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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】油中水型乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20240819BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20240819BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20240819BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20240819BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20240819BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240819BHJP
   A61K 8/894 20060101ALI20240819BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20240819BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/06
A61K8/27
A61K8/29
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/894
A61Q1/12
A61Q17/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020062644
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021161047
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】弁理士法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹木 亮
(72)【発明者】
【氏名】大塚 千恵
【審査官】伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-193551(JP,A)
【文献】特開2015-196646(JP,A)
【文献】特開2011-225534(JP,A)
【文献】特開2015-120663(JP,A)
【文献】特開平09-255543(JP,A)
【文献】特開平08-217619(JP,A)
【文献】国際公開第2021/200370(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D);
(A)(A-1)非水溶媒を分散媒とする(A-2)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共
重合体ディスパージョン 1.5~17質量%
(B)液状油 10~60質量%
(C)疎水化処理酸化チタン及び疎水化処理酸化亜鉛よりなる群から選ばれる1種または
2種以上 0.01~40質量%
(D)HLBが1~5である非イオン界面活性剤 0.1~10質量%
を含有する油中水型乳化化粧料。
【請求項2】
成分(D)が、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合、ラウリルポリグリセリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン及びポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンよりなる群から選ばれる1種または2種以上の非イオン界面活性剤である請求項1記載の油中水型乳化化粧料
【請求項3】
成分(A-2)アクリル系アルキル/酢酸ビニル共重合体が、(メタ)アクリル酸アルキルと酢酸ビニルとを質量比30:70~95:5の範囲で共重合させたものである請求項1または2記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項4】
成分(A-2)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体を構成する(メタ)アクリル酸アルキルの重合体のTgが20~50℃である請求項1~3のいずれかの項記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項5】
成分(A-2)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体の数平均分子量が5万~50万である請求項1~のいずれかの項記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項6】
成分(A-1)非水溶媒が、揮発性炭化水素油である請求項1~のいずれかの項記載の油中水型乳化化粧料。
【請求項7】
成分(A-1)に対する成分(A-2)の含有質量比((A-2)/(A-1))が1以下である請求項1~のいずれかの項記載の油中水型乳化化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐水性、耐皮脂性に優れ、塗布時の色変わりが少なく、かつ化粧持ち及び保存安定性が良好な油中水型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
乳化化粧料は化粧料に一般的に用いられる剤型であり、中でも油中水型乳化化粧料はファンデーションや下地、日焼け止めなどに広く用いられている。油中水型乳化化粧料は連続相が油剤であるため、一般的に伸び広がりのなめらかさに優れ、水との再乳化を起こさないため、優れた耐水性を有する一方、耐皮脂性に劣り、連続相が水である水中油型乳化化粧料に比べ、伸び広がりが重く、形成された化粧膜は油っぽく膜厚になる傾向にあった。
【0003】
耐皮脂性を改善するため、シリコーンレジンやアクリルポリマー、ワックスなどを配合することが行われてきたが、これらは肌上で強固なネットワーク構造を形成して化粧膜を保護するため、硬い皮膜がつっぱるような負担感を感じるという課題があった。また、伸び広がりの重さや油っぽさを改善するため、含水量を増やしたり、低粘度・揮発性を有する油剤を多量に配合することが行われているが、それらの成分は一般に化粧料に着色、紫外線防御、防腐などの目的で配合される酸化チタン・酸化亜鉛といった金属酸化物との相溶性が悪く、多量に配合すると顔料の沈降や塗布時の色変わりなど、分散不良に起因する現象を引き起こしていた。
【0004】
そこで耐皮脂性を維持しつつ負担感を軽減させるために液状脂肪相中にポリマー粒子を分散させたポリマーエマルションを配合したメーキャップ化粧料がいくつか提案されている(特許文献1-4)。しかし、これらはポリマーが安定化剤によって分散されているため化粧料の成分組成により不安定になったり、化粧持ちに悪影響を与える懸念があった。また、安定化剤を含有しないポリマーエマルションも提案されているが、これも配合する油剤の種類によって不安定化が進んでしまう懸念があった。さらにこれらのポリマーエマルションを配合しても、金属酸化物の分散性に関しては不十分なままであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-178126号公報
【文献】特開2004-256539号公報
【文献】特開2006-8585号公報
【文献】国際公開WO2017/141919パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、化粧料中及び肌上の塗布膜において金属酸化物の分散状態を良好に保つことで、塗布時の色変わりを抑制し、化粧持ちを向上し得る油中水型乳化化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる事情に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行った結果、非水溶媒を分散媒とするアクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体ディスパージョン、液状油、疎水化処理金属酸化物、HLBが1~5である非イオン界面活性剤を組み合わせることによって、化粧料中の金属酸化物の分散性を向上させ、肌上に形成された塗布膜においても金属酸化物の分散状態を保つことができるため、塗布時の色変わりが低減されるとともに、化粧持ちが向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は以下の物を含むものである。
[1]次の成分(A)~(D);
(A)(A-1)非水溶媒を分散媒とする(A-2)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体ディスパージョン
(B)液状油
(C)疎水化処理酸化チタン及び疎水化処理酸化亜鉛よりなる群から選ばれる1種または2種以上
(D)HLBが1~5である非イオン界面活性剤
を含有する水中油型乳化化粧料である。
[2]
さらに成分(A-2)アクリル系アルキル/酢酸ビニル共重合体が、(メタ)アクリル酸アルキルと酢酸ビニルとを質量比30:70~95:5の範囲で共重合させたものである油中水型乳化化粧料。
[3]
成分(A-2)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体を構成する(メタ)アクリル酸アルキルの重合体のTgが10℃以上、さらに15℃以上、特に20℃以上であり、は50℃以下、さらに40℃以下である油中水型乳化化粧料。
[4]
成分(A-2)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体の数平均分子量が5万~50万である油中水型乳化化粧料。
[5]
成分(A-1)非水溶媒が、揮発性炭化水素油である油中水型乳化化粧料。
[6]
成分(A-1)に対する成分(A-2)の含有質量比((A-2)/(A-1))が1以下である油中水型乳化化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明の油中水型乳化化粧料は、化粧料中及び肌上の塗布膜において金属酸化物の分散状態を良好に保つことができるため、塗布時の色変わりや色むらが抑制され、柔軟な塗布膜が形成されるため、負担感がない仕上がりが得られるとともに、耐水性、耐皮脂性にも優れるため化粧膜の持続性が顕著に向上したものである。また長期間保存しても金属酸化物の凝集等の発生が抑制され、保存安定性が高い。さらに、本発明の化粧料は紫外線防御などの機能を向上、維持し得るものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明に用いられる成分(A)は、非水溶媒(A-1)中にアクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体(A-2)を分散したディスパージョンである。
【0012】
アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体(A-2)は、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で、ACRYLATES/VA COPOLYMERとして収載される成分に相当する。成分(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルと、酢酸ビニルとを共重合して得られるものであり、(メタ)アクリル酸アルキルとして、アルキル基の炭素数が1~4,8又は12の(メタ)アクリル酸アルキルの1種又は2種以上が用いられる。成分(A)を構成する(メタ)アクリル酸アルキルと酢酸ビニルの質量比は特に制限されるものではないが、30:70~95:5((メタ)アクリル酸アルキル:酢酸ビニル)が好ましく、40:60~70:30の範囲がより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルの割合が上記範囲よりも少ないと、化粧膜の持続性等が低下する場合があり、上記範囲よりも多いと、塗布時の負担感や色変わり、化粧膜の持続性等に劣る場合がある。
【0013】
成分(A)の数平均分子量は特に制限されるものではないが、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から5万~50万が好ましく、5万~30万がより好ましい。数平均分子量は、ゲルパーミュレーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算値である。また成分(A)を構成するモノマーのうち、(メタ)アクリル酸アルキルのみを重合した重合体のTgは、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から下限として10℃以上であることが好ましく、15℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましい。上限は50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましい。
【0014】
成分(A)の分散媒である非水溶媒(A-1)としては、化粧料に配合可能な有機溶媒、シリコーン系溶媒などが含まれ、これらの中でも、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から、揮発性炭化水素油、脂肪酸エステル、脂肪酸、シリコーン油等が好ましく、揮発性炭化水素油がより好適である。揮発性炭化水素油とは、常圧における沸点が260℃以下の炭化水素であり、例えば、イソオクタン、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソエイコサエン等の側鎖を有する炭化水素、イソパラフィン、或いはこれらの混合物、イソブテン、n-ブテン等を重合或いは共重合(重合度は4~6が好ましい)した後、水素添加したもの等を挙げることができ、必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でもイソドデカンが好ましい。
【0015】
脂肪酸エステルとしては、特に制限されるものではないが、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から構成する脂肪酸のアルキル基が2~18であるものが好ましく、4~16であるものがより好ましく、8~12であるものが特に好ましい。好適な脂肪酸エステルとして、例えば、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、デカエチルヘキサン酸ポリグリセリル-10、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、トリメリト酸トリトリデシル、ヘキサイソノナン酸ジペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸ジグリセリルなどが例示され、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシルがより好ましい。
【0016】
脂肪酸としては、イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等が例示される。またシリコーン油としては、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルトリメチコン等が例示される。
【0017】
成分(A)には、樹脂粒子が含まれる。その平均粒子径は、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性の観点から0.1~2μmであることが好ましい。樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折法を用い、以下の方法により求められる。
成分(A)を、縦5mm、横65mm、及び高さ80mm角のガラスセル中にパスツールピペットを用いて5mL採取し、これをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置〔堀場製作所社製のLA-910A〕にセットする。
レーザー光(赤色)の透過率が80%~90%になるように、成分(A)の濃度を調整した後、測定温度25℃±1℃の条件で測定した結果をコンピュータ処理することにより、非水ディスパージョン中の樹脂の粒子の平均粒子径を求め、体積平均(D50)の値を平均粒子径とする。
【0018】
成分(A)は、公知の方法によって得ることができ、例えば、非水溶媒中で、(メタ)アクリル酸アルキルと酢酸ビニルを重合反応させる方法のほか、調製したアクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体を非水溶媒中に分散させることによっても製造できる。成分(A)における非水溶媒(A-1)とアクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体(A-2)の含有質量比((A-2)/(A-1))は、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から、1以下であることが好ましい。成分(A)の市販品としては、例えば、ニッセツ U-3712A(日本カーバイド工業社製)等が挙げられる。
【0019】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(A)の含有量は特に制限されるものではないが、(A-1)が化粧料中に0.01~15質量%(以下、単に「%」と表記する)であることが好ましく、より好ましくは0.1~10%であり、特に好ましくは0.5~8%である。この範囲であると、化粧膜の持続性、塗布時の色変わりや負担感がない仕上がり等の点において、より優れたものとなる。
【0020】
成分(B)は25℃で液状の油剤である。成分(B)の液状油としては特に制限されないが、上記成分(A)の非水溶媒と同様の成分を好適に用いることができる。すなわち、揮発性炭化水素油、脂肪酸エステル、脂肪酸、シリコーン油等が好ましく、揮発性炭化水素油としては、例えば、イソオクタン、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソエイコサエン等の側鎖を有する炭化水素、イソパラフィン、或いはこれらの混合物、イソブテン、n-ブテン等を重合或いは共重合(重合度は4~6が好ましい)した後、水素添加したもの等を挙げることができ、必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でもイソドデカンが好ましい。
【0021】
脂肪酸エステルとしては、特に制限されるものではないが、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から構成する脂肪酸のアルキル基が2~18であるものが好ましく、4~16であるものがより好ましく、8~12であるものが特に好ましい。好適な脂肪酸エステルとして、例えば、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、デカエチルヘキサン酸ポリグリセリル-10、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、トリメリト酸トリトリデシル、ヘキサイソノナン酸ジペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸ジグリセリルなどが例示され、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらのうち、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシルがより好ましい。
【0022】
脂肪酸としては、イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等が例示される。またシリコーン油としては、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルトリメチコン等が例示される。
【0023】
本発明の化粧料における成分(B)の含有量は特に制限されるものではないが、化粧膜持続性等の観点から、10~60%が好ましく、20~50%がより好ましい。
【0024】
成分(B)には、上記好ましい液状油として記載した液状油である成分(b)を含むことが化粧膜持続性等の観点から好ましい。すなわち、成分(b)として、イソオクタン、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソエイコサエン等の側鎖を有する炭化水素、イソパラフィン、或いはこれらの混合物、イソブテン、n-ブテン等を重合或いは共重合(重合度は4~6が好ましい)した後、水素添加したもの;ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、デカエチルヘキサン酸ポリグリセリル-10、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、トリメリト酸トリトリデシル、ヘキサイソノナン酸ジペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸ジグリセリル;イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸;ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルトリメチコンが含まれる。化粧膜持続性等の観点から、((A-1)+(b))/((A-1)+(B))の値が30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上がさらに好ましい。
【0025】
本発明では、成分(C)として疎水化処理酸化チタン、疎水化処理酸化亜鉛を用いる。通常化粧料等に用いられる酸化チタン、酸化亜鉛であれば特に限定されるものではないが、紫外線防御効果等の観点から、その平均粒子径は10nm~1μmであることが好ましく、20nm~400nmであることがより好ましい。平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA-910、堀場製作所社製)を用いて、体積平均粒子径(D50)として測定される値である。
【0026】
本発明では、上記酸化チタン、酸化亜鉛を疎水化処理したものを用いる。疎水化処理としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、等のシリコーン処理、トリエトキシカプリリルシラン処理等のアルキルアルコキシシラン処理、パーフルオロアルキルリン酸エステル処理、パーフルオロアルキルアルコキシシラン処理等のフッ素処理、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理、レシチン処理、ステアリン酸処理、ミリスチン酸処理等の脂肪酸処理、ラウロイルリジン処理、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa処理、ステアロイルグルタミン酸2Na処理、ラウロイルアスパラギン酸Na等のN-アシルアミノ酸処理などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて処理することができる。これらの中でも、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から、トリエトキシカプリリルシラン処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理が好適に用いられる。疎水化処理剤の処理量は特に制限されるものではないが、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から、酸化チタン、酸化亜鉛に対して1~20%であることが好ましく、2~10%であることがより好ましい。
【0027】
本発明の化粧料における成分(C)の含有量は特に制限されるものではないが、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性の観点から、0.01~40%が好ましく、0.1~25%がより好ましい。
【0028】
成分(D)はHLBが1~5の非イオン界面活性剤である。HLBが1~5の範囲にある非イオン界面活性剤としては、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合、ラウリルポリグリセリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらのうち、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンが化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性の観点から好適に用いられる。
【0029】
本発明の化粧料における成分(D)の含有量は特に制限されるものではないが、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から、0.1~10%が好ましく、1~8%がより好ましい。
【0030】
本発明の油中水型乳化化粧料は、油相を連続相とし、分散相として水を含むものである。水の含有量は、特に限定されないが、化粧料中に5~60%が好ましく、より好ましくは10~50%であり、特に好ましくは20~40%である。
【0031】
本発明の油中水型乳化化粧料は、上記成分の他、通常化粧料に使用される固体油、半固形油等の油剤、界面活性剤、ゲル化剤、高分子、着色剤、粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、香料、美容成分等を本発明の効果を妨げない範囲で適宜含有することができる。
【0032】
油剤としては、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の固体油、炭化水素系半固形油、エステル系半固形油、エーテル系半固形油、シリコーン系半固形油等の半固形油等が挙げられる。
【0033】
界面活性剤としては、12-ヒドロキシステアリン酸、ポリ12-ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸石鹸類、アシルグルタミン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレン付加アルキルリン酸塩等の陰イオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。本発明の化粧料においては、界面活性剤として成分(D)のHLBが1~5である非イオン界面活性剤を主成分として用いることが好ましく、例えば、界面活性剤全量に対し、成分(D)が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上が特に好ましい。
【0034】
ゲル化剤としては、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、ステアリン酸イヌリン、有機変性ベントナイト、煙霧状無水ケイ酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等、高分子としては、カラギーナン、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン等、パラオキシ安息香酸誘導体,フェノキシエタノール、アルカンジオール等の防腐剤、ローズマリーエキス、カミツレエキス、コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド等の美容成分等が挙げられる。
【0035】
着色剤や粉体としては、板状、紡錘状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、酸化セリウム、雲母、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、シリコーン末、ポリエチレン末等の有機粉体、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄処理雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、二酸化珪素・酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン含有二酸化珪素、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができ、これらをフッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、界面活性剤等の1種または2種以上を用いて処理を施してあってもよい。
【0036】
本発明の油中水型乳化化粧料は、公知の製造方法に従って、ゲル状、クリーム状、液状など様々な剤型とすることができる。その種類としては、下地、ファンデーション、BBクリーム等のメイクアップ化粧料や、美容液、日焼け止め化粧料などが挙げられ、好ましくは下地、ファンデーション、BBクリーム等のメイクアップ化粧料であり、さらに好ましくはファンデーションである。
【0037】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0038】
実施例1~5および比較例1~5:油中水型乳化化粧料
下記表1及び2に示す処方の油中水型乳化化粧料を以下の製法に従って調製し、下記評価方法によって、イ.色むらの目立ちにくさ、ロ.塗布時の負担の無さ、ハ.色変わりの無さ、ニ.化粧膜の持続性、製剤配合安定性、製剤保存安定性の各項目について評価した。結果も併せて表1及び2に示す。

【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
※1:ニッセツ U-3712A(日本カーバイド工業社製、固形分45%イソドデカン溶媒)
(メタ)アクリル酸アルキル(Tg30℃):酢酸ビニルが50:50
※2:コポリマーの構成成分は※1と同じ(固形分45%イソドデカン溶媒)
(メタ)アクリル酸アルキル(Tg30℃):酢酸ビニルが70:30
※3:コポリマーの構成成分は※1と同じ(固形分45%イソドデカン溶媒)
(メタ)アクリル酸アルキル(Tg30℃):酢酸ビニルが30:70
※4 KF-7312J(信越化学工業社製)
※5 KP-545(信越化学工業社製)
※6 ビニゾール2140L(大同化成工業社製、固形分42.7%水溶媒のディスパージョン)
【0041】
(製法)
A.成分(1)~(11)を均一に混合する。
B.Aに、成分(11)~(28)を均一に混合する。
C.Bに成分(29)~(34)の溶解物を添加し、乳化混合をする。
D.Cを脱泡し、油中水型乳化化粧料を得た。
【0042】
(官能評価試験方法)
前記油中水型乳化化粧料について専門評価者20名が適量を手にとり、指で肌上に伸ばして使用し、評価項目ごとに評価者各人が下記絶対評価にて5段階に評価し評点を付け、各サンプルのパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
【0043】
(評価項目) :(評価基準)
イ. 色ムラの目立ちにくさ :肌の色ムラが目立たなく感じるかどうか
ロ. 塗布時の負担感の無さ :塗布した肌がつっぱるなどの嫌な感覚がないかどうか
ハ. 色変わりの無さ :塗布直後から経時で色の変化がないかどうか
ニ. 化粧膜の持続性 :塗布8時間経過後の化粧持ちのよさ
【0044】
<評価基準>
(評点):(評価結果)
5点 :良好
4点 :やや良好
3点 :普通
2点 :やや不良
1点 :不良
<判定基準>
(判定):(評点平均値)
A :4.0点以上
B :3.0点以上~4.0点未満
C :2.0点以上~3.0点未満
D :2.0点未満
【0045】
(製剤配合安定性評価試験方法)
所定の方法にて調整した皮膚化粧料を金属板上に指で伸ばし、凝集物の形成状況を目視にて観察し下記評価基準に従って評価した。
凝集物なし : A
凝集物あり : B
分離・沈澱物あり : C
【0046】
(製剤保存安定性評価試験方法)
所定の方法にて調整した皮膚化粧料を50℃恒温槽内に静置し、1ヶ月後の顔料の分離・凝集保存安定性を目視にて観察し下記基準に従って評価した。
分離・凝集なし : A
ごくわずかに分離・凝集あり : B
分離・凝集あり : C
【0047】
表1及び2の結果から明らかなように、実施例1~5は、カバー力、塗布時の負担感の無さ、色変わりの無さ、化粧膜の持続性、耐水性・耐皮脂性、製剤配合安定性、製剤保存安定性に優れた化粧料であった。
一方、親水部を持たない(メタ)アクリル酸アルキルを含有するコポリマーを含有する比較例1、シリコーンの被膜形成剤を使用した比較例2は、色ムラの目立ちにくさ、色変わりのなさ、負担感のなさの点で劣るものであった。また(メタ)アクリル酸とシロキサンとのコポリマーを使用した比較例3は、色ムラの目立ちにくさ、色変わりのなさの点で劣るものであり、アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体の水系ディスパージョンを使用した比較例4は、特に化粧持続性に劣るものであった。
【0048】
実施例6:油中水型乳化日焼け止め料
(成分) (%)
1.疎水化処理微粒子酸化チタン(平均粒子径35nm) 2.0
2.疎水化処理微粒子酸化亜鉛(平均粒子径25nm) 10.0
3.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー 2.0
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
5.ジメチルポリシロキサン 10.0
6.イソドデカン 3.0
7.トリエチルヘキサノイン 2.0
8.コハク酸ジエチルヘキシル 2.0
9.トリフルオロプロピルジメチル
トリメチルシロキシケイ酸 5.0
10.ジカプリン酸プロピレングリコール 4.0
11.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 7.0
12.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.5
13.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシ
フェニルトリアジン 1.5
14.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー非水溶媒ディスパージョン※1
3.3
15.トリメチルシルセスキオキサン 1.0
16.疎水化処理球状シリカ(5μm) 0.5
17.フェノキシエタノール 0.1
18.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコ 3.0
19.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.0
20.1,3-ブチレングリコール 3.0
21.エタノール 5.0
22.ポリクオタニウム-104 0.5
23.シロキクラゲエキス 0.1
24.グリセリン 1.0
25.精製水 残量
【0049】
(製造方法)
A:成分を1~4を均一に混合する。
B:成分10~13を80℃で溶解混合し、室温冷却後A及び5~9、14~19を加え分散する。
C:成分20~25を均一に混合溶解する。
D:BにCを加え乳化し、日焼け止め料を得た。
【0050】
以上のようにして得られた実施例6の日焼け止め料は、塗布時の負担感の無さ、化粧膜の持続性、耐水性・耐皮脂性、製剤配合安定性、製剤保存安定性に優れた化粧料であった。
【0051】
実施例7:油中水型乳化固形下地
(成分) (%)
1.疎水化処理酸化チタン(平均粒子径250nm) 3.0
2.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※9 2.0
3.ジメチルポリシロキサン 2.0
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
5.トリフルオロプロピルジメチルトリメチルシロキシケイ酸 1.0
6.イソヘキサデカン 10.0
7.流動パラフィン 5.0
8.デキストリン脂肪酸エステル 2.0
9.キャンデリラロウ 2.0
10.ステアリン酸イヌリン 2.0
11.トリベヘン酸グリセリル 2.0
12.メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール 2.0
13.微粒子酸化チタン ※2 10.0
14.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー非水溶媒ディスパージョン※1
2.2
15.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
16.シリカ 2.0
17.(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)
コポリマー 0.1
18.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
19.1,3-ブチレングリコール 5.0
20.L-グルタミン酸ナトリウム 0.2
21.精製水 残量
【0052】
(製造方法)
A.成分(1)~(17)を75℃で均一に混合する。
B.成分(18)~(21)を70℃で混合する。
C.AにBを加え乳化し、室温まで冷却して、固形状油中水型下地を得た。
【0053】
以上のようにして得られた実施例7の固形状油中水乳化型ファンデーションは、カバー力、塗布時の負担感の無さ、色変わりの無さ、化粧膜の持続性、耐水性・耐皮脂性、製剤配合安定性、製剤保存安定性に優れた化粧料であった。
【0054】
実施例8:エアゾール型ファンデーション
(成分) (%)
1.微粒子酸化チタン(平均粒子径35nm) 3.0
2.微粒子酸化亜鉛(平均粒子径25nm) 6.0
3.疎水化処理酸化チタン(平均粒子径0.25μm) 10.0
4.酸化鉄 3.0
5.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー 2.0
6.ジメチコン(10CS) 10.0
7.ジメチコン(2CS) 3.0
8.ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.0
9.デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
10.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 7.0
11.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.5
12.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 1.5
13.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー非水溶媒ディスパージョン※1
2.5
13.水添レシチン 1.0
14.疎水化処理シリカ 1.0
15.トリフルオロプロピルジメチルトリメチルシロキシケイ酸 5.0
16.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 2.0
17.トリプロピレングリコール 3.0
18.精製水 残量
【0055】
(製造方法)
A.成分(1)~(6)を均一に混合する。
B:Aと成分(7)~(16)を混合し、均一に分散させる。
C:成分(17)、(18)を混合し、Bに添加し、常温で乳化し、原液を得た。
D:Cで得られた原液9gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15を10gおよびジメチルエーテルを2gを耐圧容器に充填し、エアゾール型ファンデーションを得た。
【0056】
以上のようにして得られた実施例8のエアゾール型ファンデーションはカバー力、塗布時の負担感の無さ、色変わりの無さ、化粧膜の持続性、耐水性・耐皮脂性、製剤配合安定性、製剤保存安定性に優れた化粧料であった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の油中水型乳化化粧料は、化粧料中及び肌上の塗布膜において金属酸化物の分散状態を良好に保つことができるため、塗布時の色変わりが抑制され、化粧膜の持続性が顕著に向上し、化粧持ちに優れるとともに、紫外線防御などの機能を向上、維持し得るものである。したがって、ファンデーション等のメイクアップ化粧料等に好適に利用できる。