(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】可動電極側装置及びそれを用いた小物部品供給ユニット
(51)【国際特許分類】
B23P 19/00 20060101AFI20240819BHJP
B23P 19/04 20060101ALI20240819BHJP
B65G 11/00 20060101ALI20240819BHJP
B65G 47/88 20060101ALI20240819BHJP
B65G 47/90 20060101ALI20240819BHJP
B23K 11/14 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
B23P19/00 301L
B23P19/04 B
B65G11/00 Z
B65G47/88 A
B65G47/90 Z
B23K11/14 310
(21)【出願番号】P 2021070311
(22)【出願日】2021-04-19
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】593038000
【氏名又は名称】矢嶋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100136995
【氏名又は名称】上田 千織
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】表 裕明
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-181601(JP,A)
【文献】特開平01-214518(JP,A)
【文献】特開2021-049578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00-21/00
B23K 11/14
B65G 11/00
B65G 47/80-47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークと、貫通孔を有した小物部品と、を溶接する抵抗溶接機に、前記小物部品を供給する小物部品供給ユニットに用いられ、
前記抵抗溶接機の可動電極に配され、部品供給装置から送給されてきた前記小物部品を受け止める可動電極側装置であって、
前記可動電極を構成するとともに、前記可動電極に対して、前記可動電極内を、前記可動電極の軸線に沿って移動可能、かつ、前記小物部品を吸着保持可能な保持シャフトを有し、
前記保持シャフトは、
前記小物部品の前記貫通孔内に挿通可能な小径部と、前記小径部の軸線方向に直交するように形成された保持面部と、を有し、
エアシリンダにより、前記可動電極内に位置して、前記小物部品を溶接可能な溶接位置と、前記可動電極から突出し、前記部品供給装置から送給されてきた前記小物部品の前記貫通孔内に挿通されて、前記小物部品を保持する進出位置と、の間を移動可能とされ、
前記エアシリンダの一方のポートへエアを入力することにより、前記可動電極内から前記進出位置に進出し、
前記エアシリンダの前記一方のポートへのエアの入力を遮断して、大気開放したあとに、前記エアシリンダの他方のポートへエアを入力することにより、前記保持シャフトが、前記抵抗溶接機の固定電極に配されるガイドピンを押し下げること無く、前記進出位置から前記溶接位置に移動可能とされ、
前記保持シャフトには、磁性体が配設されていることを特徴とする可動電極側装置。
【請求項2】
ワークと、貫通孔を有した小物部品と、を溶接する抵抗溶接機に、前記小物部品を供給する小物部品供給ユニットであって、
前記抵抗溶接機の非可動部位に取り付けられる部品供給装置と、前記抵抗溶接機の可動電極に配される
請求項1に記載の可動電極側装置と、を備え、
前記部品供給装置は、前記抵抗溶接機の前記可動電極の移動軌跡上に先端部を配置可能なシュートを備え、
前記シュートの前記先端部は、上流側から送給されてきた前記小物部品を受け止め前記可動電極への移し替えを可能にする部品受部を有し、駆動手段により駆動されることにより、
前記可動電極の近傍に位置して、前記小物部品を供給可能とする供給状態と、
前記可動電極と干渉が生じない退避状態と、
を取り得るように構成され、
前記シュートの前記先端部が前記供給状態において、前記部品受部に配された前記小物部品を、前記保持シャフトが、前記可動電極内から前記進出位置に進出して前記小物部品を保持させた状態で、前記シュートの前記先端部を前記退避状態とし、前記可動電極で前記小物部品を前記ワークに溶接するときに、前記保持シャフトが前記溶接位置に移動することを特徴とする小物部品供給ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置から送給されてきた小物部品を受け止める可動電極側装置及びそれを用いた小物部品供給ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の貫通孔を有する小物部品を作業装置に供給する小物部品供給ユニットとして、特許文献1に記載されるものがあった。これによれば、小物部品供給ユニットは、小物部品供給装置と、作業装置の可動部に配される可動部側装置と、を備えていた。
【0003】
小物部品供給装置は、作業装置の可動部の移動軌跡上に先端部が位置する可動シュートを備え、可動シュートは一対の分割片で構成され、一対の分割片は互いに揺動して接近、離隔可能に構成されていた。
【0004】
先端部は、一対の分割片が互いに接近した状態にあるとき、上流側から送給されてきた小物部品を受け止め、可動部側装置への移し替えを可能にする部品受部を形成し、かつ、一対の分割片が互いに離隔した状態にあるとき、可動部と一対の分割片との干渉が生じない空間を形成するよう構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の小物部品供給ユニットでは、小物部品供給装置から作業装置の可動部に配される可動部側装置に部品の移し替えをするときに、小物部品の貫通孔に挿通されるのは、可動部側装置に配される円柱状のピン部材(保持シャフト)であり、ピン部材の側周面で小物部品を保持していたので、溶接作業時に、小物部品がピン部材から滑り落ちるおそれがあった。
【0007】
本発明は、小物部品が保持シャフトから滑り落ちることを防止できる可動電極側装置及びそれを用いた小物部品供給ユニットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1記載の発明では、ワークと、貫通孔を有した小物部品と、を溶接する抵抗溶接機に、前記小物部品を供給する小物部品供給ユニットに用いられ、
前記抵抗溶接機の可動電極に配され、部品供給装置から送給されてきた前記小物部品を受け止める可動電極側装置であって、
前記可動電極を構成するとともに、前記可動電極に対して、前記可動電極内を、前記可動電極の軸線に沿って移動可能、かつ、前記小物部品を吸着保持可能な保持シャフトを有し、
前記保持シャフトは、
前記小物部品の前記貫通孔内に挿通可能な小径部と、前記小径部の軸線方向に直交するように形成された保持面部と、を有し、
エアシリンダにより、前記可動電極内に位置して、前記小物部品を溶接可能な溶接位置と、前記可動電極から突出し、前記部品供給装置から送給されてきた前記小物部品の前記貫通孔内に挿通されて、前記小物部品を保持する進出位置と、の間を移動可能とされ、
前記エアシリンダの一方のポートへエアを入力することにより、前記可動電極内から前記進出位置に進出し、
前記エアシリンダの前記一方のポートへのエアの入力を遮断して、大気開放したあとに、前記エアシリンダの他方のポートへエアを入力することにより、前記保持シャフトが、前記抵抗溶接機の固定電極に配されるガイドピンを押し下げること無く、前記進出位置から前記溶接位置に移動可能とされ、
前記保持シャフトには、磁性体が配設されている。
【0009】
これによれば、保持シャフトに配設された磁性体により、小径部の軸線方向に直交するように形成された保持面部に磁力が付与され、その保持面部で小物部品を保持できるので、小物部品が保持シャフトから滑り落ちることを防止できる。
【0011】
また、ワークと、小物部品と、を溶接するときに、保持シャフトが、固定電極側のガイドピンと接触して、可動電極内に押し戻されるため、固定電極側のガイドピンを押し戻すことが無くなるので、小物部品の位置ずれを防止することができる。そのうえで、保持シャフトを、進出位置から溶接位置に移動させて、ワークと、小物部品と、を溶接するので、溶接の不具合を防止することができる。
【0012】
請求項2記載の発明では、ワークと、貫通孔を有した小物部品と、を溶接する抵抗溶接機に、前記小物部品を供給する小物部品供給ユニットであって、
前記抵抗溶接機の非可動部位に取り付けられる部品供給装置と、前記抵抗溶接機の可動電極に配される請求項1に記載の可動電極側装置と、を備え、
前記部品供給装置は、前記抵抗溶接機の前記可動電極の移動軌跡上に先端部を配置可能なシュートを備え、
前記シュートの前記先端部は、上流側から送給されてきた前記小物部品を受け止め前記可動電極への移し替えを可能にする部品受部を有し、駆動手段により駆動されることにより、
前記可動電極の近傍に位置して、前記小物部品を供給可能とする供給状態と、
前記可動電極と干渉が生じない退避状態と、
を取り得るように構成され、
前記シュートの前記先端部が前記供給状態において、前記部品受部に配された前記小物部品を、前記保持シャフトが、前記可動電極内から前記進出位置に進出して前記小物部品を保持させた状態で、前記シュートの前記先端部を前記退避状態とし、前記可動電極で前記小物部品を前記ワークに溶接するときに、前記保持シャフトが前記溶接位置に移動する。
【0013】
これによれば、上記の可動電極側装置の作用効果を奏することに加え、部品供給装置と、可動電極側装置とに機能を分けて、簡素な構造で低コスト、かつ、耐久性を有する小物部品供給ユニットとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態の小物部品供給ユニットが取り付けられた抵抗溶接機の正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態の小物部品供給ユニットが取り付けられた抵抗溶接機の右側面図である。
【
図4】小物部品供給ユニットの、一方の分割片を外した状態の正面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線矢視断面図である。
【
図10】小物部品供給ユニットの動作説明図である。
【
図11】小物部品供給ユニットの動作説明図で、
図10の続きである。
【
図12】小物部品供給ユニットの動作説明図で、
図11の続きである。
【
図13】小物部品供給ユニットの動作説明図で、
図12の続きである。
【
図14】小物部品供給ユニットの動作説明図で、
図13の続きである。
【
図15】小物部品供給ユニットの動作説明図で、
図14の続きである。
【
図18】保持シャフトが可動電極内に位置するときの
図17に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明における小物部品供給ユニットの一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、各図面に記載される矢印の、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0016】
小物部品供給ユニット200は、抵抗溶接機10に用いられるもので、概略的には、
図1、2に示すように、部品供給装置100が、小物部品としてのナットNを、抵抗溶接機10の上側の可動電極16の可動電極側装置20に供給し、可動電極側装置20がナットNを受け取り、保持して、下側の固定電極18上に配される平板状のワークWに乗せ、ナットNとワークWを可動電極16及び固定電極18で挟み、通電することで、ナットNをワークWに溶接するものである。
【0017】
抵抗溶接機10は、
図1、2に示すように、上方側の可動電極16と下方側の固定電極18とを備えて構成され、可動電極16は、可動側ホーン15に保持され、固定電極18は固定側ホーン17に保持されている。可動側ホーン15は、上支持アーム12に保持されたエアシリンダ14の上下動するシリンダロッド14aに固定されており、エアシリンダ14の作動により、可動側ホーン15に保持された可動電極16が、固定電極18に向かって下降する。本体11は、上部で上支持アーム12を前方に延ばすように配設させ、下部で下支持アーム13を前方に延ばすように配設させて、下支持アーム13に固定側ホーン17が保持されている。
【0018】
小物部品供給ユニット200は、
図3~9等に示すように、可動電極側装置20と、部品供給装置100と、を有している。
【0019】
可動電極16に、ナットNを吸着保持可能とする可動電極側装置20が配設されている。可動電極側装置20は、
図3~6に示すように、電極チップ30と、シャンク32と、メインホルダ33と、外管34と、冷却ジャケット35と、保持シャフト38と、アダプタ42と、エアシリンダ45(特許請求の範囲の駆動手段に相当する)と、を備えている。
【0020】
電極チップ30は、円筒状に形成され、上下方向に貫通する貫通孔を有し、当該貫通孔は、電極チップ30の上面から下面に向かう大内径部30aと、大内径部30aより小径に形成された小内径部30bと、を有している。大内径部30a、小内径部30b内には、後述する保持シャフト38の先端部材40が挿通可能とされている。
【0021】
電極チップ30の上部には、シャンク32が取り付けられている。
【0022】
シャンク32は、下小径部32aと、下小径部32aより大径に形成された大径部32bと、下小径部32aより大径かつ大径部32bより小径に形成された中径部32cと、を有している。シャンク32は、上下方向に沿って円形に貫通する段付き貫通孔を有している。当該段付き貫通孔は、シャンク32の上面から下面に向かう大内径部32dと、大内径部32dより小径に形成された小内径部32eと、を有している。
【0023】
大内径部32dは、後述する先端部材40の大径部40cが、小内径部32eは、後述する先端部材40の中径部40bが、挿通可能な径に形成されている。
【0024】
電極チップ30の大内径部30aに、シャンク32の下小径部32aが嵌め込まれて、電極チップ30と、シャンク32とが連結されている。
【0025】
シャンク32の上部には、メインホルダ33が取り付けられている。
【0026】
メインホルダ33は、略円筒状に形成されている。メインホルダ33は、下面から上面に向かう貫通孔を有し、当該貫通孔は、下大内径部33aと、下大内径部33aと略同一径に形成された上大内径部33bと、下大内径部33aと、上大内径部33bより小径に形成された小内径部33cと、を有している。小内径部33cの上端部には、内面から外面まで貫通する一対の横孔部33dが形成されている。
【0027】
シャンク32の中径部32cと、メインホルダ33の下大内径部33aの内周面とが螺合されて、シャンク32とメインホルダ33とが連結されている。
【0028】
メインホルダ33の外側には、円筒状の外管34が嵌められている。外管34の上部には、外面から内面まで貫通する横孔34aが形成されている。
【0029】
外管34の上端部の外側には、冷却ジャケット35が取り付けられている。
【0030】
冷却ジャケット35は、上下方向に貫通する貫通孔35aを有して円筒状に形成されている。冷却ジャケット35には、外周面から貫通孔35aまで貫通する横孔35bが形成されている。横孔部33dと、横孔34a、横孔35bとを連通させて、ボルト36で締結することで、冷却ジャケット35がメインホルダ33、外管34に取り付けられている。また、冷却ジャケット35には、冷却水を流通可能とするホースニップル37が取り付けられている。
【0031】
保持シャフト38は、本体部材39と、先端部材40と、本体部材39と先端部材40とを連結する連結部材41と、磁性体としての磁石54と、ガイドピン55で構成されている。
【0032】
本体部材39は、円柱状に形成され。下面から上面に向かう下有底孔39aと、上面から下面に向かう上有底孔39bと、を有している。
【0033】
先端部材40は、小径部40aと、小径部40aより大径に形成された中径部40bと、中径部40bより大径に形成された大径部40cと、を有して略段付き円柱状に形成されている。大径部40cの外径は、本体部材39の外径と略同一とされている。
【0034】
先端部材40は、下面から上面に向かう下有底孔40dと、上面から下面に向かう上有底孔40eと、を有している。
【0035】
本実施形態では、保持シャフト38の先端部は、別体のガイドピン55が取り付けられて構成されている。
【0036】
ガイドピン55は、略円柱状に形成された頭部55aと、頭部55aより小径に形成された雄ねじ部55bと、を有している。
【0037】
連結部材41は、下小径部41aと、下小径部41aより大径に形成された大径部41bと、下小径部41aと略同一の径に形成された上小径部41cと、を有している。
【0038】
本体部材39の下有底孔39aと、連結部材41の上小径部41cとを螺合させることで、本体部材39と連結部材41と連結されている。
【0039】
連結部材41の下小径部41aに、円環状に形成された磁石54を挿通させるとともに、連結部材41の下小径部41aと、先端部材40の上有底孔40eとを螺合させることで、連結部材41と先端部材40との間に磁石54が挟み込まれた状態で、連結部材41と先端部材40とが連結されている。
【0040】
ガイドピン55の雄ねじ部55bと、先端部材40の下有底孔40dとを螺合させることで、先端部材40とガイドピン55とが連結されている。
【0041】
以上のことより、保持シャフト38は、ナットNの貫通孔N1内に挿通可能な小径部38aと、小径部38aの軸線方向に直交するように形成された保持面部38bと、を有していることになる。詳説すれは、ガイドピン55の頭部55aが、保持シャフト38の小径部38a(特許請求の範囲における保持シャフトの小径部)とされ、先端部材40の小径部40aの下端面が保持シャフト38の保持面部38b(特許請求の範囲における保持シャフトの保持面部)とされる。
【0042】
メインホルダ33の上部には、アダプタ42が取り付けられている。アダプタ42は、小径部42aと、小径部42aより大径に形成された大径部42bと、を有して段付き円柱状に形成されている。アダプタ42には、上面から下面まで貫通する貫通孔42cが形成されている。大径部42bの外周面から、貫通孔42cまで貫通する横孔42dが形成されている。横孔42dには、エア用の継手部材43が取り付けられている。
【0043】
継手部材43は、図示しない、通気配管、エアコンプレッサと接続されている。当該エアコンプレッサのエアにより、大内径部30a、小内径部30b、大内径部32d、小内径部32e、下大内径部33a、上大内径部33b、小内径部33c、貫通孔42c内の塵芥等をエアブロー可能とされている。
【0044】
アダプタ42の上部には、エアシリンダ45が取り付けられている。
【0045】
エアシリンダ45は、シリンダチューブ46と、ピストンロッド47と、を備え、エアシリンダ45の下側においてピストンロッド47が進退可能なものが用いられている。
【0046】
エアシリンダ45には、上から、上ポート49、下ポート51が形成され、上ポート49、下ポート51には、エア継手52、52がそれぞれ取り付けられ、吸排気の空気の流量を調整可能としている。
【0047】
上ポート49からエアが流入すると、ピストンロッド47が下側に移動し、後述する進出位置まで進出する。その状態で、エアシリンダ45へのエアの入力を遮断して、大気開放することで、保持シャフト38が、後述するガイドピン19と接触すると、上側に押し戻されることが可能とされている。そして、下ポート51からエアが流入すると、ピストンロッド47が持ち上げられ、後述する溶接位置まで移動する。
【0048】
シリンダチューブ46の下端部分に形成された小径部46aと、アダプタ42の貫通孔42cと、を螺合することで、エアシリンダ45とアダプタ42とが連結されている。
【0049】
ピストンロッド47の下端部47aが、保持シャフト38の本体部材39の上有底孔39bと螺合されることによって、ピストンロッド47と保持シャフト38とが連結されている。
【0050】
本実施形態では、保持シャフト38は、大内径部30a、小内径部30b、大内径部32d、小内径部32e、下大内径部33a、上大内径部33b、小内径部33c、貫通孔42c内を移動可能に配設されている。
【0051】
アダプタ42の貫通孔42c、メインホルダ33の上大内径部33b、小内径部33cの上部、の領域に、ピストンロッド47のロッド部分が挿通されている。
【0052】
そして、メインホルダ33の小内径部33cの内面と、保持シャフト38の本体部材39の外面との間には、円筒状に形成された樹脂カラー53が取り付けられている。
【0053】
部品供給装置100は、上支持アーム12に取付フレーム101を介して取り付けられている。
【0054】
部品供給装置100は、
図3、4、7~9等に示すように、固定シュート110と、可動シュート120と、個別送りユニット150と、を有している。なお、
図4では、説明を容易にするために、分割片130Bを外して作図している。
【0055】
固定シュート110は、シュートホース111と、シュートブロック112と、を備えている。
【0056】
シュートホース111は、内部にナットNが通過可能なナット通路111aを有した筒状に形成され、長手方向における一端側(上端側)でナットフィーダーと接続された送給ホースと接続されている。
【0057】
シュートホース111には、シュートホース111の下側の壁を外面から内面まで貫通する貫通孔として形成された、後述する、第一エアシリンダ152の第一係止ピン152bが挿通される第一挿通孔111bと、第二エアシリンダ153の第二係止ピン153bが挿通される第二挿通孔111cと、が配設されている。
【0058】
さらに、シュートホース111には、シュートホース111の上側の壁を外面から内面まで貫通する貫通孔として形成された、後述するエア用の継手部材154からのエアが通気可能な通気孔111dが配設されている。
【0059】
第一挿通孔111b、第二挿通孔111c、通気孔111dは、ナット通路111aと連通するように形成されている。
【0060】
シュートブロック112は、メインシュート113と、ベース114とで構成されている。
【0061】
メインシュート113は、金属製で直方体状に形成され、左面から右面に向かう有底溝として形成され、かつ、上面から下面まで延びるナット通路形成溝113aを有している。
【0062】
ベース114は、金属製で、左面から右面に向かう有底凹部114aを有する直方体状に形成され、メインシュート113の左面を覆うように配置され、ボルト締めされて取り付けられている。
【0063】
ナット通路形成溝113aと、ベース114とで囲まれる領域が、ナットNが通過可能なナット通路112aとされる。
【0064】
シュートブロック112は、ナット通路111aとナット通路112aとが連通するように、上端側において、シュートホース111の下端側と接続されている。
【0065】
可動シュート120は、前後方向において線対称な形状とされる、一対の分割片130A、130Bで構成されている。また、一対の分割片130A、130Bは、特許請求の範囲のシュートの先端部として構成される(先端部123とする)。
【0066】
分割片130A、130Bは、通路形成部材131A、131Bと、レバー135A、135Bと、を備えている。
【0067】
通路形成部材131A、131Bは、金属製で、前後方向からみて、外形形状が左側に屈曲する角筒状にそれぞれ形成されている。
【0068】
通路形成部材131Aでは、前面から後面に向かう有底溝131Aaが形成され、通路形成部材131Bでは、後面から前面に向かう有底溝131Baが形成されている。有底溝131Aa、有底溝131Baは、前後方向からみて、それぞれ円弧状に形成されている。
【0069】
一対の分割片130A、130Bが接近した状態において、有底溝131Aaと、有底溝131Baと、一対の有底溝131Aa、有底溝131Baの間の空間部分、で形成される領域が、ナット通路121とされている。
【0070】
有底溝131Aaと、有底溝131Baの、左端部には、磁石ホルダ132A、132Bが、それぞれ取り付けられている。磁石ホルダ132A、132Bは、有底溝131Aaと、有底溝131Baの左端部を覆い可能とされ、左面から右面に向かう有底孔として形成された図示しないホルダ孔をそれぞれ有し、当該ホルダ孔内に磁石133A、133Bがそれぞれ嵌め込まれている。
【0071】
磁石ホルダ132A、132Bの左面には、磁石133A、133Bを覆い可能な磁石押さえ134A、134Bが取り付けられている。有底溝131Aaと、有底溝131Baの左端部と、磁石ホルダ132A、132Bとで、ナットNの部品受部122が構成される。つまり、可動シュート120の先端部123に、ナットNの部品受部122が構成されることになる。
【0072】
部品受部122においてナットNは、一対の分割片130A、130Bが接近した状態のときに、磁石133A、133Bの磁力により移動を規制されて保持される。
【0073】
通路形成部材131A及び通路形成部材131Bの上部の左面には、レバー135A、135Bがそれぞれ上方に延びるように取り付けられている。レバー135A、135Bは、金属製で、上下方向に長い長尺状とされ、前後方向において線対称となるように形成されている。
【0074】
レバー135Aの前側上部分の角部は、後述するロッド部材と干渉しないように、切りかれた切欠部135Aaが、配設されている。
【0075】
レバー135Bの後側上部分の角部は、後述するロッド部材と干渉しないように、切りかれた切欠部135Baが、配設されている。
【0076】
レバー135Aの切欠部135Aaの前側下部分の角部には、左右の壁を残して切欠かれ、後述するリンク部材143Aが回動可能に形成された回動凹部135Abが配設されている。
【0077】
レバー135Bの切欠部135Ba後側下部分の角部には、左右の壁を残して切欠かれ、後述するリンク部材143Bが回動可能に形成された回動凹部135Bbが配設されている。
【0078】
分割片130A、130Bは、レバー135A、135Bを有底凹部114aに配して、レバー135A、135Bの上下方向における中央上付近において、矩形平板状のガイドプレート137A、137Bの右面と、ベース114の左面とに挟まれて配置され、軸部材138A、138Bを、ガイドプレート137A、137B、レバー135A、135B、ベース114、に挿通させて配設して、左右方向を軸として回動可能に軸支されている。
【0079】
ベース114の上側に、シリンダブラケット140を介して、エアシリンダ141が配設されている。
【0080】
シリンダブラケット140は、矩形平板状に形成され、上下方向に貫通する挿通孔140aを有している。シリンダブラケット140は、ベース114の上端面にボルト締めされて、取り付けられている。
【0081】
シリンダブラケット140の上面には、駆動手段としてのエアシリンダ141が取り付けられ、駆動ロッド141aが、シリンダブラケット140の挿通孔140aを挿通するように配置され上下方向への移動を許容されている。
【0082】
駆動ロッド141aの下端部には、ナックルジョイント142がとりつけられている。
【0083】
ナックルジョイント142の下端部には、リンク部材143A、リンク部材143Bが、軸部材144Cを用いて、ナックルジョイント142に対して回動可能に取り付けられている。
【0084】
リンク部材143Aは、回動凹部135Abにおいて、軸部材144Aを用いて、レバー135Aに対して回動可能に取り付けられている。
【0085】
リンク部材143Bは、回動凹部135Bbにおいて、軸部材144Bを用いて、レバー135Bに対して回動可能に取り付けられている。
【0086】
エアシリンダ141の駆動により、駆動ロッド141aが上下動し、それに伴って、リンク部材143A、リンク部材143Bが開閉することで、一対の分割片130A、130Bが、接近・離隔可能とされている。
【0087】
個別送りユニット150は、
図4、8、9等に示すように、シリンダブラケット151と、第一エアシリンダ152と、第二エアシリンダ153と、を備えている。
【0088】
シリンダブラケット151は、金属製で、上下方向からみて、前壁部151aと下壁部151bとを有した略L字状に形成され、前壁部151aの下壁部151bとは反対側の端部においてシュートホース111に取り付けられている。
【0089】
シリンダブラケット151の下壁部151bには、第一エアシリンダ152と、第一エアシリンダ152よりナットNの送り方向上流側(
図8における右斜め上側)に位置する第二エアシリンダ153と、が下側の壁を挿通させて取り付けられている。
【0090】
第一エアシリンダ152のピストンロッド152aには、第一係止ピン152bが配設され、第二エアシリンダ153のピストンロッド153aには、第二係止ピン153bが配設されている。
【0091】
第二エアシリンダ153は、第一エアシリンダ152より、ナットNの送り方向の上流側に配置されていることになる。
【0092】
第一係止ピン152bは、シュートホース111の第一挿通孔111bに挿通され、第二係止ピン153bは、シュートホース111の第二挿通孔111cに挿通され、ナット通路111a内と、ナット通路111a外とを出入り可能とされる。第一係止ピン152b、第二係止ピン153bは、ナット通路111a内のナットNを、係止させたり、係止を解除して送給可能としたりするものである。
【0093】
第一係止ピン152bと、第二係止ピン153bとは、ナットN一個分の間隔が設けられ、第一係止ピン152bがナット通路111a外に移動してナットNを送り出すときに、第二係止ピン153bがナット通路111a外からナット通路111a内に移動して並んでいる二個目以降のナットNを係止して、ナットNを一個ずつ送りだすこととされている。そして、ナットNを送り出したら、第一係止ピン152bはナット通路111a内に移動し、第二係止ピン153bは、ナット通路111a外に移動する。
【0094】
第一エアシリンダ152、第二エアシリンダ153は、図示しない制御回路、エアコンプレッサに接続されている。
【0095】
シュートホース111の通気孔111dには、継手部材154が配設されている。継手部材154は、図示しない、通気配管、エアコンプレッサと接続されている。継手部材154は、当該エアコンプレッサのエアにより、ナットNを部品受部122に向けてエアブロー可能とされている。
【0096】
上記構成の小物部品供給ユニット200の機能、作用を説明する。
【0097】
図10の状態においては、可動電極16は、一番上の位置にあり、エアシリンダ45のピストンロッド47は、一番上の位置にあり、保持シャフト38は、可動電極16内に位置している。また、エアシリンダ141の駆動ロッド141aは、一番下の位置にあり、一対の分割片130A、130Bの軸部材138A、138Bより下側の部分が、離隔した状態にある。さらに、第一係止ピン152bは、ナット通路111a内に位置して、送り方向における一番前に位置するナットNを係止し、第二係止ピン153bは、ナット通路111a外に位置している。
【0098】
図11では、可動電極16は、一番上の位置にあり、エアシリンダ45のピストンロッド47、保持シャフト38は、
図10と同じ状態にあり、エアシリンダ141の駆動ロッド141aは、一番上の位置にあり、一対の分割片130A、130Bの軸部材138A、138Bより下側の部分が、接近した状態にある。さらに、第一係止ピン152bは、ナット通路111a外に移動して、第二係止ピン153bは、ナット通路111a内に位置して、送り方向における二番目に位置していたナットNを係止している。このとき、送り方向における一番前に位置していたナットNが、エアブローにより、部品受部122に送られて保持されている。
【0099】
図12では、可動電極16は、一番上の位置にあり、エアシリンダ45のピストンロッド47、保持シャフト38の、一番下の位置(進出位置とする)にあり、ガイドピン55の頭部55aは、ナットNの貫通孔N1内に挿通されて、ナットNを保持している。
【0100】
このとき、磁石54の磁力は、保持面部38bに作用し、保持面部38bでナットNの上面を確実に保持することができる。保持面部38bでナットNを保持したら、エアシリンダ45の上ポート49を、大気に開放状態とする。
【0101】
また、一対の分割片130A、130B、第一係止ピン152b、第二係止ピン153bは、
図11と同じ状態にある。
【0102】
図13では、可動電極16は、一番上の位置にあり、エアシリンダ141の駆動ロッド141aは、一番下の位置にあり、一対の分割片130A、130Bの軸部材138A、138Bより下側の部分が、離隔した状態にある。また、ナットNは、保持面部38bで保持されている。
【0103】
さらに、第一係止ピン152bは、ナット通路111a内に移動し、第二係止ピン153bは、ナット通路111a外に移動している。第一係止ピン152bは、送り方向における二番目に位置していたナットNを係止している。
【0104】
図14では、可動電極16が下側に移動し、保持シャフト38のガイドピン55が、固定電極18のガイドピン19と接触し、ガイドピン19にナットNが受け渡された状態にある。
【0105】
また、図示しないナットフィーダーから、送り方向における二番目のナットNが送られてきている。
【0106】
図15では、可動電極16がさらに下側に移動し、ガイドピン19に受け渡されたナットNと接触して、ワークWとナットNが押される。このとき、エアシリンダ45の上ポート49は、大気に開放状態にあるので、ガイドピン55が可動電極16内に押し戻される。よって、ガイドピン55が、ガイドピン19を押し下げることは無いため、ナットNの位置ずれを発生させない。
【0107】
溶接電流が流れる前に、下ポート51からエアが流入して、エアシリンダ141の駆動ロッド141a、保持シャフト38は、一番上の位置の溶接位置(
図11参照)まで移動する。保持シャフト38が、ガイドピン19から離れたら、溶接電流が流れ、ワークWとナットNとが溶接される。
【0108】
通電が終了すると、
図11の状態に戻り、1サイクルが終了する。
【0109】
上記発明を可動電極側装置としてみれば、ワークWと、貫通孔N1を有したナットNと、を溶接する抵抗溶接機10に、ナットNを供給する小物部品供給ユニット200に用いられ、
抵抗溶接機10の可動電極16に配され、部品供給装置100から送給されてきたナットNを受け止める可動電極側装置であって、
可動電極16を構成するとともに、可動電極16に対して、可動電極16内を、可動電極16の軸線に沿って移動可能、かつ、ナットNを吸着保持可能な保持シャフト38を有し、
保持シャフト38は、
ナットNの貫通孔N1内に挿通可能な小径部38aと、小径部38aの軸線方向に直交するように形成された保持面部38bと、を有し、
エアシリンダ45により、
可動電極16内に位置して、ナットNを溶接可能な溶接位置と、可動電極16から突出し、部品供給装置100から送給されてきたナットNの貫通孔N1内に挿通されて、ナットNを保持する進出位置と、の間を移動可能とされ、
保持シャフト38には、磁石54が配設されている。
【0110】
これによれば、保持シャフト38に配設された磁石54により、小径部38aの軸線方向に直交するように形成された保持面部38bに磁力が付与され、その保持面部38bでナットNを保持できるので、ナットNが保持シャフト38から滑り落ちることを防止できる。
【0111】
また、保持シャフト38は、エアシリンダ45により、溶接位置と、進出位置と、の間を移動可能とされ、
エアシリンダ45の上ポート49へエアを入力することにより、可動電極16内から進出位置に進出し、
エアシリンダ45の上ポート49へのエアの入力を遮断して、大気開放したあとに、エアシリンダ45の下ポート51へエアを入力することにより、保持シャフト38が、進出位置から溶接位置に移動可能とされている。
【0112】
これによれば、ワークWと、ナットNと、を溶接するときに、保持シャフト38が、固定電極18側のガイドピン19と接触して、可動電極16内に押し戻されるため、固定電極18側のガイドピン19を押し戻すことが無くなるので、ナットNの位置ずれを防止することができる。そのうえで、保持シャフト38を、進出位置から溶接位置に移動させて、ワークWと、ナットNと、を溶接するので、溶接の不具合を防止することができる。
【0113】
また、小物部品供給ユニットとしてみれば、ワークWと、貫通孔N1を有したナットNと、を溶接する抵抗溶接機10に、ナットNを供給する小物部品供給ユニットであって、
抵抗溶接機10の非可動部位に取り付けられる部品供給装置100と、抵抗溶接機10の可動電極16に配される可動電極側装置20と、を備え、
部品供給装置100は、抵抗溶接機10の可動電極16の移動軌跡上に先端部123を配置可能な可動シュート120を備え、
可動シュート120の先端部123は、上流側から送給されてきたナットNを受け止め可動電極16への移し替えを可能にする部品受部122を有し、エアシリンダ141により駆動されることにより、
可動電極16の近傍に位置して、ナットNを供給可能とする供給状態と、
可動電極16と干渉が生じない退避状態と、
を取り得るように構成され、
可動シュート120の先端部123が供給状態において、部品受部122に配されたナットNを、保持シャフト38が、可動電極16内から進出位置に進出してナットNを保持させた状態で、可動シュート120の先端部123を退避状態とし、可動電極16でナットNをワークWに溶接するときに、保持シャフト38が溶接位置に移動する。
【0114】
これによれば、上記の可動電極側装置20の作用効果を奏することに加え、部品供給装置100と、可動電極側装置20とに機能を分けて、簡素な構造で低コスト、かつ、耐久性を有する小物部品供給ユニットとすることができる。
【0115】
本発明の可動電極側装置及び小物部品供給ユニットは、当該構成に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
【0116】
本発明における可動電極側装置の変形例を図面に基づいて説明する。
【0117】
可動電極16には、ナットNを保持可能な可動電極側装置420が配設されている。可動電極側装置420は、
図16~18に示すように、電極チップ430と、シャンク431と、ホルダ432と、保持シャフト433と、ガイドピン455と、を有している。
【0118】
電極チップ430は、円筒状に形成され、上下方向に貫通する貫通孔を有し、当該貫通孔は、電極チップ430の上面から下面に向かう大内径部430aと、大内径部430aより小径に形成された小内径部430bと、を有している。小内径部430b内には、後述する保持シャフト433の小径部433aが挿通可能とされている。
【0119】
シャンク431は、下小径部431aと、下小径部431aより大径に形成された大径部431bと、下小径部431aとほぼ同じ径に形成された上小径部431cと、を有している。シャンク431は、上下方向にそって円形に貫通する段付き貫通孔を有している。当該段付き貫通孔は、シャンク431の上面から下面に向かう大内径部431dと、大内径部431dより小径に形成された小内径部431eと、を有している。
【0120】
大内径部431dには、保持シャフト433の、後述する、小径部433a、中径部433b、フランジ部433cが、小内径部431eには、保持シャフト433の小径部433aが、挿通可能とされている。
【0121】
ホルダ432は、大径部432aと、大径部432aより小さい径に形成された小径部432bと、を有して、段付き円柱状に形成され、小径部432bにおいて可動電極16に嵌め込まれている。
【0122】
ホルダ432は、大径部432aの下面から上側に向かう有底孔432cと、有底孔432cの上側の端面から上方に向かって延びる縦孔部432dと、縦孔部432dから横方向に延びる横孔部432eと、を有している。横孔部432eには、継手部材443が配設され、図示しない通気配管が接続され、さらに電極正圧手段としてのエアコンプレッサに接続されている。
【0123】
保持シャフト433は、小径部433aと、小径部433aより大径に形成された中径部433bと、中径部433bより大径に形成されたフランジ部433cと、を有して略段付き円柱状に形成されている。
【0124】
保持シャフト433は、下面から上面に向かう下有底孔433dを有している。
【0125】
ガイドピン455は、略円柱状に形成された頭部455aと、頭部455aより小径に形成された雄ねじ部455bと、を有している。
【0126】
ガイドピン455の雄ねじ部455bと、保持シャフト433の下有底孔433dとを螺合させることで、保持シャフト433とガイドピン455とが連結されている。
【0127】
本変形例では、ガイドピン455の頭部455aが、保持シャフト433の小径部433A(特許請求の範囲における保持シャフトの小径部)とされ、保持シャフト433の小径部433aの下端面が保持シャフト433の保持面部433B(特許請求の範囲における保持シャフトの保持面部)とされる。
【0128】
保持シャフト433のフランジ部433cの上面に磁性体としての磁石434が取り付けられている。よって、保持シャフト433に磁性体が配設されていることになる。
【0129】
保持シャフト433の中径部433bの下面と、シャンク431の大内径部431dの下側の端面とに、上下の端部を当接させたコイルスプリング436が配置されている。コイルスプリング436は、保持シャフト433を上側に付勢している。
【0130】
保持シャフト433の小径部433aと中径部433bの境界部分には、ウレタンワッシャ437が取り付けられている。
【0131】
電極チップ430の大内径部430aに、シャンク431の下小径部31aが嵌め込まれて結合され、シャンク431の上小径部431cと、ホルダ432の有底孔432cの内周面とがねじ結合等され、可動電極側装置420が一体形成されている。
【0132】
本実施形態では、シャンク431の大内径部431dと、小内径部431e、及び、電極チップ430の大内径部430aと、小内径部430bの領域に、保持シャフト433が配されている。
【0133】
シャンク431の大内径部431dと、ホルダ432の有底孔432cと、縦孔部432dと、横孔部432eとが連通することで、正圧通路421が形成される。
【0134】
正圧通路421は、電極正圧手段としての図示しないエアコンプレッサに接続されている。正圧通路421に、保持シャフト433が配置されている。当該エアコンプレッサのエアにより、フランジ部433c側が押されて、小径部433aが電極チップ430の下端から突出するように配置されている。当該エアコンプレッサのエアが無い場合には、コイルスプリング436の付勢力により、小径部433aが電極チップ430内に戻される。
【0135】
よって、保持シャフト433は、付勢部材としてのコイルスプリング436と、電極正圧手段に接続されエアを流通可能な正圧通路421との組み合わせ、により、溶接位置と、進出位置と、の間を移動可能とされている。
【0136】
このような構成としても、ナットNが保持シャフト433から滑り落ちることを防止でき、ナットNの位置ずれを防止することができる。さらに、簡素な構造で低コスト、かつ、耐久性を有する小物部品供給ユニットとすることができる。
【0137】
また、例えば、エアシリンダ以外の、流体圧シリンダを用いることができる。
【符号の説明】
【0138】
10 抵抗溶接機
16 可動電極
20 可動電極側装置
38 保持シャフト
38a 小径部
38b 保持面部
45 エアシリンダ
46 シリンダチューブ
49 上ポート
51 下ポート
54 磁石
100 部品供給装置
120 可動シュート
122 部品受部
123 先端部
141 エアシリンダ
200 小物部品供給ユニット
420 可動電極側装置
421 正圧通路
433 保持シャフト
433A 小径部
433B 保持面部
434 磁石
436 コイルスプリング
N ナット
N1 貫通孔
W ワーク