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特許7539729アンテナ・イン・パッケージ及びレーダアセンブリパッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】アンテナ・イン・パッケージ及びレーダアセンブリパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/29 20060101AFI20240819BHJP
   H01Q 23/00 20060101ALI20240819BHJP
   H01Q 13/10 20060101ALI20240819BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
H01Q21/29
H01Q23/00
H01Q13/10
H01Q9/16
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023025860
(22)【出願日】2023-02-22
(62)【分割の表示】P 2021557694の分割
【原出願日】2019-04-28
(65)【公開番号】P2023062161
(43)【公開日】2023-05-02
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】521162919
【氏名又は名称】加特▲蘭▼微▲電▼子科技(上海)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】ワン ディアン
(72)【発明者】
【氏名】リー シャン
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/052994(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 21/29
H01Q 23/00
H01Q 13/10
H01Q 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ・イン・パッケージにおいて、
スロットアンテナと、
前記スロットアンテナのアンテナ送信面の上方に設けられるダイポールアンテナと、
前記スロットアンテナと前記ダイポールアンテナ間に設けられる誘電体層と、を含み、
ここで前記スロットアンテナは、前記ダイポールアンテナの反射面として前記アンテナ・イン・パッケージの指向性放射に使用され、
前記ダイポールアンテナは少なくとも一対の導体を含み、前記スロットアンテナは、
金属層と、
厚さ方向に沿って前記金属層を貫通する少なくとも一つのスロット構造と、を含み、
ここで、前記アンテナ・イン・パッケージの指向性放射の反対方向上において、前記ダイポールアンテナ中の各対の導体の投影が、それぞれ同一の前記スロット構造の対向する両側に位置する、アンテナ・イン・パッケージ。
【請求項2】
前記アンテナ・イン・パッケージにおける指向性放射方向の反対方向上において、前記ダイポールアンテナの投影が、少なくとも部分的に前記スロットアンテナのアンテナ送信面をカバーする、請求項1に記載のアンテナ・イン・パッケージ。
【請求項3】
前記アンテナ・イン・パッケージの指向性放射方向上において、前記スロットアンテナと前記ダイポールアンテナ間の間隔がd∈(0、0.75λ]であり、λは前記アンテナ・イン・パッケージが放射する電磁波の波長である、請求項1に記載のアンテナ・イン・パッケージ。
【請求項4】
前記スロットアンテナのアンテナ送信面と前記ダイポールアンテナのアンテナ送信面が互いに平行する、請求項1に記載のアンテナ・イン・パッケージ。
【請求項5】
前記誘電体層は絶縁層であり、前記スロットアンテナを前記ダイポールアンテナと離隔させるのに使用され、ここで前記誘電体層は、前記スロットアンテナと前記ダイポールアンテナ間の間隔を調節するのにさらに使用される、請求項1に記載のアンテナ・イン・パッケージ。
【請求項6】
前記アンテナ・イン・パッケージの指向性放射の延長方向を前方と定義し、前記ダイポールアンテナは前記スロットアンテナの前方に位置する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のアンテナ・イン・パッケージ。
【請求項7】
厚さ方向に沿って前記誘電体層を貫通する連結線をさらに含み、
ここで各前記導体は、前記連結線を経てそれぞれ前記スロットアンテナの導波路または給電線と電気的に連結される、請求項に記載のアンテナ・イン・パッケージ。
【請求項8】
前記スロットアンテナは導波路スロットアンテナであり、各前記導体は前記連結線を経てそれぞれ前記導波路スロットアンテナの導波路と電気的に連結され、または、
前記スロットアンテナは給電線を含む非導波路スロットアンテナであり、各前記導体は前記連結線を経てそれぞれ前記給電線と電気的に連結される、請求項に記載のアンテナ・イン・パッケージ。
【請求項9】
レーダアセンブリパッケージにおいて、
配線層と、
前記配線層上に設けられるレーダチップダイと、
請求項1ないし請求項のいずれか1項によるアンテナ・イン・パッケージと、を含み、
前記アンテナ・イン・パッケージは前記配線層を介して前記レーダチップダイと電気的に連結されるレーダアセンブリパッケージ。
【請求項10】
前記配線層上の前記レーダチップダイを密封するパッケージ層をさらに含み、
ここで、前記レーダチップダイと前記アンテナ・イン・パッケージ中の前記ダイポールアンテナは前記配線層の同一側に位置し、
前記ダイポールアンテナは、前記パッケージ層の外表面上または前記パッケージ層内に設けられる、請求項に記載のレーダアセンブリパッケージ。
【請求項11】
前記アンテナ・イン・パッケージ中の前記スロットアンテナは、前記配線層にスロット構造を開設して形成するアンテナである、請求項10に記載のレーダアセンブリパッケージ。
【請求項12】
前記アンテナ・イン・パッケージ中の前記スロットアンテナは前記パッケージ層内に設けられる、請求項10に記載のレーダアセンブリパッケージ。
【請求項13】
前記配線層は素子領域と非素子領域を含み、
前記レーダチップダイと前記ダイポールアンテナは前記素子領域に設けられ、前記配線層の前記非素子領域にはダミー構造が設けられる、請求項ないし12のいずれか1項に記載のレーダアセンブリパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は無線技術分野に関するものであって、さらに詳しくは、アンテナ・イン・パッケージ及びレーダアセンブリパッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミリ波等のような高周波帯域のRF(radio frequency)フロントエンドの小型サイズ及び高集積化等の特性により、アンテナ・イン・パッケージを具現することができる。したがって、無線通信、レーダ探知、距離測定及びイメージング等の多くの分野において広範囲に応用される。
【0003】
従来のアンテナ設計は、水平面(つまり、反射面)である金属層を設けてアンテナ・イン・パッケージから放射する電磁波の指向性を確保する必要がある。前記金属層は、アンテナの大きさを小さくすることが制限的であるばかりか、製造の複雑度及び難易度が高くなり得、同時に信頼性の問題ももたらす。
【発明の詳細な説明】
【0004】
本出願の第1の様相は、アンテナ・イン・パッケージを提供する。
【0005】
ここには第1サブアンテナ;及び
前記第1サブアンテナに近接した位置に設けられた第2サブアンテナが含まれる。
【0006】
ここで前記第1サブアンテナと前記第2サブアンテナは、所定領域における放射を互いに打ち消して前記アンテナ・イン・パッケージが指向性放射を具現するようにする。
【0007】
本出願の第2の様相は、アンテナ・イン・パッケージを提供する。
【0008】
ここにはスロットアンテナ;
前記スロットアンテナのアンテナ送信面の上方に設けられるダイポールアンテナ;及び
前記スロットアンテナと前記ダイポールアンテナ間に設けられる誘電体層が含まれる。
【0009】
ここで前記スロットアンテナは、前記ダイポールアンテナの反射面として、前記アンテナ・イン・パッケージの指向性放射に使用される。
【0010】
本出願の第3の様相は、レーダアセンブリパッケージを提供する。
【0011】
ここには配線層;
前記配線層上に設けられるレーダチップダイ;及び
本出願のいずれかの実施例によるアンテナ・イン・パッケージが含まれ、
前記アンテナ・イン・パッケージは、前記配線層を介して前記レーダチップダイと電気的に連結される。
【0012】
本出願の選択的な一実施例による詳細は、以下の添付図面と説明において提示される。本出願のその他の特徴、目的及び利点は、明細書、添付図面及び請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本出願の前記内容及びその他の目的、特徴、利点は、以下の添付図面と本出願の実施例を参照してより明確に説明する。
【0014】
図1】選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの構造図である。
図2】選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの分解図である。
図3】選択的な異なる一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの分解図である。
図4】選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージにおける金属層の立体斜視図である。
図5図4に図示された構造の平面図である。
図6】異なる選択的なパターンのダイポールアンテナを有するアンテナ・イン・パッケージ中の金属層の平面図である。
図7】異なる選択的なパターンのダイポールアンテナを有するアンテナ・イン・パッケージ中の金属層の平面図である。
図8】選択的一実施例によるダミー構造の概略図である。
図9】選択的な異なる一実施例によるダミー構造の概略図である。
図10】選択的一実施例によるスロットアンテナの平面図である。
図11】選択的な異なる一実施例によるスロットアンテナの平面図である。
図12】選択的一実施例による帯状スロットアンテナを有するアンテナ・イン・パッケージの分解図である。
図13】選択的一実施例による帯状スロットアンテナを有するアンテナ・イン・パッケージの平面図である。
図14】選択的一実施例によるレーダアセンブリパッケージの断面図である。
図15】選択的な異なる一実施例によるレーダアセンブリパッケージの断面図である。
図16】選択的一実施例によるAOPアンテナ・イン・パッケージを有するレーダアセンブリパッケージの断面図である。
図17】選択的一実施例によるAIPアンテナ・イン・パッケージを有するレーダアセンブリパッケージの断面図である。
図18】選択的な異なる一実施例によるAIPアンテナ・イン・パッケージを有するレーダアセンブリパッケージの断面図である。
図19】選択的な異なる一実施例によるAOPアンテナ・イン・パッケージを有するレーダアセンブリパッケージの断面図である。
図20】選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの周波数応答グラフである。
図21】選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの利得パターンである。
【0015】
本願に開示された発明の実施例及び/または例示をよりよく描写して説明するために、一つ以上の添付図面を参照することができる。添付図面を説明するための追加的な詳細または例示は、開示された発明、現在説明された実施例及び/または例示と、現在理解される発明の一番望ましい方式のいずれかの範囲を制限するものとみなしてはならない。
【発明の実施のための形態】
【0016】
以下では、添付図面を参照して本出願をより詳しく説明する。各添付図面において、同一の要素は類似した添付図面符号で表示する。明確性のために、添付図面の各部分は比率に合わせて製図しなかった。また、図面において一部公知された部分は図示しなかった。
【0017】
以下では、本出願をより明確に理解するために、素子の構造、材料、大きさ、処理工程及び技術などの本出願の多くの特定の詳細を説明した。しかし、本発明が属する技術分野の当業者が理解できる通り、これらの特定の詳細に沿わずに本出願を具現することができる。
【0018】
無線通信、レーダ探知、距離測定、補正及びイメージング等のような多くの分野において、アンテナ設計時、指向性放射を具現するために、反射面として使用される特定の金属構造を設けなければならず、これによるサイズ縮小制限、製造難易度及び信頼性の増加等、様々な技術的問題に対して、本出願の実施例は創造的にアンテナ・イン・パッケージを提供する。これは、少なくとも2つのサブアンテナを近接して設けて、前記少なくとも2つのサブアンテナを所定領域において放射を具現できるように互いに打ち消し合う。また、前記少なくとも2つのサブアンテナで構成されるアンテナ構造が電磁波を指向性放射する機能を具現するようにする。これは、反射面として金属層を設けて指向性放射を具現する従来の構造と比較するとき、形成されたアンテナ・イン・パッケージの大きさをより縮小させることができるだけでなく、アンテナの製造難易度及び信頼性の問題も軽減することができる。具体的に以下の通りである。
【0019】
図1は、選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの構造図である。図1に図示されたように、本実施例において、アンテナ・イン・パッケージ110は、第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112等の部材を含むことができる。前記アンテナ・イン・パッケージ110は、第1サブアンテナ111を基盤として形成された複合アンテナの構造であり得る。つまり、前述した第2サブアンテナ112は、第1サブアンテナ111に近接した位置に固定設置され得る。これを介して前記第2サブアンテナ112は、第1サブアンテナ111から放射される一部の電磁波を打ち消すことができる。また、前記第1サブアンテナ111は、所定方向への指向性放射を具現することができる。従来のアンテナ・イン・パッケージ構造において、反射層である金属層と比較するとき、前記第2サブアンテナ112の大きさが比較的小さいため、図1で形成されたアンテナ・イン・パッケージ110の大きさをより縮小させることができる。また、アンテナの製造難易度を効果的に下げ、アンテナの信頼性及び集積度を向上させることができる。
【0020】
選択的な異なる一実施例において、図1に図示されたように、前述した第2サブアンテナ112と第1サブアンテナ111間は、所定領域において放射を互いに打ち消すことができる。同時に前記第2サブアンテナ112から放出する一部の電磁波は、ターゲット領域まで放射することもできる。つまり、第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112から放出する電磁波は、同時に前記ターゲット領域まで放射され、前記ターゲット領域に放射されるエネルギーを強化させることができる。また、構成されたアンテナ・イン・パッケージ110が指向性放射方向(すなわち、所定の方向)で放出する電磁波のエネルギーを強化させることができる。同時に、所定領域において第2サブアンテナ112と第1サブアンテナ111が放出する電磁波を互いに打ち消し、アンテナ・イン・パッケージ110がターゲット領域に向けた指向性放射を具現できるようにする。
【0021】
本出願の実施例において、所定の領域は、図1に図示されたA領域、すなわち、第2サブアンテナ112と第1サブアンテナ111間の領域を含むことができる。同時に前記所定の領域は、第1サブアンテナ111から遠い第2サブアンテナ112の一側の領域(すなわち、図1に図示された第2サブアンテナ112下方の領域)を含むこともできる。選択的一実施例において、前記所定の領域は、第2サブアンテナ112が第1サブアンテナ111の一側に位置する領域(すなわち、図1に図示された第1サブアンテナ111下方の領域)でもあり得る。同時にターゲット領域は、第2サブアンテナ112の一側から遠い第1サブアンテナ111の領域、つまり、図1に図示されたB領域でもあり得る。これは、アンテナ・イン・パッケージ110が矢印Cが指す方向に沿って指向性放射を行うようにする。ここで矢印Cが指す方向は、第2サブアンテナ112の一側から遠い第1サブアンテナ111のアンテナ送信面に垂直であり得る。本出願の実施例において、矢印Cが指す方向を上方と定義することができる。
【0022】
また、本出願の実施例において、アンテナ送信面は、サブアンテナが電磁波を放出する表面を含むことができる。指向性放射の方向は、アンテナ(例えば単一のサブアンテナまたは組合せアンテナ)の主要電磁波の放射方向、例えばメインローブ及び/またはサイドローブの放射方向等であり得る。
【0023】
選択的な異なる一実施例において、図1に図示されたように、前記アンテナ・イン・パッケージ110の指向性放射方向(すなわち、矢印Cが指す方向)に沿って、第2サブアンテナ112の投影は、少なくとも部分的に第1サブアンテナ111上、すなわちアンテナ・イン・パッケージ110の指向性放射方向上に投射され得る。前記第2サブアンテナ112と第1サブアンテナ111は重なるように設けられ、アンテナ・イン・パッケージ110の指向性放射性能を向上させる。
【0024】
選択的一実施例において、図1に図示されたように、アンテナ・イン・パッケージ110は、真上(つまり、矢印Cが指す方向)に向かって指向性放射される。第2サブアンテナ112は、第1サブアンテナ111の真下に対応するように設けられ、前記アンテナ・イン・パッケージ110の真上を向いた放射エネルギーを効果的に向上させることができる。また、前述した第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112のアンテナ送信面の延長方向は、互いに平行し得る。同時に、前記第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112のアンテナ送信面の延長方向は、アンテナ・イン・パッケージ110の指向性放射の方向に垂直となり、前記アンテナ・イン・パッケージ110の真上を向いた放射エネルギーをさらに向上させることもできる。
【0025】
選択的一実施例において、図1に図示されたように、アンテナ・イン・パッケージ110の指向性放射方向上において、第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112の間隔は0よりも大きい。アンテナ・イン・パッケージ110の指向性放射性能をさらに向上させるために、指向性放射方向上において、第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112の間隔(d)をおおよそ0.25λ*nにすることができ、以下のように表すこともできる。





【0026】
ここで、dは指向性放射方向上における第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112の間隔である。nは奇数であり、mは自然数である。λはアンテナ・イン・パッケージ110が放出する電磁波の波長である。
【0027】
選択的一実施例において、図1に図示されたように、レーダチップ等のような集積部材に対する小型化要件の場合、第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112は、指向性放射方向上における間隔(d)を所定間隔範囲内、例えば、d∈(0、0.75λ]に設定することができる。つまり、前記dの値は、0.1λ、0.2λ、0.25λ、0.3λ、0.4λ、0.45λ、0.55λ、0.65λまたは0.75λ等であり得る。小型化に対する考慮に基づいて、前記dの値を可能な限り(2m+1)*0.25λに近づけてアンテナ・イン・パッケージ110の指向性放射性能を最大限向上させる。
【0028】
選択的一実施例において、図1に図示されたように、第1サブアンテナ111は第2サブアンテナ112と給電線を共有することもできる。つまり、連結線113を介して第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112を直接電気的に連結し、第1サブアンテナ111に対して給電を行うと同時に連結線113を介して第2サブアンテナ112に対して給電を行うか、または第2サブアンテナ112に対して給電を行うと同時に連結線113を介して第1サブアンテナ111に対して給電を行うこともできる。つまり、第1サブアンテナ111を介して第2サブアンテナ112に対して給電を行うこともでき、第2サブアンテナ112を介して第1サブアンテナ111に対して給電を行うこともできる。これを介して第2サブアンテナ112の追加による給電線の大きさを可能な限り小さくすることができ、同時に第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112が放射する電磁波の一致性も向上させることができる。
【0029】
図2は、選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの分解図である。図1ないし図2に図示されたように、選択的一実施例において、図1に図示された構造を基盤として、生産、製造過程においてアンテナ・イン・パッケージ110の原価を下げ、実際の応用における性能を向上させるために、第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112間に距離調整層(図示せず)を設けることができる。前記距離調整層は、第1サブアンテナ111を第2サブアンテナ112と絶縁させることができる。同時に、実際の需要に応じて前記距離調整層が相応する厚さを有するように設定し、第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112間の間隔が設計要件を満たすようにすることができる。
【0030】
選択的一実施例において、距離調整層は、複合層構造または単層構造であり得る。具体的に、実際の需要に応じて設けることができる。例えば、図2に図示されたように、距離調整層は、積層された第1誘電体層116と第2誘電体層117を含むことができる。ここで第1誘電体層116は、離隔のための絶縁層であり得、第2誘電体層117は、距離調整のための膜層構造であり得る。一部の選択的実施例において、距離調整層は、第1誘電体層116であり得る。すなわち、第1誘電体層116は、離隔及び距離調整に同時に使用することができ、第1サブアンテナ111と第2サブアンテナ112の間には、第2誘電体層117を設ける必要がない。
【0031】
選択的一実施例において、図2に図示されたように、アンテナ・イン・パッケージ110が高周波の電磁波信号を伝送するのに使用される際、前述した第1誘電体層116は高周波の誘電体基板であり得、第2誘電体層117は有機誘電体層であり得る。これを介して、絶縁性能を備えると同時に間隔の設計要件を満たすことができる。
【0032】
選択的一実施例において、図2に図示されたように、誘電恒数の設計要件を満たすために、第1誘電体層116の誘電恒数を第2誘電体層117の誘電恒数よりも大きくすることもできる。例えば、第1誘電体層116は、誘電恒数が高いガラス繊維エポキシ樹脂板であり得、第2誘電体層117は、誘電恒数が低い有機層であり得る。つまり、第1誘電体層116と第2誘電体層117を複合層として使用し、第2サブアンテナ112と第1サブアンテナ111間の誘電体の誘電恒数を調整することが容易である。同時に、第2誘電体層117を用いてアンテナ・イン・パッケージ110中の第2サブアンテナ112と第1サブアンテナ111の間隔の設計要件を満たすこともできる。
【0033】
選択的一実施例において、図2に図示されたように、連結線113は、厚さ方向に沿って距離調整層を貫通するビア(via)導体であり得る。第2サブアンテナ112と第1サブアンテナ111間に複数の誘電体層が設けられる場合、誘電体層間に接触パッド114をさらに設けることができる。これは、各誘電体層のビア導体を貫通して互いに電気的に連結することが容易であり、第2サブアンテナ112と第1サブアンテナ111を電気的に連結した連結線を形成して、サブアンテナ間の電気的連結性能を向上させて、連結線を製造する工程の難易度を下げることができる。
【0034】
実際の応用において、図2に図示された接触パッド114は、第2誘電体層117と第1誘電体層116間に設置され得ることに留意する。本出願の図2において、説明上の便宜のために、接触パッド114を第1誘電体層116の上方に設けた。ここで、本出願の実施例において、第1サブアンテナ111はダイポールアンテナ、マイクロストリップアンテナ等であり得、第2サブアンテナ112はスロットアンテナまたはパッチアンテナ等のタイプのアンテナであり得る。
【0035】
図3は、選択的な異なる一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの分解図である。選択的一実施例において、図2に図示された構造を基盤として、第1サブアンテナ111はダイポールアンテナであり、第2サブアンテナ112はスロットアンテナである場合を例に挙げて、本出願の実施例におけるアンテナ・イン・パッケージ構造を詳しく説明する。具体的に図3を参照すると、アンテナ・イン・パッケージ210は、積層されたダイポールアンテナ211とスロットアンテナ212、及びダイポールアンテナ211とスロットアンテナ212の間に設けられた距離調整層(図示せず)を含むことができる。前記距離調整層は、積層された有機層217と高周波の誘電体基板216を含むことができる。つまり、有機層217はスロットアンテナ212の上表面に積層され、高周波の誘電体基板216は有機層217の上表面に積層される。同時にダイポールアンテナ211は、高周波の誘電体基板216の上表面上に設けられる。また、ダイポールアンテナ211とスロットアンテナ212は、高周波の誘電体基板216と有機層217を順に貫通する連結線213を介して電気的に連結される。これを介して、スロットアンテナ212の給電線2123を用いてスロットアンテナ212に対する給電を具現することができると同時に、ダイポールアンテナ211中の各導体2111に給電を行うこともできる。
【0036】
選択的一実施例において、使用された高周波の誘電体基板216の誘電恒数は有機層217の誘電恒数よりも大きいため、アンテナ・イン・パッケージ210中の誘電恒数の設計要件とサブアンテナ間の間隔の設計要件をすべて満たすことができる。選択的な代替実施例において、アンテナ・イン・パッケージ210の高周波の誘電体基板216が誘電恒数の設計要件と間隔の設計要件をいずれも満たす場合、有機層217を省略することができる。
【0037】
選択的一実施例において、図3に図示されたように、電気的連結性能及び製造工程の利便性を向上させるために、スロットアンテナ212の上表面に接触パッド214をさらに設けることができる。これを通じて、連結線213の一端部が接触パッド214と前記スロットアンテナ212を介して電気的に連結され、連結線213の他端部が導体2111と連結され得る。ここで、前述した連結線213は例えばビア導体であり、連結線213はダイポールアンテナ211の製造時に同期的に製造することもできる。すなわち、各導体2111は、その下方の連結線213と一体となって成形され、下方の接触パッド214を介して金属層2121と電気的に連結され得る。
【0038】
選択的一実施例において、図3に図示されたように、スロットアンテナ212は、金属層2121上に開設されたスロット構造を基盤として形成されたアンテナであり得る。例えば、再配線層(Redistribution Layers、RDL)上に厚さ方向に沿って再配線層を貫通するスロット構造2112を開設することによって、前述したスロットアンテナ212を形成することができる。RDL層を共有することによって、スロットアンテナ212の製造のために金属層が新たに追加されることを防ぎ、アンテナ・イン・パッケージ210の積層構造の厚さを効果的に軽減すると同時に、生産、製造原価を下げることができる。
【0039】
図4は、選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージにおける金属層の立体斜視図であり、図5は、図4に図示された構造の平面図である。図4及び図5に図示されたように、選択的一実施例において、スロットアンテナ212は、一つの「H」型スロット構造2122を有することができる。アンテナ・イン・パッケージ210の指向性放射の反対方向上において、ダイポールアンテナ211のいずれか一対の導体の投影は、すべて前記スロット構造2122の対向する両側にそれぞれ位置することができる。これを通じて、アンテナ・イン・パッケージ210の指向性放射性能をさらに向上させると同時に、スロットアンテナ212とダイポールアンテナ211間の間隔(d)を(0、0.25λ]の範囲で設けることができる。例えば、前述した間隔(d)は、0.05λ、0.15λ、0.2λまたは0.25λ等の値で設定することができる。これを通じて、ダイポールアンテナ211の影像アンテナとそれ自体が真上に同一の位相の放射場を有するようにする。同時に、ダイポールアンテナ211の放射場とスロットアンテナ212が、真下の放射場において互いに反対の位相を有し、互いに打ち消されるようにすることもできる。つまり、ダイポールアンテナ211とスロットアンテナ212は、複合アンテナ構造を形成することができる。これを通じて、アンテナ・イン・パッケージ210が指向性放射を具現すると同時に、前記アンテナ・イン・パッケージ210の作業帯域幅を拡張することもできる。
【0040】
選択的な異なる一実施例において、図5に図示されたように、「H」型スロット構造2122は、互いに平行する2つの第1スロット、前記2つの第1スロットの中間部分を連結し、第1スロットに垂直の第2スロットを備えることができる。同時に、給電線2123は第2スロットの中間部分に開設することができ、前記給電線2123の一端部は第2スロットの一側壁に設けることができ、他端部は前記第2スロットを貫通して延長され得る。これを通じて、前述した第2スロットを、2つの長さが同一のスロットユニットに遮断することができる。また、給電線2123の両側に位置するスリットは、それぞれ一つのスロットユニットを貫通して連結され得る。ここで、前述した第1スロットとスロットユニットの等価長(leq)は、約0.5λないしλ(例えば0.5λ、0.6λ、0.7λ、0.85λ、1λ等)に設定することができ、leq=(1/2*h+w)である。λはダイポールアンテナとスロットアンテナ間の誘電体層において伝播される電磁波の波長である。hは第1スロットの長さであり、wはスロットユニットの長さである。第1スロットと第2スロットの幅はいずれもbであり得、同時にスリットの幅はbよりも小さい。
【0041】
選択的な異なる一実施例において、スロットアンテナ212の上方に位置するダイポールアンテナ211は、複数の対の導体を含むことができる。各導体は、いずれも図5に図示された長方形のパッチであり得る。つまり、前記ダイポールアンテナ211は、複数の導体2111を含むことができ、前記複数の導体2111はアレイに配列され得る。ここで、一対の導体である、ある2つの導体2111がスロットアンテナ212に投影されるとき、前記2つの導体2111の投影は、それぞれスロット構造の両側に位置する。図5を参照すると、ダイポールアンテナ211は、4つの導体2111を含むことができる。前記4つの導体2111は2対の導体として使用され、各導体2111の投影は、いずれも2つの平行する第1スロット間の領域に位置する。また、各対の導体において、2つの導体2111の投影は、それぞれ第2スロットの両側に位置し、スロットユニットを中心線として、各対の導体に対応する導体2111の投影は、軸に対象になるように分布する。同時に前述した2対の導体は、対応する4つの導体2111の投影が給電線2123を中心軸線として軸に対象となるように分布する。
【0042】
選択的な異なる一実施例において、図4に図示されたように、集積素子中のアンテナ構造の場合、スロットアンテナ212とダイポールアンテナ211間の間隔(d)は、約(0、0.75λ]で設けることができる。例えば、スロットアンテナ212とダイポールアンテナ211間の間隔(d)を約0.25λで設けて、アンテナ・イン・パッケージ210の真上においてダイポールアンテナ211の影像アンテナと前記ダイポールアンテナ211が同一の位相を有するようにすることができる。同時にスロットアンテナ212の放射場とアンテナ・イン・パッケージ210の真下において、ダイポールアンテナ211の放射場が反対の位相を有して互いに打ち消されるようにすることもできる。つまり、図4及び図5のダイポールアンテナ211とスロットアンテナ212は、複合アンテナ構造を有するアンテナ・イン・パッケージ210を形成する。これは、アンテナ・イン・パッケージ210が指向性放射を具現すると同時に、アンテナ・イン・パッケージ210の作業帯域幅が拡張されるようにすることができる。
【0043】
選択的一実施例において、図2に図示された構造を基盤として、第1サブアンテナ111はダイポールアンテナであり、第2サブアンテナ112はスロットアンテナである場合を例に挙げて、本出願の実施例におけるアンテナ・イン・パッケージの変化構造を詳しく説明する。
【0044】
図6に図示されたように、アンテナ・イン・パッケージ310は、スロットアンテナ212、スロットアンテナ212の上方に位置するダイポールアンテナ311、及びスロットアンテナ212とダイポールアンテナ311を互いに電気的に連結する連結線213を含むことができる。選択的一実施例において、アンテナ・イン・パッケージ310は接触パッド214をさらに含む。ここで、本実施例のアンテナ・イン・パッケージ310において、スロットアンテナ212は、図3ないし図7に図示されたアンテナ・イン・パッケージのスロットアンテナ構造と同一であり得るため、ここで同一の部分は詳しく説明しない。
【0045】
選択的一実施例において、図6に図示されたように、スロットアンテナ212は「H」型スロット構造2122を含む。「H」型スロット構造2122は、互いに平行する2つの第1スロット、及び前記2つの第1スロットの中間部分を連結して第1スロットに垂直の第2スロットを備えることができる。ダイポールアンテナ311は、アレイで配列された2つの長方形パッチ3111を含むことができる。長方形パッチ3111の長さ方向は、「H」型スロット構造中の第2スロットの延長方向と垂直である。同時に前記ダイポールアンテナ311の2つの導体3111の投影は、「H」型スロット構造に対向する両側にそれぞれ位置することができる。
【0046】
図7に図示されたように、選択的な異なる一実施例において、図2及び図6に図示された構造を基盤として、アンテナ・イン・パッケージ410のスロットアンテナは、図6に図示されたスロットアンテナと同一の構造を有し得るため、同一の部分は詳しく説明しない。同時に、アンテナ・イン・パッケージ410のダイポールアンテナ411は、アレイで配列された4つの長い帯状のパッチ4111を含むことができる。長い帯状のパッチ4111の延長方向は、「H」型スロット構造中の平行する2つのスロットの延長方向と平行する。同時に、前記ダイポールアンテナ411の4つの長い帯状のパッチ4111は、2対の導体を構成する。各対の導体に対応する2つの長い帯状のパッチ4111の投影は、「H」型スロット構造の対向する両側にそれぞれ位置する。
【0047】
選択的一実施例において、図7に図示されたように、一対の導体である、ある2つの長い帯状のパッチ4111は、隣接する端部が連結線213と電気的に連結するのに使用され得る。つまり、前記隣接する端部の形状は、連結線213の断面の形状と等角であり、互いに遠い両端の端部は、いずれも円弧状であり得る。
【0048】
前述した実施例において、ダイポールアンテナに含まれた導体の形状、数量及び分布状況等は、ダイポールアンテナのいずれか一対の導体の投影がスロットアンテナ中のスロット構造の両側にそれぞれ位置するように補償さえできれば、いずれも実際の需要に対応するように調整することができることに留意する。
【0049】
図8は、選択的一実施例によるダミー構造の概略図である。図8に図示されたように、選択的一実施例において、アンテナ・イン・パッケージ510は、スロットアンテナ512、スロットアンテナ512の上方に位置するダイポールアンテナ211、及びスロットアンテナ512とダイポールアンテナ211を互いに電気的に連結する連結線213を含むことができる。ここで、スロットアンテナ512において金属層5121の非素子領域には、円形孔、四角孔等のような開口孔5124が均一に分布することができる。つまり、均一に分布する開口孔5124はダミー構造(dummy)であって、材料の均一性を向上させる。これを通じて、生産、製造及び使用過程において、応力分布の不均一、膨張係数差等による構造の変形を効果的に軽減し、アンテナ・イン・パッケージ510の収率及び信頼性を向上させる。
【0050】
図9は、選択的な異なる一実施例によるダミー構造の概略図である。選択的一実施例において、アンテナ・イン・パッケージ610は、スロットアンテナ612、スロットアンテナ612の上方に位置するダイポールアンテナ311、及びスロットアンテナ612とダイポールアンテナ311を互いに電気的に連結する連結線213を含むことができる。ここでスロットアンテナ612において、金属層6121、金属層6121を貫通するスロット構造6122、金属層6121に形成された給電線6123、及び金属層6121上に均一に分布された複数の金属シート6124を含むことができる。つまり、前記金属シート6124と図8に図示された開口孔5124は同一の作用をし、ダミー構造(dummy)として材料の均一性を向上させることもできる。これを通じて、生産、製造及び使用過程において、応力分布の不均一、膨張係数差等による構造の変形を効果的に軽減し、アンテナ・イン・パッケージ510の収率及び信頼性を向上させる。
【0051】
本出願の実施例において、ダミー構造(dummy)は、具体的な設計需要に応じてダミー構造の形状、大きさ及び分布等を選択してアンテナ・イン・パッケージの収率及び信頼性を向上させることができることに留意する。
【0052】
図10及び図11は、異なるスロット形状を有するスロットアンテナの平面図である。選択的一実施例において、図2に図示された構造を基盤として、スロット形状が異なるスロットアンテナを例に挙げて説明する。具体的に以下の通りである。
【0053】
図10に図示されたように、選択的一実施例においてスロットアンテナ312は、金属層3121、金属層3121を貫通するスロット構造3122、及び金属層3121に形成された給電線3123を含むことができる。ここで、スロット構造3122は、図5に図示された「H」型スロット構造に基盤を置くことができる。つまり、2つの平行する第1スロットを第2スロットに対して同一の傾斜角度で対向延長されるように調節して、図10において対象となるように分布されたスロットアンテナ312を形成する。選択的な異なる一実施例において、図11に図示されたように、スロットアンテナ412は、金属層4121及び金属層4121を貫通する帯状スロット構造4122を含むことができる。
【0054】
図11に図示されたように、スロットアンテナ412の帯状スロット構造4122は、電磁波放射に使用され得る。前記スロットアンテナ412は、前述した各実施例のアンテナ・イン・パッケージ中の、スロットアンテナを代替するのに使用され得る。例えば、図3ないし図9に図示されたアンテナ・イン・パッケージを例に挙げると、アンテナ・イン・パッケージは、スロットアンテナ412とダイポールアンテナ211で構成される複合アンテナを含むことができる。
【0055】
図12は、選択的一実施例による帯状スロットアンテナを有するアンテナ・イン・パッケージの分解図である。図13は、選択的な一実施例による帯状スロットアンテナを有するアンテナ・イン・パッケージの平面図である。ここで、明確性のために、図12において、アンテナ・イン・パッケージの各部分を分離して図示し、図13では、誘電体層716と離隔層717を省略した。
【0056】
図12に図示されたように、選択的一実施例において、アンテナ・イン・パッケージ710は、帯状スロットアンテナ712、帯状スロットアンテナ712の上方に位置するダイポールアンテナ711、帯状スロットアンテナ712とダイポールアンテナ711間に位置する誘電体層716、及び帯状スロットアンテナ712とダイポールアンテナ711を互いに電気的に連結した連結線713を含むことができる。選択的一実施例において、アンテナ・イン・パッケージ710は、接触パッド714と離隔層717をさらに含むことができる。ここで、帯状スロットアンテナ712とダイポールアンテナ711の誘電体層が単層構造である場合、すなわち、図12に図示された構造において、帯状スロットアンテナ712とダイポールアンテナ711に誘電体層716または離隔層717のみ設けられる場合、接触パッド714を設ける必要がない場合もある。
【0057】
選択的な異なる一実施例において、図12に図示されたように、帯状スロットアンテナ712は、第1金属層7121、第2金属層7122、及び第1金属層7121を貫通するスロット構造7124を含むことができる。ここでスロット構造7124は、帯状スロットを含む。図面に図示されたように、第1金属層7121と第2金属層7122の間に、連結線7123がさらに含まれる。連結線7123は、帯状スロットの両側に分布し、第1金属層7121、第2金属層、及び連結線7123間は、導波路を形成する。選択的一実施例において、帯状スロットアンテナ712は、金属導波路を含むことができる。金属導波路の表面には、帯状スロット構造7124が備えられる。同時に、前記帯状スロット構造7124とアンテナ・イン・パッケージ710を構成するダイポールアンテナ711において、ある一対の導体(すなわち、金属パッチ7111)の投影は、いずれも帯状スロット構造7124中の帯状スロットの両側、すなわち図11に図示された帯状スロット構造4122の上下両側に分布する。
【0058】
本出願の実施例において、スロットアンテナは、「S」型スロットアンテナ、「L」型スロットアンテナ等のように、非対象分布の構造でもあり得る。また、図5に図示された「H」型スロットアンテナ等のように、対象分布の構造でもあり得る。同時に、図13に図示された帯状スロットアンテナ等でもあり得る。つまり、これは、それに対応するダイポールアンテナとアンテナ・イン・パッケージを形成さえできれば良い。
【0059】
また、本出願の実施例において、アンテナ・イン・パッケージは、独立したモジュールアセンブリであり得、異なる部材と集積されてRFアセンブリを構成するアンテナユニットでもあり得る。同時に前記アンテナ・イン・パッケージは、無線通信、レーダ探知、距離測定及びイメージング等の多様な分野に応用され得る。また、ミリ波等の高周波センサのように、工業、自動車、電子製品及びスマートホーム等のセンサを構成するのに使用されることもある。
【0060】
実際の応用において、アンテナの大きさは、一般的にアンテナ制作に使用される基材中のガイド波の波長に正比例する。したがって、ミリ波等の高周波帯域に作動するアンテナの大きさが相対的に比較的小さいため、アンテナ・イン・パッケージ構造を具現することができる。高周波センサ等のように、集積アンテナ・イン・パッケージが必要となり得る分野に対して、本出願の実施例はアンテナ・イン・パッケージをさらに提供する。本出願の実施例のアンテナ・イン・パッケージを基盤として、ダイポールアンテナとスロットアンテナを近接して設けることにより、複合アンテナ構造を構成することができる。さらに、前記アンテナ・イン・パッケージが電磁波の指向性放射を具現するようにすることができる。前記アンテナ・イン・パッケージは、指向性放射領域に分布するエネルギー強度を向上させると同時に、スロットアンテナをダイポールアンテナの「反射面」として用いることができる。金属層を反射面として別途設けて指向性放射を具現しなければならない従来のアンテナ構造に比べて、これは、形成されたアンテナ・イン・パッケージの厚さをさらに縮小させることができる。また、アンテナ配置の柔軟性も具現することができ、アンテナの製造難易度及び信頼性の問題を効果的に下げることができる。
【0061】
具体的に、選択的一実施例において、アンテナ・イン・パッケージは、スロットアンテナ、ダイポールアンテナ、及び誘電体層等の部材を含むことができる。ダイポールアンテナは、前述したスロットアンテナのアンテナ送信面の上方に設けられ、スロットアンテナとダイポールアンテナが複合アンテナ構造を構成して指向性放射を具現するようにする。誘電体層はダイポールアンテナとスロットアンテナ間に設けられ、ダイポールアンテナとスロットアンテナを離隔させると同時に、前記誘電体層の厚さを調整してダイポールアンテナとスロットアンテナ間の間隔をさらに調整することができる。これを通じて、複合アンテナ構造の指向性放射性能をさらに向上させることができる。ここで、本出願の実施例によるアンテナ・イン・パッケージは、各分野において、高周波帯域の送受信アンテナに使用され得る。例えば、5G通信システムにおけるミリ波周波数帯域の送受信アンテナ、レーダ分野における77GHz周波数帯域の送受信アンテナ、レーダ分野における24GHz周波数帯域の送受信アンテナ等がある。
【0062】
選択的一実施例において、指向性放射方向の反対方向において、ダイポールアンテナの投影は、スロットアンテナのアンテナ送信面上に部分的または全体的に投射され、アンテナ・イン・パッケージの指向性放射性能を向上させる。また、指向性放射方向上において、スロットアンテナとダイポールアンテナ間の間隔を調整することによって、アンテナ・イン・パッケージの指向性放射性能をさらに向上させることもできる。例えば、指向性放射方向上において、スロットアンテナとダイポールアンテナ間の間隔(d)を、(0、0.75λ]の値の集合範囲内に設定することができる。すなわち、前記dの値は、0.12λ、0.22λ、0.252λ、0.32λ、0.42λ、0.452λ、0.552λ、0.652λまたは0.75λ等であり得る。同時に、設計間隔の範囲内において、dの値を0.25λに可能な限り近く、または一致するようにして、アンテナ・イン・パッケージの大きさとアンテナ・イン・パッケージの指向性放射性能をすべて考慮することができる。ここでλは、アンテナ・イン・パッケージが電磁波を放射する波長である。
【0063】
選択的な異なる一実施例において、スロットアンテナのアンテナ送信面は、ダイポールアンテナのアンテナ送信面と互いに平行し得る。ダイポールアンテナのいずれか一対の導体は、指向性放射方向の反対方向における投影がスロットアンテナ中のスロット構造の対向する両側にそれぞれ位置する。同時に各導体は、いずれも誘電体層を貫通する連結線を介してそれぞれスロットアンテナ上に電気的に連結され得る。つまり、スロットアンテナを介してダイポールアンテナに対する給電を行って、アンテナ・イン・パッケージの指向性放射特性をさらに向上させることができる。
【0064】
選択的一実施例において、本出願は、レーダアセンブリパッケージをさらに提供する。ここには、配線層、配線層上に設けられたレーダチップダイ、及び本出願のいずれかの実施例によるアンテナ・イン・パッケージを含むことができる。すなわち、レーダチップダイは、配線層を介してアンテナ・イン・パッケージと電気的に連結され、指向性送受信アンテナが集積されたレーダチップを形成することができる。
【0065】
選択的一実施例において、レーダアセンブリパッケージのアンテナ・イン・パッケージは、スロットアンテナ、及び前記スロットアンテナの送受信面の上方に設けられたダイポールアンテナを含むことができる。レーダアセンブリパッケージは、パッケージ層をさらに含むことができる。前記パッケージ層は、前述した配線層上のレーダチップダイを密封することができる。前述したダイポールアンテナとレーダチップダイは、配線層の同一側に集積され、配線層上においてレーダチップダイの設置位置に対向する他側表面上にソルダボール(solder ball)が設けられ得る。ここで前述したダイポールアンテナは、パッケージ層内に集積されてAIP(Antenna in Package)アンテナ・イン・パッケージを形成することができる。同時に前記ダイポールアンテナは、パッケージ層の外表面上に集積されてAOP(Antenna on Package)アンテナ・イン・パッケージを形成することもできる。
【0066】
選択的一実施例において、レーダアセンブリパッケージにおけるアンテナ・イン・パッケージのスロットアンテナは、パッケージ層に製造された金属層上にスロット構造を開設して形成したアンテナであり得る。ビア(via)導体を介して配線層及びダイポールアンテナとそれぞれ電気的に連結して、スロットアンテナを用いてダイポールアンテナに対する給電を行うことができる。これを通じて、給電線を節約してアンテナ・イン・パッケージの大きさを小さくし、スロットアンテナとダイポールアンテナの放射信号の共通性を向上させる。
【0067】
選択的な異なる一実施例において、レーダアセンブリパッケージにおけるアンテナ・イン・パッケージのスロットアンテナは、配線層上にスロット構造を開設して形成したアンテナであり得る。また、ビア(via)導体を介してダイポールアンテナと電気的に連結して、スロットアンテナを用いてダイポールアンテナに対する給電を行うことができる。これを通じて、金属層を節約してアンテナ・イン・パッケージの大きさをさらに小さくし、スロットアンテナとダイポールアンテナの放射信号の共通性をさらに確保することができる。
【0068】
選択的な異なる一実施例において、金属構造材料の均一性を向上させるために、スロットアンテナを形成する金属層またはは配線層の空き領域(例えば非素子領域)にダミー構造(dummy)を設けることができる。すなわち、前述したスロット構造等の部材が設けられる領域を素子領域と定義する。
【0069】
以下では、添付図面を参照して、本出願の実施例のレーダアセンブリパッケージ及びレーダアセンブリパッケージに設けられるアンテナ・イン・パッケージについて詳しく説明する。
【0070】
本出願の実施例において、アンテナ・イン・パッケージは、積層されたダイポールアンテナとスロットアンテナを含むことができる。「前方向」の放射方向は、ダイポールアンテナの金属層に垂直であり、スロットアンテナから遠い方向である(図14ないし図18において矢印が指す方向)。「後方向」の放射方向は、ダイポールアンテナの金属層に垂直であり、スロットアンテナを向く方向である(図16ないし図19において矢印が指す方向と反対方向)。
【0071】
図14は、選択的一実施例によるレーダアセンブリパッケージの断面図である。レーダアセンブリパッケージ800は、配線層101、配線層101の第1表面に装着されるレーダチップダイ(die)102、レーダチップダイ102をカバーするパッケージ層103、及びパッケージ層103に位置するAIPアンテナ・イン・パッケージ810等を含む。ここで配線層101は、チップパッケージングのファンアウト(fan-out)に使用される金属層であり得、AIPアンテナ・イン・パッケージ810は、配線層101を介してレーダチップダイ102と電気的に連結され得る。
【0072】
選択的一実施例において、図14に図示されたように、AIPアンテナ・イン・パッケージ810は、別途製造した後にレーダチップダイ102と共にパッケージングすることができる。また、レーダチップダイ102のパッケージング工程段階において、AIPアンテナ・イン・パッケージ810の各部分を製造してウエハレベルのアンテナ・イン・パッケージを形成して工程の柔軟性を向上させることもできる。
【0073】
例えば、図14に図示されたように、AIPアンテナ・イン・パッケージ810は、第2サブアンテナ812、第2サブアンテナ812の送信面の上方に位置する第1サブアンテナ811、第2サブアンテナ812と第1サブアンテナ811間に位置する誘電体層816、及び第2サブアンテナ812と第1サブアンテナ811を互いに電気的に連結した連結線(例えばビア導体)813を含むことができる。つまり、本実施例において、レーダチップダイ102のパッケージング工程段階において、AIPアンテナ・イン・パッケージ810の各部分を製造してウエハレベルのアンテナ・イン・パッケージを形成することができる。同時に、第1サブアンテナ811と第2サブアンテナ812の具体的な構造は、それぞれ図1ないし図13に図示されたアンテナ・イン・パッケージのうち、第1サブアンテナ(例えばスロットアンテナ)及び第2サブアンテナ(例えばダイポールアンテナ)の構造と一対一で対応することができる。説明上の便宜のために、ここで同一の部分は詳しく説明しない。
【0074】
選択的一実施例において、図14に図示された誘電体層816は、ガラス繊維エポキシ樹脂板(FR4)、セラミック板または高周波RF基板等であり得る。前記誘電体層816は、絶縁性を有し、第2サブアンテナ812と第1サブアンテナ811を絶縁分離させることができる。同時に第2サブアンテナ812と第1サブアンテナ811は、いずれも金属層のパターン化によって形成されたアンテナ構造であり得る。連結線813はビア導体であり得る。前記ビア導体は、銅材料を用いて誘電体層816の貫通孔に埋め込んで形成することができる。また、製造工程において、材料の均一性を向上させるために、配線層101の空き領域(すなわち、非素子領域)に穴または金属パッチ等の形態のダミー構造104を設けることもできる。
【0075】
選択的な異なる一実施例において、図14に図示されたレーダチップダイ102は、順次配線層101及び給電線818を経て第2サブアンテナ812に電気信号を伝送することができる。また、第2サブアンテナ812を用いて連結線813を経て第1サブアンテナ811に電気信号を伝送することができる。異なる代替的な実施例において、アンテナ・イン・パッケージ810は、接地層と結合された伝送路をさらに含むことができる。給電線の代わりに伝送路を採択して電気信号を伝送することができる。同時に、配線層101を経て別途の伝送路を採択してそれぞれ第1サブアンテナ811と第2サブアンテナ812に給電を行うこともできる。
【0076】
レーダアセンブリパッケージ800は、前述したパッケージ構造全体を形成する。ここで、配線層101の第2表面は、ソルダボール105をさらに設けて外部回路と電気的に連結するのに使用することができる。
【0077】
図15は、選択的な異なる一実施例によるレーダアセンブリパッケージの断面図である。レーダアセンブリパッケージ801は、配線層101、配線層101の第1表面に装着されるレーダチップダイ(die)102、レーダチップダイ102をカバーするパッケージ層103、及びパッケージ層103に位置するAIPアンテナ・イン・パッケージ820等を含む。ここで、配線層101はチップパッケージングのファンアウト(fan-out)に使用される金属層であり得、AIPアンテナ・イン・パッケージ820は、配線層101を介してレーダチップダイ102と電気的に連結され得る。
【0078】
本実施例において、AIPアンテナ・イン・パッケージ820は、第2サブアンテナ822、第2サブアンテナ822の送信面の上方に位置する第1サブアンテナ821、第2サブアンテナ822と第1サブアンテナ821間に位置する誘電体層826、及び第2サブアンテナ822と第1サブアンテナ821を互いに電気的に連結した連結線(例えばビア導体)823を含むことができる。
【0079】
前記レーダアセンブリパッケージ801のAIPアンテナ・イン・パッケージ820において、連結線823は距離調整層826を貫通し、第1サブアンテナ821は、ビア導体を経て第2サブアンテナ822と電気的に連結される。また、第2サブアンテナ822は、配線層101中の金属層におけるアンテナであり得る。また、配線層101を経てレーダチップダイ102と電気的に連結される。例えば、配線層101上に金属層エッチング工程を行い、スロットパターンを形成して第2サブアンテナ822を構成する。図14に図示されたレーダアセンブリパッケージと比較するとき、図15に図示されたレーダアセンブリパッケージは、給電線828が省略された。すなわち、パッケージ層に第2サブアンテナ822を形成するための金属層を製造する必要なく、第1サブアンテナを製造するための一層の金属層のみ製造すれば、アンテナ・イン・パッケージ及びレーダアセンブリパッケージの大きさをさらに小さくすることができる。
【0080】
また、製造工程において材料の均一性を向上させるために、配線層101の空き領域(すなわち、非素子領域)に、穴または金属パッチ等の形態のダミー構造104を設けることもできる。選択的な異なる一実施例において、第2サブアンテナ822の金属層に穴または金属パッチ等の形態のダミー構造を設けて、材料の均一性を向上させることができる。
【0081】
図16は、選択的一実施例によるAOPアンテナ・イン・パッケージを有するレーダアセンブリパッケージの断面図である。レーダアセンブリパッケージ802は、配線層101、配線層101の前方向表面に設けられるレーダチップダイ(die)102、レーダチップダイ102をカバーするパッケージ層103、及びAOPアンテナ・イン・パッケージ830等を含むことができる。ここで、配線層101はチップパッケージングのファンアウト(fan-out)に使用される金属層であり得、AOPアンテナ・イン・パッケージ830は、配線層101を介してレーダチップダイ102と電気的に連結され得る。
【0082】
本実施例において、AOPアンテナ・イン・パッケージ830は、第2サブアンテナ832、第2サブアンテナ832の送信面の上方に位置する第1サブアンテナ831、第2サブアンテナ832と第1サブアンテナ831間に位置する誘電体層836、及び第2サブアンテナ832と第1サブアンテナ831を互いに電気的に連結した連結線(例えばビア導体)833を含むことができる。
【0083】
本実施例において、レーダチップダイ102のパッケージング工程段階において、AOPアンテナ・イン・パッケージ830の各部分を製造してウエハレベルのアンテナ・イン・パッケージを形成することができる。AOPアンテナ・イン・パッケージ830の第2サブアンテナ832、誘電体層836及び連結線833は、パッケージ層103内部に形成される。第1サブアンテナ831は、パッケージ層103の表面に形成されて連結線833に電気的に連結される。AOPアンテナ・イン・パッケージ830は、パッケージ層の表面を十分に用いてレーダアセンブリパッケージの大きさをさらに減少させると同時に、チップからアンテナへの相互接続損失を減少させる。
【0084】
本実施例において、第1サブアンテナ831と第2サブアンテナ832の具体的な構造は、それぞれ図1ないし図13に図示されたアンテナ・イン・パッケージ中の第1サブアンテナ及び第2サブアンテナの構造に一つ一つ対応することができる。同時に、配線層101、レーダチップダイ(die)102及びパッケージ層103の具体的な構造は、それぞれ図14に図示されたレーダアセンブリパッケージ中の配線層、レーダチップダイ及びパッケージ層の構造に一つ一つ対応することができる。説明上の便宜のために、ここで同一の部分は詳しく説明しない。
【0085】
選択的な異なる一実施例において、図16における第2サブアンテナ832は、配線層101の金属層に形成されたアンテナでもあり得る。例えば、配線層101上に金属層エッチング工程を行い、スロットパターンを形成することによって、第2サブアンテナ832を構成する。すなわち、パッケージ層に第2サブアンテナ832を形成するための金属層を製造する必要なく、第1サブアンテナを製造するための一層の金属層のみ製造すれば、アンテナ・イン・パッケージ及びレーダアセンブリパッケージの大きさをさらに小さくすることができる。
【0086】
図17は、選択的一実施例によるAIPアンテナ・イン・パッケージを有するレーダアセンブリパッケージの断面図である。図17に図示されたように、レーダアセンブリパッケージ900は、配線層101、配線層101の前方向表面に設けられたレーダチップダイ(die)102、レーダチップダイ102をカバーするパッケージ層103、及びパッケージ層103に位置するAIPアンテナ・イン・パッケージ910等を含むことができる。ここで、配線層101は、チップパッケージングのファンアウト(fan-out)に使用される金属層であり得、AIPアンテナ・イン・パッケージ910は、配線層101を介してレーダチップダイ102と電気的に連結され得る。
【0087】
選択的一実施例において、図17に図示されたように、AIPアンテナ・イン・パッケージ910は、別途製造した後にレーダチップダイ102と共にパッケージングすることができる。また、レーダチップダイ102のパッケージング工程段階において、AIPアンテナ・イン・パッケージ910の各部分を製造し、ウエハレベルのアンテナ・イン・パッケージを形成して工程の柔軟性を向上させることもできる。
【0088】
例えば、図17に図示されたように、AIPアンテナ・イン・パッケージ910は、スロットアンテナ912、スロットアンテナ912の送信面の上方に位置するダイポールアンテナ911、スロットアンテナ912とダイポールアンテナ911間に位置する誘電体層916、及びスロットアンテナ912とダイポールアンテナ911を互いに電気的に連結した連結線(例えばビア導体)913を含むことができる。つまり、本実施例において、レーダチップダイ102のパッケージング工程段階において、AIPアンテナ・イン・パッケージ910の各部分を製造してウエハレベルのアンテナ・イン・パッケージを形成することができる。同時に、ダイポールアンテナ911とスロットアンテナ912の具体的な構造は、それぞれ図3ないし図13に図示されたアンテナ・イン・パッケージ中のダイポールアンテナ及びスロットアンテナの構造に一つ一つ対応することができる。説明上の便宜のために、ここで同一の部分は詳しく説明しない。
【0089】
選択的な異なる一実施例において、図17におけるスロットアンテナ912は、配線層101にスロット構造を開設して形成するアンテナでもあり得る。例えば、配線層101上に金属層エッチング工程を行い、スロットパターンを形成することによって、スロットアンテナ912を構成する。すなわち、パッケージ層にスロットアンテナ912を形成するための金属層を製造する必要なく、ダイポールアンテナを製造するための一層の金属層のみを製造すれば、アンテナ・イン・パッケージ及びレーダアセンブリパッケージの大きさをさらに小さくすることができる。
【0090】
選択的一実施例において、図17に図示された誘電体層916は、ガラス繊維エポキシ樹脂板(FR4)、セラミック板または高周波RF基板等であり得る。前記誘電体層916は、絶縁性を有し、スロットアンテナ912とダイポールアンテナ911を絶縁分離させることができる。同時にスロットアンテナ912とダイポールアンテナ911は、いずれも金属層のパターン化によって形成されたアンテナ構造であり得る。連結線913はビア導体であり得る。前記ビア導体は、銅材料を用いて誘電体層916の貫通孔に埋め込んで形成することができる。また、製造工程において、材料の均一性を向上させるために、配線層101の空き領域(すなわち、非素子領域)に、穴または金属パッチ等の形態のダミー構造104を設けることもできる。
【0091】
選択的な異なる一実施例において、図17に図示されたレーダチップダイ102は、順次配線層101及び給電線918を経てスロットアンテナ912に電気信号を伝送することができる。また、スロットアンテナ912を用いて連結線913を経てダイポールアンテナ911に電気信号を伝送することができる。異なる代替的な実施例において、アンテナ・イン・パッケージ910は、接地層と結合された伝送路をさらに含むことができる。給電線の代わりに伝送路を採択して電気信号を伝送することができる。同時に、配線層101を経て別途の伝送路を採択してそれぞれダイポールアンテナ911とスロットアンテナ912に給電を行うこともできる。
【0092】
図18は、選択的な異なる一実施例によるAIPアンテナ・イン・パッケージを有するレーダアセンブリパッケージの断面図である。レーダアセンブリパッケージ901は、配線層101、配線層101の第1表面に装着されるレーダチップダイ(die)102、レーダチップダイ102をカバーするパッケージ層103、及びパッケージ層103に位置するAIPアンテナ・イン・パッケージ920等を含む。ここで、配線層101は、チップパッケージングのファンアウト(fan-out)に使用される金属層であり得、AIPアンテナ・イン・パッケージ920は、配線層101を介してレーダチップダイ102と電気的に連結され得る。
【0093】
本実施例において、AIPアンテナ・イン・パッケージ920は、スロットアンテナ922、スロットアンテナ922の送信面の上方に位置するダイポールアンテナ921、スロットアンテナ922とダイポールアンテナ921間に位置する誘電体層926、及びスロットアンテナ922とダイポールアンテナ921を互いに電気的に連結した連結線(例えばビア導体)923を含むことができる。
【0094】
前記レーダアセンブリパッケージ901のAIPアンテナ・イン・パッケージ920において、連結線923は誘電体層926を貫通し、ダイポールアンテナ921は、ビア導体を経てスロットアンテナ922と電気的に連結される。また、スロットアンテナ922は、配線層101にスロット構造を開設して形成されたアンテナであり得る。また、配線層101を経てレーダチップダイ102と電気的に連結される。例えば、配線層101上に金属層エッチング工程を行い、スロットパターンを形成してスロットアンテナ922を構成する。図17に図示されたレーダアセンブリパッケージと比較するとき、図18に図示されたレーダアセンブリパッケージは、給電線918が省略された。すなわち、パッケージ層にスロットアンテナ922を形成するための金属層を製造する必要なく、ダイポールアンテナを製造するための一層の金属層のみ製造すれば、アンテナ・イン・パッケージ及びレーダアセンブリパッケージの大きさをさらに小さくすることができる。
【0095】
また、製造工程において材料の均一性を向上させるために、配線層101の空き領域(すなわち、非素子領域)に、穴または金属パッチ等の形態のダミー構造104を設けることもできる。選択的な異なる一実施例において、スロットアンテナ922の金属層に、穴または金属パッチ等の形態のダミー構造を設けて材料の均一性を向上させることができる。
【0096】
図19は、選択的な異なる一実施例によるAOPアンテナ・イン・パッケージを有するレーダアセンブリパッケージの断面図である。レーダアセンブリパッケージ902は、配線層101、配線層101の前方向表面に設けられるレーダチップダイ(die)102、レーダチップダイ102をカバーするパッケージ層103、及びAOPアンテナ・イン・パッケージ930等を含むことができる。ここで、配線層101は、チップパッケージングのファンアウト(fan-out)に使用される金属層であり得、AOPアンテナ・イン・パッケージ930は、配線層101を介してレーダチップダイ102と電気的に連結され得る。
【0097】
本実施例において、AOPアンテナ・イン・パッケージ930は、スロットアンテナ932、スロットアンテナ932の送信面の上方に位置するダイポールアンテナ931、スロットアンテナ932とダイポールアンテナ931間に位置する誘電体層936、及びスロットアンテナ932とダイポールアンテナ931を互いに電気的に連結した連結線(例えばビア導体)933を含むことができる。
【0098】
本実施例において、レーダチップダイ102のパッケージング工程段階において、AOPアンテナ・イン・パッケージ930の各部分を製造してウエハレベルのアンテナ・イン・パッケージを形成することができる。AOPアンテナ・イン・パッケージ930のスロットアンテナ932、誘電体層936及び連結線933は、パッケージ層103内部に形成される。ダイポールアンテナ931は、パッケージ層103の表面に形成されて連結線933に電気的に連結される。AOPアンテナ・イン・パッケージ930は、パッケージ層の表面を十分に用いてレーダアセンブリパッケージの大きさをさらに減少させると同時に、チップからアンテナへの相互接続損失を減少させる。
【0099】
本実施例において、ダイポールアンテナ931とスロットアンテナ932の具体的な構造は、それぞれ図1ないし図13に図示されたアンテナ・イン・パッケージ中のダイポールアンテナ及びスロットアンテナの構造に一つ一つ対応することができる。同時に、配線層101、レーダチップダイ(die)102及びパッケージ層103の具体的な構造は、それぞれ図14に図示されたレーダチップダイ中の配線層、レーダチップダイ及びパッケージ層の構造に一つ一つ対応することができる。説明上の便宜のために、ここで同一の部分は詳しく説明しない。
【0100】
選択的な異なる一実施例において、図19におけるスロットアンテナ932は、配線層101にスロット構造を開設して形成するアンテナでもあり得る。例えば、配線層101上に金属層エッチング工程を行い、スロットパターンを形成することによって、スロットアンテナ932を構成する。すなわち、パッケージ層にスロットアンテナ932を形成するための金属層を製造する必要なく、ダイポールアンテナを製造するための一層の金属層のみ製造すれば、アンテナ・イン・パッケージ及びレーダアセンブリパッケージの大きさをさらに小さくすることができる。
【0101】
従来のレーダアセンブリパッケージは、大面積の接地層を形成し、接地層にはビア導体が貫通する開口を形成しなければならない。従来のレーダアセンブリパッケージと比較するとき、本出願の実施例のレーダアセンブリパッケージは、アンテナ・イン・パッケージを形成した。アンテナ・イン・パッケージのスロットアンテナまたは第2サブアンテナが接地層を代替し、スロットアンテナまたは第2サブアンテナが所定領域に位置する電磁波を打ち消すため、指向性放射を具現することができる。また、レーダアセンブリパッケージの構造を単純化して製造原価を効果的に下げることによって、応用の展望が大幅に拡張された。
【0102】
図20は、選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの周波数応答グラフである。前記図20に図示されたグラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は反射係数を示すことができる。図3ないし図5を参照すると、図3ないし図5に図示されたアンテナ・イン・パッケージの構造を基盤として、異なる作業周波数下における、アンテナ・イン・パッケージ210の反射係数のアンテナ給電ポートの反射波と入射波の出力比、すなわち反射損失比を取得することができる。ここで、反射係数が小さいほどアンテナが放射するエネルギーが大きいことを意味する。
【0103】
図20からわかるように、アンテナ・イン・パッケージ210は、71.6GHzないし86.5GHzの周波数帯域内において、反射係数がいずれも-20dB未満である。77GHzを中心周波数として、アンテナ・イン・パッケージ210の作業帯域幅は、71.6GHzないし86.5GHzの範囲に到達することができる。前記作業周波数帯域は、図1に図示された従来のレーダアセンブリパッケージにおけるアンテナ・イン・パッケージよりはるかに高い。前述したように、配線層の加工工場の加工工程の限界及び誤差はすべて0.1mm水準である。アンテナの作業周波数も約10%偏向され得る。本出願の実施例を適用したアンテナ・イン・パッケージは、比較的広い作業周波数帯域を有する。一定の製造工程の誤差があったとしても、前記アンテナ・イン・パッケージの反射係数は依然として比較的小さいため、RFモジュールの正常な作業要件を満たすことができる。
【0104】
図21は、選択的一実施例によるアンテナ・イン・パッケージの利得パターンである。図3ないし図5に図示されたアンテナ・イン・パッケージ構造を基盤として、前記グラフの横軸は、アンテナの磁界ベクトル平面(H面)、電場の適正平面(E面)の利得を示す。縦軸は、アンテナ・イン・パッケージ210に対するダイポールアンテナの金属層の法線方向の方向角を示す。
【0105】
図21からわかるように、前記アンテナ・イン・パッケージの主要放射エネルギーは、いずれも前方向、すなわち0度ないし+-90度以内に集中する。後方向の放射は相対的に比較的弱い。前記特性は、本発明のアンテナ・イン・パッケージが多様な複雑なシステム環境において使用され得るように保障する。このアンテナパターンは、配線層の設計等による影響を比較的受けにくい。
【0106】
本願において、第1、第2等のような関係用語は、一つの実体または操作を異なる実体または操作と区分するためのものであるだけで、これらの実体または操作間に、いかなる実際の関係や順序の存在が必要であったり、または、そのように暗示したりするものではないことに留意する。用語「含む」、「包括」またはこれの他の変形は、非排他的な含有まで内包するものであるため、一連の要素を含む過程、方法、物品または設備は、そのような要素を含むだけでなく、明示的に羅列されていない異なる要素をさらに含み、またはこれらの過程、方法、物品または設備固有の要素も含むという点に留意しなければならない。これ以上の制限がない場合、「一つの…を含む」という文章で限定される要素は、該当要素を含む過程、方法、物品または設備に異なる同一の要素が存在することを排除しない。
【0107】
前述の通りの本出願の実施例によると、これらの実施例は、いずれも細部事項が詳しく説明されておらず、本出願は、前記具体的な実施例により制限されない。もちろん、前記説明をもとに多くの修正及び変更が可能である。本出願の原理及び実際の適用方法を詳しく説明することによって、本出願が属する技術分野の当業者が、本出願をさらによく利用し、本発明を基盤として修正して使用することができるように、本明細書では、前述の実施例を選択して具体的に説明した。本出願は、請求の範囲とその全体範囲及び等価物によってのみ制限される。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21