(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】コチニールレッドを含まない赤色着色剤およびそれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20240819BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20240819BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20240819BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
A61K8/46
A61Q1/02
A61Q1/04
A61Q1/12
(21)【出願番号】P 2021515029
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(86)【国際出願番号】 EP2019078678
(87)【国際公開番号】W WO2020094383
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-08-22
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】フアン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,チャン
(72)【発明者】
【氏名】ロサ,ホセ・ギレルモ
(72)【発明者】
【氏名】クルトワ,ジャン-フィリップ・アンドレ・ロジェ
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-501174(JP,A)
【文献】国際公開第2007/040027(WO,A1)
【文献】Paint & Peel Nail Colour,(ID#):1221893,Mintel GNPD,2009年11月,<URL:https://www.portal.mintel.com>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の着色剤組成物を含む組成物:
(a) (カルシウム-3-ヒドロキシ-4-[(4-メチル-2-スルホフェニル)アゾ]-2-ナフタレンカルボキシレート)を含む第1の成分;
(b) (ジナトリウム-5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホネート)を含む第2の成分、
であり、
第1の成分と第2の成分は、5:1~3:1の重量比であり、着色剤組成物は、コチニアルレッドの色を
呈し、45℃で貯蔵した場合に少なくとも1週間安定であり、
ここで、該組成物は、活性物質を含むエマルジョンであり、
ここで活性物質は、4-エチルレゾルシノール、プロピオン酸レチニルまたはそれらの混合物であり、そして
ここで、該組成物は、0.1~
5重量%の着色剤組成物を含む、
組成物。
【請求項2】
第1および第2の成分が、粒子、プレートまたはその両方であり、粒子は、0.5~7ミクロンであり、プレートは、独立に、1~50ミクロンの長さおよび幅、及び、75~650ナノメートルの厚さを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物がカルミンレッドを含まない、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤色着色剤組成物に関する。このような赤色着色剤組成物は、コチニール(すなわち、カルミン)レッドの色を模倣し、予想外に、化粧品組成物において従来使用されている活性物質の存在下でも安定な色組成物をもたらす。本発明は、本発明の赤色着色剤組成物を含む最終用途組成物にも向けられる。
【背景技術】
【0002】
長年、顔料、油および保湿剤、例えば水が化粧品組成物に使用されてきた。化粧品組成物における一般的な色は赤色であるが、それは、赤色がしばしば、消費者の眼瞼、唇および/または頬での使用に望ましい色であるからである。実際、口紅、ニキビクリーム、アイシャドウ、ブラッシュ、マスカラおよびファンデーションにおける赤色着色剤の使用が一般的である。マニキュア液に赤色着色剤を使用することも一般的である。
【0003】
典型的には、化粧品組成物に使用される赤色着色剤は、レーキ、染料および顔料の形態であり得る。多くの最終用途消費者組成物(食品組成物を含む)での使用に適した一般的な赤色着色剤は、コチニールレッドであり、本質的に粉砕され乾燥された昆虫(Dactylopius Coccus)であるコチニールレッド(Cochineal red)が、好ましい着色剤としてしばしば使用される。昆虫自体は、カルミン酸(乾燥昆虫の重量の約17~24%)を産生する。金属塩(例えば、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム)と混合されると、カルミンレッド着色剤(コチニール)が得られる。現在、消費者は、使用する化粧品及び消費する食品に何が正しく存在するかを知ることを求めており、破砕した虫が化粧品、食品、又はソフトドリンクに入っていることを消費者が知った場合には、必ずしも十分に受け入れられるとは限らない。
【0004】
前述の観点から、安定でありコチニールレッドの色を模倣する赤色着色剤組成物を開発することは、ますます興味深い。したがって、本発明は、(スルホナトフェニルアゾ)ナフトエートおよび(フェニルアゾ)ナフタレンジスルホネートの塩を含む赤色着色剤組成物を対象とする。本発明の赤色着色剤組成物は、コチニアルレッドの色を模倣し、驚くべきことに、化粧品組成物に典型的に使用される活性物質の存在下でも安定である。
【0005】
追加情報
着色組成物を製造するための努力が開示されている。米国特許第5,340,569号には、超微細窒化ホウ素およびマグネシウム脂肪酸塩を含むブラッシュ配合物が記載されている。
【0006】
着色組成物を製造するための他の努力も開示されている。米国特許第5,108,736号には、ケーキ、クリーム、液体またはスティック形態の着色化粧品が記載されている。
【0007】
着色組成物を製造するためのさらに他の努力が開示されている。米国特許第8,088,430号には、マイクロカプセル化着色剤を含む局所適用のための組成物が記載されている。
【0008】
着色剤を製造するためのさらなる努力が開示されている。国際公開第2015/044212A1号には、食品および飲料用の安定な赤色調合物が記載されている。
【0009】
追加情報のいずれも、本発明に記載され、特許請求されているコチニアルレッドの色を模倣する着色組成物を記載していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第5,340,569号
【文献】米国特許第5,108,736号
【文献】米国特許第8,088,430号
【文献】国際公開第2015/044212A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
第一の態様において、本発明は、以下を含む着色剤組成物を対象とし:
(a) (スルホナトフェニルアゾ)ナフトエートの塩から本質的になる第1の成分;
(b) (フェニルアゾ)ナフタレンジスルホネートの塩から本質的になる第2の成分、
第1の成分と第2の成分は、20:1~2:1の重量比であり、ここで、着色剤組成物は、コチニアルレッドの色を模倣し、そして、45℃で貯蔵した場合に少なくとも1週間安定である。
【0012】
第2の態様では、本発明が以下を含む着色剤組成物を対象とし:
(a) (スルホナトフェニルアゾ)ナフトエートの塩を含む第1の成分;
(b) (フェニルアゾ)ナフタレンジスルホネートの塩を含む第2の成分、
第1の成分と第2の成分は、10:1~2:1の重量比であり、ここで、着色剤組成物は、コチニアルレッドの色を模倣し、そして、活性物質の存在下で45℃で貯蔵した場合に少なくとも1週間安定である。
【0013】
第3の態様では、本発明は、本発明の第1または第2の態様の着色剤組成物を含む最終用途組成物を対象とする。
【0014】
第4の態様では、本発明は、コチニールレッドを模倣し、乾燥昆虫を実質的に含まないかまたは含まない着色剤組成物を生成するための、(スルホナトフェニルアゾ)ナフトエートおよび(フェニルアゾ)ナフタレンジスルホネートの塩の使用を対象とする。
【0015】
本明細書中で使用される場合、皮膚は、腕(下腕を含む)、顔、足、首、胸、手、脚、臀部および頭皮(毛髪を含む)上の皮膚を含むことを意味する。粒径は、第1および第2の成分に関連するので、ミクロン単位の着色剤の平均粒径(最も広い点で取った)を意味する。粒径は、市販のMalvern Mastersizerを用いて測定することができる。本発明の第1および第2の成分(球体の場合)の粒径は、典型的には0.5~7ミクロンであり、その中に包含される全ての範囲を含む。そのような着色剤がプレートまたは板状である場合、それらは、典型的には、それぞれ独立して、1~50ミクロンの長さおよび幅、ならびに75~650ナノメートルの厚さを有する。最終使用組成物(例えば、無水または実質的に無水の、または、水または油の連続エマルジョン)は、局所適用または経口への利益のための化粧組成物であり、ブラッシュ、リップスティック、リップグロス、ファンデーション、バルム、ルージュ、マスカラ、粉末、マニキュア液、クリーム、ローション、血清、ゲル、プライマー、ハイライター、経口サプリメント、アイライナー、ムース、エアロゾル、デオドラント、制汗剤、シャンプー、コンディショナー、メーキャップ、または、バーおよび液体を含むパーソナルウォッシュを含む。本明細書で定義されるように、活性物質または有効剤は、局所適用された後に皮膚に有益性(美容上の利益を含む)を送達する油または水溶性成分を含む成分である。本発明の一実施形態では、最終用途組成物は、実質的に無水であり、および/または、油および/または水溶性活性物質を含む。別の実施形態では、本発明の最終用途組成物がリーブオンスキンローション、クリーム、液体またはパーソナルウォッシュ組成物である。本発明のさらに別の実施形態では、最終用途組成物は、無水または実質的に無水である。本明細書中で使用される場合、無水は水を含まないことを意味し、実質的に無水(すなわち、半無水)は、最終用途組成物の総重量に基づき、そこに含まれるすべての範囲を含み、0.001~10重量%の水、好ましくは0.01~5重量%の水、最も好ましくは0.1~3重量%の水を意味する。実質的に含まないとは、総重量の0.1重量%未満を意味し、別の実施形態では、組成物(例えば、着色剤または最終用途)の0.01重量%未満を意味する。
【0016】
特に明記しない限り、本明細書に記載される全ての範囲は、本明細書に包含される全ての範囲を含むことを意味する。「含む」という用語は、「本質的にからなる」および「からなる」という用語を包含することを意味する。疑いを避けるために、第1および第2の着色剤を含む本発明の最終用途組成物は、同じものから本質的になる組成物および同じものからなる組成物を含むことを意味する。操作する比較例、または他に明示的に示されている場合を除いて、本明細書中の材料または条件および/または材料の物理的性質および/または使用の量または比率を示すすべての数字は、「約」という語によって修飾されると理解されるべきである。本明細書で使用される模倣物は、ハンターラボスキャンXE比色計(km、Rex)で採取され、CIELAB色空間スケールに基づいて表されるカルミンレッド着色剤(37度)の色相の12%以内であることを意味する。色相は、色相角度として定義され、度で表される。本発明の着色剤組成物の色相は、典型的には32.75~41.25である。別の実施形態では、着色剤組成物の色相は34~40であり、さらに別の実施形態では36~39であり、本明細書に包含される全ての範囲を含む。本明細書で使用する安定とは、45℃で1週間貯蔵した後のΔEが4.5未満であることを意味する。別の実施形態では、安定とは、45℃で2週間保存した場合、ΔEが4.0未満を意味し、さらに別の実施形態では、3.5未満を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
本発明での使用に適した第1の成分および第2の成分については、一般に、それぞれ、(スルホナトフェニルアゾ)ナフトレートの塩および(フェニルアゾ)ナフタレンジスルホネートの塩として分類される。本発明の一実施形態では、(スルホナトフェニルアゾ)ナフトエートの塩がカルシウム塩およびD&C赤色7号(カルシウム-3-ヒドロキシ-4-[(4-メチル-2-スルホフェニル)アゾ]-2-ナフタレンカルボキシレート)であり、それによって(フェニルアゾ)ナフタレンジスルホネートの塩は、ナトリウム塩およびD&C赤色33号(ジナトリウム-5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホネート)である。
【0018】
そのような成分は多くの場合、レーキであり、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5)またはそれらの混合物のような基質上に提供される。典型的には(球状粒子であろうとプレートであろうと)、本発明の着色剤成分は、粒子の総重量に基づいて75~95重量%の基質であり、これに包含される全ての範囲を含む。別の実施形態では、粒子の総重量に基づき、80~90重量%、さらに別の実施形態では85~90重量%の粒子が基質であり、これに包含される全ての範囲を含む。基質は、典型的には、場合によっては粒子またはプレートの内部部分またはコアを構成する。
【0019】
本発明の着色剤成分と共に任意の着色剤改質剤を含むことも本発明の範囲内である。典型的にはそのような任意の着色剤改質剤は、別々にまたは基質の一部として提供され、それらは二酸化チタン、酸化鉄(赤、黄および/または黒)、二酸化クロム、オキシ塩化ビスマス、ウルトラマリン、酸化亜鉛、マイカなどを含む。使用される場合、そのような追加の着色剤改質剤は、着色剤組成物の総重量に基づいて、着色剤成分の0.01~25重量%(それぞれ独立して)を成し、これに包含される全ての範囲を含む。
【0020】
典型的には、第1の成分と第2の成分の重量比は、20:1~2:1であり、別の実施形態では10:1~2:1であり、さらに別の実施形態では5:1~3:1であり、これに包含される全ての比を含む。さらに別の実施形態では、第1の成分と第2の成分との重量比は、3:1~2:1であり、これに包含される全ての範囲を含む。別の実施形態では、色成分の粒径は、球形の場合、0.6~7ミクロンであり、さらに別の実施形態では1~5ミクロンであり、これに包含される全ての範囲を含む。
【0021】
さらに別の実施形態では、プレートの場合、各プレートの長さおよび幅は、互いに独立して、2~45ミクロンであり、さらに別の実施形態では3~40ミクロンであり、その中に包含されるすべての範囲を含む。さらに別の実施形態では、プレートの厚さは75~650ナノメートルとすることができ、さらに別の実施形態では、90~550ナノメートルとすることができ、これに包含される全ての範囲を含む。
【0022】
最終用途組成物に関して、同じものは、典型的には最終用途組成物の総重量に基づいて、0.02~35重量%の着色剤組成物を有し、別の実施形態では、0.05~15重量%の着色剤組成物を有し、これに包含される全ての範囲を含む。さらに別の実施形態では、着色剤組成物は、最終用途組成物の総重量の0.1~9重量%を成し、これに包含される全ての範囲を含む。さらに別の実施形態では、本発明の最終用途組成物は、最終用途組成物の総重量に基づいて、0.1~5重量%の着色剤組成物を含み、これに包含される全ての範囲を含む。
【0023】
赤色7号(Red7)および赤色33号(Red33)は、本発明において使用される場合、Neelikon、The Good Scents Company、Sensient、BASF、EMD MiliporeおよびDeWolf Chemicalのような供給者から商業的に購入され得る。本質的に赤色7号および赤色33号からなる着色剤組成物がしばしば望まれる。別の実施形態において、本発明の着色剤組成物は、Sensientによって供給される赤色7号および赤色33号からなる。
【0024】
最終用途組成物に関しては、それらはエマルジョンを含み、同様に、水中油型、油中水型または二重エマルジョンであり得る。このような組成物は、ゲル、懸濁液、無水または半無水組成物であってもよい。
【0025】
本発明の着色剤組成物を有する最終用途組成物における使用に適した油の例示的な例としては、シリコーン油を含む。
【0026】
シリコーン油は、揮発性および不揮発性の種類に分けることができる。本明細書で使用される「揮発性」という用語は、周囲温度で測定可能な蒸気圧を有する材料を指す。揮発性シリコーン油は、好ましくは3~9個、好ましくは4~5個のケイ素原子を含有する環状または線状ポリジメチルシロキサンから選択される。
【0027】
本発明において有用な不揮発性シリコーン油には、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサンおよびポリエーテルシロキサンコポリマーが含まれる。本明細書で有用なこのような本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンは、例えば、25℃で5~100,000センチストークスの粘度を有するポリジメチルシロキサン(ジメチコンのように)を含む。
【0028】
しばしば好ましいシリコーン源は、シクロペンタシロキサンおよびジメチコノール溶液である。
【0029】
本発明の最終用途組成物を製造するために使用するのに適したエステルには、以下のものが含まれる:
(1) パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソナノ酸イソノニル、ミリスチン酸オレイル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸オレイル及びオレイン酸オレイルのような10~20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニル又はアルキルエステル;
(2) エトキシル化脂肪アルコールの脂肪酸エステルのようなエーテルエステル;
(3) エチレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200-6000)、モノ-およびジ-脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ-脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノ-ステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのような多価アルコールエステル;
(4) 蜜蝋、精子細胞、ミリスチルミリスチン酸、ステアリルステアレート、トリベヘニン蝋(及び20℃を超える融点を有する他の蝋)のような蝋エステル;及び
(5) 大豆ステロールおよびコレステロール脂肪酸エステルを含むステロールエステル、を含む。
【0030】
本発明の最終用途組成物に使用され得るさらに他の油には、大豆油、ヒマワリ油、ココナッツ油、パーム核油、ヒマシ油、菜種油、パーム油、ブドウ種子油、シアバター、カカオバター、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ベニバナ油、魚油、それらの混合物、ならびに、脂肪酸の糖エステル、例えばスクロースポリベヘネートおよびスクロースポリコットンセデートを含む。
【0031】
使用に適した他の油には、鉱油、ジャホバ油、イソパラフィン、C12-C15アルキルベンゾエート、ポリアルファオレフィン、イソヘキサデカン、シリコーン処理蜜蝋のようなシリコーン処理ワックス、植物ワックス、ワセリン、それらの混合物(上記の油を含む)などが含まれる。大豆およびヒマワリ油は、皮膚軟化剤として典型的に分類されるものいずれかと同様に、しばしば好ましいトリグリセリド油である。
【0032】
カプリルカプリン酸トリグリセリドは、本発明の最終用途組成物における使用のためにしばしば好ましい別の油である。
【0033】
エマルジョンのpHを変更するのに適した調整剤を使用することができる。このようなpH調整剤には、Mg(OH)2、NaOH、KOH、CaCO3、H2SO4、HCl、C6H8O7(すなわち、クエン酸)、トリエタノールアミンまたはそれらの混合物が含まれる。pH調整剤は、得られる最終用途組成物のpHが4.5~7.5であるような量で添加され、その中に包含される全ての範囲を含む。EDTAのようなキレート剤を任意に使用することができ、典型的には最終用途組成物の総重量に基づいて0.01~2.0重量%が使用される(所望の場合)。ポリイソブチレンのような液体オリゴマーも、0.4~1.5重量%の量で使用することができる。
【0034】
最終用途組成物のpHは、Thermo Scientific(登録商標)から市販されているpHメーターのような従来の機器を使用することによって評価することができる。
【0035】
エマルジョンが所望される場合、最終用途組成物として、本発明での使用に適した乳化剤は、典型的には2.5~10.5、好ましくは3~9.5、最も好ましくは3~8.5(ここに包含される全ての範囲を含む)のHLBを有する。
【0036】
本発明での使用に適した乳化剤の例は、プロピレングリコールイソステアレート、グリコールステアレートソルビタンセスキオレエート、レシチン、オレス-2、ステアス-2、セテス-2グリセリルステアレート、PEG-30ジポリヒドロキシステアレート、ラウレス-4r、PEG-8ジオレエート、ソルビタンラウレートおよびPEG-7グリセリルココアートである。
【0037】
使用に適したさらに他の乳化剤には、グリコールジステアレート、グリセリルオレエート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ラウリルPEG-10、(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン(Dow Corning(登録商標)ES-5300)またはそれらの混合物が含まれる。
【0038】
乳化剤は、典型的には、エマルジョン(すなわち、最終用途組成物)の2.5~10重量%、好ましくは3.5~8重量%、最も好ましくは4.5~7.5重量%を成し、その中に包含される全ての範囲を含む。8を超えるHLBを有するものは、典型的には水連続性であるエマルジョンに好ましい。エマルジョンがピッカーエマルジョンであることも本発明の範囲内である。
【0039】
本発明の着色剤組成物と共に使用するのに適したリップスティックおよびバルムは、20℃を超える融点の疎水性有機固体を含むことができ、化粧スティックのための固体構造を形成するのを補助する。ワックスが特に有用である。ワックスは、低融点有機化合物であるかまたは高分子量物質の混合物であり、室温で固体であり、グリセリドを本質的に含まないことを除いて、一般に脂肪および油と組成が類似している。いくつかは炭化水素であり、他は脂肪酸およびアルコールのエステルである。ワックスは熱可塑性であるが、それらは高ポリマーではないので、プラスチックのファミリーにおいては考慮されない。天然ワックス、鉱物ワックスおよび合成ワックスは、すべて使用することができる。天然ワックスの中には、動物起源のワックス(例えば、蜜蝋、ラノリン、セラックワックス)、野菜(カルナウバ、カンデリラ、ベイベリー、サトウキビワックス)および鉱物(オゾケライト、セレシン、モンタン、パラフィン、微結晶石油およびワセリンワックス)がある。合成ワックスには、「カルボワックス」のようなポリオールエーテル-エステルおよび炭化水素型ワックスが含まれる。
【0040】
本発明の着色剤組成物との最終用途組成物における使用に任意に適した活性物質(または有効剤)に関して、同様にそれらが皮膚に局所適用され得る程度にのみ限定される。
【0041】
典型的には、本発明の着色剤組成物を含む最終用途組成物において使用される(使用される場合)活性物質の量は、最終用途組成物の総重量に基づいて、0.05~10重量%、好ましくは1~6重量%、最も好ましくは2~5重量%であり、それらに包含される全ての範囲を含む。
【0042】
所望であれば、最終用途組成物中に、そのような最終用途組成物の油相中に、本発明の着色剤組成物と共に油溶性活性物質を任意に含むことは、本発明の範囲内である。このような油溶性活性物質に関する唯一の制限は、同様に局所適用される場合に皮膚の利益を提供するのに適していることである。
【0043】
本発明で任意に使用することができる油溶性活性物質(または有効剤)のタイプの例としては、ビタミンA、D、EおよびK(およびそれらの油溶性誘導体)のようなビタミン、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロパン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシ安息香酸またはそれらの混合物のような日焼け止め剤を含む。
【0044】
使用に適した他の任意の油溶性活性物質には、4-ヘキシルレゾルシノール、4-フェニルエチルレゾルシノール、4-シクロペンチルレゾルシノール、4-シクロヘキシルレゾルシノール、4-イソプロピルレゾルシノールまたはそれらの混合物のようなレゾルシノール類が含まれる。また、4-シクロヘキシル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、4-イソプロピル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、それらの混合物などのような5-置換レゾルシノール類を使用してもよい。5-置換レゾルシノール類およびそれらの合成は、本出願人に譲渡された米国特許出願公開第2016/0000669A1号に記載されている。
【0045】
使用に適した他の油溶性活性物質には、オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸、クライムバゾール、ファルネソール、ウルソール酸、ミリスチン酸、ゲラニルゲラニオール、オレイルベタイン、ココイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ヘキサノイルスフィンゴシン、12-ヒドロキシステアリン酸、ペトロセリン酸、共役リノール酸、テルピネオール、チモール、これらの混合物などを含む。
【0046】
特に好ましい態様において、本発明において使用される任意の油溶性活性物質は、レチノイン酸前駆体である。
【0047】
好ましい態様において、レチノイン酸前駆体は、レチノール、レチナール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニルまたはそれらの混合物である。別の実施形態では、プロピオン酸レチナールが好ましい。
【0048】
使用に適したさらに別のレチノイン酸前駆体は、Molecular Design Internationalによって供給されるRetextra(登録商標)という名称で市販されているヒドロキシアナサチルレチノエートである。同じものを、本明細書中に記載される油溶性活性物質との混合物中で使用することができる。
【0049】
任意の(すなわち、0.0重量%)油溶性活性物質が、本発明の着色剤組成物と共に最終用途組成物の油相に使用される場合、それは、最終用途組成物、本発明の着色剤組成物の総重量に基づいて、最終用途組成物の0.001~8重量%、好ましくは0.05~4.5重量%、最も好ましくは0.1~3重量%を成し、それらに包含される全ての範囲を含む。
【0050】
防腐剤は、望ましくは潜在的に有害な微生物の増殖から保護するために、本発明の最終用途組成物(すなわち、水を含むもの)に組み込まれ得るが、このような防腐剤を含まない最終用途組成物は、本発明の範囲内である。本発明で使用するのに適した伝統的な防腐剤は、パラ-ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルであり、これに限定されるものではない。他の防腐剤としては、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、および種々の第四級アンモニウム化合物を含む。化粧品の化学者は適切な防腐剤を熟知しており、防腐剤のチャレンジ試験に合格し、製品の安定性をもたらす防腐剤を日常的に選択している。特に好ましい防腐剤は、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、フェノキシエタノール、1,2-オクタンジオール、ヒドロキシアセトフェノン、エチルヘキシルグリセリン、ヘキシレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびプロパンジオールである。防腐剤は、組成物の使用、および防腐剤とエマルジョン中の他の成分との間の起こり得る不適合性を考慮して選択されるべきである。防腐剤は、好ましくはエマルジョンまたは最終用途組成物の総重量の0.01重量%~2重量%の範囲の量で使用され、その中に包含される全ての範囲を含む。1,2-オクタンジオールとフェノキシエタノール、またはヨードプロピニルブチルカルバメートとフェノキシエタノールの組み合わせが好ましく、フェノキシエタノールと1,2-オクタンジオールを合わせて、好ましくは、最終用途組成物の総重量の重量により1.8%未満を成す。また、ヒドロキシアセトフェノン単独または他の防腐剤との混合物中の防腐剤系も好ましい。
【0051】
増粘剤は、本発明の最終用途組成物における使用に適している。多糖類が特に有用である。例としては、繊維、デンプン、天然/合成ゴムおよびセルロース系が挙げられる。デンプンの代表的なものは、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウムおよびオクテニルコハク酸アルミニウムデンプンのような化学修飾デンプンである。マルトデキストリンと同様に、タピオカデンプンがしばしば好ましい。適切なガムとしては、キサンタン、スクレロチウム、ペクチン、カラヤ、アラビア、寒天、グアー(Acacia senegal guarを含む)、カラギーナン、アルギン酸塩およびそれらの組み合わせを含む。適切なセルロース系には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(セルロースゴム/カルボキシメチルセルロース)およびセルロース(例えば、セルロースミクロフィブリル、ナノ結晶セルロースまたは微結晶セルロース)が含まれる。セルロースミクロフィブリルの供給源には、二次細胞壁材料(例えば、木材パルプ、綿)、バクテリアセルロース、および一次細胞壁材料が含まれる。好ましくは一次細胞壁材料の供給源は、果実、根、球根、塊茎、種子、葉、およびそれらの組み合わせからの実質組織が選択され;より好ましくは、カンキツ果実、トマト果実、ピーチ果実、カボチャ果実、カボチャ果実、キウイ果実、リンゴ果実、マンゴ果実、テンサイ、ビート根、カブトウ、カブトウ、パースニップ、トウモロコシ、オート麦、小麦、エンドウマメ、およびそれらの組み合わせから選択され;さらにより好ましくは、カンキツ果実、トマト果実、およびそれらの組み合わせから選択される。一次細胞壁材料の最も好ましい供給源は、カンキツ果実由来の実質組織である。AQ PlusとしてHerbacel(登録商標)によって入手可能なもののようなカンキツ繊維もまた、セルロースミクロフィブリルの供給源として使用することができる。セルロース源は、Colloidal Polymer Science、Kaliaら、”Nanofibrillated cellulose: surface modification and potential applications”(2014)、Vol 292、Pages 5-31に記載されたものを含む公知の方法のいずれかによって表面修飾することができる。
【0052】
合成ポリマーは、さらに別の種類の有効な増粘剤である。このカテゴリーにはカルボマーのような架橋ポリアクリレート、Sepigel305のようなポリアクリルアミドおよびSimulgel EGおよびAristoflex AVCのようなタウレートコポリマーを含み、コポリマーは、それぞれのINCI命名法によって、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウレートナトリウムおよびアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドンコポリマーとして同定される。増粘に適した別の好ましい合成ポリマーはSeppicによって市販されており、Simulgel INS100の名称で販売されているアクリレート系ポリマーである。炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、およびマグネシウム-アルミニウム-シリケートも使用することができる。タルク、カオリン及びベントナイトのような増粘充填剤として分類される他のものを使用してもよい。ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸ナトリウムのように増粘する結合剤も使用することができる。
【0053】
増粘剤の量は、使用される場合、最終用途組成物の総重量に基づいて、最終用途組成物の0.001~22重量%、好ましくは0.1~17重量%、最も好ましくは0.2~16重量%の範囲であってよく、包含される全ての範囲を含む。マルトデキストリン、キサンタンガムおよびカルボキシメチルセルロースが、しばしば望まれる。
【0054】
しかしながら、最終用途組成物が粉末である場合、ステアリン酸亜鉛、タルクおよび酸化亜鉛を使用することができ、タルクは65~80重量%を成し、酸化亜鉛は最終用途組成物(すなわち、粉末)の20~30重量%を成す。粉末において、ステアリン酸亜鉛はしばしば、粉末の総重量の0.5~4.5重量%で存在する。
【0055】
芳香剤、固定剤および剥離剤は、本発明の着色剤組成物と共に最終使用組成物中に任意に含まれ得る。これらの物質の各々は、約0.02~約5重量%、好ましくは0.1~3重量%の範囲であり得る。所望により、酸化防止剤(0~10重量%)を使用してもよい。例示的な例には、ビタミンC、特にBASFによって入手可能なTinogard TT、Tinogard SおよびTinogard DAを含む。
【0056】
従来の湿潤剤は、所望により本発明の着色剤組成物と共に使用され、そのような最終使用組成物が局所的に適用される場合、皮膚の保湿を助けることができる。これらは一般に多価アルコール型材料である。典型的な多価アルコールとしては、グリセロール(すなわち、グリセリンまたはグリセリン)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロールおよびそれらの混合物を含む。最も好ましいのは、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物である。使用される湿潤剤の量は、最終用途組成物の総重量の0.0~10~15重量%の範囲であり得る。
【0057】
本発明の着色剤組成物と共の最終用途組成物は、任意に4-エチルレゾルシノール、ビタミンB2、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、ビタミンB6、ビタミンC等のような水溶性活性物質を含む。ビタミンの水溶性誘導体も使用することができる。例えば、アスコルビルテトライソパルミテート、マグネシウムアスコルビルホスフェートおよびアスコルビルグリコシドのようなビタミンC誘導体が使用され得る。エマルジョンの水相での使用に適した他の水溶性活性物質には、セージ、アロエベラ、緑茶、ブドウ種子、タイム、カモミール、カンゾウまたはローズマリー抽出物またはそれらの混合物のような抽出物が含まれる。使用に適したさらに他の水溶性活性物質には、乳酸およびグリコール酸のようなアルファヒドロキシ酸、サリチル酸のようなベータヒドロキシ酸、アルギニン、リジン、グルタミン、グリシン、グルタミン酸(およびピログルタミン酸のようなその誘導体)、アラニン、バリンのようなアミノ酸、ならびにフェルラ酸、ヒアルロン酸、およびアラントインのような薬剤が含まれる。エンスリゾールのような水溶性日焼け止めを使用することもできる。本発明の着色剤組成物と共に最終用途組成物中に存在する場合、水溶性活性物質(混合物を含む)の総量は、最終用途組成物の総重量に基づいて、0.0~15重量%、好ましくは0.001~10重量%、最適には0.01~4重量%の範囲であってよく、それらに包含される全ての範囲を含む。
【0058】
本発明の一実施形態では、活性物質は、4-エチルレゾルシノール、パルミチン酸レチニル、プロピオン酸レチニル、またはそれらの混合物である。
【0059】
本発明の別の実施形態では、着色剤組成物および最終用途組成物は、カルミンレッドを実質的に含まない。本発明のさらに別の実施形態では、最終用途組成物は、カルミンレッドを含まない(0.0重量%)。
【0060】
無水でないまたは実質的に無水でない場合、水は、最終用途組成物の総重量を基準にして、最終用途組成物の25~95重量%、別の実施形態では35~85重量%、さらに別の実施形態では40~79重量%を成し、その中に包含される全ての範囲を含む。
【0061】
本発明の着色剤組成物と共に使用するのに適した使用最終組成物を製造する場合、所望の成分を混合して、水相および油相を製造することができる。同じものを、大気条件下で、温度を周囲温度から85℃にして、中程度の剪断下で乳化剤と混合することができる。混合は、SilversonまたはCharles Ross & Sonによって市販されているローター/ステーター高せん断ミキサーのような市販のミキサーで行うことができる。典型的には、剪断速度は変化させることができ、得られるエマルジョンが目に見えるエアポケットを表示する点までは通気されないように設定することが好ましい。多くの場合、混合は、100~1,500rpm、好ましくは200~1,200rpm、最も好ましくは400~1000rpmに設定された回転で達成され、ここに包含される全ての範囲を含む。ソニック・コーポレーション・SonolatorTMのような均質化システムの使用もまた、100~400psi、好ましくは250~650psiに設定された圧でマクロエマルジョンを製造するために使用することができる。中程度の剪断および熱を大気条件下で使用して、無水および実質的に無水の最終用途組成物を調製することができる。無水および実質的に無水の最終用途製品を製造する場合には、従来の圧力適用を用いることができる。
【0062】
本発明の着色剤組成物を有する最終用途組成物のための包装は、典型的にはボトル、鉛筆アプリケーター、化粧パフ、チューブまたはジャーである。他の適切なパッケージには、ブリスターパックまたはサッシェが含まれる。
【0063】
本発明の着色剤組成物を有する製品はまた、自動ディスペンサーからまたは推進部で加圧された包装から分配されてもよい。
【0064】
提供される実施例は、本発明の理解を容易にするためのものである。それらは、特許請求の範囲を限定することを意図していない。
【実施例】
【0065】
実施例1
以下の成分を、適度な剪断および周囲温度下で混合して、得られた最終用途ゲル組成物を製造した。
【表1】
【0066】
実施例2
実施例1のゲル組成物中のエチルレゾルシノール(ER)およびレチニルプロピオネート(RP)と、本発明と一致するカルミン置換の色安定性*(重量比4:1)、水対バランス
【表2】
【0067】
この実施例に記載したゲル組成物を45℃で保存し、Hunterlab Labscan XE Colorimeterで色の変化を評価した。予想外に、最終用途ゲル組成物に本発明と一致する着色剤組成物を含めた場合、ゲル組成物の色は、本発明の着色剤組成物と共に活性物質(油および水溶性)を使用した場合に安定であった。
【0068】
実施例3
無水多孔質組成物は、以下の成分を本発明の色組成物と一緒に組み合わせることによって作製することができる。
【表3】
【0069】
実施例4
粉末組成物は、以下の成分を、本発明に記載されるものと一致する着色剤組成物と一緒に組み合わせることによって作製され得る。所望の粉末を製造するために、従来の圧力適用を適用することができる。
【表4】
【0070】
実施例5
半無水化粧用口紅は、以下の成分を本発明の着色剤組成物と組み合わせることによって製造することができる。
【表5】