(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】音声通話方法、装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0896 20220101AFI20240819BHJP
H04L 65/40 20220101ALI20240819BHJP
H04L 43/0876 20220101ALI20240819BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240819BHJP
【FI】
H04L41/0896
H04L65/40
H04L43/0876
H04W88/06
(21)【出願番号】P 2022574625
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 CN2021099652
(87)【国際公開番号】W WO2021254266
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】202010542447.7
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】毛 源澤
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109511141(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105163355(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0282013(US,A1)
【文献】特開2004-320458(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109769273(CN,A)
【文献】国際公開第2017/167694(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0124559(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定するステップと、
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるステップと
を含み、
前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、
前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異な
り、
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるステップの前に、
前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定するステップであって、前記帯域幅の下限値を帯域幅の閾値とするステップ
をさらに含み、
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てる前記ステップは、
前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが中レベルであることを示す場合、予め設定されたパラメータに基づいて、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスに前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるステップ
を含み、
前記予め設定されたパラメータは、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスの優先順位を含み、あるいは、前記予め設定されたパラメータは、前記優先順位と帯域幅の閾値とを含む、音声通話方法。
【請求項2】
前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定する前記ステップは、
前記現在の音声通話のパケットロス率に基づいて、前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定するステップ
を含む、請求項
1に記載の音声通話方法。
【請求項3】
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てる前記ステップは、
前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが高レベルであることを示す場合、前記帯域幅の閾値に基づいて、前記現在の音声通話に前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるステップ
を含む、請求項
1に記載の音声通話方法。
【請求項4】
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるステップの後に、
前記第1のネットワークの帯域幅のうちの前記現在の音声通話に割り当てられた帯域幅以外の帯域幅を、前記現在の音声通話の現在の並行サービスに割り当てるステップ
をさらに含む、請求項
3に記載の音声通話方法。
【請求項5】
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てる前記ステップは、
前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが低レベルであることを示す場合、前記現在の音声通話に前記第2のネットワークの帯域幅を割り当てるステップ
を含む、請求項1に記載の音声通話方法。
【請求項6】
現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定するための第1の決定モジュールと、
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるための第1の割り当てモジュールと
を備え、
前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、
前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異な
り、
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てる前に、前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定し、前記帯域幅の下限値を帯域幅の閾値とするための第2の決定モジュール
をさらに備え、
前記第1の割り当てモジュールは、
前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが中レベルであることを示す場合、予め設定されたパラメータに基づいて、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスに前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるための第2の割り当てサブモジュール
を含み、
前記予め設定されたパラメータは、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスの優先順位を含み、あるいは、前記予め設定されたパラメータは、前記優先順位と帯域幅の閾値とを含む、音声通話装置。
【請求項7】
前記第2の決定モジュールは、
前記現在の音声通話のパケットロス率に基づいて、前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定するための第1の決定サブモジュール
を含む、請求項
6に記載の音声通話装置。
【請求項8】
前記第1の割り当てモジュールは、
前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが高レベルであることを示す場合、前記帯域幅の閾値に基づいて、前記現在の音声通話に前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるための第1の割り当てサブモジュール
を含む、請求項
6に記載の音声通話装置。
【請求項9】
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てた後に、前記第1のネットワークの帯域幅のうちの前記現在の音声通話に割り当てられた帯域幅以外の帯域幅を、前記現在の音声通話の現在の並行サービスに割り当てるための第2の割り当てモジュール
をさらに備える、請求項
8に記載の音声通話装置。
【請求項10】
前記第1の割り当てモジュールは、
前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが低レベルであることを示す場合、前記現在の音声通話に前記第2のネットワークの帯域幅を割り当てるための第3の割り当てサブモジュール
を含む、請求項
6に記載の音声通話装置。
【請求項11】
プログラム又は命令を記憶する可読記憶媒体であって、前記プログラム又は命令は、プロセッサによって実行されると、請求項1から
5のいずれか1項に記載の音声通話方法のステップを実現する、可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年6月15日に中国で出願された中国特許出願第202010542447.7号の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本出願に取り込まれる。
【0002】
本出願は、通信の技術分野に関し、具体的には、音声通話方法、装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイルインターネットの急速な発展に伴い、ワイヤレス・フィディリティ(Wi-Fi)は、国際通信キャリアのセルラーネットワークを深く補完する手段の一つになった。通信キャリアがWi-Fiホットスポットを利用して、ユーザーに音声サービス(Voice over WiFi (VoWiFi),無線音声)を提供することは、業界における主な注目点となった。VoWiFi技術により、ユーザーはWi-Fiアクセスを利用して、モバイルインターネットを利用しながら、音声電話やビデオ電話をかけたり、受けたりすることができる。
【0004】
本出願の実施例の実現にあたり、本発明者は、従来技術において少なくとも以下のような問題が存在することを見出した。
【0005】
動画を観ながらVoWiFi電話をかける場合、Wi-Fiネットワークの通信速度やネットワークリソースの割り当ての問題により、VoWiFi通話を行う時に得られたネットワークリソースの帯域幅が比較的低いため、VoWiFi通話が断続的に聞こえ、切れたり、他の規格のネットワーク通話に切り替えられたりするという現象が発生し、選抜テストやユーザーによるVoWiFi通話の正常の使用に直接影響し、さらにユーザー体験に直接影響してしまう。
【0006】
以上より、従来のVoWiFi通話ソリューションにおいて通話品質が不安定であるという問題が存在することが分かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願の実施例は、従来のVoWiFi通話ソリューションにおいて通話品質が不安定であるという問題を解決可能な音声通話方法、装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の技術的課題を解決するために、本出願は、下記のように実現される。
【0009】
第1の側面において、本出願の実施例は、
現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定するステップと、
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるステップと
を含み、
前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、
前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異なる、音声通話方法を提供する。
【0010】
第2の側面において、本出願の実施例は、
現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定するための第1の決定モジュールと、
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるための第1の割り当てモジュールと
を備え、
前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、
前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異なる、音声通話装置を提供する。
【0011】
第3の側面において、本出願の実施例は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能なプログラム又は命令とを含む電子機器であって、前記プログラム又は命令は、前記プロセッサによって実行されると、第1の側面に記載の方法のステップを実現する、電子機器を提供する。
【0012】
第4の側面において、本出願の実施例は、プログラム又は命令を記憶する可読記憶媒体であって、前記プログラム又は命令は、プロセッサによって実行されると、第1の側面に記載の方法のステップを実現する、可読記憶媒体を提供する。
【0013】
第5の側面において、本出願の実施例は、プロセッサと通信インターフェースとを含むチップであって、前記通信インターフェースは前記プロセッサに結合され、前記プロセッサは、プログラム又は命令を実行し、第1の側面に記載の方法のステップを実現するために用いられる、チップを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本出願の実施例において、現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定し、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当て、前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異なる。これにより、ネットワーク帯域幅の割り当てに基づいて音声通話を行うことができ、音声通話時にネットワーク通信速度又はネットワークリソース割り当てなどの要因による通話品質の低下を回避し、通話の品質と継続性を確保し、ユーザー体験を向上させることができ、従来のVoWiFi通話ソリューションにおいて通話品質が不安定であるという問題をよく解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本出願の実施例の音声通話方法のフローの模式図である。
【
図2】本出願の実施例の音声通話方法の具体的な応用フローの模式
図1である。
【
図3】本出願の実施例の音声通話方法の具体的な応用フローの模式
図2である。
【
図4】本出願の実施例の音声通話方法の具体的な応用フローの模式
図3である。
【
図5】本出願の実施例の音声通話装置の構造模式図である。
【
図6】本出願の実施例の電子機器の構造模式
図1である。
【
図7】本出願の実施例の電子機器の構造模式
図2である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本出願の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者によって進歩性のある労働を費やすことなく本出願の実施例に基づいて得られる他の実施例は、全て本出願の保護範囲に属するものとする。
【0017】
本出願の明細書及び特許請求の範囲では、「第1」、「第2」などの用語は、類似するオブジェクトを区別するためのものであり、特定の順序又は時間的順序を示すためのものではない。本出願の実施例を、ここで図示又は記載されている順序以外の順序で実施できるように、そのようにして使用されるデータは、場合によって互いに交換可能であり、「第1」、「第2」などによって区別されるオブジェクトは、通常、同一の種類に属しており、オブジェクトの数は限定されず、例えば、第1のオブジェクトは1つであってもよいし、複数であってもよいことを理解すべきである。また、明細書及び特許請求の範囲における「及び/又は」は、接続されるオブジェクトのうちの少なくとも1つを示し、「/」という記号は、一般的に、前後の関連オブジェクト間に「又は」という関係があることを示す。
【0018】
以下、図面を参照しながら、具体的な実施例及びその適用場面によって本出願の実施例によって提供される音声通話方法について詳細に説明する。
【0019】
本出願の実施例によって提供される前記音声通話方法は、
図1に示すように、以下のステップを含む。
【0020】
ステップ11:現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定し、前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含む。
【0021】
現在のネットワーク通信速度情報は、具体的には、現在のネットワーク通信速度レベル情報であってもよいが、これに限定されない。
【0022】
現在のネットワーク環境レベル情報は、現在のネットワーク環境レベルとの間にマッピング関係がある予め設定された特徴付け情報であってもよく、「高レベル」、「中レベル」、「低レベル」など、現在のネットワーク環境レベルのレベルそのものであってもよい。
【0023】
第1のネットワークは、現在の音声通話が行われているネットワークであってもよいし、すぐアクセスしようとするネットワークなどであってもよいが、これらに限定されない。
【0024】
ステップ12:前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当て、前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異なる。
【0025】
具体的には、第1のネットワークはVoWiFiであってもよく、第2のネットワークはヴォイス・オーバー・ロング・ターム・エボリューション(Voice over Long-Term Evolution,VOLTE)であってもよい。音声通話に割り当てられる帯域幅は、現在のネットワーク環境レベルの変化につれてリアルタイムに調整されることができるが、これに制限されない。
【0026】
本出願の実施例によって提供される前記音声通話方法は、現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定し、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当て、前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異なる。これにより、ネットワーク帯域幅の割り当てに基づいて音声通話を行うことができ、音声通話時にネットワーク通信速度又はネットワークリソース割り当てなどの要因による通話品質の低下を回避し、通話の品質と継続性を確保し、ユーザー体験を向上させることができ、従来のVoWiFi通話ソリューションにおいて通話品質が不安定であるという問題をよく解決することができる。
【0027】
さらに、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるステップの前に、前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定するステップであって、前記帯域幅の下限値を帯域幅の閾値とするステップをさらに含む。
【0028】
このように、以降、音声通話に帯域幅を割り当てることが容易になる。必要な帯域幅の下限値は、正常の通話を可能にする帯域幅の値であると理解することもできる。
【0029】
前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定する前記ステップは、前記現在の音声通話のパケットロス率に基づいて、前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定するステップを含む。
【0030】
このように、帯域幅の下限値をより正確かつ合理的に決定することができる。具体的には、閾値以下のパケットロス率に対応する帯域幅の値を前記帯域幅の下限値として決定してもよい。
【0031】
具体的には、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てる前記ステップは、前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが高レベルであることを示す場合、前記帯域幅の閾値に基づいて、前記現在の音声通話に前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるステップを含む。
【0032】
このように、音声通話の通話品質を確保することができる。前記現在のネットワーク環境レベルが高レベルであることは、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境が良好であることを表す。
【0033】
さらに、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるステップの後に、前記第1のネットワークの帯域幅のうちの前記現在の音声通話に割り当てられた帯域幅以外の帯域幅を、前記現在の音声通話の現在の並行サービスに割り当てるステップをさらに含む。
【0034】
このように、ネットワークの帯域幅リソースを十分に活用し、ネットワークの帯域幅リソースの無駄遣いを回避することができる。
【0035】
具体的には、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てる前記ステップは、前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが中レベルであることを示す場合、予め設定されたパラメータに基づいて、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスに前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるステップを含む。前記予め設定されたパラメータは、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスの優先順位を含み、あるいは、前記予め設定されたパラメータは、前記優先順位と帯域幅の閾値とを含む。
【0036】
つまり、ネットワーク環境が普通である場合に複数のサービスが並行して実行される時、ユーザーが優先的に選択したサービスが正常に動作することが確保され、ユーザー体験が向上する。前記現在のネットワーク環境レベルが中レベルであることは、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境の調子が普通であることを表す。
【0037】
優先順位に基づく帯域幅の割り当てについて、例えば、サービス1、サービス2、サービス3、…のように順序付けされる場合、この順に、最初にサービス1、次にサービス2、次にサービス3、…に帯域幅が割り当てられる。
【0038】
優先順位と帯域幅の閾値に基づく帯域幅の割り当てについて、例えば、サービス1(音声通話)、サービス2、サービス3、…のように順序付けされる場合、この順に、帯域幅の閾値に基づいて、最初にサービス1、次にサービス2、次にサービス3、…に帯域幅が割り当てられるが、これは単なる例示であり、これに制限されない。
【0039】
具体的には、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てる前記ステップは、前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが低レベルであることを示す場合、前記現在の音声通話に前記第2のネットワークの帯域幅を割り当てるステップを含む。
【0040】
このように、音声通話の品質と継続性を確保し、ユーザー体験を向上させることができる。前記現在のネットワーク環境レベルが低レベルであることは、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境が悪いことを表す。
【0041】
さらに、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるステップの後に、前記現在の音声通話を前記第2のネットワークに切り替える前に、前記第1のネットワークで占有されていた帯域幅を、前記現在の音声通話の現在の並行サービスに割り当てるステップをさらに含む。
【0042】
このように、ネットワークの帯域幅リソースを十分に活用し、ネットワークの帯域幅リソースの無駄遣いを回避することができる。
【0043】
以下、本出願の実施例によって提供される前記音声通話方法をさらに説明する。現在の音声通話はVoWiFi通話を例とし、第1のネットワークはVoWiFiを例とし、第2のネットワークはVOLTEを例とし、電子機器は端末UEを例とする。
【0044】
上記技術的課題に対して、本出願の実施例は、ネットワーク帯域幅の割り当てに基づくVoWiFi通話方法として具体的に実現可能な音声通話方法を提供する。この解決手段によれば、Wi-Fiネットワークの調子が良い環境(すなわち、上記現在のネットワーク環境レベルが高レベルであり、ネットワーク通信速度に基づいて環境状況を区別して確認できる)において複数のサービスが並行して実行されている場合、VoWiFi通話品質を損なうことなく、ネットワークリソースをネットワーキングアプリケーションにインテリジェントに割り当てることを確保できる一方、Wi-Fiネットワークの調子が普通である環境(すなわち、上記現在のネットワーク環境レベルが中レベルである)において複数のサービスが並行して実行されている場合、ユーザーが優先的に選択したサービスが正常に動作することを確保することができる。また、Wi-Fiネットワークの調子が悪い環境(すなわち、上記現在のネットワーク環境レベルが低レベル)において複数のサービスが並行して実行されている場合、VoWiFi通話をVOLTEネットワークに移行させ、占有したWi-Fi帯域幅リソースを他のネットワークアプリケーションに供給するよう、ユーザーに提示することにより、音声通話の品質と継続性を確保し、ユーザー体験を向上させる。
【0045】
以下、本出願の実施例によって提供される解決手段について、例を挙げて説明する。
【0046】
例1では、Wi-Fiネットワークの調子が良い環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、帯域幅はVoWiFiと他のサービスに割り当てられ、
図2に示すように、その具体的なフローは、以下のステップを含む。
【0047】
ステップ21:UEは、通常のVoWiFi通話の帯域幅の閾値を統計及び算出し、UEにおいてこの閾値を設定しておく。
【0048】
具体的には、UEは、通常のVoWiFi通話の帯域幅の閾値を統計及び算出する必要がある。具体的には、VoWiFi通話のパケットロス率に基づいて決定することができる。パケットロス率がある閾値wよりも小さい場合、VoWiFi通話がスムーズかつ正常である(つまり、正常に通話できる)と見なされ、このときにVoWiFiサービスに割り当てられた帯域幅の閾値を記録してUEにおいて保持する。
【0049】
ステップ22:UEは、VoWiFiサービスを動画再生、ダウンロードなどの他のサービスと並行して実行している(すなわち、UEはVoWiFiサービスを実行しながら、動画再生、ダウンロードなどの他のサービスを実行している;VoWiFiサービスは他のサービスと並行して実行されている)。
【0050】
具体的には、WIFIネットワーク環境が良い場合に、UEは、VoWiFiサービスを動画再生、ダウンロードなどの他のサービスと並行して実行している。
【0051】
ステップ23:UEは、予め設定されたVoWiFi通話の帯域幅の閾値(すなわち、上記で得られた帯域幅の閾値)に基づいて、VoWiFiに帯域幅を自動的に割り当て、余分な帯域幅を他の(現在)進行中の並行サービスに割り当てる。
【0052】
具体的には、UEは、予め設定されたVoWiFi通話の帯域幅の閾値に基づいて、VoWiFiに帯域幅を自動的に割り当て、余分な帯域幅を、動画再生、バックグラウンドダウンロード、WeChatといった他の並行サービス(すなわち、他の進行中の並行サービス)に割り当てる。このように、VoWiFi通話がスムーズかつ正常であることを確保すると同時に、帯域幅リソースの無駄遣いを回避し、帯域幅リソースを動画再生、ダウンロードなどの他の進行中のサービスに十分に割り当てる。
【0053】
例2では、Wi-Fiネットワークの調子が普通である環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、帯域幅はVoWiFiと他のサービスに割り当てられ、
図3に示すように、その具体的なフローは、以下のステップを含む。
【0054】
ステップ31:UEは、通常のVoWiFi通話の帯域幅の閾値を統計及び算出し、UEにおいてこの閾値を設定しておく。
【0055】
具体的には、UEは、通常のVoWiFi通話の帯域幅の閾値を統計及び算出する必要がある。具体的には、VoWiFi通話のパケットロス率に基づいて決定することができる。パケットロス率がある閾値wよりも小さい場合、VoWiFi通話がスムーズかつ正常である(つまり、正常に通話できる)と見なされ、このときにVoWiFiサービスに割り当てられた帯域幅の閾値を記録してUEにおいて保持する。
【0056】
ステップ32:UEは、VoWiFiサービスを動画再生、ダウンロードなどの他のサービスと並行して実行している。
【0057】
具体的には、Wi-Fiネットワーク環境が普通である場合に、UEは、VoWiFiサービスを動画再生、ダウンロードなどの他のサービスと並行して実行している。
【0058】
ステップ33:UEは、現在のネットワークの調子が普通であることをユーザーに提示し、VoWiFiサービスを優先的に実行するか又は他の(進行中の)並行サービスを優先的に実行するかをユーザーに選択させる。
【0059】
具体的には、Wi-Fiネットワーク環境が普通である場合に、UEは、「現在のネットワークの調子が普通であり、VoWiFiと動画再生、バックグラウンドダウンロードなどの他のサービスを並行して実行すると、通話又は動画再生に異常が生じるなどの不具合につながる」というプロンプトがポップアップ表示され、また、ネットワークの帯域幅リソースをどのサービスに優先的に割り当てるかをユーザーに選択させるプロンプトボックスをポップアップ表示し、優先的に選択されたサービスが正常に動作することを可能な限り確保することができる。
【0060】
ステップ34:ユーザーの(優先的に使用するための)選択に応じて、選択されたサービスに帯域幅リソースを優先的に割り当てる。
【0061】
具体的には、ユーザーが優先的に選択して使用するサービスに応じて帯域幅リソースを割り当てる。ユーザーがVoWiFi(通話)サービスを優先的に使用することを選択した場合、UEは、ネットワークの調子及びVoWiFiの予め設定された帯域幅の閾値(すなわち、上記で得られた帯域幅の閾値)に応じて、VoWiFiの予め設定された帯域幅の閾値に従って帯域幅をVoWiFiサービスに優先的に割り当てる。このとき、余分な帯域幅リソースがあれば、それを他の進行中の並行サービスに割り当てる。このように、ユーザーは、ネットワークの帯域幅リソースが割り当てられるサービスを優先的に選択し、選択されたサービスが正常に動作することを確保し、ユーザー体験を向上させる。
【0062】
Wi-Fiネットワーク環境が普通である場合に、帯域幅が優先的に割り当てられるサービスの優先度は、ユーザーのリアルタイムの選択に基づいて決定されてもよく、予め設定されてもよく、ユーザーの利用習慣に関する情報に基づいてUEによって自主的に決定されてもよく(例えば、5回の利用記録情報のうちの3回は、ダウンロードサービスの帯域幅の割り当ての優先度よりもVoWiFiサービスの帯域幅の割り当ての優先度が高いことを示す場合、VoWiFiサービスの帯域幅の割り当ての優先度がダウンロードサービスの帯域幅の割り当ての優先度よりも高いと決定する)、ここで制限しない。
【0063】
例3では、Wi-Fiネットワークの調子が悪い環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、帯域幅はVoWiFiと他のサービスに割り当てられ、
図4に示すように、その具体的なフローは、以下のステップを含む。
【0064】
ステップ41:UEは、通常のVoWiFi通話の帯域幅の閾値を統計及び算出し、UEにおいてこの閾値を設定しておく。
【0065】
具体的には、UEは、通常のVoWiFi通話の帯域幅の閾値を統計及び算出する必要がある。具体的には、VoWiFi通話のパケットロス率に基づいて決定することができる。パケットロス率がある閾値wよりも小さい場合、VoWiFi通話がスムーズかつ正常である(つまり、正常に通話できる)と見なされ、このときにVoWiFiサービスに割り当てられた帯域幅の閾値を記録してUEにおいて保持する。
【0066】
ステップ42:UEは、VoWiFiサービスを動画再生、ダウンロードなどの他のサービスと並行して実行している。
【0067】
具体的には、Wi-Fiネットワーク環境が悪い場合に、UEは、VoWiFiサービスを動画再生、ダウンロードなどの他のサービスと並行して実行している。
【0068】
ステップ43:UEは、現在のネットワークの調子が悪いことをユーザーに提示し、VoWiFiサービスをVOLTEに切り替え、Wi-Fi帯域幅リソースを他の進行中の並行サービスに割り当てる。
【0069】
具体的には、UEは、現在のネットワークの調子が悪いことをユーザーに提示し、VoWiFiサービスをVOLTEに行うように切り替えることを試みる。UEは、VOLTEに通話を行うように切り替えることに成功した場合、切り替える前にVoWiFiサービスが占有した(Wi-Fi)帯域幅リソースを他の進行中の並行サービスに割り当てる。このように、通話の継続性を確保しつつ、帯域幅リソースを他の進行中のサービスに可能な限り割り当て、他のサービスを可能な限り正常に動作させることを確保することができる。UEは、切り替えに失敗した場合、予め設定された時間を空けてネットワーク環境を検出し、ネットワーク環境に応じて例1、例2、又は例3の解決手段を再度実行してもよいが、これに制限されない。
【0070】
以上より、本出願の実施例によって提供される解決手段は、以下の利点を有することが分かった。
【0071】
第一に、Wi-Fiネットワークの調子が良い環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、VoWiFi通話品質を損なうことなく、ネットワークリソースをネットワーキングアプリケーションにインテリジェントに割り当てることを確保でき、このように、ネットワークの帯域幅リソースを十分に活用し、ネットワークの帯域幅リソースの無駄遣いを回避する。
【0072】
第二に、Wi-Fiネットワークの調子が普通である環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、どのサービスを優先的に使用するかをユーザーに選択させるためのプロンプトをポップアップ表示することにより、ユーザーが優先的に選択したサービスが正常に動作することを確保し、ユーザー体験を向上させる。
【0073】
第三に、Wi-Fiネットワークの調子が悪い環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、VoWiFi通話をVOLTEネットワークに移行させ、占有したWi-Fi帯域幅リソースを他のネットワークアプリケーションに供給するよう、ユーザーに提示することにより、通話の品質と継続性を確保し、ユーザー体験を向上させる。
【0074】
なお、本出願の実施例によって提供される音声通話方法を実行する主体は、音声通話装置であってもよいし、当該音声通話装置における音声通話方法を実行するための制御モジュールであってもよい。本出願の実施例において、音声通話装置が音声通話方法を実行することを例として、本出願の実施例によって提供される音声通話装置について説明する。
【0075】
図5に示すように、本出願の実施例は、
現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定するための第1の決定モジュール51と、
前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるための第1の割り当てモジュール52と
を備え、
前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、
前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異なる、音声通話装置をさらに提供する。
【0076】
本出願の実施例によって提供される前記音声通話装置は、現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定し、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当て、前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異なる。これにより、ネットワーク帯域幅の割り当てに基づいて音声通話を行うことができ、音声通話時にネットワーク通信速度又はネットワークリソース割り当てなどの要因による通話品質の低下を回避し、通話の品質と継続性を確保し、ユーザー体験を向上させることができ、従来のVoWiFi通話ソリューションにおいて通話品質が不安定であるという問題をよく解決することができる。
【0077】
さらに、上述した音声通話装置は、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てる前に、前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定し、前記帯域幅の下限値を帯域幅の閾値とするための第2の決定モジュールをさらに備える。
【0078】
前記第2の決定モジュールは、前記現在の音声通話のパケットロス率に基づいて、前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定するための第1の決定サブモジュールを含む。
【0079】
具体的には、前記第1の割り当てモジュールは、前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが高レベルであることを示す場合、前記帯域幅の閾値に基づいて、前記現在の音声通話に前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるための第1の割り当てサブモジュールを含む。
【0080】
さらに、前記音声通話装置は、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てた後に、前記第1のネットワークの帯域幅のうちの前記現在の音声通話に割り当てられた帯域幅以外の帯域幅を、前記現在の音声通話の現在の並行サービスに割り当てるための第2の割り当てモジュールをさらに備える。
【0081】
前記第1の割り当てモジュールは、前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが中レベルであることを示す場合、予め設定されたパラメータに基づいて、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスに前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるための第2の割り当てサブモジュールを含み、前記予め設定されたパラメータは、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスの優先順位を含み、あるいは、前記予め設定されたパラメータは、前記優先順位と帯域幅の閾値とを含む。
【0082】
具体的には、前記第1の割り当てモジュールは、前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが低レベルであることを示す場合、前記現在の音声通話に前記第2のネットワークの帯域幅を割り当てるための第3の割り当てサブモジュールを含む。
【0083】
以上より、本出願の実施例によって提供される解決手段は、以下の利点を有することが分かった。
【0084】
第一に、Wi-Fiネットワークの調子が良い環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、VoWiFi通話品質を損なうことなく、ネットワークリソースをネットワーキングアプリケーションにインテリジェントに割り当てることを確保でき、このように、ネットワークの帯域幅リソースを十分に活用し、ネットワークの帯域幅リソースの無駄遣いを回避する。
【0085】
第二に、Wi-Fiネットワークの調子が普通である環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、どのサービスを優先的に使用するかをユーザーに選択させるためのプロンプトをポップアップ表示することにより、ユーザーが優先的に選択したサービスが正常に動作することを確保し、ユーザー体験を向上させる。
【0086】
第三に、Wi-Fiネットワークの調子が悪い環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、VoWiFi通話をVOLTEネットワークに移行させ、占有したWi-Fi帯域幅リソースを他のネットワークアプリケーションに供給するよう、ユーザーに提示することにより、通話の品質と継続性を確保し、ユーザー体験を向上させる。
【0087】
本出願の実施例における音声通話装置は、装置であってもよいし、端末における部材、集積回路、又はチップであってもよい。この装置は、携帯型電子機器であってもよいし、非携帯型電子機器であってもよい。例示的に、携帯型電子機器は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、携帯情報端末、車載電子機器、ウェアラブルデバイス、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(Ultra-Mobile Personal Computer,UMPC)、ネットブック、又はパーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant,PDA)などであってもよく、非携帯型電子機器はサーバー、ネットワーク接続型ストレージ装置(Network Attached Storage,NAS)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer,PC)、テレビ(television、TV)、現金自動預払機又はキオスク端末などであってもよいが、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0088】
本出願の実施例における音声通話装置は、オペレーティングシステムを搭載した装置であってもよい。このオペレーティングシステムは、アンドロイド(Android)オペレーティングシステムであってもよく、iOSオペレーティングシステムであってもよく、その他の可能なオペレーティングシステムであってもよいが、本出願の実施例では具体的に限定しない。
【0089】
本出願の実施例によって提供される音声通話装置は、
図1~
図4の方法の実施例において実現される各プロセスを実現することができ、重複を避けるために、ここでは説明を省略する。
【0090】
任意に、
図6に示すように、本出願の実施例は、プロセッサ61と、メモリ62と、メモリ62に記憶され、前記プロセッサ61で実行可能なプログラム又は命令とを含む電子機器60であって、当該プログラム又は命令は、プロセッサ61によって実行されると、上記の音声通話の実施例における各プロセスを実現し、かつ同様な技術的効果を達成できる電子機器60をさらに提供する。重複を避けるために、ここでは説明を省略する。
【0091】
なお、本出願の実施例における電子機器は、上述した携帯型電子機器と非携帯型電子機器とを含む。
【0092】
図7は、本出願の実施例を実現する電子機器のハードウェア構造模式図である。当該電子機器70は、無線周波数ユニット71、ネットワークモジュール72、オーディオ出力ユニット73、入力ユニット74、センサー75、表示ユニット76、ユーザー入力ユニット77、インターフェースユニット78、メモリ79、プロセッサ710などの部材を含むが、これらに限定されない。
【0093】
当業者であれば、機器70は、各部材に給電する電源(例えば、バッテリー)をさらに含んでいてもよく、電源は、電源管理システムによってプロセッサ710に論理的に接続し、さらに電源管理システムによって充放電の管理、及び電力消費管理などの機能を実現することができることが理解可能である。
図7に示す電子機器の構造は、電子機器を限定するものではなく、電子機器は、図示より多く又はより少ない部材、又は一部の部材の組合せ、又は異なる部材配置を含んでもよい。ここでは説明を省略する。
【0094】
プロセッサ710は、現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定し、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てるために用いられる。前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異なる。
【0095】
本出願の実施例において、現在音声通話が行われている第1のネットワークの現在のネットワークパラメータ情報に基づいて、前記第1のネットワークの現在のネットワーク環境レベル情報を決定し、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当て、前記現在のネットワークパラメータ情報は、現在のネットワーク通信速度情報を含み、前記帯域幅は、前記第1のネットワークの帯域幅又は第2のネットワークの帯域幅であり、前記第1のネットワークは、前記第2のネットワークとは異なる。これにより、ネットワーク帯域幅の割り当てに基づいて音声通話を行うことができ、音声通話時にネットワーク通信速度又はネットワークリソース割り当てなどの要因による通話品質の低下を回避し、通話の品質と継続性を確保し、ユーザー体験を向上させることができ、従来のVoWiFi通話ソリューションにおいて通話品質が不安定であるという問題をよく解決することができる。
【0096】
任意に、プロセッサ710は、さらに、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てる前に、前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定し、前記帯域幅の下限値を帯域幅の閾値とするために用いられる。
【0097】
任意に、プロセッサ710は、具体的には、前記現在の音声通話のパケットロス率に基づいて、前記第1のネットワークでの前記現在の音声通話に必要な帯域幅の下限値を決定するために用いられる。
【0098】
任意に、プロセッサ710は、具体的には、前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが高レベルであることを示す場合、前記帯域幅の閾値に基づいて、前記現在の音声通話に前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるために用いられる。
【0099】
任意に、プロセッサ710は、さらに、前記現在のネットワーク環境レベル情報に基づいて、前記現在の音声通話に帯域幅を割り当てた後に、前記第1のネットワークの帯域幅のうちの前記現在の音声通話に割り当てられた帯域幅以外の帯域幅を、前記現在の音声通話の現在の並行サービスに割り当てるために用いられる。
【0100】
任意に、プロセッサ710は、具体的には、前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが中レベルであることを示す場合、予め設定されたパラメータに基づいて、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスに前記第1のネットワークの帯域幅を割り当てるために用いられる。前記予め設定されたパラメータは、前記現在の音声通話及び前記現在の音声通話の現在の並行サービスの優先順位を含み、あるいは、前記予め設定されたパラメータは、前記優先順位と帯域幅の閾値とを含む。
【0101】
任意に、プロセッサ710は、具体的には、前記現在のネットワーク環境レベル情報が、現在のネットワーク環境レベルが低レベルであることを示す場合、前記現在の音声通話に前記第2のネットワークの帯域幅を割り当てるために用いられる。
【0102】
以上より、本出願の実施例によって提供される解決手段は、以下の利点を有することが分かった。
【0103】
第一に、Wi-Fiネットワークの調子が良い環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、VoWiFi通話品質を損なうことなく、ネットワークリソースをネットワーキングアプリケーションにインテリジェントに割り当てることを確保でき、このように、ネットワークの帯域幅リソースを十分に活用し、ネットワークの帯域幅リソースの無駄遣いを回避する。
【0104】
第二に、Wi-Fiネットワークの調子が普通である環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、どのサービスを優先的に使用するかをユーザーに選択させるためのプロンプトをポップアップ表示することにより、ユーザーが優先的に選択したサービスが正常に動作することを確保し、ユーザー体験を向上させる。
【0105】
第三に、Wi-Fiネットワークの調子が悪い環境において複数のサービスが並行して実行されている場合、VoWiFi通話をVOLTEネットワークに移行させ、占有したWi-Fi帯域幅リソースを他のネットワークアプリケーションに供給するよう、ユーザーに提示することにより、通話の品質と継続性を確保し、ユーザー体験を向上させる。
【0106】
本出願の実施例において、入力ユニット74は、ビデオキャプチャモード又は画像キャプチャモードで画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)が取得したスチル画像又はビデオの画像データを処理するグラフィックス・プロセッシング・ユニット(Graphics Processing Unit,GPU)741、及びマイクロホン742を含んでいてもよいことが理解されるべきである。表示ユニット76は、表示パネル761を含んでいてもよく、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードなどの形態で表示パネル761を構成することができる。ユーザー入力ユニット77は、タッチパネル771及び他の入力機器772を含む。タッチパネル771は、タッチスクリーンとも呼ばれる。タッチパネル771は、タッチ検出装置及びタッチコントローラの2つの部分を含んでいてもよい。他の入力機器772は、物理キーボード、機能ボタン(例えば、音量制御ボタン、スイッチボタンなど)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでいてもよいが、これらに限定されず、ここでは説明を省略する。メモリ79は、ソフトウェアプログラム及び様々なデータを記憶するために用いることができ、記憶されるのは、アプリケーション及びオペレーティングシステムを含むが、これらに限定されない。プロセッサ710は、オペレーティングシステム、ユーザーインターフェース及びアプリケーションなどを主に処理するアプリケーションプロセッサと、無線通信を主に処理するモデムプロセッサとを統合することができる。上記モデムプロセッサは、プロセッサ710に統合されなくてもよいことが理解可能である。
【0107】
本出願の実施例は、プログラム又は命令を記憶する可読記憶媒体であって、当該プログラム又は命令は、プロセッサによって実行されると、上述した音声通話方法の実施例における各プロセスを実現し、かつ同様な技術的効果を達成できる可読記憶媒体をさらに提供する。重複を避けるために、ここでは説明を省略する。
【0108】
前記プロセッサは、上記実施例に記載の電子機器に搭載されたプロセッサである。前記可読記憶媒体は、例えば、コンピュータ読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0109】
本出願の実施例は、プロセッサと通信インターフェースとを含むチップであって、前記通信インターフェースは前記プロセッサに結合され、前記プロセッサは、プログラム又は命令を実行し、上述した音声通話方法の実施例における各プロセスを実現するために用いられ、かつ同様な技術的効果を達成できるチップをさらに提供する。重複を避けるために、ここでは説明を省略する。
【0110】
本出願の実施例で言及されるチップは、システムレベルチップ、システムチップ、チップシステム、またはシステムオンチップなどと呼ばれてもよいことを理解すべきである。
【0111】
本開示に記述したこれらの実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はそれらの組合せによって実現できることが理解可能である。ハードウェアによる実現について、モジュール、ユニット、サブモジュール、サブユニットなどは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits,ASIC)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、デジタル信号処理装置(DSP Device,DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device,PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array,FPGA)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本出願に記載の機能を実行するための他の電子ユニット又はそれらの組合せにおいて実現されてもよい。
【0112】
なお、本明細書において、用語「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は、非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む。特に断らない限り、「一つの…を含む」という表現により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。さらに、指摘すべきことは、本出願の実施形態における方法及び装置の範囲は、示された順序又は検討された順序で機能を実行することに限定されず、かかる機能に応じてほぼ並列するように、又は逆の順序で機能を実行することを含んでもよく、例えば、説明される方法は、説明される順序とは異なる順序で実行されてもよく、また、様々なステップを追加、省略、又は組み合わせてもよいという点である。また、いくつかの例を参照しながら説明される特徴は、他の例において組み合わせられてもよい。
【0113】
以上の実施形態の説明によって、当業者であれば上記実施例の方法がソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームとの組合せという形態で実現できることを明確に理解可能であり、当然のことながら、ハードウェアによって実現してもよいが、多くの場合において前者はより好ましい実施形態である。このような理解に基づいて、本出願の技術的手段は、実質的に又は従来技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形で具現化されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、端末(携帯電話、コンピュータ、サーバー、エアコン又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させるための複数の命令を含む。
【0114】
以上の図面を参照しながら本出願の実施例を説明したが、本出願は、上記具体的な実施形態に限定されず、上記具体的な実施形態は、制限的なものではなく、例示的なものに過ぎず、本出願の示唆で、当業者が本出願の趣旨及び特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなくなし得る多くの形態は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。