が収容される空間内に酸素を含む気体を入れる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記袋の前記接合部は、前記第一辺から延びる第一接合部と、前記第二辺から延びる第二接合部とから成り、
前記第一接合部と前記第二接合部とは接続されておらず、前記第一接合部と前記第二接合部との間には、前記第一空間(S1)と前記第二空間(S2)とを連通させる開口部が存在する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物を収容するための袋に関する。また、本発明は、当該袋を使用して植物を包装する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物を保管又は輸送する際には、袋内に植物を収容して保管又は輸送することが多い。しかしながら、保管又は輸送が長時間にわたると、植物の鮮度が低下するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、植物の鮮度を維持可能な袋を使用して、植物を包装する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は以下の特徴を有する。
【0006】
(項目
袋を使用して植物を包装する方法であって、
前記袋は、
第一シートと、前記第一シートと対向する第二シートと、前記第一シートと前記第二シートとによって画定され、植物が収容される空間とを備え、
第一辺、前記第一辺と対向する第二辺、第三辺、及び前記第三辺と対向すると共に開口している第四辺を有しており、
前記第三辺と前記第四辺との間の位置に、前記第一シートと前記第二シートとが接合された接合部が設けられており、
前記接合部は、前記第一辺と前記第二辺との間の一部にわたってのみ延びており、
前記接合部により、前記植物が収容される空間は、前記接合部と前記第三辺との間の第一空間(S1)と、前記第一空間と連通する、前記接合部と前記第四辺との間の第二空間(S2)とに区画されている、袋であり、
当該方法は、
前記植物が収容される空間に植物を入れる工程と、
前記第四辺を密閉する工程と、
前記袋のうち、少なくとも前記接合部よりも下方の部分を絞って絞り部を形成し、前記第一空間(S1)内の気体を前記第二空間(S2)に移動させる工程と、
前記絞り部の上方で前記袋を縛る工程と、
を含む、ことを特徴とする方法。
【0007】
(項目
前記植物が収容される空間に植物を入れた後、前記第四辺を密閉する前に、前記植物が収容される空間内に酸素を含む気体を入れる工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記袋の前記接合部は、前記第一辺から延びる第一接合部と、前記第二辺から延びる第二接合部とから成り、
前記第一接合部と前記第二接合部とは接続されておらず、前記第一接合部と前記第二接合部との間には、前記第一空間(S1)と前記第二空間(S2)とを連通させる開口部が存在する、項目1に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、接合部が設けられていることにより、袋のうち、接合部よりも下方の部分を絞って第一空間から第二空間に気体を移動させると、第二空間内の気体が第一空間に逆流し難くなる。これにより、植物の葉の部分が収容された第二空間に多くの気体を留めることができるため、植物の鮮度を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)袋の平面図、(b)袋の正面図である。
図2】袋の使用状態の正面図である。
図3】本発明の袋を使用して植物を包装する手順を示す概略図である。
図4】(a)及び(b)は、袋の変形例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の袋、及び本発明の袋を使用して植物を包装する方法について図面を参照しながら説明する。
【0011】
<1 袋の構造>
図1(a)は袋10の平面図であり、図1(b)は袋10の正面図である。説明の便宜上、図1(b)の上下左右を、袋10の上下左右として説明する。
【0012】
本発明の袋10は、植物Pを収容して保管又は輸送するために使用される。袋10は、第一シート1と、第一シート1と対向する第二シート2と、を備える。第一シート1と第二シート2とによって画定される空間には、植物Pが収容される。袋10の材料としては、例えばポリエチレンやポリエステルなど、袋に使用される公知の材料が使用できる。
【0013】
袋10は、第一辺11、第二辺12、第三辺13、及び第四辺14を備える。第一辺11及び第二辺12は、上下方向に平行に延びている。第一辺11は袋の左端を構成し、第二辺12は袋の右端を構成している。第三辺13及び第四辺14は、左右方向に平行に延びている。第三辺13は袋の下端を構成し、第四辺14は袋の上端を構成している。第一辺11は、第一シート1の第一辺と第二シート2の第一辺とが一体的に接続されることで形成されている。同様に、第二辺12、及び第三辺13はそれぞれ、第一シート1及び第二シート2の第二辺同士、及び第三辺同士が一体的に接続されることで形成されている。第一シート1の第四辺と第二シート2の第四辺とは接続されておらず、したがって、袋10の上部は開口している。
【0014】
第三辺13と第四辺14との間の位置には、第一シート1と第二シート2とが接合された二つの接合部3が設けられている。接合部3は、例えば、第一シート1と第二シート2とを溶着することにより形成することができる。一方の接合部3は、第一辺11から第二辺12に向けて延びており、他方の接合部3は、第二辺12から第一辺11に向けて延びている。二つの接合部3は繋がっておらず、したがって、二つの接合部3の間には開口部4が存在する。接合部3が設けられていることにより、袋10内の空間は、接合部3と第三辺13との間の第一空間S1と、接合部3と第四辺14との間の第二空間S2とに区画される。第一空間S1と第二空間S2とは、開口部4を通じて連通している。
【0015】
次に、図2を参照して袋10の使用方法について説明する。袋10の詳細な使用方法は後述するため、ここでは簡単に説明する。第四辺14に設けられた開口から植物Pを袋10内に入れ、第四辺14を密閉する。袋10のうち、少なくとも接合部3よりも下方の部分を絞って、第一空間S1内の気体を第二空間S2内に移動させる。袋10を絞ることにより形成された絞り部5の上方を、例えば紐や輪ゴム等の締結部材6を用いて縛る。これにより、植物Pの葉が収容された第二空間S2に多くの気体を貯蔵した状態で、植物Pを包装できる。
【0016】
図2に示すように、第一空間S1には主に植物Pの茎の部分が収容され、第二空間S2には主に植物Pの葉の部分が収容される。したがって、接合部3の設置位置は、この点を考慮し、植物Pの背丈に合わせて適宜決定される。
【0017】
<2 植物の包装方法>
次に図3を参照しながら袋10を使用して植物Pを包装する方法について説明する。
【0018】
(1)図3(a)及び(b)に示すように、開口している第四辺14から袋10内に植物Pを入れる。植物Pの茎は開口部4を通って主に第一空間S1に挿入され、植物Pの葉は主に第二空間S2に収容される。
【0019】
(2)袋10内に酸素を含む気体を入れる。酸素を含む気体とは、例えば酸素自体、又は空気である。
【0020】
(3)気体が漏れないように第四辺14を密閉する。なお、密閉方法は特に限定されず、例えば、第一シート1と第二シート2とを溶着する方法や、テープ又は接着剤で接着する方法を採用することができる。
【0021】
(4)図3(c)に示すように、袋10の、接合部3よりも下方の部分を絞り、絞り部5を形成する。これにより、第一空間S1内の気体が開口部4を通って第二空間S2内に移動する。
【0022】
(5)図3(d)に示すように、絞り部5の上方で、袋10を縛る。袋10は、例えば、紐や輪ゴム等の締結部材6を用いて縛られる。なお、絞り部5を形成する際には、袋10のうち、接合部3よりも少し上の部分も含めて絞ってもよい。
【0023】
<3 特徴>
接合部3が設けられていることにより、第一空間S1から第二空間S2に移動した気体が、第一空間S1に戻ることを抑制できる。したがって、植物Pの葉が収容された第二空間S2に多くの気体を貯蔵できるため、植物Pの鮮度を維持できる。
【0024】
袋10内に酸素を入れることにより、植物Pの鮮度を一層維持できる。
【0025】
<4 変形例>
上記実施形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。本発明は、例えば以下に示す変形例を採用することができる。以下で説明する変形例は、適宜組み合わせ可能である。
【0026】
(1)袋10の形状は四角形に限定されず、例えば第三辺13が下方に向けて湾曲した丸底型であってもよい。
【0027】
(2)図4(a)に示すように、二つの接合部3は、異なる高さに設けられていてもよい。
【0028】
(3)図4(b)に示すように、接合部3は一つであってもよい。図4(b)に示す接合部3は、第一辺11から離隔した位置と第二辺12から離隔した位置との間で延びている。
【0029】
(4)接合部3は、第三辺13又は第四辺14と平行である必要はない。接合部3は、第三辺13又は第四辺14と垂直でなければよく、第三辺13又は第四辺14に対して傾斜して延びていてもよい。
【0030】
(5)袋10内には、複数の貫通孔が設けられたメッシュ体、又はゼオライト製のシートが入れられてもよい。メッシュ体は、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチック製のシート状素材から成る。メッシュ体は、貫通孔の周縁から延出した複数の繊維部を有する。この繊維部は、貫通孔を設ける際の穴開け加工によって形成される。メッシュ体が繊維部を有していることにより、繊維部が毛細管現象により袋10内の湿気を吸収するため、袋10内の湿度を調整できる。
【符号の説明】
【0031】
10 袋
1 第一シート
2 第二シート
11 第一辺
12 第二辺
13 第三辺
14 第四辺
3 接合部
4 開口部
5 絞り部
6 締結部材
S1 第一空間
S2 第二空間
P 植物
図1
図2
図3
図4