(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-16
(45)【発行日】2024-08-26
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品の挿入を感知するエアロゾル生成装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20240819BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240819BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240819BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/20
A24F40/465
(21)【出願番号】P 2023535736
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2022007295
(87)【国際公開番号】W WO2022255700
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0070966
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンファン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,テナム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンソン
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ソクス
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/037403(WO,A1)
【文献】特表2020-516262(JP,A)
【文献】特表2021-509806(JP,A)
【文献】国際公開第2021/053184(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/157836(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/50
A24F 40/20
A24F 40/465
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成システムにおいて、
サセプタを含むエアロゾル生成物
品が挿入される第1収容空間が形成されたエアロゾル生成装置と、
前記エアロゾル生成装置が収容される第2収容空間が形成されたクレードルと、を含み、前記エアロゾル生成装置は、
前記エアロゾル生成装置が前記第2収容空間に収容された状態で前記クレードルから受信した電力によって充電されるバッテリと、
前記バッテリから電力を受信して前記第1収容空間内に磁場を形成する誘導コイルと、
前記誘導コイルと電気的に連結される制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記第1時間の間、前記誘導コイルに第1電力量の電力が供給されるように、前記誘導コイルに供給される電力を制御し、
前記供給される第1電力量の電力に基づいて前記誘導コイルに印加される電圧の振幅が指定された値以下であるとき、前記エアロゾル生成物品が前記第1収容空間に挿入されたと判断し、
前記エアロゾル生成物品が前記第1収容空間に挿入されたと判断されれば、前記誘導コイルによって形成される前記磁場を通じて前記サセプタを加熱するために、第2時間の間、前記誘導コイルに
前記第1電力量より大きい第2電力量の電力が供給されるように、前記誘導コイルに供給される電力を制御するように設定され、
前記第2時間後にパフ数及び喫煙時間のうちいずれか1つに基づき前記誘導コイルに前記第1電力量の電力が供給されるように前記誘導コイルに供給される電力を制御して、前記エアロゾル生成物品が前記第1収容空間に挿入されたか否かを判断する、エアロゾル生成システム。
【請求項2】
前記エアロゾル生成装置は、
外部空気が流入される経路上に配置され、前記制御部と電気的に連結されるパフセンサをさらに含み、
前記制御部は、
前記経路上の温度変化、流量変化、及び圧力変化のいずれかに基づいてユーザの吸入を感知する、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成装置をオフ状態からオン状態に変更するためのユーザ入力に応答して前記誘導コイルに印加される電圧の振幅を測定する、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項4】
前記サセプタは、ストリップ状であり、
前記サセプタは、フェライト、ステンレス鋼、アルミニウム、黒鉛、モリブデン、シリコンカーバイド、ニオブ、ニッケル、コバルト、ホウ素、及びリンのうち、少なくともいずれか1を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項5】
前記誘導コイルは、前記第1収容空間に沿って巻線されるソレノイドであり、
前記誘導コイルは、銅、銀、金、アルミニウム、タングステン、亜鉛及びニッケルのうち、少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導コイルを介してエアロゾル生成物品の挿入を感知するエアロゾル生成装置及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方法ではない、エアロゾル生成装置を用いてシガレットまたはエアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを生成するシステムに関する需要が増加している。
【0003】
また、エアロゾル生成装置にシガレットの挿入が感知されれば、自動的に装置の電源をつける方法に係わる研究が活発に進められている。このために、エアロゾル生成装置は、シガレットの挿入を感知するために、別途のセンサ(例えば、圧力センサ、フィルムセンサ、光センサまたは赤外線センサ)を含みうる。
【0004】
自動的に装置の電源をつける方法を具現するために、エアロゾル生成装置が別途のセンサを含めば、ハードウェアの複雑度及び製造コストが増加しうる。また、比較的小型サイズの電子装置であるエアロゾル生成装置に別途のセンサを搭載するための空間を設けるために、エアロゾル生成装置の設計を変更せねばならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、シガレットの挿入を感知するための別途のセンサを備えずとも、誘導コイルに対する制御モードを切り換えることで、1つのモードでは、エアロゾル生成物品の挿入を感知し、他の1つのモードでは、エアロゾルが生成されるように、加熱動作を遂行するエアロゾル生成装置を提供することである。
【0006】
本開示の実施例を通じて解決しようとする課題が上述した課題に制限されず、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例でのエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置の収容空間に挿入されたエアロゾル生成物品を加熱するためのサセプタ、サセプタの周辺に配置され、誘導加熱によってサセプタを加熱するように構成された誘導コイル、誘導コイルの電気的な経路を切り換えるスイッチングモジュール、及びスイッチングモジュールと電気的に連結され、誘導コイルに対する制御モードを受信モードに設定し、誘導コイルのインダクタンス変化に基づいてエアロゾル生成物品の挿入を感知し、エアロゾル生成物品の挿入が感知されれば、スイッチングモジュールを通じて制御モードを発信モードに切り換えるように構成された制御部を含みうる。
【0008】
一実施例でのエアロゾル生成装置の動作方法は、誘導コイルに対する制御モードを受信モードに設定する動作、誘導コイルのインダクタンス変化に基づいてエアロゾル生成物品の挿入を感知する動作、及びエアロゾル生成物品の挿入が感知されれば、スイッチングモジュールを通じて制御モードを誘導コイルによって誘導加熱を活性化する発信モードに切り換える動作を含みうる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の多様な実施例によれば、シガレットの挿入を感知するための別途のセンサを備えずとも、シガレットの挿入が誘導コイルでもって感知され、加熱動作が感知に基づいて制御されうる。したがって、エアロゾル生成装置に別途のセンサに対する空間が要求されない。
【0010】
また、本開示の多様な実施例によれば、エアロゾル生成物品の挿入有無を判断するに当たって、最小限の電力量を消耗することにより、エアロゾル生成装置のバッテリ電力消耗を減らしうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】一実施例によるエアロゾル生成装置を構成する要素を説明するための図面である。
【
図1B】一実施例によるエアロゾル生成装置を示すブロック図である。
【
図2】一実施例によるエアロゾル生成装置を示すブロック図である。
【
図3】一実施例によるエアロゾル生成装置が誘導コイルに対する制御モードを制御することを示すフローチャートである。
【
図4A】
図2に示されたスイッチングモジュール200の第1状態を説明するための図面である。
【
図4B】
図2に示されたスイッチングモジュール200の第2状態を説明するための図面である。
【
図5】一実施例によるエアロゾル生成装置が誘導コイルに対する制御モードを制御することを示すフローチャートである。
【
図6】他の実施例によるエアロゾル生成装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施例で使用される用語は、実施例の機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、発明が属する技術分野の通常の知識を有する者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該説明部分でその意味を詳細に記載する。したがって、実施例の説明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本開示の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0013】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載の「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによっても具現される。
【0014】
明細書全体においてエアロゾル生成装置は、ユーザの口を通じてユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル生成物質を用いてエアロゾルを生成する装置でもある。例えば、エアロゾル生成装置は、ホルダー(holder)でもある。
【0015】
明細書全体において「パフ」とは、ユーザの吸入を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内または肺に吸い込まれる状況を意味する。
【0016】
以下、添付図面に基づき、実施例について発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、実施例は、様々な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0017】
以下では、図面を参照して本開示の実施例を詳細に説明する。
図1Aは、一実施例によるエアロゾル生成装置を構成する要素を説明するための図面である。
【0018】
図1Aを参照すれば、エアロゾル生成装置100は、サセプタ130、誘導コイル140、バッテリ110、及び制御部120を含みうる。但し、それに限定されず、
図1に示される要素以外に他の汎用的な要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれうる。
【0019】
エアロゾル生成装置100は、誘導加熱(induction heating)方式でエアロゾル生成装置100に収容されるエアロゾル生成物品15を加熱することで、エアロゾルを生成する。誘導加熱方式は、外部磁場によって発熱するサセプタ130に周期的に方向が変わる交番磁場(alternating magnetic field)を印加し、サセプタ130を発熱させる方式を意味する。
【0020】
サセプタ130に交番磁場が印加される場合、サセプタ130には渦流損(eddy current loss)及びヒステリシス損(hysteresis loss)によるエネルギー損が発生し、損失されるエネルギーが熱エネルギーとしてサセプタ130から放出されうる。サセプタ130に印加される交番磁場の振幅または、周波数が大きいほどサセプタ130から多くの熱エネルギーが放出されうる。エアロゾル生成装置100は、サセプタ130に交番磁場を印加することで、サセプタ130から熱エネルギーを放出させ、サセプタ130から放出される熱エネルギーをエアロゾル生成物品15に伝達することができる。一実施例において、サセプタ130は、切片、薄片またはストリップなどの形状でエアロゾル生成装置100に備えられうる。
【0021】
サセプタ130の少なくとも一部は、強磁性体(ferromagnetic substance)からなりうる。例えば、サセプタ130は、金属または炭素を含みうる。サセプタ130は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainless steel)、及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含みうる。また、サセプタ130は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0022】
エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品15を収容することができる。エアロゾル生成装置100には、エアロゾル生成物品15を収容するための空間が形成されうる。エアロゾル生成物品15を収容するための空間には、サセプタ130が配置されうる。
【0023】
サセプタ130は、エアロゾル生成装置100に収容されたエアロゾル生成物品15の外側面の少なくとも一部を取り囲む。例えば、サセプタ130は、エアロゾル生成物品15に含まれたタバコ媒質を取り囲む。それにより、サセプタ130からタバコ媒質への熱伝達が効率よくなされうる。
【0024】
誘導コイル140は、エアロゾル生成装置100に備えられうる。誘導コイル140は、サセプタ130に交番磁場を印加しうる。エアロゾル生成装置100から誘導コイル140に電力が供給される場合、誘導コイル140内部に磁場が形成されうる。誘導コイル140に交流電流が印加される場合、誘導コイル140の内部に形成される磁場の方向は、周期的に変更されうる。サセプタ130が誘導コイル140内部に位置して周期的に方向が変わる交番磁場に露出される場合、サセプタ130が発熱し、エアロゾル生成装置100の収容空間に収容されたエアロゾル生成物品15が加熱されうる。
【0025】
誘導コイル140は、サセプタ130の外側面に沿って巻線されうる。また、誘導コイル140は、エアロゾル生成装置100の外部ハウジングの内面に沿って巻線されうる。誘導コイル140が巻線されて形成される内部空間にサセプタ130が位置しうる。したがって、誘導コイル140に電力が供給される場合、誘導コイル140によって生成される交番磁場がサセプタ130に印加されうる。
【0026】
誘導コイル140は、エアロゾル生成装置100の長手方向に延びうる。誘導コイル140は、長手方向に沿って適切な長さに延びうる。例えば、誘導コイル140は、サセプタ130の長さに対応する長さに延び、または、サセプタ130の長さよりも長い長さに延びうる。
【0027】
誘導コイル140は、サセプタ130に交番磁場の印加に適した位置に配置されうる。例えば、誘導コイル140は、サセプタ130に対応する位置に配置されうる。このような誘導コイル140の大きさ及び配置によって誘導コイル140の交番磁場がサセプタ130に印加される効率が向上しうる。
【0028】
一実施例において、エアロゾル生成装置100は、誘導コイル140に対する制御モードを設定することができる。例えば、エアロゾル生成装置100は、誘導コイル140を通じてシガレットの挿入を感知するために受信モードに設定するか、誘導コイル140を介してサセプタ130を加熱するために発信モードに設定しうる。一実施例において、制御部120は、誘導コイル140に対する制御モードを受信モードに設定し、誘導コイルのインダクタンス変化に基づいてエアロゾル生成物品15の挿入を感知しうる。制御部120は、エアロゾル生成物品15の挿入が感知されれば、スイッチングモジュールを通じて誘導コイル140に対する制御モードを発信モードに切り換える。
【0029】
誘導コイル140によって形成される交番磁場の振幅または、周波数が変更される場合、サセプタ130がエアロゾル生成物品15を加熱する程度も変更されうる。誘導コイル140による磁場の振幅または、周波数は、誘導コイル140に印加される電力によって変更されうるので、エアロゾル生成装置100は、誘導コイル140に印加される電力を調整することで、エアロゾル生成物品15の加熱を制御しうる。例えば、エアロゾル生成装置100は、誘導コイル140に印加される交流電流の振幅及び周波数を制御することができる。
【0030】
一例示として、誘導コイル140は、ソレノイド(solenoid)によって具現されうる。その場合、誘導コイル140は、エアロゾル生成装置100の外部ハウジングの内面に沿って巻線されるソレノイドでもあり、ソレノイドの内部空間にサセプタ130及びエアロゾル生成物品15が位置しうる。ソレノイドを構成する導線の材質は、銅(Cu)でもある。但し、それに限定されず、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)、及びニッケル(Ni)のうち、いずれか1つ、または少なくとも1つを含む合金がソレノイドを構成する導線の材質からなりうる。
【0031】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に電力を供給しうる。バッテリ110は、誘導コイル140に電力を供給することができる。バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に直流を供給するバッテリ及びバッテリから供給される直流を誘導コイル140に供給される交流に変換する変換部を含みうる。
【0032】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に直流を供給する。バッテリ110は、リチウムリン酸鉄(LiFePO4)バッテリでもあるが、それに制限されるものではない。例えば、バッテリは、酸化リチウムコバルト(LiCoO2)バッテリ、リチウムチタン酸塩バッテリ、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリなどでもある。
【0033】
変換部は、バッテリから供給される直流に対するフィルタリングを遂行して誘導コイル140に供給される交流を出力する低域通過フィルタ(low-pass filter)を含みうる。変換部は、バッテリから供給される直流を増幅するための増幅器(amplifier)をさらに含みうる。例えば、変換部は、D級増幅器(class-D amplifier)の負荷ネットワークを構成する低域通過フィルタを通じて具現されうる。
【0034】
制御部120は、誘導コイル140に供給される電力を制御しうる。制御部120は、誘導コイル140に供給される電力が調整されるようにバッテリ110を制御しうる。例えば、制御部120は、サセプタ130の温度に基づいてサセプタ130がエアロゾル生成物品15を加熱する温度を一定に保持するための制御を遂行することができる。
【0035】
一実施例において、制御部120は、誘導コイル140に対する制御モードによって誘導コイル140に供給される電力を制御しうる。例えば、制御部120は、制御モードが受信モードである場合、誘導コイル140に印加される電力を第1電力に設定し、制御モードが発信モードである場合、誘導コイル140に印加される電力を第1電力よりも高い第2電力に設定することができる。
【0036】
図1Bは、一実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すブロック図である。
【0037】
図1Bを参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、ヒータ135、センサ145、ユーザインターフェース150、メモリ160、及び制御部120を含みうる。しかし、エアロゾル生成装置100の内部構造は、
図1Bに示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置100の設計によって、
図1Bに示された構成の一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されうるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解するであろう。
【0038】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ110は、ヒータ135が加熱されうるように電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100内に備えられた他の構成、すなわち、センサ145、ユーザインターフェース150、メモリ160、及び制御部120の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ110は充電が可能なバッテリとか使い捨てバッテリでもある。
【0039】
一実施例において、ヒータ135は、サセプタ(例えば、
図1Aのサセプタ130)及び誘導コイル(例えば、
図1Aの誘導コイル140)を含みうる。例えば、エアロゾル生成装置100のヒータ135が誘導加熱方式である場合、制御部120は、誘導コイル140に交流電流を印加して交番磁場を発生させうる。誘導コイル140によって発生した交番磁場がサセプタ130に印加されることにより、サセプタ130は、加熱されてエアロゾル生成物品(例えば、
図1Aのエアロゾル生成物品15)を加熱することができる。
【0040】
一実施例において、サセプタ130は、エアロゾル生成物品15の外側面の少なくとも一部を取り囲むように配置されるか、エアロゾル生成物品15の内部に配置されうる。例えば、サセプタ130は、エアロゾル生成物品15に含まれたタバコ媒質を取り囲むことができる。他の例として、サセプタ130は、タバコ媒質が含まれたエアロゾル生成物品15の媒質部に配置されうる。一実施例において、制御部120は、サセプタ130の配置に関係なく誘導コイル140に対する制御モードを設定することができる。例えば、サセプタ130がエアロゾル生成物品15の外側面の少なくとも一部を取り囲むように配置されるか、エアロゾル生成物品15の内部に配置される場合、制御部120は、サセプタ130の配置に関係なく誘導コイル140に対する制御モードを受信モードまたは発信モードに設定することができる。
【0041】
エアロゾル生成装置100は、少なくとも1つのセンサ145を含みうる。少なくとも1つのセンサ145でセンシングされた結果は、制御部120に伝達され、センシング結果によって、制御部120は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるように、エアロゾル生成装置100を制御することができる。
【0042】
例えば、少なくとも1つのセンサ145は、パフセンサを含みうる。パフセンサは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化、及び圧力変化のうち、いずれか1つに基づいてユーザのパフを感知することができる。
【0043】
また、少なくとも1つのセンサ145は、ヒータ135(または、エアロゾル生成物品15)の温度を測定するための温度センサを含みうる。エアロゾル生成装置100は、ヒータ135の温度を測定する温度センサを含みうる。選択的に、エアロゾル生成装置100は、別途の温度センサを含まず、ヒータ135自体が温度センサの役割を遂行することができる。実施例において、ヒータ135が温度センサの役割を遂行すると共に、エアロゾル生成装置100に別途の温度センサがさらに含まれうる。
【0044】
また、少なくとも1つのセンサ145は、エアロゾル生成装置100の周囲温度を測定するための温度センサを含みうる。周囲温度は、エアロゾル生成装置100外部の温度である。周囲温度は、エアロゾル生成装置100でエアロゾル生成物品15から生成されたエアロゾルが放出される大気の温度である。温度センサは、周囲温度を測定するようにハウジングの外部に配置されるか、外部空気が流入される経路上に配置されうる。温度センサは、測定した周囲温度の値を制御部120に伝達し、制御部120は、周囲温度に基づいてエアロゾル生成物品15を加熱するための加熱プロファイルを決定することができる。
【0045】
また、少なくとも1つのセンサは、湿度センサを含みうる。湿度センサは、エアロゾル生成装置100の周囲湿度を測定することができる。周囲湿度は、エアロゾル生成装置100外部の湿度である。周囲湿度は、エアロゾル生成装置100において、エアロゾル生成物品15から生成されたエアロゾルが放出される大気の湿度である。湿度センサは、周囲湿度を測定するように、ハウジングの外部に配置されるか、外部空気が流入される経路上に配置されうる。湿度センサは、測定した周囲湿度の値を制御部120に伝達し、制御部120は、周囲湿度に基づいてエアロゾル生成物品15を加熱器のための加熱プロファイルを決定することができる。
【0046】
制御部120は、エアロゾル生成物品15の挿入が感知されれば、追加的な外部入力がなくても、自動的に加熱が開始されるように、エアロゾル生成装置100を制御することができる。例えば、制御部120は、エアロゾル生成物品15の挿入が感知されれば、バッテリ110が誘導コイルに電力を供給するように制御することができる。但し、それに必ずしも制限されるものではなく、制御部120は、追加的な外部入力が存在して初めて、加熱が開始されるようにエアロゾル生成装置100を制御することができる。
【0047】
ユーザインターフェース150は、ユーザにエアロゾル生成装置100の状態に係わる情報を提供しうる。ユーザインターフェース150は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカー、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near-Field Communication)など)を遂行するための通信インターフェースなどの多様なインターフェーシング手段を含みうる。
【0048】
但し、エアロゾル生成装置100には、前記例示された多様なユーザインターフェース150の例示のうち、一部のみが取捨選択されて具現されうる。
【0049】
ユーザインターフェース150は、エアロゾル生成装置100に係わる視覚情報を出力するディスプレイを含みうる。ここで、エアロゾル生成装置100に係わる視覚情報は、エアロゾル生成装置100の動作に係わる全ての情報を含む。例えば、ディスプレイは、エアロゾル生成装置100の状態に係わる情報(例えば、エアロゾル生成装置の使用可否など)、ヒータ135に係わる情報(例えば、予熱開始、予熱進行、予熱完了など)、バッテリ110に係わる情報(例えば、バッテリ110の残量、使用可否など)、エアロゾル生成装置100のリセットに係わる情報(例えば、リセット時期、リセット進行、リセット完了など)、エアロゾル生成装置100の掃除に係わる情報(例えば、掃除時期、掃除必要、掃除進行、掃除完了など)、エアロゾル生成装置100の充電に係わる情報(例えば、充電必要、充電進行、充電完了など)、パフに係わる情報(例えば、パフ回数、パフ終了予告など)または安全に係わる情報(例えば、使用時間経過など)などを出力することができる。
【0050】
通信インターフェースは、外部デバイス、外部サーバなどと通信連結されうる。例えば、通信インターフェースは、多様なタイプのデジタルインターフェース、AP基盤のWi-Fi(Wireless LANネットワーク)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、ジグビー(Zigbee(登録商標))、有/無線LAN(Local Area Network)、WAN、イーサネット(Ethernet)、IEEE 1394、HDMI(登録商標)、USB、MHL、AES/EBU、オプティカル(Optical)、コアキシャル(Coaxial)のうち少なくとも1つの通信方式を支援する形態に具現されうる。また、通信インターフェースは、ビデオとオーディオ信号を伝送するためのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネルと、デバイス情報、ビデオまたはオーディオに係わる情報(例えば、E-EDID(Enhanced Extended Display Identification Data))を送受信するためのDDC(Display Data Channel)及び制御信号を送受信するためのCEC(Consumer Electronic Control)を含みうる。但し、それに限定されるものではなく、多様なインターフェースに具現されうる。
【0051】
メモリ160は、エアロゾル生成装置100内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、制御部120で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ160は、DRAM(dynamic random access memory)、SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によって具現されうる。
【0052】
メモリ160には、エアロゾル生成装置100の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0053】
制御部120は、エアロゾル生成装置100の全般的な動作を制御する。制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによって具現されうる。また、他の形態のハードウェアによって具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解するであろう。
【0054】
一方、
図1Bには、図示されていないが、エアロゾル生成装置100は、別途のクレードルと共にエアロゾル生成システムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置100のバッテリ110を充電するのに用いられうる。例えば、エアロゾル生成装置100は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置100のバッテリ110を充電することができる。
【0055】
図2は、一実施例によるエアロゾル生成装置を示すブロック図である。
【0056】
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、誘導コイル140、スイッチングモジュール200及び制御部120を含みうる。
【0057】
一実施例において、制御部120は、加熱制御部210及びシガレット認識部220を含みうる。一実施例において、加熱制御部210及びシガレット認識部220は、それぞれ独立したハードウェア(hardware)によって具現されうる。例えば、加熱制御部210は、全般的な加熱動作を制御する加熱IC(integrated circuit)によって具現され、シガレット認識部220は、加熱制御部210と独立したMCU(Micro Controller Unit)によって具現されうる。他の実施例において、加熱制御部210及びシガレット認識部220は、それぞれのソフトウェア(software)によっても具現される。例えば、制御部120が少なくとも1つのプロセッサを含む場合、加熱制御部210は、加熱動作を制御するプログラムによって具現され、シガレット認識部220は、シガレットの挿入感知を制御するプログラムによって具現され、前記少なくとも1つのプロセッサに保存されうる。
【0058】
一実施例において、制御部120は、誘導コイル140に対する制御モードを設定しうる。例えば、誘導コイル140に対する制御モードは、受信モードRx及び発信モードTxを含みうる。この際、受信モードは、誘導コイル140を介してエアロゾル生成物品15の挿入を感知するモードを意味し、発信モードは、誘導コイル140を介してエアロゾル生成物品15を加熱するモードを意味しうる。
【0059】
一実施例において、誘導コイル140に対する制御モードが受信モードである場合、制御部120は、誘導コイル140のインダクタンス変化に基づいてエアロゾル生成物品の挿入を感知しうる。一実施例において、誘導コイル140に対する制御モードが発信モードである場合、制御部120は、誘導コイル140に対してサセプタ(例えば、
図1Aのサセプタ130)を貫通する可変磁場を発生させうる。誘導コイル140に可変磁場が発生することにより、エアロゾル生成物品15のエアロゾル生成物質が加熱されてエアロゾルが生成されうる。
【0060】
一実施例において、スイッチングモジュール200は、制御部120によって設定された制御モードによって誘導コイル140の電気的な経路を切り換える。例えば、スイッチングモジュール200は、制御部120によって設定された制御モードに基づいて制御部120の構成要素(例えば、加熱制御部210及びシガレット認識部220)と誘導コイル140との間に連結される端子を選択しうる。
【0061】
例えば、エアロゾル生成物品の挿入が感知されていない場合、スイッチングモジュール200は、誘導コイル140と、制御部120のシガレット認識部220とが電気的に連結される第1端子を選択しうる。スイッチングモジュール200の第1端子が選択されることにより、誘導コイル140は、シガレット認識部220と第1経路で連結されうる。誘導コイル140が第1経路を通じてシガレット認識部220に連結されることにより、制御部120は、誘導コイル140のインダクタンス変化を獲得し、エアロゾル生成物品15の挿入を感知することができる。
【0062】
他の例として、エアロゾル生成物品の挿入が感知された場合、スイッチングモジュール200は、誘導コイル140と、制御部120の加熱制御部210とが電気的に連結される第2端子を選択することができる。スイッチングモジュール200の第2端子が選択されることにより、誘導コイル140は、加熱制御部210と第2経路で連結されうる。誘導コイル140が、第2経路を通じて加熱制御部210と連結されることにより、制御部120は、サセプタ130を加熱するために、誘導コイル140に可変磁場を発生させうる。
【0063】
一実施例において、スイッチングモジュール200は、誘導コイル140及び制御部120の構成要素(例えば、加熱制御部210、シガレット認識部220)の間に電気的な経路(例えば、第1経路、第2経路)を変更するためのハードウェア構成要素でもある。例えば、スイッチングモジュール200は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を使用するスィッチ回路を含みうる。但し、それに限定されるものではない。
【0064】
一実施例において、誘導コイル140に対する制御モードが受信モードである場合、制御部120は、エアロゾル生成物品の挿入を感知することができる。例えば、外部入力(例えば、装置をターンオンするためのユーザ入力)を介してエアロゾル生成装置100がオン(on)になれば、制御部120は、スイッチングモジュール200にシガレット認識部220と連結された端子を選択するように制御することができる。すなわち、スイッチングモジュール200を通じて誘導コイル140及びシガレット認識部220は、電気的に連結されうる。したがって、制御部120は、誘導コイル140のインダクタンス変化に基づいてエアロゾル生成物品の挿入を感知することができる。
【0065】
一実施例において、スイッチングモジュール200を通じて誘導コイル140及びシガレット認識部220が連結されれば、シガレット認識部220は、誘導コイル140に第1電力が供給されるように、バッテリ(例えば、
図1Aのバッテリ110)を制御することができる。この際、第1電力は、金属物質の挿入によって発生する誘導コイル140のインダクタンス変化を検出することができる最小限の電力量を意味する。
【0066】
一実施例において、シガレット認識部220は、誘導コイル140のインダクタンス変化に対応する周波数変化に基づいて、エアロゾル生成物品(例えば、
図1Aのエアロゾル生成物品15)が収容空間に挿入されたか否かを判断しうる。この際、インダクタンス変化に対応する周波数変化は、数式1を通じて演算されうる。
【0067】
【0068】
例えば、シガレット認識部220は、数式1を通じて誘導コイル140のインダクタンスLによる共振周波数(resonance frequency、f0)を演算する。すなわち、誘導コイル140に対してエアロゾル生成物品15が挿入される場合、誘導コイル140のインダクタンスL値は増加し、シガレット認識部220で測定される周波数f0値は減少する。
【0069】
一実施例において、誘導コイル140のインダクタンス変化に対応する共振周波数(ここで、「周波数」)の変化が既定値以上に増加する場合、シガレット認識部220は、エアロゾル生成物品15が挿入されたと判断する。例えば、金属物質を含むエアロゾル生成物品15が誘導コイル140の内部に挿入される場合、誘導コイル140のインダクタンス値は、3μHから2.5μHに減少する。シガレット認識部220は、インダクタンス変化である0.5μHに対応する周波数変化が既定値以上であることを感知し、エアロゾル生成物品15がエアロゾル生成装置100の内部に挿入されたと判断する。
【0070】
他の実施例において、シガレット認識部220は、誘導コイル140が含まれた発振回路において発振電圧の振幅に基づいて、エアロゾル生成物品15が収容空間に挿入されたか否かを判断する。例えば、誘導コイル140に対してエアロゾル生成物品15が挿入される場合、発振回路の抵抗が減少することにより、発振電圧の振幅が減少する。この際、発振電圧の振幅が既設定の振幅以下に減少する場合、シガレット認識部220は、エアロゾル生成物品15が挿入されたと判断する。
【0071】
一実施例において、エアロゾル生成物品15の挿入が感知されれば、制御部120は、スイッチングモジュール200を通じて誘導コイル140に対する制御モードを受信モードから発信モードに切り換える。すなわち、制御部120は、誘導コイル140に対する制御モードを発信モードに切り換えることにより、誘導コイル140に対してサセプタを貫通する可変磁場を発生させうる。例えば、エアロゾル生成物品15が挿入されたと判断されることにより、制御部120は、スイッチングモジュール200に加熱制御部210と連結される端子を選択するように制御しうる。すなわち、制御部120は、誘導コイル140の電気的な経路をシガレット認識部220と連結される第1経路から、加熱制御部210と連結される第2経路に変更しうる。
【0072】
一実施例において、スイッチングモジュール200を通じて誘導コイル140及び加熱制御部210が連結されれば、加熱制御部210は、誘導コイル140に第1電力よりも高い第2電力が供給されるようにバッテリ110を制御することができる。この際、第2電力は、誘導コイル140がサセプタ130を加熱することにより、エアロゾル生成物品15からエアロゾルが生成されうる電力量を意味しうる。または、第2電力は、誘導コイル140がサセプタ130を予熱するための電力量を意味することもできる。
【0073】
図3は、一実施例によるエアロゾル生成装置が誘導コイルに対する制御モードを制御することを示すフローチャートである。
図3の説明において、前述した内容に対応するか、同一または類似した内容は省略されうる。
【0074】
図3を参照すれば、制御部(例えば、
図2の制御部120)は、動作301において、エアロゾル生成物品(例えば、
図1Aのエアロゾル生成物品15)の挿入を感知するために誘導コイル(例えば、
図2の誘導コイル140)に対する制御モードを受信モードに設定しうる。例えば、制御部120は、誘導コイル140及びシガレット認識部(例えば、
図2のシガレット認識部220)が連結されるようにスイッチングモジュール(例えば、
図2のスイッチングモジュール200)を制御することで、誘導コイル140に対する制御モードを受信モードに設定することができる。
【0075】
一実施例において、誘導コイル140がシガレット認識部220と連結されることにより、制御部120は、誘導コイル140に第1電力が供給されるようにバッテリ(例えば、
図1Aのバッテリ110)を制御することができる。
【0076】
一実施例によれば、制御部120は、動作303において、エアロゾル生成物品15が挿入されたか否かを感知する。一実施例において、制御部120は、誘導コイル140に第1電力が供給される間に誘導コイル140のインダクタンス変化に基づいてエアロゾル生成物品15の挿入を感知することができる。例えば、第1電力が供給される間に誘導コイル140にはΦ1ほどの磁束(magnetic flux)が発生しうる。この際、数式2でのように、誘導コイル140のインダクタンスL値は、誘導コイル140の磁束Φに比例し、誘導コイル140に流れる電流iに反比例することができる。
【0077】
【0078】
第1電力が供給される間に、少なくとも一部に金属物質を含むエアロゾル生成物品15が誘導コイル140に近接すれば、誘導コイル140のインダクタンスL値が減少する。具体的に、エアロゾル生成物品15が誘導コイル140に近接することにより、誘導コイル140での磁束は減少する。この際、誘導コイル140での磁束をΦ1ほど保持するために、制御部120は、誘導コイル140に対してさらに高い電流i値に対応する電力を印加することになり、これにより、誘導コイル140のインダクタンスL値は減少する。例えば、制御部120は、第1電力が供給される間に誘導コイル140のインダクタンス値が3μHから2.5μHに減少することを感知する。誘導コイル140のインダクタンス値が0.5μHほど減少することに基づき、制御部120は、エアロゾル生成装置の収容空間にエアロゾル生成物品15が挿入されたと判断する。
【0079】
一実施例において、制御部120は、誘導コイル140のインダクタンス変化に対応する周波数変化に基づいてエアロゾル生成物品15が収容空間に挿入されたか否かを判断しうる。例えば、制御部120は、誘導コイル140のインダクタンス変化に対応する周波数変化が既設定の周波数変化以上であるか否かを感知する。誘導コイル140のインダクタンス変化に対応する周波数変化が既設定の周波数変化以上であると判断されれば、制御部120は、エアロゾル生成装置の収容空間にエアロゾル生成物品15が挿入されたと判断する。この際、既設定の周波数変化は、エアロゾル生成物品15に含まれる金属物質が誘導コイル140内部に挿入されつつ発生するインダクタンス変化に対応する周波数変化の最小値を意味する。
【0080】
一実施例において、エアロゾル生成物品15は、誘導コイル140のインダクタンス変化を発生させうる金属物質を含む。例えば、金属物質は、エアロゾル生成物品15の少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。この際、金属物質は,アルミニウム(Al)でもあるが、それに限定されない。
【0081】
一実施例によれば、エアロゾル生成物品15の挿入が感知されれば、制御部120は、動作305において、サセプタ(例えば、
図1Aのサセプタ130)に対して可変磁場を発生させるために、誘導コイル140に対する制御モードを発信モードに切り換える。例えば、制御部120は、誘導コイル140及び加熱制御部(例えば、
図2の加熱制御部210)が連結されるように、スイッチングモジュール200を制御することで、誘導コイル140に対する制御モードを発信モードに設定しうる。
【0082】
一実施例において、誘導コイル140が加熱制御部210と連結されることにより、制御部120は、誘導コイル140に第2電力が供給されるようにバッテリ110を制御する。例えば、制御部120は、加熱ICによって具現される加熱制御部210を介して誘導コイル140に第2電力が供給されるようにバッテリ110を制御することができる。この際、第2電力は、第1電力より高い電力でもある。
【0083】
一実施例によれば、エアロゾル生成物品15の挿入が感知されなければ、制御部120は、動作301に戻り、以下の段階を再遂行しうる。例えば、制御部120は、誘導コイル140のインダクタンス変化に対応する周波数変化が既設定の周波数未満であると判断されれば、動作301に戻る。すなわち、制御部120は、誘導コイル140に対する制御モードを受信モードに保持し、エアロゾル生成物品15の挿入を感知しうる。
【0084】
図4Aは、
図2に示されたスイッチングモジュール200の第1状態を説明するための図面である。
【0085】
図4Aを参照すれば、エアロゾル生成装置の電源状態がオン(on)になれば、制御部120は、誘導コイル140及びシガレット認識部220が連結されるようにスイッチングモジュール200を制御することができる。一実施例において、スイッチングモジュール200は、誘導コイル140及びシガレット認識部220が電気的に連結される端子を選択することができる。
【0086】
一実施例において、誘導コイル140及びシガレット認識部220が連結されれば、シガレット認識部220は、誘導コイル140に第1電力が供給されるようにバッテリ(例えば、
図1Aのバッテリ110)を制御することができる。
【0087】
一実施例において、シガレット認識部220は、誘導コイル140のインダクタンス変化量に係わるデータを獲得しうる。例えば、誘導コイル140に第1電力が供給されることにより、誘導コイル140の内部及び周辺領域には、第1電力に対応する磁場が生成されうる。生成された磁場に対して金属物質(または、磁性体)が挿入されれば、シガレット認識部220は、金属物質によって変形された磁場の程度に対応するインダクタンス変化量に係わるデータを獲得することができる。これにより、シガレット認識部220は、インダクタンス変化量に係わるデータを通じて、エアロゾル生成物品がエアロゾル生成装置100の収容空間に挿入されたか否かを判断しうる。
【0088】
図4Bは、
図2に示されたスイッチングモジュール200の第2状態を説明するための図面である。
【0089】
図4Bを参照すれば、エアロゾル生成物品15が挿入されたと判断されれば、制御部120は、誘導コイル140及び加熱制御部210が連結されるようにスイッチングモジュール200を制御することができる。一実施例において、スイッチングモジュール200は、誘導コイル140及び加熱制御部210が電気的に連結される端子を選択することができる。
【0090】
一実施例において、誘導コイル140及び加熱制御部210が連結されれば、加熱制御部210は、誘導コイル140に第2電力が供給されるようにバッテリ110を制御することができる。一実施例において、誘導コイル140は、誘導コイル140及びエアロゾル生成物品15の間に配置されるサセプタ(例えば、
図1Aのサセプタ130)を加熱するために可変磁場を発生させうる。例えば、誘導コイル140に第2電力が供給されることにより、誘導コイル140の内部及び周辺領域には、第2電力に対応する磁場が生成されうる。この際、第2電力は、第1電力より高く、第2電力に対応する磁場の強度は、第1電力に対応する磁場の強度より高い。一実施例において、誘導コイル140から発生した可変磁場を介してサセプタ130が加熱されれば、エアロゾル生成物品15からエアロゾルが生成されうる。
【0091】
図5は、一実施例によるエアロゾル生成装置が誘導コイルに対する制御モードを制御することを示すフローチャートである。
【0092】
図5を参照すれば、制御部(例えば、
図2の制御部120)は、動作501において、誘導コイル(例えば、
図2の誘導コイル140)に対する制御モードを発信モードに設定し、エアロゾル生成装置(例えば、
図2のエアロゾル生成装置100)の加熱動作を制御することができる。
【0093】
一実施例によれば、制御部120は、動作503において、誘導コイル140に対する制御モードを受信モードに切り換える。例えば、制御部120は、既設定の周期(例えば、3秒)に基づいて周期的に誘導コイル140に対する制御モードを受信モードに切り換える。他の例として、制御部120は、パフ数及び喫煙時間のうち少なくともいずれか1つのデータに基づいて誘導コイル140に対する制御モードを受信モードに切り換えることができる。
【0094】
制御部120は、動作505において、エアロゾル生成物品15が、依然として挿入されているか否かを感知しうる。すなわち、制御部120は、エアロゾル生成物品15がエアロゾル生成装置の収容空間から除去されたか否かを感知しうる。エアロゾル生成物品15の挿入と同様に、エアロゾル生成物品15が除去される場合、誘導コイル140のインダクタンスと共振周波数が変化されうる。したがって、例えば、制御部120は、第1電力が流れる誘導コイル140のインダクタンス変化に対応する周波数変化を感知し、エアロゾル生成物品15が収容空間に挿入された状態であるか否かを感知しうる。制御部120は、エアロゾル生成物品15が収容空間から除去されたことを感知していない場合、制御部120は、動作507において、誘導コイル140に対する制御モードを発信モードに切り換え、加熱動作を再開することができる。他方、制御部120がエアロゾル生成物品15が、収容空間から除去されたことを感知した場合、制御部120は、動作509において、受信モードを保持し、加熱動作が遂行されない。
【0095】
図6は、他の実施例によるエアロゾル生成装置を示すブロック図である。
【0096】
図6を参照すれば、エアロゾル生成装置600は、誘導コイル140及び制御部120を含みうる。
【0097】
一実施例において、制御部120は、誘導コイル140に対する制御モードを設定する。例えば、エアロゾル生成装置600は、別途のスイッチングモジュールなしに制御部120を通じて誘導コイル140に対する制御モードを設定する。この際、誘導コイル140に対する制御モードは、受信モードRx及び発信モードTxを含みうる。受信モードは、誘導コイル140を介してエアロゾル生成物品の挿入を感知するモードを意味し、発信モードは、誘導コイル140を介してエアロゾル生成物品を加熱するモードを意味しうる。
【0098】
一実施例において、制御部120は、誘導コイル140に対する制御モードを受信モードに設定し、誘導コイル140のインダクタンス変化を検出することができる。受信モードにおいて、制御部120は検出された誘導コイル140のインダクタンス変化に基づいて、エアロゾル生成物品の挿入を感知することができる。一実施例において、制御部120は、誘導コイル140に対する制御モードを発信モードに設定し、誘導コイル140に所定の電力を供給し、可変磁場を発生させうる。発信モードにおいて、誘導コイル140は、可変磁場が発生することにより、サセプタを加熱し、加熱されたサセプタによってエアロゾル生成物品からエアロゾルが生成されうる。
【0099】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含みうる。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0100】
図2に示された制御部120、加熱制御部210、シガレット認識部220のように図面でブロックで表示された構成要素、エレメントまたはユニット(以下「構成要素」と総称する)のうち、少なくとも1つは、実施例によって前述した各機能を遂行する多様なハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェア構造によって具現されうる。例えば、これら構成要素のうち少なくとも1つは、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置の制御を通じてそれぞれの機能が行えるメモリ、処理、ロジック、ルックアップテーブルのような直接回路構造を使用することができる。また、このような構成要素のうち少なくとも1つは、特定論理機能を遂行するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、プログラムまたはコードの一部によって具体的に具現されうる。また、これら構成要素のうち少なくとも1つは、それぞれの機能を遂行する中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサのようなプロセッサをさらに含みうる。前記例示的な実施例の機能的側面は、1つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによっても具現される。また、ブロックまたは処理段階によって表現される構成要素は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理のために任意の関連技術を使用することができる。
【0101】
上述した実施例に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、請求範囲によって決定されねばならず、請求範囲に記載した内容と同等な範囲にある全ての相違点は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれると解釈されねばならない。