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特許7539716温度測定センサーモジュール及びこれを含む温度測定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】温度測定センサーモジュール及びこれを含む温度測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/16 20060101AFI20240819BHJP
   G01K 7/02 20210101ALI20240819BHJP
【FI】
G01K1/16
G01K7/02 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022098759
(22)【出願日】2022-06-20
(65)【公開番号】P2023025664
(43)【公開日】2023-02-22
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105371
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0024721
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518355814
【氏名又は名称】エクセロ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(73)【特許権者】
【識別番号】524276363
【氏名又は名称】パク,ソン ジェ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソン ジェ
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-160324(JP,U)
【文献】特開2015-078851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源部の温度を測定するための感知端部を有するセンサー部、
熱伝導性素材からなり、前記感知端部に連結された状態で前記熱源部に露出する温度測定領域を有し、前記熱源部から前記温度測定領域に伝達される熱を前記温度測定領域の表面に沿って前記感知端部に伝達する熱伝導パネル、及び、
前記熱伝導パネルを中心に前記熱源部の反対側に配置され、前記熱源部及び前記熱伝導パネルの熱が外部に放出されたり、外部の熱が前記熱伝導パネルに伝達されることを遮断する断熱パネルを含むことを特徴とする温度測定センサーモジュールであって、
前記熱伝導パネルは、前記温度測定領域の少なくとも一部を形成するパターン部を有し、
前記パターン部は、
前記感知端部に連結される第1内側領域、前記第1内側領域から第1直線距離だけ離隔して配置される第1外側領域、及び、前記第1内側領域と前記第1外側領域とを連結する第1延長部、を有する第1パターン部、及び、
前記感知端部に連結される第2内側領域、前記第2内側領域から前記第1直線距離より長い第2直線距離だけ離隔して配置される第2外側領域、及び、前記第2内側領域と前記第2外側領域とを連結する第2延長部、を有する第2パターン部、を含み、
前記第1延長部と前記第2延長部とは互いに異なる長さを有し、
前記第1延長部は第1熱伝導率を有し、
前記第2延長部は、前記第1熱伝導率より大きい第2熱伝導率を有することを特徴とする、温度測定センサーモジュール。
【請求項2】
熱源部の温度を測定するための感知端部を有するセンサー部、
熱伝導性素材からなり、前記感知端部に連結された状態で前記熱源部に露出する温度測定領域を有し、前記熱源部から前記温度測定領域に伝達される熱を前記温度測定領域の表面に沿って前記感知端部に伝達する熱伝導パネル、及び、
前記熱伝導パネルを中心に前記熱源部の反対側に配置され、前記熱源部及び前記熱伝導パネルの熱が外部に放出されたり、外部の熱が前記熱伝導パネルに伝達されることを遮断する断熱パネルを含み、
前記熱伝導パネルは、前記温度測定領域の少なくとも一部を形成するパターン部を有し、
前記パターン部は、
前記感知端部に連結される第1内側領域、前記第1内側領域から第1直線距離だけ離隔して配置される第1外側領域、及び、前記第1内側領域と前記第1外側領域とを連結する第1延長部、を有する第1パターン部、及び、
前記感知端部に連結される第2内側領域、前記第2内側領域から前記第1直線距離より長い第2直線距離だけ離隔して配置される第2外側領域、及び、前記第2内側領域と第2外側領域とを連結する第2延長部、を有する第2パターン部、を含み、
前記熱伝導パネルは、
前記第1外側領域又は前記第2外側領域に配置され、前記熱源部から伝達される熱を収集する熱収集部をさらに含み、
前記熱収集部は、前記第1パターン部及び前記第2パターン部より熱伝導率が大きい素材からなることを特徴とする、温度測定センサーモジュール。
【請求項3】
前記センサー部は、
前記感知端部を熱接点とする熱電対部、及び、
前記熱電対部の冷接点に連結され、前記熱電対部の温度による熱起電力から温度を算出する処理部、を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の温度測定センサーモジュール。
【請求項4】
請求項1または2に記載の温度測定センサーモジュール、及び、
前記温度測定センサーモジュールで測定及び処理された温度情報を受信し、前記温度測定領域に対する温度を表示する管理モジュール、を含むことを特徴とする温度測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度測定センサーモジュール及びこれを含む温度測定システムに関し、より詳細には、作業者の接近が不可能であったり、外部環境によって温度測定が不可能な高温設備にコンパクトな構造で設置可能であり、高温設備の温度を迅速且つ正確に獲得できる温度測定センサーモジュール及びこれを含む温度測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気車両のバッテリーにおいては、温度が車両の作動状態や安全に直結するので、バッテリー温度制御が非常に重要である。さらに、鉄鉱石などの原料を溶解することによって溶鉄を生産する溶解炉のように、高温環境で使用される耐火構造物においても、作動温度が生産される製品の品質と直結するので、耐火構造物の温度を制御することが非常に重要である。
【0003】
結局、温度センサーを用いてバッテリーや耐火構造物などのように高温環境に晒される感知対象物の温度をリアルタイムで測定することによって、感知対象物に対する最適な作動環境を維持したり、火災などの事故の危険を予防できるようになる。
【0004】
しかし、溶解炉のように高温環境に晒される感知対象物の場合は、作業者の接近が不可能であったり、高温の環境によって温度測定センサーの設置に困難がある。また、一般に、従来の温度センサーとしては、感知対象物に対する特定ポイントの温度を測定する1点式温度センサーがほとんどのため、溶解炉のように広い感知対象物に対する温度を正確に測定することは難しい。
【0005】
また、広い領域での温度を正確に測定するために、多数の1点式温度センサーを組み合わせて使用してもよいが、この場合、多数の温度センサーを感知対象物に設置するのに構造的な困難があり、多数の温度センサーで測定された感知情報を収集及び処理するのにも構造的な制約がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第2006-0063405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した問題を解決するための本発明の課題は、作業者の接近が不可能であったり、外部環境によって温度測定が不可能な高温設備にコンパクトな構造で設置可能であり、高温設備の温度を迅速且つ正確に獲得できる温度測定センサーモジュール及びこれを含む温度測定システムを提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されなく、言及していない他の課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するための本発明の実施例に係る温度測定センサーモジュールは、熱源部の温度を測定するための感知端部を有するセンサー部;熱伝導性素材からなり、前記感知端部に連結された状態で前記熱源部に露出する温度測定領域を有し、前記熱源部から前記温度測定領域に伝達される熱を前記温度測定領域の表面に沿って前記感知端部に伝達する熱伝導パネル;及び前記熱伝導パネルを中心に前記熱源部の反対側に配置され、前記熱源部及び前記熱伝導パネルの熱が外部に放出されたり、外部の熱が前記熱伝導パネルに伝達されることを遮断する断熱パネル;を含むことを特徴とする。
【0010】
本実施例に係る温度測定センサーモジュールにおいて、前記熱伝導パネルは、前記温度測定領域の少なくとも一部を形成するパターン部を有し得る。
【0011】
本実施例に係る温度測定センサーモジュールにおいて、前記パターン部は、前記感知端部に連結される第1内側領域、前記第1内側領域から第1直線距離だけ離隔して配置される第1外側領域、及び前記第1内側領域と第1外側領域とを連結する第1延長部を有する第1パターン部;及び前記感知端部に連結される第2内側領域、前記第2内側領域から前記第1直線距離より長い第2直線距離だけ離隔して配置される第2外側領域、及び前記第2内側領域と第2外側領域とを連結する第2延長部を有する第2パターン部;を含み得る。
【0012】
本実施例に係る温度測定センサーモジュールにおいて、前記第1延長部と前記第2延長部の長さは同一になり得る。
【0013】
本実施例に係る温度測定センサーモジュールにおいて、前記第1延長部と前記第2延長部は互いに異なる長さを有し、前記第1延長部は第1熱伝導率を有し得、前記第2延長部は、前記第1熱伝導率より大きい第2熱伝導率を有し得る。
【0014】
本実施例に係る温度測定センサーモジュールにおいて、前記第1延長部と前記第2延長部は互いに異なる長さを有し、前記第1延長部は第1面積を有し得、前記第2延長部は、前記第1面積より広い第2面積を有し得る。
【0015】
本実施例に係る温度測定センサーモジュールにおいて、前記熱伝導パネルは、前記第1外側領域又は前記第2外側領域に配置され、前記熱源部から伝達される熱を収集する熱収集部;をさらに含み得、前記熱収集部は、前記第1パターン部及び前記第2パターン部より熱伝導率が大きい素材からなり得る。
【0016】
本実施例に係る温度測定センサーモジュールにおいて、前記センサー部は、前記感知端部を熱接点とする熱電対部と、前記熱電対部の冷接点に連結され、前記熱電対部の温度による熱起電力から温度を算出する処理部とを含み得る。
【0017】
本発明の実施例に係る温度測定システムは、上述した温度測定センサーモジュール;及び前記温度測定センサーモジュールで測定及び処理された温度情報を受信し、前記温度測定領域に対する温度を表示する管理モジュール;を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、感知端部に連結された状態で温度測定領域の表面と平行に延長形成される熱伝導パネルを有する温度測定センサーモジュールを用いることによって、熱源部の温度又は熱源部が充填される構造物に伝達される温度を速く正確に測定及び処理することができ、このように獲得された温度情報から熱源部又は熱源部が充填される構造物に対する安定的且つ体系的な管理が可能である。
【0019】
本発明の効果は、上記の効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は特許請求の範囲に記載の発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例に係る温度測定センサーモジュールを示した全体例示図である。
図2】本発明の一実施例に係る熱伝導パネルの温度測定領域を示した平面例示図である。
図3】本発明の第1実施例に係る熱伝導パネルのパターン部を示した平面例示図である。
図4図3の変形例を示した平面例示図である。
図5】本発明の第2実施例に係る熱伝導パネルのパターン部を示した平面例示図である。
図6】本発明の第3実施例に係る熱伝導パネルのパターン部を示した平面例示図である。
図7】本発明の第4実施例に係る熱伝導パネルのパターン部を示した平面例示図である。
図8】本発明の第5実施例に係るパターン部のない熱伝導パネルを示した平面例示図である。
図9】本発明の一実施例に係る温度測定システムを示したブロック例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、上述した解決しようとする課題が具体的に実現され得る本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。本実施例を説明するにおいて、同一の構成に対しては同一の名称及び同一の符号が使用され得、これによる付加的な説明は省略される場合がある。
【0022】
明細書全体において、一つの部分が他の部分と「連結(接続、接触、結合)」されているとしたとき、これは、「直接連結」されている場合のみならず、その中間に他の部材を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。また、一つの部分が一つの構成要素を「含む」としたとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに備えることができることを意味する。
【0023】
本明細書で使用した用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎなく、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0024】
図1は、本発明の実施例に係る温度測定センサーモジュールを示した全体例示図で、図2は、図1の熱伝導パネルの温度測定領域を示した平面例示図である。
【0025】
図1及び図2を参照すると、本実施例に係る温度測定センサーモジュール10は、センサー部100、熱伝導パネル200及び断熱パネル300を含んでもよい。
【0026】
まず、熱を発生させる熱源部は、任意の状態、すなわち、液体、気体又は固体であってもよい。例えば、熱源部は、電気車両のバッテリーであってもよく、原料を溶解することによって溶鉄を生産する溶解炉の耐火構造物であってもよく、溶解炉の耐火構造物の内部に充填される高温の気体であってもよい。
【0027】
センサー部100は、熱源部の温度を測定するための感知端部(図3の110)を有してもよい。
【0028】
感知端部110には、温度測定領域200Aごとに一つの感知端部が配置されてもよい。
【0029】
実施例に係るセンサー部100は、感知端部110を熱接点とする熱電対部と、熱電対部の冷接点に連結され、熱電対部の温度による熱起電力から温度を算出する処理部とを含んでもよい。
【0030】
具体的に、熱電対部は、互いに異なる種類の金属線を含み、前記金属線の両側端部を接続したとき、金属線の一側接続端部である熱接点(測温接点)と、金属線の他側接続端部である冷接点(基準接点)との間の温度差により、金属線には電流が流れるようになる。このような熱電対部の熱接点が感知端部110に該当することができ、熱接点を含む熱電対部は、チューブなどのカバー部材に埋められて保護され得る。
【0031】
そして、処理部は、熱電対部の熱接点と冷接点との間の温度差値と、熱電対部で発生する熱起電力との関係から前記熱接点での実際の温度情報を獲得することができる。このような処理部としては電圧計が使用されてもよい。もちろん、センサー部100としては、測定対象となる熱源部の種類によって、熱電対のみならず、公知となっている多様な種類の温度センサーが使用されてもよい。
【0032】
また、センサー部100は、第1通信部をさらに有してもよく、第1通信部は、センサー部100で測定及び処理された温度情報を外部の管理モジュール20(図9参照)に送信することができ、管理モジュール20から伝達される制御信号を受信することができる。
【0033】
熱伝導パネル200は、熱伝導性素材を含む素材で製作され得る。
【0034】
熱伝導パネル200は、センサー部100の感知端部110に連結された状態で熱源部に露出する温度測定領域200Aを有してもよい。このような熱伝導パネル200は、熱源部から温度測定領域200Aに伝達される熱を収集し、この収集された熱を温度測定領域200Aの表面に沿ってセンサー部100の感知端部110に伝達することができる。
【0035】
温度測定領域200Aは、熱伝導パネル200の枠部に沿って延長される仮想の外郭線によって区画される領域であってもよい。そして、熱伝導パネル200は、仮想の区画線によって区画される複数個の温度測定領域200Aで構成されてもよい。
【0036】
実施例に係る熱伝導パネル200はパターン部を有してもよく、パターン部は、基本的に感知端部110を中心に温度測定領域200Aの枠領域に行くほど全体的に均一なパターンを有することができる。
【0037】
パターン部は、温度測定領域200Aの少なくとも一部を形成することができる。すなわち、熱伝導パネル200は、平面図上で後述する断熱パネル300を完全に覆うように設けられてもよく、断熱パネル300の一部のみをカバーするパターンを有してもよい。
【0038】
パターン部は、センサー部100の感知端部110に連結される内側領域、内側領域から離隔して配置される外側領域、及び内側領域と外側領域とを連結する延長部を有してもよい。ここで、内側領域は、感知端部110に相対的に近い領域に該当し得、外側領域は、温度測定領域200Aの枠領域に該当し得る。このようなパターン部に対しては後で詳細に説明する。
【0039】
また、熱伝導パネル200は、熱収集部214をさらに有してもよい。熱収集部214は、パターン部とは異なる熱伝導率を有する素材からなってもよく、パターン部より大きい熱伝導率を有してもよい。熱収集部214は、パターン部の外側領域に配置されてもよい。これによって、熱源部の熱は、熱収集部214が備えられたパターン部の外側領域に相対的に速く伝達され得る。
【0040】
断熱パネル300は、熱伝導パネル200の他面に配置されてもよく、熱伝導パネル200を中心に熱源部の反対側に配置されてもよい。
【0041】
このような断熱パネル300は、熱源部及び熱伝導パネル200の熱が断熱パネル300の外部に放出されることを抑制することができ、外部から伝達される熱が熱伝導パネル200及び感知端部110に伝達されることを抑制することができる。このように感知端部110及び熱伝導パネル200に外部熱源が伝達されることを遮断し、温度測定の正確度を高めることができる。
【0042】
一方、温度測定センサーモジュール10は、パネル支持板400をさらに含んでもよい。パネル支持板400は、断熱パネル300の一面に配置されてもよく、断熱パネル300を固定支持することができる。
【0043】
パネル支持板400、断熱パネル300及び熱伝導パネル200は、積層構造をなすことができる。また、パネル支持板400、断熱パネル300及び熱伝導パネル200の積層構造体は、熱源部を収容する構造物の一部であってもよい。また、パネル支持板400、断熱パネル300及び熱伝導パネル200の積層構造体は、構造物の形状に相応するように平坦な形状或いは曲面形状を有してもよい。また、パネル支持板400、断熱パネル300及び熱伝導パネル200の積層構造体は、屈曲可能な柔軟材質からなってもよい。
【0044】
以上のように、本実施例に係る温度測定センサーモジュール10は、温度測定領域200Aの少なくとも一部を形成する熱伝導パネル200を通じて温度測定領域200Aに対する温度を速く正確に獲得することができる。
【0045】
以下、図3乃至図8を参照して、本発明の多様な実施例に係るパターン部を有する熱伝導パネルに対して詳細に説明する。
【0046】
図3は、本発明の第1実施例に係る熱伝導パネルのパターン部を示した平面例示図である。
【0047】
図3を参照すると、本実施例に係る熱伝導パネル200はパターン部を有してもよい。
【0048】
パターン部は、第1パターン部210及び第2パターン部220を有してもよい。
【0049】
第1パターン部210は、第1内側領域211、第1外側領域212及び第1延長部213を有してもよい。
【0050】
第1内側領域211は、温度測定領域200Aの内側中心領域に配置されてもよく、センサー部100の感知端部110に連結されてもよい。
【0051】
第1外側領域212は、温度測定領域200Aの外側枠領域に配置されてもよく、第1内側領域211から第1直線距離d1だけ離隔して配置されてもよい。
【0052】
第1延長部213は、第1内側領域211と第1外側領域212とを連結することができる。第1延長部213は、第1外側領域212と第1内側領域211が互いに離れた距離、すなわち、第1直線距離d1より長くてもよい。例えば、第1延長部213は、平面図上でジグザグ形状や弧形状などの非定型な形状を有し、第1内側領域211から第1外側領域212に向かって延長形成されてもよい。
【0053】
第2パターン部220は、第2内側領域221、第2外側領域222及び第2延長部223を有してもよい。
【0054】
第2内側領域221は、温度測定領域200Aの内側中心領域に配置されてもよく、センサー部100の感知端部110に連結されてもよい。
【0055】
第2外側領域222は、温度測定領域200Aの外側枠領域に配置されてもよく、第2内側領域221から第2直線距離d2だけ離隔して配置されてもよい。このとき、第2直線距離d2は、第1直線距離d1より長く形成されてもよい。
【0056】
第2延長部223は、第2内側領域221と第2外側領域222とを連結することができる。第2延長部223は、第2直線距離d2より長くてもよい。例えば、第2延長部223は、平面図上でジグザグ形状や弧形状などの非定型な形状を有し、第2内側領域221から第2外側領域222に向かって延長形成されてもよい。
【0057】
ここで、本実施例によると、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差とは関係なく、第1延長部213と第2延長部223の長さL1は互いに同一であってもよい。すなわち、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差が発生することによって、第1延長部213と第2延長部223が同一の長さL1を有するためには、図示したように互いに異なる形状のパターンを有するようになる。
【0058】
結果的に、第1延長部213と第2延長部223の長さL1を同一に設定することによって、第1外側領域212及び第2外側領域222から感知端部110にそれぞれ伝達される 熱伝逹率に対する直線距離差d1、d2による変化を補償することができる。 ここで、熱伝達率とは、単位時間当たりの熱伝達量を意味する。
【0059】
また、熱源部から第1外側領域212に伝達された熱と、第2外側領域222に伝達された熱は、第1延長部213及び第2延長部223に沿って移動した後、同一の時間に感知端部110に到逹できるようになる。これによって、センサー部100は、温度測定領域200Aに対する温度を特定の時間帯に迅速且つ正確に獲得できるようになる。
【0060】
図3に示したように、平面図上で四角形状の温度測定領域200Aを有する熱伝導パネル200に対して感知端部110が温度測定領域200Aの中心部に配置される場合、感知端部110から相対的に近い側面領域の熱と、感知端部110から相対的に遠いコーナー領域の熱は、第1延長部213及び第2延長部223をそれぞれ経た後、同一の時間に感知端部110に到逹できるようになる。
【0061】
図4は、図3の変形例を示した平面例示図である。
【0062】
図4に示すように、センサー部100の感知端部110は、熱源部の種類或いは熱源部が充填される耐火構造物の与件により、熱伝導パネル200によって区画される温度測定領域200Aの内側空間に干渉構造物STが配置され得る。これによって、センサー部100の感知端部110は、温度測定領域200Aの中心部からずれて偏心した位置に設置される必要がある。
【0063】
このように、センサー部100の感知端部110が温度測定領域200Aの中心部から偏心した位置に配置されたとしても、上述したように、感知端部110から第1直線距離d1だけ離隔した第1外側領域212に伝達された熱と、感知端部110から第2直線距離d2だけ離隔した第2外側領域222に伝達された熱は、第1延長部2130及び第2延長部2230に沿って移動した後、同一の時間に感知端部110に到逹できるようになる。これによって、センサー部100は、温度測定領域200Aに対する温度を特定の時間帯に速く且つ正確に獲得できるようになる。
【0064】
図5は、本発明の第2実施例に係る熱伝導パネルのパターン部を示した平面例示図である。
【0065】
図5を参照すると、上述したように、パターン部は、第1パターン部210及び第2パターン部220を有してもよい。そして、第1パターン部210は、第1内側領域211、第1外側領域212及び第1延長部2131を有してもよく、第2パターン部220は、第2内側領域221、第2外側領域222及び第2延長部2231を有してもよい。これに対する重複説明は省略する。
【0066】
ここで、本実施例によると、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差により、第1延長部2131と第2延長部2231は互いに異なる長さを有することができ、このとき、第1延長部2131と第2延長部2231は、互いに異なる熱伝導率を有する素材からなってもよい。すなわち、第1延長部2131は第1熱伝導率λ1を有してもよく、第2延長部2231は、第1熱伝導率λ1より大きい第2熱伝導率λ2を有してもよい。
【0067】
結果的に、第1延長部2131と第2延長部2231の熱伝導率を互いに異なるように設定することによって、第1外側領域212及び第2外側領域222から感知端部110にそれぞれ伝達される 熱伝達率に対する直線距離差d1、d2による変化を補償することができる。
【0068】
図6は、本発明の第3実施例に係る熱伝導パネルのパターン部を示した平面例示図である。
【0069】
図6を参照すると、上述したように、パターン部は、第1パターン部210及び第2パターン部220を有してもよい。そして、第1パターン部210は、第1内側領域211、第1外側領域212及び第1延長部2132を有してもよく、第2パターン部220は、第2内側領域221、第2外側領域222及び第2延長部2232を有してもよい。これに対する重複説明は省略する。
【0070】
ここで、本実施例によると、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差により、第1延長部2132と第2延長部2232は互いに異なる長さを有することができ、このとき、第1延長部2132と第2延長部2232は互いに異なる面積を有してもよい。すなわち、第1延長部2132は第1面積A1を有してもよく、第2延長部2232は、第1面積A1より広い第2面積A2を有してもよい。
【0071】
結果的に、第1延長部2132と第2延長部2232の面積を互いに異なるように設定することによって、第1外側領域212及び第2外側領域222から感知端部110にそれぞれ伝達される 熱伝達率に対する直線距離差d1、d2による変化を補償することができる。
【0072】
図7は、本発明の第4実施例に係る熱伝導パネルのパターン部を示した平面例示図である。
【0073】
図7を参照すると、上述したように、パターン部は、第1パターン部210及び第2パターン部220を有してもよい。そして、第1パターン部210は、第1内側領域211、第1外側領域212及び第1延長部2133を有してもよく、第2パターン部220は、第2内側領域221、第2外側領域222及び第2延長部2233を有してもよい。また、第1パターン部210は、第1外側領域212に配置される第1熱収集部214をさらに有してもよく、第2パターン部220は、第2外側領域222に配置される第2熱収集部224をさらに有してもよい。
【0074】
ここで、本実施例によると、第1直線距離d1と第2直線距離d2との差により、第1延長部2133と第2延長部2233は互いに異なる長さを有することができ、このとき、第1熱収集部214と第2熱収集部224は、互いに異なる熱伝導率を有する素材からなってもよい。すなわち、第1熱収集部214は第3熱伝導率を有してもよく、第2熱収集部224は、第3熱伝導率より大きい第4熱伝導率を有してもよい。
【0075】
結果的に、第1外側領域212と第2外側領域222に互いに異なる熱伝導率を有する素材を配置し、第1内側領域211と第1外側領域212との間の温度差と、第2内側領域221と第2外側領域222との間の温度差を互いに異なるように設定することによって、第1外側領域212及び第2外側領域222から感知端部110にそれぞれ伝達される 熱伝達率に対する直線距離差d1、d2による変化を補償することができる。
【0076】
また、第1熱収集部214及び第2熱収集部224をさらに備えることによって、熱源部の熱は、熱伝導パネル200の外側領域に速く伝達された後、感知端部110により速く到逹することも可能になる。
【0077】
図3乃至図7を通じて説明した多様な実施例では、第1パターン部210及び第2パターン部220を形成するとき、第1延長部及び第2延長部の長さ、熱伝導率及び面積の設定値を個別的に調節することを説明したが、第1パターン部210及び第2パターン部220を形成するとき、第1延長部及び第2延長部の長さ、熱伝導率及び面積のうち少なくともいずれか一つの設定値を調節することによって、第1延長部及び第2延長部を経由する 熱伝達率に対する直線距離差d1、d2による変化を補償することができる。そして、このように熱伝導パネル200に備えられるパターン部の長さ、熱伝導率及び面積の設定値は、熱源部及び熱源部が充填される構造物の種類、及び感知端部110の設置位置によって適宜調節され得る。
【0078】
一方、図8は、本発明の第5実施例に係るパターン部のない熱伝導パネルを示した平面例示図である。
【0079】
図8を参照すると、本実施例に係る熱伝導パネル200は、パターン部がなく、温度測定領域200Aに相応する形状の平板形態を有してもよい。
【0080】
すなわち、実施例に係る温度測定領域200Aは円形状を有してもよく、温度測定領域200Aの中心部にセンサー部100の感知端部110が配置されてもよい。そして、熱伝導パネル200は、円形状の温度測定領域200Aに対応して感知端部110を中心に一定の半径R1を有する円形状を有してもよい。
【0081】
このように、感知端部110を中心に一定の半径R1を有する円形状の熱伝導パネル200は、パターン部がなくても、熱伝導パネル200の外側領域から感知端部110に伝達される熱伝逹率が均一になり得る。また、熱源部から熱伝導パネル200の外側領域に伝達された熱は、感知端部110に連結された内側領域に同一の時間に到逹できるようになる。
【0082】
もちろん、感知端部110を中心に一定の半径R1を有する円形状の熱伝導パネル200もパターン部を有し得るが、この場合、パターン部は、感知端部110に連結される内側領域を中心に外側領域に向かって同一の長さ、熱伝導率及び面積を有する放射状のパターン部を有してもよい。これによって、熱源部から熱伝導パネル200の外側領域に伝達された熱は、感知端部110に連結された内側領域により速く到逹できるようになる。
【0083】
以下では、本発明の実施例に係る温度測定システムに対して説明する。
【0084】
図9は、本発明の実施例に係る温度測定システムを示したブロック例示図である。
【0085】
図9をさらに参照すると、本実施例に係る温度測定システムは、温度測定センサーモジュール10及び管理モジュール20を含んでもよい。
【0086】
温度測定センサーモジュールとしては、上述した温度測定センサーモジュール10が使用されてもよい。
【0087】
管理モジュール20は第2通信部を有してもよく、第2通信部は、センサー部100で測定及び処理された温度情報を受信することができ、制御信号をセンサー部100に送信することができる。
【0088】
そして、管理モジュール20は、温度測定センサーモジュール10で測定及び処理された温度情報を処理し、温度測定領域200Aに対する温度情報を多様な出力値で表示することができる。
【0089】
管理モジュール20を運営する管理者は、管理モジュール20に表示される温度測定領域200Aに対する温度をモニタリングしながら、熱源部或いは熱源部が充填される耐火構造物の作動及び状態に対する管理を効果的に行うことができる。
【0090】
管理モジュール20は、コンピューターであってもよく、或いは管理者が携帯可能なタブレットやスマートフォンであってもよい。
【0091】
上述したように、図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明したが、該当の技術分野で熟練した当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正又は変更可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 温度測定センサーモジュール
100 センサー部
110 感知端部
200 熱伝導パネル
300 断熱パネル
20 管理モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9