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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】洗浄製品
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20240819BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20240819BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20240819BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20240819BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240819BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240819BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20240819BHJP
【FI】
C11D17/04
C11D1/68
C11D1/75
C11D1/90
C11D1/72
C11D3/20
C11D3/43
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022534390
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 US2020064152
(87)【国際公開番号】W WO2021126643
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】19216769.0
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】キューレールス、ロビー・レニルド・フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ロスマニーノ、ロクサーヌ
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-105309(JP,A)
【文献】特開2019-104838(JP,A)
【文献】特開2016-199494(JP,A)
【文献】特開2015-127396(JP,A)
【文献】特開2003-096493(JP,A)
【文献】特開2003-238991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
A61K8/00
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む食器洗浄製品であって、前記組成物は前記スプレーディスペンサーに収容されており、前記洗浄組成物が、
a.前記組成物の5重量%~25重量%の界面活性剤系であって、
i.前記組成物の2.0重量%~12重量%のアルキルポリグルコシド界面活性剤、
ii.両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤、及び
iii.前記洗浄組成物の2重量%未満のアニオン性界面活性剤、を含み、
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤及び前記補助界面活性剤が、10:1~1:2の重量比で存在する、界面活性剤系と、
b.前記組成物の0.1重量%~10重量%の有機溶媒と、を含み、
前記洗浄組成物は酢酸を含まない、食器洗浄製品。
【請求項2】
前記組成物が、前記組成物の10重量%~20重量%の前記界面活性剤系を含む、請求項1に記載の食器洗浄製品。
【請求項3】
前記洗浄組成物が、前記組成物の2.5重量%~10重量%の濃度の前記アルキルポリグルコシドを含む、請求項1又は2に記載の食器洗浄製品。
【請求項4】
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、C8~C18のアルキル鎖を含み、前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、0.1~3.0の数平均重合度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項5】
前記洗浄組成物が、前記組成物の0.5重量%~5.0重量%の前記補助界面活性剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項6】
前記補助界面活性剤が、アミンオキシド界面活性剤から選択される両性界面活性剤である、請求項1~5のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項7】
前記補助界面活性剤が、ベタイン界面活性剤から選択される双性イオン性界面活性剤である、請求項1~5のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項8】
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤及び前記補助界面活性剤が、1:1超~10:1の重量比で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項9】
前記界面活性剤系が、更なる非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項10】
前記更なる非イオン性界面活性剤が、アルキルエトキシレート界面活性剤である、請求項9に記載の食器洗浄製品。
【請求項11】
前記界面活性剤系が、前記洗浄組成物の1重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項12】
前記組成物が、前記組成物の1.0重量%~8.0重量%の前記有機溶媒を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項13】
前記有機溶媒が、グリコールエーテル溶媒、アルコール溶媒、エステル溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項14】
界面活性剤系及び前記有機溶媒が、5:1~1:5の重量比で存在する、請求項1~13のいずれか一項に記載の食器洗浄製品。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の食器洗浄製品を使用して食器を洗浄する方法であって、
a)任意に、前記食器を予め濡らす工程と、
b)前記洗浄組成物を前記食器に噴霧する工程と、
c)任意に、前記食器を擦り洗いする工程と、
d)前記食器をすすぐ工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶質グリースの改善された洗浄及び良好な初期泡立ちを提供する、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の食器手洗いは、シンクに水を溜め、食器洗浄洗剤を添加して石鹸溶液を作製し、汚れた物品を溶液に浸漬し、物品を擦り洗いし、すすぎ洗いにより、洗浄された物品から残りの汚れを除去しかつ石鹸溶液から生じた泡を除去することによって実施されていた。従来では、大抵の場合、汚れた食器をまとめて一度に洗浄していた。現在、一部のユーザーは、食器がたまるまで待つのではなく、使い終わったらできるだけ早く物品を洗浄することを好む。したがって、この場合一度に洗う物品は1つ又は少量となる。洗浄は、通常、満杯のシンクではなく流水下で実施される。洗浄は、速やかに行わなければならず、ユーザーの労力を最小限にするものでなければならない。水道蛇口の下でのこのような洗浄では、ユーザーは典型的には、洗剤をスポンジに付ける。これには、特に、洗浄される物品の数が少ない場合に、実際に必要とされるよりも多くの洗剤を分配することが多いという欠点がある。更に、過剰な量の洗剤は、すすぐのにより多くの水とより長い時間を必要とする。
【0003】
スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品の使用は、このような問題を軽減する。しかしながら、噴霧後の良好な初期泡立ち、及び除去するのが難しい脂っぽい汚れの洗浄の両方が得られるスプレー製品用の洗浄組成物を配合することは依然として困難である。しばしば「瞬間的(flash)」泡立ちと呼ばれる初期泡立ちは、良好な洗浄効果を有するという暗示的意味をユーザーに伝えるために重要である。
【0004】
特に除去するのが困難なグリース状汚れには、例えば、室温で固体である動物性脂肪などのグリースといった、結晶質グリースがある。典型的には、このような結晶質グリースの良好な除去には、高濃度の洗剤組成物がより長い持続時間にわたって適用されることが必要とされ、例えば、食器を洗剤に浸漬して、結晶質グリースを軟化させて除去を補助する。しかしながら、そのような浸漬時間が必要になると、食器を洗浄するのに必要な時間が長くなり、ユーザーの満足度が低くなる。
【0005】
したがって、結晶質グリースの改善された洗浄及び良好な初期泡立ちを提供し、これにより食器を洗浄する時間を短縮する、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品が依然として必要とされている。
【0006】
欧州特許第3118301(B1)号は、洗浄製品に関し、具体的には、食器洗浄をより容易かつ迅速になすためのスプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品に関する。特開2016198765号は、食卓用食器類の高起泡洗浄方法に関し、特に、手が届きにくい又は手が届かない食器の部分から油を除去するための、高起泡洗浄方法に関する。国際公開第2017204149(A1)号は、食卓用食器を含む硬質表面に付着した、固体脂肪を含有する油汚れに対する優れた洗浄性を示す洗剤組成物に関し、この洗剤組成物は、スプレーを介して硬質表面に適用され得る。国際公開第2017204148(A1)号は、機械的力を適用することなく食卓用食器を洗浄するための方法に関するものであり、この方法は、1質量%以上の界面活性剤、1質量%以上のキレート剤、及び水を含有する液体洗剤組成物を、固体脂肪汚れなどの油汚れを有する食卓用食器に接触させることにより行われ、この界面活性剤とキレート剤の質量比は0.25以上であり、この液体洗剤組成物は25℃で0.70S/m以上の導電率を有する。特開2017210577(A)号は、優れた低温安定性を有し、分岐鎖アニオン界面活性剤、2~12個の炭素原子を有するグリコール溶媒、及び水を含有する液体洗剤組成物を、スポンジなどの可撓性材料で擦ることなく、また例えば、スプレーを介して適用することによって、機械的力を適用せずとも食卓用食器類の表面に付着した固体脂肪を含む油汚れを十分に洗浄することができる食卓用食器用液体洗剤組成物に関する。特開2017210576(A)号は、プラスチック硬質表面に付着した固体脂肪を含む油汚れに対する優れた洗浄性を有する、食卓用食器を含む硬質表面用液体洗剤組成物と、その組成物を使用して硬質表面を洗浄するための方法に関し、この組成物は、スルホコハク酸エステル又はその塩、炭素原子が8個以上21個以下の炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基と、を含むアニオン性界面活性剤、特定の非イオン性界面活性剤、及び水を含む。国際公開第2017110773(A)号は、油汚れに対する優れた洗浄性を有する、食卓用食器類を含む食器手洗い用液体洗剤組成物に関し、この組成物は、スルホコハク酸エステル又はその塩、8~21個の炭素原子を有する炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基と、を有する更なるアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び水を含む。国際公開第2016110827(A1)号は、乳又は液体乳由来製品のための容器を洗浄するための、スプレーとして適用することができる洗剤溶液に関し、この洗剤溶液は、水、1種以上の界面活性剤、及び臭気吸着化合物を含み、界面活性剤は、乳由来のグリース状の残留物を容器から溶解し、臭気吸着化合物は、界面活性剤によって除去されずに残存している乳由来の残留物から生じる臭気を中和する。国際公開第2017011191(A1)号は、スプレーディスペンサーと、スプレーディスペンサーに収容された洗浄組成物と、を含む洗浄製品に関し、この組成物は、組成物の5重量%~15重量%の界面活性剤系を含み、この界面活性剤組成物は、ii.界面活性剤系の40重量%~90重量%の非イオン性界面活性剤と、界面活性剤系の10~60重量%のアニオン性、両性、双性イオン性、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤と、グリコールエーテル溶媒と、を含む。米国特許出願公開第2007/0179079(A)号及び同第2006/0009369(A)号は、カチオン性殺生物剤を含み、様々な硬質表面を洗浄するように適合された洗浄組成物に関し、当該洗浄組成物は、含浸された材料を介して適用され得るか、又は容器から液体として、又は容器から液晶、粉末、ペースト、若しくは他の半固体若しくは固体形態として、分配又は噴霧され得る。米国特許出願公開第20190055500(A)号は、抗菌剤の濃度が低くても良好な抗菌効果を提供し、同時に表面光沢も改善する、抗菌性硬質表面洗浄組成物に関する。米国特許出願公開第20100160201(A)号は、疎水性合成(syndetic)、親水性合成(syndetic)、及びビグアニド又はカチオン性第四級アンモニウム塩を含有する、限られた数の天然成分を有する洗浄組成物に関し、当該洗浄組成物は、洗濯、軟質表面、及び硬質表面を洗浄するために使用され得る。米国特許出願公開第20180002636(A)号は、乳又は乳由来液体製品の容器を洗浄するための清浄液に関し、当該清浄液は、水と、1つ以上のタイプの界面活性剤と、臭気吸収化合物と、を含み、界面活性剤は、容器から乳系の脂っこい残留物を溶解するために提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州特許第3118301(B1)号
【文献】特開2016198765号
【文献】国際公開第2017204149(A1)号
【文献】国際公開第2017204148(A1)号
【文献】特開2017210577(A)号
【文献】特開2017210576(A)号
【文献】国際公開第2017110773(A)号
【文献】国際公開第2016110827(A1)号
【文献】国際公開第2017011191(A1)号
【文献】米国特許出願公開第2007/0179079(A)号
【文献】米国特許出願公開第2006/0009369(A)号
【文献】米国特許出願公開第20190055500(A)号
【文献】米国特許出願公開第20100160201(A)号
【文献】米国特許出願公開第20180002636(A)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品に関し、組成物はスプレーディスペンサーに収容されており、洗浄組成物は、組成物の5重量%~25重量%の界面活性剤系であって、アルキルポリグルコシド界面活性剤と、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤と、を含み、アルキルポリグルコシド界面活性剤及び補助界面活性剤が、10:1~1:2の重量比で存在する、界面活性剤系と、組成物の0.1重量%~10重量%の有機溶媒と、を含む。
【0009】
本発明は更に、汚れた食器を、本発明による製品を用いて洗浄する方法に関し、方法は、任意に、汚れた食器を予め濡らす工程と、洗浄組成物を汚れた食器に噴霧する工程と、任意に、食器を擦り洗いする工程と、食器をすすぐ工程と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
結晶質グリースの改善された洗浄及び良好な初期泡立ちを提供する、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品の必要性は、存在させるアニオン性界面活性剤の量を制限しながら、アルキルポリグルコシド界面活性剤と、両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤である補助界面活性剤と、を含む、界面活性剤系を有機溶媒と組み合わせて有する洗浄組成物を配合することによって充足される。このような洗浄組成物は、結晶質グリースの軟化をより良好に改善し、したがって、処理される食器物品からのその除去を助けることが見出されている。更に、この洗剤組成物はスプレー容器に含まれているため、主洗浄工程前の前処理工程の一部として、結晶質グリースを更に緩めるために、組成物を物品の表面に均一に適用し、一定時間放置することができる。両性及び/又は双性イオン性界面活性剤と組み合わせたアルキルポリグルコシド界面活性剤を含む本発明による界面活性剤系はまた、良好な初期泡立ちを提供することが見出されている。アニオン性界面活性剤は強力な界面活性剤ミセルを形成し、これにより初期起泡形成を阻害する傾向があることから、アニオン性界面活性剤の量を制限するか、又は更により好ましくは回避することによって、初期起泡が改善されると考えられる。
【0011】
本発明は、食器手洗い用洗浄製品である洗浄製品に関し、この製品は、スプレーディスペンサーと洗浄組成物とを含む。この洗浄組成物は、スプレーディスペンサーに収容されている。
【0012】
本発明の目的のために、「食器」は、調理するために用いられるか又は食品を給仕し、食すために用いられる物品を全て包含する。
【0013】
「スプレーディスペンサー」とは、本明細書では、組成物を収容するための筐体とその組成物を噴霧するための手段とを含む容器を意味する。好ましい噴霧手段は、トリガースプレーである。本発明で使用する組成物は、処理される表面上に噴霧されるときに泡立つ。
【0014】
洗浄組成物:
洗浄組成物は、好ましくは、食器手洗い用洗浄組成物であり、好ましくは液体形態である。この洗浄組成物は噴霧に好適である。
【0015】
この組成物のpHは、20℃で未希釈で測定した場合、好ましくは8超であり、より好ましくは10~12であり、最も好ましくは10.5~11.5である。この組成物は、本明細書に記述されるように測定した場合、好ましくは予備アルカリ度(reserve alkalinity)が0.1~1であり、より好ましくは0.1~0.5である。このpH及び予備アルカリ度は、更に、頑固な食品汚れの洗浄に寄与する。
【0016】
本発明による洗浄製品は、本明細書で定義される方法を使用して測定した場合、20℃で、例えば1mPa・s~50mPa・s、好ましくは1mPa・s~20mPa・s、より好ましくは1mPa・s~10mPa・sのニュートン粘度を有する組成物を含み得る。
【0017】
あるいは、本発明による洗浄製品は、ずり減粘レオロジープロファイルを有する組成物を含むことができ、例えば、20℃で1000s-1の剪断速度で測定したとき、1mPa・s~50mPa・s、好ましくは1mPa・s~20mPa・s、より好ましくは5mPa・s~15mPa・sの高剪断粘度を有することができ、更に、本明細書に定義される方法を使用して、20℃で0.1s-1で測定したとき、100mPa・s~1,000mPa・s、好ましくは200mPa・s~500mPa・sの低剪断粘度を有する。
【0018】
好ましくは、本発明で使用する洗浄組成物は、あるニュートン粘度を有する。
【0019】
この液体洗浄組成物は典型的には、他の全ての活性成分が溶解又は最終的に分散される水性担体を含む。その際、水は、組成物の60重量%~90重量%、好ましくは75重量%~85重量%の量で存在し得る。
【0020】
界面活性剤系:
この組成物は、5重量%~25重量%、好ましくは7重量%~20重量%、より好ましくは8重量%~15重量%の界面活性剤系を含む。この界面活性剤系は、アルキルポリグルコシド界面活性剤を含む。この界面活性剤系は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは両性界面活性剤から選択され、より好ましくはアミンオキシド界面活性剤から選択される、補助界面活性剤を含む。アルキルポリグルコシド界面活性剤及び補助界面活性剤は、10:1~1:2、好ましくは5:1~1:1.5、最も好ましくは3:1~1:1の重量比で存在する。
【0021】
この界面活性剤系は、液体洗剤組成物の3重量%未満、好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満のアニオン性界面活性剤を含み、最も好ましくはアニオン性界面活性剤を含まない。
【0022】
アルキルポリグルコシド界面活性剤:
当f界面活性剤系は、好ましくは、組成物の2.0重量%~12重量%、好ましくは2.5重量%~10重量%、より好ましくは3.0重量%~7.5重量%の濃度のアルキルポリグルコシド(「APG」)を含む。
【0023】
結晶質グリースの除去の改善を目的として、アルキルポリグルコシド界面活性剤は、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、最も好ましくは1.2~1.6の平均重合度で、8~18、好ましくは10~16、最も好ましくは12~14の数平均アルキル炭素鎖長を有し得る。
【0024】
初期泡立ちを改善するために、アルキルポリグルコシド界面活性剤は、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、最も好ましくは1.2~1.6の平均重合度で、8~18、好ましくは8~14、最も好ましくは8~10の数平均アルキル炭素鎖長を有する。
【0025】
C8~C18アルキルポリグルコシドは、いくつかの供給元から市販されている(例えば、Seppic CorporationからのSimusol(登録商標)界面活性剤;及びBASF CorporationからのGlucopon(登録商標)600CSUP、Glucopon(登録商標)650EC、Glucopon(登録商標)600CSUP/MB、並びにGlucopon(登録商標)650EC/MB)。
【0026】
補助界面活性剤:
この補助界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。この洗剤組成物は、組成物の0.5~5.0重量%、好ましくは1.0重量%~4.5重量%、より好ましくは2.0重量%~4.0重量%の濃度の補助界面活性剤を含むことができる。
【0027】
両性界面活性剤:
前述したように、アミンオキシド界面活性剤は、補助界面活性剤としての使用に好ましい。アミンオキシド界面活性剤は、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよいが、直鎖状が好ましい。好適な直鎖状アミンオキシドは、典型的には、水溶性であり、式R1-N(R2)(R3)O(式中、R1は、C8~18アルキルであり、R2及びR3部分は、C1~3アルキル基、C1~3ヒドロキシアルキル基、及びこれらの混合物からなる群から選択される)によって特徴付けられる。例えば、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピル、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができるが、R2及びR3の一方又は両方がメチルであることが好ましい。直鎖状アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖状C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0028】
好ましくは、アミンオキシド界面活性剤は、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。C8~18アルキルジメチルアミンオキシド、又はC10~16アルキルジメチルアミンオキシド(ココジメチルアミンオキシドなど)などのアルキルジメチルアミンオキシドが好ましい。好適なアルキルジメチルアミンオキシドとしては、C10アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C10~12アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C12~C14アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。
【0029】
代替的な好適なアミンオキシド界面活性剤としては、中分岐鎖状アミンオキシド界面活性剤が挙げられる。本明細書で使用する場合、「中分岐鎖状」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、アルキル部分における1つのアルキル分岐は、n2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分岐は、アルキル部分上の窒素からα炭素上に位置する。アミンオキシドのこの種の分岐は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても既知である。n1とn2との合計は、10~24個、好ましくは12~20個、より好ましくは10~16個の炭素原子であってもよい。1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、好ましくは、1つのアルキル分岐(n2)と炭素原子数が同じか又は類似しており、それによりその1つのアルキル部分とその1つのアルキル分岐とが対称となるようになっている。本明細書で使用する場合、「対称」とは、本明細書で使用される中分岐鎖状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%~100重量%において、|n1-n2|が5個以下、好ましくは4個、最も好ましくは0~4個の炭素原子であることを意味する。アミンオキシドは、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル基、又は平均約1~約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、それらの2つの部分は、C1~3アルキルから選択され、より好ましくは、いずれもがC1アルキルとして選択される。
【0030】
代替的に、アミンオキシド界面活性剤は、ローカットアミンオキシド及びミッドカットアミンオキシドの混合物を含む、アミンオキシドの混合物であってもよい。それゆえ、本発明の組成物のアミンオキシドは、
a)当該アミンオキシドの重量に基づいて、約10重量%~約45重量%の式R1R2R3AO(式中、R1及びR2は、独立して、水素、C1~C4アルキル、又はこれらの混合物から選択され、R3は、C10アルキル及びこれらの混合物から選択される)のローカットアミンオキシドと、
b)アミンオキシドの55重量%~90重量%の式R4R5R6AO(式中、R4及びR5は、独立して、水素、C1~C4のアルキル、又はこれらの混合物から選択され、R6は、C12~C16のアルキル又はこれらの混合物から選択される)であるミッドカットアミンオキシドと、を含むことができる。
【0031】
本明細書での使用に好ましいローカットアミンオキシドでは、R3はn-デシルであり、好ましくはR1及びR2の両方がメチルである。式R4R5R6AOのミッドカットアミンオキシドでは、好ましくはR4及びR5の両方がメチルである。
【0032】
好ましくはアミンオキシドは、アミンオキシドの重量に基づいて、約5重量%未満、より好ましくは3重量%未満の式R7R8R9AO(式中、R7及びR8は水素、C1~C4のアルキル及びこれらの混合物から選択され、R9はC8のアルキル及びこれらの混合物から選択される)のアミンオキシドを含む。式R7R8R9AOのアミンオキシドの量を制限することにより、物理的安定性及び泡持続性の両方が改善される。
【0033】
双性イオン性界面活性剤:
本発明の組成物では、補助界面活性剤として双性イオン性界面活性剤を使用することにより、重合した又は「焼け付いた」グリースの除去を改善することが見出されている。好適な双性イオン性界面活性剤としては、ベタイン界面活性剤が挙げられる。このようなベタイン界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、及びホスホベタインが挙げられ、かかる界面活性剤は好ましくは式(II)を満たす:
-[CO-X(CH-N(R)(R)-(CH-[CH(OH)-CH-Y
式(II)中、
R1は、飽和又は不飽和のC6~22アルキル残基、好ましくは、C8~18アルキル残基、より好ましくは、飽和C10~16アルキル残基、最も好ましくは、飽和C12~14アルキル残基からなる群から選択され、
Xは、NH、NR4(式中、R4は、C1~4アルキル残基である)、O、及びSからなる群から選択され、
nは、1~10、好ましくは2~5、より好ましくは3の整数であり、
xは、0又は1、好ましくは1であり、
R2及びR3は、独立して、C1~4アルキル残基、ヒドロキシエチルなどの置換されているヒドロキシ、及びこれらの混合からなる群から選択され、好ましくは、R2及びR3の両方がメチルであり、
mは、1~4の整数、好ましくは1、2、又は3の整数であり、
yは、0又は1であり、
Yは、COO、SO3、OPO(OR5)O、又はP(O)(OR5)O(式中、R5は、H又はC1~4アルキル残基である)からなる群から選択される)。
【0034】
好ましいベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドプロピルベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインであり:
【0035】
【化1】
式中、R1は、式(II)と同じ意味を有する。特に好ましいのは、式(Ia)及び(Ib)のカルボベタイン[すなわち、式(II)中、Y-はCOO-である]であり、より好ましいのは、式(Ib)のアルキルアミドベタインである。
【0036】
好適なベタインは、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、セチルベタイン、セチルアミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、デシルベタイン、デシルアミドプロピルベタイン、水素添加タローベタイン/アミドプロピルベタイン、イソステアルアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアドプロピルベタイン、オレイルベタイン、パームアミドプロピルベタイン、パルミトアミドプロピルベタイン、パーム核アミドプロピルベタイン、ステアルアミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、ウンデシルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができるか、又は[INCIに従って命名される]。好ましいベタインは、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。コカミドプロピルベタインが特に好ましい。
【0037】
アニオン性界面活性剤:
この洗剤組成物がアニオン性界面活性剤を含む場合、好適なアニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に一般に8~22個の炭素原子又は一般に8~18個の炭素原子を含有する有機疎水性基と、水溶性化合物を形成するよう好ましくはスルホネート、サルフェート、及びカルボキシレートから選択される少なくとも1つの水溶性基と、を含有する界面活性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。通常、疎水性基は、直鎖又は分岐鎖のC8~C22アルキル又はアシル基を含む。このような界面活性剤は、水溶性塩の形態で使用され、塩形成カチオンは、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、及びモノ-、ジ-又はトリ-アルカノールアンモニウムから選択され、通常選択されるカチオンはナトリウムである。
【0038】
アニオン性界面活性剤は、本発明で使用する組成物には好ましくないため、この界面活性剤系は、3重量%未満、好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む。最も好ましくは、本発明による洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤を含まない。
【0039】
更なる非イオン性界面活性剤:
この界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を更に含み得る。存在する場合、この界面活性剤系は、組成物の0.5重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~5.0重量%、より好ましくは1.5重量%~3.0重量%の更なる非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0040】
好適な更なる非イオン性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤、より好ましくはエトキシル化非イオン性界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールと1~25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。この脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。
【0041】
この更なる非イオン性界面活性剤は、好ましくは、ローカットアルキルエトキシレート界面活性剤である。ローカットアルコールエトキシレート界面活性剤としては、平均アルキル炭素鎖長がC10以下であるアルコールエトキシレート界面活性剤が挙げられる。より好ましくは、このアルキルエトキシレート界面活性剤は、C5~C8、好ましくはC5~C7の平均アルキル鎖長、及び1~10、好ましくは3~8、より好ましくは4~6の数平均エトキシル化度を有する。好適な非イオン性アルコールエトキシレート界面活性剤としては、Emulan(登録商標)HE50又はLutensol(登録商標)CS6250(BASFから入手可能)などの市販の材料が挙げられる。
【0042】
本明細書で使用するための他の好適な非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、脂肪酸グルカミド、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0043】
最も好ましくは、この界面活性剤系は前述のように、アルキルポリグルコシド界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びアルキルエトキシレート界面活性剤、特にローカットアルコールエトキシレート界面活性剤からなる。
【0044】
最も好ましくは、この界面活性剤系は、i)好ましくは12~14の平均アルキル鎖長及び1.2~1.6の平均重合度を有する3.0~7.5%のアルキルポリグルコシド界面活性剤、ii)2.0~4.0%のアミンオキシド界面活性剤、好ましくはC12~C14ジメチルアミンオキシド界面活性剤、及びiii)好ましくはC5~C7の平均アルキル鎖長及び4~6の数平均エトキシル化度を有する、1.5%~6.0%のローカットアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤、からなる。
【0045】
他の界面活性剤:
本発明で使用する組成物は、好ましくはカチオン性界面活性剤を含まず、特に抗菌性カチオン性界面活性剤を含まない。その理由は、そのような界面活性剤は典型的に、グリース洗浄及び表面光沢に有害であるためである。このような抗菌性カチオン性界面活性剤としては、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物などの、第四級アンモニウム化合物が挙げられる。
【0046】
有機溶媒:
結晶質グリースの浸透及び除去を改善するために、この組成物は有機溶媒を含む。好適な有機溶媒は、グリコールエーテル溶媒、アルコール溶媒、エステル溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択することができ、グリコールエーテル溶媒は、結晶質グリースを除去するためにアルキルポリグルコシドと組み合わせて使用されるときに特に有効であり、泡立ちも改善することができるため、好ましい。
【0047】
この界面活性剤系と有機溶媒は、好ましくは5:1~1:5、好ましくは4:1~1:2、最も好ましくは3:1~1:1の重量比である。界面活性剤系と有機溶媒とのこのような重量比を有する、本発明において使用する組成物は、過剰噴霧(空気中に分散されたまま残存する残留噴霧液滴)を最小限に抑えつつ、改善された食器被覆を提供することが見出されている。したがって、このような噴霧組成物は、無駄を低減し、吸入され得る噴霧液滴の量を最小限にする。界面活性剤:溶媒の重量比が1:5未満である組成物は、泡立ちが少なく、かつ/又は経時的に相分離する傾向がより大きいことが見出されている。界面活性剤:溶媒の重量比が5:1よりも高い組成物は、典型的には噴霧がより難しく、汚れが最初に濡らされていない場合、グリース状の汚れに噴霧するとよりゲル化しやすい。このようなゲル形成は、グリース状表面への組成物の拡散を阻害し、したがって、洗浄が不十分になる。
【0048】
好適なグリコールエーテル溶媒は、以下からなる群から選択することができる:
a)式I:R1O(R2O)nR3
R1は直鎖若しくは分岐鎖のC4、C5若しくはC6アルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、R2はエチル又はイソプロピルであり、R3は水素又はメチルであり、nは1、2又は3である。
b)式II:R4O(R5O)nR6
R4はn-プロピル又はイソプロピルであり、R5はイソプロピルであり、R6は水素又はメチルであり、nは、1、2又は3である。
c)これらの混合物
【0049】
好適なアルコール溶媒は、C4~C6直鎖モノアルコール、1つ以上のC1~C4分岐基を有する分岐鎖C4~C10モノアルコール、アルキルモノグリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0050】
好適なエステル溶媒は、以下のグリコールエーテルからなる群から選択することができる:
a)式R1C=OOR2を有するモノエステル
式中、R1は直鎖又は分岐鎖のC1~C4アルキルであり、R2は直鎖又は分岐鎖のC2~C8アルキルである。
b)式R1(C=OOR2)nを有するジ-又はトリ-エステル
R1は飽和又は不飽和のC2~C4アルキルであり、R2は、直鎖又は分岐鎖のC2~C8アルキルから独立に選択され、nは2又は3である。
c)安息香酸ベンジル、並びに
d)これらの混合物。
【0051】
当該組成物は、組成物全体の0.1重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~8.0重量%、より好ましくは3.0重量%~7.0重量%の有機溶媒を含む。
【0052】
この界面活性剤系と有機溶媒は、5:1~1:5、好ましくは4:1~1:2、最も好ましくは3:1~1:1の重量比であり得る。
【0053】
好適なグリコールエーテル溶媒は、式I、式II、及びこれらの混合物のグリコールエーテルから選択することができる。
a)式I=R1O(R2O)nR3
(式中、
R1は直鎖又は分岐鎖のC4、C5又はC6アルキル、置換又は非置換フェニルであり、好ましくはn-ブチルである。ベンジルは、本明細書に用いるための置換フェニルのうちの1つである。
R2はエチル又はイソプロピル、好ましくはイソプロピルであり、
R3は水素又はメチル、好ましくは水素であり、
nは1、2又は3、好ましくは1又は2である。
b)式II=R4O(R5O)nR6
(式中、
R4はn-プロピル又はイソプロピル、好ましくはn-プロピルであり、
R5はイソプロピルであり、
R6は水素又はメチル、好ましくは水素であり、
nは1、2又は3、好ましくは1又は2である。
【0054】
式Iにかかる好適なグリコールエーテル溶媒としては、エチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、トリエチレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチレングリコールn-ペンチルエーテル、ジエチレングリコールn-ペンチルエーテル、トリエチレングリコールn-ペンチルエーテル、プロピレングリコールn-ペンチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ペンチルエーテル、エチレングリコールn-ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールn-ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールn-ヘキシルエーテル、プロピレングリコールn-ヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールn-ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールn-ヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、トリエチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、トリプロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、ジエチレングリコールベンジルエーテル、トリエチレングリコールベンジルエーテル、プロピレングリコールベンジルエーテル、ジプロピレングリコールベンジルエーテル、トリプロピレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、トリエチレングリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコールイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルエーテル、エチレングリコールイソペンチルエーテル、ジエチレングリコールイソペンチルエーテル、トリエチレングリコールイソペンチルエーテル、プロピレングリコールイソペンチルエーテル、ジプロピレングリコールイソペンチルエーテル、トリプロピレングリコールイソペンチルエーテル、エチレングリコールイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールイソヘキシルエーテル、プロピレングリコールイソヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールイソヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールイソヘキシルエーテル、エチレングリコールn-ブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルメチルエーテルトリエチレングリコールn-ブチルメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルメチルエーテル、エチレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、ジエチレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、トリエチレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ペンチルメチルエーテル、エチレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、ジエチレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、トリエチレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、プロピレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ヘキシルメチルエーテル、エチレングリコールフェニルメチルエーテル、ジエチレングリコールフェニルメチルエーテル、トリエチレングリコールフェニルメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルメチルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルメチルエーテル、トリプロピレングリコールフェニルメチルエーテル、エチレングリコールベンジルメチルエーテル、ジエチレングリコールベンジルメチルエーテル、トリエチレングリコールベンジルメチルエーテル、プロピレングリコールベンジルメチルエーテル、ジプロピレングリコールベンジルメチルエーテル、トリプロピレングリコールベンジルメチルエーテル、エチレングリコールイソブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールイソブチルメチルエーテル、プロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、エチレングリコールイソペンチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソペンチルメチルエーテル、トリエチレングリコールイソペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールイソペンチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソペンチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールイソペンチルメチルエーテル、エチレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、トリエチレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、プロピレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、トリプロピレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
式Iにかかる好ましいグリコールエーテル溶媒は、エチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、トリエチレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及びこれらの混合物である。
【0056】
式Iにかかる最も好ましいグリコールエーテル溶媒は、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及びこれらの混合物である。
【0057】
式IIにかかる好適なグリコールエーテル溶媒としては、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-プロピルメチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリプロピレングリコールイソプロピルメチルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
式IIにかかる好ましいグリコールエーテル溶媒は、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、及びこれらの混合物である。
【0059】
最も好ましいグリコールエーテル溶媒は、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及びこれらの混合物、特に、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテルである。
【0060】
好適なグリコールエーテル溶媒は、Dow Chemical Companyより購入することができ、詳細には、Eシリーズ(エチレングリコール系)のグリコールエーテル及びPシリーズ(プロピレングリコール系)のグリコールエーテルのラインナップから購入することができる。好適なグリコールエーテル溶媒としては、ブチルカルビトール、ヘキシルカルビトール、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ブトキシトリグリコール、Dowanol Eph、Dowanol PnP、Dowanol DPnP、Dowanol PnB、Dowanol DPnB、Dowanol TPnB、Dowanol PPh、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0061】
好適なアルコールは、C4~C6直鎖モノアルコール、1つ以上のC1~C4分岐基を有する分岐鎖C4~C10モノアルコール、アルキルモノグリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0062】
好ましいC4~C6直鎖モノアルコールは、ペンタノール、ヘキサノール、及びこれらの混合物、好ましくは、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、及びこれらの混合物から選択される。
【0063】
本明細書に用いるのに好ましい、1つ以上のC1~C4分岐基を有する分岐鎖C4~C10モノアルコールは、1つ以上のC1~C4分岐基を有するC4~C8一級モノアルコール及びこれらの混合物である。本明細書に用いるのに特に好ましい、1つ以上のC1~C4分岐基を有する分岐鎖C4~C10モノアルコールとしては、メチルブタノール、エチルブタノール、メチルペンタノール、エチルペンタノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、ジメチルヘキサノールトリメチルヘキサノール、メチルへパノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、ジメチルヘプタノール、トリメチルヘプタノール、メチルオクタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、ジメチルオクタノール、トリメチルオクタノール、メチルノナノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、ジメチルノナノール、及びトリメチルノナノール、並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのにより好ましいのは、1つ以上のC1~C4分岐基を有する分岐鎖C4~C10モノアルコールの一級1-アルコールメンバーであり、特に好ましいのは、メチルブタノール、エチルブタノール、メチルペンタノール、エチルペンタノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、ジメチルヘキサノールトリメチルヘキサノール、メチルへパノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、ジメチルヘプタノール、トリメチルヘプタノール、メチルオクタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、ジメチルオクタノール、トリメチルオクタノール、メチルノナノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、ジメチルノナノール、トリメチルノナノール、及びこれらの混合物の一級1-アルコールファミリーメンバーである。
【0064】
より好ましいアルコールは、ブチルオクタノール、トリメチルヘキサノール、エチルヘキサノール、プロピルヘプタノール、メチルブタノール、及びこれらの混合物、具体的には、一級1-アルコールファミリーメンバー、より具体的には、エチルヘキサノール、ブチルオクタノール、トリメチルヘキサノール、及びこれらの混合物、特に、2-エチル-1-ヘキサノール、2-ブチル-1-オクタノール、3,5,5トリメチル-1-ヘキサノール、及びこれらの混合物である。
【0065】
好ましいアルキルモノグリセロールは、分岐鎖アルキルモノグリセロール及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、1つ以上のC1~C4アルキル分岐基を有する分岐鎖C4~C8アルキルモノグリセロール、より好ましくは、エチルヘキシルグリセロール、プロピルヘプチルグリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくは、2-エチルヘキシルグリセロールである。
【0066】
このようなアルコールはまた、起泡を改善することができる。
【0067】
本明細書に用いるのに特に好ましいのは、モノアルコールの混合物、具体的には、分岐鎖C4~C10モノアルコールを含む混合物、より具体的には、C4~C8、より好ましくは、C6~C7分岐鎖一級アルコールを含む群から選択されるアルコールを含む混合物である。用いるのに好ましいのは、C4~C8分岐鎖一級アルコールを含む群から選択されるアルコールを含むアルコールと、C4~C6直鎖モノアルコール及びアルキルグリセロールの群から選択されるアルコールと、の混合物である。このような混合物は、発泡を強化し、様々な油性汚れの洗浄を改善することができる。
【0068】
好適なエステル溶媒は、式IIIのモノエステル溶媒、式IVのジ-又はトリエステル溶媒、安息香酸ベンジル、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
a)式(III):R1C=OOR2のモノエステル溶媒で、式中、
R1は直鎖又は分岐鎖のC1~C4アルキルであり、好ましくは直鎖又は分岐鎖のC2~C3アルキルである。
R2は、直鎖又は分岐鎖のC2~C8アルキル、好ましくは直鎖又は分岐鎖のC2~C6アルキル、最も好ましくは直鎖又は分岐鎖のC3~C4アルキルである。
b)式IV:R1(C=OOR2)nのジ-又はトリエステル溶媒で、式中、
R1は、飽和又は不飽和のC2~C4アルキルであり、
R2は、独立に、直鎖又は分岐鎖のC2~C8アルキル、好ましくは、直鎖又は分岐鎖のC2~C6アルキル、最も好ましくは、直鎖又は分岐鎖のC3~C4アルキルから選択される。
nは、2又は3であり、好ましくは2である。
【0069】
式IIIの好適なモノエステル溶媒としては、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、アミルアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、イソヘキシルアセテート、ヘプチルアセテート、イソヘプチルアセテート、オクチルアセテート、イソオクチルアセテート、2-エチルヘキシルアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、イソプロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、イソブチルプロピオネート、アミルプロピオネート、イソアミルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、イソヘキシルプロピオネート、ヘプチルプロピオネート、イソヘプチルプロピオネート、オクチルプロピオネート、イソオクチルプロピオネート、2-エチルヘキシルプロピオネート、エチルブチレート、プロピルブチレート、イソプロピルブチレート、ブチルブチレート、イソブチルブチレート、アミルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、イソヘキシルブチレート、ヘプチルブチレート、イソヘプチルブチレート、オクチルブチレート、イソオクチルブチレート、2-エチルヘキシルブチレート、エチルイソブチレート、プロピルイソブチレート、イソプロピルイソブチレート、ブチルイソブチレート、イソブチルイソブチレート、アミルイソブチレート、イソアミルイソブチレート、ヘキシルイソブチレート、イソヘキシルイソブチレート、ヘプチルイソブチレート、イソヘプチルイソブチレート、オクチルイソブチレート、イソオクチルイソブチレート、2-エチルヘキシルイソブチレート、エチルペンタノエート、プロピルペンタノエート、イソプロピルペンタノエート、ブチルペンタノエート、イソブチルペンタノエート、アミルペンタノエート、イソアミルペンタノエート、ヘキシルペンタノエート、イソヘキシルペンタノエート、ヘプチルペンタノエート、イソヘプチルペンタノエート、オクチルペンタノエート、イソオクチルペンタノエート、2-エチルヘキシルペンタノエート、エチルイソペンタノエート、プロピルイソペンタノエート、イソプロピルイソペンタノエート、ブチルイソペンタノエート、イソブチルイソペンタノエート、アミルイソペンタノエート、イソアミルイソペンタノエート、ヘキシルイソペンタノエート、イソヘキシルイソペンタノエート、ヘプチルイソペンタノエート、イソヘプチルイソペンタノエート、オクチルイソペンタノエート、イソオクチルイソペンタノエート、2-エチルヘキシルイソペンタノエート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
式IIIの好ましいモノエステル溶媒は、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、イソプロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、イソブチルプロピオネート、アミルプロピオネート、イソアミルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、イソヘキシルプロピオネート、エチルブチレート、プロピルブチレート、イソプロピルブチレート、ブチルブチレート、イソブチルブチレート、アミルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、イソヘキシルブチレート、エチルイソブチレート、プロピルイソブチレート、イソプロピルイソブチレート、ブチルイソブチレート、イソブチルイソブチレート、アミルイソブチレート、イソアミルイソブチレート、ヘキシルイソブチレート、イソヘキシルイソブチレート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0071】
最も好ましくは、このモノエステル溶媒は、プロピルプロピオネート、イソプロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、イソブチルプロピオネート、プロピルブチレート、イソプロピルブチレート、ブチルブチレート、イソブチルブチレート、プロピルイソブチレート、イソプロピルイソブチレート、ブチルイソブチレート、イソブチルイソブチレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0072】
式IVの好適なジ-又はトリ-エステル溶媒は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、クエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、及びこれらの混合物のエチル-、プロピル-、イソプロピル-、ブチル-、イソブチル-、アミル-、イソアミル-、ヘキシル-、イソヘキシル-、ヘプチル-、イソヘプチル、オクチル-、イソオクチル-、2-エチルヘキシル-ジ-又はトリ-エステルから選択することができる。
【0073】
好ましいジ-又はトリ-エステル溶媒は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、クエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、及びこれらの混合物のエチル-、プロピル-、イソプロピル-、ブチル-、イソブチル-、アミル-、イソアミル-、ヘキシル-、イソヘキシル-ジ-又はトリ-エステルからなる群から選択される。
【0074】
より好ましくは、ジ-又はトリ-エステル溶媒は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、クエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、及びこれらの混合物のエチル-、プロピル-、イソプロピル-、ブチル-、イソブチル-ジ-又はトリ-エステルからなる群から選択される。
【0075】
更なる任意成分:
キレート剤:
本明細書の組成物は、任意に、組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.2重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.5重量%~1.5重量%の濃度でキレート剤を更に含んでもよい。
【0076】
好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0077】
アミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミン四酢酸、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、及びエタノールジグリシン、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにその混合物に加えて、MGDA(メチル-グリシン-二酢酸)、並びにその塩及び誘導体、並びにGLDA(グルタミン酸-N,N-二酢酸)、並びにその塩及び誘導体が挙げられる。GLDA(その塩及び誘導体)は、本発明によれば特に好ましく、その四ナトリウム塩が特に好ましい。
【0078】
ビルダー:
本明細書における組成物は、ビルダー、好ましくは、カルボキシレートビルダーを含み得る。本明細書で有用なカルボン酸の塩としては、C1~6の直鎖状の塩、又は少なくとも3個の炭素を含有する環状の酸の塩が挙げられる。カルボン酸又はその塩の直鎖又は環状炭素含有鎖は、ヒドロキシル、エステル、エーテル、1~6個、より好ましくは1~4個の炭素原子を有する脂肪族基、及びこれらの混合物からなる群から選択される置換基で置換されてよい。
【0079】
好ましいカルボン酸の塩は、サリチル酸、マレイン酸、アセチルサリチル酸、3メチルサリチル酸、4ヒドロキシイソフタル酸、ジヒドロキシフマル酸、1,2,4ベンゼントリカルボン酸、ペンタン酸、クエン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される塩から選択されるものであり、好ましくはクエン酸である。
【0080】
本発明の組成物に用いるのに好適な別のカルボキシレートビルダーとしては、パーム核由来の脂肪酸若しくはココヤシ由来の脂肪酸などの脂肪酸の塩、又はポリカルボン酸の塩が挙げられる。
【0081】
塩のカチオンは、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミン、及びこれらの混合物から選択され、好ましくは、ナトリウムである。
【0082】
カルボン酸又はその塩は、存在する場合、好ましくは全組成物の0.05重量%~5重量%、より好ましくは0.1重量%~1重量%の濃度で存在する。
【0083】
ヒドロトロープ
本発明による組成物は、ヒドロトロープを更に含んでもよい。好ましくは、ヒドロトロープは、クメンスルホネート、キシレンスルホネート、トルエンスルホネート、最も好ましくはナトリウム中和クメンスルホネートから選択される。存在する場合、このヒドロトロープは、洗剤組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.25重量%~3重量%、最も好ましくは0.5重量%~2重量%配合される。
【0084】
剪断減粘レオロジー変性剤:
本発明による組成物は、レオロジー変性剤を更に含み、製品に剪断減粘レオロジープロファイルを提供し得る。レオロジー変性ポリマーを配合することにより、得られるスプレーの粒径分布を改善することができ、並びにスプレー液滴の刺痛感も軽減することができる。好ましくは、レオロジー変性剤は、非結晶質ポリマーレオロジー変性剤である。このポリマーレオロジー変性剤は、合成又は天然由来のポリマーであってよい。
【0085】
本発明において使用される天然由来のポリマー構造化剤の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖類誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギン酸塩、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、カラヤゴム、トラガカントガム、ジェランガム、キサンタンガム、及びグアーガムが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において使用される合成ポリマー構造化剤の例としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリオール、並びにこれらの誘導体及び混合物を含むポリマー及びコポリマーが挙げられる。あるいは、本発明で使用する組成物は、ポリエチレンオキシド(PEO)ポリマーを含み得る。
【0086】
好ましくは、本発明による組成物は、天然由来のレオロジー変性ポリマー、最も好ましくはキサンタンガム、ポリエチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択されるレオロジー変性ポリマーを含む。
【0087】
一般的に、レオロジー変性ポリマーは、組成物の0.001重量%~1重量%、あるいは0.01重量%~0.5重量%、更にあるいは0.05重量%~0.25重量%の濃度で含まれる。
【0088】
他の成分:
本明細書の組成物は、無機塩(好ましくは塩化ナトリウム)、C2~C4アルコール、C2~C4ポリオール、ポリアルキレングリコール(及び特に1500~4000の重量平均分子量を有するポリプロピレングリコール)、及びこれらの混合物から選択されるレオロジー調整剤などの、多くの任意成分を含んでもよい。
【0089】
本発明の組成物は、環状洗浄アミンなどの洗浄アミンを含み得る。用語「環状ジアミン」は、本明細書において、単一の洗浄アミン及びその混合物を包含する。当該アミンは、それが使用される洗浄媒体のpHに応じてプロトン化され得る。本明細書に用いるのに特に好ましいのは、1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサン、2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される環状ジアミンである。1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサンが、本明細書に用いるのに特に好ましい。2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミンの混合物も、本明細書に用いるのに好ましい。
【0090】
また、組成物は、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミンを含むアルカノールアミン、及び重炭酸塩無機塩などのpH調整剤及び/又は緩衝剤も含み得る。組成物は、防腐剤、UV安定剤、酸化防止剤、香料、着色剤、及びこれらの混合物から選択される微量成分を更に含み得る。
【0091】
スプレーディスペンサー:
スプレーディスペンサーは、本発明の組成物を収容するためのリザーバと、噴霧手段と、を含む。好適なスプレーディスペンサーとしては、ハンドポンプ(時に「トリガー」とも称される)装置、加圧缶装置、静電スプレー装置などが挙げられる。好ましくは、スプレーディスペンサーは非加圧であり、噴射手段はトリガー分注型である。リザーバは、典型的にはボトルなどの容器、より典型的にはプラスチックボトルである。
【0092】
本発明の洗浄製品は、洗浄組成物を含む。この洗浄組成物は典型的には、処理される食器表面にスプレーディスペンサーから噴霧(「直接適用」)するのに好適である。この組成物は、好ましくは、任意の追加の物理的(例えば、手で擦る)介入を必要とせずに、適用直後に表面上に泡を形成する。
【0093】
スプレーディスペンサーは、典型的にはトリガーレバーを含み、このトリガーレバーは、押下されると、小さなポンプを作動させる。ポンプの主駆動部品は、典型的にはピストンであり、ピストンがバネに押し付けられた状態でシリンダー内に収容されている。トリガーを押下することによって、ピストンがシリンダー内に押され、バネに押し付けられ、バネを圧縮し、ポンプ内に収容された組成物をノズルから押し出す。トリガーレバーが解放されると、バネはピストンを押し戻し、シリンダー領域を拡張させ、典型的には一方向弁を通してリザーバから組成物を吸い込み、ポンプを再充填する。このポンプは、典型的には、リザーバからポンプに組成物を引き込むチューブに取り付けられる。スプレーディスペンサーは、ポンプとノズルとの間に位置する更なる一方向弁を含み得る。
【0094】
このノズルは、組成物が分配されるオリフィスを含む。このノズルは、組成物の運動エネルギーを利用して、組成物がオリフィスを通過する際にこの組成物を液滴へと分割させる。好適なノズルは、単純なものであっても、又は成形されてもよく、又はオリフィスの直前にスワールチャンバを含んでもよい。そのようなスワールチャンバは、組成物の回転流体運動を引き起こし、スワールチャンバ内の組成物を旋回させる。オリフィスの外周から膜が放出され、典型的には、より微細な液滴として組成物がオリフィスから分配される。
【0095】
このようなトリガー作動式スプレーディスペンサーはポンプを含むので、組成物は好ましくはリザーバ内で加圧されず、好ましくは噴射剤を含まない。
【0096】
このスプレーディスペンサーは、組成物の加圧緩衝液と、緩衝液とスプレーノズルとの間の圧力作動一方向弁と、を含む予圧縮噴霧器であり得る。このような予圧縮噴霧器は、組成物がより均一な圧力で噴霧されるため、より均一なスプレー分布及びより均一なスプレー液滴サイズを提供する。そのような予圧縮噴霧器としては、Afa Dispensing Group(Netherlands)により製造販売されるFlairosol(登録商標)スプレーディスペンサー、及び米国特許出願公開第2013/0112766号及び同第2012/0048959号に記載される予圧縮トリガー噴霧器が挙げられる。
【0097】
使用方法:
本明細書に記載される洗浄製品は、食器を洗浄する方法に特に好適であり、この方法は、任意に、食器を予め濡らす工程と、洗浄組成物を食器に噴霧する工程と、任意に、食器を擦り洗いする工程と、食器をすすぐ工程と、を含む。
【0098】
本明細書に記載される洗浄製品は、汚れ、特にグリース状の汚れにおいて特に有効である。したがって、特に軽い汚れに関しては、擦り洗いは任意であり、特に食器が、スプレー工程の後に少なくとも15秒間、好ましくは少なくとも30秒間放置された後に、すすぎ工程が行われる場合には、擦り洗いは任意である。
【0099】
食器を擦り洗いする工程と食器をすすぐ工程は、例えば、食器を流水下で擦ることによって、又は食器が水に浸されたときに、少なくとも部分的に同時に行うことができる。擦り洗い工程は、1秒間~30秒間であり得る。
【0100】
本方法は、食器が軽く汚れているとき、食器の洗浄をより迅速かつ容易にすることができる。調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れなどの頑固な食品汚れで食器がひどく汚れている場合、本発明の方法は、未希釈の形態であるか又は水で希釈された本発明の製品に、汚れた食器を好ましくは1秒間~30秒間、又はそれ以上の時間浸漬したとき、洗浄を容易にする。
【0101】
方法
A)予備アルカリ度(reserve alkalinity):
予備アルカリ度は、pH10の試験組成物を試験組成物のpHになるように滴定するのに必要なグラム(NaOH)/100g(組成物)として定義される。溶液の予備アルカリ度は以下のようにして測定される。
【0102】
Ag/AgCl電極(例えば、Orion Sure-Flow電極モデル9172BN)付きのpH計(例えば、Orionモデル720A)を、標準化されたpH7及びpH10のpH緩衝剤を用いて較正する。試験する組成物の20℃での10%蒸留水溶液100gを調製する。10%溶液のpHを測定し、0.1NのHClの標準溶液を用いて、100gの溶液をpH10に滴定する。必要な0.1N HClの体積をmLで記録する。予備アルカリ度は以下のように計算される。
予備アルカリ度=mL(0.1N HCl)×0.1(当量/リットル)×当量NaOH(g/当量)×10
【0103】
B)粘度:
レオロジープロファイルは、円錐とプレートの構成(フラットなスチール製ペルチェプレート及び直径60mmで2.026°の円錐)を用いる「TA instruments DHR1」レオメーター(TA instruments、シリアル番号:SN960912)を使用して測定する。粘度測定手順は、20℃でのコンディショニング工程及びスイープ工程を含む。コンディショニング工程は、20℃でゼロ剪断で10秒、続いて20℃で10s-1で10秒間予剪断し、続いて20℃でゼロ剪断で30秒間、試料を平衡化させることからなる。スイープ工程は、20℃で0.01s-1から3,000s-1まで剪断速度を対数的に増大させ、サンプル時間15sで10当たり10点の取得速度、最大平衡化時間200秒で行う(公差3%に基づいて、レオメーターによって決定)。ずり流動化する製品組成物を測定する場合、高剪断粘度は1,000s-1の剪断速度で定義され、低剪断粘度は0.1s-1の剪断速度で定義される。ニュートン流体の製品組成物は、1000s-1での剪断速度が記録される。
【0104】
C)初期泡体積:
様々な試験配合物の初期泡体積生成能力を相互比較できるように、これらの試験配合物を同じトリガー噴霧器内に順番に配置する。このトリガー噴霧器は、開口した500mLのメモリ付きコニカルビーカー(Kartell(登録商標)Art1424、コニカルビーカー)の中央頂部にスプレーノズルが位置付けられている状態で、45°の固定角度で保持されている。次に噴霧器ボトルは10回噴霧され、生成された泡体積の量(mL)、並びに噴霧された製品の総重量を測定する。泡体積を、噴霧された試料の重量で割った値を計算し、各製品-スプレーボトルの組み合わせについて3回の反復試験を平均する。
【0105】
D)結晶質グリース除去率(%):
様々な試験配合物の結晶質グリース除去を相互比較できるように、試験配合物を、結晶質グリース状汚れを含む汚れた基材上に噴霧し、洗浄試験前及び後の汚れた基材の重量を測定することによって、洗浄試験後の除去率(%)を重量測定法で評価する。
【0106】
使用した結晶質グリース状汚れは、CABF(Consumer Average Beef Fat、L2802405/200B3/E3、J&R coordinating services Inc(Ohio、USA)から入手)、及び0.05重量%の濃度で添加された脂溶性染料(Dye EGN Oil Red:CAS:4477-79-6、Sigma Aldrich Ref.234117)の混合物で構成した。結晶質グリース状汚れは、完全に液化するまで50℃のオーブン中でCABFを融解してから、染料を混合して、調製した。
【0107】
汚れた基材は、以下のように調製した。
プラスチック表面(Tupperware(登録商標)など)を模倣するため、不織ポリプロピレンプラスチック基材(#2866/6589 ex、Avgol Ltd(Tel Aviv、Israel))を使用し、この基材を4.5cm×4.5cmの正方形に切断し、この正方形試料の個々の重量を記録した。融解したグリース状汚れ(50℃)200μLを、マイクロピペットを使用してPP不織プラスチック基材の中央に適用し、室温で固化させた後、この正方形試料の重量を再測定して、正方形試料上に堆積した結晶質グリース状汚れの量を求めた。
【0108】
洗浄試験は、以下のように実施した。
各試験群について、3つのジャー(高さ125mm、直径77mm)それぞれに、所望の水硬度(2dH又は15dH)及び温度(25℃又は35℃)の水200mLを、3つの大理石球(直径15mm)と共に入れて、いくらかの機械的撹拌を行った。
【0109】
Flairosol(登録商標)噴霧器(AFAから入手)を使用して、3枚の処理された基材上の結晶質グリース状汚れの上に試験溶液を1回スプレーし(約1秒間のトリガー完全押下で、約1.4gの組成物がスプレーされた)、4分間作用させてから、その3枚の処理した基材と1枚の未処理(クリーンな)基材を、水の入った各ジャーに入れた。ジャーを閉じ、その封止キャップを介して水平バーに取り付け、次いで、水平な中央バーの周りで40rpmの回転速度で5分間混転した。この洗浄工程の後、個々の処理された基材を取り出し、ジャーに200mLのきれいな水を再充填し、更に5分間再混転してすすぎ工程を模倣した。すすぎ工程後、全ての基材を各ジャーから取り出し、金属ラック上に置いて、一定湿度(35%RH)及び温度(21℃)で少なくとも2日間乾燥させてから、個々の基材をそれぞれ再秤量した。染み除去率を以下のように計算した。
【0110】
【数1】
【実施例
【0111】
本発明による界面活性剤系を含む液体洗剤スプレー配合物(実施例1~3)及び本発明の範囲外の比較組成物(実施例A及びB)について、初期泡生成及び結晶質グリース除去効果を評価した。
【0112】
本発明の実施例1及び2は、C12~C14アルキルポリグルコシド及びC8~C10アルキルポリグルコシドをそれぞれと、補助界面活性剤としてのアミンオキシドと、を含んだ。本発明の実施例3は、補助界面活性剤としてアミンオキシドの代わりにベタインを使用したことを除いて、実施例1と同様であった。
【0113】
比較例Aは、それぞれのアルキルポリグルコシドの代わりに、主要な界面活性剤としてC12~C14アルキルエトキシ(3.0)サルフェートアニオン性界面活性剤を含む点が、本発明の実施例1及び実施例2と異なっていた。実施例Bは、実施例Aと同様であるが、補助界面活性剤としてアミンオキシドの代わりにベタインを含む。
【0114】
【表1】
比較
Lutensol CS6250、BASFから入手
【0115】
AFA社からFlairosol(登録商標)商標名で入手可能な同じスプレーディスペンサーを使用して、全ての組成物を試験した。
【0116】
以下のデータから分かるように、主要な界面活性剤としてアルキルポリグルコシドを含み、補助界面活性剤としてアミンオキシドを使用する実施例1及び2では、主要な界面活性剤としてAESアニオン性界面活性剤を含み、補助界面活性剤としてアミンオキシドを含む比較例Aと比較して、改善された初期泡体積、並びに改善された結晶質グリース除去が得られた。データから、硬水が使用されるか又は軟水が使用されるかどうかにかかわらず、結晶質グリースの洗浄の改善が存在することが分かる。
【0117】
実施例3の組成物を使用した結果を比較例Bの組成物と比較すると、ベタインが補助界面活性剤として使用される場合、結晶質グリースの洗浄及び初期泡立ちの改善もまた見られることが分かる。
【0118】
実施例1及び実施例2の組成物を使用した結果を比較すると、低鎖長を有するアルキルポリグルコシドを使用する場合、初期の発泡体発生の改善が見られ得ることが分かる。
【0119】
【表2】
測定せず
【0120】
本発明による更なる例示的な実施例を以下の表2に示す。
【0121】
【表3】
【0122】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
本明細書は以下の発明を開示する。
[1]
スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品であって、前記組成物は前記スプレーディスペンサーに収容されており、前記洗浄組成物が
a.前記組成物の5重量%~25重量%の界面活性剤系であって、
i.アルキルポリグルコシド界面活性剤、
ii.両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤、及び
iii.前記洗浄組成物の3重量%未満のアニオン性界面活性剤、を含み、
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤及び前記補助界面活性剤が、10:1~1:2の重量比で存在する、界面活性剤系と、
b.前記組成物の0.1重量%~10重量%の有機溶媒と、を含む、洗浄製品。
[2]
前記組成物が、前記組成物の7重量%~20重量%、好ましくは10重量%~15重量%の前記界面活性剤系を含む、[1]に記載の洗浄製品。
[3]
前記洗浄組成物が、前記組成物の2.0重量%~12重量%、好ましくは2.5重量%~10重量%、より好ましくは3.0重量%~7.5重量%の濃度の前記アルキルポリグルコシドを含む、[1]又は[2]に記載の洗浄製品。
[4]
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、C8~C18、好ましくはC10~C16、より好ましくはC12~C14のアルキル鎖を含み、前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.2~1.6の数平均重合度を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の洗浄製品。
[5]
前記洗浄組成物が、前記組成物の0.5重量%~5.0重量%、好ましくは1.0重量%~4.5重量%、より好ましくは2.0重量%~4.0重量%の前記補助界面活性剤を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の洗浄製品。
[6]
前記補助界面活性剤が、アミンオキシド界面活性剤から選択される両性界面活性剤であり、好ましくは、前記アミンオキシド界面活性剤が、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシドである、[1]~[5]のいずれかに記載の洗浄製品。
[7]
前記補助界面活性剤が、ベタイン界面活性剤から選択される双性イオン性界面活性剤であり、好ましくは、前記ベタイン界面活性剤が、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはコカミドプロピルベタインである、[1]~[5]のいずれかに記載の洗浄製品。
[8]
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤及び前記補助界面活性剤が、1:1超~10:1、好ましくは1.5:1~5:1、より好ましくは2:1~3:1の重量比で存在する、[1]~[7]のいずれかに記載の洗浄製品。
[9]
前記界面活性剤系が、更なる非イオン性界面活性剤を含み、好ましくは前記組成物の0.5重量%~10重量%、より好ましくは1.0重量%~5.0重量%、最も好ましくは1.5重量%~3.0重量%の濃度の更なる非イオン性界面活性剤を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の洗浄製品。
[10]
前記更なる非イオン性界面活性剤が、アルキルエトキシレート界面活性剤であり、好ましくは、平均アルキル鎖長がC10以下、好ましくはC5~C8、より好ましくはC5~C7であり、かつ数平均エトキシル化度が1~10、好ましくは3~8、より好ましくは4~6であるアルキルエトキシレート界面活性剤である、[9]に記載の洗浄製品。
[11]
前記界面活性剤系が、前記洗浄組成物の2重量%未満、より好ましくは1重量%未満のアニオン性界面活性剤を含み、最も好ましくはアニオン性界面活性剤を含まない、[1]~[10]のいずれかに記載の洗浄製品。
[12]
前記組成物が、前記組成物の1.0重量%~8.0重量%、好ましくは3.0重量%~7.0重量%の前記有機溶媒を含む、[1]~[11]のいずれかに記載の洗浄製品。
[13]
前記有機溶媒が、グリコールエーテル溶媒、アルコール溶媒、エステル溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはグリコールエーテル溶媒である、[1]~[12]のいずれかに記載の洗浄製品。
[14]
界面活性剤系及び前記有機溶媒が、5:1~1:5、好ましくは4:1~1:2、最も好ましくは3:1~1:1の重量比で存在する、[1]~[13]のいずれかに記載の洗浄製品。
[15]
[1]~[14]のいずれかに記載の洗浄製品を使用して食器を洗浄する方法であって、
a)任意に、前記食器を予め濡らす工程と、
b)前記洗浄組成物を前記食器に噴霧する工程と、
c)任意に、前記食器を擦り洗いする工程と、
d)前記食器をすすぐ工程と、を含む、方法。