(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】自走式ロボット及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B25J 5/00 20060101AFI20240819BHJP
B25J 13/02 20060101ALI20240819BHJP
B25J 19/06 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
B25J5/00 A
B25J13/02
B25J19/06
(21)【出願番号】P 2020215757
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】岡 朋暉
【審査官】樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-084628(JP,A)
【文献】特開2007-222968(JP,A)
【文献】国際公開第2016/170808(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式ロボットであって、
ロボットアームと、
表示装置と、
前記ロボットアーム及び/又は前記表示装置を昇降させるように構成されている、昇降装置と、
前記昇降装置を支持するように構成されている、無人搬送台車と、
前記自走式ロボットが提供するサービスを受ける対象者と前記自走式ロボットとの距離を検知するように構成されている、検知器と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記自走式ロボットが前記対象者に近づくときに、
前記対象者が、前記自走式ロボットがいる所定のエリア内にいるか否かを判定し、
前記所定のエリア内に前記対象者がいると判定した場合には、前記検知器で検知した距離が、予め設定されている
所定の距離以下になるまで、前記検知器で検知した距離が前記所定の距離以下であるか否かを判定し、
前記検知器で検知した距離が前記所定の距離以下であると判定した場合には、
人の平均身長を基に又は前記対象者の頭部の位置を基に予め設定されている所定の高さよりも前記表示装置が下方に位置するように前記昇降装置を動作させる、自走式ロボット。
【請求項2】
前記無人搬送台車に支持され、前記表示装置を前後方向に移動させるように構成されている、移動装置を備え、
前記検知器から取得した情報を基に、前記移動装置を動作させる、請求項1に記載の自走式ロボット。
【請求項3】
前記検知器は、前記対象者と前記表示装置との距離を検知するように構成されており、
前記検知器から取得した情報を基に、前記移動装置を動作させることは、前記対象者と前記表示装置との距離が、前記所定の距離である第1距離とは異なる予め設定されている所定の第2距離になるように、前記移動装置を動作させることである、請求項2に記載の自走式ロボット。
【請求項4】
前記検知器から取得した情報を基に、前記移動装置を動作させることは、前記検知器から取得した情報を基に前記表示装置の移動速度を決定し、決定した移動速度を基に前記移動装置を動作させて、前記表示装置を前進させることである、請求項2に記載の自走式ロボット。
【請求項5】
前記検知器から取得した情報を基に前記表示装置の移動速度を決定することは、前記対象者と前記表示装置との距離が小さくなると、前記表示装置の移動速度が小さくなるように前記移動速度を決定することである、請求項4に記載の自走式ロボット。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記対象者が前記表示装置に向けて手を伸ばしているか否かを判定し、
前記対象者が前記表示装置に向けて手を伸ばしていると判定した場合に、前記検知器から取得した情報を基に、前記移動装置を動作させ、
前記対象者の手が前記表示装置と接触したか否かを判定し、
前記対象者の手が前記表示装置と接触したと判定した場合、前記移動装置の動作を停止させる、請求項4又は5に記載の自走式ロボット。
【請求項7】
表示装置と、前記表示装置を昇降させるように構成されている昇降装置と、前記昇降装置を支持するように構成されている無人搬送台車と、前記自走式ロボットが提供するサービスを受ける対象者と前記自走式ロボットとの距離を検知するように構成されている検知器と、制御装置とを備える自走式ロボットの制御方法であって、前記自走式ロボットが前記対象者に近づくときに、前記制御装置によって、
前記対象者が、前記自走式ロボットがいる所定のエリア内にいるか否かを判定し、
前記所定のエリア内に前記対象者がいると判定した場合には、前記検知器で検知した距離が、予め設定されている所定の距離以下になるまで、前記検知器で検知した距離が前記所定の距離以下であるか否かを判定し、
前記検知器で検知した距離が前記所定の距離以下であると判定した場合には、人の平均身長を基に又は前記対象者の頭部の位置を基に予め設定されている所定の高さよりも前記表示装置が下方に位置するように前記昇降装置を動作させる、自走式ロボットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自走式ロボット及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
在宅支援等を目的とした、移動式ヒューマンインターフェースロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている移動式ヒューマンインターフェースロボットは、基部の上方に支持された胴部に、人の接触に応動するタッチセンサシステムが設けられていて、タッチセンサシステムから受け取った指令を基に、移動するように構成されている。
【0003】
また、当該移動式ヒューマンインターフェースロボットにおける胴部の上部には、タッチスクリーンを有する頭部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている移動式ヒューマンインターフェースロボットでは、タッチセンサシステムから受け取ったタッチ信号を基に、胴部を支持する脚部の高さを変更して、胴部の高さをユーザーの高さに変更している。
【0006】
このため、ロボットが支援する対象者が、ベッドに横たわった状態の場合、背の低い子供である場合等には、当該対象者がタッチセンサシステムに触れることができず、ロボットの支援を受けることができない。
【0007】
したがって、上記特許文献1に開示されている移動式ヒューマンインターフェースロボットでは、ロボットが提供するサービスの品質向上の観点から、未だ改善の余地があった。また、ロボットが対象者に近づく場合、ロボットの頭部が、対象者の頭部よりも上方に位置しているので、ロボットが対象者に対して威圧感を与えて、ロボットにより提供されるサービスの品質を低下させるおそれがあった。
【0008】
本開示は、上記特許文献1に開示されている移動式ヒューマンインターフェースロボットに比して、ロボットが提供する、在宅支援等のサービスの品質を向上させることができる、自走式ロボット及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来の課題を解決するために、本開示に係る自走式ロボットは、ロボットアームと、表示装置と、前記ロボットアーム及び/又は前記表示装置を昇降させるように構成されている、昇降装置と、前記昇降装置を支持するように構成されている、無人搬送台車と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、自走式ロボットが、予め設定されている所定の範囲内のエリアにいる場合には、予め設定されている所定の高さよりも前記表示装置が下方に位置するように前記昇降装置を動作させる。
【0010】
これにより、自走式ロボットが所定のエリア内にいる場合に、表示装置が所定の高さよりも下方に位置するので、所定のエリア内に人が入ってきた場合に、当該人に威圧感を与えることがない。このため、自走式ロボットが提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0011】
なお、在宅支援とは、例えば、高齢者等の介護、住宅内外の監視、家事等が挙げられる。また、商業的支援とは、例えば、売り場でのレジ打ち、商品の搬送、陳列、建物内外の案内、清掃、警備、料理店での調理、給仕、工場内外での部品等の搬送等が挙げられる。
【0012】
また、本開示に係る自走式ロボットの制御方法は、自走式ロボットが、予め設定されている所定の範囲内のエリアにいる場合には、予め設定されている所定の高さよりも表示装置が下方に位置するように昇降装置が動作する。
【0013】
これにより、自走式ロボットが所定のエリア内にいる場合に、表示装置が所定の高さよりも下方に位置するので、所定のエリア内に人が入ってきた場合に、当該人に威圧感を与えることがない。このため、自走式ロボットが提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0014】
本開示の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかにされる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の自走式ロボット及びその制御方法によれば、ロボットが提供する、在宅支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本実施の形態1に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態1に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2に示す自走式ロボットにおける自走式ロボット本体の概略構成を示す模式図である。
【
図4】
図4は、第1エリアに配置されている自走式ロボット本体と対象者との位置関係を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第1エリアに配置されている自走式ロボット本体と対象者との位置関係を示す模式図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態1に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施の形態1に係る自走式ロボットの動作の他の例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本実施の形態1における変形例1の自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態2に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態2に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本実施の形態2に係る自走式ロボットの動作の他の例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本実施の形態3に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【
図13】
図13は、本実施の形態3に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、本実施の形態4に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【
図15】
図15は、本実施の形態4に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、本実施の形態5に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【
図17】
図17は、本実施の形態5に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、本実施の形態6に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本開示を説明するための構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本開示は以下の実施の形態に限定されない。
【0018】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1に係る自走式ロボットの一例について、
図1~
図7を参照しながら説明する。
【0019】
[自走式ロボットの構成]
図1及び
図2は、本実施の形態1に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【0020】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態1に係る自走式ロボット300は、自走式ロボット本体101、操作装置210、及び制御装置190を備えている。自走式ロボット本体101は、第1エリア(所定のエリア)100内に配置されていて、操作装置210及び制御装置190は、第2エリア200内に配置されている。なお、自走式ロボット300は、在宅支援及び/又は商業的支援に用いられてもよい。また、制御装置190は、第1エリア100内、例えば、自走式ロボット本体101内に配置されていてもよい。この場合、制御装置190が、制御器110を兼ねてもよい。
【0021】
第1エリア100と第2エリア200は、互いに切り離された空間である。第1エリア100と第2エリア200は、隔壁部材310により、隔離されている。第1エリア100は、予め設定されている所定の範囲内の空間である。また、第2エリア200は、自走式ロボット本体101を直接視認することができない空間、又は隔壁越しに視認することができる空間であってもよい。
【0022】
ここで、所定の範囲は、自走式ロボット本体101を中心に規定してもよい。所定の範囲としては、例えば、自走式ロボット本体101を直接視認することができる観点から、自走式ロボット本体101を中心に半径10mの範囲であってもよく、自走式ロボット本体101を中心に半径5mの範囲であってもよい。
【0023】
また、所定の範囲は、自走式ロボット本体101とは無関係に規定してもよい。所定の範囲としては、例えば、ビル、家屋等の建物内全体であってもよく、フロア全体で合ってもよく、壁に囲まれた空間(部屋)であってもよい。
【0024】
なお、隔壁部材310の一部が、ガラス板等の透明な部材で構成されていて、操作者が外部(第2エリア200)から透明な部材越しに第1エリア100内を見られるように、第1エリア100と第2エリア200が構成されていてもよい。
【0025】
なお、本実施の形態1に係る自走式ロボット300では、自走式ロボット本体101は、第1エリア100内に配置されていて、操作装置210及び制御装置190は、第2エリア200内に配置されている形態を採用したが、これに限定されない。自走式ロボット本体101、操作装置210、及び制御装置190が同一空間(所定のエリア;第1エリア100)内に配置されている形態を採用してもよい。この場合、自走式ロボット本体101は、公知の無線通信装置を介して、操作装置210により、遠隔操作されるように構成されていてもよい。
【0026】
また、第2エリア200には、第2表示装置220が配置されていてもよい。第2表示装置220は、自走式ロボット本体101に設けられている、撮影装置120が撮影した画像情報又は映像情報を表示するように構成されている。なお、撮影装置120が撮影した画像情報又は映像情報は、通信ネットワーク320を経由して、第2表示装置220に出力されてもよい。
【0027】
第2表示装置220としては、例えば、机、床等に据え置いて使用する、据え置き型のディスプレイで構成されていてもよい。また、第2表示装置220は、操作者が身に着けて使用するヘッドマウントディスプレイ又はメガネで構成されていてもよい。
【0028】
さらに、第2エリア200には、撮影装置230が配置されていてもよい。撮影装置230としては、カメラ(ビデオカメラ)を用いてもよい。撮影装置230が撮影した画像情報又は映像情報は、通信ネットワーク320を経由して、自走式ロボット本体101の表示装置20に出力されてもよい。
【0029】
操作装置210は、自走式ロボット本体101を操作するように構成されている。操作装置210としては、例えば、ジョイスティック、キーボード、テンキー、ティーチペンダント等の公知の操作装置を用いることができる。操作装置210は、操作者が携帯して、持ち運び可能に構成されていてもよい。
【0030】
なお、操作装置210は、通信器及び通信ネットワーク320を介して、自走式ロボット本体101の制御器110と接続されていてもよい。また、通信器は、操作装置210内に設けられていてもよく、制御装置190内に設けられていてもよい。通信器としては、公知の無線通信装置又は有線通信装置を用いることができる。
【0031】
また、操作装置210には、後述する自走式ロボット本体101のエンドエフェクタ12に設けられた力覚センサが検知した力覚情報、又は音声情報を操作者に伝達するように構成されている機器を配置してもよい。当該機器としては、例えば、振動モータ、スピーカー、把持部を構成する筐体を伸縮させる機構等が挙げられる。
【0032】
自走式ロボット本体101は、操作装置210から入力された操作情報に基づいて、動作するように構成されている。
【0033】
ここで、
図3を参照しながら、自走式ロボット本体101の構成について、詳細に説明する。なお、以下においては、自走式ロボット本体101として、水平多関節型のロボットについて説明するが、自走式ロボット本体101としては、垂直多関節型等の他のロボットを採用してもよい。
【0034】
図3は、
図1及び
図2に示す自走式ロボットにおける自走式ロボット本体の概略構成を示す模式図である。なお、
図3においては、自走式ロボット本体における上下方向、前後方向、及び左右方向を図における上下方向、前後方向、及び左右方向として表している。
【0035】
図1~
図3に示すように、自走式ロボット本体101は、ロボットアーム10A、10Bと、表示装置20と、昇降装置30と、無人搬送台車40と、制御器110と、を備えている。なお、制御器110は、無人搬送台車40の内部に配置されていてもよく、無人搬送台車40の外部に配置されていてもよい。
【0036】
無人搬送台車40には、昇降装置30が配置されている。昇降装置30は、ロボットアーム10A、10B及び表示装置20を昇降させるように構成されている。昇降装置30は、ここでは、入れ子式に構成されているが、ロボットアーム10A、10Bを昇降させるように構成されていればどのような形態であってもよい。
【0037】
表示装置20は、矩形状の本体(筐体)20Aを有していて、本体20Aの一方の主面には、表示面20Bが形成されている。表示面20Bには、撮影装置230が撮影した画像情報又は映像情報が表示される。表示装置20としては、据え置き型のディスプレイを用いてもよい。
【0038】
また、表示装置20の表示面20Bは、タッチパネルで構成されていてもよい。この場合、本実施の形態1に係る自走式ロボット300は、自走式ロボット300と対向した位置にいる対象者が、タッチパネルを操作することにより、第2エリア200内にいる操作者とコミュニケーションをとるように構成されていてもよい。
【0039】
ここで、自走式ロボット300と対向した位置にいる対象者とは、自走式ロボット本体101の表示装置20の表示面20Bと対向した位置にいる人をいい、自走式ロボット300が提供するサービス等を受ける人をいう。
【0040】
さらに、表示装置20には、撮影装置120が配置されていてもよい。撮影装置120としては、カメラ(ビデオカメラ)を用いてもよい。撮影装置120は、当該撮影装置120が撮影した画像情報又は映像情報を制御器110に出力するように構成されていてもよい。
【0041】
昇降装置30の上部には、基軸19が固定されている。基軸19には、鉛直方向に延びる回転軸線L1周りに回動可能にロボットアーム10A及びロボットアーム10Bが設けられている。具体的には、ロボットアーム10Aとロボットアーム10Bとが上下に高低差を有するように設けられている。なお、ロボットアーム10A及びロボットアーム10Bは、独立して動作したり、互いに関連して動作したりすることができるように構成されている。
【0042】
ロボットアーム10Aは、複数のリンク(ここでは、第1リンク11~第6リンク16)と、複数の関節と、を有していて、各リンクは、それぞれ、リンク間に設けられている関節を介して、接続されている。なお、ロボットアーム10Bは、ロボットアーム10Aと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0043】
第1リンク11の基端部は、鉛直方向に延びる回転軸線L1周りに回転可能に、基軸19の上部と連結されている。第1リンク11の先端部は、鉛直方向に延びる回転軸線L2周りに回転可能に、第2リンク12の基端部と連結されている。第2リンク12の先端部は、水平方向に延びる回転軸線L3周りに回転可能に、第3リンク13の基端部と連結されている。
【0044】
また、第3リンク13の先端部は、水平方向に延びる回転軸線L4周りに回転可能に、第4リンク14の基端部と連結されている。第4リンク14の先端部は、水平方向に延びる回転軸線L5周りに回転可能に、第5リンク15の基端部と連結されている。第5リンク15の先端部は、水平方向に延びる回転軸線L6周りに回転可能に、第6リンク16の基端部と連結されている。
【0045】
そして、第6リンク16の先端部には、メカニカルインターフェース17が捻れ回転可能に設けられている。このメカニカルインターフェース17には、作業内容に対応したエンドエフェクタ18が着脱可能に装着される。エンドエフェクタ18としては、例えば、ワークを保持/解放するように構成されているハンドを用いてもよい。
【0046】
また、各関節には、それぞれ、各関節が連結する2つの部材を相対的に回転させるアクチュエータの一例としての駆動器(駆動モータ)が設けられている(いずれも図示せず)。駆動器は、例えば、制御器110(制御装置190)によってサーボ制御されるサーボモータであってもよい。また、各関節には、それぞれ、駆動モータの回転位置を検出する回転センサと、駆動器の回転を制御する電流を検出する電流センサと、が設けられている(いずれも図示せず)。回転センサは、例えば、エンコーダであってもよい。
【0047】
なお、ロボットアーム10Aの先端部には、撮影装置130が設けられていてもよい。撮影装置130としては、カメラ(ビデオカメラ)を用いてもよい。撮影装置130は、当該撮影装置130が撮影した画像情報又は映像情報を制御器110に出力するように構成されていてもよい。
【0048】
制御器110は、ロボットアーム10A、10B、表示装置20、昇降装置30、及び無人搬送台車40を制御するように構成されている。制御器110は、演算処理器、記憶器、及び入力器を備えている(いずれも図示せず)。
【0049】
演算処理器は、マイクロプロセッサ、CPU等で構成されていて、記憶器に記憶されている基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、自走式ロボット本体101の各種動作を制御する。
【0050】
記憶器は、基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。記憶器は、単一の記憶器である必要はなく、複数の記憶器(例えば、ランダムアクセスメモリ及びハードディスクドライブ)として構成されてもよい。演算処理器がマイクロコンピュータで構成されている場合には、記憶器の少なくとも一部がマイクロコンピュータの内部メモリとして構成されてもよいし、独立したメモリとして構成されてもよい。
【0051】
入力器は、演算処理器に対して、自走式ロボット本体101の制御に関する各種パラメータ、あるいはその他のデータ等を入力可能とするものであり、キーボード、タッチパネル、ボタンスイッチ群等の公知の入力装置で構成されている。
【0052】
なお、制御器110は、集中制御する単独の制御器110によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御器110によって構成されていてもよい。また、制御器110は、マイクロコンピュータで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
【0053】
また、
図1及び
図2に示すように、第2エリア200内には、制御装置190が配置されている。制御装置190は、演算処理器190a、記憶器190b、及び入力器190cを備えている。
【0054】
演算処理器190aは、マイクロプロセッサ、CPU等で構成されていて、記憶器190bに記憶されている基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、自走式ロボット300の各種動作を制御する。
【0055】
記憶器190bは、基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。記憶器190bは、単一である必要はなく、複数の記憶器(例えば、ランダムアクセスメモリ及びハードディスクドライブ)として構成されてもよい。演算処理器190aがマイクロコンピュータで構成されている場合には、記憶器190bの少なくとも一部がマイクロコンピュータの内部メモリとして構成されてもよいし、独立したメモリとして構成されてもよい。
【0056】
入力器190cは、演算処理器190aに対して、自走式ロボット300の制御に関する各種パラメータ、あるいはその他のデータ等を入力可能とするものであり、キーボード、タッチパネル、ボタンスイッチ群等の公知の入力装置で構成されている。入力器190cは、操作装置210によって構成されていてもよい。
【0057】
なお、制御装置190は、集中制御する単独の制御装置190によって構成されていてもよく、互いに協働して分散制御する複数の制御装置190によって構成されていてもよい。また、制御装置190は、マイクロコンピュータで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
【0058】
[自走式ロボットの動作及び作用効果]
次に、本実施の形態1に係る自走式ロボット300の動作及び作用効果について、
図1~
図7を参照しながら、詳細に説明する。
【0059】
図4及び
図5は、第1エリアに配置されている自走式ロボット本体と対象者との位置関係を示す模式図である。
【0060】
まず、
図4に示すように、自走式ロボット本体101の表示装置20が、対象者Aの頭部よりも上方に位置した状態で、自走式ロボット本体101が対象者Aに近づいてくると、対象者Aは、ロボットに対して威圧感を感じるおそれがある。これは、ロボットアーム10A及び/又はロボットアーム10Bが、対象者Aの頭部よりも上方に位置した状態で、自走式ロボット本体101が近づいた場合も同様である。
【0061】
一方、
図5に示すように、自走式ロボット本体101の表示装置20が、対象者Aの頭部よりも下方に位置した状態で、自走式ロボット本体101が対象者Aに近づいた場合には、対象者Aの視線を下げることができる。これにより、ロボットからの威圧感を感じにくくすることができる。
【0062】
このため、本実施の形態1に係る自走式ロボット300では、対象者Aに近づくときに、制御装置190は、以下の動作を実行することで、表示装置20が予め設定されている所定の高さよりも下方に位置させる。
【0063】
なお、所定の高さは、人の平均身長から適宜設定してもよい。例えば、所定の高さは、成人男性を基準として、170cmとしてもよく、成人女性を基準として、155cmとしてもよい。
【0064】
また、所定の高さは、第1エリア100内の対象者Aの頭部の位置情報を基に設定されてもよい。この場合、制御装置190は、撮影装置120又は撮影装置130が撮影した画像情報を取得して、当該画像情報を基に、対象者Aの頭部の位置情報を検知してもよい。
【0065】
さらに、表示装置20が、対象者Aの頭部よりも下方に位置した状態とは、対象者Aの頭部における予め設定されている所定の第1基準位置よりも、表示装置20の予め設定されている所定の第2基準位置が、下方に位置する状態をいう。
【0066】
対象者Aの頭部の第1基準位置は、対象者Aの顎から頭頂までの間の任意の位置である。第1基準位置は、対象者Aが自走式ロボット本体101に対して威圧感を感じないようにする観点から、対象者Aの顎(より正確には、顎の下端)の位置であってもよい。また、第1基準位置は、対象者Aの視線を下げる観点から、目の位置であってもよい。さらに、第1基準位置は、制御装置190が、基準位置を容易に検出することができる観点から、対象者Aの頭頂の位置であってもよい。
【0067】
また、表示装置20の第2基準位置は、表示装置20(本体20A)の上端から下端までの間の任意の位置である。第2基準位置は、対象者Aが自走式ロボット本体101に対して威圧感を感じないようにする観点から、本体20Aの上端であってもよい。mた、第2基準位置は、本体20Aの上下方向の中央部分であってもよい。
【0068】
図6は、本実施の形態1に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の動作は、制御装置190の演算処理器190aが、記憶器190bに格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0069】
図6に示すように、制御装置190の演算処理器190aは、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいるのか否かを判定する(ステップS10)。具体的には、例えば、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130が撮影した画像情報又は映像情報を取得し、取得した画像情報又は映像情報を解析して、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいるのか否かを判定してもよい。
【0070】
また、例えば、操作者が操作装置210を操作することにより、操作装置210から自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいることを示す情報が出力されて、当該情報を制御装置190の演算処理器190aが取得することにより、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいると判定してもよい。
【0071】
さらに、制御装置190の演算処理器190aは、記憶器190bに予め記憶されている地図情報と、自走式ロボット本体101の現在の所在場所(現在地)の位置情報と、を基に、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいるのか否かを判定してもよい。
【0072】
なお、所定の範囲が、自走式ロボット本体101を中心にして規定されている場合には、自走式ロボット本体101は、第1エリア100内に常に存在することになる。この場合、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS10の処理を実行せずに、ステップS11の処理を実行してもよい。
【0073】
制御装置190の演算処理器190aは、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいないと判定した場合(ステップS10でNo)には、例えば、50msec後に再び、ステップS10の処理を実行する。
【0074】
一方、制御装置190の演算処理器190aは、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいると判定した場合(ステップS10でYes)には、第1エリア100内に人(対象者A)がいるのか否かを判定する(ステップS11)。
【0075】
具体的には、例えば、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130が撮影した画像情報又は映像情報を取得し、取得した画像情報又は映像情報を解析して、対象者Aを視認したか否かにより、第1エリア100内に人(対象者A)がいるのか否かを判定してもよい。
【0076】
また、例えば、自走式ロボット本体101が赤外線センサを備えていて、制御装置190の演算処理器190aは、赤外線センサが検出した温度情報を基に、第1エリア100内に人(対象者A)がいるのか否かを判定してもよい。
【0077】
制御装置190の演算処理器190aは、第1エリア100内に人がいないと判定した場合(ステップS11でNo)には、例えば、50msec後に再び、ステップS10及びステップS11の処理を実行する。
【0078】
一方、制御装置190の演算処理器190aは、第1エリア100内に人がいると判定した場合(ステップS11でYes)には、表示装置20及びロボットアーム10A、10Bが、所定の高さよりも下方に位置するように、昇降装置30を動作させ(ステップS12)、本プログラムを終了する。
【0079】
なお、制御装置190の演算処理器190aは、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいると判定した場合(ステップS10でYes)に、ステップS11の処理を実行せずに、ステップS12の処理を実行するように構成されていてもよい。
【0080】
次に、本実施の形態1に係る自走式ロボット300の動作の他の例について、
図7を参照しながら説明する。
【0081】
図7は、本実施の形態1に係る自走式ロボットの動作の他の例を示すフローチャートである。
【0082】
図7に示すように、制御装置190の演算処理器190aは、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいるのか否かを判定する(ステップS100)。具体的には、例えば、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130が撮影した画像情報又は映像情報を取得し、取得した画像情報又は映像情報を解析して、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいるのか否かを判定してもよい。
【0083】
また、例えば、操作者が操作装置210を操作することにより、操作装置210から自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいることを示す情報が出力されて、当該第1情報を制御装置190の演算処理器190aが取得することにより、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいると判定してもよい。
【0084】
さらに、制御装置190の演算処理器190aは、記憶器190bに予め記憶されている地図情報と、自走式ロボット本体101の現在の所在場所(現在地)の位置情報と、を基に、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいるのか否かを判定してもよい。
【0085】
なお、所定の範囲が、自走式ロボット本体101を中心にして規定されている場合には、自走式ロボット本体101は、第1エリア100内に常に存在することになる。この場合、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS100の処理を実行せずに、ステップS101の処理を実行してもよい。
【0086】
制御装置190の演算処理器190aは、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいないと判定した場合(ステップS100でNo)には、例えば、50msec後に再び、ステップS100の処理を実行する。
【0087】
一方、制御装置190の演算処理器190aは、自走式ロボット本体101が第1エリア100内にいると判定した場合(ステップS100でYes)には、第1エリア100内に人(対象者A)がいるのか否かを判定する(ステップS101)。
【0088】
制御装置190の演算処理器190aは、第1エリア100内に人がいないと判定した場合(ステップS101でNo)には、例えば、50msec後に再び、ステップS100及びステップS101の処理を実行する。
【0089】
一方、制御装置190の演算処理器190aは、第1エリア100内に人がいると判定した場合(ステップS101でYes)には、対象者Aと自走式ロボット本体101との距離Dを算出する(ステップS102)。なお、距離Dは、対象者Aと自走式ロボット本体101の表示装置20との距離であってもよい。
【0090】
具体的には、例えば、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130から取得した画像情報又は映像情報を基に、対象者Aの位置情報を取得し、当該位置情報と、自走式ロボット本体101の現在の所在場所の地図情報(位置情報)と、を基に、距離Dを算出してもよい。この場合、撮影装置120又は撮影装置130が、対象者と自走式ロボットとの距離を検知する、検知器(第1検知器)を構成する。
【0091】
また、自走式ロボット本体101に距離センサを設けておき、制御装置190の演算処理器190aは、当該距離センサが検出した距離情報を基に距離Dを算出してもよい。この場合、距離センサが第1検知器を構成する。
【0092】
次に、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS102で算出した、対象者Aと自走式ロボット本体101との距離Dが、予め設定されている所定の距離(第1距離)以下であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0093】
ここで、第1距離は、予め実験等により設定することができ、地面(床面)から表示装置20までの高さ寸法と、対象者Aの身長と、を考慮して、適宜設定してもよい。第1距離としては、対象者Aに威圧感を充分に与えない観点から、例えば、5mであってもよく、3mであってもよい。また、第1距離としては、自走式ロボット本体101と対象者Aと接触しないようにする観点から、例えば、2mであってもよく、1.5mであってもよい。
【0094】
制御装置190の演算処理器190aは、距離Dが第1距離より大きいと判定した場合(ステップS103でNo)には、ステップS102の処理に戻り、対象者Aと自走式ロボット本体101との距離Dが、第1距離以下になるまで、ステップS102及びステップS103の処理を実行する。
【0095】
一方、制御装置190の演算処理器190aは、距離Dが第1距離以下であると判定した場合(ステップS103でYes)には、表示装置20及びロボットアーム10A、10Bが、所定の高さよりも下方に位置するように、昇降装置30を動作させ(ステップS104)、本プログラムを終了する。
【0096】
本実施の形態1に係る自走式ロボットは、ロボットアームと、表示装置と、ロボットアーム及び/又は表示装置を昇降させるように構成されている、昇降装置と、昇降装置を支持するように構成されている、無人搬送台車と、制御装置と、を備え、制御装置は、自走式ロボットが、予め設定されている所定の範囲内のエリア(所定のエリア;第1エリア)にいる場合には、予め設定されている所定の高さよりも表示装置が下方に位置するように昇降装置を動作させる。
【0097】
これにより、自走式ロボット本体101が所定のエリア内にいる場合に、表示装置20が所定の高さよりも下方に位置するので、所定のエリア内に人が入ってきた場合に、当該人に威圧感を与えることがない。このため、自走式ロボット300が提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0098】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットでは、制御装置が、対象者と自走式ロボットとの距離が所定の第1距離以下のとき、対象者の頭部よりも表示装置及び/又はロボットアームが下方に位置するように昇降装置を動作させるように構成されていてもよい。
【0099】
これにより、表示装置20及び/又はロボットアーム10A、10Bが、対象者Aの頭部よりも下方に位置した状態で、自走式ロボット本体101が対象者Aに近づくので、対象者Aの視線を下げることができる。このため、対象者Aに対して、自走式ロボット300からの威圧感を感じにくくすることができる。よって、自走式ロボット300が提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0100】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットでは、撮影装置をさらに備え、制御装置は、撮影装置が撮影した対象者の画像情報を基に対象者の頭部の位置を検知するように構成されていてもよい。
【0101】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットでは、所定の高さは、所定のエリア内の自走式ロボットと対向する位置にいる対象者の頭部の位置情報を基に設定されていてもよい。
【0102】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットでは、自走式ロボットが、遠隔操作されるように構成されていてもよい。
【0103】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットでは、自走式ロボットが、第1エリアに配置されていて、制御装置は、第1エリアから隔離された空間である、第2エリアに配置されている操作装置から出力された操作情報を基に、自走式ロボットを制御するように構成されていてもよい。
【0104】
さらに、本実施の形態1に係る自走式ロボットでは、対象者と自走式ロボットとの距離を検知するように構成されている、検知器(第1検知器)をさらに備えていてもよい。
【0105】
本実施の形態1に係る自走式ロボットの制御方法は、自走式ロボットが、予め設定されている所定の範囲内のエリアにいる場合には、予め設定されている所定の高さよりも表示装置が下方に位置するように昇降装置が動作する。
【0106】
これにより、自走式ロボット本体101が所定のエリア内にいる場合に、表示装置20が所定の高さよりも下方に位置するので、所定のエリア内に人が入ってきた場合に、当該人に威圧感を与えることがない。このため、自走式ロボット300が提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0107】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットの制御方法は、ロボットアームと、表示装置と、ロボットアーム及び/又は表示装置を昇降させるように構成されている、昇降装置と、昇降装置を支持するように構成されている、無人搬送台車と、制御装置と、を備え、制御装置は、自走式ロボットが、予め設定されている所定の範囲(第1範囲)内のエリア(第1エリア)にいる場合には、予め設定されている所定の高さ(第1高さ)よりも表示装置及び/又はロボットアームが下方に位置するように昇降装置を動作させるように構成されている。
【0108】
これにより、自走式ロボット本体101が所定のエリア(第1エリア100)内にいる場合に、表示装置20及び/又はロボットアーム10A、10Bが所定の高さ(第1高さ)よりも下方に位置するので、所定のエリア(第1エリア100)内に人が入ってきた場合に、当該人に威圧感を与えることがない。このため、自走式ロボット300が提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0109】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットの制御方法では、制御装置が、対象者と自走式ロボットとの距離が予め設定されている所定の第1距離以下のとき、対象者の頭部よりも表示装置及び/又はロボットアームが下方に位置するように昇降装置を動作させるように構成されていてもよい。
【0110】
これにより、表示装置20及び/又はロボットアーム10A、10Bが、対象者Aの頭部よりも下方に位置した状態で、自走式ロボット本体101が対象者Aに近づくので、対象者Aの視線を下げることができる。このため、対象者Aに対して、自走式ロボット300からの威圧感を感じにくくすることができる。よって、自走式ロボット300が提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0111】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットの制御方法では、撮影装置をさらに備え、制御装置は、撮影装置が撮影した対象者の画像情報を基に対象者の頭部の位置を検知するように構成されていてもよい。
【0112】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットの制御方法では、所定の高さは、所定のエリア内の自走式ロボットと対向する位置にいる対象者の頭部の位置情報を基に設定されていてもよい。
【0113】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットの制御方法では、自走式ロボットが、遠隔操作されるように構成されていてもよい。
【0114】
また、本実施の形態1に係る自走式ロボットの制御方法では、自走式ロボットが、第1エリアに配置されていて、制御装置は、第1エリアから隔離された空間である、第2エリアに配置されている操作装置から出力された操作情報を基に、自走式ロボットを制御するように構成されていてもよい。
【0115】
さらに、本実施の形態1に係る自走式ロボットの制御方法では、対象者と自走式ロボットとの距離を検知するように構成されている、検知器(第1検知器)をさらに備えていてもよい。
【0116】
[変形例1]
次に、本実施の形態1に係る自走式ロボットの変形例について、説明する。
【0117】
[自走式ロボットの構成]
図8は、本実施の形態1における変形例1の自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【0118】
図8に示すように、本変形例1の自走式ロボット300は、実施の形態1に係る自走式ロボット300と基本的構成は同じであるが、表示装置20を昇降させるように構成されている、第2昇降装置22をさらに備える点が異なる。なお、本変形例1では、昇降装置30が第1昇降装置を構成する。
【0119】
第2昇降装置22は、ここでは、入れ子式に構成されているが、表示装置20を昇降させるように構成されていればどのような形態であってもよい。
【0120】
本実施の形態1における変形例1の自走式ロボットは、ロボットアームと、表示装置と、ロボットアームを昇降させるように構成されている、第1昇降装置と、第1昇降装置を支持するように構成されている、無人搬送台車と、無人搬送台車に設けられ、表示装置を昇降させるように構成されている、第2昇降装置と、制御装置と、を備え、制御装置は、自走式ロボットが、予め設定されている所定の範囲内のエリア(第1エリア)にいる場合には、予め設定されている所定の高さ(第1高さ)よりも表示装置及びロボットアームが下方に位置するように第1昇降装置及び第2昇降装置を動作させるように構成されている。
【0121】
これにより、自走式ロボット本体101が所定のエリア(第1エリア100)内にいる場合に、表示装置20及び/又はロボットアーム10A、10Bが所定の高さ(第1高さ)よりも下方に位置するので、所定のエリア(第1エリア100)内に人が入ってきた場合に、当該人に威圧感を与えることがない。このため、自走式ロボット300が提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0122】
また、本実施の形態1における変形例1の自走式ロボットでは、制御装置が、自走式ロボットと対向した位置にいる対象者と、自走式ロボットと、の距離が予め設定されている所定の距離(第1距離)以下のとき、対象者の頭部よりも表示装置及びロボットアームが下方に位置するように第1昇降装置及び第2昇降装置を動作させるように構成されていてもよい。
【0123】
これにより、表示装置20及びロボットアーム10A、10Bが、対象者Aの頭部よりも下方に位置した状態で、自走式ロボット本体101が対象者Aに近づくので、対象者Aの視線を下げることができる。このため、対象者Aに対して、自走式ロボット300からの威圧感を感じにくくすることができる。よって、自走式ロボット300が提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0124】
本実施の形態1における変形例1の自走式ロボットの制御方法は、ロボットアームと、表示装置と、ロボットアームを昇降させるように構成されている、第1昇降装置と、第1昇降装置を支持するように構成されている、無人搬送台車と、無人搬送台車に設けられ、表示装置を昇降させるように構成されている、第2昇降装置と、制御装置と、を備え、制御装置は、自走式ロボットが、予め設定されている所定の第1範囲内のエリアである、第1エリア内で人と共存している場合には、予め設定されている所定の第1高さよりも表示装置及びロボットアームが下方に位置するように第1昇降装置及び第2昇降装置を動作させるように構成されている。
【0125】
これにより、自走式ロボット本体101が所定のエリア(第1エリア100)内にいる場合に、表示装置20及び/又はロボットアーム10A、10Bが所定の高さ(第1高さ)よりも下方に位置するので、所定のエリア(第1エリア100)内に人が入ってきた場合に、当該人に威圧感を与えることがない。このため、自走式ロボット300が提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0126】
また、本実施の形態1における変形例1の自走式ロボットの制御方法では、制御装置が、自走式ロボットと対向した位置にいる対象者と、自走式ロボットと、の距離が予め設定されている所定の距離(第1距離)以下のとき、対象者の頭部よりも表示装置及びロボットアームが下方に位置するように第1昇降装置及び第2昇降装置を動作させるように構成されていてもよい。
【0127】
これにより、表示装置20及びロボットアーム10A、10Bが、対象者Aの頭部よりも下方に位置した状態で、自走式ロボット本体101が対象者Aに近づくので、対象者Aの視線を下げることができる。このため、対象者Aに対して、自走式ロボット300からの威圧感を感じにくくすることができる。よって、自走式ロボット300が提供する、在宅支援、商業的支援等のサービスの品質を向上させることができる。
【0128】
(実施の形態2)
以下、本実施の形態2に係る自走式ロボットの一例について、
図9及び
図10を参照しながら説明する。
【0129】
[自走式ロボットの構成]
図9は、本実施の形態2に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【0130】
図9に示すように、本実施の形態2に係る自走式ロボット300は、実施の形態1に係る自走式ロボット300と基本的構成は同じであるが、表示装置20の表示面20Bを仰角又は俯角方向に傾斜させるように構成されている第1揺動装置50をさらに備える点が異なる。
【0131】
第1揺動装置50は、表示装置20の表示面20Bを仰角又は俯角方向に傾斜させるように構成されていれば、どのような形態であってもよく、例えば、モータとギアで構成されていてもよい。
【0132】
[自走式ロボットの動作及び作用効果]
次に、本実施の形態2に係る自走式ロボット300の動作及び作用効果を
図9~
図11を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下の動作は、制御装置190の演算処理器190aが、記憶器190bに格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0133】
図10は、本実施の形態2に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【0134】
図10に示すように、本実施の形態2に係る自走式ロボット300の動作の一例は、実施の形態1に係る自走式ロボット300の動作の一例と基本的には同じであるが、制御装置190の演算処理器190aが、ステップS12の処理の後に、ステップS13の処理を実行する点が異なる。
【0135】
具体的には、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS12において、表示装置20及びロボットアーム10A、10Bが、所定の高さよりも下方に位置するように、昇降装置30を動作させる。
【0136】
次に、制御装置190の演算処理器190aは、表示装置20の表示面20Bの法線Nが仰角となるように(表示装置20の上部が表示装置20の下部よりも後方に位置するように)、第1揺動装置50を動作させて(ステップS13)、本プログラムを終了する。これにより、
図9に示すように、表示装置20が傾斜して、対象者Aに対して、表示面20Bを見やすくすることができる。
【0137】
なお、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS12の処理を実行する前に、ステップS13の処理を実行してもよく、ステップS12の処理とステップS13の処理を同時に実行してもよい。
【0138】
次に、本実施の形態2に係る自走式ロボット300の動作の他の例について、
図11を参照しながら説明する。
【0139】
図11は、本実施の形態2に係る自走式ロボットの動作の他の例を示すフローチャートである。
【0140】
図11に示すように、本実施の形態2に係る自走式ロボット300の動作の他の例は、実施の形態1に係る自走式ロボット300の動作の他の例と基本的には同じであるが、制御装置190の演算処理器190aが、ステップS104の処理の後に、ステップS105の処理を実行する点が異なる。
【0141】
具体的には、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS104において、表示装置20及びロボットアーム10A、10Bが、所定の高さよりも下方に位置するように、昇降装置30を動作させる。
【0142】
次に、制御装置190の演算処理器190aは、表示装置20の表示面20Bの法線Nが仰角となるように(表示装置20の上部が表示装置20の下部よりも後方に位置するように)、第1揺動装置50を動作させて(ステップS105)、本プログラムを終了する。これにより、
図9に示すように、表示装置20が傾斜して、対象者Aに対して、表示面20Bを見やすくすることができる。
【0143】
なお、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS104の処理を実行する前に、ステップS105の処理を実行してもよく、ステップS104の処理とステップS104の処理を同時に実行してもよい。
【0144】
本実施の形態2に係る自走式ロボットは、実施の形態1(変形例を含む)に係る自走式ロボットにおいて、表示装置を仰角又は俯角方向に傾斜させるように構成されている揺動装置をさらに備え、制御装置は、表示装置の表示面の法線が仰角となるように、第1揺動装置を動作させるように構成されている。
【0145】
これにより、表示装置20が傾斜して、対象者Aに対して、表示面20Bを見やすくすることができる。
【0146】
本実施の形態2に係る自走式ロボットでは、制御装置が、対象者と自走式ロボットとの距離が第1距離以下のとき、表示装置の上部が表示装置の下部よりも後方に位置するように、第1揺動装置を動作させるように構成されていてもよい。
【0147】
これにより、表示装置20が傾斜して、対象者Aに対して、表示面20Bを見やすくすることができる。
【0148】
本実施の形態2に係る自走式ロボットの制御方法は、実施の形態1(変形例を含む)に係る自走式ロボットの制御方法において、表示装置を仰角又は俯角方向に傾斜させるように構成されている揺動装置をさらに備え、制御装置は、表示装置の表示面の法線が仰角となるように、第1揺動装置を動作させるように構成されている。
【0149】
これにより、表示装置20が傾斜して、対象者Aに対して、表示面20Bを見やすくすることができる。
【0150】
本実施の形態2に係る自走式ロボットの制御方法では、制御装置が、対象者と自走式ロボットとの距離が第1距離以下のとき、表示装置の上部が表示装置の下部よりも後方に位置するように、第1揺動装置を動作させるように構成されていてもよい。
【0151】
これにより、表示装置20が傾斜して、対象者Aに対して、表示面20Bを見やすくすることができる。
【0152】
(実施の形態3)
以下、本実施の形態3に係る自走式ロボットの一例について、
図12及び
図13を参照しながら説明する。
【0153】
[自走式ロボットの構成]
図12は、本実施の形態3に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【0154】
図12に示すように、本実施の形態3に係る自走式ロボット300は、実施の形態1に係る自走式ロボット300と基本的構成は同じであるが、表示装置20を前後方向に移動させるように構成されている、移動装置60をさらに備える点が異なる。
【0155】
移動装置60は、表示装置20を前後方向に移動させることができれば、どのような形態であってもよく、例えば、直動アクチュエータで構成されていてもよい。
【0156】
[自走式ロボットの動作及び作用効果]
次に、本実施の形態3に係る自走式ロボット300の動作及び作用効果を
図12及び
図13を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下の動作は、制御装置190の演算処理器190aが、記憶器190bに格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0157】
図13は、本実施の形態3に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【0158】
図13に示すように、制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aを視認したか否かを判定する(ステップS301)。具体的には、例えば、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130が撮影した画像情報又は映像情報を取得し、取得した画像情報又は映像情報を解析して、対象者Aを視認したか否かを判定してもよい。
【0159】
制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aを視認していないと判定した場合(ステップS301でNo)には、例えば、50msec後に再び、ステップS301の処理を実行する。
【0160】
一方、制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aを視認したと判定した場合(ステップS301でYes)には、対象者Aと表示装置20との距離D1を算出する(ステップS302)。
【0161】
具体的には、例えば、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130から取得した画像情報又は映像情報を基に、対象者Aの位置情報を取得し、当該位置情報と、表示装置20の位置情報と、を基に、距離D1を算出してもよい。この場合、撮影装置120又は撮影装置130が、対象者と自走式ロボットとの距離を検知する、第1検知器を構成する。
【0162】
また、自走式ロボット本体101に距離センサを設けておき、制御装置190の演算処理器190aは、当該距離センサが検出した距離情報を基に距離D1を算出してもよい。この場合、距離センサが第1検知器を構成する。
【0163】
次に、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS302で算出した、対象者Aと表示装置20との距離D1が、予め設定されている所定の第2距離であるか否かを判定する(ステップS303)。
【0164】
ここで、第2距離は、予め実験等により設定することができ、対象者Aが表示装置20(自走式ロボット本体101)との当接を抑制する観点から、第1距離よりも大きくなるように設定してもよい。また、第2距離は、対象者Aに対して、表示装置20の表示画面を見やすくする観点から、第1距離以下となるように設定してもよい。具体的には、第2距離は、例えば、0.4mであってもよく、0.5mであってもよく、0.75mであってもよく、1mであってもよく、1.5mであってもよい。
【0165】
制御装置190の演算処理器190aは、距離D1が第2距離以下であると判定した場合(ステップS303でYes)には、移動装置60及び/又は無人搬送台車40を動作させて、表示装置20を後退させ(ステップS304)、本プログラムを終了する。このとき、制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aと表示装置20との距離D1が、第2距離になるように、移動装置60及び/又は無人搬送台車40を動作させる。
【0166】
一方、制御装置190の演算処理器190aは、距離D1が第2距離より大きいと判定した場合(ステップS303でNo)には、移動装置60及び/又は無人搬送台車40を動作させて、表示装置20を前進させ(ステップS305)、本プログラムを終了する。このとき、制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aと表示装置20との距離D1が、第2距離になるように、移動装置60及び/又は無人搬送台車40を動作させる。
【0167】
なお、制御装置190の演算処理器190aは、移動装置60及び無人搬送台車40のうち、いずれか一方の機器を動作させてもよく、移動装置60及び無人搬送台車40の両方を動作させてもよい。また、制御装置190の演算処理器190aは、移動装置60を優先的に動作させるように構成されていてもよく、無人搬送台車40を優先的に動作させるように構成されていてもよい。
【0168】
本実施の形態3に係る自走式ロボットは、実施の形態1(変形例を含む)又は実施の形態2に係る自走式ロボットにおいて、表示装置を前後方向に移動させる移動装置をさらに備え、制御装置は、対象者と表示装置との距離が、予め設定されている所定の第2距離になるように、移動装置及び/又は無人搬送台車を動作させるように構成されている。
【0169】
これにより、対象者Aが自走式ロボット本体101に急激に近づいた場合であっても、対象者Aと自走式ロボット本体101との衝突を抑制することができる。
【0170】
また、対象者Aと表示装置20との距離D1を第2距離にすることにより、対象者Aに対して、表示装置20の表示画面を見やすくすることができる。
【0171】
また、本実施の形態3に係る自走式ロボットの制御方法は、実施の形態1(変形例を含む)又は実施の形態2に係る自走式ロボットの制御方法において、表示装置を前後方向に移動させる移動装置をさらに備え、制御装置は、対象者と表示装置との距離が、予め設定されている所定の第2距離になるように、移動装置及び/又は無人搬送台車を動作させるように構成されている。
【0172】
これにより、対象者Aが自走式ロボット本体101に急激に近づいた場合であっても、対象者Aと自走式ロボット本体101との衝突を抑制することができる。
【0173】
また、対象者Aと表示装置20との距離D1を第2距離にすることにより、対象者Aに対して、表示装置20の表示画面を見やすくすることができる。
【0174】
(実施の形態4)
以下、本実施の形態4に係る自走式ロボットの一例について、
図14及び
図15を参照しながら説明する。
【0175】
[自走式ロボットの構成]
図14は、本実施の形態4に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【0176】
図14に示すように、本実施の形態4に係る自走式ロボット300は、実施の形態1に係る自走式ロボット300と基本的構成は同じであるが、表示装置20を前後方向に移動させるように構成されている、移動装置60をさらに備える点が異なる。また、本実施の形態4においては、表示装置20は、タッチパネルで構成されていてもよい。
【0177】
[自走式ロボットの動作及び作用効果]
次に、本実施の形態4に係る自走式ロボット300の動作及び作用効果を
図14及び
図15を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下の動作は、制御装置190の演算処理器190aが、記憶器190bに格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0178】
図15は、本実施の形態4に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【0179】
図15に示すように、制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aが表示装置20に向けて手を伸ばしているか否かを判定する(ステップS401)。具体的には、例えば、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130が撮影した画像情報又は映像情報を取得し、取得した画像情報又は映像情報を解析して、対象者Aが表示装置20に向けて手を伸ばしているか否かを判定してもよい。
【0180】
制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aが表示装置20に向けて手を伸ばしていないと判定した場合(ステップS401でNo)には、例えば、50msec後に再び、ステップS401の処理を実行する。
【0181】
一方、制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aが表示装置20に向けて手を伸ばしていると判定した場合(ステップS401でYes)には、対象者Aの手(より詳細には、指先)と表示装置20との距離D2を算出する(ステップS402)。
【0182】
具体的には、例えば、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130から取得した画像情報又は映像情報を基に、対象者Aの手の位置情報を取得し、当該位置情報と、表示装置20の位置情報と、を基に、距離D2を算出してもよい。この場合、撮影装置120又は撮影装置130が、対象者と自走式ロボットとの距離を検知する、第1検知器を構成する。
【0183】
また、自走式ロボット本体101に距離センサを設けておき、制御装置190の演算処理器190aは、当該距離センサが検出した距離情報を基に距離D2を算出してもよい。この場合、距離センサが第1検知器を構成する。
【0184】
次に、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS402で算出した、対象者Aの手と表示装置20との距離D2を基に、表示装置20の移動速度を決定(算出)する(ステップS403)。具体的には、制御装置190の演算処理器190aは、例えば、距離D2が小さくなると、表示装置20の移動速度が小さくなるように、移動速度を決定してもよい。
【0185】
制御装置190の演算処理器190aは、ステップS403で決定した移動速度を基に、移動装置60及び/又は無人搬送台車40を動作させて、表示装置20を前進させる(ステップS404)。
【0186】
なお、制御装置190の演算処理器190aは、移動装置60及び無人搬送台車40のうち、いずれか一方の機器を動作させてもよく、移動装置60及び無人搬送台車40の両方を動作させてもよい。また、制御装置190の演算処理器190aは、移動装置60を優先的に動作させるように構成されていてもよく、無人搬送台車40を優先的に動作させるように構成されていてもよい。
【0187】
次に、制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aの手が表示装置20と接触したか否かを判定する(ステップS405)。具体的には、制御装置190の演算処理器190aは、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130から取得した画像情報又は映像情報を基に、対象者Aの手が表示装置20と接触したか否かを判定してもよい。また、制御装置190の演算処理器190aは、表示装置20(タッチパネル)から出力された接触信号により、対象者Aの手が表示装置20と接触したか否かを判定してもよい。
【0188】
制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aの手が表示装置20と接触していないと判定した場合(ステップS405でNo)には、ステップS402の処理に戻り、対象者Aの手が表示装置20と接触するまで、ステップS402~ステップS405の処理を実行する。
【0189】
一方、制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aの手が表示装置20と接触したと判定した場合(ステップS405でYes)には、移動装置60及び/又は無人搬送台車40の動作を停止させて、表示装置20の前進(移動)を停止させ(ステップS406)、本プログラムを終了する。
【0190】
本実施の形態4に係る自走式ロボットは、実施の形態1(変形例を含む)~3に係るいずれかの自走式ロボットにおいて、制御装置が、撮影装置が撮影した対象者の画像情報又は映像情報を基に対象者の手が表示装置に向けて伸ばしていると判定した場合には、表示装置が前方に移動するように、無人搬送台車を動作させるように構成されている。
【0191】
これにより、例えば、対象者Aがベッドに横たわった状態の場合であっても、対象者Aは表示装置20に接触することができ、自走式ロボット本体101に種々の指令を指示することができる。また、対象者Aは、第2エリア200にいる操作者とコミュニケーションをとることができる。
【0192】
また、本実施の形態4に係る自走式ロボットでは、制御装置が、対象者の手と表示装置の距離が近づくと、表示装置の移動速度を小さくするように、無人搬送台車を動作させるように構成されていてもよい。
【0193】
これにより、対象者Aの手と表示装置20との急激な接触を抑制することができる。
【0194】
また、本実施の形態4に係る自走式ロボットでは、制御装置が、撮影装置が撮影した対象者の画像情報又は映像情報を基に対象者の手が表示装置に向けて伸ばしていると判定した場合には、表示装置が前方に移動するように、移動装置又は無人搬送台車を動作させるように構成されていてもよい。
【0195】
これにより、例えば、対象者Aがベッドに横たわった状態の場合であっても、対象者Aは表示装置20に接触することができ、自走式ロボット本体101に種々の指令を指示することができる。また、対象者Aは、第2エリア200にいる操作者とコミュニケーションをとることができる。
【0196】
さらに、本実施の形態4に係る自走式ロボットでは、制御装置が、対象者の手と表示装置の距離が近づくと、表示装置の移動速度を小さくするように、移動装置又は無人搬送台車を動作させるように構成されていてもよい。
【0197】
これにより、対象者Aの手と表示装置20との急激な接触を抑制することができる。
【0198】
本実施の形態4に係る自走式ロボットの制御方法は、実施の形態1(変形例を含む)~3に係るいずれかの自走式ロボットの制御方法において、制御装置が、撮影装置が撮影した対象者の画像情報又は映像情報を基に対象者の手が表示装置に向けて伸ばしていると判定した場合には、表示装置が前方に移動するように、無人搬送台車を動作させるように構成されている。
【0199】
これにより、例えば、対象者Aがベッドに横たわった状態の場合であっても、対象者Aは表示装置20に接触することができ、自走式ロボット本体101に種々の指令を指示することができる。また、対象者Aは、第2エリア200にいる操作者とコミュニケーションをとることができる。
【0200】
また、本実施の形態4に係る自走式ロボットの制御方法では、制御装置が、対象者の手と表示装置の距離が近づくと、表示装置の移動速度を小さくするように、無人搬送台車を動作させるように構成されていてもよい。
【0201】
これにより、対象者Aの手と表示装置20との急激な接触を抑制することができる。
【0202】
また、本実施の形態4に係る自走式ロボットの制御方法では、制御装置が、撮影装置が撮影した対象者の画像情報又は映像情報を基に対象者の手が表示装置に向けて伸ばしていると判定した場合には、表示装置が前方に移動するように、移動装置又は無人搬送台車を動作させるように構成されていてもよい。
【0203】
これにより、例えば、対象者Aがベッドに横たわった状態の場合であっても、対象者Aは表示装置20に接触することができ、自走式ロボット本体101に種々の指令を指示することができる。また、対象者Aは、第2エリア200にいる操作者とコミュニケーションをとることができる。
【0204】
さらに、本実施の形態4に係る自走式ロボットの制御方法では、制御装置が、対象者の手と表示装置の距離が近づくと、表示装置の移動速度を小さくするように、移動装置又は無人搬送台車を動作させるように構成されていてもよい。
【0205】
これにより、対象者Aの手と表示装置20との急激な接触を抑制することができる。
【0206】
(実施の形態5)
以下、本実施の形態5に係る自走式ロボットの一例について、
図16及び
図17を参照しながら説明する。
【0207】
[自走式ロボットの構成]
図16は、本実施の形態5に係る自走式ロボットの概略構成を示す模式図である。
【0208】
図16に示すように、本実施の形態5に係る自走式ロボット300は、実施の形態1に係る自走式ロボット300と基本的構成は同じであるが、ヨー軸Yを中心に表示装置20を揺動させるように構成されている第2揺動装置70をさらに備える点が異なる。
【0209】
第2揺動装置70は、ヨー軸Yを中心に表示装置20を揺動させるように構成されていれば、どのような形態であってもよく、例えば、モータとギアで構成されていてもよい。
【0210】
[自走式ロボットの動作及び作用効果]
次に、本実施の形態5に係る自走式ロボット300の動作及び作用効果を
図16及び
図17を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下の動作は、制御装置190の演算処理器190aが、記憶器190bに格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0211】
図17は、本実施の形態5に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【0212】
図17に示すように、本実施の形態5に係る自走式ロボット300の動作の一例は、実施の形態1に係る自走式ロボット300の動作の一例と基本的には同じであるが、制御装置190の演算処理器190aが、ステップS12の処理の後に、ステップS14及びステップS15の処理を実行する点が異なる。
【0213】
具体的には、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS12において、表示装置20及びロボットアーム10A、10Bが、第1高さよりも下方に位置するように、昇降装置30を動作させる。
【0214】
次に、制御装置190の演算処理器190aは、第1エリア100内にいる人(対象者A)の位置情報を取得する(ステップS14)。具体的には、制御装置190の演算処理器190aは、撮影装置120又は撮影装置130から取得した画像情報又は映像情報を基に、対象者Aの位置情報を取得してもよい。
【0215】
次に、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS14で取得した対象者Aの位置情報を基に、表示装置20の表示面20Bが対象者Aの方に向くように(対象者Aと対向するように)、第2揺動装置70を動作させて(ステップS15)、本プログラムを終了する。これにより、
図16に示すように、表示装置20が揺動して、表示面20Bが対象者Aのいる方向に向く(表示面20Bが対象者Aと対向する)。このため、対象者Aに対して、表示面20Bを見やすくすることができる。
【0216】
本実施の形態5に係る自走式ロボットは、実施の形態1(変形例を含む)~4に係るいずれかの自走式ロボットにおいて、自走式ロボットが、ヨー軸を中心に表示装置を揺動させるように構成されている第2揺動装置をさらに備え、制御装置は、表示装置の表示面がエリア内にいる人の方向に向くように、第2揺動装置を動作させるように構成されている。
【0217】
これにより、表示装置20が揺動して、表示面20Bが対象者Aのいる方向に向く(表示面20Bが対象者Aと対向する)。このため、対象者Aに対して、表示面20Bを見やすくすることができる。
【0218】
本実施の形態5に係る自走式ロボットの制御方法は、実施の形態1(変形例を含む)~4に係るいずれかの自走式ロボットの制御方法において、自走式ロボットが、ヨー軸を中心に表示装置を揺動させるように構成されている第2揺動装置をさらに備え、制御装置は、表示装置の表示面がエリア内にいる人の方向に向くように、第2揺動装置を動作させるように構成されている。
【0219】
これにより、表示装置20が揺動して、表示面20Bが対象者Aのいる方向に向く(表示面20Bが対象者Aと対向する)。このため、対象者Aに対して、表示面20Bを見やすくすることができる。
【0220】
(実施の形態6)
以下、本実施の形態6に係る自走式ロボットの一例について、
図18を参照しながら説明する。なお、本実施の形態6に係る自走ロボットは、実施の形態1に係る自走式ロボットと基本的構成は同じであるため、その詳細な説明は省略する。また、以下の動作は、制御装置190の演算処理器190aが、記憶器190bに格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0221】
[自走式ロボットの動作及び作用効果]
図18は、本実施の形態6に係る自走式ロボットの動作の一例を示すフローチャートである。
【0222】
図18に示すように、本実施の形態6に係る自走式ロボット300の動作の一例は、実施の形態1に係る自走式ロボット300の動作の他の例と基本的には同じであるが、制御装置190の演算処理器190aが、ステップS104の処理の後に、ステップS106の処理を実行する点が異なる。
【0223】
具体的には、制御装置190の演算処理器190aは、対象者Aと自走式ロボット本体101との距離である、距離Dが第1距離以下であると判定した場合(ステップS103でYes)には、表示装置20及びロボットアーム10A、10Bが、第1高さよりも下方に位置するように、昇降装置30を動作させる(ステップS104)。
【0224】
次に、制御装置190の演算処理器190aは、自走式ロボット本体101(無人搬送台車40)の移動速度を予め設定されている所定の速度(第1速度)以下に制限して(ステップS106)、本プログラムを終了する。
【0225】
なお、第1速度は、第1距離の長さを基準にして、適宜設定することができる。第1速度としては、例えば、対象者Aと自走式ロボット本体101との接触を充分に抑制する観点から、0.25m/secであってもよく、0.2m/secであってもよく、0.1m/secであってもよく、0m/secであってもよい。また、第1速度としては、自走式ロボット本体101の移動を抑制しない観点から、0.5m/secであってもよく、0.4m/secであってもよく、0.3m/secであってもよい。
【0226】
また、制御装置190の演算処理器190aは、ステップS104の処理を実行する前に、ステップS106の処理を実行してもよく、ステップS104の処理とステップS106の処理を同時に実行してもよい。
【0227】
本実施の形態6に係る自走式ロボットは、実施の形態1(変形例を含む)~5に係るいずれかの自走式ロボットにおいて、制御装置は、エリア内にいる人が、自走式ロボットに対して、予め設定されている所定の距離以内にいるときには、無人搬送台車の移動速度を予め設定されている所定の速度以下に制限するように構成されている。
【0228】
これにより、対象者Aと自走式ロボット本体101との接触を充分に抑制することができる。
【0229】
また、本実施の形態6に係る自走式ロボットの制御方法は、実施の形態1(変形例を含む)~5に係るいずれかの自走式ロボットの制御方法において、制御装置は、エリア内にいる人が、自走式ロボットに対して、予め設定されている所定の距離以内にいるときには、無人搬送台車の移動速度を予め設定されている所定の速度以下に制限するように構成されている。
【0230】
これにより、対象者Aと自走式ロボット本体101との接触を充分に抑制することができる。
【0231】
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良又は他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0232】
本開示の自走式ロボット及びその制御方法によれば、ロボットが提供する、在宅支援等のサービスの品質を向上させることができるため、ロボットの分野において有用である。
【符号の説明】
【0233】
10A ロボットアーム
10B ロボットアーム
11 第1リンク
12 第2リンク
13 第3リンク
14 第4リンク
15 第5リンク
16 第6リンク
17 メカニカルインターフェース
18 エンドエフェクタ
19 基軸
20 表示装置
20A 本体
20B 表示面
22 第2昇降装置
30 昇降装置(第1昇降装置)
40 無人搬送台車
50 第1揺動装置
60 移動装置
70 第2揺動装置
100 第1エリア
101 自走式ロボット本体
110 制御器
120 撮影装置
130 撮影装置
190 制御装置
190a 演算処理器
190b 記憶器
190c 入力器
200 第2エリア
210 操作装置
220 第2表示装置
230 撮影装置
300 自走式ロボット
310 隔壁部材
320 通信ネットワーク
A 対象者
L1 回転軸線
L2 回転軸線
L3 回転軸線
L4 回転軸線
L5 回転軸線
L6 回転軸線
N 法線