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特許7539994スタジアム構造を含むマイクロ電子デバイス並びに関連するメモリデバイス及び電子システム
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  • 特許-スタジアム構造を含むマイクロ電子デバイス並びに関連するメモリデバイス及び電子システム 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】スタジアム構造を含むマイクロ電子デバイス並びに関連するメモリデバイス及び電子システム
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/50 20230101AFI20240819BHJP
   H10B 41/50 20230101ALI20240819BHJP
【FI】
H10B43/50
H10B41/50
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2022555923
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021018567
(87)【国際公開番号】W WO2021188248
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】16/821,818
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ルオ シュアンチャン
(72)【発明者】
【氏名】ロメリ ナンシー エム.
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0081061(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0236746(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0393240(US,A1)
【文献】特開2019-096885(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0279852(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0033117(US,A1)
【文献】米国特許第10580795(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0357811(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/50
H10B 41/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層を有するスタック構造であって、前記層のそれぞれが導電構造と、前記導電構造に垂直方向に隣り合う絶縁構造とを含むスタック構造と、
前記スタック構造内にあるスタジアム構造であって、
前記層の縁を含む段を有する順階段構造
前記順階段構造に対向し、前記層の追加縁を含む追加段を有する逆階段構造と、
前記順階段構造と前記逆階段構造との間に水平方向介在する中央領域と、
を含むスタジアム構造と、
前記スタック構造の下にあり、前記スタジアム構造の前記中央領域の水平境界内にディスクリート導電構造を含むソース層であって、前記ディスクリート導電構造が、誘電材料によって水平方向互いに分離されていソース層と、
前記スタジアム構造の前記中央領域の前記水平境界内に閉じ込められて前記ソース層の前記ディスクリート導電構造と前記スタジアム構造の前記中央領域との間に垂直方向介在するマスキング構造であって、前記ディスクリート導電構造間に水平方向介在する前記誘電材料の部分を水平方向被覆するセグメントを含むマスキング構造と、
を含むマイクロ電子デバイス。
【請求項2】
前記ソース層は、
第1の水平方向に延びる前記ディスクリート導電構造の行と、
前記第1の水平方向に直交する第2の水平方向に延びる前記ディスクリート導電構造の列と
を含む、請求項1に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項3】
前記ソース層の前記ディスクリート導電構造は、導電的にドープされた多結晶シリコンを含む、請求項1に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項4】
前記マスキング構造の最も外側の水平境界は、前記スタジアム構造の前記中央領域の水平境界よりも小さい、請求項1に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項5】
前記マスキング構造の前記セグメントのいくつかは、前記ディスクリート導電構造のいくつかに部分的に水平方向重なる、請求項1に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項6】
前記マスキング構造を通って垂直方向に延び、前記マスキング構造の前記セグメント間に水平方向配置される開口部をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項7】
前記マスキング構造内の前記開口部は、前記ディスクリート導電構造のいくつかの水平境界内に閉じ込められる、請求項6に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項8】
前記マスキング構造内の前記開口部は、誘電充填材料充填されている、請求項6に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項9】
前記マスキング構造は、導電材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項10】
前記導電材料は、元素として存在するタングステンを含む、請求項9に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項11】
層を含むスタック構造であって、前記層のそれぞれが導電構造と、前記導電構造に垂直方向に隣り合う誘電構造とを含むスタック構造と、
前記スタック構造内にあるスタジアム構造であって、
互いの鏡像であり、それぞれが前記層のうちの少なくともいくつかの縁を含む段を有する対向階段構造と、
前記対向階段構造間に水平方向介在する中央領域と、
を含むスタジアム構造と、
前記スタック構造の垂直方向下方にあるソース層であって、
前記スタジアム構造の前記対向階段構造の水平境界内のディスクリート導電構造と、
前記スタジアム構造の前記中央領域の水平境界内にあり、前記ディスクリート導電構造のうちの1つ以上よりも相対的に大きい水平方向の寸法を有する追加ディスクリート導電構造であって、前記ソース層の垂直方向に下方にある導電配線層の導電配線構造を水平方向に被覆し且つ保護する追加ディスクリート導電構造と、
を含むソース層と、
を含むマイクロ電子デバイス。
【請求項12】
前記ソース層の前記追加ディスクリート導電構造は、前記スタジアム構造の前記対向階段構造のうちの第1の階段構造の垂直方向の最も低い段から前記スタジアム構造の前記対向階段構造のうちの第2の階段構造の垂直方向の最も低い段へ、前記スタジアム構造の前記中央領域を横切って、第1の水平方向に連続して延びる、請求項11に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項13】
前記ソース層の前記追加ディスクリート導電構造は、前記スタジアム構造の前記中央領域の水平領域の実質的に全てを横切って水平方向に延びる、請求項11に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項14】
前記ソース層の前記追加ディスクリート導電構造は、前記ソース層の前記ディスクリート導電構造と実質的に同一の垂直方向位置及び実質的に同一の材料組成を有する、請求項11から13のいずれか一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項15】
層に配置された導電構造と絶縁構造との垂直方向に交互の配列を含むスタック構造であって、前記層のそれぞれは、個々に、前記導電構造のうちの少なくとも1つ及び前記絶縁構造のうちの少なくとも1つを含む、スタック構造と、
前記スタック構造内にあるスタジアム構造であって、
個々に、少なくともいくつかの前記層の水平方向端部を含む段を有する対向階段構造と、
前記対向階段構造間に水平方向介在する中央領域と、
を含むスタジアム構造と、
前記スタック構造の下にあるディスクリート導電構造であって、前記ディスクリート導電構造のグループが、前記スタジアム構造の前記中央領域の水平境界内に配置されるディスクリート導電構造と、
前記ディスクリート導電構造と前記スタジアム構造の前記中央領域との間に垂直方向に介在する導電マスキング構造であって、前記ディスクリート導電構造間に水平方向に介在する誘電材料の部分を水平方向に被覆するセグメントを含む導電マスキング構造と、
前記スタック構造を通って垂直方向に延びるメモリセルのストリングと、
を含むメモリデバイス。
【請求項16】
前記スタック構造の上にあり、メモリセルの前記ストリングに電気的に結合されたデジット線と、
前記スタック構造の下にあり、メモリセルの前記ストリングに電気的に結合されたソース構造と、
前記スタジアム構造の前記対向階段構造の前記段のうちの少なくともいくつかの上の導電接触構造と、
前記導電接触構造に電気的に結合された導電配線構造と、
前記ソース構造、前記デジット線、及び前記導電配線構造に電気的に結合された制御デバイスと、
をさらに含む、請求項15に記載のメモリデバイス。
【請求項17】
前記ソース構造及び前記ディスクリート導電構造は、互いに実質的に同一の垂直方向位置に配置される、請求項16に記載のメモリデバイス。
【請求項18】
前記導電マスキング構造は、前記スタジアム構造の前記中央領域の水平境界内に実質的に閉じ込められ、前記導電マスキング構造は、前記スタジアム構造の前記中央領域の前記水平境界内に配置された前記ディスクリート導電構造の前記グループの全体未満にわたって水平方向に延びる、請求項15から17のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項19】
導電マスキング構造の水平方向中心は、前記スタジアム構造の前記中央領域の水平方向中心と実質的に整列している、請求項18に記載のメモリデバイス。
【請求項20】
前記導電マスキング構造は、前記導電マスキング構造を通って垂直方向に延びる開口部をさらに含み、前記開口部の水平方向中心は、前記ディスクリート導電構造の前記グループの前記ディスクリート導電構造のうちのいくつかの水平方向中心と実質的に整列している、請求項18に記載のメモリデバイス。
【請求項21】
前記ディスクリート導電構造の前記グループのうちの水平方向に隣り合うディスクリート導電構造間に水平方向介在し、前記ディスクリート導電構造の前記グループと前記導電マスキング構造との間に垂直方向介在し、前記導電マスキング構造内で前記開口部を充填する誘電材料をさらに含む、請求項20に記載のメモリデバイス。
【請求項22】
3D NANDフラッシュメモリデバイスであって
層に配置された垂直方向に交互の導電構造と絶縁構造とを含むスタック構造であって、
前記スタック構造内で互いに異なる垂直方向位置に配置されたスタジアム構造を含む分散スタジアム領域であって、前記スタジアム構造それぞれ、個々に、
前記層の縁を含む順階段構造と、
前記順階段構造の鏡像であり、前記層の追加縁を含む逆階段構造と、
前記順階段構造と前記逆階段構造との間に水平方向介在する中央領域と
を含む、分散スタジアム領域と
記分散スタジアム領域と水平方向に隣り合うメモリアレイ領域
を含むスタック構造と、
記スタック構造の垂直方向下にあるソース層であって、
前記スタック構造の前記メモリアレイ領域の水平境界内のソース構造と、
前記スタック構造の前記分散スタジアム領域の水平境界内のディスクリート導電構造と
を含むソース層と、
記ディスクリート導電構造と前記スタック構造との間に垂直方向介在し、前記スタック構造内の相対的に低い垂直方向位置に配置された前記スタジアム構造のうちの1つの前記中央領域の水平境界内に実質的に水平方向閉じ込められたマスキング構造であって、前記ディスクリート導電構造間に水平方向に介在する誘電材料の部分を水平方向に被覆するセグメントを含むマスキング構造と、
前記スタック構造の前記メモリアレイ領域の水平境界内にあり、前記スタック構造を通って垂直方向に延びるピラー構造と
含む、3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【請求項23】
記スタック構造の垂直方向上にあるデジット線であって、前記ピラー構造は、前記デジット線及び前記ソース構造と電気通信状態にある、デジット線と
前記スタック構造の垂直方向に下にある制御デバイスであって、前記ソース構造、前記デジット線、及び前記スタック構造の前記層の前記導電構造と電気通信状態にあるCMOS回路構成を含む制御デバイスと
をさらに含む、請求項22に記載の3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【請求項24】
前記ソース層の前記ディスクリート導電構造は、少なくとも1つの誘電材料によって、別のディスクリート導電構造及び前記ソース構造から電気的に絶縁されている、請求項22に記載の3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【請求項25】
前記マスキング構造は、前記スタジアム構造のうちの前記1つの前記中央領域の前記水平境界内で、互いに水平方向に隣り合う前記ディスクリート導電構造のうちのいくつかの間水平方向に延び、互いに水平方向に隣り合う前記ディスクリート導電構造のうちの前記いくつかと水平方向部分的に重なる導電材料を含む、請求項22から24のいずれか一項に記載の3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【請求項26】
前記マスキング構造は、前記導電材料を通って垂直方向に延び、前記ディスクリート導電構造のうちの前記いくつかと水平方向重なる開口部をさらに含み、前記開口部は当該開口部内に誘電材料を有する、請求項25に記載の3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【請求項27】
入力デバイスと、
出力デバイスと、
前記入力デバイス及び前記出力デバイスに動作可能に結合されたプロセッサデバイスと、
前記プロセッサデバイス動作可能に結合され、少なくとも1つのマイクロ電子デバイス構造を含むメモリデバイスと
を含む電子システムであって、
前記少なくとも1つのマイクロ電子デバイス構造は、
層を含むスタック構造であって、前記層のそれぞれが導電構造と、前記導電構造に垂直方向に隣り合う誘電構造とを含むスタック構造と、
前記スタック構造内にあり、前記層のうちの少なくともいくつかの縁を含む段を呈するスタジアム構造と、
前記スタック構造の垂直方向下方にあり、前記スタジアム構造の水平境界内にディスクリート導電構造を含むソース層と、
前記段を有さない前記スタジアム構造の水平方向中央領域の水平境界内に実質的に閉じ込められたマスキング構造であって、前記マスキング構造はセグメントを含み、該セグメントの各々が、前記スタジアム構造の前記水平方向中央領域の前記水平境界内で、前記ソース層の前記ディスクリート導電構造のいくつかの間に水平方向に延びて、且つ、前記ソース層の前記ディスクリート導電構造の前記いくつかと部分的に水平方向に重なる少なくとも1つのマスキング材料を含み、前記セグメントは、前記ソース層の前記ディスクリート導電構造の前記いくつかの間に水平方向に介在する誘電材料の部分を水平方向に被覆する、マスキング構造と、
を含む、電子システム。
【請求項28】
前記メモリデバイスは、3D NANDフラッシュメモリデバイスを含む、請求項27に記載の電子システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]
本出願は、2020年3月17日に出願された「MICROELECTRONIC DEVICES INCLUDING STAIRCASE STRUCTURES, AND RELATED MEMORY DEVICES AND ELECTRONIC SYSTEMS」という名称の米国特許出願16/821,818の出願日の利点を主張するものである。
【0002】
本開示は、様々な実施形態において、一般にマイクロ電子デバイスの設計及び作製の分野に関する。より詳しくは、本開示は、スタジアム構造を含むマイクロ電子デバイス並びに関連のメモリデバイス及び電子システムに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクス業界の継続的な目標は、不揮発性メモリデバイス(例えば、NANDフラッシュメモリデバイス)などのメモリデバイスの記憶密度(例えば、メモリダイ毎のメモリセルの数)を増加させることである。不揮発性メモリデバイスにおける記憶密度を増加させる一方法は、垂直メモリアレイ(「三次元(3D)メモリアレイ」とも呼ばれる)アーキテクチャを利用することである。従来の垂直メモリアレイは、導電構造(例えば、ワード線)の層における開口を通って延在する垂直メモリストリングと、垂直メモリストリングと導電構造との各接合部における誘電材料とを含む。そのような構成は、トランジスタの従来の平面(例えば、二次元)構成を有する構造と比較して、ダイ上でアレイを上向きに(例えば、長手方向、垂直方向)構築することによって、より多くのスイッチング素子(例えば、トランジスタ)が単位ダイ面積(すなわち消費される活性表面の長さ及び幅)に配置され得る。
【0004】
従来の垂直メモリアレイは、導電構造とアクセス線(例えば、ワード線)との間に電気接続を含み、それによって垂直メモリアレイにおけるメモリセルは、書き込み動作、読み出し動作、又は削除動作のために一意に選択され得る。そのような電気接続を形成する一方法は、導電構造の層の縁(例えば、水平方向端部)にいわゆる「階段」構造を形成することを含む。この階段構造は、導電構造に対する電気的アクセスを提供するために導電性の接触構造が配置され得る導電構造の接触領域を画定する個別の「段」を含む。いわゆる「スタジアム」構造は、対向する階段構造を含むように形成され得る。
【0005】
垂直メモリアレイ技術が進歩するにつれて、導電構造の追加の層、したがって追加の階段構造及び/又はそれと関連した個々の階段構造における追加の段を含むように垂直メモリアレイを形成することによって追加の記憶密度が提供されている。ただし、機能の搭載密度が増加し、形成許容誤差が減少すると、従来の構成は、結果として、所望のメモリデバイスの性能、信頼性及び耐久性を低減し得る、望ましくない欠陥が発生する(例えば、相対的に垂直方向で低い階段構造と水平方向で近いトレンチに誘電材料を充填することによって引き起こされるソースプレート剥離などの剥離欠陥、相対的に垂直方向で低い階段構造を形成するために使用されたチョッピングプロセスの結果として発生したオーバーエッチングなどのエッチング欠陥)。
【0006】
このため、従来のマイクロ電子デバイス構成の問題を軽減しながら記憶密度の向上を促進する新たなマイクロ電子デバイス(例えば、3DのNANDフラッシュメモリデバイスなどのメモリデバイス)構成の必要性とともに、新たなマイクロ電子デバイス構成を含む新たな電子システムの必要性が残る。
【発明の概要】
【0007】
本開示の実施形態によれば、マイクロ電子デバイスは、スタック構造と、スタック構造内のスタジアム構造と、スタック構造の下に置かれたソース層と、マスキング構造とを備える。スタック構造は、それぞれが導電構造と、その導電構造と垂直方向に隣り合う絶縁構造とを備える層を有する。スタジアム構造は、その層の縁を含む段を有する順階段構造と、順階段構造に対向し、層の追加縁を備える追加段を有する逆階段構造と、順階段構造と逆階段構造との間に水平方向で介在する中央領域とを備える。ソース層は、スタジアム構造の中央領域の水平境界内にディスクリート導電構造を備える。ディスクリート導電構造は、誘電材料によって互いに水平方向で分離している。マスキング構造は、スタジアム構造の中央領域の水平境界内に限定され、ソース層のディスクリート導電構造とスタジアム構造の中央領域との間に垂直方向で介在する。マスキング構造は、ディスクリート導電構造間に水平方向で介在する誘電材料の部分を水平方向で被覆しているセグメントを備える。
【0008】
本開示のさらなる実施形態によれば、メモリデバイスは、スタック構造と、スタジアム構造と、ディスクリート導電構造と、導電マスキング構造と、メモリセルのストリングとを備える。スタック構造は、層に配置された導電構造と絶縁構造との垂直方向に交互な配列を備える。層のそれぞれは、個々に、導電構造のうちの少なくとも1つ及び絶縁構造のうちの少なくとも1つを備える。スタジアム構造は、スタック構造内にあり、個々に、少なくともいくつかの層の水平方向端部を備える段を有する対向階段構造と、対向階段構造間に水平方向で介在する中央領域と、を備える。ディスクリート導電構造は、スタック構造の下に置かれる。ディスクリート導電構造のグループは、スタジアム構造の中央領域の水平境界内に配置される。導電マスキング構造は、ディスクリート導電構造と、スタジアム構造の中央領域との間に介在する。メモリセルのストリングは、スタック構造を通って垂直方向に延びる。
【0009】
本開示のさらなる実施形態によれば、3D NANDフラッシュメモリデバイスは、スタック構造と、ソース層と、マスキング構造と、半導電ピラー構造とを備える。スタック構造は、層に配置された垂直方向に交互の導電構造と絶縁構造とを備える。スタック構造は、分散スタジアム領域と、分散スタジアム領域と水平方向に隣り合うメモリアレイ領域をさらに備える。分散スタジアム領域は、スタック構造内で互いに異なる垂直方向位置に配置されたスタジアム構造を備える。スタジアム構造は、それぞれ、個々に、層の部分の縁を備える順方向構造と、順方向構造の鏡像であり、層の部分の追加縁を備える逆階段構造と、順階段構造と逆階段構造との間に水平方向で介在する中央領域とを備える。ソース層は、スタック構造の垂直方向で下に置かれ、スタック構造のメモリアレイ領域の水平境界内のソース構造と、スタック構造の分散スタジアム領域の水平境界内のディスクリート導電構造とを備える。マスキング構造は、ディスクリート導電構造とスタック構造との間に垂直方向で介在し、スタック構造内の相対的に低い垂直方向位置に配置されたスタジアム構造のうちの1つの中央領域の水平境界内に実質的に水平方向で閉じ込められる。半導電ピラー構造は、スタック構造のメモリアレイ領域の水平境界内にあり、スタック構造を通って垂直方向に延びる。
【0010】
本開示のさらなる実施形態によれば、マイクロ電子デバイスは、スタック構造と、スタック構造内のスタジアム構造と、スタック構造の垂直方向で下方のソース層とを備える。スタック構造は、それぞれが導電構造と、その導電構造と垂直方向に隣り合う誘電構造とを備える層を備える。スタジアム構造は、スタック構造内にあり、対向階段構造と中央領域とを備える。対向階段構造は、互いの鏡像であり、それぞれが層のうちの少なくともいくつかの縁を備える段を有する。中央領域は、対向階段構造間に水平方向で介在する。ソース層は、スタック構造の垂直方向で下方にあり、ディスクリート導電構造と、追加のディスクリート導電構造とを備える。ディスクリート導電構造は、スタジアム構造の対向階段構造の水平境界内にある。追加のディスクリート導電構造は、スタジアム構造の中央領域の水平境界内にあり、ディスクリート導電構造のうちの1つ又は複数よりも相対的に大きい水平方向の寸法を有する。
【0011】
本開示のさらなる実施形態によれば、電子システムは、入力デバイスと、出力デバイスと、入力デバイス及び出力デバイスに動作可能に結合されたプロセッサデバイスと、プロセッサデバイスと動作可能に結合されたメモリデバイスとを備える。メモリデバイスは、スタック構造と、スタジアム構造と、ソース層と、マスキング構造とを備える少なくとも1つのマイクロ電子デバイス構造を備える。スタック構造は、それぞれが導電構造と、その導電構造と垂直方向に隣り合う誘電構造とを備える層を備える。スタジアム構造は、スタック構造内にあり、層のうちの少なくともいくつかの縁を備える段を呈する。ソース層は、スタック構造の垂直方向で下方にあり、スタジアム構造の水平境界内にディスクリート導電構造を備える。マスキング構造は、段を有さないスタジアム構造の水平方向中央領域の水平境界内に実質的に閉じ込められる。マスキング構造は、スタジアム構造の水平方向中央領域の水平境界内でソース層のディスクリート導電構造のいくつかの間に水平方向に延びてディスクリート導電構造のいくつかと部分的に水平方向で重なる少なくとも1つのマスキング材料を備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本開示の実施形態による、マイクロ電子デバイス構造の簡略化された部分的断面図である。
図1B図1Aに示されるマイクロ電子デバイス構造の断面の簡略化された部分的上面図である。
図2】本開示の実施形態による、マイクロ電子デバイスの部分的透視図である。
図3A】本開示の実施形態による、マイクロ電子デバイス構造の簡略化された部分的断面図である。
図3B図3Aに示されるマイクロ電子デバイス構造の断面の簡略化された部分的上面図である。
図4】本開示の実施形態による、電子システムを示す概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、本開示の実施形態の十分な説明を提供するために、材料組成、形状、及びサイズなどの特定の詳細を提供する。ただし、当業者は、本開示の実施形態がそれらの特定の詳細を用いることなく実践され得ることを理解するであろう。実際、本開示の実施形態は、業界で用いられる従来のマイクロ電子デバイス作製技術と併せて実践され得る。さらに、以下に提供される説明は、マイクロ電子デバイス(例えば、3D NANDフラッシュメモリデバイスなどのメモリデバイス)を製造するための完全なプロセスフローを形成しない。以下に記載の構造は、完全なマイクロ電子デバイスを形成しない。本開示の実施形態を理解するために必要なプロセス動作及び構造のみが以下に詳細に説明される。その構造から完全なマイクロ電子デバイスを形成する追加の動作は、従来の作製手法によって実行され得る。
【0014】
本明細書において提示される図面は、例示目的に過ぎず、特定の材料、構成要素、構造、デバイス、又はシステムの実際の図であることは意図されない。例えば製造手法及び/又は許容範囲の結果として図面に図示される形状からの変形が予想される。したがって、本明細書に記載の実施形態は、図示された特定の形状又は領域に限定されると考えられるべきではなく、例えば製造の結果として生じる形状の逸脱を含む。例えば、箱形として図示又は説明される領域は、大まかな及び/又は非直線的な特徴を有する場合があり、円形として図示又は説明された領域は、いくつかの大まかな及び/又は直線的な特徴を含む場合がある。さらに、図示される鋭角は、丸みを帯びてもよく、またその逆でもよい。したがって、図に示される領域は、性質という観点から概略的であり、それらの形状は、領域の正確な形状を図示することを意図しておらず、本特許請求の範囲を限定しない。図面は必ずしも同一の縮尺を有さない。さらに、図面間で共通する要素は、同一の参照符号を保持する場合がある。
【0015】
本明細書で使用される場合、「メモリデバイス」は、メモリ機能性を呈するがそれに限定されないマイクロ電子デバイスを意味し、それを含む。
【0016】
本明細書で使用される場合、「垂直」、「縦」、「水平」及び「横」という用語は、構造の主面を基準としたものであり、必ずしも地球の重力の場によって規定されない。「水平」又は「横」方向は、構造の主面に実質的に平行な方向である一方、「垂直」又は「縦」方向は、構造の主面に実質的に垂直な方向である。構造の主面は、構造の他の表面と比較して相対的に大きな面積を有する構造の表面によって規定される。
【0017】
本明細書で使用される場合、互いに「隣り合う」として説明される特徴(例えば、領域、構造、デバイス)は、互いに最も近接して(例えば最も近くに)配置された開示される特定の性質の特徴を意味し、それを含む。「隣り合う」特徴の開示される特定の性質と一致しない追加の特徴(例えば、追加領域、追加構造、追加デバイス)は、「隣り合う」特徴の間に配置され得る。言い換えれば、「隣り合う」特徴は、「隣り合う」特徴の間に他の特徴が介在しないように互いに直接的に隣り合って配置されてもよく、又は、少なくとも1つの「隣り合う」特徴と関連するもの以外の特定の性質を有する少なくとも1つの特徴が「隣り合う」特徴の間に配置されるように、「隣り合う」特徴が互いに間接的に隣り合って配置されてもよい。したがって、互いに「垂直方向に隣り合う」と説明される特徴は、互いに垂直方向最も近接して(例えば、垂直方向最も近くに)配置された開示される特定の性質の特徴を意味し、それを含む。さらに、互いに「水平方向に隣り合う」と説明される特徴は、互いに水平方向最も近接して(例えば、水平方向最も近くに)配置された開示される特定の性質の特徴を意味し、それを含む。
【0018】
本明細書で使用される場合、「下方」、「下」、「低」、「最下」、「上」、「上方」、「最上」、「前」、「後」、「左」、「右」などの空間相対的な用語は、図面に示されるような、別の要素又は特徴に対する要素又は特徴の関係を説明する説明を容易にするために使用され得る。特記しない限り、空間相対的な用語は、図面に示された向きに加えて、材料の異なる向きを包含することが意図される。例えば、図中の材料が反転している場合、他の要素若しくは特徴の「下」又は「下方」又は「下部」又は「の最下に」にあるとして説明された要素は、他の要素若しくは特徴の「上」又は「最上」に向けられていることになる。したがって「下」という語は、その語が使用される文脈に応じて上と下との両方の向きを包含することができ、当業者にとって明らかであろう。材料は、他の向きを有する場合があり(例えば、90度回転、逆転、若しくは反転)、本明細書で使用される空間相対的な記述子は、それに応じて解釈され得る。
【0019】
本明細書で使用される場合、文脈が明確に示さない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は複数形も同様に含むことが意図される。
【0020】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」は、関連する列挙項目のうちの1つ又は複数の項目のいずれか及び全ての組合わせを含む。
【0021】
本明細書で使用される場合、「構成される」という用語は、構造及び装置のうちの1つ又は複数の構造及び装置の動作を所定のやり方で容易にする、少なくとも1つの構造及び少なくとも1つの装置のうちの1つ又は複数の構造及び装置のサイズ、形状、材料組成、向き、配置を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、「~に結合される」という表現は、直接的なオーミック接続又は間接的接続(例えば、他の構造を介する)によって電気的に接続されるなど、互いに動作可能なように接続された構造を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、所与のパラメータ、特性、又は条件を基準とした「実質的に」という用語は、その所与のパラメータ、特性、条件が、許容範囲内などの変化の度合をもって満たされることを当業者が理解するであろう程度を意味し、それを含む。例として、実質的に満たされた特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、そのパラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90.0パーセント満たされ、少なくとも95.0パーセント満たされ、少なくとも99.0パーセント満たされ、少なくとも99.9パーセント満たされ、又は100.0パーセントも満たされる場合がある。
【0024】
本明細書で使用される場合、特定のパラメータの数値を基準とした「約」又は「およそ」は、その数値を含み、当業者が理解するであろうその数値からの変化の度合は、特定のパラメータの許容範囲内である。例えば数値を基準とした「約」又は「およそ」は、数値の95.0パーセントから105.0パーセントの範囲内、数値の97.5パーセントから102.5パーセントの範囲内、数値の99.0パーセントから101.0パーセントの範囲内、数値の99.5パーセントから100.5パーセントの範囲内、又は数値の99.9パーセントから100.1パーセントの範囲内など、数値の90.0パーセントから110.0パーセントの範囲内の追加の数値を含み得る。
【0025】
図1Aは、本開示の実施形態による、マイクロ電子デバイス(例えば、半導体デバイス、3D NANDフラッシュメモリデバイスなどのメモリデバイス)のマイクロ電子デバイス構造100の簡略化された部分的断面図である。マイクロ電子デバイス構造100は、例えば、メモリデバイス(例えば、3D NANDフラッシュメモリデバイス)の部分を備え得る。図1Bは、図1Aに示されるマイクロ電子デバイス構造100の断面A(例えば部分、領域)の簡略化された部分的上面図である。図面と関連の記載とを明瞭にし、理解を容易にするために、マイクロ電子デバイス構造100の相対的に垂直方向で低い構成要素の上に置かれたマイクロ電子デバイス構造100の何らかの垂直方向で高い構成要素(例えば、特徴、構造、デバイス)は、図1Bのマイクロ電子デバイス構造100の特定の態様に焦点を当てるために図1Bでは省略されている。
【0026】
図1Aを参照すると、マイクロ電子デバイス構造100は、層108に配置された導電構造104(例えば、アクセス線プレート、ワード線プレート)と絶縁構造106との垂直方向に交互(例えば、Z方向)の配列を含むスタック構造102を含む。スタック構造102の層108のそれぞれは、絶縁構造106のうちの少なくとも1つと垂直方向に隣り合う導電構造104のうちの少なくとも1つを含み得る。スタック構造102は、所望の量の層108を含み得る。例えば、スタック構造102は、導電構造104及び絶縁構造106の10以上の層108、25以上の層108、50以上の層108、100以上の層108、150以上の層108、又は200以上の層108を含み得る。
【0027】
スタック構造102の層108の導電構造104は、少なくとも1つの金属(例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニオビウム(Nb)、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pa)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、及びアルミニウム(Al)のうちの1つ又は複数)、少なくとも1つの合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、マグネシウム(Mg)基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、及びステンレス鋼のうちの1つ又は複数)、少なくとも1つの導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたポリシリコン、導電的にドープされたゲルマニウム(Ge)、及び導電的にドープされたシリコンゲルマニウム(SiGe)のうちの1つ又は複数)、及び少なくとも1つの導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、導電性金属炭化物、及び導電性金属酸化物のうちの1つ又は複数)のうちの1つ又は複数など、1つ又は複数の導電材料から形成され、それを含み得る。いくつかの実施形態では、導電構造104はWから形成され、それを含む。導電構造104のそれぞれは、個々に、少なくとも1つの導電材料の実質的に均質な分布、又は少なくとも1つの導電材料の実質的に不均質な分布を含み得る。本明細書で使用される場合、「均質な分布」という用語は、構造の異なる部分(例えば、異なる水平部分、異なる垂直部分)全体にわたって材料の量が変動しないことを意味する。逆に、本明細書で使用される場合、「不均質な分布」という用語は、構造の異なる部分全体にわたって材料の量が変動することを意味する。材料の量は、構造の異なる部分の全体において、段階的に変動する(例えば、急激に変化)場合があり、若しくは連続して変動する(例えば、直線状、対物線状など、徐々に変化する)場合もある。いくつかの実施形態では、スタック構造102の層108のそれぞれの導電構造104のそれぞれは、導電材料の実質的に均質な分布を呈する。さらなる実施形態では、スタック構造102の層108のうちの少なくとも1つの導電構造104の少なくとも1つは、少なくとも1つの導電材料の実質的に不均質な分布を呈する。導電構造104は、例えば少なくとも2つの異なる導電材料のスタックから形成され、それを含み得る。スタック構造102の層108のそれぞれの導電構造104は、それぞれ実質的に平面的でもよく、それぞれ所望の厚さを呈してもよい。
【0028】
スタック構造102の層108の絶縁構造106は、少なくとも1つの誘電酸化物材料(例えば、酸化ケイ素(SiO)、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウリンケイ酸ガラス、フルオロケイ酸ガラス、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ニオビウム(NbO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(TaO)、及び酸化マグネシウム(MgO)のうちの1つ又は複数)、少なくとも1つの誘電窒化物材料(例えば、窒化ケイ素(SiN))、少なくとも1つの誘電酸窒化物材料(例えば、酸窒化ケイ素(SiO))、及び少なくとも1つの誘電炭酸窒化物材料(例えば、炭酸窒化ケイ素(SiO))のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの誘電材料から形成され、それを含み得る。本明細書で「x」、「y」、及び「z」のうちの1つ又は複数を含む式(例えば、SiO、AlO、HfO、NbOx、TiOx、SiN、SiO、SiO)は、別の元素(例えば、Si、Al、Hf、Nb、Ti)のそれぞれ1個の原子に対する、ある元素の「x」個の原子、別の元素の「y」個の原子、及びさらなる元素(存在する場合)の「z」個の原子の平均比率を含む材料を表す。式が相対原子比を表し、厳密な化学構造を表していない場合、絶縁構造106は、1つ若しくは複数の化学量論化合物及び/又は1つ若しくは複数の非化学量論化合物を含む場合があり、「x」、「y」、及び「z」(存在する場合)の値は、整数でもよく、又は整数以外でもよい。本明細書で使用される場合、「非化学量論化合物」という用語は、明確な自然数の比率によって表されることができずに定比例の法則に反する元素組成を有する化学化合物を意味し、それを含む。いくつかの実施形態では、絶縁構造106は、SiOから形成され、それを含む。絶縁構造106のそれぞれは、少なくとも1つの絶縁材料の実質的に均質な分布、又は少なくとも1つの絶縁材料の実質的に不均質な分布を個々に含み得る。いくつかの実施形態では、スタック構造102の層108のそれぞれの絶縁構造106のうちのそれぞれは、絶縁材料の実質的に均質な分布を呈する。さらなる実施形態では、スタック構造102の層108のうちの少なくとも1つの絶縁構造106の少なくとも1つは、少なくとも1つの絶縁材料の実質的に不均質な分布を呈する。絶縁構造106は、少なくとも2つの異なる絶縁材料のスタック(積層)から形成され、それを含み得る。スタック構造102の層108のそれぞれの絶縁構造106は、それぞれ実質的に平面的でもよく、それぞれ個々に所望の厚さを呈してもよい。
【0029】
スタック構造102の少なくとも1つの下方導電構造104は、マイクロ電子デバイス構造100の少なくとも1つの下方選択ゲート(例えば、少なくとも1つのソース側選択ゲート(SGS))として用いられ得る。いくつかの実施形態では、スタック構造102の垂直方向の最下層108の単一(例えば、唯一)の導電構造104は、マイクロ電子デバイス構造100の下方選択ゲート(例えば、SGS)として用いられる。さらに、スタック構造102の上方導電構造104は、マイクロ電子デバイス構造100の上方選択ゲート(例えば、ドレイン側選択ゲート(SGD))として用いられ得る。いくつかの実施形態では、スタック構造102の垂直方向の最上層108の水平方向に隣り合う導電構造104は、マイクロ電子デバイス構造100の上方選択ゲート(例えば、SGD)として用いられる。
【0030】
続けて図1Aを参照すると、マイクロ電子デバイス構造100は、スタック構造102内に少なくとも1つのスタジアム構造110をさらに含む。いくつかの実施形態では、スタジアム構造110は、スタック構造102内に含まれた複数の(例えば、1つより多い)スタジアム構造のうちの1つである。スタジアム構造110は、例えば、以下でさらに詳細に説明するように、複数のスタジアム構造のうちの少なくとも1つの他のスタジアム構造とは異なる垂直方向の高さ(例えば、Z方向の深さ)に配置され得る。いくつかの実施形態では、スタジアム構造110は、スタック構造102内の1つ又は複数の他のスタジアム構造と比較して、スタック構造102内で低い垂直方向の高さに配置される。例えば、スタジアム構造110は、スタック構造102の最も低い垂直境界における、又はそれに近い垂直方向の高さなど、スタック構造102内の最も低い垂直方向の高さに配置され得る。
【0031】
図1Aに示すように、スタジアム構造110は、順階段構造112と、逆階段構造114と、順階段構造112と逆階段構造114との間に水平方向に介在する中央領域116とを含み得る。順階段構造112の最上部から順階段構造112の最下部へ延びる仮想線は右上がりの斜線を有する場合があり、逆階段構造114の最上部から逆階段構造114の最下部へ延びる別の仮想線は右下がりの斜線を有する場合がある。スタジアム構造210の順階段構造112及び逆階段構造114は、スタック構造102の層108のうちの1つ又は複数に接続する冗長及び/又は代替の手段の役割を果たし得る。さらなる実施形態では、スタジアム構造110は、図1Aに示される構成とは異なる構成を呈する。非限定的な例として、スタジアム構造110は、順階段構造112を含むが逆階段構造114は含まない(例えば、逆階段構造114が存在しない場合がある)ように修正されてもよく、又は、スタジアム構造110は、逆階段構造114を含むが順階段構造112を含まない(例えば、順階段構造112が存在しない場合がある)ように修正されてもよい。そのような実施形態では、中央領域116は、順階段構造112の最下部に水平方向に隣り合う(例えば、逆階段構造114が存在しない場合)、又は、逆階段構造114の最下部と水平方向に隣り合う(例えば、順階段構造112が存在しない場合)。
【0032】
さらに図1Aを参照すると、順階段構造112は、スタック構造102の層108の縁(例えば、水平方向端部)によって画定された段118(例えば、接触領域)を含み、逆階段構造114は、層108の追加縁(例えば、追加の水平方向端部)によって画定された追加段120(例えば、追加接触領域)を含む。いくつかの実施形態では、逆階段構造114は、順階段構造112の鏡像である。順階段構造112の各段118は、実質的に同一の幾何学構成(例えば、形状、寸法)、垂直方向位置(例えば、Z方向)、及びスタジアム構造110の中央領域116の水平方向中心(例えば、X方向)からの水平方向距離(例えば、X方向)を有する逆階段構造114内に対応追加段120を有してもよい。さらなる実施形態では、逆階段構造114は順階段構造112の鏡像ではない。例えば、順階段構造112の少なくとも1つの段118は、実質的に同一の幾何学構成(例えば、形状、寸法)、垂直方向位置(例えば、Z方向)、及び/若しくはスタジアム構造110の中央領域116の水平方向中心(例えば、X方向)からの水平方向距離(例えば、X方向)を有する逆階段構造114内の対応追加段120を有さなくてもよく、並びに/又は、逆階段構造114の少なくとも1つの追加段120は、実質的に同一の幾何学構成(例えば、形状、寸法)、垂直方向位置(例えば、Z方向)、及び/若しくはスタジアム構造110の中央領域116の水平方向中心(例えば、X方向)からの水平方向距離(例えば、X方向)を有する順階段構造112内の対応段118を有さなくてもよい。
【0033】
図1Aに示されるように、いくつかの実施形態では、X方向において直接水平方向で互いに隣り合った順階段構造112の段118が、直接垂直方向で互いに隣り合った(例えば、Z方向)スタック構造102の層108に対応するように、さらにX方向において直接水平方向で互いに隣り合った逆階段構造114の追加段120が、直接垂直方向で互いに隣り合った(例えば、Z方向)スタック構造102の層108に対応するように、順階段構造112の段118及び逆階段構造114の追加段120は順に配置される。さらなる実施形態では、X方向において直接水平方向で互いに隣り合った順階段構造112の少なくともいくつかの段118が、互いに直接垂直方向では隣り合わない(例えば、Z方向)スタック構造102の層108に対応するように、及び/又はX方向において直接水平方向で互いに隣り合った逆階段構造114の少なくともいくつかの追加段120が、直接垂直方向では互いに隣り合わない(例えば、Z方向)スタック構造102の層108に対応するように、順階段構造112の段118及び/又は逆階段構造114の追加段120は順序通りでなく配置される。
【0034】
続けて図1Aを参照すると、スタジアム構造110の中央領域116は、スタジアム構造110の順階段構造112と逆階段構造114との間に水平方向に介在し(例えば、X方向)、それらを分離する。中央領域116は、順階段構造112の垂直方向で最も低い段118に水平方向に隣り合ってもよく、逆階段構造114の垂直方向の最も低い追加段120に水平方向に隣り合ってもよい。いくつかの実施形態では、スタジアム構造110の中央領域116は、スタック構造102の垂直方向で直接下に置かれた少なくとも1つの構造の上方境界(例えば、上面)の部分によって画定される。スタジアム構造110の中央領域116は、以下で詳細に説明されるように、マイクロ電子デバイス(例えば、3D NANDメモリデバイスなどのメモリデバイス)内でのマイクロ電子デバイス構造100の所定の使用(スタック構造102とそのスタジアム構造110の所定の使用を含む)を容易にする任意の水平方向の寸法を有し得る。
【0035】
図1Aに示すように、スタジアム構造110(順階段構造112、逆階段構造114、及びその中央領域116を含む)は、スタック構造102を通って垂直方向に延びる(例えば、Z方向)トレンチ127の境界(例えば、水平境界、垂直境界)を少なくとも部分的に画定し得る。トレンチ127は、スタジアム構造110の順階段構造112及び逆階段構造114を画定する、スタック構造102の層108を通って垂直にのみ延びてもよく、又はスタジアム構造110の垂直方向の上に置かれたスタック構造102の追加層108など、スタジアム構造110の順階段構造112及び逆階段構造114を画定しないスタック構造102の追加層108を通って同様に垂直方向に延びてもよい。スタック構造102の追加層108の縁は、例えば、スタジアム構造110の垂直方向で上に置かれた水平方向でスタジアム構造110から片寄った1つ又は複数の追加スタジアム構造を画定してもよい。トレンチ127は、少なくとも1つの誘電酸化物材料(例えば、SiO、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウリンケイ酸ガラス、フルオロケイ酸ガラス、AlO、HfO、NbO、TiO、ZrO、TaO、及びMgOのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの誘電窒化物材料(例えば、SiN)、少なくとも1つの誘電酸窒化物材料(例えば、SiO)、少なくとも1つの誘電炭酸窒化物材料(例えば、SiO)、及び無定形炭素(アモルファス炭素)のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの誘電充填材料が充填され得る。いくつかの実施形態では、トレンチ127は、SiOが充填される。
【0036】
図1Bを参照すると、スタック構造102は、溝穴136によって、X方向に直交したY方向において分断され得る。いくつかの実施形態では、溝穴136は、スタック構造102を貫通して垂直方向に延びる(例えば、FIG.1Aに示されるZ方向)。溝穴136は、スタック構造102を複数のブロック138に分割し得る(例えば、Y方向)。溝穴136のそれぞれは、少なくとも1つの誘電酸化物材料(例えば、SiO、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウリンケイ酸ガラス、フルオロケイ酸ガラス、AlO、HfO、NbO、TiO、ZrO、TaO、及びMgOのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの誘電窒化物材料(例えば、SiN)、少なくとも1つの誘電酸窒化物材料(例えば、SiO)、少なくとも1つの誘電炭酸窒化物材料(例えば、SiO)、及び無定形炭素のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの誘電充填材料が充填され得る。溝穴136内の誘電充填材料は、トレンチ127(図1A)内の誘電充填材料と実質的に同一であってもよく、又は異なってもよい。いくつかの実施形態では、溝穴136のそれぞれは、SiOが充填される。
【0037】
図1Aに戻って参照すると、マイクロ電子デバイス構造100は、さらに、スタック構造102の下に置かれたソース層122と、ソース層122の下に置かれた導電配線層124(例えば、メタライゼーション層)とを含む。導電配線層124は、以下で詳細に説明されされるように、(例えば、1つ又は複数の導電インターコネクト構造を介して)ソース層122の部分(例えば、異なる導電構造)と電気通信状態にあってもよく、マイクロ電子デバイス構造100を含むマイクロ電子デバイス(例えば、メモリデバイス)の構成要素に対してソース層122の部分を電気的に接続してもよい。
【0038】
ソース層122は、水平方向で互いに分離された(例えば、X方向と、X方向に垂直なY方向(図1B))ディスクリート導電構造128(例えば、ディスクリートの導電島状構造)を含む。ディスクリート導電構造128は、マイクロ電子デバイス構造100内で互いに実質的に同一の垂直方向位置(例えば、Z方向)に配置され得る。少なくとも1つの誘電材料126は、ディスクリート導電構造128を囲んで(例えば、水平方向に囲む、垂直方向に囲む)、それらの間に介在し得る(例えば、X方向及びY方向(図1B))。誘電材料126は、ソース層122のディスクリート導電構造128の垂直方向で上に存在しても、垂直方向で下に存在してもよく、ソース層122の水平方向に隣り合うディスクリート導電構造128の水平方向に介在して、それらを分離してもよい。誘電材料126は、少なくとも1つの誘電酸化物材料(例えば、SiO、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウリンケイ酸ガラス、フルオロケイ酸ガラス、AlO、HfO、NbO、TiO、ZrO、TaO、及びMgOのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの誘電窒化物材料(例えば、SiN)、少なくとも1つの誘電酸窒化物材料(例えば、SiO)、少なくとも1つの誘電炭酸窒化物材料(例えば、SiO)、及び無定形炭素のうちの1つ又は複数から形成され、それを含んでもよい。いくつかの実施形態では、誘電材料126はSiOを含む。
【0039】
ディスクリート導電構造128は、それぞれ、個々に、少なくとも1つの金属(例えば、W、Ti、Mo、Nb、V、Hf、Ta、Cr、Zr、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pa、Pt、Cu、Ag、Au、及びAlのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、Mg基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、並びにステンレス鋼のうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、及び導電性金属炭化物、導電性金属酸化物のうちの1つ若しくは複数)、並びに少なくとも1つの導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたSi、導電的にドープされたGe、及び導電的にドープされたSiGeのうちの1つ若しくは複数)のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの導電材料から形成されてそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ディスクリート導電構造128は、導電的にドープされた多結晶シリコンから形成され、それを含んでもよい。ディスクリート導電構造128のそれぞれは、個々に、少なくとも1つの導電材料の実質的に均質な分布、又は少なくとも1つの導電材料の実質的に非均質な分布を含み得る。いくつかの実施形態では、ソース層122のディスクリート導電構造128のそれぞれは、導電材料の実質的に均質な分布を呈する。さらなる実施形態では、ソース層122のディスクリート導電構造128のうちの少なくとも1つ(例えば、それぞれ)は、少なくとも1つの導電材料の実質的に非均質な分布を呈する。ディスクリート導電構造128は、例えば、個々に、少なくとも2つの異なる導電材料のスタックから形成され、それを含み得る。いくつかの実施形態では、ディスクリート導電構造128は、互いに、実質的に同一の材料組成と、同一の材料分布を有する。例えば、ディスクリート導電構造128は、(例えば、所定のレチクル構成を使用して)導電材料をパターニングすることによって形成され得る(例えば、実質的に同時に形成され得る)。
【0040】
ディスクリート導電構造128は、それぞれ、個々に、任意の所望の幾何学構成(例えば、寸法及び形状)と間隔とを呈してもよい。ディスクリート導電構造128の幾何学構成及び間隔は、マイクロ電子デバイス構造100の他の構成要素の構成及び位置に少なくとも部分的に基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、ディスクリート導電構造128の1つ若しくは複数の(例えば、それぞれ)は、略四角形(例えば、略長方形、略正方形)の水平方向の断面形状を呈する。ディスクリート導電構造128のそれぞれは、ディスクリート導電構造128の互いに実質的に同一の幾何学構成(例えば、同一の寸法及び同一の形状)と水平方向の間隔(例えば、X方向、X方向に直交するY方向(図1B))を呈してもよく、又はディスクリート導電構造128の少なくともいくつかは、ディスクリート導電構造128の少なくとも何らかの他のものとは異なる幾何学構成(例えば、1つ若しくは複数の異なる寸法、異なる形状)及び/若しくは異なる水平方向の間隔を呈してもよい。いくつかの実施形態では、ディスクリート導電構造128は、少なくとも部分的に不均一に離れて配置される。例えば、少なくともいくつかの水平方向に隣り合うディスクリート導電構造128は、少なくともいくつかの他の水平方向に隣り合うディスクリート導電構造128とは異なる距離だけ互いに離れて配置され得る。
【0041】
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、スタック構造102のブロック138のそれぞれは、個々に、垂直方向で下方に(例えば、Z方向(図1A))ディスクリート導電構造128の4行を含み、その水平境界(例えば、Y方向及びX方向)内に実質的に閉じ込められる。ディスクリート導電構造128の各行は、X方向に水平に延びてもよく、個々に、ソース層122(図1A)に含まれるディスクリート導電構造128の部分を含んでもよい。さらなる実施形態では、ディスクリート導電構造128の異なる数の行が、スタック構造102のブロック138の1つ又は複数の(例えば、それぞれ)の水平境界の垂直方向で下方に配置され、その内部に実質的に閉じ込められる。例えば、スタック構造102のブロック138のそれぞれは、個々に、垂直方向でその下方にディスクリート導電構造128の4行より多い数の行を含んでその水平境界内に実質的に閉じ込められてもよく、又は、スタック構造102のブロック138のそれぞれは、個々に、垂直方向でその下方にディスクリート導電構造128の4行より少ない数の行を含んでその水平境界内に実質的に閉じ込められてもよい。さらに、図1Bに示されるように、ディスクリート導電構造128の列は、同様に、スタック構造102の垂直方向で下方に(例えば、Z方向(図1A))配置されてもよく、X方向に直交するY方向に水平に延びてもよい。いくつかの実施形態では、スタック構造102のブロック138のそれぞれに対して、ディスクリート導電構造128の3列がスタジアム構造110の中央領域116のX方向において水平境界内に完全に配置され、ディスクリート導電構造の2列がスタジアム構造110の中央領域116のX方向において水平境界内に部分的に(例えば、完全ではなく)配置される。さらなる実施形態では、異なる量(例えば、3より多い、3より少ない)の列のディスクリート導電構造128がスタジアム構造110の中央領域116のX方向における水平境界内に完全に配置され、及び/又は、異なる量(例えば、2より少ない)の列のディスクリート導電構造128がスタジアム構造110の中央領域116のX方向における水平境界内に部分的に配置される。
【0042】
図1Aに戻って参照すると、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界内のソース層122のディスクリート導電構造128は、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界から、その間を連続して水平方向に延びる単一の導電構造と比較すると、例えば、スタジアム構造110によって少なくとも部分的に画定されるトレンチ127内に誘電充填材料(例えば、SiO)の形成(例えば、堆積)中に剥離抵抗性を改善し得る。ディスクリート導電構造128のセグメント化された特性、並びにディスクリート導電構造128を囲みその間に介在する誘電材料126は、例えば、垂直方向でその下方の材料からの従来の連続した導電構造を他の方法で少なくとも部分的に剥離させ得る誘電充填材料の形成によって発生した応力を良好に扱い得る。
【0043】
図1Aをさらに参照すると、ソース層122のディスクリート導電構造128のいくつかは、導電配線層124に電気的に接続されてもよく、ソース層122のディスクリート導電構造128の他は、導電配線層124から電気的に絶縁されてもよい。例えば、ソース層122のディスクリート導電構造128のいくつかは、導電配線層124内の導電配線構造129(例えば、水平方向に延びる導電構造)に(例えば、垂直方向に延びる導電インターコネクト構造を介して)電気的に接続されてもよい。一方、導電配線層124の導電配線構造129は、マイクロ電子デバイス構造100のソース層122の垂直方向で下に置かれた、追加の構造及び/又はデバイス(例えば、バックエンド(BEOL)デバイス、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)回路を含む制御ロジックデバイスなどの制御ロジックデバイス)に電気的に接続され得る。1つ又は複数の誘電材料(例えば、少なくとも1つの誘電酸化物材料、少なくとも1つの誘電窒化物材料、少なくとも1つの誘電酸窒化物材料、少なくとも1つの誘電炭酸窒化物材料、及び無定形炭素のうちの1つ若しくは複数)が、導電配線層124の導電配線構造129間に水平方向に介在し得る。
【0044】
図1Aを続けて参照すると、マイクロ電子デバイス構造100は、さらに、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界内でソース層122のディスクリート導電構造128の垂直方向で上に置く少なくとも1つのマスキング構造130を含む。マスキング構造130は、個々に、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界内でソース層122のディスクリート導電構造128間に水平方向で介在する誘電材料126の部分の垂直方向で上に置かれ且つ該部分を実質的に水平に被覆する一体化セグメント131(例えば、一体化部、一体化セクション)を含み得る。図1Aに示されるように、マスキング構造130は、そこを通って垂直方向に延び且つマスキング構造130の垂直方向の下に置かれたソース層122のディスクリート導電構造128のうちのいくつかの水平境界内にある開口132をさらに含み得る。開口132は、マスキング構造130の一体化セグメント131間に水平に配置されてもよく、垂直方向でその下方のディスクリート導電構造128の水平方向の面積よりも小さい水平方向の面積を有してもよい。それに応じて、マスキング構造130の一体化セグメント131は、マスキング構造130の垂直方向で下に置かれたソース層122のディスクリート導電構造128のうちのいくつかと水平方向で重なり得る。マスキング構造130は、ソース層122のディスクリート導電構造128の垂直方向で上に置かれた誘電材料126の追加部分内に配置され得る。誘電材料126は、例えば、マスキング構造130の外周(例えば、最も外側の水平及び垂直境界)を囲み、さらに、マスキング構造130の開口132を充填し得る。
【0045】
マスキング構造130は、ディスクリート導電構造128を囲みその間に介在する誘電材料126とは選択的に異なるエッチングを有する少なくとも1つの材料から形成され、それを含み得る。マスキング構造130は、例えば、少なくとも1つの材料除去プロセス(例えば、少なくとも1つのチョッピングプロセス)によってスタジアム構造110(及び、したがってトレンチ127)を形成するために用いられる少なくとも1つのエッチング液との相互作用中に、誘電材料126よりも除去に対して相対的により耐性があってもよい。マスキング構造130は、垂直方向でその下方でソース層122のディスクリート導電構造128間に水平方向に介在する誘電材料126の部分を、材料除去プロセス中の除去から保護し得る。誘電材料126の部分を材料除去プロセス中の除去から保護することによって、マスキング構造130は、さらに、マイクロ電子デバイス構造100のソース層122の垂直方向の下に置かれた1つ又は複数の構造(例えば、導電配線層124の導電配線構造129のうちの1つ若しくは複数)に対する望ましくない損傷を妨げる、又は防止し得る。
【0046】
非限定的な例として、マスキング構造130は、少なくとも1つの金属(例えば、W、Ti、Mo、Nb、V、Hf、Ta、Cr、Zr、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pa、Pt、Cu、Ag、Au、及びAlのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、Mg基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、並びにステンレス鋼のうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、及び導電性金属炭化物、導電性金属酸化物のうちの1つ若しくは複数)、並びに少なくとも1つの導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたSi、導電的にドープされたGe、及び導電的にドープされたSiGeのうちの1つ若しくは複数)のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの導電材料から形成され、それを含み得る。いくつかの実施形態では、マスキング構造130は、W(例えば、元素として存在するW)から形成され、それを含む。さらなる実施形態では、マスキング構造130は、スタジアム構造110を形成するために用いられた少なくとも1つのエッチャントとの相互作用中に誘電材料126よりも除去に対する耐性がある少なくとも1つの半導電材料、及び/若しくはスタジアム構造110を形成するために用いられる少なくとも1つのエッチャントとの相互作用中に誘電材料126よりも除去に対する耐性がある少なくとも1つの他の誘電材料のうちの1つ又は複数から形成され、それを含み得る。マスキング構造130は、材料(例えば、導電材料、半導電材料、誘電材料)の実質的に均質な分布又は材料の実質的に非均質な分布を含んでもよい。いくつかの実施形態では、マスキング構造130は、導電材料(例えば、W)の実質的に均質な分布を有する。さらなる実施形態では、マスキング構造130は、1つ又は複数の材料の実質的に非均質な分布を有する。マスキング構造130は、例えば、少なくとも2つの異なる材料のスタックから形成され、それを含み得る。
【0047】
マスキング構造130は、所望の幾何学構成及び所望の水平方向位置(例えば、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界内)を呈し得る。以下でさらなる詳細で説明されるように、マスキング構造130の幾何学構成及び水平方向位置は、マイクロ電子デバイス構造100の他の構成要素(例えば、スタック構造102、スタジアム構造110の中央領域116、ソース層122のディスクリート導電構造128)の幾何学構成及び水平方向位置に少なくとも部分的に基づいて選択され得る。例えば、マスキング構造130は、垂直方向でその下方でソース層122のディスクリート導電構造128間に水平方向に介在した誘電材料126の部分が、スタック構造102においてスタジアム構造110(さらに、したがって、トレンチ127)を形成するために用いられる1つ又は複数のプロセス(例えば、従来のチョッピングプロセス)中に除去されるのを妨げる(例えば、実質的に防ぐ)ために、マイクロ電子デバイス構造100の他の構成要素の幾何学構成及び水平方向位置を補完する幾何学構成及び水平方向位置を有し得る。
【0048】
図1Bを参照すると、スタック構造102の各ブロック138の水平境界(例えば、X方向、Y方向)内で、その一体化セグメント131がスタジアム構造110の中央領域116の水平境界内においてソース層122の水平方向に隣り合うディスクリート導電構造128間に介在するように、マスキング構造130が水平方向に配置され得る。マスキング構造130の最も外側の水平境界(例えば、X方向の幅W及びY方向の長さL)は、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界内のブロック138の部分の最も外側の水平境界より小さくなり得る。例えば、スタック構造102の各ブロック138に対して、マスキング構造130は、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界内に配置されたディスクリート導電構造128の実質的に全てよりも少なくにわたり水平方向に延びてもよい(例えば、X方向及びY方向)。図1Bに示されるように、スタック構造102の各ブロック138に対して、マスキング構造130は、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界内に少なくとも部分的に配置されたディスクリート導電構造128の実質的に全ての列よりも少ない列にわたりX方向において水平に延びてもよく、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界内に配置されたディスクリート導電構造128の全ての行よりも少ない行にわたりY方向で水平に延びてもよい。非限定的な例として、スタック構造102の個々のブロック138に対して、ディスクリート導電構造128の4行及び5列がスタジアム構造110の中央領域116の水平境界内に少なくとも部分的に配置された場合、マスキング構造130は、ディスクリート導電構造128の4行のうちの中側の2行を横切って越えてY方向で水平に延びてもよいが、ディスクリート導電構造128の4行のうちの外側の2行を横切ってY方向で実質的に水平に延びなくてもよく、ディスクリート導電構造128の5列のうちの中側の3列を横切って越えてX方向で水平に延びてもよいが、ディスクリート導電構造128の5列のうちの外側の2列を横切ってX方向で実質的に水平に延びなくてもよい。そのような実施形態において、スタック構造102の個々のブロック138に対して、ディスクリート導電構造128のうちの6つのみがマスキング構造130の最も外側の水平境界内に完全に配置される。図1Bに示されるように、マスキング構造130は、ディスクリート導電構造128の5列のうちの外側の2列のそれぞれの内部でディスクリート導電構造128の中側の2つ(例えば、Y方向)と部分的に水平方向で重なってもよいが(例えば、X方向)、ディスクリート導電構造128の4行のうちの外側の2行の内部でディスクリート導電構造128のうちのいずれかと水平方向で重なってもよい(例えば、Y方向)。いくつかの実施形態では、X方向におけるマスキング構造130の幅Wは、約3500ナノメートル(nm)から約4500nm(例えば、約3750nmから約4250nm、約3850nmから約4000nm)の範囲内であり、Y方向におけるマスキング構造130の長さLは、約1000nmから約2000nm(例えば、約1250nmから約1750nm、約1350nmから約1500nm)の範囲内にある。
【0049】
図1Bに示されるように、いくつかの実施形態では、スタック構造102の個々のブロック138の水平境界内のマスキング構造130は、スタック構造102のブロック138のY方向における水平方向中心線B-Bに沿って水平方向中心に配置される。さらなる実施形態において、スタック構造102の個々のブロック138の水平境界内のマスキング構造130は、ブロック138の水平方向中心線B-BからY方向において水平方向で片寄っている。
【0050】
続けて図1Bを参照すると、スタック構造102の個々のブロック138の水平境界内では、マスキング構造130における各開口132は、個々に、マスキング構造130の垂直方向で下に置かれた個々のディスクリート導電構造128の水平方向中心に関して水平方向中心に配置され得る。さらに、開口132は、それと関連したディスクリート導電構造128の水平方向の寸法より小さい水平方向の寸法(例えば、X方向及びY方向における)を有し得る。その結果、マスキング構造130の一体化セグメント131の部分133は、マスキング構造130の垂直方向で下に置かれたディスクリート導電構造128のいくつかと水平方向で重なり得る。図1Bにおいて、ディスクリート導電構造128と水平方向で重なった一体化セグメント131の部分133をより明瞭に示すために、マスキング構造130の開口132の垂直方向で下に置かれて実質的に水平方向で整列したディスクリート導電構造128の水平方向の領域が点線で図示される。開口132のそれぞれの水平方向のサイズ及び形状、並びにマスキング構造130の一体化セグメント131と、それと水平方向で隣り合ったディスクリート導電構造128との間の水平方向の重なりの量(例えば、大きさ)は、スタジアム構造110の中央領域116の水平境界内のディスクリート導電構造128の水平方向の形状、水平方向のサイズ、及び水平方向位置に少なくとも部分的に基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、ディスクリート導電構造128と重なったマスキング構造130の個々の一体化セグメント131の各部分133は、約5ナノメートル(nm)以上、約10nm以上、約20nm以上、約30nm以上、又は約1nmから約30nmの範囲内(例えば、約10nmから約30nm、約20nmから約30nm、約30nm)など、約1nm以上だけ、ディスクリート導電構造128と重なっている。
【0051】
図1Aに戻って参照すると、任意で、誘電内張り材料134が、水平境界(例えば、開口132を画定する内側の面と外側の面などの側面)と、マスキング構造130の下方垂直境界(例えば、下面)を実質的に被覆して囲んでもよい。誘電内張り材料134は、マスキング構造130の水平境界と誘電材料126との間に水平方向で介在してもよく、マスキング構造130の垂直境界と、ソース層122の誘電材料126及びディスクリート導電構造128のそれぞれとの間に垂直方向で介在してもよい。存在するのであれば、誘電内張り材料134は、少なくとも1つの誘電酸化物材料(例えば、SiO、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウリンケイ酸ガラス、フルオロケイ酸ガラス、AlO、HfO、NbO、TiO、ZrO、TaO、及びMgOのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの誘電窒化物材料(例えば、SiN)、少なくとも1つの誘電酸窒化物材料(例えば、SiO)、少なくとも1つの誘電炭酸窒化物材料(例えば、SiO)、及び無定形炭素のうちの1つ又は複数から形成され、それを含んでもよい。いくつかの実施形態では、誘電内張り材料134が存在し、SiOを含む。
【0052】
それによって、本開示の実施形態によれば、マイクロ電子デバイスは、スタック構造と、そのスタック構造内のスタジアム構造と、スタック構造の下に置かれたソース層と、マスキング構造とを備える。スタック構造は、それぞれが導電構造と、その導電構造と垂直方向に隣り合う絶縁構造とを備える層を有する。スタジアム構造は、その層の縁を含む段を有する順階段構造と、順階段構造に対向し、層の追加縁を備える追加段を有する逆階段構造と、順階段構造と逆階段構造との間に水平方向で介在する中央領域とを備える。ソース層は、スタジアム構造の中央領域の水平境界内にディスクリート導電構造を備える。ディスクリート導電構造は、誘電材料によって互いから水平方向で分離している。マスキング構造は、スタジアム構造の中央領域の水平境界内に閉じ込められ、ソース層のディスクリート導電構造とスタジアム構造の中央領域との間に垂直方向で介在している。マスキング構造は、ディスクリート導電構造間に水平方向で介在している誘電材料の部分を水平方向で被覆しているセグメントを備える。
【0053】
本開示の実施形態による、マイクロ電子デバイス構造(例えば、図1A及び図1Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造100)は、本開示のマイクロ電子デバイス(例えば、3D NANDフラッシュメモリデバイスなどのメモリデバイス)の実施形態に含まれ得る。例えば、図2は、マイクロ電子デバイス構造201を含むマイクロ電子デバイスであるマイクロ電子デバイス200の簡略化された部分断面図である。マイクロ電子デバイス構造201は、図1A及び図1Bを参照して上述したマイクロ電子デバイス構造100と実質的に同様であり得る。
【0054】
図2を参照すると、マイクロ電子デバイス200は、層208に配置された導電構造204(例えば、アクセス線プレート、ワード線プレート)と絶縁構造206との垂直方向に交互(例えば、Z方向)の配列を含むスタック構造202を含む。スタック構造202(その導電構造204及び絶縁構造206を含む)の層208は、それぞれ、図1A及び図1Bを参照して上述したスタック構造102(その導電構造104及び絶縁構造106を含む)の層108と実質的に同様であり得る。さらに、図2に示すように、スタック構造102は、メモリアレイ領域203と、メモリアレイ領域203と水平方向に隣り合う(例えば、X方向)分散スタジアム領域205とを含む。以下でさらに詳述されるように、マイクロ電子デバイス200は、スタック構造102の異なる水平領域(例えば、メモリアレイ領域203、分散スタジアム領域205)の境界内に追加の構成要素(例えば、特徴、構造、デバイス)をさらに含む。
【0055】
スタック構造202のメモリアレイ領域203の水平境界(例えば、X方向)内において、マイクロ電子デバイス200は、垂直方向に延びるピラー構造236、ソース構造237(例えば、ソースプレート)、デジット線240(例えば、ビット線)、及び制御部246を含み得る。制御部246は、スタック構造202のメモリアレイ領域203の垂直方向で下に存在し得る(例えば、Z方向)。ソース構造237は、スタック構造202と制御部246との間に垂直方向で介在するソース層222に含まれ得る。ソース層222は、スタック構造202のメモリアレイ領域203の水平境界内にソース構造237、さらにスタック構造202の分散スタジアム領域205内にディスクリート導電構造228を含み得る。ディスクリート導電構造228は、図1A及び図1Bを参照して上述したソース層122のディスクリート導電構造128と実質的に同様であり得る。デジット線240は、スタック構造202のメモリアレイ領域203の垂直方向で上に存在し得る。垂直方向に延びるピラー構造236は、デジット線240から、又はその近くからスタック構造202のメモリアレイ領域203を介してソース構造237へ、又はその近くへ垂直方向に延びる。
【0056】
垂直方向に延びるピラー構造236のそれぞれは、1つ又は複数の電荷蓄積構造(例えば、酸化物-窒化物-酸化物(「ONO」)材料、フローティングゲート構造を含む電荷トラップ構造などの電荷トラップ構造)によって少なくとも部分的に囲まれた半導電ピラー(例えば、ポリシリコンピラー、シリコンゲルマニウムピラー)を含み得る。垂直方向に延びるピラー構造236と、スタック構造202の層208の導電構造204との交差点は、スタック構造202のメモリアレイ領域203内に互いに直列で結合されたメモリセル238の垂直方向に延びるストリングを画定し得る。いくつかの実施形態では、スタック構造202の各層208の内部の導電構造204と、垂直方向に延びるピラー構造236との交差点に形成されるメモリセル238は、いわゆる「MONOS」(金属-酸化物-窒化物-酸化物-半導体)メモリセルを備える。さらなる実施形態では、メモリセル238は、それぞれがMONOSメモリセルのサブセットである、いわゆる「TANOS」(窒化タンタル-酸化アルミニウム-窒化物-酸化物-半導体)メモリセル、又はいわゆる「BETANOS」(バンド障壁設計TANOS)メモリセルを備える。さらなる実施形態において、メモリセル238は、電荷蓄積構造としてフローティングゲート(例えば、金属フローティングゲート)を含むいわゆる「フローティングゲート」メモリセルを備える。フローティングゲートは、垂直方向に延びるピラー構造236の中央構造と、スタック構造202の異なる層208の導電構造204との間に水平方向で介在する。マイクロ電子デバイス200は、スタック構造202のメモリアレイ領域203内に垂直方向に延びるピラー構造236を任意の所望の量及び分布で含み得る。
【0057】
デジット線240は、スタック構造202の最上層208の垂直方向で上に存在し得る(例えば、Z方向)。デジット線240のそれぞれの少なくとも部分は、スタック構造202のメモリアレイ領域203の水平境界(例えば、X方向)内に配置され得る。デジット線240は、少なくとも1つの金属(例えば、W、Ti、Mo、Nb、V、Hf、Ta、Cr、Zr、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pa、Pt、Cu、Ag、Au、及びAlのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、Mg基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、及びステンレス鋼のうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、導電性金属炭化物、及び導電性金属酸化物のうちの1つ若しくは複数)、並びに少なくとも1つの導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたSi、導電的にドープされたGe、及び導電的にドープされたSiGeのうちの1つ若しくは複数)のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの導電材料から形成され、それを含み得る。デジット線240は、垂直方向に延びるピラー構造236(例えば、導電接触構造を介して)に電気的に結合され得る。
【0058】
ソース層222のソース構造237は、マイクロ電子デバイス構造100内でソース層222のディスクリート導電構造228と実質的に同一の垂直方向位置(例えば、Z方向)に配置され得る。少なくとも1つの誘電材料(例えば、図1A及び図1Bを参照して上述された誘電材料126)は、ディスクリート導電構造228とソース構造237との間において水平方向で介在していてもよく、さらに、ディスクリート導電構造228間に水平方向で介在してもよい。言い換えれば、誘電材料は、ソース層222の水平方向に隣り合うディスクリート導電構造228間に水平方向で介在して分離してもよく、さらにソース層222のソース構造237とディスクリート導電構造228との間に水平方向で介在して分離してもよい。ソース構造は、少なくとも1つの金属(例えば、W、Ti、Mo、Nb、V、Hf、Ta、Cr、Zr、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pa、Pt、Cu、Ag、Au、及びAlのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、Mg基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、及びステンレス鋼のうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、導電性金属炭化物、及び導電性金属酸化物のうちの1つ若しくは複数)、並びに少なくとも1つの導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたSi、導電的にドープされたGe、及び導電的にドープされたSiGeのうちの1つ若しくは複数)のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの導電材料から形成され、それを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ソース構造237及びディスクリート導電構造228は、互いに実質的に同一の材料組成及び実質的に同一の材料分布を有する。例えば、ソース構造237及びディスクリート導電構造228は、(例えば、所定のレチクル構成を使用して)同一の導電材料をパターニングすることによって形成され得る(例えば、実質的に同時に形成され得る)。
【0059】
制御部246(例えば、制御デバイス)は、ストリングドライバ回路構成、パスゲート、ゲートを選択するための回路構成、導電線を選択するための回路構成、信号を増幅するための回路構成、及び信号を感知するための回路構成のうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実施形態では、制御部246は、スタック構造202のメモリアレイ領域203の水平境界内に実質的に閉じ込められる。制御部246は、デジット線240、ソース層222のソース構造237、及び導電配線構造229に例えば電気的に結合され得る。いくつかの実施形態では、制御部246は、CMOS回路構成を含み得る。そのような実施形態では、制御部246は、「CMOS under Array」(「CuA」)構成を有するとして特徴付けられ得る。
【0060】
続けて図2を参照すると、スタック構造202の分散スタジアム領域205の水平境界(例えば、X方向)の内部で、マイクロ電子デバイス200は、スタック構造202内に分散されたスタジアム構造210を含み得る。スタジアム構造210のそれぞれは、個々に、層208のうちのいくつかの縁によって画定される段218(例えば、接触領域)を含む順階段構造212と、層208のいくつかの追加縁によって画定される追加段220(例えば、接触領域)を含む逆階段構造214と、順階段構造212と逆階段構造214との間に水平方向で介在する中央領域216とを含み得る。順階段構造212(その段218を含む)、逆階段構造214(その追加段220を含む)、及び中央領域216は、それぞれ、図1A及び図1Bを参照して上述されたスタジアム構造110の順階段構造112(その段118を含む)、逆階段構造114(その追加段120を含む)、及び中央領域116と実質的に同様であり得る。さらに、スタック構造202の分散スタジアム領域205の水平境界内では、マイクロ電子デバイス200は、スタック構造202の導電構造204に対して電気的アクセスを提供するためにスタジアム構造210の段218及び/又は追加段220と接触する(例えば、物理的接触、電気的接触)導電接触構造242(例えば、アクセス線接触、ワード線接触)と、導電接触構造242及び制御部246から、その間に延びる導電配線構造229(例えば、アクセス線配線構造、ワード線配線構造)と、マスキング構造230と、ソース層222のディスクリート導電構造228とをさらに含み得る。
【0061】
図2に示すように、スタック構造202の分散スタジアム領域205は、スタック構造202内で互いに異なる高さに配置された複数の(例えば、1つより多い)スタジアム構造210を含み得る。例えば、スタック構造102の分散スタジアム領域205は、第1のスタジアム構造210Aと、スタック構造202内で第1のスタジアム構造210Aよりも相対的に高い垂直方向位置(例えば、Z方向)の第2のスタジアム構造210Bと、スタック構造202内で第2のスタジアム構造210Bよりも相対的に高い垂直方向位置の第3のスタジアム構造210Cと、スタック構造202内で第3のスタジアム構造210Cよりも相対的に高い垂直方向位置の第4のスタジアム構造210Dとを含み得る。異なるスタジアム構造210(例えば、第1のスタジアム構造210A、第2のスタジアム構造210B、第3のスタジアム構造210C、第4のスタジアム構造210D)の異なる垂直方向位置は、異なるスタジアム構造210の異なる垂直方向位置の層208の導電構造204と、マイクロ電子デバイス200の他の構成要素(例えば、制御部246)との間の電気接続を可能とする。例えば、図2に示すように、第1のスタジアム構造210Aの垂直方向位置は、スタック構造202の相対的に低い層208の導電構造204への電気接続を容易にすることができ、第2のスタジアム構造210Bの垂直方向位置は、スタック構造202の相対的に高い層208の導電構造204への電気接続を容易にすることができ、第3のスタジアム構造210Cの垂直方向位置は、スタック構造202の相対的にさらに高い層208の導電構造204への電気接続を容易にすることができ、第4のスタジアム構造210Dの垂直方向位置は、スタック構造202の相対的にさらにより高い層208の導電構造204への電気接続を容易にすることができる。第1のスタジアム構造210Aは、例えば、図1A及び図1Bを参照して上述したスタジアム構造110に対応し得る。
【0062】
スタック構造202の分散スタジアム領域205は、任意の所望の量及び分布(例えば、間隔及び配置)のスタジアム構造210を含み得る。図2に示すように、いくつかの実施形態では、スタック構造202の分散スタジアム領域205は、4つのスタジアム構造210を含み、スタジアム構造210は、実質的に均一に(例えば、等しく、一様に)離れて配置され、スタック構造202内のスタジアム構造210の垂直方向位置(例えば、Z方向)は、スタック構造202のメモリアレイ領域203(さらに、したがって、その垂直方向に延びるピラー構造236)から離れて水平方向に延びる方向(例えば、X方向)においてより深くなる(例えば、スタック構造202の最上面から垂直方向でより遠くなり、スタック構造202の最下面に垂直方向でより近くなる)。さらなる実施形態では、スタック構造202の分散スタジアム領域205は、図2に図示されるものとは異なる量のスタジアム構造210及び/又は異なる分布のスタジアム構造210を含み得る。例えば、スタック構造202の分散スタジアム領域205は、4つよりも多いスタジアム構造210(例えば、5つ以上のスタジアム構造210、10以上のスタジアム構造210、25以上のスタジアム構造210、50以上のスタジアム構造210)、又は4つ未満のスタジアム構造210(例えば、3つ以下のスタジアム構造210、2つ以下のスタジアム構造210、1つのみのスタジアム構造210)を含み得る。他の例として、少なくとも1つのスタジアム構造210が、少なくとも1つのスタジアム構造210と水平方向に隣り合う(例えば、X方向)少なくとも2つの他のスタジアム構造210から、異なる(例えば、等しくない)距離だけ分離されるように、スタジアム構造210は、少なくとも部分的に不均一に(例えば、等しくなく、不一様に)離れて配置され得る。さらなる非限定的な例として、スタック構造202内のスタジアム構造210の垂直方向位置(例えば、Z方向)は、スタック構造202のメモリアレイ領域203から離れて水平方向に延びる方向(例えば、X方向)においてより浅く(例えば、スタック構造202の最上面と垂直方向でより近く、スタック構造202の最下面から垂直方向でより遠く)なってもよく、或いはスタック構造202のメモリアレイ領域203から離れて水平方向に延びる方向において他の手法で異なってもよい(例えば、相対的により深い垂直方向位置と相対的により浅い垂直方向位置とを交互に有してもよく、相対的により浅い垂直方向位置と相対的により深い垂直方向位置とを交互に有してもよい)。
【0063】
図2を続けて参照すると、スタック構造202の分散スタジアム領域205内のマスキング構造230は、第1のスタジアム構造210Aの中央領域216の水平境界内に配置され得る。マスキング構造230は、第1のスタジアム構造210Aとソース層222のディスクリート導電構造228との間に垂直方向で介在し得る。マスキング構造230は、図1A及び図1Bを参照して上述したマスキング構造130と実質的に同様であり得る。
【0064】
さらに図2を参照すると、導電接触構造242は、スタジアム構造210の段218及び/又は追加段220における層208の導電構造204に結合されてもよく、導電構造204を、マイクロ電子デバイス200の導電配線構造229(さらに、したがって、制御部246)に電気的に結合してもよい。導電接触構造242は、少なくとも1つの金属(例えば、W、Ti、Mo、Nb、V、Hf、Ta、Cr、Zr、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pa、Pt、Cu、Ag、Au、及びAlのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、Mg基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、及びステンレス鋼のうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、導電性金属炭化物、及び導電性金属酸化物のうちの1つ若しくは複数)、並びに少なくとも1つの導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたSi、導電的にドープされたGe、及び導電的にドープされたSiGeのうちの1つ若しくは複数)のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの導電材料から形成され、それを含んでもよい。導電接触構造242のそれぞれは、実質的に同一の材料組成を有してもよく、又は導電接触構造242の少なくとも1つは、少なくとも1つの他の導電接触構造242とは異なる材料組成を有してもよい。
【0065】
スタック構造202の層208のそれぞれは、スタジアム構造210のうちの1つ或いは複数のスタジアム構造210の段218及び/又は追加段220のうちの1つ若しくは複数において導電接触構造242のうちの少なくとも1つに結合され得る。スタジアム構造210のそれぞれ(例えば、第1のスタジアム構造210A、第2のスタジアム構造210B、第3のスタジアム構造210C、第4のスタジアム構造210D)に対して、導電接触構造242は、その単一(例えば、唯一)の階段構造(例えば、その順階段構造212若しくはその逆階段構造214)上、又はそれにわたって形成されてもよく、或いはその階段構造(例えば、その順階段構造212及びその逆階段構造214)のうちの複数の(例えば、1つより多い)階段構造上に、又はそれにわたって形成されてもよい。さらに、同一のスタジアム構造210(例えば、第1のスタジアム構造210A、第2のスタジアム構造210B、第3のスタジアム構造210C、若しくは第4のスタジアム構造210D)の同一の階段構造(例えば、順階段構造212若しくは逆階段構造214)上、又はそれにわたって形成される導電接触構造242は、(例えば、図2に示すX方向に直交する水平方向において)互いに実質的に水平に整列されてもよく、或いは、(例えば、図2に示すX方向に直交する水平方向において)互いに少なくとも部分的に整列しなくてもよい(例えば、片寄っていてもよい)。
【0066】
続けて図2を参照すると、導電配線構造229は、導電接触構造242と、制御部246の制御ロジックデバイス(例えば、ストリングドライバ)とを電気的に接続し得る。導電配線構造229は、例えば、導電接触構造242からスタック構造202の分散スタジアム領域205を通って制御部246の制御ロジックデバイスへ延在してもよい。図2に示すように、導電配線構造229は、水平方向に延びる導電配線構造229Aと、垂直方向に延びる導電配線構造229Bと、追加の水平方向に延びる導電配線構造229Cとを含み得る。水平方向に延びる導電配線構造229Aのうちの少なくともいくつかは、(例えば、X方向及びY方向のうちの1つ又は複数において)導電接触構造242から少なくともいくつかの垂直方向に延びる導電配線構造229Bへ水平方向に延在してもよく、追加の水平方向に延びる導電配線構造229Cの少なくともいくつかは、(例えば、X方向及びY方向のうちの1つ又は複数において)垂直方向に延びる導電配線構造229Bから制御部246へ水平方向に延在してもよい。したがって、導電配線構造229は、(例えば、スタック構造202のメモリアレイ領域203内のメモリセル238と関連したデータの読み出し、書き込み、又は消去のために)導電構造204に電気的アクセスを提供するために、制御部246の制御ロジックデバイスとスタック構造202の異なる層208の導電構造204との間に電気接続を形成できる。
【0067】
導電配線構造229は、少なくとも1つの金属(例えば、W、Ti、Mo、Nb、V、Hf、Ta、Cr、Zr、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pa、Pt、Cu、Ag、Au、及びAlのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、Mg基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、及びステンレス鋼のうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、導電性金属炭化物、及び導電性金属酸化物のうちの1つ若しくは複数)、並びに少なくとも1つの導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたSi、導電的にドープされたGe、及び導電的にドープされたSiGeのうちの1つ若しくは複数)のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの導電材料から形成され、それを含んでもよい。導電配線構造229のそれぞれは、実質的に同一の材料組成を有してもよく、又は導電配線構造229の少なくとも1つは、少なくとも1つの他の導電配線構造229とは異なる材料組成を有してもよい。
【0068】
したがって、本開示の実施形態によれば、メモリデバイスは、スタック構造と、スタジアム構造と、ディスクリート導電構造と、導電マスキング構造と、メモリセルのストリングとを含む。スタック構造は、層に配置された導電構造と絶縁構造との垂直方向に交互の配列を含む。層のそれぞれは、個々に、導電構造のうちの少なくとも1つ及び絶縁構造のうちの少なくとも1つを含む。スタジアム構造は、スタック構造内にあり、個々に、少なくともいくつかの層の水平方向端部を含む段を有する対向階段構造と、対向階段構造間に水平方向で介在する中央領域と、を含む。ディスクリート導電構造は、スタック構造の下に置かれる。ディスクリート導電構造のグループは、スタジアム構造の中央領域の水平境界内に配置される。導電マスキング構造は、ディスクリート導電構造と、スタジアム構造の中央領域との間に介在する。メモリセルのストリングは、スタック構造を通って垂直方向に延びる。
【0069】
さらに、本開示のさらなる実施形態によれば、3D NANDフラッシュメモリデバイスは、スタック構造と、ソース層と、マスキング構造と、半導電ピラー構造とを含む。スタック構造は、層に配置された垂直方向に交互の導電構造と絶縁構造とを含む。スタック構造は、分散スタジアム領域と、分散スタジアム領域と水平方向に隣り合うメモリアレイ領域とをさらに含む。分散スタジアム領域は、スタック構造内で互いに異なる垂直方向位置に配置されたスタジアム構造を含む。スタジアム構造は、それぞれ、個々に、層の部分の縁を含む順階段構造と、順階段構造の鏡像であり、層の部分の追加縁を含む逆階段構造と、順階段構造と逆階段構造との間に水平方向で介在する中央領域とを含む。ソース層は、スタック構造の垂直方向で下に置かれ、スタック構造のメモリアレイ領域の水平境界内のソース構造と、スタック構造の分散スタジアム領域の水平境界内のディスクリート導電構造とを含む。マスキング構造は、ディスクリート導電構造とスタック構造との間に垂直方向で介在し、スタック構造内の相対的に低い垂直方向位置に配置されたスタジアム構造のうちの1つの中央領域の水平境界内に実質的に水平方向で閉じ込められる。半導電ピラー構造は、スタック構造のメモリアレイ領域の水平境界内にあり、スタック構造を通って垂直方向に延びる。
【0070】
さらなる実施形態では、本開示のマイクロ電子デバイス構造は、図1A及び図1Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造100(及び図2を参照して上述されたマイクロ電子デバイス200のマイクロ電子デバイス構造201)とは異なる特徴(例えば、構造、材料、層)を含み得る。例えば、図3Aは、本開示のさらなる実施形態による、マイクロ電子デバイス(例えば、半導体デバイス、3D NANDフラッシュメモリデバイスなどのメモリデバイス)のマイクロ電子デバイス構造300の簡略化された部分的断面図である。図3Bは、図3Aに示されるマイクロ電子デバイス構造100の断面A(例えば部分、領域)の簡略化された部分的上面図である。図面と関連の記載とを明瞭にし、理解を容易にするために、マイクロ電子デバイス構造300の相対的に垂直方向に低い構成要素の上に置かれたマイクロ電子デバイス構造300の何らかの垂直方向に高い構成要素(例えば、特徴、構造、デバイス)は、図3Bのマイクロ電子デバイス構造300の特定の態様に焦点を当てるために図3Bでは省略されている。図3A及び図3B並びに以下の関連の記載にわたって、図1A及び図1Bのうちの1つ若しくは複数を参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造100の特徴と機能的に類似した特徴(例えば、構造、材料、領域)は、100だけ増やした類似の参照番号で言及される。繰り返しを避けるため、図3A及び図3Bに示された全特徴が本明細書で詳述されるわけではない。むしろ、以下に特記しない限り、図3A及び図3Bにおいて、図1A及び図1Bのうちの1つ又は複数を参照して上述された特徴の参照番号を100だけ増やした参照番号で示された特徴は、上述した特徴と実質的に同様であり、実質的に同様の手法で形成されることが理解されるであろう。
【0071】
図3A及び図3Bを共に参照すると、マイクロ電子デバイス構造300のソース層322(図3A)の構成は、図1A及び図1Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造100のソース層122(図1B)の構成と異なってもよい。例えば、図3Aに図示するように、マイクロ電子デバイス構造300のソース層322は、ディスクリート導電構造328及び追加ディスクリート導電構造323を含み得る。ソース層322の個々の追加ディスクリート導電構造323は、ソース層322の個々のディスクリート導電構造328よりも相対的に大きい水平方向の寸法を有してもよく、ソース層322のいくつかの水平方向に隣り合うディスクリート導電構造328の間に水平方向で介在してもよい(例えば、X方向)。
【0072】
マイクロ電子デバイス構造300のスタック構造302の個々のブロック338(図3B)の水平境界内において、単一(例えば、唯一)の追加ディスクリート導電構造323が、スタジアム構造310の中央領域316の水平境界内に配置され得る。追加ディスクリート導電構造323は、スタジアム構造310の順階段構造312の垂直方向で最も低い段318の水平境界における位置又は水平境界内の位置からスタジアム構造310の逆階段構造314の垂直方向に最も低い追加段320の水平境界における位置又は水平境界内の位置へ、中央領域316を横切って、第1の水平方向(例えば、X方向)に連続して延在し得る。さらに、図3Bに示すように、追加ディスクリート導電構造323は、ブロック338の第1の側と水平方向に隣り合う第1の溝穴336における位置又は第1の溝穴336と水平方向で近接した位置からブロック338の第2の対向側と水平方向に隣り合う第2の溝穴336における他の位置又は第2の溝穴336と水平方向で近接した他の位置へ、中央領域316を横切って、第1の方向に直交した第2の水平方向(例えば、Y方向)で連続して延在し得る。図3Bに示すように、追加ディスクリート導電構造323は、スタジアム構造310の中央領域316の水平部分の実質的に全てを横切って水平方向に延在し得る。スタック構造302の個々のブロック338(図3B)の水平境界内のディスクリート導電構造328(図3A)は、それぞれがスタジアム構造310の中央領域316の水平境界の外側に配置され得る。
【0073】
ソース層322の追加ディスクリート導電構造323は、それぞれ、個々に、スタジアム構造310の中央領域316の水平方向の形状と相補関係にある水平方向の断面形状を、その垂直方向の全体にわたって呈し得る。いくつかの実施形態では、追加ディスクリート導電構造323のうちの1つ又は複数の(例えば、それぞれ)は、略四角形(例えば、略長方形、略正方形)の水平方向の断面形状を呈する。追加ディスクリート導電構造323のそれぞれは、追加ディスクリート導電構造323の互いにほぼ同一の幾何学構成(例えば、同一の寸法及び同一の形状)を呈してもよく、又は追加ディスクリート導電構造323のうちの少なくとも1つは、追加ディスクリート導電構造323のうちの少なくとも1つの他のものとは異なる幾何学構成(例えば、1つ若しくは複数の異なる寸法、異なる形状)を呈してもよい。
【0074】
図3Bに示されるように、いくつかの実施形態では、スタック構造302の個々のブロック338の水平境界内の各追加ディスクリート導電構造323は、スタック構造302のブロック338のY方向における水平方向中心線B-Bに沿って水平方向中心に配置される。さらなる実施形態において、スタック構造302の個々のブロック338の水平境界内の1つ若しくは複数の追加ディスクリート導電構造323は、ブロック338の水平方向中心線B-BからY方向において水平方向で片寄っている。さらに、図3Aを参照すると、ソース層322の追加ディスクリート導電構造323は、マイクロ電子デバイス構造300内でソース層322のディスクリート導電構造328と実質的に同一の垂直方向位置(例えば、Z方向)に配置され得る。
【0075】
追加ディスクリート導電構造323は、それぞれ、個々に、少なくとも1つの金属(例えば、W、Ti、Mo、Nb、V、Hf、Ta、Cr、Zr、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pa、Pt、Cu、Ag、Au、及びAlのうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの合金(例えば、Co基合金、Fe基合金、Ni基合金、Fe及びNi基合金、Co及びNi基合金、Fe及びCo基合金、Co及びNi及びFe基合金、Al基合金、Cu基合金、Mg基合金、Ti基合金、鋼、低炭素鋼、及びステンレス鋼のうちの1つ若しくは複数)、少なくとも1つの導電性金属含有材料(例えば、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、及び導電性金属炭化物、導電性金属酸化物のうちの1つ若しくは複数)、並びに少なくとも1つの導電的にドープされた半導体材料(例えば、導電的にドープされたSi、導電的にドープされたGe、及び導電的にドープされたSiGeのうちの1つ若しくは複数)のうちの1つ又は複数など、少なくとも1つの導電材料から形成されて含んでもよい。追加ディスクリート導電構造323の材料組成は、ディスクリート導電構造328の材料組成と実質的に同一でもよく、又は追加ディスクリート導電構造323の材料組成は、ディスクリート導電構造328の材料組成と異なってもよい。いくつかの実施形態では、追加ディスクリート導電構造323は、それぞれ導電的にドープされた多結晶シリコンから形成され、それを含んでもよい。追加ディスクリート導電構造323のそれぞれは、個々に、少なくとも1つの導電材料の実質的に均質な分布、又は少なくとも1つの導電材料の実質的に非均質な分布を含み得る。いくつかの実施形態では、ソース層322の追加ディスクリート導電構造323のそれぞれは、導電材料の実質的に均質な分布を呈する。さらなる実施形態では、ソース層322の追加ディスクリート導電構造323のうちの少なくとも1つ(例えば、それぞれ)は、少なくとも1つの導電材料の実質的に非均質な分布を呈する。追加ディスクリート導電構造323は、例えば、個々に、少なくとも2つの異なる導電材料のスタックから形成され、それを含み得る。
【0076】
図3Aに示すように、少なくとも1つの誘電材料326は、ディスクリート導電構造328と追加ディスクリート導電構造323との間に水平方向で介在してもよい。言い換えれば、誘電材料326は、ソース層322の追加ディスクリート導電構造323とディスクリート導電構造328との間に水平方向に介在し、それらを分離し得る。
【0077】
図3A及び図3Bに示すように、マイクロ電子デバイス構造300は、図1A及び図1Bを参照して上述したマイクロ電子デバイス構造100のマスク構造130及び誘電内張り材料134とそれぞれ類似したマスキング構造及び誘電内張り材料が実質的になくてもよい。例えば、スタック構造302を有するスタジアム構造310の中央領域316の水平境界内において、誘電材料326のみが、最も低い垂直境界であるスタック構造302と、ソース層322の追加ディスクリート導電構造323の最も上方の垂直境界との間に垂直方向で介在する空間内に存在し得る。追加ディスクリート導電構造323の構成及び位置は、最も低い垂直境界であるスタック構造302と追加ディスクリート導電構造323の最も上方の垂直境界との間に垂直にマスク構造(例えば、マスク構造130(図1A及び図1B))を形成する必要なくても、スタジアム構造310(さらに、したがってトレンチ327)を形成するために用いられる少なくとも1つの材料除去プロセス中にソース層322の垂直方向で下に置かれる1つ又は複数の構造(例えば、導電配線層324の導電配線構造329のうちの1つ又は複数)に対する望ましくない損傷を実質的に防ぐ、又は防止できる。
【0078】
マイクロ電子デバイス構造300は、本開示のマイクロ電子デバイスの実施形態に含まれ得る。例えば、マイクロ電子デバイス構造300は、マイクロ電子デバイス構造201(上述したように、図1A及び図1Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造100と実質的に同様であり得る)の代わりに、図2を参照して上述されたマイクロ電子デバイス200内に含まれてもよい。
【0079】
したがって、本開示の実施形態によれば、マイクロ電子デバイスは、スタック構造と、スタック構造内のスタジアム構造と、スタック構造の垂直方向で下方のソース層とを含む。スタック構造は、それぞれが導電構造と、その導電構造に垂直方向に隣り合う誘電構造とを含む層を含む。スタジアム構造は、スタック構造内にあり、対向階段構造と中央領域とを含む。対向階段構造は、互いの鏡像であり、それぞれが層のうちの少なくともいくつかの縁を含む段を有する。中央領域は、対向階段構造間に水平方向で介在する。ソース層は、スタック構造の垂直方向で下方にあり、ディスクリート導電構造と、追加ディスクリート導電構造とを含む。ディスクリート導電構造は、スタジアム構造の対向階段構造の水平境界内にある。追加ディスクリート導電構造は、スタジアム構造の中央領域の水平境界内にあり、ディスクリート導電構造のうちの1つ又は複数よりも相対的に大きい水平方向の寸法を有する。
【0080】
本開示の実施形態による、マイクロ電子デバイス構造(例えば、図1A及び図1Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造100、図3A及び図3Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造300)及びマイクロ電子デバイス(例えば、図2を参照して上述されたマイクロ電子デバイス200)は、本開示の電子システムの実施形態において使用されてもよい。例えば、図4は、本開示の実施形態による例示的な電子システム400のブロック図である。電子システム400は、例えば、コンピュータ又はコンピュータハードウェアコンポーネント、サーバ又は他のネットワーキングハードウェアコンポーネント、セルラ電話、デジタルカメラ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルメディア(例えば、音楽)プレーヤー、例えばiPad(登録商標)又はSURFACE(登録商標)のタブレットなどのWi-Fi又はセルラが可能なタブレット、電子ブック、ナビゲーションデバイスなどを含み得る。電子システム400は、少なくとも1つのメモリデバイス402を含む。メモリデバイス402は、例えば、本明細書で上述されたマイクロ電子デバイス構造(例えば、図1A及び図1Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造100)及びマイクロ電子デバイス(例えば、図2を参照して上述されたマイクロ電子デバイス200)のうちの1つ又は複数の実施形態を含み得る。電子システム400は、さらに、少なくとも1つの電子信号プロセッサデバイス404(「マイクロプロセッサ」と呼ばれることも多い)を含み得る。電子信号プロセッサデバイス404は、任意で、マイクロ電子デバイス構造(例えば、図1A及び図1Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造100、図3A及び図3Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造300)及びマイクロ電子デバイス(例えば、図2を参照して上述されたマイクロ電子デバイス200)のうちの1つ又は複数の実施形態を含み得る。メモリデバイス402及び電子信号プロセッサデバイス404が2つの分離したデバイスとして図4に図示されているが、さらなる実施形態では、メモリデバイス402及び電子信号プロセッサデバイス404の機能性を有する単一(例えば、唯一)のメモリ/プロセッサデバイスが電子システム400に含まれる。そのような実施形態では、メモリ/プロセッサデバイスは、例えば、本明細書で上述されたマイクロ電子デバイス構造(例えば、図1A及び図1Bを参照して上述されたマイクロ電子デバイス構造100)及びマイクロ電子デバイス(例えば、図2を参照して上述されたマイクロ電子デバイス200)のうちの1つ又は複数を含み得る。電子システム400は、例えば、マウス若しくは他のポインティングデバイス、キーボード、タッチパッド、ボタン、又は制御パネルなど、ユーザによって電子システム400へ情報を入力するための1つ又は複数の入力デバイス406をさらに含み得る。電子システム400は、さらに、情報(例えば、視覚又は音声出力)をユーザへ出力するための、例えば、モニター、ディスプレイ、プリンター、音声出力ジャック、スピーカーなどの1つ又は複数の出力デバイス408を含み得る。いくつかの実施形態では、入力デバイス406及び出力デバイス408は、情報を電子システム400に入力するためと、視覚情報をユーザに出力するためとの両方のために使用可能な単一のタッチスクリーンデバイスを含み得る。入力デバイス406及び出力デバイス408は、メモリデバイス402及び電子信号プロセッサデバイス404のうちの1つ又は複数と電気的に通信し得る。
【0081】
したがって、本開示の実施形態によれば、電子システムは、入力デバイスと、出力デバイスと、入力デバイス及び出力デバイスに動作可能に結合されたプロセッサデバイスと、プロセッサデバイスと動作可能に結合されたメモリデバイスとを含む。メモリデバイスは、スタック構造と、スタジアム構造と、ソース層と、マスキング構造とを含む少なくとも1つのマイクロ電子デバイス構造を含む。スタック構造は、それぞれが導電構造と、その導電構造に垂直方向で近い誘電構造とを含む層を含む。スタジアム構造は、スタック構造内にあり、層のうちの少なくともいくつかの縁を含む段を呈する。ソース層は、スタック構造の垂直方向で下方にあり、スタジアム構造の水平境界内にディスクリート導電構造を含む。マスキング構造は、段を有さないスタジアム構造の水平方向中央領域の水平境界内に実質的に閉じ込められる。マスキング構造は、スタジアム構造の水平方向中央領域の水平境界内でソース層のディスクリート導電構造のいくつかの間に水平方向に延びてディスクリート導電構造のいくつかと部分的に水平方向で重なる少なくとも1つのマスキング材料を含む。
【0082】
本開示の構造(例えば、マイクロ電子デバイス構造100、マイクロ電子デバイス構造300)、デバイス(例えば、マイクロ電子デバイス200)、及びシステム(例えば、電子デバイス400)は、従来の構造、従来のデバイス、及び従来のシステムと比較して、性能、信頼性及び耐久性の改善、低コスト化、部品のさらなる小型化、パターン品質の改善、及び高実装密度のうちの1つ又は複数を促進するため、有益である。非限定的な例として、本開示のソース層及びマスキング構造の構成は、従来のマイクロ電子デバイス構成と比較した場合、本開示のマイクロ電子デバイスの1つ又は複数の構成要素に対する望ましくない損傷(例えば、望ましくない剥離、望ましくないエッチング)のおそれを低減し得る。
【0083】
さらなる非限定的で例示的な、本開示の実施形態が以下に記載される。
【0084】
実施形態1:それぞれが導電構造と、導電構造に垂直方向で近い絶縁構造とを含む層を有するスタック構造と、スタック構造内にあり、層の縁を含む段を有する順階段構造、順階段構造に対向し、層の追加縁を含む追加段を有する逆階段構造、及び順階段構造と逆階段構造との間に水平方向で介在する中央領域を含むスタジアム構造と、スタック構造の下に置かれ、スタジアム構造の中央領域の水平境界内にディスクリート導電構造を含み、ディスクリート導電構造が、誘電材料によって水平方向で互いに分離されるソース層と、スタジアム構造の中央領域の水平境界内に閉じ込められてソース層のディスクリート導電構造とスタジアム構造の中央領域との間に垂直方向で介在するマスキング構造であって、ディスクリート導電構造間に水平方向で介在する誘電材料の部分を水平方向で被覆するセグメントを含むマスキング構造と、を含むマイクロ電子デバイス。
【0085】
実施形態2:ソース層は、第1の水平方向に延びるディスクリート導電構造の行と、第1の水平方向に直交する第2の水平方向に延びるディスクリート導電構造の列とを含む、実施形態1に記載のマイクロ電子デバイス。
【0086】
実施形態3:ソース層のディスクリート導電構造は、導電的にドープされた多結晶シリコンを含む、実施形態1及び2の一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【0087】
実施形態4:マスキング構造の最も外側の水平境界は、スタジアム構造の中央領域の水平境界よりも小さい、実施形態1から3のいずれか一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【0088】
実施形態5:マスキング構造のセグメントのいくつかは、ディスクリート導電構造のいくつかに部分的に水平方向で重なる、実施形態1から4のいずれか一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【0089】
実施形態6:マスキング構造を通って垂直方向に延び、マスキング構造のセグメント間に水平方向で配置される開口部をさらに含む、実施形態1から5のいずれか一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【0090】
実施形態7:マスキング構造内の開口部は、ディスクリート導電構造のいくつかの水平境界内に閉じ込められる、実施形態6に記載のマイクロ電子デバイス。
【0091】
実施形態8:マスキング構造内の開口部は、誘電充填材料が充填される、実施形態6及び7の一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【0092】
実施形態9:マスキング構造は、導電材料を含む、実施形態1から8のいずれか一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【0093】
実施形態10:導電材料は、元素として存在するタングステンを含む、実施形態9に記載のマイクロ電子デバイス。
【0094】
実施形態11:それぞれが導電構造と、導電構造に垂直方向で近い誘電構造とを含む層を含むスタック構造と、スタック構造内にあるスタジアム構造であって、互いの鏡像であり、それぞれが層のうちの少なくともいくつかの縁を含む段を有する対向階段構造、及び対向階段構造間に水平方向で介在する中央領域を含むスタジアム構造と、スタック構造の垂直方向で下方にあるソース層であって、スタジアム構造の対向階段構造の水平境界内のディスクリート導電構造、及びスタジアム構造の中央領域の水平境界内にあり、ディスクリート導電構造のうちの1つ又は複数よりも相対的に大きい水平方向の寸法を有する追加ディスクリート導電構造を含むソース層と、を含むマイクロ電子デバイス。
【0095】
実施形態12:ソース層の追加ディスクリート導電構造は、スタジアム構造の対向階段構造のうちの第1の階段構造の垂直方向の最も低い段からスタジアム構造の対向階段構造のうちの第2の階段構造の垂直方向の最も低い段へ、スタジアム構造の中央領域を横切って、第1の水平方向に連続して延びる、実施形態11に記載のマイクロ電子デバイス。
【0096】
実施形態13:ソース層の追加ディスクリート導電構造は、スタジアム構造の中央領域の水平領域の実質的に全てを横切って水平方向に延びる、実施形態11に記載のマイクロ電子デバイス。
【0097】
実施形態14:ソース層の追加ディスクリート導電構造は、ソース層のディスクリート導電構造と実質的に同一の垂直方向位置及び実質的に同一の材料組成を有する、実施形態11から13のいずれか一項に記載のマイクロ電子デバイス。
【0098】
実施形態15:層に配置された導電構造と絶縁構造との垂直方向に交互の配列を含み、層のそれぞれは、個々に、導電構造のうちの少なくとも1つ及び絶縁構造のうちの少なくとも1つを含む、スタック構造と、前記スタック構造内にあるスタジアム構造であって、個々に、少なくともいくつかの層の水平方向端部を含む段を有する対向階段構造、及び対向階段構造間に水平方向で介在する中央領域を含むスタジアム構造と、スタック構造の下に置かれたディスクリート導電構造であって、ディスクリート導電構造のグループが、スタジアム構造の中央領域の水平境界内に配置されるディスクリート導電構造と、ディスクリート導電構造とスタジアム構造の中央領域との間に介在する導電マスキング構造と、スタック構造を通って垂直方向に延びるメモリセルのストリングと、を含むメモリデバイス。
【0099】
実施形態16:スタック構造の上に置かれ、メモリセルのストリングに電気的に結合されたデジット線と、スタック構造の下に置かれ、メモリセルのストリングに電気的に結合されたソース構造と、スタジアム構造の対向階段構造の段のうちの少なくともいくつかの上の導電接触構造と、導電接触構造に電気的に結合された導電配線構造と、ソース構造、デジット線、及び導電配線構造に電気的に結合された制御デバイスと、をさらに含む、実施形態15に記載のメモリデバイス。
【0100】
実施形態17:ソース構造及びディスクリート導電構造は、互いに実質的に同一の垂直方向位置に配置される、実施形態16に記載のメモリデバイス。
【0101】
実施形態18:導電マスキング構造は、スタジアム構造の中央領域の水平境界内に実質的に閉じ込められ、導電マスキング構造は、スタジアム構造の中央領域の水平境界内に配置されたディスクリート導電構造のグループの全体よりも少ないグループにわたって水平方向に延びる、実施形態15から17のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【0102】
実施形態19:導電マスキング構造の水平方向中心は、スタジアム構造の中央領域の水平方向中心と実質的に整列している、実施形態18に記載のメモリデバイス。
【0103】
実施形態20:導電マスキング構造は、導電マスキング構造を通って垂直方向に延びる開口部をさらに含み、水平方向中心開口部は、ディスクリート導電構造のグループのディスクリート導電構造のうちのいくつかの水平方向中心と実質的に整列している、実施形態18に記載のメモリデバイス。
【0104】
実施形態21:ディスクリート導電構造のグループの水平方向で近いディスクリート導電構造間に水平方向で介在し、ディスクリート導電構造のグループと導電マスキング構造との間に垂直方向で介在し、導電マスキング構造内で開口部を充填する誘電材料をさらに含む、実施形態20に記載のメモリデバイス。
【0105】
実施形態22:3D NANDフラッシュメモリデバイスであって、前記3D NANDフラッシュメモリデバイスは、層に配置された垂直方向に交互の導電構造と絶縁構造とを含むスタック構造を含み、スタック構造は、スタック構造内で互いに異なる垂直方向位置に配置されたスタジアム構造を含む分散スタジアム領域を含み、スタジアム構造は、それぞれ、個々に、層の部分の縁を含む順階段構造と、順階段構造の鏡像であり、層の部分の追加縁を含む逆階段構造と、順階段構造と逆階段構造との間に水平方向で介在する中央領域とを含み、スタック構造は、分散スタジアム領域と水平方向で近いメモリアレイ領域をさらに含み、3D NANDフラッシュメモリデバイスは、スタック構造の垂直方向で下に置かれたソース層をさらに含み、ソース層は、スタック構造のメモリアレイ領域の水平境界内のソース構造と、スタック構造の分散スタジアム領域の水平境界内のディスクリート導電構造とを含み、3D NANDフラッシュメモリデバイスは、ディスクリート導電構造とスタック構造との間に垂直方向で介在し、スタック構造内の相対的に低い垂直方向位置に配置されたスタジアム構造のうちの1つの中央領域の水平境界内に実質的に水平方向で閉じ込められたマスキング構造と、スタック構造のメモリアレイ領域の水平境界内にあり、スタック構造を通って垂直方向に延びる半導電ピラー構造とをさらに含む、3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【0106】
実施形態23:3D NANDフラッシュメモリデバイスは、スタック構造のメモリアレイ領域の水平境界の垂直方向で上に置かれ、その内部にあるデジット線をさらに含み、半導電ピラー構造は、デジット線とソース構造と電気通信状態にあり、3D NANDフラッシュメモリデバイスは、メモリアレイ領域の垂直方向で上に置かれメモリアレイ領域の水平境界内にある制御デバイスをさらに含み、制御デバイスは、スタック構造の層のソース構造、デジット線、及び導電構造と電気通信状態にあるCMOS回路構成を含む、実施形態22に記載の3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【0107】
実施形態24:ソース層のディスクリート導電構造は、少なくとも1つの誘電材料によって、別のもの、さらに前記ソース構造から電気的に絶縁されている、実施形態22及び23の一項に記載の3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【0108】
実施形態25:マスキング構造は、スタジアム構造のうちの1つの中央領域の水平境界内で、互いに水平方向で近いディスクリート導電構造のうちのいくつかの間で水平方向に延び、水平方向で部分的にそのいくつかと重なる導電材料を含む、実施形態22から24のいずれか一項に記載の3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【0109】
実施形態26:マスキング構造は、導電材料を通って垂直方向に延び、ディスクリート導電構造のうちのいくつかと水平方向で重なる充填済み開口部をさらに含み、充填済み開口部はここにおける誘電材料を有する、実施形態25に記載の3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【0110】
実施形態27:マスキング構造の水平境界及びより低い垂直境界を実質的に被覆して囲む誘電内張り材料をさらに含む、実施形態22から26のいずれか一項に記載の3D NANDフラッシュメモリデバイス。
【0111】
実施形態28:入力デバイスと、出力デバイスと、入力デバイス及び出力デバイスに動作可能に結合されたプロセッサデバイスと、プロセッサデバイスと動作可能に結合され、少なくとも1つのマイクロ電子デバイス構造を含むメモリデバイスとを含む電子システムであって、少なくとも1つのマイクロ電子デバイス構造は、それぞれが導電構造と、導電構造に垂直方向で近い誘電構造とを含む層を含むスタック構造と、スタック構造内にあり、層のうちの少なくともいくつかの縁を含む段を呈するスタジアム構造と、スタック構造の垂直方向で下方にあり、スタジアム構造の水平境界内にディスクリート導電構造を含むソース層と、段を有さないスタジアム構造の水平方向中央領域の水平境界内に実質的に閉じ込められたマスキング構造とを含み、マスキング構造は、スタジアム構造の水平方向中央領域の水平境界内でソース層のディスクリート導電構造のいくつかの間に水平方向に延びて部分的に水平方向でそのいくつかと重なる少なくとも1つのマスキング材料を含む、電子システム。
【0112】
実施形態29:メモリデバイスは、3D NANDフラッシュメモリデバイスを含む、実施形態28に記載の電子システム。
【0113】
本開示は、様々な修正及び代替的な形態の影響を受けやすいが、特定の実施形態は、本明細書で詳細に説明された例として示されたものである。ただし、本開示は、開示される特定の形態に限定されない。むしろ、本開示は、以下の添付の請求項及びそれらの法的な等価物の範囲内に存在する全ての修正、等価物、及び代替を網羅するものである。

図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4