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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】部分スリーブを有する操縦可能なガイド
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/24 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
A61B17/24
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022527138
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2020060618
(87)【国際公開番号】W WO2021094945
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-09-20
(31)【優先権主張番号】62/934,005
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/067,872
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
(72)【発明者】
【氏名】アクバリアン・ファテメ
(72)【発明者】
【氏名】アミン・ビーナム
(72)【発明者】
【氏名】マットロック・ジョージ・エル
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-518470(JP,A)
【文献】特開2006-51346(JP,A)
【文献】特開2018-183595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00―17/94
A61M 25/00―25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムであって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延在するガイド部材アセンブリであって、前記ガイド部材アセンブリは、
(i)長手方向軸を画定する近位剛性部分と、
(ii)遠位可撓性部分と、
(iii)開放遠位端と、を備え、
前記ガイド部材アセンブリは、管腔を画定し、前記管腔は、前記本体と前記開放遠位端との間で連通する、ガイド部材アセンブリと、
(c)前記遠位可撓性部分に動作可能に連結された関節アセンブリであって、前記関節アセンブリは、直線構成と関節構成との間で前記長手方向軸に対して前記遠位可撓性部分及び前記開放遠位端を屈曲させるように構成されている、関節アセンブリと、
(d)前記遠位可撓性部分によって画定された前記管腔の一部分内に配設された部分スリーブであって、前記部分スリーブは、長手方向に延在する間隙を画定する長手方向に延在する一対のスリーブ縁部を備え、前記間隙は前記部分スリーブの円周方向に沿って延在する、部分スリーブと、を備え、
前記遠位可撓性部分は、可撓体のアレイを備え、隣接する可撓体は、前記直線構成と前記関節構成との間で屈曲する前記遠位可撓性部分に応答して寸法を変化させるように構成された調整可能な間隙を画定する、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記部分スリーブが三日月形を含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記遠位可撓性部分が、弾性スパインを含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記長手方向に延在する間隙が、前記弾性スパインに直接隣接している、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記部分スリーブが、前記可撓体によって画定された前記調整可能な間隙を覆う、請求項に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記管腔内に摺動可能に配設された作業要素を更に備える、請求項に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記作業要素が、膨張可能なバルーンを更に備える、請求項に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記部分スリーブが、前記可撓体によって画定された前記調整可能な間隙から前記膨張可能なバルーンをシールドするように構成され、位置決めされている、請求項に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記ガイド部材アセンブリの前記開放遠位端と流体連通する吸引源又は灌注源を更に備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記遠位可撓性部分が、複数の前記調整可能な間隙を画定し、前記部分スリーブが、前記調整可能な間隙を十分に覆って、前記開放遠位端と前記吸引源又は前記灌注源との間の流体連通を促進する、請求項に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記関節アセンブリが、プッシュプルケーブルを含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記部分スリーブが、前記プッシュプルケーブルを収容する、長手方向に延在する凹部を画定する、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記プッシュプルケーブルが、前記長手方向に延在する凹部と前記遠位可撓性部分の内面との間に挟まれている、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記プッシュプルケーブルと前記長手方向に延在する凹部との間に配設されたライナーを更に備える、請求項13に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記プッシュプルケーブルが、前記部分スリーブと連結されている、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記遠位可撓性部分の外部に配設された外部スリーブを更に備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
カテーテルシステムであって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延在するガイド部材アセンブリであって、前記ガイド部材アセンブリは、
(i)長手方向軸を画定する近位剛性部分と、
(ii)長手方向に延在する弾性スパインと、複数の調整可能な間隙を画定する複数の屈曲体と、を含む遠位可撓性部分と、
(iii)開放遠位端と、を備え、
前記ガイド部材アセンブリは、管腔を画定し、前記管腔は、前記本体と前記開放遠位端との間で連通する、ガイド部材アセンブリと、
(c)前記遠位可撓性部分に動作可能に連結された関節アセンブリであって、前記関節アセンブリは、直線構成と関節構成との間で前記長手方向軸に対して前記遠位可撓性部分及び前記開放遠位端を屈曲させるように構成されている、関節アセンブリと、
(d)前記遠位可撓性部分によって画定された前記管腔の一部分内に配設された部分スリーブであって、前記部分スリーブは、前記長手方向に延在する弾性スパインに隣接して延在する、長手方向に延在する間隙を画定する長手方向に延在する一対のスリーブ縁部を備え、前記間隙は前記部分スリーブの円周方向に沿って延在する、部分スリーブと、を備え、
前記遠位可撓性部分は、可撓体のアレイを備え、隣接する可撓体は、前記直線構成と前記関節構成との間で屈曲する前記遠位可撓性部分に応答して寸法を変化させるように構成された調整可能な間隙を画定する、
カテーテルシステム。
【請求項18】
前記部分スリーブが、複数の前記調整可能な間隙を覆う、請求項17に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
カテーテルシステムであって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延在するガイド部材アセンブリであって、前記ガイド部材アセンブリは、
(i)長手方向軸を画定する近位剛性部分と、
(ii)遠位可撓性部分であって、前記遠位可撓性部分は、直線構成と関節構成との間で前記長手方向軸に対して前記遠位可撓性部分及び開放遠位端を屈曲させるように構成されており、前記直線構成において複数の間隙を画定する、遠位可撓性部分と、
(iii)前記開放遠位端と、を備え、前記ガイド部材アセンブリは、管腔を画定し、前記管腔は、前記本体と前記開放遠位端との間で連通する、ガイド部材アセンブリと、
(c)前記遠位可撓性部分内に配設された部分スリーブであって、前記部分スリーブは、長手方向に延在する間隙を画定し、長手方向に延在する一対のスリーブ縁部を備え、前記長手方向に延在する間隙は前記部分スリーブの円周方向に沿って延在し、前記直線構成において前記複数の間隙を覆う、部分スリーブと、を備え、
前記遠位可撓性部分は、可撓体のアレイを備え、隣接する可撓体は、前記直線構成と前記関節構成との間で屈曲する前記遠位可撓性部分に応答して寸法を変化させるように構成された調整可能な前記複数の間隙を画定する、カテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2019年11月12日に出願された米国特許仮出願第62/934,005号、発明の名称「Steerable Guide With Partial Sleeve」(開示内容は参照により本明細書に援用されている)の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
一部の症例においては、患者の解剖学的通路の拡開が望ましい場合がある。これには、副鼻腔口の拡開(例えば、副鼻腔炎の治療のため)、喉頭の拡開、耳管の拡開、耳、鼻、又は咽頭内部の他の通路の拡開などが含まれる場合がある。解剖学的通路を拡開する1つの方法は、ガイドワイヤ及びカテーテルを使用して解剖学的通路内で膨張可能なバルーンを配置し、続いて流体(例えば、生理食塩水)でバルーンを膨張させ、解剖学的通路を拡開することを含む。例えば、拡張可能なバルーンを副鼻腔の口内に配置し、次に膨張させることによって、粘膜の切開又は骨の切除を必要とせずに、口に隣接する骨を再構築することにより口を拡開することができる。その後、拡開した口によって、罹患した副鼻腔からの排液及びその副鼻腔の通気を改善することができる。
【0003】
かかるシステムと共に可変視野方向内視鏡を使用して、解剖学的通路(例えば、耳、鼻、咽頭、副鼻腔など)内を可視化し、バルーンを所望の位置に配置することができる。可変視野方向内視鏡は、解剖学的通路内で内視鏡のシャフトを曲げる必要なく広範な横断視野角に沿った視野を可能にすることができる。
【0004】
可変視野方向内視鏡は、解剖学的通路内の可視化に使用できるが、バルーンの膨張前に、バルーンの正しい位置決めの更なる視覚的確認を得ることが望ましい場合もある。これは、照明ガイドワイヤを用いて行うことができる。かかるガイドワイヤが標的領域内に位置決めされ、その後、ガイドワイヤの遠位端部から投射される光によって照明することができる。この光は、隣接組織(例えば、皮下(hypodermis)組織、皮下(subdermis)組織など)を照明するため、皮膚を通過する照明により患者の体外から肉眼で見ることができる。例えば、遠位端部が上顎洞内に位置決めされると、患者の頬を通して光を見ることができる。ガイドワイヤの位置の確認にこのような外部可視化を利用して、バルーンをその後、拡張部位の位置内にガイドワイヤに沿って遠位に進めることができる。
【0005】
解剖学的通路にアクセスし、解剖学的通路を拡開するために、いくつかのシステム及び方法が作られ、使用されてきたが、本発明者ら以前に、添付の特許請求の範囲に記載される発明をなし、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書は、本発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲をもって結論とするものであるが、本発明は以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照番号は同様の要素を示す。
図1】ハンドルアセンブリ、ガイドカテーテルアセンブリ、ガイドワイヤアセンブリ、及び拡張カテーテルアセンブリを有する例示的な器具の斜視図を示す。
図2図1の器具の分解斜視図である。
図3A図1のガイドカテーテルアセンブリの可撓性部分の直線構成における側面図を示す。
図3B図1のガイドカテーテルアセンブリの可撓性部分の曲がった構成における側面図を示す。
図4A図1のガイドワイヤアセンブリのガイドワイヤ移動機構が近位位置にあり、図1の拡張カテーテルアセンブリの拡張カテーテル移動機構が近位位置にある、図1のハンドルアセンブリの側面図を示す。
図4B図4Aのガイドワイヤ移動機構が遠位位置にあり、図4Aの拡張カテーテル移動機構が近位位置にある、図1のハンドルアセンブリの側面図を示す。
図4C図4Aのガイドワイヤ移動機構が遠位位置にあり、図4Aの拡張カテーテル移動機構が遠位位置にある、図1のハンドルアセンブリの側面図を示す。
図5A】患者の副鼻腔口に隣接して配置された図1のガイドカテーテルアセンブリの開放遠位先端の側面図であり、図1のガイドワイヤアセンブリのガイドワイヤは、ガイドカテーテルアセンブリ内に収容され、図1の拡張カテーテルアセンブリの膨張可能なバルーンは、収縮状態でガイドカテーテルアセンブリ内に収容されている。
図5B】患者の副鼻腔口に隣接して配置された図1のガイドカテーテルアセンブリの開放遠位先端の側面図であり、図5Aのガイドワイヤの遠位先端は、ガイドカテーテルアセンブリの開放遠位先端を越えて遠位に延在し、図1の拡張カテーテルアセンブリの膨張可能なバルーンは、収縮状態でガイドカテーテルアセンブリ内に収容されている。
図5C】患者の副鼻腔口に隣接して配置された図1のガイドカテーテルアセンブリの開放遠位先端の側面図であり、図5Aのガイドワイヤの遠位先端は、ガイドカテーテルアセンブリの開放遠位先端を越えて遠位に延在し、図1の拡張カテーテルアセンブリの膨張可能なバルーンは、収縮状態でガイドカテーテルアセンブリの開放遠位先端を越えて遠位に延在する。
図5D】患者の副鼻腔口に隣接して配置された図1のガイドカテーテルアセンブリの開放遠位先端の側面図であり、図5Aのガイドワイヤの遠位先端は、ガイドカテーテルアセンブリの開放遠位先端を越えて遠位に延在し、図1の拡張カテーテルアセンブリの膨張可能なバルーンは、膨張状態でガイドカテーテルアセンブリの開放遠位先端を越えて遠位に延在する。
図6図1の器具の中に容易に組み込まれ得る代替的なガイドカテーテルアセンブリの斜視図である。
図7図6のガイドカテーテルアセンブリの分解斜視図を示す。
図8図6のガイドカテーテルアセンブリの側面図を示す。
図9図6の線9-9に沿った、図6のガイドカテーテルアセンブリの断面図を示す。
図10図6の線10-10に沿った、図6のガイドカテーテルアセンブリの断面図を示す。
図11図6のガイドカテーテルアセンブリの部分内部スリーブの斜視図を示す。
図12図11の部分内部スリーブの別の斜視図を示す。
【0007】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示するものであり、説明共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
【0009】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医に対して使用されることが理解されるであろう。すなわち、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位側にある。便宜上及び明確さのために、「上部」及び「下部」などの空間用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準にして使用されていることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0010】
本明細書に記載の教示、表現、変形、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、変形、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点も更に理解される。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0011】
I.例示的な器具の概要
図1図2は、種々の異なる解剖学的通路(例えば、前頭洞口、前頭陥凹、上顎洞口、蝶形骨洞口、篩骨洞口、エウスタキオ管など)内部への又は隣接したアクセスを提供するために使用され得る例示的な器具(10)を示す。器具(10)は、ハンドルアセンブリ(12)と、ガイドカテーテルアセンブリ(50)と、ガイドワイヤアセンブリ(60)と、拡張カテーテルアセンブリ(70)と、を含む。ハンドルアセンブリ(12)は、関節駆動アセンブリ(30)及び回転駆動アセンブリ(40)を更に備える。
【0012】
より詳細に後述するように、回転駆動アセンブリ(40)及び関節駆動アセンブリ(30)を使用して、器具(10)の構造機構を簡易に調整することにより、同じガイドカテーテルアセンブリ(50)を用いて種々の異なる解剖学的通路にアクセスし得る。以下でより詳細に説明するように、ハンドルアセンブリ(12)は、操作者が、所望の解剖学的通路にアクセスし、所望の解剖学的通路を拡張するために(in order)、片手でガイドカテーテルアセンブリ(50)、ガイドワイヤアセンブリ(60)、及び拡張カテーテルアセンブリ(70)の配置を制御することを可能にするように構成され得る。
【0013】
A.例示的なハンドルアセンブリ及びガイドカテーテルアセンブリ
図1図2に最もよく見られるように、ハンドルアセンブリ(12)は、本体部分(14)及び本体部分(14)から延在するフィンガーペグ(20、22)を含む。ハンドルアセンブ(12)は、近位部分(16)から遠位部分(18)へと長手方向に延在している。流体管腔(15)は、ハンドルアセンブリ(12)の近位部分(16)から近位に延在している。流体管腔(15)は、ガイドカテーテルアセンブリ(50)と流体連通している本体部分(14)によって画定された内部通路(図示せず)を介して、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の内部管腔と流体連通している。流体管腔(15)は、例示的な使用中に吸引/灌注源(17)がガイドカテーテルアセンブリ(50)の開放遠位先端(56)で吸引/灌注を提供することができるように、吸引/灌注源(17)と結合するように構成され得る。流体管腔(15)及び本体部分(14)の内部通路を形成して使用し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。フィンガーペグ(20、22)は、操作者が、ガイドワイヤアセンブリ(60)及び拡張カテーテルアセンブリ(70)の選択された部分を本明細書の説明に従って同時に制御する間に、ハンドルアセンブリ(12)を握ることができるように、ハンドルアセンブリ(12)の把持を促進するように構成されている。
【0014】
本体部分(14)は、第1の長手方向に延在するトラック(24)及び第2の長手方向に延在するトラック(26)を画定する。第1及び第2のトラック(24、26)は、ガイドワイヤアセンブリ(60)及び拡張カテーテルアセンブリ(70)が、本体部分(14)に対して互いに独立して並進することができるように、ガイドワイヤアセンブリ(60)のガイドワイヤ移動機構(66)及び拡張カテーテルアセンブリ(70)の拡張カテーテル移動機構(80)とそれぞれ結合するように構成されている。第1のトラック(24)はまた、拡張カテーテルアセンブリ(70)の拡張カテーテル(72)を摺動可能に収容するように寸法決めされている。拡張カテーテル移動機構(80)は、ガイドワイヤ移動機構(66)が拡張カテーテル移動機構(80)を通って近位及び遠位に並進することを可能にするために、空洞(82)を更に画定する。言い換えれば、移動機構(66、80)は、ハンドルアセンブリ(12)に対する互いの並進を抑制しない。
【0015】
ガイドカテーテルアセンブリ(50)はハンドルアセンブリ(12)の遠位部分(18)から遠位に延在している。ガイドカテーテルアセンブリ(50)は、剛性ガイドシャフト部(52)と、開放遠位先端(56)で終端する可撓ガイドシャフト部(54)とを含む。ガイドカテーテルアセンブリ(50)は、剛性ガイドシャフト部(52)の近位端から開放遠位先端(56)まで延在する内部管腔を画定する。ガイドカテーテルアセンブリ(50)によって画定される管腔は、ガイドワイヤアセンブリ(60)及び拡張カテーテルアセンブリ(70)の選択された部分が、ハンドルアセンブリ(12)、ガイドカテーテルアセンブリ(50)を通って、かつ遠位には開放遠位先端(56)を通って、摺動可能に延在することを可能にするために、第1のトラック(24)の遠位部分と連通している。ガイドカテーテルアセンブリ(50)は、経鼻的又は経口的に挿入されて、開放遠位先端(56)を介して患者の頭部内の好適な解剖学的構造へのアクセスを提供するように寸法決めされ得る。他の例示的使用時、ガイドカテーテルアセンブリ(50)は、患者内の他の場所(例えば、患者の頭部内以外の場所)に位置決めされる。本明細書の教示に照らして、器具(10)を使用し得る種々の好適な場所及び処置が、当業者には明らかとなるであろう。
【0016】
図3A図3Bに最もよく見られるように、可撓ガイドシャフト部(54)は、剛性ガイドシャフト部(52)と開放遠位先端(56)との間に延在する弾性スパイン(51)を介して互いに接続された屈曲体(58)のアレイを含む。弾性スパイン(51)は、図3Aに示される直線状の非関節位置に向けて付勢される。弾性スパイン(51)は、本明細書の説明に従って、長手方向軸(LA)に対して接近及び離反する方向に開放遠位先端(56)を偏向させるために、屈曲体(58)が互いに対して接近及び離反する方向に移動することを可能にするのに十分な可撓性がある。屈曲体(58)は、屈曲体(58)及び弾性スパイン(51)が所定の関節運動経路を外れて任意の他の方向における曲げ、偏向、屈曲することなどを抑制するために、隣接する屈曲体(58)とインターロックするように構成された相補的なインターロック機構(55、57)を含む。言い換えれば、相補的なインターロック機構(55、57)は、例示的な使用中、所望の関節位置にある間に、可撓ガイドシャフト部(54)の剛性を促進するのに役立ち得る一方で、また、操作者が関節駆動アセンブリ(30)を利用するときに、(図3A図3Bに例示されるように)可撓ガイドシャフト部(54)が事前定義された経路に沿って長手方向軸(LA)に対して接近及び離反する方向に屈曲することも可能にする。
【0017】
図3Aに最もよく見られるように、可撓ガイドシャフト部(54)が、非関節構成(又は様々な関節構成)にあるとき、隣接する屈曲体(58)は、体(58)の更なる屈曲に適応するために、それぞれの間隙(59)を画定する。間隙(59)は、可撓ガイドシャフト部(54)の外部部分から、可撓ガイドシャフト部(54)によって画定される内部管腔へと延在し得る。開放遠位先端(56)を関節運動させるために、屈曲体(58)が互いに対して接近及び離反する方向に移動するにつれて、間隙(59)のサイズが変化する。いくつかの例では、図3Bに最もよく示されるように、可撓ガイドシャフト部(54)は、間隙(59)がもはや存在しない位置まで開放遠位先端(56)を関節運動させることができる。
【0018】
剛性ガイドシャフト部(52)は、回転駆動アセンブリ(40)のサムホイール(42)と連結されている。単に一例として、剛性ガイドシャフト部(52)及びサムホイール(42)は、相補的なベベルギヤを介して相互に連結されてもよい。上記の連結は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2019/0015645号、発明の名称「Adjustable Instrument for Dilation of Anatomical Passageway」(2019年1月17日公開)の教示の少なくとも一部に従って提供され得る。本明細書の教示に照らして、剛性ガイドシャフト部(52)及びサムホイール(42)を相互に連結し得る他の好適な方法が、当業者には明らかとなるであろう。
【0019】
回転駆動アセンブリ(40)のサムホイール(42)は、矢印(2)で示されるように、第1の軸(A1)の周りで本体部分(14)に対して回転するように動作可能である。第1の軸(A1)の周りのサムホイール(42)の回転は、矢印(6)によって示されるように、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の長手方向軸(LA)の周りの、ハンドルアセンブリ(12)に対するガイドカテーテルアセンブリ(50)の回転を駆動するように構成されている。したがって、操作者は、開放遠位先端(56)をハンドルアセンブリ(12)に対して選択的に配置するために、長手方向軸(LA)の周りでガイドカテーテルアセンブリ(50)を回転させることができる。本明細書の教示に照らして、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の回転を提供するために使用され得る他の好適な機構が、当業者には明らかとなるであろう。あるいは、器具(10)は、ガイドカテーテルアセンブリ(50)がハンドルアセンブリ(12)に対して回転不能となるように構成されてもよい。
【0020】
更に別の単なる実例として、器具(10)は、サムホイール(42)がガイドカテーテルアセンブリ(50)の回転を駆動するように動作可能である代わりに、かつ以下に記載されるようにノブ(32)が可撓ガイドシャフト部(54)の関節を駆動するように動作可能である代わりに、関節駆動アセンブリ(30)のノブ(32)が、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の長手方向軸(LA)の周りのハンドルアセンブリ(12)に対するガイドカテーテルアセンブリ(50)の回転を駆動するように動作可能であるように、構成され得る。
【0021】
関節駆動アセンブリ(30)は、ガイドカテーテルアセンブリ(50)によって画定される長手方向軸(LA)に対する可撓ガイドシャフト部(54)の関節を選択的に駆動するように構成される。関節駆動アセンブリ(30)は、可撓ガイドシャフト部(54)を曲げ、それにより、図3A図3Bに例示されるように、開放遠位先端(56)を剛性ガイドシャフト部(52)の長手方向軸(LA)から遠ざけるように偏向させるように動作可能である。関節駆動アセンブリ(30)は、剛性ガイドシャフト部(52)及びプッシュプルケーブル(34)の周りに同軸状に配設されているノブ(32)を含む(図3A図3Bを参照)。ノブ(32)は、矢印(4)で示されるように、剛性ガイドシャフト部(52)の長手方向軸(LA)の周りで剛性ガイドシャフト部(52)及び本体部分(14)に対して回転可能である。プッシュプルケーブル(34)は、弾性スパイン(51)の反対側にある可撓ガイドシャフト部(54)の一部分に沿って延在し得る。プッシュプルケーブル(34)は、プッシュプルケーブル(34)の並進に応答して弾性スパイン(51)を屈曲させるために、弾性スパイン(51)から十分に離間され得る。プッシュプルケーブル(34)は、可撓ガイドシャフト部(54)によって画定される内部管腔の外部又は範囲内に位置し得る。
【0022】
ノブ(32)は、剛性ガイドシャフト部(52)の周りのノブ(32)の回転がプッシュプルケーブル(34)の並進を引き起こし、それによって、図3A図3Bに例示されるように、開放遠位先端(56)を偏向させるように、プッシュプルケーブル(34)を介して可撓ガイドシャフト部(54)の開放遠位先端(56)と連結されている。特に、操作者は、プッシュプルケーブル(34)を近位に作動させるために、第1の回転方向にノブ(32)を回転させることができ、それによって開放遠位先端(56)が、長手方向軸(LA)から偏向されるように可撓ガイドシャフト部(54)を曲げることができる。
【0023】
操作者が可撓ガイドシャフト部(54)を真っ直ぐにすることを望む場合、操作者は、プッシュプルケーブル(34)を遠位に作動させるために、第2の反対の回転方向にノブ(32)を回転させることができ、それによって、可撓ガイドシャフト部(54)が、弾性スパイン(51)の弾性的性質に起因して非関節構成に向けて曲がることを可能にする。本明細書の教示を考慮して当業者には明らかであるように、関節駆動アセンブリ(30)は、様々な解剖学的通路にアクセスするために、長手方向軸(LA)から様々な角度に離れる方向に開放遠位先端(56)を偏向させるように構成され得る。
【0024】
更に単なる例として、関節駆動アセンブリ(30)及び可撓ガイドシャフト部(54)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2019/0015645号、発明の名称「Adjustable Instrument for Dilation of Anatomical Passageway」(2019年1月17日公開)、及び/又はその開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同第2018/0311472号、発明の名称「Deflectable Guide for Medical Instrument」(2018年11月1日公開)の教示の少なくとも一部に従って、構成され、かつ動作可能であり得る。
【0025】
更に別の単なる実例として、器具(10)は、ノブ(32)が、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の長手方向軸(LA)の周りでハンドルアセンブリ(12)に対してガイドカテーテルアセンブリ(50)の回転を駆動するように動作可能である代わりに、かつサムホイール(42)が、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の長手方向軸(LA)の周りでハンドルアセンブリ(12)に対してガイドカテーテルアセンブリ(50)の回転を駆動するように動作可能である代わりに、サムホイール(42)が、可撓ガイドシャフト部(54)の関節を駆動するように動作可能であるように、構成され得る。
【0026】
B.例示的なガイドワイヤアセンブリ及び拡張カテーテルアセンブリ
上述のように、ガイドワイヤアセンブリ(60)及び拡張カテーテルアセンブリ(70)が、ガイドカテーテルアセンブリ(50)及び互いに対して独立して作動され得るように、ガイドワイヤアセンブリ(60)及び拡張カテーテルアセンブリ(70)は、ハンドルアセンブリ(12)及びガイドカテーテルアセンブリ(50)の両方に摺動可能に連結されている。以下でより詳細に説明するように、ガイドワイヤアセンブリ(60)及び拡張カテーテルアセンブリ(70)は、所望の解剖学的通路にアクセスし、所望の解剖学的通路を拡張するために、ハンドルアセンブリ(12)及びガイドカテーテルアセンブリ(50)と併せて使用され得る。
【0027】
図2に最もよく見られるように、ガイドワイヤアセンブリ(60)は、ガイドワイヤ(62)及びガイドワイヤ移動機構(66)を含む。いくつかの例では、ガイドワイヤ(62)は、遠位照明先端及び/又は位置センサ内に延在する光ファイバを含むことができる。単に一例として、ガイドワイヤ(62)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2015年10月13日に発行された米国特許第9,155,492号、発明の名称「Sinus Illumination Lightwire Device」、2017年9月12日に発行された同第9,757,018号、発明の名称「Medical Guidewire with Integral Light Transmission」、及び/又は2020年4月7日に発行された同第10,610,308号、発明の名称「Navigation Guidewire with Interlocked Coils」の教示の少なくとも一部に従って構成され得る。
【0028】
上述のように、ガイドワイヤ移動機構(66)が、第1のトラック(24)に沿って、かつ拡張カテーテル移動機構(80)の空洞(82)を通って並進することができるように、ガイドワイヤ移動機構(66)は、第1のトラック(24)を介してハンドルアセンブリ(12)に摺動可能に連結されている。ガイドワイヤ(62)は、ハンドルアセンブリ(12)に対するガイドワイヤ移動機構(66)の並進が、本明細書の説明に従ってガイドワイヤ(62)の並進を駆動するように、ガイドワイヤ移動機構(66)に選択的に連結され得る。ガイドワイヤ移動機構(66)は、並進キャリッジ(68)並びにガイドワイヤロック及び回転ノブ(67)を含む。並進キャリッジ(68)は、第1のトラック(24)を介してハンドルアセンブリ(12)に摺動可能に連結されている一方で、ガイドワイヤロック及び回転ノブ(67)は、並進キャリッジ(68)上に回転可能に配設されている。特に、ガイドワイヤロック及び回転ノブ(67)は、その長手方向軸の周りで並進キャリッジ(68)に対して回転することができ、一方、ノブ(67)はまた、ハンドルアセンブリ(12)に対して、キャリッジ(68)と共に並進することもできる。
【0029】
ガイドワイヤロック及び回転ノブ(67)は、ノブ(67)のそれ自体の長手方向軸の周りの回転が、ガイドワイヤ(62)のそれ自体の長手方向軸の周りの回転を駆動するように、かつまた、ハンドルアセンブリ(12)に対するノブ(67)の並進もガイドワイヤ(62)の並進を駆動するように、ガイドワイヤ(62)に動作可能に連結されている。ノブ(67)は、ノブ(67)及びガイドワイヤ(62)が一体的に回転するように、ガイドワイヤ(62)に固定されている。したがって、操作者がノブ(67)を並進キャリッジ(68)に対して第1の回転方向に回転させる場合、ノブ(67)に直接連結されたガイドワイヤ(62)の一部は、その対応する長手方向軸の周りで第1の回転方向に回転し、一方、ガイドワイヤ管腔(85)内に配置されたガイドワイヤ(62)の一部もまた、その対応する長手方向軸の周りで第1の回転方向に回転し、ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)もまた、その対応する長手方向軸の周りで第1の回転方向に回転する。ノブ(67)は、拡張カテーテル(72)に対するガイドワイヤ(62)の長手方向の配置を再び位置決めすることができるように、又は新しいガイドワイヤ(62)を以前に使用されたガイドワイヤ(62)の代わりに使用することができるように、ガイドワイヤ(62)をガイドワイヤ移動機構(66)に確実にロック及びロック解除するように構成され得る。
【0030】
図1図2に最もよく見られるように、ガイドワイヤ移動機構(66)から遠位に延在するガイドワイヤ(62)の一部は、拡張カテーテル(72)のスカイブスロット(skived slot)(74)及びガイドワイヤ管腔(85)内に延在する。ガイドワイヤ(62)は、ガイドワイヤ(62)が、拡張カテーテル(72)、ハンドルアセンブリ(12)、及びガイドカテーテルアセンブリ(50)に対して並進することができるように、ガイドワイヤ管腔(85)内に摺動可能に配設されている。したがって、ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)は、拡張カテーテル(72)の開放遠位端(76)を通って遠位及び近位に並進することができる。いくつかの変形形態では、ガイドワイヤ(62)の遠位部分は、ガイドワイヤ(62)の近位端より可撓性である。いくつかの変形形態では、ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)は、照明するように構成され得、それにより、照明が患者の顔を通過する皮膚を通した光をもたらして、操作者が比較的容易にガイドワイヤ(62)の遠位端(64)の位置を視覚的に確認することができるようになり得る。ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)に照明を提供するための様々な構造及び方法は、本明細書の教示を考慮して、当業者には明らかであろう。
【0031】
ガイドワイヤ移動機構(66)とガイドワイヤ管腔(85)との間に延在するガイドワイヤ(62)の一部が、本明細書の説明に従って、拡張カテーテル(72)によって抑制されることなく、ガイドワイヤ(62)の例示的な並進中に、並進することができるように、スカイブスロット(74)が、好適な距離を拡張カテーテル(72)に沿って延在する。言い換えれば、スカイブスロット(74)は、本明細書の説明に従う例示的な使用中に、拡張カテーテル(72)に対するガイドワイヤアセンブリ(60)の並進に適応するように寸法決めされている。ガイドワイヤ(62)は、ガイドワイヤ(62)の近位部分が、ガイドワイヤ移動機構(66)に好適に連結されている一方で、ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)が拡張カテーテル(72)の開放遠位端(76)の遠位に好適に位置決めされることを可能にする長さを有する。
【0032】
図2に最もよく見られるように、拡張カテーテルアセンブリ(70)は、拡張カテーテル(72)と、膨張可能なバルーン(78)と、空洞(82)を画定する拡張カテーテル移動機構(80)と、を含む。上記のように、拡張カテーテル移動機構(80)は、第2のトラック(26)を介してハンドルアセンブリ(12)上に摺動可能に配設されている一方で、拡張カテーテル(72)の一部は、第1のトラック(24)を画定するハンドルアセンブリ(12)の一部の内側に摺動可能に配設されている。
【0033】
拡張カテーテル(72)は、拡張カテーテル移動機構(80)の並進が、ハンドルアセンブリ(12)、拡張カテーテルアセンブリ(70)、及びガイドワイヤアセンブリ(60)に対する拡張カテーテル(72)の並進を駆動するように、拡張カテーテル移動機構(80)と連結されている。加えて、拡張カテーテル(72)の一部は、ガイドカテーテルアセンブリ(50)内に摺動可能に配設されている。ガイドワイヤ(62)及び拡張カテーテル(72)の両方は、ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)及び拡張カテーテルアセンブリ(70)の膨張可能なバルーン(78)がガイドカテーテルアセンブリ(50)の開放遠位先端(56)を越えて遠位に並進することを可能にするのに好適な長さを有する一方で、ガイドワイヤ(62)及び拡張カテーテル(72)の近位部分は、ガイドワイヤ移動機構(66)及び拡張カテーテル移動機構(80)にそれぞれ好適に連結されている。拡張カテーテル(72)の遠位部分及び/又は膨張可能なバルーン(78)は、屈曲位置で可撓ガイドシャフト部(54)内を摺動しながら曲がるために好適な可撓性であり得る。
【0034】
膨張可能なバルーン(78)は、拡張カテーテル(72)の遠位部分に位置する。拡張カテーテル(72)は、ガイドワイヤ管腔(図示せず)、膨張管腔(現在示されている)、及び灌注管腔(図示せず)を画定する。ガイドワイヤ管腔(図示せず)は、ガイドワイヤ(62)が、ガイドワイヤ移動機構(66)からスカイブスロット(74)を介してガイドワイヤ管腔(図示せず)に潜り込むことができるように、スカイブスロット(74)と連通するように近位に延在する。更に、ガイドワイヤ管腔(図示せず)は、ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)が、拡張カテーテル(72)の開放遠位端(76)を越えて遠位に並進することができるように、拡張カテーテル(72)の開放遠位端(76)まで延在する。膨張管腔(図示せず)は、ガイドワイヤ管腔(図示せず)及び灌注管腔(図示せず)の両方から流体的に隔離され得る。膨張管腔(図示せず)は、膨張可能なバルーン(78)内で遠位に終端する。拡張カテーテル(72)の近位端は、膨張管腔(図示せず)と流体連通する第1のポート(図示せず)と、灌注管腔(図示せず)と流体連通する第2のポート(図示せず)と、を備える。
【0035】
第1のポート(図示せず)は、膨張可能なバルーン(78)が、収縮状態(図5Cに示すような)と膨張状態(図5Dに示すような)との間で移行することができるように、十分な量の流体を膨張可能なバルーン(78)と連通するように構成された膨張装置と連結し得る。本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、任意の好適な膨張装置が使用されてよい。
【0036】
灌注管腔(図示せず)は、灌注管腔(図示せず)及びガイドワイヤ管腔(図示せず)が、合流点及びその遠位で互いに流体連通するように、拡張カテーテル(72)に沿って遠位にガイドワイヤ管腔(図示せず)と合流し得る。第2のポート(図示せず)は、灌注流体を灌注管腔(図示せず)を通って連通し、拡張カテーテル(72)の開放遠位端(76)から出るように構成された灌注装置と連結することができる。膨張可能なバルーン(78)から遠位に延在する拡張カテーテル(72)の一部は、灌注流体が出るための1つ以上の円周開口部を有することができる。
【0037】
本実施例では、拡張カテーテル(72)及び膨張可能なバルーン(78)は、作業要素として使用されるが、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかであるように、ガイドワイヤ管腔を画定する任意の他の好適なカテーテルを使用することができる。
【0038】
C.解剖学的通路を拡開するための器具を使用する例示的な動作
図4A図5Dは、副鼻腔口(O)などの標的とする解剖学的通路にアクセスし、拡開するための例示的な手順を示す。可撓ガイドシャフト部(54)は、図5A図5Dにおいて直線構成で示されているが、実際の使用において可撓ガイドシャフト部(54)は、対象となる解剖学的通路(例えば、上顎洞口、蝶形骨洞口、前頭陥凹、エウスタキオ管など)へのアクセスを容易にする屈曲角を実現するために屈曲され得るか又は曲げられ得る。可撓ガイドシャフト部(54)は、ガイドカテーテルアセンブリ(50)が患者に挿入される前、及び/又はガイドカテーテルアセンブリ(50)が患者に挿入された後に屈曲され得るか又は曲げられ得る。最初に、図5Aに最もよく示されるように、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の開放遠位先端(56)が、この例では副鼻腔口(O)などの標的とする解剖学的通路の近くにまず位置決めされ得る。ガイドカテーテルアセンブリ(50)の開放遠位先端(56)の位置決めは、内視鏡によって可視下で行うことができる。
【0039】
ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)並びに拡張カテーテルアセンブリ(70)の膨張可能なバルーン(78)及び開放遠位端(76)は、この段階で、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の可撓ガイドシャフト部(54)内又はその近位側に位置決めされ得る。図6Aは、ハンドルアセンブリ(12)に対して対応する近位位置に位置するガイドワイヤ移動機構(66)及び拡張カテーテル移動機構(80)を示し、そのような近位位置は、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の可撓ガイドシャフト部(54)内又はその近位に位置決めされている遠位端(64)及び開放遠位端(76)に関連付けられている。
【0040】
ガイドカテーテルアセンブリ(50)が位置決めされた後で、操作者は、図4Aに示される近位位置から、図4Bに示される遠位位置に、ガイドワイヤ移動機構(66)を前進させることができる。図5Bに示すように、ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)が、副鼻腔口(O)(又はいくつかの他の標的とする解剖学的通路)を通過するように、ガイドワイヤ移動機構(66)の遠位移動は、ガイドワイヤ(62)をガイドカテーテルアセンブリ(50)の開放遠位先端(56)を通じて遠位に駆動する。ガイドワイヤ(62)の遠位端(64)が照明するように構成されている場合、操作者は、遠位端(64)を照明することができ、このことは、患者の顔を通過する皮膚を通した光をもたらして、操作者が比較的容易にガイドワイヤ(62)の遠位端(64)の位置を視覚的に確認することができるようにし得る。
【0041】
図5Bに示されるように好適に位置決めされた、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の開放遠位先端(56)及びガイドワイヤ(62)を用いると、操作者は、拡張カテーテル移動機構(80)を図4Bに示される近位位置から図4Cに示される遠位位置まで前進させることができる。図5Cに示すように、膨張可能なバルーン(78)が副鼻腔口(O)(又はいくつかの他の標的とする解剖学的通路)を通って位置決めされるように、拡張カテーテル移動機構(80)の遠位移動は、ガイドワイヤ(62)に沿って、かつ収縮状態にある膨張可能なバルーン(78)を有するガイドカテーテルアセンブリ(50)の開放遠位先端(56)を通じて、膨張可能なバルーン(78)を駆動する。
【0042】
膨張可能なバルーン(78)が口(O)内に位置決めされた後、図5Dに示すように、膨張可能なバルーン(78)を膨張させ、それによって口(O)を拡開させることができる。バルーン(78)は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかとなるような任意の好適な技術を利用して膨張され得る。単に一例として、膨張可能なバルーン(78)を、約10~約12気圧の圧力まで膨張させることができる。膨張可能なバルーン(78)を数秒間この容積で維持して、口(O)(又は他の標的とする解剖学的通路)を十分に開かせることができる)。次に、膨張可能なバルーン(78)は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかとなるような任意の好適な技術を利用して収縮状態に戻され得る。膨張可能なバルーン(78)は、異なる小孔及び/又は他の標的とする解剖学的通路内で、繰り返し膨張及び収縮させてよい。
【0043】
その後、ガイドワイヤ移動機構(66)及び拡張カテーテル移動機構(80)は、それぞれの近位位置に戻され得、それによってガイドワイヤ(62)及び拡張カテーテル(72)を近位に並進させてガイドカテーテルアセンブリ(50)に戻すことができる。ガイドカテーテルアセンブリ(50)は、次いで、患者から除去され得る。
【0044】
処置の任意の好適な部分の間に灌注及び/又は吸引が提供され得ることを理解されたい。灌注及び/又は吸引は、本明細書の説明に従って提供され得るか、又は本明細書の教示を考慮して当業者には明らかであるように他の好適な方法及び/又は装置を利用して提供され得、拡張カテーテルアセンブリ(70)、ガイドワイヤアセンブリ(60)、及びガイドカテーテルアセンブリ(50)は、患者から除去され得る。
【0045】
II.部分スリーブを有する例示的な可撓ガイドシャフト部
上述のように、流体管腔(15)は、吸引/灌注源(17)(図1を参照)が、例示的な使用中にガイドカテーテルアセンブリ(50)の開放遠位先端(56)で吸引/灌注を提供することができるように、本体部分(14)によって画定された内部通路(図示せず)を介してガイドカテーテルアセンブリ(50)の内部管腔と流体連通している。しかしながら、上述のように、可撓ガイドシャフト部(54)の隣接する屈曲体(58)は、体(58)の更なる屈曲に適応するためにそれぞれの間隙(59)を画定する。
【0046】
間隙(59)は、内部管腔と可撓ガイドシャフト部(54)の外部との間の流体連通をもたらす場合があり、それによって、開放遠位先端(56)と連通することが意図される流体/吸引が、開放遠位先端(56)に適切に到達するのではなく、時期尚早に間隙(59)から逃げる場合がある。したがって、場合によっては、流体/吸引が間隙(59)を介して逃げることを抑制する試みでは、間隙(59)を少なくとも部分的に覆うスリーブを提供することが望ましい場合があり、それにより、本明細書の説明に従って、可撓ガイドシャフト部(54)の屈曲にも適応しながら、意図された流体/吸引が間隙(59)の代わりに開放遠位先端(56)を通って好適に移動することを可能にする。
【0047】
加えて、上述のように、膨張可能なバルーン(78)及び拡張カテーテルアセンブリ(70)の開放遠位端(76)は、膨張可能なバルーン(78)が、可撓ガイドシャフト部(54)内で並進することができるように、ガイドカテーテルアセンブリ(50)の可撓ガイドシャフト部(54)内又はその近位に位置決めすることができる。上記のように、本明細書の説明に従って開放遠位先端(56)を関節運動させるために、屈曲体(58)が互いに対して接近及び離反する方向に移動するとき、間隙(59)のサイズが変化し、場合によっては、間隙(59)は実際に閉じられる。
【0048】
場合によっては、膨張可能なバルーン(78)は、内部管腔内での膨張可能なバルーン(78)の前進及び/又は後退中に、間隙(59)を画定する可撓体(58)の一部に引っかかるか、又は他の方法で望ましくなく接触する傾向があり得る。本明細書の説明に従って開放遠位先端(56)を関節運動させるために可撓体(58)が互いに向かって移動している間に、膨張可能なバルーン(78)(又は任意の他の適切な装置)が可撓ガイドシャフト部(54)内に収容される場合、間隙(59)を画定する可撓体(58)の一部は、膨張可能なバルーン(78)(又は任意の他の適切な装置)を望ましくなく捕捉及び/又は挟む恐れがあり、それが次に、膨張可能なバルーン(78)(又は任意の他の適切な装置)を損傷させ得る。したがって、場合によっては、開放遠位先端(56)が関節運動しているか、又は可撓ガイドシャフト部(54)によって画定される内部管腔内で膨張可能なバルーン(78)が並進している間に、屈曲体(58)によって挟まれ、捕捉され、又は損傷することから、膨張可能なバルーン(78)(又は任意の他の適切な装置)を少なくとも部分的に保護するスリーブを提供することが望ましい場合がある。
【0049】
図6図8は、上記で説明したガイドカテーテルアセンブリ(50)の代わりに器具(10)に容易に組み込まれ得る代替的なガイドカテーテルアセンブリ(150)を示している。ガイドカテーテルアセンブリ(150)は、以下に詳述する相違点を伴い、上述のガイドカテーテルアセンブリ(50)と実質的に同様であってもよい。ガイドカテーテルアセンブリ(50)と同様に、ガイドカテーテルアセンブリ(150)は、上記で説明した剛性ガイドシャフト部(52)及び可撓ガイドシャフト部(54)と実質的に同様である剛性ガイドシャフト部(152)及び可撓ガイドシャフト部(154)を含む。剛性ガイドシャフト部(152)は、回転駆動アセンブリ(40)が、ガイドカテーテルアセンブリ(150)を長手方向軸(LA)の周りで回転させることができるように、ハンドルアセンブリ(12)の回転駆動アセンブリ(40)と動作可能に連結され得る。加えて、可撓ガイドシャフト部(154)は、本明細書の説明に従って、関節駆動アセンブリ(30)が可撓ガイドシャフト部(154)を屈曲させることができるように、ハンドルアセンブリ(12)の関節駆動アセンブリ(30)に動作可能に連結され得る。
【0050】
可撓ガイドシャフト部(154)は、上記で説明した弾性スパイン(51)、屈曲体(58)、及び相補的なインターロック機構(155、157)と実質的に同様である、長手方向に延在する弾性スパイン(151)と、相補的なインターロック機構(155、157)を有する屈曲体(158)の線形アレイと、を含み、以下に相違点を詳述する。したがって、可撓体(158)は、上記で説明した間隙(59)と実質的に同様である、複数の間隙(159)を画定する。図7に最もよく見られるように、弾性スパイン(151)及び可撓体(158)は、剛性ガイドシャフト部(152)の内部管腔及び開放遠位先端(156)と連通する内部管腔(162)を画定する。本例では、可撓ガイドシャフト部(154)は、開放遠位先端(156)を画定する先端本体(160)を含む。先端本体(160)は、最も遠位の可撓体(158)と連結されている。
【0051】
最も遠位の屈曲体(158)は、組み立てられたとき、関節駆動アセンブリ(30)のプッシュプルケーブル(34)と連結し得る少なくとも1つの連結機構(164)を画定する。図9に最もよく示されるように、プッシュプルケーブル(34)は、連結機構(164)と連結するために、屈曲体(158)の内部部分に沿って延在し得る。プッシュプルケーブル(34)は、連結機構(164)にはんだ付け、レーザー溶接、又は本明細書の教示を考慮して当業者には明らかであるように、任意の他の好適な手段を利用して連結され得る。図8に最もよく見られるように、弾性スパイン(151)は、複数の屈曲切り欠き(153)を画定し、屈曲切り欠き(153)から屈曲体(158)が延在する。屈曲切り欠き(153)は、開放遠位先端(156)の関節運動中に、体(158)の屈曲を促進することができる。
【0052】
図7に最もよく見られるように、可撓ガイドシャフト部(154)はまた、外側スリーブ又はライナー(170)及び部分内部スリーブ又はライナー(180)も含む。以下でより詳細に説明するように、外側スリーブ(170)は、流体が間隙(159)を介して逃げることを抑制するために、弾性スパイン(151)の外部及び間隙(159)を画定する屈曲体(158)の線形アレイの周りに配設されており、それにより、吸引/灌注源(17)と開放遠位先端(156)との間の好適な流体連通を促進する。更に、以下でより詳細に説明するように、弾性スパイン(151)及び可撓体(158)によって画定される内部管腔(162)内に摺動可能に配設された作業要素を保護すること、並びに吸引/灌注源(17)と開放遠位先端(156)との間の好適な流体連通を促進することの両方のために、部分内部スリーブ(180)は、弾性スパイン(151)及び間隙(159)を画定する屈曲体(158)のアレイの内部に配設される。
【0053】
外側スリーブ(170)は、剛性ガイドシャフト部(152)の内部部分から延在する先端本体(160)まで延在する。外側スリーブ(170)は、内面(174)及び外面(176)を含む。内面(174)は、弾性スパイン(151)及び屈曲体(158)を収容するような大きさのチャネル(172)を画定する。本例では、外側スリーブ(170)は、内面(174)及び外面(176)の両方が、円周方向に連続しているような完成した環状形状を形成する。しかしながら、内面(174)及び外面(176)は、長手方向に延在する縁部で終端し得るので、このことは単なるオプションであり、それによって内面(174)が、以下に記載する部分内部スリーブ(180)のものと同様に間隙(159)及び屈曲切り欠き(153)を好適に覆う。
【0054】
上記の説明に従う開放遠位先端(156)の関節運動に対応するために、外側スリーブ(170)は、外側スリーブ(170)が屈曲体(158)と共に屈曲し得るような好適な可撓材料から形成される。加えて、外側スリーブ(170)の終端は、それぞれの剛性ガイドシャフト部(152)及び先端本体(160)と連結されて、チャネル(172)内に流体密シールを提供する。したがって、外側スリーブ(170)は、間隙(159)及び屈曲切り欠き(153)から空気/流体が逃げるのを防ぐために、間隙(159)及び屈曲切り欠き(153)を十分に覆う。外側スリーブ(170)は、流体が間隙(159)から逃げることも抑制しながら、屈曲体(158)の輪郭に適合し得、それにより、吸引/灌注源(17)と開放遠位先端(156)と間の好適な流体連通を促進する。
【0055】
部分内部スリーブ(180)は、遠位部分(182)と近位部分(184)との間に延在する。部分内部スリーブ(180)は、長手方向に延在するプッシュプルケーブル凹部(186)を画定する外面(188)、及び内面(190)を含む。(図11に最もよく見られるように)内面(190)及び外面(188)は、長手方向に延在するスリーブ縁部(192)間で角度的に延在し、一緒になって長手方向に延在する間隙(194)を画定する。言い換えれば、内面(190)及び外面(188)は、外側スリーブ(170)のように、完全な360度の角度範囲全体を通して、連続的に角度的に延在しないが、代わりに、長手方向に延在するスリーブ縁部(192)に終端する。言い換えれば、図10に最もよく見られるように、部分内部スリーブ(180)は、三日月形つまり「C」形状を有する。本明細書の教示を考慮して当業者には明らかであるように、表面(188、190)は、任意の好適なサイズの間隙(194)を画定するために、任意の好適な角度距離を延ばすことができる。場合によっては、部分内部スリーブ(180)は、間隙(159)が部分的に露出しているような内面屈曲体(158)の一部のみを覆うことができる。
【0056】
部分内部スリーブ(180)は、先端本体(160)並びに内部管腔(162)の内部に収容されており、それによって外面(188)は、先端本体(160)の内面並びに屈曲体(158)の内面と好適に接触している。外面(188)は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかなように、接着などの任意の好適な手段を通して、先端本体(160)の内面及び/又は屈曲体(158)の内面と十分に連結され得る。いくつかの例では、部分内部スリーブ(180)は、先端本体(160)又は屈曲体(158)に連結されていない。
【0057】
図9図10に最もよく見られるように、プッシュプルケーブル(34)が部分内部スリーブ(180)の外面(188)と屈曲体(158)の内面との間に挟まれ得るように、プッシュプルケーブル凹部(186)は、プッシュプルケーブル(34)を収容するような大きさである。図12に最もよく見られるように、部分内部スリーブ(180)の近位部分(184)は、本明細書の説明に従って、ハンドルアセンブリ(12)に向けて近位に延在するプッシュプルケーブル(34)に適応するために貫通穴(196)を画定する。場合によっては、プッシュプルケーブル(34)とプッシュプルケーブル凹部(186)との間にライナー材料を挟むことができる。場合によっては、プッシュプルケーブル(34)が内部スリーブ(180)と屈曲体(158)の内面との間に挟まれているときに、最初に凹部が形成されるように、外面(188)内に予め形成された凹部は、存在しない。
【0058】
プッシュプルケーブル(34)は、プッシュプルケーブル凹部(186)の隣接する部分又はライナー材料に接着され得る。しかしながら、プッシュプルケーブル(34)は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかであるように、任意の好適な手段を使用してプッシュプルケーブル凹部(186)の隣接する部分又はライナー材料と連結され得る。プッシュプルケーブル(34)を内部スリーブ(180)の外面(188)と接着又は他の方法で連結することは、(図3Bに示されるような)関節位置と(図3Aに示されるような)非関節位置との間を移行する可撓ガイドシャフト部(154)に起因した内部スリーブ(180)の歪み、又はそうでなければ変形を抑制し得る。
【0059】
図9図10に最もよく見られるように、長手方向に延在するスリーブ縁部(192)は、スリーブ縁部(192)が屈曲切り欠き(153)に隣接するように、内部管腔(162)内に長手方向に配設されている。更に、スリーブ縁部(192)は、長手方向に延在する間隙(194)が弾性スパイン(151)に直接隣接して延在するように、弾性スパイン(151)から横方向に離間されている。
【0060】
内部管腔(162)及び間隙(159)及び/又は屈曲切り欠き(153)間の望ましくない量の流体連通を十分に抑制するために、スリーブ縁部(192)を含む部分内部スリーブ(180)の端部を終端することにより、内部管腔(162)、剛性ガイドシャフト部(152)、及び先端本体(160)のそれぞれの部分と好適に連結することができる。したがって、部分内部スリーブ(180)は、望ましくない量の空気/流体が間隙(159)及び屈曲切り欠き(153)から逃げるのを防ぐために、間隙(159)及び屈曲切り欠き(153)を十分に覆うことができる。部分内部スリーブ(180)は、流体が間隙(159)から逃げることも阻止しながら、屈曲体(158)の輪郭に適合し得、それにより、吸引/灌注源(17)と開放遠位先端(156)と間の好適な流体連通を促進する。場合によっては、部分内部スリーブ(180)は、十分な量の空気/流体が逃げるのを防ぐことができ、それによって外側スリーブ(170)を省略することができる。更に他の例では、部分的な内部スリーブ(180)及び外側スリーブ(170)は、十分な量の空気/流体が逃げるのを防ぐために、協働し得る。更に他の例では、外側スリーブ(170)が、好適な量の空気/流体が逃げるのを防ぐように、部分内部スリーブ(180)が、望ましくない量の空気/流体が逃げるのを防ぐように構成することはできない。
【0061】
上記の説明に従う開放遠位先端(156)の関節運動に対応するために、部分内部スリーブ(180)は、部分内部スリーブ(180)が屈曲体(158)と共に屈曲し得るような好適な可撓材料から形成される。図10に最もよく示されるように、屈曲体(158)が関節構成に向かって曲がったまま、ガイドワイヤ(62)及び膨張可能なバルーン(78)が可撓ガイドシャフト部(154)から近位に取り外されるときに部分内部スリーブ(180)が内部管腔(162)内でそれ自体で潰れないように、長手方向に延在する間隙(194)は、横方向に適切な距離だけ延在する。関節構成にある間に、部分内部スリーブ(180)が内部管腔(162)内でそれ自体で潰れる場合、開放遠位先端(56)と吸引/灌注源(17)との間の流体連通は、不必要に中断/ブロックされ得る。内部管腔(162)内に収容されている内部スリーブ(180)がそれ自体で潰れる危険は、内部スリーブ(180)が、連続的に角度的に延在する場合(外部スリーブ(170)のように)、又は間隙(194)が十分に好適に広くない場合により大きくなり得る。したがって、内部スリーブ(180)は、連続的に角度的に延在しないので、部分内部スリーブ(180)は、関節構成にある間、それ自体で潰れることが抑制され得る。
【0062】
図9に最もよく見られるように、膨張可能なバルーン(78)の前進及び/又は後退中に、膨張可能なバルーン(78)を、間隙(159)を画定する可撓体(158)の一部に引っかかる又は接触することから保護するために、並びに開放遠位先端(156)の関節運動中に、膨張可能なバルーン(78)を、間隙(159)を画定する屈曲体(158)の一部によって挟まれることから保護するために、スリーブ(180)の内面(190)が、内部管腔(162)内に位置決めされる。したがって、部分内部スリーブ(180)は、本明細書の説明に従う、例示的な使用中に関節運動構成において、吸引/灌注源(17)がガイドカテーテルアセンブリ(50)の開放遠位先端(56)で吸引/灌注を提供することも可能にしながら、膨張可能なバルーン(78)を、望ましくない損傷から保護することができる。
【0063】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出における任意の時点で提示され得るいずれの特許請求の範囲の適用範囲も限定することを意図したものではないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、あくまでも例示的な目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方法で構成及び適用さてもよいことが企図される。また、いくつかの変形例では、以下の実施例において言及されるある特定の特徴を省略してよいことも企図される。したがって、発明者らによって又は発明者らの権利承継人によって、後日そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。いずれかの特許請求の範囲が、本出願において、又は以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0064】
(a)本体と、(b)本体から遠位に延在するガイド部材アセンブリであって、ガイド部材アセンブリは、(i)長手方向軸を画定する近位剛性部分と、(ii)遠位可撓性部分と、(iii)開放遠位端と、を備え、ガイド部材アセンブリは、管腔を画定し、管腔は、本体と開放遠位端との間で連通する、ガイド部材アセンブリと、(c)遠位可撓性部分に動作可能に連結された関節アセンブリであって、関節アセンブリは、直線構成と関節構成との間で長手方向軸に対して遠位可撓性部分及び開放遠位端を屈曲させるように構成されている、関節アセンブリと、(d)遠位可撓性部分によって画定された管腔の一部分内に配設された部分スリーブであって、部分スリーブは、長手方向に延在する間隙を画定する、部分スリーブと、を備える、カテーテルシステム。
【実施例2】
【0065】
部分スリーブが三日月形を含む、実施例1に記載のカテーテルシステム。
【実施例3】
【0066】
遠位可撓性部分が、弾性スパインを含む、実施例1~2のいずれか1つ以上に記載のカテーテルシステム。
【実施例4】
【0067】
長手方向に延在する間隙が、弾性スパインに直接隣接している、実施例3に記載のカテーテルシステム。
【実施例5】
【0068】
遠位可撓性部分は、可撓体のアレイを備え、隣接する可撓体は、直線構成と関節構成との間で屈曲する遠位可撓性部分に応答して寸法を変化させるように構成された調整可能な間隙を画定する、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載のカテーテルシステム。
【実施例6】
【0069】
部分スリーブが、可撓体によって画定された調整可能な間隙を覆う、実施例5に記載のカテーテルシステム。
【実施例7】
【0070】
管腔内に摺動可能に配設された作業要素を更に備える、実施例6に記載のカテーテルシステム。
【実施例8】
【0071】
作業要素が、膨張可能なバルーンを更に備える、実施例7に記載のカテーテルシステム。
【実施例9】
【0072】
内部スリーブが、可撓体によって画定された調整可能な間隙から膨張可能なバルーンをシールドするように構成され、位置決めされている、実施例8に記載のカテーテルシステム。
【実施例10】
【0073】
ガイド部材アセンブリの開放遠位先端と流体連通する吸引源又は灌注源を更に備える、実施例1~9のいずれか1つ以上に記載のカテーテルシステム。
【実施例11】
【0074】
遠位可撓性部分が、複数の調整可能な間隙を画定し、部分スリーブが、調整可能な間隙を十分に覆って、開放遠位先端と吸引源又は灌注源との間の流体連通を促進する、実施例10に記載のカテーテルシステム。
【実施例12】
【0075】
関節アセンブリが、プッシュプルケーブルを含む、実施例1~11のいずれか1つ以上に記載のカテーテルシステム。
【実施例13】
【0076】
部分スリーブが、プッシュプルケーブルを収容する、長手方向に延在する凹部を画定する、実施例12に記載のカテーテルシステム。
【実施例14】
【0077】
プッシュプルケーブルが、長手方向に延在する凹部と遠位可撓性部分の内面との間に挟まれている、実施例13に記載のカテーテルシステム。
【実施例15】
【0078】
プッシュプルケーブルと長手方向に延在する凹部との間に配設されたライナーを更に備える、実施例14に記載のカテーテルシステム。
【実施例16】
【0079】
プッシュプルケーブルが、部分スリーブと連結されている、実施例12~15のいずれか1つ以上に記載のカテーテルシステム。
【実施例17】
【0080】
遠位可撓性部分の外部に配設された外部スリーブを更に備える、実施例1~16のいずれか1つ以上に記載のカテーテルシステム。
【実施例18】
【0081】
(a)本体と、(b)本体から遠位に延在するガイド部材アセンブリであって、ガイド部材アセンブリは、(i)長手方向軸を画定する近位剛性部分と、(ii)長手方向に延在する弾性スパインと、複数の調整可能な間隙を画定する複数の屈曲体とを含む遠位可撓性部分と、(iii)開放遠位端と、を備え、ガイド部材アセンブリは、管腔を画定し、管腔は、本体と開放遠位端との間で連通する、ガイド部材アセンブリと、(c)遠位可撓性部分に動作可能に連結された関節アセンブリであって、関節アセンブリは、直線構成と関節構成との間で長手方向軸に対して遠位可撓性部分及び開放遠位端を屈曲させるように構成されている、関節アセンブリと、(d)遠位可撓性部分によって画定された管腔の一部分内に配設された部分スリーブであって、部分スリーブは、長手方向に延在する弾性スパインに隣接して延在する、長手方向に延在する間隙を画定する、部分スリーブと、を備える、カテーテルシステム。
【実施例19】
【0082】
部分スリーブが、複数の調整可能な間隙を覆う、実施例18に記載のカテーテルシステム。
【実施例20】
【0083】
(a)本体と、(b)本体から遠位に延在するガイド部材アセンブリであって、ガイド部材アセンブリは、(i)長手方向軸を画定する近位剛性部分と、(ii)遠位可撓性部分であって、遠位可撓性部分は、直線構成と関節構成との間で長手方向軸に対して遠位可撓性部分及び開放遠位端を屈曲させるように構成されており、直線構成において複数の間隙を画定する、遠位可撓性部分と、(iii)開放遠位端と、を備え、ガイド部材アセンブリは、管腔を画定し、管腔は、本体と開放遠位端との間で連通する、ガイド部材アセンブリと、(c)遠位可撓性部分内に配設された部分スリーブであって、部分スリーブは、長手方向に延在する間隙を画定し、直線構成において複数の間隙を覆う、部分スリーブと、を備える、カテーテルシステム。
【0084】
IV.その他
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、様々な他の特徴部を含み得ることを理解されたい。単に一例として、本明細書に記載の実施例のいずれも、参照により本明細書に組み込まれている様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴部のうちの1つ以上を含むことができる。
【0085】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0086】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0087】
本明細書に開示される装置の変形形態は、1回の使用後に処分されるように設計するか又は複数回使用されるように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置の変形形態は、分解することができ、かつ、装置の任意の数の特定の部品若しくは部分を、任意の組み合わせにおいて選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部分を洗浄時及び/又は交換時に、装置の変形形態は、再調整用の施設において、又は外科手技の直前に外科チームによってのどちらかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。そのような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、すべて本出願の範囲内にある。
【0088】
単に一例として、本明細書に記載の変形形態は、手術前に処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、手術設備で開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0089】
本発明の様々なバージョンについて図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。このような可能な修正のうちのいくつかについて述べたが、その他の修正が当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0090】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルシステムであって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延在するガイド部材アセンブリであって、前記ガイド部材アセンブリは、
(i)長手方向軸を画定する近位剛性部分と、
(ii)遠位可撓性部分と、
(iii)開放遠位端と、を備え、
前記ガイド部材アセンブリは、管腔を画定し、前記管腔は、前記本体と前記開放遠位端との間で連通する、ガイド部材アセンブリと、
(c)前記遠位可撓性部分に動作可能に連結された関節アセンブリであって、前記関節アセンブリは、直線構成と関節構成との間で前記長手方向軸に対して前記遠位可撓性部分及び前記開放遠位端を屈曲させるように構成されている、関節アセンブリと、
(d)前記遠位可撓性部分によって画定された前記管腔の一部分内に配設された部分スリーブであって、前記部分スリーブは、長手方向に延在する間隙を画定する、部分スリーブと、を備える、カテーテルシステム。
(2) 前記部分スリーブが三日月形を含む、実施態様1に記載のカテーテルシステム。
(3) 前記遠位可撓性部分が、弾性スパインを含む、実施態様1に記載のカテーテルシステム。
(4) 前記長手方向に延在する間隙が、前記弾性スパインに直接隣接している、実施態様3に記載のカテーテルシステム。
(5) 前記遠位可撓性部分は、可撓体のアレイを備え、隣接する可撓体は、前記直線構成と前記関節構成との間で屈曲する前記遠位可撓性部分に応答して寸法を変化させるように構成された調整可能な間隙を画定する、実施態様1に記載のカテーテルシステム。
【0091】
(6) 前記部分スリーブが、前記可撓体によって画定された前記調整可能な間隙を覆う、実施態様5に記載のカテーテルシステム。
(7) 前記管腔内に摺動可能に配設された作業要素を更に備える、実施態様6に記載のカテーテルシステム。
(8) 前記作業要素が、膨張可能なバルーンを更に備える、実施態様7に記載のカテーテルシステム。
(9) 前記内部スリーブが、前記可撓体によって画定された前記調整可能な間隙から前記膨張可能なバルーンをシールドするように構成され、位置決めされている、実施態様8に記載のカテーテルシステム。
(10) 前記ガイド部材アセンブリの前記開放遠位先端と流体連通する吸引源又は灌注源を更に備える、実施態様1に記載のカテーテルシステム。
【0092】
(11) 前記遠位可撓性部分が、複数の調整可能な間隙を画定し、前記部分スリーブが、前記調整可能な間隙を十分に覆って、前記開放遠位先端と前記吸引源又は前記灌注源との間の流体連通を促進する、実施態様10に記載のカテーテルシステム。
(12) 前記関節アセンブリが、プッシュプルケーブルを含む、実施態様1に記載のカテーテルシステム。
(13) 前記部分スリーブが、前記プッシュプルケーブルを収容する、長手方向に延在する凹部を画定する、実施態様12に記載のカテーテルシステム。
(14) 前記プッシュプルケーブルが、前記長手方向に延在する凹部と前記遠位可撓性部分の内面との間に挟まれている、実施態様13に記載のカテーテルシステム。
(15) 前記プッシュプルケーブルと前記長手方向に延在する凹部との間に配設されたライナーを更に備える、実施態様14に記載のカテーテルシステム。
【0093】
(16) 前記プッシュプルケーブルが、前記部分スリーブと連結されている、実施態様12に記載のカテーテルシステム。
(17) 前記遠位可撓性部分の外部に配設された外部スリーブを更に備える、実施態様1に記載のカテーテルシステム。
(18) カテーテルシステムであって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延在するガイド部材アセンブリであって、前記ガイド部材アセンブリは、
(i)長手方向軸を画定する近位剛性部分と、
(ii)長手方向に延在する弾性スパインと、複数の調整可能な間隙を画定する複数の屈曲体と、を含む遠位可撓性部分と、
(iii)開放遠位端と、を備え、
前記ガイド部材アセンブリは、管腔を画定し、前記管腔は、前記本体と前記開放遠位端との間で連通する、ガイド部材アセンブリと、
(c)前記遠位可撓性部分に動作可能に連結された関節アセンブリであって、前記関節アセンブリは、直線構成と関節構成との間で前記長手方向軸に対して前記遠位可撓性部分及び前記開放遠位端を屈曲させるように構成されている、関節アセンブリと、
(d)前記遠位可撓性部分によって画定された前記管腔の一部分内に配設された部分スリーブであって、前記部分スリーブは、前記長手方向に延在する弾性スパインに隣接して延在する、長手方向に延在する間隙を画定する、部分スリーブと、を備える、カテーテルシステム。
(19) 前記部分スリーブが、前記複数の調整可能な間隙を覆う、実施態様18に記載のカテーテルシステム。
(20) カテーテルシステムであって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延在するガイド部材アセンブリであって、前記ガイド部材アセンブリは、
(i)長手方向軸を画定する近位剛性部分と、
(ii)遠位可撓性部分であって、前記遠位可撓性部分は、直線構成と関節構成との間で前記長手方向軸に対して前記遠位可撓性部分及び前記開放遠位端を屈曲させるように構成されており、前記直線構成において複数の間隙を画定する、遠位可撓性部分と、
(iii)開放遠位端と、を備え、前記ガイド部材アセンブリは、管腔を画定し、前記管腔は、前記本体と前記開放遠位端との間で連通する、ガイド部材アセンブリと、
(c)前記遠位可撓性部分内に配設された部分スリーブであって、前記部分スリーブは、長手方向に延在する間隙を画定し、前記直線構成において前記複数の間隙を覆う、部分スリーブと、を備える、カテーテルシステム。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12