(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】逆洗装置
(51)【国際特許分類】
B01D 29/07 20060101AFI20240819BHJP
B01D 29/66 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
B01D29/06 510B
B01D29/38 510C
B01D29/38 520A
B01D29/06 510D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022205490
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2020180738の分割
【原出願日】2018-03-23
【審査請求日】2023-01-19
(32)【優先日】2017-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513279559
【氏名又は名称】モス ハイドロ エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100094318
【氏名又は名称】山田 行一
(72)【発明者】
【氏名】ホルメン, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ホルメン, スヴェイン
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-522004(JP,A)
【文献】特開2014-104389(JP,A)
【文献】特表2015-524744(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0025627(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0238435(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0072343(US,A1)
【文献】特表2003-502139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D27/00-37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を濾過するように構成され、有孔内円筒を有する濾過要素を備えたバラスト水濾過装置を洗浄するための逆洗装置において、前記逆洗装置は、
長手方向に拡張部を有し、液体を濾過するように構成された前記濾過要素の前記有孔
内円筒内に置かれるように構成された細長中空本体と、
回転および/または軸方向移動で前記細長
中空本体を駆動するように構成された機構と、
前記
細長中空本体の内側の空洞と流体連通するように配置された複数のノズルであって、前記複数のノズルは、前記
細長中空本体から側方に突き出ており、前記複数のノズルが前記有孔内円筒内に置かれるとき、前記複数のノズルの各々の遠位端部は、前記濾過装置の前記濾過要素の前記有孔内円筒に近接して配置される、複数のノズルと、
前記細長中空本体の前記空洞と流体連通するように配置された出口と、
を備え、
前記複数のノズルは、前記
細長中空本体上の直線に沿って互いに対して平行に配置され、前記複数のノズルは、同一方向に突き出ており、
前記複数のノズルの各々は、前記複数のノズルの少なくとも別の1つと接触するように配置され、
前記逆洗装置は、前記複数のノズルの幾つかの遠位端部を覆う共通キャップを含む、逆洗装置。
【請求項2】
前記共通キャップは、複数のキャップ開口部を含み、各キャップ開口部は、前記複数のノズルのそれぞれのノズル開口部上に配置される、請求項1に記載の逆洗装置。
【請求項3】
前記複数のノズルは、2-20本のノズル、または5-15本のノズル、または5-10本のノズルを備える、請求項1に記載の逆洗装置。
【請求項4】
前記共通キャップは、前記複数のノズルの全てに対して共通であり、前記遠位端部のそれぞれを覆う、請求項1に記載の逆洗装置。
【請求項5】
キャップ開口部の各々は、前記複数のノズルのうちの1つのノズル開口部上に配置され、濾過壁の反対側から前記ノズル内に液体を流入させるようになっている、請求項1に記載の逆洗装置。
【請求項6】
前記共通キャップは、
キャップ壁を備え、前記キャップ壁は、各キャップ開口部の側に配置され、前記各キャップ開口部は、前記複数のノズルのうちの1つのノズル開口部の上に配置される、請求項1に記載の逆洗装置。
【請求項7】
前記複数のノズルは、前記細長
中空本体の両側に配置された第1および第2の複数のノズルを備える、請求項1に記載の逆洗装置。
【請求項8】
前記複数のノズルは、第3の複数のノズルを備える、請求項6に記載の逆洗装置。
【請求項9】
前記ノズルの少なくとも1つは、前記細長
中空本体が回転している間、前記ノズルの遠位端部が前記有孔内円筒の表面に密接に追従するように、前記ノズルをバネ荷重下に維持するバネ荷重手段を備える、請求項1に記載の逆洗装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過装置、そのような濾過装置を逆洗する為の方法、逆洗装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
【0003】
船(例えば、バラ積貨物運搬船、大型タンカー)は、巡航中に、大量のバラスト水を使用する。船が空である場合(即ち、何も積荷または貨物が運ばれていない場合)、船は、満杯の場合と比較して、より多くのバラスト水が必要である。バラストタンクは、しばしば、一つの沿岸地域で充填され、別の沿岸地域で放出される。このため、バラスト水が適切に処理されることはとても重要である。バラストタンクに充填される水は、植物、動物、ウィルス、バクテリアなどの様々な生物学的物質で構成されるが、これは、水が装填される沿岸地域の生態系に含まれている。後に水が排出される沿岸地域の生態系は異なるため、未処理の水を排出すると、広範囲にわたる生態学的損傷が生じる可能性がある。
【0004】
バラスト水の処理の第1ステップとして、装填される水は濾過される。濾過により、濾過装置の穿孔より大きなデブリおよび生物種が除去される。その後、他の技術(例えば、化学処理、UV処理、キャビテーションおよび/または加熱冷却サイクル)によって、より小さな種が除去されてもよい。濾過は、両方にとって重要である。なぜなら、それはエネルギの節約に役立つからであり、更に、デブリおよび、より大きな粒子または種は、後の処理ステップを複雑にする「隠れ場所」を形成し得るからである。
【0005】
この種の濾過に伴うことが多い問題は、バラスト水処理の為の濾過装置が配置されている船の船内の空間が限定されていることである。そのため、より大きな濾過装置と同じ容量を有する、より小さく、よりコンパクトな濾過装置に対する需要は大きい。この問題に対する解決策は、同一の濾過領域を保つことを可能にするジグザグ構成で濾過装置を配置することでもよい。しかしながら、そのような解決先は、濾過装置の逆洗(即ち、濾過装置を目詰まりさせる例えばデブリから濾過装置を洗浄すること)に関して困難を誘発する。適した逆洗を行わないと、濾過装置の効率は低下する。コンパクトな濾過装置は、逆洗装置の需要を増加させ、現状技術を改善する必要がある。
【0006】
KR 2015 0025627 Aは、バラスト水濾過装置用の吸引ユニットを開示している。コアを回転させて上下に移動させ、吸引ノズルを通して異物を排出し水を逆洗する。
【0007】
US 2004/238435 A1には、ハウジングの入口から清浄な出口に流れる流体を濾過するための濾過要素を備えた濾過洗浄装置が開示されている。洗浄要素は、濾過要素から破片を収集し、最終的にフラッシング出口を分配するために破片を案内する真空ロータを有する。
【0008】
US 2013/319953 A1は、軸を中心に回転する濾過装置を含むバラスト水処理装置を開示している。未処理水ノズルは、未処理水を濾過装置周囲地域に噴射する。洗浄水ノズルは、濾過装置の外周面に向けて洗浄水を噴射する。
【0009】
GB 1 151 592は、濾過部材の端部上に直接キャストされた不透過性ポリウレタンエラストマーエンドキャップを有する濾過部材を含む流体濾過カートリッジを開示する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、従来技術の現状を改善し、前述した問題点の少なくとも一部を緩和することを目的とする。これらの他の目的は、添付した独立形式の請求項による濾過装置によって達成される。
【0011】
本発明の第1態様によると、濾過装置が提供される。この濾過装置は、
濾過されていない液体の為のチャンバ入口、濾過された液体の為のチャンバ出口、濾過されていない液体と濾過された液体とを別々に保つように配置された壁を備えるチャンバと、
チャンバの内側に配置された長手方向拡張部を有する濾過要素であって、濾過要素は、半透過壁を備え、半透過壁は、折畳み式濾過装置を備え、折畳み式濾過装置は、有孔内円筒および有孔外円筒の間にジグザグ構成で配置される、濾過要素と、
内部に置かれた逆洗装置と、
を備え、
前記逆洗装置は、細長中空本体、機構、複数のノズル、出口を備え、
細長中空本体(32)は、細長拡張部を有し、液体を濾過するように構成された前記濾過要素の前記有孔円筒内に置かれれるように構成され、
機構は、回転および/または軸方向移動で前記本体(を駆動するように構成され、
複数のノズルは、前記本体の内側の空洞と流体連通するように配置され、前記複数のノズルは、前記本体から側方に突き出ており、前記複数のノズルが前記有孔内円筒内に置かれるとき、前記複数のノズルの各々の遠位端部は、前記濾過装置の前記濾過要素の前記有孔内円筒に近接して配置され、
出口は、前記細長中空本体の前記空洞と流体連通するように配置され、
前記複数のノズルは、前記本体上の直線に沿って互いに対して平行に配置され、前記複数のノズルの全ては、同一方向に突き出ており、
前記複数のノズルの各々は、前記複数のノズルの少なくとも別の1つと接触するように配置され、
前記逆洗浄装置は、前記複数のノズルのいくつかの遠位端部を覆う共通のキャップを含む。
【0012】
本発明は、複数のノズルの全てが逆洗装置内で同一方向に突き出るように複数のノズルを直線に沿って揃えることによって、折畳み式濾過装置の、より効率的な逆洗を可能にし、それによって、よりコンパクトな濾過装置の効率的逆洗を可能にするという知識に基づく。
【0013】
第1部分の遠位端部は、細長本体から最も遠くにある複数のノズルの各々の端部であることが理解されたい。このため、ノズルの近位端部は、細長本体に最も近い端部である。
【0014】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、濾過要素は、一つの最も近い端部と、一つの開口端部とを備える。
【0015】
濾過されていない水は、開口端部を通って濾過要素に進入し、前記濾過壁を通って濾過要素を出る。本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、複数のノズルの少なくとも一つの遠位端部は、有孔内円筒と物理的に接触するように配置される。
【0016】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記複数のノズルの少なくとも一つの遠位端部は、前記ノズルをバネ荷重の下に保つことによって有孔内円筒と近接または接触するように配置されるので、前記ノズルの遠位端部は、逆洗装置が回転する間、前記有孔内円筒の表面に追従する。
【0017】
前記複数のノズルの各々の少なくとも例示的実施形態によると、前記遠位端部に配置された開口を有する。この開口は、たとえば、円形の開口でもよい。
【0018】
濾過要素及び逆洗装置の方向及び拡張は、r方向、φ方向、z方向を有する円柱座標系を使用して検討されてもよい。濾過要素の最長拡張部または中心軸と、逆洗装置の細長本体の最長拡張部は、z方向に対して平行である。z-方向に対して直交し得るr-方向は、複数のノズルのうち各々が逆洗装置の細長本体から側方に突き出る方向に対して平行である。さらに、角度のφ-方向がある。そのような円柱座標系において、rおよびφ座標は、複数のノズルの全てに対して同一であるが、複数のノズルの各々は、個々のz座標を有する。
【0019】
複数のノズルが配置される直線は、z方向に対して平行に配置される。このため、直線は、濾過要素の中心軸または最長拡張部に対して平行である。前記直線の長さは、第1のノズルから最後のノズルまで測定される。複数のノズルは、r-z-平面で長方形を形成してもよく、各ノズルの近位端部から遠位端部までの長さは、その長方形の二辺の長さを定め、直線の長さは、他の二辺の長さを定める。
【0020】
あるいは、濾過要素および逆洗装置の方向および拡張部は、x-、y-、z-方向を含む直交座標系を用いて更に検討されてもよい。最長拡張部または濾過要素の中心軸および逆洗装置の細長本外の最長拡張部は、z方向に対して平行である。z方向に対して直交し得るx方向は、複数のノズルの各々が逆洗装置の細長本体から側方に突き出る方向でもよい。さらに、z方向およびx方向の双方に対して直交するy方向がある。そのような直交座標系において、x-およびy-座標は、複数のノズルの全てに対して同一であるが、複数のノズルの各々は、個々のz座標を有する。
【0021】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、チャンバは、幾つかの区域に分けられてもよい。チャンバは、たとえば、取入れ区域と濾過区域を有する。濾過要素は、前記濾過区域の内側に配置されてもよい。
【0022】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、濾過されていない液体の為のチャンバ入口は、前記取入れ区域と流体連通しており、濾過された液体の為のチャンバ出口は、前記濾過区域と流体連通している。濾過されていない液体は、入口を通って取入れ区域へと濾過装置に入ってもよい。
【0023】
チャンバ出口は、濾過された水に適合された第1出口であり、逆洗装置の細長中空本体の空洞と流体連通するように配置された出口は、逆洗中に使用されてきた水に適合された第2出口であることを理解されたい。
【0024】
少なくとも一つの例示的実施形態によると、濾過されていない液体および濾過液体を互いに保つように配置された前記壁は、前記取入れ区域と前記濾過区域の間に配置される。
【0025】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記壁は開口を有する。この開口の大きさは、濾過要素の開口端部と同一でもよく、あるいは、濾過要素の直径より小さくてもよい。濾過されていない液体は、前記開口を通って濾過要素に入る。本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、回転および/または軸方向移動で前記本体を駆動するように構成された機構は、ノズルが前記濾過壁の内領域を完全に覆うように本体を駆動する。回転移動は、濾過壁の円周に沿ってノズルを移動させ、軸方向移動は、濾過壁の長さに沿ってノズルを移動させる。これによって、逆洗は前記濾過壁の内領域全体を洗浄することができる。濾過壁の長さは、濾過要素の中心軸または最長拡張部に対して平行に測定されることを理解されたい。
【0026】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、回転および軸方向移動の組合せにより、濾過壁に沿ってノズルを螺旋パターンで移動させることができる。
【0027】
少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記濾過装置は、バラスト水の為の処理プロセスに使用される。
【0028】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記複数のノズルは、2-20本のノズル、または5-15本のノズル、または5-10本のノズルを備える。
【0029】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、ノズルの数は、濾過要素の長さに適合され、ノズルが配置される列の長さは、濾過要素の長さと実質的に等しく、換言すれば、最初のノズルから最後のノズルまでの距離は、濾過要素の長さと実質的に同一である。
【0030】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記複数のノズルの各々は、前記複数のノズルの少なくとも他の一つと隣接するように配置される。
【0031】
前記複数のノズルの各々が前記複数のノズルの少なくとも他の一つと隣接するように配置されることは、複数のノズルの各ノズルが複数のノズルの少なくとも他のノズルと接触するように或いは他のノズルに近接するように配置されることを意味する。本発明の一部の実施形態において、近接とは、例えば、ノズルの周りに配置されたバネが他のノズルの周りに配置された他のバネと接触し得ることを意味する。
【0032】
本発明によれば、逆洗装置は、前記複数のノズルのうちの幾つかの遠位端部を覆う共通のキャップを備える。キャップは、汚れた液体(例えば、前記濾過要素内側からの水)がノズルに入ることを妨げる。
【0033】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、ノズルの遠位端部の各々は、汚れた液体、例えば水がノズルに入るのを妨げる共通のキャップによって覆われてもよい。濾過要素の内側から(即ち、濾過壁の汚れた側から)ノズルに入る液体が多すぎる場合、濾過装置の容量が減少し得る。
【0034】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記キャップは、前記複数のノズルの全てに対して共通であり、前記遠位端部の各々を覆う。
【0035】
汚れた液体(例えば、水がノズルに入ること)を妨げる他に、共通キャップは、ノズルをバネ荷重の下に保つことによって、たとえバネが全てのノズルの周りに配置されていなくても、複数のノズルの各々が、前記有孔内円筒と近接するように、あるいは、接触するように保つことを可能にしてもよい。言い換えると、複数のノズルの一つの周りに配置された一つのバネがある場合、あるいは、全てではないがノズルの一部の周りに配置された複数のバネがある場合、共通キャップは、バネ荷重の下にノズルの全てを保つことができ、それによって、それらの遠位端部が、有孔内円筒と近接および/または接触するっように保つことができる。
【0036】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記キャップは、少なくとも一つの開口を有し、この開口は、前記複数のノズルの一つの開口の上方に配置され、液体は、前記濾過壁の反対側から前記ノズルに流入することができる。
【0037】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、キャップは、開口の側に配置されたキャップ壁を更に備える。キャップ壁は、汚れた液体(例えば水)がノズルに流入することを妨げる。
【0038】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、キャップ壁は、ノズルの遠位端部および有孔内円筒の間に一部が配置されてもよい。
【0039】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記逆洗装置は、平衡片または複数の平衡片を更に備え、これらの平衡片は、前記細長本体上に配置され、前記平衡片または前記複数の平衡片は、前記細長本体から側方に突き出ており、前記平衡片の遠位端部または前記複数の平衡片の各平衡片の遠位端部は、前記有孔内円筒に近接するように配置される。平衡片または複数の平衡片は、前記濾過要素内側の位置で逆洗装置を安定させる。
【0040】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記平衡片および前記複数のノズルの少なくとも一つのノズルの間に形成される角度は、10°-180°、あるいは、45°-180°、あるいは、90°-180°、あるいは、120°-180°である。
【0041】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、平衡片の長さは、前記複数のノズルの各々の長さと同一でもよく、細長本体は濾過要素の内側の中心にある。
【0042】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、逆洗装置は、複数の平衡片を備えてもよい。たとえば、逆洗装置は、2個または3個または5個または10個の平衡片を備えてもよい。本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、平衡片の数は、複数のノズルにおけるノズルの数より少なくとも、同一でも、多くてもよい。
【0043】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、複数の平衡片は、直線に沿って配置されてもよい。直線は、たとえば、ノズルの列の反対側に配置されてもよい。追加または代替で、複数の平衡片が幾つかの直線上に配置されてもよい。
【0044】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記平衡片は一つの橋体であり、または、前記複数の平衡片は複数の橋体である。橋体は、逆洗装置をその位置に安定させる以外の目的を持たなくてもよい。このため、橋体は、ノズルと同一の機能を持たない。
【0045】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、橋体または複数の橋体と複数のノズルは、細長本体の両側に配置される。
【0046】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記複数のノズルは、第1の複数のノズルであり、前記複数の平衡片は、前記本体の内側の前記空洞と流体連通した第2の複数のノズルであり、前記第2の複数のノズルは、前記本体上の直線に沿って互いに対して平行に配置されるので、前記第2の複数のノズルは、全てが同一方向に突き出ている。
【0047】
第2の複数のノズルは、逆洗装置の効率を更に高める。
【0048】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、第1および第2の複数のノズルは、細長本体の両側に配置される。このため、第1および第2の複数のノズルの列の間の角度は、180°である。
【0049】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、第2の複数のノズルは、z方向で前記第1の複数のノズルをオフセットするように配置されてもよい。たとえば、前記第2の複数のノズルは、前記第1の複数のノズルの開口の間隔の半分だけオフセットされてもよい。第1および第2の複数のノズルを互いにz方向にオフセットして配置することによって、逆洗機構を使用するときに軸方向に(即ち、z方向に)移動させることなく、逆洗の効率を高めることができる。
【0050】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、逆洗装置は、前記本体の内側の前記空洞と流体連通した第3の複数のノズルを更に備え、前記第3の複数のノズルは、前記本体上の直線に沿って互いに対して平行になるように配置されるので、第3の複数のノズルは、全てが同一方向に突き出る。ノズルの列間の角度は、たとえば、120°でもよい。
【0051】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、第3の複数のノズルは、z方向において、前記第1の複数のノズルおよび第2の複数のノズルに対してオフセットするように配置されてもよい。複数のノズルは、第1の複数のノズル、第2の複数のノズル、第3の複数のノズルの各々において、2つのノズルの開口の間隔の3分の1だけオフセットされてもよい。複数のノズルをオフセットさせて配置することによって、使用中に逆洗機構を軸方向(即ち、z方向)に移動させることなく、逆洗の効率が高められる。
【0052】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記折畳み式濾過装置の穿孔は、有孔内円筒および有孔外円筒の穿孔より小さい大きさを有する。
【0053】
有孔内円筒および有孔外円筒は、折畳み式濾過装置を所定位置に保つ。
【0054】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、有孔内円筒および有孔外円筒の穿孔は、折畳み式濾過装置の穿孔より100-1000倍大きくてもよい。穿孔の大きさは、有孔内円筒および有孔外円筒が濾過装置にわたって圧力降下を誘発しないように選択される。
【0055】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記濾過要素は、第1濾過要素であり、前記濾過装置は、前記第1濾過要素と同一または対応する特徴を有する追加の濾過要素を備える。追加の濾過要素は、全体の濾過領域を増加させる。このため、濾過装置の容量は高められる。
【0056】
本発明の第2態様によると、濾過装置を逆洗する為の方法が提供される。この方法は、
前記チャンバおよび前記複数のノズルの各ノズルの内側との間に圧力差を生じさせ、前記複数のノズルの各ノズルが置かれた濾過装置を通って反転方向に液体を流れさせるステップと、
前記本体を回転および/または軸方向に移動させるステップと、
を有する。
【0057】
本発明の第2態様の効果および特徴は、本発明の概念の第1態様に関連して前述された効果および特徴と広く類似している。本発明の第1態様に関連して言及された実施形態は、本発明の第2態様と広く互換性がある。
【0058】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、前記圧力差は、前記細長本体の端部に配置されたバルブを開けることによって作り出され、液体は、濾過装置を通って、前記複数のノズルの各々を通って、更に、前記細長本体を通って、反転方向に流される。
【0059】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、逆洗は、大気圧、即ち、ほぼ0バールにバルブを開けることにより前記圧力差を作り出すことによって開始する。綺麗な濾過された液体(例えば、水)は、その後、局所的に、ノズルの開口が置かれる場所に濾過装置を通って反転方向に戻される。前記ノズルの各開口は、反転方向において濾過された液体の速度が高い吸引の為の局所点を作り出してもよい。反転方向に移動する液体の圧力は、濾過された水の為の出口において有するであろう同一圧力を有してもよい。
【0060】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、バルブは、手動または自動で開けられてもよい。
【0061】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、圧力差を作り出すステップは、周期的に開始、即ち、圧力差は、異なる時間間隔で開始される。たとえば、圧力差は、30秒毎に、1分毎に、10分毎に、あるいは、1時間毎に開始してもよい。
【0062】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、圧力差を作り出す前記ステップは、前記濾過装置にわたる圧力降下が0.2-1バール、0.3-0.8バール、又は、0.4-0.6バールであるとき、開始される。
【0063】
圧力降下は、濾過されていない液体の為の入口における圧力と濾過された液体の為の出口における圧力との差として測定される。圧力降下は、濾過壁が洗浄されているとき、ほぼ0.1バールである。濾過装置にわたる圧力降下の増加は、大きな大きさの有機物質、粒子、プラスチックおよび/またはデブリによって目詰まりされた濾過壁によるものであることを理解されたい。
【0064】
本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によると、圧力降下は、圧力センサまたは圧力ゲージによって測定され、あるいは、幾つかの圧力センサまたは圧力ゲージによって測定されてもよい。たとえば、濾過要素にわたる圧力降下は、差圧ゲージによって測定されてもよく、あるいは、入口および出口の圧力を別々に測定する絶対圧力ゲージで測定されてもよい。一部の実施形態において、圧力降下は、出口における絶対圧力ゲージおよび差圧ゲージの両方によって決定されてもよい。出口における圧力は、濾過壁が洗浄されているとき、2-5バールの範囲である。0.2-1バール、0.3-0.8バール、0.4-0.6バールの圧力降下が測定されるとき、前記圧力差は、たとえば、前記細長本体の端部に配置されたバルブを開けることによって作り出され、液体は、濾過装置を通って、前記複数のノズルの各々を通って、更に、前記細長本体を通って、反転方向に流される。言い換えると、濾過装置にわたる前記圧力降下が0.2-1バール、0.3-0.8バール、0.4-0.6バールまで増加するとき、逆洗が開始されてもよい。
【0065】
本発明の第3の態様によれば、有孔内円筒を有する濾過要素を備えたバラスト水濾過装置を洗浄するための逆洗装置が提供される。逆洗装置は、
細長拡張部を有し、液体を濾過するように構成された前記濾過要素の前記有孔円筒内に置かれれるように構成された細長中空本体と、
回転および/または軸方向移動で前記細長本体を駆動するように構成された機構と、
前記本体の内側の空洞と流体連通するように配置された複数のノズルであって、前記複数のノズルは、前記本体から側方に突き出ており、前記複数のノズルが前記有孔内円筒内に置かれるとき、前記複数のノズルの各々の遠位端部は、前記濾過装置の前記濾過要素の前記有孔内円筒に近接して配置される、複数のノズルと、
前記細長中空本体の前記空洞と流体連通するように配置された出口と、
を備え、
前記複数のノズルは、前記本体上の直線に沿って互いに対して平行に配置され、前記複数のノズル(34)は、同一方向に突き出ており、
前記複数のノズルの各々は、前記複数のノズルの少なくとも別の1つと接触するように配置され、前記逆洗浄装置は、前記複数のノズルの幾つかの遠位端部を覆う共通のキャップを含む。
【0066】
本発明の第3態様の効果および特徴は、本発明の概念の第1態様および第2態様と関連して前述された効果および特徴と広く類似している。本発明の第1態様および第2態様に関連して言及された実施形態は、本発明の第3態様と広く互換性がある。
【図面の簡単な説明】
【0067】
本発明の上記目的及び追加の目的、特徴、利点は、添付図面を参照し、本発明の実施形態の、以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を参照することにより、もっと十分に認識されよう。
【
図1a】
図1aは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態による濾過装置の概略図を示す。
【
図1b】
図1bは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態による濾過装置の概略的斜視横断面図を示す。
【
図2a】
図2aは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態による濾過要素の概略図を示す。
【
図2b】
図2bは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態による濾過要素の概略横断面図を示す。
【
図3a】
図3aは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態による逆洗装置の概略図を示す。
【
図3b】
図3bは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態による逆洗装置の概略図を示す。
【
図4a】
図4aは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によるキャップの概略図を示す。
【
図4b】
図4bは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態によるキャップの概略的横断面図を示す。
【
図5a】
図5aは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態による濾過要素の横断面図を示す。
【
図5b】
図5bは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態による濾過要素の横断面図を示す。
【
図5c】
図5cは、本発明の少なくとも一つの例示的実施形態による濾過要素の横断面図を示す。
【図面の詳細な説明】
【0068】
以下、添付図面を参照して、この詳細な説明において、本発明の実施形態を検討する。これは、決して本発明の範囲を限定するものではなく、たとえば、添付図面に示された実施形態以外の請求項の範囲に含まれる他の形式または変形例の濾過装置を伴う他の状況にも適用できることに留意されたい。さらに、本発明の実施形態に関連して特定の特徴が言及されるということは、これらの特徴が本発明の他の実施形態と共に有利に使用できないことを意味するものではない。
【0069】
図1a及び
図1bは、濾過装置1を示す。
図1の濾過装置1は、バラスト水の濾過に適合している。濾過装置1は、チャンバ12,濾過要素2,逆洗装置3を備える。チャンバ12は、濾過されていない水の為のチャンバ入口14と、濾過された水の為のチャンバ出口16と、壁18と、取入れ区域120と、濾過区域122とを備える。濾過要素2は、半透過性濾過壁22を備え、半透過性濾過壁22は、有孔内円筒26、有孔外円筒28,折畳み式濾過装置24(
図1に図示せず)を備える。さらに、濾過装置は、末端部220a、bを備える。逆洗装置3は、細長中空本体32と、複数のノズル34と、平衡片340と、前記本体32を回転および/または軸方向の動きで駆動するように構成された機構とを備える。ここで、複数のノズル34は、8個のノズルを備える。逆洗装置は、前記複数のノズル34の各々の遠位端部36を覆うキャップ38を更に備える。
図1のキャップ38は、複数のノズル34の全てに共通しており、8つの開口を有する。さらに、逆洗装置は、前記細長中空本体の前記空洞と流体連通するように配置された出口320を更に備える。
【0070】
水の為の入口14は、取入れ区域120と流体連通するように配置され、濾過された水の為の出口は、濾過区域122と流体連通するように配置されている。壁18は、前記取入れ区域120と前記濾過区域122との間に配置され、濾過された水(即ち、濾過区域122内の濾過壁22を通過した水)とは別個に取入れ区域120内に濾過されていない水を保つ。言い換えると、壁18は、汚れた、濾過されていない水が、洗浄され、濾過された水を汚染することを妨げる。
【0071】
濾過要素2は、長手方向の拡張部を有する円筒の形態になっている。さらに、濾過要素2は、濾過チャンバ122の内側に配置されている。折畳み式濾過装置24は、濾過要素2の円周を囲んでジグザグ構成で、有孔内円筒26および有孔外円筒28の間に配置されている。
【0072】
逆洗装置3は、濾過要素2の内側に配置されている。本体32は、長手方向拡張部を有し、この長手方向拡張部は、濾過要素2の長手方向拡張部に対して、実質的に平行である。複数のノズル34は、本体32から側方に突き出ており、前記複数のノズル34の各々の遠位端部は、前記有孔内円筒26に近接するように配置されている。さらに、複数のノズル34は、前記本体32上の直線に沿って、互いに対して平行になるように配置され、複数のノズル34は、全てが同一方向に突き出ており、前記複数のノズル34の各ノズルは、前記複数のノズル34の他のノズルと接触するように配置されている。複数のノズル34の各ノズルは、前記本体32の内側の空洞と流体連通するように配置されている。
【0073】
複数のノズルは、バネ342によって有孔内円筒26に近接するように配置され、複数のノズル34の各ノズルは、バネ荷重下にあり、有孔内円筒26に押し付けられる。ノズルをバネ荷重の下に保つことによって、ノズルは、円筒の表面が完全に平坦でなくても、有孔内円筒26に近接したまま、或いは、有孔内円筒26と接触したままにすることができる。
【0074】
キャップ38の開口380(
図4a、bを参照)は、前記複数のノズル34の各ノズルの開口の上方に配置され、液体は、前記濾過壁22の反対側から前記ノズルに流入することができる。キャップ38は、濾過要素2の内側から、濾過されていない水がノズルに進入することを妨げると同時に、濾過された、洗浄された水が、前記濾過要素22の外側から複数のノズル34に進入することを可能にする。
【0075】
2つの座標系が
図1に提示されており、直交座標系はx、y、z軸を有し、円柱座標系は、z、r、φ軸を有する。両方の座標系において、最長拡張部または濾過要素2の中心軸と、逆洗装置3の細長本体32の最長拡張部は、z方向に対して平行である。複数のノズル34の各ノズルが逆洗装置3の細長本体から側方に突き出ている方向は、円柱座標系のr軸および直交座標系のx軸に対して平行である。さらに、回転中にノズル34の位置を記述する円柱座標系には、角度φ軸がある。円柱座標系において、r座標およびφ座標は、複数のノズル34の全てに対して同一であるが、複数のノズル34の各ノズルは、個々のz座標を有する。直交座標系において、x座標およびy座標は、複数のノズル34の全てに対して同一であるが、複数のノズル34の各ノズルは、個々のz座標を有する。
【0076】
図2a、
図2bは、
図1に示された前記濾過装置1の前記濾過要素2のような濾過装置の濾過要素を示す。
【0077】
図2aは、有孔内円筒26および有孔外円筒28と、濾過壁22の端部で前記有孔内円筒26および有孔外円筒28の間の隙間を覆う末端部220a、bとを示す。ここで、有孔内円筒26および有孔外円筒28の間の折畳み式濾過装置は、
図2には示されていない。前記有孔内円筒26および有孔外円筒28の穿孔は、前記折畳み式濾過装置の穿孔より大きい。
【0078】
図2bは、濾過壁22の横断面を示す。ここには、折畳み式濾過装置24が、円周方向に沿って、有孔内円筒26および有孔外円筒28の間でジグザグ状に配置されていることが示されている。
【0079】
図3aは、
図1の逆洗装置3を示す。
図3において、逆洗装置は、コネクタスキャナ302、内部スプライン304を備えた駆動導管306、第1進入ガイド308,第2進入ガイド310を更に備えることが分かる。濾過装置1に装着されるとき、使用されるとき、内部スプライン304は、前記逆洗装置を回転させるモータ(
図3に図示せず)のシャフトの外部スプラインに接続されてもよい。
【0080】
図3bは、
図1a、
図1b、
図3aに関連して前述した逆洗装置3と同一の機能を有する逆洗装置3’を示す。逆洗装置3’は、2つの複数のノズル134a、bを備え、これらのノズル134a、bは、細長本体132の両側に配置されている。
図3bの逆洗装置3’は、
図1及び
図3aの逆洗装置3と同じ大きさなので、
図3bに関連する説明における焦点は、
図1の支持構造1と比較した違いである。
図3bにおいて、
図1及び
図3aにおいて同一の参照符合であって、余分に「1」が番号の前にあるものは、対応する特徴部に使用され、「a」は、第1の複数のノズルを示し、「b」は、第2の複数のノズルを示す為に追加されている。
【0081】
2つの複数のノズル134a、bは、z方向において互いにオフサイドで配置されるので、前記第2の複数のノズル134bにおけるノズルの開口の中心点は、前記第1の複数のノズル134aにおける2つのノズルの、それぞれの中心点の間に配置される。
図3bにおいて、第2の複数のノズル134bにおけるノズルの開口の中心点は、第1の複数のノズルにおける2つのノズルの2つの中心点の間、または、それぞれの開口の間隔の半分の距離に配置される。
【0082】
図4は、
図1及び
図3に見られる複数のノズルのうち少なくとも一つの遠位端部を覆うキャップ38を示す。
図4aは、8本のノズルを覆うように設計されたキャップの上面図を示す。ここで、キャップは、
図1及び
図3の逆洗装置3の複数のノズルの全てを覆うように設計されている。
図4bは、キャップ38のa-a線に沿った横断面図を示す。
【0083】
キャップ38は、8個の開口380を有し、これらの開口380は、水または他の液体が、濾過壁22の反対側からノズルに進入することを可能にする。ここで、濾過要素2の逆洗中、水は、濾過壁22を通って反転方向に流入し、その後、キャップ38の開口を通って、ノズルに流入する。キャップ38は、キャップ壁382a、bを更に備え、これらは、前記濾過要素2の内側からノズルに汚い水が流入することを妨げる。
【0084】
図5aは、濾過要素の横断面図を示す。濾過要素は、たとえば、
図1に示された濾過要素2でもよい。濾過要素2の内側には、逆洗装置3が配置される。逆洗装置3は、一つの複数のノズル34を備える。平衡片、例えば、橋体(dummy)は、横断面図に示されていない。
図5aに示された濾過要素は、逆洗装置3が平衡片を備えていない他の濾過要素でもよい。
【0085】
図5bは、
図1及び
図2に関連して前述された濾過要素2と同一機能を有する濾過要素2’の横断面図を示す。濾過要素2’の内側に配置されているのは、
図1及び
図3に関連して前述された逆洗装置3と同一機能を有する逆洗装置3’である。逆洗装置3’は、2つの複数のノズル134a、bを備え、これらの複数のノズル134a、bは、細長本体132の両側に配置されている。2つの複数のノズル134a、bの間の角度αは、180°である。
【0086】
図5cは、
図1及び
図2に関連して前述された濾過要素2、2’と同一機能を有する濾過要素2”の横断面図を示す。濾過要素2”の内側に配置されているのは、逆洗装置3”であるが、これは、たとえば、
図3bの逆洗でもよい。逆洗装置3”は、3つの複数のノズル1034a、b、cを備える。複数のノズル1034a、b、cの、各々の間に形成される角度βは120°である。
【0087】
当業者は、特許請求の範囲で規定される発明の範囲から逸脱することなく、本書で説明された多くの実施形態の変形が可能であることを認識する。たとえば、細長本体に配置された更なる複数のノズルがあってもよく、ノズルは、バネ以外の手段によって、有孔内円筒に近接するように配置されてもよい。