IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 維沃移動通信有限公司の特許一覧

特許7540006パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器
<>
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図1
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図2
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図3
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図4
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図5
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図6
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図7
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図8
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図9
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図10
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図11
  • 特許-パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】パイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
H04B7/06 984
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022569197
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2021093013
(87)【国際公開番号】W WO2021228075
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】202010414538.2
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】李 建▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】宋 ▲揚▼
(72)【発明者】
【氏名】秦 ▲飛▼
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/216989(WO,A1)
【文献】Xisuo Ma, Zhen Gao,Data-Driven Deep Learning to Design Pilot and Channel Estimator for Massive MIMO,IEEE TRNSACTIONS ON VEHICULAR TECHNOLOGY,2020年03月16日,Vol.69, No.5,pp.5677 - 5682
【文献】Hengtao He. Chao-Kai Wen, Shi Jin, Geoffrey Ye Li,Deep Learning-Based Channel Estimation for Beamspace mm Wave Massive MIMO Systems,IEEE WIRELESS COMMUNICATIONS LETTERS,2018年05月01日,Vol.7, No.5,pp.852 - 855
【文献】Nikolay Dandanov, Krasimir Tonchev, Vladimir Poulkov, Pavlina Koleva,Approximate Message Passing for Downlink Sparse Channel Estimation in FDD Massive MIMO[online],2019 42nd International Conference on Telecommunications and Signal Processing (TSP),2019年07月25日,pp.487 - 491,[検索日2024.01.12],インターネット<URL:https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=8768850>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信端に用いられるパイロット情報シンボル送信方法であって、
離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づき、各アンテナの各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定することと、
各前記アンテナについて、各前記パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを受信端に送信することとを含み、
ここで、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定される、パイロット情報シンボル送信方法。
【請求項2】
前記の、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づき、各アンテナの各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定することは、
F*W=Aに基づき、各アンテナの各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定することを含み、ここで、Aは、すべてのパイロット情報シンボルによって構成される観測マトリックスAであり、Wは、センシングマトリックスであり、Fは、N次元DFTマトリックスであり、Nは、前記アンテナの数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センシングマトリックスをトレーニングすることをさらに含み、ここで、前記センシングマトリックスをトレーニングすることは、
前記受信端が予め設定されるチャネル推定アルゴリズムと近似メッセージパッシングAMPパラメータに基づいてチャネル推定を行うことで得られた複数組の実際のチャネル情報を取得するステップと、
前記チャネル推定アルゴリズム、AMPパラメータ、複数組の実際のチャネル情報とDFTマトリックスに基づき、予め設定されるニューラルネットワークモデルに対して反復トレーニングを行い、前記センシングマトリックスを得るステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
予め設定されるニューラルネットワークモデルに対して反復トレーニングを行うステップは、
L回目の反復プロセスで、L回目の反復で得られたチャネル推定情報と前記L回目の反復に対応するL組目のチャネル情報に基づき、前記ニューラルネットワークモデルの変数を調整することを含み、ここで、前記チャネル推定情報は、前記チャネル推定アルゴリズムと前記AMPパラメータに基づいてターゲット結果に対してチャネル推定を行うことで得られ、前記ターゲット結果は、前記ニューラルネットワークモデルの出力と前記DFTマトリックスとL回目の反復に対応するL組目のチャネル情報とを乗算する結果であり、Lは、正の整数である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
異なるアンテナ上で送信されるパイロット情報シンボルは、異なり、且つ同一のアンテナが異なるパイロットリソース上で送信するパイロット情報シンボルは、異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アンテナの数は、前記パイロットリソースの数よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
受信端に用いられるチャネル推定方法であって、
各パイロットリソース上の、送信端の各アンテナが前記パイロットリソース上で対応して送信するパイロット情報シンボルを含むパイロット信号を受信することと、
学習された近似メッセージパッシングLAMPネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行うこととを含み、
ここで、前記パイロット情報シンボルは、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づいて決定され、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定され、前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータは、前記センシングマトリックスとAMPアルゴリズムの反復求解プロセスで展開されたニューラルネットワークに基づいてトレーニングされて得られる、チャネル推定方法。
【請求項8】
前記パイロット情報シンボルは、F*W=Aに基づいて決定され、ここで、Aは、すべてのパイロット情報シンボルによって構成される観測マトリックスAであり、Wは、センシングマトリックスであり、Fは、N次元DFTマトリックスであり、Nは、前記アンテナの数である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
め設定されるチャネル推定アルゴリズムと近似メッセージパッシングAMPパラメータに基づいてチャネル推定を行うことで複数組の実際のチャネル情報を取得するステップと
前記送信端に前記複数組の実際のチャネル情報を送信するステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
異なるアンテナ上で送信されるパイロット情報シンボルは、異なり、且つ同一のアンテナが異なるパイロットリソース上で送信するパイロット情報シンボルは、異なる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記の、学習された近似メッセージパッシングLAMPネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行う前に、前記方法は、
前記受信端の信号対雑音比を決定することと、
ターゲット信号対雑音比範囲に対応するLAMPパラメータを前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータとして決定することであって、前記ターゲット信号対雑音比範囲は、少なくとも二つの第一の信号対雑音比範囲のうち、前記信号対雑音比に対応する第一の信号対雑音比範囲であることとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
パイロット情報シンボルの送信端である通信機器であって、
離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づき、各アンテナの各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定するための第一の決定モジュールと、
各前記アンテナについて、各前記パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを受信端に送信するための送信モジュールとを含み、
ここで、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定される、通信機器。
【請求項13】
パイロット情報シンボルの受信端である通信機器であって、
各パイロットリソース上の、送信端の各アンテナが前記パイロットリソース上で対応して送信するパイロット情報シンボルを含むパイロット信号を受信するための受信モジュールと、
学習された近似メッセージパッシングLAMPネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行うための処理モジュールとを含み、
ここで、前記パイロット情報シンボルは、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づいて決定され、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定され、前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータは、前記センシングマトリックスとAMPアルゴリズムの反復求解プロセスで展開されたニューラルネットワークに基づいてトレーニングされて得られる、通信機器。
【請求項14】
プログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、請求項1から6のいずれか1項に記載のパイロット情報シンボル送信方法のステップを実現し、又は前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、請求項7から11のいずれか1項に記載のチャネル推定方法のステップを実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年5月15日に中国で提出された中国特許出願番号No.202010414538.2の優先権を主張しており、同出願の内容のすべては、ここに参照として取り込まれる。
【0002】
本出願は、通信技術分野に関し、特にパイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器に関する。
【背景技術】
【0003】
5Gのターゲットは、伝送レート、ユーザアクセス密度と低遅延などの面で、性能の大幅な向上を実現することである。大規模な(Massive)多入力多出力(Multiple-Input Multiple-Output、MIMO)システムは、その高いスペクトル効率と高いエネルギー効率の優位性により、すでに5G移動通信の大切な技術の一つとなった。5Gネットワークは、大規模なMIMO技術を利用して大規模なアンテナアレイを形成し、より多くのユーザに同時に信号を送受信することができ、それによって移動ネットワークのチャネル容量及びデータトラフィックを数十倍以上向上させるとともに、マルチユーザ間の干渉の急激な低減を実現することができる。大規模なMIMO技術の容量と性能における膨大な潜在的能力のため、それが提案されてから、ずっと多くの研究者の注目を集め続けている。
【0004】
しかしながら、大規模なMIMOシステムでは、アンテナ規模の急激な増加に伴い、パイロットのオーバヘッドとチャネル状態情報のフィードバックオーバヘッドは、大規模なMIMO技術の大規模な商用化を制約する大切なボトルネック問題の一つとなっている。大規模なMIMOに基づく5G通信ネットワークにおいて、5G基地局によりサポートされる数百本のアンテナによって構成される大規模なアンテナアレイによるパイロットオーバヘッド、チャネルのフィードバック量及びチャネル推定の複雑度は、従来のMIMOネットワークに対して一桁の増加である。そのため、どのように大規模なMIMO通信ネットワークのチャネル推定を解決するかは、現在早急な解決の待たれる問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施例は、大規模なMIMO通信ネットワークのチャネル推定の問題を解決するためのパイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、送信端に用いられるパイロット情報シンボル送信方法を提供する。前記パイロット情報シンボル送信方法は、
離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform、DFT)マトリックスとセンシングマトリックスに基づき、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定することと、
各前記アンテナに対し、各前記パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを送信することとを含み、
ここで、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定される。
【0007】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、受信端に用いられるチャネル推定方法を提供する。前記チャネル推定方法は、
各パイロットリソース上の、送信端の各アンテナが前記パイロットリソース上で対応して送信するパイロット情報シンボルを含むパイロット信号を受信することと、
学習された近似メッセージパッシング(Learned Approximate Message Passing、LAMP)ネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行うこととを含み、
ここで、前記パイロット情報シンボルは、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づいて決定され、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定され、前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータは、前記センシングマトリックスとAMPアルゴリズムの反復求解プロセスで展開されたニューラルネットワークに基づいてトレーニングされて得られる。
【0008】
第三の態様によれば、本出願の実施例は、パイロット情報シンボルの送信端である通信機器を提供する。前記通信機器は、
離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づき、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定するための第一の決定モジュールと、
各前記アンテナに対し、各前記パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを送信するための送信モジュールとを含み、
ここで、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定される。
【0009】
第四の態様によれば、本出願の実施例は、パイロット情報シンボルの受信端である通信機器を提供する。前記通信機器は、
各パイロットリソース上の、送信端の各アンテナが前記パイロットリソース上で対応して送信するパイロット情報シンボルを含むパイロット信号を受信するための受信モジュールと、
学習された近似メッセージパッシングLAMPネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行うための処理モジュールとを含み、
ここで、前記パイロット情報シンボルは、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づいて決定され、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定され、前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータは、前記センシングマトリックスとAMPアルゴリズムの反復求解プロセスで展開されたニューラルネットワークに基づいてトレーニングされて得られる。
【0010】
第五の態様によれば、本出願の実施例は、通信機器を提供する。前記通信機器は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラム又は命令とを含み、前記プログラム又は命令が前記プロセッサにより実行される時、上記パイロット情報シンボル送信方法におけるステップを実現し、又は前記プログラム又は命令が前記プロセッサにより実行される時、上記チャネル推定方法におけるステップを実現する。
【0011】
第六の態様によれば、本出願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記可読記憶媒体には、プログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、上記パイロット情報シンボル送信方法のステップを実現し、又は前記プログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、上記チャネル推定方法のステップを実現する。
【0012】
第七の態様によれば、本出願の実施例は、チップを提供する。前記チップは、プロセッサと、通信インターフェースとを含み、前記通信インターフェースは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、プログラム又は命令を運行し、第一の態様に記載の方法を実現するために用いられる。
【発明の効果】
【0013】
本出願の実施例は、DFTマトリックスとセンシングマトリックスによって、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定し、各前記アンテナに対し、各前記パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを送信し、ここで、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定される。このように、パイロット数がアンテナ数よりもはるかに小さくなるように少数の非直交パイロットを使用してパイロットオーバヘッドを低減することができ、受信端は、パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行うことができ、大規模なMIMO通信ネットワークのチャネル推定の問題が解決された。それと同時に、センシングマトリックスで決定されたパイロット情報シンボルを採用するため、それによって決定されたパイロット情報シンボルが現在のチャネルに適合した最適な線形マッピングであることを確保することができ、さらにチャネル推定の性能を向上させることができる。
【0014】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例の記述において使用される必要のある図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下の記述における図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本出願の実施例の応用可能なネットワークシステムの構造図である。
図2】本出願の実施例によるパイロット情報シンボル送信方法のフローチャートである。
図3】本出願の実施例によるパイロット情報シンボル送信方法におけるセンシングネットワークの学習原理図である。
図4】本出願の実施例によるパイロット情報シンボル送信方法におけるLAMPネットワークの構造図である。
図5】本出願の実施例によるパイロット情報シンボル送信方法におけるLAMPネットワークのt層目の構造図である。
図6】本出願の実施例によるパイロット情報シンボル送信方法における大規模なMIMOチャネル推定システムブロック図である。
図7】チャネル推定性能比較図である。
図8】本出願の実施例によるチャネル推定方法のフローチャートである。
図9】本出願の実施例によるネットワーク機器の構造図である。
図10】本出願の実施例による端末の構造図である。
図11】本出願の実施例による別のネットワーク機器の構造図である。
図12】本出願の実施例による別の端末の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述し、明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0017】
本出願の明細書と特許請求の範囲における用語である「含む」及びその任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明瞭にリストアップされているそれらのステップ又はユニットに限らず、明瞭にリストアップされていない又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。なお、明細書及び特許請求の範囲において使用された「及び/又は」は、接続された対象の少なくともそのうちの一つを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、単独のB、及びAとBの組み合わせの三つのケースを含むことを表す。
【0018】
本出願の実施例では、「例示的」又は「例えば」などの用語は、例、例証又は説明として表すために用いられる。本出願の実施例では、「例示的」又は「例えば」と記述される任意の実施例又は設計案は、他の実施例又は設計案より好ましいか、又はより優位性があると解釈されるべきではない。正確に言うと、「例示的」又は「例えば」などの用語を使用することは、関連する概念を具体的な方式で示すことを意図する。
【0019】
以下では、図面を結び付けながら本出願の実施例を紹介する。本出願の実施例によるパイロット情報シンボル送信方法、チャネル推定方法及び通信機器は、無線通信システムに用いることができる。この無線通信システムは、5Gシステム、又は進化型ロングタームエボリューション(Evolved Long Term Evolution、eLTE)システム、又は後続の進化通信システムであってもよい。
【0020】
図1を参照すると、図1は、本出願の実施例の応用可能なネットワークシステムの構造図であり、図1に示すように、端末11と、ネットワーク機器12とを含み、ここで、端末11は、ユーザ端末又は他の端末側機器、例えば、携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ラップトップコンピュータ(Laptop Computer)、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、モバイルインターネットディバイス(Mobile Internet Device、MID)又はウェアラブルデバイス(Wearable Device)などの端末側機器であってもよく、説明すべきこととして、本出願の実施例において、端末11の具体的なタイプを限定するものではない。上記ネットワーク機器12は、5G基地局、又はそれ以降のバージョンの基地局、又は他の通信システムにおける基地局であってもよく、又はノードB、進化ノードB、又は送受信ポイント(Transmission Reception Point、TRP)、又はアクセスポイント(Access Point、AP)、又は当分野における他の用語と呼ばれてもよく、同じ技術的効果が達される限り、前記ネットワーク機器は、特定の技術用語に限らない。また、上記ネットワーク機器12は、マスタノード(Master Node、MN)、又はセカンダリノード(Secondary Node、SN)であってもよい。説明すべきこととして、本出願の実施例において、5G基地局のみを例にするが、ネットワーク機器の具体的なタイプを限定するものではない。
【0021】
理解の便宜上、以下は、本出願の実施例に関わるいくつかの内容を説明する。
【0022】
大規模なMIMOシステムでは、アンテナ数が膨大であるため、チャネル推定とフィードバックに必要なパイロットオーバヘッドとフィードバックオーバヘッドは、膨大である。パイロットオーバヘッドとフィードバックオーバヘッドを低減するために、大規模なMIMOチャネルの空間角度領域におけるスパース特性を利用して、圧縮センシング(Compressed sensing、CS)理論に基づくチャネル推定を行うことができる。この方案は、大規模なMIMOチャネルの有限散乱特性と基地局アンテナアレイの密配列の特性を利用し、分析によって異なるアンテナ空間角度領域チャネル間に構造化スパース特性を有することが分かる。この特性を利用して、大規模なMIMOチャネル推定を構造化圧縮センシングの係数信号回復問題に変換する。具体的に、基地局により送信される少数の非直交パイロットパイロットは、オーバヘッドを低減する。パイロット数は、アンテナ数よりもはるかに小さい。移動ユーザは、パイロット信号を受信した後、直交マッチング追跡(Orthogonal Matching Pursuit、OMP)、ブロック反復サポートセット検出(Block Iterative support detection、Block ISD)、近似メッセージパッシング(Approximate Message Passing、AMP)などの圧縮センシングのスパース信号回復アルゴリズムを利用してこの問題を解決する。理論分析とシミュレーション結果は、空間スパース性が明らかである場合、構造化圧縮センシングに基づくチャネル推定とフィードバック方法が、比較的に低いパイロットオーバヘッドで大規模なMIMOチャネル状態情報を正確に取得することができることを示している。
【0023】
圧縮センシングは、比較的に潜在的能力のあるCSIオーバヘッド低減方法とみなされているが、このような解決案自体には、いくつかの固有の問題がある。
【0024】
その一、CS類の解決案は、空間チャネルのある基底でのスパース性仮定に強く依存しているが、実際には、実際のシナリオにおける多くの実のチャネルは、どの基底ベクトルでも絶対的なスパース性を有するわけではない。したがって、CSに基づくチャネルフィードバック案は、チャネル状態情報(Channel State Information、CSI)マトリックスが完美であり、スパースであるという事前仮定に依存し、近似スパース条件だけを満たす大規模なMIMOチャネルにおいてパフォーマンスが不十分であり、性能が要件に達成しにくい。
【0025】
その二、CS類方法で採用されるのはランダムマッピングであるため、チャネル固有の構造特徴をうまく利用することができない。つまり、圧縮センシング方法は、信号圧縮処理を行う際に、センシングマトリックスは、ランダムに生成される。一般的には、よく使われるのは、ランダムガウスマトリックスとランダムベルヌーイマトリックスである。このようなマトリックスが、信号の統計特性を考慮しておらず、作動することができるが、最適な選択でないことが明らかになった。最後に、CS類は、パイロットオーバヘッドを低減することができるが、この方法自体に推定誤差がある場合、信号対雑音比がとても高い場合でも、チャネル推定の性能をあまり高くすることは、困難であり、そして推定誤差のフラットボトム効果が存在する。上記のことに基づき、圧縮センシングが実際のシステムに応用されるのは、困難である。そのため、どのように圧縮センシングチャネル推定の性能を改善し、実用化するかは、研究すべき問題である。これに基づき、本出願の方案が提案された。
【0026】
図2を参照すると、図2は、本出願の実施例による送信端に用いられるパイロット情報シンボル送信方法のフローチャートである。図2に示すように、以下のステップを含む。
【0027】
ステップ201、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づき、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定する。
【0028】
ステップ202、各前記アンテナに対し、各前記パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを送信する。
【0029】
ここで、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定される。
【0030】
本出願では、パイロット情報シンボルに基づいて上りリンクチャネル推定を行ってもよいし、下りリンクチャネル推定を行ってもよく、即ち上記送信端は、ネットワーク機器であってもよく、端末であってもよい。送信端がネットワーク機器である場合、パイロット情報シンボルに基づいて下りリンクチャネル推定を行うことができ、送信端が端末である場合、パイロット情報シンボルに基づいて上りリンクチャネル推定を行うことができる。以下の各実施例において、下りリンクチャネル推定を例にして説明する。
【0031】
具体的には、ネットワーク機器は、複数のアンテナを含んでもよく、前記アンテナの数は、前記パイロットリソースの数よりも大きい。このパイロットリソースの数は、少なくとも二つであり、選択的に、パイロットリソースの数は、アンテナの数よりもはるかに小さく、例えば、アンテナの数が64個である場合、パイロットリソースの数は、32個であってもよい。ここで、ネットワーク機器は各アンテナに対し、各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを送信する必要がある。例えば、上記64個のアンテナに対し、各アンテナはいずれも32個のパイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを送信する必要がある。
【0032】
選択的に、本実施例では、前記の、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づき、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定することは、
F*W=Aに基づき、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定することを含み、ここで、Aは、すべてのパイロット情報シンボルによって構成される観測マトリックスAであり、Wは、センシングマトリックスであり、Fは、N次元DFTマトリックスであり、Nは、前記アンテナの数である。
【0033】
理解すべきこととして、本実施例では、上記センシングマトリックスは、予め深層学習によりトレーニングされて得られたニューラルネットワークである。i番目の送信アンテナがj番目のパイロットリソース上で送信するパイロット情報シンボルがai,jで表されると、すべてのai,jは、一つの観測マトリックスAに結合することができる。その次元は、N*Nであり、Nは、ネットワーク機器のアンテナ数であり、Nは、パイロットリソースの数である。各列のN個のエレメントは、N個の送信アンテナでそれぞれ送信される。本出願の実施例において、A=F*Wであり、ここで、Wは、センシングマトリックスであり、Fは、N次元DFTマトリックスであり、このように深層学習の方法でWを得ることができ、このWは、一層のニューラルネットワークとして理解され、チャネル情報のトレーニングによって決定されてもよい。このように、決定されたパイロット情報シンボルが現在のチャネルに適合した最適な線形マッピングであることを確保することができる。選択的に、受信端のチャネル推定アルゴリズムとAMPパラメータをまず固定する場合、深層学習トレーニングを行うことができ、ここで、このAMPパラメータは、AMPアルゴリズムに対応するパラメータとして理解されてもよい。
【0034】
選択的に、一実施例では、ニューラルネットワークの方法によって最適なセンシングマトリックスを探すために、センシングマトリックスを一層の線形のニューラルネットワークと見なし、従来のニューラルネットワークに比べて、オフセット量とアクティブ化関数がない。トレーニングする際に、送信端センシングマトリックス、受信端AMPアルゴリズム、大規模なMIMOチャネル及び雑音導入全体を一つのニューラルネットワークとみなしてトレーニングすることができる。図3に示すように、受信端は、元のAMPアルゴリズムを採用し、そのパラメータは、経験値を用いる。トレーニングデータは、異なるチャネルに由来し、トレーニングと最適化のターゲット(コスト関数cost function)は、AMPアルゴリズムの出力端で出力される
【数1】
と実際のチャネル
【数2】
との間の平均二乗誤差が最も小さいことである。即ち、
【数3】
である。
【0035】
本出願の実施例は、DFTマトリックスとセンシングマトリックスによって、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定し、各前記アンテナに対し、各前記パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを送信し、ここで、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定される。このように、パイロット数がアンテナ数よりもはるかに小さくなるように少数の非直交パイロットを使用してパイロットオーバヘッドを低減することができ、受信端は、パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行うことができ、大規模なMIMO通信ネットワークのチャネル推定の問題が解決された。それと同時に、センシングマトリックスで決定されたパイロット情報シンボルを採用するため、それによって決定されたパイロット情報シンボルが現在のチャネルに適合した最適な線形マッピングであることを確保することができ、さらにチャネル推定の性能を向上させることができる。
【0036】
例えば、一実施例では、上記方法は、
前記センシングマトリックスをトレーニングすることをさらに含み、ここで、前記センシングマトリックスをトレーニングすることは、
受信端が予め設定されるチャネル推定アルゴリズムと近似メッセージパッシングAMPパラメータに基づいてチャネル推定を行うことで得られた複数組の実際のチャネル情報を取得するステップと、
前記チャネル推定アルゴリズム、AMPパラメータ、複数組の実際のチャネル情報とDFTマトリックスに基づき、予め設定されるニューラルネットワークモデルに対して反復トレーニングを行い、前記センシングマトリックスを得るステップとを含み、
選択的に、予め設定されるニューラルネットワークモデルに対して反復トレーニングを行うステップは、
L回目の反復プロセスで、L回目の反復で得られたチャネル推定情報と前記L回目の反復に対応するL組目のチャネル情報に基づき、前記ニューラルネットワークモデルの変数を調整することを含み、ここで、前記チャネル推定情報は、前記チャネル推定アルゴリズムと前記AMPパラメータに基づいてターゲット結果に対してチャネル推定を行うことで得られ、前記ターゲット結果は、前記ニューラルネットワークモデルの出力と前記DFTマトリックスとL回目の反復に対応するL組目のチャネル情報とを乗算する結果であり、Lは、正の整数である。
【0037】
ここで、上記複数組の実際のチャネル情報は、トレーニングデータとしてもよく、1回目の反復プロセスで、ニューラルネットワークモデルは、予め設置される変数値に基づいて該当する結果を出力して、DFTマトリックスと乗算した後、1回目の反復プロセスで使用される一組の実際のチャネル情報と乗算し、中間結果を得ることができ、そしてこの中間結果に対して、予め固定されるチャネル推定アルゴリズムとAMPパラメータによってチャネル推定を行うことによって、1回目の反復で得られたチャネル推定情報を得て、1回目の反復の後、チャネル推定情報と1回目の反復で使用された一組の実際のチャネル情報を比較することによって、ニューラルネットワークモデルの変数を調整し、そしてすべてのトレーニングデータのトレーニングを完了して上記センシングマトリックスを得るまで、調整後の変数に基づいて次回の反復を行うことができる。上記変数は、コスト関数cost functionにおける変数として理解されてもよい。
【0038】
本出願の実施例では、センシングマトリックスをトレーニングするプロセスは、第一の段階の深層学習として理解されてもよく、第一の段階の深層学習は、現在のチャネルに適合した最適な線形マッピングを得るために、ランダムマッピングに代わることであり、圧縮センシングアルゴリズムに対応し、つまり、チャネル推定に最適なセンシングマトリックスを得たものである。
【0039】
説明すべきこととして、受信端の各受信アンテナがいずれも独立してチャネル推定するため、一つの受信アンテナでチャネル推定を行う場合のみを考慮してもよい。具体的には、受信端は、各前記パイロットリソース上のパイロット信号を受信した後、前記パイロット信号は、送信端の各アンテナが前記パイロットリソース上で対応して送信するパイロット情報シンボルを含み、学習された近似メッセージパッシングLAMPネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行うことができる。
【0040】
本実施例では、パイロット信号は、アンテナアレイによって送信された後、チャネルを介し、受信アンテナのN個のパイロットリソース上での受信信号は、H=h*Fを採用してチャネルアレイのDFT変換を表してもよい。最終的なベースバンド処理モジュールにより観測された信号は、
【数4】
である。このとき、既知の(y,W)から元信号Hを回復することができる。元信号Hの次元が観測信号yの次元よりも大きく、且つ元信号がスパースであるため、上記LAMPネットワークを採用して元信号を回復し、チャネル推定を行うことができる。LAMPネットワークは、AMPアルゴリズムの反復求解プロセスをニューラルネットワークに展開したものであり、深層ニューラルネットワークのトレーニングプロセスによってその線形操作係数と非線形収縮パラメータとを連携して最適化することで、これらの分布LAMPパラメータの値を得ることができる。これらのLAMPパラメータのトレーニングは、送信端センシングマトリックスWのトレーニングが完了した後に得られており、つまり最適化されたWに基づき、チャネル情報を利用してLAMPネットワークを最適化することである。本出願の実施例において、LAMPパラメータが最適化された後のLAMPネットワークによってチャネル推定を行うことによって、圧縮センシングに基づくチャネル推定の性能を向上させ、低パイロットオーバヘッドで高性能と大規模なMIMOチャネル推定を実現することができる。
【0041】
例えば、一実施例では、上記LAMPパラメータのトレーニング方法は、
受信端が予め設定されるチャネル推定アルゴリズムと近似メッセージパッシングAMPパラメータに基づいてチャネル推定を行うことで得られた複数組の実際のチャネル情報を取得するステップと、
トレーニングされた前記センシングマトリックス、複数組の実際のチャネル情報とDFTマトリックスに基づき、予め設定されるLAMPネットワークに対して反復トレーニングを行い、LAMPパラメータを得るステップとを含み、
選択的に、予め設定されるLAMPネットワークに対して反復トレーニングを行うステップは、L回目の反復プロセスで、L回目の反復で得られたチャネル推定情報と前記L回目の反復に対応するL組目のチャネル情報に基づき、前記LAMPネットワークにおけるLAMPパラメータを調整することを含み、ここで、前記チャネル推定情報は、前記LAMPネットワークがターゲット結果に対してチャネル推定を行うことで得られ、前記ターゲット結果は、前記センシングマトリックスの出力と前記DFTマトリックスとL回目の反復に対応するL組目のチャネル情報とを乗算する結果であり、Lは、正の整数である。
【0042】
説明すべきこととして、上記LAMPネットワーク(即ち深層ニューラルネットワーク)のトレーニングプロセスは、第二の段階の深層学習として理解されてもよく、第二の段階の深層学習は、最適なセンシングマトリックスを得た後、AMPアルゴリズムに最適なパラメータ(即ちLAMPパラメータ)を取得するために用いられる。これにより、圧縮センシングチャネル推定の性能を向上させる。
【0043】
さらに、異なるアンテナ上で送信されるパイロット情報シンボルは、異なり、且つ同一のアンテナが異なるパイロットリソース上で送信するパイロット情報シンボルは、異なる。言い換えれば、本実施例において、i番目の送信アンテナがj番目のパイロットリソース上で送信するパイロット情報シンボルはユニックである。
【0044】
選択的に、一実施例では、LAMPネットワークは、従来の圧縮センシングアルゴリズムに基づいて構築され、即ちAMPに基づいて構築されており、AMPアルゴリズムの反復求解プロセスをニューラルネットワークに展開し、その線形操作係数と非線形収縮パラメータとを連携して最適化する。深層ニューラルネットワークのトレーニングプロセスによってこれらの分布パラメータの値を得ることができる。LAMPネットワークトレーニングを行う場合、送信端は、すでにトレーニングされた最適化されたセンシングマトリックスを用いている。選択的に、このLAMPネットワークのネットワーク構造は、図4に示す通りである。
【0045】
図4において、圧縮センシングに応用されるシナリオは、y=Ax+nであり、既知の(y,A)からxスパース信号回復を推定し、
【数5】
で元スパース信号の一つの推定ベクトルを表し、yは、観測ベクトルであり、vは、残差ベクトルである。観測ベクトルyは、すべての層の共通の入力として、前のレイヤの推定ベクトル
【数6】
と残差ベクトルvに対する出力は、それぞれ次のレイヤの推定ベクトル
【数7】
と残差ベクトルvの入力とされる。T層のニューラルネットワークを経た後、元スパース信号に対する最終的な推定
【数8】
を出力する。t層目のネットワーク構造は、図5に示される。この構造は、AMPアルゴリズムにおける反復プロセスと完全に対応しており、推定ベクトル
【数9】
と残差ベクトルvの更新が徐々に実現された。ここで、
【数10】
は、ニューラルネットワークにおける線形重み付けマトリックスと非線形アクティブ化関数にそれぞれ対応する。この
【数11】
であり、ここで、
【数12】
であり、
【数13】
は、非線形パラメータを表し、
【数14】
は、雑音パラメータを表す。
【0046】
説明すべきこととして、本出願の実施例で採用するLAMPネットワーク構造における太い実線に対応する枝路は、AMPアルゴリズムにおける収束を速めるOnsager補正項に対応する。次に、LAMPアルゴリズムにおける非線形関数は、具体的な信号推定問題から導かれる収縮関数であるが、一般的なニューラルネットワークにおいて非線形機能を導入するために明確な物理的意義を持たないアクティブ化関数ではない。また、収縮関数における雑音パラメータ
【数15】
は、残差に関連しており、階層ごとに更新されることができる。そのため、本出願の実施例で採用するLAMPネットワークは、一般的なニューラルネットワークよりもスパース信号回復問題により適することができる。
【0047】
理解すべきこととして、本出願の実施例では、LAMPアルゴリズムは、深層学習とAMPアルゴリズムとを組み合わせて、両方の優位性を取り、深層ニューラルネットワークの強力な学習能力を利用しているだけでなく、AMPアルゴリズムによるスパース信号回復を実現する機能をリザーブしている。
【0048】
本出願の実施例では、監督学習方式を採用して、データセット
【数16】
を入力することよってネットワークパラメータトレーニングを行うことができ、ここで、yは、低次元の観測信号を表し、xは、高次元のスパース信号を表す。アルゴリズム性能をさらに向上させるために、ニューラルネットワークの強力な学習能力を十分に利用し、各層において、非線形パラメータ
【数17】
が層ごとに更新されるほか、線形演算子B(AMPアルゴリズムにおいて
【数18】
)も層ごとに更新されることができる。そのため、LAMPネットワークにおいて、トレーニングされる必要のあるパラメータセットは、
【数19】
である。
【0049】
LAMPネットワークがAMP反復アルゴリズムに基づいて構築されるため、ネットワークをトレーニングするプロセスで、反復トレーニングに示唆され、層ごとにトレーニングする方式を採用してこのネットワークをトレーニングし、線形操作係数と非線形収縮パラメータの連携最適化を実現する。一般的なニューラルネットワークに一つの損失関数のみが定義されることと異なっており、LAMPネットワークにおいて、層ごとのトレーニングを実現するために、各層には、損失関数
【数20】
がそれぞれ定義されており、具体的な定義は、以下の通りである。
【0050】
【数21】
【0051】
理解すべきこととして、ネットワークオーバーフィットを回避するために、線形操作係数マトリックスBと非線形収縮パラメータ
【数22】
は、各層においてそれぞれ最適化してから連携して最適化する方式でトレーニングされる。
【0052】
説明すべきこととして、一実施例では、信号対雑音比のチャネル推定に対する影響を考慮してもよく、言い換えれば、センシングマトリックスとLAMPネットワークをトレーニングする際に、特定の信号対雑音比範囲でトレーニングすることができる。以下では、センシングマトリックスとLAMPネットワークのトレーニングを詳細に説明する。
【0053】
本実施例では、上記センシングマトリックスWは、第二の信号対雑音比範囲内でトレーニングされ、即ちセンシングマトリックスWは、第二の信号対雑音比範囲に適用されることができる。この第二の信号対雑音比範囲は、広い信号対雑音比範囲として理解されてもよく、ネットワーク機器が受信端の信号対雑音比を知らないため、広い信号対雑音比範囲でセンシングマトリックスWをトレーニングすることで、センシングマトリックスWの適用範囲を向上させることができる。
【0054】
上記LAMPネットワークのトレーニングは、いくつかの異なる第一の信号対雑音比範囲で行われ、異なる第一の信号対雑音比範囲に対応するLAMPパラメータを得ることができる。例えば、低信号対雑音比範囲(0-10dB)、中信号対雑音比範囲(10-20dB)と高信号対雑音比範囲(20-30dB)に対してそれぞれトレーニングを行って3組のLAMPパラメータを得ることができる。このように、受信端は、現在の信号対雑音比範囲に基づいて該当するLAMPパラメータを選択してLAMPネットワークを最適化してチャネル推定を行うことができる。
【0055】
説明すべきこととして、センシングマトリックスとLAMPネットワークに対するトレーニングを完了した後、トレーニングされたセンシングマトリックスとLAMPネットワークを利用して元信号Hを推定し、さらに元のマルチアンテナのチャネルhを得ることができる。システム全体のパイロット情報シンボル送信とチャネル推定の作動プロセスは、以下の通りである。
【0056】
ネットワーク機器は、最適化されたセンシングマトリックスとN次元DFTマトリックスに基づき、各送信アンテナを用いて各パイロットリソース上でパイロット情報シンボルを送信する。端末において、端末は、まず、受信アンテナを利用して各パイロットリソース上でパイロット信号を受信し、これらのパイロット信号に基づき、パラメータが最適化された後のLAMPネットワークを利用してチャネル推定を行うことによって、低パイロットオーバヘッドで高性能と大規模なMIMOチャネル推定を実現する。ここで、システム全体の実現アーキテクチャは、図6に示す通りである。
【0057】
図7に示すように、一実施例では、64アンテナMIMOが32個のパイロットリソースのみを用いる場合、従来のAPM方法を採用した、異なる信号対雑音比におけるチャネル推定の性能は、701に示す通りである、本出願の方案を採用した、異なる信号対雑音比におけるチャネル推定の性能は、702に示す通りであり、直交パイロット方法を採用した、異なる信号対雑音比におけるチャネル推定の性能は、703の通りである。図から、本出願の方案を利用してチャネル推定することで、チャネル推定の精度が明らかに向上することが分かる。
【0058】
本出願の実施例では、2段階の深層学習に基づくパイロット設計とチャネル推定は、すべてのアンテナが個別に直交パイロットを送信する方法に比べて、パイロットオーバヘッドを低減することができる。従来の圧縮センシングによるパイロットオーバヘッドの方法に比べて、現在のチャネルに適合した最適な線形マッピングを取得しているため、パイロットオーバヘッドが同じである場合、性能は大幅に向上する。本出願で提案される2段階の深層学習方法、従来の圧縮センシングAMPアルゴリズム及び直交パイロット方法については、異なる信号対雑音比におけるチャネル推定の性能を示す。図から、本出願の方案を採用することで、チャネル推定の精度が明らかに向上することが分かる。そのため、本出願の実施例は、チャネル推定の性能を向上させた。
【0059】
図8を参照すると、図8は、本出願の実施例による受信端に用いられるチャネル推定方法のフローチャートであり、図8に示すように、以下のステップを含む。
【0060】
ステップ801、各パイロットリソース上の、送信端の各アンテナが前記パイロットリソース上で対応して送信するパイロット情報シンボルを含むパイロット信号を受信する。
【0061】
ステップ802、学習された近似メッセージパッシングLAMPネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行う。
【0062】
ここで、前記パイロット情報シンボルは、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づいて決定され、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定され、前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータは、前記センシングマトリックスとAMPアルゴリズムの反復求解プロセスで展開されたニューラルネットワークに基づいてトレーニングされて得られる。
【0063】
選択的に、前記パイロット情報シンボルは、F*W=Aに基づいて決定され、ここで、Aは、すべてのパイロット情報シンボルによって構成される観測マトリックスAであり、Wは、センシングマトリックスであり、Fは、N次元DFTマトリックスであり、Nは、前記アンテナの数である。
【0064】
選択的に、前記方法は、
前記センシングマトリックスをトレーニングすることをさらに含み、ここで、前記センシングマトリックスをトレーニングすることは、
受信端が予め設定されるチャネル推定アルゴリズムと近似メッセージパッシングAMPパラメータに基づいてチャネル推定を行うことで得られた複数組の実際のチャネル情報を取得するステップと、
前記チャネル推定アルゴリズム、AMPパラメータ、複数組の実際のチャネル情報とDFTマトリックスに基づき、予め設定されるニューラルネットワークモデルに対して反復トレーニングを行い、前記センシングマトリックスを得るステップとを含む。
【0065】
選択的に、予め設定されるニューラルネットワークモデルに対して反復トレーニングを行うステップは、
L回目の反復プロセスで、L回目の反復で得られたチャネル推定情報と前記L回目の反復に対応するL組目のチャネル情報に基づき、前記ニューラルネットワークモデルの変数を調整することを含み、ここで、前記チャネル推定情報は、前記チャネル推定アルゴリズムと前記AMPパラメータに基づいてターゲット結果に対してチャネル推定を行うことで得られ、前記ターゲット結果は、前記ニューラルネットワークモデルの出力と前記DFTマトリックスとL回目の反復に対応するL組目のチャネル情報とを乗算する結果であり、Lは、正の整数である。
【0066】
選択的に、前記の、学習された近似メッセージパッシングLAMPネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行う前に、前記方法は、
前記受信端の信号対雑音比を決定することと、
ターゲット信号対雑音比範囲に対応するLAMPパラメータを前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータとして決定することであって、前記ターゲット信号対雑音比範囲は、少なくとも二つの第一の信号対雑音比範囲のうち、前記信号対雑音比に対応する第一の信号対雑音比範囲であることとをさらに含む。
【0067】
選択的に、前記第一の信号対雑音比範囲は、前記LAMPパラメータをトレーニングして得るための信号対雑音比範囲であり、且つ前記第一の信号対雑音比範囲は、前記LAMPパラメータと一対一で対応する。
【0068】
選択的に、前記少なくとも二つの第一の信号対雑音比範囲は、第二の信号対雑音比範囲内に含まれ、前記第二の信号対雑音比範囲は、チャネル情報のトレーニングによって前記センシングマトリックスを得るための信号対雑音比範囲である。
【0069】
選択的に、前記アンテナの数は、前記パイロットリソースの数よりも大きい。
【0070】
説明すべきこととして、本実施例は、図2に示される実施例に対応する受信端の実施の形態として、その具体的な実施の形態は、図2に示す実施例の関連説明を参照してもよく、且つ同じ有益な効果を達することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0071】
図9を参照すると、図9は、本出願の実施例による通信機器の構造図であり、前記通信機器は、パイロット情報シンボルの送信端であり、図9に示すように、送信端900は、
離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づき、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定するための第一の決定モジュール901と、
各前記アンテナに対し、各前記パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを送信するための送信モジュール902とを含み、
ここで、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定される。
【0072】
選択的に、前記第一の決定モジュール901は、具体的に、F*W=Aに基づき、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定するために用いられ、ここで、Aは、すべてのパイロット情報シンボルによって構成される観測マトリックスAであり、Wは、センシングマトリックスであり、Fは、N次元DFTマトリックスであり、Nは、前記アンテナの数である。
【0073】
選択的に、異なるアンテナ上で送信されるパイロット情報シンボルは、異なり、且つ同一のアンテナが異なるパイロットリソース上で送信するパイロット情報シンボルは、異なる。
【0074】
選択的に、前記アンテナの数は、前記パイロットリソースの数よりも大きい。
【0075】
本出願の実施例による送信端は、図2の方法の実施例において送信端によって実現される各プロセスを実現することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0076】
図10を参照すると、図10は、本出願の実施例による通信機器の構造図であり、前記通信機器は、パイロット情報シンボルの受信端であり、図10に示すように、受信端1000は、
各パイロットリソース上の、送信端の各アンテナが前記パイロットリソース上で対応して送信するパイロット情報シンボルを含むパイロット信号を受信するための受信モジュール1001と、
学習された近似メッセージパッシングLAMPネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行うための処理モジュール1002とを含み、
ここで、前記パイロット情報シンボルは、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づいて決定され、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定され、前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータは、前記センシングマトリックスとAMPアルゴリズムの反復求解プロセスで展開されたニューラルネットワークに基づいてトレーニングされて得られる。
【0077】
選択的に、前記パイロット情報シンボルは、F*W=Aに基づいて決定され、ここで、Aは、すべてのパイロット情報シンボルによって構成される観測マトリックスAであり、Wは、センシングマトリックスであり、Fは、N次元DFTマトリックスであり、Nは、前記アンテナの数である。
【0078】
選択的に、異なるアンテナ上で送信されるパイロット情報シンボルは、異なり、且つ同一のアンテナが異なるパイロットリソース上で送信するパイロット情報シンボルは、異なる。
【0079】
選択的に、前記通信機器は、
前記受信端の信号対雑音比を決定するための第二の決定モジュールと、
ターゲット信号対雑音比範囲に対応するLAMPパラメータを前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータとして決定するための第三の決定モジュールであって、前記ターゲット信号対雑音比範囲は、少なくとも二つの第一の信号対雑音比範囲のうち、前記信号対雑音比に対応する第一の信号対雑音比範囲である第三の決定モジュールとをさらに含む。
【0080】
選択的に、前記第一の信号対雑音比範囲は、前記LAMPパラメータをトレーニングして得るための信号対雑音比範囲であり、且つ前記第一の信号対雑音比範囲は、前記LAMPパラメータと一対一で対応する。
【0081】
選択的に、前記少なくとも二つの第一の信号対雑音比範囲は、第二の信号対雑音比範囲内に含まれ、前記第二の信号対雑音比範囲は、チャネル情報のトレーニングによって前記センシングマトリックスを得るための信号対雑音比範囲である。
【0082】
選択的に、前記アンテナの数は、前記パイロットリソースの数よりも大きい。
【0083】
本出願の実施例による端末は、図8の方法の実施例において端末によって実現される各プロセスを実現することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0084】
図11を参照すると、図11は、本出願の実施例による別のネットワーク機器の構造図であり、図11に示すように、このネットワーク機器1100は、プロセッサ1101と、送受信機1102と、メモリ1103と、バスインターフェースとを含み、ここで、
プロセッサ1101は、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づき、各アンテナが各パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを決定するために用いられ、
送受信機1102は、各前記アンテナに対し、各前記パイロットリソース上で対応するパイロット情報シンボルを送信するために用いられ、
ここで、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定される。
【0085】
理解すべきこととして、本実施例では、上記プロセッサ1101と送受信機1102は、図2の方法の実施例においてネットワーク機器によって実現される各プロセスを実現することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0086】
図11において、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスとブリッジを含んでもよく、具体的にはプロセッサ1101により代表される一つ又は複数のプロセッサとメモリ1103により代表されるメモリの様々な回路でリンクされる。バスアーキテクチャは、周辺機器、電圧レギュレータとパワー管理回路などのような様々な他の回路をリンクしてもよく、これらは、すべて当分野で公知のものであるため、本明細書は、それをさらに記述しない。バスインターフェースは、インターフェースを提供する。送受信機1102は、複数の素子であってもよく、即ち送信機と受信機とを含み、伝送媒体で様々な他の装置と通信するためのユニットを提供する。異なるユーザ機器について、ユーザインターフェース1104は、必要な機器に外接や内接することができるインターフェースであってもよく、接続された機器は、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロホン、ジョイスティックなどを含むが、それらに限らない。
【0087】
プロセッサ1101は、バスアーキテクチャと一般的な処理の管理を担当し、メモリ1103は、プロセッサ1101が操作を実行する時に使用したデータを記憶することができる。
【0088】
好ましくは、本出願の実施例は、ネットワーク機器をさらに提供する。前記ネットワーク機器は、プロセッサ1101と、メモリ1103と、メモリ1103に記憶されており、且つ前記プロセッサ1101上で運行できるプログラム又は命令とを含み、このプログラム又は命令がプロセッサ1101によって実行される時に上記パイロット情報シンボル送信方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0089】
図12は、本出願の各実施例を実現する端末のハードウェア構造概略図である。
【0090】
この端末1200は、無線周波数ユニット1201、ネットワークモジュール1202、オーディオ出力ユニット1203、入力ユニット1204、センサ1205、表示ユニット1206、ユーザ入力ユニット1207、インターフェースユニット1208、メモリ1209、プロセッサ1210、及び電源1211などの部品を含むが、それらに限らない。当業者であれば理解できるように、図12に示す端末構造は、端末に対する限定を構成せず、端末は、図示された部品の数よりも多く又は少ない部品、又はいくつかの部品の組み合わせ、又は異なる部品の配置を含んでもよい。
【0091】
無線周波数ユニット1201は、各パイロットリソース上の、送信端の各アンテナが前記パイロットリソース上で対応して送信するパイロット情報シンボルを含むパイロット信号を受信するために用いられ、
プロセッサ1210は、学習された近似メッセージパッシングLAMPネットワークと前記パイロット情報シンボルに基づいてチャネル推定を行うために用いられ、
ここで、前記パイロット情報シンボルは、離散フーリエ変換DFTマトリックスとセンシングマトリックスに基づいて決定され、前記センシングマトリックスは、チャネル情報のトレーニングによって決定され、前記LAMPネットワークの、チャネル推定のためのLAMPパラメータは、前記センシングマトリックスとAMPアルゴリズムの反復求解プロセスで展開されたニューラルネットワークに基づいてトレーニングされて得られる。
【0092】
理解すべきこととして、本実施例では、上記プロセッサ1210と無線周波数ユニット1201は、図8の方法の実施例において端末によって実現される各プロセスを実現することができ、説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0093】
理解すべきこととして、本出願の実施例では、無線周波数ユニット1201は、情報の送受信又は通話中の信号の送受信に用いられてもよい。具体的には、基地局からの下りリンクのデータを受信してから、プロセッサ1210に処理させ、また、上りリンクのデータを基地局に送信する。一般的には、無線周波数ユニット1201は、アンテナ、少なくとも一つの増幅器、送受信機、カプラ、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限らない。なお、無線周波数ユニット1201は、無線通信システムやネットワークを介して他の機器との通信を行うこともできる。
【0094】
端末は、ネットワークモジュール1202によりユーザのために無線のブロードバンドインターネットアクセスを提供し、例えば、ユーザによる電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、ストリーミングメディアへのアクセスなどを支援する。
【0095】
オーディオ出力ユニット1203は、無線周波数ユニット1201又はネットワークモジュール1202により受信された又はメモリ1209に記憶されたオーディオデータをオーディオ信号に変換するとともに、音声として出力することができる。そして、オーディオ出力ユニット1203は、端末1200により実行される特定の機能に関連するオーディオ出力(例えば、呼び信号受信音、メッセージ着信音など)を提供することもできる。オーディオ出力ユニット1203は、スピーカ、ブザー及び受話器などを含む。
【0096】
入力ユニット1204は、オーディオ又はビデオ信号を受信するために用いられる。入力ユニット1204は、グラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)12041とマイクロホン12042とを含んでもよく、グラフィックスプロセッサ12041は、ビデオキャプチャモード又は画像キャプチャモードにおいて画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)によって得られた静止画像又はビデオの画像データを処理する。処理された画像フレームは、表示ユニット1206上に表示されてもよい。グラフィックスプロセッサ12041によって処理された画像フレームは、メモリ1209(又は他の記憶媒体)に記憶されてもよく、又は無線周波数ユニット1201又はネットワークモジュール1202を介して送信されてもよい。マイクロホン12042は、音声を受信することができるとともに、このような音声をオーディオデータとして処理することができる。処理されたオーディオデータは、電話の通話モードの場合に、無線周波数ユニット1201を介して移動通信基地局に送信することが可能なフォーマットに変換して出力されてもよい。
【0097】
端末1200は、少なくとも一つのセンサ1205、例えば光センサ、モーションセンサ及び他のセンサをさらに含む。具体的には、光センサは、環境光センサ及び接近センサを含み、ここで、環境光センサは、環境光の明暗に応じて、表示パネル12061の輝度を調整し、接近センサは、端末1200が耳元に移動した時、表示パネル12061及び/又はバックライトをオフにすることができる。モーションセンサの一種として、加速度計センサは、各方向(一般的には三軸)での加速度の大きさを検出することができ、静止時、重力の大きさ及び方向を検出することができ、端末の姿勢(例えば、縦横スクリーン切り替え、関連ゲーム、磁力計姿勢校正)の識別、振動識別関連機能(例えば、歩数計、タップ)などに用いることができる。センサ1205は、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどをさらに含んでもよく、ここでこれ以上説明しない。
【0098】
表示ユニット1206は、ユーザにより入力された情報又はユーザに提供される情報を表示するために用いられる。表示ユニット1206は、表示パネル12061を含んでもよく、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)などの形式で表示パネル12061が配置されてもよい。
【0099】
ユーザ入力ユニット1207は、入力された数字又は文字情報の受信、及び端末のユーザ設置及び機能制御に関するキー信号入力の発生に用いられてもよい。具体的には、ユーザ入力ユニット1207は、タッチパネル12071と、他の入力機器12072とを含む。タッチパネル12071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上又は付近でのユーザによるタッチ操作(例えばユーザが指、タッチペンなどの任意の適切な物体又は付属品を使用してタッチパネル12071上又はタッチパネル12071付近で行う操作)を収集することができる。タッチパネル12071は、タッチ検出装置とタッチコントローラという二つの部分を含んでもよい。ここで、タッチ検出装置は、ユーザによるタッチ方位を検出し、タッチ操作による信号を検出し、信号をタッチコントローラに配信する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信し、それをタッチポイント座標に変換してから、プロセッサ1210に送信し、プロセッサ1210から送信されてきたコマンドを受信して実行する。なお、抵抗式、静電容量式、赤外線及び表面音波などの様々なタイプを採用してタッチパネル12071を実現してもよい。タッチパネル12071以外、ユーザ入力ユニット1207は、他の入力機器12072をさらに含んでもよい。具体的には、他の入力機器12072は、物理的キーボードと、機能キー(例えば、音量制御ボタン、スイッチボタンなど)と、トラックボールと、マウスと、操作レバーとを含んでもよいが、それらに限らなく、ここでこれ以上説明しない。
【0100】
さらに、タッチパネル12071は、表示パネル12061上に覆われてもよく、タッチパネル12071は、その上又は付近でのタッチ操作を検出すると、プロセッサ1210に配信して、タッチイベントのタイプを決定し、その後、プロセッサ1210は、タッチイベントのタイプに応じて表示パネル12061上で該当する視覚出力を提供する。図12において、タッチパネル12071と表示パネル12061は、二つの独立した部品として端末の入力と出力機能を実現するものであるが、いくつかの実施例において、タッチパネル12071と表示パネル12061を統合して端末の入力と出力機能を実現してもよく、具体的には、ここに対して限定しない。
【0101】
インターフェースユニット1208は、外部装置と端末1200との接続のためのインターフェースである。例えば、外部装置は、有線又は無線ヘッドフォンポート、外部電源(又は電池充電器)ポート、有線又は無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置への接続用のポート、オーディオ入力/出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、イヤホンポートなどを含んでもよい。インターフェースユニット1208は、外部装置からの入力(例えば、データ情報、電力など)を受信するとともに、受信された入力を端末1200における一つ又は複数の素子に伝送するために用いられてもよく、又は端末1200と外部装置との間でデータを伝送するために用いられてもよい。
【0102】
メモリ1209は、ソフトウェアプログラム及び様々なデータを記憶するために用いられてもよい。メモリ1209は、主にプログラム記憶領域とデータ記憶領域を含んでもよい。ここで、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)などを記憶することができ、データ記憶領域は、携帯電話の使用により作成されたデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などを記憶することができる。なお、メモリ1209は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、非揮発性メモリ、例えば少なくとも一つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非揮発性ソリッドステートメモリデバイスを含んでもよい。
【0103】
プロセッサ1210は、端末の制御センターであり、様々なインターフェースと線路によって端末全体の各部分に接続され、メモリ1209内に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを運行又は実行すること、メモリ1209内に記憶されたデータを呼び出し、端末の様々な機能を実行し、データを処理することにより、端末に対して全体的にモニタリングを行う。プロセッサ1210は、一つ又は複数の処理ユニットを含んでもよい。好ましくは、プロセッサ1210は、アプリケーションプロセッサとモデムプロセッサを統合してもよい。ここで、アプリケーションプロセッサは、主にオペレーティングシステム、ユーザインターフェース及びアプリケーションプログラムなどを処理するためのものであり、モデムプロセッサは、主に無線通信を処理するためのものである。理解できるように、上記モデムプロセッサは、プロセッサ1210に統合されなくてもよい。
【0104】
端末1200は、各部品に給電する電源1211(例えば、電池)をさらに含んでもよく、好ましくは、電源1211は、電源管理システムを介してプロセッサ1210にロジック的に接続されてもよく、それにより、電源管理システムによって充放電管理及び消費電力管理などの機能を実現することができる。
【0105】
また、端末1200は、いくつかの示されていない機能モジュールを含み、ここでこれ以上説明しない。
【0106】
好ましくは、本出願の実施例は、端末をさらに提供する。前記端末は、プロセッサ1210と、メモリ1209と、メモリ1209に記憶されており、且つ前記プロセッサ1210上で運行できるプログラム又は命令とを含み、このプログラム又は命令がプロセッサ1210によって実行される時、上記チャネル推定方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0107】
本出願の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供する。可読記憶媒体には、プログラム又は命令が記憶されており、このプログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、本出願の実施例による送信端のパイロット情報シンボル送信方法の実施例の各プロセスを実現し、又はこのプログラム又は命令がプロセッサにより実行される時、本出願の実施例による受信端のチャネル推定方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0108】
ここで、前記プロセッサは、上記実施例に記載の電子機器におけるプロセッサである。前記可読記憶媒体、コンピュータ可読記憶媒体、例えばリードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどを含む。
【0109】
本出願の実施例は、チップをさらに提供する。前記チップは、プロセッサと、通信インターフェースとを含み、前記通信インターフェースは、前記プロセッサと結合され、前記プロセッサは、プログラム又は命令を運行し、上記パイロット情報シンボル送信方法又はチャネル推定方法の実施例の各プロセスを実現するために用いられ、且つ同じ技術的効果を達することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでこれ以上説明しない。
【0110】
理解すべきこととして、本出願の実施例に言及されたチップは、システムレベルチップ、システムチップ、チップシステム又はシステムオンチップなどと呼ばれてもよい。説明すべきこととして、本明細書では、用語である「含む」、「包含」又はその他の任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、それによって一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確にリストアップされていない他の要素も含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素も含む。それ以上の制限がない場合に、「……を一つ含む」という文章で限定された要素について、この要素を含むプロセス、方法、物品又は装置には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。なお、指摘すべきこととして、本出願の実施の形態における方法と装置の範囲は、図示又は討論された順序で機能を実行することに限らず、関わる機能に基づいて基本的に同時である方式又は逆の順序で機能を実行することを含んでもよく、例えば記述されたものと異なる手順で、記述された方法を実行するとともに、様々なステップを追加、省略又は組み合わせることができる。また、いくつかの例を参照して記述された特徴は、他の例で組み合わせられることができる。
【0111】
以上の実施の形態の記述によって、当業者であればはっきりと分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されてもよい。無論、ハードウェアによって実現されてもよいが、多くの場合、前者は、より好適な実施の形態である。このような理解を踏まえて、本出願の技術案は、実質には又は従来の技術に寄与した部分がソフトウェア製品の形式によって具現化されてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又は基地局などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させるための若干の命令を含む。
【0112】
以上は、図面を結び付けながら、本出願の実施例を記述したが、本出願は、上記の具体的な実施の形態に限らない。上記の具体的な実施の形態は、例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本出願の示唆で、本出願の趣旨と請求項が保護する範囲から逸脱しない限り、多くの形式を行うこともでき、それらはいずれも本出願の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0113】
1001 受信モジュール
1002 処理モジュール
1100 ネットワーク機器
1101 プロセッサ
1102 送受信機
1103 メモリ
1104 ユーザインターフェース
1200 端末
1201 無線周波数ユニット
1202 ネットワークモジュール
1203 オーディオ出力ユニット
1204 入力ユニット
1205 センサ
1206 表示ユニット
1207 ユーザ入力ユニット
1208 インターフェースユニット
1209 メモリ
1210 プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12