(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】口腔用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/42 20060101AFI20240819BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20240819BHJP
A61K 8/20 20060101ALI20240819BHJP
A61K 8/23 20060101ALI20240819BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20240819BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240819BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20240819BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240819BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20240819BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20240819BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240819BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240819BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240819BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240819BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20240819BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
A61K8/42
A61K8/19
A61K8/20
A61K8/23
A61K8/26
A61K8/86
A61K9/06
A61K9/08
A61K9/12
A61K9/70
A61K47/02
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/44
A61P1/02
A61Q11/00
(21)【出願番号】P 2020219311
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平泉 将登
(72)【発明者】
【氏名】石井 駿太
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/131575(WO,A1)
【文献】特開2015-182983(JP,A)
【文献】特開2019-182788(JP,A)
【文献】特開2013-129600(JP,A)
【文献】特開2018-203734(JP,A)
【文献】特開2017-100965(JP,A)
【文献】国際公開第2020/252501(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 1/02
C09C 3/00
C11B 9/00-15/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)
炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、および硫酸アルミニウムカリウムからなる群より選ばれる1種以上、及び
(B)N-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサン-1-カルボキシアミド、エチル-3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテート、及びN-(2-(2-ピリジニル)エチル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミドからなる群より選ばれる1種以上
を含有する口腔用組成物(但し、(A)硫酸ナトリウム及び(B)エチル-3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテートを含有する歯磨剤組成物を除く)。
【請求項2】
(A)成分の含有量が、0.1~10質量%である、請求項
1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
(B)成分の含有量が、0.00001~0.1質量%である、請求項1
又は2に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
(C):ノニオン性界面活性剤をさらに含有する、請求項1~
3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
(C)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項
4に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
(
C)成分の含有量が、0.1~1質量%である、請求項
4又は
5に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
歯磨剤、洗口剤、スプレー剤、塗布剤、貼付剤、又は口腔内溶解剤である請求項1~
6のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯磨剤等の口腔用組成物には、通常、研磨剤、界面活性剤、湿潤剤、粘結剤等が配合され、界面活性剤としてノニオン性界面活性剤等が泡立ち、清掃性等の確保のために用いられている。また、研磨剤等による物理的な清掃実感だけでなく、炭酸水素ナトリウムやその他の塩類を加えることによって口腔内のネバツキを除去してサッパリ感を付与する方法が公知化されている。しかしながら、炭酸水素ナトリウムやその他塩類にはサッパリ感とともに収斂味や特有の嫌味、刺激等があり課題であった。
【0003】
特許文献1には、炭酸水素ナトリウムとラウリル硫酸ナトリウムを併用した口腔用組成物に、特定のアミドベタイン型両性活性剤を配合することにより、サッパリ感は維持しつつ粘膜刺激を緩和できたことが記載されている。特許文献2には、炭酸水素塩等を含む口腔用組成物に、グリシン、アラニン、ロイシン、グルタミン酸及びそれらの塩を加えることにより、炭酸水素ナトリウムによる収斂性の発現が抑制されることが記載されている。特許文献3には、重曹等の収斂性を有する化合物を含む口腔用組成物に、ラノリン及びその誘導体、鯨ロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、ミツロウから選ばれる1種又は2種以上のロウ類を配合することにより、炭酸水素ナトリウムの収斂味を改善できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-49654号公報
【文献】特許第3922329号公報
【文献】特開平11-21219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術では、収斂味(収斂感)の改善には不十分である。また、特許文献2及び3の技術も収斂味の抑制には不十分であり、収斂味の抑制効果の持続性の面でも改善の余地がある。収斂味(収斂感)は、特に若年層には違和感に繋がることがあり、抑制手段の開発が期待されている。
本発明の目的は、口腔内のネバツキが解消されサッパリ感を得ることができ、収斂感を抑制でき、かつ収斂感の抑制効果を持続させることができる、口腔用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、以下の〔1〕~〔8〕を提供する。
〔1〕(A)炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、及び塩化物からなる群より選ばれる1種以上、及び
(B)N-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサン-1-カルボキシアミド、エチル-3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテート、及びN-(2-(2-ピリジニル)エチル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミドからなる群より選ばれる1種以上
を含有する口腔用組成物(但し、(A)硫酸ナトリウム及び(B)エチル-3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテートを含有する歯磨剤組成物を除く)。
〔2〕以下の少なくともいずれかを満たす、〔1〕に記載の口腔用組成物:
炭酸塩が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び炭酸マグネシウムからなる群より選ばれる1種以上であること;
炭酸水素塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、及び炭酸水素マグネシウムからなる群より選ばれる1種以上であること;
硫酸塩が、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、及び硫酸アルミニウムアンモニウムからなる群より選ばれる1種以上であること;及び
塩化物が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化マグネシウムからなる群より選ばれる1種以上であること。
〔3〕(A)成分の含有量が、0.1~10質量%である、〔1〕又は〔2〕に記載の口腔用組成物。
〔4〕(B)成分の含有量が、0.00001~0.1質量%である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
〔5〕(C):ノニオン性界面活性剤をさらに含有する、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
〔6〕(C)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種以上を含む、〔5〕に記載の口腔用組成物。
〔7〕(E)成分の含有量が、0.1~1質量%である、〔5〕又は〔6〕に記載の口腔用組成物。
〔8〕歯磨剤、洗口剤、スプレー剤、塗布剤、貼付剤、又は口腔内溶解剤である〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、口腔内のネバツキが解消されサッパリ感を得ることができ、収斂感を抑制でき、かつ収斂感の抑制効果を持続させることができる、口腔用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の口腔用組成物は、下記(A)及び(B)成分を含有し、好ましくは(C)成分を更に含有する。
【0009】
[(A)成分]
(A)成分は、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、及び塩化物からなる群より選ばれる1種以上である。(A)成分を含有することにより、口腔用組成物にサッパリ感を付与できる。(B)成分がエチル-3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテートである場合、(A)成分は、硫酸ナトリウム以外、すなわち、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸アルミニウム塩及び塩化物からなる群より選ばれる1種以上である。
【0010】
炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウムが挙げられる。炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウムが挙げられる。硫酸塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、ミョウバンが挙げられ、硫酸アルミニウム、ミョウバンが好ましい。ミョウバンとしては、例えば、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、及び硫酸アルミニウムアンモニウム塩化物が挙げられる。としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムが挙げられる。ミョウバンとしては、例えば、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムアンモニウムが挙げられる。これらの中で、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウムが好ましい。(A)成分は、1種でも2種以上の組み合わせでもよい。
【0011】
(A)成分の含有量は、口腔用組成物全体(100質量%)に対し、通常、0.05質量%以上、好ましくは、0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。これにより、サッパリ感を付与できる。上限は、通常、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下、より好ましくは、5質量%以下である。これにより、収斂感の発現を抑制できる。従って、(A)成分の含有量は、通常、0.05~20質量%、好ましくは、0.1~10質量%、より好ましくは0.2~10質量%、更に好ましくは0.2~5質量%である。
【0012】
[(B)成分]
(B)成分は、N-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサン-1-カルボキシアミド、エチル-3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテート及びN-(2-(2-ピリジニル)エチル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミドからなる群より選ばれる1種以上である。(B)成分を含有することにより、口腔用組成物に収斂感の抑制とその持続性を付与できる。本明細書において「収斂感」とは、歯ぐきがきゅっと引き締まる感覚を意味し、刺激(単なる痛み)とは区別される。
【0013】
(B)成分は、1種でも2種以上の組み合わせでもよいが、N-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサン-1-カルボキシアミド及びN-(2-(2-ピリジニル)エチル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミドを少なくとも含むことが好ましい。これにより、より良好な収斂感の抑制持続効果を付与できる。さらに、N-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサン-1-カルボキシアミドを少なくとも含むことがより好ましい。これにより、収斂感の抑制効果をより持続させることができ、またより良好なサッパリ感を付与できる。
【0014】
(B)成分の含有量は、口腔用組成物全体(100質量%)に対し、通常、0.000001質量%以上、好ましくは、0.00001質量%以上、より好ましくは0.00005質量%以上である。これにより、収斂感の抑制効果及び収斂感の抑制持続効果を発揮できる。上限は、通常、0.5質量%以下、より好ましくは、0.1質量%以下、更に好ましくは、0.01質量%以下、更により好ましくは、0.005質量%以下である。これにより、口腔内への刺激発現、香味発現性低下を抑制できる。従って、(B)成分の含有量は、通常、0.000001~0.5質量%、好ましくは、0.00001~0.1質量%、より好ましくは、0.00001~0.01質量%、更に好ましくは0.00005~0.005質量%である。
【0015】
[(C)成分]
(C)成分は、ノニオン界面活性剤である。(C)成分を含有することにより、口腔用組成物に収斂感の抑制効果を付与できる。
【0016】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)、アルキロールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル(例、マルトース脂肪酸エステル)、糖アルコール脂肪酸エステル(例、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル)、脂肪酸ジエタノールアミド(例、ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステルが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのアルキル鎖の炭素原子数は、通常、14~18であり、エチレンオキサイド平均付加モル数は、通常、15~30モルである。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイド平均付加モル数は、通常20~100モル、好ましくは20~60モルである。ソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素原子数は、通常12~18である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素原子数は、通常16~18であり、エチレンオキサイド平均付加モル数は、通常10~40モルである。アルキロールアミドのアルキル鎖の炭素原子数は、通常12~14である。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
【0017】
(C)成分の含有量は、口腔用組成物全体(100質量%)に対し、通常、0.01質量%以上、好ましくは、0.1質量%以上、より好ましくは、0.3質量%以上である。これにより、良好な収斂感の抑制効果を付与できる。上限は、通常、5質量%以下、好ましくは、1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下である。これにより、サッパリ感の低下及び香味発現性の低下を抑制できる。従って、(C)成分の含有量は、通常、0.01~5質量%、好ましくは、0.1~1質量%、より好ましくは、0.3~1質量%、更に好ましくは0.3~0.8質量%である。
【0018】
[任意成分]
本実施形態の口腔用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、既に説明した(A)~(C)成分以外の任意成分を含有していてもよい。
【0019】
任意成分としては、例えば、界面活性剤、甘味剤、香料、薬効成分、油性成分、研磨剤、防腐剤、湿潤剤、粘結剤、pH調整剤、着色剤(色素)、溶媒が挙げられる。以下、具体的に説明する。
【0020】
-研磨剤-
研磨剤は、無機研磨剤及び有機研磨剤のいずれでもよい。無機研磨剤としては、例えば、沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、結晶性ジルコニウムシリケート、チタン結合性シリカ等の研磨性シリカ;第2リン酸カルシウム・2水和塩又は無水和物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物;炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム系研磨剤;水酸化カルシウム、硫酸カルシウム等の、炭酸/リン酸以外のカルシウム系研磨剤;酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナ等のアルミニウム系材料;無水ケイ酸、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸系材料;炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム等のマグネシ
ウム系材料;ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト等のアパタイト系材料;二酸化チタン、雲母チタン、酸化チタン等のチタン系材料;ベントナイト等の鉱物が挙げられる。有機研磨剤としては、例えば、ポリメチルメタアクリレート、合成樹脂系研磨剤が挙げられる。これらのうち、好ましくはシリカ系研磨剤である。
【0021】
研磨剤の含有量は、口腔用組成物全体(100質量%)に対し、通常、70質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは8~50質量%である。
【0022】
-界面活性剤-
(C)成分以外の界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。
【0023】
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アシルアミノ酸塩、アシルタウリン塩、α-オレフィンスルホン酸塩、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸塩、ラウリルスルホ酢酸塩が挙げられる。アルキル基、アシル基は直鎖及び分岐鎖のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよく、その炭素原子数は通常10~20であり、好ましくは12~18であり、より好ましくは12~14である。塩は、薬理学的に許容される塩から選択され得る。薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩基付加塩及びアミノ酸塩が挙げられる。その具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。中でも、無機塩基塩が好ましく、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)又はアンモニウム塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
【0024】
アルキル硫酸塩としては、例えば、ラウリル硫酸塩(ラウリル硫酸ナトリウム)、ミリストイル硫酸塩が挙げられる。アシルアミノ酸塩としては、例えば、ラウロイルサルコシン塩、ミリストイルサルコシン塩等のアシルサルコシン塩;ラウロイルグルタミン酸塩、ミリストイルグルタミン酸塩、パルミトイルグルタミン酸塩等のアシルグルタミン酸塩;N-ラウロイル-N-メチルグリシン塩、ココイルグリシン塩等のアシルグリシン塩;N-ラウロイル-β-アラニン塩、N-ミリスチル-β-アラニン塩、N-ココイル-β-アラニン塩、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-ミリストイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-メチル-N-アシルアラニン塩等のアシルアラニン塩;ラウロイルアスパラギン酸塩等のアシルアスパラギン酸塩が挙げられる。アシルタウリン塩としては、例えば、ラウロイルメチルタウリン塩、N-メチル-N-アシルタウリン塩、N-ココイルメチルタウリン塩が挙げられる。α-オレフィンスルホン酸塩としては、テトラデセンスルホン酸塩等の炭素原子数12~18のα-オレフィンスルホン酸塩が挙げられる。アニオン界面活性剤の他の例としては、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0025】
アニオン界面活性剤は、泡立ち、泡質の良さの点で、スルホン酸基を含有することが好ましく、アルキル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩がより好ましい。
【0026】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、コカミドプロピルベタイン)等のベタイン型両性界面活性剤;N-脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩(例えば、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)、ヤシ油脂肪酸イミダゾリニウムベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタインが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩が挙げられる。
【0027】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩が挙げられる。
【0028】
界面活性剤((C)成分以外)の含有量は、口腔用組成物全体(100質量%)に対し、好ましくは0.1~3質量%、より好ましくは0.6~2.5質量%、さらに好ましくは1~2.5質量%である。
【0029】
-湿潤剤-
組成物が湿潤剤を含むことにより、使用感をより向上させることができる。
【0030】
湿潤剤としては、糖アルコール、糖アルコール以外の多価アルコールが好ましい。糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、還元澱粉糖化物等の糖アルコール;グリセリン;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。ポリエチレングリコールとしては、例えば、平均分子量150~6000のポリエチレングリコールが挙げられ、好ましくは、平均分子量190~630のポリエチレングリコールである。具体的には、PEG200、PEG300、PEG400、PEG600が挙げられる。湿潤剤の含有量は、口腔用組成物全体(100質量%)に対し、通常、40質量%以下であり、好ましくは1~30質量%である。平均分子量は、医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量である。
【0031】
-薬用成分-
薬用成分としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、トリクロサン、チモール、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌又は抗菌剤;デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リテックエンザイム等の酵素;フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ等のフッ化物;ε-アミノカプロン酸、アラントイン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸塩(例えば、グリチルリチン2カリウム塩)、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸塩(例えば、グリチルレチン酸ステアリル)、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アズレン、ジヒドロコレステロール等の抗炎症剤;亜鉛、銅塩、スズ塩等の金属塩;縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;ビタミンE(例えば、酢酸トコフェロール)等の血流促進剤;硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム等の知覚過敏抑制剤;ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のコーティング剤;ビタミンC(例えば、アスコルビン酸またはその塩)、塩化リゾチーム等の(A)成分以外の収斂剤;銅クロロフィル、グルコン酸銅等の水溶性銅化合物;歯石予防剤、アラニン、グリシン、プロリン等のアミノ酸類、タイム、オウゴン、チョウジ、ハマメリス等の植物エキス;カロペプタイド、ポリビニルピロリドンを挙げることができる。薬用成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記薬用成分の含有量は、常法に従って有効量を適宜設定できる。
【0032】
-香料-
組成物が香料を含むことにより、使用感をより向上させることができる。香料としては、例えば、ペパーミント油、スペアミント油、和種ハッカ油、アニス油、カシア油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、マスチック油、ネロリ油(オレンジフラワー油)、レモングラス油、ジャスミン油、ローズ油、イリス油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、バジル油、マジョラム油、レモン油、オレンジ油、ライム油、柚子油、ナツメグ油、ラベンダー油、パラクレス油、バニラ油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油等の天然精油;メントール、カルボン、シンナミックアルデヒド、アネトール、1,8-シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、シトラール、デカナール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール、n-デシルアルコール、シトロネロール、α-テルピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、エチルリナロール、ワニリン等の上記天然精油中に含まれる香料成分;エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フラネオール等の香料成分;及びいくつかの香料成分や天然精油を組み合わせてなるミント系、フルーツ系、ハーブ系等の各種調合フレーバーが挙げられる。香料としては、上記例示の香料を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
-甘味剤-
組成物が甘味剤を含むことにより、使用感をより向上させることができる。甘味剤としては、例えば、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ペリラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。甘味剤としては、上記例示の甘味剤を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
-油性成分-
油性成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;高級アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の炭素原子数8~22のアルコール);高級脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の炭素原子数8~22の脂肪酸)、オリーブ油、ひまし油、やし油等の植物油;ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステルが挙げられる。
【0035】
-防腐剤-
組成物が防腐剤を含むことにより、製剤の防腐力を確保できる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル(例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル)、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。防腐剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】
-粘結剤-
組成物が任意の粘結剤を含むことにより、粘度を最適化でき、保形性、使用感をより向上させることができる。粘結剤としては、従来公知の任意好適な有機粘結剤、例えば、多糖類、セルロース系粘結剤(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース等)、その他の多糖系増粘剤(例、キサンタンガム、グアガム、ジェランガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム)、合成水溶性高分子(例、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸プロピレングリコール)が挙げられる。さらには増粘性シリカ、ケイ酸アルミニウム等の無機粘結剤を配合することもできる。任意の有機粘結剤の含有量は、口腔用組成物全体(100質量%)に対し、0~3質量%であることが好ましく、0.1~2質量%であることがより好ましい。無機粘結剤の含有量は、0~10質量%であることが好ましく、1~8質量%であることがより好ましい。
【0037】
-pH調整剤-
組成物がpH調整剤を含むことにより、製剤のpH安定性を確保できる。pH調整剤としては、例えば、フタル酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、及び乳酸等の有機酸又はそれらの塩(クエン酸ナトリウム)、リン酸(オルトリン酸)等の無機酸又はそれらの塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物が挙げられる。無機酸塩としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムが挙げられる。
【0038】
pH調整剤の含有量は、通常、添加後の口腔用組成物のpHが5~9、好ましくは6~8.5となる量とすることができる。
【0039】
本明細書において、pH値は、通常、測定開始から25℃、3分後の値をいう。pH値は、例えば、東亜電波工業社製のpHメーター(型番Hm-30S)を用いて測定することができる。
【0040】
-着色剤-
着色剤としては例えば、ベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、タマリンド色素等の天然色素や、赤色2号、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、赤色227号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の法定色素、リボフラビン、銅クロロフィンナトリウム、二酸化チタン等が挙げられる。口腔用組成物が着色剤を含む場合、その含有量は、口腔用組成物の全体に対し0.00001~3質量%とすることが好ましい。
【0041】
-溶媒-
溶媒としては、例えば、水(精製水)、エタノール等が挙げられ、水が好ましい。溶媒は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
-他の任意成分-
上記以外の任意成分の例としては、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ウレタン、シリコン、天然ゴムが挙げられる。これら他の任意成分の含有量は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜設定できる。
【0043】
[口腔用組成物の剤形及び用途]
本発明の口腔用組成物は、歯磨剤、洗口剤、スプレー剤、塗布剤、貼付剤、又は口腔内溶解剤等の口腔用製剤とすることができる
口腔用組成物の剤形は、利用形態に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。剤形としては、例えば、ペースト状、液状等の形態で、歯磨剤であれば練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、潤製歯磨として調製できる。
【0044】
〔組成物の製造方法〕
口腔用組成物の製造方法は特に限定されず、剤形に応じて、それぞれの通常の方法で調製され得る。例えば練歯磨剤として利用する場合、溶媒に溶解する成分を調製した後、それ以外の不溶性成分を混合し、必要に応じて脱泡(例えば、減圧等)を行う方法が挙げられる。得られる練歯磨は、容器に収容して製品とすることができる。容器は、形状、材質は特に制限されず、通常の歯磨剤組成物に使用される容器を使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどのプラスチック製のラミネートチューブ等の容器等が挙げられる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。本発明は下記実施例に制限されない。なお、下記表中の数値は特に断らない限り質量%を表す。
【0046】
[実施例及び比較例において使用された成分]
-(A)成分-
炭酸水素ナトリウム:重炭酸ナトリウム(旭硝子(株)製)
硫酸ナトリウム:無水硫酸ナトリウム(富田製薬(株)製)
塩化ナトリウム:(精選特級塩、日本海水(株))
硫酸アルミニウムカリウム:(大明化学工業(株)製)
【0047】
-(B)成分-
N-(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)-2-イソプロピル-5,5-ジメチルシクロヘキサン-1-カルボキシアミド:(Coolact(登録商標)370、高砂香料工業(株)社製)
エチル-3-(p-メンタン-3-カルボキサミド)アセテート:(WS-5、豊玉香料(株)製)
N-(2-(2-ピリジニル)エチル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド:(Evercool(登録商標)190、ジボダン社製)
N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド:(WS-3、シムライズジャパン社製)
【0048】
-(C)成分-
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油:(日本エマルジョン(株)製)
【0049】
(A)~(C)成分以外の成分
研磨性シリカ:Tixosil(登録商標)73(Solvay社製)
フッ化ナトリウム:(ステラケミファ(株)製)
ラウリル硫酸ナトリウム:(BASF社製)
ソルビット液(70%):(三菱商事ライフサイエンス(株)製)
プロピレングリコール:(ADEKA社製)
増粘性シリカ:カープレックス(登録商標)#67(DSLジャパン(株)製)
サッカリンナトリウム:(愛三化学工業(株)製)
上記以外の成分については医薬部外品原料規格2006に適合した原料を用いた。
【0050】
実施例1~28及び比較例1~8
上記成分を原料として用いて、後述する調製方法に従って、下記表1~5に示す配合組成を有する練歯磨剤を調製した。
【0051】
[練歯磨剤の調製方法]
表1~5に示される原料を常法により配合して練歯磨剤を得て、これをラミネートチューブに収容した。
【0052】
[評価方法]
被験者パネラー4名によって練歯磨剤の使用感を評価した。歯ブラシ(クリニカアドバンテージハブラシ、4列コンパクトふつうタイプ、ライオン(株)製)にサンプルの練歯磨剤1gを載せ、3分間歯みがきを行い、サッパリ感、収斂感の抑制効果、収斂感の抑制効果の持続性について、それぞれ下記に示す評点基準によって判定した。4名の点数の平均を求め、下記の評価基準によって評価した。
【0053】
<サッパリ感>
サッパリ感に関しては、歯みがき後に水で口腔内をすすいだ後の口腔内のネバツキの有無によるサッパリ感に関して評価を行った。
評点基準
4点:非常にサッパリ感を感じた
3点:サッパリ感を感じた
2点:あまりサッパリ感を感じなかった
1点:サッパリ感を感じなかった
評価基準
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
【0054】
<収斂感の抑制効果>
収斂感の抑制効果に関しては、歯みがき後に水で口腔内をすすいだ直後の収斂感の強さに関して評価を行った。
評価基準
4点:収斂感を感じなかった
3点:収斂感をほとんど感じなかった
2点:収斂感を感じた
1点:収斂感を非常に強く感じた
判定基準
☆:平均点3.8点以上4.0点以下
◎:平均点3.5点以上3.8点未満
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
【0055】
<収斂感の抑制効果の持続性>
収斂感の抑制効果の持続性に関しては、歯みがき後に水で口腔内をすすいだ後、収斂感を感じなかった時間に関して評価を行った。
評価基準
4点:25分以上(刺激は感じなかった)
3点:15分以上25分未満
2点:5分以上15分未満
1点:5分未満
判定基準
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
(B)成分のみの比較例1では、サッパリ感の評価が低く、(A)成分のみの比較例2~6では、口腔粘膜への収斂感の抑制効果が低かった(表5)。これに対し、(A)及び(B)成分の組み合わせである実施例1~28では、サッパリ感、収斂感の抑制効果の評価が良好であり、収斂感の抑制効果も持続していた(表1~4)。中でも、(C)成分をさらに用いた実施例24~28では、収斂感の抑制効果がより良好であった(表4)。
(B)の対照成分のみの比較例8でも、(B)成分のみの比較例1と同様にサッパリ感の評価が低かったが、これに(A)成分を組み合わせた比較例7では、(A)及び(B)成分の組み合わせである比較例2~6と同様、口腔粘膜への収斂感の抑制効果が低く、(B)の対照成分の添加効果が見いだせなかった(表5)。
これらの結果は、本発明の口腔用組成物が口腔内のネバツキ解消によるサッパリ感を発揮でき、収斂感を抑制でき、かつ収斂感の抑制効果を持続させることができることを示している。