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特許7539934ビデオ伸び計システム及び方法の輝度及びコントラストの補正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】ビデオ伸び計システム及び方法の輝度及びコントラストの補正
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/13 20170101AFI20240819BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20240819BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20240819BHJP
   G06V 10/44 20220101ALI20240819BHJP
   G01N 3/08 20060101ALN20240819BHJP
【FI】
G06T7/13
G01B11/00 H
G01B11/02 H
G06V10/44
G01N3/08
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021577043
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 US2020036790
(87)【国際公開番号】W WO2020263559
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】62/866,391
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/894,065
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ヘール
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アシュマン
【審査官】小池 正彦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-298101(JP,A)
【文献】国際公開第2014/104983(WO,A1)
【文献】特開2012-198208(JP,A)
【文献】特開2017-032556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/13
G01B 11/00
G01B 11/02
G06V 10/44
G01N 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験試料の輝度歪み、コントラスト歪み、又は焦点歪みを補正するシステムであって、
試験試料を固定する試験システムと、
前記試験試料のシルエットを映す照明を提供するスクリーンと、
前記試験試料に対して前記スクリーンの反対側に配置され、前記試験試料の画像をキャプチャーするように構成される撮像デバイスと、
処理システムであって、
前記撮像デバイスから前記試験試料の前記画像を受信することと、
試験プロセス中に前記画像に基づいて前記試験試料のエッジに沿った1つ以上の位置において1つ以上の特性を測定することと、
前記1つ以上の特性を基準特性と比較することと、
前記比較、前記画像から得られる前記試験試料の輝度レベルに対する前記スクリーンの輝度スコア、及び前記画像から得られる前記試験試料の焦点レベルに対する前記スクリーンの焦点スコアに基づいて、補正項を決定することと、
前記補正項を適用して前記1つ以上の特性の前記測定された値を補正することと、
を行う、処理システムと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記補正項は、白黒変化の場合には前記1つ以上の特性の前記測定された値に加算される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記補正項は、黒白変化の場合には前記1つ以上の特性の前記測定された値から減算され求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記補正項は、ミリメートル単位、インチ単位、又はピクセル単位のうちの1つの単位を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の特性は、前記試験試料のエッジ位置又は幅のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記エッジ位置は、ピクセル座標を基準とし、前記スクリーンに対する前記試験試料のコントラストの方向、コントラストベル、又は前記輝度レベル及び/又は前記焦点ベルに基づいて補正される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理システムは、前記試験システム又は前記撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームとともに配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記処理システムは、前記撮像デバイス又は前記試験システムのうちの一方と統合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
試験試料の輝度歪み、コントラスト歪み、又は焦点歪みを補正する方法であって、
試験試料を照明されたスクリーンと撮像デバイスとの間に配置することと、
前記撮像デバイスを介して、前記照明されたスクリーンを背景にして前記試験試料のシルエットの画像を撮像することと、
画像に基づいて1つ以上の特性の値測定することと、
前記1つ以上の特性を基準特性と比較することと、
前記比較、前記画像から得られる前記試験試料の輝度レベルに対する前記スクリーンの輝度スコア、及び前記画像から得られる前記試験試料の焦点レベルに対する前記スクリーンの焦点スコアに基づいて、補正項を決定することと、
前記補正項を適用して前記1つ以上の特性の前記測定された値を補正することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記1つ以上の特性は、前記試験試料のエッジ位置又は幅のうちの1つ以上を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記補正項は、ミリメートル単位、インチ単位、又はピクセル単位のうちの1つの単位を有する、請求項に記載の方法。
【請求項12】
キャプチャー画像におけるコントラスト又は前記撮像デバイスの焦点に基づいて歪みを補正することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
輝度、コントラスト又は焦点のうちの1つ以上に関連した値をモデル化して、前記キャプチャー画像における輝度、コントラスト、又は焦点に関連した歪みを求めることと、
前記1つ以上の特性に関する前記歪みに基づく前記補正項を出力することと、
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記撮像デバイスは、前記スクリーン又は前記試験試料から反射された偏光又は赤外光をキャプチャーするように構成され、前記スクリーンは、光を反射して、エッジ解析用の前記試験試料のダークシルエットを生成する、請求項に記載の方法。
【請求項15】
試験試料の輝度歪みを補正するシステムであって、
試験プロセス中に、試験試料に対して反射スクリーンの反対側に配置された該試験試料の撮像デバイスから画像を受信することと、
前記試験プロセス中に、前記試験試料のエッジに沿った1つ以上の位置において1つ以上の特性を測定することと、
前記1つ以上の特性を基準特性と比較することと、
前記比較、前記画像から得られる前記試験試料の輝度レベルに対する前記反射スクリーンの輝度スコア、及び前記画像から得られる前記試験試料の焦点レベルに対する前記反射スクリーンの焦点スコアに基づいて、補正項を決定することと、
前記補正項を適用して前記1つ以上の特性の前記測定された値を補正することと、
を行うように構成される処理システムを備える、システム。
【請求項16】
前記処理システムは、前記1つ以上の特性に関するみに基づく前記補正項を出力するように更に構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記処理システムは、前記補正項を適用して、前記画像における輝度、コントラスト、又は焦点のうちの1つ以上に基づいて前記1つ以上の特性の歪みを補正するように更に構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
1つ以上の光源が、前記試験試料の表面及び前記反射スクリーンの反射表面に光を誘導し、前記試験試料は、前記1つ以上の光源と前記反射スクリーンとの間に配置される、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、「Brightness And Contrast Correction For Video Extensometer Systems And Methods」と題する、2019年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/866,391号の優先権を主張する非仮特許出願であり、この米国仮特許出願の内容は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0002】
カメラベースのビジョンシステムが、試料歪みの測定用に材料試験システムの一部として実装されてきた。これらのシステムは、供試試料の1つ以上の画像を収集する。これらの画像は、その試験について対象となっている他の信号(例えば、試料荷重、機械アクチュエータ/クロスヘッドの変位等)と同期されている。試験試料の画像は解析され、試験が進行しているときの試料の特定の特徴部のロケーションの特定及び追跡を行うことができる。試料の幅等のそのような特徴部のロケーションが変化することによって、局所的な試料変形を計算することが可能になり、さらには、試料歪みを計算することが可能になる。
【0003】
従来のシステムは、バックライト付きスクリーン及び/又は1つ以上の光源を用いて、試験試料の複数の表面及び/又は側面に光を誘導する。しかしながら、バックライト付きスクリーンの輝度レベルに関連したエッジ位置誤差は、歪んだ読み取り値及び不正確な測定値をもたらす可能性がある。したがって、そのような誤差を補正するシステムが望まれている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書には、ビデオ伸び計システムにおける関連したバックスクリーンの輝度レベルに関連したエッジ位置誤差を補正するシステム及び方法が開示されている。開示例では、1つ以上の画像処理アルゴリズムを実行し、試料の遷移エッジを識別することによって試験試料の幅を測定することができる。なぜならば、試料の遷移エッジは、照明されたバックスクリーンの前方にダークシルエットとして見えるからである。いくつかの例では、エッジ位置誤差を補正するために、処理システムが、エッジ検出アルゴリズムを実行して、検知されたエッジ位置と、誤差の量に関連付けられた基準エッジ位置との間の差を測定及び/又は計算し、誤差に対処する補正項を計算するように構成される。補正項は、アルゴリズムの1つ以上の結果に適用されて、誤差を補正することができる。いくつかの例では、補正項は、白黒変化(white-to black transition)の場合にはエッジ検出アルゴリズムの結果に加算され、黒白変化(black-to-white transition)の場合には減算されて、誤差を補正することができる。
【0005】
本発明のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲と併せて以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0006】
開示例では、試験試料の輝度歪みを補正するシステムが、試験試料を固定する試験システムを含む。スクリーンが、能動的な照明又は受動的な照明を問わず、試験試料のシルエットを映す照明を提供する。ビデオカメラ等の撮像デバイスが、試験試料に対してスクリーンの反対側に配置され、試験試料の画像をキャプチャーするように構成される。処理システムが、撮像デバイスから試験試料の画像を受信し、試験試料のエッジに沿った1つ以上の位置において1つ以上の特性を測定し、1つ以上の特性を基準特性と比較し、比較に基づいて補正項を求め、補正項を1つ以上の特性測定値に適用し、補正された測定値を提供するように構成される。
【0007】
いくつかの例では、補正項は、白黒変化の場合にはエッジ検出アルゴリズムの結果に加算される。いくつかの例では、補正項は、黒白変化の場合には減算され、誤差を補正する。いくつかの例では、補正項は、ミリメートル単位、インチ単位、又はピクセル単位のうちの1つの単位を有する。いくつかの例では、1つ以上の特性は、試験試料のエッジ位置又は幅のうちの1つ以上を含む。
【0008】
いくつかの例では、プロセッサは、試験システム又は撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームとともに配置される。
【0009】
他の開示例では、試験試料の輝度歪みを補正する方法が、照明されたスクリーンと撮像デバイスとの間に試験試料を配置することを含む。処理システムは、補正項のリストにアクセスし、補正項は、輝度及び焦点を含む1つ以上の特性の関数である。処理システムは、撮像デバイスの予め定められた焦点又は計算された焦点のうちの一方に基づいて補正項のリストから補正項を決定する。撮像デバイスは、照明されたスクリーンを背景にして試験試料のシルエットを撮像する。処理システムは、撮像に基づいて1つ以上の特性測定値を計算し、補正項を試験試料の1つ以上の特性測定値に適用して、補正された測定値を提供する。
【0010】
いくつかの例では、1つ以上の特性は、試験試料のエッジ位置又は幅のうちの1つ以上を含む。いくつかの例では、補正項は、ミリメートル単位、インチ単位、又はピクセル単位のうちの1つの単位を有する。いくつかの例では、この方法は、キャプチャー画像におけるコントラスト又は撮像システムの焦点に基づいて歪みを補正する。いくつかの例では、この方法は、輝度、コントラスト、又は焦点のうちの1つ以上に関連した値をモデル化して、キャプチャー画像における輝度、コントラスト、又は焦点に関連した歪みを求めることと、1つ以上の特性に関する歪みに基づく補正項を出力することとを含む。
【0011】
本発明の利益及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を検討した後に当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の態様による一例示の伸び計システムのブロック図である。
【0013】
図2】本開示の態様による、図1の伸び計システムにおいて測定される一例示の試験試料を示す図である。
【0014】
図3】本開示の態様による、図1の一例示の伸び計システムの別の視点のブロック図である。
【0015】
図4】本開示の態様による、試験試料のキャプチャー画像を示す図である。
【0016】
図5】陰影付き背景のオプティカル効果を受けた試料の一例示の画像を示す図である。
【0017】
図6】本開示の態様による、検知された試料幅を輝度に関係付ける一例示のグラフである。
【0018】
図7】本開示の態様によるルックアップテーブルを示す図である。
【0019】
図8図1の伸び計システムの一例示の実施態様のブロック図である。
【0020】
図9】本開示の態様による、伸び計システムにおける試験試料の輝度歪みを補正する例示の機械可読命令を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0022】
本開示は、ビデオ伸び計システムにおける関連したバックスクリーンの輝度レベルに関連したエッジ位置誤差を補正するシステム及び方法を記載している。いくつかの例では、エッジ位置誤差を補正するために、処理システムは、エッジ検出アルゴリズムを実行して、検知されたエッジ位置と、誤差の量に関連付けられた基準エッジ位置との間の差を測定及び/又は計算し、この誤差に対処する補正項を計算するように構成される。補正項は、アルゴリズムの1つ以上の結果に適用されて誤差を補正することができる。いくつかの例では、補正項は、白黒変化の場合にはエッジ検出アルゴリズムの結果に加算され、黒白変化の場合には減算されて、誤差を補正することができる。
【0023】
本明細書に開示されているように、ビデオ伸び計システムは、試験試料の光学的幅測定を行うように構成される。いくつかの例では、実質的に不透明の試験試料のエッジが、試験試料とバックスクリーンとの間の輝度コントラストのレベルに基づいて測定される。例えば、試験試料は、試験機械内に固定され、照明された(例えば、能動的又は受動的に明るくされた)バックスクリーンの前方に配置される。撮像デバイスが、カメラの方向に向いている試験試料の表面を観察するように配置される。この表面は、撮像デバイス光学機器類(例えば図3参照)の焦平面の近くに位置する。この配置を用いると、試験試料は、明るく照明されたバックスクリーンの前方に位置しているので、ダークシルエット形状として撮像デバイスによって視認され撮像される(例えば図4参照)。
【0024】
例えば、照明されたバックスクリーンと撮像デバイスとの間に配置されるとき、試験試料の明確に合焦されたダークシルエットはくっきりとし、エッジの形状及び特徴は、照明されたバックスクリーンの前方で撮像されると、輪郭が明確になる。いくつかの例では、試験試料は、より高い透明度を有する材料から作製される。そのような半透明の試験試料は、試験試料とバックスクリーンとの間で測定可能なレベルのコントラストを提供するのに十分な光源からの光の一部を吸収することができる。
【0025】
しかしながら、試験試料のエッジの検知される位置は、撮像デバイスの焦点だけでなくバックスクリーンの輝度にも依存するので、非常に正確な測定を行うことは困難である可能性がある。
【0026】
本明細書に開示されているように、エッジ位置誤差を補正するために、処理システムが、エッジ検出アルゴリズムを実行し、検知されたエッジ位置と、誤差の量に関連付けられた基準エッジ位置との間の差を測定及び/又は計算し、この誤差に対処する補正項を計算するように構成される。例えば、補正項は、アルゴリズムの1つ以上の結果に適用されて誤差を補正することができる。いくつかの例では、補正項は、白黒変化の場合にはエッジ検出アルゴリズムの結果に加算され、黒白変化の場合には減算されて、誤差を補正することができる。
【0027】
本明細書に記載されているように、張力、圧縮力、及び/又はねじり力を印加する材料試験システムを含む材料試験システムは、試験試料に対する応力の印加及び/又は測定を行うために与えられる変位及び/又は荷重を招く1つ以上の構成要素を含む。いくつかの例では、ビデオ伸び計システムが試料歪み試験に用いられる。この試験は、高解像度画像を収集すること、これらの画像を画像プロセッサに提供すること、画像を解析して変位値又は歪み値に対応する1つ以上の試料特性を特定すること、及びこれらの特性に対応する出力を生成することのうちの1つ以上を含むことができる。開示例では、1つ以上の収集された画像から特定された特性(幅等)は、閾値のリスト又は事前に(すなわち試験の前に)収集された画像等の1つ以上のソースと比較される。いくつかの例では、特定された特性の値を1つ以上のアルゴリズムに適用して、試験試料に関連した変位値又は歪み値に対応する出力を生成することができる。
【0028】
伸び計を用いるビデオ処理は、処理システム若しくはコンピューティングプラットフォーム及び/又はビデオ処理ハードウェアに接続された外部機械ビジョン撮像デバイスを含むことができ、ソフトウェア及び/又はハードウェアを使用して、カメラからのデータを電気信号に変換することができるか、又は材料試験システムに適合したソフトウェアインターフェースを有することができる。
【0029】
本明細書に開示されているように、カメラベースの画像キャプチャー(例えば、ビジョン又はビデオ)システムは、試験試料における歪みを測定する材料試験システムにおいて実施される。そのようなシステムは、供試試料の複数の画像を収集する(すなわち、試験プロセスの間に収集する)。これらの画像は、その試験について対象となっている他の信号(試料荷重、機械アクチュエータ及び/又はクロスヘッドの変位等)と同期されている。試料の画像は、アルゴリズムによって(例えば、リアルタイムで及び/又は試験後に)解析され、試験が進行しているときの特定の試料特性のロケーションの特定及び追跡が行われる。例えば、そのような特性のロケーション、サイズ、形状等が変化することによって、試験試料の変形を計算することが可能になり、さらには、試料歪みの解析及び計算が可能になる。
【0030】
試料幅等の特性は、撮像デバイスを介してキャプチャーすることができ、キャプチャー画像は処理システムに送信される。画像解析は、(例えば、処理システムを介して)伸び計システムによって行われ、試験が進行しているときの幅(複数の場合もある)の変化を追跡するために、試料幅(複数の場合もある)の第1の位置、すなわち初期位置及び/又はロケーションを求めることができる。
【0031】
画像処理アルゴリズムは、次に、試料のエッジを求め、試料の幅を計算し、試験の開始時における初期幅と比較した試料幅の変化(すなわち横方向(transverse)歪み)を追跡する。
【0032】
処理システムは、エッジ検出アルゴリズムを実行して、検知されたエッジ位置(キャプチャー画像からのもの)と、誤差の量に関連付けられた基準エッジ位置との間の差を測定及び/又は計算し、誤差に対処する補正項を計算するように構成される。補正項は、アルゴリズムの1つ以上の結果に適用されて、誤差を補正することができる。いくつかの例では、補正項は、白黒変化の場合にはエッジ検出アルゴリズムの結果に加算され、黒白変化の場合には減算されて、誤差を補正することができる。
【0033】
本明細書に記載されているように、試験試料の幅を測定するビデオ伸び計は、制御された背景照光状態を必要とする。これは、能動的な(別途供給される)バックライト又は受動的なバックライト(反射光を用いる)を問わず、バックライトシステムを含めることによって達成される。試料の幅(横方向の試料エッジベースの歪み)を測定するのに使用されるビデオ伸び計の場合には、現在、背景照明の輝度レベルがダーク試料シルエットのエッジ検出の誤差をもたらす限界が存在する。
【0034】
その上、バックスクリーンの相対輝度レベルの制御は、絶対的及び/又は相対的な構成要素位置、カメラ、光源、試験試料、及び/又はバックスクリーンの角度方向の調整、及び/又は電力レベル若しくは他の照明特性の調整によって達成することができる。
【0035】
開示例では、試験試料の輝度歪み、コントラスト歪み、又は焦点歪みを補正するシステムが、試験試料を固定する試験システムと、試験試料のシルエットを映す照明を提供するスクリーンと、試験試料に対してスクリーンの反対側に配置され、試験試料の画像をキャプチャーするように構成される撮像デバイスと、処理システムとを備える。処理システムは、撮像デバイスから試験試料の画像を受信することと、試験プロセス中に試験試料のエッジに沿った1つ以上の位置において1つ以上の特性を測定することと、1つ以上の特性を基準特性と比較することとを行う。
【0036】
いくつかの例では、補正項は、白黒変化の場合にはエッジ検出アルゴリズムの結果に加算される。例では、補正項は、黒白変化の場合には減算されて、誤差を補正する。いくつかの例では、補正項は、ミリメートル単位、インチ単位、又はピクセル単位のうちの1つの単位を有する。
【0037】
いくつかの例では、1つ以上の特性は、試験試料のエッジ位置又は幅のうちの1つ以上を含む。例では、エッジ位置は、ピクセル座標を基準とし、スクリーンに対する試験試料のコントラストの方向、コントラストのレベル、又は輝度及び/又は焦点のレベルに基づいて補正される。
【0038】
いくつかの例では、プロセッサは、試験システム又は撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームとともに配置される。
【0039】
例では、プロセッサは、撮像デバイス又は試験システムのうちの一方と統合される。いくつかの例では、プロセッサは、比較に基づいて補正項を求めることと、補正項を1つ以上の特性測定値に適用して、補正された測定値を提供することとを行うように更に構成される。
【0040】
いくつかの開示例では、試験試料の輝度歪み、コントラスト歪み、又は焦点歪みを補正する方法が提供される。方法は、試験試料を照明されたスクリーンと撮像デバイスとの間に配置することと、撮像デバイスを介して、照明されたスクリーンを背景にして試験試料のシルエットを撮像することと、処理システムを介して、撮像に基づいて1つ以上の特性測定値を計算することと、処理システムを介して、輝度、コントラスト及び焦点を含む1つ以上の特性の関数である補正項のリストにアクセスすることと、処理システムを介して、輝度、撮像デバイスの予め定められた焦点又は計算された焦点のうちの1つに基づいて補正項のリストから補正項を決定することとを含む。
【0041】
いくつかの例では、処理システムを介して、補正項を試験試料の1つ以上の特性測定値に適用して、補正された測定値を提供することを含む。
【0042】
いくつかの例では、1つ以上の特性は、試験試料のエッジ位置又は幅のうちの1つ以上を含む。例では、補正項は、ミリメートル単位、インチ単位、又はピクセル単位のうちの1つの単位を有する。例では、方法は、キャプチャー画像におけるコントラスト又は撮像システムの焦点に基づいて歪みを補正することを含む。
【0043】
いくつかの例では、方法は、輝度、コントラスト又は焦点のうちの1つ以上に関連した値をモデル化して、キャプチャー画像における輝度、コントラスト、又は焦点に関連した歪みを求めることと、1つ以上の特性に関する歪みに基づく補正項を出力することとを含む。
【0044】
いくつかの例では、撮像デバイスは、スクリーン又は試験試料から反射された偏光又は赤外光をキャプチャーするように構成され、スクリーンは、光を反射して、エッジ解析用の試験試料のダークシルエットを生成する。
【0045】
いくつかの開示例では、試験試料の輝度歪みを補正するシステムが提供される。システムは、試験プロセス中に、試験試料に対して反射スクリーンの反対側に配置された試験試料の撮像デバイスから画像を受信することと、試験プロセス中に、試験試料のエッジに沿った1つ以上の位置において1つ以上の特性を測定することと、輝度、コントラスト、又は焦点に関連した画像における試験試料のエッジに沿った歪みを求めることと、歪みに基づいて補正項を求めることとを行う処理システムを備える。
【0046】
いくつかの例では、処理システムは、1つ以上の特性に関する歪みに基づく補正項を出力する。例では、処理システムは、補正項を適用して、画像における輝度、コントラスト、又は焦点のうちの1つ以上に基づいて1つ以上の特性の歪みを補正するように更に構成される。
【0047】
いくつかの例では、1つ以上の光源が、試験試料の表面及びスクリーンの反射表面に光を誘導し、試験試料は、1つ以上の光源とスクリーンとの間に配置される。
【0048】
次に図を参照する。図1は、機械的性質試験を受ける試験試料16の1つ以上の特性の変化を測定する一例示の伸び計システム10である。この例示の伸び計システム10は、例えば、試験試料16の機械的試験が可能な試験システム33に接続することができる。伸び計システム10は、例えば、圧縮強度試験、張力強度試験、剪断強度試験、曲げ強度試験、撓み強度試験、引き裂き強度試験、剥離強度試験(例えば、接着ボンドの強度)、ねじり強度試験、及び/又は他の任意の圧縮試験及び/又は張力試験を受ける試験試料16における変化を測定及び/又は計算することができる。加えて又は代わりに、材料伸び計システム10は、動的試験を行うことができる。
【0049】
開示例によれば、伸び計システム10は、試験試料16を操作及び試験する試験システム33、及び/又は、図8に更に示すような、試験システム33、光源、及び/又は撮像デバイスに通信結合されたコンピューティングデバイス若しくは処理システム32を含むことができる。試験システム33は、荷重を試験試料16に印加し、試験試料16の変位及び/又は試験試料16に印加される力等の試験の機械的性質を測定する。
【0050】
伸び計システム10は、試験試料16を照明するリモート及び/又は一体型の光源14(例えば、LEDアレイ)及び/又は反射バックスクリーン18を含む。伸び計システム10は、処理システム32(図8も参照)及びカメラ又は撮像デバイス12を含む。いくつかの例では、光源14及び撮像デバイス12は、赤外(IR)波長において送受信を行うように構成されるが、他の波長も同様に適用可能である。いくつかの例では、光源14又は撮像デバイス12の一方又は双方は、1つ以上のフィルター(例えば、偏光フィルター)、1つ以上のレンズを含む。いくつかの例では、試験試料16の1つ以上の特性、1つ以上のマーカー20(マーカーのパターンを含む)を識別する校正ルーチン(例えば、2次元校正ルーチン)が実行され、加えて、使用される。
【0051】
いくつかの例では、バックスクリーン18は、光源14からの光を反射して撮像デバイス12に戻すように構成される。例えば、バックスクリーン18の表面は、反射を強化し及び/又は反射光を撮像デバイスに向けて誘導する性質を有するように構成することができる。性質は、バックスクリーン18の形状(例えば放物面構成)及び/又は反射を高める処置(例えば、コーナーキューブ反射器、反射材料等の適用)を含むことができる。加えて又は代わりに、フィルター30は、反射量の増加、及び/又は所望の方向への反射光の誘導及び/又は所望の波長の反射光の誘導を行う表面に配置及び/又は適用することができる。いくつかの例では、フィルター30は、可能な限り多くの反射光を撮像デバイス12に向けて且つ他の近傍の構成要素から離れて提供するように、コリメーティングフィルターとして構成される。
【0052】
開示例では、コンピューティングデバイス32は、試験システム33の構成、試験システム33の制御、及び/又は処理、表示、報告、及び/又は他の任意の所望の目的のために試験システム33からの測定データ(例えば、力及び変位等のトランスデューサ測定値)及び/又は試験結果(例えば、ピーク力、破断変位(break displacement)等)の受信を行うのに使用することができる。伸び計システム10は、Ethernet(登録商標)、アナログエンコーダー又はSPIを含む標準的なインターフェースを利用して33及びソフトウェアに接続する。これによって、専用の統合ソフトウェア又はハードウェアを必要とすることなく、デバイスを既存のシステムにプラグ接続し、既存のシステムによって使用することが可能になる。伸び計システム10は、リアルタイムの軸方向(axial)エンコーダー情報及び横方向エンコーダー情報又はアナログ情報を材料試験機械33に提供する。リアルタイムビデオ伸び計10及び材料試験機械190は、伸張(extension)/歪みデータを含むリアルタイム試験データを、有線通信チャネル及び/又は無線通信チャネルを介して構成することができる外部コンピューター32と交換する。伸び計システム10は、材料試験機械33において試験を受ける試験試料16からキャプチャーされる伸張/歪みデータの測定及び/又は計算を提供し、さらに、応力データ及び伸張/歪みデータをプロセッサ32に提供する。
【0053】
本明細書に開示されているように、キャプチャー画像は、撮像デバイスからプロセッサ32に入力される。プロセッサでは、1つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを使用して、試験試料16の複数の軸の伸張/歪み値(すなわち、試験試料16に貼付されたマーカー20の画像監視によって計算されるターゲット間距離の変化又は変化百分率)が計算される。計算の後、このデータは、メモリに記憶することもできるし、ネットワーク及び/又は1つ以上のディスプレイデバイス、I/Oデバイス等(図8も参照)に出力することもできる。
【0054】
図2は、図1の伸び計システム10において測定される一例示の試験試料16である。例えば、1つ以上のマーキングが、光源14及び撮像デバイス12の方向に向いている表面28に付着される。把持部26は、試験システム33(図8も参照)のグリップ内に配置されるように構成され、試験試料16に力を印加する。例えば、グリップが、試験試料16を握持しているか又は別の方法で試験システム33に結合している間、クロスメンバーローダー(cross-member loader)が力を供試試料16に印加する。モーター等の力アプリケーターが、クロスヘッドをフレームに対して移動させ、両方向矢印34によって示されるように試験試料16に力を印加する。把持部26を互いに引き離す力34は、試験試料16を引き延ばすことができ、その結果、マーキングは、第1の位置20Aから第2の位置20Bに移動する。加えて又は代わりに、マーキングは、形状又はサイズを変化させる場合があり、この変化も、キャプチャー画像を見ることで処理システム32によって測定することができる。力34は、試験試料のエッジも第1の位置22Aから第2の位置22Bに移動させることができる。例えば、第1の位置、すなわち初期位置において、エッジは幅24Aを有し、力34の印加時には幅24Bに減少する。
【0055】
キャプチャー画像に基づいて、処理システム33は、測定プロセスにおいて伸張/歪みを実施するように構成される。例えば、試験試料16における伸張/歪みを検出するために、処理システム33は、撮像デバイス12を介して提供される画像を監視する。処理システム33は、(例えば、クロスヘッドの移動の開始時における初期ロケーションと比較した)試験試料16のマーカー及び/又はエッジのうちの2つ以上のものの間の相対位置の変化を特定すると、処理システム33は、変化量を測定して、試験試料16における伸張及び/又は歪みの量を計算する。本明細書に開示されているように、マーカーは、光源からの光をカメラへ反射するように構成されるのに対して、バックスクリーンは、光を反射して、エッジ解析用のダークシルエットを生成する。
【0056】
本明細書に開示されているように、ビデオ伸び計システム10は、不透明試験試料16の光学的幅測定を行うように構成される。撮像デバイス12は、撮像デバイス12の方向を向いている試験試料16の表面28を観察するように配置される。表面28は、撮像デバイス光学機器類(例えば、図3参照)の焦平面の近くに位置する。この配置を用いると、試験試料16は、明るく照明されたバックスクリーン18の前方に位置しているので、ダークシルエット形状として撮像デバイス12によって視認され撮像される。
【0057】
例えば、照明されたバックスクリーン18と撮像デバイス12との間に配置されるとき、試験試料16の明確に合焦されたダークシルエットはくっきりとし、エッジ22の形状及び特徴は、照明されたバックスクリーン18の前方で撮像されると、輪郭が明確になる。しかしながら、試験試料16のエッジ22の検知される位置は、撮像デバイス12の焦点だけでなくバックスクリーン18の輝度にも依存するので、非常に正確な測定を行うことは困難である可能性がある。
【0058】
本明細書に開示されているように、エッジ位置誤差を補正するために、処理システム32は、検知されたエッジ位置と、誤差の量に関連付けられた基準エッジ位置との間の差を測定及び/又は計算し、この誤差に対処する補正項を計算するエッジ検出アルゴリズムを実行するように構成される。例えば、補正項は、アルゴリズムの1つ以上の結果に適用されて誤差を補正する。いくつかの例では、補正項は、白黒変化の場合にはエッジ検出アルゴリズムの結果に加算され、黒白変化の場合には減算されて、誤差を補正することができる。
【0059】
図3は、軸方向歪み(試験試料16の前面28にあるマーカー20及び/又はマーカーのパターンの変化に基づく)、及び横方向歪み(試料16の幅の変化から計算される)の一方又は双方を測定するビデオ伸び計システム10の配置を示している。ビデオ伸び計システム10の構成要素は、各構成要素の他の構成要素に対するロケーションが概略的なものである図3Bの上面斜視図に示されている。図示するように、構成要素は、物理的な試験中に(例えば、規則的な間隔で、連続して、及び/又は時間、力、若しくは他の適した試験特性に関連付けられた1つ以上の閾値に基づいて)試験試料16の1つ以上の画像をキャプチャーするように構成される撮像デバイス12(例えば、ビデオカメラ)を含む。
【0060】
1つ以上の光源14は、光36を放射して、試験試料16の表面28と、光源14の反対側にある試験試料16の裏面の方向を向いて配置されたスクリーン18とを照明する。いくつかの例では、光源(複数の場合もある)14は、光を軸外(例えば、図3の視点の上面図から示される上向き方向、横向き方向、及び/又は下向き方向)に誘導するように配置され、試験試料16の前面28及び/又はバックスクリーン18を照明するように角度を付けられる。
【0061】
図示するように、受動的な(すなわち能動的な照明源がない)バックスクリーン18は、試験試料16の背後に配置され、反射性と、一様な明るさの背景をビデオ伸び計撮像デバイス12に与えるのに適したサイズとを有するように設計される。図3に示すように、バックスクリーン18に入射する光36は反射され、撮像デバイス12に向けて誘導される光40として戻る。いくつかの例では、能動的に照明されたバックスクリーンが使用され、その輝度レベルは、処理システム32によって調整することができる。図示するように、撮像デバイス12及び試験試料16は、焦点距離39に配置され、この配置は、試験プロセスの間静止しておくこともできるし、予め定めておくこともできるし、及び/又は変化することもできる。バックスクリーン18からの光は、試験試料16のダークシルエットを生成し、撮像デバイス12が試験プロセス中のエッジ22の画像及びエッジの変化をキャプチャーすることを可能にする。
【0062】
試験試料16は、撮像デバイス12とバックスクリーン18との間に配置される。試験試料16は、試験試料16の前方を向いた表面28に適切なマーク20を特徴として有する。ビデオ伸び計システム10に関連した1つ以上の画像の解析は、処理システム32を介して実施され、試験試料16のマーキング20及び試験試料のエッジ22の双方を試験プロセス中に連続して追跡及び測定することを可能にする識別アルゴリズムが実行される。
【0063】
図4は、試験試料16のキャプチャー画像を示している。図示するように、試験試料16の明瞭に合焦されたダークシルエットはくっきりしており、エッジ22の形状及び特徴は、照明されたバックスクリーン18の前方で撮像されると、輪郭がはっきりしている。図4における背景の輝度は、実質的に均一に分布するように示されている。一方、可変輝度の背景の場合、より明るく照明された背景は、背景のあまり明るく照明されていないエリアと比較して、エッジを暗いエリアにより近く見せる。図5に示すように、方形試料は、輝度が中心から外側に向かって変化する背景上に配置される。したがって、図示するように、背景の明るい部分ほど、試料をより細く見せる。この現象は、試験システムがより入念に校正されている場合であっても当てはまる。その結果生じるエッジ位置誤差は、したがって、白黒変化の場合の検知されたエッジ位置と基準エッジ位置との間のピクセルを単位とした差として定義される。
【0064】
非常に正確な測定値を達成するために、補正項を計算して適用し、試験試料のエッジの検知された位置との間の誤差を補正することができ、試験試料のエッジの検知された位置は、撮像デバイスの焦点だけでなくバックスクリーンの輝度に依存する。
【0065】
試験試料の幅の検知された変化を基準輝度において測定された幅に関連付けるグラフが図6に示されている。例えば、幅測定値に関連した誤差は、バックスクリーンの輝度のレベルと、バックスクリーンの輝度に関するエッジ検出アルゴリズムの感度のレベルとの一方又は双方に対応することができる。そのような誤差は、バックスクリーンの輝度が変化する所与の期間にわたって幅が複数回撮像及び記録される試験プロセス中等において、集約された寄与誤差(contribution error)をもたらす場合がある。いくつかの例では、試験試料は、バックスクリーンが軸方向移動にわたって変化するレベルで照明されるエリアにおいて、軸方向に移動するように制御される(例えば、試験システムは試験試料を垂直に移動させる)。
【0066】
本明細書に開示されているように、エッジ位置誤差を補正するために、処理システム32は、エッジ検出アルゴリズムを実行して、検知されたエッジ位置と、誤差の量に関連付けられた基準エッジ位置との間の差を測定及び/又は計算し、誤差に対処する補正項を計算するように構成される。例えば、補正項は、アルゴリズムの1つ以上の結果に適用されて、誤差を補正する。いくつかの例では、補正項は、白黒変化の場合にはエッジ検出アルゴリズムの結果に加算され、黒白変化の場合には減算されて、誤差を補正することができる。
【0067】
いくつかの例では、エッジ検出アルゴリズムの結果は、例えば、バックスクリーンの輝度レベル、撮像デバイスの焦点、1つ以上の構成要素の位置の調整を制御するコマンド等の1つ以上の補正動作に対応することができる。
【0068】
輝度誤差の補正では、伸び計システム10は、試験試料の幅を、試験試料16によって撮像デバイス12のセンサー(例えば、フォトダイオード等)上に投じられた影の幅として求めることができるように撮像デバイス12を校正することができる。エッジは、ダークシルエットが終了し、明るい背景が現れる画像の領域として定義される。エッジ検出アルゴリズムを実行して、試験試料エッジの位置をサブピクセルの精度で求めることができる。
【0069】
試験試料の1つ以上のエッジの求められた位置及び/又は特徴に基づいて、処理システム32は、エッジ検出アルゴリズムを実行して、検知されたエッジ位置(例えば、撮像デバイス12によってキャプチャーされたもの)と、誤差の量に関連付けられた基準エッジ位置(例えば、試験試料測定値から予想されるもの)との間の差を測定及び/又は計算し、誤差に対処する補正項を計算する。例えば、エッジ位置誤差を補正するために、補正項は、アルゴリズムの1つ以上の結果に適用されて、誤差を補正することができる。いくつかの例では、補正項は、白黒変化の場合には、エッジ検出アルゴリズムから求められた幅に加算され、黒白変化の場合には減算されて、誤差を補正することができる。例えば、ピクセル座標を基準としたエッジ位置は、コントラストの方向、コントラストのレベル、又は輝度及び/又は焦点のレベルに基づいて補正される。いくつかの例では、1つ以上のエッジの測定値及び/又は位置は、撮像デバイス12によってキャプチャーされたとおりにピクセル座標内に提供される。加えて又は代わりに、1つ以上のエッジの測定値及び/又は位置は、他の標準的な座標系内に/メートル等の単位で提供される。そのような例では、校正プロセスを測定前に実施して、試験システム内における試験試料の絶対配置及び/又は相対配置及び/又は寸法を求めることができる。その上、1つ以上の関連パラメーター(例えば、コントラスト、焦点等)が利用可能であり、(例えば、エッジ特性の比較を行うために)試験試料の双方のエッジについてキャプチャーされたとき等には、幅測定値を用いて、誤差を求めることができる。
【0070】
非常に正確な測定を行うとき、エッジの検知される位置は、カメラの焦点だけでなく、図5に関して示すように背景の輝度にも依存する。しかしながら、背景輝度に関連した誤差は、既知の焦点及び既知の背景輝度の場合には明確に定義される。したがって、関連のある焦点及び背景輝度構成のエッジ位置誤差を含む値のリストを生成することができる。図7の例では、リストは、2次元ルックアップテーブルとして値を格納することができる。
【0071】
リストは、例えば、所与の輝度スコア及び/又は所与の焦点スコア(例えば、標準単位又は相対単位によるもので、アルゴリズムによって生成された整数(複数の場合もある)を含む)の調整された補正項(例えば、加法的(additive)、減法的(subtractive)、乗数(multiplier)等)を含むことができる。補正項は、輝度及び焦点、並びに画像歪みに関する他の値を含む1つ以上の特性の関数として生成することができる。いくつかの例では、補正項は、マイナス1(-1)を乗算されたエッジ位置誤差に計算することができる。
【0072】
測定プロセス及び/又は試験プロセス中に、処理システム32は、エッジ検出輝度スコア及び/又は焦点スコアを生成するように構成される。それらの結果に基づいて、2次元ルックアップテーブルにアクセスすることによって、関連した補正項を決定することができる。通常、線形内挿(及び/又は外挿)を使用して、そのテーブルに明示列挙されていない補正項が求められる。本明細書に開示されているように、補正項は、その後、白黒変化の場合にはエッジ検出アルゴリズムの結果に加算され、黒白変化の場合には減算される。加えて又は代わりに、補正項は、(例えば、測定プロセス、試験プロセス、校正プロセス等の間に)プロセスのモデル(例えばアルゴリズム)及び/又は解析的記述に基づいてリアルタイムで計算することができる。モデルパラメーター(例えば比例係数)を用いることができ、このパラメーターは、必要に応じてハードコード化して適用することができる。例えば、焦点、コントラスト、及び/又は輝度に関連した値をモデルに入力することもできるし、ハードコード化することもできる。
【0073】
いくつかの例では、輝度及び焦点の一方又は双方の測定値は、事前に知ることができる。この例では、試験試料16は、測定プロセス及び/又は試験プロセス中に同じ光軸面に留まることができる。関連した焦点スコアは、事前に求めることができ、測定前に適用することができる。加えて又は代わりに、ルックアップテーブルは、1次元ルックアップテーブルに簡略化することができる。換言すれば、1次元ルックアップテーブルは、予め定められた焦点スコアの種々の輝度スコアの補正項を含む。いくつかの例では、予め定められた焦点スコアのリスト又はマトリックスを処理システムによって生成し、メモリに記憶し、アクセスし、対応する試験プロセス用に適用することができる。
【0074】
本開示のシステム及び方法の使用から利益を得る一例示の用途は、材料試験におけるR値測定である。この測定では、試験試料が、非一様な輝度を有する背景(図5に示すようなもの)に対して移動し、幅変化が記録される。
【0075】
図8は、図1の一例示の伸び計システム10のブロック図である。図1に示すように、伸び計システム10は、試験システム33及びコンピューティングデバイス32を含む。例示のコンピューティングデバイス32は、汎用コンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター、モバイルデバイス、サーバー、オールインワンコンピューター、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスとすることができる。図8のコンピューティングデバイス32は、プロセッサ202を備え、プロセッサ202は、汎用中央処理装置(CPU:central processing unit)とすることができる。いくつかの例では、プロセッサ202は、FPGA、ARMコアを有するRISCプロセッサ、画像処理装置、デジタル信号プロセッサ、及び/又はシステムオンチップ(SoC)等の1つ以上の専用処理装置を含むことができる。プロセッサ202は、プロセッサにおいて(例えば、内蔵キャッシュ又はSoCに)、ランダムアクセスメモリ206(又は他の揮発性メモリ)に、リードオンリーメモリ208(又はフラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリ)に、及び/又はマスストレージデバイス210にローカルに記憶することができる機械可読命令204を実行する。例示のマスストレージデバイス210は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージドライブ、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとすることができる。バス212は、プロセッサ202、RAM206、ROM208、マスストレージデバイス210、ネットワークインターフェース214、及び/又は入力/出力インターフェース216間の通信を可能にする。
【0076】
一例示のネットワークインターフェース214は、コンピューティングデバイス201を、インターネット等の通信ネットワーク218に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース214は、通信を送信及び/又は受信するために、IEEE 202.X準拠無線及び/又は有線通信ハードウェアを含むことができる。
【0077】
図8の一例示のI/Oインターフェース216は、プロセッサ202に入力を提供する及び/又はプロセッサ202から出力を提供するために、1つ以上の入力/出力デバイス220をプロセッサ202に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、I/Oインターフェース216は、ディスプレイデバイスとインターフェース接続する画像処理装置、1つ以上のUSB準拠デバイスとインターフェース接続するユニバーサルシリアルバスポート、FireWire(登録商標)、フィールドバス、及び/又は他の任意のタイプのインターフェースを含むことができる。例示の伸び計システム10は、I/Oインターフェース216に結合されたディスプレイデバイス224(例えば、LCDスクリーン)を備える。他の例示のI/Oデバイス(複数の場合もある)220は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、ポインティングデバイス、マイクロフォン、オーディオスピーカー、ディスプレイデバイス、光メディアドライブ、マルチタッチタッチスクリーン、ジェスチャー認識インターフェース、磁気メディアドライブ、及び/又は他の任意のタイプの入力及び/又は出力デバイスを含むことができる。
【0078】
コンピューティングデバイス32は、I/Oインターフェース216及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)220を介して非一時的機械可読媒体222にアクセスすることができる。図8の機械可読媒体222の例は、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気メディア(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又はインストール済み機械可読媒体を含む。
【0079】
伸び計システム10は、コンピューティングデバイス32に結合された試験システム33を更に備える。図8の例では、試験システム33は、USBポート、Thunderboltポート、FireWire(登録商標)(IEEE 1394)ポート、及び/又は他の任意のタイプのシリアル又はパラレルデータポート等のI/Oインターフェース216を介して、コンピューティングデバイスに結合される。いくつかの例では、試験システム33は、直接又はネットワーク218を介して、有線又は無線接続(例えば、Ethernet(登録商標)、Wi-Fi等)を介してネットワークインターフェース214及び/又はI/Oインターフェース216に結合される。
【0080】
試験システム33は、フレーム228と、ロードセル230と、変位トランスデューサ232と、クロスメンバーローダー234と、材料固定具236と、制御プロセッサ238とを備える。フレーム228は、試験を実行する試験システム33の他の構成要素の剛性構造支持を提供する。ロードセル230は、グリップ236を介して、クロスメンバーローダー234によって供試材料に印加された力を測定する。クロスメンバーローダー234は、供試材料に力を印加し、一方、材料固定具236(グリップとも称される)は、供試材料を把持するか、又は別の方法で供試材料をクロスメンバーローダー234に結合する。例示のクロスメンバーローダー234は、モーター242(又は他のアクチュエータ)及びクロスヘッド244を備える。本明細書において使用される場合、「クロスヘッド」は、方向(軸方向)力及び/又は回転力を試料に印加する材料試験システムの構成要素を指す。材料試験システムは、1つ以上のクロスヘッドを有することができ、クロスヘッド(複数の場合もある)は、材料試験システムにおいて任意の適切な位置及び/又は向きに配置することができる。クロスヘッド244は、材料固定具236をフレーム228に結合し、モーター242は、クロスヘッドをフレームに対して移動させ、材料固定具236を位置決めし及び/又は力を供試材料に印加する。伸び計システム10の構成要素の力及び/又は動きを提供するのに使用することができる例示のアクチュエータは、電気モーター、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、圧電アクチュエータ、リレー、及び/又はスイッチを含む。
【0081】
例示の試験システム33は、サーボモーター又は直接駆動リニアモーター等のモーター242を使用するが、他のシステムは、異なるタイプのアクチュエータを使用することができる。例えば、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び/又は他の任意のタイプのアクチュエータをシステムの要件に基づいて使用することができる。
【0082】
例示のグリップ236は、試験されている機械的性質及び/又は供試材料に応じて、圧縮プラテン、掴み具(jaws)又は他のタイプの固定具を含む。グリップ236は、手動による構成、手動入力を介した制御、及び/又は制御プロセッサ238による自動制御を行うことができる。クロスヘッド244及びグリップ236は、オペレーターがアクセス可能な構成要素である。
【0083】
伸び計システム10は、1つ以上のモードスイッチ252を備える1つ以上の制御パネル250を更に備えることができる。モードスイッチ252は、ボタン、スイッチ、及び/又はオペレーター制御パネル上に配置される他の入力デバイスを含むことができる。例えば、モードスイッチ252は、クロスヘッド244をフレーム228上の特定の位置にジョグさせる(例えば、位置決めする)ようにモーター242を制御するボタン、空気圧グリップ248を開閉するようにグリップアクチュエータ246を制御するスイッチ(例えば、フットスイッチ)、及び/又は試験システム33の動作を制御する他の任意の入力デバイスを含むことができる。
【0084】
例示の制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス32と通信し、例えば、コンピューティングデバイス32から試験パラメーターを受信し、及び/又は測定値及び/又は他の結果をコンピューティングデバイス32に報告する。例えば、制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス32との通信を可能にする1つ以上の通信インターフェース又はI/Oインターフェースを含むことができる。制御プロセッサ238は、印加される力を増加又は減少させるようにクロスメンバーローダー234を制御することができ、供試材料を握持又は解放するように固定具(複数の場合もある)236を制御することができ、及び/又は変位トランスデューサ232、ロードセル230及び/又は他のトランスデューサから測定値を受信することができる。
【0085】
例示の制御プロセッサ238は、試験試料16が試験システム33において試験を受けているときに伸張/歪み測定プロセスを実施するように構成される。例えば、試験試料16における伸張/歪みを検出するために、制御プロセッサ238は、撮像デバイス12を介して提供される画像を監視する。制御プロセッサ238が、(例えば、クロスヘッド244の移動の開始時における初期ロケーションと比較した)試験試料16のエッジ22のロケーション及び/又は位置の変化を特定すると、制御プロセッサ238は、変化の量を測定して試験試料16における伸張及び/又は歪みの量を計算する。例えば、撮像デバイス12によって提供されるリアルタイムビデオが、伸張/歪みをリアルタイムで計算するために、エッジ22の絶対位置をキャプチャーし、いくつかの画像にわたってそれらの相対移動を監視する。応力データ及び歪みデータは、リアルタイムビデオ伸び計10、試験システム33及び処理システム32の間で交換され、通常は編成され、ディスプレイデバイス224を介して表示される。
【0086】
図9は、図1及び図8の処理システム32によって実行されて伸び計システムにおける試験試料の輝度歪みを補正することができる例示の機械可読命令300を表すフローチャートを示している。ブロック302において、試験試料が、照明されたスクリーンと撮像デバイスとの間に配置される。ブロック304において、撮像デバイス12は、照明されたスクリーンを背景として試験試料のシルエットを撮像する。ブロック306において、処理システム32は、撮像に基づいて1つ以上の特性測定値を計算する。ブロック308において、処理システム32は、補正項のリストにアクセスする。補正項は、輝度及び焦点を含む1つ以上の特性の関数である。ブロック310において、処理システム32は、輝度、撮像デバイスの予め定められた焦点又は計算された焦点に基づいて、補正項のリストから補正項を決定する。加えて、ブロック312において、処理システム32は、補正項を試験試料の1つ以上の特性測定値に適用して、補正された測定値を提供する。
【0087】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。本明細書において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0088】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路類」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書において使用される場合、回路類は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路類はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0089】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。例えば、開示した例のシステム、ブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
上述の実施形態は下記のようにも記載され得るが下記には限定されない。
[構成1]
試験試料の輝度歪み、コントラスト歪み、又は焦点歪みを補正するシステムであって、
試験試料を固定する試験システムと、
前記試験試料のシルエットを映す照明を提供するスクリーンと、
前記試験試料に対して前記スクリーンの反対側に配置され、前記試験試料の画像をキャプチャーするように構成される撮像デバイスと、
処理システムであって、
前記撮像デバイスから前記試験試料の画像を受信することと、
試験プロセス中に前記試験試料のエッジに沿った1つ以上の位置において1つ以上の特性を測定することと、
前記1つ以上の特性を基準特性と比較することと、
を行う、処理システムと、
を備える、システム。
[構成2]
前記補正項は、白黒変化の場合には前記エッジ検出アルゴリズムの前記結果に加算される、構成1に記載のシステム。
[構成3]
前記補正項は、黒白変化の場合には減算されて、前記誤差を補正する、構成1に記載のシステム。
[構成4]
前記補正項は、ミリメートル単位、インチ単位、又はピクセル単位のうちの1つの単位を有する、構成1に記載のシステム。
[構成5]
前記1つ以上の特性は、前記試験試料のエッジ位置又は幅のうちの1つ以上を含む、構成1に記載のシステム。
[構成6]
前記エッジ位置は、ピクセル座標を基準とし、前記スクリーンに対する前記試験試料のコントラストの方向、コントラストのレベル、又は輝度及び/又は焦点のレベルに基づいて補正される、構成5に記載のシステム。
[構成7]
前記プロセッサは、前記試験システム又は前記撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームとともに配置される、構成1に記載のシステム。
[構成8]
前記プロセッサは、前記撮像デバイス又は前記試験システムのうちの一方と統合される、構成1に記載のシステム。
[構成9]
前記プロセッサは、
前記比較に基づいて補正項を求めることと、
前記補正項を前記1つ以上の特性測定値に適用して、補正された測定値を提供することと、
を行うように更に構成される、構成1に記載のシステム。
[構成10]
試験試料の輝度歪み、コントラスト歪み、又は焦点歪みを補正する方法であって、
試験試料を照明されたスクリーンと撮像デバイスとの間に配置することと、
前記撮像デバイスを介して、前記照明されたスクリーンを背景にして前記試験試料のシルエットを撮像することと、
前記処理システムを介して、前記撮像に基づいて1つ以上の特性測定値を計算することと、
処理システムを介して、輝度、コントラスト及び焦点を含む1つ以上の特性の関数である補正項のリストにアクセスすることと、
前記処理システムを介して、輝度、前記撮像デバイスの予め定められた焦点又は計算された焦点のうちの1つに基づいて前記補正項のリストから補正項を決定することと、
を含む、方法。
[構成11]
前記処理システムを介して、前記補正項を前記試験試料の前記1つ以上の特性測定値に適用して、補正された測定値を提供することを更に含む、構成10に記載の方法。
[構成12]
前記1つ以上の特性は、前記試験試料のエッジ位置又は幅のうちの1つ以上を含む、構成10に記載の方法。
[構成13]
前記補正項は、ミリメートル単位、インチ単位、又はピクセル単位のうちの1つの単位を有する、構成10に記載の方法。
[構成14]
キャプチャー画像におけるコントラスト又は前記撮像システムの焦点に基づいて歪みを補正することを更に含む、構成10に記載の方法。
[構成15]
輝度、コントラスト又は焦点のうちの1つ以上に関連した値をモデル化して、前記キャプチャー画像における輝度、コントラスト、又は焦点に関連した歪みを求めることと、
前記1つ以上の特性に関する前記歪みに基づく前記補正項を出力することと、
を更に含む、構成14に記載の方法。
[構成16]
前記撮像デバイスは、前記スクリーン又は前記試験試料から反射された偏光又は赤外光をキャプチャーするように構成され、前記スクリーンは、光を反射して、エッジ解析用の前記試験試料のダークシルエットを生成する、構成10に記載の方法。
[構成17]
試験試料の輝度歪みを補正するシステムであって、
試験プロセス中に、試験試料に対して反射スクリーンの反対側に配置された該試験試料の撮像デバイスから画像を受信することと、
前記試験プロセス中に、前記試験試料のエッジに沿った1つ以上の位置において1つ以上の特性を測定することと、
輝度、コントラスト、又は焦点に関連した前記画像における前記試験試料の前記エッジに沿った歪みを求めることと、
前記歪みに基づいて補正項を求めることと、
を行うように構成される処理システムを備える、システム。
[構成18]
前記処理システムは、前記1つ以上の特性に関する前記歪みに基づく前記補正項を出力するように更に構成される、構成17に記載のシステム。
[構成19]
前記処理システムは、前記補正項を適用して、前記画像における輝度、コントラスト、又は焦点のうちの1つ以上に基づいて前記1つ以上の特性の歪みを補正するように更に構成される、構成18に記載のシステム。
[構成20]
1つ以上の光源が、前記試験試料の表面及び前記スクリーンの反射表面に光を誘導し、前記試験試料は、前記1つ以上の光源と前記スクリーンとの間に配置される、構成17に記載のシステム。
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図9