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特許7540071冗長パスのリソース予約方法、ネットワークデバイスおよび記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】冗長パスのリソース予約方法、ネットワークデバイスおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/726 20220101AFI20240819BHJP
   H04L 45/24 20220101ALI20240819BHJP
【FI】
H04L47/726
H04L45/24
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023501186
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 CN2021104917
(87)【国際公開番号】W WO2022007828
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】202010651247.5
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュー シャンヤン
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0214606(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0314597(US,A1)
【文献】Stephan Kehrer et al.,A comparison of Fault-Tolerance Concepts for IEEE 802.1 Time Sensitive Networks (TSN),Proceedings of the 2014 IEEE Emerging Technology and Factory Automation (ETFA),2014年09月19日,P.1-8
【文献】Oliver Kleineberg et al.,Fault-tolerant Ethernet networks with Audio and Video Bridging,ETFA2011,2011年09月09日,P.1-8
【文献】Oliver Kleineberg et al.,AVB for low latency / industrial automation networks: Redundancy for fault-tolerance and AVB - Overview of the simultaneous multi-path proposal,IEEE 802 Plenary Meeting,2012年03月31日,P.1-39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリッジデバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法において、
受信したソースデバイスの属性ステートメントメッセージの中から、前記属性ステートメントメッセージが対象とする時間依存ネットワークTSNトラフィックと、前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるか否かの指示とを取得するステップと、
前記指示が前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるというものであり、且つ前記ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスの数が少なくとも2つであることに応答して、前記属性ステートメントメッセージをコピーするステップと、
前記ソースデバイスと宛先デバイスとの間に前記TSNトラフィックの冗長パスを確立するために、前記少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージを伝播するステップと、
前記宛先デバイスからの、前記TSNトラフィックを対象とするリソース予約リクエストメッセージを受信したことに応答して、前記TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行うステップと、を含む
冗長パスのリソース予約方法。
【請求項2】
受信した属性ステートメントメッセージにストリーム識別子および冗長情報が付帯されており、且つ受信したソースデバイスの属性ステートメントメッセージの中から、前記属性ステートメントメッセージが対象とするTSNトラフィックと、前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるか否かの指示とを取得するステップは、
受信した属性ステートメントメッセージに付帯されているストリーム識別子が指示するTSNトラフィックを、前記属性ステートメントメッセージが対象とするTSNトラフィックとすることと、
前記冗長情報の値が第1の冗長情報値であることに応答して、前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると確定することと、
前記冗長情報の値が第2の冗長情報値であることに応答して、前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないと確定することと、を含み、
前記第2の冗長情報値と前記第1の冗長情報値は異なる
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると確定したことに応答して、前記ソースデバイスと宛先デバイスとの間に前記TSNトラフィックの冗長パスを確立するために、前記少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージを伝播するステップは、
取得した前記少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスのスパニングツリー識別子に基づき、受信した属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子と、コピーした属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子を異なるスパニングツリー識別子に修正することと、
受信した属性ステートメントメッセージにおける冗長情報と、コピーした属性ステートメントメッセージにおける冗長情報をともに前記第2の冗長情報値に修正することと、
前記TSNトラフィックの冗長パスを確立するために、受信した属性ステートメントメッセージおよび前記コピーした属性ステートメントメッセージを、修正後の異なるスパニングツリー識別子に応じて、異なるスパニングツリーインスタンスにおいて伝播することと、を含む
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記指示が前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるというものであり、前記ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスの数が2つ未満であって、
受信した属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないという指示を設けて、前記ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスにおける所定のスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージを伝播することをさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
受信した属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないという指示を設けて、前記ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスにおける所定のスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージを伝播するステップは、
受信した属性ステートメントメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子を、前記所定のスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる所定の識別子値とすることと、
受信した属性ステートメントメッセージに付帯されている冗長情報を、前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないと指示するために用いられる第2の冗長情報値とすることと、
前記所定のスパニングツリーインスタンスにより、前記第2の冗長情報値および前記所定の識別子値が付帯されている属性ステートメントメッセージを伝播することと、を含む
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記指示が前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないというものであって、
受信した属性ステートメントメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージを転送することをさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージを伝播するステップの前に、
前記ブリッジデバイスが前記属性ステートメントメッセージを受信したポートにおいて、受信した属性ステートメントメッセージに含まれる属性情報を登録することをさらに含む
請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記宛先デバイスからの、前記TSNトラフィックを対象とするリソース予約リクエストメッセージを受信したことに応答して、前記TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行うステップは、
第1のポートによって前記宛先デバイスからのリソース予約リクエストメッセージを受信し、前記リソース予約リクエストメッセージにストリーム識別子およびスパニングツリー識別子が付帯されており、前記第1のポートは前記ブリッジデバイスの複数のポートのうちの何れか1つであることと、
前記第1のポートの帯域幅が所定の帯域幅要件を満たし且つ第1のリソース予約リクエスト回数がゼロであることに応答し、前記リソース予約リクエストメッセージに付帯されているストリーム識別子が指示するTSNトラフィックに帯域幅リソース予約をして転送エントリを確立することと、を含み、
前記第1のリソース予約リクエスト回数は、前記ブリッジデバイスに予め記録された、前記第1のポートによって受信した、前記TSNトラフィックを対象とするリソース予約リクエスト回数である
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記リソース予約リクエストメッセージに付帯されているストリーム識別子が指示するTSNトラフィックに帯域幅リソース予約をして転送エントリを確立するステップの後に、または、前記第1のポートの帯域幅が所定の帯域幅要件を満たし且つ前記第1のリソース予約リクエスト回数が1以上の時に、
前記第1のリソース予約リクエスト回数の記録に1を加え、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数を得ることと、
前記リソース予約リクエストメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、前記リソース予約リクエストメッセージを転送することと、
リソース予約リクエストメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、リソース予約リクエストメッセージを転送することと、をさらに含む
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のポートの帯域幅が所定の帯域幅要件を満たさず、
前記リソース予約リクエストメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、前記リソース予約リクエストメッセージを転送することをさらに含む
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のポートによって前記宛先デバイスからのリソース予約取り消しメッセージを受信し、前記リソース予約取り消しメッセージに前記TSNトラフィックのストリーム識別子およびスパニングツリー識別子が付帯されているということと、
前記第1のリソース予約リクエスト回数を1減らし、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数を得ることと、
更新後の第1のリソース予約リクエスト回数がゼロであることに応答して、前記TSNトラフィックの転送エントリを削除して前記TSNトラフィックの予約帯域幅リソースを解放し、前記リソース予約取り消しメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、前記リソース予約取り消しメッセージを転送することと、
更新後の第1のリソース予約リクエスト回数が1以上であることに応答して、前記リソース予約取り消しメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、前記リソース予約取り消しメッセージを転送することと、をさらに含む
請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ソースデバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法において、
時間依存ネットワークTSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行う必要があると確定したことに応答して、前記TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成し、前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるとの指示が前記第1の属性ステートメントメッセージに付帯されているということと、
前記第1の属性ステートメントメッセージを、前記ソースデバイスに接続されたブリッジデバイスに送信することと、を含み、
前記TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成し、前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるとの指示が前記第1の属性ステートメントメッセージに付帯されているというステップは、
前記TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成し、前記TSNトラフィックのストリーム識別子、値を第1の冗長情報値としてマークするための冗長情報と、値が任意の識別子値であるスパニングツリー識別子とが前記第1の属性ステートメントメッセージに付帯されているということを含み、
前記第1の冗長情報値は前記第1の属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると指示するために用いられ、前記任意の識別子値は前記第1の属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる
冗長パスのリソース予約方法。
【請求項13】
前記TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行う必要はないと確定したことに応答して、
前記TSNトラフィックを対象とする第2の属性ステートメントメッセージを生成し、前記TSNトラフィックのストリーム識別子、値を第2の冗長情報値としてマークするための冗長情報と、値が所定の識別子値であるスパニングツリー識別子とが前記第2の属性ステートメントメッセージに付帯されているということをさらに含み、
前記第2の冗長情報値は前記第2の属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないと指示するために用いられ、前記所定の識別子値は前記第2の属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
宛先デバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法において、
前記宛先デバイスが、前記宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスによって、同一の時間依存ネットワークTSNトラフィックを対象とする少なくとも2つの属性ステートメントメッセージを受信することと、
前記属性ステートメントメッセージに付帯されている、前記TSNトラフィックを識別するためのストリーム識別子を取得するステップと、
前記TSNトラフィックが、前記ストリーム識別子によって決定される、前記宛先デバイスにとって関心のあるTSNトラフィックであり、且つ受信した各属性ステートメントメッセージが、異なるスパニングツリーインスタンスにより伝播されるものであることに応答して、受信した各属性ステートメントメッセージを対象として、前記TSNトラフィックを対象とするとともに、前記異なるスパニングツリーインスタンスに対応するリソース予約リクエストメッセージを生成し、
前記異なるスパニングツリーインスタンスは、前記宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスにおいて維持される少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスのうちのスパニングツリーインスタンスであって、且つ前記少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスは、ソースデバイスと前記宛先デバイスとの間に前記TSNトラフィックの冗長パスを確立するために用いられるということと、
生成された各リソース予約リクエストメッセージが対応する異なるスパニングツリーインスタンスにより、各リソース予約リクエストメッセージを、前記宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスに送信することと、を含む
冗長パスのリソース予約方法。
【請求項15】
同一のTSNトラフィックを対象とする前記少なくとも2つの属性ステートメントメッセージを受信するステップの後に、
各属性ステートメントメッセージに付帯されている、前記ブリッジデバイスにおける前記属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられるスパニングツリー識別子を取得することをさらに含み、
前記TSNトラフィックを対象とするとともに、前記異なるスパニングツリーインスタンスに対応するリソース予約リクエストメッセージを生成するステップは、
前記TSNトラフィックをマークするために用いられるストリーム識別子と、前記異なるスパニングツリーインスタンスに対応するスパニングツリー識別子とが前記リソース予約リクエストメッセージに付帯されているということを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
各リソース予約リクエストメッセージを、前記宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスに送信するステップの後に、
受信した各属性ステートメントメッセージに付帯されている前記ストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子を記録することをさらに含み、前記スパニングツリー識別子は、前記ブリッジデバイスにおける前記属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記TSNトラフィックに対してリソース取り消しを行うことが必要であると確定したことに応答して、予め記録されたストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子の中から、前記TSNトラフィックのストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子を取得することと、
前記TSNトラフィックに対応する各スパニングツリー識別子を対象として、対応するリソース予約取り消しメッセージをそれぞれ生成し、前記TSNトラフィックのストリーム識別子および前記TSNトラフィックに対応するスパニングツリー識別子が前記リソース予約取り消しメッセージに付帯されているということと、
生成した各リソース予約取り消しメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、各リソース予約取り消しメッセージを送信することと、
予め記録されたストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子の中から所定の情報を削除することと、をさらに含み、前記所定の情報は、既に送信されたリソース予約取り消しメッセージに付帯されているストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子である
請求項1~1の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムが記憶されたメモリと、を備え、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサにより実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項1~1のいずれか一項に記載の方法を実現させる
ネットワークデバイス。
【請求項19】
コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に、前記プロセッサに請求項1~1の何れか一項に記載の方法を実現させる
記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は通信技術分野に関するものであり、具体的に冗長パスのリソース予約方法、ネットワークデバイスおよび記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.1Qの時間依存ネットワーク(Time Sensitive Networking,TSN)ワーキンググループは提示された方法およびメカニズムによりTSNトラフィックストリームに有限の遅延とジッダ、および極めて低いパケット損失率というサービスを提供する。TSNワーキンググループの規格においては、パケットコピー・削除メカニズムを講じることでネットワークの信頼性を向上させる場合、TSNトラフィックストリームプランの帯域幅と遅延要件に適合した冗長トラフィックパスを必要とする。
【0003】
現在提示されているTSN規格の草案において、IEEE802.1Qat規格が提示するストリーム予約プロトコル(Stream Reservation Protocol,SRP)は、TSNトラフィックソース(Talker)と、対応する宛先(Listeners)との間のリソース予約および転送パス確立をするためのものである。しかし、従来のSRP規格は、ソースと宛先との間においてトラフィック要件に適合するユニキャスト転送パスを確立することができるだけで、TSNトラフィックストリームに冗長パスリソース予約を提供することはできない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は冗長パスのリソース予約方法、ネットワークデバイスおよび記憶媒体提供する。
【0005】
本願の実施例はブリッジデバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法において、受信したソースデバイスの属性ステートメントメッセージの中から、属性ステートメントメッセージが対象とする時間依存ネットワーク(TSN)トラフィックと、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるか否かの指示とを取得するステップと、指示が属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるというものであり、且つ本ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスの数が少なくとも2つであることに応答して、属性ステートメントメッセージをコピーするステップと、ソースデバイスと宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立するために、少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージを伝播するステップと、宛先デバイスからの、TSNトラフィックを対象とするリソース予約リクエストメッセージを受信したことに応答して、TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行うステップと、を含む冗長パスのリソース予約方法を提供する。
【0006】
本願の実施例は、ソースデバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法において、TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行う必要があると確定したことに応答して、TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成し、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるとの指示が第1の属性ステートメントメッセージに付帯されているということと、第1の属性ステートメントメッセージを、本ソースデバイスに接続されたブリッジデバイスに送信することと、を含み、前記TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成し、前記属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるとの指示が前記第1の属性ステートメントメッセージに付帯されているというステップは、前記TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成し、前記TSNトラフィックのストリーム識別子、値を第1の冗長情報値としてマークするための冗長情報と、値が任意の識別子値であるスパニングツリー識別子とが前記第1の属性ステートメントメッセージに付帯されているということを含み、前記第1の冗長情報値は前記第1の属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると指示するために用いられ、前記任意の識別子値は前記第1の属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる冗長パスのリソース予約方法をさらに提供する。
【0007】
本願の実施例は、宛先デバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法において、前記宛先デバイスが、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスによって、同一のTSNトラフィックを対象とする少なくとも2つの属性ステートメントメッセージを受信することと、前記属性ステートメントメッセージに付帯されている、前記TSNトラフィックを識別するためのストリーム識別子を取得するステップと、TSNトラフィックが、前記ストリーム識別子によって決定される、本宛先デバイスにとって関心のあるTSNトラフィックであり、且つ受信した各属性ステートメントメッセージが、異なるスパニングツリーインスタンスにより伝播されるものであることに応答して、受信した各属性ステートメントメッセージを対象として、TSNトラフィックを対象とするとともに、異なるスパニングツリーインスタンスに対応するリソース予約リクエストメッセージを生成し、異なるスパニングツリーインスタンスは、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスにおいて維持される少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスのうちのスパニングツリーインスタンスであって、且つ少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスは、ソースデバイスと本宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立するために用いられるということと、生成された各リソース予約リクエストメッセージが対応する異なるスパニングツリーインスタンスにより、各リソース予約リクエストメッセージを、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスに送信することと、を含む冗長パスのリソース予約方法を提供する。
【0008】
本願の実施例は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが記憶されたメモリと、を備え、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサにより実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、本願のブリッジデバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法を実現させるネットワークデバイスを提供する。
【0009】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に、プロセッサに本願の冗長パスのリソース予約方法を実現させる記憶媒体を提供する。
【0010】
本願の上記の実施例と、その他の態様およびその実現方式に関しては、図面の説明、具体的な実施の形態、請求項においてさらに多くの説明を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本願が提供する冗長パスのリソース予約方法のフロー概念図である。
図2】例示的な、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージの符号化フォーマットの概念図である。
図3】本願が提供する拡張後の、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージの符号化フォーマットの概念図である。
図4】本願が提供するソースデバイスが属性ステートメントメッセージに対して行う初期化設置のフロー概念図である。
図5】本願が提供する冗長パスのリソース予約方法の別のフロー概念図である。
図6】本願が提供するブリッジデバイスの属性ステートメントメッセージに対する処理フロー図である。
図7】本願が提供するブリッジデバイスが属性ステートメントメッセージを受信した際の処理フロー概念図である。
図8】本願が提供するブリッジデバイスがリソース予約取り消しメッセージを受信した際の処理フロー概念図である。
図9】本願が提供する冗長パスのリソース予約方法の別のフロー概念図である。
図10】従来の、SRPプロトコルに基づく宛先側メッセージの符号化フォーマットの概念図である。
図11】本願が提供する宛先側メッセージの符号化フォーマットの概念図である。
図12】本願が提供する宛先デバイスが属性ステートメントメッセージを受信した際の処理フロー概念図である。
図13】本願が提供する、SRPプロトコルに基づく冗長パスのリソース予約の処理フロー概念図である。
図14】本願が提供する、SRPプロトコルに基づく冗長パスのリソース予約取り消しの処理フロー概念図である。
図15】本願が提供する冗長パスのリソース予約装置の構造概念図である。
図16】本願が提供する冗長パスのリソース予約装置の構造概念図である。
図17】本願が提供する冗長パスのリソース予約装置の構造概念図である。
図18】本願による冗長パスのリソース予約方法と装置を実現できるコンピューティングデバイスの例示的なハードウェアアーキテクチャの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の目的、技術案、利点をより明確にするために、以下では図面を組み合わせて本願の実施例について詳細に説明する。なお、矛盾することがなければ、本願の実施例および実施例における特徴を互いに任意に組み合わせてよい。
【0013】
TSNワーキンググループ規格において、有限の遅延とジッタという2つのサービス品質要求事項は802.1Qbv、802.1Qch、802.1Qavなどの規格により満たされ、極めて低いパケット損失についてはネットワークが高い信頼性と有用性を備え、ネットワークにおいて生じ得るシングルノード故障とシングルリンク故障にできる限り対処できるということが求められる。
【0014】
TSNワーキンググループ規格において、IEEE802.1CBはパケットコピー・削除メカニズムを講じてネットワークの信頼性を向上させており、具体的には、対応するストリームハンドル(Stream Handle)のメッセージについて、指定のポートにおいてコピー操作を実行することでメッセージ冗長伝送に至り、トラフィックの集合点または受信点において削除、並べ替え操作を実行してメッセージが重複することと順不同になるのを回避しており、これにはTSNトラフィックストリームプランに帯域幅および遅延要件が適合する冗長トラフィックパスを必要とする。
【0015】
現在提示されているTSN規格の草案において、IEEE802.1Qat規格が提示するストリーム予約プロトコル(SRP)は、TSNトラフィックソース(Talker)と、対応する宛先(Listeners)との間のリソース予約および転送パス確立に用いられる。SRPプロトコルメッセージは指定のスパニングツリーにおいて伝播することができる。
【0016】
例として、ラピッドスパニングツリープロトコルにより当該スパニングツリーを生成することができ、例えばIEEE802.1Qcaが提示するパス制御予約(Path Control and Reservation,PCR)プロトコルにより当該スパニングツリーを確立することもできる。PCRプロトコルを用いる際は、指定のスパニングツリーに含まれる全てのリンクを表示することができる。
【0017】
例として、多重登録プロトコル(Multiple Registration Protocol,MRP)では、スパニングツリー識別子によってスパニングツリーインスタンスを指定することができる。具体的に、SRPプロトコルメッセージは、デフォルトの識別子が指定した基本のスパニングツリーインスタンスにおいて実行することができる。SRPプロトコルメッセージはスパニングツリーインスタンスにおいて伝播することから、ソースと1つの宛先との間には1つの転送パスのみが存在し得るため、ソースと1つの宛先との間にトラフィック要件に適合したユニキャスト転送パスを確立できるだけにすぎない。よって、従来のSRP規格ではTSNトラフィックストリームに冗長パスリソース予約を提供することはできない。
【0018】
このほか、TSNに関連するその他の規格の草案、例えばIEEE802.1Qccでは、目下のところトラフィックシェーピングおよびトラフィックストリーム特性に対する構成、基本のSRPプロトコルについての構成拡張だけを実現しており、例えば、最大で7つのストリーム予約カテゴリをサポートできるが、冗長パスを対象としたリソース収集、計算、パス発行の拡張方法は提示されていない。その他の規格の草案および方案においても明確な解決案は提示されていない。
【0019】
本願は冗長パスのリソース予約方法を提供するものであり、拡張した、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージによって冗長フィールドおよびスパニングツリー識別子を付帯し、冗長フィールドの値によって、ネットワークはこれに冗長パスの確立を必要とするということを指示し、スパニングツリー識別子によって、ブリッジデバイスにおける属性ステートメントメッセージの伝送が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示して、ソースが接続されたブリッジデバイスを冗長パス機能のプロキシとし、冗長フィールドに対する解析を加え、冗長フィールドの値が、ネットワークはこれに冗長パスの確立を必要とすると指示するものであると確定した時に、ソース側属性ステートメントメッセージをコピー、修正して、異なる2つのスパニングツリーインスタンスにおいてメッセージが伝播するようにすることで、TSNトラフィックに冗長トラフィック保護パスを確立することができる。
【0020】
図1は本願が提供する冗長パスのリソース予約方法のフロー概念図である。図1に示すように、本願が提供する冗長パスのリソース予約方法はソースデバイスに適用でき、当該方法は以下のステップS110~S120を含んでよい。
【0021】
ステップS110において、TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行う必要があると確定したことに応答して、TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成し、第1の属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるとの指示が第1の属性ステートメントメッセージに付帯されている。
【0022】
ステップS120において、第1の属性ステートメントメッセージを、本ソースデバイスに接続されたブリッジデバイスに送信し、ブリッジデバイスにおいて少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスが維持され、且つ少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスは第1の属性ステートメントメッセージに基づく指示に用いられ、本ソースデバイスと、指定された宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立する。
【0023】
本願において、ソースデバイス(つまりTSNトラフィックソースTalker)は、属性ステートメントメッセージによって、当該属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると指示して、当該属性ステートメントメッセージを、接続されたブリッジデバイスに送信し、ブリッジデバイスは、自らが維持する少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスにより、当該属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供するようにして、本ソースデバイスと、指定された宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立する。
【0024】
一実現方式において、ステップS110は、TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成し、TSNトラフィックのストリーム識別子、値を第1の冗長情報値としてマークするための冗長情報と、値が任意(any)の識別子値であるスパニングツリー識別子とが第1の属性ステートメントメッセージに付帯されているということを含んでよく、第1の冗長情報値は第1の属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると指示するために用いられ、任意の識別子値は第1の属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる。
【0025】
一実現方式において、TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行う必要はないと確定したことに応答して、当該方法は、TSNトラフィックを対象とする第2の属性ステートメントメッセージを生成し、TSNトラフィックのストリーム識別子、値を第2の冗長情報値としてマークするための冗長情報と、値が所定の識別子値であるスパニングツリー識別子とが第2の属性ステートメントメッセージに付帯されているということをさらに含んでよく、第2の冗長情報値は第2の属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないと指示するために用いられ、所定の識別子値は第2の属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる。
【0026】
本願において、ソースデバイスはSRPプロトコルに基づくソース側メッセージを拡張し、ストリーム識別子と、冗長フィールドと、スパニングツリー識別子フィールドを付帯させることができ、ここで、ストリーム識別子はTSNトラフィックを一意に識別するためのものであり、冗長フィールドにおける冗長情報は属性ステートメントメッセージに対する冗長伝播要求を指示するためのものであり、スパニングツリー識別子フィールドにおけるスパニングツリー識別子は、ブリッジデバイスにおける属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するためのものであって、スパニングツリー識別子が指示したスパニングツリーインスタンスにより、TSNトラフィックに対する属性ステートメントメッセージを送信して、ストリーム識別子がマークしたTSNトラフックに対して冗長パスのリソース予約を行う。
【0027】
本願では、予めTSNネットワークにおいて少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスを確立して、そのうちの1つのスパニングツリーインスタンスをメインスパニングツリーインスタンスとし、メインスパニングツリーインスタンス以外のスパニングツリーインスタンスをサブスパニングツリーインスタンスとしてよい。冗長パスを確立するために、メインスパニングツリーインスタンスおよびサブスパニングツリーインスタンスが対応するメイン、サブスパニングツリーインスタンスのリンク集合において含まれる重複リンクはできるだけ少なくあるべきである。例として、PCRという方式によってスパニングツリーリンク集合を確立することで、要件に適合したスパニングツリーインスタンスを確立することができる。なお、その他の方式を用いてメインスパニングツリーインスタンスおよびサブスパニングツリーインスタンスの確立過程を実施することもできると理解すべきであり、本願では具体的に限定しない。
【0028】
一実現方式において、既に確立されたメインスパニングツリーインスタンスおよびサブスパニングツリーインスタンスについては、MRPによってブリッジデバイスにおいて、スパニングツリーインスタンスに対応するスパニングツリー識別子を維持してよい。例として、スパニングツリーインスタンスが対応するスパニングツリー識別子の値を0とした場合、デフォルトまたは所定のスパニングツリーインスタンスにより転送するよう指示することに用いられる。
【0029】
本願では、1つのメインスパニングツリーインスタンスおよび少なくとも1つのサブスパニングツリーインスタンスを確立してよい。説明を簡単にするために、本明細書ではPCRによって確立した1つのメインスパニングツリーインスタンスおよび1つのサブスパニングツリーインスタンスを例として、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を提供する過程および冗長パスに対してリソース予約を行う過程の説明をする。しかし、当該説明は本願の技術案の範囲または実施の可能性を制限すると解釈してはならず、1つのメインスパニングツリーインスタンスおよび1つより多くのサブスパニングツリーインスタンスの実施例の処理方法は、1つのメインスパニングツリーインスタンスおよび1つのサブスパニングツリーインスタンスの実施例の処理方法と実質的に同一である。
【0030】
図2は例示的な、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージの符号化フォーマットの概念図である。図2に示すように、従来の、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージには、物理アドレス(MAC Address)、唯一の識別子(Unique ID)、宛先アドレス(Destination Address)、仮想LAN識別子(VLAN_ID)、最大フレームサイズ(Max Frame Size)、最大間隔フレーム(Max Interval Frame)、データフレームの優先度(Data Frame Priority)、ランク(Rank)、予約済みフィールド(Reserved)、累積レイテンシー(Accumulated Latency)といったフィールドを含んでよい。
【0031】
MAC AddressおよびUnique IDを属性ステートメントメッセージのストリーム識別子(Stream ID)にし、Destination AddressおよびVLAN_IDを属性ステートメントメッセージのデータフレームパラメータ(Data Frame Parameters)にし、Max Frame SizeおよびMax Interval Frameを属性ステートメントメッセージのトラフィック量規格(TSprc)にし、Data Frame Priority、Rank、Reservedを属性ステートメントメッセージの優先度および順位にすることができる。
【0032】
図3は本願が提供する拡張後の、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージの符号化フォーマットの概念図である。図3に示すように、拡張された、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージには冗長(Redundancy)フィールドおよびスパニングツリー(Identifier)フィールドが付帯されている。
【0033】
図3に示すように、ソースデバイスにおいて生成された、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージの符号化フォーマットの例において、冗長フィールドは例えば1ビット(bit)を占めてよく、冗長フィールド値が1である時は、冗長保護を必要とするということを示し、逆に冗長フィールドが0である時は、冗長保護を必要としないということを示す。スパニングツリー識別子フィールドは例えば7ビットを占め、且つサポートするスパニングツリーインスタンスの最大数は128個である。
【0034】
本願は実際の適用シナリオの要件に応じて冗長フィールドおよびスパニングツリー識別子フィールドの長さを柔軟に指定してよく、本実施例に示す例は解釈、説明をするためのものにすぎず、本願の内容を限定するものではないと理解すべきである。
【0035】
一実現方式において、ステップS120の前に、当該方法は、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を行うことが必要であると確定したことに応答して、冗長情報を第1の冗長情報値とし、スパニングツリー識別子を任意の識別子値とすることと、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を行う必要はないと確定したことに応答して、冗長情報を第2の冗長情報値とし、スパニングツリー識別子を所定の識別子値とすることと、をさらに含むことができ、ここで、第2の冗長情報値は第1の冗長情報値と異なる。
【0036】
例として、第1の冗長情報値はTRUE、第2の冗長情報値はFALSEであってよく、スパニングツリー識別子の所定の識別子値はデフォルトで0としてよい。
【0037】
本願において、ソースデバイスが生成した属性ステートメントメッセージを拡張した後、冗長フィールドおよびスパニングツリー識別子フィールドとそれぞれ呼ばれる2つのフィールドを追加してよい。冗長フィールドは、属性ステートメントメッセージに対する冗長伝播要求、つまり、当該属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるか否かを指示するためのものである。例として、冗長フィールド値がTRUEであれば冗長伝播が必要であることを示し、冗長フィールド値がFALSEであれば冗長伝播は必要でないことを示す。スパニングツリー識別子フィールドは、ブリッジにおいて当該属性ステートメントメッセージがどのスパニングツリーインスタンスにより伝播されるかを明示するためのものである。
【0038】
本願において、TSNトラフィックストリームの冗長パスのリソース予約過程のトリガメカニズムについては複数の方式があってよい。例えば、上述のように、ソースデバイスによってSRPプロトコルメッセージを送信してTSNトラフィックストリームの冗長パスのリソース予約過程をトリガし、ここで、ソースデバイスはSRPプロトコル能力を具備する。別のいくつかの実現方式においては、構成方式によって、ブリッジがSRPプロトコルメッセージの送信をトリガするように構成することができ、または、指定されたトラフィックメッセージにより、ソースデバイスと直接接続されたブリッジポートをトリガしてリソース予約過程を発起させることができ、ここで、ブリッジポートは冗長モードにあるか否かを予め設置する必要がある。
【0039】
図4は本願が提供するソースデバイスが属性ステートメントメッセージに対して行う初期化設置のフロー概念図である。図4に示すように、ソースデバイスが属性ステートメントメッセージに対して行う初期化設置は以下のステップS11~S13を含んでよい。
【0040】
ステップS11において、ソースデバイスは、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を行うか否かを判断する。
【0041】
ステップS12において、冗長伝播を行う必要があると判断すると、ソース側属性ステートメントメッセージ冗長フィールドをTRUEとし、スパニングツリー識別子値を任意の値とする。
【0042】
ステップS13において、冗長パスの確立は必要でないと判断すると、冗長フィールドをFALSEとし、スパニングツリー識別子フィールドを0とし、所定のスパニングツリーインスタンスによりメッセージを伝播することを示す。
【0043】
上述のステップS11~S13を通じて、ソースデバイスは、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を行うか否かに応じて、属性ステートメントメッセージに付帯されている内容の初期化設置を完了する。
【0044】
本願が提供する冗長パスのリソース予約方法によれば、冗長フィールドおよびスパニングツリー識別子を付帯させるために、ソースデバイスは、SRPプロトコルに基づくソース側メッセージを拡張し、ストリーム識別子がマークしたTSNトラフィックに対して冗長パスリソース予約をトリガするために、冗長フィールドの指示によって、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を行うか否かを指示して、スパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、ソースデバイスと直接接続されたブリッジポートに当該TSNトラフィックの属性ステートメントメッセージを送信することができる。
【0045】
図5は本願が提供する冗長パスのリソース予約方法の別のフロー概念図である。図5に示すように、本願が提供する冗長パスのリソース予約方法はブリッジデバイスに適用することができ、当該方法は以下のステップS210~S240を含んでよい。
【0046】
ステップS210において、受信したソースデバイスの属性ステートメントメッセージの中から、属性ステートメントメッセージが対象とするTSNトラフィックと、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるか否かの指示とを取得する。
【0047】
ステップS220において、指示が属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるというものであり、且つ本ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスの数が少なくとも2つであることに応答して、属性ステートメントメッセージをコピーする。
【0048】
ステップS230において、ソースデバイスと宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立するために、少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージを伝播する。
【0049】
ステップS240において、宛先デバイスからの、TSNトラフィックを対象とするリソース予約リクエストメッセージを受信したことに応答して、TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行う。
【0050】
本願が提供する冗長パスのリソース予約方法によれば、ブリッジデバイスは受信した、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージの中から冗長情報およびスパニングツリーインスタンスを取得し、冗長情報が、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を提供する必要があると指示するものであり、且つ本ブリッジデバイスにおける対応するスパニングツリーインスタンスの数が所定の数を上回る場合は、属性ステートメントメッセージをコピーして、対応するスパニングツリーインスタンスにより属性ステートメントメッセージを修正し、受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージが異なるスパニングツリーインスタンスにおいて伝播されるようにすることで、TSNトラフィックに冗長トラフィック保護パスを確立する。
【0051】
ステップS210において、スパニングツリー識別子はスパニングツリーインスタンスをマークするために用いられるものであってよく、スパニングツリーインスタンスによってスパニングツリートポロジー情報を確定でき、これにより、当該スパニングツリートポロジー情報に対応するブリッジ転送リンクを確定する。
【0052】
一実現方式において、受信した属性ステートメントメッセージにストリーム識別子および冗長情報が付帯されており、ステップS210は、受信した属性ステートメントメッセージに付帯されているストリーム識別子が指示するTSNトラフィックを、属性ステートメントメッセージが対象とするTSNトラフィックとすることと、冗長情報の値が第1の冗長情報値であることに応答して、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると確定することと、冗長情報の値が第2の冗長情報値であることに応答して、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないと確定することと、を含んでよく、第2の冗長情報値と第1の冗長情報値は異なる。
【0053】
一実現方式において、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると確定したことに応答して、ステップS230は、取得した少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスのスパニングツリー識別子に基づき、受信した属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子と、コピーした属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子を異なるスパニングツリー識別子に修正することと、受信した属性ステートメントメッセージにおける冗長情報と、コピーした属性ステートメントメッセージにおける冗長情報をともに第2の冗長情報値に修正することと、TSNトラフィックの冗長パスを確立するために、受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージを、修正後の異なるスパニングツリー識別子に応じて、異なるスパニングツリーインスタンスにおいて伝播することと、を含んでよい。
【0054】
一実現方式において、冗長情報が第1の冗長情報値である時は、冗長伝播を提供する必要があると指示するために用いられ、冗長情報が第2の冗長情報値である時は、当該冗長伝播を提供する必要はないと指示するために用いられる。
【0055】
例として、ブリッジデバイスにおいて、PCRによって確立したメインスパニングツリーインスタンス、サブスパニングツリーインスタンスの対応するスパニングツリー識別子をそれぞれa、bとすることができる。例えば、受信した属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子をa、コピーした属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子をbとすることができる。
【0056】
一実現方式において、指示が属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるというものであり、本ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスの数が2つ未満であれば、当該方法は、受信した属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないという指示を設けて、本ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスにおける所定のスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージを伝播することをさらに含んでもよい。
【0057】
一実現方式において、上述のステップは、受信した属性ステートメントメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子を、所定のスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる所定の識別子値とすることと、受信した属性ステートメントメッセージに付帯されている冗長情報を、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないと指示するために用いられる第2の冗長情報値とすることと、所定のスパニングツリーインスタンスにより、第2の冗長情報値および所定の識別子値が付帯されている属性ステートメントメッセージを伝播することと、を含んでよい。
【0058】
上述のステップを通じて、ブリッジデバイスが受信した属性ステートメントメッセージにおける冗長情報は属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を提供する必要があると指示するものであるが、本ブリッジデバイスにおける対応するスパニングツリーインスタンスの数が冗長伝播を提供するには足りない場合、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を提供する必要はないと指示して、所定の識別子値が指示するスパニングツリーインスタンス(デフォルトのスパニングツリーインスタンス)により属性ステートメントメッセージを転送するために、属性ステートメントメッセージにおける冗長情報を第2の冗長情報値に修正することができる。
【0059】
一実現方式において、受信した属性ステートメントメッセージが、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を提供する必要がないと指示するものであれば、当該方法は、受信した属性ステートメントメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージを転送することをさらに含んでもよい。
【0060】
冗長情報が第2の冗長情報値であれば、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を提供する必要はない、つまり、属性ステートメントメッセージに対してコピーおよび修正を行う必要はないということを示す。
【0061】
一実現方式において、属性ステートメントメッセージに付帯されている冗長情報およびスパニングツリー識別子を取得した後に、当該方法は、本ブリッジデバイスが属性ステートメントメッセージを受信したポートにおいて、受信した属性ステートメントメッセージに含まれる属性情報を登録することをさらに含んでもよい。
【0062】
属性ステートメントメッセージのメッセージ属性を登録することで、メッセージ属性がブリッジデバイスの間において動的転送および属性伝達されるようにして、ネットワーク管理者の手動配置量を減らし、ネットワーク属性配置が正確であることを保証するという目的を達成する。
【0063】
図6は本願が提供するブリッジデバイスの属性ステートメントメッセージに対する処理フロー図である。図6に示すように、ブリッジデバイスの属性ステートメントメッセージに対する処理は以下のステップS21~S28を含んでよい。
【0064】
ステップS21において、ブリッジデバイスのポートが属性ステートメントメッセージを受信する。
【0065】
ステップS22において、ソース側属性ステートメントメッセージの冗長フィールドを解析し、メッセージの冗長フィールドがTRUEであるか否か判断し、TRUEであればステップS23に移行し、そうでなければステップS27に移行する。
【0066】
ステップS23において、目下ブリッジにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスの数を判断し、2以上であればステップS25に移行し、そうでなければステップS24に移行する。
【0067】
ステップS24において、属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子を0とする。
【0068】
ステップS25において、ソース側属性ステートメントメッセージをコピーし、元のメッセージをメインメッセージ、コピーしたメッセージをサブメッセージとし、メインメッセージのスパニングツリー識別子およびサブメッセージのスパニングツリー識別子を設定する。
【0069】
例えば、メインメッセージのスパニングツリー識別子フィールドをa、サブメッセージのスパニングツリー識別子をbとする。
【0070】
ステップS26において、ソース側属性ステートメントメッセージの冗長フィールド値をFALSEとする。
【0071】
ステップS27において、ソース側属性ステートメントメッセージの属性を当該ポートにおいて登録する。
【0072】
ステップS28において、ソース側属性ステートメントメッセージに付帯されるスパニングツリー識別子フィールド値に基づき、対応するスパニングツリーにおいて属性ステートメントメッセージを伝送する。
【0073】
上述のステップS21~S28を通じて、ブリッジデバイスの某ポートがソース側属性ステートメントメッセージを受信して、属性ステートメントメッセージの登録および伝播フローの修正を実現する。
【0074】
一実現方式において、ステップS240は、第1のポートによって宛先デバイスからのリソース予約リクエストメッセージを受信し、リソース予約リクエストメッセージにストリーム識別子およびスパニングツリー識別子が付帯されており、第1のポートは本ブリッジデバイスの複数のポートのうちの何れか1つであることと、第1のポートの帯域幅が所定の帯域幅要件を満たし且つ第1のリソース予約リクエスト回数がゼロであることに応答し、リソース予約リクエストメッセージに付帯されているストリーム識別子が指示するTSNトラフィックに帯域幅リソース予約をして転送エントリを確立することと、を含んでよく、第1のリソース予約リクエスト回数は、本ブリッジデバイスに予め記録された、第1のポートによって受信した、TSNトラフィックを対象とするリソース予約リクエスト回数である。
【0075】
上述のステップを通じて、同一のポートが帯域幅において所定の帯域幅要件を満たし、且つ記録した、当該ポートの某ストリーム識別子に対するリソース予約リクエストメッセージのリソース予約リクエスト回数が0である場合、当該ストリーム識別子が指示するTSNトラフィックに帯域幅リソース予約をして転送エントリを確立する。つまり、同一のポートが同一のストリーム識別子のリソース予約を受信した時に複数のリソース予約をすることはなく、ここで重複メッセージ削除機能を実現することができる。
【0076】
下表1は本願によるブリッジデバイスが記録した各ポートのトラフィックストリームに対応するリソース予約リクエストメッセージ回数の例である。
【0077】
【表1】
【0078】
表1から分かるように、ブリッジデバイスは各ポートにおいて受信した、各トラフィックストリームに対応するリソース予約リクエスト回数を維持し、これにより、同一のポートでの同一のストリーム識別子(S-ID)のリソース予約を更新または取り消しすることができる。なお、同一のポートが同一のストリーム識別子のリソース予約を受信した時は、対応するリソース予約リクエスト回数を記録するが、複数のリソース予約をすることはなく、ここで重複メッセージ削除機能が実行される。
【0079】
一実現方式において、ステップS240の後に、または、第1のポートの帯域幅が所定の帯域幅要件を満たし且つ第1のリソース予約リクエスト回数が1以上の時に、当該方法は、第1のリソース予約リクエスト回数の記録に1を加え、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数を得ることと、リソース予約リクエストメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、リソース予約リクエストメッセージを転送することと、をさらに含んでもよい。
【0080】
第1のリソース予約リクエスト回数が1以上であるということは、当該ポートは既に目下受信したトラフィックストリームにリソース予約および転送エントリ確立をしたということを示すため、対応する第1のリソース予約リクエスト回数を更新した後は、リソース予約および転送エントリ確立の操作を行わない。
【0081】
一実現方式において、第1のポートの帯域幅が所定の帯域幅要件を満たさなければ、当該方法は、リソース予約リクエストメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、リソース予約リクエストメッセージを転送するということをさらに含んでもよい。
【0082】
図7は本願が提供するブリッジデバイスが属性ステートメントメッセージを受信した際の処理フロー概念図である。図7に示すように、ブリッジデバイスが属性ステートメントメッセージを受信した際の処理フローは以下のステップS31~S37を含んでよい。
【0083】
ステップS31において、ブリッジデバイスのポートが宛先デバイスのリソース予約リクエストメッセージを受信する。
【0084】
ステップS32において、ポート上の対応するストリーム識別子のソース側属性ステートメントに基づいて、所望の帯域幅を計算し、当該ポート上の帯域幅リソースが帯域幅要件を満たすか否か判断し、満たす場合はステップS33に移行し、そうでなければステップS37に移行する。
【0085】
ステップS33において、ブリッジデバイスが維持する各ポートにおけるトラフィックストリームに対応するリソース予約リクエスト回数を照会する。
【0086】
ステップS34において、照会結果がヒットしない、または対応回数が0であればステップS35に移行し、そうでなければステップS36に移行する。
【0087】
ステップS35において、当該ポートにて帯域幅リソースを予約して転送エントリを確立する。
【0088】
ステップS36において、各ポートにおけるトラフィックストリームに対応するリソース予約リクエスト回数を更新し、ストリーム識別子に対応する宛先側リソース予約リクエスト回数の値に1を加える。
【0089】
ステップS37において、メッセージに付帯されているスパニングツリー識別子フィールドを解析し、対応するスパニングツリーにおいて引き続き宛先側メッセージを伝播する。
【0090】
上述のステップS31~S37を通じて、ブリッジデバイスのポートは、宛先側リソース予約リクエストメッセージを受信した時に、上記の帯域幅予約および転送エントリ確立の処理フローを当該ポートにおいて実行することができる。
【0091】
一実現方式において、冗長パスのリソース予約方法は、第1のポートによって宛先デバイスからのリソース予約取り消しメッセージを受信し、リソース予約取り消しメッセージにTSNトラフィックのストリーム識別子およびスパニングツリー識別子が付帯されているということと、第1のリソース予約リクエストの回数を1減らし、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数を得ることと、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数がゼロであることに応答して、TSNトラフィックの転送エントリを削除してTSNトラフィックの予約帯域幅リソースを解放し、リソース予約取り消しメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、リソース予約取り消しメッセージを転送することと、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数が1以上であることに応答して、リソース予約取り消しメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、リソース予約取り消しメッセージを転送することと、をさらに含む。
【0092】
図8は本願が提供するブリッジデバイスがリソース予約取り消しメッセージを受信した際の処理フロー概念図である。図8に示すように、ブリッジデバイスがリソース予約取り消しメッセージを受信した際の処理フローは以下のステップS41~S46を含んでよい。
【0093】
ステップS41において、ブリッジデバイスのポートが宛先デバイスのリソース予約取り消しメッセージを受信する。
【0094】
ステップS42において、ブリッジデバイスが維持する当該ポートにおけるトラフィックストリームに対応するリソース予約リクエスト回数を1減らす。
【0095】
ステップS43において、ブリッジデバイスの当該ポートにおけるトラフィックストリームに対応するリソース予約リクエスト回数が0であるか否か判断し、0であればステップS44に移行し、そうでなければステップS45に移行する。
【0096】
ステップS44において、転送エントリを削除して帯域幅リソースを解放する。
【0097】
ステップS45において、ブリッジデバイスのポートが維持する当該トラフィックストリームに対応するリソース予約メッセージ回数を更新する。
【0098】
ステップS46において、リソース予約取り消しメッセージにおけるスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、対応するスパニングツリーにおいて当該リソース予約取り消しメッセージを伝播する。
【0099】
上述のステップS41~S46を通じて、ブリッジデバイスの某ポートは、宛先側が送信したリソース予約取り消しメッセージを受信した時に、各ポートにおけるトラフィックストリームに対応するリソース予約リクエスト回数を照会する必要があり、エントリ内の、メッセージに付帯されるストリーム識別子に対応する宛先側リソース予約リクエスト回数を1減らし、当該表における、当該ストリーム識別子に対応する宛先側属性登録回数が0である時に限って、転送エントリを削除して対応する帯域幅リソースを解放する。
【0100】
図9は本願が提供する冗長パスのリソース予約方法の別のフロー概念図である。図9に示すように、当該冗長パスのリソース予約方法は宛先デバイスに適用することができ、当該方法は以下のステップS510~S530を含んでよい。
【0101】
ステップS510において、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスによって、同一のTSNトラフィックを対象とする少なくとも2つの属性ステートメントメッセージを受信する。
【0102】
ステップS510の後に、当該方法は、各属性ステートメントメッセージに付帯されている、TSNトラフィックをマークするために用いられるストリーム識別子と、ブリッジデバイスにおける属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられるスパニングツリー識別子とを取得することをさらに含んでもよい。
【0103】
属性ステートメントメッセージには、ブリッジデバイスにおいて当該属性ステートメントメッセージが伝播される時に、当該属性ステートメントメッセージに対する冗長伝播要求を指示するために用いられる冗長情報がさらに付帯されている。
【0104】
ステップS520において、TSNトラフィックが本宛先デバイスにとって関心のあるTSNトラフィックであり、且つ受信した各属性ステートメントメッセージが、異なるスパニングツリーインスタンスにより伝播されるものであることに応答して、受信した各属性ステートメントメッセージを対象として、TSNトラフィックを対象とするとともに、異なるスパニングツリーインスタンスに対応するリソース予約リクエストメッセージを生成する。当該ステップにおいて、異なるスパニングツリーインスタンスは、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスにおいて維持される少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスのうちのスパニングツリーインスタンスであって、且つ少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスは、ソースデバイスと本宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立するために用いられる。
【0105】
一実現方式において、TSNトラフィックを対象とするとともに、異なるスパニングツリーインスタンスに対応するリソース予約リクエストメッセージを生成するステップは、TSNトラフィックをマークするために用いられるストリーム識別子と、異なるスパニングツリーインスタンスに対応するスパニングツリー識別子とがリソース予約リクエストメッセージに付帯されているということを含んでよい。
【0106】
ステップS530において、生成された各リソース予約リクエストメッセージが対応する異なるスパニングツリーインスタンスにより、各リソース予約リクエストメッセージを、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスに送信する。
【0107】
本願が提供する冗長パスのリソース予約方法によれば、宛先デバイスの、SRPプロトコルに基づくリソース予約リクエストメッセージについても、スパニングツリー識別子(Identifier)フィールドを付帯させて、ブリッジにおいて宛先側メッセージがどのスパニングツリーインスタンスにより伝播されるかを表すために拡張が必要である。宛先デバイスは、対応するストリーム識別子の属性ステートメントメッセージを受信した時に、まず、属性ステートメントメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子フィールドの値を抽出して、スパニングツリー識別子フィールドの値を宛先側メッセージのスパニングツリー識別子フィールドに書き込んでから、リソース予約リクエストを行う。
【0108】
図10は従来の、SRPプロトコルに基づく宛先側メッセージの符号化フォーマットの概念図である。図10に示すように、従来の、SRPプロトコルに基づく宛先側メッセージにおいて、物理アドレス(MAC Address)および唯一の識別子(Unique ID)は属性取り消しメッセージのストリーム識別子(Stream ID)を形成し、1つのTSNトラフィックストリームを一意に識別するために用いられる。
【0109】
一実現方式において、ステップS530の後に、当該方法は、受信した各属性ステートメントメッセージに付帯されているストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子を記録することをさらに含んでもよく、スパニングツリー識別子は、ブリッジデバイスにおける属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる。
【0110】
図11は本願が提供する宛先側メッセージの符号化フォーマット概念図である。図11に示すように、宛先側メッセージはスパニングツリー識別子(Identifier)フィールドを付帯することができる。つまり、既存の宛先側メッセージにおいて新たに1ビット追加し、ビット内容はスパニングツリー識別子フィールドを含む。宛先側メッセージにおけるスパニングツリー識別子フィールドの長さは、ソースが生成する属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子フィールドの長さと一致し、例えば、新たに追加された1ビットにおいて、スパニングツリー識別子フィールドの長さは7ビットであってよく、他の1ビットは予約フィールドとしてよい。
【0111】
実際の応用シナリオの要件に応じて、宛先側メッセージに付帯されるスパニングツリー識別子フィールドの長さを柔軟に指定することができ、本願の例示は解釈、説明するためのものにすぎず、本願を限定するものではないと理解されるべきである。
【0112】
図12は本願が提供する宛先デバイスが属性ステートメントメッセージを受信した際の処理フロー概念図である。図12に示すように、属性ステートメントメッセージの処理フローは以下のステップS61~S63を含んでよい。
【0113】
ステップS61において、宛先デバイスが属性ステートメントメッセージを受信する。
【0114】
ステップS62において、属性ステートメントメッセージの中から抽出したスパニングツリー識別子情報を使用して宛先側リソース予約リクエストメッセージを構築および送信し、リソース予約リクエストを行う。
【0115】
ステップS63において、リソース予約リクエストにおけるストリーム識別子およびスパニングツリー識別子を記録する。
【0116】
上述のステップS61~S63を通じて、宛先デバイスが生成するメッセージはリソース予約リクエストメッセージまたはリソース予約取り消しメッセージとすることができる。宛先デバイスは、ストリーム識別子およびスパニングツリー識別子が付帯されたリソース予約リクエストメッセージを送信し、指定したTSNトラフィックにリソース予約の配備をリクエストする。
【0117】
宛先側メッセージがリソース予約取り消しメッセージである時は、冗長パスに割り当てられたリソースの取り消しをリクエストするために、宛先デバイスにおける、SRPプロトコルに基づくリソース予約取り消しメッセージのコードフォーマットを拡張することで、スパニングツリー識別子情報が付帯されているリソース予約取り消しメッセージを生成することができる。
【0118】
下表2は本願による宛先デバイスにおけるストリーム識別子およびスパニングツリー識別子のマッピング関係の例を示す。
【0119】
【表2】
【0120】
表2から分かるように、宛先側が自発的にリソース予約取り消しをする際の冗長パスリソース解放に便宜を図るために、宛先デバイスにおいてストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子情報テーブルを維持することができる。
【0121】
一実現方式において、冗長パスのリソース予約方法は、TSNトラフィックに対してリソース取り消しを行うことが必要であると確定したことに応答して、予め記録されたストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子の中から、TSNトラフィックのストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子を取得することと、TSNトラフィックに対応する各スパニングツリー識別子を対象として、対応するリソース予約取り消しメッセージをそれぞれ生成し、TSNトラフィックのストリーム識別子およびTSNトラフィックに対応するスパニングツリー識別子がリソース予約取り消しメッセージに付帯されているということと、生成した各リソース予約取り消しメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、各リソース予約取り消しメッセージを送信することと、予め記録されたストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子の中から所定の情報を削除することと、をさらに含んでもよく、所定の情報は、既に送信されたリソース予約取り消しメッセージに付帯されているストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子である。
【0122】
上述のステップを通じて、宛先デバイスがリソース予約の取り消しを行う時には、ストリーム識別子およびスパニングツリー識別子のマッピング関係を照会し、宛先側の、某トラフィックストリームに対応するスパニングツリー識別子値の集合を得てから、各スパニングツリー識別子値に対してリソース予約取り消しメッセージを構築して送信する必要がある。
【0123】
本願が提供する冗長パスのリソース予約方法によれば、宛先デバイスは、TSNトラフィックに対する、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージを受信した時に、属性ステートメントメッセージに付帯されているストリーム識別子およびスパニングツリー識別子を抽出して、リソース予約リクエストメッセージを生成し、リソース予約リクエストを行うために、当該リソース予約リクエストメッセージにストリーム識別子およびスパニングツリー識別子を付帯させることで、TSNトラフィックに冗長トラフィック保護パスの確立を実現することができる。
【0124】
本願をより良く理解するために、以下に図13および図14によって、本願による冗長パスのリソース予約方法の詳細なフロー図について説明する。図13は本願が提供する、SRPプロトコルに基づく冗長パスのリソース予約の処理フロー概念図であり、図14は本願が提供する、SRPプロトコルに基づく冗長パスのリソース予約取り消しの処理フロー概念図である。
【0125】
図13において、TSNネットワークにおける例には5つのブリッジデバイス(以下、ブリッジともいう)を含んでよく、例えば、TSNブリッジ1、TSNブリッジ2、TSNブリッジ3、TSNブリッジ4、TSNブリッジ5である。TSNネットワークにおいてメインスパニングツリーに対応するスパニングツリーおよびサブスパニングツリーに対応するスパニングツリーが既に確立されていると仮定して、線1および線2でそれぞれ表示し、対応するスパニングツリー識別子はそれぞれ1、2である。
【0126】
図13において、ソース(Talker)デバイス上側の表1では、ソース側属性ステートメントメッセージの主要フィールドが示されており、ここでストリーム識別子は1であって、トラフィックストリーム識別子が1のトラフィックストリームにリソース予約をするということを表し、例としては、TSNトラフィックストリームIDは{01:00:5e:01:01:01,2}、冗長フィールド値はTRUEであって、ネットワークはこれに冗長伝播を提供する必要があるということを示し、スパニングツリー識別子フィールドは任意(any)の値を取る。
【0127】
Talkerが発したソース側属性ステートメントメッセージがTSNブリッジ1に達し、TSNブリッジ1は当該ソース側属性ステートメントメッセージを受信し、メッセージ冗長フィールドであるTRUEを抽出し、メッセージをコピーし、元のメッセージのスパニングツリー識別子フィールドを1、コピーしたスパニングツリー識別子フィールドを2、2つのメッセージの冗長フィールドをFALSEとして、ソース側属性ステートメントメッセージに付帯されている属性ステートメント情報をポートにおいて登録してから、元のメッセージを線1に沿って示されるスパニングツリーにおいて伝播し、コピーしたメッセージを線2に沿って示されるスパニングツリーにおいて伝播する。
【0128】
TSNブリッジ2、TSNブリッジ3、TSNブリッジ4、TSNブリッジ5が、拡張されたソース側属性ステートメントメッセージを受信した時、メッセージフィールド内容を解析し、冗長フィールド値がFALSEであることが分かれば、引き続きスパニングツリー識別子フィールドを抽出して、スパニングツリー識別子フィールドに基づき、表2に示すスパニングツリーインスタンスを照会してから、相応のスパニングツリーにおいてメッセージを伝播する。
【0129】
宛先デバイス(Listener)はストリーム識別子が1のトラフィックストリームに関心があり、ストリーム識別子が1のソース側属性ステートメントメッセージを相次いで2つ受信し、メッセージのスパニングツリー識別子フィールドを抽出し、対応する宛先側リソース予約リクエストメッセージをそれぞれ構築し、2つの宛先側リソース予約リクエストメッセージの内容は表3、表4に示す通りであって、その後送信する。
【0130】
当該例において、宛先デバイスは、受信した対応するストリーム識別子のスパニングツリー識別子の値をそれが維持する表に格納する必要があり、宛先デバイスそばの表5に示すように、維持する対応するストリーム識別子のスパニングツリー識別子集合を得る。
【0131】
ブリッジデバイスの各ポートが宛先側リソース予約リクエストメッセージを受信した後、経路に沿って帯域幅予約および転送エントリ確立を開始し、同一ポートが2つ以上の宛先側リソース予約リクエストメッセージを受信した時は、リソース予約の重複および転送エントリの確立を回避する必要がある。
【0132】
例えば、TSNネットワーク4およびTSNネットワーク5がともに2つの宛先側リソース予約リクエストメッセージを受信し、スパニングツリー識別子1およびスパニングツリー識別子2がそれぞれ付帯されている。TSNネットワーク4のポート2を例にすると、1つ目の宛先側メッセージを受信した時、メッセージにおけるストリーム識別子を抽出して表2を照会し、エントリがヒットしなければ{01:00:5e:01:01:01,2}を確立して鍵値の転送エントリとし、リソース予約をしてから、表2において、対応するポート2およびストリーム識別子のエントリを確立し、宛先側リソース予約リクエスト回数は1である。2つ目の宛先側リソース予約リクエストメッセージを受信した時、メッセージにおけるストリーム識別子を抽出し、対応するポート2および当該ストリーム識別子の宛先側属性登録回数が0より大きいことが分かれば、リソースの重複予約および転送エントリの確立をせず、対応する宛先側リソース予約リクエスト回数に1を加えるだけにして、リソース予約リクエスト回数が2であるということを得る。
【0133】
本願において、ソースデバイスがリソース予約取り消し操作を行う時、属性ステートメントメッセージに冗長フィールドおよびスパニングツリー識別子フィールドが付帯されている必要があり、ブリッジがソース側属性取り消しメッセージを受信した時の処理フローは、ソース側属性ステートメントメッセージを受信した時の、冗長フィールドおよびスパニングツリー識別子フィールドに対する処理フローと類似しており、ここでは繰り返し説明しない。
【0134】
図14では、宛先デバイスにおいて、例えば、ストリーム識別子1に対応するスパニングツリー識別子の値を維持し、TSN各ブリッジにおいて各ブリッジポートで受信した、ストリーム識別子に対応するリソース予約リクエスト回数を維持する。
【0135】
宛先デバイスによって、ストリーム識別子1に対応するリソース予約取り消しが発せられた時、宛先デバイスはストリーム識別子およびスパニングツリー識別子のマッピング関係の表を照会し、スパニングツリー識別子値集合の中から、スパニングツリー識別子1およびスパニングツリー識別子2を得る(図13を参照)。宛先デバイスは、スパニングツリー識別子1およびスパニングツリー識別子2に基づき、宛先側リソース予約取り消しメッセージを順に構築し、2つの宛先側リソース予約リクエストメッセージの内容は図14における表1および表2に示す通りである。
【0136】
各ブリッジポートが宛先側リソース予約取り消しメッセージを受信した時、帯域幅リソースを解放し対応する転送エントリを削除する。特に、ポートの宛先側リソース予約リクエスト回数が2以上の時は、最後の一回のリソース予約取り消しメッセージを受信した時に限って、予約リソースを解放する。
【0137】
例えば、宛先側リソース予約取り消しメッセージにおけるスパニングツリー識別子フィールド値が1であるものをTSNブリッジ4のポート2が受信した時は、図における表3のみを更新して、対応するストリーム識別子の宛先側リソース予約リクエスト回数を1減らし、宛先側メッセージにおけるスパニングツリー識別子フィールド値が2であるものを受信した時は、図における表3を更新して、対応するストリーム識別子の宛先側リソース予約リクエスト回数を1減らし、この時、対応するストリーム識別子(S-ID)の宛先側リソース予約リクエスト回数は0であって、リソースを解放して転送エントリを削除する。
【0138】
予約したリソースの取り消しが成功した後、図14の宛先デバイスそばの表1に示すように、宛先デバイスにおいて維持されるのは、ストリーム識別子1およびスパニングツリー識別子値集合NULLである。
【0139】
本願が提供する冗長パスのリソース予約方法によれば、ソース側属性ステートメントメッセージを拡張し、拡張された属性ステートメントメッセージに冗長フィールドおよびスパニングツリー識別子フィールドが付帯されており、ソースが接続されるブリッジポートを冗長パス機能のプロキシとし、冗長フィールドの解析を加え、冗長フィールドの値が、ネットワークは冗長パスを確立する必要があると指示するものであると確定した時に、ソース側属性ステートメントメッセージをコピー、修正して、各自が付帯するスパニングツリー識別子に基づき、2つの異なるスパニングツリーインスタンスにおいてメッセージを伝播し、これにより、TSNトラフィックに冗長トラフィック保護パスを確立する。
【0140】
以下では図15を組み合わせて、本願の冗長パスのリソース予約装置について詳細に説明する。図15は本願が提供する冗長パスのリソース予約装置の構造概念図である。図15に示すように、当該冗長パスのリソース予約装置はソースデバイスに適用することができ、また、属性ステートメントメッセージ生成モジュール610および属性ステートメントメッセージ送信モジュール620を含んでよい。
【0141】
属性ステートメントメッセージ生成モジュール610は、TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行う必要があると確定したことに応答して、TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成することに用いられ、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるとの指示が第1の属性ステートメントメッセージに付帯されている。
【0142】
属性ステートメントメッセージ送信モジュール620は、第1の属性ステートメントメッセージを、本ソースデバイスに接続されたブリッジデバイスに送信するために用いられ、ブリッジデバイスにおいて少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスが維持され、且つ少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスは第1の属性ステートメントメッセージに基づく指示に用いられ、本ソースデバイスと、指定された宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立する。
【0143】
一実現方式において、属性ステートメントメッセージ生成モジュール610は、TSNトラフィックを対象とする第1の属性ステートメントメッセージを生成することにさらに用いられ、TSNトラフィックの識別子、値を第1の冗長情報値としてマークするための冗長情報と、値が任意(any)の識別子値であるスパニングツリー識別子とが第1の属性ステートメントメッセージに付帯されており、ここで、第1の冗長情報値は第1の属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると指示するために用いられ、任意の識別子値は第1の属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる。
【0144】
一実現方式において、TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行う必要はないと確定したことに応答して、属性ステートメントメッセージ生成モジュール610は、TSNトラフィックを対象とする第2の属性ステートメントメッセージを生成することにさらに用いられ、TSNトラフィックの識別子、値を第2の冗長情報値としてマークするための冗長情報と、値が所定の識別子値であるスパニングツリー識別子とが第2の属性ステートメントメッセージに付帯されており、ここで、第2の冗長情報値は第2の属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないと指示するために用いられ、所定の識別子値は第2の属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる。
【0145】
本願が提供する冗長パスのリソース予約装置によれば、ソースデバイスは、冗長フィールドおよびスパニングツリー識別子フィールドを付帯させるために、SRPプロトコルに基づくソース側メッセージを拡張することができ、ストリーム識別子がマークしたTSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約をトリガするために、冗長フィールドが属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播をする必要があるか否かを指示して、スパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、ソースデバイスに直接接続されたブリッジポートに当該TSNトラフィックの属性ステートメントメッセージを送信することができる。
【0146】
図16は本願が提供する冗長パスのリソース予約装置の構造概念図である。図16に示すように、当該冗長パスのリソース予約装置はブリッジデバイスに適用することができ、また、属性ステートメントメッセージ受信モジュール710と、属性ステートメントメッセージコピーモジュール720と、属性ステートメントメッセージ伝播モジュール730と、冗長パスリソース予約モジュール740を含んでよい。
【0147】
属性ステートメントメッセージ受信モジュール710は、受信したソースデバイスの属性ステートメントメッセージの中から、属性ステートメントメッセージが対象とするTSNトラフィックと、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるか否かの指示とを取得することに用いられる。
【0148】
属性ステートメントメッセージコピーモジュール720は、指示が属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるというものであり、且つ本ブリッジデバイスにおいて維持するスパニングツリーインスタンスの数が少なくとも2つであることに応答して、属性ステートメントメッセージをコピーすることに用いられる。
【0149】
属性ステートメントメッセージ伝播モジュール730は、ソースデバイスと宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立するために、少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージを伝播することに用いられる。
【0150】
冗長パスリソース予約モジュール740は、宛先デバイスからのTSNトラフィックを対象とするリソース予約リクエストメッセージを受信したことに応答して、TSNトラフィックに対して冗長パスのリソース予約を行うことに用いられる。
【0151】
一実現方式において、受信した属性ステートメントメッセージにストリーム識別子および冗長情報が付帯されており、属性ステートメントメッセージ受信モジュール710は、受信した属性ステートメントメッセージに付帯されているストリーム識別子が指示するTSNトラフィックを、属性ステートメントメッセージが対象とするTSNトラフィックとすることと、冗長情報の値が第1の冗長情報値であることに応答して、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると確定することと、冗長情報の値が第2の冗長情報値であることに応答して、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないと確定することに用いてよく、第2の冗長情報値と前記第1の冗長情報値は異なる。
【0152】
一実現方式において、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があると確定したことに応答して、属性ステートメントメッセージ伝播モジュール730は、取得した少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスのスパニングツリー識別子に基づき、受信した属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子と、コピーした属性ステートメントメッセージにおけるスパニングツリー識別子を異なるスパニングツリー識別子に修正することと、受信した属性ステートメントメッセージにおける冗長情報と、コピーした属性ステートメントメッセージにおける冗長情報をともに第2の冗長情報値に修正することと、TSNトラフィックの冗長パスを確立するために、受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージを、修正後の異なるスパニングツリー識別子に応じて、異なるスパニングツリーインスタンスにおいて伝播することに用いてよい。
【0153】
一実現方式において、指示が属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要があるというものであり、本ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスの数が2つ未満であれば、属性ステートメントメッセージ送信モジュール740は、受信した属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないという指示を設けて、本ブリッジデバイスにおいて維持されるスパニングツリーインスタンスにおける所定のスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージを伝播することに用いてよい。
【0154】
一実現方式において、属性ステートメントメッセージ送信モジュール740は、受信した属性ステートメントメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子を、所定のスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる所定の識別子値とすることと、受信した属性ステートメントメッセージに付帯されている冗長情報を、属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供する必要はないと指示するために用いられる第2の冗長情報値とすることと、所定のスパニングツリーインスタンスにより、第2の冗長情報値および所定の識別子値が付帯されている属性ステートメントメッセージを伝播することにさらに用いてもよい。
【0155】
一実現方式において、受信した属性ステートメントメッセージが、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を提供する必要はないと指示するものである場合、属性ステートメントメッセージ送信モジュール740は、受信した属性ステートメントメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、受信した属性ステートメントメッセージを転送することに用いてよい。
【0156】
一実現方式において、冗長パスのリソース予約装置は、本ブリッジデバイスが属性ステートメントメッセージを受信したポートにおいて、受信した属性ステートメントメッセージに含まれる属性情報を登録することに用いられる属性登録モジュールをさらに含んでもよい。
【0157】
一実現方式において、冗長パスリソース予約モジュール740は、第1のポートによって宛先デバイスからのリソース予約リクエストメッセージを受信し、リソース予約リクエストメッセージにストリーム識別子およびスパニングツリー識別子が付帯されており、第1のポートは本ブリッジデバイスの複数のポートのうちの何れか1つであることと、第1のポートの帯域幅が所定の帯域幅要件を満たし且つ第1のリソース予約リクエスト回数がゼロであることに応答し、リソース予約リクエストメッセージに付帯されているストリーム識別子が指示するTSNトラフィックに帯域幅リソース予約をして転送エントリを確立することと、に用いてよく、ここで、第1のリソース予約リクエスト回数は、ブリッジデバイスに予め記録された、第1のポートによって受信した、TSNトラフィックを対象とするリソース予約リクエスト回数である。
【0158】
一実現方式において、冗長パスのリソース予約装置は、ストリーム識別子が指示するTSNトラフィックに帯域幅リソース予約をして転送エントリを確立した後に、または、第1のポートの帯域幅が所定の帯域幅要件を満たし且つ第1のリソース予約リクエスト回数が1以上の時に、第1のリソース予約リクエスト回数の記録に1を加え、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数を得ることに用いられるリソース予約リクエスト回数更新モジュールと、リソース予約リクエストメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、リソース予約リクエストメッセージを転送することに用いられるリソース予約リクエストメッセージ転送モジュールをさらに含んでもよい。
【0159】
一実現方式において、第1のポートの帯域幅が所定の帯域幅要件を満たさなければ、リソース予約リクエストメッセージ転送モジュールは、リソース予約リクエストメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、リソース予約リクエストメッセージを転送することにさらに用いてもよい。
【0160】
一実現方式において、冗長パスのリソース予約装置は、リソース予約取り消しメッセージ受信モジュールおよびリソース予約取り消しメッセージ転送モジュールをさらに含んでもよい。リソース予約取り消しメッセージ受信モジュールは、第1のポートによって宛先デバイスからのリソース予約取り消しメッセージを受信することに用いられ、リソース予約取り消しメッセージにTSNトラフィックのストリーム識別子およびスパニングツリー識別子が付帯されている。リソース予約リクエスト回数更新モジュールは、第1のリソース予約リクエストの回数を1減らし、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数を得ることにさらに用いてよい。リソース予約取り消しメッセージ転送モジュールは、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数がゼロであることに応答して、TSNトラフィックの転送エントリを削除してTSNトラフィックの予約帯域幅リソースを解放し、リソース予約取り消しメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、リソース予約取り消しメッセージを転送することと、更新後の第1のリソース予約リクエスト回数が1以上であることに応答して、リソース予約取り消しメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、リソース予約取り消しメッセージを転送することに用いられる。
【0161】
本願が提供する冗長パスのリソース予約装置によれば、ブリッジデバイスは受信した、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージに付帯されている冗長情報を解析し、冗長情報が、属性ステートメントメッセージに対して冗長伝播を提供する必要があると指示するものであり、且つ本ブリッジデバイスにおける対応するスパニングツリーインスタンスの数が所定の数を上回る場合は、属性ステートメントメッセージをコピーして、対応するスパニングツリーインスタンスにより属性ステートメントメッセージを修正し、受信した属性ステートメントメッセージおよびコピーした属性ステートメントメッセージが、各自付帯するスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにおいて伝播されるようにすることができ、これにより、TSNトラフィックに冗長トラフィック保護パスを確立する。
【0162】
図17は本願が提供する冗長パスのリソース予約装置の構造概念図である。図17に示すように、当該冗長パスのリソース予約装置は宛先デバイスに適用することができ、また、属性ステートメントメッセージ受信モジュール810と、リソース予約リクエスト生成モジュール820と、リソース予約リクエスト送信モジュール830とを含んでよい。
【0163】
属性ステートメントメッセージ受信モジュール810は、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスによって、同一のTSNトラフィックを対象とする少なくとも2つの属性ステートメントメッセージを受信することに用いられる。
【0164】
リソース予約リクエスト生成モジュール820は、TSNトラフィックが本宛先デバイスにとって関心のあるTSNトラフィックであり、且つ受信した各属性ステートメントメッセージが、異なるスパニングツリーインスタンスにより伝播されるものであることに応答して、受信した各属性ステートメントメッセージを対象として、TSNトラフィックを対象とするとともに、異なるスパニングツリーインスタンスに対応するリソース予約リクエストメッセージを生成することに用いられる。
【0165】
異なるスパニングツリーインスタンスは、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスにおいて維持される少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスのうちのスパニングツリーインスタンスであって、且つ少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスは、ソースデバイスと本宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立するために用いられる。
【0166】
リソース予約リクエスト送信モジュール830は、生成された各リソース予約リクエストメッセージが対応する異なるスパニングツリーインスタンスにより、各リソース予約リクエストメッセージを、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスに送信することに用いられる。
【0167】
一実現方式において、冗長パスのリソース予約装置は、同一のTSNトラフィックを対象とする少なくとも2つの属性ステートメントメッセージを受信した後に、各属性ステートメントメッセージに付帯されている、TSNトラフィックをマークするために用いられるストリーム識別子と、ブリッジデバイスにおける属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられるスパニングツリー識別子とを取得することに用いられる識別子情報取得モジュールをさらに含んでもよい。
【0168】
一実現方式において、冗長パスのリソース予約装置は、TSNトラフィックを対象とするとともに、異なるスパニングツリーインスタンスに対応するリソース予約リクエストメッセージを生成する時に用いられる識別子情報追加モジュールをさらに含んでもよく、TSNトラフィックをマークするために用いられるストリーム識別子と、異なるスパニングツリーインスタンスに対応するスパニングツリー識別子とがリソース予約リクエストメッセージに付帯されている。
【0169】
一実現方式において、冗長パスのリソース予約装置は、受信した各属性ステートメントメッセージに付帯されているストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子を記録するために用いられる識別子情報記録モジュールをさらに含んでもよく、スパニングツリー識別子は、ブリッジデバイスにおける属性ステートメントメッセージの伝播が依拠するスパニングツリーインスタンスを指示するために用いられる。
【0170】
一実現方式において、識別子情報追加モジュールは、TSNトラフィックに対してリソース取り消しを行うことが必要であると確定したことに応答して、予め記録されたストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子の中から、TSNトラフィックのストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子を取得することにさらに用いてもよい。冗長パスのリソース予約装置は、リソース予約取り消しメッセージ生成モジュールと、リソース予約取り消しメッセージ送信モジュールと、情報記録更新モジュールとをさらに含んでもよい。リソース予約取り消しメッセージ生成モジュールは、TSNトラフィックに対応する各スパニングツリー識別子を対象として、対応するリソース予約取り消しメッセージをそれぞれ生成することに用いられ、TSNトラフィックのストリーム識別子およびTSNトラフィックに対応するスパニングツリー識別子がリソース予約取り消しメッセージに付帯されている。リソース予約取り消しメッセージ送信モジュールは、生成した各リソース予約取り消しメッセージに付帯されているスパニングツリー識別子が指示するスパニングツリーインスタンスにより、各リソース予約取り消しメッセージを送信することに用いられる。情報記録更新モジュールは、予め記録されたストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子の中から所定の情報を削除することに用いられ、所定の情報は、既に送信されたリソース予約取り消しメッセージに付帯されているストリーム識別子および対応するスパニングツリー識別子である。
【0171】
本願が提供する冗長パスのリソース予約装置によれば、宛先デバイスは、TSNトラフィックに対する、SRPプロトコルに基づく属性ステートメントメッセージを受信した時に、属性ステートメントメッセージに付帯されているストリーム識別子およびスパニングツリー識別子を抽出して、リソース予約リクエストメッセージを生成し、リソース予約リクエストを実行するために、当該リソース予約リクエストメッセージはストリーム識別子およびスパニングツリー識別子を付帯することができ、これにより、TSNトラフィックに冗長トラフィック保護パスを確立することを実現する。
【0172】
なお、本願は上記の実施例にて説明して図面に示した特定の構成および処理に限定されない。説明の便宜上、ここでは既存の方法についての詳細な説明は省略する。また、上記にて説明したシステム、モジュール、ユニットの具体的な作動過程については、前述の方法実施例における対応する過程を参考できるため、ここでは改めて説明しない。
【0173】
図18は本願による冗長パスのリソース予約方法と装置を実現できるコンピューティングデバイスの例示的なハードウェアアーキテクチャの構造図である。
【0174】
図18に示すようにコンピューティングデバイス900は、入力デバイス901と、入力ポート902と、中央処理器903と、メモリ904と、出力ポート905と、出力デバイス906とを含む。入力ポート902と、中央処理器903と、メモリ904と、出力ポート905とはバス910によって相互接続され、入力デバイス901および出力デバイス906はそれぞれ入力ポート902および出力ポート905によりバス901と接続され、さらにはコンピューティングデバイス900のその他の構成要素に接続される。
【0175】
入力デバイス901は外部からの入力情報を受け付けることができ、入力ポート902を介して入力情報を中央処理器903に伝送する。中央処理器903はメモリ904に記憶された、コンピュータが実行可能な命令に基づき、入力情報を処理して出力情報を生成し、出力情報を一時的にまたは永久にメモリ904に記憶してから、出力ポート905を介して出力情報を出力デバイス906に伝送する。出力デバイス906は出力情報をコンピューティングデバイス900の外部に出力してユーザの使用に供する。
【0176】
図18が示すコンピューティングデバイスはソースデバイスとして実現することができ、本願によるソースデバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法を実行するために、当該ソースデバイスは、記憶プログラムが配備されたメモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行するように配備されたプロセッサと、を含んでよい。
【0177】
図18が示すコンピューティングデバイスはブリッジデバイスとして実現することができ、本願によるブリッジデバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法を実行するために、当該ブリッジデバイスは、記憶プログラムが配備されたメモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行するように配備されたプロセッサと、を含んでよい。
【0178】
図18が示すコンピューティングデバイスは宛先デバイスとして実現することができ、本願による宛先デバイスに適用される冗長パスのリソース予約方法を実行するために、当該宛先デバイスは、記憶プログラムが配備されたメモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行するように配備されたプロセッサと、を含んでよい。
【0179】
本願が提供する冗長パスのリソース予約方法によれば、ブリッジデバイスは、自らが維持する少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスにより、ソースデバイスの属性ステートメントメッセージに、ソースデバイスと宛先デバイスとの間において冗長伝播を提供することができ、これにより、TSNトラフィックに冗長パスを確立して、宛先デバイスのリソース予約リクエストメッセージに基づき、TSNトラフィックに冗長パスのリソース予約を行う。
【0180】
本願が提供する冗長パスのリソース予約方法によれば、ソースデバイスは、属性ステートメントメッセージによって、当該属性ステートメントメッセージに冗長伝播の提供が必要であると指示し、当該属性ステートメントメッセージを、接続されるブリッジデバイスに送信し、ブリッジデバイスは、自らが維持する少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスにより、当該属性ステートメントメッセージに冗長伝播を提供し、これにより、本ソースデバイスと、指定された宛先デバイスとの間にTSNトラフィックの冗長パスを確立する。
【0181】
本願が提供する冗長パスのリソース予約方法によれば、宛先デバイスは、TSNトラフィックを対象とするとともに、異なるスパニングツリーインスタンスにより伝播される少なくとも2つの属性ステートメントメッセージを受信した時に、宛先デバイスにとって当該TSNトラフィックが関心のあるものであれば、受信した各属性ステートメントメッセージを対象としてリソース予約リクエストメッセージを構築し、当該TSNトラフィックの冗長パスに対してリソース予約リクエストを発起できる。異なるスパニングツリーインスタンスは、本宛先デバイスに接続されたブリッジデバイスにおいて維持される少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスのうちのスパニングツリーインスタンスであり、且つ当該少なくとも2つのスパニングツリーインスタンスは、ソースデバイスと本宛先デバイスとの間においてTSNトラフィックの冗長パスを確立するために用いられる。
【0182】
上述の内容は本願の例示的な実施例にすぎず、本願の請求範囲を限定するものではない。一般的に、本願の複数の実施例はハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、論理回路あるいはその任意の組み合わせにおいて実現することができる。例えば、一態様ではハードウェアにおいて実現することができ、他の態様ではコントローラ、マイクロプロセッサ、またはその他のコンピューティングデバイスで実行されるファームウェアまたはソフトウェアにおいて実現することができ、本願ではこれについて限定しない。
【0183】
本願の実施例は移動体装置のデータ処理器が実行するコンピュータプログラム命令によって実現することができ、例えば、プロセッサ本体において、またはハードウェアによって、あるいはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実行することができる。コンピュータプログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン関連命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設置データ、または1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせによって書かれたソースコードまたはターゲットコードであってよい。
【0184】
本願の図面におけるあらゆる論理フローのブロック図は、プログラムステップを表すことができ、または互いに接続された論理回路、モジュールおよび機能を表すことができ、あるいはプログラムステップと論理回路、モジュール、機能との組み合わせを表すことができる。コンピュータプログラムはメモリに記憶することができる。メモリはローカル技術環境に適した任意の類型を有してよく、且つ任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現してよく、例えばリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、光ディスクメモリ装置およびシステム(デジタル多用途ディスクDVDまたはCDディスク)などであるがこれらに限らない。コンピュータ読み取り可能な媒体は非一時的な記憶媒体を含んでよい。データ処理器はローカル技術環境に適した任意の類型であってよく、例えば汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、専用集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックコントローラ(FGPA)およびマルチコアプロセッサアーキテクチャのプロセッサなどであるがこれらに限らない。
【0185】
例示的、非限定的な例示により本願の例示的な実施例の詳細な説明を提示した。しかし、図面と請求項を組み合わせて考慮すると、上記実施例の様々な修正と調整は当業者にとって自明であるが、本願の範囲を逸脱するものではない。よって、本願の適切な範囲は請求項により確定される。
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